JP7034394B2 - 校正装置、校正方法、校正プログラム、中継装置及び衛星通信システム - Google Patents
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Description
当該移動体通信システムでは、送信アレーアンテナの近傍に設置されているピックアップアンテナが、送信アレーアンテナから送信された校正用信号を受信している。そして、適応フィルタが、ピックアップアンテナにより受信された校正用信号に対するデジタル演算処理を実施することによって、複数の素子アンテナにおける特性のばらつきを算出している。そして、送信DBF回路が、適応フィルタによるばらつきの算出結果に基づいて、複数の素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正している。
図1は、実施の形態1に係る校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る校正装置2の信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれのハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1において、中継器1は、受信アレーアンテナ11と、受信機12-1~12-Kと、中継処理部13と、送信機22-1~22-Mと、送信アレーアンテナ23とを備えている。Kは、2以上の整数、Mは、2以上の整数である。
校正装置2は、信号重畳部31、第1のアンテナ36、周波数変換部37、第2のアンテナ38及び校正部39を備えている。
校正装置2は、中継器1の受信アレーアンテナ11が有している複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性及び中継器1の送信アレーアンテナ23が有している複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正する。ここでの特性は、例えば、振幅の特性と、位相の特性とを含んでいる。
受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)は、電波を受信し、電波の受信信号を受信素子信号Rkとして受信機12-kに出力する。
受信機12-k(k=1,・・・,K)は、受信素子アンテナ11-kから出力された受信素子信号Rkに対する受信処理を実施し、受信処理後の信号Rk’を中継処理部13の後述する分波部14-kに出力する。
受信処理としては、受信素子信号Rkを増幅する増幅処理、受信素子信号Rkの周波数を変換する周波数変換処理、受信素子信号Rkに含まれている高周波成分等を除去するフィルタ処理、又は、受信素子信号Rkをアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログデジタル変換処理等が想定される。
分波部14-k(k=1,・・・,K)は、受信機12-kから出力された受信処理後の信号Rk’を所定の周波数分割単位で分波する。受信処理後の信号Rk’の周波数帯域が、例えば、f1~f10であるとき、周波数分割単位が当該周波数帯域の10分の1であるとすれば、分波部14-kは、受信処理後の信号Rk’を、周波数f1の信号と、周波数f2の信号と、・・・周波数f10の信号とに分波する。
分波部14-kは、分波後の信号Rfkを受信抽出部15-kに出力する。分波後の信号Rfkは、互いに分波されている複数の信号の集合であり、例えば、周波数f1の信号と、周波数f2の信号と、・・・周波数f10の信号との集合である。
受信DBF部16は、受信分波信号Rfk,1~Rfk,J(k=1,・・・,K)のそれぞれに、校正部39により算出された校正値CVrkを乗算することにより、受信分波信号Rf1,J~RfK,Jにおけるそれぞれの振幅及び位相をそれぞれ調整する。
また、受信DBF部16は、振幅位相調整後の受信分波信号Rfk,j’(k=1,・・・,K:j=1,・・・,J)に、受信素子アンテナ11-kの重み値Wrk,jを乗算する。受信素子アンテナ11-kの重み値Wrk,jは、受信DBF部16の内部メモリに格納されていてもよいし、受信DBF部16の外部から与えられるものであってもよい。
受信DBF部16は、K×J個の重み値乗算後の受信分波信号のうち、j番目の受信分波信号に係るK個の信号Rfk,j×CVrk×Wrk,j(k=1,・・・,K)を互いに加算する。
受信DBF部16は、J個の加算後の信号のそれぞれを受信ビーム信号RBj(j=1,・・・,J)としてSW部17に出力する。
SW部17は、N個の送信ビーム信号TB1~TBNのそれぞれを送信DBF部18に出力する。
送信DBF部18は、送信ビーム信号TBm,1~TBm,N(m=1,・・・,M)のそれぞれに、校正部39により算出された校正値CVtmを乗算することにより、送信ビーム信号TBm,1~TBm,Nにおけるそれぞれの振幅及び位相をそれぞれ調整する。
また、送信DBF部18は、振幅位相調整後の送信ビーム信号TBm,n’に、送信DBFを実施する際の送信素子アンテナ23-mの重み値Wtm,nを乗算する。送信素子アンテナ23-mの重み値Wtm,nは、送信DBF部18の内部メモリに格納されていてもよいし、送信DBF部18の外部から与えられるものであってもよい。
送信DBF部18は、M×N個の重み値乗算後の送信ビーム信号のうち、m番目の送信ビーム信号に係るN個の信号TBm,n×CVtm×Wtm,n(n=1,・・・,N)を互いに加算する。
送信DBF部18は、M個の加算後の信号のそれぞれを送信素子信号Txm(m=1,・・・,M)として、送信抽出部19-mに出力する。送信素子信号Txmは、周波数分割単位に分割されている信号である。
送信素子信号Txmの周波数帯域が、例えば、f3~f12であるとき、周波数分割単位が当該周波数帯域の10分の1であるとすれば、送信素子信号Txmは、周波数f3の信号と、周波数f4の信号と、・・・周波数f12の信号との集合である。
注入部20-mは、送信抽出部19-mから出力された送信素子信号Txmに、信号重畳部31の後述する校正用信号生成部35から出力された校正用信号Smを注入する。
合波部21-mは、注入部20-mによる校正用信号注入後の送信素子信号Txm’を周波数方向に合波する。
校正用信号注入後の送信素子信号Txm’が、例えば、周波数f3の信号と、周波数f4の信号と、・・・周波数f12の信号との集合であれば、合波部21-mは、周波数f3の信号と、周波数f4の信号と、・・・周波数f12の信号とを周波数方向に合波する。
合波部21-mは、合波後の送信素子信号Txm”を送信機22-mに出力する。
送信処理としては、送信素子信号Txm”をデジタル信号からアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換処理、送信素子信号Txm”の周波数を変換する周波数変換処理、送信素子信号Txm”に含まれている高周波成分等を除去するフィルタ処理、又は、送信素子信号Txm”を増幅する増幅処理等が想定される。
送信アレーアンテナ23は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mを備えている。
送信素子アンテナ23-m(m=1,・・・,M)は、送信機22-mによる送信処理後の信号Tmに係る電波を空間に放射する。
信号重畳部31は、中継器1が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、中継器1が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を検出して、未使用の周波数を有する校正用信号Smを生成する。
信号重畳部31は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれに与えられる信号に校正用信号Smを重畳させる。
受信電力算出部32は、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する。
即ち、受信電力算出部32は、受信抽出部15-1~15-Kから出力されたそれぞれの分波後の信号Rfkに含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する。
送信電力算出部33は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれに与えられる送信信号に含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する。
即ち、送信電力算出部33は、送信抽出部19-1~19-Mから出力されたそれぞれの送信素子信号Txmに含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する。
未使用周波数検出部34は、受信電力算出部32により算出されたそれぞれの電力と、送信電力算出部33により算出されたそれぞれの電力とに基づいて、共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を検出する。
校正用信号生成部35は、未使用周波数検出部34により検出された周波数を有する校正用信号Smを生成する。
校正用信号生成部35は、校正用信号Smを注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力することにより、送信抽出部19-mから出力された送信素子信号Txmに、校正用信号Smを重畳させる。
図1に示す校正装置2は、周波数変換部37を備えている。しかし、受信機12-1~12-Mが受信可能な周波数と、送信機22-1~22-Mが送信可能な周波数とが同じ周波数であれば、校正装置2は、周波数変換部37を実装する必要がない。
第2のアンテナ38は、周波数変換部37による周波数変換後の受信信号に係る電波を複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれに向けて放射する送信ピックアップアンテナである。
校正部39は、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正するための校正値CVrk(k=1,・・・,K)を算出する。
即ち、校正部39は、受信抽出部15-1~15-Kから出力されたそれぞれの分波後の信号Rfkを用いて、校正値CVrk(k=1,・・・,K)を算出する。
校正部39は、校正値CVr1~CVrKのそれぞれを受信DBF部16に出力することにより、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正する。
即ち、校正部39は、受信抽出部15-1~15-Kから出力されたそれぞれの分波後の信号Rfkに含まれている校正信号Ukを抽出し、校正信号U1~UKを用いて、校正値CVtm(m=1,・・・,M)を算出する。
校正部39は、校正値CVt1~CVtMのそれぞれを送信DBF部18に出力することにより、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正する。
受信電力算出回路41、送信電力算出回路42、未使用周波数検出回路43、校正用信号生成回路44及び校正回路45のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
校正装置2の一部が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、受信電力算出部32、送信電力算出部33、未使用周波数検出部34、校正用信号生成部35及び校正部39のそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ51に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
最初に、中継器1の動作について説明する。
受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)は、第2のアンテナ38から放射された電波を受信し、電波の受信信号を受信素子信号Rkとして、受信機12-kに出力する。
中継器1が電波を送受信する実運用中であれば、受信素子アンテナ11-kは、第2のアンテナ38から放射された電波のほかに、図示せぬ、外部の装置から送信された電波を受信する。
受信機12-k(k=1,・・・,K)は、受信素子アンテナ11-kから出力された受信素子信号Rkに対する受信処理を実施し、受信処理後の信号Rk’を分波部14-kに出力する。
分波部14-kは、分波後の信号Rfkを受信抽出部15-kに出力する。
受信DBF部16は、受信分波信号Rfk,1~Rfk,J(k=1,・・・,K)のそれぞれに、校正部39により算出された校正値CVrkを乗算することにより、受信分波信号Rf1,J~RfK,Jにおけるそれぞれの振幅及び位相をそれぞれ調整する。
また、受信DBF部16は、振幅位相調整後の受信分波信号Rfk,j’に、受信素子アンテナ11-kの重み値Wrk,jを乗算する。
受信DBF部16は、K×J個の重み値乗算後の受信分波信号のうち、j番目の受信分波信号に係るK個の信号Rfk,j×CVrk×Wrk,j(k=1,・・・,K)を互いに加算する。
受信DBF部16は、J個の加算後の信号のそれぞれを受信ビーム信号RBj(j=1,・・・,J)としてSW部17に出力する。
SW部17は、N個の送信ビーム信号TB1~TBNのそれぞれを送信DBF部18に出力する。
送信DBF部18は、送信ビーム信号TBm,1~TBm,N(m=1,・・・,M)のそれぞれに、校正部39により算出された校正値CVtmを乗算することにより、送信ビーム信号TBm,1~TBm,Nにおけるそれぞれの振幅及び位相をそれぞれ調整する。
また、送信DBF部18は、振幅位相調整後の送信ビーム信号TBm,n’に、送信DBFを実施する際の送信素子アンテナ23-mの重み値Wtm,nを乗算する。
送信DBF部18は、M×N個の重み値乗算後の送信ビーム信号のうち、m番目の送信ビーム信号に係るN個の信号TBm,n×CVtm×Wtm,nを互いに加算する。
送信DBF部18は、M個の加算後の信号のそれぞれを送信素子信号Txm(m=1,・・・,M)として、送信抽出部19-mに出力する。送信素子信号Txmは、周波数分割単位に分割されている信号である。
注入部20-m(m=1,・・・,M)は、送信抽出部19-mから送信素子信号Txmを受けると、送信素子信号Txmに、校正用信号生成部35から出力された校正用信号Smを注入する。
注入部20-mは、校正用信号注入後の送信素子信号Txm’を合波部21-mに出力する。
合波部21-m(m=1,・・・,M)は、注入部20-mによる校正用信号注入後の送信素子信号Txm’、即ち、周波数分割単位に分割されている送信素子信号Txm’を周波数方向に合波する。
合波部21-mは、合波後の送信素子信号Txm”を送信機22-mに出力する。
送信素子アンテナ23-m(m=1,・・・,M)は、送信機22-mによる送信処理後の信号Tmに係る電波を空間に放射する。
図4は、信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれの処理手順を示すフローチャートである。
第1のアンテナ36は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから放射された電波を受信すると、当該電波の受信信号を周波数変換部37に出力する。
例えば、第1のアンテナ36から出力された受信信号の周波数帯域が、fa~fbであり、受信機12-1~12-Mが受信可能な周波数帯域が、fc~fdであるとする。
このとき、例えば、fa<fb<fc<fdであれば、第2のアンテナ38が、第1のアンテナ36から出力された受信信号に係る電波を受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)に向けて放射しても、受信機12-kが、受信素子アンテナ11-kから出力された受信素子信号Rkに対する受信処理を実施することができない。
そこで、周波数変換部37は、fa~fbを周波数変換した後の周波数fa’~fb ’が、例えば、fc<fa’<fb’<fdとなるように、第1のアンテナ36から出力された受信信号の周波数を変換する。
周波数変換部37は、周波数変換後の信号を第2のアンテナ38に出力する。
第2のアンテナ38は、周波数変換部37による周波数変換後の信号に係る電波を複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれに向けて放射する。
例えば、受信処理後の信号Rkの周波数帯域がf1~f10であるとき、周波数分割単位が当該周波数帯域の10分の1であれば、周波数分割単位の周波数は、f1,f2,・・・,f10である。周波数分割単位の周波数が、f1,f2,・・・,f10であれば、受信電力算出部32は、分波後の信号Rfkに含まれている複数の周波数成分の電力Prfとして、周波数f1の周波数成分の電力Pr1と、周波数f2の周波数成分の電力Pr2と、・・・周波数f10の周波数成分の電力Pr10とを算出する。
受信電力算出部32は、複数の周波数成分の電力Prfを示す受信電力情報IPrfを未使用周波数検出部34に出力する。
例えば、送信素子信号Txmの周波数帯域がf3~f12であるとき、周波数分割単位が当該周波数帯域の10分の1であれば、周波数分割単位の周波数は、f3,f4,・・・,f12である。周波数分割単位の周波数が、f3,f4,・・・,f12であれば、送信電力算出部33は、送信素子信号Txmに含まれている複数の周波数成分の電力Ptfとして、周波数f3の周波数成分の電力Pt3と、周波数f4の周波数成分の電力Pt4と、・・・周波数f12の周波数成分の電力Pt12とを算出する。
送信電力算出部33は、複数の周波数成分の電力Ptfを示す送信電力情報IPtfを未使用周波数検出部34に出力する。
未使用周波数検出部34は、受信電力情報IPrfが示す複数の周波数成分の電力Prfと、送信電力情報IPtfが示す複数の周波数成分の電力Ptfとから、共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を検出する(図4のステップST3)。
共通している周波数は、送信機22-1~22-Mが送信可能な複数の周波数のうち、受信機12-1~12-Kが受信可能な周波数と共通している周波数である。
以下、未使用周波数検出部34による未使用周波数の検出処理を具体的に説明する。
未使用周波数検出部34は、受信電力情報IPrfが示す複数の周波数成分の電力Prf(f=3,4,5,6,7,8,9,10)と閾値Thとを比較する。
また、未使用周波数検出部34は、送信電力情報IPtfが示す複数の周波数成分の電力Ptf(f=3,4,5,6,7,8,9,10)と閾値Thとを比較する。閾値Thは、未使用周波数検出部34の内部メモリに格納されていてもよいし、未使用周波数検出部34の外部から与えられるものであってもよい。
未使用周波数検出部34は、例えば、Pr3<Th、Pr6<Th、Pr7<Thであり、Pr4≧Th、Pr5≧Th、Pr8≧Th、Pr9≧Th、Pr10≧Thであれば、閾値Thよりも小さい電力Prfとして、電力Pr3,Pr6,Pr7を検出する。
未使用周波数検出部34は、例えば、Pt3<Th、Pt4<Th、Pt6<Thであり、Pt5≧Th、Pt7≧Th、Pt8≧Th、Pt9≧Th、Pt10≧Thであれば、閾値Thよりも小さい電力Ptfとして、電力Pt3,Pt4,Pt6を検出する。
また、未使用周波数検出部34により検出された電力Pt3,Pt4,Pt6のそれぞれの周波数は、f3,f4,f6である。
未使用周波数検出部34は、電力Pr3,Pr6,Pr7のそれぞれの周波数f3,f6,f7の中で、電力Pt3,Pt4,Pt6のそれぞれの周波数f3,f4,f6と共通している周波数を検出する。
この場合、未使用周波数検出部34は、共通している周波数として、周波数f3と周波数f6とを検出し、周波数f3,f6が未使用周波数であると判定する。
校正用信号生成部35は、生成した校正用信号Smを注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力することにより、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから送信される信号に校正用信号Sを重畳させる(図4のステップST5)。
注入部20-1~20-Mのそれぞれは、校正用信号生成部35から出力された校正用信号Smの周波数が、例えば周波数f3であれば、周波数分割単位に分割されている送信素子信号Txm、即ち、周波数がf1の信号と、周波数がf2の信号と、・・・周波数がf10の信号との集合である送信素子信号Txmのうち、周波数がf3の信号に、校正用信号Smを注入する。
以下、校正部39による特性の校正処理を具体的に説明する。
図5に示すように、合波部21-mから送信素子アンテナ23-mに至る通過特性がPCtm、送信素子アンテナ23-mから第1のアンテナ36への結合特性がBCtmであるとする。
また、第1のアンテナ36から第2のアンテナ38に至る通過特性がPCaであるとする。
また、第2のアンテナ38から受信素子アンテナ11-kへの結合特性がBCrk、受信素子アンテナ11-kから分波部14-kに至る通過特性がPCrkであるとする。
結合特性BCtm及び結合特性BCrkのそれぞれは、事前に測定されており、例えば、校正部39の内部メモリに格納されている。ただし、これは一例に過ぎず、結合特性BCtm及び結合特性BCrkのそれぞれは、校正部39の外部から与えられるものであってもよい。
送信素子アンテナ23-mから放射された電波は、第1のアンテナ36に受信される。第1のアンテナ36により電波が受信されたのち、第2のアンテナ38に入力される信号がg(t)であるとすると、信号g(t)は、以下の式(1)のように表される。
合波部21-mから送信素子アンテナ23-mに至る通過特性PCt1~PCtMの相対関係を把握できれば、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
式(2)に示すように、第k番目の分波部14-kによる分波後の信号Rfk(t)は、M個の校正信号Sm(t)の全てを含んでいる。
校正部39は、分波部14-kによる分波後の信号Rfk(t)から校正信号Vk,mを抽出する。校正信号Vk,mは、分波後の信号Rfk(t)に含まれている信号であり、校正信号Sm(t)は、送信素子信号Txmに含まれている信号である。
校正信号Vk,mは、公知の素子電界ベクトル回転法(REV法:Rotating element Electric field Vector method)を用いて、抽出することが可能である。
また、M個の校正信号S1(t)~SM(t)のうち、第m番目の校正信号Sm(t)と、第m番目以外の校正信号Sh(t)(h≠m)とが直交していれば、校正信号Sm(t)と校正信号Sh(t)とを乗算し、校正信号Sm(t)と校正信号Sh(t)との乗算結果を積分することで、校正信号Vk,m(t)を抽出することができる。
校正信号Sm(t)と校正信号Sh(t)との直交条件は、以下の式(3)のように表される。
また、送信素子アンテナ23-1に対する送信素子アンテナ23-m(m=3,・・・,M)の特性のばらつきは、以下の式(8)のように表される。
そこで、校正部39は、第1番目の送信素子アンテナ23-1を基準として、以下の式(9)に示すように、送信素子アンテナ23-2の特性を校正するための校正値CVt2を算出する。
校正部39は、校正値CVtm(m=1,・・・,M)を送信DBF部18に出力することにより、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正する。
受信素子アンテナ11-kから分波部14-kに至る通過特性がPCr1~PCrKの相対関係を把握できれば、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
また、受信素子アンテナ11-1に対する受信素子アンテナ11-k(k=3,・・・,K)の特性のばらつきは、以下の式(12)のように表される。
そこで、校正部39は、第1番目の受信素子アンテナ11-1を基準として、以下の式(13)に示すように、受信素子アンテナ11-2の特性を校正するための校正値CVr2を算出する。
校正部39は、校正値CVrk(k=1,・・・,K)を受信DBF部16に出力することにより、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正する。
振幅位相調整後の受信分波信号Rfk,j’のうち、校正用信号生成部35から出力された校正用信号Smの周波数と同じ周波数の信号に乗算する重み値Wrk,jについては、0としてもよい。当該重み値Wrk,jを0とすることで、受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)の受信信号に含まれている校正用信号が、送信素子アンテナ23-m(m=1,・・・,M)から再び放射されるのを防ぐことができる。
図6は、実施の形態1に係る他の校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。図6において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
可変アッテネータ40は、周波数変換部37と第2のアンテナ38との間に設けられており、周波数変換部37による周波数変換後の信号を減衰し、減衰後の信号を第2のアンテナ38に出力する。
図6に示す校正装置2では、可変アッテネータ40が、周波数変換部37と第2のアンテナ38との間に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、可変アッテネータ40が、第1のアンテナ36と周波数変換部37との間に設けられていてもよい。
第2のアンテナ38から放射される電波の電力が大きいために、受信機12-k(k=1,・・・,K)が飽和してしまう可能性があるとき、可変アッテネータ40が、周波数変換後の信号を減衰することで、受信機12-kでの飽和を防ぐことができる。
また、図1に示す中継装置では、送信電力算出部33が、送信抽出部19-m(m=1,・・・,M)から出力された送信素子信号Txmに含まれている複数の周波数成分の電力Ptfをそれぞれ算出している。
しかし、これは一例に過ぎず、図7に示すように、受信電力算出部63が、受信ビーム抽出部61-j(j=1,・・・,J)から出力された受信ビーム信号RBjに含まれている複数の周波数成分の電力Prfをそれぞれ算出するようにしてもよい。また、送信電力算出部64が、送信ビーム抽出部62-m(m=1,・・・,M)から出力された送信ビーム信号TBmに含まれている複数の周波数成分の電力Ptfをそれぞれ算出するようにしてもよい。
図7は、実施の形態1に係る他の校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。図7において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
受信ビーム抽出部61-j(j=1,・・・,J)は、受信DBF部16から出力された受信ビーム信号RBjを、SW部17及び受信電力算出部63のそれぞれに出力する。
送信ビーム抽出部62-m(m=1,・・・,M)は、SW部17から出力された送信ビーム信号TBmを、送信DBF部18及び送信電力算出部64のそれぞれに出力する。
図7に示す中継装置でも、図1に示す中継装置と同様に、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性及び複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
そして、校正部39は、校正値CVrkを用いて、受信素子アンテナ11-kの特性を校正し、校正値CVtmを用いて、送信素子アンテナ23-mの特性を校正している。
校正値CVrk及び校正値CVtmのそれぞれは、未使用の周波数f3に係る校正値であるため、校正部39は、受信素子アンテナ11-kにおける周波数f3に係る特性を精度よく校正することができる。また、校正部39は、送信素子アンテナ23-mにおける周波数f3に係る特性を精度よく校正することができる。
校正部39は、受信素子アンテナ11-kにおける周波数f3以外の周波数に係る特性についても、校正値CVrkを用いて校正している。また、校正部39は、送信素子アンテナ23-mにおける周波数f3以外の周波数に係る特性についても、校正値CVtmを用いて校正している。
したがって、受信素子アンテナ11-kにおける周波数f3以外の周波数に係る特性の校正は、周波数f3に係る特性の校正よりも校正精度が低下する。また、送信素子アンテナ23-mにおける周波数f3以外の周波数に係る特性の校正は、周波数f3に係る特性の校正よりも校正精度が低下する。
そこで、未使用の周波数が、例えば、周波数f3と周波数f6とであれば、校正用信号生成部35が、周波数f3を有する校正用信号Smと、周波数f6を有する校正用信号Smとを生成する。そして、校正用信号生成部35が、それぞれの校正用信号Smを順番に注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力する。そして、校正部39が、周波数f3についての校正値CVrk及び校正値CVtmのそれぞれを算出し、周波数f6についての校正値CVrk及び校正値CVtmのそれぞれを算出する。
周波数f3,f6以外の周波数についての校正値CVrk及び校正値CVtmのそれぞれは、校正部39が、周波数f3についての校正値CVrk及び校正値CVtmのそれぞれと、周波数f6についての校正値CVrk及び校正値CVtmのそれぞれとを用いる線形補間処理によって算出する。ここでは、校正部39が、線形補間処理によって算出するとしているが、これは一例に過ぎず、例えば、内挿処理、又は、外挿処理によって算出するものであってもよい。
これにより、周波数分割単位の周波数の全てについて、校正値CVrk及び校正値CVtmのそれぞれが得られるので、受信素子アンテナ11-kにおける周波数f3以外の周波数に係る特性の校正も、周波数f3に係る特性の校正と概ね同様の校正精度が得られる。また、送信素子アンテナ23-mにおける周波数f3以外の周波数に係る特性の校正も、周波数f3に係る特性の校正と概ね同様の校正精度が得られる。
実施の形態2では、信号重畳部31が、周波数情報取得部71及び校正用信号生成部72を備える校正装置について説明する。
図9は、実施の形態2に係る校正装置2の信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれのハードウェアを示すハードウェア構成図である。
周波数情報取得部71は、例えば、図9に示す周波数情報取得回路46によって実現される。
周波数情報取得部71は、中継器1が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、中継器1が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を示す周波数情報を取得する。周波数情報取得部71は、例えば、周波数情報を送信する地上局から取得する。
周波数情報取得部71は、取得した周波数情報を校正用信号生成部72に出力する。
図9に示す校正装置2では、周波数情報取得部71が、例えば、地上局から周波数情報を取得しているが、未使用の周波数を検出可能な情報であれば、どのような情報であってもよい。例えば、周波数情報取得部71は、地上局から、SW部7のルーティング処理に用いるルーティング情報を取得し、ルーティング情報から未使用の周波数を検出するようにしてもよい。ルーティング情報は、周波数の配置前後を示す情報、即ち、受信ビームの周波数と、送信ビームの周波数とを示す情報である。したがって、ルーティング情報は、周波数情報に含まれる概念である。
校正用信号生成部72は、周波数情報取得部71により取得された周波数情報を参照することによって、中継器1が未使用の周波数を検出する。
校正用信号生成部72は、未使用の周波数を有する校正用信号Sm(m=1,・・・,M)を生成する。
校正用信号生成部72は、図1に示す校正用信号生成部35と同様に、校正用信号を注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力することにより、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから送信される信号に校正用信号Smを重畳させる。
周波数情報取得回路46、校正用信号生成回路47及び校正回路45のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
校正装置2の一部が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、周波数情報取得部71、校正用信号生成部72及び校正部39のそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ51に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
周波数情報取得部71及び校正用信号生成部72以外は、図1に示す中継装置と同様であるため、ここでは、周波数情報取得部71及び校正用信号生成部72の動作について説明する。
周波数情報取得部71は、例えば、地上局から、未使用の周波数を示す周波数情報を取得すると、周波数情報を校正用信号生成部72に出力する。
校正用信号生成部72は、周波数情報取得部71から周波数情報を受けると、周波数情報を参照することによって、中継器1が未使用の周波数を検出し、検出した周波数を有する校正用信号Sm(m=1,・・・,M)を生成する。
校正用信号生成部72は、図1に示す校正用信号生成部35と同様に、校正用信号を注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力することにより、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから送信される信号に校正用信号を重畳させる。
実施の形態3では、実施の形態1,2に係る中継装置が適用される衛星通信システムについて説明する。
図10は、実施の形態3に係る衛星通信システムを示す構成図である。
衛星通信システムは、通信衛星81、制御局82、ユーザ局83及びユーザ局84を備えている。図10に示す衛星通信システムは、2つのユーザ局83,84を備えている。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、3つ以上のユーザ局を備えていてもよい。
通信衛星81は、図1、図6、図7又は図8に示す中継装置を実装している。
通信衛星81は、ユーザ局83から送信された電波を受信し、当該電波の受信信号に係る電波を制御局82に送信する。
また、通信衛星81は、制御局82から送信された電波を受信し、当該電波の受信信号に係る電波をユーザ局83に送信する。
通信衛星81は、ユーザ局84から送信された電波を受信し、当該電波の受信信号に係る電波を制御局82に送信する。
また、通信衛星81は、制御局82から送信された電波を受信し、当該電波の受信信号に係る電波をユーザ局84に送信する。
通信衛星81が実装している中継装置が、図8に示す中継装置であれば、通信衛星81は、制御局82から、周波数情報を取得する。
制御局82は、通信衛星81と電波の送受信を行う。
制御局82は、通信衛星81が実装している中継装置が、図8に示す中継装置であれば、周波数情報を通信衛星81に送信する。
ユーザ局83及びユーザ局84のそれぞれは、通信衛星81と電波の送受信を行う。
例えば、ユーザ局83が、データを制御局82に提供する場合、ユーザ局83は、データを含む電波を通信衛星81に送信する。
通信衛星81に実装されている中継装置では、実施の形態1,2に示している通り、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性が校正され、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性が校正される。
通信衛星81に実装されている中継装置は、ユーザ局83から送信されたデータを含む電波を受信し、データを含む電波を制御局82に送信する。
また、本開示は、校正装置を備える中継装置に適している。
また、本開示は、中継装置を実装している通信衛星を備える衛星通信システムに適している。
Claims (9)
- 中継器が有している複数の送信素子アンテナのそれぞれから放射された送信信号に係る電波を受信し、前記電波の受信信号を出力する第1のアンテナと、
前記第1のアンテナから出力された受信信号に係る電波を前記中継器が有している複数の受信素子アンテナに向けて放射する第2のアンテナと、
前記中継器が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、前記中継器が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を検出して、前記未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させる信号重畳部と、
前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、前記複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正し、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号を用いて、前記複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する校正部と
を備えた校正装置。 - 前記信号重畳部は、
前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する受信電力算出部と、
前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する送信電力算出部と、
前記受信電力算出部により算出されたそれぞれの電力と、前記送信電力算出部により算出されたそれぞれの電力とに基づいて、前記共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を検出する未使用周波数検出部と、
前記未使用周波数検出部により検出された周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させる校正用信号生成部と
を備えていることを特徴とする請求項1記載の校正装置。 - 前記信号重畳部は、
前記共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を示す周波数情報を取得する周波数情報取得部と、
前記周波数情報取得部により取得された周波数情報を参照することによって、前記中継器が未使用の周波数を検出して、前記未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させる校正用信号生成部と
を備えていることを特徴とする請求項1記載の校正装置。 - 前記第1のアンテナにより受信された電波の受信信号の周波数を、前記中継器が受信可能な周波数に変換し、周波数変換後の受信信号を前記第2のアンテナに出力する周波数変換部を備えたことを特徴とする請求項1記載の校正装置。
- 前記第1のアンテナにより受信された電波の受信信号を減衰し、減衰後の受信信号を前記第2のアンテナに出力する可変アッテネータを備えたことを特徴とする請求項1記載の校正装置。
- 第1のアンテナが、中継器が有している複数の送信素子アンテナのそれぞれから放射された送信信号に係る電波を受信して、前記電波の受信信号を出力し、第2のアンテナが、前記第1のアンテナから出力された受信信号に係る電波を前記中継器が有している複数の受信素子アンテナに向けて放射すると、
信号重畳部が、前記中継器が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、前記中継器が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を検出して、前記未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させ、
校正部が、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、前記複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正し、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号を用いて、前記複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する
校正方法。 - 中継器が有している複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性と、前記中継器が有している複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性とを校正するコンピュータの処理手順を示す校正プログラムであって、
第1のアンテナが、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれから放射された送信信号に係る電波を受信して、前記電波の受信信号を出力し、第2のアンテナが、前記第1のアンテナから出力された受信信号に係る電波を前記複数の受信素子アンテナに向けて放射すると、
信号重畳部が、前記中継器が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、前記中継器が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を検出して、前記未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させる処理手順と、
校正部が、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、前記複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正し、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号を用いて、前記複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する処理手順と
を備えていることを特徴とする校正プログラム。 - 複数の受信素子アンテナと、複数の送信素子アンテナと、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号からビームを生成し、前記ビームから、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与える送信信号を生成する中継処理部とを含む中継器と、
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の校正装置と
を備えた中継装置。 - 請求項8記載の中継装置を実装している通信衛星を備える衛星通信システム。
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