JP7033646B1 - 評価装置、評価方法、および、評価プログラム - Google Patents

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Abstract

Figure 0007033646000001
【課題】介護記録から項目ごとの評価を自動的に得ることで、介護者の業務負担を軽減することを目的とする。
【解決手段】介護記録部110は、利用者に対して実施した介護の内容を表す介護記録を含む介護記録情報151を、介護者に記録させる。評価部120は、利用者の日常生活における動作の種類を表す項目ごとに利用者の自立の度合いを表す得点と得点に対応する介護の内容を表す評価文とを設定した評価情報153から、介護記録情報151に含まれる介護記録に対応する評価文を抽出する。評価部120は、抽出した評価文に対応する項目と得点とを取得し、取得した項目と得点とを用いて、利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報を生成する。
【選択図】図1

Description

本開示は、介護者による介護を利用する利用者の状態を評価する評価装置、評価方法、および、評価プログラムに関する。
介護施設において、介護記録は、利用者の状態把握およびスタッフ間の情報共有のための重要なものである。介護施設では職員の入れ替わりが多いという現実があり、介護記録により引継ぎが行われている。
しかしながら、介護記録を有効に活用できていないという現状がある。
また、利用者の日常生活における動作の機能的評価を数値化した指標を用いて、利用者の状態を評価し、ケアプランの効果検証を行うことが期待されている。利用者の日常生活における動作の機能的評価を数値化した指標には、例えば、ーセルインデックスがある。
特許文献1では、要介護者の日常生活における動作を細分化したADL(ADL:Activities of Daily Living)項目ごとに、介護者等から、要介護者における実績の入力を受け付ける。そして、介護者等から入力された実績に基づき、要介護者の日常生活における動作について機能的評価を行う技術が開示されている。
特開2006-018768号公報
特許文献1では、介護者は、ADL項目ごとに要介護者における実績を入力しなければならず、介護者における入力の負担が大きいという課題がある。
本開示では、介護記録から項目ごとの評価を自動的に得ることで、介護者の業務負担を軽減することを目的とする。
本開示に係る評価装置は、介護者による介護を利用する利用者の状態を評価する評価装置において、
前記利用者に対して実施した介護の内容を表す介護記録を含む介護記録情報を、前記介護者に記録させる介護記録部と、
前記利用者の日常生活における動作の種類を表す項目ごとに前記利用者の自立の度合いを表す得点と前記得点に対応する介護の内容を表す評価文とを設定した評価情報から、前記介護記録情報に含まれる介護記録に対応する評価文を抽出し、抽出した評価文に対応する項目と得点とを取得し、取得した項目と得点とを用いて、前記利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報を生成する評価部とを備える。
前記評価装置は、
前記利用者実績情報に基づいて、前記項目ごとの得点を可視化する可視化部を備える。
前記評価部は、
前記抽出した評価文に同一の項目に対応する複数の評価文が含まれる場合、前記複数の評価文から選択規則に従って1つの評価文を選択する。
前記選択規則は、
前記複数の評価文のうち、前記利用者に対して介護を実施した時刻が最も新しい介護記録に対応する評価文を選択する規則か、
前記複数の評価文のうち最も高い得点に対応する評価文を選択する規則か、
前記複数の評価文のうち最も低い得点に対応する評価文を選択する規則か、あるいは、
前記複数の評価文のうち前記複数の評価文に最も多く含まれる評価文を選択する規則である。
前記評価装置は、
介護の内容の入力に用いられる定型文を設定した定型文情報を備え、
前記介護記録部は、
前記定型文情報に設定された定型文から前記介護者が実施した介護の内容を前記介護者に選択させ、選択した定型文を用いた前記介護記録の入力を支援する介護記録入力画面を表示する。
前記評価情報には、前記定型文情報に設定されている定型文に基づいて生成された前記評価文が設定されている。
前記評価装置は、
前記評価情報に設定されている前記評価文に対応する項目を変更する再設定部を備える。
本開示に係る評価方法は、介護者による介護を利用する利用者の状態を評価する評価装置に用いられる評価方法において、
介護記録部が、実施した介護の内容を表す介護記録を含む介護記録情報を、前記介護者に記録させ、
評価部が、前記利用者の日常生活における動作の種類を表す項目ごとに前記利用者の自立の度合いを表す得点と前記得点に対応する介護の内容を表す評価文とを設定した評価情報から、前記介護記録情報に含まれる介護記録に対応する評価文を抽出し、抽出した評価文に対応する項目と得点とを取得し、取得した項目と得点とを用いて、前記利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報を生成する。
本開示に係る評価プログラムは、介護者による介護を利用する利用者の状態を評価する評価プログラムにおいて、
実施した介護の内容を表す介護記録を含む介護記録情報を、前記介護者に記録させる介護記録処理と、
前記利用者の日常生活における動作の種類を表す項目ごとに前記利用者の自立の度合いを表す得点と前記得点に対応する介護の内容を表す評価文とを設定した評価情報から、前記介護記録情報に含まれる介護記録に対応する評価文を抽出し、抽出した評価文に対応する項目と得点とを取得し、取得した項目と得点とを用いて、前記利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報を生成する評価処理と
をコンピュータに実行させる。
本開示に係る評価装置では、日常生活における動作の項目ごとに、利用者の自立の度合いを表す得点とその得点に対応する介護の内容を表す評価文とを設定した評価情報を備える。評価部は、介護記録情報に含まれる介護記録に対応する評価文を評価情報から抽出し、抽出した評価文に対応する項目と得点とを取得する。そして、評価部は、取得した項目と得点とを用いて、利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報を生成する。本開示に係る評価装置によれば、介護記録情報から項目ごとの評価を自動的に得ることができるので、介護者の業務負担を軽減することができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る評価装置の構成例。 実施の形態1に係る介護記録情報の例を示す図。 実施の形態1態に係る定型文情報の例を示す図。 実施の形態1に係る介護記録処理を示すフロー図。 実施の形態1に係る介護記録入力画面の例を示す図。 実施の形態1に係る介護記録入力画面の例を示す図。 実施の形態1に係る評価情報の例を示す図。 実施の形態1に係る利用者実績情報の例を示す図。 実施の形態1に係る評価処理を示すフロー図。 実施の形態1に係る評価処理の具体例を示す図。 実施の形態1の変形例に係る評価装置の構成例。 実施の形態2に係る評価装置の構成例。 実施の形態2に係る再設定処理を示すフロー図。 実施の形態2に係る再設定処理の具体例を示す図。 実施の形態2に係る変更後の評価情報の例を示す図。
以下、本開示の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を用いて、本実施の形態に係る評価装置100の構成例について説明する。
評価装置100は、介護者による介護を利用する利用者の状態を評価する装置である。
利用者とは、例えば、介護サービスを利用する高齢者等である。また、介護者とは、介護サービスを提供する者、つまり利用者に対して介護を実施する者である。
評価装置100は、コンピュータである。評価装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
評価装置100は、機能要素として、介護記録部110と評価部120と可視化部130と記憶部150を備える。記憶部150には、介護記録情報151と定型文情報152と評価情報153と選択規則154と利用者実績情報155が記憶される。
介護記録部110と評価部120と可視化部130の機能は、ソフトウェアにより実現される。
記憶部150は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部150は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
プロセッサ910は、評価プログラムを実行する装置である。評価プログラムは、介護記録部110と評価部120と可視化部130の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
通信装置950は、ネットワークを介して他の装置と通信する。通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、有線または無線で、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。
評価プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、評価プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、評価プログラムを実行する。評価プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている評価プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、評価プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
評価装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、評価プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、評価プログラムを実行する装置である。
評価プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
介護記録部110と評価部120と可視化部130の各部の「部」を「処理」、「手順」あるいは「工程」に読み替えてもよい。評価プログラムは、介護記録処理と評価処理と可視化処理といった評価処理を、コンピュータに実行させる。また、評価方法は、評価装置100が評価プログラムを実行することにより行われる方法である。
評価プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、評価プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
***動作の説明***
図2から図6を用いて、本実施の形態に係る評価装置100の動作について説明する。
評価装置100の動作手順は、評価方法および評価処理に相当する。また、評価装置100の動作を実現するプログラムは、評価プログラムに相当する。
図2は、本実施の形態に係る介護記録情報151の例を示す図である。
介護サービスの提供時において、介護者は、利用者に対して実施した介護の記録を介護記録として介護記録情報151に記録する。
介護記録情報151は、利用者を識別する利用者識別子ごとに記録される。介護記録情報151は、介護者が利用者に対して介護を実施した時刻511と、実施した介護の内容を表す介護記録512とを含む。
図2に示すように、介護記録情報151は、日にちごとに記録される。あるいは、日にちと時刻とを含む日時と介護記録とを記録する形式でもよい。
図2の介護記録情報151では、利用者識別子がU001の利用者における、2020年9月2日の介護記録情報151が示されている。
<介護記録処理>
介護記録処理では、介護記録部110は、介護者による介護記録512の入力を支援する。介護記録部110は、介護記録入力画面501を表示することにより、介護者による介護記録512の入力を支援する。介護記録処理を用いた介護記録入力支援のツールを、介護記録ツールあるいは介護記録ナビゲーションとも呼ぶ。
介護記録部110は、利用者に対して介護を実施した時刻511と、実施した介護の内容を表す介護記録512とを含む介護記録情報151を、介護記録入力画面501を介して介護者に記録させる。
図3は、本実施の形態に係る定型文情報152の例を示す図である。
評価装置100は、介護の内容の入力に用いられる定型文522を設定した定型文情報152を記憶部150に備える。介護記録部110は、定型文情報152に設定された定型文522から、介護者が実施した介護の内容を表すための定型文を選択させる。そして、介護記録部110は、選択した定型文を用いた介護記録512の入力を支援するための介護記録入力画面501を表示することにより、介護記録512の入力を支援する。
定型文情報152には、介護の内容の入力に用いられる定型文522が、利用者の日常生活における動作の種類を表す項目521ごとに設定されている。定型文522では、介護者により入力可能な可変部分を入力可変箇所[ ]で示している。
例えば、項目「食事」の1行目には、定型文「主食[ ]割と副食[ ]割と汁物[ ]割を摂取した。」が設定されている。[ ]で示した入力可変箇所には、介護者が実績を入力する。
図4は、本実施の形態に係る介護記録処理を示すフロー図である。
図5は、本実施の形態に係る介護記録入力画面501a,501bの例を示す図である。
介護者が介護記録ツールを用いた介護記録処理を開始すると、ステップS101において、介護記録部110が、介護記録入力画面501aを表示機器に表示する。
介護記録入力画面501aには、利用者識別子、利用者名、日にちが表示される。また、時刻入力欄と介護記録を入力する介護記録欄が表示される。介護者の入力負担をより軽減するために、時刻入力欄には現在時刻が予め表示されていてもよい。このとき、予め表示されている時刻は修正可能とする。
ステップS102において、介護者により介護記録欄のプルダウンが押下されると、介護記録部110は、定型文情報152に設定されている項目および定型文の一覧を表示する。このとき、介護記録部110は、介護者が定型文を選択できる状態に表示する。
介護記録入力画面501bでは、時刻「12:00」の介護記録欄のプルダウンが押下され、定型文情報152に設定されている定型文が選択可能な状態に表示されている。
図6は、本実施の形態に係る介護記録入力画面501c,50dの例を示す図である。
ステップS103において、介護記録入力画面501bを介して定型文が選択されると、介護記録部110は、選択された定型文を介護記録欄に表示する。
介護記録入力画面50cでは、時刻「12:00」の介護記録欄に定型文「主食[ ]割と副食[ ]割と汁物[ ]割を摂取した。」が表示されている。
ステップS104において、介護記録部110は、介護記録欄に表示された定型文に入力可変箇所があれば、介護者から入力可変箇所への入力を受け付ける。
介護記録入力画面50dでは、時刻「12:00」の介護記録欄の定型文の入力可変箇所に介護者から実績が入力された状態を示している。介護者から実績が入力された結果、時刻「12:00」の介護記録欄には、「主食[8]割と副食[5]割と汁物[10]割を摂取した。」との介護記録が設定される。
介護者によりOKボタンが押下されると、ステップS105において、介護記録部110は、介護者により入力された介護記録を記憶部150の介護記録情報151に記憶する。
図2の介護記録情報151における時刻「12:00」の介護記録512には、介護記録入力画面501dにおいてOKボタンが押下された介護記録「主食[8]割と副食[5]割と汁物[10]割を摂取した。」が記録される。同様にして、介護者は、介護記録ツールを用いて、介護の実績を介護記録情報151に記録していく。
図2の介護記録情報151では、さらに、時刻「15:30」に介護記録「おやつに好物のお菓子が出て、ごきげんだった。完食だった。」が記録されている。また、時刻「17:30」に介護記録「看護師の指示により、入浴を中止した。」が記録されている。
時刻「17:30」に記録された介護記録「看護師の指示により、入浴を中止した。」は、図3の定型文情報152に設定されている項目「入浴」の定型文「[ ]の指示により、入浴を中止した。」を用いて記録されている。しかし、時刻「15:30」に記録された介護記録「おやつに好物のお菓子が出て、ごきげんだった。完食だった。」は、介護者が定型文を用いずに入力した自由文である。このように、介護記録処理では、自由文の入力も可能とする。
<評価処理>
次に、評価情報153を用いて、利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報155を生成する評価処理について説明する。評価情報153には、日常生活における動作の種類を表す項目ごとに、利用者の自立の度合いを表す得点と、得点に対応する介護の内容を表す評価文とが設定されている。
図7は、本実施の形態に係る評価情報153の例を示す図である。
図8は、本実施の形態に係る利用者実績情報155の例を示す図である。
評価情報153には、項目531と得点532と評価文533が設定されている。
項目531は、利用者の日常生活における動作の種類を表す項目である。
得点532は、利用者の自立の度合いを表す得点である。
評価文533は、得点532に対応する介護の内容を表す文章である。評価文533は、定型文情報152に設定されている定型文522に基づいて生成されている。
項目531と得点532は、例えば、利用者の日常生活における動作の機能的評価を数値化した指標であるーセルインデックスに基づいて設定される。あるいは、他の指標に基づいて項目531と得点532を設定してもよい。あるいは、2つ以上の異なる指標を用いて、多面的に評価する構成としてもよい。
例えば、図7の評価情報153では、項目「食事」において得点「10」に対応する介護の内容は、「主食<8-10>割と副食<5-10>割と汁物<6-10>割を摂取した。」との評価文により表されている。この評価文は、定型文「主食[ ]割と副食[ ]割と汁物[ ]割を摂取した。」の入力可変箇所に、項目「食事」において得点「10点」を満たすための数値の範囲を設定することにより生成されている。
評価文の< >で囲まれた部分は、数値であればその得点に対応する範囲を示し、文字列であればその得点に対応する候補を示す。
つまり、項目「食事」において、介護実績が評価文「主食<8-10>割と副食<5-10>割と汁物<6-10>割を摂取した。」を満たす場合、自立の度合いを表す得点は「10」となることを意味する。
また、項目「入浴」において、介護実績が評価文「特段の介助は不要。」を満たす場合、得点は「5」となる。この評価文も、定型文「特段の介助は不要。」により生成されている。
また、項目「入浴」において、介護実績が評価文「<看護師、医師>の指示により、入浴を中止した。」を満たす場合、得点は「0」となる。この評価文は、定型文「[ ]の指示により、入浴を中止した。」の入力可変箇所に、項目「入浴」において得点「0点」を満たすための文言の候補を設定することにより生成されている。
上述したように、「主食<8-10>割」と記載されている場合は、「主食を8割から10割」摂取した、ことを意味する。また、「<看護師、医師>の指示により、」と記載されている場合は、「看護師または医師の指示により、」であることを意味する。
利用者実績情報155には、利用者における項目ごとの得点が設定される。
具体的には、利用者実績情報155には、利用者識別子551、日にち552、項目553、および得点554が設定される。
図8では、利用者識別子「U001」の利用者における、日にち「2020/9/2」および「2020/9/3」の項目ごとの得点が設定されている。
利用者実績情報155への設定方法については後述する。
図9は、本実施の形態に係る評価処理を示すフロー図である。
図10は、本実施の形態に係る評価処理の具体例を示す図である。
評価処理において、評価部120は、評価情報153から、介護記録情報151に含まれる介護記録512に対応する評価文533を抽出し、抽出した評価文533に対応する項目531と得点532とを取得する。評価部120は、取得した項目531と得点532とを用いて、利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報155を生成する。
ステップS201において、評価部120は、介護記録情報151から、評価対象の利用者の同一日にちの介護記録512を読み込む。
図10の例では、利用者識別子「U001」の日にち「2020/9/2」における3つの介護記録が読み込まれたものとする。3つの介護記録は、「主食8割と副食5割と汁物10割を摂取した。」、「おやつに好物のお菓子が出て、ごきげんだった。完食だった」、「看護師の指示により、入浴を中止した。」である。
ステップS202において、評価部120は、評価情報153から、読み込んだ介護記録512に対応する評価文533を抽出する。
例えば、評価部120は、介護記録512に一致する評価文533を抽出する。ここで、「一致」の判断において、評価文の<>で囲まれた部分については、<>の範囲に含まれる、あるいは、<>内の候補のいずれかに一致したことを示す。
また、評価部120は、抽出した評価文に同一の項目に対応する複数の評価文が含まれる場合、複数の評価文から選択規則154に従って1つの評価文を選択する。
選択規則154の具体例は以下の(1)から(4)の通りである。
(1)評価部120は、複数の評価文のうち時刻が最も新しい介護記録に対応する評価文を選択する選択規則154に従って、1つの評価文を選択する。
(1)の選択規則154を用いることにより、利用者の最新の日常生活動作の状態を評価に反映させることができる。
(2)評価部120は、複数の評価文のうち最も高い得点に対応する評価文を選択する選択規則154に従って、1つの評価文を選択する。
(2)の選択規則154を用いることにより、自立の度合いの高い日常生活動作の状態を評価に反映させることができる。
(3)評価部120は、複数の評価文のうち最も低い得点に対応する評価文を選択する選択規則154に従って、1つの評価文を選択する。
(3)の選択規則154を用いることにより、利用者にとって自立の度合いが低くなりつつある日常生活動作を的確に評価に反映させることができる。
(4)評価部120は、複数の評価文のうち、複数の評価文に最も多く含まれる評価文を選択する選択規則154に従って、1つの評価文を選択する。
(4)の選択規則154を用いることにより、利用者にとって最も現状に近い評価を行うことができる。
以上のように、介護サービスの特性に合わせて選択規則を設定することができる。
図10の例では、時刻「12:00」の介護記録「主食8割と副食5割と汁物10割を摂取した。」と一致する評価文「主食<8-10>割と副食<5-10>割と汁物<6-10>割を摂取した。」が評価情報153から抽出される。また、時刻「15:30」の介護記録「おやつに好物のお菓子が出て、ごきげんだった。完食だった」と一致する評価文はないと判定され、評価文は抽出されない。また、時刻「17:30」の介護記録「看護師の指示により、入浴を中止した。」と一致する評価文「<看護師、医師>の指示により、入浴を中止した。」が評価情報153から抽出される。
評価部120は、抽出した評価文533に対応する項目531と得点532とを取得する。
具体的には、評価部120は、抽出した評価文533に対し、対応する項目531と得点532とを取得し、メモリ921に一時記憶する処理を行う。
ステップS203において、評価部120は、抽出した全ての評価文533に対して、項目531と得点532とを取得する処理を行ったかを判定する。未処理の評価文があれば、ステップS204に進む。未処理の評価文が無くなったら、ステップS205に進む。
ステップS204において、評価部120は、未処理の評価文533に対し、対応する項目531と得点532とを取得し、メモリ921に一時記憶する処理を行う。
ステップS205において、評価部120は、抽出した評価文533から取得した項目531と得点532とを用いて、利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報155を生成する。具体的には、評価部120は、メモリ921に一時記憶した項目531と得点532とを用いて、評価対象の利用者の当該日における項目ごとの得点を利用者実績情報155に設定する。
図10の例では、2つの評価文「主食<8-10>割と副食<5-10>割と汁物<6-10>割を摂取した。」と「看護師の指示により、入浴を中止した。」が抽出されている。そして、評価文「主食<8-10>割と副食<5-10>割と汁物<6-10>割を摂取した。」から、項目「食事」について得点「10」が取得される。また、評価文「看護師の指示により、入浴を中止した。」から、項目「入浴」について得点「0」が取得される。
評価部120は、このように取得した項目および得点を、利用者実績情報155における利用者識別子「U001」の日にち「2020/9/2」の欄に設定する。
利用者実績情報155によれば、利用者ごとの日常生活動作の項目別の得点が日単位で蓄積される。
本実施の形態では、日単位で蓄積する例を示しているが、週単位、あるいは、月単位で蓄積してもよい。
<可視化処理>
次に、可視化部130は、利用者実績情報155に基づいて、項目ごとの得点を可視化する。可視化部130は、円グラフ、棒グラフ、線グラフ、あるいはこれらの組み合わせといった方法により項目ごとの得点をグラフ化する。なお、利用者の状態の推移が確認できる方式であれば、どのような方式で可視化しても構わない。
***他の構成***
<変形例1>
本実施の形態では、評価部は、介護記録と評価文との一致判定を行う。このとき、完全一致ではなく、単語(キーワード)の類似検索機能により類似検索された範囲を一致としてもよい。
<変形例2>
本実施の形態では、介護者が介護記録ツールを用いて介護記録を入力するものとしているが、介護者に依頼された他の設定者あるいは記録入力者により介護記録が入力されてもよい。
<変形例3>
図11は、本実施の形態の変形例2に係る評価装置100の構成例である。
本実施の形態では、評価装置100における介護記録部110と評価部120と可視化部130の機能がソフトウェアで実現される。しかし、変形例として、介護記録部110と評価部120と可視化部130の機能がハードウェアで実現されてもよい。
すなわち、図11に示すように、図1におけるプロセッサ910を電子回路909に置き換えてもよい。
電子回路909は、介護記録部110と評価部120と可視化部130の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated
Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
別の変形例として、介護記録部110と評価部120と可視化部130の一部の機能が専用のハードウェアで実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサ910と、メモリ921と、電子回路909とを、総称して「プロセッシングサーキットリ」という。つまり、評価装置100の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る評価装置100によれば、通常記録される介護記録から、利用者ごとの定量的な状態の評価を自動的に行うことができる。よって、介護者における評価の負担が軽減される。また、本実施の形態に係る評価装置100によれば、介護記録ツール(介護記録ナビゲーション)により、介護記録の入力の負担も軽減される。よって、介護者における業務負担を大幅に軽減することができる。
本実施の形態に係る評価装置100によれば、介護記録ツール(介護記録ナビゲーション)により、定型文で介護記録を簡単に作成することができる。また、評価情報の評価文は、介護記録ツール(介護記録ナビゲーション)で用いられる定型文により生成されているので、定型文により記載された介護記録と評価文との比較がしやすくなり、評価の精度を向上させることができる。
本実施の形態に係る評価装置100によれば、利用者ごとの項目別の状態の推移が可視化されるので、自立の度合いの推移の確認が容易となり、より充実した介護サービスを提供することができる。また、利用者ごとの項目別の状態の推移が可視化されるので、ケアプランの効果検証、あるいは、今後の介護サービスの充実化に有効活用することができる。
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点および実施の形態1に追加する点について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
***構成の説明***
図12を用いて、本実施の形態に係る評価装置100の構成例について説明する。
本実施の形態に係る評価装置100は、実施の形態1の構成に加え、再設定部140を備える。
その他の構成については、実施の形態1と同様である。
再設定部140は、評価情報153に設定されている項目を変更するための評価情報変更画面502を表示する。再設定部140は、評価情報変更画面502を介して、評価情報153に設定されている項目531の変更を受け付ける。
***動作の説明***
次に、再設定部140による再設定処理について説明する。
<再設定処理>
図13は、本実施の形態に係る再設定処理を示すフロー図である。
図14は、本実施の形態に係る再設定処理の具体例を示す図である。
ステップS301において、再設定部140は、評価装置100を利用する介護者から、評価情報153に設定されている項目を変更する変更要求を受け付ける。なお、介護者以外の、記録入力する設定者等から、変更要求を受け付ける場合もある。
ステップS302において、再設定部140は、評価情報153に設定されている項目を変更するための評価情報変更画面502を表示する。
図14に示すように、評価情報変更画面502は、現在の評価情報153の項目531を変更するための入力画面である。評価情報変更画面502では、項目531が、現項目531aと変更後項目531bに分かれている。変更後項目531bの欄には、変更後項目531bの候補がプルダウンにより選択可能に表示される。
ステップS303において、再設定部140は、介護者から、変更後項目の選択を受け付け、選択された項目を変更後項目の該当箇所に表示する。
介護者により、選択された変更後項目に対してOKボタンが押下されると、ステップS304において、再設定部140は、選択された変更後項目を評価情報153に設定する。
図14では、現項目「入浴」における評価文「出入りのときに介助を行った。」の項目を、「整容」に変更する例が示されている。
例えば、現在の評価情報153において、評価文「出入りのときに介助を行った。」は、項目「入浴」に対して設定されているものとする。この場合、介護者が「整容」について「出入りのときに介助を行った。」と介護記録を入力したとしても、「入浴」の評価文として抽出され、利用者実績情報155では「入浴」として評価されてしまう。このような誤りが判明した場合に、介護者は項目の再設定処理を行う。
図15は、本実施の形態に係る変更後の評価情報153の例を示す図である。
図15では、評価情報153に、新たに項目「整容」についての評価文「出入りのときに介助を行った。」が設定されている。あるいは、項目「入浴」についての評価文「出入りのときに介助を行った。」に替えて、項目「整容」についての評価文「出入りのときに介助を行った。」を設定してもよい。
本実施の形態では、介護者が評価情報変更画面502から再設定を行う態様を説明したが、再設定部140が機械学習モデルとして評価情報153を再設定する機能を有していてもよい。例えば、再設定部140は、繰り返される評価処理の評価結果を機械学習することにより、最適な評価情報153を再設定する機能を有してもよい。
つまり再設定部140は、評価情報153に設定されている評価文533に対応する項目531を変更するための評価情報変更画面502を表示し、評価文533に対応する項目531の変更を受け付け、評価文533に対応する項目531を変更する。あるいは再設定部140は、機械学習モデルとして評価情報153の評価文533に対応する項目531を変更する。機械学習モデルは、既存のアルゴリズムを用いて学習したモデルあるいは、既存のアルゴリズムによらず学習したモデルである。
また評価文に対応する項目の変更は、評価情報153に登録される評価文の数を一定にするように元の項目を削除して新たな項目を追加するよう動作してもよいし、評価情報153に登録される評価文の数を増やしていくように元の項目を残して新たな項目を追加するように動作してもよい。
なお評価情報153の得点532は、利用者の自立の度合いを長期的に観察するため、変更しないことが望ましいが、場合によって再設定部140は、項目531と同様に得点532も変更するように構成してもよい。
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る再設定部140による再設定処理によれば、評価情報の精度を向上させることで、評価処理の精度を向上させることができる。
以上の実施の形態1および2では、評価装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、評価装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。評価装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、評価装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1および2のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これら実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1および2では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
100 評価装置、110 介護記録部、120 評価部、130 可視化部、140 再設定部、150 記憶部、151 介護記録情報、152 定型文情報、153 評価情報、154 選択規則、155 利用者実績情報、501,501a,501b,501c,501d 介護記録入力画面、502 評価情報変更画面、511 時刻、512 介護記録、521,531,553 項目、522 定型文、532,554 得点、533 評価文、531a 現項目、531b 変更後項目、551 利用者識別子、552 日にち、909 電子回路、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置。

Claims (9)

  1. 介護者による介護を利用する利用者の状態を評価する評価装置において、
    前記利用者に対して実施した介護の内容を表す介護記録を含む介護記録情報を、前記介護者に記録させる介護記録部と、
    前記利用者の日常生活における動作の種類を表す項目ごとに前記利用者の自立の度合いを表す得点と前記得点に対応する介護の内容を表す評価文とを設定した評価情報から、前記介護記録情報に含まれる介護記録に対応する評価文を抽出し、抽出した評価文に対応する項目と得点とを取得し、取得した項目と得点とを用いて、前記利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報を生成する評価部と
    を備えた評価装置。
  2. 前記評価装置は、
    前記利用者実績情報に基づいて、前記項目ごとの得点を可視化する可視化部を備えた請求項1に記載の評価装置。
  3. 前記評価部は、
    前記抽出した評価文に同一の項目に対応する複数の評価文が含まれる場合、前記複数の評価文から選択規則に従って1つの評価文を選択する請求項1または請求項2に記載の評価装置。
  4. 前記選択規則は、
    前記複数の評価文のうち、前記利用者に対して介護を実施した時刻が最も新しい介護記録に対応する評価文を選択する規則か、
    前記複数の評価文のうち最も高い得点に対応する評価文を選択する規則か、
    前記複数の評価文のうち最も低い得点に対応する評価文を選択する規則か、あるいは、
    前記複数の評価文のうち前記複数の評価文に最も多く含まれる評価文を選択する規則である請求項3に記載の評価装置。
  5. 前記評価装置は、
    介護の内容の入力に用いられる定型文を設定した定型文情報を備え、
    前記介護記録部は、
    前記定型文情報に設定された定型文から前記介護者が実施した介護の内容を前記介護者に選択させ、選択した定型文を用いた前記介護記録の入力を支援する介護記録入力画面を表示する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の評価装置。
  6. 前記評価情報には、前記定型文情報に設定されている定型文に基づいて生成された前記評価文が設定されている請求項5に記載の評価装置。
  7. 前記評価装置は、
    前記評価情報に設定されている前記評価文に対応する項目を変更する再設定部を備えた請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の評価装置。
  8. 介護者による介護を利用する利用者の状態を評価する評価装置に用いられる評価方法において、
    介護記録部が、実施した介護の内容を表す介護記録を含む介護記録情報を、前記介護者に記録させ、
    評価部が、前記利用者の日常生活における動作の種類を表す項目ごとに前記利用者の自立の度合いを表す得点と前記得点に対応する介護の内容を表す評価文とを設定した評価情報から、前記介護記録情報に含まれる介護記録に対応する評価文を抽出し、抽出した評価文に対応する項目と得点とを取得し、取得した項目と得点とを用いて、前記利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報を生成する評価方法。
  9. 介護者による介護を利用する利用者の状態を評価する評価プログラムにおいて、
    実施した介護の内容を表す介護記録を含む介護記録情報を、前記介護者に記録させる介護記録処理と、
    前記利用者の日常生活における動作の種類を表す項目ごとに前記利用者の自立の度合いを表す得点と前記得点に対応する介護の内容を表す評価文とを設定した評価情報から、前記介護記録情報に含まれる介護記録に対応する評価文を抽出し、抽出した評価文に対応する項目と得点とを取得し、取得した項目と得点とを用いて、前記利用者における項目ごとの得点が設定された利用者実績情報を生成する評価処理と
    をコンピュータに実行させる評価プログラム。
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