JP7020851B2 - ドア制御装置、プログラム - Google Patents
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Description
なお、上記の降車場所と乗車場所は同一場所の場合もある。
この際、乗員が大量に商品を購入して荷物の量が多いことも想定されるため、乗車場所への到着に応じて、車両のドアを自動で開くということが考えられる。荷物が大量であったりサイズが大きいときは座席への積み込みが困難となる場合もあるため、座席のドアではなくトランクやカーゴルーム等の荷室のドアを自動で開くことも考えられる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態としてのドア制御装置について説明する。
図1は、実施形態としてのドア制御装置を備えた車両100が有する座席、荷室、及びドアを例示した図である。
車両100は、座席の配置形態として2列シートの形態を採り、前列に運転席101及び助手席102が、後列に後部右座席103及び後部左座席104が設けられている。また車両100において、後列の座席のさらに後側には荷室105が設けられている。
なお以下、単に「ドア」と言った場合にはこれら運転席ドア111、助手席ドア112、後部右ドア113、後部左ドア114、荷室ドア115を指すものとする。また、単に「座席」と言った場合は運転席101、助手席102、後部右座席103、後部左座席104を指すものとする。
車両制御システム1は、カメラ部2、自動運転制御部3、操舵制御部4、エンジン制御部5、ブレーキ制御部6、トランスミッション制御部7、出力制御部8、ドア制御部9、バス10、出力部11、ドア近接検出部12、着座検出部13、ドア開閉状態検出部14、ドア駆動部15、及び無線通信部16を備えている。
この自動バレーパーキング機能を実現するため、車両制御システム1には自動運転制御部3が設けられている。
なお、自動運転制御の具体的な手法については本発明に直接関係するものではなく、詳細な説明については省略する。
エンジン制御部5は、車両100に設けられた所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、エンジン関連アクチュエータ(不図示)として設けられた各種アクチュエータを制御する。エンジン関連アクチュエータとしては、例えばスロットル弁を駆動するスロットルアクチュエータや燃料噴射を行うインジェクタ等のエンジン駆動に係る各種のアクチュエータが設けられる。エンジン制御部5は、車両100に設けられたイグニッションスイッチ等の所定操作子の操作や、自動運転制御部3からの指示等に応じてエンジンの始動/停止制御を行う。また、エンジン制御部5は、エンジン回転数センサやアクセル開度センサ等の所定のセンサからの検出信号や自動運転制御部3からの指示等に基づき、燃料噴射タイミング、燃料噴射パルス幅、スロットル開度等の制御を行う。
例えば、トランスミッション制御部7は、所定の変速パターンに従い変速信号を上記の変速用アクチュエータに出力して変速制御を行う。また、トランスミッション制御部7は、自動運転制御部3からの指示に基づき上記の前後進切替用アクチュエータを制御して車両100の前進/後退の切り替えを行う。
出力制御部8は、出力部11を制御して各種の情報出力を実行させる。
ドア近接検出部12は、ドアに対する物体の近接を検出するためのセンサを包括的に表したものである。本例のドア近接検出部12は、例えば超音波センサやレーザセンサ等、物体の有無や物体までの距離を検出可能なセンサをドアごとに有している。
本例の場合、着座検出部13は、感圧センサの検出信号に基づき乗員の着座のみでなく、座席に乗員以外の物体、具体的には所定重量以上且つ所定重量未満の物体が置かれたことを検出可能に構成されている。これにより、座席に対して荷物が置かれたか、或いは乗員が着座したかを検出し分けることが可能とされている。
図示は省略するが、この携帯機には、所定のドア(例えば荷室ドア115)の開指示を行うための開ボタンが設けられており、携帯機は開ボタンが操作されると対象のドアの開指示を行うための開指示信号を無線により送出する。該開指示信号は無線通信部16で受信され、ドア制御部9に入力される。ドア制御部9は、該開指示信号に応じて対象のドアが開扉されるようにドア駆動部15に対する指示を行う。これにより、乗員は、携帯機を用いた無線操作によって例えば荷室ドア115等の所定のドアを自動で開扉させることができる。
上記の携帯機には、ドアの解錠や施錠を指示するためのボタンが設けられており、ドア制御部9は、該ボタンの操作に応じて携帯機が無線送出したドアの解錠、施錠を指示する信号が無線通信部16を介して受信されると、該指示に従って上記のアクチュエータを制御してドアの解錠、施錠を実現させる。
このとき、ドア制御部9は、上記のようなドアの解錠や施錠、及び所定ドアの開扉については、それらの指示信号が特定の携帯機により送出されたものであることを条件として行う。具体的に、上記の携帯機には、認証用のID(固有識別情報)が記憶されており、ドア制御部9は携帯機から該IDを取得して認証処理を行い、該認証が成立した場合のみ携帯機からの指示信号に応じてドアの解錠や施錠、所定ドアの開扉が行われるようにする。
図示のように乗員端末50は、主制御部51、不揮発性メモリ52、無線通信部53、入力部54、表示部55、表示制御部56、及び現在位置検出部57を備えている。
主制御部51は、例えばCPU、ROM、RAM等を有するマイクロコンピュータを備えて構成され、上記ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムに従った処理を実行することで乗員端末50の全体制御を行う。
乗員端末50は、例えばスマートフォンやタブレット端末等、携帯型の情報処理装置として構成されている。
自動運転制御部3は、該指示信号に応じて、車両100の駐車スペースへの移動及び駐車、駐車スペースから乗車場所への移動が行われるように自動運転制御を行う。
以下、乗員端末50が送出する上記の各指示信号、すなわち車両100の降車場所から駐車スペースへの移動及び駐車、駐車スペースから乗車場所への移動を指示する各指示信号のことをそれぞれ「待機指示信号」「呼び出し信号」と表記する。
また、車両100の駐車スペースへの移動及び駐車、又は駐車スペースから乗車場所への移動の少なくとも何れかの指示は、上述した携帯機に設けた操作子の操作により可能とすることもできる。
不揮発性メモリ52は、例えばフラッシュメモリとされ、主制御部51が各種制御を行うにあたって用いる情報が記憶される。特に、この場合の不揮発性メモリ52には、図中のアプリ52aとして、上記した車両100の降車場所から駐車スペースへの移動及び駐車、駐車スペースから乗車場所への移動の各指示を乗員から受け付けて待機指示信号や呼び出し信号の送出を行い、また電子マネーによる購入代金の支払いが行われたことに応じて購入金額を表す情報を車両100側に送信するアプリケーションソフトウエアを実現するためのプログラムが記憶されている。
なお、このアプリ52aに従って主制御部51が実行する具体的な処理については後述する。
また、表示部55は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ等の画像表示が可能な表示デバイスを有し、各種情報表示を行う。表示制御部56は、主制御部51からの指示に基づき表示部55を駆動し、各種の情報を表示させる。
現在位置検出部57は、GNSSセンサを有し、乗員端末50の現在位置を検出する。現在位置検出部57が検出した乗員端末50の現在位置の情報は主制御部51により取得される。
[2-1.制御概要]
本実施形態におけるドア制御部9は、乗員端末50側からの受信情報やドア近接検出部12、着座検出部13による検出信号等に基づいて、乗員の利便性やセキュリティを考慮したドアの開制御を行う。
先ず前提として、本例におけるドアの自動開扉は、自動バレーパーキング機能によって車両100が上記の乗車場所への移動を完了したこと(乗車場所で停車したこと)を条件に行われるものとする。
ここで、自動バレーパーキング機能によって車両100が駐車スペースへの移動を開始した以降には、降車後の乗員により施設内の店舗での商品購入が行われ得る。この際、電子マネーによる購入代金の支払いが行われたことに応じて、乗員端末50から車両100側に購入金額の情報、及び端末現在位置情報が送信される。本例のドア制御部9は、車両100の駐車スペースへの移動開始後、乗員からの乗車場所への呼び出しがあるまでの間において、乗員端末50からの購入金額の情報及び端末現在位置情報の受け付けを行う。
乗員端末50から購入金額の情報及び端末現在位置情報を受信したことに応じ、ドア制御部9はそれら受信した情報を例えばRAM等の所要の記憶装置に保存する。
この量サイズ相関情報として、本例では以下で説明する「施設種別情報」及び「購入品評価値」を用いる。
「施設種別情報」は、乗員により商品購入が行われた施設(車両100が自動バレーパーキング機能により駐車した施設と換言できる)の別を表す情報であり、例えば、スーパー(スーパーマーケット)、ショッピングモール、ホームセンター等を区別する情報である。スーパーでは例えば食料品等の比較的サイズの小さい商品が購入される傾向にあり、また、日常的な購入であることから商品の購入量(購入商品の量)も比較的小さい傾向になる。ショッピングモールでは、例えば衣類や靴、家電製品等の比較的サイズが大きめの商品が購入される可能性があり、またスーパー等と比較して一般的に訪問頻度が低い傾向になるため商品の購入量も比較的大となる可能性がある。ホームセンターでは、例えば木材等の工作用品や各種家具等の比較的大型の商品が取り扱われており、ショッピングモールの場合よりも大サイズの商品購入が行われる可能性が高いと言える。
このように商品購入が行われた施設を表す「施設種別情報」は、購入商品の量やサイズに相関する情報として機能し得るものである。
サーバ装置では、施設とその所在地との対応を表す情報、及び施設ごとの施設種別を表す情報が管理され、サーバ装置は、上記のようなドア制御部9からの問合せに応じて、受信した端末現在位置情報に対応する施設の特定を行い、特定した施設に対応する施設種別情報をドア制御部9に送信する。
或いは、サーバ装置への問合せは必須ではなく、例えば施設とその所在地及び施設種別情報との対応関係を表す情報を車両100側に記憶させておき、端末現在位置情報や車両100の現在位置情報に基づく施設種別情報の取得を車両100内で完結させることもできる。
具体的に、本例の基本ドア開予想値は、助手席ドア112、後部右ドア113、後部左ドア114、及び荷室ドア115のそれぞれについて設定されており、具体的な数値としてはこれらドアの順にそれぞれ「10」「10」「10」「5」が設定されている。
なお、本例では運転席ドア111は必ず開くドアとして定められているため、運転席ドア111についての基本ドア開予想値は非設定とされている。
本例の場合、ドア開予想値は、上記した閾値THが「20」とされた場合を前提とした数値とされている。
先ず、図5に例示するように、本例では、施設種別情報は「第一施設種別」「第二施設種別」「第三施設種別」の三種を区別する情報とされ、「第一施設種別」はスーパー等、「第二施設種別」はショッピングモール等、「第三施設種別」はホームセンター等を表すものとされる。
図5A、図5B、図5Cそれぞれにおいて、初期ドア開予想値に続く括弧内の数値は図4に示した基本ドア開予想値に対するオフセット値をそれぞれ表すものである。
ここで、購入店舗の種別(以下、単に「店舗種別」とも表記することがある)の情報は、乗員端末50によって車両100側に送信される端末現在位置情報に基づいて取得する。具体的に、ドア制御部9は、乗員端末50側から受信した端末現在位置情報(購入店舗の位置を表す情報)を無線通信部16を介してネットワーク上の所定のサーバ装置に送信し、該サーバ装置に対して該端末現在位置情報に対応した店舗種別を問合わせる。
サーバ装置では、店舗とその所在地との対応を表す情報、及び店舗ごとの店舗種別を表す情報が管理され、サーバ装置は、上記のようなドア制御部9からの問合せに応じて、受信した端末現在位置情報に対応する店舗の特定を行い、特定した店舗に対応する店舗種別の情報をドア制御部9に送信する。
なお、乗員端末50が車両100側に送信する上記の端末現在位置情報(商品購入時に対応して取得された乗員端末50の現在位置情報)は、商品が購入された店舗を特定可能な情報として機能するものであり、本発明における「購入情報」の一種となる。
図示のように、購入品評価値は、1度の商品購入(1度の支払い)に対して「(購入金額×店舗係数)÷100」により計算する。
「店舗係数」は、店舗種別の情報に基づき、図6に示す考え方によりそれぞれ図示のように設定する。この図6の例から理解されるように、本例における購入品評価値は、商品の購入金額のみからでは商品の量やサイズを正確に推測することが困難である場合に対応して、店舗種別の情報(すなわち購入商品の種別を推定可能な情報)も加味し、購入商品の量やサイズと相関する値が得られるように計算される。
なお、図6における店舗種別「アパレル系」の場合、店舗係数の設定にあたっては季節情報を要するが、該季節情報は、例えばドア制御部9が現在の日付け情報等に基づいて特定することが可能である。
なお、乗員が降車場所で降車して以降、車両100が乗車場所まで移動するまでの間には、商品購入が複数回行われ、乗員端末50より購入金額及び端末現在位置情報が複数回受信されることもある。その場合、ドア制御部9は、受信した購入金額及び端末現在位置情報の組ごとに上記の手法による購入品評価値(購入1回分の購入品評価値)の計算を行う。購入品評価値は、このように商品購入が複数回行われた場合には、各購入について計算された購入品評価値の合計値が採用される。
また、図8に示す「第二施設種別」の場合、量サイズランク=「小」、「中」、「大」それぞれのときの同ドア開予想値は「30」「10」「10」「10」、「15」「15」「10」「20」、「5」「10」「10」「30」とされる。
さらに、図9に示す「第三施設種別」の場合、量サイズランク=「小」、「中」、「大」それぞれのときの同ドア開予想値は「5」「15」「15」「20」、「0」「10」「10」「30」、「-5」「5」「5」「40」とされる。
ドア制御部9においては、この図10に示すように「第一施設種別」「第二施設種別」「第三施設種別」と量サイズランク=「小」「中」「大」との組合わせごとに対応する「調整値」を定めた情報が、「調整値テーブル」として記憶されている。本例では、該調整値テーブルは、ドア制御部9のCPUにより読み書き可能とされた不揮発性のメモリに記憶されている。
これにより、座席に荷物を置くことが可能であるにも拘わらず荷室ドア115が開いてしまったり、逆に座席に荷物を置くことが不能であるにも拘わらず荷室ドア115が開かないといった不都合が生じることの防止が図られる。
従って、乗員にとって適切なドアを開くことができ、乗員の利便性向上を図ることができる。
本例のドア制御部9は、上記した施設種別や量サイズランク等の購入情報に基づいた開予定ドアの決定処理と共に、「降車時着座情報」に基づく開予定ドアの決定処理を行う。「降車時着座情報」に基づく開予定ドアの決定処理では、基本的には、降車時に乗員が着座していた座席の最寄りドアとして定められているドアを決定する。具体的に、助手席102への着座があった場合には助手席ドア112を、後部右座席103への着座があった場合には後部右ドア113を、後部左座席104への着座があった場合には後部左ドア114を開予定ドアとして決定する。
そこで本例では、ドアを開く条件として、開予定ドアへの乗員の近接を条件とする。具体的に本例では、運転者等の一人の乗員が携帯する単一の携帯機が車両100に近接することを条件として該開予定ドアについての開扉を行う。
そこで、購入情報に基づく開予定ドアの決定処理と降車時着座情報に基づく開予定ドアの決定処理とで同一の座席ドア(運転席ドア111は除く)が重複して開予定ドアに決定された場合には、該重複した座席ドア(及び運転席ドア111)以外で、開予定ドアとして決定されていないドア(荷室ドア115も対象とする)の有無を判定し、該当するドア(つまり購入情報に基づく開予定ドアの決定処理、降車時着座情報に基づく開予定ドアの決定処理の双方で開予定ドアとして決定されていないドア)がある場合には、該ドアを開予定ドアとして追加決定することも考えられる。
或いは、座席の足下スペースに荷物を載置可能であったり乗員が荷物を抱えた状態で着座が可能であること等を考慮し、上記のような開予定ドアの追加決定を行わないことも考えられる。
本例では後者の考えに基づき、後述する処理例(図12、図13)としては上記のような開予定ドアの追加決定を行わない場合の処理例を挙げる。
本例の車両100においては、乗員が各ドアを手動により開閉することが可能とされており、ドア制御部9は、少なくとも開予定ドア以外のドアが乗員により手動で開けられたことに応じて、今回の購入条件、具体的には今回の施設種別と量サイズランクとの組合わせのときに、該手動で開かれたドアが、乗員が荷置きに利用する好みのドアであることを学習する。
図11では、第二施設種別且つ購入品評価値=小(量サイズランク=「小」)のとき、開予定ドア(=助手席ドア112)ではない後部右ドア113が手動で開かれた場合における学習の例を示している。
この場合には、次回以降の開予定ドアの決定処理において後部右ドア113が開予定ドアとして決定されるように、今回開予定ドアとして決定された助手席ドア112の調整値は小さくし(図中の例では「10」→「-5」に変更)、逆に、今回手動で開かれたドアである後部右ドア113の調整値を大きくする(図中の例では「-10」→「10」に変更)。
これにより、以降に行われる開予定ドアの決定処理においては、それまで開予定ドアとして決定されていたドアが開予定ドアとして決定されず、手動で開けられたドアが開予定ドアとして決定されるようにすることができる。
図12のフローチャートは、上記した実施形態としてのドア開制御を実現するためにドア制御部9が実行すべき具体的な処理の手順を示している。
先ず、ドア制御部9はステップS101で、無人移動条件が成立するまで待機する。具体的に、本例では、乗員端末50が操作に応じて送信する「待機指示信号」が無線通信部16を介して受信されたか否かを判定する。先の説明から理解されるように、ドア制御部9は、この無人移動条件の成立に応じて、該条件の成立タイミングを起点タイミングとして、該起点タイミングの直前の停車タイミングにおける着座状態を表す情報を「降車時着座情報」として記憶することになる。
続くステップS104でドア制御部9は、開予定ドア決定処理を行う。
図示のように、開予定ドア決定処理においてドア制御部9は、先ず、ステップS201で施設種別特定処理を行い、続くステップS202で購入品評価値計算処理を行う。施設種別特定処理は、上述した「第一施設種別」~「第三施設種別」のうち該当する施設種別を特定する処理であり、購入品評価値計算処理は、上述した購入品評価値を計算する処理である。これらの処理の具体的な手法については既に説明済みであるため重複説明は避ける。
ここで、ステップS202の購入品評価値計算処理では、乗員による商品購入が複数回あった場合(購入金額の情報と端末現在位置情報の組が複数受信されている場合)には、購入ごとの購入品評価値を計算する。
ドア開フラグは、後述するステップS114のドア開制御処理で用いられるドアごとのフラグ情報であり、ドア制御部9はステップS207の処理において、先のステップS205、ステップS206それぞれの決定処理で開予定ドアとして決定されたドア(つまり購入情報、降車時着座情報それぞれに基づき開予定ドアとして決定されたドア)のドア開フラグをONとする。
図12において、ドア制御部9は、ステップS104の開予定ドア決定処理を終えると、ステップS105で天候判定処理を実行する。天候判定処理としては、少なくとも現在地における降雨の有無を判定する。本例では、天候判定処理はネットワーク上から天候情報を取得した結果に基づき行う。具体的に、ドア制御部9は、無線通信部16を介して、車両100の現在位置情報をネットワーク上の所定のサーバ装置に送信して現在地における天候情報を要求し、該要求に応じて受信した天候情報に基づいて、現在地の天気が雨天であるか否かを判定する。なお、車両100の現在位置情報は、本例では自動運転制御部3が有するGNSSセンサから取得可能である。
現在地の天気が雨天以外であれば、ドア制御部9はステップS108で通常のドア開量を設定してステップS110に処理を進める。ここで、ドア開量は、後述するように開対象とされたドアの開駆動を実行させる際のドアの開量を指定する情報である(図14のステップS303参照)。
なお、乗車場所情報の取得手法は多様に考えられ、上記した手法に限定されるものではない。例えば、施設ごとの乗車場所情報は車両100内において記憶させておき、乗車場所情報の取得を車両100内で完結させる手法等も考えられる。
上記の処理により、現在地の天候が雨天であっても、車両100への降雨がないと推定される場合には、制限ドア開量でなく通常ドア開量が設定される。逆に、車両100への降雨があると推定される場合には、ドア開量が制限されることになる。このように車両100への降雨がある場合に対応してドア開量を制限することで、降雨による車両100の内装部の濡れを抑えることができる。
なお、車両100への降雨の有無の判定は、車両100に設けたレインセンサの検出信号に基づいて行うこともできる。
ステップS110及びS111の処理によっては、乗員からの呼び出しを受け乗車場所に移動中(本例ではこの移動中にそれまで受信した購入情報や降車時着座情報に基づく開予定ドアの決定処理が行われる)において、乗車場所への到着、購入情報追加受信の何れかを待機するループ処理が形成される。これは、乗員が車両100の呼び出しを行った後においても商品を購入する場合があり得ることを想定したものである。
なお、本例では、ステップS112の再決定処理は、各ドア開フラグをOFFにリセットした上で開始する。或いは、このようなドア開フラグの全リセットは行わず、開予定であったドアが再決定処理により開予定ドアでなくなった場合に、該開予定ドアでなくなったドアのドア開フラグをOFFとする処理を行うようにしてもよい。
ステップS113でドア制御部9は、ドア開条件が成立するまで待機する。ここでのドア開条件は、本例の場合、運転者等の一人の乗員が携帯する単一の携帯機が車両100に近接する、との条件とされている。具体的にステップS113でドア制御部9は、上記の携帯機が無線通信部16による通信可能範囲内に検出されるまで待機する処理を行う。
なお、ドア開条件としては、セキュリティの向上を図る上では、携帯機のIDを用いた認証の成立を条件に加えることが望ましい。
なお、この図14に示す処理は、単一のドアについて実行する処理を示しており、ドア制御部9は、図14に示す処理を各ドアについて並行して行う。
また、本例では該報知として、当該ドアを物体(開軌道上の検出物体)に接触しない開量の範囲内で開駆動させることによる報知を行う。具体的にドア制御部9は、ドア近接検出部12のセンサによる検出信号に基づき求まる物体までの距離を計算し、該距離の情報に基づいて物体に接触しない当該ドアの開量を求める。そして、求まった開量により当該ドアが開扉されるようにドア駆動部15に対する指示を行う。
物体検出状態が継続していれば、ドア制御部9はステップS306に進んで物体検出時間が所定時間以上であるか否か、すなわち上記の開軌道上における物体検出状態の継続時間が所定時間以上であるか否かを判定し、物体検出時間が所定時間以上でなければステップS305に戻る。ステップS305、S306の処理によっては、物体が非検出状態となるか、或いは物体検出時間が所定時間以上となるかの何れかの条件成立を待機するループ処理が形成されている。
なお、座席に対する着座の有無は、着座検出部13の検出信号に基づき判定する。
ドア制御部9は、ステップS118のクリア処理を実行したことに応じ、図12に示す一連の処理を終える。
なお、図15の処理は、図12に示した処理と並行して行われる。
これにより、以降、該当する施設種別と量サイズランクの組合わせに対しては、該当するドアについての調整値として更新後の調整値が用いられることになり、手動開ドアが開予定ドアとして決定され易くなるようにすることができる。すなわち、乗員が或る購入形態により商品購入を行ったケースにおいて荷置きに好んで利用する好みのドアが乗員からのフィードバックに基づき学習され、該ケースにおいて該好みのドアが自動で開かれるようにすることができる。
また、ドア開条件としては、ドアへの近接のみを条件とするのではなく、例えば各乗員に携帯機を携帯させることとし、IDによる認証が成立する携帯機がドアに近づくことを条件とすることもできる。これにより、乗員以外の人物が開予定ドアに近づいたときにドアが開かれてしまうことの防止を図ることができ、セキュリティ向上を図ることができる。
また、前後方向に並ぶ座席列に対応するドアとして、左右の何れか片側のドアのみを有する車両にも本発明は好適に適用できる。このように対応するドアとして左右片側のドアのみが設けられた座席列について、該座席列の各座席に対する最寄りドアは、該片側のドアとなる。
さらに上記では、量サイズ相関情報として、購入商品の量及びサイズと相関する情報を用いる例を挙げたが、該量サイズ相関情報としては、購入商品の量又はサイズの少なくとも何れかに相関する情報を用いればよい。すなわち、購入商品の量のみ、又はサイズのみに相関する情報に基づいて開対象のドアを決定することもできる。
例えばこのような構成とすることで、購入商品を業者により宅配させる場合等、車両100への荷物の持ち込みが不要とされる場合に不要なドアが自動で開かれてしまうことの防止を図ることができる。また、不必要な開予定ドア決定処理が実行されてしまうことの防止が図られ、ドア制御部9の処理負担軽減が図られる。
なお、開予定ドア決定処理のキャンセルを指示する操作としては、上記のような開予定ドアの指定操作に限定されず、例えばキャンセルボタンの操作等、開予定ドアの指定操作を含まない操作とすることもできる。或いは、開予定ドア決定処理の実行を指示する操作を受付可能としておき、該実行を指示する操作が行われなければ開予定ドア決定処理を実行しない構成とすることもできる。
また、上記では言及しなかったが、乗員端末50からの購入情報(本例では購入金額及び端末現在位置情報)の受信が無かった場合には、購入情報に基づく開予定ドアの決定処理を行わずに、降車時着座情報に基づく開予定ドアの決定処理により開予定ドアを決定することができる。
また、この場合のアプリ52aには、購入情報に基づき決定した開予定ドアの開駆動を指示する信号をドア制御部9に送信する機能が付加される。このような開駆動を指示する信号を出力するタイミングとしては、例えば主制御部51とドア制御部9との間で近距離無線通信による通信が可能となるように構成しておき、該近距離無線通信においてドア制御部9との間の通信が可能な状態となった(つまり乗員端末50を携帯する乗員が車両100に近接した状態と換言できる)タイミング等とすることができる。
すなわち、複数のドアとドアを少なくとも開駆動するドア駆動部とを有した車両と通信可能に構成された情報処理装置が実行するプログラムであって、商品の購入に係る情報である購入情報に基づいて開対象のドアを決定する決定機能と、決定機能により決定したドアの開駆動を車両に指示する指示機能と、を情報処理装置に実現させるプログラムである。
従って、車両におけるドアの開制御について、乗員による操作負担軽減を図ることによる利便性向上を図りつつ、不要なドアが開かないという点でのセキュリティ向上を図ることができ、利便性向上とセキュリティ向上との両立を図ることができる。
上記で説明したように実施形態のドア制御装置(車両制御システム1)は、ドアを複数有する車両におけるドア制御装置であって、ドアを少なくとも開駆動するドア駆動部(同15)と、車両の乗員による商品の購入に係る情報である購入情報に基づいて開対象のドアを決定し、該決定したドアの開駆動をドア駆動部に実行させるドア制御部(同9)と、を備えている。
従って、車両におけるドアの開制御について、乗員による操作負担軽減を図ることによる利便性向上を図りつつ、不要なドアが開かないという点でのセキュリティ向上を図ることができる。すなわち、利便性向上とセキュリティ向上との両立を図ることができる。
従って、セキュリティのさらなる向上を図ることができる。
従って、車両におけるドアの開制御について、乗員による操作負担軽減を図ることによる利便性向上を図りつつ、不要なドアが開かないという点でのセキュリティ向上を図ることができ、利便性向上とセキュリティ向上との両立を図ることができる。
従って、乗員が車両に持ち込む荷物の量やサイズの推定精度を高めることができ、乗員にとってより適切なドアを開くことができ、乗員の利便性向上を図ることができる。
また、購入情報として、具体的な購入店舗や購入商品の種別を示す情報を取得不能な場合であっても、購入商品の量やサイズを推定することができる。
従って、乗員が車両に持ち込む荷物の量やサイズの推定精度の向上が図られ、乗員にとってより適切なドアを開くことができ、乗員の利便性のさらなる向上を図ることができる。
また、購入情報として、具体的な購入商品の種別を示す情報を取得不能な場合であっても、購入商品の量やサイズを推定することができる。
従って、乗員にとって適切なドアを開くことができ、乗員の利便性向上を図ることができる。
従って、利便性のさらなる向上を図ることができる。
従って、乗員の意思を反映したより適切なドアを自動で開くことが可能とされ、利便性のさらなる向上を図ることができる。
例えば、上記では、本発明を自動バレーパーキング機能を有する車両に適用する例を挙げたが、自動バレーパーキング機能を有さない車両にも本発明は好適に適用することができる。例えば、駐車スペースに駐車された車両に乗員が近づいて乗車するとったケースにおいて、商品の購入情報に基づいて開対象のドアを決定する場合等である。
Claims (7)
- ドアを複数有する車両におけるドア制御装置であって、
前記ドアを少なくとも開駆動するドア駆動部と、
前記車両の乗員による商品の購入に係る情報である購入情報に基づいて開対象のドアを決定し、該決定したドアの開駆動を前記ドア駆動部に実行させるドア制御部と、を備え、
前記ドア制御部は、
前記購入情報として取得される商品購入金額の情報に基づいて前記乗員が購入した商品の量及び/又はサイズに相関する情報である量サイズ相関情報を取得し、該量サイズ相関情報に基づいて前記開対象のドアを決定する
ドア制御装置。 - 外部機器と無線通信可能な通信部を備え、
前記ドア制御部は、
前記通信部による無線通信可能範囲に前記外部機器が検出されたことを条件として前記開対象のドアについての開駆動を実行させる
請求項1に記載のドア制御装置。 - 前記ドア制御部は、
前記購入情報として取得される商品の購入店舗種別の情報と前記商品購入金額の情報とに基づいて前記量サイズ相関情報を取得する
請求項1又は請求項2に記載のドア制御装置。 - 前記車両は、
複数の座席と荷室とを有し、前記ドアとして乗員の前記座席への乗降に用いられるドアである複数の座席ドアと、前記荷室に対する荷の積み降ろしに用いられる荷室ドアとを有しており、
前記ドア制御部は、
前記量サイズ相関情報に基づき商品の量及び/又はサイズが小さいと判定した場合は前記座席ドアを対象として前記開対象のドアを決定する一方、前記量及び/又はサイズが大きいと判定した場合は前記荷室ドアを対象として前記開対象のドアを決定する
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のドア制御装置。 - 前記車両は複数の座席を有し、
前記乗員が着座していた前記座席の位置を表す着座位置情報を検出する着座位置検出部を備え、
前記ドア制御部は、
前記着座位置情報と前記購入情報とに基づいて前記開対象のドアを決定する
請求項1乃至請求項4の何れかに記載のドア制御装置。 - 前記ドア制御部は、
前記開対象のドアとは異なるドアが手動により開かれた場合は、前記開対象のドアを決定する処理に用いる該開かれたドアについてのパラメータを変更する
請求項1乃至請求項5の何れかに記載のドア制御装置。 - 複数のドアと前記ドアを少なくとも開駆動するドア駆動部とを有した車両と通信可能に構成された情報処理装置が実行するプログラムであって、
前記車両の乗員による商品の購入に係る情報である購入情報に基づいて開対象のドアを決定する決定機能と、
前記決定機能により決定したドアの開駆動を前記車両に指示する指示機能と、を前記情報処理装置に実現させ、
前記決定機能は、前記購入情報として取得される商品購入金額の情報に基づいて前記乗員が購入した商品の量及び/又はサイズに相関する情報である量サイズ相関情報を取得し、該量サイズ相関情報に基づいて前記開対象のドアを決定する
プログラム。
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