JP7019921B2 - コンクリート壁を備えたタンクの施工方法 - Google Patents

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Description

この発明は、重油などの危険物の液体を貯蔵するコンクリート壁を備えたタンクの施工方法に関するものである。
大地震に伴って発生した津波により、重油等を貯蔵する平底円筒形タンクが押し流されて、タンクの貯蔵液が市街地に流出して火災を広げ、津波被害をより深刻にしたことから、津波に容易に押し流されないタンクの技術開発が求められている。
通常、石油類を貯蔵するタンクは鋼板製の底板と側板とからなる平底を有する円筒形状であり、その底板はアンカーボルト等で基礎に固定されていない場合が多い。そのため、特に貯蔵液量が少ない場合は、津波の浮力によりタンクは容易に浮上して押し流される。
そこで、タンクの周囲近傍に該タンクの流出を防止するために多数の杭や矢板等を円周状に設置する発明や、津波による側圧を受け止めることができ、流出し難いコンクリート製タンク等の発明がなされている。
従来技術として、特許文献1の「構造物の地震・津波対策構造」の発明がある。この発明には、タンクの周囲の地盤に、複数の矢板及び鋼管矢板を打設し、地震や津波による構造物の他の構造物への衝突、漂流物の構造物への衝突等を防ぐことが可能な構造物の地震・津波対策構造が開示されている。
また、特許文献2の「タンクのコンクリート壁の製造方法」の発明がある。この発明には、鋼製外側枠体を組立て、該外側枠体と間隔をもって内側枠体を組立てたのち、該内側枠体と外側枠体内にともに水を張り、該内側枠体と外側枠体間にコンクリートを打設したのち、水を排水するタンクのコンクリート壁の製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3の「タンクの建設工法」の発明がある。この発明には、鉄筋コンクリート製底版上に、内面側打込型枠を設置した後、該内面側打込型枠の内部側に水を張り、該水の水圧により前記内面側打込型枠を支持して側壁コンクリートを打設するタンクの建設工法が開示されている。
さらにまた、特許文献4の「貯留タンクの製造方法」の発明がある。この発明には、内槽に試験用液体を貯留することによって外槽に作用する応力をシミュレーションし、許容値である場合に、外槽の完成を待たずに水張り試験を行う貯留タンクの製造方法が開示されている。
特開2008-231768号公報 特開昭51-70949号公報 特開2001-173263号公報 特開2010-275796号公報
タンク周囲に流出防止用の杭や矢板等を設置する従来の津波対策は、タンクに作用する津波の側圧や浮力自体を避けることはできず、必ずしもタンク本体の損傷を免れることはできない。
また、様々な配管類が縦横無尽に敷設されたタンクヤード内に多数の杭を打設することには無理がある。
さらに、金属製の内張りと一体化してコンクリート製タンクを構築する従来の工法は、津波による側圧や浮力に対抗させることは可能であるが、新規にタンクを設置する場合の工法であり、既設の津波対策が要求されるタンクに適用することは現実的ではない。
故に、既設又は新設の鋼製タンクに津波対策を講じる場合、該鋼製タンクに接するように囲繞してコンクリート製の側壁を配設する構造を採用し、津波対策防波堤を有するタンクとすることが最も経済的であり、さらに該鋼製タンクをコンクリート側壁構築時の内側型枠とすることが合理的である。
津波対策防波堤を有するタンクとして、図5に示すような金属製のタンク1の外周部に側板4bの全体又は大部分を囲繞できる設計高さHcのコンクリート製の側壁3bを構築した二重殻構造の平底円筒形タンク1が考えられる。
ところで、この平底円筒形タンクは、貯蔵液による内圧を基にその側板の必要板厚を求める設計がなされているため、該鋼製タンクをコンクリート側壁の構築のための型枠とする場合には、コンクリート打設時の外圧による鋼製タンク側板の変形を考慮する必要がある。
また、コンクリート側壁構築の工程を短縮するためには、一回のコンクリート打設高さをできるだけ高くすることが必要であるが、前記した鋼製タンクに対する変形の影響を考慮する必要が生じ、一回のコンクリート打設高さは自ずと制限される。或いは、コンクリート打設時の外圧を考慮して鋼製タンクの側板板厚を厚くすれば良いが、材料費が増大する。また、既設の鋼製タンクの板厚を増すことは現実的ではない。
前記した通り、既設又は新設の鋼製タンクの周囲に津波対策防波堤としてコンクリート側壁を構築する上では様々な問題点が有り、それを解決する施工方法が求められていた。
なお、外槽3のコンクリート打設圧Pcで内槽4の側板4bが座屈変形しないように、金属製の内槽4の外側にコンクリート製の外槽3を構築する工法としては、基礎2上に内槽4を構築した後、該内槽4内に水を張った状態で、外槽3のコンクリートを打設する工法(以下、水張り工法)がある。
特許文献1の「構造物の地震・津波対策構造」は、タンクの周囲の地盤に複数の矢板及び鋼管矢板を打設し、タンクの移動やタンクに漂流物が衝突することを防ぐ構造であるが、タンクに作用する津波の側圧や浮力自体を避ける構造ではなく、タンク側板の変形を防止する構造に関するものでもない。
特許文献2の「タンクのコンクリート壁の製造方法」は、内側枠体内に水を張った状態で、該内側枠体と外側枠体間にコンクリートを打設する工法であるが、該内側枠体と外側枠体間において水中コンクリート注入打設をする工法であり、コンクリート打設時の内側枠体の変形を防止する製造方法に関するものではない。
また、新設タンクのコンクリート壁を構築するための製造方法に関するものであり、津波対策防波堤として既設鋼製タンクに接するようにコンクリート側壁を構築する方法に関するものではない。
特許文献3の「タンクの建設工法」は、内面側打込型枠内に張った水の水圧により、側壁のプレストレストコンクリートの打設圧を支持するタンクの建設工法であるが、コンクリート打設時の型枠とするタンク側板の変形を防止する建設工法に関するものではない。
また、新設タンクのコンクリート側壁を構築するための建設工法に関するものであり、津波対策防波堤として既設鋼製タンクに接するようにコンクリート側壁を構築する工法に関するものではない。
特許文献4の「貯留タンクの製造方法」は、LNGタンクの内槽完成後に水張り試験を行ったのちプレストレストコンクリートで構成された外槽を完成させる方法であるが、コンクリート打設時の内槽側板の座屈変形を防止する製造方法に関するものではない。
また、内槽と外槽の間に空間部を有する二重殻構造のタンクの製造方法に関するものであり、津波対策防波堤として既設鋼製タンクに接するようにコンクリート側壁を構築する方法に関するものではない。
この発明は上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、既設又は新設の金属製のタンクを囲繞して配設されるコンクリート製の津波対策防波堤を、前記金属製のタンク側板を変形させることなく、垂直立設状態を維持した状態で、容易に構築するためのコンクリート壁を備えたタンクの施工方法を提供することにある。
請求項1の発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの施工方法は、金属製の内槽と、該内槽を囲繞して配設されるコンクリート製の外槽とを備え、前記内槽を前記外槽のコンクリート打設用の内側型枠とするコンクリート壁を備えたタンクの施工方法であって、前記内槽内に注水して水を張り、該内槽内に設置した浮屋根を上昇させる工程(a)と、前記内槽の側板外周部に前記コンクリート打設用の外側型枠を仮設する工程(b)と、前記浮屋根外周部に沿って環状に取付けた加圧バッグ内に液体又は気体からなる流体を注入し、該加圧バッグを前記内槽の側板内面に密着するように膨張させて該内槽側板を加圧補強した状態で、前記外槽のコンクリート側壁を打設する工程(c)と、前記外槽のコンクリート側壁を凝固させる工程(d)と、前記加圧バッグ内から流体を抜き取り、該加圧バッグを減圧させる工程(e)とを具備し、前記外槽のコンクリート側壁が設計高さに到達するまでに、前記工程(a)から工程(e)までの工程を繰り返し実施し、設計高さの外槽の側壁を構築することを特徴とする。
請求項2の発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの施工方法は、請求項1記載の浮屋根外周部に沿って環状に取付けた加圧バッグ内に液体又は気体からなる流体を注入し、該加圧バッグを前記内槽の側板内面に密着するように膨張させて該内槽側板を加圧補強した状態で、前記外槽のコンクリート側壁を打設する工程(c)において、前記加圧バッグの内圧が前記側壁のコンクリート打設の外圧と平衡するように、前記加圧バッグに注入する流体の圧力を調整することを特徴とする。
請求項3の発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの施工方法は、請求項1記載の浮屋根外周部の加圧バッグが、該加圧バッグ内に前記流体を注入するか、或いは該加圧バッグ内から前記流体を抜き取るための流体注入口を備えるとともに、該流体注入口に配管を介して接続され、前記流体を出し入れして内圧を制御する圧力制御装置と着脱自在に接続された加圧バッグであって、
請求項1記載の外槽のコンクリート側壁を凝固させる工程(d)の後に、該加圧バッグに接続された前記配管及び圧力制御装置を撤去するとともに流体注入口を塞ぎ、該加圧バッグが加圧された状態で、タンク供用時の貯蔵液の蒸気逸出を防止するシール装置として使用する加圧バッグであることを特徴とする。
請求項1の発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの施工方法は、金属製の内槽と、該内槽を囲繞して配設されるコンクリート製の外槽とを備え、前記内槽を前記外槽のコンクリート打設用の内側型枠とするコンクリート壁を備えたタンクの施工方法であって、前記内槽内に注水して水を張り、該内槽内に設置した浮屋根を上昇させる工程(a)と、前記内槽の側板外周部に前記コンクリート打設用の外側型枠を仮設する工程(b)と、前記浮屋根外周部に沿って環状に取付けた加圧バッグ内に液体又は気体からなる流体を注入し、該加圧バッグを前記内槽の側板内面に密着するように膨張させて該内槽側板を加圧補強した状態で、前記外槽のコンクリート側壁を打設する工程(c)と、前記外槽のコンクリート側壁を凝固させる工程(d)と、前記加圧バッグ内から流体を抜き取り、該加圧バッグを減圧させる工程(e)とを具備し、前記外槽のコンクリート側壁が設計高さに到達するまでに、前記工程(a)から工程(e)までの工程を繰り返し実施し、設計高さの外槽の側壁を構築するので、
内槽側板の加圧補強とコンクリート打設を繰り返して実施することにより、外槽のコンクリートの打設圧によって内槽側板を変形させることなく、内槽側板の垂直立設状態を維持して設計高さが大きいコンクリート製の外槽側壁を構築することが可能である。
タンクの内部に設置された浮屋根を、コンクリート打設時の補強材として使用することができるため、別途コンクリート打設用の補強材を設ける必要がなく、側板全体に補強材等を取付けて補強する場合と比較して施工性、経済性が向上するとともに、外槽側壁のコンクリート打設時の安全性も向上する。
加圧バッグを減圧した状態で、浮屋根を上昇させることにより、該浮屋根上昇時に該加圧バッグが内槽側板との摩擦で摩耗したり、破損したりすることがない。該加圧バッグ内部の液体又は気体からなる流体が外部に漏れることなく、コンクリートの打設圧に対抗するための所定の内圧を確実に確保することが可能である。
請求項2の発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの施工方法は、請求項1記載の浮屋根外周部に沿って環状に取付けた加圧バッグ内に液体又は気体からなる流体を注入し、該加圧バッグを前記内槽の側板内面に密着するように膨張させて該内槽側板を加圧補強した状態で、前記外槽のコンクリート側壁を打設する工程(c)において、前記加圧バッグの内圧が前記側壁のコンクリート打設の外圧と平衡するように、前記加圧バッグに注入する流体の圧力を調整するので、
内槽内に浮上させた浮屋根の加圧バッグ内に充填した流体の内圧とコンクリート打設圧を平衡させることにより、内槽側板を変形させることなく、内槽側板の垂直立設状態を維持して設計高さが大きいコンクリート製の外槽側壁を構築することが可能になる。
請求項3の発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの施工方法は、請求項1記載の浮屋根外周部の加圧バッグが、該加圧バッグ内に前記流体を注入するか、或いは該加圧バッグ内から前記流体を抜き取るための流体注入口を備えるとともに、該流体注入口に配管を介して接続され、前記流体を出し入れして内圧を制御する圧力制御装置と着脱自在に接続された加圧バッグであって、
請求項1記載の外槽のコンクリート側壁を凝固させる工程(d)の後に、該加圧バッグに接続された前記配管及び圧力制御装置を撤去するとともに流体注入口を塞ぎ、該加圧バッグが加圧された状態で、タンク供用時の貯蔵液の蒸気逸出を防止するシール装置として使用する加圧バッグであるので、加圧バッグを取り替えることなく、そのままタンクのシール装置として転用できるため、施工性、経済性が向上する。
本発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの事例の全体側面説明図である。 本発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの他の事例の全体側面説明図である。 図1のコンクリート壁を備えたタンクの施工方法の手順の概略を説明するためのフローチャートである。 図1のA部の拡大図で、コンクリート打設時に、タンク1の内槽4内に張った水5の上に浮屋根6を浮上させ、該浮屋根6の加圧バッグ6aに流体8を充填して膨張させた状況の事例を示す側面説明図である。 コンクリート壁を備えた固定屋根式タンクの事例を示す全体側面説明図である。
本発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの施工方法の実施形態例について図1から図4を参照しながら説明する。なお、本発明は下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記の構成要素の省略または付加、構成要素の形状等の実施形態の変更を加えることが出来るのはもちろんである。また、図は概略を示すもので、一部のみを描き詳細構造は省略した。
図1は、本発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの事例の全体側面説明図で、2は基礎、3は外槽、4は内槽を示す。なお、図1のタンク1は、内槽4内の液面高さに応じて昇降する浮屋根6を備えた新設の浮屋根式タンク1の事例である。
この二重殻構造の平底円筒形タンク1は、金属製の内槽4と該内槽4を囲繞して配設されるコンクリート製の外槽3とを備えた構造である。図1の左側はこのコンクリート製の外槽3の施工段階の断面図であり、右側はコンクリート製の外槽3の完成後の外観図である。
前記内槽4は、基礎2上に打設したコンクリート製の底版3a上に設置され、金属製の底板4aと、該底板4a上に立設した筒体状の金属製の側板4bとからなる構造であり、内槽側板4b頂部には、トップアングル7が設置されている。また、内槽側板4bの高さ方向上部に、雨水浸入防止措置9を備え、雨水から外槽3を保護するようにする。
前記浮屋根6は、デッキサポート6f等の浮屋根サポート部材により底板4aから上方向に間隔をあけて支持されており、タンク1内に水5を張ると、浮屋根6が内槽4内を上昇し、水面上に浮上した状態となる。
浮屋根6は、外周部に加圧バッグ6aを有した構造とし、タンク1の水面に浮上させ、側板4bの内周面に対し、加圧バッグ6aを介して昇降自在に周囲が摺接された構造とする。加圧バッグ6aは、仮設の配管6bを介して、デッキ板6e上の仮設の圧力制御装置6cに接続される。この圧力制御装置6cはタンク1外に設置しても良い。
前記外槽3は、前記コンクリート製の底版3aと、該底版3a上に構築した前記内槽側板4bを囲繞するコンクリート製の外槽側壁3bとからなる構造である。通常底版3aは鉄筋コンクリート、側壁3bはプレストレストコンクリートで構築する。
図2は、本発明に係るコンクリート壁を備えたタンクの他の事例の全体側面説明図であり、既設の浮屋根式タンク1外周部にコンクリート製の側壁3bを設置した事例である。
本発明は、図1に示すように金属製の内槽4全体を囲繞するようにコンクリート製の外槽3を構築する二重殻構造の新設のタンクを建設する場合、或いは図2に示すように既設の金属製タンク1の外周部にコンクリート製の側壁3bを設置して補強する場合の両方に採用することが可能である。
図3は、本発明の二重殻構造の平底円筒形タンク1の施工方法の手順の概略を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、図1の新設の浮屋根式タンクのコンクリート製の外槽側壁3bを構築する場合の工程の事例を示す。
まず、工程(A)において、コンクリート製の底版3aを打設する。
続いて、内槽4を構築し、コンクリート打設用の内側型枠4b1とする。該内槽4(内側型枠4b1)は以下の工程(B)~(E)で構築する。
工程(B)において、底版3a上に底板4aを設置する。
工程(C)において、該底板4a上に円筒状の側板4bを構築する。
工程(D)において、該底板4a上部にデッキサポート6fを介して浮屋根6を設置する。
工程(E)において、前記浮屋根6外周部に沿って加圧バッグ6aを環状に取付ける。この加圧バッグ6aは、該浮屋根6外周部と前記内槽4の側板4bとの間隙部に配設する。
続いて、工程(a)において、タンク1の金属製の内槽4内に所定量の水5を注水し、浮屋根6を上昇させる。
続いて、工程(b)において、コンクリート打設用の外側型枠3b1を仮設する。
続いて、工程(c)において、浮屋根6外周部の加圧バッグ6aに流体8を注入して加圧し、内槽側板4b内面に密着するまで膨張させ、該内槽側板4bを補強した状態で、該内槽側板4bが変形しない所定の高さまで外槽側壁3bのコンクリートを打設する。
続いて、工程(d)において、打設したコンクリートを凝固させる。
設計高さHcまで外槽側壁3bのコンクリートが打設されていない場合は、工程(e)において、浮屋根6の加圧バッグ6aの流体8を抜き取り、該加圧バッグ6aを減圧した後に、前記工程(a)に戻って、再び内槽4内に所定量の水5を追加で注水し、浮屋根6を再び上昇させ、前記工程(b)から工程(d)までの工程を再度実施する。
この一連の工程(a)から工程(e)を繰り返し実施し、設計高さHcのコンクリート製の外槽側壁3bを構築する。
設計高さHcのコンクリートを打設した後、外槽側壁3bがプレストレストコンクリートの場合は、該コンクリートにPC鋼線(図示しない)等で緊張力を与える。
その後、内槽4内から水抜きし、浮屋根6を降下させ、外側型枠3b1を撤去し、工事を終了する。
本工程では、内槽側板4bの加圧補強とコンクリート打設を繰り返して実施することにより、外槽3のコンクリートの打設圧Pcによって内槽側板4bを変形させることなく、内槽側板4bの垂直立設状態を維持して設計高さHcが大きいコンクリート製の外槽側壁3bを構築することが可能である。
タンク1の浮屋根6を、コンクリート打設時の補強材として使用することができるため、別途コンクリート打設用の補強材を設ける必要がなく、側板全体に補強材等を取付けて補強する場合と比較して施工性、経済性が向上するとともに、外槽側壁3bのコンクリート打設時の安全性も向上する。
また、内槽4を内側型枠4b1として使用するため、別途コンクリート側壁3b打設用の内側型枠4b1を仮設・撤去する必要がなく、工期短縮と建設コストの低減を図ることができる。
さらに、工程(a)でタンク1内に張った水5で内槽側板4bの水張試験を実施することにより、タンク完成後に水張試験を改めて実施する必要がなく、工期の短縮を図ることが可能になる。
図4は、図1のA部の拡大図で、コンクリート打設時に、タンク1の内槽4内に張った水5の上に浮屋根6を浮上させ、該浮屋根6の加圧バッグ6aに流体8を注入して膨張させた状況の事例を示す説明図である。
浮屋根6外周部の加圧バッグ6aは、該加圧バッグ6a内に前記流体8を注入するか、或いは該加圧バッグ6a内から前記流体8を抜き取るための流体注入口6dを備えるとともに、該流体注入口6dに仮設の配管6bを介して接続され、前記流体8を出し入れして内圧を制御する仮設の圧力制御装置6cと着脱自在に接続された加圧バッグ6aとする。
この加圧バッグ6aは、繊維補強材を積層したゴム状弾性体等で袋状又はチューブ状に形成する。
コンクリート打設時の圧力制御の手順は以下の通りである。
まず、タンク1内に注水し、浮屋根1を内槽側板4bの補強が必要な所定の高さまで上昇させ、加圧バッグ6a内に、圧力制御装置6cから配管6bを介して、流体注入口6dを経由して流体8(液体又は気体)を注入し、該加圧バッグ6aをその流体の内圧Pfで内槽側板4b内周面に密着するように膨張させ、該内槽側板4bを加圧補強する。
そして、浮屋根6の加圧バッグ6aの圧力Pfが、コンクリートの打設圧Pcと平衡するように、前記加圧バッグ6aに注入する流体8の圧力Pfを調整し、前記内圧Pfとコンクリートの打設圧Pcを平衡させることが可能な高さまで外槽側壁3bのコンクリートを打設し、凝固させる。
コンクリート凝固後は、圧力制御装置6cにより、配管6bを介して、加圧バッグ6a内の流体8を抜き取り、加圧バッグ6aの流体8の内圧Pfを減圧状態とした後、タンク1内に再び注水し、浮屋根6を必要な高さまで再び上昇させ、加圧バッグ6aを膨張させ、前記内圧Pfとコンクリートの打設圧Pcが平衡する高さの外槽側壁3bのコンクリートを前記の凝固したコンクリート上部に打設し、凝固させる。
上記手順を繰り返し、設計高さHcのコンクリート製の外槽側壁3bを構築する。
前記圧力制御装置6cは、浮屋根6上昇時は加圧バッグ6aから流体8を抜き取って減圧状態とし、浮屋根6停止時は加圧バッグ6a内に流体8を注入して高圧状態とするよう制御する圧力制御機構を有している。
このように、浮屋根6の加圧バッグ6aの内圧を制御し、加圧バッグ6aを減圧した状態で、浮屋根6を上昇させることにより、該浮屋根6上昇時に該加圧バッグ6aが内槽側板4bとの摩擦で摩耗したり、破損したりすることがない。該加圧バッグ6a内部の液体又は気体からなる流体が外部に漏れることなく、コンクリートの打設圧に対抗するための所定の内圧を確実に確保することが可能である。
また、内槽4内に浮上させた浮屋根6の加圧バッグ6a内に充填した流体の内圧Pfとコンクリート打設圧Pcを平衡させることにより、内槽側板4bを変形させることなく、内槽側板4bの垂直立設状態を維持して設計高さHcが大きいコンクリート製の外槽側壁3bを構築することが可能になる。
前記加圧バッグ6aは、図3の外槽3のコンクリート側壁3bを凝固させる工程(d)の後に、前記加圧バッグ6aに接続された仮設の前記配管6b及び圧力制御装置6cを撤去し、前記加圧バッグ6aの流体注入口6dを塞ぎ、前記加圧バッグ6aが加圧された状態で、タンク1供用時の貯蔵液(重油等)の蒸気逸出を防止するシール装置として使用することが可能である。
また、加圧バッグ6aをシール装置として使用する場合、該加圧バッグ6aは貯蔵液の性質を考慮した耐油性や耐候性等を有していることとする。
このように、加圧バッグ6aを取り替えることなく、そのままタンクのシール装置として転用できるため、施工性、経済性が向上する。
なお、前記加圧バッグ6aを浮屋根6外周部に内槽側板4bの補強材として取付け、タンク供用前に別途用意したシール装置と取り替えても良い。
前記コンクリート壁を備えたタンクの施工方法は、地震時のタンクの耐震性能の向上、殊に外部からの津波対策などが望まれる固定屋根式タンク、タンク以外の貯蔵庫などの構築物にも適用することができ、特に設計高さが大きいコンクリート製の外槽側壁を打設する必要がある構築物に有効である。
1 タンク
2 基礎
3(コンクリート製の)外槽
3a底版
3b側壁
3b1外側型枠
4(金属製の)内槽
4a底板
4b側板
4b1内側型枠
4c屋根板
5水
6浮屋根
6a加圧バッグ
6b配管
6c圧力制御装置
6d流体注入口
6eデッキ板
6fデッキサポート
7トップアングル
8流体(液体又は気体)
9雨水浸入防止措置
10貯蔵液


Hw貯蔵液10の液面高さ
Hcコンクリート側壁3bの設計高さ
Pcコンクリート打設の外圧
Pf加圧バッグ6a内に注入した流体8の圧力








Claims (3)

  1. 金属製の内槽と、該内槽を囲繞して配設されるコンクリート製の外槽とを備え、前記内槽を前記外槽のコンクリート打設用の内側型枠とするコンクリート壁を備えたタンクの施工方法であって、前記内槽内に注水して水を張り、該内槽内に設置した浮屋根を上昇させる工程(a)と、前記内槽の側板外周部に前記コンクリート打設用の外側型枠を仮設する工程(b)と、前記浮屋根外周部に沿って環状に取付けた加圧バッグ内に液体又は気体からなる流体を注入し、該加圧バッグを前記内槽の側板内面に密着するように膨張させて該内槽側板を加圧補強した状態で、前記外槽のコンクリート側壁を打設する工程(c)と、前記外槽のコンクリート側壁を凝固させる工程(d)と、前記加圧バッグ内から流体を抜き取り、該加圧バッグを減圧させる工程(e)とを具備し、前記外槽のコンクリート側壁が設計高さに到達するまでに、前記工程(a)から工程(e)までの工程を繰り返し実施し、設計高さの外槽の側壁を構築することを特徴とするコンクリート壁を備えたタンクの施工方法。
  2. 請求項1記載の浮屋根外周部に沿って環状に取付けた加圧バッグ内に液体又は気体からなる流体を注入し、該加圧バッグを前記内槽の側板内面に密着するように膨張させて該内槽側板を加圧補強した状態で、前記外槽のコンクリート側壁を打設する工程(c)において、前記加圧バッグの内圧が前記側壁のコンクリート打設の外圧と平衡するように、前記加圧バッグに注入する流体の圧力を調整することを特徴とする請求項1記載のコンクリート壁を備えたタンクの施工方法。
  3. 請求項1記載の浮屋根外周部の加圧バッグは、該加圧バッグ内に前記流体を注入するか、或いは該加圧バッグ内から前記流体を抜き取るための流体注入口を備えるとともに、該流体注入口に配管を介して接続され、前記流体を出し入れして内圧を制御する圧力制御装置と着脱自在に接続された加圧バッグであって、
    請求項1記載の外槽のコンクリート側壁を凝固させる工程(d)の後に、該加圧バッグに接続された前記配管及び圧力制御装置を撤去するとともに流体注入口を塞ぎ、該加圧バッグが加圧された状態で、タンク供用時の貯蔵液の蒸気逸出を防止するシール装置として使用する加圧バッグであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート壁を備えたタンクの施工方法。
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