JP7031326B2 - 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器 - Google Patents
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Description
CMOSイメージセンサは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、医療用内視鏡、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話等の携帯端末装置(モバイル機器)等の各種電子機器の一部として広く適用されている。
たとえば,完全自動運転などを実現する場合の車載センサもIoTとみなすことができ、取得データの改ざんは事故など重大な被害を生じるおそれがある。
従来の暗号技術ではデジタル化されたマイコンチップ以降の信号は守られているが、センサチップから出てくる直後の信号が必ずしも守られていない。その理由は、部品としてのセンサ単体には低コストが求められ、余分な回路となるセキュリティ技術が普及していないためである。
また、半導体デバイスにおいてPUFとは、製造時に発生するトランジスタのしきい値のばらつきなどにより起こる微小な性能のずれを抽出し、固有のIDとして出力する回路である。
このPUFで発生させた固有IDを用いてデバイスを認証したり,取得データに真正性を確保するためのメッセージ認証符号(MAC)を付与したりすることで情報の改ざんを防止できる。
大小比較する画素トランジスタの値の差が大きい場合は、ノイズや温度・電圧などの環境条件が変動しても、しきい値電圧の大小関係は反転しないため、安定なビットであることが判断できる。
また、CIS-PUFは他のメモリ型PUFと同様にCR空間が狭いため、CR認証可能な回数が少ない。
たとえば、1回の認証で128ビットのレスポンスを消費すると、3,840回の認証でIDが枯渇してしまうおそれがある。使い方にもよるが、たとえば1日4回の認証を行うと3年以内にIDを使い切ってしまうおそれがある。
しかしこの方法では、出力ペアを組み替えるための計算が必要であり、また離れた位置の画素を比較する場合、列ごとに固有な成分や、製造時に広域的に発生するばらつきの影響を受けてしまうという問題がある。
また、本発明の固体撮像装置は、光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかに関連付けてレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部を含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理回路と、を有し、前記情報セキュリティ信号処理は、画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、前記ばらつき情報は、複数ビットのデジタル値として取得され、前記信号処理回路は、前記レスポンスデータを生成のために読み出したばらつき情報を多ビット化する機能を有する。
また、本発明は、光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、を含む固体撮像装置の駆動方法であって、前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかの情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップで取得したばらつき情報に関連付けて固有鍵を含むレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成ステップを含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理ステップと、を有し、前記情報セキュリティ信号処理は、画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、前記ばらつき情報は、複数ビットのデジタル値として取得され、前記信号処理ステップは、前記レスポンスデータを生成のために読み出したばらつき情報を多ビット化するステップを含む。
また、本発明の電子機器は、固体撮像装置と、前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、前記固体撮像装置は、光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかに関連付けてレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部を含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理回路と、を有し、前記情報セキュリティ信号処理は、画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、前記ばらつき情報は、複数ビットのデジタル値として取得され、前記信号処理回路は、前記レスポンスデータを生成のために読み出したばらつき情報を多ビット化する機能を有する。
本実施形態において、固体撮像装置10は、たとえばCMOSイメージセンサにより構成される。
これらの構成要素のうち、たとえば垂直走査回路30、読み出し回路40、水平走査回路50、およびタイミング制御回路60により画素信号の読み出し部90が構成される。
固体撮像装置10は、CIS-PUFではPUFのレスポンス(以下、PUFレスポンスという場合もある)を生成する際に、画素のばらつき情報および読み出し部のばらつき情報のうちの少なくともいずれか一方に関連付けて固有鍵を含むレスポンスデータを生成することが可能に構成される。
固体撮像装置10は、大小比較する画素トランジスタのデジタル値の差が大きい場合は、ノイズや温度・電圧などの環境条件が変動しても、しきい値電圧VTHとの大小関係は反転しないため、安定なビットであることが判断できる。
本来、画素ばらつきの多くはCDS回路によって除去されるが、CIS-PUFは相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)回路を動作させて撮影する通常の撮像モード(通常動作モード)と、CDS回路を動作させずに撮影するセキュリティモード(PUFモードあるいはレスポンス作成モードMDR)を有している。
本実施形態の信号処理回路70は、制御装置であるマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)と認証処理等にかかわる通信を行うことが可能なビデオインタフェース(I/F)710を有している。
信号処理回路70は、情報セキュリティのための信号処理の処理時間による画像データフレームレートの低下を防止でき、処理回路による装置コストの増加を防止することが可能となるように、情報セキュリティ信号処理を、画像信号処理のブランキング期間の信号処理または行(ライン)ごとの信号処理として実行する。
そして、情報セキュリティ信号処理は、画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含む。
信号処理回路70の多ビット化部720は、多ビット化処理として、ばらつき情報を複数の出力を1ブロックとして取り出して、レーマー(Lehmer)符号により符号化し、レーマー(Lehmer)符号化した情報をグレイコード(Gray code)に変換して行うLG(Lehmer-Gray)法を採用している。
このLG法による多ビット化処理については後で詳述する。
ここで、デバイス個体固有のばらつきをセキュリティに利用するPUFの応用としてのチャレンジおよびレスポンス認証(Challenge & Response(CR認証))の概要について説明する。
その後、本実施形態の特徴の一つであるデバイス認証、データ整合性認証、およびデータ暗号化の各処理について説明する。
図2は、チャレンジおよびレスポンス認証(Challenge & Response(CR認証))システムの概要について説明するための図である。
CIS-PUFチップ200は、図1のビデオインタフェース710としてのビデオインタフェース(Video I/F)210を有し、マイコン300はコントロールインタフェース(Control I/F)310を有する。
事前登録モードでは、PUFモード側から全画素のIDを生成し、これをマイコン300の安全な領域に保管する。
これを受けてCIS-PUFチップ200はPUFモードで撮影を行いPUFモード画像を得る。
次に、マイコン300は乱数発生器(RNG)301によりどの画素を使用してIDを生成するかを乱数で決定し、そのアドレス指定をチャレンジ情報としてCIS-PUFチップ200に送信する(ステップST2)。
CIS-PUFチップ200は受け取ったアドレス指定に従ってPUFモード画像を切り出し、1/0データを生成する。CIS-PUFチップ200は、このIDをチャレンジに対するレスポンスとしてマイコン300に送信する(ステップST3)。
マイコン300は事前に登録しておいた1/0データから指定したアドレスのIDを切り出し、CIS-PUFチップ200から受け取ったIDと比較する。IDが一致すれば認証成功となる(ステップST4)。
デバイス認証、データ整合性認証、およびデータ暗号化の各処理について説明する。
図3(A)および(B)は、本実施形態におけるデバイス認証について説明するための図である。
次に、セキュリティモード(PUFモード)において、垂直ブランキング期間PVB中に受信したYアドレスに従って画素にアクセスする。
垂直ブランキング期間PVB中に画素信号を処理して再現性およびユニーク性が改善されたデバイスIDを取得する。
そして、垂直ブランキング期間PVB中または次の画素読み出し期間中に取得したデバイスIDをチャレンジに対するレスポンスとしてマイコン300に送信する。
マイコン300は、認証のためにデバイスIDをチェックする。
認証は、ストリーミングビデオデータの場合、1フレーム、1秒、1分、1時間、または1日のいずれかの期間で実行される。
図4(A)および(B)は、本実施形態におけるデータ整合性認証について説明するための図である。
垂直ブランキング期間PVB中にアドレス指定された画素のばらつき情報からデバイスIDを取得する。
そして、行(ライン)画素信号を読み込み、メッセージ認証符号(MAC)機能により、デバイスIDを固有鍵、ライン画素信号をメッセージとするデータタグを生成する。
次に、ビデオI/F210またはコントロールI/F310を介した水平ブランキング期間PHB中またはビデオI/F210またはコントロールI/F310を介した垂直ブランキング期間PVB中に、画素アドレス、ライン画素信号、およびデータタグを、整合性認証を行う制御装置であるマイコン300側に転送する。
受信機側のマイコン300は、画素アドレスとともに生成されたのと同じキーと、整合性検証のための画素データとを用いてMAC処理を実行する。
なお、画素アドレスはいつでも任意に変更することができる。
図5(A)および(B)は、本実施形態におけるデータ暗号化処理について説明するための第1図である。
図6(A)~(C)は、本実施形態におけるデータ暗号化処理について説明するための第2図である。
垂直ブランキング期間PVB中にアドレス指定された画素のばらつき情報からデバイスIDを取得する。
画素部20から第1行(Line1)の画素信号を読み出し、画素信号を内部のラインメモリに保存する。
画素部20から第2行(Line2)の画素信号を読み出し中に、第1行(Line1)の画素信号をデバイスIDである鍵で暗号化する。
画素部20から第3行(Line3)の画素信号を読み出し中に、暗号化された第1行(Line1)の画素信号および画素アドレスを、暗号解読処理を行う制御装置側ISP(Image Signal Processor)としてのマイコン300に転送する。
マイコン300では、暗号化された第1行(Line1)の画素値を同じ鍵で解読する。
バックグラウンド暗号化処理にはより多くの時間がかかるが、1行の読み取り期間中に行う必要はない。
通常、CMOSイメージセンサ(CIS)は数行のメモリを装備しており、このラインメモリの再利用によって、ラインバイライン暗号化は無視できるほどの小さな回路コストをも実現する。
以下、固体撮像装置10の各部の構成および機能の概要、特に、画素部20の構成および機能等について説明する。
その後、本実施形態の固体撮像装置10の特徴的な構成、機能について、固有鍵の生成、並びに固有鍵を含む識別データと画像データの一体化を行ってレスポンスデータを作成する、いわゆる暗号化処理であるレスポンスデータ作成処理、レスポンスデータ生成のために読み出したPUFレスポンスであるばらつき情報を多ビット化する機能、認証の評価等を中心に説明する。
画素部20は、フォトダイオード(光電変換素子)と画素内アンプとを含む複数の画素がn行×m列の2次元の行列状(マトリクス状)に配列されている。
そして、このフォトダイオードPDに対して、転送トランジスタTG-Tr、リセットトランジスタRST-Tr、ソースフォロワトランジスタSF-Tr、および選択トランジスタSEL-Trをそれぞれ一つずつ有する。
以下、信号電荷は電子であり、各トランジスタがn型トランジスタである場合について説明するが、信号電荷がホールであったり、各トランジスタがp型トランジスタであっても構わない。
また、本実施形態は、後で例示するように、複数のフォトダイオード間で、リセットトランジスタRST-Tr、ソースフォロワトランジスタSF-Tr、および選択トランジスタSEL-Trの各トランジスタを共有している場合にも有効であり、また、選択トランジスタを有していない3トランジスタ(3Tr)画素を採用している場合にも有効である。
転送トランジスタTG-Trは、制御信号TGがハイレベル(H)の期間に選択されて導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換された電子をフローティングディフュージョンFDに転送する。
なお、リセットトランジスタRST-Trは、電源線VDDとフローティングディフュージョンFDの間に接続され、制御信号RSTを通じて制御されるように構成してもよい。
リセットトランジスタRST-Trは、制御信号RSTがHレベルの期間に選択されて導通状態となり、フローティングディフュージョンFDを電源線VRst(またはVDD)の電位にリセットする。
ソースフォロワトランジスタSF-TrのゲートにはフローティングディフュージョンFDが接続され、選択トランジスタSEL-Trは制御信号SELを通じて制御される。
選択トランジスタSEL-Trは、制御信号SELがHの期間に選択されて導通状態となる。これにより、ソースフォロワトランジスタSF-TrはフローティングディフュージョンFDの電位に応じた列出力アナログ信号VSLを垂直信号線LSGNに出力する。
これらの動作は、たとえば転送トランジスタTG-Tr、リセットトランジスタRST-Tr、および選択トランジスタSEL-Trの各ゲートが行単位で接続されていることから、1行分の各画素について同時並列的に行われる。
図1においては、各制御線LSEL、LRST、LTGを1本の行走査制御線として表している。
また、垂直走査回路30は、アドレス信号に従い、信号の読み出しを行うリード行と、フォトダイオードPDに蓄積された電荷をリセットするシャッター行の行アドレスの行選択信号を出力する。
あるいは、読み出し回路40は、たとえば図8(B)に示すように、画素部20の各列出力アナログ信号VSLを増幅するアンプ(AMP)42が配置されてもよい。
また、読み出し回路40は、たとえば図8(C)に示すように、画素部20の各列出力アナログ信号VSLをサンプル、ホールドするサンプルホールド(S/H)回路43が配置されてもよい。
また、読み出し回路40は、画素部20の各列から出力される画素信号に対して所定の処理が施された信号を記憶するカラムメモリとしてのSRAMが配置されてもよい。
このように、CMOSイメージセンサでは、画素毎のリセットレベルと輝度レベルの差分を出力することで、リセットノイズと閾値ばらつきを除去し、数電子の信号を検出することができる。この差分を検出する動作は、CDS(相関二重サンプリング)と呼ばれ、広く用いられている技術であり、アレイ状に配置された全て画素に対して、CDS読出しを順次行い、1フレーム分の通常の2次元画像データを出力する。
このように、本実施形態のレスポンス作成モードMDRにおいては、画素毎のばらつきパターンのみを出力する。輝度レベルを出力しないため、イメージセンサの露光条件に依存しないパターン画像を出力することができる。また、各画素の出力には、FPNとフレーム毎にランダムに変動する熱雑音が含まれるが、レスポンス作成モードMDRにおけるFPNは熱雑音に対して10倍以上大きいため、安定した固定ばらつきパターンをレスポンスデータRPDとして出力することができる。
以下、本実施形態の固体撮像装置10の特徴的な構成、機能について、固有鍵の生成、並びに固有鍵を含む識別データと画像データの一体化を行ってレスポンスデータを作成する、いわゆる暗号化処理であるレスポンスデータ作成処理、レスポンスデータ生成のために読み出したPUFレスポンスであるばらつき情報を多ビット化する機能、認証の評価を中心に説明する。
図10は、図9の暗号化処理系であるレスポンスデータ作成の処理を模式的に示す図である。
なお、図9の例では情報取得部81と鍵生成部82が別の機能ブロックとして構成されているが、情報取得部81と鍵生成部82を一つの機能ブロックとして構成することも可能である。
まず、画素PXLのばらつき情報PFLCについて説明する。
本実施形態においては、画素PXLのばらつき情報PFLCとして、基本的に、リーク電流と位置情報を用いる。
ここで、リーク電流を採用した理由について述べる。
固体撮像装置10は、出荷前に極力この白キズを減らす努力がはらわれるが、また抑えきれない白キズは後段の画像処理で回りの画素デ-タから白キズ画素を補完し画像出力している。
この白キズは画素アレイのどこに出現するかは作製してみなければわからず、しかも再現性がある。そのため個体固有の情報と見なせる。
そこで、本実施形態では、画素PXLのばらつき情報PFLCとして、リーク電流と位置情報を用い固有鍵KYを生成する。たとえば図11に示すように、白キズの発生場所(発生位置)と個数を固有情報として固有鍵KYを生成することが可能である。
本実施形態においては、この情報を固有鍵として、セキュリティ分野で用いられるPUF技術を応用して暗号化処理を行う。
1画素あたりの情報量Hは次式で与えられる。
ここで、P0 : 白キズの出る確率、P1 : 白キズが出ない確率1 - P0
図13は、9つの要素の場合の出力と情報量について説明するための図である。
図14は、16の要素の場合の偏った出力と情報量について説明するための図である。
もしノイズにより、エラー訂正に5bit必要であるとすると、図13(B)に示すように、有効な鍵情報は4bit分となり、鍵としては4bit分の情報として出力する。
16(4×4)の要素の場合、図13に示すように、各要素に1の出る確率が1/16で、1要素のどこかに必ず1が出るサンプル群の場合、これは全部で16通りしかなく、4bitの情報しかない。
白キズの情報量もこれと同じ考え方で、100万画素中の各画素に1/2の確率で1または0が出る場合の情報量は100万bitであるが、100万画素中に100ppm存在する白キズの情報量は1,400bit程度となる。
これだけの情報量であれば、鍵としては有効活用可能である。
図7の例の場合、リーク電流Ileakがしきい値VTH1より大きいときに、白キズであると判別できる。
また、情報取得部81は、しきい値が複数設定されてもよく(図11の例ではVH1、VTH2)、複数のしきい値VTH1、VTH2との関連で情報を区別することも可能である。
なお、しきい値VTHを温度等の環境に応じて変化させることも可能である。
また、情報取得部81は、画素のばらつき情報PFLCとして、リーク電流順の上位の画素の集合を採用することができる。
また、情報取得部81は、画素のばらつき情報PFLCとして、集合の列方向および行方向アドレスを採用することができる。
情報取得部81は、たとえば画素のリーク電流IleakとしてフォトダイオードPDのリーク電流を採用することができる。
図15(A)が通常動作モードMDU時の動作波形を、図15(B)がレスポンス作成モードMDRの動作波形を、図15(C)がばらつき情報を二値化した鍵パターンイメージを示し、図15(D)が出力信号と画素数としきい値VTHとの関係を示している。
なお、前述したように、本実施形態において、固体撮像装置10は、通常動作モードMDUとレスポンス作成モードMDRで動作可能に構成されている。
また、シャッターを閉じた状態で信号を読み出す。
この場合、露光されないため、フォトダイオードPDに生じるリーク電流のみが固有の鍵パターンとして出力される。
この固有の鍵パターンは、図15(D)に示すように、重金属汚染等により極大値をもつため、再現性が高い。
図16は、画素のばらつき情報PFLCとして、画素部20の有効画素以外の無効画素領域の情報を採用することを説明するための図である。
また、無効画素領域(OB;Optical Black領域)22は、図16(B)に示すように、遮光膜23により遮光されている。
本実施形態においては、OB画素領域22の画素等、有効画素以外の画素領域の白キズや暗電流の情報を採用して鍵とすることで、鍵の検出を困難にすることが可能である(鍵検出には専用の読み出しタイミングを必要とする)。
フォトダイオード(PD)を形成する基板表面にはダングリングボンドなどの欠陥による表面準位が存在するため、熱エネルギーによって多くの電荷(暗電流)が発生し、正しい信号が読み出せなくなってしまう。埋め込みフォトダイオード(BPD)では、フォトダイオード(PD)の電荷蓄積部を基板内に埋め込むことで、暗電流の信号への混入を低減する。
埋め込みフォトダイオードBPDは、有効画素領域21においては、表面側から第1導電型のp+層201、第2導電型のn+層202が形成されている。
本実施形態においては、OB領域22において、図16(B)に示すように、フォトダイオードPD表面のp+層のpシールドを除去し、暗電流・白キズ(=鍵、Key)が発生しやすくすることも可能である。
鍵とする白キズ等のディフェクト(defect、欠陥)の個数について考察すると、たとえば白キズの場合、後発白キズ(後から増える白キズ)や消滅する白キズがある。
後発キズ対策としては、一定数の白キズをチップ内の座標指定で鍵として指定する。
消滅白キズ対策としては、白キズは必要な最低の白キズ個数よりあらかじめ多くのキズを鍵として設定する。
後発傷対策としては、特定の出力レンジに収まる傷を鍵として使用する。
情報取得部81は、画素のばらつき情報としてソースフォロワトランジスタSFのしきい値VTHのばらつき情報を採用することができる。
図17(A)が画素PXLの読み出し系の回路図を、図17(B)が通常動作モードMDU時の動作波形を、図17(C)がレスポンス作成モードMDRの動作波形を、図17(D)がばらつき情報を二値化した鍵パターンイメージを示し、図17(E)が出力信号と画素数としきい値VTHとの関係を示している。
図17(A)の画素PXLの読み出し系においては、垂直信号線LSGNにCDS回路44がスイッチSW0の一端子を介して接続されている。スイッチSW0の他端子は基準電圧Vrefの供給ラインに接続されている。
これらの信号の差分を読み出すことで、各画素PXLのリセット電圧のばらつきを取り出すことができる。
本例では、このばらつき分布を鍵として用いる。
上記ばらつきは100mV程度なので、アンプ等で増幅しても良い。
鍵生成部82は、生成した固有鍵KYを識別データ生成部84に供給する。
鍵生成部82は、たとえば画素部20の有効画素の読み出し時以外の期間(たとえばブランキング期間)に固有鍵KYの生成を行う。
画像データ生成部83は、生成した画像データIMGを一体化部85に供給する。
ここで、取得データAQDは、少なくとも画素、日付、温度、GPS(Global Positioning System)に関するデータのうちの少なくともいずれかのデータである。
識別データ生成部84は、生成した識別データDSCDを一体化部85に供給する。
一体化部85は、たとえば図10に示すように、一体化データが、ヘッダHD、識別データDSCD、画像データIMGの順となるように一体化する。
次に、PUFのレスポンス(以下、PUFレスポンスという場合もある)を生成する際に、画素のばらつき情報および読み出し部のばらつき情報のうちの少なくともいずれか一方に関連付けて固有鍵を含むレスポンスデータを生成することが可能なCIS-PUFの好適な構成例について説明する。
その後、本実施形態の固体撮像装置10の特徴的な構成、機能について、固有鍵の生成、並びに固有鍵を含む識別データと画像データの一体化を行ってレスポンスデータを作成する、いわゆる暗号化処理であるレスポンスデータ作成処理、レスポンスデータ生成のために読み出したPUFレスポンスであるばらつき情報を多ビット化する機能、認証の評価等を中心に説明する。
ここで、2個のフォトダイオードPD1,PD2がリセットトランジスタRST-Tr、ソースフォロワ(SF)トランジスタSF-Tr、選択トランジスタSEL-Trを共有している。
これは、近年の微細な画素に対して広く用いられる方式であり、各トランジスタをPD間で共有することにより、PDの面積を所定の素サイズに対して大きくとり、光電変換可能な領域を広げることで、入射光に対する検出感度を高めている。
このソースフォロワ回路により、フローティングディフュージョンFDの電圧が読み出し回路40のAMP42を介してADC41に入力されて、デジタル変換され、図示しないインターフェス回路に出力される。
また、クリップ回路44が画素アレイ端に配置され、クリップクロックである制御信号CLIPによって駆動するクリップゲートCGおよびダイオード接続トランジスタM0は、画素アレイ端に配置され、画素出力電圧振幅を制限することで、安定的に動作させるために用いられる。
ここで、図18のCIS-PUFの概要について説明する。
CIS-PUFは、CMOSイメージセンサの画素毎の特性ばらつきを利用してデバイスごとに固有のPUFレスポンス(画素のばらつき情報)を生成する。前述したように、特性ばらつきには固定した位置に生じる固定パターンノイズ(FPN:Fixed Pattern Noise)や画素等の位置に関係なくランダムに生じるランダムノイズがある。
CMOSイメージセンサは、通常動作モードMDUにおいては、これら特性ばらつきを除去するために,画素毎にリセット電位(VRST)と信号電位(VSIG)の差分を取るCDS(相関二重サンプリング:Correlated Double Sampling)を行っている。
この固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)10Aは、垂直方向(図では上下)に隣接した2画素でソースフォロワトランジスタSF-Trを共有しており、ソースフォロワトランジスタSF-Trの数は1,920×540である。
PUFモードでは、最初に列ごとに配置されているクリップ回路44を選択する。このとき、ダイオード接続されたトランジスタM0のゲート電圧はVDDであり、アンプ42を介して電源電圧からオフセット電圧分シフトした電圧がADC41に保持される。次に、対象の画素を選択し、リセットトランジスタRST-Trと転送トランジスタTG-Trを同時にオンすることでフォトダイオードPDに蓄積された電荷を排出する。このとき、微小容量であるフローティングディフュージョンFDの電位はVDDとなり、同様に電源電圧からオフセット電圧分降下した電圧がADC41に保持される。
ADC41ではこれらの電圧の差分を取ることで、画素のソースフォロワトランジスタSF-Trとクリップ回路44のトランジスタCGのオフセットばらつきは、再現性の高い固定パターンノイズであり、これを利用してIDを生成する。
次に、図18のCIS-PUFにおけるPUFレスポンスの生成の概要について説明する。
図19は、図18のCIS-PUFの画素ばらつきを利用したPUFレスポンス生成の様子を示す図である。
図19の例では、上下の出力値を大小比較し、上側の出力値が下側の出力値より大きい場合(上>下)「1」、上側の出力値が下側の出力値より小さい場合(上<下)「0」とする。
さらに上下に隣接した出力を大小比較し270×1,920の1/0データを生成する。
このように、CIS-PUFは画素のアドレスをチャレンジとし、上記手順で生成した1/0データをレスポンスとするPUFである。
次に、ユニーク性と再現性の評価結果について述べる。
図20は、図18および図19に示すようなレスポンス生成方式によって得られたPUF性能としての再現性とユニーク性を示す図である。
ユニーク性は、2つのチップのIDを比較したときどれだけ異なっているかを示す指標である。ユニーク性は各チップで100枚分の画像を平均化した画像から128ビット長のIDを3,840ブロック作り、異なる2つのチップで生成したID間のHD(ハミングでスタンス)を算出し平均値を求めることで得られる。
ID長をLとしたとき、ユニーク性のHDの分布の平均はL/2、標準偏差は√L/2が理想値である。
PUFの出力を認証に使う場合、IDが安定して出力されることが求められる。そのため再現性のHDは0付近に多く分布していることが理想である。
ユニーク性のHDは平均値μ=63.9,標準偏差σ=5.66であり、ほぼ理想値(μ=64,σ=5.66)となっている。再現性のHDは平均値μ=1.49,標準偏差σ=1.21であり、CIS-PUFで生成したIDが高い再現性を持つことを示している。
次に、FPRとFNRによる認証評価した結果について述べる。
しかし、上述の再現性の評価結果からわかるように、PUFは完全に同じIDを毎回出力するわけではなく、いくらかのビット反転が起こる。そのため、認証の際はある程度の誤りを許容する必要がある。
FPRは偽物を本物と認識する確率を表し、FNRは本物を偽物と認識する確率を表す。認証に用いるID長をL,ユニーク性のHDがMビットとなる確率をPu (M)、再現性のHDがMビットとなる確率をPs (M)とすると、誤り許容ビット(しきい値)をTと設定したときのFNRとFPRは式(1), 式(2)で導出できる。
図21において、横軸はしきい値、縦軸はそのときのFPR,FNRの値を表している。
よって対象物の数の違いを考慮し、FPRとFNRが共に0.001ppm以下を基準とした。図21より、誤りを許容するビット数を9-29bitの間に設定すると誤り率を0.001ppm以下にできることがわかる。
次に、CIS-PUFのレスポンスの多ビット化について詳述する。
また、CIS-PUFは他のメモリ型PUFと同様にCR空間が狭いため、CR認証可能な回数が少ない。たとえば1回の認証で128ビットのレスポンスを消費すると、3,840回の認証でIDが枯渇してしまうおそれがある。使い方にもよるが、例えば1日4回の認証を行うと3年以内にIDを使い切ってしまうおそれがある。
そのため、CIS-PUFのCRペアを増やす必要があり、同様なCMOSイメージセンサの特性ばらつきをPUFとして利用し、さらにCRペア空間を広げる提案がされている。しかしこの方法では、出力ペアを組み替えるための計算が必要であり、また離れた位置の画素を比較する場合、列ごとに固有な成分や、製造時に広域的に発生するばらつきの影響を受けてしまうという問題がある。
そこで、本実施形態においては、これらの影響を除去しつつCRペアを増やすために、多ビット化を実現するLehmer-Gray法(LG法)を採用している。
以下に、多ビット化の方法として、CRペアを増やすLG法について詳述する。
LG法は、Lehmer符号とGrayコードを組み合わせたレスポンス生成手法である。
Lehmer符号は、n個の数値があるとき、その並び順がn!通り存在する点に着目した符号である。たとえば、A,B,Cの3つの値があるとき,この並びは次の6(=3!)通りあり、この並び順を符号として扱う。
(B, C, A) (C, A, B) (C, B, A)
図23は、2進コードとGrayコードの対応表を示す図である。
またGrayコードとは、通常の2進表現とは異なる”0”と”1”による数の表現法である。Grayコードは、隣り合う数のハミングディスタンスが必ず1になるという性質を持つ。これを用いることにより、ノイズによるビットエラーの低減を期待できる。
ここでは、CIS-PUFにLehmer-Gray法(LG法)を適用した場合の処理手順について説明する。
図24は、CIS-PUFにLehmer-Gray法(LG法)を適用した場合の処理手順について説明するための図である。
たとえばN=4の場合、4つの出力を1ブロックとして取り出し符号化を行う。取り出した出力が上からLSB=(1649,1753, 1757, 2060)だった場合、Lehmer符号でこの4つの出力の置換を表すと、L=(3,2,1)となる。
そして、Lehmer符号で表した数列の中身をGrayコードで表現すると、G=(10,11,1)となる。
また、Lehmer-Gray法では、N個の出力の比較から、N!通りのレスポンスを得る。N=4の場合について、各レスポンスが同じ割合で生成されているかを確認できる。
図25において、横軸に4!=24種のレスポンスを、縦軸に各レスポンスの出現回数をプロットしたものである。
次に、Lehmer-Gray法を用いて、N個の出力の大小比較からレスポンスを生成したときの再現性とユニーク性を前述と同様の方法で評価した結果について述べる。
図26は、用意した5つのチップについて、N=2,4,8,16,32,64としたとき,それぞれのユニーク性と再現性の分布を示す図である。
また、図27(A)および(B)は、再現性とユニーク性のHDの平均と標準偏差をまとめた表を示す図である。
また、Nが大きくなるとユニーク性の値がやや小さくなっているが、これはLehmer-Gray法において使用しないコードが存在するためである。
具体的には、N=4のとき、4つの出力から5ビットのレスポンスが得られるが、このうち3ビット目と4ビット目は(00,01,11)のいずれかであり、10は使用しない。そのため、使用しないコードを考慮したときのN=4のユニーク性の理想値はμ=61.44となる。
FNRとFPRによる評価した結果について述べる。
図28は、再現性とユニーク性から求めたFNRとFPRを示す図である。
また、図29は、FNRとFPRが0.001ppm以下になるしきい値を表として示す図である。
次に、多ビット化の認証性能を評価した結果について述べる。
ここでは、レスポンスの多ビット化により、CIS-PUFを用いたCRR認証が実用可能な性能に至ったかの判断材料として、認証精度以外の評価についてまとめてある。
想定しているCIS-PUFのCR認証では、1つのIDがもつ情報量をI,しきい値をTとして、以下の式で識別可能な個体数が求められる.
128ビットのIDがもつ情報量Iは、レスポンスの長さLRと情報量Hを用いて次式で求められる。
図31中のT1は、基準を満たす範囲で、FNRが最も小さくなるように設定したしきい値であり、T2はFPRが最も小さくなるように設定したしきい値である。
既に述べたように、識別対象となるセンサの総数は多く見積もっても1兆個(10の12乗)程度と考えられるので、基準を満たすしきい値を設定すれば,十分な識別可能個体数をもつといえる。
これまで述べてきたように、レスポンスの多ビット化の目的はCRペアの増加である。1回の認証で128ビットのレスポンスを消費するとき、N=2~64の場合についてCR認証可能な回数を試算し図32の表にまとめた。
これまでCIS-PUFはユニ-ク性,再現性ともに優れた特性を持つこと示されてきたが、本実施形態では、さらに認証性能の指標としてFNRとFPRを利用し、誤り率0.001ppm以下の認証精度を確保した運用を想定したときのトータルのCR認証可能な回数を試算した。
その結果、1日4回の認証を行うと3年以内にCRペアを使い切ってしまうおそれがあることがわかったが、Lehmer-Gray法を用いたレスポンスの多ビット化を適用することよにより、N=32のとき、既存システムと同程度の認証精度を確保しながら、CR認証回数を8倍にできる。
これにより、本実施形態に係る固体撮像装置は、長期間利用されるIoTデバイスへの搭載が可能になる。
これにより、情報セキュリティのための信号処理の処理時間による画像データフレームレートの低下を防止でき、処理回路による装置コストの増加を防止することが可能となる。
そして、信号処理回路70の多ビット化部720は、多ビット化処理として、ばらつき情報を複数の出力を1ブロックとして取り出して、レーマー(Lehmer)符号により符号化し、レーマー(Lehmer)符号化した情報をグレイコード(Gray code)に変換して行うLG(Lehmer-Gray)法を採用している。
認証を行う際に確保すべき認証精度は、情報セキュリティ信号処理のユニーク性と再現性のデータより認証精度の指標として、偽物を本物と認識する確率FPR(False Positive Rate)と本物を偽物と認識する確率FNR(False Negative Rate)を求め、確率FPRと確率FNRにより評価(決定、選定)可能である。
これにより、煩雑な手間を要することなく、認証精度を確保しながらCR認証回数を増大させることが可能となる。
たとえば、次のように構成することも可能である。
また、一体化部85は、一体化する鍵情報を用いて画像に電子透かしを入れる機能を含むように構成してもよい。
また、情報取得部81は、読み出し回路40の構成回路のばらつき情報CFLCとして、アンプ(AMP、増幅器)のばらつき情報を採用することができる。
また、情報取得部81は、読み出し回路40の構成回路のばらつき情報CFLCとして、S/H回路のばらつき情報を採用することができる。
また、情報取得部81は、読み出し回路40の構成回路のばらつき情報CFLCとして、カラムメモリのSRAMの出力(ばらつき)情報を採用することができる。
さらに、電子機器400は、このCMOSイメージセンサ410の画素領域に入射光を導く(被写体像を結像する)光学系(レンズ等)420を有する。
電子機器400は、CMOSイメージセンサ410の出力信号を処理する信号処理回路(PRC)430を有する。
信号処理回路430で処理された画像信号は、液晶ディスプレイ等からなるモニタに動画として映し出し、あるいはプリンタに出力することも可能であり、またメモリカード等の記録媒体に直接記録する等、種々の態様が可能である。
そして、カメラの設置の要件に実装サイズ、接続可能ケーブル本数、ケーブル長さ、設置高さなどの制約がある用途に使われる、たとえば、監視用カメラ、医療用内視鏡用カメラなどの電子機器を実現することができる。
Claims (17)
- 光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、
前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかに関連付けてレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部を含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理回路と、を有し、
前記信号処理回路は、
前記情報セキュリティ信号処理を、画像信号処理のブランキング期間の信号処理または行ごとの信号処理として実行し、
前記情報セキュリティ信号処理は、
少なくとも、デバイス認証、データ整合性認証、およびデータ暗号化のいずれかであり、
前記信号処理回路は、
前記データ整合性認証では、
垂直ブランキング期間中にアドレス指定された画素のばらつき情報からデバイスIDを取得し、
ライン画素信号を読み込み、メッセージ認証符号(MAC)機能により、取得された前記デバイスIDを固有鍵、ライン画素信号をメッセージとするデータタグを生成し、
水平ブランキング期間中または垂直ブランキング期間中に、画素アドレス、ライン画素信号、およびデータタグを、整合性認証を行う制御装置側に転送する
固体撮像装置。 - 光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、
前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかに関連付けてレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部を含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理回路と、を有し、
前記信号処理回路は、
前記情報セキュリティ信号処理を、画像信号処理のブランキング期間の信号処理または行ごとの信号処理として実行し、
前記情報セキュリティ信号処理は、
少なくとも、デバイス認証、データ整合性認証、およびデータ暗号化のいずれかであり、
前記信号処理回路は、
前記データ暗号化では、
垂直ブランキング期間中にアドレス指定された画素のばらつき情報からデバイスIDを取得し、
前記画素部から第1行の画素信号を読み出し、当該画素信号を内部のラインメモリに保存し、
前記画素部から第2行の画素信号を読み出し中に、前記第1行の画素信号を取得された前記デバイスIDである鍵で暗号化し、
前記画素部から第3行の画素信号を読み出し中に、暗号化された前記第1行の画素信号および画素アドレスを、暗号解読処理を行う制御装置側に転送する
固体撮像装置。 - 前記情報セキュリティ信号処理は、
画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、
前記信号処理回路は、
前記デバイス認証では、
画素読み出し中に制御装置からの画素のアドレスチャレンジを受信し、
セキュリティモードにおいて、垂直ブランキング期間中に前記受信したアドレスに従って画素にアクセスし、
当該垂直ブランキング期間中に画素信号を処理してデバイスIDを取得し、
前記垂直ブランキング期間中または次の画素読み出し期間中に取得したデバイスIDを前記チャレンジに対するレスポンスとして送信する
請求項1または2記載の固体撮像装置。 - 前記情報セキュリティ信号処理は、
画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、
前記ばらつき情報は、複数ビットのデジタル値として取得され、
前記信号処理回路は、
前記レスポンスデータを生成のために読み出したばらつき情報を多ビット化する機能を有する
請求項1から3のいずれか一に記載の固体撮像装置。 - 光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、
前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかに関連付けてレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部を含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理回路と、を有し、
前記信号処理回路は、
前記情報セキュリティ信号処理を、画像信号処理のブランキング期間の信号処理または行ごとの信号処理として実行し、
前記情報セキュリティ信号処理は、
画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、
前記ばらつき情報は、複数ビットのデジタル値として取得され、
前記信号処理回路は、
前記レスポンスデータを生成のために読み出したばらつき情報を多ビット化する機能を有する
固体撮像装置。 - 前記信号処理回路は、
多ビット化処理を、前記ばらつき情報を複数の出力を1ブロックとして取り出して、レーマー(Lehmer)符号により符号化し、レーマー(Lehmer)符号化した情報をグレイコードに変換して行う
請求項4または5記載の固体撮像装置。 - 認証を行う際に確保すべき認証精度は、
前記情報セキュリティ信号処理のユニーク性と再現性のデータより認証精度の指標として、偽物を本物と認識する確率FPRと本物を偽物と認識する確率FNRを求め、確率FPRと確率FNRにより評価可能である
請求項4から6のいずれか一に記載の固体撮像装置。 - 光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、
前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかに関連付けてレスポンスデータを生成するレスポスデータ生成部を含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理回路と、を有し、
前記情報セキュリティ信号処理は、
画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、
前記ばらつき情報は、複数ビットのデジタル値として取得され、
前記信号処理回路は、
前記レスポンスデータを生成のために読み出したばらつき情報を多ビット化する機能を有する
固体撮像装置。 - 前記信号処理回路は、
多ビット化処理を、前記ばらつき情報を複数の出力を1ブロックとして取り出して、レーマー(Lehmer)符号により符号化し、レーマー(Lehmer)符号化した情報をグレイコードに変換して行う
請求項8記載の固体撮像装置。 - 認証を行う際に確保すべき認証精度は、
前記情報セキュリティ信号処理のユニーク性と再現性のデータより認証精度の指標として、偽物を本物と認識する確率FPRと本物を偽物と認識する確率FNRを求め、確率FPRと確率FNRにより評価可能である
請求項8または9記載の固体撮像装置。 - 前記画素は、
蓄積期間に光電変換により生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された電荷を転送期間に転送可能な転送素子と、
前記転送素子を通じて前記光電変換素子で蓄積された電荷が転送されるフローティングディフュージョンと、
前記フローティングディフュージョンの電荷を電荷量に応じた利得をもって電圧信号に変換するソースフォロワ素子と、
前記フローティングディフュージョンを所定電位にリセットするリセット素子と、を含む
請求項1から10のいずれか一に記載の固体撮像装置。 - 前記画素部は、
一つの前記フローティングディフュージョン、一つの前記ソースフォロワ素子、および一つのリセット素子を複数の前記光電変換素子および前記転送素子で共有する画素共有構造を有する
請求項11記載の固体撮像装置。 - 画素アレイ端に画素出力電圧振幅を制限するクリップ回路が配置されている
請求項12記載の固体撮像装置。 - 光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、
を含む固体撮像装置の駆動方法であって、
前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかの情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得したばらつき情報に関連付けて固有鍵を含むレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成ステップを含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理ステップと、を有し、
前記信号処理ステップでは、
前記情報セキュリティ信号処理を、画像信号処理のブランキング期間の信号処理または行ごとの信号処理として実行し、
前記情報セキュリティ信号処理は、
少なくとも、デバイス認証、データ整合性認証、およびデータ暗号化のいずれかであり、
前記データ整合性認証では、
垂直ブランキング期間中にアドレス指定された画素のばらつき情報からデバイスIDを取得し、
ライン画素信号を読み込み、メッセージ認証符号(MAC)機能により、取得された前記デバイスIDを固有鍵、ライン画素信号をメッセージとするデータタグを生成し、
水平ブランキング期間中または垂直ブランキング期間中に、画素アドレス、ライン画素信号、およびデータタグを、整合性認証を行う制御装置側に転送する
固体撮像装置の駆動方法。 - 光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、
を含む固体撮像装置の駆動方法であって、
前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかの情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップで取得したばらつき情報に関連付けて固有鍵を含むレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成ステップを含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理ステップと、を有し、
前記情報セキュリティ信号処理は、
画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、
前記ばらつき情報は、複数ビットのデジタル値として取得され、
前記信号処理ステップは、
前記レスポンスデータを生成のために読み出したばらつき情報を多ビット化するステップを含む
固体撮像装置の駆動方法。 - 固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、
前記固体撮像装置は、
光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、
前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかに関連付けてレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部を含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理回路と、を有し、
前記信号処理回路は、
前記情報セキュリティ信号処理を、画像信号処理のブランキング期間の信号処理または行ごとの信号処理として実行し、
前記情報セキュリティ信号処理は、
少なくとも、デバイス認証、データ整合性認証、およびデータ暗号化のいずれかであり、
前記信号処理回路は、
前記データ整合性認証では、
垂直ブランキング期間中にアドレス指定された画素のばらつき情報からデバイスIDを取得し、
ライン画素信号を読み込み、メッセージ認証符号(MAC)機能により、取得された前記デバイスIDを固有鍵、ライン画素信号をメッセージとするデータタグを生成し、
水平ブランキング期間中または垂直ブランキング期間中に、画素アドレス、ライン画素信号、およびデータタグを、整合性認証を行う制御装置側に転送する
電子機器。 - 固体撮像装置と、
前記固体撮像装置に被写体像を結像する光学系と、を有し、
前記固体撮像装置は、
光電変換機能を有する複数の画素が行列状に配列された画素部と、
前記画素部から画素信号の読み出しを行う読み出し部と、
前記画素のばらつき情報および前記読み出し部のばらつき情報の少なくともいずれかに関連付けてレスポンスデータを生成するレスポンスデータ生成部を含み、通常画像を生成する通常動作モードとは異なるセキュリティモードでレスポンスデータの生成処理を含む情報セキュリティ信号処理が可能な信号処理回路と、を有し、
前記情報セキュリティ信号処理は、
画素アドレスをチャレンジ(Challenge)とし、所定の手順で生成したレスポンスデータをレスポンス(Response)とする認証処理を含み、
前記ばらつき情報は、複数ビットのデジタル値として取得され、
前記信号処理回路は、
前記レスポンスデータを生成のために読み出したばらつき情報を多ビット化する機能を有する
電子機器。
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