JP7017929B2 - 空調システム - Google Patents
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また、放射部材は、幅広な底板部を空調対象域に露出させる状態で配置されているとともに、底板部の裏側を通じて空調対象域と天井裏空間とを連通する隙間(通気スリット(28))を空けた状態で複数配置されている。熱媒管は、放射部材とその上方の基部材との間の閉塞された空間に設けられている。
また、放射部材の上方開放部が基部材にて閉塞されているので、その分、放射部材による天井裏空間の空気の冷却効果が弱くなり、自然対流による空調が効率良く行えない。
前記放射部材に沿わせて配設された熱媒管とが備えられ、
前記熱媒管に熱媒を通流させることで前記放射部材を介して空調対象域を空調する空調システムであって、
前記放射部材が、少なくとも長手方向に延在する底板部と当該底板部から立ち上がる側板部とを有して上方又は側方が開放された長尺型材にて構成されて上方又は側方が開放された状態で配設され、
前記熱媒管が、前記放射部材における前記底板部の上面に載置され、
前記放射部材が、空調対象域の上方側において、前記側板部を空調対象域に露出させ、且つ、空調対象域と天井裏空間とを連通させる隙間を空けた状態で複数配置され、
複数の前記放射部材を平面視で間隔を空けた状態で配設して構成された第一放射部と、
複数の前記放射部材を前記第一放射部の前記放射部材とは平面視で位置ズレさせた状態で間隔を空けて前記第一放射部よりも上方側に配設して構成された第二放射部とが備えられ、
前記第一放射部と前記第二放射部とは、上下方向に複数段状に並ぶように配設されていると好適である。
更に、熱媒管が、上方又は側方が開放された状態で配設された長尺型材の底面部の上面に載置されているので、上方又は側方の開放部をメンテナンス用の開口に利用して熱媒管の漏水等の状態確認を容易に行うことができ、メンテナンス性にも優れている。
また、放射部材どうしの間の隙間を通じて空調対象域と天井裏空間とが連通するので、例えば、天井スラブに吸音材を設ける等により、放射部材どうしの間の隙間を通じて有効な吸音を容易に行うことが可能となる。更に、例えば、天井チャンバー式の排煙を採用することも可能となり、その場合には、感知器を天井裏空間に目立たないよう設けることができる。加えて、多数の放射部材を分散配置して放射面を細かく分割した開放天井とすることにより、空調対象域における上方側からの圧迫感を緩和することも可能となる。
更に、本構成によれば、平面視で位置ズレした鉛直方向下側の第一放射部の放射部材と鉛直方向上側の第二放射部の放射部材とにより空調対象域への放射面積を広く確保することができ、その広い放射面積を用いて空調負荷が高い場合にも適切に対応することができる。
本発明の第1特徴構成は、空調対象域に臨む状態で空調対象域の上方側に配設された放射部材と、
前記放射部材に沿わせて配設された熱媒管とが備えられ、
前記熱媒管に熱媒を通流させることで前記放射部材を介して空調対象域を空調する空調システムであって、
前記放射部材が、少なくとも長手方向に延在する底板部と当該底板部から立ち上がる側板部とを有して上方又は側方が開放された長尺型材にて構成されて上方又は側方が開放された状態で配設され、
前記熱媒管が、前記放射部材における前記底板部の上面に載置され、
前記放射部材が、空調対象域の上方側において、前記側板部を空調対象域に露出させ、且つ、空調対象域と天井裏空間とを連通させる隙間を空けた状態で複数配置され、
複数の前記放射部材を平面視で間隔を空けた状態で配設して構成された第一放射部と、
複数の前記放射部材を前記第一放射部の前記放射部材とは平面視で位置ズレさせた状態で前記第一放射部よりも上方側に配設して構成された第二放射部とが備えられ、
前記第一放射部が、複数の前記放射部材を平面視で第一方向に沿って間隔を空けた状態で配設して構成され、
前記第二放射部が、複数の前記放射部材を平面視で前記第一方向に交差する第二方向に沿って間隔を空けた状態で配設して構成されている点にある。
本構成によれば、まずは、放射部材から下方の空調対象域に熱を放射させることで、放射による空調を行うことができるとともに、空調対象域での熱負荷により自然上昇して放射部材どうしの隙間を通じて天井裏空間に流入した空気を放射部材にて冷却し、その冷気を放射部材どうしの隙間を通じて自然降下させることで、自然対流による空調も行うことができ、放射と自然対流とを併用して空調を行うことができる。
そして、放射部材が、側板部を空調対象域に露出させ、且つ、空調対象域と天井裏空間とを連通させる隙間を空けた状態で複数配置されているので、空調対象域と天井裏空間とを連通させる隙間を利用して各放射部材の側板部を斜め下方側からの見つけ面(形態係数)として有効に寄与させることができ、放射部材の底板部と側板部とで空調対象域に対する放射面積を良好に確保することができる。そのため、放射部材を構成する長尺型材が前述した幅広な底板部を有する専用の型材に縛られず、放射部材を構成する長尺型材として他の形状(例えば、幅広な底板部を有さない形状等)の安価な型材を用いることも可能となり、イニシャルコストを抑えることができる。
しかも、放射部材が、上方又は側方が開放された長尺型材にて構成されて上方又は側方が開放された状態で配設されているので、放射部材にて天井裏空間の空気を効率良く冷却することができ、自然対流による空調を効率良く行うことができる。
更に、熱媒管が、上方又は側方が開放された状態で配設された長尺型材の底面部の上面に載置されているので、上方又は側方の開放部をメンテナンス用の開口に利用して熱媒管の漏水等の状態確認を容易に行うことができ、メンテナンス性にも優れている。
なお、放射部材の底板部の上面に載置された熱媒管の側方への移動を放射部材の側板部にて阻止することができ、放射部材からの熱媒管の脱落を適切に防止することができる。
また、放射部材どうしの間の隙間を通じて空調対象域と天井裏空間とが連通するので、例えば、天井スラブに吸音材を設ける等により、放射部材どうしの間の隙間を通じて有効な吸音を容易に行うことが可能となる。更に、例えば、天井チャンバー式の排煙を採用することも可能となり、その場合には、感知器を天井裏空間に目立たないよう設けることができる。加えて、多数の放射部材を分散配置して放射面を細かく分割した開放天井とすることにより、空調対象域における上方側からの圧迫感を緩和することも可能となる。
更に、本構成によれば、平面視で位置ズレした鉛直方向下側の第一放射部の放射部材と鉛直方向上側の第二放射部の放射部材とにより空調対象域への放射面積を広く確保することができ、その広い放射面積を用いて空調負荷が高い場合にも適切に対応することができる。
しかも、本構成によれば、平面視で交差する状態で位置ズレした延直方向下側の第一放射部の放射部材と鉛直方向上側の第二放射部の放射部材とにより空調対象域への放射面積を効率良く確保することができる。また、例えば、平面視で交差する状態で位置ズレした延直方向下側の第一放射部の放射部材と鉛直方向上側の第二放射部の放射部材とを安定的且つ強固に組み付けることができ、そのようにすれば、夫々の放射部材の振れ止めを効率良く行うことができる。
本発明の第2特徴構成は、前記放射部材どうしの間の隙間は、前記放射部材の長手方向に直交する短手方向における前記放射部材の幅よりも大きく設定されている点にある。
まず、図1を参照して本空調システムの基本構成について説明する。
図1に示すように、この空調システムは、空調対象域Aに臨む状態で空調対象域Aの上方側に配設された放射部材1と、放射部材1に沿わせて配設された熱媒管2とが備えられ、熱媒管2に冷水(熱媒の一例)を通流させることで放射部材1を介して空調対象域Aを空調するように構成されている。
なお、図1中において、太実線矢印は放射部材1からの放射のイメージを示し、細実線矢印は自然上昇する暖気の流れを示し、細点線矢印は自然降下する冷気の流れを示している。
そして、放射部材1は、空調対象域Aの上方側の天井レベルにおいて、側板部1Bを空調対象域に露出させ、且つ、空調対象域Aと天井裏空間Cとを連通する隙間3を空けた状態で複数配置されている。
更に、天井裏空間Cに露出する放射部材1にて天井裏空間Cの空気を効率良く冷却することができ、自然対流による空調も効率良く行うことができる。また、各放射部材1の上方の開放部をメンテナンス用の開口に利用して、放射部材1の底板部1Aの上面に載置された熱媒管2の漏水等の状態確認を容易に行うことができ、メンテナンス性にも優れている。
しかも、放射部材1を、壁や天井の鋼製下地材等の建築用鋼製下地材として汎用される断面略コの字状の汎用型材にて構成するので、天井側での施工に慣れた汎用型材を用いることによる良好な施工性を確保しながら、イニシャルコストの低廉化を図ることができる。
図2に示すように、この空調システムには、多数の放射部材1を平面視で間隔を空けた状態で配設して構成された上下二段(複数段の一例)の放射部4、5が備えられている。
具体的には、鉛直方向下側(図2中手前側)の第一放射部4と、多数の放射部材1を第一放射部4の放射部材1とは平面視で位置ズレさせた状態で第一放射部4よりも上方側に配設して構成された鉛直方向上側(図2中奥側)の第二放射部5とが備えられている。平面視で位置ズレした鉛直方向下側の第一放射部4の放射部材1と鉛直方向上側の第二放射部5の放射部材1とにより空調対象域A(図1参照)への放射面積を広く確保することができる。
本実施形態では、第一放射部4を構成する放射部材1や第二放射部5を構成する放射部材1は、干渉する別部材が配置される等により間隔を変更する必要がある部位を除き、所定ピッチで配設されている。なお、第一放射部4を構成する放射部材1や第二放射部5を構成する放射部材1のピッチを部位毎に変更するようにしてもよい。
なお、放射率を向上させる表面仕上げとしては、アルミシートを貼り付けて放射率の高い表面層(図示省略)を形成するものであってもよく、放射率を向上させる各種の表面仕上げを適宜に用いることができる。
なお、この図5では、放射部材1毎の複数本の熱媒管2をまとめて1本の線で表している。また、第一放射部4及び第二放射部5の一方に対する熱媒供給系のみを示しているが、第一放射部4及び第二放射部5の他方に対する熱媒供給系は、平面視で90度回転させる以外は同様である。
具体的には、各グループにおいて、最上流側の放射部材1の往きヘッダ2Aに往路21が接続され、最下流側の放射部材1の還りヘッダ2Bに還路22が接続されている。また、隣接する放射部材1のうち、隣接して配置される上流側の放射部材1の還りヘッダ2Bと下流側の放射部材1の往きヘッダ2Aとが接続路23で接続されている。
このようにして、熱源から第一放射部4及び第二放射部5に冷水が循環供給されている。
図6に示すように、鉛直方向下側の第一放射部4は、スラブS(図1参照)から垂下する複数の吊りボルト12の下端部に接続された鉛直方向下側の複数の第一野縁受け7により上方から支持されている。また、鉛直方向上側の第二放射部5は、複数の第一野縁受け7にて下方から支持された鉛直方向上側の複数の第二野縁受け8により上方から支持されている。なお、第一野縁受け7、及び、第二野縁受け8は、長手方向に延在する底板部と天井板部と側板部とを有するC型鋼等から構成されている。
このようにして、第一放射部4、及び、第二放射部5がスラブS(図1参照)に支持されている。
本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用するものに限られず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
例えば、平面視において、第一放射部4の平行な放射部材1どうしの間に第二放射部5の放射部材1が位置するように、第一放射部4の放射部材1と第二放射部5の放射部材1とを平行に配置してもよい。その場合は、第一放射部4の放射部材1と第二放射部5の放射部材1とを平面視で全く重ならないように配置することができ、空調対象域Aへの放射面積を一層広く確保することができる。
1A 底板部
1B 側板部
2 熱媒管
3 隙間
4 第一放射部
5 第二放射部
A 空調対象域
C 天井裏空間
X 第一方向
Y 第二方向
Claims (5)
- 空調対象域に臨む状態で空調対象域の上方側に配設された放射部材と、
前記放射部材に沿わせて配設された熱媒管とが備えられ、
前記熱媒管に熱媒を通流させることで前記放射部材を介して空調対象域を空調する空調システムであって、
前記放射部材が、少なくとも長手方向に延在する底板部と当該底板部から立ち上がる側板部とを有して上方又は側方が開放された長尺型材にて構成されて上方又は側方が開放された状態で配設され、
前記熱媒管が、前記放射部材における前記底板部の上面に載置され、
前記放射部材が、空調対象域の上方側において、前記側板部を空調対象域に露出させ、且つ、空調対象域と天井裏空間とを連通させる隙間を空けた状態で複数配置され、
複数の前記放射部材を平面視で間隔を空けた状態で配設して構成された第一放射部と、
複数の前記放射部材を前記第一放射部の前記放射部材とは平面視で位置ズレさせた状態で前記第一放射部よりも上方側に配設して構成された第二放射部とが備えられ、
前記第一放射部が、複数の前記放射部材を平面視で第一方向に沿って間隔を空けた状態で配設して構成され、
前記第二放射部が、複数の前記放射部材を平面視で前記第一方向に交差する第二方向に沿って間隔を空けた状態で配設して構成されている空調システム。 - 前記放射部材どうしの間の隙間は、前記放射部材の長手方向に直交する短手方向における前記放射部材の幅よりも大きく設定されている請求項1に記載の空調システム。
- 前記長尺型材が、前記底板部と左右の前記側板部とを有して上方が開放された建築用鋼製下地材として汎用される断面コの字状の汎用型材である請求項1又は2に記載の空調システム。
- 複数の前記放射部材が、平面視で第一方向に沿って所定ピッチで配設されている請求項1~3のいずれか1項に記載の空調システム。
- 前記放射部材には、放射率を向上させる表面仕上げが施されている請求項1~4のいずれか1項に記載の空調システム。
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