一実施形態に係る吸収性物品提示システムについて図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
(1.実施形態の概要)
本実施形態に係る吸収性物品提示システムは、吸収性物品の着用者の体型に関する体型情報の入力と、前記吸収性物品を前記着用者が着用することにより生じたトラブルに関するトラブル情報の入力とを受け付ける受付部と、前記受付部が入力を受け付けた前記体型情報及び前記トラブル情報に基づいて、推奨吸収性物品を表す情報を提示する提示部とを備える。
かかる吸収性物品提示システムによれば、入力された体型情報及びトラブル情報に基づいて推奨吸収性物品を表す情報を提示することにより、吸収性物品の各構成部材の詳細をユーザが選択しなくても、体型情報及びトラブル情報に応じた適切な推奨吸収性物品をユーザが把握できる。これにより、吸収性物品について精通していないユーザであっても、体型情報及びトラブル情報に応じた適切な吸収性物品を得ることを可能とすることができる。
(2.吸収性物品提示システムの全体構成)
本実施形態に係る吸収性物品提示システムの構成について説明する。本システムは、吸収性物品に関する情報をユーザに提示するシステムである。本実施形態において、吸収性物品が乳幼児用又は大人用の使い捨ておむつである場合について主として説明する。かかる使い捨ておむつは、パンツ型のおむつであってもよいし、テープ型のおむつであってもよい。
図1は、本実施形態に係る吸収性物品提示システムの構成を示す図である。図1に示すように、本システムは、サーバ装置100と、記憶装置200と、複数の端末装置300と、製造ライン制御装置400と、配送管理装置500とを備える。端末装置300、サーバ装置100、製造ライン制御装置400、及び配送管理装置500は、通信ネットワーク10に接続されており、通信ネットワーク10を介して相互に通信を行う。
サーバ装置100は、着用者に適した吸収性物品を推奨吸収性物品としてユーザに提示するサービスを提供する情報処理装置である。なお、サーバ装置100は、物理的に分離した複数のサーバにより構成されていてもよい。
推奨吸収性物品は、着用者に推奨される吸収性物品であってもよいし、ユーザに推奨される吸収性物品であってもよい。ここで、「ユーザ」とは、本システムを利用する人物をいい、吸収性物品を着用する着用者(以下、単に「着用者」という)とは異なりうる。例えば、吸収性物品が乳幼児用の使い捨ておむつである場合、着用者が乳幼児であり、本システムのユーザが当該乳幼児の親であることが想定される。また、例えば、吸収性物品が介護用の使い捨ておむつである場合、着用者が被介護者であり、本システムのユーザが介護者であることが想定される。また、例えば、吸収性物品が生理用ナプキンである場合、着用者が生理用ナプキンの使用者であり、本システムのユーザが生理用ナプキンの使用者の保護者あるいは着用者自身であることが想定される。すなわち、着用者とユーザが同一であってもよい。
サーバ装置100は、端末装置300との通信を行うことにより、端末装置300がユーザから入力を受け付けた情報を取得し、取得した情報から1以上の推奨吸収性物品を判断する。サーバ装置100は、端末装置300が入力を受け付けた情報に基づいてカスタマイズされたカスタマイズ製品を推奨吸収性物品として判断する。なお、カスタマイズとは、オーダーメイドを含む概念である。サーバ装置100は、端末装置300が入力を受け付けた情報に基づいて選択された既製品を推奨吸収性物品として判断してもよい。
サーバ装置100は、判断した推奨吸収性物品を表す情報を当該端末装置300に提供する。「推奨吸収性物品を表す情報」とは、吸収性物品を表すテキスト、画像、若しくは音声、又はこれらの組み合わせをいう。
記憶装置200は、サーバ装置100における情報処理に用いられる情報を記憶する装置である。具体的には、記憶装置200は、サーバ装置100が推奨吸収性物品を判断するための各種の情報を記憶する。なお、図1において、記憶装置200がサーバ装置100に直接的に接続される構成を例示しているが、記憶装置200が通信ネットワーク10に接続され、サーバ装置100及び記憶装置200が通信ネットワーク10を介して通信を行う構成であってもよい。
端末装置300は、ユーザインターフェイスを提供する情報処理装置である。端末装置300は、ユーザから情報の入力を受け付け、当該情報に基づいて推奨吸収性物品を表す情報をユーザに提示する。「情報を提示する」とは、基本的には情報(テキストや画像、動画)を表示することをいうが、音声情報を出力することであってもよい。また、音声情報の出力と情報を表示することの組み合わせであってもよい。
具体的には、端末装置300は、ユーザから情報の入力を受け付け、入力を受け付けた情報をサーバ装置100に送信する。「情報の入力を受け付ける」とは、操作情報の入力(操作入力)を受け付けることに限らず、音声情報の入力(音声入力)を受け付けることであってもよいし、画像情報の入力(画像入力)を受け付けることであってもよい。
そして、端末装置300は、推奨吸収性物品を表す情報をサーバ装置100から受信し、受信した情報をユーザに提示する。つまり、端末装置300は、ユーザから入力を受け付けた情報に基づいて、推奨吸収性物品を表す情報を提示する。
端末装置300には、推奨吸収性物品の提示に関する専用のアプリケーションプログラムがインストールされていてもよい。かかる場合、端末装置300は、当該アプリケーションプログラムを起動することによりサーバ装置100との通信を開始する。或いは、本システムがクラウド型サービス(Webサービス)として実現される場合、端末装置300には専用のアプリケーションプログラムがインストールされずに、端末装置300にインストール済みの汎用的なブラウザを用いてサーバ装置100との通信を開始してもよい。
なお、端末装置300は、例えば、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォン、ポータブルゲーム機、電子書籍リーダなど)である。或いは、端末装置300は、テレビ受像機(インターネットテレビを含む)、PC(Personal Computer)、VR(Virtual Reality)端末、AR(Augmented Reality)端末、スマートウォッチ、AIスピーカ等であってもよい。
推奨吸収性物品を表す情報を提示した後、端末装置300は、推奨吸収性物品を注文する操作をユーザから受け付けてもよい。かかる場合、端末装置300は、注文操作の内容を表す情報をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、かかる情報の受信に応じて、製造ライン制御装置400や配送管理装置500に対して、注文された推奨吸収性物品の製品情報を送信する。
例えば、注文操作がカスタマイズ製品の注文の操作である場合、サーバ装置100は、注文されたカスタマイズ製品の詳細を製造ライン制御装置400に送信する。製造ライン制御装置400は、吸収性物品の製造ラインを制御する情報処理装置である。製造ライン制御装置400は、サーバ装置100から受信した情報に基づいて、注文されたカスタマイズ製品を自動的に製造するように製造ラインを制御する。但し、製造ライン制御装置400は、オペレータの操作内容も考慮して、半自動的にカスタマイズ製品を製造するように製造ラインを制御してもよい。製造ライン制御装置400は、カスタマイズ製品の製造完了時に、当該カスタマイズ製品の配送を配送管理装置500に依頼してもよい。
配送管理装置500は、注文された吸収性物品の配送を管理する情報処理装置である。注文操作が既製品の注文の操作である場合、サーバ装置100は、注文された既製品を表す情報を配送管理装置500に送信する。かかる場合、配送管理装置500は、既製品を表す情報をサーバ装置100から受信したことに応じて、当該既製品をユーザに配送するための処理を自動的に行う。配送管理装置500は、カスタマイズ製品の配送を製造ライン制御装置400から依頼された場合に、当該カスタマイズ製品をユーザに配送するための処理を自動的に行ってもよい。但し、配送管理装置500は、オペレータの操作内容も考慮して、注文された吸収性物品の配送を半自動的に行ってもよい。
(3.各情報処理装置のハードウェア構成の一例)
本実施形態に係る吸収性物品提示システムに含まれる各情報処理装置(サーバ装置100、端末装置300、製造ライン制御装置400、及び配送管理装置500)のハードウェア構成の一例について説明する。図2は、本システムに含まれる各情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、各情報処理装置は、CPU21と、RAM22と、ROM23と、補助記憶装置24と、通信モジュール25と、入力装置26と、出力装置27とを備える。
CPU21は、主記憶装置を構成するRAM22及びROM23からソフトウェア(プログラム)を読み出して実行する。RAM22は、CPU21の作業領域として用いられる。補助記憶装置24は、ハードディスクやフラッシュメモリ等により構成される。通信モジュール25は有線通信又は無線通信により情報を送受信するモジュールである。入力装置26は、タッチパネル、キーボード、マウス、タッチパッド、ポインティングデバイス、マイク、撮像装置、及びセンサの少なくとも1つにより構成され、各種の情報(操作情報、音声情報、画像情報等)の入力を受け付ける。入力装置26は、GPS受信機を含んでもよい。出力装置27は、ディスプレイやスピーカ等により構成され、各種の情報(テキスト情報、画像情報、音声情報等)を出力する。
CPU21及びRAM22等のハードウェア上にソフトウェアを読み込ませることにより、CPU21の制御のもとで通信モジュール25、入力装置26、出力装置27を動作させるとともに、RAM22や補助記憶装置24におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで、各情報処理装置における一連の機能が実現される。
(4.吸収性物品提示システムの機能ブロック構成)
本実施形態に係る吸収性物品提示システムの機能ブロック構成について説明する。図3は、本システムの機能ブロック構成を示す図である。
(4.1.記憶装置の機能ブロック構成)
図3に示すように、記憶装置200は、ユーザ情報記憶部210と、着用者情報判断規則記憶部220と、トラブル情報判断規則記憶部230と、使用状況情報判断規則記憶部240と、環境意識情報判断規則記憶部250と、既製品情報記憶部260とを備える。なお、本実施形態において、各記憶部を記憶装置200が備える一例について説明するが、少なくとも1つの記憶部をサーバ装置100が備える構成であってもよい。
ユーザ情報記憶部210は、ユーザから入力された情報をユーザごとに記憶する。図4は、ユーザ情報記憶部210が記憶する情報の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報記憶部210は、ユーザごとに、サーバ装置100へのログインに必要なログイン情報と、吸収性物品の着用者に関する着用者情報とを記憶する。ユーザ情報記憶部210は、ユーザの住所(居住地)や電話番号をさらに記憶してもよい。
ログイン情報は、ユーザ名(ユーザID)とパスワードとを含む。
着用者情報は、着用者の基本的な情報である基本情報と、当該着用者の体型に関する体型情報と、当該着用者が前回着用した製品名とを含む。体型情報は、当該着用者の体型を表す各種サイズだけではなく、当該着用者の身体の動きの大きさ(活動度)を含んでもよい。かかる活動度としては、大人の場合にはADL(Activities of Daily Living)を用いることができ、乳幼児の場合には、初めてできるようになったこと(例えば寝返り、つかまり立ち、ハイハイ等)や運動発達指標(例えばデンバー式発達スクリーニング指標、新版K式発達指標等)を用いることができる。
基本情報は、着用者の名前と、当該着用者の性別と、当該着用者の年齢(月齢)とを含む。或いは、年齢(月齢)に代えて生年月日を記憶し、生年月日から年齢(月齢)を計算してもよい。
体型情報は、当該着用者の胴回りのサイズと、当該着用者の足繰りのサイズと、当該着用者の身長と、当該着用者の体重とを含む。体型情報は、ヒップサイズや股繰りのサイズ、体の各部位の曲率や、各サイズや曲率等に基づく体型の分類(「おなかが出ている」や「お尻が出ている」、A型、Y型といったJIS規格など標準規格で定められた体型区分等)を含んでもよい。なお、図4において、胴回り、足繰り、及び身長におけるサイズ(長さ)の単位がセンチメートル(cm)であり、体重における重さの単位がキログラム(kg)である一例を示している。
また、着用者情報には、ほかにも、着用者が利用する時間に関する情報(夜間、昼間、21:00~4:00といった時間を示す情報や、睡眠中、食後、生理期間〇日目といった着用者の生活などに基づくタイミング等)、着用者の食事に関する情報(乳幼児であれば、母乳かミルクか、離乳食の有無や離乳食の食材、離乳食の対象年齢等)や、着用者の肌質(アレルギーや乾燥、かぶれやすいといった肌に関する情報)等が含まれてもよい。
着用者が前回着用した吸収性物品の製品名は、基本的には既製品の製品名であるが、着用者が前回着用した吸収性物品がカスタマイズ製品である場合には、当該カスタマイズ製品に付与されたIDや当該カスタマイズ製品の詳細を記憶してもよい。
着用者情報判断規則記憶部220、トラブル情報判断規則記憶部230、使用状況情報判断規則記憶部240、及び環境意識情報判断規則記憶部250のそれぞれは、推奨吸収性物品を判断するための判断規則を記憶する。判断される推奨吸収性物品は、吸収性物品の本体だけではなく、吸収性物品の包装を含んでもよい。記憶されている判断規則は、本システムのサービス提供者により予め作成されてもよいし、機械学習を用いた学習等により半自動的又は全自動的に作成・更新されてもよい。
着用者情報判断規則記憶部220は、着用者に関する着用者情報と、当該着用者向けに最適化された推奨吸収性物品に関する情報とを対応付けた判断規則を記憶する。判断に用いる着用者情報は、着用者の体型に関する体型情報を少なくとも含む。判断に用いる着用者情報は、着用者の基本的な情報である基本情報と、着用者のライフスタイルに関するライフスタイル情報と、着用者の健康状態の診断又は監視の希望に関する医療関連情報とをさらに含んでもよい。
まず、着用者の基本情報に関する推奨吸収性物品の判断規則の一例を表1に示す。表1において吸収性物品が使い捨ておむつである一例を示している。
このように、おむつに着用者の名前が記入されていることにより、誰のために作られたおむつかが分かり、間違えることがない。おむつに誕生日が記入されていることにより、家族で誕生日をお祝いできるため、家族の絆が強まる。また、上記のような判断規則により製造されたおむつは、例えば着用者の親族等に向けてプレゼントをする際にも利用できるため、ユーザは必ずしも着用者の親族でなくても良い。
また、着用者の性別に応じた吸収スポット構造(例えば、吸収体の位置やサイズ)のおむつを提供することにより、性器の位置に合わせて吸収スポットを最適化できるため、漏れにくいおむつを提供できる。着用者の性別に応じたデザインのおむつを提供することにより、おむつらしくないデザイン性の高いおむつを提供できるため、着用者が違和感なくおむつを装着できる。
さらに、修正月齢に応じておむつの構造(テープ型であるか又はパンツ型であるか)、おむつの型紙、サイズ、ゴム張力を最適化することにより、着用者(乳幼児)の身体にフィットしたおむつを提供できるため、乳幼児の発達に寄り添い、発達を促進できる。
また、着用者の食事に応じておむつの吸収スポットの構造や吸収性を最適化することにより、着用者の便の硬軟に合わせたおむつを提供できるため、おむつの便の漏れを防ぐことができる。
また肌質に応じて、アレルギー物質を含まない材質や保湿剤を含む材質、摩擦の少ない材質といったおむつの材質や構造、ゴム張力を最適化することにより、着用者(乳幼児)の肌の質に合ったおむつを提供できるため、例えば着用者の肌のトラブルを回避できる。
なお、誕生日(月齢)、性別、及び修正月齢は、着用者の体型にも関連する情報であるため、これらの情報を体型情報の一部とみなすこともできる。
次に、着用者の体型情報に関する推奨吸収性物品の判断規則の一例を表2に示す。
体型、胴回りサイズ、足繰りサイズ、ヒップサイズ、及び股繰りサイズは、おむつの着用部位についての直接的なサイズであり、これらのサイズに応じておむつを最適化することにより、着用者に適切にフィットさせることができる。これにより、締め付けずゴム跡がつかず、且つ隙間なく漏れにくいおむつを提供でき、漏れや肌トラブルの頻度を減少させることができる。また、身長及び体重についてもおむつの最適化に用いることができる。
また、これらの体型情報を、ユーザ情報記憶部210に記憶された過去の体型情報と比較することにより、着用者の身体的変化(例えば着用者の成長)を予測し、予測した身体的変化も考慮したおむつの最適化を行ってもよい。
さらに、着用者の活動度に応じておむつを最適化することにより、着用者の脚が動いても適切にフィットさせることができるおむつを提供できる。
次に、着用者のライフスタイル情報に関する推奨吸収性物品の判断規則の一例を表3に示す。
このように、生活リズムや、昼と夜のおむつ交換サイクル・回数の希望・利用時間に応じて、昼用と夜用とを使い分け、おむつ交換のサイクルに最適なおむつを提供することにより、ケアする側、ケアされる側(着用者)の双方にとってQoLを向上させることができたり、着用者の排泄物の漏れを防いだりすることができる。
また、1日あたりの利用枚数、宅在庫、購入頻度、購入・配送方法の希望に応じて、包装入数を最適化することにより、最適な頻度・最適な量でおむつを提供できる。
また、家族イベントに応じてイベント用やお祝い用おむつを提供することにより、家族で楽しめたり、お祝いしたりすることができるため、家族の絆を強めることができる。
また、お出かけの予定に応じて消臭材入りのおむつを提供することにより、消臭作用により、特に臭いが気になるお出かけ時において臭いが気にならないようにすることができる。さらに、お出かけの予定に応じて個包装で覆われたおむつを提供することにより、外出先に必要な分の量のおむつをそのままバックに入れて、衛生的に持ち運ぶことができる。
次に、着用者の医療関連情報に関する推奨吸収性物品の判断規則の一例を表4に示す。
このように、健康診断の希望に応じて採尿パック付きおむつや便採取用おむつを提供することにより、衛生的で簡単に採尿や採便を行うことができる。なお、排泄物を検査する検査キットや試験紙などをセットにしてもよい。
また、病歴に応じて尿検査シート付おむつを提供することにより、おむつで日常的に尿路感染や脱水症状が分かるようになり、病気の早期発見ができる。
また、膀胱機能評価の希望の有無に応じて、尿量、排尿・排便検知センサ付きおむつ、又はセンサの取り付けに適した構造のおむつを提供することにより、尿量と排尿・排便のタイミングが分かるようになり、適切なおむつを評価できる。
また、見守り希望の有無に応じて、脈拍数、呼吸、姿勢、体温等を検出するセンサ付きオムツ、又はそれらセンサの取り付けに適した構造のおむつを提供することにより、バイタル情報が分かるようになり、おむつ着用者の体調把握や安全を確保できる。
トラブル情報判断規則記憶部230は、吸収性物品を着用者が着用することにより生じたトラブルに関するトラブル情報と、当該着用者向けに最適化された推奨吸収性物品に関する情報とを対応付けた判断規則を記憶する。
トラブル情報に関する推奨吸収性物品の判断規則の一例を表5に示す。
このように、漏れトラブルの場所(腹側、背側、足繰り)、頻度、時間帯、尿、便の状態に応じて、構造、型紙・サイズ、ゴム張力が最適化されたおむつを提供することにより、より体にフィットしてずれにくいおむつ、すなわち、漏れにくいおむつを提供できる。
また、漏れトラブルの場所(腹側、背側、足繰り)、頻度、時間帯、尿、便の状態に応じて、吸収体の長さ・吸収量が調整されたおむつを提供することにより、尿量に対して十分な吸収力があり、漏れにくいおむつを提供できる。
また、漏れトラブルの場所(腹側、背側、足繰り)、頻度、時間帯、尿、便の状態に応じて、便収容ポケット付きおむつを提供することにより、便を収容し、便を広げないようにすることができ、漏れにくいおむつを提供できる。
また、肌トラブル(かぶれ、褥瘡)の有無、敏感肌など肌質が弱いことに応じて、トップシート、バックシート素材を変更することにより、肌を傷つけにくいおむつを提供できるため、肌トラブルを減少させることができる。
また、肌トラブル(かぶれ、褥瘡)の有無、肌の状態でゴム跡など気になる事に応じて、エラスティック素材をストランドから伸縮不織布に変更することにより、肌を傷つけにくいおむつを提供できるため、肌トラブルを減少させることができる。
また、肌トラブル(かぶれ、褥瘡)の有無、蒸れが気になることに応じて、バックフィルムの通気度が高いおむつを提供したり、アウター厚み・吸収体厚みが薄いおむつを提供したりすることにより、蒸れにくいおむつを提供できるため、肌トラブルを減少させることができる。
使用状況情報判断規則記憶部240は、吸収性物品が使用される際の状況を表す使用状況情報と、当該使用状況向けに最適化された推奨吸収性物品に関する情報とを対応付けた判断規則を記憶する。使用状況情報は、着用者の生活環境に関する生活環境情報を含む。
生活環境情報に関する推奨吸収性物品の判断規則の一例を表6に示す。
このように、居住地情報やGPS等から把握される気温や湿度の状況に応じて、バックフィルムの通気度が高いおむつを提供したり、アウター厚み・吸収体厚みが薄いおむつを提供したりすることにより、蒸れにくいおむつを提供でき、肌トラブルを減少させることができる。
また、居住している部屋の気温や湿度の状況に応じて、バックフィルムの通気度が高いおむつを提供したり、アウター厚み・吸収体厚みが薄いおむつを提供したりすることにより、蒸れにくいおむつを提供でき、肌トラブルを減少させることができる。
また、季節に応じて、肌を保護するオイルや保湿剤が塗布されたおむつを提供することにより、オイルや保湿剤でケアすることができ、肌トラブルを減少させることができる。また、季節に応じて上述の通気度や厚みを変更させてもよい。
環境意識情報判断規則記憶部250は、環境負荷に関する環境意識情報と、当該環境意識に合わせて最適化された推奨吸収性物品に関する情報とを対応付けた判断規則を記憶する。
環境意識情報に関する推奨吸収性物品の判断規則の一例を表7に示す。
このように、環境への意識の有無に応じて、後処理テープやインジケータが無いおむつを提供したり、アウター及びインナーの組み合わせセットを提供したり、おむつリサイクルに適した材料・構造のおむつを提供したり、おむつ重量を可能な限り減らした構造のおむつを提供したりすることにより、ゴミを削減するとともにCO2排出量を削減できる。また、化成の材質ではなく、天然(自然)の製品を使用したいといった希望がある場合、おむつの繊維材質を希望に合わせて変更してもよい(例えばコットンの割合が高いおむつ等)。
既製品情報記憶部260は、既製品に関する既製品情報を記憶する。図5は、既製品情報記憶部260が記憶する既製品情報の一例を示す図である。図5に示すように、既製品情報記憶部260は、既製品ごとに、製品名と、対象着用者と、胴回りのサイズと、足繰りのサイズと、長さと、パッドの素材と、装着方法(テープ型又はパンツ型)とを記憶する。既製品情報記憶部260は、既製品ごとに、吸収性物品(おむつ)のより詳細な情報、例えば各構成部材の有無、長さ、厚さ、大きさ、素材、位置等をさらに記憶してもよい。
(4.2.サーバ装置の機能ブロック構成)
図3に示すように、サーバ装置100は、ユーザ情報登録部110と、吸収性物品判断部120と、既製品判断部130とを備える。
ユーザ情報登録部110は、端末装置300が入力を受け付けたユーザ情報(図4参照)をユーザ情報記憶部210に記憶させることにより、ユーザ情報を登録する。ユーザ情報登録部110は、同一ユーザについて新たにユーザ情報が入力された場合には、ユーザ情報記憶部210に記憶されたユーザ情報を更新してもよい。
吸収性物品判断部120は、ユーザ情報記憶部210に記憶されたユーザ情報と、端末装置300が入力を受け付けた情報とに基づいて、推奨吸収性物品について判断する。例えば、吸収性物品判断部120は、ユーザ情報記憶部210に記憶されたユーザ情報と、端末装置300が入力を受け付けた情報とに基づいて、最適化された吸収性物品の各構成部材の設計パラメータ(例えば、各構成部材の有無、長さ、厚さ、大きさ、素材、位置、形状等)を判断し、判断した設計パラメータを既製品判断部130に提供する。
吸収性物品判断部120は、着用者情報判断部121と、トラブル情報判断部122と、使用状況情報判断部123と、環境意識情報判断部124とを備える。
着用者情報判断部121は、端末装置300が着用者情報の入力を受け付けた場合に、ユーザ情報記憶部210に記憶されたユーザ情報と、端末装置300が入力を受け付けた着用者情報と、着用者情報判断規則記憶部220が記憶している判断規則(表1乃至表4参照)とに基づいて、推奨吸収性物品について判断する。具体的には、着用者情報判断部121は、これらの情報に基づいて、最適化された吸収性物品の各構成部材の設計パラメータを判断する。
着用者情報判断部121は、ユーザ情報記憶部210に記憶されたユーザ情報と、端末装置300が入力を受け付けた着用者情報とに基づいて、将来における着用者の身体的変化(例えば、成長の度合い)を予測してもよい。かかる場合、着用者情報判断部121は、予測した着用者の身体的変化も考慮して、吸収性物品の各構成部材の設計パラメータを判断する。
トラブル情報判断部122は、端末装置300がトラブル情報の入力を受け付けた場合に、端末装置300が入力を受け付けたトラブル情報と、トラブル情報判断規則記憶部230が記憶している判断規則(表5参照)とに基づいて、推奨吸収性物品について判断する。具体的には、着用者情報判断部121は、これらの情報に基づいて、最適化された吸収性物品の各構成部材の設計パラメータを判断する。
使用状況情報判断部123は、端末装置300が使用状況情報(生活環境情報)の入力を受け付けた場合に、端末装置300が入力を受け付けた使用状況情報と、使用状況情報判断規則記憶部240が記憶している判断規則(表6参照)とに基づいて、推奨吸収性物品について判断する。具体的には、使用状況情報判断部123は、これらの情報に基づいて、最適化された吸収性物品の各構成部材の設計パラメータを判断する。なお、使用状況情報の入力は、居住地(国や都道府県)の入力に限らず、GPS位置情報の入力によりなされてもよい。
環境意識情報判断部124は、端末装置300が環境意識情報の入力を受け付けた場合に、端末装置300が入力を受け付けた環境意識情報と、環境意識情報判断規則記憶部250が記憶している判断規則(表7参照)とに基づいて、推奨吸収性物品について判断する。具体的には、環境意識情報判断部124は、これらの情報に基づいて、最適化された吸収性物品の各構成部材の設計パラメータを判断する。なお、環境意識情報の入力は、例えば、「おむつ廃棄による環境負荷を低減したいですか?」といった質問に対するユーザの回答や、「温暖化が進んでいますが何か行動をされていますか?」といった質問に対するユーザの回答によりなされてもよい。
既製品判断部130は、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータと、既製品情報記憶部330に記憶された既製品情報とに基づいて、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータに適合する既製品が存在するか否かを判断する。ここで、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータに適合する既製品とは、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータと完全に一致する既製品に限らず、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータと一部が一致又は類似する既製品であってもよい。
既製品判断部130は、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータに適合する既製品が存在すると判断した場合に、当該既製品に関する情報を、推奨吸収性物品を表す情報として端末装置300に送信する。かかる場合、既製品判断部130は、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータに応じたカスタマイズ製品を表す情報及び既製品を表す情報の両方を端末装置300に送信してもよい。或いは、既製品判断部130は、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータに適合する既製品が存在すると判断した場合に、カスタマイズ製品を表す情報を端末装置300に送信しないとしてもよい。
一方、既製品判断部130は、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータに適合する既製品が存在しないと判断した場合に、吸収性物品判断部120が判断した設計パラメータに応じたカスタマイズ製品を表す情報を生成し、当該カスタマイズ製品を表す情報を、推奨吸収性物品を表す情報として端末装置300に送信する。
推奨吸収性物品を表す情報を端末装置300に送信した後、サーバ装置100は、当該推奨吸収性物品を注文することを表す情報を端末装置300から受信しうる。かかる場合、サーバ装置100は、推奨吸収性物品に関する情報を製造ライン制御装置400又は配送管理装置500に送信する。
(4.3.端末装置の機能ブロック構成)
図3に示すように、端末装置300は、受付部310と、提示部320とを備える。
受付部310は、入力装置26を含んで構成されており、各種の情報の入力を受け付け、受け付けた情報をサーバ装置100に送信する。受付部310が入力を受け付ける情報は、着用者情報と、トラブル情報と、使用状況情報と、環境意識情報とを含む。受付部310は、サーバ装置100への登録時及びログイン時においてログイン情報の入力を受け付ける。受付部310は、サーバ装置100への登録時に着用者情報の入力を受け付けてもよい。
提示部320は、出力装置27を含んで構成されており、各種の情報を提示する。提示部320は、受付部310が入力を受け付けた情報に応じて導出された推奨吸収性物品を表す情報をサーバ装置100から受信し、当該推奨吸収性物品を表す情報を提示する。つまり、提示部320は、受付部310が入力を受け付けた情報に基づいて、推奨吸収性物品を表す情報を提示する。
例えば、着用者の体型に関する体型情報の入力を受付部310が受け付けた場合、提示部320は、受付部310が入力を受け付けた体型情報に基づいて、推奨吸収性物品を表す情報を提示する。提示部320は、体型情報に適合する既製品が存在することに応じて、当該既製品を表す情報を提示してもよい。提示部320は、体型情報に適合する既製品が存在しないことに応じて、着用者の体型に適合するカスタマイズ製品を表す情報を提示してもよい。
吸収性物品を着用者が着用することにより生じたトラブルに関するトラブル情報の入力を受付部310が受け付けた場合、提示部320は、受付部310が入力を受け付けたトラブル情報に基づいて、推奨吸収性物品を表す情報を提示する。トラブル情報がトラブルとして排泄物の漏れに関する情報を含む場合、提示部320は、漏れに関する情報に基づいて、漏れの発生を抑制するように導出された推奨吸収性物品を表す情報を提示する。また、トラブル情報がトラブルとして着用者の肌トラブルに関する情報を含む場合、提示部320は、肌トラブルに関する情報に基づいて、肌トラブルの発生を抑制するように導出された推奨吸収性物品を表す情報を提示する。提示部320は、トラブルの発生を抑制可能な既製品が存在することに応じて、当該既製品を表す情報を提示してもよい。提示部320は、トラブルの発生を抑制可能な既製品が存在しないことに応じて、トラブルの発生を抑制可能なカスタマイズ製品を表す情報を提示してもよい。
吸収性物品が使用される際の状況を表す使用状況情報(生活環境情報)の入力を受付部310が受け付けた場合、提示部320は、受付部310が入力を受け付けた使用状況情報に基づいて、推奨吸収性物品を表す情報を提示する。例えば、提示部320は、使用状況情報(生活環境情報)に基づいて、着用者の生活環境に適合するように導出された推奨吸収性物品を表す情報を提示する。提示部320は、吸収性物品が使用される際の状況に適合した既製品が存在することに応じて、当該既製品を表す情報を提示してもよい。提示部320は、吸収性物品が使用される際の状況に適合した既製品が存在しないことに応じて、吸収性物品が使用される際の状況に適合したカスタマイズ製品を表す情報を提示してもよい。
着用者のライフスタイルに関するライフスタイル情報の入力を受付部310が受け付けた場合、提示部320は、受付部310が入力を受け付けたライフスタイル情報に基づいて、推奨吸収性物品を表す情報を提示する。例えば、提示部320は、ライフスタイル情報に基づいて、着用者のライフスタイルに適合するように導出された推奨吸収性物品を表す情報を提示する。提示部320は、着用者のライフスタイルに適合した既製品が存在することに応じて、当該既製品を表す情報を提示してもよい。提示部320は、着用者のライフスタイルに適合した既製品が存在しないことに応じて、吸収性物品が使用される際の状況に適合したカスタマイズ製品を表す情報を提示してもよい。
着用者の健康状態の診断又は監視の希望に関する医療関連情報の入力を受付部310が受け付けた場合、提示部320は、医療関連情報に基づいて、健康状態の診断又は監視に適合するように導出された推奨吸収性物品を表す情報を提示する。提示部320は、健康状態の診断又は監視に適合した既製品が存在することに応じて、当該既製品を表す情報を提示してもよい。提示部320は、健康状態の診断又は監視に適合した既製品が存在しないことに応じて、吸収性物品が使用される際の状況に適合したカスタマイズ製品を表す情報を提示してもよい。
環境負荷に関する環境意識情報の入力を受付部310が受け付けた場合、提示部320は、環境意識情報に基づいて導出された推奨吸収性物品を表す情報を提示する。提示部320は、環境意識情報に適合した既製品が存在することに応じて、当該既製品を表す情報を提示してもよい。提示部320は、環境意識情報に適合した既製品が存在しないことに応じて、吸収性物品が使用される際の状況に適合したカスタマイズ製品を表す情報を提示してもよい。
推奨吸収性物品を表す情報を提示部320が提示した後、受付部310は、当該推奨吸収性物品を注文することを表す情報の入力を受け付けてもよい。かかる場合、受付部310は、入力を受け付けた注文情報をサーバ装置100に送信する。
(5.吸収性物品提示システムの動作例)
本実施形態に係る吸収性物品提示システムの動作の一例について説明する。
(5.1.推奨吸収性物品の提示動作例)
図6は、本実施形態に係る吸収性物品提示システムにおける推奨吸収性物品の提示動作例を示す図である。
図6に示すように、ステップS1において、端末装置300は、推奨吸収性物品を提示するためのアプリケーションを起動する。
ステップS2において、端末装置300は、サーバ装置100にログインするためのログイン画面を表示する。
ステップS3において、端末装置300は、ログイン情報(ユーザID、パスワード)の入力をユーザから受け付ける。
ステップS4において、端末装置300は、入力を受け付けたログイン情報をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、端末装置300から受信したログイン情報を記憶装置200に記憶されたログイン情報と照合し、ユーザを特定する。
なお、ユーザが本システムを初めて利用する場合、端末装置300は、ログイン情報の入力と、着用者情報のうち少なくとも基本情報の入力とをユーザから受け付け、入力を受け付けた情報をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、端末装置300から受信した情報を記憶することにより、ユーザ登録が行われる。
ステップS5において、端末装置300は、推奨吸収性物品の判断に用いる情報をユーザに入力させるための情報入力画面を表示する。
ステップS6において、端末装置300は、着用者情報の入力をユーザから受け付ける。ステップS7において、端末装置300は、入力を受け付けた着用者情報をサーバ装置100に送信する。なお、ここで着用者情報は着用者の画像を入力してもよいし、例えば着用者を測定するセンサの測定データ(衣服型の測定センサを着用者に着用させて得られた体型に関する測定データや、腕や足に取り付けた活動量の測定データ、肌質などを測定するセンサの測定データ等)を入力してもよい。この場合、センサの測定データを端末装置300が取得し、端末装置300から着用者情報としてサーバに送信してもよいし、センサから直接サーバ装置100に対して測定データを送信してもよい。また、端末装置300の画面に、体型を選択させる画面を表示し、ユーザが選択した体型情報を送信してもよい。ここで、選択可能な体型は規格等から分類される体型であってもよいし、測定データから推定される体型であってもよい。また、選択に際して、単に体型の分類名だけでなく体型の特徴を表す図や文字列(おなかが出ている図や「おなかポッコリ」といった説明文等)を選択するようにしてもよい。
ステップS8において、端末装置300は、トラブル情報の入力をユーザから受け付ける。ステップS9において、端末装置300は、入力を受け付けたトラブル情報をサーバ装置100に送信する。
ステップS10において、端末装置300は、使用状況情報の入力をユーザから受け付ける。ステップS11において、端末装置300は、入力を受け付けた使用状況情報をサーバ装置100に送信する。
ステップS12において、端末装置300は、環境意識情報の入力をユーザから受け付ける。ステップS13において、端末装置300は、入力を受け付けた環境意識情報をサーバ装置100に送信する。
ステップS6乃至S13は、この順で行われなくてもよい。すなわち、推奨吸収性物品の判断に用いる情報をユーザに入力させる順番は、どのような順番であってもよい。また、着用者情報、トラブル情報、使用状況情報、及び環境意識情報の全てをユーザに入力させる場合に限らず、これらの情報のうち一部のみをユーザに入力させてもよい。
ステップS14において、サーバ装置100は、端末装置300から受信した情報と、記憶装置200に記憶された判断規則とに基づいて、推奨吸収性物品(ここでは、使い捨ておむつ)について判断する。具体的には、サーバ装置100は、最適化された使い捨ておむつの各構成部材の設計パラメータ(例えば、各構成部材の有無、長さ、厚さ、大きさ、素材、位置、形状等)を判断する。また、サーバ装置100は、カスタマイズ製品及び既製品の少なくとも一方を推奨吸収性物品として判断する。
ステップS15において、サーバ装置100は、推奨吸収性物品についての判断結果を端末装置300に送信する。具体的には、サーバ装置100は、カスタマイズ製品を表す情報及び既製品を表す情報の少なくとも一方を端末装置300に送信する。
ステップS16において、端末装置300は、サーバ装置100から受信した判断結果を表示する。具体的には、端末装置300は、カスタマイズ製品を表す情報及び既製品を表す情報の少なくとも一方を表示する。
図7は、図6のステップS14における処理の具体例を示す図である。
図7に示すように、ステップS141において、サーバ装置100は、端末装置300から受信した情報に基づいて使い捨ておむつのサイズを判断する。
ステップS142において、サーバ装置100は、端末装置300から受信した情報に基づいて使い捨ておむつの長さを判断する。
ステップS143において、サーバ装置100は、端末装置300から受信した情報に基づいて使い捨ておむつの胴回りサイズ及び足回りサイズを判断する。なお、胴回りのサイズおよび足回りのサイズだけでなく、体型を判断してもよい。例えば体型に応じておむつの形自体(例えばベルト部分の長さ、股下の深さ、お尻回りの大きさなど)を変更してもよい。また、着用者の情報が画像で入力された場合、その画像から着用者の体型情報を推定する処理を実行してもよい。
ステップS144において、サーバ装置100は、端末装置300から受信した情報に基づいて使い捨ておむつの吸収体及びその素材を判断する。
ステップS141乃至S144は、この順で行われなくてもよい。すなわち、推奨吸収性物品の各構成部材の設計パラメータを判断する順番は、どのような順番であってもよい。また、サーバ装置100は、ステップS141乃至S144における判断に加えて、表1乃至表7に示したような判断を行うことにより、推奨吸収性物品(使い捨ておむつ)の各構成部材の設計パラメータを判断してもよい。
ステップS145において、サーバ装置100は、既製品情報を記憶装置200から取得する。
ステップS146において、サーバ装置100は、取得した既製品情報に基づいて、判断した設計パラメータに適合する既製品が有るか否かを判断する。
判断した設計パラメータに適合する既製品が有る場合(ステップS146:YES)、ステップS147において、サーバ装置100は、推奨吸収性物品を表す情報として、適合する既製品の情報を取得する。
一方、判断した設計パラメータに適合する既製品が無い場合(ステップS146:NO)、ステップS148において、サーバ装置100は、推奨吸収性物品を表す情報として、判断した設計パラメータに応じたカスタマイズ製品を表す情報を生成する。
(5.2.吸収性物品の注文動作例)
図8は、本実施形態に係る吸収性物品提示システムにおける推奨吸収性物品の注文動作例を示す図である。
図8に示すように、ステップS16において、端末装置300は、サーバ装置100から受信した判断結果を表示する。具体的には、端末装置300は、カスタマイズ製品を表す情報及び既製品を表す情報の少なくとも一方を表示する。
ステップS17において、端末装置300は、カスタマイズ製品又は既製品の注文指示をユーザから受け付ける。
ステップS18において、端末装置300は、ユーザから受け付けた注文指示をサーバ装置100に送信する。
ステップS19において、サーバ装置100は、端末装置300から注文指示を受け付けることにより受注処理を行う。
ステップS20において、サーバ装置100は、注文された吸収性物品の製品情報を製造ライン制御装置400又は配送管理装置500に送信する。具体的には、サーバ装置100は、カスタマイズ製品が注文された場合に、当該カスタマイズ製品の詳細(設計パラメータ)を製造ライン制御装置400に送信する。サーバ装置100は、既製品が注文された場合に、当該既製品の情報(製品名やID等)を配送管理装置500に送信する。
ステップS21において、サーバ装置100は、受注完了を表す通知を端末装置300に送信する。
ステップS22において、端末装置300は、サーバ装置100から受信した通知に基づいて受注完了の旨を表示する。
(6.表示画面例)
以下において、本実施形態に係る吸収性物品提示システムにおける端末装置300の表示画面の一例について説明する。図9乃至図14は、本システムにおける端末装置300の表示画面の一例を示す図である。
図9(a)に示すように、端末装置300は、推奨吸収性物品を提示するためのアプリケーションの起動後に画面SC11を表示する。画面SC11において「始める」ボタンが選択されると、図9(b)に示すログイン画面SC12に遷移する。なお、ボタンの選択は、タッチ操作(タップ操作)により行われてもよいし、マウス等によるクリック操作により行われてもよい。
図9(b)に示すように、ログイン画面SC12は、ユーザ名(ユーザID)を入力するためのテキストボックスと、パスワードを入力するためのテキストボックスと、「ログイン」ボタンとを有する。また、ログイン画面SC12は、ユーザ登録を行うための「ユーザ登録」ボタンを有する。ログイン画面SC12において「ユーザ登録」ボタンが選択されると、図9(c)に示すユーザ登録画面SC13に遷移する。
図9(c)に示すように、ユーザ登録画面SC13は、ユーザ名(ユーザID)を入力するためのテキストボックスと、パスワードを入力するためのテキストボックスと、着用者の名前を入力するためのテキストボックスと、着用者の年齢を入力するためのテキストボックスと、着用者の性別を入力するためのテキストボックスとを有する。
ログイン画面SC12におけるログイン後又はユーザ登録画面SC13におけるユーザ登録後、図10(a)に示すように、端末装置300は、体型情報の入力方法を選択するための選択画面SC21を表示する。選択画面SC21において「自分で入力」ボタンを選択されると、図10(b)に示す体型入力画面SC22に遷移する。
図10(b)に示すように、体型入力画面SC22は、着用者の体重を入力するためのテキストボックスと、着用者の胴回りサイズ(ウェストサイズ)を入力するためのテキストボックスと、着用者のヒップサイズを入力するためのテキストボックスと、着用者の足繰りサイズを入力するためのテキストボックスとを有する。なお、テキストボックスに代えてプルダウンメニューを表示してもよい。
一方、選択画面SC21において「写真をアップロード」ボタンが選択されると、図10(c)に示す写真アップロード画面SC23に遷移する。図10(c)に示すように、写真アップロード画面SC23は、既存の画像ファイルの中から着用者の画像を選択するための「ファイルをアップロード」ボタンと、着用者を被写体として撮影するための「写真を撮影する」ボタンとを有する。「ファイルをアップロード」ボタンが選択されると、端末装置300内の画像ファイルの一覧を表示し、いずれかの画像ファイルをユーザに選択させる。「写真を撮影する」ボタンが選択されると、写真撮影画面を表示し、着用者をユーザに撮影させる。
また、図11(a)に示すように、端末装置300は、着用者が直近に着用したおむつ(今のおむつ)に関する情報をユーザに入力させる入力画面SC31を表示する。入力画面SC31は、今のおむつの商品名を入力するためのテキストボックスと、今のおむつが浅い、深い、ちょうどいいのいずれであるかを選択するためのプルダウンメニューと、今のおむつについて漏れの有無を選択するためのプルダウンメニューと、今のおむつについて蒸れの有無を選択するためのプルダウンメニューと、今のおむつについて着用者のかぶれの有無を選択するためのプルダウンメニューとを有する。入力画面SC31における情報の入力後、「次」ボタンが選択されると、図11(b)に示すトラブル情報入力画面SC32に遷移する。
図11(b)に示すように、トラブル情報入力画面SC32は、入力画面SC31で入力された漏れの有無、蒸れの有無、カブレの有無に応じて、各トラブルの詳細を入力するためのプルダウンメニュー又はテキストボックスを有する。例えば、入力画面SC31で漏れ有りと入力された場合、トラブル情報入力画面SC32は、漏れた場所及び漏れた排泄物の種類を入力するためのプルダウンメニュー又はテキストボックスを有する。トラブル情報入力画面SC32における情報の入力後、「次」ボタンが選択されると、図11(c)に示す活動度入力画面SC33に遷移する。
図11(c)に示すように、活動度入力画面SC33は、着用者が今できることとして、はいはい、寝返り、つかまり立ちの少なくとも1つを選択するためのボタン又はチェックボックスを有する。活動度入力画面SC33における情報の入力後、「次」ボタンが選択されると、図12(a)に示すデザイン選択画面SC41に遷移する。
図12(a)に示すように、デザイン選択画面SC41は、使い捨ておむつの外観デザインを選択するための画面であって、既製品のデザインを選択するためのボタンと、デザインをカスタマイズするためのボタンとを有する。デザイン選択画面SC41における情報の入力後、「次」ボタンが選択されると、図12(b)に示す生活環境入力画面SC42に遷移する。
図12(b)に示すように、生活環境入力画面SC42は、着用者の居住国を選択するためのプルダウンメニューと、着用者が居住する都道府県を選択するためのプルダウンメニューとを有する。或いは、生活環境入力画面SC42において、GPS位置情報を送信するためのボタンを表示してもよい。生活環境入力画面SC42における情報の入力後、「次」ボタンが選択されると、図12(c)に示す入力終了画面SC43に遷移する。
その後、図13(a)に示すように、端末装置300は、カスタマイズ製品表示画面SC51を表示する。カスタマイズ製品表示画面SC51は、カスタマイズ製品を表す画像と、当該カスタマイズ製品の納期を表すテキストと、当該カスタマイズ製品を注文するための「これで注文」ボタンと、「類似の既製品を探す」ボタンとを有する。カスタマイズ製品表示画面SC51において「類似の既製品を探す」ボタンが選択されると、図13(b)に示す既製品表示画面SC52に遷移する。
図13(b)に示すように、既製品表示画面SC52は、カスタマイズ製品に類似する既製品を表す商品名と、当該既製品の画像と、当該既製品を注文するための「通販で注文」ボタンとを有する。
一方、カスタマイズ製品表示画面SC51において「これで注文」ボタンが選択されると、図13(c)に示すカスタマイズ製品注文画面SC53に遷移する。図13(c)に示すように、カスタマイズ製品注文画面SC53は、カスタマイズ製品を表す画像と、当該カスタマイズ製品を何箱分注文するかを入力するためのテキストボックス又はプルダウンメニューと、当該カスタマイズ製品を何箱分注文することが推奨されるかを表すテキストとを有する。
カスタマイズ製品又は既製品の注文後、一定期間が経過すると、図14(a)に示すように、端末装置300は、本システムの利用を促すための通知画面SC61を表示する。かかる一定期間は、固定された期間であってもよいし、前回の注文数量に応じた可変の期間であってもよい。通知画面SC61において「始める」ボタンが選択されると、図14(b)に示す情報入力画面SC62に遷移する。
図14(b)に示すように、情報入力画面SC62は、推奨吸収性物品として既製品の情報を得るために、限定された情報を入力することを表す「ライト版」ボタンと、推奨吸収性物品としてカスタマイズ製品の情報を得るために、より多くの情報を入力することを表す「しっかり版」ボタンとを有する。
(7.その他の実施形態)
上述した実施形態において、吸収性物品提示システムが情報を提示する吸収性物品が乳幼児用の使い捨ておむつである場合について主として説明した。しかしながら、乳幼児用の使い捨ておむつに限らず、大人用の使い捨ておむつ、ペット用の使い捨ておむつ、又は生理用ナプキン等に関する情報を提示するように構成してもよい。なお、吸収性物品提示システムが情報を提示する吸収性物品がペット用の使い捨ておむつである場合、着用者は人間ではなく動物(例えば犬や猫等)である。
また、上述した実施形態において、ユーザ情報登録部110、吸収性物品判断部120、及び既製品判断部130がサーバ装置100に設けられる一例について説明した。しかしながら、ユーザ情報登録部110、吸収性物品判断部120、及び既製品判断部130が端末装置300に設けられてもよい。かかる場合、端末装置300は、サーバ装置100を介さずに記憶装置200との通信を行うことにより推奨吸収性物品について判断してもよい。
また、既製品(またはカスタマイズ製品)として提供する製品として、通常店頭にはない構造・サイズ・材質の吸収性物品を提示してもよい。例えば、通常店頭ではSやMといったサイズで販売されているとき、S(おなかが出ている方向け)、S(お尻が大きい方向け)、といった製品を既製品(またはカスタマイズ製品)として提示してもよい。なお、このような製品を半カスタマイズ製品として提供するようにしてもよい。
また、上述した実施形態に係る吸収性物品提示システムにおける各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。