JP7029290B2 - 有機系下層膜を除去する方法、及び酸性洗浄液 - Google Patents
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Description
また、フォトレジスト組成物を用いてフォトリソグラフィー法による加工を行う際に、露光時の基板からの反射による定在波を抑制するために、レジスト膜の下に反射防止膜が形成されることが多い。
このようなマスク材や反射防止膜は下層膜と称される。
酸性洗浄液が、アルキルスルホン酸を含み、
アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい、方法である。
酸性洗浄液が、アルキルスルホン酸を含み、
アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい、酸性洗浄液である。
有機系下層膜を除去する方法は、基板上の有機系下層膜を酸性洗浄液と接触させることにより、基板上から有機系下層膜を除去する方法である。
上記方法では、酸性洗浄液としてアルキルスルホン酸を含む酸性洗浄液を用いる。かかる酸性洗浄液を用いることにより、絶縁膜又は配線形成に用いられる金属膜へのダメージを抑制しつつ、基板上から良好に有機系下層膜を剥離することができる。
基板の種類は、特に限定されない。基板は、例えば、シリコン基板、ガラス基板や金属基板等の無機材料からなる基板であってよく、PET等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等からなる樹脂製の基板であってもよい。
基板としては、典型的にはシリコン基板等の半導体基板である。
なお、基板が樹脂製の基板である場合、基板へのタメージの抑制の点から、例えば、液盛り法等により、基板に酸性洗浄液とが直接接触しないように、有機系下層膜と、酸性洗浄液との接触を行うのが好ましい。
他の層としては、絶縁層や、金属やITO等の金属酸化物等の導電性材料からなる導電性層(配線材料)や、半導体層、反射防止層等が挙げられる。
絶縁膜又は配線形成に用いられる金属膜としては、例えば、アルミニウム(Al);アルミニウム-ケイ素(Al-Si)、アルミニウム-銅(Al-Cu)、アルミニウム-ケイ素-銅(Al-Si-Cu)等のアルミニウム合金(Al合金);チタン(Ti);窒化チタン(TiN)、チタンタングステン(TiW)等のチタン合金(Ti合金);タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、銅(Cu)、コバルト(Co)等が用いられる。
絶縁層としては、例えば、SiO2膜や、酸化アルミニウム、低誘電率膜(Low-k膜)、高誘電率膜(High-k膜)等が挙げられる。
例えば、Low-k膜としては、比誘電率が二酸化シリコンの比誘電率より低い膜である、SiOC膜、SiCOH膜等が挙げられる。High-k膜としては、酸化ハフニウム等の材料からなる膜が挙げられる。
有機系下層膜は、半導体素子の製造プロセス等の種々の積層加工プロセスにおいて使用される有機系下層膜であってよい。有機系下層膜としては、例えば、マスク材、反射防止膜等として使用される有機系下層膜が挙げられる。
なお、硬化とは、エポキシ樹脂の硬化反応のような所謂化学的な硬化反応のみならず、樹脂を含む膜をベークすることによる膜の緊密化等の物理的な膜の硬化をも含む概念である。
リソグラフィープロセスによる微細加工等で、基板上の被エッチング層をエッチングしてパターンを形成する際に、エッチング選択比が被エッチング層と大きく異なる材質からなるパターン化された層を形成し、これをマスクとして被エッチング層のエッチングが行われる。
この被エッチング層とエッチング選択比が大きく異なる、マスクとして使用される層をハードマスクという。
なお、以下の説明では、各特許文献に記載される一般式をそのまま引用している。このため、置換基等に関する略号について、異なる複数の一般式中に同一の略号が含まれる場合がある。
このように、異なる複数の一般式中に同一の略号が含まれる場合、各略号の定義は、各一般式についての定義に従う。
また、式(1)で表される繰り返し単位に含まれるR3で表されるエポキシ基同士が反応すると、エーテル結合が生成し得る。
このように、ハードマスク膜が、エステル結合や、エーテル結合を有するポリマーを含む場合がある。
例えば、ハードマスク膜の材料には種々の目的でフッ素を含有する官能基が導入されることもあるし、ハードマスク膜を備える積層体に対してフッ素含有ガスを用いるドライエッチングが施される場合、ハードマスク膜の材料がフッ素化されることもある。
以下、各特許文献に記載の材料について説明するが、一般式の番号や置換基等を示す略号については、各特許文献に記載の番号を用いて説明するため、重複する場合がある。
R6、R7及びR8は、それぞれ、水素原子又は炭素原子数1ないし10の鎖状又は環状のアルキル基を表し、
R9は炭素原子数1ないし10の鎖状又は環状のアルキル基又は炭素原子数6ないし20の芳香族基を表し、また、
R7とR8は互いに結合して環を形成していてもよく、
M及びQはそれぞれ直接結合又は連結基を表し、
nは0又は1の整数を表す。)
を含むポリマーであって、当該ポリマーを構成する全ての単位構造の総数を1.0とした場合、式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)又は式(1-4)で表される単位構造の数(a)の割合、式(2)で表される単位構造の数(b)の割合及び式(3)で表される単位構造の数(c)の割合が、0.5≦a≦0.8、0.1≦b≦0.2、0.1≦c≦0.3となるポリマーが開示されている。
さらに、式(1-1)~(1-4)で表される構造単位中の芳香環は、フッ素含有ガスを用いるドライエッチング等によってフッ素化されることもある。
(A)芳香族環を有する重合体と、
(B)下記式(1):
で表される化合物と、
(C)有機溶媒と、を含有する組成物を用いて形成されるポリマーをカーボンハードマスクとして使用し得ることが記載されている。
特許第5229044号公報には、(A)芳香族環を有する重合体として、ノボラック樹脂を好適に使用できることも記載されている。
さらに、(A)芳香族環を有する重合体や、式(1)で表される化合物に由来する芳香環は、フッ素含有ガスを用いるドライエッチング等によってフッ素化されることもある。
-(-O-Ar2-O-Ar3-T-Ar4-)-・・・(2)
(ただし、式(2)中、Ar2、Ar3、及びAr4はそれぞれ炭素原子数6以上50以下のアリーレン基を含む有機基を表し、Tはカルボニル基を表す。)
で表される構造単位、又は下記式(1)
-(-O-Ar1-)-・・・(1)
(式(1)中、Ar1は炭素原子数6以上50以下のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表す。)
で表される構造単位及び上記式(2)で表される構造単位の組み合わせを含むポリマーが記載されている。
さらに、特許第5229044号公報に記載のポリマーに含まれる芳香環は、フッ素含有ガスを用いるドライエッチング等によってフッ素化されることもある。
Ar-(X-Q)n・・・(i)
(式(i)中、
Xはカルボニル基又はスルホニル基である。
Qは、1価の複素芳香族基又は-OR1である。R1は、炭素原子数1以上30以下の1価の有機基である。
Arは、芳香族炭化水素基又は複素芳香族基である。
nは1以上8以下の整数である。nが2以上である場合、複数のX及びQはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される部分構造を有する架橋剤を含有する組成物を用いて形成されるポリマーが記載されている。
さらに、国際公開WO2014/014034号に記載のポリマーに含まれる芳香環は、フッ素含有ガスを用いるドライエッチング等によってフッ素化されることもある。
で表される構造単位を有する重合体を含む組成物を用いて形成される膜のハードマスク膜としての使用が記載されている(段落[0035]~[0037]を参照。)。
さらに、特許第4639919号公報に記載の組成物を用いて形成されるハードマスク膜に含まれる芳香環は、フッ素含有ガスを用いるドライエッチング等によってフッ素化されることもある。
式(2)中、R4は水素原子又はメチル基を表し、Yは-C(=O)-NH-基又は-C(=O)-O-基で表される連結基を表し、Xはラクトン環を含む基、アダマンタン環を含む基又は置換されていてもよいベンゼン環基、置換されていてもよいナフタレン環基、若しくは置換されていてもよいアントラセン環基を表し、前記Yで表される連結基の炭素原子は前記ポリマーの主鎖と結合する。)
を含むポリマー(A)と、ブロックイソシアネート基、メチロール基又は炭素原子数1以上5以下のアルコキシメチル基を少なくとも2つ有する架橋性化合物(B)と、溶剤(C)とを含む組成物を用いて形成されるカーボンハードマスク膜が記載されている。
カーボンハードマスク膜形成用の組成物に配合される一般的な架橋剤としては、特許第5920588号公報に記載されるメラミン系架橋剤、置換尿素系架橋剤、又はこれらのオリゴマーやポリマー等が挙げられる。
少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤が好ましく、例えば、メトキシメチル化グリコールウリル、ブトキシメチル化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグワナミン、ブトキシメチル化ベンゾグワナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、又はメトキシメチル化チオ尿素等の化合物や、特許5867732号の段落[0035]に記載される耐熱性の高い架橋剤である、分子内に芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を、架橋剤として特に好ましく用いることができる。
式(5)中、R12は水素原子又は炭素原子数1以上10以下のアルキル基を表し、R13は炭素原子数1以上10以下のアルキル基を表し、n12は1以上4以下の整数を表し、n13は0以上(4-n12)を表し、(n12+n13)は1以上4以下の整数を表す。
オリゴマー及びポリマーは繰り返し単位構造の数が2以上100以下、又は2以上50以下の範囲で用いることができる。
酸性洗浄液としては、アルキルスルホン酸を含む酸性洗浄液を用いる。アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。以下、本出願の明細書において、「アルキルスルホン酸」は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルスルホン酸を意味する。
アルキルスルホン酸の好適な具体例としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、及びノナフルオロブタンスルホン酸が挙げられる。
有機系下層膜を特に良好に除去しやすいことから、酸性洗浄液は、メタンスルホン酸、及び/又はトリフルオロメタンスルホン酸を含むのがより好ましい。
アルキルスルホン酸と併用可能な脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及び乳酸等が挙げられる。
酸性洗浄液中の脂肪族カルボン酸の含有量の上限は、有機系下層膜を良好に除去できる限り特に限定されない。酸性洗浄液中の脂肪族カルボン酸の含有量の上限は例えば50質量以下であり、20質量%以下であってよい。
酸性洗浄液中のアルキルスルホン酸と脂肪族カルボン酸との総量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらにより好ましく、100質量%が最も好ましい。
また、酸性洗浄液が膜形成性ポリマーを含まない場合、酸性洗浄液が低粘度であるため、剥離対象の有機系下層膜と酸との接触性を向上することができる。
酸性洗浄液と、有機系下層膜とを接触させる方法は特に限定されない。好ましい方法としては以下の1)~4)の方法が挙げられる。以下の方法の中では、操作が簡単であり、有機系下層膜全体に酸性洗浄液を接触させやすい点から、1)の浸漬法が好ましい。
1)有機系下層膜を備える基板を、酸性洗浄液中に浸漬する方法
2)有機系下層膜に、酸性洗浄液を盛る方法
3)有機系下層膜に、酸性洗浄液を噴霧する方法
4)有機系下層膜の表面に、酸性洗浄液を流す方法
典型的には、酸性洗浄液の温度は50℃以上170℃以下が好ましく、55℃以上150℃以下がより好ましく、60℃以上120℃以下が特に好ましい。
かかる範囲内の温度の酸性洗浄液を有機系下層膜と接触させることにより、絶縁膜又は配線形成に用いられる金属膜へのダメージを抑制しながら、容易且つ良好に有機系下層膜の除去を行うことができる。
このようにして得られる有機系下層膜が除去された基板は、基板の用途に応じて、そのまま製品にされたり、後工程の加工に供される。
それぞれ表1に記載の種類の酸成分と、必要に応じ、表1に記載の種類の有機溶媒、又は酢酸とを、表1に記載の濃度となるように混合して、実施例1~8の酸性洗浄液を調整した。
比較例1~6では、表1に記載の洗浄液を用いた。比較例1,2、及び4で用いた洗浄液は市販の洗浄液である。
S1:イソプロピルアルコール
S2:スルホラン
試験用の基板として、有機系下層膜として膜Aを備えるシリコン基板と、膜Bを備えるシリコン基板とを用いた。膜Aの材質としては、下記構造の構成単位からなる樹脂を用いた。膜Aの膜厚は200nmである。膜Bは、Brewer science社製のARC-29を用いて形成された、膜厚89nmの反射防止膜である。
乾燥後の基板の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、除去性を評価した。
有機系下層膜の除去については、3分の浸漬により完全に除去できた場合をAと判定し、3分の浸漬により大部分を除去できたが若干の残渣がある場合をBと判定し、3分の浸漬によりほぼ除去できなかった場合をCと判定した。
試験用の基板として、膜厚200nmの酸化アルミニウム膜を表面に備えるシリコン基板を用いた。
表面に酸化アルミニウム膜を備えるシリコン基板を、各実施例及び比較例の洗浄液に、表1の条件で浸漬した。浸漬後、基板を純水で洗浄し、窒素ブローにより乾燥させた。
乾燥後の基板の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、酸化アルミニウム膜へのダメージの有無を評価した。
酸化アルミニウム膜へのダメージについては、3分浸漬後に膜厚減少が観察されなかった場合を○と判定し、3分浸漬後に膜厚減少が観察されなかった場合を×と判定した。
Claims (7)
- 基板上の有機系下層膜を酸性洗浄液と接触させることにより、前記基板上から前記有機系下層膜を除去する方法であって、
前記酸性洗浄液が、アルキルスルホン酸を含み、
前記アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよく、
前記有機系下層膜が、カーボンハードマスクである、方法。 - 前記酸性洗浄液における、前記アルキルスルホン酸の含有量が40質量%以上である、請求項1に記載の方法。
- 前記有機系下層膜が、エーテル結合及び/又はエステル結合を有する樹脂を含む、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記酸性洗浄液が、メタンスルホン酸及び/又はトリフルオロメタンスルホン酸を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記基板を前記酸性洗浄液に浸漬させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
- 50℃以上170℃以下の前記酸性洗浄液と、前記有機系下層膜とを接触させる、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の方法において、前記有機系下層膜を前記基板上から除去するために用いられる酸性洗浄液であって、
前記酸性洗浄液が、アルキルスルホン酸を含み、
前記アルキルスルホン酸が有するアルキル基中の水素原子の少なくとも一部が、ハロゲン原子により置換されていてもよく、
前記有機系下層膜が、カーボンハードマスクである、酸性洗浄液。
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