以下、添付図面に従って本開示の技術に係る撮像装置の実施形態の一例について説明する。
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。ROMとは、“Read Only Memory”の略称を指す。DRAMとは、“Dynamic Random Access Memory”の略称を指す。SRAMとは、“Static Random Access Memory”の略称を指す。
LSIとは、“Large-Scale Integration”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。PLDとは、“Programmable Logic Device”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。
SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。DVD-ROMとは、“Digital Versatile Disc Read Only Memory”の略称を指す。USBとは、“Universal Serial Bus”の略称を指す。HDDとは、“Hard Disk Drive”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。
CCDとは、“Charge Coupled Device”の略称を指す。CMOSとは、“Complementary Metal Oxide Semiconductor”の略称を指す。ELとは、“Electro-Luminescence”の略称を指す。A/Dとは、“Analog/Digital”の略称を指す。I/Fとは、“Interface”の略称を指す。UIとは、“User Interface”の略称を指す。
LVDSとは、“Low Voltage Differential Signaling”の略称を指す。PCI-eとは、“Peripheral Component Interconnect Express”の略称を指す。SATAとは、“Serial Advanced Technology Attachment”の略称を指す。SLVS-ECとは、“Scalable Low Signaling with Embedded Clock”の略称を指す。MIPIとは、“Mobile Industry Processor Interface”の略称を指す。
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、撮像装置10は、レンズ交換式カメラである。撮像装置10は、撮像装置本体12と、撮像装置本体12に交換可能に装着される交換レンズ14と、を含み、レフレックスミラーが省略されたデジタルカメラである。
撮像装置本体12には、撮像素子44が設けられている。交換レンズ14が撮像装置本体12に装着された場合に、被写体を示す被写体光は、交換レンズ14を透過して撮像素子44に結像され、撮像素子44によって被写体の画像を示す画像データ69(図3及び図4参照)が生成される。
撮像装置本体12には、ハイブリッドファインダー(登録商標)16が設けられている。ここで言うハイブリッドファインダー16とは、例えば光学ビューファインダー(以下、「OVF」という)及び電子ビューファインダー(以下、「EVF」という)が選択的に使用されるファインダーを指す。なお、OVFとは、“optical viewfinder”の略称を指す。また、EVFとは、“electronic viewfinder” の略称を指す。
撮像装置本体12の前面には、ファインダー切替レバー18が設けられている。OVFで視認可能な光学像とEVFで視認可能な電子像であるライブビュー画像とは、ファインダー切替レバー18を矢印SW方向に回動させることで切り換わる。ここで言う「ライブビュー画像」とは、撮像素子44によって撮像されることにより得られた画像データ69(図3及び図4参照)に基づく表示用の動画像を指す。ライブビュー画像は、一般的には、スルー画像とも称されている。撮像装置本体12の上面には、レリーズボタン20及びダイヤル22が設けられている。ダイヤル22は、撮像系の動作モード及び再生系の動作モード等の設定の際に操作される。
レリーズボタン20は、撮像準備指示部及び撮像指示部として機能し、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作が検出可能である。撮像準備指示状態とは、例えば待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。
撮像装置10では、動作モードとして撮像モードと再生モードとがユーザの指示に応じて選択的に設定される。撮像モードは、表示動画用撮像モードと記録用撮像モードとに大別される。
一例として図2に示すように、撮像装置本体12の背面には、タッチパネル・ディスプレイ26、指示キー28、及びファインダー接眼部30が設けられている。
タッチパネル・ディスプレイ26は、第1ディスプレイ32及びタッチパネル34(図5も参照)を備えている。第1ディスプレイ32の一例としては、液晶ディスプレイが挙げられる。なお、第1ディスプレイ32は、液晶ディスプレイではなく、有機ELディスプレイなどの他のディスプレイであってもよい。
第1ディスプレイ32は、画像及び文字情報等を表示する。第1ディスプレイ32は、撮像装置10が撮像モードの場合に連続的な撮像により得られたライブビュー画像の表示に用いられる。また、第1ディスプレイ32は、静止画像用撮像の指示が与えられた場合に撮像されることで得られた静止画像の表示にも用いられる。更に、第1ディスプレイ32は、撮像装置10が再生モードの場合の再生画像の表示及びメニュー画面等の表示にも用いられる。
タッチパネル34は、透過型のタッチパネルであり、第1ディスプレイ32の表示領域の表面に重ねられている。タッチパネル34は、例えば、指又はスタイラスペン等の指示体による接触を検知する。
指示キー28は、1つ又は複数のメニューの選択、選択内容の確定、選択内容の消去、ズーム、及びコマ送り等の各種の指示を受け付ける。
一例として図3に示すように、交換レンズ14は、撮像レンズ40を有する。撮像レンズ40は、対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、及び絞り40Cを備えている。対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、及び絞り40Cは、被写体側から撮像装置本体12側にかけて、光軸L1に沿って、対物レンズ40A、フォーカスレンズ40B、及び絞り40Cの順に配置されている。フォーカスレンズ40B及び絞り40Cは、モータ等の駆動源(図示省略)からの動力を受けることで作動する。すなわち、フォーカスレンズ40B及び絞り40Cは、付与された動力に応じて光軸L1に沿って移動する。また、絞り40Cは、付与された動力に応じて作動することで露出を調節する。
撮像装置本体12は、メカニカルシャッタ42、撮像素子44、及び処理部45を備えている。メカニカルシャッタ42は、モータ等の駆動源(図示省略)からの動力を受けることで作動する。撮像素子44は、受光面61Aを有する光電変換素子61を備えている。交換レンズ14が撮像装置本体12に装着された場合に、被写体を示す被写体光は、撮像レンズ40を透過し、メカニカルシャッタ42を介して撮像素子44の受光面61Aに結像される。光電変換素子61は、受光面61Aに結像された被写体光を光電変換することで、被写体の画像を示す画像データ69を生成する。撮像素子44は、光電変換素子61によって生成された画像データ69をデジタル化してから通信ライン53,55の各々を介して処理部45に出力する。
撮像装置本体12は、処理部45及びUI系デバイス48を備えている。処理部45は、撮像素子44の外部に配置されている外部プロセッサである。処理部45は、本開示の技術に係る「撮像素子の外部の処理部」の一例である。処理部45は、撮像素子44の後段に位置する電気回路であり、コントローラ46及び信号処理回路50を備えている。
コントローラ46は、撮像装置10の全体を制御する。UI系デバイス48は、ユーザに対して情報を提示したり、ユーザからの指示を受け付けたりするデバイスである。コントローラ46には、UI系デバイス48が接続されており、コントローラ46は、UI系デバイス48からの各種情報の取得、及びUI系デバイス48の制御を行う。
撮像素子44は、通信ライン57を介してコントローラ46に接続されており、コントローラ46の制御下で、被写体を撮像することで画像データ69を生成する。
撮像素子44は、通信ライン53及び通信ライン55を介して信号処理回路50に接続されている。具体的には、撮像素子44と信号処理回路50との間は、通信ライン53及び通信ライン55によってパラレルに接続されている。撮像素子44と信号処理回路50との間は、通信ライン53を介してPCI-eの接続規格に従って接続されており、通信ライン55を介してLVDSの接続規格に従って接続されている。
なお、ここでは、接続規格としてPCI-e及びLVDSを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、他の接続規格であってもよい。他の接続規格としては、例えば、SATA、SLVS-EC、及びMIPI等が挙げられる。しかし、これらの接続規格はあくまでも一例に過ぎず、撮像素子44と信号処理回路50との間において、通信ライン53を介した通信と通信ライン55を介した通信とが互いに独立して行われることが可能な接続規格であればよい。
また、ここでは、撮像素子44と信号処理回路50との間において、通信ライン53及び通信ライン55を用いた有線形式で通信が行われる形態例を挙げているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、撮像素子44と信号処理回路50との間で、通信ライン53及び通信ライン55の各々を介した有線形式での通信に代えて、撮像素子44と信号処理回路50との間で、無線形式での通信が行われるようにしてもよい。この場合、通信ライン53を介した有線形式の通信経路に相当する無線形式の第1通信経路と、通信ライン55を介した有線形式の通信経路に相当する無線形式の第2通信経路とが確保されるようにすればよい。第1通信経路及び第2通信経路は、互いに通信規格が異なる無線形式で、かつ、混信しない周波数帯域での無線通信を可能にする通信経路である。また、撮像素子44と信号処理回路50との間において、有線形式の通信経路と無線形式の通信経路との2つの通信経路で互いに独立した通信が行われるようにしてもよい。
信号処理回路50は、LSIであり、具体的には、ASICを含むデバイスである。信号処理回路50には、通信ライン60を介してコントローラ46が接続されており、コントローラ46は、信号処理回路50からの各種情報の取得、及び信号処理回路50の制御を行う。
信号処理回路50には、通信ライン53,55を介して撮像素子44から画像データ69が入力される。詳しくは後述するが、信号処理回路50は、通信ライン53,55を介して入力された画像データ69に対して各種の信号処理を行う。
なお、本実施形態では、信号処理回路50としてASICを含むデバイスが採用されている。しかし、これは、あくまでも一例に過ぎず、信号処理回路50は、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスであってもよい。また、信号処理回路50は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータであってもよい。CPUは、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、信号処理回路50は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
撮像素子44は、本開示の技術に係る「積層型撮像素子」の一例である。本実施形態において、撮像素子44は、CMOSイメージセンサである。また、ここでは、撮像素子44としてCMOSイメージセンサを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、撮像素子44がCCDイメージセンサであっても本開示の技術は成立する。
一例として図4に示すように、撮像素子44にはコントローラ46から通信ライン57を介して読出同期信号が入力される。読出同期信号には、垂直同期信号及び水平同期信号が含まれている。垂直同期信号は、光電変換素子61からの1フレーム毎の画像データ69の読み出しの開始タイミングを規定する同期信号である。水平同期信号は、光電変換素子61からの水平ライン毎の画像データ69の読み出しの開始タイミングを規定する同期信号である。撮像素子44では、コントローラ46から通信ライン57を介して入力された垂直同期信号に応じて定まるフレームレートに従って、光電変換素子61から画像データ69が読み出される。
図4に示す例では、撮像素子44のフレームレートとして、期間T内に光電変換素子61から8フレーム分の読み出しが行われるフレームレートが示されている。具体的なフレームレートの一例としては、120fps(frame per second)が挙げられる。
一例として図5に示すように、コントローラ46は、CPU46A、ROM46B、RAM46C、接続I/F46D、及び入力I/F46Eを備えている。CPU46A、ROM46B、RAM46C、接続I/F46D、及び入力I/F46Eは、バスライン88を介して相互に接続されている。
ROM46Bには、各種プログラムが記憶されている。CPU46Aは、ROM46Bから各種プログラムを読み出し、読み出した各種プログラムをRAM46Cに展開する。CPU46Aは、RAM46Cに展開した各種プログラムに従って撮像装置10の全体を制御する。
接続I/F46Dは、FPGAを有する通信デバイスであり、通信ライン57を介して撮像素子44に接続されている。CPU46Aは、接続I/F46Dを介して撮像素子44を制御する。
入力I/F46Eは、FPGAを有する通信デバイスであり、通信ライン60を介して信号処理回路50に接続されている。入力I/F46Eには、信号処理回路50により各種の信号処理が施された画像データ69(図3及び図4参照)が通信ライン60を介して入力される。入力I/F46Eは、信号処理回路50から入力された画像データ69をCPU46Aに転送する。
バスライン88には、二次記憶装置80及び外部I/F82が接続されている。二次記憶装置80は、SSD、HDD、又はEEPROMなどの不揮発性のメモリである。CPU46Aは、二次記憶装置80に対して各種情報の読み書きを行う。なお、二次記憶装置80は、本開示の技術に係る「記憶装置」の一例である。
外部I/F82は、FPGAを有する通信デバイスである。外部I/F82には、USBメモリ及びメモリカード等の外部装置(図示省略)が接続される。外部I/F82は、CPU46Aと外部装置との間の各種情報の授受を司る。なお、USBメモリ及びメモリカード等の外部装置は、本開示の技術に係る「記憶装置」の一例である。
UI系デバイス48は、ハイブリッドファインダー16、タッチパネル・ディスプレイ26、及び受付デバイス84を備えている。第1ディスプレイ32及びタッチパネル34は、バスライン88に接続されている。従って、CPU46Aは、第1ディスプレイ32に対して各種情報を表示させ、タッチパネル34によって受け付けられた各種指示に従って動作する。
受付デバイス84は、タッチパネル34及びハードキー部25を備えている。ハードキー部25は、複数のハードキーであり、レリーズボタン20、ダイヤル22、及び指示キー28を有する。ハードキー部25は、バスライン88に接続されており、CPU46Aは、ハードキー部25によって受け付けられた各種指示に従って動作する。
ハイブリッドファインダー16は、第2ディスプレイ86を備えており、CPU46Aは、第2ディスプレイ86に対して各種情報を表示させる。第2ディスプレイ86の一例としては、液晶ディスプレイが挙げられる。なお、第2ディスプレイ86は、液晶ディスプレイではなく、有機ELディスプレイなどの他のディスプレイであってもよい。
一例として図6に示すように、ハイブリッドファインダー16は、OVF90及びEVF92を含む。OVF90は、逆ガリレオ式ファインダーであり、接眼レンズ94、プリズム96、及び対物レンズ98を有する。EVF92は、第2ディスプレイ86、プリズム96、及び接眼レンズ94を有する。
対物レンズ98の光軸L2に沿って対物レンズ98よりも被写体側には、液晶シャッタ100が配置されており、液晶シャッタ100は、EVF92を使用する際に、対物レンズ98に光学像が入射しないように遮光する。
プリズム96は、第2ディスプレイ86に表示される電子像又は各種の情報を反射させて接眼レンズ94に導き、且つ、光学像と第2ディスプレイ86に表示される電子像及び/又は各種情報とを合成する。第2ディスプレイ86に表示される電子像としては、画像データ69に基づくライブビュー画像102が挙げられる。
CPU46Aは、OVFモードの場合、液晶シャッタ100が非遮光状態になるように制御し、接眼レンズ94から光学像が視認できるようにする。また、CPU46Aは、EVFモードの場合、液晶シャッタ100が遮光状態になるように制御し、接眼レンズ94から第2ディスプレイ86に表示される電子像のみが視認できるようにする。
なお、以下では、説明の便宜上、第1ディスプレイ32(図2及び図5参照)及び第2ディスプレイ86を区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「ディスプレイ」と称する。ディスプレイは、本開示の技術に係る「表示部(ディスプレイ)」の一例である。また、CPU46Aは、本開示の技術に係る「表示制御部(表示プロセッサ)」及び「記憶制御部(記憶プロセッサ)」の一例である。
一例として図7に示すように、撮像素子44には、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64が内蔵されている。撮像素子44は、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64が1チップ化された撮像素子である。すなわち、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64は1パッケージ化されている。撮像素子44では、光電変換素子61に対して処理回路62及びメモリ64が積層されている。具体的には、光電変換素子61及び処理回路62は、銅等の導電性を有するバンプ(図示省略)によって互いに電気的に接続されており、処理回路62及びメモリ64も、銅等の導電性を有するバンプ(図示省略)によって互いに電気的に接続されている。ここでは、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64の3層構造が例示されているが、本開示の技術はこれに限らず、処理回路62とメモリ64とを1層としたメモリ層と、光電変換素子61との2層構造であってもよい。なお、メモリ64は、本開示の技術に係る「記憶部(メモリ)」の一例である。
処理回路62は、例えば、LSIである。メモリ64は、書き込みタイミングと読み出しタイミングとが異なるメモリである。ここでは、メモリ64の一例として、DRAMが採用されている。但し、本開示の技術はこれに限らず、メモリ64としてDRAMに代えてSRAMを採用してもよい。
処理回路62は、ASIC及びFPGAを含むデバイスであり、コントローラ46の指示に従って、撮像素子44の全体を制御する。なお、ここでは、処理回路62がASIC及びFPGAを含むデバイスによって実現される例を挙げているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスであってもよい。また、処理回路62として、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータが採用されてもよい。CPUは、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、処理回路62は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
光電変換素子61は、マトリクス状に配置された複数のフォトダイオードを有している。複数のフォトダイオードの一例としては、“4896×3265”画素分のフォトダイオードが挙げられる。
光電変換素子61に含まれる各フォトダイオードには、カラーフィルタが配置されている。カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(緑)に対応するGフィルタ、R(赤)に対応するRフィルタ、及びB(青)に対応するBフィルタを含む。光電変換素子61は、R画素、G画素、及びB画素を有する。
R画素は、Rフィルタが配置されたフォトダイオードに対応する画素であり、G画素は、Gフィルタが配置されたフォトダイオードに対応する画素であり、B画素は、Bフィルタが配置されたフォトダイオードに対応する画素である。R画素、G画素、及びB画素は、行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)の各々に既定の周期性で配置されている。本実施形態では、R画素、G画素、及びB画素がX-Trans(登録商標)配列に対応した周期性で配列されている。なお、ここでは、X-Trans配列を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、R画素、G画素、及びB画素の配列は、ベイヤ配列又はハニカム配列などであってもよい。
撮像素子44は、いわゆる電子シャッタ機能を有しており、コントローラ46の制御下で電子シャッタ機能を働かせることで、光電変換素子61内の各フォトダイオードの電荷蓄積時間を制御する。電荷蓄積時間とは、いわゆるシャッタスピードを指す。
撮像装置10では、ローリングシャッタ方式で、静止画像用の撮像と、動画像用の撮像とが行われる。静止画像用の撮像は、電子シャッタ機能を働かせ、かつ、メカニカルシャッタ42(図3参照)を作動させることで実現され、動画像用の撮像は、メカニカルシャッタ42を作動させずに、電子シャッタ機能を働かせることで実現される。なお、ここでは、ローリングシャッタ方式が例示されているが、本開示の技術はこれに限らず、ローリングシャッタ方式に代えてグローバルシャッタ方式を適用してもよい。
処理回路62は、光電変換素子61により被写体が撮像されることで得られた画像データ69(図3及び図4参照)を読み出す。画像データ69は、光電変換素子61に蓄積された信号電荷である。処理回路62は、光電変換素子61から読み出したアナログの画像データ69に対してA/D変換を行う。処理回路62は、アナログの画像データ69に対してA/D変換を行うことで得たデジタルの画像データ69をメモリ64に記憶する。
処理回路62は、通信ライン53及び通信ライン55を介して信号処理回路50に接続されている。また、処理回路62は、通信ライン57を介してコントローラ46に接続されている。
処理回路62と信号処理回路50との間では、通信ライン53を介してPCI-eの接続規格に従って通信が行われ、通信ライン55を介してLVDSの接続規格に従って通信が行われる。
一例として図8に示すように、処理回路62は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。読出回路62A、デジタル処理回路62B、セレクタ62C、制御回路62D、及び通信I/F62E1,62E2,62E3を備えている。通信I/F62E2は、本開示の技術に係る「第2出力部(第2通信インタフェース)」の一例であり、通信I/F62E3は、本開示の技術に係る「第1出力部(第1通信インタフェース)」の一例である。また、制御回路62Dは、本開示の技術に係る「メモリコントローラ」の一例である。
読出回路62Aは、光電変換素子61、デジタル処理回路62B、及び制御回路62Dの各々に接続されている。メモリ64は、制御回路62Dに接続されている。セレクタ62Cは、デジタル処理回路62B、制御回路62D、通信I/F62E3の各々に接続されている。通信I/F62E1,62E2,62E3の各々は、制御回路62Dに接続されている。
上述の画像データ69は、一例として図8に示すように、アナログ画像データ69Aとデジタル画像データ69Bとに大別される。なお、以下では、説明の便宜上、アナログ画像データ69Aとデジタル画像データ69Bとを区別して説明する必要がない場合、「画像データ69」と称する。
通信I/F62E1は、FPGAを有する通信デバイスであり、通信ライン57を介してコントローラ46に接続されている。コントローラ46は、読出同期信号を、通信ライン57を介して通信I/F62E1に出力する。通信I/F62E1は、通信ライン57を介してコントローラ46からの読出同期信号を受け付け、受け付けた読出同期信号を制御回路62Dに出力する。
通信I/F62E2は、FPGAを有する通信デバイスであり、通信ライン53を介してPCI-eの接続規格に従って信号処理回路50に接続されている。通信I/F62E2は、信号処理回路50と制御回路62Dとの間での通信を司る。ここでは、通信I/F62E2としてFPGAを有する通信デバイスが採用されているが、あくまでも一例に過ぎず、通信I/F62E2は、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスであってもよい。また、通信I/F62E2は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータであってもよい。CPUは、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、通信I/F62E2は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
通信I/F62E3は、FPGAを有する通信デバイスであり、通信ライン55を介してLVDSの接続規格に従って信号処理回路50に接続されている。通信I/F62E2は、信号処理回路50とセレクタ62Cとの間での通信、及び信号処理回路50と制御回路62Dとの間での通信を司る。ここでは、通信I/F62E3としてFPGAを有する通信デバイスが採用されているが、あくまでも一例に過ぎず、通信I/F62E3は、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスであってもよい。また、通信I/F62E3は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータであってもよい。CPUは、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、通信I/F62E3は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
読出回路62Aは、制御回路62Dの制御下で、光電変換素子61を制御し、光電変換素子61からアナログ画像データ69Aを読み出す。光電変換素子61からのアナログ画像データ69Aの読み出しは、コントローラ46から処理回路62に入力された読出同期信号に従って行われる。
具体的には、先ず、通信I/F62E1がコントローラ46から読出同期信号を受け付け、受け付けた読出同期信号を制御回路62Dに出力する。次に、制御回路62Dは、通信I/F62E1から入力された読出同期信号を読出回路62Aに転送する。すなわち、読出回路62Aには、垂直同期信号及び水平同期信号が転送される。そして、読出回路62Aは、制御回路62Dから転送された垂直同期信号に従って光電変換素子61からフレーム単位でのアナログ画像データ69Aの読み出しを開始する。また、読出回路62Aは、制御回路62Dから転送された水平同期信号に従って水平ライン単位でのアナログ画像データ69Aの読み出しを開始する。
読出回路62Aは、光電変換素子61から読み出されたアナログ画像データ69Aに対してアナログ信号処理を行う。アナログ信号処理には、ノイズキャンセル処理及びアナログゲイン処理などの公知の処理が含まれる。ノイズキャンセル処理は、光電変換素子61に含まれる画素間の特性のばらつきに起因するノイズをキャンセルする処理である。アナログゲイン処理は、アナログ画像データ69Aに対してゲインをかける処理である。このようにしてアナログ信号処理が行われたアナログ画像データ69Aは、読出回路62Aによってデジタル処理回路62Bに出力される。
デジタル処理回路62Bは、A/D変換器62B1を備えている。A/D変換器62B1は、アナログ画像データ69AをA/D変換する。A/D変換器62B1は、本開示の技術に係る「第1A/D変換器」及び「第2A/D変換器」の一例である。
デジタル処理回路62Bは、読出回路62Aから入力されたアナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理を行う。デジタル信号処理には、例えば、相関二重サンプリング、A/D変換器62B1によるA/D変換、及びデジタルゲイン処理が含まれる。
アナログ画像データ69Aに対しては、デジタル処理回路62Bによって相関二重サンプリングが行われる。相関二重サンプリングの信号処理が行われたアナログ画像データ69Aに対しては、A/D変換器62B1によってA/D変換が行われ、これによって、アナログ画像データ69Aがデジタル化され、RAWデータとしてデジタル画像データ69Bが得られる。そして、デジタル画像データ69Bに対しては、デジタル処理回路62Bによってデジタルゲイン処理が行われる。デジタルゲイン処理とは、デジタル画像データ69Bに対してゲインをかける処理を指す。このようにデジタル信号処理が行われることによって得られたデジタル画像データ69Bは、デジタル処理回路62Bによってセレクタ62Cに出力される。
セレクタ62Cは、デジタル処理回路62Bから入力されたデジタル画像データ69Bを2つの転送先に選択的に転送する。すなわち、セレクタ62Cは、制御回路62Dの指示に従って、デジタル処理回路62Bから入力されたデジタル画像データ69Bを、制御回路62D及び通信I/F62E3に選択的に転送する。
制御回路62Dは、セレクタ62Cから入力されたデジタル画像データ69Bをメモリ64に記憶する。メモリ64は、複数フレームのデジタル画像データ69Bを記憶可能なメモリである。メモリ64は、画素単位の記憶領域(図示省略)を有しており、デジタル画像データ69Bが制御回路62Dによって、画素単位で、メモリ64のうちの対応する記憶領域に記憶される。
制御回路62Dは、メモリ64に対してランダムアクセス可能であり、通信I/F62E2を介した信号処理回路50からの要求に応じて、メモリ64からデジタル画像データ69Bを取得する。制御回路62Dは、メモリ64から取得したデジタル画像データ69Bを通信I/F62E2に出力する。
処理回路62では、信号処理回路50に対するデジタル画像データ69Bの出力として、通信ライン53を介した第1出力と、通信ライン55を介した第2出力とが、制御回路62Dの制御下で、互いに独立して行われる。第1出力及び第2出力は、互いに異なる出力方式の出力である。すなわち、第1出力と第2出力とでは、デジタル画像データ69Bを信号処理回路50に出力するまでに伝送されるデジタル画像データ69Bの伝送路が異なり、かつ、撮像素子44と信号処理回路50との間の接続規格も異なっている。
第1出力とは、第1伝送路を経由したデジタル画像データ69Bの信号処理回路50への出力を指す。第1伝送路とは、制御回路62Dを介さずにセレクタ62C、通信I/F62E3、及び信号処理回路50の順にデジタル画像データ69Bが伝送される経路を指す。すなわち、第1出力の出力方式は、A/D変換器62B1から得られたデジタル画像データ69Bをメモリ64に記憶させることなく出力する出力方式である。なお、第1伝送路を伝送するデジタル画像データ69Bは、本開示の技術に係る「被写体が撮像されることで得られた第1画像データ」の一例である。
第2出力とは、第2伝送路を経由したデジタル画像データ69Bの信号処理回路50への出力を指す。第2伝送路とは、メモリ64、制御回路62D、通信I/F62E2、及び信号処理回路50の順にデジタル画像データ69Bが伝送される経路を指す。すなわち、第2出力の出力方式は、制御回路62Dによってメモリ64から読み出されたデジタル画像データ69Bを出力する出力方式である。なお、第2伝送路を伝送するデジタル画像データ69Bは、本開示の技術に係る「記憶部に記憶された画像データに基づく第2画像データ」の一例である。
第1出力は、通信I/F62E3及び通信ライン55を用いることによって実現される。すなわち、通信I/F62E3は、セレクタ62Cからデジタル画像データ69Bが入力されると、入力されたデジタル画像データ69Bを、通信ライン55を介して信号処理回路50に出力する。
第2出力は、通信I/F62E2及び通信ライン53を用いることによって実現される。すなわち、通信I/F62E2は、制御回路62Dからデジタル画像データ69Bが入力されると、入力されたデジタル画像データ69Bを、通信ライン53を介して信号処理回路50に出力する。
信号処理回路50は、通信ライン53,55を介して処理回路62から入力されたデジタル画像データ69Bに対して、上述した各種の信号処理を行う。各種の信号処理には、例えば、デモザイク処理、デジタル間引き処理、及びデジタル加算処理などの公知の信号処理が含まれる。
デモザイク処理は、カラーフィルタの配列に対応したモザイク画像から画素毎に全ての色情報を算出する処理である。例えば、RGB3色のカラーフィルタからなる撮像素子の場合、RGBからなるモザイク画像から画素毎にRGB全ての色情報が算出される。デジタル間引き処理は、デジタル画像データ69Bに含まれる画素をライン単位で間引く処理である。ライン単位とは、例えば、水平ライン単位及び/又は垂直ライン単位を指す。デジタル加算処理は、例えば、デジタル画像データ69Bに含まれる複数の画素について画素値を加算平均する処理である。
なお、各種の信号処理には、その他の公知の信号処理も含まれる。その他の公知の信号処理としては、例えば、ホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、色空間変換処理、及び色差補正などが挙げられる。
一例として図9に示すように、撮像素子44では、撮像処理と出力処理とを含む処理が行われる。撮像処理では、N(自然数)回目の露光、N回目の読み出し、N回目のリセット、N回目のデジタル信号処理、及びN回目の記憶が行われた後、N+1回目の露光、N+1回目の読み出し、N+1回目のリセット、及びN+1回目のデジタル信号処理が行われる。そして、出力処理が行われた後、Nが1インクリメントされ、撮像処理及び出力処理が繰り返される。
撮像処理が開始されるにあたって、光電変換素子61は読出回路62Aによってリセットされ、光電変換素子61内の各画素の残留電荷が消去される。N回目の露光は、光電変換素子61に対する読出回路62Aによる前回のリセットが行われてからN回目の読み出しが行われるまでの間に光電変換素子61によって行われる。
N回目の読み出しは、N回目の垂直同期信号が読出回路62Aに入力されると、読出回路62Aによって行われる。N回目の読み出しとは、N回目の垂直同期信号の読出回路62Aへの入力に応じて読出回路62Aによって行われるアナログ画像データ69Aの読み出しを指す。
N回目のリセットとは、N回目の読み出しに対応して読出回路62Aによって行われる光電変換素子61のリセットを指す。N回目のデジタル信号処理とは、N回目の読み出しによって得られたアナログ画像データ69Aに対してデジタル処理回路62Bによって行われるデジタル信号処理を指す。
N回目の記憶とは、N回目のデジタル信号処理によって得られたデジタル画像データ69Bのメモリ64への記憶を指す。N回目の記憶は、セレクタ62C、制御回路62D、及びメモリ64を用いることによって実現される。すなわち、N回目のデジタル信号処理によって得られたデジタル画像データ69Bがセレクタ62Cを介して制御回路62Dに入力され、制御回路62Dによってメモリ64に記憶される。
N+1回目の露光は、N回目のリセットが行われてからN+1回目の読み出しが行われるまでの間に光電変換素子61によって行われる。
N+1回目の読み出しは、N+1回目の垂直同期信号が読出回路62Aに入力されると、読出回路62Aによって行われる。N+1回目の読み出しとは、N+1回目の垂直同期信号の読出回路62Aへの入力に応じて読出回路62Aによって行われるアナログ画像データ69Aの読み出しを指す。
N+1回目のリセットとは、N+1回目の読み出しに対応して読出回路62Aによって行われる光電変換素子61のリセットを指す。N+1回目のデジタル信号処理とは、N+1回目の読み出しによって得られたアナログ画像データ69Aに対してデジタル処理回路62Bによって行われるデジタル信号処理を指す。
出力処理では、第1出力と第2出力とが並行して行われる。すなわち、最新のデジタル画像データ69Bが第1伝送路を経由して信号処理回路50に出力され、かつ、1フレーム前のデジタル画像データ69Bが第2伝送路を経由して信号処理回路50に出力される。
ここで、最新のデジタル画像データ69Bとは、N+1回目のデジタル信号処理によって得られたデジタル画像データ69Bを指す。また、1フレーム前のデジタル画像データ69Bとは、現時点でメモリ64に記憶されているデジタル画像データ69Bを指す。現時点でメモリ64に記憶されているデジタル画像データ69Bとは、N回目のデジタル信号処理によって得られ、セレクタ62Cを介して制御回路62Dに入力され、制御回路62Dによってメモリ64に記憶されたデジタル画像データ69Bを指す。
撮像素子44では、メモリ64がDRAMであるため、メモリ64に対して書き込みと読み出しとを同時に遂行することができない。そのため、一例として図10に示すように、第1出力及び第2出力は、メモリ64への書き込みが不可の期間(図10に示す「書き込み不可期間」)に行われる。換言すると、撮像素子44では、書き込み不可期間を利用して、連続する2フレーム分のデジタル画像データが並行して信号処理回路50に出力される。
図10に示す例において、第1出力は、コントローラ46から通信I/F62Eを介して入力された水平同期信号に従って行われる。すなわち、通信I/F62E3は、セレクタ62C(図8参照)から入力されるデジタル画像データ69Bを、コントローラ46から通信I/F62E1及び制御回路62Dを介して入力される水平同期信号に従って、1水平ライン毎に信号処理回路50に出力する。
一方、第2出力は、第1出力と並行して行われる。すなわち、第1出力が行われている間に、制御回路62Dは、通信I/F62E3から出力されているデジタル画像データ69Bよりも1フレーム前に得られた1フレーム分のデジタル画像データ69Bをメモリ64から取得し、通信I/F62E2に出力する。通信I/F62E2は、制御回路62Dから入力された1フレーム分のデジタル画像データ69Bを信号処理回路50に出力する。
次に、撮像装置10の作用について説明する。
先ず、撮像素子44の処理回路62によって実行される制御処理の流れについて図11を参照しながら説明する。
図11に示す制御処理では、先ず、ステップST10で、制御回路62Dは、メモリ64内にデジタル画像データ69Bが記憶されていないか否かを判定する。ステップST10において、メモリ64内にデジタル画像データ69Bが記憶されている場合は、判定が否定されて、制御処理はステップST22へ移行する。ステップST10において、メモリ64内にデジタル画像データ69Bが記憶されていない場合は、判定が肯定されて、制御処理はステップST12へ移行する。
ステップST12で、制御回路62Dは、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST12において、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、制御処理はステップST20へ移行する。ステップST12において、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、制御処理はステップST14へ移行する。
ステップST14で、読出回路62Aは、アナログ画像データ69Aの読み出し及び光電変換素子61のリセットを行い、その後、制御処理はステップST16へ移行する。
ステップST16で、デジタル処理回路62Bは、アナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理を行い、その後、制御処理はステップST18へ移行する。
ステップST16においてアナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理が行われることで得られたデジタル画像データ69Bは、セレクタ62Cに出力され、セレクタ62Cは、デジタル画像データ69Bを制御回路62Dに転送する。
ステップST18で、制御回路62Dは、デジタル画像データ69Bをメモリ64に記憶し、その後、制御処理はステップST20へ移行する。
ステップST20で、制御回路62Dは、制御処理を終了する条件(以下、「制御処理終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。制御処理終了条件の一例としては、制御処理を終了させる指示が受付デバイス84(図5参照)によって受け付けられた、との条件が挙げられる。ステップST20において、制御処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、制御処理はステップST10へ移行する。ステップST20において、制御処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、制御処理が終了する。
ステップST22で、制御回路62Dは、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST22において、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、制御処理はステップST30へ移行する。ステップST22において、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、制御処理はステップST24へ移行する。
ステップST24で、読出回路62Aは、アナログ画像データ69Aの読み出し及び光電変換素子61のリセットを行い、その後、制御処理はステップST26へ移行する。
ステップST26で、デジタル処理回路62Bは、アナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理を行い、その後、制御処理はステップST28へ移行する。
ステップST26においてアナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理が行われることで得られたデジタル画像データ69Bは、セレクタ62Cに出力され、セレクタ62Cは、デジタル画像データ69Bを通信I/F62E3に転送する。
ステップST28で、処理回路62は、第1出力及び第2出力を行い、その後、ステップST30へ移行する。第1出力及び第2出力は、互いに異なる出力方式での出力である。すなわち、第1出力は、第1伝送路(図9参照)を用い、かつ、LVDSの接続規格に従って行われる出力であり、第2出力は、第2伝送路(図9参照)を用い、かつ、PCI-eの接続規格に従って行われる出力である。
ステップST28において、通信I/F62E3は、セレクタ62Cから転送されたデジタル画像データ69Bを、通信ライン55を介して信号処理回路50に出力する(第1出力)。一方、制御回路62Dは、コントローラ46からの要求に応じて、1フレーム前のデジタル画像データ69Bをメモリ64から取得し、通信I/F62E2から通信ライン53を介して信号処理回路50に出力する(第2出力)。
ステップST30で、制御回路62Dは、制御処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップST30において、制御処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、制御処理はステップST10へ移行する。ステップST20において、制御処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、制御処理が終了する。
本制御処理が実行されることで通信I/F62E3から通信ライン55を介して信号処理回路50に出力されたデジタル画像データ69Bは、信号処理回路50に入力されると、コントローラ46に転送される。一方、通信I/F62E2から通信ライン53を介して信号処理回路50に出力されたデジタル画像データ69Bも、信号処理回路50に入力されると、コントローラ46に転送される。コントローラ46では、デジタル画像データ69Bが入力I/F46Eに入力され、デジタル画像データ69Bに基づく画像がCPU46Aによってディスプレイに表示される。なお、入力I/F46Eに入力されたデジタル画像データ69Bに基づく画像は、本開示の技術に係る「第1画像データに基づく第1画像」及び「第2画像データに基づく第2画像」の一例である。
また、入力I/F46Eに入力されたデジタル画像データ69Bは、CPU46Aによって二次記憶装置80に記憶されたり、外部I/F82を介してUSBメモリ(図示省略)及び/又はメモリカード(図示省略)等の外部装置に記憶されたりする。
以上説明したように、撮像装置10では、被写体が撮像されることで得られたデジタル画像データ69Bが通信I/F62E3により信号処理回路50に出力される。また、メモリ64に記憶されたデジタル画像データ69Bが通信I/F62E2により信号処理回路50に出力される。そして、通信I/F62E3の出力方式と通信I/F62E2の出力方式とが異なっている。つまり、第1伝送路(図9参照)により通信ライン55を介して最新のデジタル画像データ69Bが信号処理回路50に出力され、第2伝送路(図9参照)により通信ライン53を介して1フレーム前のデジタル画像データ69Bが信号処理回路50に出力される。また、通信I/F62E3と信号処理回路50とがLVDSの接続規格に従って接続され、通信I/F62E2と信号処理回路50とがPCI-eの接続規格に従って接続されている。従って、撮像装置10によれば、単一の通信I/Fのみからデジタル画像データ69Bが処理部45に出力される場合に比べ、デジタル画像データ69Bの出力の停滞を抑制することができる。
また、撮像装置10では、第1出力及び第2出力(図8~図10参照)は、制御回路62Dの制御下で、互いに独立して行われる。従って、撮像装置10によれば、第1出力が行われるタイミングと第2出力が行われるタイミングとを自在に変更することができる。
また、撮像装置10では、第2出力がコントローラ46からの要求に応じて行われる。従って、撮像装置10によれば、処理部45が第2出力を受け付ける状態でないにも拘わらず、第2出力が行われることを回避することができる。
また、撮像装置10では、第1出力の出力方式として、A/D変換器62B1から得られたデジタル画像データ69Bをメモリ64に記憶させることなく出力する出力方式が採用されている。また、第2出力の出力方式として、制御回路62Dによってメモリ64から読み出されたデジタル画像データ69Bを出力する出力方式が採用されている。つまり、第2出力が行えない場合であっても、第1出力は継続して行われる。従って、撮像装置10によれば、メモリ64にデジタル画像データ69Bが書き込まれる期間であっても撮像素子44から信号処理回路50への出力を継続することができる。
また、撮像装置10では、メモリ64として、書き込みタイミングと読み出しタイミングとが異なるメモリが採用されている。撮像装置10では、メモリ64に対する書き込みタイミングを回避したタイミングで第1出力及び第2出力が行われる。従って、撮像装置10によれば、メモリ64が書き込みタイミングと読み出しタイミングとが異なるメモリであったとしても、撮像素子44から処理部45へのデジタル画像データ69Bの出力を継続することができる。
また、撮像装置10では、メモリ64として、DRAMが採用されている。撮像装置10では、DRAMに対する書き込みタイミングを回避したタイミングで第1出力及び第2出力が行われる。従って、撮像装置10によれば、メモリ64がDRAMであったとしても、撮像素子44から処理部45へのデジタル画像データ69Bの出力を継続することができる。
また、撮像装置10では、撮像素子44として、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64が1チップ化された撮像素子が採用されている。これにより、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64が1チップ化されていない撮像素子に比べ、撮像素子44の可搬性が高くなる。また、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64が1チップ化されていない撮像素子に比べ、設計の自由度も高めることができる。更に、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64が1チップ化されていない撮像素子に比べ、撮像装置本体12の小型化にも寄与することができる。
また、図7に示すように、撮像素子44として、光電変換素子61にメモリ64が積層された積層型撮像素子が採用されている。これにより、光電変換素子61とメモリ64とを接続する配線を短くすることができるため、配線遅延を減らすことができ、この結果、光電変換素子61とメモリ64とが積層されていない場合に比べ、光電変換素子61からメモリ64への画像データ69の転送速度を高めることができる。転送速度の向上は、処理回路62全体での処理の高速化にも寄与する。また、光電変換素子61とメモリ64とが積層されていない場合に比べ、設計の自由度も高めることができる。更に、光電変換素子61とメモリ64とが積層されていない場合に比べ、撮像装置本体12の小型化にも寄与することができる。
また、撮像装置10では、デジタル画像データ69Bに基づくライブビュー画像等が第2ディスプレイ86に表示される。これにより、デジタル画像データ69Bにより示される画像をユーザに視認させることができる。
更に、撮像装置10では、通信I/F62E2から信号処理回路50に出力された最新のデジタル画像データ69BがCPU46Aによって二次記憶装置80、USBメモリ、及び/又はメモリカード等に記憶される。また、通信I/F62E3から信号処理回路50に出力された1フレーム前のデジタル画像データ69Bも、CPU46Aによって二次記憶装置80、USBメモリ、及び/又はメモリカード等に記憶される。これにより、被写体が撮像されることで得られた全フレーム分のデジタル画像データ69Bを過不足なく管理することができる。
なお、上記第1実施形態では、第2出力がコントローラ46からの要求に応じて行われる場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、上述した「N+1回目のデジタル信号処理」により得られたデジタル画像データ69Bのセレクタ62Cによる通信I/F62E3への転送が開始されたことを条件に第2出力が開始されるようにしてもよい。また、上述した「N+1回目のデジタル信号処理」により得られたデジタル画像データ69Bのデジタル処理回路62Bによるセレクタ62Cへの出力が開始されたことを条件に第2出力が開始されるようにしてもよい。何れにしても、メモリ64への書き込みが行われない期間に第2出力が開始されるようにすればよい。
また、上記第1実施形態では、セレクタ62Cから通信I/F62E3に転送されたデジタル画像データ69Bが通信ライン55を介して信号処理回路50に出力される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、セレクタ62Cと通信I/F62E3との間の画像処理回路(図示省略)によってデジタル画像データ69Bに対して何らかの画像処理が施されることで得た画像データが通信I/F62E3によって信号処理回路50に出力されるようにしてもよい。ここで、上記の画像処理としては、例えば、間引き処理及び加算処理等の公知の画像処理が挙げられる。なお、セレクタ62Cと通信I/F62E3との間の画像処理回路によってデジタル画像データ69Bに対して何らかの画像処理が施されることで得た画像データは、本開示の技術に係る「第1画像データ」の一例である。
また、上記第1実施形態では、メモリ64に記憶されたデジタル画像データ69Bが通信I/F62E2によって信号処理回路50に出力される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、メモリ64に記憶されたデジタル画像データ69Bに対して制御回路62Dによって上記の画像処理が施されることで得られた画像データが通信I/F62E2を介して信号処理回路50に出力されるようにしてもよい。なお、メモリ64に記憶されたデジタル画像データ69Bに対して制御回路62Dによって上記の画像処理が施されることで得られた画像データは、本開示の技術に係る「第2画像データ」の一例である。
また、上記第1実施形態では、通信I/F62E2及び通信I/F62E3の各々から出力されたデジタル画像データ69Bに基づく各画像がCPU46Aによってディスプレイに表示される形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、通信I/F62E2又は通信I/F62E3から信号処理回路50に出力されたデジタル画像データ69Bに基づく画像がCPU46Aによってディスプレイに表示されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、通信I/F62E2及び通信I/F62E3の各々から出力されたデジタル画像データ69BがCPU46Aによって二次記憶装置80等に記憶される形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、通信I/F62E2又は通信I/F62E3から信号処理回路50に出力されたデジタル画像データ69BがCPU46Aによって二次記憶装置80等に記憶されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、撮像素子44として、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64が1チップ化された撮像素子を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、光電変換素子61、処理回路62、及びメモリ64のうち、少なくとも光電変換素子61及びメモリ64が1チップ化されていればよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、第1出力と第2出力とが並行して行われる形態例を挙げて説明したが、本第2実施形態では、第1出力と第2出力とが交互に行われる形態例について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。以下では、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。
本第2実施形態に係る撮像装置10は、一例として図12に示すにように、通信ライン57から分岐した通信ライン59が信号処理回路50に接続されている点が上記第1実施形態と異なる。なお、本第2実施形態の説明においては、説明の便宜上、本第2実施形態に係る撮像装置10を、単に「撮像装置10」と称する。
通信ライン57から分岐した通信ライン59が信号処理回路50に接続されているため、コントローラ46から出力された読出同期信号は通信ライン59を介して信号処理回路50に入力される。従って、信号処理回路50は、コントローラ46から通信ライン59を介して入力された読出同期信号に応じた動作を行うことが可能となる。
信号処理回路50には、コントローラ46から通信ライン59を介して垂直同期信号が入力される。信号処理回路50は、垂直同期信号の入力タイミングに従って垂直ブランキング期間を特定する。そして、信号処理回路50は、垂直ブランキング期間に入ると、処理回路62に対して第2出力の開始を要求する出力要求信号を生成し、生成した出力要求信号を、通信ライン53を介して通信I/F62E2に出力する。出力要求信号は、通信I/F62E2から制御回路62Dに転送される。通信I/F62E2から制御回路62Dに出力要求信号が転送されると、第2出力が開始される。第2出力では、上記第1実施形態で説明したように、第2伝送路を用いてデジタル画像データ69Bが伝送される。
すなわち、制御回路62Dは、通信I/F62E2から出力要求信号が転送されると、メモリ64からデジタル画像データ69Bを取得し、取得したデジタル画像データ69Bを通信I/F62E2に出力する。通信I/F62E2は、制御回路62Dから入力されたデジタル画像データ69Bを、通信ライン53を介して信号処理回路50に出力する。
一例として図13及び図14に示すように、撮像素子44では、撮像処理と出力処理とが行われる。図13に示す撮像処理では、上記第1実施形態と同様に、光電変換素子61による露光、アナログ画像データ69Aの読み出し、光電変換素子61のリセット、デジタル信号処理、及びデジタル画像データ69Bのメモリ64への記憶が行われる。
一例として図14に示すように、出力処理では、第1出力と第2出力とが交互に行われる。垂直同期信号がコントローラ46から処理回路62に入力されると、上記第1実施形態で説明した第1出力が行われる。そして、垂直ブランキング期間に、信号処理回路50から処理回路62に出力要求信号が入力されると、上記第1実施形態で説明した第2出力が行われる。
ところで、コントローラ46から垂直同期信号が撮像素子44に入力されると、光電変換素子61からの1フレーム分のアナログ画像データ69Aの読み出しが開始される。そして、アナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理が行われることで得られたデジタル画像データ69Bがセレクタ62Cによって制御回路62Dに転送され、制御回路62Dによってメモリ64に記憶される。メモリ64はDRAMであるので、制御回路62Dによるメモリ64に対する書き込み期間は、制御回路62Dによるメモリ64からの読み出しは行えない。
そこで、一例として図15に示すように、メモリ64への書き込み期間では、制御回路62Dに依拠しない第1出力が行われる。すなわち、1フレーム分の最新のデジタル画像データ69Bが、デジタル処理回路62Bからセレクタ62Cに出力され、セレクタ62Cによって通信I/F62E3に転送される。そして、1フレーム分の最新のデジタル画像データ69Bは、通信I/F62E3によって通信ライン55を介して信号処理回路50に出力される。
第1出力が完了すると、垂直ブランキング期間に入る。垂直ブランキング期間では、メモリ64への書き込みが行われないので、制御回路62Dによるメモリ64からの読み出しを行うことが可能となる。
そこで、一例として図15に示すように、垂直ブランキング期間、すなわち、メモリ64からの読み出し期間では、制御回路62Dによるメモリ64からのデジタル画像データ69Bの読み出しを伴う第2出力が行われる。すなわち、1フレーム前に得られた1フレーム分のデジタル画像データ69Bが、制御回路62Dによってメモリ64から読み出され、通信I/F62E2に転送される。そして、メモリ64から読み出された1フレーム分のデジタル画像データ69Bは、通信I/F62E2によって通信ライン53を介して信号処理回路50に出力される。
垂直同期信号が撮像素子44に入力されると、次に垂直同期信号が撮像素子44に入力されるまでの間、第1出力及び第2出力が順次に行われ、結果的に、一例として図15に示すように、第1出力と第2出力とが交互に行われる。これは、第1出力が、第2出力が行われる期間とは異なる期間に行われるということを意味する。すなわち、第1出力が行われる前の垂直ブランキング期間、及び第1出力が行われた後の垂直ブランキング期間に第2出力が行われる。なお、第2出力が行われる期間とは異なる期間は、本開示の技術に係る「第2出力部による第2画像データの出力期間とは異なる期間」の一例である。
次に、撮像装置10の作用について説明する。
先ず、撮像素子44の処理回路62によって実行される撮像処理の流れについて図16を参照しながら説明する。
図16に示す撮像処理では、先ず、ステップST50で、制御回路62Dは、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST50において、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、撮像処理はステップST58へ移行する。ステップST50において、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、撮像処理はステップST52へ移行する。
ステップST52で、読出回路62Aは、アナログ画像データ69Aの読み出し及び光電変換素子61のリセットを行い、その後、撮像処理はステップST54へ移行する。
ステップST54で、デジタル処理回路62Bは、アナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理を行い、その後、撮像処理はステップST56へ移行する。
ステップST54においてアナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理が行われることで得られたデジタル画像データ69Bは、セレクタ62Cに出力され、セレクタ62Cは、デジタル画像データ69Bを制御回路62Dに転送する。
ステップST56で、制御回路62Dは、デジタル画像データ69Bをメモリ64に記憶し、その後、撮像処理はステップST58へ移行する。
ステップST58で、制御回路62Dは、撮像処理を終了する条件(以下、「撮像処理終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。撮像処理終了条件の一例としては、撮像処理を終了させる指示が受付デバイス84(図5参照)によって受け付けられた、との条件が挙げられる。ステップST58において、撮像処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、撮像処理はステップST50へ移行する。ステップST58において、撮像処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、撮像処理が終了する。
次に、撮像素子44の処理回路62によって実行される出力処理の流れについて図17を参照しながら説明する。
図17に示す出力処理では、ステップST100で、制御回路62Dは、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST100において、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、出力処理はステップST106へ移行する。ステップST100において、コントローラ46からの垂直同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST102へ移行する。
ステップST102で、制御回路62Dは、セレクタ62C及び通信I/F62E3を制御することで、第1出力を開始し、その後、出力処理はステップST104へ移行する。なお、第1出力が行われている間、図16に示す撮像処理が実行されており、メモリ64に対するデジタル画像データ69Bの書き込みが行われている。
ステップST104で、制御回路62Dは、第1出力が終了したか否かを判定する。第1出力の終了とは、1フレーム分の最新のデジタル画像データ69Bの出力の終了を指す。ステップST104において、第1出力が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップST104の判定が再び行われる。ステップST104において、第1出力が終了した場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST106へ移行する。
ステップST106で、制御回路62Dは、垂直ブランキング期間に入ったか否かを判定する。ステップST106において、垂直ブランキング期間に入っていない場合は、判定が否定されて、出力処理はステップST114へ移行する。ステップST106において、垂直ブランキング期間に入った場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST108へ移行する。
垂直ブランキング期間に入ると、信号処理回路50から通信ライン53を介して通信I/F62E2に出力要求信号が出力される。
そこで、ステップST108で、制御回路62Dは、出力要求信号が通信I/F62E2によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST108において、出力要求信号が通信I/F62E2によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、出力処理はステップST114へ移行する。ステップST108において、出力要求信号が通信I/F62E2によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST110へ移行する。
ステップST110で、制御回路62Dは、第2出力を開始し、その後、出力処理はステップST112へ移行する。第2出力が開始されると、メモリ64に記憶されている1フレーム分のデジタル画像データ69Bが読み出され、通信I/F62E2によって通信ライン53を介して信号処理回路50に出力される。
ステップST112で、制御回路62Dは、第2出力が終了したか否かを判定する。第2出力の終了とは、メモリ64に記憶されている1フレーム分のデジタル画像データ69B、すなわち、1フレーム前に得られた1フレーム分のデジタル画像データ69Bの出力の終了を指す。ステップST112において、第2出力が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップST112の判定が再び行われる。ステップST112において、第2出力が終了した場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST114へ移行する。
ステップST114で、制御回路62Dは、出力処理を終了する条件(以下、「出力処理終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。出力処理終了条件の一例としては、出力処理を終了させる指示が受付デバイス84(図5参照)によって受け付けられた、との条件が挙げられる。ステップST114において、出力処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、出力処理はステップST100へ移行する。ステップST114において、出力処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、出力処理が終了する。
以上説明したように、撮像装置10では、第1出力が、第2出力が行われる期間とは異なる期間に行われる。これにより、信号処理回路50に対してデジタル画像データ69Bを滞りなく出力することができる。
また、撮像装置10では、第1出力が行われる前の垂直ブランキング期間、及び第1出力が行われた後の垂直ブランキング期間に第2出力が行われる。これにより、デジタル画像データ69Bのメモリ64への書き込み動作に起因して撮像素子44から信号処理回路50への出力が停滞することを回避することができる。
なお、上記第2実施形態では、第1出力が行われる前の垂直ブランキング期間、及び第1出力が行われた後の垂直ブランキング期間の両方で第2出力が行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。第1出力が行われる前の垂直ブランキング期間、又は第1出力が行われた後の垂直ブランキング期間に第2出力が行われるようにしてもよい。
[第3実施形態]
上記第2実施形態では、垂直同期信号の入力に応じて第1出力と第2出力とが交互に行われる形態例を示したが、本第3実施形態では、水平同期信号の入力に応じて第1出力と第2出力とが交互に行われる場合について説明する。なお、本第3実施形態では、上記第2実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。以下では、上記第2実施形態と異なる部分について説明する。
本第3実施形態に係る撮像装置10では、一例として図18及び図19に示すように撮像処理及び出力処理が行われる。図18に示す撮像処理では、光電変換素子61による露光、アナログ画像データ69Aの読み出し、光電変換素子61のリセット、デジタル信号処理、及びデジタル画像データ69Bのメモリ64への記憶が行われる。
一例として図12に示すように、信号処理回路50には、コントローラ46から通信ライン59を介して水平同期信号が入力される。信号処理回路50は、水平同期信号の入力タイミングに従って水平ブランキング期間を特定する。そして、信号処理回路50は、水平ブランキング期間に入ると、処理回路62に対して第2出力の開始を要求する出力要求信号を生成し、生成した出力要求信号を、通信ライン53を介して通信I/F62E2に出力する。出力要求信号は、通信I/F62E2から制御回路62Dに転送される。通信I/F62E2から制御回路62Dに出力要求信号が転送されると、第2出力が開始される。第2出力では、上記第1及び第2実施形態で説明したように、第2伝送路を用いてデジタル画像データ69Bが伝送される。
一例として図18及び図19に示すように、撮像素子44では、撮像処理と出力処理とが行われる。図18に示す撮像処理では、上記第1実施形態と同様に、光電変換素子61による露光、アナログ画像データ69Aの読み出し、光電変換素子61のリセット、デジタル信号処理、及びデジタル画像データ69Bのメモリ64への記憶が行われる。
コントローラ46から撮像素子44に対して水平同期信号が入力されると、一例として図18に示すように、1水平ライン分のアナログ画像データ69Aの読み出し及び光電変換素子61のリセットが行われ、読み出された1水平ライン分のアナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理が行われる。1水平ライン分のアナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理が行われることで得られた1水平ライン分のデジタル画像データ69Bは、デジタル処理回路62Bからセレクタ62Cに出力される。そして、1水平ライン分のデジタル画像データ69Bは、セレクタ62Cから制御回路62Dに転送され、制御回路62Dによってメモリ64に記憶される。
一例として図19に示すように、出力処理では、第1出力と第2出力とが交互に行われる。水平同期信号がコントローラ46から処理回路62に入力されると、第1出力が行われる。そして、水平ブランキング期間に、信号処理回路50から処理回路62に出力要求信号が入力されると、第2出力が行われる。
ところで、コントローラ46から水平同期信号が撮像素子44に入力されると、光電変換素子61からの1水平ライン分のアナログ画像データ69Aの読み出しが開始される。そして、1水平ライン分のアナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理が行われることで得られた1水平ライン分のデジタル画像データ69Bがセレクタ62Cによって制御回路62Dに転送され、制御回路62Dによってメモリ64に記憶される。メモリ64はDRAMであるので、制御回路62Dによるメモリ64に対する書き込み期間は、制御回路62Dによるメモリ64からの読み出しは行えない。
そこで、一例として図20に示すように、メモリ64への書き込み期間(図20に示す「書込期間」)では、制御回路62Dに依拠しない第1出力が行われる。すなわち、1水平ライン分の最新のデジタル画像データ69Bが、デジタル処理回路62Bからセレクタ62Cに出力され、セレクタ62Cによって通信I/F62E3に転送される。そして、1水平ライン分の最新のデジタル画像データ69Bは、通信I/F62E3によって通信ライン55を介して信号処理回路50に出力される。
第1出力が完了すると、水平ブランキング期間に入る。水平ブランキング期間は、非書込期間である。非書込期間とは、メモリ64への書き込みが行われない期間を指す。このように、水平ブランキング期間では、メモリ64への書き込みが行われないので、制御回路62Dによるメモリ64からの読み出しを行うことが可能となる。
そこで、一例として図20に示すように、水平ブランキング期間、すなわち、メモリ64からの読み出し期間では、制御回路62Dによるメモリ64からのデジタル画像データ69Bの読み出しを伴う第2出力が行われる。すなわち、1ライン前に得られた1水平ライン分のデジタル画像データ69Bが、制御回路62Dによってメモリ64から読み出され、通信I/F62E2に転送される。そして、メモリ64から読み出された1水平ライン分のデジタル画像データ69Bは、通信I/F62E2によって通信ライン53を介して信号処理回路50に出力される。
水平同期信号が撮像素子44に入力されると、次に水平同期信号が撮像素子44に入力されるまでの間、第1出力及び第2出力が順次に行われ、結果的に、一例として図20に示すように、第1出力と第2出力とが交互に行われる。第1出力が、第2出力が行われる期間とは異なる期間に行われるということを意味する。すなわち、第1出力が行われる前の水平ブランキング期間、及び第1出力が行われた後の水平ブランキング期間に第2出力が行われる。なお、図20に示す「DT」とは、1ライン分のデジタル画像データ69Bを意味する。
次に、撮像装置10の作用について説明する。
先ず、撮像素子44の処理回路62によって実行される撮像処理の流れについて図21を参照しながら説明する。
図21に示す撮像処理では、先ず、ステップST200で、制御回路62Dは、コントローラ46からの水平同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST200において、コントローラ46からの水平同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、撮像処理はステップST208へ移行する。ステップST200において、コントローラ46からの水平同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、撮像処理はステップST202へ移行する。
ステップST202で、読出回路62Aは、アナログ画像データ69Aの読み出し及び光電変換素子61のリセットを行い、その後、撮像処理はステップST204へ移行する。
ステップST204で、デジタル処理回路62Bは、アナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理を行い、その後、制御処理はステップST206へ移行する。
ステップST204においてアナログ画像データ69Aに対してデジタル信号処理が行われることで得られたデジタル画像データ69Bは、セレクタ62Cに出力され、セレクタ62Cは、デジタル画像データ69Bを制御回路62Dに転送する。
ステップST206で、制御回路62Dは、デジタル画像データ69Bをメモリ64に記憶し、その後、撮像処理はステップST208へ移行する。
ステップST208で、制御回路62Dは、上述の撮像処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップST208において、撮像処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、撮像処理はステップST200へ移行する。ステップST208において、撮像処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、撮像処理が終了する。
次に、撮像素子44の処理回路62によって実行される出力処理の流れについて図22を参照しながら説明する。
図22に示す出力処理では、ステップST250で、制御回路62Dは、コントローラ46からの水平同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST250において、コントローラ46からの水平同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、出力処理はステップST256へ移行する。ステップST250において、コントローラ46からの水平同期信号が通信I/F62E1によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST252へ移行する。
ステップST252で、制御回路62Dは、セレクタ62C及び通信I/F62E3を制御することで、第1出力を開始し、その後、出力処理はステップST254へ移行する。なお、第1出力が行われている間、図18に示す撮像処理が実行されており、メモリ64に対するデジタル画像データ69Bの書き込みが行われている。
ステップST254で、制御回路62Dは、第1出力が終了したか否かを判定する。第1出力の終了とは、1水平ライン分の最新のデジタル画像データ69Bの出力の終了を指す。ステップST254において、第1出力が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップST254の判定が再び行われる。ステップST254において、第1出力が終了した場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST256へ移行する。
ステップST256で、制御回路62Dは、水平ブランキング期間に入ったか否かを判定する。ステップST256において、水平ブランキング期間に入っていない場合は、判定が否定されて、出力処理はステップST264へ移行する。ステップST256において、水平ブランキング期間に入った場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST258へ移行する。
水平ブランキング期間に入ると、信号処理回路50から通信ライン53を介して通信I/F62E2に出力要求信号が出力される。
そこで、ステップST258で、制御回路62Dは、出力要求信号が通信I/F62E2によって受け付けられたか否かを判定する。ステップST258において、出力要求信号が通信I/F62E2によって受け付けられていない場合は、判定が否定されて、出力処理はステップST264へ移行する。ステップST258において、出力要求信号が通信I/F62E2によって受け付けられた場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST260へ移行する。
ステップST260で、制御回路62Dは、第2出力を開始し、その後、出力処理はステップST262へ移行する。第2出力が開始されると、メモリ64に記憶されている1フレーム分のデジタル画像データ69Bが読み出され、通信I/F62E2によって通信ライン53を介して信号処理回路50に出力される。
ステップST262で、制御回路62Dは、第2出力が終了したか否かを判定する。第2出力の終了とは、メモリ64に記憶されている1フレーム分のデジタル画像データ69B、すなわち、1フレーム前に得られた1フレーム分のデジタル画像データ69Bの出力の終了を指す。ステップST262において、第2出力が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップST262の判定が再び行われる。ステップST262において、第2出力が終了した場合は、判定が肯定されて、出力処理はステップST264へ移行する。
ステップST264で、制御回路62Dは、上述の出力処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップST264において、出力処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、出力処理はステップST250へ移行する。ステップST264において、出力処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、出力処理が終了する。
以上説明したように、撮像装置10では、第1出力が行われる前の水平ブランキング期間、及び第1出力が行われた後の水平ブランキング期間に第2出力が行われる。これにより、デジタル画像データ69Bのメモリ64への書き込み動作に起因して撮像素子44から信号処理回路50への出力が停滞することを回避することができる。
なお、上記第3実施形態では、第1出力が行われる前の水平ブランキング期間、及び第1出力が行われた後の水平ブランキング期間の両方で第2出力が行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。第1出力が行われる前の水平ブランキング期間、又は第1出力が行われた後の水平ブランキング期間に第2出力が行われるようにしてもよい。
また、上記第3実施形態では、水平ブランキング期間に第2出力が行われる場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図23Aに示すように、第1出力が行われる前のデジタル信号処理期間に第2出力が行われるようにしてもよい。ここで、デジタル信号処理期間とは、デジタル処理回路62Bによってデジタル信号処理が行われる期間を指す。デジタル信号処理期間は、上述した非書込期間に含まれている。非書込期間では、メモリ64に対する書き込みが行われていないので、メモリ64からデジタル画像データ69Bを読み出すことが可能となる。すなわち、上述の第2伝送路を用いてメモリ64から信号処理回路50にデジタル画像データ69Bを伝送することが可能となる。一例として図23Aに示すように、デジタル信号処理期間に第2出力が行われるようにすることで、デジタル画像データ69Bのメモリ64への書き込み動作に起因して撮像素子44から信号処理回路50への出力が停滞することを回避することができる。
また、デジタル信号処理期間には、A/D変換期間が含まれる。A/D変換期間とは、A/D変換器62B1(図12参照)によってA/D変換が行われる期間を指す。このように、デジタル信号処理期間にA/D変換期間が含まれるので、一例として図23Bに示すように、A/D変換期間に第2出力が行われるようにしてもよい。これにより、デジタル画像データ69Bのメモリ64への書き込み動作に起因して撮像素子44から信号処理回路50への出力が停滞することを回避することができる。
また、上記各実施形態では、処理回路62がASIC及びFPGAを含むデバイスによって実現される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、上述した撮像処理は、コンピュータによるソフトウェア構成により実現されるようにしてもよい。
この場合、例えば、図24に示すように、撮像素子44に内蔵されたコンピュータ852に、上述した制御処理、撮像処理、及び出力処理を実行させるための各種プログラムを記憶媒体900に記憶させておく。
各種プログラムとは、制御プログラム902、撮像プログラム904、及び出力プログラム906を指す。制御プログラム902は、上述した制御処理をコンピュータ852に実行させるためのプログラムである。撮像プログラム904は、上述した撮像処理をコンピュータ852に実行させるためのプログラムである。出力プログラム906は、上述した出力処理をコンピュータ852に実行させるためのプログラムである。
一例として図24に示すように、コンピュータ852は、CPU852A、ROM852B、及びRAM852Cを備えている。そして、記憶媒体900に記憶されている各種プログラムは、コンピュータ852にインストールされる。CPU852Aは、制御プログラム902に従って、上述した制御処理を実行する。また、CPU852Aは、撮像プログラム904に従って、上述した撮像処理を実行する。更に、CPU852Aは、出力プログラム906に従って、上述した出力処理を実行する。
ここでは、CPU852Aとして、単数のCPUを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、CPU852Aに代えて複数のCPUを採用してもよい。なお、記憶媒体900は、非一時的記憶媒体である。記憶媒体900の一例としては、SSD又はUSBメモリなどの任意の可搬型の記憶媒体が挙げられる。
図24に示す例では、記憶媒体900に各種プログラムが記憶されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、ROM852Bに各種プログラムを予め記憶させておき、CPU852AがROM852Bから各種プログラムを読み出し、RAM852Cに展開し、展開した各種プログラムを実行するようにしてもよい。
また、通信網(図示省略)を介してコンピュータ852に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に各種プログラムを記憶させておき、撮像装置10の要求に応じて各種プログラムがコンピュータ852にダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされた各種プログラムがコンピュータ852のCPU852Aによって実行される。
また、コンピュータ852は、撮像素子44の外部に設けられるようにしてもよい。この場合、コンピュータ852が各種プログラムに従って処理回路62を制御するようにすればよい。
上記各実施形態で説明した制御処理、撮像処理、及び出力処理(以下、「各種処理」と称する)を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、上述したように、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、各種処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。
各種処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、各種処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、撮像素子内処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC(System-on-a-chip)などに代表されるように、各種処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、撮像素子内処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。
また、上記各実施形態では、撮像装置10としてレンズ交換式カメラを例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図25に示すスマートデバイス950に対して本開示の技術を適用するようにしてもよい。一例として図25に示すスマートデバイス950は、本開示の技術に係る撮像装置の一例である。スマートデバイス950には、上記実施形態で説明した撮像素子44が搭載されている。このように構成されたスマートデバイス950であっても、上記各実施形態で説明した撮像装置10と同様の作用及び効果が得られる。なお、スマートデバイス950に限らず、パーソナル・コンピュータ又はウェアラブル端末装置に対しても本開示の技術は適用可能である。
また、上記各実施形態では、第1ディスプレイ32及び第2ディスプレイ86を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、撮像装置本体12に対して後付けされた別体のディスプレイを、本開示の技術に係る「表示部(ディスプレイ)」として用いるようにしてもよい。
また、上記の各種処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。