JP7034394B2 - 校正装置、校正方法、校正プログラム、中継装置及び衛星通信システム - Google Patents

校正装置、校正方法、校正プログラム、中継装置及び衛星通信システム Download PDF

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Description

本開示は、複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性及び複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する校正装置、校正方法及び校正プログラムと、校正装置を備える中継装置と、中継装置を実装している通信衛星を備える衛星通信システムとに関するものである。
例えば、以下の特許文献1には、送信デジタルビームフォーミング(以下、「送信DBF」と称する)を実施するための送信アレーアンテナを備える移動体通信システムが開示されている。送信アレーアンテナは、複数の素子アンテナを有している。送信DBFによって所望の方向に送信ビームを形成するには、複数の素子アンテナにおける特性のばらつきを事前に補償しておく必要がある。特性のばらつきは、振幅のばらつきと、位相のばらつきとを含んでいる。
当該移動体通信システムでは、送信アレーアンテナの近傍に設置されているピックアップアンテナが、送信アレーアンテナから送信された校正用信号を受信している。そして、適応フィルタが、ピックアップアンテナにより受信された校正用信号に対するデジタル演算処理を実施することによって、複数の素子アンテナにおける特性のばらつきを算出している。そして、送信DBF回路が、適応フィルタによるばらつきの算出結果に基づいて、複数の素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正している。
特開2011-259369号公報
特許文献1に開示されている移動体通信システムは、電波を送信するためのシステムであって、電波の受信と電波の送信とを行う中継器ではないが、特許文献1に開示されているピックアップアンテナ、適応フィルタ及び送信DBF回路のそれぞれを中継器に適用した場合を想定する。この場合、中継器の送信アレーアンテナに含まれている複数の素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正できても、中継器の受信アレーアンテナに含まれている複数の素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正することができないという課題があった。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性及び複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正することができる校正装置、校正方法及び校正プログラムを得ることを目的とする。
本開示に係る校正装置は、中継器が有している複数の送信素子アンテナのそれぞれから放射された送信信号に係る電波を受信し、電波の受信信号を出力する第1のアンテナと、第1のアンテナから出力された受信信号に係る電波を中継器が有している複数の受信素子アンテナに向けて放射する第2のアンテナと、中継器が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、中継器が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、中継器が未使用の周波数を検出して、未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に校正用信号を重畳させる信号重畳部と、複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正し、複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号を用いて、複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する校正部とを備えるようにしたものである。
本開示によれば、複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性及び複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
実施の形態1に係る校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。 実施の形態1に係る校正装置2の信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれのハードウェアを示すハードウェア構成図である。 校正装置2の一部が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。 信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれの処理手順を示すフローチャートである。 図1に示す中継装置における各部の特性を示す説明図である。 実施の形態1に係る他の校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。 実施の形態1に係る他の校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。 実施の形態2に係る校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。 実施の形態2に係る校正装置2の信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれのハードウェアを示すハードウェア構成図である。 実施の形態3に係る衛星通信システムを示す構成図である。
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。
図2は、実施の形態1に係る校正装置2の信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれのハードウェアを示すハードウェア構成図である。
図1において、中継器1は、受信アレーアンテナ11と、受信機12-1~12-Kと、中継処理部13と、送信機22-1~22-Mと、送信アレーアンテナ23とを備えている。Kは、2以上の整数、Mは、2以上の整数である。
校正装置2は、信号重畳部31、第1のアンテナ36、周波数変換部37、第2のアンテナ38及び校正部39を備えている。
校正装置2は、中継器1の受信アレーアンテナ11が有している複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性及び中継器1の送信アレーアンテナ23が有している複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正する。ここでの特性は、例えば、振幅の特性と、位相の特性とを含んでいる。
受信アレーアンテナ11は、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kを備えている。
受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)は、電波を受信し、電波の受信信号を受信素子信号Rとして受信機12-kに出力する。
受信機12-k(k=1,・・・,K)は、受信素子アンテナ11-kから出力された受信素子信号Rに対する受信処理を実施し、受信処理後の信号R’を中継処理部13の後述する分波部14-kに出力する。
受信処理としては、受信素子信号Rを増幅する増幅処理、受信素子信号Rの周波数を変換する周波数変換処理、受信素子信号Rに含まれている高周波成分等を除去するフィルタ処理、又は、受信素子信号Rをアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログデジタル変換処理等が想定される。
中継処理部13は、分波部14-1~14-Kと、受信抽出部15-1~15-Kと、受信DBF(Digital Beam Forming)部16と、スイッチ部(以下、「SW部」と称する)17と、送信DBF部18と、送信抽出部19-1~19-Mと、注入部20-1~20-Mと、合波部21-1~21-Mとを備えている。
分波部14-k(k=1,・・・,K)は、受信機12-kから出力された受信処理後の信号R’を所定の周波数分割単位で分波する。受信処理後の信号R’の周波数帯域が、例えば、f~f10であるとき、周波数分割単位が当該周波数帯域の10分の1であるとすれば、分波部14-kは、受信処理後の信号R’を、周波数fの信号と、周波数fの信号と、・・・周波数f10の信号とに分波する。
分波部14-kは、分波後の信号Rfを受信抽出部15-kに出力する。分波後の信号Rfは、互いに分波されている複数の信号の集合であり、例えば、周波数fの信号と、周波数fの信号と、・・・周波数f10の信号との集合である。
受信抽出部15-k(k=1,・・・,K)は、分波部14-kから出力された分波後の信号Rfを、受信DBF部16、信号重畳部31の後述する受信電力算出部32及び校正部39のそれぞれに出力する。
受信DBF部16は、受信抽出部15-k(k=1,・・・,K)から出力されたK個の分波後の信号Rf~RfのそれぞれをJ個に分配することによって、K×J個の分波後の受信素子信号である受信分波信号Rfk,j(k=1,・・・,K:j=1,・・・,J)を生成する。Jは、1以上の整数である。即ち、受信DBF部16は、全部でK×J個の受信分波信号として、受信分波信号Rf1,1~RfK,1と、受信分波信号Rf1,2~RfK,2と、・・・、受信分波信号Rf1,J~RfK,Jとを生成する。
受信DBF部16は、受信分波信号Rfk,1~Rfk,J(k=1,・・・,K)のそれぞれに、校正部39により算出された校正値CVrを乗算することにより、受信分波信号Rf1,J~RfK,Jにおけるそれぞれの振幅及び位相をそれぞれ調整する。
また、受信DBF部16は、振幅位相調整後の受信分波信号Rfk,j’(k=1,・・・,K:j=1,・・・,J)に、受信素子アンテナ11-kの重み値Wrk,jを乗算する。受信素子アンテナ11-kの重み値Wrk,jは、受信DBF部16の内部メモリに格納されていてもよいし、受信DBF部16の外部から与えられるものであってもよい。
受信DBF部16は、K×J個の重み値乗算後の受信分波信号のうち、j番目の受信分波信号に係るK個の信号Rfk,j×CVr×Wrk,j(k=1,・・・,K)を互いに加算する。
受信DBF部16は、J個の加算後の信号のそれぞれを受信ビーム信号RB(j=1,・・・,J)としてSW部17に出力する。
Figure 0007034394000001
SW部17は、受信DBF部16から出力されたそれぞれの受信ビーム信号RBが示す受信ビームの周波数配置を変換するルーティング処理を実施することにより、M個の送信ビーム信号TB(n=1,・・・,N)を生成する。Nは、1以上の整数である。
SW部17は、N個の送信ビーム信号TB~TBのそれぞれを送信DBF部18に出力する。
送信DBF部18は、SW部17から出力されたN個の送信ビーム信号TB~TBのそれぞれをM個に分配することによって、M×N個の送信ビーム信号TBm,n(m=1,・・・,M:n=1,・・・,N)を生成する。即ち、送信DBF部18は、全部でM×N個の送信ビーム信号として、送信ビーム信号TB1,1~TBM,1と、送信ビーム信号TB1,2~TBM,2と、・・・、送信ビーム信号TB1,N~TBM,Nとを生成する。
送信DBF部18は、送信ビーム信号TBm,1~TBm,N(m=1,・・・,M)のそれぞれに、校正部39により算出された校正値CVtを乗算することにより、送信ビーム信号TBm,1~TBm,Nにおけるそれぞれの振幅及び位相をそれぞれ調整する。
また、送信DBF部18は、振幅位相調整後の送信ビーム信号TBm,n’に、送信DBFを実施する際の送信素子アンテナ23-mの重み値Wtm,nを乗算する。送信素子アンテナ23-mの重み値Wtm,nは、送信DBF部18の内部メモリに格納されていてもよいし、送信DBF部18の外部から与えられるものであってもよい。
送信DBF部18は、M×N個の重み値乗算後の送信ビーム信号のうち、m番目の送信ビーム信号に係るN個の信号TBm,n×CVt×Wtm,n(n=1,・・・,N)を互いに加算する。
送信DBF部18は、M個の加算後の信号のそれぞれを送信素子信号Tx(m=1,・・・,M)として、送信抽出部19-mに出力する。送信素子信号Txは、周波数分割単位に分割されている信号である。
Figure 0007034394000002

送信素子信号Txの周波数帯域が、例えば、f~f12であるとき、周波数分割単位が当該周波数帯域の10分の1であるとすれば、送信素子信号Txは、周波数fの信号と、周波数fの信号と、・・・周波数f12の信号との集合である。
送信抽出部19-m(m=1,・・・,M)は、送信DBF部18から出力された送信素子信号Txを、注入部20-m及び信号重畳部31の後述する送信電力算出部33のそれぞれに出力する。
注入部20-mは、送信抽出部19-mから出力された送信素子信号Txに、信号重畳部31の後述する校正用信号生成部35から出力された校正用信号Sを注入する。
合波部21-mは、注入部20-mによる校正用信号注入後の送信素子信号Tx’を周波数方向に合波する。
校正用信号注入後の送信素子信号Tx’が、例えば、周波数fの信号と、周波数fの信号と、・・・周波数f12の信号との集合であれば、合波部21-mは、周波数fの信号と、周波数fの信号と、・・・周波数f12の信号とを周波数方向に合波する。
合波部21-mは、合波後の送信素子信号Tx”を送信機22-mに出力する。
送信機22-mは、合波部21-mから出力された送信素子信号Tx”に対する送信処理を実施し、送信処理後の信号Tを送信信号として、送信素子アンテナ23-mに出力する。
送信処理としては、送信素子信号Tx”をデジタル信号からアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換処理、送信素子信号Tx”の周波数を変換する周波数変換処理、送信素子信号Tx”に含まれている高周波成分等を除去するフィルタ処理、又は、送信素子信号Tx”を増幅する増幅処理等が想定される。
送信アレーアンテナ23は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mを備えている。
送信素子アンテナ23-m(m=1,・・・,M)は、送信機22-mによる送信処理後の信号Tに係る電波を空間に放射する。
信号重畳部31は、受信電力算出部32、送信電力算出部33、未使用周波数検出部34及び校正用信号生成部35を備えている。
信号重畳部31は、中継器1が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、中継器1が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を検出して、未使用の周波数を有する校正用信号Sを生成する。
信号重畳部31は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれに与えられる信号に校正用信号Sを重畳させる。
受信電力算出部32は、例えば、図2に示す受信電力算出回路41によって実現される。
受信電力算出部32は、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する。
即ち、受信電力算出部32は、受信抽出部15-1~15-Kから出力されたそれぞれの分波後の信号Rfに含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する。
送信電力算出部33は、例えば、図2に示す送信電力算出回路42によって実現される。
送信電力算出部33は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれに与えられる送信信号に含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する。
即ち、送信電力算出部33は、送信抽出部19-1~19-Mから出力されたそれぞれの送信素子信号Txに含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する。
未使用周波数検出部34は、例えば、図2に示す未使用周波数検出回路43によって実現される。
未使用周波数検出部34は、受信電力算出部32により算出されたそれぞれの電力と、送信電力算出部33により算出されたそれぞれの電力とに基づいて、共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を検出する。
校正用信号生成部35は、例えば、図2に示す校正用信号生成回路44によって実現される。
校正用信号生成部35は、未使用周波数検出部34により検出された周波数を有する校正用信号Sを生成する。
校正用信号生成部35は、校正用信号Sを注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力することにより、送信抽出部19-mから出力された送信素子信号Txに、校正用信号Sを重畳させる。
第1のアンテナ36は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから放射された電波を受信し、当該電波の受信信号を周波数変換部37に出力する受信ピックアップアンテナである。
周波数変換部37は、第1のアンテナ36から出力された受信信号の周波数を、中継器1の受信機12-1~12-Mが受信可能な周波数に変換し、周波数変換後の受信信号を第2のアンテナ38に出力する。
図1に示す校正装置2は、周波数変換部37を備えている。しかし、受信機12-1~12-Mが受信可能な周波数と、送信機22-1~22-Mが送信可能な周波数とが同じ周波数であれば、校正装置2は、周波数変換部37を実装する必要がない。
第2のアンテナ38は、周波数変換部37による周波数変換後の受信信号に係る電波を複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれに向けて放射する送信ピックアップアンテナである。
校正部39は、例えば、図2に示す校正回路45によって実現される。
校正部39は、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正するための校正値CVr(k=1,・・・,K)を算出する。
即ち、校正部39は、受信抽出部15-1~15-Kから出力されたそれぞれの分波後の信号Rfを用いて、校正値CVr(k=1,・・・,K)を算出する。
校正部39は、校正値CVr~CVrのそれぞれを受信DBF部16に出力することにより、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正する。
校正部39は、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号U(k=1,・・・,K)を用いて、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正するための校正値CVt(m=1,・・・,M)を算出する。
即ち、校正部39は、受信抽出部15-1~15-Kから出力されたそれぞれの分波後の信号Rfに含まれている校正信号Uを抽出し、校正信号U~Uを用いて、校正値CVt(m=1,・・・,M)を算出する。
校正部39は、校正値CVt~CVtのそれぞれを送信DBF部18に出力することにより、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正する。
図1では、校正装置2の一部の構成要素である受信電力算出部32、送信電力算出部33、未使用周波数検出部34、校正用信号生成部35及び校正部39のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、校正装置2の一部が、受信電力算出回路41、送信電力算出回路42、未使用周波数検出回路43、校正用信号生成回路44及び校正回路45によって実現されるものを想定している。
受信電力算出回路41、送信電力算出回路42、未使用周波数検出回路43、校正用信号生成回路44及び校正回路45のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
校正装置2の一部の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、校正装置2の一部が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
図3は、校正装置2の一部が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
校正装置2の一部が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、受信電力算出部32、送信電力算出部33、未使用周波数検出部34、校正用信号生成部35及び校正部39のそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ51に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
次に、図1に示す中継装置の動作について説明する。
最初に、中継器1の動作について説明する。
受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)は、第2のアンテナ38から放射された電波を受信し、電波の受信信号を受信素子信号Rとして、受信機12-kに出力する。
中継器1が電波を送受信する実運用中であれば、受信素子アンテナ11-kは、第2のアンテナ38から放射された電波のほかに、図示せぬ、外部の装置から送信された電波を受信する。
受信機12-k(k=1,・・・,K)は、受信素子アンテナ11-kから出力された受信素子信号Rに対する受信処理を実施し、受信処理後の信号R’を分波部14-kに出力する。
分波部14-k(k=1,・・・,K)は、受信機12-kから受信処理後の信号R’を受けると、受信処理後の信号R’を所定の周波数分割単位で分波する。
分波部14-kは、分波後の信号Rfを受信抽出部15-kに出力する。
受信抽出部15-k(k=1,・・・,K)は、分波部14-kから分波後の信号Rfを受けると、分波後の信号Rfを、受信DBF部16、受信電力算出部32及び校正部39のそれぞれに出力する。
受信DBF部16は、受信抽出部15-k(k=1,・・・,K)からK個の分波後の信号Rfを受けると、K個の分波後の信号RfのそれぞれをJ個に分配することによって、K×J個の受信分波信号Rfk,j(k=1,・・・,K:j=1,・・・,J)を生成する。
受信DBF部16は、受信分波信号Rfk,1~Rfk,J(k=1,・・・,K)のそれぞれに、校正部39により算出された校正値CVrを乗算することにより、受信分波信号Rf1,J~RfK,Jにおけるそれぞれの振幅及び位相をそれぞれ調整する。
また、受信DBF部16は、振幅位相調整後の受信分波信号Rfk,j’に、受信素子アンテナ11-kの重み値Wrk,jを乗算する。
受信DBF部16は、K×J個の重み値乗算後の受信分波信号のうち、j番目の受信分波信号に係るK個の信号Rfk,j×CVr×Wrk,j(k=1,・・・,K)を互いに加算する。
受信DBF部16は、J個の加算後の信号のそれぞれを受信ビーム信号RB(j=1,・・・,J)としてSW部17に出力する。
Figure 0007034394000003
SW部17は、受信DBF部16からJ個の受信ビーム信号RBを受けると、J個の受信ビーム信号RBが示す受信ビームの周波数配置を変換するルーティング処理を実施することにより、N個の送信ビーム信号TB(n=1,・・・,N)を生成する。受信ビームの周波数配置を変換するルーティング処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
SW部17は、N個の送信ビーム信号TB~TBのそれぞれを送信DBF部18に出力する。
送信DBF部18は、SW部17からN個の送信ビーム信号TB~TBを受けると、N個の送信ビーム信号TB(n=1,・・・,N)のそれぞれをM個に分配することによって、M×N個の送信ビーム信号TBm,n(m=1,・・・,M:n=1,・・・,N)を生成する。
送信DBF部18は、送信ビーム信号TBm,1~TBm,N(m=1,・・・,M)のそれぞれに、校正部39により算出された校正値CVtを乗算することにより、送信ビーム信号TBm,1~TBm,Nにおけるそれぞれの振幅及び位相をそれぞれ調整する。
また、送信DBF部18は、振幅位相調整後の送信ビーム信号TBm,n’に、送信DBFを実施する際の送信素子アンテナ23-mの重み値Wtm,nを乗算する。
送信DBF部18は、M×N個の重み値乗算後の送信ビーム信号のうち、m番目の送信ビーム信号に係るN個の信号TBm,n×CVt×Wtm,nを互いに加算する。
送信DBF部18は、M個の加算後の信号のそれぞれを送信素子信号Tx(m=1,・・・,M)として、送信抽出部19-mに出力する。送信素子信号Txは、周波数分割単位に分割されている信号である。
Figure 0007034394000004
送信抽出部19-m(m=1,・・・,M)は、送信DBF部18から出力された送信素子信号Txを、注入部20-m及び送信電力算出部33のそれぞれに出力する。
注入部20-m(m=1,・・・,M)は、送信抽出部19-mから送信素子信号Txを受けると、送信素子信号Txに、校正用信号生成部35から出力された校正用信号Sを注入する。
注入部20-mは、校正用信号注入後の送信素子信号Tx’を合波部21-mに出力する。
合波部21-m(m=1,・・・,M)は、注入部20-mによる校正用信号注入後の送信素子信号Tx’、即ち、周波数分割単位に分割されている送信素子信号Tx’を周波数方向に合波する。
合波部21-mは、合波後の送信素子信号Tx”を送信機22-mに出力する。
送信機22-mは、合波部21-mから合波後の送信素子信号Tx”を受けると、送信素子信号Tx”に対する送信処理を実施し、送信処理後の信号Tを送信素子アンテナ23-mに出力する。
送信素子アンテナ23-m(m=1,・・・,M)は、送信機22-mによる送信処理後の信号Tに係る電波を空間に放射する。
次に、校正装置2の動作について説明する。
図4は、信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれの処理手順を示すフローチャートである。
第1のアンテナ36は、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから放射された電波を受信すると、当該電波の受信信号を周波数変換部37に出力する。
周波数変換部37は、第1のアンテナ36から出力された受信信号の周波数を、中継器1の受信機12-1~12-Mが受信可能な周波数に変換する。
例えば、第1のアンテナ36から出力された受信信号の周波数帯域が、f~fであり、受信機12-1~12-Mが受信可能な周波数帯域が、f~fであるとする。
このとき、例えば、f<f<f<fであれば、第2のアンテナ38が、第1のアンテナ36から出力された受信信号に係る電波を受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)に向けて放射しても、受信機12-kが、受信素子アンテナ11-kから出力された受信素子信号Rに対する受信処理を実施することができない。
そこで、周波数変換部37は、f~fを周波数変換した後の周波数f’~f ’が、例えば、f<f’<f’<fとなるように、第1のアンテナ36から出力された受信信号の周波数を変換する。
周波数変換部37は、周波数変換後の信号を第2のアンテナ38に出力する。
第2のアンテナ38は、周波数変換部37による周波数変換後の信号に係る電波を複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれに向けて放射する。
受信電力算出部32は、受信抽出部15-1~15-Kから分波後の信号Rf~Rfを受けると、それぞれの分波後の信号Rf(k=1,・・・,K)に含まれている複数の周波数成分の電力Prをそれぞれ算出する(図4のステップST1)。
例えば、受信処理後の信号Rの周波数帯域がf~f10であるとき、周波数分割単位が当該周波数帯域の10分の1であれば、周波数分割単位の周波数は、f,f,・・・,f10である。周波数分割単位の周波数が、f,f,・・・,f10であれば、受信電力算出部32は、分波後の信号Rfに含まれている複数の周波数成分の電力Prとして、周波数fの周波数成分の電力Prと、周波数fの周波数成分の電力Prと、・・・周波数f10の周波数成分の電力Pr10とを算出する。
受信電力算出部32は、複数の周波数成分の電力Prを示す受信電力情報IPrを未使用周波数検出部34に出力する。
送信電力算出部33は、送信抽出部19-1~19-Mから送信素子信号Tx~Txを受けると、それぞれの送信素子信号Tx(m=1,・・・,M)に含まれている複数の周波数成分の電力Ptをそれぞれ算出する(図4のステップST2)。
例えば、送信素子信号Txの周波数帯域がf~f12であるとき、周波数分割単位が当該周波数帯域の10分の1であれば、周波数分割単位の周波数は、f,f,・・・,f12である。周波数分割単位の周波数が、f,f,・・・,f12であれば、送信電力算出部33は、送信素子信号Txに含まれている複数の周波数成分の電力Ptとして、周波数fの周波数成分の電力Ptと、周波数fの周波数成分の電力Ptと、・・・周波数f12の周波数成分の電力Pt12とを算出する。
送信電力算出部33は、複数の周波数成分の電力Ptを示す送信電力情報IPtを未使用周波数検出部34に出力する。
未使用周波数検出部34は、受信電力算出部32から出力された受信電力情報IPrと、送信電力算出部33から出力された送信電力情報IPtとを取得する。
未使用周波数検出部34は、受信電力情報IPrが示す複数の周波数成分の電力Prと、送信電力情報IPtが示す複数の周波数成分の電力Ptとから、共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を検出する(図4のステップST3)。
共通している周波数は、送信機22-1~22-Mが送信可能な複数の周波数のうち、受信機12-1~12-Kが受信可能な周波数と共通している周波数である。
以下、未使用周波数検出部34による未使用周波数の検出処理を具体的に説明する。
送信機22-1~22-Mが送信可能な複数の周波数が、例えば、f,f,f,f,f,f,f,f,f,f10であり、受信機12-1~12-Kが受信可能な複数の周波数が、例えば、f,f,f,f,f,f,f,f10,f11,f12であるとする。この場合、共通している周波数は、f,f,f,f,f,f,f,f10である。
未使用周波数検出部34は、受信電力情報IPrが示す複数の周波数成分の電力Pr(f=3,4,5,6,7,8,9,10)と閾値Thとを比較する。
また、未使用周波数検出部34は、送信電力情報IPtが示す複数の周波数成分の電力Pt(f=3,4,5,6,7,8,9,10)と閾値Thとを比較する。閾値Thは、未使用周波数検出部34の内部メモリに格納されていてもよいし、未使用周波数検出部34の外部から与えられるものであってもよい。
未使用周波数検出部34は、複数の周波数成分の電力Pr(f=3,4,5,6,7,8,9,10)の中で、閾値Thよりも小さい電力Prを検出する。
未使用周波数検出部34は、例えば、Pr<Th、Pr<Th、Pr<Thであり、Pr≧Th、Pr≧Th、Pr≧Th、Pr≧Th、Pr10≧Thであれば、閾値Thよりも小さい電力Prとして、電力Pr3,Pr6,Prを検出する。
また、未使用周波数検出部34は、複数の周波数成分の電力Pt(f=3,4,5,6,7,8,9,10)の中で、閾値Thよりも小さい電力Ptを検出する。
未使用周波数検出部34は、例えば、Pt<Th、Pt<Th、Pt<Thであり、Pt≧Th、Pt≧Th、Pt≧Th、Pt≧Th、Pt10≧Thであれば、閾値Thよりも小さい電力Ptとして、電力Pt3,Pt4,Ptを検出する。
未使用周波数検出部34により検出された電力Pr3,Pr6,Prのそれぞれの周波数は、f,f,fである。
また、未使用周波数検出部34により検出された電力Pt3,Pt4,Ptのそれぞれの周波数は、f,f,fである。
未使用周波数検出部34は、電力Pr3,Pr6,Prのそれぞれの周波数f,f,fの中で、電力Pt3,Pt4,Ptのそれぞれの周波数f,f,fと共通している周波数を検出する。
この場合、未使用周波数検出部34は、共通している周波数として、周波数fと周波数fとを検出し、周波数f,fが未使用周波数であると判定する。
校正用信号生成部35は、未使用周波数検出部34が、未使用周波数として、例えば、周波数fと周波数fとを検出すると、周波数fを有する校正用信号S(m=1,・・・,M)、又は、周波数fを有する校正用信号Sを生成する(図4のステップST4)。
校正用信号生成部35は、生成した校正用信号Sを注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力することにより、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから送信される信号に校正用信号Sを重畳させる(図4のステップST5)。
注入部20-1~20-Mのそれぞれは、校正用信号生成部35から出力された校正用信号Sの周波数が、例えば周波数fであれば、周波数分割単位に分割されている送信素子信号Tx、即ち、周波数がfの信号と、周波数がfの信号と、・・・周波数がf10の信号との集合である送信素子信号Txのうち、周波数がfの信号に、校正用信号Sを注入する。
校正部39は、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正し、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正する(図4のステップST6)。
以下、校正部39による特性の校正処理を具体的に説明する。
図5は、図1に示す中継装置における各部の特性を示す説明図である。
図5に示すように、合波部21-mから送信素子アンテナ23-mに至る通過特性がPCt、送信素子アンテナ23-mから第1のアンテナ36への結合特性がBCtであるとする。
また、第1のアンテナ36から第2のアンテナ38に至る通過特性がPCaであるとする。
また、第2のアンテナ38から受信素子アンテナ11-kへの結合特性がBCr、受信素子アンテナ11-kから分波部14-kに至る通過特性がPCrであるとする。
結合特性BCt及び結合特性BCrのそれぞれは、事前に測定されており、例えば、校正部39の内部メモリに格納されている。ただし、これは一例に過ぎず、結合特性BCt及び結合特性BCrのそれぞれは、校正部39の外部から与えられるものであってもよい。
注入部20-m(m=1,・・・,M)によって、送信素子信号Txに注入される校正用信号がS(t)であるとすると、送信機22-mから送信素子アンテナ23-mに出力される信号Tに含まれる校正信号は、PCt×S(t)のように表される。tは、時間を示す変数である。
送信素子アンテナ23-mから放射された電波は、第1のアンテナ36に受信される。第1のアンテナ36により電波が受信されたのち、第2のアンテナ38に入力される信号がg(t)であるとすると、信号g(t)は、以下の式(1)のように表される。

Figure 0007034394000005
第2のアンテナ38から放射された電波は、受信素子アンテナ11-kに受信される。受信素子アンテナ11-kにより電波が受信されたのち、分波部14-kによる分波後の信号Rf(t)は、以下の式(2)のように表される。

Figure 0007034394000006
校正部39による送信素子アンテナ23-m(m=1,・・・,M)の特性の校正処理は、以下の通りである。
合波部21-mから送信素子アンテナ23-mに至る通過特性PCt~PCtの相対関係を把握できれば、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
式(2)に示すように、第k番目の分波部14-kによる分波後の信号Rf(t)は、M個の校正信号S(t)の全てを含んでいる。
校正部39は、分波部14-kによる分波後の信号Rf(t)から校正信号Vk,mを抽出する。校正信号Vk,mは、分波後の信号Rf(t)に含まれている信号であり、校正信号S(t)は、送信素子信号Txに含まれている信号である。
校正信号Vk,mは、公知の素子電界ベクトル回転法(REV法:Rotating element Electric field Vector method)を用いて、抽出することが可能である。
また、M個の校正信号S(t)~S(t)のうち、第m番目の校正信号S(t)と、第m番目以外の校正信号S(t)(h≠m)とが直交していれば、校正信号S(t)と校正信号S(t)とを乗算し、校正信号S(t)と校正信号S(t)との乗算結果を積分することで、校正信号Vk,m(t)を抽出することができる。
校正信号S(t)と校正信号S(t)との直交条件は、以下の式(3)のように表される。

Figure 0007034394000007
M個の分波後の信号Rf(t)~Rf(t)のうち、第1番目の信号Rf(t)と第2番目の信号Rf(t)とに着目すると、第1番目の信号Rf(t)に含まれている校正信号Vk,1及び第2番目の信号Rf(t)に含まれている校正信号Vk,2のそれぞれは、以下の式(4)(5)のように表される。また、第m(m=3,・・・,M)番目の信号Rf(t)に含まれている校正信号Vk,mは、以下の式(6)のように表される。

Figure 0007034394000008
送信素子アンテナ23-1~23-Mのうち、第1番目の送信素子アンテナ23-1を基準とすると、送信素子アンテナ23-1に対する送信素子アンテナ23-2の特性のばらつきは、以下の式(7)のように表される。
また、送信素子アンテナ23-1に対する送信素子アンテナ23-m(m=3,・・・,M)の特性のばらつきは、以下の式(8)のように表される。

Figure 0007034394000009
校正部39において、結合特性BCt、結合特性BCt及び結合特性BCtのそれぞれは、既値であるため、式(7)及び式(8)より、通過特性PCt~PCtの相対関係を把握することができる。
そこで、校正部39は、第1番目の送信素子アンテナ23-1を基準として、以下の式(9)に示すように、送信素子アンテナ23-2の特性を校正するための校正値CVtを算出する。

Figure 0007034394000010
また、校正部39は、第1番目の送信素子アンテナ23-1を基準として、以下の式(10)に示すように、送信素子アンテナ23-m(m=3,・・・,M)の特性を校正するための校正値CVtを算出する。

Figure 0007034394000011
第1番目の送信素子アンテナ23-1を基準とする場合、送信素子アンテナ23-1の特性を校正するための校正値CVtは、1である。
校正部39は、校正値CVt(m=1,・・・,M)を送信DBF部18に出力することにより、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正する。
校正部39による受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)の特性の校正処理は、以下の通りである。
受信素子アンテナ11-kから分波部14-kに至る通過特性がPCr~PCrの相対関係を把握できれば、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
受信素子アンテナ11-1~11-Kのうち、第1番目の受信素子アンテナ11-1を基準とすると、受信素子アンテナ11-1に対する受信素子アンテナ11-2の特性のばらつきは、以下の式(11)のように表される。
また、受信素子アンテナ11-1に対する受信素子アンテナ11-k(k=3,・・・,K)の特性のばらつきは、以下の式(12)のように表される。

Figure 0007034394000012
校正部39において、結合特性BCr、結合特性BCr及び結合特性BCrのそれぞれは、既値であるため、式(11)及び式(12)より、通過特性PCr~PCrの相対関係を把握することができる。
そこで、校正部39は、第1番目の受信素子アンテナ11-1を基準として、以下の式(13)に示すように、受信素子アンテナ11-2の特性を校正するための校正値CVrを算出する。

Figure 0007034394000013
また、校正部39は、第1番目の受信素子アンテナ11-1を基準として、以下の式(14)に示すように、受信素子アンテナ11-k(k=3,・・・,K)の特性を校正するための校正値CVrを算出する。

Figure 0007034394000014
第1番目の受信素子アンテナ11-1を基準とする場合、受信素子アンテナ11-1の特性を校正するための校正値CVrは、1である。
校正部39は、校正値CVr(k=1,・・・,K)を受信DBF部16に出力することにより、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正する。
以上の実施の形態1では、中継器1が有している複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから放射された送信信号に係る電波を受信し、電波の受信信号を出力する第1のアンテナ36と、第1のアンテナ36から出力された受信信号に係る電波を中継器1が有している複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kに向けて放射する第2のアンテナ38とを備えるように、校正装置2を構成した。また、校正装置2が、中継器1が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、中継器1が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を検出して、未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれに与えられる送信信号に校正用信号を重畳させる信号重畳部31と、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性を校正し、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号を用いて、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正する校正部39とを備えるように構成した。したがって、校正装置2は、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性及び複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
図1に示す中継装置では、受信DBF部16が、振幅位相調整後の受信分波信号Rfk,j’に、受信素子アンテナ11-kの重み値Wrk,jを乗算している。
振幅位相調整後の受信分波信号Rfk,j’のうち、校正用信号生成部35から出力された校正用信号Sの周波数と同じ周波数の信号に乗算する重み値Wrk,jについては、0としてもよい。当該重み値Wrk,jを0とすることで、受信素子アンテナ11-k(k=1,・・・,K)の受信信号に含まれている校正用信号が、送信素子アンテナ23-m(m=1,・・・,M)から再び放射されるのを防ぐことができる。
図1に示す校正装置2は、第1のアンテナ36、周波数変換部37及び第2のアンテナ38を備えている。図6に示すように、校正装置2が、さらに、可変アッテネータ40を備えるようにしてもよい。
図6は、実施の形態1に係る他の校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。図6において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
可変アッテネータ40は、周波数変換部37と第2のアンテナ38との間に設けられており、周波数変換部37による周波数変換後の信号を減衰し、減衰後の信号を第2のアンテナ38に出力する。
図6に示す校正装置2では、可変アッテネータ40が、周波数変換部37と第2のアンテナ38との間に設けられている。しかし、これは一例に過ぎず、可変アッテネータ40が、第1のアンテナ36と周波数変換部37との間に設けられていてもよい。
第2のアンテナ38から放射される電波の電力が大きいために、受信機12-k(k=1,・・・,K)が飽和してしまう可能性があるとき、可変アッテネータ40が、周波数変換後の信号を減衰することで、受信機12-kでの飽和を防ぐことができる。
図1に示す中継装置では、受信電力算出部32が、受信抽出部15-k(k=1,・・・,K)から出力された分波後の信号Rfに含まれている複数の周波数成分の電力Prをそれぞれ算出している。
また、図1に示す中継装置では、送信電力算出部33が、送信抽出部19-m(m=1,・・・,M)から出力された送信素子信号Txに含まれている複数の周波数成分の電力Ptをそれぞれ算出している。
しかし、これは一例に過ぎず、図7に示すように、受信電力算出部63が、受信ビーム抽出部61-j(j=1,・・・,J)から出力された受信ビーム信号RBに含まれている複数の周波数成分の電力Prをそれぞれ算出するようにしてもよい。また、送信電力算出部64が、送信ビーム抽出部62-m(m=1,・・・,M)から出力された送信ビーム信号TBに含まれている複数の周波数成分の電力Ptをそれぞれ算出するようにしてもよい。
図7は、実施の形態1に係る他の校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。図7において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
受信ビーム抽出部61-j(j=1,・・・,J)は、受信DBF部16から出力された受信ビーム信号RBを、SW部17及び受信電力算出部63のそれぞれに出力する。
送信ビーム抽出部62-m(m=1,・・・,M)は、SW部17から出力された送信ビーム信号TBを、送信DBF部18及び送信電力算出部64のそれぞれに出力する。
図7に示す中継装置でも、図1に示す中継装置と同様に、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性及び複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
図1に示す中継装置では、周波数分割単位の周波数が、例えば、f,f,・・・,f10であるとき、未使用の周波数が、例えば、周波数fであれば、校正装置2が、周波数fの校正用信号を用いて、校正値CVr及び校正値CVtのそれぞれを算出している。
そして、校正部39は、校正値CVrを用いて、受信素子アンテナ11-kの特性を校正し、校正値CVtを用いて、送信素子アンテナ23-mの特性を校正している。
校正値CVr及び校正値CVtのそれぞれは、未使用の周波数fに係る校正値であるため、校正部39は、受信素子アンテナ11-kにおける周波数fに係る特性を精度よく校正することができる。また、校正部39は、送信素子アンテナ23-mにおける周波数fに係る特性を精度よく校正することができる。
校正部39は、受信素子アンテナ11-kにおける周波数f以外の周波数に係る特性についても、校正値CVrを用いて校正している。また、校正部39は、送信素子アンテナ23-mにおける周波数f以外の周波数に係る特性についても、校正値CVtを用いて校正している。
したがって、受信素子アンテナ11-kにおける周波数f以外の周波数に係る特性の校正は、周波数fに係る特性の校正よりも校正精度が低下する。また、送信素子アンテナ23-mにおける周波数f以外の周波数に係る特性の校正は、周波数fに係る特性の校正よりも校正精度が低下する。
そこで、未使用の周波数が、例えば、周波数fと周波数fとであれば、校正用信号生成部35が、周波数fを有する校正用信号Sと、周波数fを有する校正用信号Sとを生成する。そして、校正用信号生成部35が、それぞれの校正用信号Sを順番に注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力する。そして、校正部39が、周波数fについての校正値CVr及び校正値CVtのそれぞれを算出し、周波数fについての校正値CVr及び校正値CVtのそれぞれを算出する。
周波数f,f以外の周波数についての校正値CVr及び校正値CVtのそれぞれは、校正部39が、周波数fについての校正値CVr及び校正値CVtのそれぞれと、周波数fについての校正値CVr及び校正値CVtのそれぞれとを用いる線形補間処理によって算出する。ここでは、校正部39が、線形補間処理によって算出するとしているが、これは一例に過ぎず、例えば、内挿処理、又は、外挿処理によって算出するものであってもよい。
これにより、周波数分割単位の周波数の全てについて、校正値CVr及び校正値CVtのそれぞれが得られるので、受信素子アンテナ11-kにおける周波数f以外の周波数に係る特性の校正も、周波数fに係る特性の校正と概ね同様の校正精度が得られる。また、送信素子アンテナ23-mにおける周波数f以外の周波数に係る特性の校正も、周波数fに係る特性の校正と概ね同様の校正精度が得られる。
実施の形態2.
実施の形態2では、信号重畳部31が、周波数情報取得部71及び校正用信号生成部72を備える校正装置について説明する。
図8は、実施の形態2に係る校正装置2を含む中継装置を示す構成図である。図8において、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図9は、実施の形態2に係る校正装置2の信号重畳部31及び校正部39におけるそれぞれのハードウェアを示すハードウェア構成図である。
周波数情報取得部71は、例えば、図9に示す周波数情報取得回路46によって実現される。
周波数情報取得部71は、中継器1が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、中継器1が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、中継器1が未使用の周波数を示す周波数情報を取得する。周波数情報取得部71は、例えば、周波数情報を送信する地上局から取得する。
周波数情報取得部71は、取得した周波数情報を校正用信号生成部72に出力する。
図9に示す校正装置2では、周波数情報取得部71が、例えば、地上局から周波数情報を取得しているが、未使用の周波数を検出可能な情報であれば、どのような情報であってもよい。例えば、周波数情報取得部71は、地上局から、SW部7のルーティング処理に用いるルーティング情報を取得し、ルーティング情報から未使用の周波数を検出するようにしてもよい。ルーティング情報は、周波数の配置前後を示す情報、即ち、受信ビームの周波数と、送信ビームの周波数とを示す情報である。したがって、ルーティング情報は、周波数情報に含まれる概念である。
校正用信号生成部72は、例えば、図9に示す校正用信号生成回路47によって実現される。
校正用信号生成部72は、周波数情報取得部71により取得された周波数情報を参照することによって、中継器1が未使用の周波数を検出する。
校正用信号生成部72は、未使用の周波数を有する校正用信号S(m=1,・・・,M)を生成する。
校正用信号生成部72は、図1に示す校正用信号生成部35と同様に、校正用信号を注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力することにより、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから送信される信号に校正用信号Sを重畳させる。
図8では、校正装置2の一部の構成要素である周波数情報取得部71、校正用信号生成部72及び校正部39のそれぞれが、図9に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、校正装置2の一部が、周波数情報取得回路46、校正用信号生成回路47及び校正回路45によって実現されるものを想定している。
周波数情報取得回路46、校正用信号生成回路47及び校正回路45のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
校正装置2の一部の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、校正装置2の一部が、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
校正装置2の一部が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、周波数情報取得部71、校正用信号生成部72及び校正部39のそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムが図3に示すメモリ51に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ52がメモリ51に格納されているプログラムを実行する。
次に、図8に示す中継装置の動作について説明する。
周波数情報取得部71及び校正用信号生成部72以外は、図1に示す中継装置と同様であるため、ここでは、周波数情報取得部71及び校正用信号生成部72の動作について説明する。
周波数情報取得部71は、例えば、地上局から、未使用の周波数を示す周波数情報を取得すると、周波数情報を校正用信号生成部72に出力する。
校正用信号生成部72は、周波数情報取得部71から周波数情報を受けると、周波数情報を参照することによって、中継器1が未使用の周波数を検出し、検出した周波数を有する校正用信号S(m=1,・・・,M)を生成する。
校正用信号生成部72は、図1に示す校正用信号生成部35と同様に、校正用信号を注入部20-1~20-Mのそれぞれに出力することにより、複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mのそれぞれから送信される信号に校正用信号を重畳させる。
図8に示す中継装置でも、図1に示す中継装置と同様に、複数の受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性及び複数の送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性を校正することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1,2に係る中継装置が適用される衛星通信システムについて説明する。
図10は、実施の形態3に係る衛星通信システムを示す構成図である。
衛星通信システムは、通信衛星81、制御局82、ユーザ局83及びユーザ局84を備えている。図10に示す衛星通信システムは、2つのユーザ局83,84を備えている。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、3つ以上のユーザ局を備えていてもよい。
通信衛星81は、図1、図6、図7又は図8に示す中継装置を実装している。
通信衛星81は、ユーザ局83から送信された電波を受信し、当該電波の受信信号に係る電波を制御局82に送信する。
また、通信衛星81は、制御局82から送信された電波を受信し、当該電波の受信信号に係る電波をユーザ局83に送信する。
通信衛星81は、ユーザ局84から送信された電波を受信し、当該電波の受信信号に係る電波を制御局82に送信する。
また、通信衛星81は、制御局82から送信された電波を受信し、当該電波の受信信号に係る電波をユーザ局84に送信する。
通信衛星81が実装している中継装置が、図8に示す中継装置であれば、通信衛星81は、制御局82から、周波数情報を取得する。
制御局82は、例えば、地上に設置されている地上局である。
制御局82は、通信衛星81と電波の送受信を行う。
制御局82は、通信衛星81が実装している中継装置が、図8に示す中継装置であれば、周波数情報を通信衛星81に送信する。
ユーザ局83及びユーザ局84のそれぞれは、通信衛星81と電波の送受信を行う。
次に、図10に示す衛星通信システムの動作について説明する。
例えば、ユーザ局83が、データを制御局82に提供する場合、ユーザ局83は、データを含む電波を通信衛星81に送信する。
通信衛星81に実装されている中継装置では、実施の形態1,2に示している通り、受信素子アンテナ11-1~11-Kにおけるそれぞれの特性が校正され、送信素子アンテナ23-1~23-Mにおけるそれぞれの特性が校正される。
通信衛星81に実装されている中継装置は、ユーザ局83から送信されたデータを含む電波を受信し、データを含む電波を制御局82に送信する。
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本開示は、複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性及び複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する校正装置、校正方法及び校正プログラムに適している。
また、本開示は、校正装置を備える中継装置に適している。
また、本開示は、中継装置を実装している通信衛星を備える衛星通信システムに適している。
1 中継器、2 校正装置、11 受信アレーアンテナ、11-1~11-K 受信素子アンテナ、12-1~12-K 受信機、13 中継処理部、14-1~14-K 分波部、15-1~15-K 受信抽出部、16 受信DBF部、17 SW部、18 送信DBF部、19-1~19-M 送信抽出部、20-1~20-M 注入部、21-1~21-M 合波部、22-1~22-M 送信機、23 送信アレーアンテナ、23-1~23-M 送信素子アンテナ、31 信号重畳部、32 受信電力算出部、33 送信電力算出部、34 未使用周波数検出部、35 校正用信号生成部、36 第1のアンテナ、37 周波数変換部、38 第2のアンテナ、39 校正部、40 可変アッテネータ、41 受信電力算出回路、42 送信電力算出回路、43 未使用周波数検出回路、44 校正用信号生成回路、45 校正回路、46 周波数情報取得回路、47 校正用信号生成回路、51 メモリ、52 プロセッサ、61-1~61-J 受信ビーム抽出部、62-1~62-M 送信ビーム抽出部、63 受信電力算出部、64 送信電力算出部、71 周波数情報取得部、72 校正用信号生成部、81 通信衛星、82 制御局、83,84 ユーザ局。

Claims (9)

  1. 中継器が有している複数の送信素子アンテナのそれぞれから放射された送信信号に係る電波を受信し、前記電波の受信信号を出力する第1のアンテナと、
    前記第1のアンテナから出力された受信信号に係る電波を前記中継器が有している複数の受信素子アンテナに向けて放射する第2のアンテナと、
    前記中継器が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、前記中継器が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を検出して、前記未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させる信号重畳部と、
    前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、前記複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正し、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号を用いて、前記複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する校正部と
    を備えた校正装置。
  2. 前記信号重畳部は、
    前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する受信電力算出部と、
    前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に含まれている複数の周波数成分の電力をそれぞれ算出する送信電力算出部と、
    前記受信電力算出部により算出されたそれぞれの電力と、前記送信電力算出部により算出されたそれぞれの電力とに基づいて、前記共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を検出する未使用周波数検出部と、
    前記未使用周波数検出部により検出された周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させる校正用信号生成部と
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の校正装置。
  3. 前記信号重畳部は、
    前記共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を示す周波数情報を取得する周波数情報取得部と、
    前記周波数情報取得部により取得された周波数情報を参照することによって、前記中継器が未使用の周波数を検出して、前記未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させる校正用信号生成部と
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の校正装置。
  4. 前記第1のアンテナにより受信された電波の受信信号の周波数を、前記中継器が受信可能な周波数に変換し、周波数変換後の受信信号を前記第2のアンテナに出力する周波数変換部を備えたことを特徴とする請求項1記載の校正装置。
  5. 前記第1のアンテナにより受信された電波の受信信号を減衰し、減衰後の受信信号を前記第2のアンテナに出力する可変アッテネータを備えたことを特徴とする請求項1記載の校正装置。
  6. 第1のアンテナが、中継器が有している複数の送信素子アンテナのそれぞれから放射された送信信号に係る電波を受信して、前記電波の受信信号を出力し、第2のアンテナが、前記第1のアンテナから出力された受信信号に係る電波を前記中継器が有している複数の受信素子アンテナに向けて放射すると、
    信号重畳部が、前記中継器が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、前記中継器が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を検出して、前記未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させ、
    校正部が、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、前記複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正し、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号を用いて、前記複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する
    校正方法。
  7. 中継器が有している複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性と、前記中継器が有している複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性とを校正するコンピュータの処理手順を示す校正プログラムであって、
    第1のアンテナが、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれから放射された送信信号に係る電波を受信して、前記電波の受信信号を出力し、第2のアンテナが、前記第1のアンテナから出力された受信信号に係る電波を前記複数の受信素子アンテナに向けて放射すると、
    信号重畳部が、前記中継器が電波の送信周波数に用いることが可能な複数の周波数のうち、前記中継器が電波の受信周波数に用いることが可能な周波数と共通している周波数の中で、前記中継器が未使用の周波数を検出して、前記未使用の周波数を有する校正用信号を生成し、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与えられる送信信号に前記校正用信号を重畳させる処理手順と、
    校正部が、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号を用いて、前記複数の受信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正し、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号に含まれている校正信号を用いて、前記複数の送信素子アンテナにおけるそれぞれの特性を校正する処理手順と
    を備えていることを特徴とする校正プログラム。
  8. 複数の受信素子アンテナと、複数の送信素子アンテナと、前記複数の受信素子アンテナのそれぞれにより受信された電波の受信信号からビームを生成し、前記ビームから、前記複数の送信素子アンテナのそれぞれに与える送信信号を生成する中継処理部とを含む中継器と、
    請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の校正装置と
    を備えた中継装置。
  9. 請求項8記載の中継装置を実装している通信衛星を備える衛星通信システム。
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