JP7022653B2 - 抗ウイルス性繊維用加工剤および抗ウイルス性繊維用処理液、それにより加工処理された抗ウイルス性繊維製品ならびにその製造方法 - Google Patents

抗ウイルス性繊維用加工剤および抗ウイルス性繊維用処理液、それにより加工処理された抗ウイルス性繊維製品ならびにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、繊維製品に抗ウイルス性を付与する抗ウイルス性繊維用加工剤および抗ウイルス性繊維用処理液、それにより加工処理された耐水性、洗濯耐久性を有する抗ウイルス性繊維製品ならびにその製造方法に関するものである。
人インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザウイルス(人インフルエンザウイルスと同属)、ノロウイルス、エボラ出血熱ウイルス、エイズウイルス等、ウイルスによる人、家畜の生命的、経済的損失は甚大である。近年、ノロウイルスは、冬季に集団食中毒を引き起こし、老人や免疫不全者の合併症による死亡例も報告されている。また、鳥インフルエンザウイルスによるパンデミックの危険性がWHOにより指摘されている。
このような脅威に対して、抗ウイルス性化合物を、手指や硬表面にスプレーしたり塗布したりして消毒を行う消毒液として用いるのではなく、衣料を含む各種の家庭用品や産業用資材に、直接抗ウイルス性化合物を付与して、その効果を持続させる方法についても、様々な検討がなされている。そして、このような場合に用いる抗ウイルス性化合物としては、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(DDAC)がよく知られている(例えば、特許文献1参照)。また、前記DDACとは異なるポリマー系抗ウイルス性化合物として、ポリアルキレンビグアナイド系化合物が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5参照)。
特開2013-40167号公報 特開2006-340949号公報 特開2013-14551号公報 特開平7-82665号公報 特開2010-18915号公報
しかしながら、特許文献1記載のジデシルジメチルアンモニウムクロライド(DDAC)は、特に人インフルエンザウイルスに優れた抗ウイルス性を示すものの、プリント加工の前処理剤として使用されることがあり、繊維製品に高濃度に残存した場合、皮膚障害を引き起こすことが判明した。したがって、繊維製品に対し安全に用いることができ、しかもDDACと同等以上の抗ウイルス性を示す、優れた抗ウイルス剤の開発が求められている。
一方、特許文献2には、ポリヘキサメチレンビグアナイド系化合物を不織布基材に含有させた例が開示されているが、ウイルスに対して実際の抗ウイルス効果を発揮するかについての検証が不明である。すなわち、特許文献2では、ウイルスの不活性化には薬剤のpHが重要であるとし、pH調整剤の使用を必須とし、ポリヘキサメチレンビグアナイド系化合物は、抗菌性の延長として単に抗ウイルス性があると主張したに過ぎないものである。さらに、当該発明には、有機バインダーが用いられていないため、洗濯耐久性が極めて低いことが予想され、洗濯を繰り返し行った際には抗ウイルス活性は得られないと考えられる。
また、特許文献3には、ポリアルキレンビグアナイド系化合物と陽イオン界面活性剤との混合物が開示されているが、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤はウイルス活性効果がないと記載されている(特許文献3:段落[0002],[0003])。このため、これらを単に混合させたのみでは、充分な抗ウイルス活性が得られないと考えられる。
そして、特許文献4には、ポリヘキサメチレンビグアナイド系化合物及び架橋剤を含む水溶液を繊維と接触させ固着する加工工程により抗菌性繊維を製造する方法が例示されているが、この抗菌性繊維が抗ウイルス効果を発現することは明示されていない。また、ポリヘキサメチレンビグアナイド系化合物のみでは、そもそも充分な抗ウイルス活性は期待できない。
さらに、特許文献5には、ポリヘキサメチレンビグアナイドと、展着剤および/またはバインダーとを含有する抗ウイルス性付与剤を繊維製品に含ませた抗ウイルス性繊維製品が開示されている。しかし、ポリヘキサメチレンビグアナイドが繊維製品になじみにくい場合には、展着剤やバインダーを併用してポリヘキサメチレンビグアナイドとの親和性を高めるとの記載があるが(特許文献5:段落[0011])、実際には、展着剤とバインダーを併用しても、繊維への付着量の増加は満足できるものではなく、しかも抗ウイルス剤として、ポリヘキサメチレンビグアナイドのみの使用では、抗ウイルス活性を発現するには充分とは言えないものであった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、実質的にDDACを含有せずに優れた抗ウイルス性を発揮することができ、また、ポリアルキレンビグアナイド系化合物、あるいはポリアルキレンビグアナイド系化合物と有機バインダーの組み合わせでは得られない優れた抗ウイルス性を発現することが可能であり、その抗ウイルス性が、耐水性、洗濯耐久性を備えたものとなる、抗ウイルス性繊維製品の加工処理に用いる抗ウイルス性繊維用加工剤およびそれを含有する処理液、それにより加工処理された抗ウイルス性繊維製品ならびにその製造方法の提供を、その目的とする。
上記の目的を達成するため、抗ウイルス剤(A)と塩化ベンザルコニウム(B)とを有する抗ウイルス性繊維用加工剤であって、上記抗ウイルス剤(A)が下記の式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩の少なくとも一方であることを特徴とする抗ウイルス性繊維用加工剤を第1の要旨とする。
Figure 0007022653000001
[式中、R1は炭素数2~8のアルキレン基、nは2~18の整数を示す]
また、本発明は、さらに有機バインダー(C)を有するものを第2の要旨とし、上記抗ウイルス剤(A)のポリアルキレンビグアナイド化合物が、ポリヘキサメチレンビグアナイド化合物であるものを第3の要旨とし、上記有機バインダー(C)が、メラミン系化合物およびグリオキサール系化合物の少なくとも一方であるものを第4の要旨とする。
そして、本発明は、抗ウイルス性繊維製品を製造するために繊維製品に接触させる処理液であって、上記処理液が、抗ウイルス剤(A)、塩化ベンザルコニウム(B)および有機バインダー(C)を有し、上記抗ウイルス剤(A)が、下記の式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩の少なくとも一方である抗ウイルス性繊維用処理液を第5の要旨とし、なかでも本発明の第1~4の要旨のいずれかの抗ウイルス性繊維用加工剤を有するものを第6の要旨とする。
Figure 0007022653000002
[式中、R1は炭素数2~8のアルキレン基、nは2~18の整数を示す]
そして、上記抗ウイルス性繊維用処理液中における抗ウイルス剤(A)の濃度が、0.1重量%以上1.6重量%以下である抗ウイルス性繊維製用処理液を第7の要旨とし、上記抗ウイルス性繊維用処理液における塩化ベンザルコニウム(B)の濃度が、0.01重量%以上0.8%重量%以下である抗ウイルス性繊維用処理液を第8の要旨とする。
また、本発明は、上記抗ウイルス性繊維用処理液の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)が、繊維製品の少なくとも表面に固定された抗ウイルス性繊維製品を第9の要旨とし、そのなかでも、特に、社団法人繊維評価技術協議会が定める抗菌防臭加工の認定基準に準じた標準洗濯法における10回の洗濯処理後の抗ウイルス活性値が3.0以上であるものを第10の要旨とする。
さらに、本発明は、上記抗ウイルス性繊維製品を製造する方法であって、上記抗ウイルス性繊維用処理液に繊維製品を接触させ、上記抗ウイルス性繊維用処理液に接触させた繊維製品を90℃以上200℃以下の温度で加熱処理を行うことにより、上記抗ウイルス性繊維用処理液の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を上記繊維製品の少なくとも表面に固定させる抗ウイルス性繊維製品の製造方法を第11の要旨とする。
なお、本発明において、「繊維製品」とは、綿、麻、羊毛、絹その他の天然繊維、レーヨン、スフなどの化学繊維、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、アクリルなどの合成繊維、これらを主体とする織布、不織布、糸、集合体などのいわゆる繊維製品のいずれも含む趣旨である。
また、本発明において、「抗ウイルス性繊維用処理液の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を繊維製品に固定する」とは、抗ウイルス性繊維用処理液に含有される成分のうち、少なくともポリアルキレンビグアナイド化合物(またはその塩)(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を、有機バインダー(C)を介して繊維製品に固定化させることをいう。
すなわち、本発明者らは、各種の産業用資材や家庭用品(衣料を含む)等に用いられる繊維製品に、DDACを用いず、とりわけ人インフルエンザウイルスに対して高い抗ウイル性を付与する抗ウイルス性繊維用加工剤等を開発すべく鋭意検討を重ねた。その結果、従来、ヒトや動物に対して低刺激性であるものの、それ単独では所望の抗ウイルス性を得ることが困難であり、繊維製品への固定が弱く、数回の洗濯でほぼ除去される上記式(1)で示すポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩の少なくとも一方(A)と、抗菌剤として知られているが、抗ウイルス活性を示さない塩化ベンザルコニウム(B)とを組み合わせると、意外なことに、エンベロープ型ウイルス(人インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザ等)等に対して、ポリアルキレンビグアナイド系化合物単独では得られない、相乗効果的な優れた抗ウイルス性を発揮することを見いだし、本発明に到達した。
なお、抗菌剤として知られている化合物は多々あり、それらのなかには、特定のウイルスに対して抗ウイルス性を発揮するものもいくつか知られているが、本発明に用いる塩化ベンザルコニウム(B)が、単独では抗ウイルス活性を示さないものの、上記の式(1)で示すポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩の少なくとも一方(A)と併用することで、上記エンベロープ型ウイルスに対して、相乗効果的な優れた抗ウイルス活性を示すことは、本発明者らが初めて得た知見である。
このように、本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤によれば、実質的にDDACを含有しないため、安全性に優れ、皮膚障害等を引き起こすことがない。また、特定の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を含有するため、相乗効果的な優れた抗ウイルス性を発揮することができる。
また、さらに有機バインダー(C)を有するものであると、上記(A)および(B)成分を繊維表面及び内部に固定化することができ、耐水性、洗濯耐久性に優れる抗ウイルス性繊維用加工剤とすることができる。
そして、上記抗ウイルス剤(A)のポリアルキレンビグアナイド化合物が、ポリヘキサメチレンビグアナイド化合物であり、かつ塩化ベンザルコニウム(B)を併用することで、従来にない、とりわけ優れた抗ウイルス性を発揮することができる。
また、上記有機バインダー(C)が、メラミン系化合物およびグリオキサール系化合物の少なくとも一方であると、抗ウイルス性の耐水性、洗濯耐久性をより高めることができる。
そして、抗ウイルス性繊維製品を製造するために繊維製品に接触させる処理液であって、上記処理液が、抗ウイルス剤(A)、塩化ベンザルコニウム(B)および有機バインダー(C)を有し、上記抗ウイルス剤(A)が、上記の式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩の少なくとも一方である抗ウイルス性繊維用処理液によると、優れた抗ウイルス性を長期間にわたって発揮する抗ウイルス性繊維製品を得ることができる。
なかでも、上記抗ウイルス性繊維用処理液が、上記抗ウイルス性繊維用加工剤を有するものであると、上記抗ウイルス性繊維用加工剤を希釈等するだけで、確実かつ簡便に抗ウイルス繊維用処理液を調製することができる。
そして、上記抗ウイルス性繊維用処理液における抗ウイルス剤(A)の濃度が、0.1重量%以上1.6重量%以下である抗ウイルス性繊維用処理液によると、抗ウイルス性と安全性とのバランスに優れた抗ウイルス性繊維製品を得ることができる。
また、上記抗ウイルス性繊維用処理液における上記塩化ベンザルコニウム(B)の濃度が、0.01重量%以上0.8重量%以下であると、ポリアルキレンビグアナイド系化合物単独では得られない相乗効果的な優れた抗ウイルス性を示し、かつ抗ウイルス性と安全性とのバランスに優れた抗ウイルス性繊維製品を得ることができる。
さらに、上記抗ウイルス性繊維用処理液の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)が、繊維製品の少なくとも表面に固定された抗ウイルス性繊維製品は、様々なウイルスの中でも、とりわけエンベロープ型に対して優れた抗ウイルス性を示し、しかもその抗ウイルス性が耐水性、洗濯耐久性を備え、長く持続するという効果を奏する。また、その優れた抗ウイルス性を失うことなく、繰り返し水洗いや水拭き、洗濯が可能であることから、上記抗ウイルス性繊維製品を、長期にわたって清浄に保つことができるという利点を有する。
とりわけ、本発明の抗ウイルス性繊維製品のうち、社団法人繊維評価技術協議会が定める抗ウイルス加工の認定基準に準じた標準洗濯法における10回の洗濯処理後の抗ウイルス活性値が3.0以上であるものは、ウイルスの数を千分の1以下に減少させることができるものであり、とりわけ抗ウイルス性に優れる。
そして、本発明の抗ウイルス性繊維製品を製造する方法であって、上記抗ウイルス性繊維用処理液に繊維製品を接触させ、上記処理液に接触させた繊維製品を90℃以上200℃以下の温度で加熱処理を行うことにより、上記抗ウイルス性繊維用処理液の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を上記繊維製品の少なくとも表面に固定させる抗ウイルス性繊維製品の製造方法によると、様々なウイルスの中でも、とりわけエンベロープ型のウイルスに対して抗ウイルス性を発揮する特殊な抗ウイルス性繊維用処理液の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を、繊維製品に確実に固定することができるため、耐水性、洗濯耐久性に優れた抗ウイルス性繊維製品を提供することができる。また、その製造に特殊な装置等を用いる必要がなく、繊維製品に対し、抗ウイルス性繊維用処理液を接触させ、加熱処理する設備(繊維製品に対する染色処理設備等)があれば、それをそのまま流用することができるため、製造コストを低く抑えることができる。
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
<抗ウイルス性繊維製品>
まず、本発明が抗ウイルス性を付与することを対象とする繊維製品は、繊維そのもの、もしくはこれを用いたものであって、前述のとおり、その加工前に準備される繊維製品が、そのまま最終製品の形になっているものであってもよいし、繊維製品に変形を加えたり、他の部材を組み合わせて形状や構成を変えたりして、最終製品にするものであってもよい。
このような製品としては、各種産業用資材や家庭用品等があげられ、その繊維製品に用いられる繊維の種類は、前述のとおり、綿、麻、羊毛、絹その他の天然繊維、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の合成繊維、セルロース系樹脂、アセテート樹脂等の半合成繊維、それらの複合物、混合物があげられる。また、それら以外にも、合成繊維に合成繊維以外の成分(金属や無機物質等)を混合したものや、合成繊維と綿、アセテート、レーヨン、羊毛、絹等天然繊維の混紡品等をあげることができる。
これらの中でも、特に、抗ウイルス性繊維製品として需要が高く、しかもその洗濯耐久性が問題となる繊維として、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸樹脂等のポリエステル繊維、およびこれらと他の繊維との混紡品をあげることができ、これらを対象とすることが好適である。
なお、本発明において、対象とする繊維製品の形態としては、糸、紐、ロープ、生地(織地、編地、不織布)等があげられる。具体的な家庭用品の例としては、寝装寝具(カーテン、シーツ、タオル、布団地、布団綿、マット、カーペット、枕カバー等)、衣料(コート、スーツ、セーター、ブラウス、ワイシャツ、肌着、帽子、マスク、靴下、手袋等)、ユニフォーム(白衣、作業着、学童服等)等があげられる。また、樹脂シート、樹脂フィルム等の各種樹脂材料からなる家庭用品や産業用資材であってもよい。これらの例としては、介護シート、シャワーカーテン、車シート、シートカバー、天井材等の内装材、テント、防虫・防鳥ネット、間仕切りシ-ト、空調フィルタ、掃除機フィルタ、マスク、テーブルクロス、机下敷き、前掛け、壁紙、包装紙等があげられる。さらに、医療用品(医療ベッド、車椅子、滅菌袋等)や、衛生用品(便器、洗浄ブラシ、ダストボックス、使い捨て手袋、使い捨てマスク等)、調理用品(配膳台、トレー等)があげられる。
<抗ウイルス性繊維用加工剤>
[抗ウイルス剤(A)]
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤に用いられる抗ウイルス剤(A)は、下記の式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩の少なくとも一方である。
Figure 0007022653000003
[式中、R1は炭素数2~8のアルキレン基、nは2~18の整数を示す]
上記式(1)において、R1で示される炭素数2~8のアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン(ヘキサメチレン)、ヘプチレン(ヘプタメチレン)、オクチレン(オクタメチレン)等の直鎖状のもの、イソプロピレン、イソブチレン、イソペンチレン、ジメチルプロピレン、ジメチルブチレン等の分岐鎖状のものの双方を用いることができる。なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。また、抗ウイルス性をより高める点から、炭素数4~8のアルキレン基が好ましく、ヘキサメチレン基が特に好ましく用いられる。なお、式(1)におけるnは2~18の整数であるが、抗ウイルス性、取扱い性等を考慮すると、好ましくは10~14、より好ましくは11~13である。
上記式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物は、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸との塩、または酢酸、乳酸、グルコン酸等の有機酸との塩の形態でも用いることができる。上記塩の中では、塩酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩が好ましく、塩酸塩が最も好ましく用いられる。
本発明において、上記式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩としては、公知の方法にしたがって製造したものを用いることができるが、市販の製品を用いてもよい。市販製品としては、例えば、理工協産社製「エクリンサイドBG」、ロンザジャパン社製「プロキセルIB」等があげられる。
上記式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤における上記抗ウイルス剤(A)は、この抗ウイルス性繊維用加工剤を各種溶液で希釈し、抗ウイルス性繊維用処理液に調製したときに、上記抗ウイルス性繊維用処理液中における上記抗ウイルス剤(A)の濃度が、0.1重量%以上1.6重量%以下、より好ましくは、0.15重量%以上1重量%以下とすることができれば、どのような割合で含有されていてもよい。すなわち、対象とする繊維製品に対し、上記抗ウイルス剤(A)を絞り率100%として0.1%owf以上1.6%owf以下とすることができるものが好ましく、0.15%owf以上1.0%owf以下とすることができるものがより好ましい。上記「owf」は、「on weight of fiber、繊維製品に対する重量。w/w」で定義される単位である。
[塩化ベンザルコニウム(B)]
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤に用いられる塩化ベンザルコニウム(B)は、抗菌剤として知られているものであり、公知の方法にしたがって製造したものを用いることができるが、市販の製品を用いてもよい。市販製品としては、例えば、日本製薬社製「オスバン」、丸石製薬社製「ウエルパス」等があげられる。
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤における上記塩化ベンザルコニウム(B)は、この抗ウイルス性繊維用加工剤を各種溶液で希釈し、抗ウイルス性繊維製用処理液に調製したときに、上記塩化ベンザルコニウム(B)の濃度が、0.01重量%以上0.8重量%以下、より好ましくは0.02重量%以上0.6重量%以下とすることができれば、どのような割合で含有されていてもよい。すなわち、対象とする繊維製品に対し、上記塩化ベンザルコニウム(B)を絞り率100%として0.01%owf以上0.8%owf以下とすることができるものが好ましく、0.02%owf以上0.6%owf以下とすることができるものがより好ましい。
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤において、上記抗ウイルス剤(A)と塩化ベンザルコニウム(B)との配合比は、通常、重量比で(A):(B)=1:0.005~1:8の範囲にあるが、(B)の配合量が、(A)の配合量と同量か、より少ないことが好ましく、より好ましくは、重量比で(A):(B)=1:0.01~1:1の範囲である。
[有機バインダー(C)]
本発明に用いられる有機バインダー(C)は、接合効果を有する化合物をいい、例えば、メラミン系化合物、グリオキサール系化合物、ウレタン系化合物、ブロック化イソシアネート系化合物、シリコーン系化合物、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、オルガノシロキサンとしてシリコーンを含有するアクリル系樹脂があげられる。
上記有機バインダー(C)のなかでも、メラミン系化合物やグリオキサール系化合物のように架橋反応を起こして繊維製品とポリアルキレンビグアナイド化合物(A)との間に化学的に結合を起こすものであると接合性を向上させる効果が特に高いため、好ましい。
しかし、本発明で用いることができるバインダーとしては、必ずしも化学結合を起こす物質に限定されるものではなく、ポリアルキレンビグアナイド化合物(A)と繊維基材との間の親和性を高めて、ポリアルキレンビグアナイド化合物(A)を繊維製品の表面に保持させるものであれば架橋反応しないものであっても用いることができる。
これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤に上記有機バインダー(C)を含有させる場合の、上記有機バインダー(C)の含有割合は、抗ウイルス性繊維用加工剤を各種溶液で希釈し、抗ウイルス性繊維用処理液としたときに、上記抗ウイルス性繊維用処理液における有機バインダー(C)の濃度が、0.01重量%以上0.5重量%以下、より好ましくは0.03重量%以上0.3重量%以下とすることができれば、どのような割合で含有されていてもよい。すなわち、上記処理液は、対象とする繊維製品に対し、上記有機バインダー(C)を絞り率100%として0.01%owf以上0.5%owf以下とすることができるものが好ましく、0.03%owf以上0.3%owf以下とすることができるものがより好ましい。
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤において、上記抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を混合し1剤としていてもよいが、上記抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)をそれぞれ別に準備し、使用時に混合して用いる2剤としていてもよい。すなわち、本発明において、抗ウイルス性繊維用加工剤が抗ウイルス剤(A)と塩化ベンザルコニウム(B)とを有するとは、上記の双方の意味を有するものである。同様に、有機バインダー(C)を用いる場合においても、予めこれらの成分と混合し1剤としていてもよいが、これらとは別に準備し、使用時に混合して用いるようにしてもよい。
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤は、抗ウイルス剤(A)、塩化ベンザルコニウム(B)および有機バインダー(C)以外に、本発明の趣旨を損なわない範囲において、任意成分として、塩化ベンザルコニウム以外の四級アンモニウム塩を用いてもよい。このような四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、トリメチルデシルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムブロマイド(DDAB)、ドデシルジメチル-2-フェノキシエチルアンモニウムブロマイド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(DDAC)、トリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムブロマイド、アルキルジメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、オクチルデシルジメチルアンモニウクロライド、オクチルデシルジメチルアンモニウムブロマイド、メチルベンゼトニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(BAC)、アルキルピリジニウムアンモニウムクロライド、ジアルキルメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート等があげられる。また、ポリマーであるポリ-オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライドや、ポリ〔オキシエチレン(ジメチルイミニオ)トリメチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド〕等も、用いることができ、なかでもDDAC、DDAB、BACが好ましい。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤に上記塩化ベンザルコニウム以外の四級アンモニウム塩を含有させる場合の、その含有割合は、抗ウイルス性繊維用加工剤を各種溶液で希釈し、抗ウイルス性繊維用処理液としたときに、上記抗ウイルス性繊維用処理液における濃度を0.3重量%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.2重量%以下である。多すぎると抗ウイルス性は高まるものの、繊維製品に対し安全に用いることができない傾向がみられるためである。
本発明の本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤には、これら以外にも、抗ウイルス活性の向上や効果の持続性等を図るため、任意成分として、例えば、フィックス剤(Fixer)、緩染剤、蛍光増白剤等の繊維加工用薬剤、膨潤剤、浸透剤、乳化・分散剤、金属イオン封鎖剤、均染剤、柔軟剤、難燃剤、沈殿防止剤、マイグレーション防止剤、キャリアー、防染剤、防しわ剤、風合い加工剤等、各種の添加剤を配合することができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記の構成によると、皮膚障害等を引き起こす原因とされるDDACを実質的に含有しないため、安全性に優れる。そして、特定の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を含有するため、ポリアルキレンビグアナイド系化合物単独では得られない相乗効果的な優れた抗ウイルス性を発揮することができる。ここでいう相乗効果とは、助剤として添加されている塩化ベンザルコニウム(B)が、ウイルス表面(エンベロープ、カプシド)を破壊し、抗ウイルス剤(A)であるポリアルキレンビグアナイド系化合物のウイルス内部への侵入を促進させ、より効果的にウイルスを死滅させる(効力増強効果)と考えられる。さらに、有機バインダー(C)を含有すると、この有機バインダー(C)によりこれらの両成分が少なくとも繊維表面に固定化されているため、耐水性、洗濯耐久性を備えることができる。
なお、本発明において、「DDACを実質的に含有しない」とは、まったく含有しないものはもちろんであるが、抗ウイルス性効果を発揮することができないほどの微量(具体的には、抗ウイルス性繊維用加工剤を各種溶液で希釈し、抗ウイルス性繊維製品加工用の処理液としたときに、繊維製品の0.3%owf以下)を含有するものを含むことを意味する。
<抗ウイルス性繊維製品の製法>
つぎに、本発明の、抗ウイルス性繊維製品の製造方法について説明する。本発明の製法は、例えば、上記抗ウイルス性繊維用加工剤を水等で希釈、または溶解して抗ウイルス性繊維用処理液をまず作製し、この抗ウイルス性繊維用処理液を、目的とする繊維製品に接触させ、両者を接触させた状態で所定の加熱処理を行うというものである。上記繊維製品と抗ウイルス性繊維用処理液とを接触させる方法、および両者を接触させた状態で加熱処理する方法については、対象とする繊維製品の種類や材質に応じて、好ましい方法を適宜選択することができる。
[処理液]
上記ウイルス性繊維用処理液(以下「処理液」とすることがある)は、一般に、抗ウイルス性繊維用加工剤を水で溶解した水溶液が用いられるが、有機溶剤を溶媒とした溶液や、分散液等を用いてもよい。また、(A),(B),必要に応じて(C)の各成分を所定の濃度となるように調製したものを処理液としてもよい。その際、上記各成分を一度に配合してもよいし、順次配合するようにしてもよい。上記処理液には、対象とする繊維製品の種類や処理条件等に応じて、各種の助剤、添加剤を配合することができる。
上記処理液に用いることのできる助剤、添加剤としては、本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤の任意成分として例示したものを用いることができる。
具体的には、ポリエステル系繊維と綿、レーヨン、羊毛、絹等の天然繊維との混紡品を加工処理する際や、ポリエステル系繊維とポリアミド系、アクリル系、ポリウレタン系の繊維との混紡品を加工処理する際には、加工温度、時間によって、ポリエステル系繊維以外の繊維が、抗ウイルス性繊維用加工剤のカチオンの作用によって変色、硬化、縮化等の異常を生じたり、抗ウイルス性の喪失が生じたりすることがある。
そこで、このような事態を防止するために、助剤として、フィックス剤(Fixer)、緩染剤、蛍光増白剤等の繊維加工用薬剤を用いることが好ましい。
上記繊維加工用薬剤は、具体的には、無水炭酸ナトリウムで代表されるアルカリ塩化合物等;硫酸ナトリウム(芒硝)で代表される中性塩化合物等;アルキルエーテル型、多環フェニルエーテル型、ソルビタン誘導体、脂肪族ポリエーテル型等で代表される非イオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩系で代表されるカチオン界面活性剤;ジアルキルサクシネートスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等で代表されるアニオン界面活性剤;ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、ビススチリルビフェニル誘導体、クマリン誘導体やピラゾリン誘導体等があげられる。これらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
さらに、処理液において、使用する助剤や添加剤の種類、対象とする樹脂成形品の材質等によっては、水とともに、あるいは水に代えて、エタノール、n-プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶剤を用いることができる。場合によっては、非水系溶剤を用いることもできる。
抗ウイルス性繊維製品の製造方法としては、例えば、繊維製品に対し、上記処理液を、常圧下で、浸漬(含浸)、スプレー、コーティング等によって付着させ、マングル、あるいは遠心分離等で所定の絞り率で絞った後、常圧または加圧下で、この繊維製品を加熱処理する方法等があげられる。
繊維製品に対し、上記処理液を、常圧下で、浸漬(含浸)、スプレー、コーティング等によって付着させる場合、用いる処理液に対する抗ウイルス剤(A)の含有割合は、処理液に対し、0.1重量%以上1.6重量%以下であることが好ましく、0.15重量%以上1.0重量%以下であることがより好ましい。そして、絞り率は、繊維製品の種類によって異なるが、通常、30~200%で実施するのが好ましい。
そして、上記処理液中の塩化ベンザルコニウム(B)の含有割合は、処理液に対して、0.02重量%以上0.8重量%以下であることが好ましく、0.03重量%以上0.6重量%以下であることがより好ましい。
さらに、上記処理液中の有機バインダー(C)の含有割合は、処理液に対して、0.01重量%以上0.5重量%以下であることが好ましく、0.03重量%以上0.3重量%以下であることがより好ましい。
そして、上記処理液を繊維製品に付着させた後の加熱処理は、常圧もしくは加圧下、例えば、70~230℃の処理温度で行われる。より具体的には、例えば、100~130℃で、1~3分間乾燥(目付量が少ない場合は予備乾燥を実施しない場合がある)後、140~230℃でキュアする。キュアの処理時間は、繊維製品目付、物性により30秒~1時間程度が好ましい。この方法においても、上記処理液中の成分(A),(B)の含有割合が低いと、得られる抗ウイルス性繊維製品の抗ウイルス性が乏しくなるおそれがある。また、処理温度、処理時間が不足すると抗ウイルス性が乏しくなるか、耐水性、洗濯耐久性が不充分になるおそれがある。一方、上記処理液中の成分(A),(B)の含有割合、処理温度、処理時間が上記の範囲を超えると、繊維製品の異常(硬化、縮み、変色等)を引き起こすおそれがあり、やはり好ましくない。
<抗ウイルス性繊維製品の性能とその評価>
上記製法によって得られる、本発明の抗ウイルス性繊維製品は、先にも述べたとおり、とりわけエンベロープ型ウイルスに対して優れた抗ウイルス性を示す。そして、この優れた抗ウイルス性は、耐水性、洗濯耐久性を備え、長く持続するため、この抗ウイルス性繊維製品に対し、繰り返し水洗いや水拭き、洗濯を施すことができ、長期にわたって清浄に使用することができる。
本発明の抗ウイルス性繊維製品が効果を奏するウイルスの種類をより詳しく述べると、ポックスウイルス、オルソミクソウイルス(代表例として、人インフルエンザウイルス、鳥インフルエンザウイルス)等があげられる。また、カリシウイルス(代表例として、ノロウイルス、ネコカリシウイルス)、パラミクソウイルス、アレナウイルス、ラブドウイルス、コロナウイルス、レトロウイルス、ブニヤウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウィルス、レオウイルス、トガウイルス、パポーバウイルス、ピコルナウイルス、ポルボウイルス、フィロウイルス等にも、本発明の抗ウイルス性繊維製品は当然効果を奏する。
つぎに、本発明において、抗ウイルス性を評価するための試験方法について説明する。
[耐洗濯性評価のための試験方法]
まず、耐洗濯性については、JIS L 0217 103号に準拠した洗濯方法により40℃、10回の洗濯を、対象とする抗ウイルス性繊維製品に適用し、その洗濯耐久性を下記に示すとおり測定した。
すなわち、対象となる抗ウイルス性繊維製品に対し、家庭洗濯10回を実施した後、その5g分を、100gのイオン交換水に浸漬した状態で耐圧性のステンレス容器に入れ、130℃、30分間の抽出を実施する。そして、各抽出液について抗ウイルス剤(A)の定量分析を行う(界面活性剤ハンドブック:工学図書刊、1968年10月1日初版、「陽イオン界面活性剤の定量分析法、フェノールブルー錯塩光電比色法」に準拠し、紫外可視分光光度計により測定する。ただし、フェノールブルー錯塩に代えてエオシン錯塩を用いることも可能)。
[抗ウイルス性評価のための試験方法]
そして、本発明における抗ウイルス性の評価は、以下に示すプラック測定法(一般社団法人繊維評価技術協議会、抗ウイルス加工準備委員会の提案による)によって求められる抗ウイルス活性値によって行う。
JIS L 1922附属書Gによると、抗ウイルス性は、上記抗ウイルス活性値が2.0以上3.0未満であれば「効果あり」と評価され、3.0以上あれば「充分な効果」と評価されている。
・プラック測定法
対象ウイルスは、インフルエンザウイルス(エンベロープ型、人インフルエンザウイルスを含む)とし、犬腎臓由来細胞を用いる。そして、対象素材とウイルス液を25℃、2時間接触後、ウイルス液と犬腎臓由来細胞で後培養し、培養細胞でウイルスの増減(感染価)を算出し、ブランク(未処理素材)との対数値差を算定して抗ウイルス活性値を求める。
つぎに、本発明の実施例を、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~8、比較例1~3〕
まず、本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤を水に溶解し、ポリヘキサメチレンビグアニジンクロライド(分子量:2000)(A成分)、塩化ベンザルコニウム(B成分)、メラミン系化合物(三木理研工業社製、MA-156:C成分)、硬化剤(三木理研工業社製、RC-3)を表1に示すとおりに含有する処理液を作製した。ついで、ポリエステル標準布(帝人社製、商品名:トロピカル、以下同じ)を上記処理液に浸漬後、マングルで75%絞りとし、各々を180℃で1分間乾燥後、180℃の温度で1分間の条件で、加熱処理を行った。
なお、加工時の圧力は、いずれの段階においても常圧(加圧も減圧もしていない状態)である(以下の例においても、特に記載がない場合は常圧である)。
そして、各試料について、40℃の家庭洗濯10回後に、抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)の残存量を定量分析し、下記の基準にしたがって耐洗濯性または堅牢度を評価した。
また、上記家庭洗濯10回後の試料について、人インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス性について、前述のプラック測定法により活性値をもとめ、下記の基準にしたがって評価した。これらの結果を後記の表1に併せて示す。
[耐洗濯性の評価]
抗ウイルス性繊維用加工剤中の抗ウイルス剤(A)の残存量の定量分析は、前述の[耐洗濯性評価のための試験方法]に基づいて行った。
すなわち、まず、対象となる抗ウイルス性繊維製品に対し、所定の家庭洗濯を実施した後、その0.5g分を、25gの2規定の塩酸水溶液に浸漬した状態でガラス容器に入れ、80℃、60分間の抽出を実施した。抽出後、水酸化ナトリウム水溶液にて中和したものについて、抗ウイルス剤(A)の定量分析を行った。
また、耐洗濯性の評価基準は、インフルエンザウイルスに対し有効な残存量を基準として、以下のとおり評価した。
○(良い):抗ウイルス剤(A)の残存量が1500ppm以上。
△(合格):抗ウイルス剤(A)の残存量が1500ppm未満500ppm以上。
×(悪い):抗ウイルス剤(A)の残存量が500ppm未満。
[堅牢度の評価]
各実施例及び比較例で得られた難燃性ポリエステル繊維製品について、JIS L 0849(2004)に記載されている摩擦に対する染色堅牢度に影響を及ぼすことが知られている塩化ベンザルコニウム(B)の残存量を測定することにより行った。
すなわち、対象となる抗ウイルス性繊維製品に対し、所定の家庭洗濯を実施した後、その5g分を、100gのイオン交換水に浸漬した状態で耐圧性のステンレス容器に入れ、130℃、30分間の抽出を実施し、各抽出液について、定量分析を行った。
また、堅牢度の評価基準は、各抽出液における含有量から以下のとおり評価した。
〇(良い):塩化ベンザルコニウム(B)の含有量が1000ppm未満。
△(合格):塩化ベンザルコニウム(B)の含有量が1000ppm以上2000ppm未満。
×(悪い):塩化ベンザルコニウム(B)の含有量が2000ppm以上。
[抗ウイルス性の評価]
前記プラック測定法で算出した抗ウイルス活性値に基づいて以下のとおり評価した。
〇(良い):抗ウイルス活性値が3.0以上。
△(合格):抗ウイルス活性値が2.0以上3.0未満。
×(悪い):抗ウイルス活性値が2.0未満。
Figure 0007022653000004
上記の結果から、ポリエステル標準布に対し、抗ウイルス性繊維用加工剤を含有させた処理液を接触させた後、所定の条件で加熱処理を行うことにより、抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)のいずれもが繊維に残存し、固定されていることが確認された。また、実施例1~8は、いずれも家庭洗濯10回後であっても優れた抗ウイルス活性を示すことが確認された。
すなわち、比較例1の活性値は1.9、比較例2の活性値は0.5であり、これらの活性値を足しても2.4にしかならない。これに対し、実施例1の活性値は4.1もあることから、抗ウイルス剤(A)と塩化ベンザルコニウム(B)とを組み合わせた本発明の抗ウイルス性繊維用加工剤は、安全性に優れ、しかも当業者が予想できない極めて優れた抗ウイルス性を奏することがわかる。また、塩化ベンザルコニウム(B)を有しない比較例3は、抗ウイルス剤(A)の含有量が同じ実施例3と比較してわかるとおり、抗ウイルス性に劣っている。
本発明は、抗ウイルス性を有し、しかもその抗ウイルス性が耐水性、耐洗濯性に優れ、安全性の高い抗ウイルス性繊維製品の提供に利用することができる。

Claims (8)

  1. 抗ウイルス剤(A)と塩化ベンザルコニウム(B)と有機バインダー(C)とを有する抗ウイルス性繊維用加工剤であって、
    上記抗ウイルス剤(A)が下記の式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩の少なくとも一方であり、
    上記有機バインダー(C)がメラミン系化合物およびグリオキサール系化合物の少なくとも一方であり、
    この抗ウイルス性繊維用加工剤を希釈して抗ウイルス性繊維用処理液に調製したときにおける上記抗ウイルス剤(A)の濃度が、対象とする繊維製品の重量を基準として、0.1重量%以上1.6重量%以下となり、かつ上記有機バインダー(C)の濃度が、対象とする繊維製品の重量を基準として、0.03重量%以上0.3重量%以下となるように設定されていることを特徴とする抗ウイルス性繊維用加工剤。
    Figure 0007022653000005
    [式中、R1は炭素数2~8のアルキレン基、nは2~18の整数を示す]
  2. 上記抗ウイルス剤(A)のポリアルキレンビグアナイド化合物が、ポリヘキサメチレンビグアナイド化合物であることを特徴とする請求項1記載の抗ウイルス性繊維用加工剤。
  3. 抗ウイルス性繊維製品を製造するために繊維製品に接触させる処理液であって、
    上記処理液が、抗ウイルス剤(A)、塩化ベンザルコニウム(B)および有機バインダー(C)を有し、
    上記抗ウイルス剤(A)が、下記の式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩の少なくとも一方であり、
    上記有機バインダー(C)がメラミン系化合物およびグリオキサール系化合物の少なくとも一方であり、
    上記抗ウイルス剤(A)の濃度が、対象とする繊維製品の重量を基準として、0.1重量%以上1.6重量%以下であり、
    上記有機バインダー(C)の濃度が、対象とする繊維製品の重量を基準として、0.03重量%以上0.3重量%以下であることを特徴とする抗ウイルス性繊維用処理液。
    Figure 0007022653000006
    [式中、R1は炭素数2~8のアルキレン基、nは2~18の整数を示す]
  4. 上記抗ウイルス性繊維用処理液が、請求項1または2記載の抗ウイルス性繊維用加工剤を有することを特徴とする請求項記載の抗ウイルス性繊維用処理液。
  5. 上記抗ウイルス性繊維用処理液における塩化ベンザルコニウム(B)の濃度が、0.01重量%以上0.8重量%以下であることを特徴とする請求項3または4記載の抗ウイルス性繊維用処理液。
  6. 請求項のいずれか一項に記載の抗ウイルス性繊維用処理液の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)が、繊維製品の少なくとも表面に固定されたことを特徴とする抗ウイルス性繊維製品。
  7. 社団法人繊維評価技術協議会が定める抗菌防臭加工の認定基準に準じた標準洗濯法における10回の洗濯処理後の抗ウイルス活性値が3.0以上であることを特徴とする請求項記載の抗ウイルス性繊維製品。
  8. 請求項または記載の抗ウイルス性繊維製品を製造する方法であって、請求項のいずれか一項に記載の抗ウイルス性繊維用処理液に繊維製品を接触させ、上記抗ウイルス性繊維用処理液に接触させた繊維製品を90℃以上200℃以下の温度で加熱処理を行うことにより、上記抗ウイルス性繊維用処理液の抗ウイルス剤(A)および塩化ベンザルコニウム(B)を上記繊維製品の少なくとも表面に固定させることを特徴とする抗ウイルス性繊維製品の製造方法。
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