JP7020662B2 - 液体噴射ノズルの多噴孔構造体 - Google Patents

液体噴射ノズルの多噴孔構造体 Download PDF

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Description

この発明は,例えば,エンジン,燃焼器,排気ガス浄化装置等の各種装置に用いられる燃料等の液体を噴射する液体噴射ノズルの多噴孔構造体に関する。
従来,エンジン,燃焼器,排気ガス浄化装置等で燃料,アンモニア水等の液体を噴射する液体噴射装置は,液体を高圧状態に溜めて,高圧の液体をノズルに送り込み,ノズル部における針弁を弁シートから開放して高圧の液体を液体噴霧室,燃焼室等のチャンバ内に噴射して液体を噴霧するものである。例えば,コモンレール式燃料噴射装置は,2000バール以上の燃料を多段噴射できることが可能なため,最新のエンジンで採用されている。該液体噴射装置は,液体の噴射系の最大の欠点は,コストが高いことであり,噴射系部品のコストが高額であり,普及しない原因の1つと言われている。
従来,液体噴射ノズルとして,半導体プレートの破損や燃料の漏洩を防止し,コストを下げ,燃料の微粒化特性向上させるものが知られている。該液体噴射ノズルは,先端に噴口及び弁座が形成された弁本体と,先端に噴口を開閉するシート部が形成され弁本体内に往復自在に嵌挿された弁部材と,該弁部材を駆動信号に応じて上下に往復動させる電磁コイルを備えた駆動部と,弁本体の先端部に装着されたスリーブと,噴口に近接して弁本体とスリーブとの間に嵌挿され複数のオリフィスを形成したシリコンオリフィスプレートと,該シリコンオリフィスプレートと弁本体及びスリーブとの間にそれぞれ嵌挿された環状の第1及び第2の樹脂フィルムと,から構成されている(例えば,特許文献1参照)。
また,燃料噴射ノズルとして,噴孔プレートの強度を保持しつつ噴霧の微粒化を促進するものが知られている。該燃料噴射ノズルは,ノズルボディの先端に取り付けられている噴孔プレートには,噴孔が形成されている。噴孔プレートは,噴孔の入口側開口の周縁に凹部を形成し,それによって噴孔の近傍における噴孔プレートの板厚を減少させ,噴孔の全長が短縮されている。燃料は,凹部に沿って噴孔へ流入するため,燃料が衝突する位置は,噴孔の出口側に近づき,噴孔のより出口側で乱れを生じた燃料は,短縮された噴孔により整流され難く,燃料の噴霧の微粒化が促進される(例えば,特許文献2参照)。
また,燃料噴射ノズルとして,可変噴孔式のものが知られている。該燃料噴射ノズルは,アウターニードルにおいて,第2噴孔を開閉するために,貫通孔よりも先端側に第2外側シート部を設け,さらに第2外側シート部の先端側に周状の溝を設ける。第2外側シート部の近傍部分は,背圧等による不正力により弾性変形を起こし易くなる。第2外側シート部は第2外側シート面に強く押しつけられ,外側溜まり部と第2噴孔との間は確実に遮断される(例えば,特許文献3参照)。
また,流体噴射ノズルとして,流体の微粒化を促進するものが知られている。該流体噴射ノズルは,開弁により燃料を噴射口から噴射する燃料噴射弁本体に設けられている。噴射口から噴射された燃料の流れ保持器ずれ防止機構を備えた有限直動案内ユニットを段階的に制御する入口孔部,長孔部,出口孔部から成る噴孔を備えている。出口孔部に一端部が連通する長孔部は,ノズル軸線に公差する方向に延びている。長孔部の他端部に入口孔部が点通される。長孔部に対し出口孔部が鋭角をなしている(例えば,特許文献4参照)。
特開平07-151037号公報 特開2004-84549号公報 特開2006-220129号公報 特開2001-300360号公報
ところで,従来の燃料噴射装置では,ノズルから噴射される噴霧状態が十分な微粒化することができず,また,チャンバ内に噴霧が十分に拡散することができず,空気と燃料との混合状態,或いは排気ガスと排気ガス浄化に用いるアンモニア水,尿素水等の液体との混合状態が満足できるものではなかった。
そこで,本出願人は,噴孔構造体として,流路をそれぞれ形成した三層板から構成し,三層板の流路を順次に流れることによって液体に旋回流を発生させる液体噴射ノズルを開発し,先に特願2017-100553号として出願した。該噴孔構造体は,ノズル本体の先端部に配設され,少なくとも三層に重ねられ且つ液体の流れ方向に互いに連通する少なくとも1個の噴孔がそれぞれ形成された第1層板,第2層板及び第3層板から構成されている。該噴孔構造体は,第1層板には第1孔が形成され,第2層板には液体の流れ方向を変更する接線孔部と中央孔部から成る第2孔が形成され,第3層板には第2孔の中央孔部に連通する第3孔が形成されているものである。
この発明の目的は,上記の問題を解決することであり,従来の噴射ノズルから噴射された燃料等の液体の噴霧状態では,液体を細かい微粒化することができず,また,噴霧状態を広角に拡散させることができず,他の気体との混合が十分でなかったが,本願発明では,多噴孔から噴射された渦流を形成する液体が微粒化して広角に拡散して噴霧され,特に,噴射圧が100~300Mpaの超高圧タイプのディーゼルエンジンに適用されて好ましいものであり,また,ガソリンエンジン用の高圧の燃料噴射ノズルに適用することもでき,それによって空気,排気ガス等の他の気体との混合がスムーズに促進され,燃焼が促進されることを特徴とする液体噴射ノズルの多噴孔構造体を提供することである。
この発明は,液体を供給する液体流路を備えたノズル本体,及び前記ノズル本体の長手
方向に延びる中空部内に液体溜め部を形成して前記中空部に往復リフト可能に嵌挿された
針弁を有し,前記ノズル本体の前記中空部の先端側壁面に形成された弁シートに前記針弁
の先端面が着座し,前記針弁のリフトによって前記ノズル本体の前記中空部の壁面と前記
針弁の外周面との間に形成された前記液体流路が開放して前記ノズル本体に設けられた複
数の噴孔から前記液体が噴霧されることから成る液体噴射ノズルにおいて,
前記ノズル本体の先端部の外面には前記液体が噴出する1個の前記噴孔が形成された先
端チップ部が周方向に隔置して複数設けられ,前記先端チップ部の内側には前記噴孔の回
りに凹部の旋回流室が形成され,前記ノズル本体の前記先端部には前記中空部の前記弁シ
ートより先端側壁面から前記先端チップ部の前記凹部の外周領域に連通する前記液体が通
る少なくとも1本の細孔が形成され,前記細孔は前記中空部の前記弁シートより前記先端
側壁面から前記凹部の前記外周領域に斜め接線方向に連通しており,前記針弁のリフトに
よって前記液体流路の前記液体が前記細孔から接線方向に前記旋回流室へ流入して前記旋
回流室で渦巻き流を発生させ,前記渦巻き流が前記噴孔から外部に噴霧されることを特徴
とする液体噴射ノズルの多噴孔構造体に関する。また,前記液体が通る前記細孔は,前記
先端チップ部に対してそれぞれ少なくとも2本形成されており,前記旋回流室の前記外周
領域に対して予め決められた異なった位置で異なった角度の前記斜め接線方向に連通して
前記ノズル本体の前記先端部にそれぞれ形成されているものである。
或いは,この発明は,液体を供給する液体流路を備えたノズル本体,及び前記ノズル本
体の長手方向に延びる中空部内に液体溜め部を形成して前記中空部に往復リフト可能に嵌
挿された針弁を有し,前記ノズル本体の前記中空部の先端側壁面に形成された弁シートに
前記針弁の先端面が着座し,前記針弁のリフトによって前記ノズル本体の前記中空部の壁
面と前記針弁の外周面との間に形成された前記液体流路が開放して前記ノズル本体に設け
られた複数の噴孔から前記液体が噴霧されることから成る液体噴射ノズルにおいて,
前記ノズル本体の先端部の外面には前記液体が噴出する1個の前記噴孔が形成された先
端チップ部が周方向に隔置して複数設けられ,前記先端チップ部の内側には前記噴孔の回
りに凹部の旋回流室が形成され,前記ノズル本体の前記先端部には前記中空部の前記弁シ
ートより先端側壁面から前記先端チップ部の前記凹部の外周領域に連通する前記液体が通
る少なくとも2本の細孔が形成され,前記先端チップ部の内側に形成された前記凹部は,
前記噴孔の回りに形成される前記旋回流室と前記旋回流室へと接線方向に延びる凹溝の接
線流路とから成り,前記細孔は,前記凹部の前記接線流路の端部に連通しており,前記針
弁のリフトによって前記液体流路の前記液体が前記細孔を通って前記接線流路から前記旋
回流室へ流入して前記旋回流室で渦巻き流を発生させることを特徴とする液体噴射ノズル
の多噴孔構造体に関する。また,前記液体が通る前記細孔は,前記先端チップ部に対して
それぞれ少なくとも2本形成されており,前記ノズル本体の前記先端部に前記接線流路に
対して垂直方向に連通してそれぞれ形成されているものである。
また,この液体噴射ノズルの多噴孔構造体において,前記先端チップ部は,前記ノズル本体の前記先端部と一体構造に加工されているか,又は前記ノズル本体の前記先端部にそれぞれ接合されている。
この発明による液体噴射ノズルの多噴孔構造体は,上記のように,ノズル本体の先端部に周方向に隔置して複数個の先端チップ部をそれぞれ設け,該先端チップ部に1個の噴孔とその回りの内側に凹部から成る旋回流室を形成し,旋回流室で燃料,アンモニア水,尿素水等の液体の渦巻き流を形成し,液体を微粒化して噴孔から拡散噴霧し,噴霧液体と空気,排気ガス等の他の気体との混合状態を良好にし,燃焼,酸化還元反応を促進させることができる。即ち,前記先端チップ部において,液体の流れの方向であるベクトルを渦巻き流に変化させることによって,噴孔から噴霧される液体の微粒化を促進させると共に,広範囲に噴霧軌跡が広角に拡散されて噴霧されることになる。特に,先端チップ部の噴孔,例えば,φ0.1程度の噴孔から噴射される液体が渦巻き流即ち旋回流となって噴射されると,噴霧状態が液体を微粒化して拡散するのが促進されるので,液体が燃料である場合には,燃焼室内での空気との混合が促進され燃焼状態が良好になる。特に,噴孔からの噴射圧が100~300Mpaと高圧で,噴霧速度が1000m/secと高速になるような超高圧タイプのディーゼルエンジンに適用して,その性能を十分に発揮することができる。また,直噴のガソリンエンジンについても微粒化が要望されているので,この液体噴射ノズルの多噴孔構造体をガソリンエンジン用の高圧の燃料噴射ノズルに適用することもできるものである。この噴孔構造体は,その先端部及びそれに接合ある胃が一体構造の先端チップ部が高圧に耐える金属で作製されている。この噴孔構造体は,先端チップ部では渦巻き流が発生して,噴孔から渦巻き流が回転しながら燃焼室等の外部に噴霧され,噴霧が空気や排気ガスとうの気体に衝突して剪断力が発生し,渦巻きの噴霧の遠心力が作用して微粒化して燃焼,混合等が促進される。
この発明による液体噴射ノズルの多噴孔構造体の一実施例を示す概略断面図である。 図1の符号A領域を示し,(A)は拡大断面図,及び(B)は(A)の矢視C方向に見た正面図である。 図1の液体噴射ノズルの多噴孔構造体におけるノズル本体の先端部を透視して,噴孔と先端チップ部とを立体的に示す説明図である。 この発明による液体噴射ノズルの多噴孔構造体の別の実施例を示す概略断面図である。 図3の符号B領域を示し,(A)は拡大断面図,及び(B)は(A)の矢視D方向に見た正面図である。 図4の液体噴射ノズルの多噴孔構造体におけるノズル本体の先端部を透視して,噴孔と先端チップ部とを立体的に示す説明図である。 この液体噴射ノズルの多噴孔構造体を示し,ノズル本体の先端部にその周方向に隔置して複数(図では6個)の先端チップ部を設けたノズル本体の先端側を概略的に示している斜視図である。 図7の先端部に形成された細孔が位置する領域まで破断したノズル本体の先端側を概略的に示す一部断面の斜視図である。 図7のノズル本体を長手方向に断面した状態を示し,ノズル本体の先端部に先端チップ部を設け且つ長手方向に断面した状態を概略的に示す断面斜視図である。
以下,図面を参照して,この液体噴射ノズルの多噴孔構造体の実施例について説明する。図1~図9を参照して,この発明による液体噴射ノズルの多噴孔構造体の概略的な構成について説明する。この液体噴射ノズルは,例えば,ディーゼルエンジンやガソリンエンジンを搭載した燃料噴射ノズル,或いはアンモニア水,尿素水等の液体14を噴霧する排気ガス浄化装置に適用できるものである。この液体噴射ノズルは,主として,エンジン,噴射装置,燃焼機器等の取付け部に固定される液体14を供給する液体流路8,16を備えたパイプ状のノズル本体1,及びノズル本体1の長手方向に延びる中空部4内に液体溜め部6を形成し且つ摺動リフト可能に嵌挿された弁体を構成する針弁2を備えている。この発明による噴孔構造体は,特に,ノズル本体1の先端部3の構造に特徴を有している。ノズル本体1は,同径に貫通する中空部4に形成された鉄製のパイプから構成されている。また,この液体噴射ノズルは,ノズル本体1の中空部4の先端側の内壁面15に形成されたすり鉢状の弁シート11に,針弁2の円錐面の先端面12が着座し,針弁2のリフトによってノズル本体1の中空部4の壁面24と針弁2の外周面13との間に形成された液体流路8が開放し,ノズル本体1の先端部3に設けられた複数の噴孔7から液体14が噴霧されることから構成されている。
この液体噴射ノズルの多噴孔構造体は,特に,噴射圧が大きく,例えば,100~300Mpa程度で,液体噴霧の秒速が1000m前後に達するディーゼルエンジン用超高圧タイプの燃料噴射ノズルに適用して好ましいものである。また,直噴のガソリンエンジンについても燃料の微粒化が要望されているので,この液体噴射ノズルの多噴孔構造体をガソリンエンジン用の高圧の燃料噴射ノズルに適用することもできるものである。また,この多噴孔構造体については,先端チップ部5は,ノズル本体1の先端部3と一体構造に加工されるか,或いは,ノズル本体1の先端部3の周方向に隔置して複数個(図では6個)が先端部3にそれぞれ接合されるかによって,ノズル本体1の先端部3に設けることができる。また,この噴孔構造体は,特に,ノズル本体1の先端部3に先端チップ部5を周方向に隔置して複数,好ましくは6個,サイズやタイプによっては4,5,7,~12個と複数個設けることができる。先端チップ部5の内側に液体溜まりとして円盤状凹部21を形成して旋回流室9を形成し,また,ノズル本体1の先端部3に流路となる少なくとも1本(好ましくは2本)の細孔10,20を形成する。ここでは,細孔10,20は,好ましくは,先端チップ部5の旋回流室5に対して,ノズル本体1の先端部3に互い違いに2本形成され,例えば,φ0.1程度に形成されている。先端部3に形成した細孔10を旋回流室9の外周領域17に対して斜め接線方向に連通し(図1及び図2参照),或いは旋回流室9の外周領域17に接線方向に連通する接線流路19に細孔20を垂直に連通する(図3及び図4参照)。好ましくは2本の細孔10,20を通じて液体溜まりの旋回流室9に液体14(以下,燃料14という)を互い違いに流入させて,旋回流室9で渦巻き流即ち旋回流を発生させ,燃焼室等の外部に噴射させる。外部の燃焼室(図示せず)では,通常高圧空気に燃料14の噴霧が衝突して剪断力が加わり,燃料14の微粒化が促進される。即ち,液体14は,超高圧タイプのディーゼルエンジンでは,種々の軽油であり,また,ガソリンエンジンでは,種々のガソリンを意図している。
この発明による噴孔構造体は,特に,燃料14に対して上記剪断力に更に旋回流が加わって遠心力が発生し,燃料14の微粒化が更に促進されることを特徴としている。また,この噴孔構造体は,燃焼室に噴孔7から燃料14の噴霧の渦流を強く噴射すれば,燃焼室内での噴霧が広角に広がり,好ましい状態で噴射される。旋回流室9は,凹部21の底面が平らであるので,旋回流室9に流入した液体14は円盤状になっている。また,細孔10から旋回流室9に流入する偏芯半径rが大きければ,渦流が増大する。ここで,偏芯半径rは,旋回流室9の中心から液体14が流入する地点までの距離をいう。そこで,流入する液体14の単位質量をm,及び慣性モーメントをIとすると,I=mr2 である。また,回転する液体14の角速度をωとすると,回転する円盤の運動エネルギーは,
(1/2)mr2 ω2 である。従って,回転する運動エネルギーは,偏芯半径rが大きければ,大きくなり,渦流が増大する。更に,細孔10,20から旋回流室9に流入する流速である角速度ωが大きければ,渦流は増加して促進されることになる。流速は,細孔10,20の直径で決まるものであり,運動エネルギーは(1/2)mV2 である。また,この多噴孔構造体は,細孔10と旋回流室9,或いは細孔20,接線流路19及び旋回流室9との境界部が滑らかに加工されており,圧力損失が低減されていることは勿論である。
まず,図1,図2及び図3を参照して,この発明による液体噴射ノズルの多噴孔構造体の一実施例について説明する。図3は,ノズル本体1の先端部3を透視し,空所となる細孔10と先端チップ部5とを説明するため,細孔10と先端チップ部5との外形を立体的に示し,先端部3は透視された斜視図である。この実施例の多噴孔構造体は,特に,ノズル本体1の先端部3の外面18には1個の噴孔7が形成された先端チップ部5が周方向に隔置して複数設けられており,先端チップ部5の内側には噴孔7の回りに凹部21の旋回流室9が形成されていることを特徴としている。図1,図2及び図3では,液体14の流れ方向は矢印で示している。先端チップ部6の背面に形成された凹部21は,底面が平らに形成されており,燃料14の流れの抵抗になることは無い。また,この多噴孔構造体は,ノズル本体1の先端部3には,中空4の弁シート11より先端内壁面15から先端チップ部5の凹部21の外周領域17に接線方向に連通する少なくとも1本の細孔10(図では2本)が互い違いに形成されている。更に,この多噴孔構造体は,針弁2のリフトによって,液体流路8の液体14が細孔10から接線方向に旋回流室9の外周領域17に接線方向から流入して旋回流室9で平板状の渦巻き流を発生させ,該渦巻き流が噴孔7から外部に噴霧されることを特徴としている。また,細孔10は,先端チップ部5に対してそれぞれ少なくとも2本形成されていることが好ましく,旋回流室9の外周領域17に対して予め決められた異なった位置,外周領域17の対向位置に異なった角度の斜め接線方向に連通してノズル本体1の先端部3にそれぞれ形成されている。即ち,燃料14が細孔10から旋回流室9の油溜めに流れ込むため,旋回流室9は,円形状の凹部21であるので,旋回流室9で渦流が生成され,圧損が少なくなる。燃料14は,旋回流室9で渦流になって,次いで噴孔7から外部の燃焼室に噴霧され,噴霧状態が広角に拡がって微粒化し,燃焼室内の空気や排気ガスとの混合が促進されることになる。
次に,図4,図5及び図6を参照して,この発明による液体噴射ノズルの多噴孔構造体の別の実施例を説明する。図6は,ノズル本体1の先端部3を透視し,空所となる細孔20と先端チップ部5とを説明するため,細孔20と先端チップ部5との外形を立体的に示し,先端部3は透視された斜視図である。この実施例の多噴孔構造体は,特に,ノズル本体1の先端部3の外面18には1個の噴孔7が形成された先端チップ部6が周方向に隔置して複数設けられており,先端チップ部6の内側には噴孔7の回りに凹部21の旋回流室9と該旋回流室9に接線方向に延びる少なくとも1本の凹溝23(図では2本)の接線流路19が外周領域17の対向位置に形成されていることを特徴としている。図4,図5及び図6では,液体14の流れ方向は矢印で示している。先端チップ部6の背面に形成された凹部21は,底面が平らに形成されており,燃料14の流れの抵抗になることは無い。また,この多噴孔構造体は,ノズル本体1の先端部3には中空4の弁シート11より先端側の内15から先端チップ部5の凹溝23の接線流路19の端部22に連通する少なくとも1本の細孔20(図では2本)が形成されており,針弁2のリフトによって液体流路8の液体14が細孔20を通って接線流路19から接線方向に旋回流室9へ流入して旋回流室で平板状の渦巻き流を発生させ,該渦巻き流が噴孔7から外部に噴霧されることを特徴としている。更に,細孔20は,先端チップ部5に対してそれぞれ少なくとも2本形成されており,接線流路19に対して垂直方向に連通するように,ノズル本体1の先端部3にそれぞれ形成されている。燃料14は,細孔20から接線流路19の端部22へと流れ,次いで,接線流路19に流れ込んだ燃料14が旋回流室9の外周領域17に接線方向から流れ込み,旋回流室9で渦流になって,噴孔7から外部の燃焼室に噴霧され,噴霧状態が広角に拡がって微粒化し,燃焼室内の空気や排気ガスとの混合が促進されることになる。この噴孔構造体は,細孔20が接線流路19に直角にぶつかるので,図1及び図2に示す噴孔構造体に比較して圧損が大きくなる。
この発明による液体噴射ノズルの多噴孔構造体は,例えば,ディーゼルエンジンを搭載した燃料噴射装置,アンモニア水,尿素水等の液体を噴霧する排気ガス浄化装置等の液体を噴霧するノズルに適用して好ましいものである。
1 ノズル本体
2 針弁
3 先端部
4 中空部
5 先端チップ部
6 液体溜め部
7 噴孔
8,16 液体流路
9 旋回流室
10,20 細孔
11 弁シート
12 先端面
13 外周面
14 液体
15 先端内壁面
17 外周領域
18 外面
19 接線流路
21 凹部
22 端部
23 凹溝
24 壁面

Claims (5)

  1. 液体を供給する液体流路を備えたノズル本体,及び前記ノズル本体の長手方向に延びる
    中空部内に液体溜め部を形成して前記中空部に往復リフト可能に嵌挿された針弁を有し,
    前記ノズル本体の前記中空部の先端側壁面に形成された弁シートに前記針弁の先端面が着
    座し,前記針弁のリフトによって前記ノズル本体の前記中空部の壁面と前記針弁の外周面
    との間に形成された前記液体流路が開放して前記ノズル本体に設けられた複数の噴孔から
    前記液体が噴霧されることから成る液体噴射ノズルにおいて,
    前記ノズル本体の先端部の外面には前記液体が噴出する1個の前記噴孔が形成された先
    端チップ部が周方向に隔置して複数設けられ,前記先端チップ部の内側には前記噴孔の回
    りに凹部の旋回流室が形成され,前記ノズル本体の前記先端部には前記中空部の前記弁シ
    ートより先端側壁面から前記先端チップ部の前記凹部の外周領域に連通する前記液体が通
    る少なくとも1本の細孔が形成され,前記細孔は前記中空部の前記弁シートより前記先端
    側壁面から前記凹部の前記外周領域に斜め接線方向に連通しており,前記針弁のリフトに
    よって前記液体流路の前記液体が前記細孔から前記斜め接線方向に前記旋回流室へ流入し
    て前記旋回流室で渦巻き流を発生させ,前記渦巻き流が前記噴孔から外部に噴霧されるこ
    とを特徴とする液体噴射ノズルの多噴孔構造体。
  2. 前記液体が通る前記細孔は,前記先端チップ部に対してそれぞれ少なくとも2本形成さ
    れており,前記旋回流室の前記外周領域に対して予め決められた異なった位置で異なった
    角度の前記斜め接線方向に連通して前記ノズル本体の前記先端部にそれぞれ形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ノズルの多噴孔構造体。
  3. 液体を供給する液体流路を備えたノズル本体,及び前記ノズル本体の長手方向に延びる
    中空部内に液体溜め部を形成して前記中空部に往復リフト可能に嵌挿された針弁を有し,
    前記ノズル本体の前記中空部の先端側壁面に形成された弁シートに前記針弁の先端面が着
    座し,前記針弁のリフトによって前記ノズル本体の前記中空部の壁面と前記針弁の外周面
    との間に形成された前記液体流路が開放して前記ノズル本体に設けられた複数の噴孔から
    前記液体が噴霧されることから成る液体噴射ノズルにおいて,
    前記ノズル本体の先端部の外面には前記液体が噴出する1個の前記噴孔が形成された先
    端チップ部が周方向に隔置して複数設けられ,前記先端チップ部の内側には前記噴孔の回
    りに凹部の旋回流室が形成され,前記ノズル本体の前記先端部には前記中空部の前記弁シ
    ートより先端側壁面から前記先端チップ部の前記凹部の外周領域に連通する前記液体が通
    る少なくとも2本の細孔が形成され,前記先端チップ部の内側に形成された前記凹部は,
    前記噴孔の回りに形成される前記旋回流室と前記旋回流室へと接線方向に延びる凹溝の接
    線流路とから成り,前記細孔は,前記凹部の前記接線流路の端部に連通しており,前記針
    弁のリフトによって前記液体流路の前記液体が前記細孔を通って前記接線流路から前記旋
    回流室へ流入して前記旋回流室で渦巻き流を発生させることを特徴とする液体噴射ノズル
    の多噴孔構造体。
  4. 前記液体が通る前記細孔は,前記先端チップ部に対してそれぞれ少なくとも2本形成さ
    れており,前記ノズル本体の前記先端部に前記接線流路に対して垂直方向に連通してそれ
    ぞれ形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ノズルの多噴孔構造体。
  5. 前記先端チップ部は,前記ノズル本体の前記先端部と一体構造に加工されているか,又
    は前記ノズル本体の前記先端部にそれぞれ接合されていることを特徴とする請求項1~4
    のいずれか1項に記載の液体噴射ノズルの多噴孔構造体。
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