A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての画像処理システムを示す説明図である。この画像処理システム1000は、ネットワーク900と、サーバ400と、複合機100と、を有している。サーバ400と複合機100とは、それぞれ、ネットワーク900に接続されている。複合機100は、ユーザの指示に従って画像を印刷する。サーバ400は、画像の印刷のための画像処理で利用されるボタン規定テーブルデータCtabとテンプレート画像群データTpとを、複合機100に供給する。
サーバ400は、データ処理装置410と、不揮発性記憶装置430と、を有している。不揮発性記憶装置430は、例えば、ハードディスクドライブであり、ボタン規定テーブルデータCtabと、テンプレート画像群データTpと、を格納している。データ処理装置410は、いわゆるコンピュータであり、図示しないプロセッサ(例えば、CPU)と記憶装置(例えば、DRAMとハードディスクドライブ)とを有している。データ処理装置410のプロセッサは、記憶装置に格納されたプログラムを実行することによって、テンプレート提供部420と、テーブル提供部422と、のそれぞれの処理部の機能を実現する。テンプレート提供部420は、複合機100からの要求に応じて、テンプレート画像群データTpを、ネットワーク900を介して、複合機100に送信する。テーブル提供部422は、複合機100からの要求に応じて、ボタン規定テーブルデータCtabを、ネットワーク900を介して、複合機100に送信する。
複合機100は、プロセッサ110と、揮発性記憶装置120と、不揮発性記憶装置130と、表示部140と、操作部150と、通信インタフェース160と、印刷実行部180と、時計190と、を有している。
プロセッサ110は、データ処理を行う装置であり、例えば、いわゆるCPUである。
揮発性記憶装置120は、例えば、いわゆるDRAMであり、不揮発性記憶装置130は、例えば、いわゆるフラッシュメモリである。不揮発性記憶装置130は、プロセッサ110によって実行されるプログラム132と、ボタン規定テーブルデータCtabと、複合機100の種々の動作パラメータの設定内容を表す設定情報Siと、テンプレート画像群データTpと、を格納している。プロセッサ110は、プログラム132を実行することによって、種々の機能を実現する。第1実施例では、プロセッサ110は、日付情報取得部211と、選択情報取得部212と、地域情報取得部213と、最大数情報取得部214と、対応画像選択部220と、表示制御部230と、印刷制御部240と、設定制御部250と、のそれぞれの処理部の機能を実現する。各処理部の詳細については、後述する。また、プロセッサ110は、プログラム(例えば、プログラム132)の実行に利用される種々の中間データを、記憶装置(例えば、揮発性記憶装置120、または、不揮発性記憶装置130)に、一時的に格納する。
表示部140は、画像を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。操作部150は、ユーザによって操作される装置であり、例えば、表示部140上に重ねて配置されたタッチパネルである。ユーザは、操作部150を操作することによって、画像処理の指示等の種々の指示を入力可能である。通信インタフェース160は、ネットワークに接続するためのインタフェースであり、例えば、IEEE802.11a/b/g/nの規格に従った無線インタフェースである。通信インタフェース160は、ネットワーク900に接続されている。時計190は、現在日時を計測する時計である。
印刷実行部180は、印刷媒体(例えば、紙)上に画像を印刷する装置である。第1実施例では、印刷実行部180は、シアンCとマゼンタMとイエロYとブラックKのそれぞれのトナーを用いるレーザ式のカラープリンタである。ただし、印刷実行部180としては、他の方式のプリンタ(例えば、インクジェット式プリンタ)を採用可能である。
図2は、複合機100(図1)の表示制御部230によって実行される表示処理のフローチャートである。表示制御部230は、複合機100の電源が投入されたことに応じて、この表示処理を開始する。最初のステップS130では、表示制御部230は、不揮発性記憶装置130に格納された設定情報Siに含まれるカスタムボタンフラグを取得し、カスタムボタンフラグが「オン」であるか否かを判定する。「オン」のカスタムボタンフラグは、カスタムボタンを表示部140に表示することを示し、「オフ」のカスタムボタンフラグは、カスタムボタンを表示部140に表示しないことを示している。カスタムボタンは、画像を印刷する画像処理を実行するためのボタンである。このように、本実施例では、カスタムボタンに対応付けられた画像処理は、画像を印刷する処理である。なお、後述するように、本実施例では、複数のカスタムボタンが利用可能であり、カスタムボタン毎に、異なる画像処理(すなわち、異なる画像の印刷処理)が実行される。カスタムボタンの詳細については、後述する。
カスタムボタンフラグが「オフ」である場合(S130:No)、次のステップS180で、表示制御部230は、通常画面を表示する。図3(A)は、通常画面の例を示している。図示された通常画面141は、第1ボタンB1と、第2ボタンB2と、設定ボタンB3と、を表している。第1ボタンB1は、写真の印刷処理を実行するためのボタンであり、第2ボタンB2は、書類のコピーを実行するためのボタンであり、設定ボタンB3は、複合機100の設定を変更するためのボタンである。ユーザは、操作部150(本実施例では、タッチパネル)のうちの、好みのボタンと重なる位置に触れることによって、好みのボタンを操作可能である。プロセッサ110(例えば、表示制御部230)は、操作部150から、操作部150上の接触位置を表すデータを取得し、接触位置に応じて、どのボタンが操作されたのかを特定できる。図2のステップS180の後、表示制御部230は、ステップS130に戻る。
図4は、ユーザ設定取得処理のフローチャートである。この処理は、図2の処理とは独立に実行可能な処理であり、本実施例では、設定ボタンB3(図3(A))がユーザによって操作されたことに応じて、開始される。最初のステップS300では、地域情報取得部213(図1)は、設定情報Siに含まれる国コードCcを取得する。国コードCcは、複合機100が利用される国を表す情報である。国コードCcは、例えば、複合機100の出荷時に、決定されている。また、ユーザが、国コードCcを決定することとしてもよい。
次のステップS305では、日付情報取得部211は、時計190から、現在の日付に基づいて決定される日付情報を取得する。日付情報は、月を表す情報と、日を表す情報と、曜日を表す情報と、のうちの少なくとも1つを含んでいる。本実施例では、日付情報は、月と日とを含んでいる。
次のステップS310では、表示制御部230は、設定画面を表示部140に表示する。図3(B)は、設定画面の例を示している。図示された設定画面142は、表示部140の明るさを設定するための明るさ設定ボタンBd1と、表示部140の自動消灯までの時間を設定するためのスリープ設定ボタンBd2と、カスタムボタンの設定ボタンBd3と、OKボタンBoと、を表している。OKボタンBoは、設定が完了したときにユーザによって操作されるボタンである。各ボタンBd1~Bd3上には、現在の設定内容が、表示されている。表示制御部230は、不揮発性記憶装置130に格納された設定情報Siから、現在の設定内容を表す情報を取得する。
図4の次のステップS315では、表示制御部230は、ユーザによる操作に応じて、表示部140に表示される画面を更新する。例えば、ユーザが、図3(B)の設定ボタンBd3を操作したことに応じて、表示制御部230は、図3(C)に示す設定画面143を表示する。この設定画面143は、カスタムボタンの設定を行うための4つのボタンBs0~Bs3を表している。これらのボタンBs0~Bs3には、互いに異なる設定内容が対応付けられている。各ボタンBs0~Bs3に対応付けられた設定内容は、以下の通りである。
オフボタンBs0:カスタムボタンフラグ=「オフ」
第1オンボタンBs1:カスタムボタンフラグ=「オン」、最大ボタン数=「1」
第2オンボタンBs2:カスタムボタンフラグ=「オン」、最大ボタン数=「2」
第3オンボタンBs3:カスタムボタンフラグ=「オン」、最大ボタン数=「3」
「最大ボタン数」は、表示部140に一度に表示されるカスタムボタンの最大数である。ユーザは、これらのボタンBs0~Bs3のいずれかを操作することによって、カスタムボタンの設定内容を、操作したボタンの設定内容に、決定できる。
表示制御部230は、図3(C)のボタンBs0~Bs3のいずれかがユーザによって操作されたことに応じて、更新された設定画面144(図3(D))を、表示部140に表示する。図3(D)の例では、図3(C)の第2オンボタンBs2が選択されたことによって、カスタムボタンの設定が、「オン、最大ボタン数=2」に変更されている。
ユーザがOKボタンBo(図3(D))を操作したことに応じて、表示制御部230は、図4のステップS315を終了する。この際、表示制御部230は、ステップS315で最終的に決定された動作パラメータを表す情報を、揮発性記憶装置120に、一時的に格納する(「更新設定情報」と呼ぶ)。続くステップS320~S380では、カスタムボタンの設定に関する処理が、実行される。他の動作パラメータ(例えば、図3(B)の明るさと、自動消灯までの時間)のための処理については、図示と説明とを省略する。
次のステップS320では、設定制御部250は、ステップS315で最終的に決定されたカスタムボタンの設定が「オン」であるか否かを判定する。
カスタムボタンの設定が「オフ」である場合(S320:No)、次のステップS340で、設定制御部250は、カスタムボタンフラグを「オフ」に決定する。次のステップS380で、設定制御部250は、揮発性記憶装置120に格納された更新設定情報(図示省略)を参照し、ステップS315で最終的に決定された動作パラメータを表すデータを、設定情報Siの一部として、不揮発性記憶装置130に格納する。そして、図4の処理を終了する。
カスタムボタンの設定が「オン」である場合(S320:Yes)、次のステップS330で、設定制御部250は、カスタムボタンフラグを「オン」に決定する。次のステップS350では、最大数情報取得部214は、揮発性記憶装置120に格納された更新設定情報(図示省略)を参照して、ステップS315で最終的に決定された最大ボタン数MaxBを取得する。次のステップS360では、対応画像選択部220は、最大ボタン数MaxBに応じて、表示ボタンテーブルデータBtabを生成し、生成したデータを、更新設定情報の一部として、揮発性記憶装置120に格納する。
図5(A)は、図4のステップS360で生成される表示ボタンテーブルデータBtabの例を示す概略図である。表示ボタンテーブルデータBtabは、表示部140に表示されるカスタムボタンの構成を、カスタムボタン毎に定めている。表示ボタンテーブルデータBtabは、最大ボタン数MaxBのカスタムボタンの情報を表している。図5(A)の例では、表示ボタンテーブルデータBtabは、2個のカスタムボタンの情報を表している。
本実施例では、表示ボタンテーブルデータBtabは、ボタン番号biと、X座標bxと、Y座標byと、幅bwと、高さbhと、ボタン名Bnと、文字サイズCsと、文字配置Caと、処理番号Pnと、の対応関係を、表している。ボタン番号biは、カスタムボタンの識別子であり、ゼロから始まる整数である。X座標とY座標とは、表示部140上のボタンの位置を示している。X座標bxは、特定の点(例えば、表示部140の表示領域の左上の隅)を原点とした場合の表示部140内の所定の第1方向(図示省略)の座標を示し、Y座標byは、表示部140内の第1方向と垂直な所定の第2方向(図示省略)の座標を示している。本実施例では、ボタンの形状は、略矩形状であり、X座標bxとY座標byとは、ボタンの所定部分(ここでは、左上の隅)の位置を示している。幅bwは、ボタンの第1方向の長さを示し、高さbhは、ボタンの第2方向の長さを示している。
ボタン名Bnは、ボタン中に表示される文字列であり、ボタンの名前を示している。文字サイズCsは、ボタン中に表示されるボタン名Bnの文字サイズを示している。文字配置Caは、ボタン内に表示されたボタン名Bnの行数を示している。処理番号Pnは、ボタンに対応付けられた画像処理の番号(識別子)を示している。
対応画像選択部220は、ボタン番号biと、X座標bxと、Y座標byと、幅bwと、高さbhとを、最大ボタン数MaxBに応じて予め決められた値に決定する。カスタムボタンの構成を表すパタメータbx、by、bw、bhは、例えば、最大ボタン数MaxBが大きいほど、複数のカスタムボタンが密に配置されるように、予め決定されている。
対応画像選択部220は、ボタン名Bnと、文字サイズCsと、文字配置Caと、処理番号Pnとを、後述するカスタムボタン作成処理で、決定する。
図4の次のステップS370では、表示制御部230は、ユーザにカスタムボタンの配置を確認させるために、カスタムボタンを含む操作画面を、表示部140に表示する。図3(E)は、表示される操作画面の例を示す概略図である。この操作画面145は、図3(A)の通常画面141のボタンB1、B2、B3に加えて、2つのボタンBc1、Bc2と、OKボタンBoとを、表している。追加されたボタンBc1、Bc2は、表示ボタンテーブルデータBtab(図5(A))に従って配置されたカスタムボタンを表している。表示制御部230は、揮発性記憶装置120に格納された更新設定情報(図示せず)に含まれる表示ボタンテーブルデータBtabを参照することによって、ボタンBc1、Bc2の配置を特定する。なお、この段階では、ボタン名Bnは未決定であるので、ボタンBc1、Bc2中には、仮のボタン名が表示されている。ユーザがOKボタンBoを操作することによって、表示制御部230は、図4のステップS370を終了する。
次のステップS380では、設定制御部250は、揮発性記憶装置120に格納された更新設定情報を参照し、ステップS315で最終的に決定された動作パラメータを表すデータと、ステップS360で生成された表示ボタンテーブルデータBtabとを、設定情報Siの一部として、不揮発性記憶装置130に格納する。そして、図4の処理を終了する。
図2のステップS130で、カスタムボタンフラグが「オン」である場合(S130:Yes)、次のステップS140で、カスタムボタン作成処理が実行される。図6は、カスタムボタン作成処理のフローチャートである。最初のステップS410では、対応画像選択部220は、不揮発性記憶装置130の設定情報Siを参照して、国コードCcと、日付情報Cdと、最大ボタン数MaxBと、表示ボタンテーブルデータBtabとを、取得する。
次のステップS415では、対応画像選択部220は、不揮発性記憶装置130に格納されたボタン規定テーブルデータCtabを取得し、そして、ボタン規定テーブルデータCtabによって規定されるボタンの数である規定ボタン数Niを取得する。
図7は、ボタン規定テーブルデータCtabの例を示す概略図である。ボタン規定テーブルデータCtabは、複数のカスタムボタンのそれぞれを規定している。本実施例では、ボタン規定テーブルデータCtabは、処理番号Pnと、有効国コードCcxと、開始日SDと、終了日EDと、ボタン名Bnと、優先順位Prと、の対応関係を、カスタムボタン毎に定めている。処理番号Pnは、カスタムボタンに対応付けられた画像処理の識別子である。後述するように、本実施例では、カスタムボタンには、以下の画像処理が対応付けられている。すなわち、カスタムボタンの処理番号Pnに対応付けられたテンプレート画像データを選択する処理と、選択されたテンプレート画像データを用いて印刷データを生成する処理と、生成された印刷データを印刷実行部180に送信する処理と、を含む画像処理が、カスタムボタンに対応付けられている。有効国コードCcxは、カスタムボタンが有効な国コードを示している。開始日SDと終了日EDとは、カスタムボタンが有効な期間の開始日と終了日とを示している。本実施例では、開始日SDと終了日EDとのそれぞれは、月と日とで表されている。ボタン名Bnは、ボタン中に表示される文字列であり、ボタンの名前を示している。優先順位Prは、表示部140に表示する優先順位を示している。
図7の例では、1番から3番のカスタムボタンに関しては、国コードCcが、日本を示す「0000番」であり、ボタン名Bnが、日本語で表されている。4番と5番のカスタムボタンに関しては、国コードCcは、米国を示す「0001番」であり、ボタン名Bnが、英語で表されている。なお、1番のボタンは、暑中見舞(すなわち、夏の挨拶状)を印刷するためのボタンであり、2番のボタンは、年賀状(すなわち、新年の挨拶状)を印刷するためのボタンであり、3番のボタンは、クリスマスカードを印刷するためのボタンである。また、4番のボタンは、ハロウィーンカードを印刷するためのボタンであり、5番のボタンは、クリスマスカードを印刷するためのボタンである。いずれのカスタムボタンも、後述するテンプレート画像を用いて形成される画像を印刷する画像処理に対応付けられている。また、複数の処理番号Pnは、処理番号Pnが小さいほど、表示されるべき優先順位Prが高くなるように、設定されている。
図6の次のステップS420では、対応画像選択部220は、表示するために選択されたカスタムボタンの数である表示ボタン数NumBを、ゼロに初期化する。
次に、対応画像選択部220は、ステップS425からステップS465までのループ処理を実行して、ボタン規定テーブルデータCtabによって規定された複数のカスタムボタンから、表示部140に表示すべきカスタムボタンを選択する。そして、対応画像選択部220は、選択したカスタムボタンを表すように、表示ボタンテーブルデータBtab(図5(A)~図5(C))を更新する。このループ処理では、処理番号Pnが1番から順番に処理される。そして、後述する条件を満たす処理番号Pnのカスタムボタンが、選択される。
具体的には、ステップS425では、対応画像選択部220は、処理対象の処理番号Pnである対象番号iを、「1」に初期化する。次のステップS430では、対応画像選択部220は、表示ボタン数NumBが最大ボタン数MaxB未満であるか否かを判定する。表示ボタン数NumBが最大ボタン数MaxB以上である場合(S430:No)、対応画像選択部220は、ループ処理を終了して、ステップS470に移行する。表示ボタン数NumBが最大ボタン数MaxB未満である場合、次のステップS435で、対応画像選択部220は、対象番号iの有効国コードCcxと開始日SDと終了日EDとを、ボタン規定テーブルデータCtabから取得する。
次のステップS440、445では、対応画像選択部220は、対象番号iのカスタムボタンが、以下の2つの条件を満たすか否かを判定する。
条件1)国コードCcが有効国コードCcxと同じである(S440)
条件2)日付情報Cdが、開始日SDから終了日EDまでの有効期間内である(S445)
2つの条件1、2の両方が満たされる場合(S440:Yes、S445:Yes)、対応画像選択部220は、対象番号iのカスタムボタンを、表示部140に表示するボタンとして選択する。この場合、対応画像選択部220は、ステップS450、S455、S460の処理を実行して、表示ボタンテーブルデータBtab(図5(A)~図5(C))を更新する(詳細は後述)。次に、対応画像選択部220は、ステップS465に移行して、対象番号iの処理を終了する。そして、対応画像選択部220は、ステップS425に戻って対象番号iに「1」を加算し、更新された対象番号iの処理を実行する。
2つの条件1、2の少なくとも一方が満たされない場合、すなわち、ステップS440、S445の少なくとも一方の判定結果が「No」である場合、対応画像選択部220は、対象番号iのカスタムボタンを、表示部140に表示するボタンとして選択しない。この場合、対応画像選択部220は、ステップS450、S455、S460をスキップしてステップS465に移行し、対象番号iの処理を終了する。そして、対応画像選択部220は、ステップS425に戻って対象番号iに「1」を加算し、更新された対象番号iの処理を実行する。
次に、ステップS450、S455、S460を、図5(A)~図5(C)を参照して、具体的に説明する。ここで、国コードCcが「0000番」であり、日付情報Cdが「12月1日」であることと仮定する。図6の手順に従って、まず、「1番」の対象番号i(すなわち、処理番号Pn=1)の処理が実行される。日付情報Cd(12月1日)は、図7の1番の有効期間(7月1日~8月15日)の外である(図6:S445:No)。
従って、1番のカスタムボタンは、選択されない。
次に、「2番」の対象番号i(すなわち、処理番号Pn=2)の処理が実行される。図7に示すように、国コードCc(0000)は、図7の2番の有効国コードCcxと同じである。そして、日付情報Cd(12月1日)は、図7の2番の有効期間(11月15日~1月15日)の内である。従って、2番のカスタムボタンは、表示すべきボタンとして、選択される。この場合、図6のステップS450で、対応画像選択部220は、ボタン規定テーブルデータCtab(図7)から対象番号iのボタン名Bnを取得する。ここでは、2番のボタン名Bnである「年賀状」が、取得される。
図6の次のステップS455では、対応画像選択部220は、表示ボタンテーブルデータBtab(図5(A))の情報Bn、Cs、Ca、Pnを決定する。このステップS455では、表示ボタン数NumBと同じボタン番号biの情報が、対象番号iの情報を用いて、決定される。図5(B)の例では、「0番」のボタン番号biの情報Bn、Cs、Ca、Pnが、図7の2番の情報を用いて、決定されている。
具体的には、表示ボタンテーブルデータBtabのボタン名Bnは、ステップS450で取得されたボタン名Bnである「年賀状」に決定される。文字サイズCsと文字配置Ca(すなわち、ボタン名Bnの行数)とは、カスタムボタン内にボタン名Bnを収めることができるように、決定される。例えば、対応画像選択部220は、先ず、文字サイズCsを所定サイズ(例えば、10.5ポイント)に決定し、文字配置Caを、所定の値である「1」に決定する。決定された文字サイズCsと文字配置Caとに従うとボタン名Bnがカスタムボタンからはみ出る場合、対応画像選択部220は、文字サイズCsを、より小さい所定のサイズ(例えば、9ポイント)に変更する。この文字サイズCsに従ってもボタン名Bnがカスタムボタンからはみ出る場合、対応画像選択部220は、文字配置Caをより大きい所定の値である「2」に変更する。図5(B)の例では、文字サイズCsは、「10.5」に決定され、文字配置Caは「1」に決定されている。処理番号Pnは、対象番号iに決定される。図5(B)の例では、処理番号Pnは、「2」に決定されている。
図6の次のステップS460では、対応画像選択部220は、表示ボタン数NumBに1を加算する。ここでは、更新された表示ボタン数NumBは、「1」である。そして、「2番」の対象番号iの処理が、終了する。
次に、「3番」の対象番号i(すなわち、処理番号Pn=3)の処理が実行される。図7に示すように、3番のカスタムボタンも、2つの条件を満たしている(図6:S440:Yes、S445:Yes)。従って、ステップS450では、図7の3番のボタン名Bnである「クリスマス」が、取得される。続くステップS455では、表示ボタンテーブルデータBtab(図5(C))の表示ボタン数NumBと同じ「1番」の情報Bn、Cs、Ca、Pnが、図7の3番のボタンの情報を用いて、決定される。図5(C)は、更新された表示ボタンテーブルデータBtabの例を示している。ボタン名Bnは「クリスマス」に決定され、文字サイズCsは「9」に決定され、文字配置Caは「2」に決定され、処理番号Pnは「3」に決定されている。
図5(C)に示すように、全てのボタンの情報が決定されることによって、表示ボタン数NumBは、最大ボタン数MaxBと同じ値に更新される(図6:S460)。この結果、次回のステップS430の判定結果が「No」となり、処理は、ステップS470に移行する。ステップS470では、設定制御部250は、更新された表示ボタン数NumBと、更新された表示ボタンテーブルデータBtabとを、設定情報Siの一部として、不揮発性記憶装置130に格納する。そして、図6のカスタムボタン作成処理が終了する。
なお、図7で説明したように、処理番号Pnが小さいほど、優先順位Prが高い。従って、図6の処理では、優先順位Prの高い順に、カスタムボタンが選択される。また、ステップS440、S445の条件を満たすカスタムボタンの数が、最大ボタン数MaxBよりも少ない場合には、図6の処理が終了した段階で、表示ボタン数NumBが、最大ボタン数MaxB未満である。この場合、表示ボタンテーブルデータBtab(図5(A))の一部のボタン番号biの情報Bn、Cs、Ca、Pnが未決定のまま、図6の処理は終了する。
カスタムボタン作成処理が終了すると、図2の次のステップS150では、表示制御部230は、対応画像選択部220によって選択されたカスタムボタンを、表示部140に表示する。図8は、カスタムボタンの表示処理のフローチャートである。最初のステップS510では、表示制御部230は、不揮発性記憶装置130に格納された設定情報Siに含まれる表示ボタン数NumBを取得する。
次のステップS520では、表示制御部230は、表示ボタン数NumBがゼロよりも大きいか否かを判定する。表示ボタン数NumBがゼロである場合、すなわち、表示すべきカスタムボタンが、図6の処理で、検出されなかった場合(S520:No)、次のステップS550で、表示制御部230は、通常画面を表示部140に表示する。このステップS550は、図2のステップS180と同じである。そして、図8の処理が終了する。
表示ボタン数NumBがゼロよりも大きい場合(S520:Yes)、次のステップS530で、表示制御部230は、不揮発性記憶装置130に格納された設定情報Siに含まれる表示ボタンテーブルデータBtabを取得する。次のステップS540では、表示制御部230は、表示ボタンテーブルデータBtabに従って、カスタムボタンを含む操作画面を、表示部140に表示する。そして、図8の処理が終了する。
図3(F)は、カスタムボタンを含む操作画面の例を示している。この操作画面146は、図3(E)の操作画面145の各カスタムボタンBc1、Bc2に、表示ボタンテーブルデータBtabに従って、ボタン名を表示することによって、得られる画面である(なお、OKボタンBoは省略される)。
カスタムボタン表示処理処理が終了すると、表示制御部230は、図2のステップS130に戻る。そして、複合機100の電源がオンである状態において、表示制御部230は、図2の処理を繰り返し実行する。表示制御部230は、例えば、ユーザによる操作が何ら行われない場合であっても、少なくとも1日に1回、図2の処理を実行する。また、表示制御部230は、設定情報Siが更新されたことに応じて、図2の処理を実行する。
図9は、複合機100(図1)の印刷制御部240によって実行されるボタン処理のフローチャートである。印刷制御部240は、複合機100の電源が投入されたことに応じて、このボタン処理を開始する。このボタン処理では、印刷のためのボタン、例えば、図3(A)のボタンB1、B2や、図3(F)のボタンBc1、Bc2がユーザによって操作されたことに応じて、印刷制御部240は、操作されたボタンに対応付けられた画像処理(印刷のための画像処理)を実行する。
最初のステップS600では、選択情報取得部212は、操作部150から、ユーザによって操作された操作部150上の位置を表すデータ(「操作情報」とも呼ぶ)を取得する。操作情報は、表示部140に表示されたボタンのうちのユーザによって選択されたボタンを特定する情報である。以下、操作情報を「選択情報」とも呼ぶ。
次のステップS610では、選択情報取得部212は、選択情報を用いて、ボタンがユーザによって操作されたか否かを判定する。操作部150がユーザによって操作されたものの何れのボタンも操作されていない場合には(S610:No)、印刷制御部240は、ステップS600に戻る。
何らかのボタンがユーザによって操作された場合(S610:Yes)、次のステップS620で、印刷制御部240は、操作されたボタンに対応付けられた画像処理を実行する。なお、操作されたボタンが、画像を印刷する画像処理を実行するためのボタンではない場合(例えば、図3(A)の設定ボタンB3)、そのボタンに対応付けられた処理部が、そのボタンに対応付けられた処理を実行する(詳細な説明を省略する)。
図9のステップS620には、カスタムボタンがユーザによって操作された場合に実行される処理の例として、ステップS622、S624、S626が示されている。ステップS622では、表示制御部230は、印刷制御部240によって画像処理が実行される前に、画像処理に利用される1枚のテンプレート画像をユーザに選択させるために、利用可能なテンプレート画像を表示部140に表示する。
図10は、テンプレート画像群データTpの例を示す概略図である。図示するように、テンプレート画像群データTpは、複数のテンプレート画像データTp11、Tp21、Tp22、Tp23、Tp31を、含んでいる。1つのテンプレート画像データは、1枚のテンプレート画像を表している。また、テンプレート画像データは、処理番号Pnに対応付けられている。例えば、図10の例では、1個のテンプレート画像データTp11は、「1番」の処理番号Pn(ボタン名Bn:暑中見舞)に対応付けられ、3個のテンプレート画像データTp21、Tp22、Tp23は、「2番」の処理番号Pn(ボタン名Bn:年賀状)に対応付けられ、1個のテンプレート画像データTp31は、「3番」の処理番号Pn(ボタン名Bn:クリスマス)に対応付けられている。テンプレート画像データの形式としては、任意の形式(例えば、JPEG形式やPNG形式)を採用可能である。
表示制御部230は、不揮発性記憶装置130に格納された設定情報Siに含まれる表示ボタンテーブルデータBtab(図5(C))を参照して、操作されたカスタムボタンに対応付けられた処理番号Pnを特定する。そして、表示制御部230は、テンプレート画像群データTpを参照して、特定された処理番号Pnに対応付けられたテンプレート画像を、表示部140に表示する。
図11は、図3(F)の第1カスタムボタンBc1がユーザによって操作された場合に表示される確認画面の例を示している。図5(C)に示すように、第1カスタムボタンBc1(ボタン番号bi=0)には、2番の処理番号Pnが対応付けられている。そして、図10に示すように、2番の処理番号Pnには、3枚のテンプレート画像データTp21~Tp23が対応付けられている。図11の確認画面は、利用可能なテンプレート画像データTp21~Tp23によって表される3枚のテンプレート画像と、選択された1つのテンプレート画像を示す選択枠TpSと、OKボタンB11と、キャンセルボタンB12と、を表している。ユーザは、操作部150(タッチパネル)上の好みのテンプレート画像と重なる位置に触れることによって、そのテンプレート画像を選択することができる。
表示制御部230は、選択されたテンプレート画像に、選択枠TpSを表示する。ユーザがキャンセルボタンB12を操作した場合には、表示制御部230は、ステップS620を終了することによって画像処理の実行をキャンセルし、そして、ステップS600に戻る。1つのテンプレート画像が選択された状態で、ユーザがOKボタンB11を操作することによって、表示制御部230は、ステップS622を終了し、次のステップS624に移行する。
図12は、利用可能なテンプレート画像の総数が「1枚」である場合の確認画面の例である。図12には、操作されたカスタムボタンに対応付けられた処理番号Pnが「1番」である場合の例が示されている。日付情報Cdが、図7に示す1番の有効期間(7月1日~8月15日)内、例えば、8月1日である場合に、「1番」の処理番号Pnに対応するカスタムボタンが表示され得る。このようなカスタムボタンがユーザによって操作された場合、表示制御部230は、「1番」の処理番号Pnに対応付けられたテンプレート画像データTp11(図10)によって表されるテンプレート画像を、表示する。選択枠TpSの表示は、省略される。ユーザは、表示されたテンプレート画像を確認した上で、OKボタンB11、または、キャンセルボタンB12を、操作可能である。
図9の次のステップS624では、印刷制御部240は、選択されたテンプレート画像を用いて形成される画像を表す画像データを生成する。図11に示すように第3テンプレート画像データTp23が選択された場合には、印刷制御部240は、第3テンプレート画像データTp23を用いて、印刷用の画像データを生成する。この際、印刷制御部240は、ユーザの指示に従ってテンプレート画像に変更を加えても良い。例えば、印刷制御部240は、テンプレート画像に、ユーザによって指定された写真画像を、合成してもよい。
生成される画像データの形式としては、印刷実行部180によって解釈可能な任意の形式を採用可能である(以下、生成される画像データを「印刷データ」と呼ぶ)。印刷データは、例えば、解像度変換処理と、色変換処理と、ハーフトーン処理と、によって生成される。解像度変換処理は、画像データの画素密度を、印刷処理用の画素密度に変換する処理である。色変換処理は、画像データの色空間を、特定の色空間(例えば、赤R、緑G、青Bの色空間)から、色材の色空間(例えば、シアンC、マゼンタM、イエロY、ブラックKの色空間)へ、変換する処理である。ハーフトーン処理は、各色材の階調値(すなわち、色変換後の多値画像データの階調値)から、各色材のドットの配置を決定する処理である。ハーフトーン処理としては、例えば、ディザ法や誤差拡散法を採用可能である。印刷データは、印刷実行部180に対するコマンドを含み得る。
次のステップS626では、印刷制御部240は、生成した印刷データを、印刷実行部180に送信する。印刷実行部180は、受信した印刷データに従って、画像を印刷する。そして、ステップS626、すなわち、ステップS620が終了し、処理は、ステップS600に戻る。そして、図9の処理が、繰り返される。
以上のように、第1実施例では、対応画像選択部220は、互いに異なる画像を印刷する印刷処理を実行するために利用される複数のカスタムボタンの中から、表示部140に表示すべきカスタムボタンを、日付情報Cdに応じて選択する(図6)。そして、表示制御部230は、選択されたカスタムボタンを、表示部140に表示させる(図8)。選択情報取得部212は、表示部140に表示されるカスタムボタンの中からユーザによって選択されたカスタムボタンを特定する情報である選択情報を取得する(図9:S600、S610)。印刷制御部240は、選択情報によって特定されるカスタムボタンに対応付けられた画像処理を実行することによって、印刷実行部180に画像を印刷させる(図9:S620)。ここで、対応画像選択部220は、日付情報Cdが、8月1日を表す場合、図7の「1番」に処理番号Pnに対応するカスタムボタンを選択し(図示省略)、日付情報Cdが12月1日を表す場合、図7の「2番」と「3番」の処理番号Pnに対応するカスタムボタンを選択する(図3(F))。このように、日付情報Cdに適したカスタムボタンが表示部140に表示されるので、日付情報Cdに適した画像処理を容易に実行できる。
また、図9、図10で説明したように、処理番号Pnに関する画像(例えば、図3(F)のカスタムボタンBc1やBc2)に対応付けられた画像処理は、処理番号Pn毎に異なるテンプレート画像を用いて形成される画像(例えば、図11のテンプレート画像データTp21によって表される画像)を印刷実行部180に印刷させる処理を含んでいる。
従って、日付情報Cdに適したテンプレート画像を用いて形成される画像の印刷を、容易に実行できる。例えば、日付情報Cdが8月1日を表す場合には、図12に示すように夏の挨拶状のためのテンプレート画像を用いた印刷を容易に実行できる。日付情報Cdが12月1日を表す場合には、図11に示すように新年の挨拶状のためのテンプレート画像を用いた印刷を容易に実行できる。
また、対応画像選択部220は、現在の年に拘わらずに、日付情報Cdが有効期間内に含まれる処理番号Pn(すなわち、カスタムボタン)を選択する(図6)。従って、年に依存せずに(例えば、毎年同じ日付に)、日付情報Cdに適した画像処理を容易に実行できる。
また、図7に示す実施例では、日付情報Cdが「8月1日」を表す場合であっても、国コードCcが「0000番」ではなく「0001番」である場合には、対応画像選択部220は、「1番」の処理番号Pnのカスタムボタンを選択しない(図6:S440:No)。一方、日付情報Cdが「8月1日」を表し、かつ、国コードCcが「0000番」である場合には、対応画像選択部220は、「1番」の処理番号Pnのカスタムボタンを選択する(S440:Yes、S445:Yes)。この結果、国コードCcに適した画像処理を、容易に実行できる。例えば、暑中見舞の挨拶や新年の挨拶等のように印刷した画像を利用する行事は、国毎に異なる場合がある。従って、有効国コードCcxが国コードCcと同じであるカスタムボタンを選択することによって、国毎に異なる行事に適した画像を処理(例えば、印刷)するための画像処理を、容易に実行できる。
また、図7に示すように、対応画像選択部220は、日付情報Cdが、8月1日に限らず、8月1日を含む1番の処理番号Pnの有効期間(7月1日~8月15日)に含まれる場合に、1番の処理番号Pnのカスタムボタンを選択する。また、対応画像選択部220は、日付情報Cdが、12月1日に限らず、12月1日を含む2番の処理番号Pn有効期間(11月15日~1月15日)に含まれる場合に、2番の処理番号Pnのカスタムボタンを選択する。従って、有効期間に適した画像処理を容易に実行できる。
また、図4のステップS350で説明したように、最大数情報取得部214は、ユーザによって選択された情報であって、表示部140に表示され得るカスタムボタンの最大数を表す最大ボタン数MaxBを取得する。従って、ユーザの好みの数を超えるカスタムボタンが表示されることを抑制できるので、ユーザは、カスタムボタンの選択を、適切に行うことができる。
また、図7で説明したように、複数のカスタムボタンには、優先順位Prが対応付けられている。そして、図6で説明したように、対応画像選択部220は、日付情報Cdに応じて選択され得るカスタムボタンの数が最大ボタン数MaxBよりも多いL個である場合には、優先順位Prに従って、最大ボタン数MaxBのカスタムボタンを選択する。従って、対応画像選択部220は、最大ボタン数MaxBのカスタムボタンを、適切に、選択できる。
また、図4のステップS380で説明したように、カスタムボタンフラグと表示ボタンテーブルデータBtabとは、不揮発性記憶装置130に格納される(S380)。そして、複合機100の電源がオフにされた後、再び、複合機100の電源が投入された場合には、図2の手順に従って、不揮発性記憶装置130に格納された情報に従って、画面が表示される(S150、S180)。カスタムボタンフラグが「オン」である場合には、ステップS150で表示される操作画面(例えば、図3(F)の操作画面146)は、複合機100の電源が投入されてから、ユーザによる操作が最初に可能なる状態で、表示部140に表示される画面である。印刷制御部240は、このような操作画面146の一部として、カスタムボタンBc1、Bc2を表示部140に表示する。従って、ユーザは、電源投入後に、複雑な操作をせずに、カスタムボタンを選択できるので、適切な画像処理を容易に実行できる。
また、図9、図10、図11で説明したように、ユーザによって選択されたカスタムボタンに対応付けられた画像処理に、複数のテンプレート画像が利用可能である場合がある。この場合、図9のステップS622で、表示制御部230は、印刷制御部240によって画像処理が実行される前に、画像処理に利用される1つのテンプレート画像をユーザに選択させるために、複数のテンプレート画像を表示部140に表示させる。従って、ユーザは、好みのテンプレート画像を選択できる。
なお、ユーザによって選択されたカスタムボタンに対応付けられた画像処理に、1個のテンプレート画像を利用可能である場合には、図12のような確認画面の表示を省略してもよい。すなわち、表示制御部230が、その1個のテンプレート画像を表示部140に表示させることなく、印刷制御部240は、カスタムボタンがユーザによって操作されたことに応じて、その1個のテンプレート画像を用いて画像処理を実行してもよい。この構成によれば、ユーザが複雑な操作をしなくても、画像処理が実行される。従って、利用可能なテンプレート画像の総数に合わせて、適切な処理を実現できる。また、同じテンプレート画像が所定回数(例えば、3回)以上選択された場合には、図11のような確認画面の表示を省略してもよい。この場合、印刷制御部240は、カスタムボタンがユーザによって操作されたことに応じて、そのテンプレート画像を用いて画像処理を実行すればよい。
B.第2実施例:
図13は、ボタン規定テーブルデータの別の実施例を示す概略図である。図7のボタン規定テーブルデータCtabとの差異は、図13のボタン規定テーブルデータCtab2では、優先期間の開始日PSDと終了日PEDとが追加されている点だけである。この優先期間は、優先順位Prに拘わらずに優先してカスタムボタンが選択される期間を示している。図6のカスタムボタン作成処理は、優先期間を考慮してカスタムボタンを選択するように、修正される(詳細は、後述)。図2、図4、図8、図9の処理は、第1実施例と同様に、実行される。第2実施例で用いられる画像処理システムの構成は、図1に示す画像処理システム1000の構成と、同じである。
図13の下部には、11月15日から1月5日までの期間中に選択される処理番号Pn(すなわち、カスタムボタン)の例が示されている。ここでは、最大ボタン数MaxBが「1」であり、2番と3番とのうちのいずれか1つの処理番号Pnが選択されることとする。図示するように、2番の有効期間は11月15日から1月15日までであり、3番の有効期間は、11月25日から12月25日までである。従って、11月15日から11月25日の前日までは、「2番」が選択され、12月25日の翌日から1月5日までは、「2番」が選択される。11月25日から12月25日までは、「2番」と「3番」とが候補である。原則としては、優先順位Prに従って「2番」が選択される。ただし、3番には、12月20日から12月25日までの優先期間が設定されている。従って、この優先期間では、対応画像選択部220は、優先順位Prに拘わらずに、「3番」を選択する。図6のカスタムボタン作成処理は、日付情報Cdが、カスタムボタンの優先期間に含まれる場合に、優先順位Prに拘わらずに、そのカスタムボタンが選択されるように、修正される(図示省略)。
このように、優先順位Prと優先期間とを組み合わせることによって、日付情報Cdに応じて選択されるカスタムボタンを、柔軟に切り替えることができる。また、11月25日から12月25日までの期間中は、最大ボタン数MaxB(ここでは「1」)よりも多い2つのカスタムボタン(2番と3番)が、日付情報Cdに応じて選択され得る。以下、最大ボタン数MaxBよりも多いカスタムボタンが日付情報Cdに応じて選択され得る期間を、「超過期間」と呼ぶ。図13の例では、この超過期間の一部(ここでは、11月25日から12月20日の前日まで)では、2番が選択され、超過期間の他の一部(ここでは、12月20日から12月25日まで)では、3番が選択される。従って、超過期間中に表示されるカスタムボタンが一部のボタンに偏ることを抑制できる。
C.第3実施例:
図14は、ボタン規定テーブルデータの別の実施例を示す概略図である。図7のボタン規定テーブルデータCtabとの差異は、図14のボタン規定テーブルデータCtab3では、基準日D1が追加されている点だけである。この基準日D1は、超過期間において優先順位Prに拘わらずにカスタムボタンを優先的に選択するための基準の日を示している。図6のカスタムボタン作成処理は、基準日D1を考慮してカスタムボタンを選択するように、修正される(詳細は、後述)。図2、図4、図8、図9の処理は、第1実施例と同様に、実行される。第3実施例で用いられる画像処理システムの構成は、図1に示す画像処理システム1000の構成と、同じである。
図14の下部には、11月15日から1月5日までの期間中に選択される処理番号Pnの例が示されている。ここでは、最大ボタン数MaxBが「1」であり、2番と3番とのうちのいずれか1つが選択されることとする。11月25日から12月25日までの超過期間中は、「2番」と「3番」とが候補である。超過期間中は、対応画像選択部220は、日付情報Cdによって表される日付と、基準日D1と、の間の差が最も小さいカスタムボタンを選択する。図14には、2番の基準日D1(12月15日)と3番の基準日D1(12月10日)との中間の日である12月13日が示されている。11月25日から12月13日の前日までの期間では、3番が選択され、12月13日から12月25日までの期間では、2番が選択される。図6のカスタムボタン作成処理は、日付情報Cdが、複数のカスタムボタンの有効期間に含まれる場合に、優先順位Prに拘わらずに、日付情報Cdによって表される日付と、基準日D1と、の間の差が最も小さいカスタムボタンを選択するように、修正される(図示省略)。
このように、基準日D1と優先期間とを組み合わせることによって、日付情報Cdに応じて選択されるカスタムボタンを、柔軟に切り替えることができる。また、超過期間の一部(ここでは、11月25日から12月13日の前日まで)では、3番が選択され、超過期間の他の一部(ここでは、12月13日から12月25日まで)では、2番が選択される。従って、超過期間中に表示されるカスタムボタンが一部のボタンに偏ることを抑制できる。
D.変形例:
(1)上記各実施例において、対応画像選択部220は、サーバ400から、ボタン規定テーブルデータCtab(図7)を、取得可能である。ボタン規定テーブルデータCtabの取得タイミングとしては、任意のタイミングを採用可能である。例えば、対応画像選択部220は、自動的に、定期的に(例えば、毎日1回)、最新のボタン規定テーブルデータCtabをサーバ400から取得してもよい。この代わりに、対応画像選択部220は、ユーザの指示に応じて、ボタン規定テーブルデータCtabをサーバ400から取得してもよい。また、対応画像選択部220は、サーバ400からボタン規定テーブルデータCtabを取得せずに、予め不揮発性記憶装置130に格納されたボタン規定テーブルデータCtabを、利用してもよい。また、対応画像選択部220は、ユーザの指示に応じて、ボタン規定テーブルデータCtabの任意の項目を変更してもよい。例えば、対応画像選択部220は、ユーザの指示に応じて、ユーザによって指定された処理番号Pnの開始日SDと終了日EDとを変更してもよい。
(2)テンプレート画像としては、挨拶状を表す画像に限らず、他の任意の画像を採用可能である。例えば、誕生日カードやビジネス文書のテンプレートを採用してもよい。いずれの場合も、印刷制御部240は、サーバ400から、最新のテンプレート画像群データTp(図10)を、取得可能である。テンプレート画像群データTpの取得タイミングとしては、任意のタイミングを採用可能である。例えば、印刷制御部240は、自動的に、定期的に(例えば、毎日1回)、テンプレート画像群データTpをサーバ400から取得してもよい。この代わりに、印刷制御部240は、ユーザの指示に応じて、テンプレート画像群データTpをサーバ400から取得してもよい。また、印刷制御部240は、サーバ400からテンプレート画像群データTpを取得せずに、予め不揮発性記憶装置130に格納されたテンプレート画像群データTpを、利用してもよい。
また、印刷制御部240は、ユーザによって準備されたテンプレート画像データを、用いても良い。この場合、対応画像選択部220は、ユーザの指示に従って、ユーザによって準備されたテンプレート画像を用いる印刷を実行するためのカスタムボタンを規定するデータを、ボタン規定テーブルデータCtabに追加することが好ましい。
(3)カスタムボタンの有効な日付を定める方法としては、期間を用いる方法に限らず、他の任意の方法を採用可能である。例えば、月と日とによって定められる日付を採用可能である。この場合、有効な日付は、毎年同じ日である。このような有効日付は、例えば、誕生日カードを印刷するカスタムボタンに適用可能である。ユーザは、有効日付を、好みの誕生日に決定すればよい。また、年と月とに拘わらずに日によって有効な日付が定められても良い。この場合、有効な日付は、毎月同じ日である。このような有効日付は、例えば、毎月同じ日に提出するビジネス文書のテンプレートを印刷するカスタムボタンに適用可能である。また、年と月と日に拘わらずに曜日によって有効な日付が定められても良い。この場合、有効な日付は、毎週同じ曜日である。このような有効日付は、例えば、毎週同じ曜日に提出するビジネス文書のテンプレートを印刷するカスタムボタンに適用可能である。いずれの場合も、日付情報Cdとしては、有効日付と比較される情報(例えば、月、日、曜日のうちの少なくとも1つ)を採用すればよい。
(4)カスタムボタンが有効な地域を定める方法としては、国を用いる方法に限らず、他の任意の方法を採用可能である。例えば、国よりも小さい領域(例えば、市)を採用してもよく、国よりも大きい領域(例えば、アジア、欧州等の広い領域)を採用してもよい。
また、有効地域に基づく判定(図6:S440)を省略してもよい。
(5)最大ボタン数MaxBは、固定値であってもよい。この場合、ボタン規定テーブルデータCtabから過剰なカスタムボタンの情報を省略することによって、超過期間が生じることを回避可能である。この場合、優先順位Prを省略することができる。
また、ボタン規定テーブルデータCtabが、有効日付が重複する多数のカスタムボタンを規定してもよい。この場合、最大ボタン数MaxBが3以上であっても、超過期間が生じ得る。この場合も、対応画像選択部220は、優先順位Prに従って、カスタムボタンを選択すればよい。なお、優先順位Prは、国コードCc毎に、リナンバされてもよい。
また、対応画像選択部220は、図13、図14の実施例のように、優先期間、または、基準日D1を用いて、カスタムボタンを選択してもよい。一般には、日付情報Cdに応じて選択され得るカスタムボタンの数が、最大ボタン数MaxBよりも多いL個である日がK日(Kは2以上の整数)の期間に亘って続く場合に、対応画像選択部220は、以下のように、カスタムボタンを選択してもよい。すなわち、対応画像選択部220は、K日の期間の一部において、最大ボタン数MaxBのカスタムボタンで構成される第1組合せを選択する。そして、対応画像選択部220は、K日の期間の他の一部において、第1組合せとは少なくとも1つのカスタムボタンが異なる最大ボタン数MaxBのカスタムボタンで構成される第2組合せを選択する。第1組合せと第2組合せとを決定する方法としては、優先期間を用いる方法(図13)や、基準日D1を用いる方法(図14)に限らず、他の任意の方法を採用可能である。
(6)表示制御部230は、複合機100の電源が投入されてからユーザによる複合機100の操作が最初に可能になる状態に限らず、複合機100の任意の状態で、カスタムボタンを表示部140に表示してよい。例えば、ユーザが、表示部140に表示された特定のボタンを操作することに応じて、表示制御部230は、カスタムボタンを表示部140に表示してもよい。
(7)画像を印刷する画像処理を実行するために利用される画像(処理対応画像と呼ぶ)としては、カスタムボタンに限らず、画像処理を実行するためにユーザによって選択される任意の画像を採用可能である。例えば、処理対象画像が、表示部140に表示されるメニューの中の選択肢であってもよい。
(8)処理対応画像を表示し、ユーザによって選択された処理対応画像に対応付けられた画像処理を実行する画像処理装置としては、複合機100に限らず、種々の装置を採用可能である。例えば、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、または、携帯電話を採用してもよい。いずれの場合も、印刷実行部180は、画像処理装置に接続された別の装置であってもよい。例えば、印刷実行部180が、電話回線等のネットワークに接続されたFAX装置であってもよい。この場合、印刷制御部240は、印刷実行部180(すなわち、FAX装置)によって印刷のために利用可能な形式の画像データであるFAXデータを生成し、ユーザによって指定された電話番号に電話をかけて、印刷実行部180(すなわち、FAX装置)にFAXデータを送信すればよい。FAX装置は、受信したFAXデータに従って、FAXデータによって表される画像を印刷する。FAXデータは、例えば、カスタムボタンに対応付けられたテンプレート画像データを用いて、生成される。なお、FAXデータは、印刷実行部によって印刷のために利用可能な形式の画像データである印刷データの一種である。また、表示部140は、画像処理装置に接続された別の装置であってもよい。また、ネットワークを介して互いに通信可能な複数の装置(例えば、コンピュータ)が、日付情報を取得する処理と、処理対応画像を選択する処理と、処理対応画像を表示部に表示させる処理と、ユーザ選択情報を取得する処理と、画像処理を実行することによって印刷実行部に画像を印刷させる処理と、を行う機能を一部ずつ分担して、全体として、上記の機能を提供してもよい(これらの装置を備えるシステムが画像処理装置に対応する)。
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1の対応画像選択部220の機能を、論理回路を有する専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD-ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含んでいる。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。
本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。