JP7024727B2 - 1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法に関する。
ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は、オゾン層に悪影響を及ぼすことから、その生産の規制が予定されている。HCFCは、例えば、3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225ca)や1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225cb)等であるが、HCFCの規制に伴い、上記HCFCに代わる化合物の開発が望まれている。
HCFCに代わる化合物の一例は、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HClC=CF-CHF2、HCFO-1233yd)である。HCFO-1233ydは、地球温暖化係数(GWP)が小さく、洗浄剤、溶剤、冷媒、発泡剤およびエアゾールの用途に有用な化合物である。
ここで、特許文献1には、3-クロロ-1,1,2,2-テトラフルオロプロパン(HCFC-244ca)を、水酸化クロムを触媒として窒素気流下、気相でフッ化水素と反応させて、1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-245ca)を製造する方法が開示されている。この方法では、HCFO-1233ydが副生する。そのため、上記反応で得られる組成物を回収し、その組成物中から分離することで、HCFO-1233ydを得ることができる。
上記の方法で得られたHCFO-1233ydは、上記HCFO-1233ydの製造工程で副生した1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンや空気中の酸素によってHCFO-1233ydが酸化されて生成したオキサイドを含む組成物として得られることがある。
前記HCFO-1233ydを含む組成物を洗浄剤、溶剤、冷媒、発泡剤またはエアゾールとして使用する際に、該組成物に1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンが高濃度で含まれると、信頼性および性能上の種々の問題を引き起こすことがある。そのような好ましくない影響を抑えるために、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンの含有量をできるだけ少なくすることが好ましい。
また、HCFO-1233ydを含む組成物を上記の用途に使用する際に、該組成物にオキサイドが高濃度で含まれると、安定性の低下と酸性化物質の生成などの問題を引き起こすことがある。そのような好ましくない影響を抑えるために、オキサイドの含有量をできるだけ少なくすることが好ましい。
しかしながら、HCFO-1233ydを含む組成物から効率的に1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドを除去する方法は、特許文献1に記載されていない。
国際公開第1994/14737号
本発明は、上記観点からなされたものであり、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種とを含む組成物から、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種を効率よく除去できる1233ydの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yd、以下単に「1233yd」ともいう。)の製造方法は、1233ydと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種とを含む組成物を塩基性水溶液と接触させて、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種を前記組成物から除去することを特徴とする。
本発明の1233ydの製造方法において、前記塩基性水溶液が、アルカリ金属水酸化物水溶液、アルカリ金属炭酸塩水溶液、アルカリ土類金属水酸化物水溶液、アンモニア水溶液およびアルキルアンモニウム水溶液から選ばれる少なくとも一種の水溶液であることが好ましく、水酸化カリウム水溶液および水酸化ナトリウム水溶液から選ばれる少なくとも一つの水溶液であることがより好ましい。
また、本発明の1233ydの製造方法において、前記組成物と前記塩基性水溶液を接触させる温度が10℃~60℃であることが好ましく、前記組成物と前記塩基性水溶液を接触させる温度が20℃~40℃であることがより好ましい。
本発明の1233ydの製造方法は、1-クロロ-2,2,3,3-テトラフルオロプロパンを脱フッ化水素反応させて、1233ydと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種とを含む組成物を製造する工程を有することが好ましい。
本発明の1233ydの製造方法によれば、1233ydと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種とを含む組成物から、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドを効率よく除去できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る1233ydの製造方法は、1233ydと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種とを含む組成物を塩基性水溶液と接触させることにより、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種を塩基性水溶液に溶解させて該組成物から除去することで、1233ydを製造する。
以下「1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種」を「除去対象成分」ともいい、1233ydと除去対象成分とを含む組成物を「精製用組成物」ともいう。なお、除去対象成分は、その一部または全部が除去されるいずれの態様でもよい。
[精製用組成物]
本実施形態における精製用組成物は、1233ydと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種とを含む組成物であれば特に限定されない。また、精製用組成物は、1233yd、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイド以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分は、例えば1233ydの合成時における未反応原料であるHCFC-244caや、合成時に生成する、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイド以外の副生物、水等が挙げられる。精製用組成物は、液体でも気体でもよい。
本実施形態における精製用組成物としては、例えば、1233ydを製造する目的で、各種原料成分を反応させて得られる1233ydを含有する反応生成物を用いることができる。すなわち、後述するような、1233ydの合成の際に、反応生成物に1233ydと除去対象成分が含まれている場合、反応生成物をそのまま精製用組成物として使用し、精製用組成物中の除去対象成分を除去することで、高純度の1233ydを得ることができる。また、反応生成物に含有されるフッ化水素、塩化水素等の酸性物質を水洗浄等の方法で除去した後の組成物を精製用組成物として使用することもできる。
(1233yd)
1233ydは、炭素原子-炭素原子間に二重結合を持つフルオロオレフィンであるため、大気中での寿命が短く、オゾン破壊係数や地球温暖化係数が小さい。
1233ydは二重結合上の置換基の位置により、幾何異性体であるZ体とE体が存在する。本明細書中では特に断らずに化合物名や化合物の略称を用いた場合には、Z体、E体およびZ体とE体との混合体のいずれかを示し、化合物名や化合物の略称の後ろに(E)または(Z)を付した場合には、それぞれの化合物の(E)体または(Z)体であることを示す。例えば、1233yd(Z)はZ体を示し、1233yd(E)はE体を示す。
1233yd(Z)の沸点は約54℃、1233yd(E)の沸点は約48℃であり、ともに乾燥性に優れた物質である。また、沸騰させて蒸気となっても、蒸気の温度は、上記したそれぞれの沸点付近の温度であるので、熱による影響を受けやすい樹脂部品等に対しても悪影響を及ぼし難い。また、1233ydは引火点を持たず、表面張力や粘度も低く、常温でも容易に蒸発する等、洗浄溶剤や塗布溶剤として優れた性能を有している。
本実施形態における精製用組成物は、1233ydを微量でも含んでいればよい。精製用組成物に対する1233ydの含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上が特に好ましく、80質量%以上が最も好ましい。1233ydの含有量が前記下限値以上であれば、除去対象成分の除去効率がよい。本実施形態における精製用組成物において、1233ydと除去対象成分の含有量は特に限定されないが、除去対象成分の除去効率の点で、1233ydの含有量(モル)に対する除去対象成分の含有量(モル)で表されるモル比(除去対象成分/1233yd)が、1未満であることが好ましく、0.1~0.7であることがより好ましい。
(1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピン)
1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンは下記式[1]に表される1233ydの脱フッ化水素反応が進行して生成する。
CHCl=CFCHF → CCl≡CCHF + HF ・・・[1]
精製用組成物が1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンを含む場合、精製用組成物における1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンの含有量は、除去効率の点で、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。
(オキサイド)
本実施形態におけるオキサイドとは、1233ydが酸素と反応することにより生成する酸化物のことである。具体的には、3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシラン(化学式(A))、2,2-ジフルオロアセチルフルオリド(化学式(B))、ホルミルクロライド(化学式(C))、(E,Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-1-ハイドロパーオキシ-1-プロペン(化学式(D))、3-クロロ-1,1,2-トリフルオロ-3-ハイドロパーオキシ-1-プロペン(化学式(E))、(E,Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-3-ハイドロパーオキシ-1-プロペン(化学式(F))等が挙げられる。
Figure 0007024727000001
Figure 0007024727000002
Figure 0007024727000003
Figure 0007024727000004
Figure 0007024727000005
Figure 0007024727000006
3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシラン、2,2-ジフルオロアセチルフルオリド、ホルミルクロライドは、ガスクロマトグラフィーを用いて分析を行うことにより定量できる。(E,Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-1-ハイドロパーオキシ-1-プロペン、3-クロロ-1,1,2-トリフルオロ-3-ハイドロパーオキシ-1-プロペン、(E,Z)-1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-3-ハイドロパーオキシ-1-プロペンのような-O-O-H構造を有するハイドロパーオキサイドの定量は下記反応式[2]、[3]に表されるようにヨウ化ナトリウムによる滴定とチオ硫酸ナトリウムによる逆滴定によって行う。ROOHは任意のハイドロパーオキサイドを表す。
ROOH + 2NaI + HO → I + 2NaOH + ROH ・・・[2]
+ 2Na → Na + 2NaI ・・・[3]
上記滴定と逆滴定は、具体的には次のように行う。ハイドロパーオキサイド(ROOH)を含むサンプル溶液約50mLに、ヨウ化ナトリウム(NaI)の2.5質量%と、アセトン溶液の約40mLを混合し、さらに冷水約50mLを追加し上記反応式[2]に表されるように発生したヨウ素(I)によって混合液を黄色に着色させる。この際に着色が発生しない場合はハイドロパーオキサイドが検出下限以下と判定される。着色した場合は、0.01mol/L(0.01N)のチオ硫酸ナトリウム(Na)水溶液で着色が消えるまで逆滴定を行う。ハイドロパーオキサイドの定量値は上記滴定の実験値を使い下記計算式で求める。
ハイドロパーオキサイド[質量ppm]
={Na水溶液消費量[mL]×Naモル濃度[mol/mL]×(1/2)×ROOHの分子量}/サンプル溶液質量[g]×10
精製用組成物がオキサイドを含む場合、精製用組成物におけるオキサイドの含有量は、除去効率の点で、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましい。
[塩基性水溶液]
本実施形態における精製用組成物を塩基性水溶液と接触させることにより、精製用組成物に含まれる1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドは塩基性水溶液に溶解し、水相に移行する。一方、塩基性水溶液と1233ydとは互いにごく微量の溶解度しか持たないため、塩基性水溶液と精製用組成物を混合すると二相系を形成する。塩基性水溶液としては、アルカリ金属水酸化物水溶液、アルカリ金属炭酸塩水溶液、アルカリ土類金属水酸化物水溶液、アンモニア水溶液、アルキルアンモニウム水溶液などが挙げられる。塩基性水溶液は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
塩基性水溶液としては、除去対象成分の除去効率の点で、アルカリ金属水酸化物水溶液が好ましく、水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液が特に好ましい。水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液の濃度は10質量%~48質量%であることが好ましく、20質量%~40質量%であることがより好ましい。濃度が上記範囲の場合に、水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液と1233ydの比重差が小さくなるため、精製用組成物との混合性が向上し、精製用組成物と塩基性水溶液が接触しやすい。
[塩基性水溶液と精製用組成物の接触方法]
塩基性水溶液に接触させる際の精製用組成物は、気体でも液体でもよい。精製用組成物を液体の状態で塩基性水溶液に接触させる際には、精製用組成物を、常圧で含有する成分の沸点以下の温度に調節して液状とすることができる。また、精製用組成物を溶媒に溶解させて液状とすることができる。このとき使用される溶媒としては、1233ydと沸点の異なる溶媒を用いることで、蒸留等の方法により当該溶媒を精製後の組成物から容易に分離することができる。
本実施形態の1233ydの製造方法において、塩基性水溶液を2種以上併用する場合には、精製用組成物を、塩基性水溶液の2種以上をそれぞれ別に用意し、順に接触させてもよく、塩基性水溶液の2種以上を混合する等して混合液とし、同時に接触させてもよい。2種以上の塩基性水溶液を別に用意して、順に接触させる場合には、接触させる塩基性水溶液の順序は特に限定されない。このとき、用いられる2種以上の塩基性水溶液のそれぞれについて、後述する精製用組成物と塩基性水溶液の接触方法によって精製用組成物と接触させればよい。これらの方法による塩基性水溶液と精製用組成物の接触は、回分式(バッチ式)でもよく、連続式でもよい。
本実施形態の1233ydの製造方法において、精製用組成物と塩基性水溶液とを接触させる際の温度は、10℃~60℃であることが好ましく、20℃~40℃であることがより好ましい。前記下限値以上であれば、除去対象成分の除去効率が高く、前記上限値以下であれば、副反応を抑えることができ、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイド以外の副生物の生成を抑えることができる。
本実施形態において、精製用組成物と塩基性水溶液との接触は、相間移動触媒の存在下で行うことが好ましい。相間移動触媒を用いることで、上記した1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドの塩基性水溶液への溶解をより促進することができる。そのため、除去対象成分の除去効率を向上させることができる。
相間移動触媒としては、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第4級アルソニウム塩、スルホニウム塩、クラウンエーテルなどが挙げられる。なかでも、第4級アンモニウム塩が好ましく、テトラノルマルブチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルブチルアンモニウムブロマイドがより好ましい。相間移動触媒は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
以下に、液状の精製用組成物を用いる方法を説明する。上記したように、1233ydと塩基性水溶液とは互いにごく微量の溶解度しか持たないため、両者を混合すると1233ydの有機相と塩基性水溶液の水相からなる液液二相を形成する。したがって、この方法では、液液二相の接触混合を十分に達成可能な装置やシステムを用いることが好ましい。
例えば、本実施形態の1233ydの製造方法を回分式(バッチ式)で行う場合、撹拌機と外部加熱装置を備えた混合容器に精製用組成物と塩基性水溶液を投入する。混合容器内では精製用組成物と塩基性水溶液からなる液液二相が形成され、この液液二相がよく接触混合されるように十分に撹拌する。これにより、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドが、塩基性水溶液に溶解する。その後、撹拌を停止して、混合容器の内容物を、二相分離することで、除去対象成分を塩基性水溶液中に分離除去することができる。
精製用組成物と塩基性水溶液を混合する際には、外部加熱装置により、混合容器の内温を上記好ましい温度に保持することができる。
塩基性水溶液を収容した混合容器内で塩基性水溶液を精製用組成物と接触させる方法においては、混合容器内における精製用組成物と塩基性水溶液との接触時間は、1時間~100時間が好ましく、3時間~60時間がより好ましい。精製用組成物と塩基性水溶液との接触時間が上記下限値以上であれば、除去対象成分の除去効率が向上する。精製用組成物と塩基性水溶液との接触時間が上記上限値以下であれば、塩基性水溶液と1233ydの反応による副反応を抑制することができる。
また、本実施形態の1233ydの製造方法を連続式で行う場合、例えば、外部加熱装置と撹拌装置を備えた混合容器に精製用組成物と塩基性水溶液を連続的に供給し、混合容器内部で撹拌混合した後、別場所に設置した抜出口から処理済みの混合液を連続的に抜き出す。この際には外部加熱により混合容器の内温を上記好ましい温度に保持することができる。
混合容器内に、精製用組成物と塩基性水溶液を連続的に供給する方法においては、混合容器内における精製用組成物と塩基性水溶液との接触時間は、1時間~100時間が好ましく、3時間~60時間がより好ましい。精製用組成物と塩基性水溶液との接触時間が上記下限値以上であれば、除去対象成分の除去効率が向上する。精製用組成物と塩基性水溶液との接触時間が上記上限値以下であれば、塩基性水溶液と1233ydの反応による副反応を抑制することができる。なお、混合容器内に精製用組成物と塩基性水溶液を連続的に供給する方法においては、接触時間は、精製用組成物の混合容器内での滞留時間に相当し、精製用組成物の混合容器への供給量(流量)を調節することで制御できる。
また、除去対象成分の除去効率が向上する点から、塩基性水溶液に接触させる精製用組成物中の除去対象成分の総量は、塩基性水溶液が含有する塩基の総量100モル%に対して、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。つまり、塩基性水溶液に接触させる精製用組成物の量を、上記除去対象成分の、塩基性水溶液中の塩基に対する割合が上記上限値以下となるように調整して接触させることが好ましい。
精製用組成物と塩基性水溶液との接触に使用する混合容器の材質としては、例えば、ガラス、鉄、ニッケル、またはこれらを主成分とする合金、テトラフルオロエチレン-ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素樹脂等が挙げられる。上記組成物を塩基性水溶液と混合して接触させる混合容器としては、所望の温度、圧力で、塩基性水溶液に精製用組成物を液体状態で接触させることのできる混合容器、例えばオートクレーブ等が挙げられる。
[精製後の組成物]
本実施形態における精製用組成物が1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンを含む場合、精製用組成物を、上記塩基性水溶液と接触させることで、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンを塩基性水溶液に溶解することができる。これは、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンが塩基性水溶液に可溶な化合物に転化して、溶解すると考えられる。このように、精製用組成物から、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンを効率よく除去して、1233ydを製造することができる。
また、本実施形態における精製用組成物がオキサイドを含む場合、精製用組成物を、上記塩基性水溶液と接触させることで、オキサイドを塩基性水溶液に溶解することができる。これは、オキサイドが塩基性水溶液に可溶な化合物に転化して、溶解すると考えられる。このように、精製用組成物から、オキサイドを効率よく除去して、1233ydを製造することができる。
本実施形態の1233ydの製造方法により得られた組成物中の1233ydの含有量は90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましい。精製後の組成物中の1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンの含有量は100質量ppm以下であることが好ましく、オキサイドの含有量は12質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以下であることがより好ましく、5質量ppm以下であることがさらに好ましい。オキサイドの含有量が前記上限値以下であれば、組成物の安定性の低下を充分に防止できる。また、オキサイドの含有量が前記上限値以下であれば、0質量ppmの極限まで低減しなくてもよい。精製後の組成物中のオキサイドの含有量は、1質量ppm以上が好ましく、2質量ppm以上がより好ましい。前記下限値以上であれば、1233ydの酸化が抑えられて、組成物の安定性に優れる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態である1233ydの製造方法は、1233ydを含有する精製用組成物を、例えば、次の(I)または(II)の方法で製造する工程を有する。
(I)HCFC-244caを、酸化クロムを触媒として窒素気流下、気相でフッ化水素と反応させる方法
(II)HCFC-244caを、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを反応剤として、40℃~80℃の温度で脱フッ化水素反応する方法
本実施形態の1233ydの製造方法においては、例えば、上記(I)または(II)に示す1233ydの合成時に得られる反応生成物や、反応生成物から酸性物質等を除去した混合組成物に対して、上記第1の実施形態で説明した精製を行うことで、1233ydと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも1種とを含む組成物から、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも1種を効率的に除去できる。
(I)HCFC-244caを、酸化クロムを触媒として窒素気流下、気相でフッ化水素と反応させる方法
HCFC-244caとフッ化水素を含む原料組成物を、酸化クロム触媒が充填された触媒層を有する反応器内で、気相で反応させ、HCFC-245caを製造すると同時に副生する1233ydを含む組成物を生成する。
このようなHCFC-244caとフッ化水素の気相触媒反応においては、1233ydと塩化水素等の酸性物質とを含む反応生成物を反応器の出口ガスとして得ることができる。そして、反応生成物に含まれるフッ化水素や塩化水素等の酸性物質を水洗浄等により除去して混合組成物を得ることができる。混合組成物に含有される1233yd以外の化合物としては、未反応原料であるHCFC-244caの他、水、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピン、HCFC-245ca、2,3,3-トリフルオロプロペン(HC=CF-CHF)、1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(HFC=CF-CHF)、オキサイド等が挙げられる。
このようにして得られる反応生成物または混合組成物に対して第1の実施形態に係る1233ydの製造方法を行うことで、1233ydと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種とを含む組成物から、除去対象成分の少なくとも一部を効率的に除去できる。反応生成物または混合組成物に含まれ、かつ、精製後の組成物に含まれる1233yd以外のその他の成分(水など)は、蒸留等の既知の手段により、望まれる程度に除去することができる。
(II)HCFC-244caを水酸化カリウムや水酸化ナトリウムを反応剤として、40℃~80℃の温度で脱フッ化水素反応する方法
HCFC-244caを水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液中で、40℃~80℃の温度で脱フッ化水素反応させることで、1233ydを含む組成物を生成する。上記反応においては、反応を促進する目的で、相間移動触媒存在下で脱フッ化水素反応させることが好ましい。また、水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの量はHCFC-244caのモル数に対して1~3倍モル量であることが好ましい。
このような、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム水溶液中で、HCFC-244caを脱フッ化水素反応させる合成方法においては、反応終了後の反応液を有機相と水相に分離して、有機相として1233ydを含む反応生成物を得ることができる。反応生成物に含有される1233yd以外の化合物としては、未反応原料であるHCFC-244caに加えて、水、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピン、オキサイド等が挙げられる。得られた反応生成物に対して、第1の実施形態に係る1233ydの製造方法を行うことにより、除去対象成分を効率的に除去できる。
また、上記(II)の方法によれば、得られる反応生成物、すなわち1233ydと、除去対象成分とを含む混合組成物に対して、そのまま続けて第1の実施形態に係る1233ydの製造方法を行うことができる。これにより、該混合組成物から、除去対象成分を効率的に除去できる。例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム水溶液中で、40℃~80℃で上記HCFC-244caの脱フッ化水素反応を行った場合、反応終了後に、反応液の温度を20℃~40℃に維持することで、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドを効率よく除去することができる。その後、反応液を有機相と水相に分離させ、有機相中に、除去対象成分が低減された1233ydを得ることができる。反応生成物に含まれ、かつ、精製後の組成物に含まれる1233yd以外のその他の成分(水など)は、蒸留等の既知の手段により、望まれる程度に除去することができる。
以下に、本発明について実施例を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(分析方法)
分析対象組成物の、ハイドロパーオキサイド以外の組成は、水素炎イオン化検出器(FID検出器)を有するガスクロマトグラフィーによって分析する。カラムはDB-1301(長さ60m×内径250μm×厚み1μm、アジレント・テクノロジー株式会社製)を用いる。分析対象組成物に含まれる各成分量は、GCArea%として求められる。なお、GCArea%とは水素炎イオン化検出器で検出された全ピークの合計面積に対する、特定成分由来のピーク面積の割合である。分析対象組成物中のハイドロパーオキサイドの含有量は、前述のハイドロパーオキサイド測定法により求めた。
(合成例:1233ydの合成)
2000gのHCFC-244caを原料にして、テトラ-n-ブチルアンモニウムクロリドの19.9gを入れ、反応温度を50℃に保ち、40質量%水酸化カリウム水溶液の2792gを30分かけて滴下した。その後、52時間反応を続け、有機相と水相を二相分離し、有機相を回収した。回収した有機相をバッチ蒸留で粗蒸留し留分を回収することで1233yd、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドを含む組成物(精製用組成物)を得た。なお、バッチ蒸留の初留分には1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンが多く含まれ、一方で、後留分にはオキサイドが多く含まれる。
(実施例1)
上記の合成例により得られた精製用組成物に含まれるオキサイド量を上記のガスクロマトグラフィーおよびハイドロパーオキサイド測定法で定量すると、3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシランが20質量ppm、ハイドロパーオキサイドが19質量ppm、合計して39質量ppmであった。上記オキサイドを含む1kgの精製用組成物を撹拌機、ジムロート冷却器を設置した2リットル四つ口フラスコに入れ、精製用組成物の1kgを100質量%とし、それに対して1質量%のテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミドおよび1kgの20質量%水酸化カリウム水溶液を加えて室温(25℃)で約60時間撹拌した。
撹拌終了後、有機相と水相を静置して二相分離させた後、有機相を回収した。回収した有機相中のオキサイド量を測定すると3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシランが0質量ppm、ハイドロパーオキサイドが0.1質量ppmであった。このことから、1233ydと、オキサイドとを含む組成物と水酸化カリウム水溶液を接触させることで、上記組成物に含まれるオキサイドを除去できることがわかる。
(実施例2)
上記の合成例により得られる精製用組成物について水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフィーによる組成分析を実施したところ、表1に示す組成で1233ydおよび1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンが含まれていた。表1に示す組成比の精製用組成物の1gを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)撹拌子を設置した20ミリリットルサンプル瓶に入れ、精製用組成物の1gに対して1質量%濃度となるテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミドおよび1gの20質量%水酸化カリウム水溶液を加えて室温(25℃)で約60時間撹拌した。撹拌終了後、有機相と水相を静置して二相分離させた後、有機相を回収した。回収した有機相について水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフィーによる組成分析を実施すると、表1に示す組成であった。
(実施例3)
前記の合成例により得られた精製用組成物に含まれるオキサイド量を前記のガスクロマトグラフィーおよびハイドロパーオキサイド測定法で定量すると、3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシランが20質量ppm、ハイドロパーオキサイドが19質量ppm、合計して39質量ppmであった。前記オキサイドを含む1kgの精製用組成物を撹拌機、ジムロート冷却器を設置した2リットル四つ口フラスコに入れ、1kgの精製用組成物に対して1質量%濃度となるテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミドおよび1kgの20質量%水酸化カリウム水溶液を加えて10℃で約60時間撹拌した。撹拌終了後、有機相と水相を静置して二相分離させた後、有機相を回収した。回収した有機層のオキサイド量を測定すると3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシランが0質量ppm、ハイドロパーオキサイドが10.2質量ppmであった。
(実施例4)
前記の合成例により得られる精製用組成物について水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフィーによる組成分析を実施したところ、表1に示す組成で1233ydおよび1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンが含まれていた。表1に示す組成比の精製用組成物の1gを、PTFE撹拌子を設置した20ミリリットルサンプル瓶に入れ、精製用組成物の1gに対して1質量%濃度となるテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミドおよび1gの20質量%水酸化カリウム水溶液を加えて10℃で約60時間撹拌する。撹拌終了後、有機相と水相を静置して二相分離させた後、有機相を回収した。回収した有機層について水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフィーによる組成分析を実施すると、表1に示す組成であった。
(実施例5)
前記の合成例により得られた精製用組成物に含まれるオキサイド量を前記のガスクロマトグラフィーおよびハイドロパーオキサイド測定法で定量すると、3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシランが20質量ppm、ハイドロパーオキサイドが19質量ppm、合計して39質量ppmであった。前記オキサイドを含む1kgの精製用組成物を撹拌機、ジムロート冷却器を設置した2リットル四つ口フラスコに入れ、1kgの精製用組成物に対して1質量%濃度となるテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミドおよび1kgの20質量%水酸化カリウム水溶液を加えて50℃で約60時間撹拌する。撹拌終了後、有機相と水相を静置して二相分離させた後、有機層を回収した。回収した有機層のオキサイド量を測定すると3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシランが0質量ppm、ハイドロパーオキサイドが0.1質量ppmであった。
(実施例6)
前記の合成例により得られる精製用組成物について水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフィーによる組成分析を実施したところ、表1に示す組成で1233ydおよび1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンが含まれていた。表1に示す組成比の精製用組成物の1gを、PTFE撹拌子を設置した20ミリリットルサンプル瓶に入れ、精製用組成物の1gに対して1質量%濃度となるテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミドおよび1gの20質量%水酸化カリウム水溶液を加えて50℃で約60時間撹拌する。撹拌終了後、有機相と水相を静置して二相分離させた後、有機層を回収した。回収した有機層について水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフィーによる組成分析を実施すると、表1に示す組成であった。
Figure 0007024727000007
上記実施例より、1233ydと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドの少なくとも一種とを含む組成物と水酸化カリウム水溶液を接触させることで、上記組成物に含まれる1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドの少なくとも一種を除去できることがわかる。

Claims (6)

  1. 1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンと、1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種とを含む組成物を塩基性水溶液と接触させることにより、
    1-クロロ-3,3-ジフルオロ-1-プロピンおよびオキサイドから選ばれる少なくとも一種を前記組成物から除去することを特徴とし、
    前記組成物と前記塩基性水溶液を接触させる温度が10℃~60℃である、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  2. 前記塩基性水溶液が、アルカリ金属水酸化物水溶液、アルカリ金属炭酸塩水溶液、アルカリ土類金属水酸化物水溶液、アンモニア水溶液およびアルキルアンモニウム水溶液から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  3. 前記塩基性水溶液が、水酸化カリウム水溶液および水酸化ナトリウム水溶液から選ばれる少なくとも一つである、請求項1または2に記載の1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  4. 前記組成物と前記塩基性水溶液を接触させる温度が20℃~40℃である請求項1~3のいずれか1項に記載の1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  5. さらに、1-クロロ-2,2,3,3-テトラフルオロプロパンを脱フッ化水素反応させて、前記組成物を製造する工程を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
  6. 前記オキサイドが、3-クロロ-2-(ジフルオロメチル)-2-フルオロオキシラン、2,2-ジフルオロアセチルフルオリド、ホルミルクロライド、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-1-ハイドロパーオキシ-1-プロペンのE体、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-1-ハイドロパーオキシ-1-プロペンのZ体、3-クロロ-1,1,2-トリフルオロ-3-ハイドロパーオキシ-1-プロペン、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-3-ハイドロパーオキシ-1-プロペンのE体、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-3-ハイドロパーオキシ-1-プロペンのZ体から選ばれる少なくとも1つである、請求項1~のいずれか1項に記載の1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペンの製造方法。
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