JP7030325B2 - 殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、殺菌方法に関し、特に、可食部を覆う殻や外皮を有する食品に対する表面殺菌処理に有効な技術に関するものである。
鶏卵は、洗浄により卵殻表面のクチクラ層が除去され、卵殻中の微小孔(気孔)を開放状態とする。このため微小孔中にサルモネラ菌などの微生物が侵入し易く、洗卵の表面が汚染される恐れがある。
このような汚染に対し、薬剤殺菌(湿式殺菌)が行われている。しかしながら、薬剤殺菌では、残留薬剤の影響が懸念される。また、廃液による環境汚染が懸念される。
このため、ドライかつ非熱的処理(乾式殺菌)である紫外線を用いた処理が実用化されている。また、ドライかつ非熱的処理(乾式殺菌)である放射線を用いた処理が研究されている。
例えば、非特許文献1には、20~30kVのナノ秒の電子ビームによる鶏卵の表面の殺菌についての実験例が開示されている。
また、特許文献1には、放射線の位置、エネルギーおよび進行方向に関するパラメータ情報を複数種の条件別データに分割して、これらの条件別データに基づいてモンテカルロ法を用いて線量計算を行う技術が開示されている。そして、特許文献1においては、各条件別データのウェイト・パラメータが、放射線治療装置ごとに測定された校正データに基づいて補正される。これにより、放射線治療装置間の機器特性等のばらつきに起因する誤差が解消され、線量分布が正確に計算される。
特開2004-41292号公報
S.Yu. Sokovnin, R.A. Vazirov, M.E. Balezin, A.S. Krivonogova, SURFACE IRRADIATION OF CHICKEN EGGS BY NANOSECOND ELECTRON BEAM,RAD Conference Proceedings, vol. 2, pp. 11-14, 2017.
前述したように、食品を殺菌する方法には、大きく分けて湿式殺菌、乾式殺菌がある。例えば、鶏卵の表面のみを滅菌する場合には、次亜塩素酸を用いた湿式殺菌が行われる。しかしながら、残留薬剤や廃液の問題がある。
また、紫外線を用いた処理(乾式殺菌)においては、鶏卵の表面の殺菌に限定され、その内部(例えば、卵殻中の微小孔の内部)の殺菌までは十分でない恐れがある。また、鶏卵の表面に汚れが付着している場合には、殺菌不良となる恐れがある。
これに対し、電子線を用いた処理(乾式殺菌)においては、鶏卵の表面からある程度の深さの殺菌が可能であり、また、鶏卵の表面の汚れを透過して殺菌を行うことができるため、有用である。
しかしながら、追って詳細に説明するように、電子線の照射に伴い生じる制動X線の鶏卵内部(可食部)に対する影響を考慮して、鶏卵内部(可食部)に照射されるX線の線量については、例えば、法令などに規定される基準を満たすように低くする必要がある。
本発明の目的は、可食部を覆う殻や外皮を有する食品について、その表面においては、殺菌ができる程度の電子線を照射しつつ、可食部のX線の吸収線量を基準値(例えば、0.1Gy)以下に抑える殺菌方法を提供することにある。
(1)本発明の殺菌方法は、(a)X線を照射した際の熱蛍光線量素子の発光量を測定し、前記発光量と前記X線の線量との関係を示す校正線を求める工程、(b)可食部と前記可食部を覆う表面部とを有する食品に対応する模擬試料を準備する工程、(c)前記模擬試料の可食部対応の第1部と、表面部対応の第2部との間に、前記熱蛍光線量素子およびフィルムを配置した状態で、前記第2部に、第1加速電圧の電子線を照射し、前記熱蛍光線量素子の発光量を求めかつ、前記第2部の表面線量を求める工程、(d)前記(c)工程で得られた前記発光量に対応するX線の線量を前記校正線から求める工程、を有する。
例えば、前記(d)工程の後、(e)前記(d)工程で得られた前記X線の線量が、基準値以下か否か判断する工程、を有する。
例えば、前記(e)工程において、前記X線の線量が、前記基準値以下の場合、(f)前記第1加速電圧で、前記食品に電子線を照射する工程、を有する。
例えば、前記第1加速電圧は、80kV以上、150kV以下である。
例えば、前記表面線量が、1kGy以上10kGy以下である。
例えば、前記表面線量が、1kGy以上10kGy以下となるように、前記電子線の照射条件を調整する。
例えば、前記照射条件は、前記模擬試料への電子線の照射時間、前記模擬試料と電子線照射部との距離、または、電子線照射装置のビーム電流である。
例えば、前記食品は、生卵である。
例えば、前記食品は、洗卵であり、前記(f)工程において、卵殻のサルモネラ菌を殺菌する。
例えば、前記第1部は、寒天であり、前記第2部は、卵殻である。
例えば、前記食品は、果物または甲殻類である。
(2)本発明の殺菌方法は、(a)X線を照射した際の熱蛍光線量素子の発光量を測定し、前記発光量と前記X線の線量との関係を示す校正線を求める工程、(b)可食部と前記可食部を覆う表面部とを有する食品に対応する模擬試料を準備する工程、(c)前記模擬試料の可食部対応の第1部と、表面部対応の第2部との間に、前記熱蛍光線量素子およびフィルムを配置した状態で、前記第2部に、第1加速電圧の電子線を照射し、前記熱蛍光線量素子の発光量を求めかつ、前記第2部の表面線量を求める工程、(d)前記(c)工程で得られた前記発光量に対応するX線の線量を前記校正線から求める工程、(e)前記表面線量をA、前記X線の線量をB、前記表面線量の許容値をC、とし、(B/A)×Cの式から内部線量を求める工程、(f)前記内部線量が、基準値以下の場合、前記第1加速電圧で、前記食品に電子線を照射する工程、を有する。
例えば、前記発光量は、前記フィルムの枚数を変化させた場合の前記発光量の定常値である。
例えば、前記第1加速電圧は、80kV以上、150kV以下である。
例えば、前記表面線量が、1kGy以上10kGy以下である。
例えば、前記表面線量が、1kGy以上10kGy以下となるように、前記電子線の照射条件を調整する。
例えば、前記照射条件は、前記模擬試料への電子線の照射時間、前記模擬試料と電子線照射部との距離、または、電子線照射装置のビーム電流である。
例えば、前記食品は、生卵である。
例えば、前記食品は、洗卵であり、前記(f)工程において、卵殻のサルモネラ菌を殺菌する。
例えば、前記第1部は、寒天であり、前記第2部は、卵殻である。
例えば、前記食品は、果物または甲殻類である。
本発明の殺菌方法によれば、可食部を覆う殻や外皮を有する食品について、その表面における殺菌力を向上させつつ、可食部のX線の吸収線量を基準値以下に抑えることができる。
実施の形態1の殺菌方法を模式的に示す図である。 実施の形態1の殺菌方法に用いられる電子線照射装置の一例を示す断面図である。 照射試料および照射試料の形成工程を示す図である。 生卵の構成を示す図である。 RCDフィルム線量計およびTLD素子を用いた電子線の線量および卵殻を透過した制動X線の線量の測定方法を模式的に示す図である。 図5に示す線量の測定方法を示す写真である。 TLD素子のγ線および各管電圧のX線に対する線量校正曲線を示す図である。 生卵模擬サンプルがある場合とない場合でのX線のエネルギー分布の測定結果を示す図である。 卵殻の裏に密着させたTLD素子および積層したポリエチレンフィルムを介してTLD素子を挿入した場合のTL発光量の変化を示す図である。 各加速電圧における電子線の深度分布のシミュレーション結果を示す図である。 表面線量1kGyの場合の制動X線の線量を示すグラフである。 実施の形態2のRCDフィルム線量計およびTLD素子を用いた電子線の線量および卵殻を透過した制動X線の線量の測定方法を模式的に示す図である。 実施の形態2の応用例のTLD素子ユニットを示す平面図である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態の殺菌方法においては、可食部を覆う殻や外皮(薄膜)を有する食品に電子線を照射することにより、殻や外皮の表面およびこの表面から一定の深さの殺菌を行い、殻や外皮の内部の可食部におけるX線の吸収線量を基準値以下とする。
図1は、本実施の形態の殺菌方法を模式的に示す図である。図1に示すように、卵黄1と卵白2とを有する卵Eの卵殻に電子線EBを照射することにより、卵殻の表面から一定の深さの殺菌(例えば、サルモネラ菌の殺菌)を行う。また、卵殻の内部の可食部(卵黄1と卵白2)におけるX線(制動X線)XLの吸収線量を基準値以下とする。
図2は、本実施の形態の殺菌方法に用いられる電子線照射装置の一例を示す断面図である。
図2に示す電子線照射装置は、電子線発生部10と、照射室20と、照射窓部30とを備える。
電子線発生部10は、電子線を発生するターミナル12と、ターミナル12で発生した電子線を加速する空間(加速空間)とを有する。また、電子線発生部10の空間(加速空間)は、電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、およびフィラメント12aの酸化を防止するため、真空排気システム28により10-3~10-5Pa程度の真空に保たれている。ターミナル12は、熱電子を放出する線状のフィラメント12aと、フィラメント12aで発生した熱電子をコントロールするグリッド12cとを有する。
また、電子線発生部10は、フィラメント12aを加熱して熱電子を発生させるための加熱用電源(図示せず)と、フィラメント12aとグリッド12cとの間に電圧を印加する制御用直流電源(図示せず)と、グリッド12cと照射窓部30に設けられた窓箔32との間に電圧(加速電圧)を印加する加速用直流電源16cとを備えている。
照射室20は、電子線を被処理物(被照射物)40に照射する照射空間を含むものである。被処理物40は照射室20内をコンベアのような搬送部21により、例えば、図2において、紙面手前から奥行き方向に搬送される。また、照射室20内には、ビームコレクタ24を設けている。このビームコレクタ24は、被処理物40を突き抜けた電子線を吸収するものである。なお、電子線発生部10および照射室20の周囲は電子線照射時に二次的に発生するX線が外部へ漏出しないように、鉛遮蔽板により囲まれている。
また、照射室20内は、処理内容に応じて不活性ガスや大気等の雰囲気とされる。殺菌処理(滅菌処理)を行う場合には、照射室20内の照射雰囲気を大気(酸素のある雰囲気)にしておき、電子線によって被処理物を殺菌する。この場合、電子線により酸素から生成されたオゾンの殺菌効果を利用してもよい。例えば、酸素濃度計29により照射室20内の酸素濃度を測定し、酸素濃度を制御することができる。
照射窓部30は、金属箔からなる窓箔32と、銅よりなる窓枠部34とを備えている。窓枠部34は窓箔32を支持するためのものである。窓枠部34には、スリット状の開口部が複数形成されている。また、電子線の照射により温度が上昇する窓箔32を冷却するために、内部に冷却用の流路(図示せず)が形成されている。窓枠部34は、電子線発生部10の照射用開口部に着脱自在に取着される。窓箔32は、窓枠部34の下面に、着脱自在に密着される。窓箔32としては、アルミ箔、チタン(Ti)箔などの金属箔が使用される。
本実施の形態の電子線照射装置では、加熱用電源によりフィラメント12aに電流を通じて加熱すると、フィラメント12aが熱電子を放出し、放出された熱電子はフィラメント12aとグリッド12cとの間に印加された制御用直流電源の制御電圧により四方八方に引き寄せられる。このうち、グリッド12cを通過したものだけが電子線として有効に取り出される。そして、このグリッド12cから取り出された電子線は、グリッド12cと窓箔32との間に印加された加速用直流電源16cの加速電圧により加速空間で加速された後、窓箔32を突き抜け、照射窓部30下方の照射室20内を搬送される被処理物に照射される。なお、グリッド12cから取り出された電子線の流れによる電流値はビーム電流と称される。このビーム電流が大きいほど、電子線の量が多くなる。
電子線照射装置では、加速電圧、ビーム電流、被処理物の搬送速度(照射時間)、電子線照射部と被処理物との距離等を所定の値に設定して、被処理物に電子線を照射する処理が行われる。電子線に与えられるエネルギーは加速電圧によって決まる。すなわち、加速電圧を高く設定する程、電子線の得る運動エネルギーが大きくなり、その結果、電子線は被処理物の表面から深い位置まで到達することができるようになる。このため、加速電圧の設定値を変えることにより、被処理物に対する電子線の浸透深さを調整することができる。
なお、被処理物に電子線が照射されるときに被処理物が受けるエネルギーの量は吸収線量(単に、線量と言う場合もある)という値で表される。この被処理物が受ける吸収線量は、例えば、ビーム電流に比例し、被処理物の搬送速度に反比例する。このため、例えば、ビーム電流や被処理物の搬送速度などの照射条件を変えることにより、電子線の吸収線量を調整することができる。前述したように、ビーム電流とは、グリッド12cから取り出された電子線の流れによる電流値である。
図2に示すような電子線照射装置を用いて、被処理物40である、可食部を覆う殻や外皮を有する食品に電子線を照射することにより、食品の表面の殺菌処理を行うことができる。
ここで、被処理物に電子線が照射される際、被処理物40、窓箔32、窓枠部34、搬送部21、鉛遮蔽板などから二次的にX線が発生する。これは、制動X線とも呼ばれる。そして、本実施の形態においては、前述したように、可食部を覆う殻や外皮を有する食品に電子線を照射することにより、殻や外皮の表面およびこの表面から一定の深さの殺菌を行うことができる。言い換えれば、殺菌に十分な強度の電子線を照射することができる。一方、殻や外皮の内部の可食部においては、電子線の照射に伴い生じる制動X線の吸収線量を、例えば、法令などに規定される基準を満たすように低くすることができる(図1参照)。
[実施例]
以下に、本実施の形態の実施例について説明する。
まず、各実施例において用いた装置や照射試料等について以下に示す。
電子線照射装置としては、低エネルギー電子加速器(岩崎電機製:EC250/30/180L型)を用いた。
X線照射装置としては、エクスロン・インターナショナル製MG452を用いた。
γ線照射装置としては、137Csγ線照射装置(ポニー工業製:PS-3200T,185TBq)を用いた。
電子線の照射条件としては、加速電圧:80~250kV、ビーム電流:約1mA、コンベア速度:10m/分、とした。
線量の測定には、RCDフィルム線量計(44.5μm)を用い、電子線装置の発生効率を示すK値は、低エネルギー電子加速器(岩崎電機製:EC250/30/180L型)で評価した。また、TLD素子(TLD100、Disk:φ3.6mm×0.25mm)、照射線量率測定器(FLUKE BIOMEDICAL製)、電離箱(PTW製 TN31013)を用いた。
TLD素子の校正は次のように行った。X線照射装置およびγ線照射装置でX線およびγ線を照射し、約10~500mGyとなるよう電離箱を用いて照射条件を設定する。この照射条件において、TLD素子を照射し、線量校正曲線を得た。X線管電圧、80、100、150、200、250kVについて、それぞれ線量校正曲線を得た。なお、ここでは、3mmのAlフィルターを介してTLD素子を照射した。
照射試料(生卵模擬サンプル、模擬試料)は、次のようにして作成した(図3参照)。表面を洗浄した生卵(洗卵)を準備した。生卵の卵殻膜および中身を取り除き、乾燥した卵殻の鈍端部を使用した。卵殻内部にサランラップ(登録商標)RPを敷き2%寒天を流し固化したものを生卵の模擬試料とした。図3は、照射試料(生卵模擬サンプル)および照射試料(生卵模擬サンプル)の形成工程を示す図である。CDは寒天を示す。なお、図4は、生卵の構成を示す図である。図4に示すように、生卵は、卵殻4と、その内部の卵黄1と卵白2とを有する。卵黄1と卵白2とはカラザ3により繋がっている。卵殻4の外側にはクチクラ層5があり、卵殻4の内壁には卵殻膜7がある。卵殻4には、気孔6が複数設けられている。クチクラ層5は、洗浄により除去され得る。また、生卵の鈍端部には、気室がある。
クチクラ層は、10μm程度である。卵殻は、0.26~0.38mm程度である。鋭端部は厚く0.37mm程度であり、中央部は0.30mm程度であり、鈍端部は0.27mm程度である。また、春~夏は、卵殻は薄くなる。卵殻表面積当たりの卵殻重は、77.7~82.2mg/cm2程度である。密度は、2.74~2.83g/cm3程度である。卵殻は、主に炭酸カルシウムの多孔質の組織であり、生卵1個の卵殻には、7000-17000個の気孔が存在する。気孔の径は、卵殻の外側では、φ15-65μm程度であり、内側では、φ6-23μmである。鈍端部に気孔は多く存在する。卵殻膜は、50~90μm程度の厚さである。
電子線照射線量(表面線量)は、RCDフィルム線量計Rと、あらかじめ約10μmのナイロンフィルムを重ねて照射した時に得られた電子の発生効率(K値)で評価した(図5参照)。また、卵殻を透過した電子および同時に生成した制動X線の線量は、卵殻4とサランラップ(登録商標)RPで包んだ寒天CDとの間に挟んだTLD素子Tで評価した(図5参照)。図5は、RCDフィルム線量計およびTLD素子を用いた電子線EBの線量および卵殻を透過した制動X線の線量の測定方法を模式的に示す図である。図6は、図5に示す線量の測定方法を示す写真である。
卵殻4を透過する電子線EBと制動X線XLのそれぞれの線量への寄与は、次のようにして推定した。即ち、ポリエチレンフィルム(厚さ40μm:3.72mg/cm2)PEFをTLD素子T上に積層し、電子線EBを照射した場合のTL発光強度(TL発光量)の変化を調べた(図5)。
制動X線の線量は、X線照射装置(3mmのAlフィルター使用)を用いて、電子線EBの加速電圧と同じX線管電圧でX線を、電離箱とTLD素子に照射して得た校正曲線から推定した。
X線エネルギー分布測定は、次のようにして行った。CdTe半導体検出器(CLEAR-PULSE製)で、生卵模擬サンプルがある場合(寒天中央に空けた穴を通して卵殻裏にプローブを密着)とない場合でX線のエネルギー分布を測定した。
(X線線量評価結果)
TLD素子のγ線および各管電圧のX線(3mmAlフィルター使用)に対する線量校正曲線(電離箱計測線量で評価)を求めた結果を図7に示す。γ線の校正曲線(校正線)の傾きは12.535であり、管電圧250kVの場合は、傾きが14.148であり、管電圧200kVの場合は、傾きが14.953であり、管電圧150kVの場合は、傾きが16.39であり、管電圧100kVの場合は、傾きが17.059であり、管電圧80kVの場合は、傾きが16.991であった。管電圧が大きくなると、傾きが小さくなる傾向が見られた。なお、γ線の校正曲線の傾きを1.0とすると250kVでは1.13、200kVでは1.19、150kVでは1.31、100kVでは1.36、80kVでは1.36となる。
生卵模擬サンプルがある場合とない場合でのX線のエネルギー分布の測定結果を図8に示す。横軸は、光子エネルギー(photon energy(keV))であり、縦軸は、光子数(accumulated counts)である。図8(a)は、管電圧が80kVの場合、図8(b)は、管電圧が80kVの場合を示す。また、太線(Nonfilter_Xray)は、生卵模擬サンプルがない場合のX線のエネルギー分布、破線(Nonfilter_Xray+Shell egg)は、生卵模擬サンプルがある場合のX線のエネルギー分布、細線(Al filter_Xray)は、生卵模擬サンプルがあり、3mmAlフィルター使用した場合のX線のエネルギー分布である。
図8(a)、(b)に示すように、Alフィルターを使用した場合、Alフィルター無しの場合に比べ、低エネルギー成分がカットされ平均エネルギーは高めの分布を示す。フィルター無しのX線では卵殻の有無によるスペクトルの分布の変化は少ない。例えば、フィルターありのX線の線量校正曲線で卵殻を透過するX線線量を求める場合、フィルター無しの場合と比較し、平均エネルギーが高めとなるため、X線線量が過大(安全側)に評価されることとなる。
卵殻の裏に密着させたTLD素子および積層したポリエチレンフィルムを介してTLD素子を挿入した場合のTL発光量の変化を図9に示す。図9に示すように、卵殻の裏にTLD素子を密着させた場合(ポリエチレンフィルムが0枚の場合)、加速電圧が100kVから250kVとなり、電子線のエネルギーが高くなると、TL発光量(TL intensity(nA))は急速に増加した。また、加速電圧が80kVの場合は、卵殻の裏にTLD素子を密着させた場合(ポリエチレンフィルムが0枚の場合)、ポリエチレンフィルムを1~5枚介した場合の双方とも、発光量は、ほぼ一定の値を示した。加速電圧が100kV以上では、卵殻の裏にTLD素子を密着させた場合(ポリエチレンフィルムが0枚の場合)以外、即ち、ポリエチレンフィルムを1~5枚介した場合において、発光量が、ほぼ一定の値を示した。一定の発光量(定常値)を示す場合は、対応するエネルギーのX線照射由来、と仮定し、各線量校正曲線から線量を求めた(表1)。別の言い方をすれば、ポリエチレンフィルムの枚数を増加させ、一定となる発光量(定常値)を求め、この発光量に対応するエネルギーを制動X線の線量(内部線量、B)として校正曲線から求めた。加速電圧250kVの場合、発光量は、1620~3276nAであり図7の校正曲線から線量は113-230mGyとなる。加速電圧200kVの場合、発光量は、1343~1985nAであり図7の校正曲線から線量は89-132mGyとなる。加速電圧150kVの場合、発光量は、591~723nAであり図7の校正曲線から線量は34-42mGyとなる。加速電圧100kVの場合、発光量は、296~330nAであり図7の校正曲線から線量は17-19mGyとなる。加速電圧80kVの場合、発光量は、223~240nAであり図7の校正曲線から線量は13-14mGyとなる。
また、RCDフィルム線量計およびK値による線量(表面線量、A)の評価結果は、加速電圧250kVの場合、5.3kGy、加速電圧200kVの場合、8.7kGy、加速電圧150kVの場合、9.7kGy、加速電圧100kVの場合、9.1kGy、加速電圧80kVの場合、5.9kGyであった。
このように、本実施例によれば、電子線(表面線量)と制動X線(内部線量)を個別に測定することができる。また、電子線の透過距離を把握することができる。
表面線量の許容値(殺菌線量)を例えば3kGyとした場合、内部線量(可食部のX線の吸収線量)を、(B/A)×3の算出式から求める。例えば、加速電圧250kVの場合、64-130mGy、加速電圧200kVの場合、30.7-45.5mGy、加速電圧150kVの場合、10.5-13mGy、加速電圧100kVの場合、5.6-6.3mGy、加速電圧80kVの場合、6.6-7.1mGyとなる。
上記結果を以下の表1にまとめて示す。
Figure 0007030325000001
表1に示すように、加速電圧80kV-150kVの電子線を照射した場合、内部線量(可食部のX線の吸収線量)は、13mGy以下と低く、ばらつきも少なかった。加速電圧が、200kV以上となると、内部線量が大きくなり、ばらつきも大きく、100mGyを超える場合もあることが分かった。この結果から、内部線量の基準値を例えば、0.1Gyとする場合には、加速電圧80kV-150kVの低エネルギーで電子線を照射することが好ましいことが判明した。なお、加速電圧としては、30kV-10MV、好ましくは、30kV-250kVの範囲で調整することができる。但し、前述の結果から、80kV-150kVがより好ましいと言える。また、非特許文献1においては、20~30kVの電子線を用いているが、30kVでは、透過能力が小さく、卵殻中の深部における殺菌効率が低下するため、30kVを超える加速電圧とすることが好ましい。
ここで、厚生労働省告示第370号(食品衛生法関連法規 食品、添加物等の規格基準)では、食品の製造工程又は加工工程の管理のために認めている放射線照射の吸収線量を0.1Gy以下と規定している。さらに、アメリカ食品医薬品局(FDA)では、放射線による表面の殺菌線量を3kGyまでとしている。
また、表面線量の許容値(殺菌線量)を例えば3kGyとした場合、加速電圧150kV以下の電子線では、内部線量(可食部のX線の吸収線量)を13mGy以下に抑えることができ(表1)、例えば、基準値(例えば、0.1Gy)以下であると判定することができた。なお、非処理物の表面全体に殺菌線量が照射されるために必要な表面線量は搬送方法によって異なる。
(シミュレーション)
次いで、電子線を照射した生卵を想定し、各加速電圧における電子線の深度分布をシミュレーションした。図10は、各加速電圧における電子線の深度分布のシミュレーション結果である。シミュレーションとしては、モンテカルロ法を用いた演算ソフトを用い、電子線の特性と生卵の形状などのデータから、各加速電圧における電子線の深度分布を求めた。生卵の形状は、例えば、直方体状と仮定した。また、卵殻の厚さは0.6mmとした。
図10(a)に示すように、各加速電圧(80kV、100kV、150kV、200kV、250kV)における、電子線の深度分布が求めることができる。縦軸は、吸収線量(dose[Gy])、横軸は、深さ[mm]である。図10(b)は、加速電圧200kVの場合のグラフである。図10(b)に示すように、例えば、加速電圧200kVの場合、表面から約0.2mmの深さまで(グラフのaの部分)は、電子線の寄与であり、約0.2mm(グラフのbの部分)を超えて深くなるにつれて制動X線の寄与が主となる。
図11は、表面線量1kGyの場合の制動X線の線量を示すグラフである。生卵を横置きしたモデル(直方体)場合の、上部、中央、下部について、制動X線の線量を算出した。例えば、加速電圧80kVの場合は、上部線量、約2.4mGy、中央線量、約0.8mGy、下部線量、約0.3mGyで、トータル線量は、3.5mGyである。
上記シミュレーション結果(図10、図11)は、上記実施例の結果と大きな齟齬はなく、上記実施例で得られた制動X線の線量(表1等)の精度の裏付けとなる。また、上記シミュレーションにより、より細かな線量分布を得ることができる。
(実施の形態2)
上記実施の形態1においては、生卵への電子線照射を例に説明したが、被処理物(被照射物)としては、可食部とこの可食部を覆う表面部(例えば、殻や外皮)とを有する食品であればよい。
このような食品としては、卵の他、果物、甲殻類などがある。例えば、果物としては、みかん、レモン、グレープフルーツ、りんご、なし、ぶどう、もも、などが挙げられる。また、甲殻類としては、エビやカニなどが挙げられる。レモンやグレープフルーツは、表面に凹凸があり、本実施の形態の殺菌方法を用いて好適である。
このような、可食部とこの可食部を覆う表面部(例えば、殻や外皮)とを有する食品について、その表面部(例えば、殻や外皮)における殺菌力を向上させつつ、可食部のX線の線量を低くするため、以下のように、模擬試料を用いて、表面線量と内部線量を求め、食品の殺菌に用いる電子線の強度(加速電圧)の適否を判断する。
図12は、実施の形態2のRCDフィルム線量計およびTLD素子を用いた電子線の線量および卵殻を透過した制動X線の線量の測定方法を模式的に示す図である。
まず、予め、線量が既知のX線を照射した際の熱蛍光線量素子の発光量(TL発光量)を測定し、TL発光量とX線の線量との関係を示す校正曲線を求めておく(図7参照)。
次いで、可食部と可食部を覆う表面部とを有する食品に対応する模擬試料を準備する。食品について、可食部と表面部(例えば、殻や外皮)とを分離する。生卵のように、可食部が液状またはゲル状の場合には、寒天などを用いて代替部を形成する。例えば、みかんなどの場合には、約半分の5房分(50)を取り出し、皮(55)を被せればよい(図12(b)参照)。
次いで、電子線照射装置の搬送部(ステージ)21上に、模擬試料およびRCDフィルム線量計を搭載する(図12(a)参照)。
この際、模擬試料においては、可食部対応の第1部50(図5では寒天CD)と、表面部対応の第2部55(図5では卵殻4)との間に、TLD素子TおよびポリエチレンフィルムPEFを配置した状態で、搬送部(ステージ)21上に搭載する。また、RCDフィルム線量計Rを、搬送部(ステージ)21上に搭載する。
TLD(Thermoluminescent Dosimeter)素子は、放射線の線量を測定する素子の一種であり、熱ルミネッセンス線量計(熱蛍光線量素子)とも呼ばれ、蛍光体の熱蛍光現象を利用した積算型の放射線線量を測定する固体線量計である。蛍光体がX線、γ線等の電離放射線を吸収(被曝)すると、この蛍光体を加熱した際に、放射線の吸収(被曝)量に比例した蛍光(熱蛍光、以下、「TL」と略称する)を発するところから、TL発光量を測定することによって、その蛍光体が被曝した放射線の積算線量を計測することができる。
RCDフィルム線量計(Rediachromic 線量計)も、放射線の線量を測定する素子の一種である。これは、ラジオクロミック染料の発色現象を利用した線量計である。TLD素子は、RCDフィルム線量計より感度が高い。
図12および実施の形態1の実施例においては、TLD素子を用いたが、TLD素子に代えて、OSL線量計などを用いてもよい。
また、図12および実施の形態1の実施例において、電子線量の評価についてはRCDフィルム線量計を用いたが、RCDフィルム線量計に代えて、GAFクロミックフィルム、CTA(セルロース三酢酸)フィルム、B3フィルムなどのフィルム線量計および薄層のアラニン線量計などを用いてもよい。
上記TLD素子により後述するように、内部線量を求めることができる。また、RCDフィルム線量計により、搬送部(ステージ)21上の線量を求めることができる。さらに、RCD線量計では測定が困難な低エネルギーにおける微小深度領域の線量を評価する場合、K値を用いる。これは、模擬試料の表面線量に対応する(表1、第2欄参照)。
上記TLD素子のTL発光量は、TLD素子と第2部55との間に配置されるポリエチレンフィルムPEFの枚数により変化する(図9参照)。別の言い方をすれば、TLD素子上に、ポリエチレンフィルムPEFの枚数を変化させ、TL発光量を求める。このTL発光量は、ポリエチレンフィルムPEFの枚数が多くなるにしたがって発光量がほぼ一定の値(プラトー)となる。このようなプラトー部におけるTL発光量の値は、制動X線の寄与分と対応する。よって、この値に対応するX線の線量を上記校正曲線から求めることができる。
このように、本実施の形態によれば、電子線と制動X線を個別に測定することができる。
ここで、RCDフィルム線量計による表面線量の測定結果から、表面線量の許容値以下とするため、表面線量をA、X線の線量をB、表面線量の許容値をC、とした場合の、(B/A)×Cの式から内部線量(表1、第4欄)を求める。この内部線量を、調整内部線量と呼ぶ場合がある。
これにより、表面線量を許容値とした場合の内部線量を求めることができる。
表面線量は、例えば、1kGy以上10kGy以下である。この表面線量は搬送方法によって異なる。表面線量の調整は、電子線の照射条件により調整することができる。例えば、実施の形態1において、図2を参照しながら説明したように、試料への電子線の照射時間、試料と電子線照射部との距離、または、電子線照射装置のビーム電流などの、照射条件により、表面線量を調整することができる。例えば、試料への電子線の照射時間を短くすることで、表面線量を小さくすることができる。
以上の工程により、表面線量、内部線量が確認できれば、対応する電子線の加速電圧であり、かつ、調整された照射条件に基づき、食品を殺菌することで、表面部においては、殺菌ができる程度の電子線を維持しつつ、可食部のX線の線量を抑えることができる。例えば、可食部のX線の線量を限りなくゼロに調整することも可能となる。また、可食部のX線の線量を基準値よりも十分に小さく調整することができる。
また、上記殺菌方法(電子線の強度の決定方法、電子線の照射条件の決定方法)によれば、可食部のX線の線量を抑えることができ、照射窓部(ウィンドウ)、搬送装置、遮蔽板の材質および構造を考慮することで可食部へのX線の線量をさらに抑えることができる。
また、前述したように、電子線などの放射線を用いた処理においては、各国の法令により処理基準が定められている。このため、各国の法令に沿った基準値や許容値で食品を処理する必要があるが、上記殺菌方法(電子線の強度の決定方法、電子線の照射条件の決定方法)によれば、基準値や許容値に合わせた調整が容易であり、効率の良い殺菌方法を提供することができる。
例えば、輸出用の食品において、輸出先の法令を順守するように、上記殺菌方法を施すことができる。また、細菌やウイルスなどによる病気の流行国から輸入された食品に対し、食品汚染が懸念される場合において、国内において、上記殺菌方法を施すことにより、安全な食品を提供することができる。
なお、上記実施の形態1においては、殺菌方法として、本発明を説明したが、本発明は、電子線の強度の決定方法や、電子線の照射条件の決定方法としてとらえることも可能である。また、実施の形態1においては、殺菌方法として、本発明を説明したが、本発明は、減菌方法としてとらえることも可能である。
(応用例)
上記実施の形態1(図6)においては、ポリエチレンフィルムPEFの枚数を変えた模擬試料を複数準備したが、図13に示すように、2×3個のTLD素子(T1~T6)であって、その上にポリエチレンフィルムPEFを1枚~5枚を搭載した物と、0枚(PEFの搭載無し)の物を連結したユニットを準備し、1つの模擬試料中に挟み込んでもよい。図13は、実施の形態2の応用例のTLD素子ユニットを示す平面図である。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1 卵黄
2 卵白
3 カラザ
4 卵殻
5 クチクラ層
6 気孔
7 卵殻膜
10 電子線発生部
12 ターミナル
12a フィラメント
12c グリッド
16c 加速用直流電源
20 照射室
21 搬送部
24 ビームコレクタ
28 真空排気システム
29 酸素濃度計
30 照射窓部
32 窓箔
34 窓枠部
40 被処理物
50 第1部
55 第2部
CD 寒天
E 卵
EB 電子線
PEF ポリエチレンフィルム
R RCDフィルム線量計
RP サランラップ
T TLD素子
T1~T6 TLD素子

Claims (19)

  1. (a)X線を照射した際の熱蛍光線量素子の発光量を測定し、前記発光量と前記X線の線量との関係を示す校正線を求める工程、
    (b)可食部と前記可食部を覆う表面部とを有する食品に対応する模擬試料を準備する工程、
    (c)前記模擬試料の可食部対応の第1部と、表面部対応の第2部との間に、前記熱蛍光線量素子およびフィルムを配置した状態で、前記第2部に、第1加速電圧の電子線を照射し、前記熱蛍光線量素子の発光量を求めかつ、前記第2部の表面線量を求める工程、
    (d)前記(c)工程で得られた前記発光量に対応するX線の線量を前記校正線から求める工程、
    (e)前記(d)工程で得られた前記X線の線量が、基準値以下か否かを判断する工程、
    (f)前記(e)工程において、前記X線の線量が前記基準値以下の場合、前記第1加速電圧で、前記食品に電子線を照射する工程、
    を有する、殺菌方法。
  2. 請求項1記載の殺菌方法において、
    前記第1加速電圧は、80kV以上、150kV以下である、殺菌方法。
  3. 請求項1記載の殺菌方法において、
    前記表面線量が、1kGy以上10kGy以下である、殺菌方法。
  4. 請求項1記載の殺菌方法において、
    前記表面線量が、1kGy以上10kGy以下となるように、前記電子線の照射条件を調整する、殺菌方法。
  5. 請求項4記載の殺菌方法において、
    前記照射条件は、前記模擬試料への電子線の照射時間、前記模擬試料と電子線照射部との距離、または、電子線照射装置のビーム電流である、殺菌方法。
  6. 請求項1記載の殺菌方法において、
    前記食品は、生卵である、殺菌方法。
  7. 請求項1記載の殺菌方法において、
    前記食品は、洗卵であり、
    前記(f)工程において、卵殻のサルモネラ菌を殺菌する、殺菌方法。
  8. 請求項7記載の殺菌方法において、
    前記第1部は、寒天であり、前記第2部は、卵殻である、殺菌方法。
  9. 請求項1記載の殺菌方法において、
    前記食品は、果物または甲殻類である、殺菌方法。
  10. (a)X線を照射した際の熱蛍光線量素子の発光量を測定し、前記発光量と前記X線の線量との関係を示す校正線を求める工程、
    (b)可食部と前記可食部を覆う表面部とを有する食品に対応する模擬試料を準備する工程、
    (c)前記模擬試料の可食部対応の第1部と、表面部対応の第2部との間に、前記熱蛍光線量素子およびフィルムを配置した状態で、前記第2部に、第1加速電圧の電子線を照射し、前記熱蛍光線量素子の発光量を求めかつ、前記第2部の表面線量を求める工程、
    (d)前記(c)工程で得られた前記発光量に対応するX線の線量を前記校正線から求める工程、
    (e)前記表面線量をA、前記X線の線量をB、前記表面線量の許容値をC、とし、(B/A)×Cの式から内部線量を求める工程、
    (f)前記内部線量が、基準値以下の場合、前記第1加速電圧で、前記食品に電子線を照射する工程、
    を有する、殺菌方法。
  11. 請求項10記載の殺菌方法において、
    前記発光量は、前記フィルムの枚数を変化させた場合の前記発光量の定常値である、殺菌方法。
  12. 請求項10記載の殺菌方法において、
    前記第1加速電圧は、80kV以上、150kV以下である、殺菌方法。
  13. 請求項10記載の殺菌方法において、
    前記表面線量が、1kGy以上10kGy以下である、殺菌方法。
  14. 請求項10記載の殺菌方法において、
    前記表面線量が、1kGy以上10kGy以下となるように、前記電子線の照射条件を調整する、殺菌方法。
  15. 請求項14記載の殺菌方法において、
    前記照射条件は、前記模擬試料への電子線の照射時間、前記模擬試料と電子線照射部との距離、または、電子線照射装置のビーム電流である、殺菌方法。
  16. 請求項10記載の殺菌方法において、
    前記食品は、生卵である、殺菌方法。
  17. 請求項16記載の殺菌方法において、
    前記食品は、洗卵であり、
    前記(f)工程において、卵殻のサルモネラ菌を殺菌する、殺菌方法。
  18. 請求項16記載の殺菌方法において、
    前記第1部は、寒天であり、前記第2部は、卵殻である、殺菌方法。
  19. 請求項10記載の殺菌方法において、
    前記食品は、果物または甲殻類である、殺菌方法。
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