JP7035169B2 - 超伝導量子コンピューティングのためのハイブリッド力学インダクタンスデバイス - Google Patents

超伝導量子コンピューティングのためのハイブリッド力学インダクタンスデバイス Download PDF

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Description

本開示は、量子情報処理システムのためのハイブリッド力学インダクタンスデバイスに関する。
量子コンピューティングは、古典的なデジタルコンピュータよりも効率的に特定の計算を実行するために、基底状態の重ね合わせやもつれなどの量子効果を利用する比較的新しい計算方法である。ビットの形態(例えば「1」または「0」)で情報を保存し、操作するデジタルコンピュータとは異なり、量子コンピューティングシステムは、キュービットを使用して情報を操作することができる。キュービットは、多重状態の重ね合わせ(例えば「0」及び「1」状態の両方にあるデータ)を可能にする量子デバイス及び/または、多重状態にあるデータの重ね合わせそれ自体を指しうる。従来の用語によれば、量子システム内の「0」及び「1」状態の重ね合わせは、例えばα|0>+β|1>として表されうる。デジタルコンピュータの「0」及び「1」状態は、それぞれキュービットの|0>及び|1>の基底状態に類似する。値|α|は、|0>状態にあるキュービットの確率を表し、値|β|はキュービットが|1>の基底状態にある確率を表す。
一般に、いくつかの態様において、本開示の対象は、基板と、第1の力学インダクタンスを有する、基板上の第1の超伝導体層と、第1の超伝導体層上の第2の超伝導体層であって、第2の超伝導体層が、第1の力学インダクタンスよりも低い第2の力学インダクタンスを有する、第2の超伝導体層と、を含み、第1の超伝導体層及び第2の超伝導体層が所定の回路パラメータを有する回路素子を形成するように第2の超伝導体層が除かれた第1の領域を少なくとも除いて、第2の超伝導体層及び第1の超伝導体層が同じフットプリントを有するように、第2の超伝導体層が第1の超伝導体層を覆う、デバイスとして実施されうる。
このデバイスの実施例は、以下の特徴の1つまたは複数を含みうる。例えば、いくつかの実施例において、第2の超伝導体層が、第1の超伝導体層と比較してより低いインピーダンス電流経路を提供する。
いくつかの実施例において、第1の超伝導体層全体のインダクタンスの50%超が、第1の力学インダクタンスに起因する。いくつかの実施例において、第1の超伝導体層全体のインダクタンスの90%超が、第1の力学インダクタンスに起因する。いくつかの実施例において、第2の超伝導体層全体のインダクタンスの50%未満が、第2の力学インダクタンスに起因する。
いくつかの実施例において、所定の回路パラメータが、共振周波数を有する。
いくつかの実施例において、所定の回路パラメータが、回路素子の中心周波数またはカットオフ周波数である。
いくつかの実施例において、所定の回路パラメータが、回路素子の特性インピーダンスである。
いくつかの実施例において、回路素子が、キュービット測定共振器を含む。
いくつかの実施例において、回路素子が、共平面導波路を含む。
いくつかの実施例において、回路素子が、周波数フィルターを含む。周波数フィルターがバンドパスフィルターでありうる。
いくつかの実施例において、第1の超伝導体層が窒化チタンである。
いくつかの実施例において、第1の超伝導層が窒化ニオブである。
いくつかの実施例において、第1の超伝導体層が超伝導セラミックである。いくつかの実施例において、第2の超伝導体層がアルミニウムである。
一般に、別の態様において、本開示の対象は、第1の所定の共振器周波数を有する第1の超伝導体トレースと、第1の所定の共振器周波数と異なる第2の所定の共振器周波数を有する第2の超伝導体トレースと、を含み、第1の超伝導体トレース及び第2の超伝導体トレースがそれぞれ、第1の超伝導体材料の第1の層及び、第1の層の上の第2の超伝導体材料の第2の層を含み、第1の超伝導体トレースのフットプリントが、第2の超伝導体トレースのフットプリントと同じである、システムとして実施されうる。
システムの実施例は、以下の特徴の1つまたは複数を有しうる。例えば、いくつかの実施例において、第1の超伝導体材料が第1の力学インダクタンスを有し、第2の超伝導体材料が、第1の力学インダクタンスよりも低い第2の力学インダクタンスを有する。第1の超伝導体トレースに関して、第2の超伝導体層のフットプリントが、少なくとも第1の領域を除いて第1の超伝導体層のフットプリントと整合し、第1の超伝導体トレースが第1の所定の共振器周波数を有するように、第1の領域において、第2の超伝導体層が除去された状態である。第2の超伝導体トレースに関して、第2の超伝導体層のフットプリントが、少なくとも第2の領域を除いて第1の超伝導体層のフットプリントと整合し、第2の超伝導体トレースが第2の所定の共振器周波数を有するように、第2の領域において第2の超伝導体層が除去された状態である。第1の超伝導体トレースが第1のキュービット測定共振器であり、第2の超伝導体トレースが第2のキュービット測定共振器でありうる。第1の超伝導体トレースが第1の周波数フィルターであってもよく、第1の所定の共振器周波数が、第1の周波数フィルターのカットオフまたは中心周波数であってもよく、第2の超伝導体トレースが第2の周波数フィルターであってもよく、第2の所定の共振器周波数が、第2の周波数フィルターのカットオフまたは中心周波数であってもよい。
一般に、いくつかの別の態様において、本開示の対象は、誘電体層と、誘電体層に埋め込まれた超伝導体トレースであって、超伝導体トレースが、第1の力学インダクタンスを有する第1の超伝導体材料を含む、超伝導体トレースと、誘電体層内にあり、第1の超伝導体トレースへ延在するビアコンタクトと、を含み、ビアコンタクトが、第1の力学インダクタンスよりも低い第2の力学インダクタンスを有する第2の超伝導体材料を含む、超伝導体ストリップラインとして実施されうる。いくつかの実施例において、第1の超伝導体材料の全インダクタンスの50%超が、第1の力学インダクタンスに起因する。いくつかの実施例において、第1の超伝導体材料の全インダクタンスの90%超が、第1の力学インダクタンスに起因する。いくつかの実施例において、第2の超伝導体材料の全インダクタンスの50%未満が、第2の力学インダクタンスに起因する。
いくつかの実施例において、第1の超伝導体材料の単位長さあたりのインダクタンスが、第2の超伝導体材料の単位長さあたりのインダクタンスよりも高い。
一般に、他の態様において、本開示の対象は、基板と、基板上の超伝導体トレースを含む回路素子と、を含み、超伝導体トレースの全インダクタンスの50%超が超伝導体トレースを形成する超伝導体材料の力学インダクタンスに起因し、超伝導体トレースの第1の領域が、第1の力学インダクタンスを示す第1の断面領域を有し、超伝導体トレースの第2の領域が、第2の力学インダクタンスを示す第2の断面領域を有し、第1の力学インダクタンスが第2の力学インダクタンスと異なり、回路素子が所定の回路パラメータを有するように、第1の断面領域が第2の断面領域と異なる、デバイスとして実施されうる。
デバイスの実施例は、以下の特徴の1つまたは複数を有しうる。例えば、いくつかの実施例において、所定の回路パラメータが共振周波数である。いくつかの実施例において、超伝導体材料が窒化チタン、窒化ニオブまたは超伝導体セラミックを含む。
いくつかの実施例において、回路素子がキュービット測定共振器を含む。
いくつかの実施例において、回路素子が周波数フィルターを含む。
いくつかの実施例において、超伝導体トレースの全インダクタンスの90%超が、超伝導体材料の力学インダクタンスに起因する。
いくつかの実施例において、超伝導体トレースが超伝導体材料からなる。
本明細書で説明される対象の特定の実施例は、以下の利点の1つまたは複数を実現しうる。例えば、いくつかの実施例において、実質的に異なる幾何学的寸法を有さずに異なる所定の共振特性を有する同じ種類の回路素子(例えば、キュービット、キュービット測定共振器、共平面導波路、信号トレース、その他の種類の回路素子)を製造することが可能である。回路素子を、少なくとも部分的に、高力学インダクタンス材料から形成することによって、いくつかの実施例では、量子情報処理システムの設計の複雑さを低減することが可能である。特に、同じ種類の回路素子が、様々な回路素子のそれぞれにおいて異なる大きさまたは異なる材料の使用を必要とすることなく、異なる共振特性を有するように形成されうる。さらに、同じ大きさでありながら異なる共振特性を有する回路素子を製造することは、いくつかの実施例において、空間を解放し、量子情報処理システム内の回路素子の密度を増加させることを可能にすることができる。さらに、いくつかの実施例では、回路素子を、少なくとも部分的に、高力学インダクタンス材料から形成することにより、高力学インダクタンス材料を使用せずに製造された同じ回路素子と比較して、回路素子が、より小型な幾何形状で所定の共振特性を有することを可能にする。
1つまたは複数の実施例の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。他の特徴及び利点は、説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
第1の回路素子の例の平面図及び断面図(線A-Aにおける)を概略的に示す。 第2の回路素子の例の平面図及び断面図(線B-Bにおける)を概略的に示す。 高力学コンダクタンス材料から、少なくとも部分的に製造されたキュービット及び測定共振器を含むシステムの例の平面図を概略的に示す。 第1の超伝導測定共振器の例の平面図を概略的に示す。 第2の超伝導測定共振器の例の平面図を概略的に示す。 高力学インダクタンスを有する超伝導材料から形成された回路素子の例を概略的に示す。 超伝導量子情報処理システムのためのストリップライン設計の例の、平面図及び線A-Aを通る断面図を示す概略図である。
量子コンピューティングは、量子情報処理システムの量子ビット(キュービット)に保存された量子情報をコヒーレントに処理することを伴う。量子情報処理システム内のキュービットの数が増加するにつれ、システムの計算能力は実質的に増加し、特定の複雑な問題に対して、古典的なコンピューティングシステムをはるかに超える処理能力を提供する可能性がある。
超伝導量子情報処理システムは、超伝導材料を用いて形成され、500MHzから20GHzなどの数百MHzから数百GHzの範囲のマイクロは信号の印加を通して原理的に制御される回路素子を含みうる。いくつかの実施例において、キュービットなどの超伝導量子情報処理システムの回路素子は、「共鳴」条件を示す場合があり、そこでは、マイクロ波制御信号が異なる状態(例えば、キュービットの異なる状態)の間の遷移を駆動するために使用される。さらに、マイクロ波は、キュービットに結合された測定共振器を通してキュービットの状態を測定するのに使用されうる。超伝導量子情報処理システムのそのような回路素子に関連した共振条件および共振周波数は、回路素子に関連した全体のインダクタンスに関係する。そのため、共振条件及び/または共振周波数を修正するための1つの方法は、回路素子の幾何学的構成を変更することにより、回路素子全体のインダクタンスを変化させることである。
代替的に、本明細書に開示されるように、回路素子全体のインダクタンス、したがって共振特性は、少なくとも部分的に、高力学インダクタンスLを示す材料から回路素子を形成することによって修正されうる。力学インダクタンスは、等価直列インダクタンスとして、交流電場における可動電荷キャリアの慣性質量の発現である。力学インダクタンスは、高キャリア移動度導体及び超伝導体において、非常に高い周波数(例えばマイクロ波周波数の範囲)で観察されうる。力学インダクタンスは、印加される電流によって誘導される磁場に起因して蓄えられるエネルギーに関し、伝導体の幾何形状に依存する超伝導体の幾何学的磁気インダクタンスLとは対照的である。そのため、幾何学的インダクタンスは材料には依存せず、その一方力学インダクタンスは材料に対する依存性を有する。幅W及び厚さtの超伝導ストリップの一般的な場合について、単位長さあたりの力学インダクタンスLは、以下で表されうる。
Figure 0007035169000001
ここで、μは真空の透磁率であり、λはロンドンの磁場侵入長である。同様に、超伝導共平面導波路共振器について、力学インダクタンスは
Figure 0007035169000002
で表され、gは中央トレースの幅W、中央トレースの厚さt及び、中央トレースとグラウンド面との間の間隔幅sの関数である。インダクタンスはトレースの幅及び長さの両方に依存するため、力学インダクタンスも、面積当たりのインダクタンスとして表されうる。超伝導材料について、単位長さあたりの全インダクタンスは、L=L+Lと表されうる。ある超伝導体について、幾何学的磁気インダクタンスの値は、力学インダクタンスと比較して無視することができ、L~Lである。したがって、共平面導波路の例について、導波路全体のインダクタンスは、共平面導波路の幅からギャップ比までの単位長さあたりの幾何学的インダクタンス及び、導波路について使用される材料に従って変化し、幾何学的インダクタンスに依存しない(が導波路の幾何学的形状にも依存する)面積当たりの力学インダクタンスに起因しうる。
超伝導体材料の力学インダクタンスはまた温度とともに変化しうるが、本明細書で言及される力学インダクタンスは、力学インダクタンスが関連付けられる超伝導体の臨界温度である、またはそれ以下である環境において示される値に対応し、そのような温度レジームにおいて一般に一定である。
超伝導量子情報処理システムに典型的に適用される周波数(例えば、500MHzから20GHz)において高力学インダクタンスを示す材料を使用することによって、いくつかの実施例において、実質的に異なる幾何学的寸法を有さずに異なる所定の共振特性を有する同じ種類の回路素子(例えばキュービット、キュービット測定共振器、共平面導波路、信号トレース、及びその他の種類の回路素子)を製造することが可能である。例えば、超伝導回路素子は、第1の幾何学的寸法のセット(例えば長さ及び幅)及び第1の所定の共振周波数を有するように形成されてもよく、その一方、第2の超伝導回路素子は、第1のキュービット測定共振器と同じ幾何学的寸法(例えば長さ及び幅)を有するが、第2の超伝導回路素子全体のインダクタンスに寄与する高力学インダクタンス材料の量を変化させることによって異なる所定の共振周波数を有するように形成されうる。
少なくとも部分的に、高力学インダクタンス材料から回路素子を形成することによって、いくつかの実施例において、量子情報処理システムの設計の複雑さを低減させることができる。特に、同じ種類の回路素子が、様々な回路素子のそれぞれについて、異なる大きさまたは異なる材料の使用を必要とせずに、異なる共振特性を有するように形成されうる。さらに、同じ大きさであるが異なる共振特性を有するように回路素子を製造することは、いくつかの実施例において、空間を解放することができ、量子情報処理システム内の回路素子の密度の増大を可能にすることができる。さらに、いくつかの実施例において、少なくとも部分的に、高力学インダクタンス材料から回路素子を形成することにより、回路素子が、高力学インダクタンス材料を使用することなく製造された同じ回路素子と比較してより小型の幾何学的形状で所定の共振特性を有することができる。
図1Aは、第1の回路素子100の例の平面図及び断面図(線A-Aにおける)を概略的に示し、図1Bは、第2の回路素子150の例の平面図及び断面図(線B-Bにおける)を概略的に示している。第1の回路素子100及び第2の回路素子150はそれぞれ、例えば薄膜信号トレースでありうる。信号トレースは、制御及びデータ回路素子へ、並びに制御及びデータ回路素子から信号を伝送するために、量子情報処理デバイス内で使用されうる。例えば、いくつかの実施例において、信号トレースは、空気ギャップ及びグラウンド面によってそれぞれの側に水平に境界を画定された中央トレースなどの、共平面導波路の一部を形成する。そのような共平面導波路は、異なるキュービットの状態の間の遷移を生じるために、キュービットに1つまたは複数の制御信号を提供するように、キュービットに結合されうる。いくつかの実施例において、信号トレースは、キュービットの状態を読み出すためのキュービット測定共振器の一部を形成する。いくつかの実施例において、信号トレースは、2つもしくはそれ以上のキュービットまたはその他の回路素子を、誘導的にまたは静電容量的に1つに結合するためのキュービット結合素子の一部を形成する。いくつかの実施例において、信号トレースは、共平面導波路の一部ではなく、ストリップライン構成の一部である。すなわち、信号トレースは、グラウンド面によって上部及び底部に境界を画定された誘電体基板に埋め込まれる。
第1の回路素子100及び第2の回路素子150はそれぞれ、シリコンまたはサファイアウェハなどの誘電体基板102の上に形成される。第1の回路素子100は幅101及び長さ103を有し、第2の回路素子150は幅107及び長さ109を有する。第1の回路素子100のフットプリントは、幅101及び長さ103によって画定される基板表面の領域に対応する。第2の回路素子150のフットプリントは、幅107及び長さ109によって画定される基板表面の領域に対応する。
さらに、図1A及び1Bの断面に示されるように、第1の回路素子100及び第2の回路素子150はそれぞれ、2層の材料を含む。すなわち、第1の回路素子100及び第2の回路素子150はそれぞれ、基板102の上の第1の層108と、第1の層108の上の第2の層110を含む。第1の回路素子100において、第2の層110は、第1の層108の上面を完全に覆う。第2の回路素子150において、第1の部分または領域120は、第2の層110を有さず、第1の層108の上面を開放/露出する。回路素子150の第2の部分または領域130において、第2の層110は、第1の層108の上面を覆う。
第1の層108は、第2の層110を形成する材料の力学インダクタンスと比べて高い力学インダクタンスを有する材料から形成される。例えば、第1の層108は、例えば、窒化チタン、窒化ニオブチタン、窒化ニオブ、ケイ化タングステン、ケイ化白金、及び超伝導酸化アルミニウムなどの超伝導体及び/またはセラミックを含む、高い力学インダクタンスを示す材料から形成されうる。第2の層110は、例えば、アルミニウム、インジウム、モリブデン及びルテニウムなどの材料を含む、力学インダクタンスを全く示さないか、または第1の層108の材料よりもはるかに小さい力学インダクタンスを示す材料から形成されうる。力学インダクタンスは、超伝導システムにおいて50MHzから20GHzの範囲の周波数で変化することができる一方、固定されたサイズの素子では、力学インダクタンスは、ロンドンの磁場侵入長に応じた材料の一定値である。本明細書で説明されるように、超伝導量子情報処理システムは、例えば300MHzから300GHzの間など、500MHzから20GHzを含むマイクロ波周波数の範囲内の信号の適用を伴う。そのため、本明細書で記述される例に関して、超伝導材料は、マイクロ波周波数範囲(例えば500MHzから20GHzの間)で印加された電磁場に対して、超伝導材料の臨界温度以下の温度において「高い」または「低い」力学インダクタンス値を有するものと理解される。
いくつかの実施例において、第1の層108は、第1の力学インダクタンスを有する材料から形成されてもよく、その一方、第2の層110は、第2の異なる力学インダクタンスを有する材料から形成されてもよい。いくつかの実施例において、第1の層108全体のインダクタンスは、第1の力学インダクタンスLK1及び幾何学的磁気インダクタンスLの両方に起因する。例えば、いくつかの実施例において、第1の層108全体のインダクタンスLの50%超が、第1の力学インダクタンスLK1に起因し、第1の層108全体のインダクタンスLの60%超が、第1の力学インダクタンスLK1に起因し、第1の層108全体のインダクタンスLの70%超が、第1の力学インダクタンスLK1に起因し、第1の層108全体のインダクタンスLの80%超が、第1の力学インダクタンスLK1に起因し、または第1の層108全体のインダクタンスLの90%超が、第1の力学インダクタンスLK1に起因する。
同様に、いくつかの実施例において、第2の層110全体のインダクタンスは、第2の力学インダクタンスLK2及び、第2の層の形状に起因し、材料とは無関係である幾何学的磁気インダクタンスの両方に起因する。例えば、いくつかの実施例において、第2の層110全体のインダクタンスLの50%未満が第2の力学インダクタンスLK2に起因し、第2の層110全体のインダクタンスLの40%未満が第2の力学インダクタンスLK2に起因し、第2の層110全体のインダクタンスLの30%未満が第2の力学インダクタンスLK2に起因し、第2の層110全体のインダクタンスLの20%未満が第2の力学インダクタンスLK2に起因し、または第2の層110全体のインダクタンスLの10%未満が第2の力学インダクタンスLK2に起因する。
時間変動する電場または磁場が第1の回路素子100及び第2の回路素子150のそれぞれに印加される場合、電流が、第1の回路素子100及び第2の回路素子150のそれぞれに生じうる。第2の層110は、電流が主に第2の層110を通って流れる(第1の層108を通って流れうる電流のレベルは無視できる)ように、第1の層108に比べて低いインピーダンスの電流経路を提供する。すなわち、電流は、ゼロまたは、高い力学インダンクタンスを示す材料と比較して低い力学インダクタンスを示す材料を主に通って流れる。第2の層110は、第1の層108の周りの短絡回路として有効に働く。第2の層110がゼロまたは比較的低い力学インダクタンス(例えば、全インダクタンスの50%未満が力学インダクタンスに起因する)を有するため、第1の回路素子100全体のインダクタンスは、第2の層の、第2の層110を形成する材料の幾何学的インダクタンス(透磁率及び形状から得られる)に起因するインダクタンスによって主に決定されうる。
対照的に、本明細書で説明されるように、第2の回路素子150において、第1の部分または領域120は、第2の層110を有さず、第1の層108の上面を開放/露出する。回路素子150の第2の部分または領域130において、第2の層110は、第1の層108の上面を覆う。再び、第2の層110は、第1の層108に対して低いインピーダンスの電流経路を提供する。したがって、第2の回路素子150に対する、マイクロ波周波数範囲の周波数を有する時間変動する電場または磁場の印加において、電流は、第2の領域130における第2の層110を主に通って流れ、第1の領域120における第1の層108を通って流れる。すなわち、電流は、領域130におけるゼロまたは低い力学インダクタンスを示す材料を主に通って流れ、領域120における高い力学インダクタンスを示す材料を通って流れる。第2の層110は、領域130の第1の層108の周りの短絡回路として有効に働く。そのため、第2の回路素子150全体のインダクタンスは、領域130における第2の層110のインダクタンス及び形状(例えば、長さ、幅及び高さ)並びに、領域120の第1の層108の力学インダクタンスによって決定される。
本明細書で説明されるように、いくつかの実施例において、第1の層108全体のインダクタンスは、材料の透磁率によるインダクタンスよりも、力学インダクタンス値に実質的に起因しうる。例えば、第1の層108全体のインダクタンスの90%超が、その力学インダクタンスに起因しうる。
第1の層108の力学インダクタンスがその層の幾何学的インダクタンスに比べて高いため、力学インダクタンスは、回路素子全体のインダクタンスを顕著に増大させる。結果的に、第2の回路素子は、同じ長さ109を有するように形成されてもよく、第2の回路素子150の幅107は、同じ材料(例えばアルミニウム及び窒化チタン)を用いて、第1の回路素子100の長さ103及び幅101とそれぞれ等しく作ることが可能であるが、第1の回路素子は、第2の回路素子150全体のインダクタンスとは異なる全体インダクタンスを示すこととなり、そのため、共振周波数など異なる共振特性を示すこととなる。すなわち、第1の回路素子100及び第2の回路素子150は、同じ材料を用いて基板表面上で同じフットプリントを有しうるが、異なる所定の回路パラメータ(例えば、異なる全体インダクタンスおよび共振特性または異なる特性インピーダンス)を有しうる。そのため、露出されており、または第2の層(低い、またはゼロの力学インダクタンスを示す)によって覆われていない第1の層(高い力学インダクタンスを示す)の量を変更することによって、基板表面上の回路素子のフットプリントを変更することなく回路素子の回路パラメータ(例えば全体インダクタンスおよび共振特性)を変更することが可能であるということになる。
図1に関して説明されるように、回路素子100、150は、キュービットの状態を読み出すためのキュービット測定共振器の一部を形成しうる。図2は、高力学コンダクタンス材料から、少なくとも部分的に製造されたキュービット及び測定共振器を含むシステムの例の平面図を概略的に示す。具体的に、図2は、第1のキュービット測定共振器対200及び第2の隣接するキュービット測定共振器対250の例を示している。第1のキュービット測定共振器対200は、キュービット202及び、キュービット202に(例えば、直接的な電気接続、静電容量結合または誘導結合を通して)結合された測定共振器204を含む。第2のキュービット測定共振器対250は、キュービット206及び、キュービット206の端部に(例えば直接的な電気接続、静電容量結合または誘導結合を通して)結合された測定共振器208を含む。キュービット202及びキュービット206はそれぞれ、位相キュービット、電荷キュービットまたは磁束キュービット(例えば、共平面導波路磁束キュービット)などの超伝導キュービットを含みうる。さらに、測定共振器204及び208はそれぞれ、共平面導波路である。容易に見られるように、グラウンド面は省略され、共平面導波路の中央伝導体のみが図2に示されている。測定共振器204及び208はそれぞれ、少なくとも部分的に、2層の薄膜から形成される。すなわち、測定共振器204、208はそれぞれ、第1の力学インダクタンスを有する超伝導材料の第1の層及び、超伝導材料の第1の層の上の超伝導材料の第2の層を含み、超伝導材料の第2の層は、第2の力学インダクタンスを有する。第1の力学インダクタンスは、マイクロ波周波数範囲(例えば、500MHzから20GHzの間)の第2の力学インダクタンスよりも高い。例えば、各測定共振器の第1の層は、窒化チタン、窒化ニオブまたは超伝導酸化アルミニウムを含んでもよく、その一方第2の層はアルミニウムを含んでもよい。各測定共振器204、208の超伝導体材料の第1の層の厚さは、同じでありうる。同様に、各測定共振器204及び208の、第2の層が提供される場所の第2の超伝導体層の厚さは、同じでありうる。例えば、各共振器の超伝導材料の第1の層の厚さは、数ナノメートルから約100ナノメートルの間であってもよく、その一方各共振器の超伝導材料の第2の層の厚さは、約10ナノメートルから約数ミクロンの間でありうる。そのため、第1の測定共振器204及び第2の測定共振器208は、信号トレースに関して図1に示されたものと同様の2つの層から形成される。図2に示されたデバイスは、シリコンまたはサファイアなどの誘電体基板上に製造される。
第1の測定共振器204及び第2の測定共振器208はそれぞれ、同じ中央伝導体の長さlを有し、長さlは、共振器が結合されるキュービットに近い中央伝導体の端部と、共振器が結合されるキュービットから遠い中央伝導体の端部との間の経路長に対応する。第1の測定共振器204及び第2の測定共振器208はそれぞれ、同じ中央伝導体の線幅wも有する。さらに、中央伝導体と隣接するグラウンド面との間のギャップ幅は同じである。したがって、第1の測定共振器204及び第2の測定共振器208はともに、同じフットプリントを有する。
図2に示されるように、第1の測定共振器204と第2の測定共振器208との間の差異は、第2の測定共振器208が長さsを有する、第2の超伝導体層が存在しないか、または除去されて第1の超伝導体層を露出/開放する中央伝導体の領域210を含むことである。第1の測定共振器204に関して、所定の周波数(例えばマイクロ波周波数範囲)を有する時間変動する電場が印加されると、電流は、第1の超伝導体層と比較して低い第2の超伝導体層全体のインピーダンスに起因して、第2の超伝導体層を主に通って流れることとなる。そのため、第1の測定共振器204は、第2の超伝導体層のインダクタンスLに基づく基本共振周波数f01を示すこととなる。例えば、四分の一波キュービット読み出し共振器に関して、共振周波数f01は、
Figure 0007035169000003
として表されてもよく、Cは単位長さあたりの静電容量である。バンドパスフィルタに関して、f01は、
Figure 0007035169000004
として表されうる。
対照的に、第2の測定共振器208に関して、所定の周波数(例えばマイクロ波周波数範囲内)を有する時間変動電場が印加される場合、電流は、第2の超伝導体層を含む中央伝導体の部分のみを通って、第2の超伝導体層を主に通って流れることとなる。第2の超伝導体層がない、または除去された中央伝導体の部分210に関して、電流は第1の超伝導体層を通って流れる。そのため、第2の測定共振器208は、第2の超伝導体層が存在する場所における第2の超伝導体層のインダクタンスLに基づき、第2の超伝導体層が存在しない場所における第1の超伝導体層のインダクタンスLに基づく全体インダクタンスを示す。共振器208に関して第2の超伝導体層のインダクタンスLは、その幾何学的インダクタンスに主に起因しうる。共振器208に関して第1の超伝導体層のインダクタンスLは、第1の超伝導体層の力学インダクタンスおよび、第2の超伝導体層が存在しない領域における第1の超伝導体層の形状に起因しうる幾何学的インダクタンスの関数として表されうる。例えば、第1の超伝導体層のインダクタンスの50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超が、第1の超伝導体層を形成する材料の力学インダクタンスに起因しうる。高力学インダクタンス材料を露出する部分210のために、第2の測定共振器全体のインダクタンスは、第1の測定共振器全体のインダクタンスよりも高くなる。さらに、共振器208の基本共振周波数f02は、(L+L)の関数として表されうる。例えば、四分の一波キュービット読み出し共振器について、共振周波数f01
Figure 0007035169000005
として表されてもよく、sはトレースの長さであり、Cは単位長さあたりの静電容量である。バンドパスフィルターに関して、周波数は、四分の一波キュービット読み出し共振器の周波数の半分となる。したがって、図2に示されたシステムは、それぞれ基板上で同じフットプリントを有するが、異なる基本動作周波数を有する2つのキュービット測定共振器を含み、量子情報処理システムの単純化及び均一な設計を可能にする。
図2はキュービット測定共振器の例を示すが、本開示の対象は、他の種類の共振器にも適用されうる。例えば、いくつかの実施例において、複数のバンドパスフィルターが形成されてもよく、各バンドパス共振器は、基板上に同じ全体フットプリントを有する2層の薄膜を含むが、高い力学インダクタンスを示す第1の超伝導体層上の、低い力学インダクタンスを示す第2の超伝導体層の被覆は、バンドパス共振器ごとに異なる。読み出し共振器は、グラウンドに短絡された共振器の一端と、開回路の反対側の一端とを有し、その一方バンドパスフィルタは、共振器の両端が開回路である。低い力学インダクタンスを有する第2の超伝導体層の被覆を変更することによって、バンドパス共振器は、異なる中心周波数を示すこととなる。
同様に、いくつかの実施例について、複数のローパスフィルターが形成されてもよく、各ローパスフィルターは、基板上に同じ全体フットプリントを有する2層の薄膜を含むが、高い力学インダクタンスを示す第1の超伝導体層上の、低い力学インダクタンスを示す第2の超伝導体層の被覆は、ローパスフィルターごとに異なる。低い力学インダクタンスを有する第2の超伝導体層の被覆を変更することにより、ローパスフィルター共振器は、異なるカットオフ周波数を示しうる。
同様に、いくつかの実施例において、複数のハイパスフィルターが形成されてもよく、各ハイパスフィルターは、基板上に同じ全体フットプリントを有する2層の薄膜を含むが、高い力学インダクタンスを示す第1の超伝導体層上の、低い力学インダクタンスを示す第2の超伝導体層の被覆は、ハイパスフィルターごとに異なる。低い力学インダクタンスを有する第2の超伝導体層の被覆を変更することにより、ハイパスフィルター共振器は、異なるカットオフ周波数を示しうる。
高い力学インダクタンスを有する超伝導材料の使用はまた、より低い力学インダクタンスを有する材料から形成されたより大きな回路素子と同じインダクタンスを示し、そのため同じ共振特性を示す、より小型の回路素子を形成することを可能にする。図3A及び3Bは、第1の超伝導測定共振器300及び第2の超伝導測定共振器350の平面図をそれぞれ示す概略図である。図2の測定共振器と同様に、第1及び第2の測定共振器300、350はそれぞれ、一定のギャップ幅によってグラウンド面から水平方向に離隔された中央伝導体を含む。容易に見ることができるように、グラウンド面は、図3A及び3Bから省略されている。しかし、図2の共振器とは対照的に、第1の測定共振器300及び第2の測定共振器350は、低力学インダクタンス材料及び高力学インダクタンス材料の両方を有する2層膜からは形成されていない。むしろ、第1の測定共振器300は、アルミニウムなど、印加される電場の所定の周波数(例えば500MHzから20GHzの間)で低い力学インダクタンスを有する超伝導材料の薄膜(例えば、約数nmから約2ミクロン)から全体として形成される。第2の測定共振器350は、窒化チタンまたは窒化ニオブなどの、所定の周波数で高い力学インダクタンス(例えば、共振器300を形成する材料の力学インダクタンスと比較して9:1の比の力学インダクタンス)を有する超伝導体材料の薄膜(例えば約数nmから約2ミクロン)から全体として形成される。図3A及び3Bに示されるように、第1の測定共振器300は、第2の測定共振器350よりもずっと長い中央トレース長を有する。共振器300を構成する材料の力学インダクタンスと比較して、共振器350を構成する材料の力学インダクタンスがより高いために、共振器350は、共振器300と同じ全体インダクタンスを提供するが、ずっと短い中央トレース長を有するように形成されうる。いくつかの実施例において、キュービット測定共振器などの量子情報処理デバイスの全体を、高力学インダクタンス材料の外に形成することは、デバイスに印加される低周波数波形(例えば0から約300MHzの間)を意図せず歪ませうる一方、高力学インダクタンス材料及び低力学インダクタンス材料(例えば、ともに超伝導体)の両方から形成された量子情報処理デバイスは、低力学インダクタンス材料が、高力学インダクタンス材料の周りにより低いインピーダンス経路を提供するように働くと仮定すると、より小さな波形歪みを導入しうる。
図4は、高い力学インダクタンスを有する超伝導材料から形成された回路素子400(例えばキュービット測定共振器)の例を概略的に示しており、回路素子内の力学インダクタンスの値は、異なる領域で、これらの領域内の回路素子の幾何学的寸法(例えば回路素子の厚さ)を変更することによって変化する。図4は、キュービット測定共振器400の平面図及び、共振器400の線A-Aを通る断面図を示す。共振器200と同様に、共振器400は、一定のギャップ幅によって、グラウンド面から水平方向に離隔された中央伝導体を含む。図示を容易にするために、グラウンド面は図4から省略される。共振器400は、約500MHzから20GHzの周波数範囲内で高い力学インダクタンスを示す超伝導材料402からその全体が形成される。例えば、いくつかの実施例において、共振器400は、窒化チタンまたは窒化ニオブから形成される。
図4の断面図に示されるように、共振器400の厚さは、第1の端部から第2の端部まで中央伝導体の長さに沿って変化する。すなわち、第1の領域406において、超伝導材料402の厚さは、第1の厚さ(例えば500nm)を有する。第2の領域408において、超伝導材料402は、第1の厚さより小さい第2の厚さ(例えば100nm)を有するように薄くされる。第3の領域410において、超伝導材料402は、第1及び第2の厚さの両方よりも小さい第3の厚さ(例えば20nm)を有するようにさらに薄くされる。共振器400の厚さは領域406から410まで減少するため、各領域に関する単位長さあたりの力学インダクタンスが増加する。例えば、領域406における単位長さあたりの力学インダクタンスの値は、領域408及び410における単位長さあたりの力学インダクタンスよりも高く、その一方、領域408における単位長さあたりの力学インダクタンスの値は、領域410における単位長さあたりの力学インダクタンスよりも高くなりうる。そのため、共振器400全体のインダクタンスは、特定の実施形態において、領域406、408、410のそれぞれにおいて示される特定の力学インダクタンスの値に基づいて決定されうる。したがって、長さに沿って超伝導体の厚さを変更することは、回路素子のフットプリントを変化させる必要なく、回路素子全体のインダクタンスを変化させる別の手法を提供する。
例えば、いくつかの実施例において、システムは、基板上で同じフットプリント(例えば中央導体経路の同じ長さ及び同じ幅)をそれぞれ有する、同じ種類の複数の量子情報処理デバイス(例えばキュービット測定共振器)を含みうる。各デバイスはまた、所定の周波数で高い力学インダクタンスを有する材料(例えば、500MHzから20GHzの周波数を有する電場を印加された窒化チタンまたは窒化ニオブ)から形成されうる。そのため、各量子情報処理デバイスそれぞれの全体のインダクタンス、及びすなわち共振特性(例えば中心周波数)は、基板上のデバイスのフットプリントを変更することなく、デバイスに沿った1つまたは複数の異なる領域で、高力学インダクタンス材料の量を変化させることによって(例えば、高力学インダクタンス材料の厚さを変化させることによって)、変更されうる。
いくつかの実施例において、高い力学インダクタンスを示す材料を、低い力学インダクタンスを示す材料と組み合わせることは、例えば、インピーダンス整合を実施するために、回路素子の特性インピーダンスを変更するために使用されうる。例えば、ストリップラインは、共平面導波路の単位長さあたりの静電容量が低いため、同じ長さの共平面導波路とは実質的に異なるインピーダンスを有することとなる。結果として、ストリップラインが異なるインピーダンスを有する共平面導波路に接続される場合、これは信号の後方反射につながりうる。後方反射を低減するために、共平面導波路及び信号線は、同じインピーダンスを有するように形成することができる。例えば、信号トレースのインダクタンスLが、そのインピーダンス(
Figure 0007035169000006
で表すことができる)が共平面導波路のインピーダンスと整合するように増加することができる。例えば、いくつかの実施例において、マイクロ波構成要素で使用される標準的なインピーダンス値と整合するように、ストリップラインのインピーダンスを50オームまたは75オームに設定することが望ましい場合がありうる。ストリップラインについて、これは、単位長さあたりのより高い静電容量を補償するために信号線の幅を細くすることによって、または単位長さあたりの静電容量を低減するために、グラウンド面を信号線からさらに遠ざけることによって達成されうる。しかし、そのような手法は、ストリップラインを製造するのが困難なほど、ストリップラインを細く、またはグラウンド面を遠く形成することが必要になりうる。ストリップラインのインピーダンスを変更するための代替的な技術は、高い力学インダクタンスを有する超伝導材料から信号トレースを形成することにより、信号トレースのインダクタンスを増加させることである。このとき、信号線はより幅広く形成されてもよく、製造がより容易になる一方で、共平面導波路及び/またはその他の構成要素のインピーダンスと整合することな可能なインピーダンスを提供しうる。
図5は、超伝導量子情報処理システムのストリップライン設計の例の平面図及び線A-Aを通る断面図を示す概略図である。例えば、図5に示されたストリップライン500は、キュービット、キュービット測定共振器、もしくはキュービット結合器へ、及び/またはこれらの素子から、データ及び/または制御信号を搬送するために使用可能である。ストリップライン500は、基板504の第1の主面(例えば基板504の上面)上に形成された第1の超伝導層500、基板504の第2の主面(例えば、基板504の下面)上に形成された第2の超伝導層506、基板504に埋め込まれた超伝導信号トレース508、及び基板504内に形成され、信号トレース508に接続する超伝導ビアコンタクト510を含む。第1及び第2の超伝導層502、506はそれぞれ、低い力学インダクタンスまたは高い力学インダクタンスのいずれかを有する超伝導材料から形成されうる。例えば、層502、506は、アルミニウム、窒化ニオブ、または窒化チタンから形成されうる。層502、506はそれぞれ、信号トレース508に関する遮蔽グラウンド面として働く。信号トレース508は、窒化チタン、窒化ニオブ、ケイ化タングステンまたは超伝導酸化アルミニウムなどの高い力学インダクタンスを有する第1の超伝導体材料から形成される。例えば、第1の超伝導体材料508全体のインダクタンスの50%超が、力学インダクタンスに起因してもよく、または、第1の超伝導体材料508全体のインダクタンスの90%超が、力学インダクタンスに起因してもよい。ストリップライン500の幅(例えば図の紙面に出入りするように定義される)は、例えば、約数百ナノメートルから約数ミクロンの範囲内でありうる。ストリップライン500の厚さ(例えば図の紙面内に垂直に定義される)は、例えば約数十ナノメートルから約数百ナノメートルの範囲でありうる。
ビアコンタクト500は、アルミニウムなどの低い力学インダクタンスを有する第2の超伝導材料で満たされうる。例えば、第2の超伝導体材料全体のインダクタンスの50%未満が、力学インダクタンスに起因しうる。図5には示されていないが、ビアコンタクト510は、基板504の第1の主面上の共平面導波路またはその他の共振器に接続されてもよく、共平面導波路またはその他の共振器は、低力学インダクタンス材料から形成される。代替的に、ビアコンタクト510は、サーキュラー、アイソレーターまたは結合器などのマイクロ波結合器に結合されうる。いくつかの実施例において、第1及び第2の超伝導体材料の異なる力学インダクタンスが、ビアコンタクト及び、ビアコンタクト510が結合される共平面導波路、共振器、またはマイクロ波素子の単位長さあたりのインダクタンスに対して、より高い単位長さあたりのインダクタンスを有する信号トレース508になる。結果として、信号線508は、信号トレース508の幅を実質的に減少させることなく、共平面導波路、共振器またはマイクロ波構成要素のインピーダンスと整合するインピーダンスを有するように設計可能である。
本明細書で説明された量子的対象及び量子的動作の実施例は、本明細書で開示された構造及びその構造的等価物、またはそれらの1つもしくは複数の組合せを含む適切な量子回路または、より一般的には量子コンピューティングシステムにおいて実施可能である。「量子コンピューティングシステム」との用語は、量子コンピュータ、量子情報処理システム、量子暗号システム、トポロジカル量子コンピュータまたは量子シミュレータを含むがこれらに限定されない。
量子情報及び量子データとの用語は、量子システムによって搬送され、量子システム内に保持または保存される情報またはデータを指し、最小の非自明なシステムはキュービット、例えば量子情報のユニットを画定するシステムである。「キュービット」との用語は、対応する文中では2準位システムとして適切に近似されうるすべての量子システムを指すことが理解される。そのような量子システムは、多準位システム、例えば2またはそれ以上の準位を有するシステムを含みうる。例として、そのようなシステムは、原子、電子、光子、イオンまたは超伝導キュービットを含むことができる。いくつかの実施例において、計算の基底状態は、グラウンド及び第1の励起状態で特定されるが、計算状態はより高い準位の励起状態で特定されるその他のセットアップも可能であることが理解される。量子メモリは、高い忠実性及び有効性を有して長時間量子データを保存することができるデバイス、例えば、光が、重ね合わせまたは量子コヒーレンスなどの量子データの量子的特徴を保存し、保持するための遷移及び物質として使用される光-物質インターフェースであることが理解される。
量子回路素子(量子コンピューティング回路素子及び量子情報処理デバイスとも称される)は、量子処理動作を実施するための回路素子を含む。すなわち、量子回路素子は、非決定論的な方法で、データの操作を実施するための、重ね合わせ及び量子もつれなどの量子-機械的現象を利用するように構成される。キュービットなどの特定の量子回路素子は、同時に1つより多い状態の情報を表し、この情報を操作するように構成可能である。超伝導量子回路素子の例は、量子LC発振器、キュービット(例えば磁束キュービット、位相キュービットまたは電荷キュービット)、超伝導量子干渉デバイス(Superconducting QUantum Interference Devices,SQUIDs)(例えばRF-SQUIDまたはDC-SQUID)などの回路素子を含む。
対照的に、古典的な回路素子は、一般に決定論的にデータを処理する。古典的な回路素子は、データに対する基本的な数学的、論理的、及び/または入出力操作を実行することによって、コンピュータプログラムの命令を集合して実行するように構成可能であり、データはアナログまたはデジタルの形態で表される。いくつかの実施例において、古典的な回路素子は、電気的または電磁的な接続を介して量子回路素子へデータを送信し、及び/または量子回路素子からデータを受信するために使用可能である。古典的な回路素子の例は、CMOS回路、高速単一磁束量子(Rapid Single Flux Quantum,RSFQ)デバイス、往復量子論理(Reciprocal Quantum Logic,RQL)デバイス及び、バイアス抵抗器を使用しない、RFSQのエネルギー効率の良いバージョンであるERSFQデバイスに基づく回路素子を含む。
本明細書で説明された量子回路素子及び古典回路素子の製造は、超伝導体、誘電体及び/または金属などの1つまたは複数の材料の堆積を伴いうる。選択される材料によって、これらの材料は、化学気相堆積、物理気相堆積(例えば蒸着もしくはスパッタリング)、エピタキシャル技術、またはその他の堆積プロセスなどの堆積プロセスを用いて堆積されうる。本明細書で説明された回路素子を製造するためのプロセスは、製造の間、1つまたは複数の材料をデバイスから除去することを伴いうる。除去される材料によって、除去プロセスは、例えば、ウェットエッチング技術、ドライエッチング技術またはリフトオフプロセスを含みうる。本明細書で説明された回路素子を形成する材料は、既知のリソグラフィ技術(例えばフォトリソグラフィまたは電子ビームリソグラフィ)を使用してパターニング可能である。
本明細書で説明された回路素子などの、超伝導量子回路素子及び/または超伝導古典回路素子を用いる量子コンピューティングシステムの動作において、超伝導回路素子は、超伝導材料が超伝導特性を示すことができる温度まで、クライオスタット内で冷却される。超伝導体(または超伝導の)材料は、超伝導臨界温度以下で超伝導特性を示す材料として理解可能である。超伝導材料の例は、アルミニウム(超伝導臨界温度は1.2ケルビン)、ニオブ(超伝導臨界温度は9.3ケルビン)及び窒化チタン(超伝導臨界温度は5.6ケルビン)を含む。
本明細書は多くの具体的な実施例の詳細を含むが、これらは、特許請求されうるものの範囲に対する限定として解釈されるべきでなく、むしろ、特定の実施例に特有でありうる特徴の説明として理解されるべきである。別個の実施例の文中で本明細書で説明される特定の特徴は、単一の実施例で組み合わせて実施されてもよい。反対に、単一の実施例の文中で説明された様々な特徴は、複数の実施例において別個に、または任意の適切な下位の組合せで実施されてもよい。さらに、特徴は特定の組合せで働くものとして説明され、そのように最初に要求されうるが、要求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、いくつかの場合には組合せから除外されてもよく、要求される組合せは、1つの下位の組合せまたは下位の組合せの変形例を対象としうる。
同様に、動作が特定の順序で図面に示される一方、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が図示された特定の順序で、もしくは順番に実行されること、または図示された全ての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。例えば、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行することが可能であり、それでも依然として所望の結果を達成可能である。特定の状況において、マルチタスク及び並列処理が有利でありうる。さらに、上記の実施例の様々な構成要素の分離は、全ての実施例においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではない。
多数の実施例が説明された。それでもなお、様々な変形が、本発明の思想及び範囲から逸脱することなくなされうることは理解されるであろう。したがって、その他の実施例も、以下の特許請求の範囲に含まれる。
100 第1の回路素子
101 第1の回路素子の幅
102 基板
103 第1の回路素子の長さ
107 第2の回路素子の幅
108 第1の層
109 第2の回路素子の長さ
110 第2の層
120 第1の部分
130 第2の部分
150 第2の回路素子
200 第1のキュービット共振器対
202 キュービット
204 測定共振器
206 キュービット
208 測定共振器
210 中央伝導体の部分
250 第2のキュービット共振器対
300 第1の超伝導測定共振器
350 第2の超伝導測定共振器
400 キュービット測定共振器
402 超伝導材料
406 第1の領域
408 第2の領域
410 第3の領域
500 ストリップライン
502 第1の超伝導層
504 基板
506 第2の超伝導層
508 信号トレース
510 超電導ビアコンタクト

Claims (34)

  1. 基板と、
    第1の力学インダクタンスを有する、前記基板上の第1の超伝導体層と、
    前記第1の超伝導体層上の第2の超伝導体層であって、前記第2の超伝導体層が、前記第1の力学インダクタンスよりも低い第2の力学インダクタンスを有する、第2の超伝導体層と、を含み、
    前記第1の超伝導体層及び前記第2の超伝導体層が所定の回路パラメータを有する回路素子を形成するように前記第2の超伝導体層が除かれた第1の領域を少なくとも除いて、前記第2の超伝導体層及び前記第1の超伝導体層が同じフットプリントを有するように、前記第2の超伝導体層が前記第1の超伝導体層を覆う、デバイス。
  2. 前記第2の超伝導体層が、前記第1の超伝導体層と比較してより低いインピーダンス電流経路を提供する、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記第1の超伝導体層全体のインダクタンスの50%超が、前記第1の力学インダクタンスに起因する、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記第1の超伝導体層全体のインダクタンスの90%超が、前記第1の力学インダクタンスに起因する、請求項3に記載のデバイス。
  5. 前記第2の超伝導体層全体のインダクタンスの50%未満が、前記第2の力学インダクタンスに起因する、請求項3に記載のデバイス。
  6. 前記所定の回路パラメータが、前記回路素子の共振周波数を含む、請求項1に記載のデバイス。
  7. 前記所定の回路パラメータが、前記回路素子の中心周波数またはカットオフ周波数を含む、請求項1に記載のデバイス。
  8. 前記所定の回路パラメータが、前記回路素子の特性インピーダンスである、請求項1に記載のデバイス。
  9. 前記回路素子が、キュービット測定共振器を含む、請求項1に記載のデバイス。
  10. 前記回路素子が、共平面導波路を含む、請求項1に記載のデバイス。
  11. 前記回路素子が、周波数フィルターを含む、請求項1に記載のデバイス。
  12. 前記周波数フィルターがバンドパスフィルターである、請求項11に記載のデバイス。
  13. 前記第1の超伝導体層が窒化チタンである、請求項1に記載のデバイス。
  14. 前記第1の超伝導体層が窒化ニオブである、請求項1に記載のデバイス。
  15. 前記第1の超伝導体層が超伝導セラミックである、請求項1に記載のデバイス。
  16. 前記第2の超伝導体層がアルミニウムである、請求項5から7のいずれか一項に記載のデバイス。
  17. 第1の所定の共振器周波数を有する第1の超伝導体トレースと、
    前記第1の所定の共振器周波数と異なる第2の所定の共振器周波数を有する第2の超伝導体トレースと、を含み、
    前記第1の超伝導体トレース及び前記第2の超伝導体トレースがそれぞれ、第1の超伝導体材料の第1の層及び、前記第1の層の上の第2の超伝導体材料の第2の層を含み、
    前記第1の超伝導体トレースのフットプリントが、前記第2の超伝導体トレースのフットプリントと同じである、システム。
  18. 前記第1の超伝導体材料が第1の力学インダクタンスを有し、前記第2の超伝導体材料が、前記第1の力学インダクタンスよりも低い第2の力学インダクタンスを有する、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記第1の超伝導体トレースに関して、前記第2の超伝導体材料の第2の層のフットプリントが、少なくとも第1の領域を除いて前記第1の超伝導体材料の第1の層のフットプリントと整合し、前記第1の超伝導体トレースが前記第1の所定の共振器周波数を有するように、前記第1の領域において、前記第2の超伝導体材料の第2の層が除去された状態である、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記第2の超伝導体トレースに関して、前記第2の超伝導体材料の第2の層のフットプリントが、少なくとも第2の領域を除いて前記第1の超伝導体材料の第1の層のフットプリントと整合し、前記第2の超伝導体トレースが前記第2の所定の共振器周波数を有するように、前記第2の領域において前記第2の超伝導体材料の第2の層が除去された状態である、請求項19に記載のシステム。
  21. 前記第1の超伝導体トレースが第1のキュービット測定共振器であり、前記第2の超伝導体トレースが第2のキュービット測定共振器である、請求項18に記載のシステム。
  22. 前記第1の超伝導体トレースが第1の周波数フィルターであり、前記第1の所定の共振器周波数が、前記第1の周波数フィルターのカットオフまたは中心周波数であり、
    前記第2の超伝導体トレースが第2の周波数フィルターであり、前記第2の所定の共振器周波数が、前記第2の周波数フィルターのカットオフまたは中心周波数である、請求項18に記載のシステム。
  23. 誘電体層と、
    前記誘電体層に埋め込まれた超伝導体トレースであって、前記超伝導体トレースが、第1の力学インダクタンスを有する第1の超伝導体材料を含む、超伝導体トレースと、
    前記誘電体層内にあり、前記超伝導体トレースへ延在するビアコンタクトと、を含み、
    前記ビアコンタクトが、前記第1の力学インダクタンスよりも低い第2の力学インダクタンスを有する第2の超伝導体材料を含む、超伝導体ストリップライン。
  24. 前記第1の超伝導体材料の全インダクタンスの50%超が、前記第1の力学インダクタンスに起因する、請求項23に記載の超伝導体ストリップライン。
  25. 前記第1の超伝導体材料の前記全インダクタンスの90%超が、前記第1の力学インダクタンスに起因する、請求項24に記載の超伝導体ストリップライン。
  26. 前記第2の超伝導体材料の全インダクタンスの50%未満が、前記第2の力学インダクタンスに起因する、請求項23に記載の超伝導体ストリップライン。
  27. 前記第1の超伝導体材料の単位長さあたりのインダクタンスが、前記第2の超伝導体材料の単位長さあたりのインダクタンスよりも高い、請求項23に記載の超伝導体ストリップライン。
  28. 基板と、
    前記基板上の超伝導体トレースを含む回路素子と、を含み、
    前記超伝導体トレースの全インダクタンスの50%超が前記超伝導体トレースを形成する超伝導体材料の力学インダクタンスに起因し、
    前記超伝導体トレースの第1の領域が、第1の力学インダクタンスを示す第1の断面領域を有し、
    前記超伝導体トレースの第2の領域が、第2の力学インダクタンスを示す第2の断面領域を有し、前記第1の力学インダクタンスが前記第2の力学インダクタンスと異なり、前記回路素子が所定の回路パラメータを有するように、前記第1の断面領域が前記第2の断面領域と異なる、デバイス。
  29. 前記所定の回路パラメータが共振周波数を含む、請求項28に記載のデバイス。
  30. 前記超伝導体材料が窒化チタン、窒化ニオブまたは超伝導体セラミックを含む、請求項28に記載のデバイス。
  31. 前記回路素子がキュービット測定共振器を含む、請求項28に記載のデバイス。
  32. 前記回路素子が周波数フィルターを含む、請求項28に記載のデバイス。
  33. 前記超伝導体トレースの全インダクタンスの90%超が、前記超伝導体材料の力学インダクタンスに起因する、請求項28に記載のデバイス。
  34. 前記超伝導体トレースが、前記超伝導体材料からなる、請求項28に記載のデバイス。
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