JP7021976B2 - 水環境センシング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水環境において利用される遠隔センシング装置に関するものである。
上下水道や水路・河川・湖沼などに代表される水環境においては、洪水防止や環境改善、汚染防止などの観点から水位や水質などのセンシングに対するニーズが高まっている。一般に水環境の特徴としては、測定対象となる地域や施設が広く、電源・通信ケーブル等へのアクセスが悪い、測定地点には水没や腐食のリスクがあるため情報機器の配置に適さない、作業員の立ち入りが困難な場合があり、情報機器の配置に適さないケースが多い。このようなケースでは観測地点にはセンサないしはセンシングノードのみを配置し遠方に配置した本体(親機)に対して測定結果を送信するリモートセンシング装置が用いられる。
図1は従来の水環境向けリモートセンシング装置の一例である。このような構成のセンシング装置としては、例えば特願2011-46506(P2011-46506)「水位計システム」(特許文献1)に開示された光ファイバ水位計などが挙げられる。
図1においては、従来の水環境センシング装置100-1には、2個のセンサ101-1、101-2が搭載されている。一般には搭載センサの種類はセンシング装置一台に一種類であり、水環境においては水位センサ、電気伝導率や濁度などの水質指標を測定する水質センサなどが用いられる。センサインタフェース部102-1及び102-2はそれぞれセンサ101-1、101-2の変換器であり、各センサへの給電や駆動、センサから出力される微弱な測定信号の増幅・検出・AD変換などを行う。CPU部103は、測定間隔やデータの管理・通信などを司り、各センサからのデータを取得してメモリ部105に保存するロガー機能、ネットワークインタフェース部104を介してネットワーク107との通信機能などを持つ。ネットワークとしては、インターネット、専用線網、無線網などが用いられる。電源部106は、水環境センシング装置100-1及びセンサ101-1、101-2への電源供給を行う部分であり、一般的には商用AC電源、機器用DC電源ないしはバッテリーなどが用いられる。
本例ではネットワーク107には、上位データ集約装置108及び2台の水環境センシング装置100-1、100-2が接続されており、上位データ集約装置108は水環境センシング装置100-1及び100-2からネットワーク107経由で測定データを取得し、各種データ処理や状態表示・警報表示などを行い、水環境の遠隔監視を実現する。
図2はセンサ101-1として水位センサを利用し、水環境の一例である下水道内の水位の測定結果を模式的に示したものである。横軸は測定時刻あり、時間の経過に応じて日常的に水位変化が生じるとともに、降雨による雨水の流入や違法排水などの不明水の流入によっても図中に示すような水位の上昇が観測される。
特開2012-184947号公報
従来のセンシングシステムにおける第一の課題は、水環境の測定データは周囲の生活活動や産業活動の影響を受けやすく、検出対象となるデータの変化がこれらに埋もれてしまう点である。例えば下水道内のセンシングにおいては、違法排水などの不明水や雨水の流入などの異常検出が重要となるが、下水管内の水量は周辺の住居や工場の排水量に応じて数cm~数10cmの範囲で変動するため、これを下回る異常の検出は困難であり、異常検出の精度が大きく低下してしまう。
第二の課題は、従来の構成では上位のデータ集約装置におけるデータ処理や管理の負荷が非常に大となる点である。従来の水位センサや水質センサのようなセンシング装置は水位や水質指標をセンシングしてネットワークや無線などで上位装置に通知する機能のみを持ち、日常的なデータ変動の分析や除去などの複雑なデータ処理は必要に応じて外部のパソコンやサーバー、上位データ集約装置等で実施する構成となる。このような分析処理においてはセンサ毎に過去のセンシングデータを参照したデータ分析が必要となるため、ネットワークに接続するセンシング装置及びセンサ数が増加すると、計算負荷が膨大となる可能性がある。
特に実用的な広域センシングシステムにおいては、上位装置が集約するセンサ数は100個~数1000個に上るため、センサの状態管理の負荷も大きなものとなる。例えば長期運用の途中では、センシング装置やセンサの増設、故障よる保守が生じるため、センサ毎に稼働状態や稼働開始時期、センサ仕様などに差異が生じる。上位装置におけるデータ分析処理においてはこれらセンサ毎の差異を個別に考慮する必要があり、管理負荷の増大につながる。またデータ処理用の上位装置の故障や保守・更新の際には、全センサのデータ分析が中断・再開する必要が生じる。データ処理装置の停止中も各センシング装置は独立にセンシングを継続し内部に測定結果を記録(ロギング)することが可能であるが、外部装置が再稼働後した際には全てのセンシング装置から、過去データを再取得する必要してデータ分析を再開する必要がありその処理に膨大な時間と負荷が必要となってしまう。
第三の課題は、センシング装置が配置された現場での異常把握が困難な点である。水環境の異常は水質の汚染・洪水や浸水・機器の損傷などにつながる可能性があるため、遠隔監視のみならず現場においても異常状態を把握し対処可能とするのが望ましい。このためには従来の機器構成では、現場での異常把握のためには、異常判定や状態分析を行う外部装置(図1の上位データ集約装置108など)から判定結果を各現場(例えば水環境センシング装置100-1の配置地点)に別途連絡・通知する必要がある。これは通常の運用においては実現可能であるが、外部のデータ分装置が故障したり、災害によりネットワーク停止の際には、現場で異常の有無の判定ができず異常への対処ができなくなるという問題が生じる。
第四の課題は、従来のセンシング装置においては異常判定や状態分析の精度が低い点が挙げられる。従来のセンシング装置はそのほとんど全てが、水位や水質などの水環境指標のうちいずれか一つだけを測定する単機能のセンシング装置である。このため異常検知には、測定値の正常範囲からの逸脱しか利用できず、例えば下水道への流入水の種類の判定など複雑な状態認識は困難となる。原理的には、ネットワークに複数のパラメータを測定する数種のセンシング装置を接続し、これらのデータを連携することによってより高度な異常判定や状態分析が可能になるが、そのためには外部装置においては数100~数1000の地点における個別のセンサ配置状況や種類を把握し、複数種類・複数台のセンシング装置からの過去の測定データを集約して、地点ごとに個別に分析処理を行う必要があり、管理と計算負荷が膨大となる。またいずれかのセンシング装置の故障や増設の際の例外処理なども含めると極めて複雑な処理が必要となってしまう。
そこで本発明の目的は、上記の問題点を解決し、計算負荷を大きく軽減し高度な異常判定や状態分析が実現可能なセンシング装置を提供するものである。
本発明の第一・第二の課題は、水環境センシング装置に、測定時刻の基準となるクロック回路、各センサ毎に所定の時間周期を単位として測定データの周期変動成分を検出するデータ処理部、及び検出した該周期変動成分を記憶する記憶部、かつ前記測定データないしは該周期変動成分ないしは、前記測定データと該周期変動成分の差分である非周期変動量のいずれかを外部装置に送信する第1の送信部を備えることによって解決できる。
すなわちセンシング装置自体に、水環境の測定データの特徴となる周期的な変動を自動的に検出・除去する機能を持たせることによって、異常値、すなわち非周期変動量の検出精度を大きく向上させることが可能となる。
また、本機能をセンシング地点に近接して配置される水環境センシング装置そのものに実装することによって、計算や管理の負荷を多数の装置に分散し、上位のデータ処理装置の負荷を大幅に軽減することが可能となる。
またセンシング装置を1台の親機と1個以上のセンシングノードから構成され、センシングノードには前記1個以上のセンサを搭載しかつ該親機から電力を受電する受電部及び測定データを該親機に送信する第2の送信部を備え、また親機は各センシングノードに対し給電を行う給電部ならびに測定データを受信する受信部を備える構成とすることで多数のセンサから効率的にデータ収集が可能となる。
また該親機と複数のセンシングノードは光ファイバを介して接続し、親機に光給電用光源ならびに光受信器を備え、かつセンシングノードに光給電受電回路ならびに光受信器を備え、光ファイバを用いて、親機から各センシングノードに対し光ファイバ給電を行いかつ各センシングノードから親機に測定データを送信する構成とすることで、本発明の水環境センシング装置の耐環境性と実用性を大幅に向上できる。
また本発明の第三の課題は、各センサから得られた非周期変動量を各センサごとに定まる所定の閾値と比較する閾値判定部、もしくは、複数のセンサから得られた複数の非周期変動量の組み合わせ値から状態を判定する状態判定部を備え、かつ、本閾値判定と状態判定の結果を記憶する記憶部ならびに外部に送信する第1の送信部を備えることによってセンシング装置単体で異常状態の検出が可能となり、解決が可能となる。
特に本装置を上下水道や河川などの水環境に適用する際には、少なくとも水位センサ及び水質指標センサを含み、かつ水位センサと水質指標センサから得られた水位と水質指標の非周期変動量の組み合わせからセンシング対象となる水環境状態を判定する状態判定部を備える構成が適切である。さらには、同一の水系統の複数の地点に配置された該複数のセンサに対し、各センサの上流から下流に至る配置順序を記憶する第2の記憶部を持ち、該複数のセンサから得られた非周期変動量と配置順序を入力として水環境状態を判定する状態判定部を備えることで、異常水の種類や流入地点ないしは流路の破断点などの判定を行うことが可能となる。
また都市・住環境・工業地域等で用いられる水環境センシング装置においては、各センサの周期成分の検出に用いる所定の時間周期を1日とすることによって、日々の生活や産業活動に連動した水環境の状態変化を正確に検出することが可能となる。特に、外部から曜日ないしは平休日の区別を含む日時データを取得する日時情報取得部と前記の周期変動成分の検出を曜日毎ないしは平日/休日毎に区分し独立して算出するデータ処理部を備えると、より正確な周期変動の検出が可能となり、異常値となる非周期変動量の検出精度を上げることが可能となる。
また、前記データ処理部は、周期変動成分のゆっくりとした(1日よりも大なる周期)変化に自動追従し、かつ起動時もしくは外部からの信号で自動的に初期化することにより、長期的な季節変化や景気状況等による産業活動の増減を自動的に反映したり、本機能の動作に不具合が生じた際の悪影響を低減することが可能となる。
また実際の水環境測定においては降雨などの非定常な状態が数日から数週間と長期間続くこともあるため、本発明の実現においては、各センサから得られた非周期変動量を各センサごとに定まる所定の閾値と比較する閾値判定部を備え、かつ、本閾値を越えた測定値については前記の周期変動成分の検出から除外する機能を持つことが極めて重要となる。
特に、本発明を下水や河川など降雨の影響の大きな水環境のセンシングに適用する際には、外部から該センサの設置地点ないしはその上流域の降雨の有無ないしは降雨量を含む降雨情報を取得する降雨情報取得部を備え、前記閾値判定部は、降雨時ないしは降雨量が所定の閾値を越えた時刻の測定値については前記の周期変動成分の検出処理から除外することにより、周期変動成分の検出精度を大きく改善することが可能となる。
本発明では、水環境において水位や水質などのセンシングを行うセンシング装置そのものに、異常値の検出の障害となる周期的成分を除去する機能を実装することにより、異常値や異常状態の検出を容易とする効果がある。またセンサデータ処理や管理に要する負荷を大きく軽減する効果もある。またセンサの配置位置や複数のセンサの測定結果を複合した高度な異常判定や状態分析が容易に実現できるという効果もある。
従来のセンシングシステムを示す構成図である。 従来の下水道における水位測定結果の例を示す模式図である。 本発明の第1の実施例におけるセンシング装置を示す構成図である。 本発明の第1の実施例における周期変動検出部の動作を模式的に例示する説明図で、(a)はセンサ101-1の水位データの周期変動の算出の様子を示し、(b)はセンサ101-2の日々の水位の測定データと周期変動成分の算出の様子を示し、(c)はセンサ101-1の水位測定データ(太実線)と検出された周期変動成分(点線)を同一のグラフ上にプロットした例を示し、(d)は測定データの非周期変動分を示す。 本発明の第2の実施例におけるセンシング装置の構成図である。 本発明の第3の実施例における光給電を用いたセンシング装置の構成図である。 本発明の第4の実施例における周期変動検出部の構成図である。 本発明の第5の実施例における異常・状態判定を示す構成図である。 本発明の第5の実施例における状態判定回路265の状態判定の原理の説明図である。 本発明の第5の実施例における状態判定回路265の降雨状態を加味した状態判定の原理の説明図で、(a)は降雨無し、(b)は降雨有りの例である。 本発明の第6の実施例における周期変動検出部の構成図である。 本発明の第7の実施例を示し、(a)は水環境センシング装置の構成図で、(b)は地点の図である。
以下、本発明の幾つかの実施例を図面を参照して説明する。
図3は本発明の第1の実施例におけるセンシング装置を示す構成図であり、本発明のセンシング装置200-1を含むセンシングシステム全体を示している。本発明のセンシング装置200-1には、2つのセンサ101-1、101-2が搭載されており、各センサはセンサインタフェース部102-1、102-2に接続されており、ここから出力される測定データはCPU部103に引き渡される。CPU部103の内部では2つの独立した周期変動検出部201-1、201-2が稼働し、それぞれセンサ101-1、101-2の測定データが入力される。またその内部にはネットワークインタフェース部104、メモリ部105、センシング装置200及びセンサ101への電源供給を行う電源部106、及び測定時刻及び後述の周期変動検出の時刻基準に用いるリアルタイムクロック部202を備えている。
本発明の周期変動検出部201-1、201-2はそれぞれセンサ101-1、101-2の過去の測定データと最新の測定データを参照して所定の周期の周期変動成分を検出する機能を持つ。本例では周期変動検出部201-1、201-2は共にCPU部103内部のプログラムとして実現することを想定しているが、プログラムや途中経過及び検出した周期変動成分はCPU部103のメモリ、もしくは適宜外部のメモリ部105等に記憶することが可能である。また周期変動検出部201-1、201-2の一部ないしは全部を論理回路などのハードウェア、FPGAなどを利用してハードウェア的に実装しても構わない。
なお所定の周期とは、各センサの設置環境に応じて生じる検出値の変動の基本周期であり、例えば上下水道や生活環境に近い河川など人間の生活・産業活動の影響を受けやすい地点においては原則1日が単位とすることができる。後述のようにこのような周期的変動は曜日依存性を持つこともあるため、このような場合には所定の周期を1週間やその倍数とすることもできる。その他にも、河川の出口や海岸の水位など潮位変動の影響を受けやすい地点においては、潮位の変動周期(約12.5ないしは25時間、もしくは月齢など)を所定の周期とするのが望ましい。
図4は、図3中のセンサ101-1及び101-2を下水道内に配置された水位センサと仮定して、周期変動検出部の動作を模式的に例示した説明図である。図4(a)はセンサ101-1の水位データの周期変動の算出の様子を示している。グラフの横軸は日々の時刻、また縦軸は水位であり、グラフ中には日々の水位変動を実線でプロットしている。下水環境における水位は生活や産業活動の周期となる1日の単位でほぼ決まった変化傾向を示す。このため雨天や増水などによる水位の乱れが少ない場合、所定の周期を1日とした周期変動成分は、複数日にわたる水位の測定結果を1日単位で重ねて時刻毎に平均化する時系列平均(図中の点線)によって算出することが可能となる。
また図4(b)は、センサ101-2の日々の水位の測定データと周期変動成分の算出の様子を示したものである。本図に示すようにセンサ101-2についても同様に周期変動成分が存在し、図中の点線のように検出が可能であるが、センサの配置点が異なると水位の平均値や周期的な増減量やその傾向が異なるため、一般に他地点に配置されたセンサ101-1の図4(a)の周期変動成分とは形状が異なると考えられる。このため、周期変動成分の検出は、各センサ毎に独立に行う必要がある。
図4(c)はセンサ101-1の水位測定データ(太実線)と検出された周期変動成分(点線)を同一のグラフ上にプロットした例である。このように点線の周期変動成分を検出することにより、現在の水位測定値と点線の差分が雨水や不明水の流入による非周期変動量(以下、異常値ないしは変動量と呼称)を精度よくまた高感度で検出することが可能となる。
本発明のセンシング装置200-1は、測定データと周期変動成分の2つを測定結果として上位データ集約装置108に報告したり、メモリ部105に測定ログとして保存してもよい。また図4(d)のように測定データの非周期変動分(水位データと周期変動分の差分)を算出し、これを測定結果として利用しても構わない。
また本実施例で例示した1日を周期とする時系列平均化は、異なる測定日に得られた複数の測定データを測定時刻毎に別々に平均化する処理である。本処理をそのまま適用すると、各点の平均化回数は測定日数となるとため、周期変動成分が十分に平均されるまで長い日数を要する。これを改善するには例えば測定時間を1分や1時間などの時間間隔に量子化し、各時間間隔中に得られた測定データを全て同じ時刻とみなして平均化するのが有効である。
なおセンシング装置によっては、センサ・変換器・中継器・ネットワークインタフェースなどの部品がバラバラに提供されユーザが組み合わせて利用するケースもある。このような構成のセンシング装置と本発明のセンシング装置200-1との対応は、前者の各部品の機能によって変化すると考えられる。
例えば、上記の変換器が外部電源やバッテリーを用いて独立に動作可能であり、かつネットワークや無線など長距離データ送信することが可能であれば、センサ+変換器の構成で本発明のセンシング装置200-1に該当すると考えられる。
また変換器が計装装置で広く用いられるDC4~20mA電流信号やRS232Cなどのシリアル通信の出力端子を持ち、ネットワークインタフェース部が1つないしは複数のDC4~20mA信号の入力端子ないしはシリアル入力端子を持つようなケースもある。このようなケースでは、センサ+変換器、ないしはセンサ+変換器+ネットワークインタフェースのいずれの構成もが本発明のセンシング装置200-1に該当すると考えられる。
また本実施例では、測定データの周期的変動の検出をもっとも単純な時系列平均化として実装した例を示したが、計算アルゴリズムが単純なため実際の水環境データの定常変動を正しく捉えられない可能性もある。このような例としては例えば、本発明のセンシング装置200-1の稼働直後ないしは稼働中に数日間~数週間に亘り雨天が連続する場合や、途中で気候が急激に変動する場合などが考えられる。
このようなケースにおいては後述のように周期変動検出を一旦手動もしくは自動でリセットして再開する、過去の同時期に取得した周期的変動データを再利用するなどが有効となる。
また周期変動成分の検出精度と信頼性を向上するには異なる検出アルゴリズムを利用するのも有効である。例えば、下水や河川の水位測定においては図4(a)に示すように非定常の水位上昇によって誤差が生じやすい。これを避けるには、各時刻毎の日々の最低水位を算出し、これを周期変動成分ないしはその初期値として利用するのも有効である。またAI等を利用した自動学習・推定などを用いることも可能である。
図5は、本発明の第2の実施例における水環境センシング装置を示す構成図である。図中では本発明の水環境センシング装置は、親機210と2つのセンシングノード211-1、211-2、及び親機210と各センシングノードを接続する接続ケーブル212-1、212-2から構成されている。なお本図では、ネットワークや外部装置については省略している。
親機210中には、親機CPU部213が配置され、親機CPU部213に組み込まれたシリアル通信回路を利用して、各センシングノードに対して命令等を送信する下り通信用シリアル送信回路215、各センシングノードからの応答信号やデータに用いる上り通信用シリアル受信回路216が実装されている。また2つのセンシングノード211-1、211-2中にもそれぞれセンシングノードCPU部220-1、220-2が配置されており、その内部には親機と同様に下り通信用シリアル受信回路221-1ないし221-2、上り通信用シリアル送信回路222-1ないし222-2が配置され、親機210との上下通信を実現している。
また親機210中の親機電源回路217から引き出された電源線は接続ケーブル212-1、212-2を介してセンシングノード電源回路223-1、223-2と接続され、それぞれセンシングノード211-1、211-2の動作に必要な電力を供給する。なお本第2の実施例においてはセンシングノード211-1、211-2と親機210は異なる地点に配置される別体の構成ではあるが、各センシングノード211-1、211-2の動作電力は親機210から供給され、センシングノード単体では動作することができないため、親機210とセンシングノード211-1、211-2を一体として本発明のセンシング装置として取り扱う。
本例では、本発明に必要となる周期変動検出部201-1、201-2、201-3は全て親機CPU213部内部に実装し、それぞれがセンサ101-1、101-2、101-3から取得された測定データの周期変動成分の検出を行う構成とした。センシングノード211-1、211-2の消費電力やCPU能力・メモリ等に余裕がある場合には、周期変動検出部201-1をセンシングノードCPU部220-1内に、また周期変動検出部201-2及び201-3をセンシングノードCPU部220-2内部に実装しても構わない。
図6は本発明の第3の実施例における光給電を用いたセンシング装置の構成図である。光給電においては、送電側の親機210中に半導体レーザなどの大出力光源を配置し電力を光に変換して光ファイバに入力して伝送し、受電側となるセンシングノード211-1、211-2では光ファイバから得られる出力光をフォトダイオードなどの光電変換回路239-1、239-2を用いて受光し再び電力に変換し、必要な場合はこれを蓄積することで、センサ等を駆動する電力として利用する。
親機210からは光給電と光通信に用いる一本の光ファイバ240が出力され、これを光カプラ241で2分岐してセンシングノード211-1、211-2が接続されている。光ファイバ240は電気的に絶縁されているため防爆性が極めて高く、電磁的な干渉を受けにくい、耐腐食性が高いなどの利点を持つ。このため本発明の対象とする水環境のように水没や腐食のリスクから電気ケーブルの利用が困難な場合や、管渠内部や遠隔地・へき地などで電源へのアクセスが困難な無い場合には光ファイバを用いた光給電が非常に有効な電力伝送技術となる。さらに光給電では光ファイバを親機・子機間の通信媒体として利用することも可能であるため、電波が届きにくく有線の通信回線が確保しにくい僻地や地下・ビル内・プラント、海底・砂漠・山中・土中などにおける利用にはさらに有利である。
親機210内部にはさらに下り通信用光送信回路234、上り通信用光受信回路235が配置され、それぞれ異なる光波長を利用して各センシングノード内の下り通信用光受信回路236-1及び236-2、上り通信用光送信回路237-1、237-2と接続されている。親機210の光ファイバ接続部には光合分波器242-1、子機(センシングノード211-1及び211-2)の光ファイバ接続部にはそれぞれ光合分波器242-2、242-3が配置され、波長の異なる上り通信光・下り通信光を低損失で多重・分離する。また親機210の内部には、光給電用レーザ238が配置され、ここから出力される高強度のレーザ光も同様に光合分波器242-1を通って光ファイバ240内部に出力され、光カプラ241で2分岐された後に光合分波器242-2、光合分波器242-3を通過してそれぞれ光電変換回路239-1、239-2に入力される。
光電変換回路239-1、239-2では、前述のように光電変換を利用して受光した給電光を電力に変換しセンシングノード211-1、211-2の動作電力を供する。
本実施例においても周期変動検出部201-1、201-2、203-3はセンシングノードCPU部220-1や220-2に配置することも可能であるが、光給電によってセンシングノードに供給可能な電力は数~数10mW程度に限られるため、周期変動検出部201-1、201-2、203-3は電力制限の少ない親機CPU部213に実装するのが有利である。
また本実施例では、センシングノード211-1には水位センサ230-1、センシングノード211-2には水位センサ230-2及び水質センサ232-1が接続されている。一般に水位センサと水質センサは動作原理が異なるため、水位センサ230-1と230-2はそれぞれ水位センサインタフェース部231-1、231-2に、また水質センサ232-1は水質センサインタフェース部233-1に接続されている。これらのセンサインタフェースから出力される測定データはそれぞれ親機CPU部213内部の周期変動検出部201-1、201-2、201-3によって周期変動成分が除去される。
なお水質センサ232としては下水や河川などの水質指標となる物理量を測定するセンサであれば広く利用することが可能である。このようなセンサとしては、電気伝導率センサ、濁度センサ、溶存酸素や溶存塩素センサ、pHセンサなどが挙げられる。以下、本発明の実施例中では水質センサとしてはこれらのうち電気伝導率センサを搭載するものとして記載した。
また水位や水質以外にも、水環境の状態を反映するセンサであれば広く本発明に利用可能であり、その例としては水温センサ、気温/湿度センサ、気圧センサ、気相・液相のガス濃度センサ(硫化水素、アンモニアなど)、悪臭センサなどが挙げられる。
また本実施例では、一本の光ファイバ240に2台のセンシングノード211-1、211-2を接続する例を示したが、光ファイバの本数や配線トポロジーに制限は無く、光カプラ241を用いず、親機210と2つのセンシングノード211-1、211-2を別々の光ファイバで相互に接続したり、光給電・上り光通信・下り光通信にそれぞれ独立の光ファイバを利用しても構わず、またセンシングノードの数や配置トポロジーにも制限は無い。なお本実施例では光ファイバを光通信と光給電にのみ用いる例であるが、光ファイバ自身をセンサとして用いたり、センシングノードの代わりに光ファイバに直接光ファイバセンサを接続する構成としても構わない。
図7は本発明の周期変動検出部250の構成図であり、一定間隔で入力される水位センサの測定値H1(t)から周期変動成分<H1(t')>を算出する例であり、本例では同時に非周期変動量ΔH1(t)=H1(t)-<H1(t')>も算出し、<H1(t')>と共に外部に出力している。
周期変動検出部250の内部には、時系列平均化回路253、更新禁止回路254、及び時系列平均値テーブル252を格納するメモリ251が配置されている。時系列平均値テーブル252には、時刻と水位の時系列平均値がペアで格納されており、テーブル中の時刻範囲は周期変動成分の所定周期(本例では1日)、また時刻間隔は時刻量子化回路257の定める間隔となる(本例では5分)。
時刻量子化はセンサの測定頻度が測定値の周期変動の速度より十分短い場合には、時系列平均値テーブル252のメモリ量を減らし、かつ平均化回数を増やして時系列平均の取得に要する期間を短縮する効果を持つ。
本構成ではリアルタイムクロック部202から得られた現在時刻は、時刻量子化回路257で5分単位で丸められ、端数を除去した5分単位の時刻に変換される。例えば時刻が00:11(0時11分)の場合、出力時刻は00:10となる。時系列平均値テーブル252からは、00:10の欄の時系列平均値(本例では55.5cm)が周期変動成分<H1(t')>として読み出され、減算回路255ではこれを用いてセンサ測定値の変動量ΔH1(t)が計算できる。
時系列平均化回路253には、時系列平均値<H1(t')>と新しいセンサ測定値H1(t)が同時に入力されており、センサ測定値H1(t)が更新される都度、一回の移動平均演算を実施している。Nは平均化の重み(ないしは更新時定数)であり、N=100とした場合、定数乗算回路256-2はセンサ測定値H1(t)に重み1/100を乗じ、また定数乗算回路256-1は時系列平均値<H1(t')>に99/100の重みを乗じ、両者は減算回路258で加算され、算出された新しい時系列平均値<H1(t')>を用いて時系列平均値テーブル252の時刻00:10の欄が更新される。
なお本例ではセンサの測定頻度を例えば1分に1回にすると、時系列平均値は1日に5分間、計5回の更新が行われる。N=100であれば、時系列平均値テーブルはおよそ20日の時定数で徐々に更新され続ける。このようなゆっくりとした移動平均演算を用いることで、水環境の季節的な変動など長期の変動に自動的に追従し、長期運用状態においても測定データの周期成分を正しく除去することが可能となる。
もし設置環境の長期的な変化が少なく移動平均が不要な場合にはNを定数ではなく、総データ数として演算のたびに1ずつ増加するものとすれば計算結果は通常の平均値(全測定データ/総データ数)となる。
更新禁止回路254は、周期変動成分の検出精度を向上に非常に重要な要素となる。本例では測定値の非周期変動量ΔH1(t)をコンパレータ260であらかじめ設定した閾値Ref1(本例では5cm)と比較し、非周期変動量ΔH1(t)が閾値を越える場合には異常値と判断し、ゲート回路261によって時系列平均値テーブル252の更新を停止する。これによって周期変動成分に異常値の算入を防ぐことが可能となる。
なお本実施例に示す定数Nや閾値Ref1は固定値とする必要はなく、操作者や上位装置の指示等により適宜最適な値に変更することが有効である。例えば、センシング装置の起動時など過去データが少ない場合にはNを小さくして時系列平均値の計算時間を短縮したり、閾値Ref1もセンサの配置位置などに応じて適宜変更することが可能である。また周期変動成分の算出アルゴリズムも適宜変更することが有効であり、例えば起動直後は前述の最低値検出を利用し、その後上記の移動平均法に切り替えるなどの実装が考えられる。
なお、周期変動検出部250の構成は、前記第1~第3の実施例に示した、周期変動検出部201-1、201-2、201-3に適用することができる。
図8は本発明の第5の実施例における異常・状態判定を示す構成図である。本図は親機210の内部構成を示しており、センシングノードやセンサは図からは省略しているが2台のセンシングノードにそれぞれ水位センサと水質センサを1つずつ搭載する構成を想定している。図中の親機CPU部213内には、センシングノード1に搭載する水位センサ用の周期変動検出部262-1と水質センサ用の周期変動検出部263-1、またセンシングノード2に搭載する水位センサ用の周期変動検出部262-2と水質センサ用の周期変動検出部263-2が配置されており、各検出部からはそれぞれセンシングノード1の水位の非周期変動量ΔH1と水質の非周期変動量ΔE1、センシングノード2の水位の非周期変動量ΔH2と水質の非周期変動量ΔE2が出力されている。
コンパレータ260-1、260-3はそれぞれ水位の異常値の検出に用いられており、水位の変動量ΔH1、ΔH2が周期成分から所定値RH(本例では50cm)を越えると警報発生回路264を起動し、水位超過を示す警報が警報・状態信号266として、ネットワーク経由で上位データ集約装置などに送信される。
同様にコンパレータ260-2、260-4はそれぞれ水質の変動量の検出に用いられており、水質の変動量が所定値(本例では電気伝導率センサを想定、1000uS/cm-1)を越えると警報発生回路264を起動する。なお本例では変動量が所定値の超過時のみに警報を発生する例であるが、逆に変動量が所定値以下の負の値になった場合に警報を発生したり、上下双方に閾値を設けたり、複数の検出レベルを設けて変動量に応じて異なる警報を発出してもよい。
また状態判定回路265-1は同一のセンシングノードに搭載された複数種類のセンサの出力信号を組み合わせて状態判定を行う回路であり、流入水の種類など複雑な状態判定を行うことが可能となる。状態判定回路265-1には水位センサ用の周期変動検出部262-1の出力する水位の変動量ΔH1、及び水質センサ用の周期変動検出部263-1の出力する水質の変動量ΔE1が入力されている。また状態判定回路265-2には水位センサ用の周期変動検出部262-2の出力する水位の変動量ΔH2、及び水質センサ用の周期変動検出部263-2の出力する水質の変動量ΔE2が入力される。
図9は状態判定回路265-1、265-2における状態判定の原理の説明図である。横軸は水位変動量ΔH、縦軸は水質変動量ΔE(本例では電気伝導率センサを想定)であり、2つのパラメータの組み合わせにより、異常減水、不明水流入、異常増水、真水(雨水)流入の5つの状態を判別することが可能となる。例えば、水位変動量ΔHが正となる領域においては電気伝導率の変動量が負であれば真水ないしは雨水流入により電気伝導率が低下した可能性が高いと判断できる。なお本例はあくまで模式図であり、センサの異常などでしか存在しえない組み合わせ範囲なども存在するが本図には示していない。
なお本構成で検出した警報や状態信号の利用範囲は上記に限らず、外部の複数の装置に同時に配信したり、親機210自身のLEDや表示パネルに表示したり、コンソールポートやシリアル回線に出力しても構わない。また警報や状態信号の発生も、その内容や利用法に応じて単発としたり、長時間継続しても構わない。また警報や状態信号の解除については適宜検出ヒステリシスを持たせ、ノイズ等による測定値の変動によって多数回の警報の発生を抑圧するのが有効である。
また上記の閾値判定や状態判定においては、各センサの非定常変動量だけを利用する例を示したが、本センシング装置の利用環境や目的、センサの設置個所によっては、センサ測定値を直接用いる必要がある場合も考えられる。このような例としては、浸水や越流の検知・水質汚濁の検知など絶対水位や絶対濃度などを基準に警報の発出判定を行う場合が挙げられる。よって必要に応じて本発明で用いた非周期変動量と測定データのいずれか、もしくは両方の組み合わせを用いることで最適な実装が可能となる。
また図8のネットワークインタフェース部104には、外部から制御命令・情報信号267が入力されている。制御命令は、本発明の周期変動検出部の動作制御に利用され、その用途としては例えば、周期変動のリセット、時系列平均値テーブルの初期値の設定、警報や状態判定の有効化/無効化の切替えや判定閾値・領域の設定、周期変動の算出アルゴリズムの指定や時定数や時間量子化間隔などのパラメータの変更などが考えられる。これらのうち周期変動のリセットは、水位センサ用の周期変動検出部262や水質センサ用の周期変動検出部263を外部から強制的にリセットするための制御命令である。本発明のセンシング装置における周期変動検出部は平均化時間が長く動作に異常が生じた場合には正常状態への回復に時間がかかる可能性があるため、このような外部信号によって特定ないしは全部の周期変動検出部の平均化動作をリセットすることが有効である。
降雨情報メモリ273(図11参照)は、制御命令・情報信号267の一部として取得した現在の降雨情報を記憶している。このような降雨情報は上位制御装置から適宜本発明のセンシング装置に通知してもよいし、またセンシング装置自身がインターネットや無線網から直接収集しても構わない。また別途設置した降水量センシング装置などから取得することも可能である。
降雨情報メモリ273内の降雨情報は、例えば状態判定回路265の状態判定をさらに高精度するために利用することが可能である。図10は状態判定回路265の降雨状態を加味した状態判定の説明図である。本例では降雨の有無に応じて2つの状態判定図を用意し、降雨の無い場合は上段の判定図(a)を、また降雨時は下段の判定図(b)を用いることにより流入水の状態をより精密に判定することが可能となる。なお、降雨の量に応じて判定領域を変化させることによって、より高精度な状態判定が可能となる。
図11は本発明の第6の実施例における周期変動検出部250の構成図である。本図の周期変動検出部250の基本構成は図7とほぼ同一であるが、本例では図8の制御命令・情報信号267の一部として取得した降雨情報及び曜日・平休日情報を利用して、さらに高精度な周期変動検出を可能としている。取得した降雨情報は図中の降雨情報メモリ273内に、また曜日・平休日情報は曜日・平休日情報メモリ272に保存される。
降雨情報メモリ273の出力信号はゲート回路261に入力され、降雨時に時系列平均値テーブル(270、271)の更新を停止するために用いられている。本例では降雨の有無のみを利用しているが、降水量が所定値を越えた際に更新を停止する構成としてもよい。
曜日・平休日情報メモリ272からは、その日の平日・休日の区分を示す信号が出力され、本信号に基づいてメモリ251内の平日用時系列平均値テーブル270と休日用時系列平均値テーブル271の切り替えが行われる。これによって、平日には平日用時系列平均値テーブル270を利用して時系列平均データの取得と更新が、休日には休日用時系列平均値テーブル271を利用して時系列平均データの取得と更新を行うことが可能となる。
下水環境に大きな影響を与える家庭・産業排水の排出状態は、平日か休日かによって大きく変化するため、両者を区別してそれぞれ個別に周期変動成分を検出することによって周期変動成分の検出精度が大きく向上する。なお本図では平日・休日の2つの区分のみとしたが、さらに詳細に平日・土曜・休日の3つの区分を行ったり、曜日ごと(7つ)の区分としてもよい。なお、祝日や近隣の自治体や会社の休日については曜日に無関係に休日に区分して周期変動を算出することも有効と考えられる。
図12は本発明の第7の実施例における水環境センシング装置の構成図であり、本例では親機210に光ファイバ240を介して3つのセンシングノード211-1、211-2、211-3が接続されている。これら3つのセンシングノードは、同一の水系統(本例では水流)を測定対象とし、水流の上流から順に3つの地点(地点1、地点2、地点3)に配置される。各センシングノードには、それぞれ水位センサ230-1、230-2、230-3、及び水質センサ232-1、232-2、232-3がひとつずつ配置され、地点1~3の水位と水質を測定する。
水位と水質の測定データは、それぞれ親機210の内部の水位センサ用の周期変動検出部262-1、262-2、262-3、水質センサ用の周期変動検出部263-1、263-2、263-3に入力され、地点1の水位と水質の非周期変動量ΔH1とΔE1、地点2の水位と水質の非周期変動量ΔH2とΔE2、地点3の水位と水質の非周期変動量ΔH3とΔE3が算出される。
センシングノード配置テーブル274中には各ノードの配置関係(図12の(b)参照)が記憶されており、状態判定回路275では、前記各地点の水位と水質の変化にセンシングノード配置を考慮して状態判定を行う。
このような状態判定としては、例えば異常水の流入や管路の破断やその位置の推定が挙げられる。例えば、地点2ないしは地点3の下流でのみ水位が大きく負に変動する場合にはそれぞれの上流点での管路破断が、また地点2ないしは地点3の下流でのみ水位が大きく正に変化する場合には同じくその上流点での雨水や異常水の流入が生じたと判断できる。さらに水質の変動を加味することにより、流入水種の推定も可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換のいずれもが、単独で、又は組み合わせても適用可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、及び処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、及び機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
100:従来の水環境センシング装置、101:センサ、102:センサインタフェース部、
103:CPU部、104:ネットワークインタフェース部、
105:メモリ部、106:電源部、107:ネットワーク、108:上位データ集約装置、
200:本発明の水環境センシング装置、201:周期変動検出部、
202:リアルタイムクロック部、
210:親機、211:センシングノード、212:接続ケーブル、
213:親機CPU部、214:ネットワークケーブル、
215:下り通信用シリアル送信回路、216:上り通信用シリアル受信回路、
217:親機電源回路、
220:センシングノードCPU部、
221:下り通信用シリアル受信回路、222:上り通信用シリアル送信回路、
223:センシングノード電源回路、224:電源供給線、225:上り通信線、226:下り通信線、
230:水位センサ、231:水位センサインタフェース部、
232:水質センサ、233:水質センサインタフェース部、
234:下り通信用光送信回路、235:上り通信用光受信回路、
236:下り通信用光受信回路、237:上り通信用光送信回路、
238:光給電用レーザ、239:光電変換回路、
240:光ファイバ、241:光カプラ、242:光合分波器、
250:本発明の周期変動検出部、
251:メモリ、252:時系列平均値テーブル、
253:時系列平均化回路、254:更新禁止回路、
255:減算回路、255:加算回路、256:定数乗算回路、
257:時刻量子化回路、
260:コンパレータ、261:ゲート回路、
262:水位センサ用の周期変動検出部、263:水質センサ用の周期変動検出部、
264:警報発生回路、265:状態判定回路、266:警報・状態信号、
267:周期変動リセット信号・曜日/平休日・降雨情報、
270:平日用時系列平均値テーブル、271:休日用時系列平均値テーブル、
272:曜日・平休日情報メモリ、273:降雨情報メモリ
274:センシングノード配置テーブル、275:状態判定回路

Claims (8)

  1. ネットワークを介して上位データ集約装置に接続され、かつ、複数のセンサを備え、前記センサから測定データを収集する水環境センシング装置において、
    測定時刻の基準となる現在時刻を出力するクロック回路と、
    各センサ毎に所定の時間周期を単位として測定データの周期変動成分を検出するデータ処理部と、
    検出した前記周期変動成分を記憶する記憶部と、
    前記測定データ前記周期変動成分は、前記測定データの後の現在測定値と前記周期変動成分の差分である非周期変動量のいずれか一方を前記上位データ集約装置に送信する第1の送信部と、
    前記各センサから得られた非周期変動量を各センサごとに定まる所定の第1の閾値と比較する閾値判定部と、を備え、
    前記データ処理部は、前記第1の閾値を越えた非周期変動量の現在測定値を以降の周期変動成分の検出から除外し、
    前記複数のセンサに少なくとも水位センサ及び水質指標センサを含み、
    前記水環境センシング装置は、さらに、
    外部から前記センサの設置地点ないしは設置地点の上流域の降雨の有無を含む降雨情報を取得する降雨情報取得部と、
    前記水位センサと前記水質指標センサから得られた水位と水質指標の非周期変動量の組み合わせ値並びに前記降雨情報からセンシング対象となる水環境状態を判定する状態判定部と、を備え、
    前記記憶部は前記水環境状態の判定結果を記憶し、
    前記第1の送信部が前記水環境状態の判定結果を外部に送信することを特徴とする水環境センシング装置。
  2. 請求項1において、1台の親機と1個以上のセンシングノードから構成され、
    前記センシングノードには前記1個以上のセンサを搭載しかつ前記親機から電力を受電する受電部及び測定データを前記親機に送信する第2の送信部を備え、
    また前記親機は各センシングノードに対し給電を行う給電部ならびに測定データを受信する受信部を備えることを特徴とする水環境センシング装置。
  3. 請求項2において、前記親機と複数のセンシングノードは光ファイバを介して接続され、
    前記親機に、光給電用光源ならびに光受信器を備え、
    かつ前記センシングノードに光給電受電回路ならびに光受信器を備え、
    前記光ファイバを用いて、親機から各センシングノードに対し光ファイバ給電を行いかつ各センシングノードから親機に測定データを送信することを特徴とする水環境センシング装置。
  4. 請求項1の水環境センシング装置において、
    同一の水系統の複数の地点に配置された前記複数のセンサに対し、
    前記センサの上流から下流に至る配置順序を記憶する第2の記憶部を持ち、前記状態判定部は、前記複数のセンサから得られた非周期変動量と前記配置順序を入力として水環境状態を判定することを特徴とする水環境センシング装置。
  5. 請求項1において、所定の時間周期が1日であることを特徴とする水環境センシング装置。
  6. 請求項5において、外部から曜日ないしは平休日の区別を含む日時データを取得する日時情報取得部を備え、前記データ処理部は、前記の周期変動成分の検出を曜日毎ないしは平日/休日毎に区分し独立して算出することを特徴とする水環境センシング装置。
  7. 請求項5において、前記データ処理部は、周期変動成分の1日より大なる周期の変化に自動追従し、かつ起動時もしくは外部からの信号で自動的に初期化することを特徴とする水環境センシング装置。
  8. 請求項1において、前記閾値判定部は、降雨時が所定の第2の閾値を越えた時刻の測定値については周期変動成分の検出処理から除外することを特徴とする水環境センシング装置。
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