JP7024966B2 - 歯科技工指示書発行システム - Google Patents
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Description
歯科技工士法第18条では、歯科医師が歯科技工所に技工物である歯科補綴物または義歯を発注する場合には必ず歯科技工指示書を発行することを定めている。
技工指示書に記載する項目は、歯科技工士法施行規則第12条に「<1>患者の氏名、<2>設計、<3>作成の方法、<4>使用材料、<5>発行の年月日、<6>発行した歯科医師の氏名及び当該歯科医師の勤務する病院又は診療所の所在地、<7>当該指示書による歯科技工が行われる場所が歯科技工所であるときは、その名称及び所在地」を記すことと定められている。
歯科技工所は複数の歯科医院から多数の技工物の発注を受注する。その技工指示書は全て紙であり、更に技工指示書のフォーマットは歯科医院によってまちまちである。このような多数の技工物の発注を管理するために、歯科技工所に勤務する職員は歯科技工所のデータベースシステムに技工指示書の内容を全て手入力で入力しなければならない。
この手入力による技工指示書の入力作業は非常に煩雑であると共に、入力ミスを生じ易い。
更に、本発明の歯科技工指示書発行システムは、技工指示書を印刷するプリンタと、記表示部に所定の入力画面を表示させると共に、操作部から入力される技工指示書記載項目群のデータを技工指示書データベースに登録し、技工指示書記載項目群を2次元コードにエンコードして、技工指示書記載項目群と2次元コードを前記プリンタに出力する入出力制御部と、を備える。
そして、技工指示書データベースは、技工物の発注単位であると共に各レコードを一意に識別するレコードIDと、技工物の種別を示す情報が格納される技工物種別フィールドと、技工物における患者の費用負担の種別を示す情報が格納される費用区分フィールドと、技工物の目的を示す情報が格納される目的フィールドとを具備する技工基本テーブルを有し、入出力制御部は、プリンタに出力する技工指示書に係る、技工基本テーブルの費用区分フィールドの値に応じて、2次元コードの印刷位置を異ならせるようにする。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
殆どの歯科医院は、歯科医師が一人又は数人程度、そして歯科衛生士や歯科助手が一人又は数人程度の、小規模な開業医である。すなわち、開業医とは中小企業であり、このように小規模な事業体に業務システムを導入する場合、比較的低価格なパソコンを用いた、SOHO(Small Office/Home Office)向けシステムを構築することが好ましい。これより説明する歯科技工指示書発行システム101も、SOHO向けシステムとして構築されている。
図1中、一点鎖線の左側に位置するメインマシン102は歯科技工指示書発行システム101の主要な機能を有している。メインマシン102は後述する技工指示書データベース302(図3参照)を内包し、患者のカルテから法令で定められる項目を登録し、管理する。
メインマシン102にはインターネット103を通じて管理サーバ104に接続されている。メインマシン102は毎月の利用料金の算定等を行うために、インターネット103に接続され、管理サーバ104と所定の通信を行う。管理サーバ104はこの料金算定機能の他、メインマシン102から送信される、患者の口腔を撮影した画像ファイルを受信し、これを保存する。そして、二点鎖線の右側に位置する歯科技工所の技工指示書管理装置105の要求に応じて保存した画像ファイルを送信する、画像ファイルサーバとしての機能をも有する。
メインマシン102が印刷出力した技工指示書107には、様々な必要事項が印刷されていると共に、必要事項と概ね同じ内容が2次元コード108にて印刷されている。2次元コード108は例えば周知のQRコード(登録商標)である。
図2は、メインマシン102のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2中、周知のパソコンであるメインマシン102は、バス201に接続された、CPU202、ROM203、RAM204、ハードディスク装置やフラッシュメモリ等の不揮発性ストレージ205、液晶ディスプレイ等の表示部206、キーボードやマウス等の操作部207を備える。
バス201には更に、インターネット103に接続するためのNIC(Network Information Card)208と、プリンタ106やデジタルカメラ209を接続するための、周知のUSB等のシリアルポート210が接続されている。
不揮発性ストレージ205には、ネットワークOSと、歯科技工指示書発行システム101のプログラムが格納されており、メインマシン102はこれらのプログラムを実行することで、歯科技工指示書発行システム101の機能を実現する。
図3は、メインマシン102の歯科技工指示書発行システム101としてのソフトウェア機能を示すブロック図である。
図3中、入出力制御部301は、操作部207から図示しない操作者の操作情報を受け付けて、表示部206に所定の表示内容を表示する。そして、必要に応じて技工指示書データベース302に対する情報の書き込みと読み出しを行う。
入出力制御部301は、歯科技工指示書発行システム101の主な機能である、入力画面生成処理部303、データベース登録処理部304、2次元コード生成処理部305の、三つの機能を有する。
入力画面生成処理部303は、操作部207から入力される操作情報に基づき、表示部206に表示するための入力画面データを生成する。
データベース登録処理部304は、必要に応じて技工指示書データベース302との間で情報の書き込みと読み出しを行う。
2次元コード生成処理部305は、プリンタ106に出力する技工指示書107に印刷するための2次元コード108の画像データを生成する。
また、管理サーバ104が図3に示すソフトウェア機能をクラウドベースのサービスとして提供してもよい。その際、管理サーバ104側が生成した技工指示書107の印刷データは周知のPDF等に変換して、歯科医院の端末が受信するとよい。
図4及び図5は、技工指示書データベース302の構成を示す図である。
技工指示書データベース302は、
以下の(1)~(9)に記すテーブルよりなる。
(1)技工指示書の基本的な情報が記録されるテーブル群。
歯科医院情報401、患者マスタ402、技工所マスタ403、技工基本テーブル404、選択肢マスタ405、選択肢ルールテーブル406。
(2)補綴保険入力画面(図10にて後述)に係るテーブル群。
補綴保険テーブル、補綴保険ブリッジテーブル。
(3)補綴自費入力画面(図11にて後述)に係るテーブル群。
補綴自費テーブル408、補綴自費ブリッジテーブル409、補綴自費MBテーブル410、補綴自費オールセラミックスクラウンテーブル411。
(4)補綴インプラント入力画面(図11にて後述)に係るテーブル群。
補綴インプラントテーブル、補綴インプラントブリッジテーブル、補綴インプラントMBテーブル、補綴インプラントオールセラミックスクラウンテーブル。
なお、図4中の表407は、補綴に係る3種類の入力画面と、対応するテーブルとの関係を示す。この表を見てわかるように、補綴保険入力画面において、「MB」と「オールセラミックスクラウン」は選択肢にない。
義歯保険テーブル502、義歯保険人工歯テーブル503、義歯保険クラスプテーブル504。
(6)義歯修理・裏装保険入力画面(図12にて後述)に係るテーブル群。
義歯修理・裏装保険テーブル、義歯修理・裏装保険人工歯テーブル、義歯修理・裏装保険クラスプテーブル。
(7)義歯自費入力画面(図12にて後述)に係るテーブル群。
義歯自費テーブル、義歯自費人工歯テーブル、義歯自費クラスプテーブル。
(8)義歯インプラント入力画面(図12にて後述)に係るテーブル群。
義歯インプラントテーブル、義歯インプラント人工歯テーブル、義歯インプラントクラスプテーブル。
(9)義歯修理・裏装自費入力画面(図13にて後述)に係るテーブル群。
義歯修理・裏装自費テーブル505、義歯修理・裏装自費人工歯テーブル、義歯修理・裏装自費クラスプテーブル。
なお、図5中の表501は、義歯に係る5種類の入力画面と、対応するテーブルとの関係を示す。
患者マスタ402は、技工指示書107に記載が義務付けられている「<1>患者の氏名」を含む、歯科医院に来院する患者が登録されているマスタテーブルである。
技工所マスタ403は、技工指示書107に記載が義務付けられている「<7>当該指示書による歯科技工が行われる場所が歯科技工所であるときは、その名称及び所在地」を含む情報が記述されているマスタテーブルである。
これらのテーブルには、技工指示書107に記載が義務付けられている「<2>設計、<3>作成の方法、<4>使用材料」を含む情報が記録される。
1個の技工物は、技工基本テーブル404の1レコードが対応する。すなわち、技工基本テーブル404のレコードIDは、発注単位と等しい。
歯科医院名フィールドには、歯科医院の名称が格納される。
住所フィールドには、歯科医院の住所が格納される。
電話番号フィールドには、歯科医院の電話番号が格納される。
担当歯科医師名フィールドには、担当歯科医師の氏名が格納される。
担当歯科医師が複数名存在する場合には、歯科医院情報401に対し担当歯科医師毎に複数レコードを設けることで対応してもよい。
患者IDフィールドには、患者を一意に識別するID情報として、カルテ番号が格納される。
患者氏名フィールドには、患者の氏名が格納される。
患者ふりがなフィールドには、患者の氏名のふりがなが格納される。
性別フィールドには、患者の性別が格納される。
年齢フィールドには、患者の年齢が格納される。
技工所IDフィールドには、歯科技工所を一意に識別するID情報が格納される。
技工所名称フィールドには、歯科技工所の名称が格納される。
技工所住所フィールドには、歯科技工所の住所が格納される。
技工物種別フィールドと、費用区分フィールドと、目的フィールドと、
対合歯有無フラグフィールドと、バイト有無フラグフィールドと、トレー有無フラグフィールドと、咬合器有無フラグフィールドと、参考模型有無フラグフィールドと、ロー堤有無フラグフィールド等を有する。
レコードIDフィールドには、技工基本テーブル404の各レコードを一意に識別するレコードIDが格納される。このレコードIDは自動採番である。
発注日フィールドには、技工指示書107を作成し、歯科技工所に技工物を発注する日が格納される。殆どの場合、発注日は情報を入力した日と等しいので、後述する入力画面では選択式を取り得るようにすることが好ましい。
納品日フィールドには、歯科技工所から技工物を受け取る予定日が格納される。
セット予定日時フィールドには、歯科技工所から受け取った技工物を患者に施術する予定日時が格納される。
費用区分フィールドには、技工物における患者の費用負担の種別を示す情報が格納される。費用負担の種別は、自費または保険の2種類である。
目的フィールドには、技工物の目的を示す情報が格納される。目的の種別は、完成、咬合採得、試適、再製、修理(裏装)の5種類である。
技工物種別フィールド、費用区分フィールド及び目的フィールドにおける、項目の種別を示す情報は、例えば「1」「2」「3」「4」「5」という1桁の数値や3~4ビット程度の数値で表現する。
バイト有無フラグフィールドには、シリコーンバイト(bite)、すなわち患者の歯の噛み合わせを採取する印象材があるか否かを示すフラグ情報が格納される。
トレー有無フラグフィールドには、個歯トレー・個人トレーを使用するか否かを示すフラグ情報が格納される。
咬合器有無フラグフィールドには、模型等と共に咬合器が添付されているか否かを示すフラグ情報が格納される。
参考模型有無フラグフィールドには、技工物を制作する際に参考となる参考模型があるか否かを示すフラグ情報が格納される。
ロー堤有無フラグフィールドには、患者の噛み合わせを正確に記録する、蝋(パラフィンワックス)で形成した基礎床があるか否かを示すフラグ情報が格納される。
補綴保険入力画面に係る補綴保険テーブルと、補綴自費入力画面に係る補綴自費テーブル408と、補綴インプラント入力画面に係る補綴インプラントテーブルは、同一のフィールド構成を有する。以下、補綴自費テーブル408のフィールド構成を説明する。
補綴自費テーブル408は、レコードIDフィールドと、部位フィールドと、色フィールドと、形フィールドと、補綴物種別フィールドと、材料フィールド等を有する。
レコードIDフィールドは、技工基本テーブル404の同名フィールドと同じである。すなわち、技工基本テーブル404と補綴自費テーブル408は、レコードIDで紐付けられる。
部位フィールドには、補綴物の部位を示す情報が格納される。
色フィールドには、補綴物の色を示す情報が格納される。
形フィールドには、補綴物の形を示す情報が格納される。
補綴物種別フィールドには、補綴物の種類を示す情報が格納される。
材料フィールドには、補綴物の材料を示す情報が格納される。
補綴自費ブリッジテーブル409は、レコードIDフィールドと、順番フィールドと、ブリッジポンティック形態フィールドと、ブリッジ支台歯部位フィールドと、支台歯補綴物種別フィールド等を有する。
レコードIDフィールドは、技工基本テーブル404の同名フィールドと同じである。すなわち、技工基本テーブル404と補綴自費ブリッジテーブル409は、レコードIDで紐付けられる。
順番フィールドには、表示画面や印刷における表示の順番を示す情報が格納される。殆どの場合、ブリッジは1個の補綴物に対し、2箇所以上の歯を「支台歯」として支える構成を採る。したがって、技工基本テーブル404と補綴自費ブリッジテーブル409は1対多の関係を有する。
ブリッジポンティック形態フィールドには、ブリッジの中心に配置されるポンティック、すなわち歯がない部分に形成される人工歯の形態を示す情報が格納される。
ブリッジ支台歯部位フィールドには、ブリッジの支台歯の部位を示す情報が格納される。
支台歯補綴物種別フィールドには、ブリッジの支台歯に被せる補綴物の種別を示す情報が格納される。
補綴自費MBテーブル410は、レコードIDフィールドと、MB形状フィールド等を有する。
レコードIDフィールドは、技工基本テーブル404の同名フィールドと同じである。すなわち、技工基本テーブル404と補綴自費MBテーブル410は、レコードIDで紐付けられる。
MB形状フィールドには、MBの形状を示す情報が格納される。
補綴自費オールセラミックスクラウンテーブル411は、レコードIDフィールドと、オールセラミックスクラウンシステムフィールド等を有する。
レコードIDフィールドは、技工基本テーブル404の同名フィールドと同じである。すなわち、技工基本テーブル404と補綴自費オールセラミックスクラウンテーブル411は、レコードIDで紐付けられる。
オールセラミックスクラウンシステムフィールドには、オールセラミックスクラウンの種別を示す情報が格納される。
義歯保険入力画面に係る義歯保険テーブル502と、義歯修理・裏装保険入力画面に係る義歯修理・裏装保険テーブルと、義歯自費入力画面に係る義歯自費テーブルと、義歯インプラント入力画面に係る義歯インプラントテーブルは、同一のフィールド構成を有する。以下、義歯保険テーブル502のフィールド構成を説明する。
レコードIDフィールドは、技工基本テーブル404の同名フィールドと同じである。すなわち、技工基本テーブル404と義歯保険テーブル502は、レコードIDで紐付けられる。
区分上顎下顎フィールドには、作成される義歯が上顎用なのか、あるいは下顎用なのかを示す情報が格納される。
区分種別フィールドには、作成される義歯の種別を示す情報が格納される。この種別とは、作成される義歯の種類によって異なる。例えば、義歯保険テーブル502の場合の区分種別フィールドでは、全部床義歯または部分床義歯の何れかである。一方、義歯修理・裏装保険テーブルの場合の区分種別フィールドでは、全部床義歯修理、部分床義歯修理、全部床義歯裏装、部分床義歯裏装の何れかである。
床材料種別フィールドには、作成される床材料の種別を示す情報が格納される。この種別とは、レジンまたはスルフォンの何れかである。
色フィールドには、作成される義歯の色を示す情報が格納される。
形フィールドには、作成される義歯の形(モールドガイド)を示す情報が格納される。
バー種類フィールドには、バーの種別を示す情報が格納される。例えば屈曲リンガルバー、屈曲パラタルバー、鋳造リンガルバー、鋳造パラタルバー等である。
バー材料フィールドには、バーの材料を示す情報が格納される。例えば不銹鉤(ふしゅうこう)、特殊鉤等である。
保持装置部位フィールドには、保持装置を装着する部位を示す情報が格納される。
区分全部部分フィールドには、修理または裏装される義歯が全部床義歯なのか、部分床義歯なのかを示す情報が格納される。
義歯保険人工歯テーブル503は、レコードIDフィールドと、順番フィールドと、部位フィールドと、種類フィールド等を有する。
レコードIDフィールドは、技工基本テーブル404の同名フィールドと同じである。すなわち、技工基本テーブル404と義歯保険人工歯テーブル503は、レコードIDで紐付けられる。
順番フィールドには、表示画面や印刷における表示の順番を示す情報が格納される。
部位フィールドには、作成される人工歯の部位を示す情報が格納される。
種類フィールドには、作成される人工歯の種類を示す情報が格納される。例えばレジン歯、スルフォン歯、硬質レジン歯、陶歯等である。
義歯保険クラスプテーブル504は、レコードIDフィールドと、順番フィールドと、部位フィールドと、種類フィールドと、材料フィールド等を有する。
レコードIDフィールドは、技工基本テーブル404の同名フィールドと同じである。すなわち、技工基本テーブル404と義歯保険クラスプテーブル504は、レコードIDで紐付けられる。
順番フィールドには、表示画面や印刷における表示の順番を示す情報が格納される。
部位フィールドには、作成される人工歯を支持する金具(クラスプ)の部位を示す情報が格納される。
種類フィールドには、作成されるクラスプの種類を示す情報が格納される。例えば鋳造鉤双子鉤、線鉤双子鉤、コンビネーション鉤等である。
材料フィールドには、作成されるクラスプの材料を示す情報が格納される。例えば14K、ニッケルクロム合金、不銹鉤、特殊鉤等である。
図6は、本実施形態に係る歯科技工指示書発行システム101の、処理の流れを示すフローチャートである。
処理を開始すると(S601)、先ず、メインマシン102の入出力制御部301は、表示部に発注対象指定メニュー画面を表示して(S602)、一定の入力を待つ(S603)。
ステップS603におけるユーザの入力作業の結果、技工物の種別が判明したら、技工物の種別に応じた登録処理が行われる。
技工物の種別が補綴物の保険であれば(S604のYES)、入出力制御部301は補綴保険入力画面を表示して、補綴保険登録処理を実行する(S605)。そして、技工指示書の印刷処理を実行して(S606)、一連の処理を終了する(S607)。
技工物の種別が補綴物の自費であれば(S608のYES)、入出力制御部301は補綴自費入力画面を表示して、補綴自費登録処理を実行する(S609)。そして、技工指示書の印刷処理を実行して(S606)、一連の処理を終了する(S607)。
技工物の種別が補綴物のインプラントであれば(S610のYES)、入出力制御部301は補綴インプラント入力画面を表示して、補綴インプラント登録処理を実行する(S611)。そして、技工指示書の印刷処理を実行して(S606)、一連の処理を終了する(S607)。
技工物の種別が義歯修理・裏装の保険であれば(S614のYES)、入出力制御部301は義歯修理・裏装保険入力画面を表示して、義歯修理・裏装保険登録処理を実行する(S615)。そして、技工指示書の印刷処理を実行して(S606)、一連の処理を終了する(S607)。
技工物の種別が義歯の自費であれば(S616のYES)、入出力制御部301は義歯自費入力画面を表示して、義歯自費登録処理を実行する(S617)。そして、技工指示書の印刷処理を実行して(S606)、一連の処理を終了する(S607)。
技工物の種別が義歯修理・裏装の自費であれば(S618のYES)、入出力制御部301は義歯修理・裏装自費入力画面を表示して、義歯修理・裏装自費登録処理を実行する(S619)。そして、技工指示書の印刷処理を実行して(S606)、一連の処理を終了する(S607)。
技工物の種別が義歯のインプラントであれば(S618のNO)、入出力制御部301は義歯インプラント入力画面を表示して、義歯インプラント登録処理を実行する(S620)。そして、技工指示書の印刷処理を実行して(S606)、一連の処理を終了する(S607)。
図7は、発注対象指定メニュー画面P701の一例を示す図である。図6のステップS602にて表示部206に表示する内容である。
図7に示す中、点線枠内が技工物基本情報入力欄A702である。この技工物基本情報入力欄A702は、迅速かつ正確に技工物の基本情報が入力できるように、幾つかの工夫が施されている。
先ず、技工物基本情報入力欄A702は、技工物種別選択欄A703と費用区分選択欄A704の入力が完遂しないと、目的選択欄A705と付属品選択欄A706の入力ができないように構成されている。
次に、技工物基本情報入力欄A702は、技工物種別選択欄A703と費用区分選択欄A704のうち、一方の入力を完遂した時点で、組み合わせとしてあり得ない項目はマスキングを施す工夫が施されている。これらの工夫は、選択肢マスタ405と選択肢ルールテーブル406に所定のレコードを登録することで実現する。
技工物種別選択欄A703と費用区分選択欄A704のうち、費用区分で「保険」を選択すると、技工物種別選択欄A703のうち保険の適用がない「インプラント補綴」と「インプラント義歯」はマスキングされる。したがって、技工物種別と費用区分の組み合わせのミスを防止できる。そして、次に入力すべき項目は技工物種別選択欄A703のうち「補綴」と「義歯」の何れか一方のみを選択するのみである。そして選択作業が済むと、目的選択欄A705と付属品選択欄A706の入力が可能になる。
技工物種別選択欄A703と費用区分選択欄A704のうち、技工物種別選択欄A703で「補綴」を選択すると、目的選択欄A705のうち補綴物にはあり得ない(義歯でしかあり得ない)「修理(裏装)」はマスキングされる。したがって、次に入力すべき項目は費用区分の「自費」と「保険」の何れか一方のみを選択するのみである。そして選択作業が済むと、目的選択欄A705と付属品選択欄A706の入力が可能になる。その際、目的選択欄A705は「修理(裏装)」が選択できないので、目的選択欄A705における選択ミスの可能性を低減できる。
技工物種別選択欄A703と費用区分選択欄A704のうち、技工物種別選択欄A703で「インプラント補綴」を選択すると、費用区分は自動的に「自費」が選択され、「保険」はマスキングされる。そして目的選択欄A705のうち補綴物にはあり得ない「修理(裏装)」はマスキングされる。したがって、インプラント補綴を選択すると技工物種別選択欄A703と費用区分選択欄A704の入力が同時に完遂することとなり、直ぐに目的選択欄A705と付属品選択欄A706の入力が可能になる。その際、目的選択欄A705は「修理(裏装)」が選択できないので、目的選択欄A705における選択ミスの可能性を低減できる。
技工物種別選択欄A703と費用区分選択欄A704のうち、技工物種別選択欄A703で「インプラント義歯」を選択すると、費用区分は自動的に「自費」が選択され、「保険」はマスキングされる。したがって、インプラント義歯を選択すると技工物種別選択欄A703と費用区分選択欄A704の入力が同時に完遂することとなり、直ぐに目的選択欄A705と付属品選択欄A706の入力が可能になる。
以上、技工物種別と費用区分、そして目的における選択ミスの可能性を低減することで、入力ミスを低減することが可能になる。
この図10Aに示す補綴保険入力画面P1001において、補綴保険テーブルの各フィールドに記録する内容が決定される。
図10Bは、補綴保険入力画面P1001において、補綴物選択欄A1002で「ブリッジ」を選択した際の、画面の変化を示す図である。
補綴保険入力画面P1001において、補綴物選択欄A1002で「ブリッジ」を選択すると、点線枠内に示すブリッジ情報入力欄A1003が現れる。この図10Bに示すブリッジ情報入力欄A1003において、補綴保険ブリッジテーブルの各フィールドに記録する内容が決定される。
この図11Aに示す補綴自費入力画面P1101において、補綴自費テーブルの各フィールドに記録する内容が決定される。
図11Bは、補綴自費入力画面P1101において、補綴物選択欄A1102で「ブリッジ」を選択した際の、画面の変化を示す図である。
補綴自費入力画面P1101において、補綴物選択欄A1102で「ブリッジ」を選択すると、点線枠内に示すブリッジ情報入力欄A1103が現れる。この図11Bに示すブリッジ情報入力欄A1103において、補綴自費ブリッジテーブルの各フィールドに記録する内容が決定される。
補綴自費入力画面P1101において、補綴物選択欄A1102で「MB」を選択すると、点線枠内に示すMB情報入力欄A1104が現れる。この図11Cに示すMB情報入力欄A1104において、補綴自費MBテーブルの各フィールドに記録する内容が決定される。
図11Dは、補綴自費入力画面P1101において、補綴物選択欄A1102で「オールセラミックスクラウン」を選択した際の、画面の変化を示す図である。
補綴自費入力画面P1101において、補綴物選択欄A1102で「オールセラミックスクラウン」を選択すると、点線枠内に示すオールセラミックスクラウン情報入力欄A1105が現れる。この図11Dに示すオールセラミックスクラウン情報入力欄A1105において、補綴自費オールセラミックスクラウンテーブルの各フィールドに記録する内容が決定される。
なお、図11A、図11B、図11C及び図11Dの画面は、補綴インプラント入力画面においても同一である。すなわち、図11A、図11B、図11C及び図11Dの画面は図6のステップS611にて表示部206に表示される内容でもある。
この図12に示す義歯保険入力画面P1201において、義歯保険テーブル、義歯保険人工歯テーブル、義歯保険クラスプテーブルの各フィールドに記録する内容が決定される。またこれらの入力画面とテーブルの関係は、義歯修理・裏装保険入力画面、義歯自費入力画面及び義歯インプラント入力画面に於いても同様である。
図13は、義歯修理・裏装自費入力画面P1301の一例を示す図である。図6のステップS619にて表示部206に表示される内容である。
図12に示される表示画面と図13に示される表示画面との相違点は、図13の義歯修理・裏装自費入力画面P1301にのみ区分全部部分入力欄A1302が設けられている点である。
図10から図13までに示した入力画面の、不図示のメニューボタンに設けられている画像アップロードボタンを押すことで、図6に示したフローチャートの割り込み処理として実行され、その処理の途中に表示される画面である。
メインマシン102にUSBケーブル等で接続されたデジタルカメラを外部ストレージとしてマウントし、ディレクトリ内容を閲覧して、選択された画像ファイルを一旦メインマシン102の所定のディレクトリにコピーする。そして、それらファイルを、患者の情報と共に管理サーバ104にアップロードする。
画像ファイルの、管理サーバ104へのアップロードが完了すると、呼び出し元の画面へ戻る。例えば、図10Aの補綴保険入力画面P1001から呼び出された場合、再び補綴保険入力画面P1001へ戻る。
なお、図7から図9までの発注対象指定メニュー画面P701に画像アップロードボタンを設けない理由は、図6のステップS602の段階では技工物の対象となる患者が定まっていないからである。
技工指示書107は例えばA5サイズである。この技工指示書107には、歯科技工士法施行規則第12条に定められる、患者の氏名と、患者に施術する技工物の設計と、技工物の作成の方法と、技工物の使用材料と、技工指示書を歯科医院から発行する発行の年月日と、技工指示書を発行した歯科医師の氏名及び当該歯科医師の勤務する病院又は診療所の所在地と、歯科技工所の名称及び所在地とよりなる、7種類の技工指示書記載項目群を含む、種々の項目が全て列挙されている。
更に、技工指示書107の右下には2次元コード108が印刷されている。この2次元コード108を読み取れば、技工指示書107に書かれている内容が全て電子データとして取得できるので、手作業で入力する手間を省くことができる。
ところで、図15に示す技工指示書107には、一番上の行に「[補綴][保険]」と書いてある。すなわち、この技工指示書107は何の技工物の技工指示書107であるのか、また費用区分は保険であるか自費であるかが示されている。
図16では紙面の都合上折り返しているが、実際には上3行が1行目である。1行目は全技工物に共通の内容であり、2行目以降は技工物毎に異なる内容になる。
2次元コード108は極めて読み取り精度が高い、大変優れたコードである。しかし、この2次元コード108は情報量に応じて画像サイズが簡単に肥大化してしまう。また、2次元コード108は正方形であるために、画像サイズが肥大化すると紙の面積を必要以上に専有してしまい、技工指示書107のフォーマットに支障を来してしまう。
以上のことを鑑みると、1枚のA5サイズの紙に印刷する2次元コード108に、フィールド名を包含させることは難しい。そこで、2次元コード108にエンコードする内容としては、フィールド名を省略したCSVが好ましい。
フィールド名の内容や順番等の情報は、管理サーバ104から適宜取得することが可能である。
図17Bは、自費負担の技工指示書107の一例を示す概略図である。この技工指示書107は、技工基本テーブル404の費用区分フィールドにおいて、患者の費用負担が自費である場合の一例である。この技工指示書107では、2次元コード108は紙面の上側に印刷されている。このため、技工指示書107の諸情報の一部は2次元コード108の左側に記載されている。
技工指示書107に印刷される2次元コード108は非常に目立つ。したがって、2次元コード108の印刷位置を費用区分で異ならせることで、歯科技工所における技工指示書107の分類が容易になる。
多くの歯科技工所では、多種多様な歯科医院から多数の受注を受けるため、専用の管理システムを運用している。その歯科技工所が、2次元コード108が印刷された技工指示書107を受け取ると、2次元コード108を所定のデバイスで読み取って、管理システムにその内容を登録する。2次元コード読み取り機能を有するバーコードリーダを購入するのが確実ではあるが、概ね1万円以上とやや高価である。パソコンで2次元コードを読み取るには、専用ハードウェアを導入する以外にも種々の方法が考えられる。技工指示書管理装置105における2次元コードの読み取りに関する具体的な方法について、以下に一例を記述する。
画像撮影機能を有する装置としてフラットベット型スキャナの代わりに、デジタルカメラで技工指示書107を撮影し、その画像ファイルを技工指示書管理装置105に転送してもよい。あるいはwebカメラで技工指示書107を撮影し、2次元コード解読ソフトが直接読み取る、ということも可能である。
先ず、歯科技工所には無線LANの環境があり、技工指示書管理装置105と携帯型無線端末がそれぞれDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)による動的プライベートIPアドレスを付与されて、インターネット103に接続可能な状態であるものとする。この無線LANを通じて、技工指示書管理装置105と携帯型無線端末が通信を行うことで、2次元コードの内容を転送する方法を以下(a)~(e)に示す。
なお、予め携帯型無線端末に、2次元コードデコード機能と簡易HTTP(Hypertext Transfer Protocol)クライアント機能を備える専用ソフトをインストールする。一方、技工指示書管理装置105には簡易HTTPサーバと2次元コードエンコーダをインストールする。そして以下の手順(a)~(e)を実行する。
(b)携帯型無線端末は技工指示書管理装置105の画面に表示されている2次元コード108をデコードして、技工指示書管理装置105の動的プライベートIPアドレスを取得する。そして、技工指示書管理装置105に対し、HTTPにて試験通信を試みる。
(c)技工指示書管理装置105は携帯型無線端末から受信した試験通信の要求を受けて、携帯型無線端末との通信が可能な状態になったことを把握し、それ以降の携帯型無線端末から送信されるデータを所定のデータベース等に書き込む準備をする。
(d)携帯型無線端末は技工指示書107の2次元コード108を読み取り、これをデコードして、技工指示書管理装置105へHTTPにて送信する。
(e)技工指示書管理装置105は携帯型無線端末から受信したデータを、所定のデータベース等に追記録する。
上述の(2)に記した方法は、多くの歯科技工所が歯科医院と同様のSOHO環境であることを考慮した、低コストかつ短時間で携帯型無線端末から技工指示書管理装置105へ2次元コード108のコンテンツを転送する方法の一例である。
(g)次に、携帯型無線端末は技工指示書107の2次元コード108を読み取り、これをデコードして、技工指示書管理装置105へ近距離無線通信にて送信する。
(h)技工指示書管理装置105は携帯型無線端末から受信したデータを、所定のデータベース等に追記録する。
上述の(3)に記した方法は、低コストかつ短時間で携帯型無線端末から技工指示書管理装置105へ2次元コード108のコンテンツを転送する方法の一例である。場合によっては近距離無線通信インターフェースを購入する必要が生じるが、2次元コードリーダを購入するより遥かに低価格である。また、(2)よりも手順が少ない。
このため、異なる種類の技工物に対し、必要かつ十分な情報を紙面に印字できるので、既成品の技工指示書107と比べて記載内容に無駄が生じない。また、2次元コード108にほぼ同一の内容がエンコードされており、これをデコードするだけで手入力の手間なく短時間で確実に技工指示書107の内容を技工指示書管理装置105へ読み込むことができる。
Claims (5)
- 歯科医院から歯科技工所に送付する技工指示書を作成するための歯科技工指示書発行システムであって、
前記歯科技工指示書発行システムは、
所定の入力画面を表示する表示部と、
患者の氏名と、前記患者に施術する技工物の設計及び作成方法と、前記技工物の使用材料と、前記技工指示書を前記歯科医院から発行する発行の年月日と、前記技工指示書を発行した歯科医師の氏名及び当該歯科医師の勤務する病院又は診療所の所在地と、前記歯科技工所の名称及び所在地とよりなる技工指示書記載項目群の入力を受け付ける操作部と、
前記技工指示書記載項目群を登録する技工指示書データベースと、
前記技工指示書を印刷するプリンタと、
前記表示部に前記所定の入力画面を表示させると共に、前記操作部から入力される前記技工指示書記載項目群のデータを前記技工指示書データベースに登録し、前記技工指示書記載項目群を2次元コードにエンコードして、前記技工指示書記載項目群と前記2次元コードを前記プリンタに出力する入出力制御部と、を備え、
前記技工指示書データベースは、
技工物の発注単位であると共に各レコードを一意に識別するレコードIDと、前記技工物の種別を示す情報が格納される技工物種別フィールドと、前記技工物における患者の費用負担の種別を示す情報が格納される費用区分フィールドと、前記技工物の目的を示す情報が格納される目的フィールドとを具備する技工基本テーブルを有し、
前記入出力制御部は、前記プリンタに出力する前記技工指示書に係る、前記技工基本テーブルの前記費用区分フィールドの値に応じて、前記2次元コードの印刷位置を異ならせる、
歯科技工指示書発行システム。 - 更に、前記入出力制御部は、
前記技工物種別フィールドに入力する選択項目よりなる技工物種別選択欄と、前記費用区分フィールドに入力する選択項目よりなる費用区分選択欄と、前記目的フィールドに入力する選択項目よりなる目的選択欄とを有する発注対象指定メニュー画面を前記表示部に表示して、
前記操作部を通じた操作者の操作によって、前記費用区分選択欄で保険を示す項目が選択されたら、前記技工物種別選択欄でインプラント補綴を示す項目及びインプラント義歯を示す項目の入力を禁止する画面遷移を実行する、
請求項1に記載の歯科技工指示書発行システム。 - 更に、前記入出力制御部は、
前記発注対象指定メニュー画面を前記表示部に表示して、前記操作部を通じた操作者の操作によって前記技工物種別選択欄で補綴を示す項目が選択されたら、前記目的選択欄で修理・裏装を示す項目の入力を禁止する画面遷移を実行する、
請求項2に記載の歯科技工指示書発行システム。 - 更に、前記入出力制御部は、
前記発注対象指定メニュー画面を前記表示部に表示して、前記操作部を通じた操作者の操作によって前記技工物種別選択欄でインプラント補綴を示す項目が選択されたら、前記費用区分選択欄で自費を示す項目を選択すると共に、前記目的選択欄で修理・裏装を示す項目の入力を禁止する画面遷移を実行する、
請求項3に記載の歯科技工指示書発行システム。 - 更に、前記入出力制御部は、
前記発注対象指定メニュー画面を前記表示部に表示して、前記操作部を通じた操作者の操作によって前記技工物種別選択欄でインプラント義歯を示す項目が選択されたら、前記費用区分選択欄で自費を示す項目を選択する画面遷移を実行する、
請求項4に記載の歯科技工指示書発行システム。
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