以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る無線基地局の構成例を示した図である。図1に示すように、無線基地局は、CU(Centralized Unit)1と、FHM2と、DU(Distributed Unit)3a~3cと、を有している。図1には、DU3a~3cと無線通信を行うユーザ端末4a~4hも示してある。また、図1には、受付装置5およびネットワーク6も示してある。図1に示す無線基地局は、例えば、高度化C-RANを形成している。
CU1とFHM2は、例えば、光ファイバによって接続されている。FHM2とDU3a~3cは、例えば、光ファイバによって接続されている。
CU1は、コアネットワーク(図示せず)に接続されている。CU1は、コアネットワークから受信した信号(データ)をFHM2に送信する。また、CU1は、FHM2から受信した信号をコアネットワークに送信する。CU1は、信号のベースバンド(以下、BBと呼ぶことがある)処理およびDU3a~3cの保守監視処理等を行う。
FHM2は、CU1と複数のDU3a~3cとの間のフロントホール回線を多重する。例えば、FHM2は、CU1から受信した信号をコピーしてDU3a~3cに送信する。また、FHM2は、DU3a~3cから受信した信号を合成してCU1に送信する。
以下で詳述するが、FHM2は、スイッチを有している。スイッチは、CU1が備える複数のBB処理装置(例えば、図4および図5を参照)と、DU3a~3cとの間の接続を切替える(例えば、図4および図5に示すFHM2内の点線を参照)。
DU3a~3cは、FHM2を介して、CU1から受信した信号をユーザ端末4a~4hに送信する。また、DU3a~3cは、ユーザ端末4a~4hから受信した信号を、FHM2を介してCU1に送信する。
DU3a~3cは、例えば、数十から数百本のアンテナを有し、ユーザ端末4a~4hと無線通信を行う。DU3a~3cは、複数のアンテナを用いて、信号の振幅および位相を制御し、ユーザ端末4a~4hに指向性を有するビームを形成して信号を送受信する。DU3a~3cは、様々な方向にビームを形成することができる。
受付装置5は、例えば、無線基地局の保守等を行うオペレータから、CU1が有している複数のBB処理装置と、DU3a~3cとをどのように接続するかの接続指示情報を受付ける。受付装置5は、オペレータから受付けた接続指示情報を、ネットワーク6を介して、FHM2に送信する。FHM2のスイッチは、受信した接続指示情報に基づいて、CU1の複数のBB処理装置と、DU3a~3cとを接続する。
受付装置5は、例えば、パーソナルコンピュータ等の端末装置である。ネットワーク6は、例えば、LAN(Local Area Network)またはインターネット等のネットワークである。
なお、図1の無線基地局は、高度化C-RANを形成するとしたが、C-RANを形成してもよい。また、図1では、CU1の配下に1台のFHM2しか接続されていないが、複数のFHM2が接続されてもよい。
また、CU1は、例えば、BDE(Base station Digital processing Equipment)、BBU(Base Band Unit)、無線制御装置、親局、または信号処理装置と呼ばれてもよい。また、DU3a~3cは、例えば、SRE(Low power Small optical remote Radio Equipment)、RRE(Remote Radio Equipment)、RRH(Remote Radio Head)、子局、または無線装置と呼ばれてもよい。
無線ネットワークシステムを構築するとき、計画時における各セルのトラフィック量と、実際に無線ネットワークシステムを構築したときの各セルのトラフィック量とが異なる場合がある。以下、図2および図3を用いて、その例について説明する。
図2は、セルのトラフィック量の例を説明する図のその1である。図2において、図1と同じものには同じ符号が付してある。なお、図2では、CU1とDU3b,3cとの間に、FHM101が接続されている。また、図2では、DU3aは、セルC1を形成し、DU3b,3cは、セルC2を形成している。
CU1は、BB処理装置11,12を有している。BB処理装置11,12は、それぞれ異なるセルのベースバンド処理を行う。例えば、BB処理装置11は、セルC1のベースバンド処理を行い、BB処理装置12は、セルC2のベースバンド処理を行う。
DU3aは、BB処理装置11に接続されている。DU3b,3cは、FHM101を介して、BB処理装置12に接続されている。
FHM101は、BB処理装置12から出力されるDL(Down Link)信号をコピーして、DU3b,3cに送信する。また、FHM101は、DU3b,3cから出力されるUL(Up Link)信号を多重して、BB処理装置12に送信する。これにより、CU1のBB処理装置12は、複数のDU3b,3cを1セル(セルC2)として収容することができる。なお、FHM101は、DU3b,3cから送られてくる信号のうち、UL信号を含む信号を抽出して、BB処理装置12に送信する。
無線ネットワークシステムを構築するとき、例えば、計画時において、各エリアのトラフィック量がシミュレーションされる。その結果、例えば、DU3aのエリアでのトラフィック量は多く、DU3b,3cのそれぞれのエリアでのトラフィック量は少なかったとする。
この場合、図2に示すように、トラフィック量の少ないDU3b,3cをFHM101で束ね、DU3b,3cの2つエリアを、1つのセルC2でカバーする。言い換えれば、トラフィック量の少ないDU3b,3cの2つエリアを、1つのBB処理装置12でカバーさせ、トラフィック量の多いDU3aの1つのエリアを、1つのBB処理装置13でカバーさせる。これにより、BB処理装置11,12のトラフィック量を平準化(分散)させることができる。
なお、次世代の無線ネットワークシステム(例えば、5G)では、無線周波数は、例えば、数GHz~数十GHzの高周波帯を利用することが検討されている。電波は、高周波化により、直進性が増し、ビル影等によってユーザ端末に届きにくくなる。そのため、次世代の無線ネットワークシステムでは、DUを増やしてエリアをスモールエリア化し、ビームフォーミングにより、無線通信を行うことが検討されている。
無線基地局は、このようなDUの増加に対し、FHMを用いることで、必要な無線容量が少ない場所でのスモールエリア化において、より多くのDUを1つのBB処理装置に収容することが可能となる。例えば、無線基地局は、FHM101を用いることで、DU3b,3cを1つのBB処理装置12に収容でき、少ない投資で、5Gのエリアを増やすことができる。
図3は、セルのトラフィック量の例を説明する図のその2である。図3において、図2と同じものには同じ符号が付してある。
シミュレーションによる各セルのトラフィック量と、実際に無線ネットワークシステムを構築したときの各セルのトラフィック量とが異なる場合がある。例えば、シミュレーション時にはなかった建築物による伝搬環境の変化またはユーザ端末の実際の在圏数によって、シミュレーションによる各セルのトラフィック量と、実際に無線ネットワークシステムを構築したときの各セルのトラフィック量とが異なる場合がある。
例えば、図3に示すように、シミュレーション時になかったビル102が建造されたり、DU3cに在圏するユーザ端末4e~4hの数がシミュレーションで予想した数より多かったりすると、BB処理装置12のトラフィック量が増加する。なお、図2に示したDU3cには、2台のユーザ端末4g,4hが在圏していたが、図3のDU3cには、4台のユーザ端末4e~4hが在圏している。また、図2に示したDU3aには、4台のユーザ端末4a~4dが在圏していたが、図3のDU3aには、2台のユーザ端末4a,4bが在圏している。
このように、シミュレーションによる各セルのトラフィック量と、実際に無線ネットワークシステムを構築したときの各セルのトラフィック量とが異なった場合、CU1、FHM101、およびDU3a~3c間の接続関係を変更する。そして、BB処理装置11のトラフィック量と、BB処理装置12のトラフィック量とを平準化させる。
例えば、実際のトラフィック量が少なかった2台のDU3a,3bを、FHM101介して、BB処理装置11に接続する。すなわち、2台のDU3a,3bをFHM101で束ね、BB処理装置11に接続する。また、実際のトラフィック量が多かった1台のDU3cを、BB処理装置12に直接接続する。これにより、BB処理装置11のトラフィック量と、BB処理装置12のトラフィック量とを平準化させることができる。
しかし、CU1、FHM101、およびDU3a~3c間の接続関係を変更するには、配線の挿抜が必要となり手間がかかる。そこで、図1に示したFHM2は、BB処理装置11,12と、DU3a~3cとの間の接続を切替えるスイッチを備える。
図4は、計画時のトラフィック量に基づいて、FHM2のスイッチ23bが設定された無線基地局の構成例を示した図である。図4において、図3と同じものには同じ符号が付してある。なお、図4では、図3のFHM101が、図1に示したFHM2となっている。また、図4には、図1に示した受付装置5およびネットワーク6が示してある。
無線ネットワークシステムを構築する前のシミュレーションでは、DU3aのエリアでのトラフィック量は多く、DU3b,3cの各エリアでのトラフィック量は少なかったとする。
この場合、FHM2のスイッチ23bは、BB処理装置11,12のトラフィック量を平準化するよう、スイッチ23b内の点線で示すように、BB処理装置11とDU3aとを接続し、BB処理装置12とDU3b,3cとを接続する。つまり、FHM2のスイッチ23bは、トラフィック量が少ないとシミュレーションされた2つのエリアのDU3b,3cをBB処理装置12に接続し、トラフィック量が多いとシミュレーションされた1つのエリアのDU3aをBB処理装置11に接続して、無線ネットワークシステムを構築する。
しかし、上記したように、シミュレーションによるトラフィック量と、実際のトラフィック量は、異なる場合がある。例えば、実際の無線ネットワークシステムでは、DU3aのエリアのトラフィック量は少なく、DU3cのエリアのトラフィック量が多い場合がある。
そこで、FHM2のスイッチ23bは、受付装置5からの接続指示情報に基づいて、BB処理装置11,12と、DU3a~3cとの間の接続を切替え、DU3a~3cが形成するセルを変更する。そして、スイッチ23bは、BB処理装置11,12のトラフィック量を平準化させる。
図5は、FHM2のスイッチ23bの接続が変更された無線基地局の構成例を示した図である。図5において、図4と同じものには同じ符号が付してある。
上記したように、実際の無線ネットワークシステムでは、DU3aのエリアのトラフィック量は少なく、DU3cのエリアのトラフィック量が多かったとする。この場合、オペレータは、受付装置5を用いて、BB処理装置11とDU3a,3bとが接続されるように、接続指示情報をFHM2に送信する。また、オペレータは、BB処理装置12とDU3cとが接続されるように、接続指示情報をFHM2に送信する。
これにより、トラフィック量が少ない2台のDU3a,3bは、図5のスイッチ23b内の点線で示すように、BB処理装置11に接続される。トラフィック量が多い1台のDU3cは、BB処理装置12に接続される。このようにして、BB処理装置11,12のトラフィック量は平準化される。
図6は、FHM2のブロック構成例を示した図である。図6に示すように、FHM2は、I/F部21,25と、コピー/合成部22a,22bと、制御部23aと、スイッチ23bと、受信部24と、を有している。
I/F部21は、例えば、光コネクタ等のコネクタである。I/F部21には、例えば、光ファイバを介して、CU1のBB処理装置11,12が接続される。
コピー/合成部22aには、I/F部21を介して、BB処理装置11から出力された信号(DL信号)が入力される。コピー/合成部22aは、BB処理装置11から出力された信号をコピーし、スイッチ23bの端子T2,T12,T22に出力する。
コピー/合成部22aには、スイッチ23bを介して、DU3a~3cから出力された信号(UL信号)が入力される。コピー/合成部22aは、スイッチ23bの端末T2,T12,T22から出力された信号を合成(多重)し、I/F部21に出力する。
コピー/合成部22bには、I/F部21を介して、BB処理装置12から出力された信号(DL信号)が入力される。コピー/合成部22bは、BB処理装置12から出力された信号をコピーし、スイッチ23bの端子T3,T13,T23に出力する。
コピー/合成部22bには、スイッチ23bを介して、DU3a~3cから出力された信号(UL信号)が入力される。コピー/合成部22bは、スイッチ23bの端末T3,T13,T23から出力された信号を合成(多重)し、I/F部21に出力する。
制御部23aは、DU3a~3cのそれぞれの接続先を、BB処理装置11,12のいずれか1つに決定する。例えば、制御部23aは、後述する受信部24によって受信された接続先指示情報に基づいて、DU3a~3cのそれぞれの接続先を、BB処理装置11,12のいずれか1つに決定する。
スイッチ23bは、端子T1~T3,T11~T13,T21~T23を有している。端子T1は、I/F部25を介して、DU3aと接続されている。端子T11は、I/F部25を介して、DU3bと接続されている。端子T21は、I/F部25を介して、DU3cと接続されている。
端子T2は、コピー/合成部22aに接続されている。端子T3は、コピー/合成部22bに接続されている。端子T12は、コピー/合成部22aに接続されている。端子T13は、コピー/合成部22bに接続されている。端子T22は、コピー/合成部22aに接続されている。端子T23は、コピー/合成部22bに接続されている。
端子T1は、制御部23aの制御に応じて、端子T2,T3のいずれか1つに接続される。また、端子T11は、制御部23aの制御に応じて、端子T12,T13のいずれかに1つに接続される。また、端子T21は、制御部23aの制御に応じて、端子T22,T23のいずれかに1つに接続される。すなわち、スイッチ23bは、DU3a~3cのそれぞれを、制御部23aの制御に応じて、BB処理装置11,12のいずれか1つに切替え可能に接続する。
受信部24は、ネットワーク6を介して、受付装置5に接続されている。受信部24は、受付装置5から送信される接続先指示情報を受信し、制御部23aに出力する。
接続先指示情報は、DU3a~3cを、どのBB処理装置11,12に接続するかを示す情報である。例えば、接続先指示情報が、DU3aをBB処理装置11に接続し、DU3bをBB処理装置12に接続し、DU3cをBB処理装置12に接続する、という情報であったとする。この場合、スイッチ23bは、図6に示すように、端子T1~T3を、端子T11~T13,T21~T23に接続する。
I/F部25は、例えば、光コネクタ等のコネクタである。I/F部25には、例えば、光ファイバを介して、DU3a~3cが接続される。
なお、図6では図示を省略しているが、FHM2は、光信号を電気信号に変換する変換部、電気信号を光信号に変換する変換部等、を有している。また、FHM2は、FHM2と各DU3a~3cとの間の信号伝達時間を調整するディレイオフセット部等を有している。
FHM2の動作例について説明する。無線ネットワークシステムの計画時におけるシミュレーションでは、DU3aのエリアのトラフィック量が多く、DU3b,3cのエリアのトラフィック量が少ないとする。この場合、スイッチ23bの端子T1を端子T2に接続し、端子T11を端子T13に接続し、端子T21を端子T23に接続して、無線ネットワークシステムを構築する。なお、無線ネットワークシステムを構築する際のスイッチ23bの接続は、受付装置5から制御してもよい。
スイッチ23bの上記接続により、BB処理装置11とDU3aとが接続され、BB処理装置12とDU3b,3cとが接続される。従って、BB処理装置11は、トラフィック量が多いとシミュレーションされた1台のDU3aを収容し、BB処理装置12は、トラフィック量が少ないとシミュレーションされた2台のDU3b,3bを収容する。
無線ネットワークシステムを実際に稼働させると、シミュレーション結果と異なり、DU3a,3bの各エリアのトラフィック量は少なく、DU3cのエリアのトラフィック量が多かったとする。
この場合、オペレータは、受付装置5を操作して、DU3bがBB処理装置11に接続されるよう、接続先指示情報を入力する。受付装置5に入力された接続先指示情報は、FHM2の制御部23aに送信される。
制御部23aは、受付装置5から送信された接続先指示情報に基づいて、端子T1,T11,T21の接続先を制御する。上記例の場合、制御部23aは、端子T11を端子T12に接続する。
スイッチ23bの上記接続により、BB処理装置11とDU3a,3bとが接続され、BB処理装置12とDU3cとが接続される。従って、BB処理装置11は、トラフィック量の少ない2台のDU3a,3bを収容し、BB処理装置12は、トラフィック量の多い1台のDU3cを収容する。これにより、BB処理装置11,12のトラフィック量は、平準化される。
以上説明したように、FHM2のI/F部21には、それぞれが、異なるセルC1,C2のベースバンド処理を行う複数のBB処理装置11,12が接続される。I/F部25には、ユーザ端末4a~4hと無線通信を行う複数のDU3a~3cが接続される。制御部23aは、I/F部25に接続されたDU3a~3cのそれぞれの接続先を、I/F部21に接続されたBB処理装置11,12のいずれか1つに決定する。スイッチ23bは、制御部23aの決定に基づいて、DU3a~3cをBB処理装置11,12に接続する。これにより、無線基地局は、配線の挿抜を行うことなく、複数の無線装置が形成するセルC1,C2を容易に変更できる。
また、FHM2は、DU3a~3cの接続先指示を受付ける受付装置5から、ネットワーク6を介して、接続先指示情報を受信する受信部24を備える。制御部23aは、受信部24によって受信された接続先指示情報に基づいて、DU3a~3cのそれぞれを、BB処理装置11,12のいずれか1つに接続するよう接続先を決定する。これにより、オペレータは、遠隔操作によって、DU3a~3cが形成するセルを容易に変更できる。
また、容易に複数の無線装置が形成するセルC1,C2を変更できるので、容易にBB処理装置11,12のトラフィック量の平準化を図ることができる。
なお、上記では、1つのCU1が、2つのBB処理装置11,12を備えていたが、2つのCUがそれぞれ、1つのBB処理装置を備えていてもよい。例えば、一方のCUがBB処理装置11を備え、他方のCUがBB処理装置12を備えていてもよい。また、BB処理装置の数は、上記例(2つ)に限られない。BB処理装置は、3つ以上存在していてもよい。また、DU3a~3cも3つしか示していないが、4つ以上存在していてもよい。
また、上記では、受付装置5が接続先指示情報を受付けたが、FHM2が接続先指示情報を受付ける受付装置を有していてもよい。例えば、FHM2は、接続先指示情報を受付けるキー入力装置を有していてもよい。
また、コピー/合成部22a,22bの機能は、上記で説明した機能に限定されない。コピー/合成部22a,22bは、BB処理装置11,12に接続されたDU3a~3cに対し、DL信号をコピーし、また、UL信号を合成すればよい。例えば、コピー/合成部22aは、BB処理装置11にDU3a,3bが接続された場合、コピーしたDL信号を、端子T2,T12に出力すればよい。また、コピー/合成部22aは、端子T2,T12からのUL信号を合成すればよい。
また、上記では、受付装置5は、ネットワーク6を経由して、FHM2と通信を行ったが、CU1を経由して、FHM2と通信を行ってもよい。例えば、受付装置5は、接続先指示情報を、CU1を経由して、FHM2に送信してもよい。
[実施の形態2]
実施の形態1では、制御部23aは、受付装置5が受付けた接続先指示情報に基づいて、BB処理装置11,12とDU3a~3cとの接続を切替えた。実施の形態2では、制御部は、DUのそれぞれのトラフィック量に基づいて、BB処理装置とDUとの接続を切替える。以下では、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図7は、実施の形態2に係る無線基地局の構成例を示した図である。図7に示すように、無線基地局は、CU31と、FHM32と、DU33a~33cと、を有している。図7には、ユーザ端末4a~4gも示してある。
CU31は、異なるセルのベースバンド処理を行うBB処理装置41,42を有している。BB処理装置41,42は、FHM32を介して接続されているDUごとのトラフィック量を計測する。
例えば、BB処理装置41は、FHM32内の点線で示すように、DU33a,33bに接続されているとする。BB処理装置42は、FHM32内の点線で示すように、DU33cに接続されているとする。この場合、BB処理装置41は、DU33a,33bのそれぞれのトラフィック量を計測する。BB処理装置42は、DU33cのトラフィック量を計測する。
BB処理装置41,42は、DU33a~33cごとのトラフィック量をFHM32に送信する。FHM32は、BB処理装置41,42から送信されたDU33a~33cごとのトラフィック量に基づいて、BB処理装置41,42とDU33a~33cとの接続を切替える。
例えば、DU33aのトラフィック量が多くなったとする。この場合、2台のDU33a,33bが接続されているBB処理装置41の負荷は、大きくなる。そこで、FHM32は、DU33bをBB処理装置42に接続するように切替える。これにより、DU33a~33cが形成するセルが変更され、BB処理装置41,42のトラフィック量は、平準化される。
図8は、CU31のBB処理装置41のブロック構成例を示した図である。図8に示すように、BB処理装置41は、I/F部51,53と、BB処理部52と、制御部54と、記憶部55と、計測部56と、を有している。
I/F部51は、コアネットワークに接続された上位装置(図7には図示せず)と通信を行う。例えば、I/F部51は、上位装置からデータを受信し、BB処理部52に出力する。また、I/F部51は、BB処理部52から出力されるデータを上位装置に送信する。
BB処理部52は、I/F部51から出力される信号(DL信号)のBB処理を行う。例えば、BB処理部52は、I/F部51から出力される信号の符号化、変調、プリコーディング、スケジューリング、およびマッピング等を行う。BB処理部52は、BB処理したDL信号を、I/F部53に出力する。
また、BB処理部52は、I/F部53から出力される信号(UL信号)のBB処理を行う。例えば、BB処理部52は、I/F部53から出力される信号のデマッピング、チャネル推定、復調、および復号等を行う。BB処理部52は、BB処理したUL信号を、I/F部51に出力する。
また、BB処理部52は、制御部54から出力されるビーム情報(以下で説明する)を、I/F部53を介して、FHM32に送信する。例えば、BB処理部52は、制御部54から出力されるビーム情報をDL信号に含め、FHM32に送信する。または、BB処理部52は、制御部54から出力されるビーム情報を、例えば、DUを保守または監視する信号に含め、FHM32に送信する。なお、FHM32に送信されたビーム情報は、BB処理装置41に接続されているDUに送信される。
また、BB処理部52は、計測部56から出力されるトラフィック量(以下で説明する)を、I/F部53を介して、FHM32に送信する。例えば、BB処理部52は、計測部56から出力されるトラフィック量をDL信号に含め、FHM32に送信する。または、BB処理部52は、計測部56から出力されるビーム情報を、例えば、DUを保守または監視する信号に含め、FHM32に送信する。
I/F部53は、BB処理部52から出力される信号を電気-光変換し、光ファイバに出力(FHM32に送信)する。また、I/F部53は、光ファイバから(FHM32から)受信した光信号を光-電気変換し、BB処理部52に出力する。
制御部54は、記憶部55に記憶されているビーム情報をBB処理部52に出力する。
記憶部55には、DU33a~33cが形成するビームの方向を識別するビーム情報が記憶されている。ビーム情報は、例えば、予め記憶部55に記憶されている。ビーム情報は、例えば、FHM32に新たなDUが接続されたとき、または、DUが交換されたとき、更新される。ビーム情報は、例えば、上位装置から送信され、記憶部55に記憶されてもよい。
図9は、記憶部55に記憶されるビーム情報55aのデータ構成例を示した図である。図9に示すように、ビーム情報55aは、DU識別情報55aaと、ビーム識別情報55abと、有している。
DU識別情報55aaは、FHM32に接続されているDU33a~33cを識別するユニークな識別情報である。例えば、図9に示す「DU#1」は、図7に示したDU33aに付与された識別子であり、「DU#2」は、DU33bに付与された識別子である。また、図9に示す「DU#n」は、例えば、DU33cに付与された識別子である。なお、図7の例では、DUは、3台しか示していない。従って、この場合、記憶部55には、「DU#1」、「DU#2」、「DU#n」の3つのDU識別情報が記憶されることになる。
ビーム識別情報55abは、各DU33a~33cが形成するビームの方向を識別する識別情報であり、各DU33a~33cが形成するビーム間で異なるように、各ビームに割り当てられる。言い換えれば、ビーム識別情報55abは、複数のDU33a~33c(DU識別情報55aa)にわたり、ユニークな情報となっている。ビーム識別情報55abは、DU識別情報55aaのそれぞれに対して、少なくとも1つ以上対応付けられ、記憶部55に記憶される。
例えば、図9に示すビーム識別情報55abの「BMI1~BMI4」は、DU識別情報55aaの「DU#1」に対応付けられ、ビーム識別情報55abの「BMI5~BMI8」は、DU識別情報55aaの「DU#2」に対応付けられている。また、例えば、図9に示すビーム識別情報55abの「BMIm-3~BMIm」は、DU識別情報55aaの「DU#n」に対応付けられている。そして、ビーム識別情報55abの「BMI1,BMI2,…,BMIm-1,BMIm」は、DU識別情報55aaの「DU#1~DU#n」にわたり、ユニークな情報となっている。
なお、図9では、DU識別情報55aaのそれぞれに対し、4つのビーム識別情報55abが対応付けられているが、これに限られない。例えば、DU識別情報55aaに対応付けられるビーム識別情報55abの数は、DU33a~33cが形成できるビームの方向の数に依存してもよい。
図8の説明に戻る。計測部56は、BB処理部52でBB処理されるDL信号の、DUごとのトラフィック量を計測する。例えば、図7のFHM32内の点線で示すように、BB処理装置41にDU33a,33bが接続されている場合、計測部56は、DU33aのトラフィック量と、DU33bのトラフィック量とを計測する。計測部56は、以下で詳述する。
なお、BB処理装置42も、図8に示したブロックと同様のブロックを有する。ただし、BB処理装置42の計測部は、BB処理装置42に接続されている各DUのトラフィック量を計測する。例えば、図7のFHM32内の点線で示すように、BB処理装置43にDU33cが接続されている場合、BB処理装置42の計測部は、DU33cのトラフィック量を計測する。
また、BB処理装置42の記憶部には、BB処理装置41の記憶部55と同様のビーム情報(図9のビーム情報55a)が記憶されている。すなわち、BB処理装置42の記憶部には、FHM32に接続されているDU33a~33cのDU識別情報と、DU33a~33cが形成するビームの方向を識別するユニークなビーム識別情報とが対応付けて記憶されている。
図10は、FHM32のブロック構成例を示した図である。図10において、図6と同じものには同じ符号が付してある。図10では、図6に対し、受信部61と、制御部62aと、スイッチ62bと、を有している。
受信部61は、BB処理装置41,42から送信されるDU33a~33cごとのトラフィック量を受信する。受信部61は、受信したDU33a~33cごとのトラフィック量を、制御部62aに出力する。
制御部62aは、DU33a~33cごとのトラフィック量に基づいて、DU33a~33cのそれぞれの接続先を、BB処理装置41,42のいずれか1つに決定する。
図8のBB処理装置41の計測部56について詳述する。まず、図11~図14を用いて、BMIを用いたビームフォーミングによるデータ通信を説明し、その後図15を用いて、計測部56のDUごとのトラフィック量の計測を説明する。
図11は、FHM32およびDU33a~33cのビーム識別情報55abの取得を説明する図である。図11には、図7に示したFHM32と、DU33a~33bと、が示してある。また、図11には、BB処理装置41,42が有する、図9に示したビーム情報55aが示してある。
ビーム情報55aは、図11の矢印A1aに示すように、BB処理装置41から、FHM32に送信される。FHM32に送信されたビーム情報55aは、FHM32でコピーされて、図11の矢印A2に示すように、DU33a,33bに送信される。
また、ビーム情報55aは、図11の矢印A1bに示すように、BB処理装置42から、FHM32に送信される。FHM32に送信されたビーム情報55aは、FHM32を介して、図11の矢印A3に示すように、DU33cに送信される。
DU33a~33cは、自機に割り当てられているDU識別情報を、自身が備える記憶部に記憶している。例えば、DU33aは、自機のDU識別情報「DU#1」を、記憶部に記憶している。DU33bは、自機のDU識別情報「DU#2」を、記憶部に記憶している。DU33cは、自機のDU識別情報「DU#n」を、記憶部に記憶している。
DU33a~33cは、自機のDU識別情報に基づいて、FHM32から受信したビーム情報55aを参照し、自機のDU識別情報に対応するビーム識別情報を取得する。
例えば、図11に示すビーム情報55bは、DU33aがFHM32から受信したビーム情報55aの一部を示している。DU33aのDU識別情報は「DU#1」であるので、DU33aは、ビーム情報55bの太枠に示すビーム識別情報「BMI1,BMI2,BMI3,BMI4」を取得する。
また、例えば、図11に示すビーム情報55cは、DU33bがFHM32から受信したビーム情報55aの一部を示している。DU33bのDU識別情報は「DU#2」であるので、DU33bは、ビーム情報55cの太枠に示すビーム識別情報「BMI5,BMI6,BMI7,BMI8」を取得する。
また、例えば、図11に示すビーム情報55dは、DU33cがFHM2から受信したビーム情報55aの一部を示している。DU33cのDU識別情報は「DU#n」であるので、DU33cは、ビーム情報55dの太枠に示すビーム識別情報「BMIm-3,BMIm-2,BMIm-1,BMIm」を取得する。このようにして、DU33a~33cは、自機に割り当てられたユニークなビーム識別情報を取得する。なお、DU33a~33cは、BB処理装置41,42から送信されたビーム情報55aを記憶部に記憶する。
DU33a~33cは、ユーザ端末4a~4cに向ける最適なビームを探索するため、ビームを様々な方向に掃引する。このとき、DU33a~33cは、ビーム情報55から取得した、自機に割り当てられたビーム識別情報を、掃引するビームに含ませる。
図12は、ビームの掃引を説明する図である。図12において、図7と同じものには同じ符号が付してある。
DU33a~33cは、ユーザ端末4a~4hに向ける最適なビームを探索するとき、図12に示すように、様々な方向にビームを形成する。例えば、図12に示すビーム66a~66dは、DU33aが形成するビームを示している。ビーム67a~67dは、DU33bが形成するビームを示している。ビーム68a~68dは、DU33cが形成するビームを示している。
DU33a~33cは、ビームを掃引するとき、自機に割り当てられたビーム識別情報をビームに含ませる。
例えば、DU33aには、ビーム識別情報「BMI1,BMI2,BMI3,BMI4」が割り当てられている(図11のビーム情報55bを参照)。従って、DU33aは、掃引するビーム66a~66dのそれぞれに、「BMI1,BMI2,BMI3,BMI4」を含める。例えば、DU33aは、「BMI1,BMI2,BMI3,BMI4」のそれぞれに、ビーム66a~66dを形成するBFウェイトのそれぞれを乗算する。
また、例えば、DU33bには、ビーム識別情報「BMI5,BMI6,BMI7,BMI8」が割り当てられている(図11のビーム情報55cを参照)。従って、DU33bは、掃引するビーム67a~67dのそれぞれに、「BMI5,BMI6,BMI7,BMI8」を含める。例えば、DU33bは、「BMI5,BMI6,BMI7,BMI8」のそれぞれに、ビーム67a~67dを形成するBFウェイトのそれぞれを乗算する。
また、例えば、DU33cには、ビーム識別情報「BMIm-3,BMIm-2,BMIm-1,BMIm」が割り当てられている(図11のビーム情報55dを参照)。従って、DU33cは、掃引するビーム68a~68dのそれぞれに、「BMIm-3,BMIm-2,BMIm-1,BMIm」を含める。例えば、DU33cは、「BMIm-3,BMIm-2,BMIm-1,BMIm」のそれぞれに、ビーム68a~68dを形成するBFウェイトのそれぞれを乗算する。このようにして、DU33a~33cは、ビーム識別情報を含むビームを掃引する。
ユーザ端末4a~4hは、DU33a~33cから出力される、掃引されるビームを受信する。ユーザ端末4a~4hは、受信したビームの中から、通信品質の最もよいビームのビーム識別情報(BMI)を、BB処理装置41,42にフィードバックする。
図13は、ビーム識別情報のフィードバックを説明する図である。図13において、図7と同じものには同じ符号が付してある。なお、図13では、説明を簡単にするため、一部のユーザ端末4a,4d,4gだけを示している。
ユーザ端末4aは、DU33aから出力される、掃引されるビームを受信する。ユーザ端末4aは、受信したビームのうち、ビーム識別情報「BMI2」のビームの受信レベルが最も良かったとする。この場合、ユーザ端末4aは、ビーム識別情報「BMI2」を、図13の矢印A11に示すように、DU33aおよびFHM32を介して、BB処理装置41にフィードバックする。
同様に、ユーザ端末4dは、DU33bから出力される、掃引されるビームを受信する。ユーザ端末4dは、受信したビームのうち、ビーム識別情報「BMI7」のビームの受信レベルが最も良かったとする。この場合、ユーザ端末4dは、ビーム識別情報「BMI7」を、図13の矢印A12に示すように、DU33bおよびFHM32を介して、BB処理装置41にフィードバックする。
また、同様に、ユーザ端末4gは、DU33cから出力される、掃引されるビームを受信する。ユーザ端末4gは、受信したビームのうち、ビーム識別情報「BMIm-2」のビームの受信レベルが最も良かったとする。この場合、ユーザ端末4gは、ビーム識別情報「BMIm-2」を、図13の矢印A13に示すように、DU33cおよびFHM32を介して、BB処理装置42にフィードバックする。このようにして、ユーザ端末4a,4d,4gは、ビーム識別情報をBB処理装置41,42にフィードバックする。
BB処理装置41,42は、DU33a~33cの配下に存在しているユーザ端末4a~4hにデータを送信するとき、送信するデータに、ユーザ端末4a~4hからフィードバックされたビーム識別情報を含める。ビーム識別情報は、図9に示したように、DU33a~33cにわたって、ユニークに割り当てられているので、FHM32配下のDU33a~33cは、個別にビームフォーミング行って、データをユーザ端末4a~4hに送信することができる。
図14は、ユーザ端末へのデータ送信例を説明する図である。図14において、図13と同じものには同じ符号が付してある。
BB処理装置41は、ユーザ端末4a,4dにデータ(DL信号)を送信する場合、ユーザ端末4a,4dからフィードバックされたビーム識別情報をデータのヘッダに含め、FHM32に送信する。
例えば、ユーザ端末4aからBB処理装置41にフィードバックされたビーム識別情報を「BMI2」とする。ユーザ端末4dからBB処理装置41にフィードバックされたビーム識別情報を「BMI7」とする。この場合、BB処理装置41は、ユーザ端末4aに送信するデータのヘッダにビーム識別情報「BMI2」を含め、FHM32に送信する。また、BB処理装置41は、ユーザ端末4dに送信するデータのヘッダにビーム識別情報「BMI7」を含め、FHM32に送信する。
FHM32に送信されたデータは、FHM32によってコピーされ、DU33a,33bに送信される。DU33a,33bは、BB処理装置41から送信されたビーム情報55aを受信(記憶)しているので、受信したデータのヘッダに、自機に割り当てられたビーム識別情報55abが含まれていた場合、そのビーム識別情報55abに対応したビームを形成し、データをユーザ端末4a,4dに送信できる。
例えば、DU33aは、データのヘッダに含まれるデータ識別情報「BMI2」から、「BMI2」に対応した方向にビームを形成することができ、データをユーザ端末4aに送信できる。また、DU33bは、データのヘッダに含まれるデータ識別情報「BMI7」から、「BMI7」に対応した方向にビームを形成することができ、データをユーザ端末4bに送信できる。
同様に、DU33cも、データのヘッダに含まれるデータ識別情報「BMIm-2」から、「BMIm-2」に対応した方向にビームを形成することができ、データをユーザ端末4bに送信できる。このように、DU33a~33cは、DU識別情報55aaと対応付けられたユニークなビーム識別情報55abによって、個別にビームの方向を制御することができる。
上記したように、BB処理装置41,42は、ビーム情報55aを記憶した記憶部55を有しており、ユーザ端末4a~4hがどのDU33a~33cに在圏しているか判定することができる。そして、BB処理装置41,42は、ユーザ端末4a~4hごとのDLのデータバッファを有しており、ユーザ端末4a~4hごとのトラフィック量を取得できる。これから、BB処理装置41,42は、DU33a~33cごとのトラフィック量を計測できる。
図15は、DU3a~3cごとのトラフィック量の計測を説明する図である。図15において、図7と同じものには同じ符号が付してある。なお、図15には、ユーザ端末UE1~UE8が示してある。ユーザ端末UE1~UE8は、図15に示すBMIのビームによって、DU33a~33cと無線通信を行っている。
ユーザ端末UE1~UE6は、BB処理装置41が形成するセルC1に在圏している。ユーザ端末UE1~UE4は、DU33aに在圏し、ユーザ端末UE5,UE6は、DU33bに在圏している。
ユーザ端末UE7,UE8は、BB処理装置42が形成するセルC2に在圏している。ユーザ端末UE7,UE8は、DU33cに在圏している。
図15に示すデータバッファbuff1~buff6は、BB処理装置41が有するデータバッファを示している。データバッファbuff1~buff6のそれぞれには、ユーザ端末UE1~UE6に送信されるDL信号が一時的に記憶される。データバッファbuff1~buff6に一時的に記憶されるデータ量は、ユーザ端末UE1~UE6のトラフィック量に相当する。なお、データバッファbuff1~buff6に示す斜線は、データバッファbuff1~buff6に一時的に記憶されているDL信号を示している。
また、図15に示すデータバッファbuff11,buff12は、BB処理装置42が有するデータバッファを示している。データバッファbuff11,buff12のそれぞれには、ユーザ端末UE7,UE8に送信されるDL信号が一時的に記憶される。データバッファbuff11,buff12に一時的に記憶されるデータ量は、ユーザ端末UE7,UE8のトラフィック量に相当する。なお、データバッファbuff11,buff12に示す斜線は、データバッファbuff11,buff12に一時的に記憶されているDL信号を示している。
BB処理装置41の計測部56は、データバッファbuff1~buff6を参照して、ユーザ端末UE1~UE6のDL信号のトラフィック量を計測する。
例えば、図15のデータバッファbuff1~buff6に示す「d1~d6」は、ユーザ端末UE1~UE6のトラフィック量を示している。この場合、計測部56は、ユーザ端末UE1のトラフィック量として「d1」を計測する。計測部56は、ユーザ端末UE2のトラフィック量として「d2」を計測する。以下、同様にして、計測部56は、ユーザ端末UE3~UE6のトラフィック量として「d3」、「d4」、「d5」、「d6」を計測する。BB処理装置42の計測部も、計測部56と同様にして、ユーザ端末UE7,UE8のトラフィック量「d7」、「d8」を計測する。
BB処理装置41は、図9で説明したように、ビーム情報55aを記憶した記憶部55を有している。従って、BB処理装置41は、ユーザ端末UE1~UE6のBMIを用いて記憶部55を参照することにより、ユーザ端末UE1~UE6がどのDU33a,DU33bに在圏しているかを判定することができる。なお、ユーザ端末UE1~UE6のBMIは、図13で説明したように、BB処理装置41にフィードバックされており、BB処理装置41は、ユーザ端末UE1~UE6のBMIを判定することができる。
例えば、計測部56は、「BMI1」のユーザ端末UE1はDU識別情報「DU#1」のDU33aに在圏していると判定できる。また、例えば、計測部56は、「BMI6」のユーザ端末UE6はDU識別情報「DU#2」のDU33bに在圏していると判定できる。
このように、計測部56は、ユーザ端末UE1~UE6のトラフィック量を計測し、かつ、トラフィック量を計測したユーザ端末UE1~UE6が、どのDU33a,33bに在圏しているかを判定できる。これにより、計測部56は、DU33a,DU33bごとのトラフィック量を算出できる。
例えば、ユーザ端末UE1~4は、DU33aに在圏している。従って、計測部56は、ユーザ端末UE1~UE4のトラフィック量「d1」、「d2」、「d3」、「d4」を加算することにより、DU33aのトラフィック量「DU#1_d=d1+d2+d3+d4」を算出できる。また、計測部56は、ユーザ端末UE5,UE6のトラフィック量「d5」、「d6」を加算することにより、DU33bのトラフィック量「DU#2_d=d5+d6」を算出できる。
BB処理装置42の計測部も同様に、DUごとのトラフィック量を計測できる(図15の例では、DUは1台しか接続されていないが、DUごとのトラフィック量を計測できる)。BB処理装置42の計測部が計測するDU33cのトラフィック量は「DU#n_d=d7+d8」となる。以上のようにして、BB処理装置41の計測部56と、BB処理装置の計測部は、DU33a~33cごとのトラフィック量を計測する。
図10のスイッチ62bの切替え例について説明する。BB処理装置41,42の計測部によって計測されたDU33a~33cごとのトラフィック量は、FHM32に送信される。FHM32の受信部61は、BB処理装置41,42から送信されたDU33a~33cごとのトラフィック量を受信する。
制御部62aは、受信部61によって受信されたDU33a~33cごとのトラフィック量に基づいて、BB処理装置41,42のトラフィック量を平準化するように、スイッチ62bを切替える。
例えば、BB処理装置41に接続されているDU33aのトラフィック量「DU#1_d」が閾値を超えたとする。この場合、制御部62aは、BB処理装置41に接続されている他のDU33bを、BB処理装置42に接続するようにスイッチ62bを切替える。例えば、制御部62aは、図10の端子T11が、端子T13に接続されるように、スイッチ62bを切替える。これにより、BB処理装置41のトラフィック量は軽減され、BB処理部41,42のトラフィック量は平準化される。
なお、制御部62aが、端子T11を端子T13に接続すると、DU33bに在圏しているユーザ端末は、掃引されたビームのBMIをBB処理装置42にフィードバックすることになる。これにより、BB処理装置42は、記憶部に記憶しているビーム情報55により、ユーザ端末がどのDU33b,33cに在圏しているかを判定することができる。つまり、BB処理装置42は、スイッチ62bがスイッチを切替えても、DU33b,33cごとのトラフィック量を計測できる。
以上説明したように、FHM32の受信部61は、BB処理装置41,42から無線装置DU33a~33cごとのトラフィック量を受信する。制御部62aは、受信部61が受信したDU33a~33cごとのトラフィック量に基づいて、DU33a~33cのそれぞれの接続先を、BB処理装置41,42のいずれか1つに決定する。これにより、FHM32は、BB処理装置41,42の平準化を図るように、BB処理装置41,42とDU33a~33cとを接続することができる。
[変形例1]
あるBB処理装置Xに接続されている複数のDU(例えば、3台以上とする)のうち、あるDU#Yのトラフィック量が閾値を超えたとする。この場合、FHMの制御部は、BB処理装置Xに接続されている、閾値を超えていない他のDUのうち、最もトラフィック量の多いDUを、他のBB処理装置に接続するようにしてもよい。これにより、BB処理装置Xのトラフィック量を大幅に低減することが可能になる。
[変形例2]
あるBB処理装置Xに接続されている複数のDUのうち(例えば、3台以上とする)、あるDU#Yのトラフィック量が閾値を超えたとする。この場合、FHMの制御部は、BB処理装置X以外の他のBB処理装置のうち、最もトラフィック量の少ないBB処理装置に、BB処理装置Xに接続されているDU#Yの次にトラフィック量が多いDU#Zを接続するようにしてもよい。これにより、トラフィック量をより平準化することが可能になる。
[変形例3]
FHMの制御部は、あるBB処理装置Xの合計トラフィック量(BB処理装置Xに接続されている全てのDUのトラフィック量を合計した値)が閾値を超えた場合に、BB処理装置Xに接続されているDUを、他のBB処理装置に接続するようにしてもよい。例えば、制御部は、BB処理装置Xに接続されている複数のDUの中から、最もトラフィック量の小さいDUを選択し、他のBB処理装置に接続する。制御部は、BB処理装置Xのトラフィック量が閾値以下となるまで、最もトラフィック量の小さいDUの選択を繰り返し、BB処理装置42に接続する。
[変形例4]
上記では、DLについて説明したが、制御部は、UL信号に基づいて、BB処理装置とDUとの接続を切替えてもよい。例えば、BB処理装置は、ユーザ端末から送信されるBuffer Status Reportに基づいて、ユーザ端末ごとの残りのデータ量(トラフィック量に相当)を算出する。BB処理装置は、DLの場合と同様に、ユーザ端末のULのトラフィック量と、ユーザ端末に割り当てられたBMIとに基づいて、DUごとのトラフィック量を算出する。
[変形例5]
制御部は、DLとULのトラフィック量に基づいて、BB処理装置とDUとの接続を切替えてもよい。例えば、DLのトラフィック量とULのトラフィック量とを加算したトラフィック量から、BB処理装置とDUとの接続を切替えてもよい。その際、制御部は、DLのトラフィック量とULのトラフィック量とに重み付を付加してもよい。
例えば、制御部は、DUごとにおいて、「DLトラフィック量×係数A1+ULトラフィック量×係数A2」を算出し、BB処理装置とDUとの接続を切替えてもよい。DLのトラフィック量に重点を置いてBB処理装置とDUとの接続を切替えたい場合、「係数A1>係数A2」とする。逆にULのトラフィック量に重点を置いてBB処理装置とDUとの接続を切替えたい場合、「係数A1<係数A2」とする。
[変形例6]
上記では、BB処理装置がトラフィック量を計測したが、FHM(例えば、FHMが備える計測部)がDUごとのトラフィック量を計測してもよい。例えば、図11で説明したように、ビーム情報は、BB処理装置から、FHMを経由してDUに送信されるので、FHMは、例えば、図9に示したビーム情報55aを受信して記憶部に記憶することができる。また、FHMは、BB処理装置から、ユーザ端末ごとのデータバッファの情報(ユーザ端末ごとのトラフィック量)を受信する。また、FHMは、BB処理装置から、ユーザ端末がフィードバックしたBMIを受信する。
FHMは、BB処理装置から受信したユーザ端末のBMIに基づいて、記憶部に記憶したビーム情報を参照し、ユーザ端末がどのDUに在圏しているか判断できる。これにより、FHMは、DUごとに、DUに在圏しているユーザ端末のトラフィック量を加算することにより、DUごとのトラフィック量を計測できる。
[変形例7]
DUごとのトラフィック量を計測したBB処理装置またはFHMは、実施の形態1で説明した受付装置5に計測したトラフィック量を送信してもよい。受付装置5は、例えば、受信したトラフィック量をディスプレイに表示する。これにより、オペレータは、ディスプレイに表示されたトラフィック量に基づいて、BB処理装置とDUとの間の接続を、適切に設定することが可能となる。
[変形例8]
上記では、ビーム識別情報は、FHM32に接続されるDU33a~33cにわたり、ユニークであるとしたがこれに限られない。ビーム識別情報は、BB処理装置41,42に接続されるDUごとにおいて、ユニークであってもよい。
例えば、図11において、DU33a,33bは、BB処理装置41に接続されている。DU33cは、BB処理装置42に接続されている。この場合、ビーム識別情報は、DU33a,33bにおいてユニークであり、DU33cにおいてユニークであってもよい。より具体的には、DU33aのビーム識別情報は、「BMI1,BMI2,BMI3,BMI4」、DU33bのビーム識別情報は、「BMI5,BMI6,BMI7,BMI8」、DU33cのビーム識別情報は、「BMI1,BMI2,BMI3,BMI4」であってもよい。
このように、ビーム識別情報を、BB処理装置41,42に接続されるDUごとにおいて、ユニークにする場合、BB処理装置41,42は、FHM32のスイッチが切り替わった後、ビーム識別情報を割り当て直す。BB処理装置41,42は、スイッチ切替え後に接続されたDUにおいて、ビーム識別情報がユニークとなるように割り当て直す。
例えば、図11において、FHM32のスイッチの切替えにより、BB処理装置41にDU33bが接続され、BB処理装置42にDU33a,33cが接続されたとする。この場合、BB処理装置41は、DU33bのビーム識別情報を「BMI1,BMI2,BMI3,BMI4」に設定し直す。BB処理装置42は、DU33aのビーム識別情報を「BMI1,BMI2,BMI3,BMI4」に設定し直し、DU33cのビーム識別情報を「BMI5,BMI6,BMI7,BMI8」に設定し直す。
なお、上記の各変形例は、組わせることもできる。
[実施の形態3]
実施の形態2では、FHMは、DUごとのトラフィック量に基づいて、BB処理装置とDUとの接続を切替えた。実施の形態3では、FHMは、BB処理装置の故障に基づいて、BB処理装置とDUとの接続を切替える。例えば、FHMは、あるBB処理装置が故障した場合、故障したBB処理装置に接続されていたDUを、正常なBB処理装置に接続する。
図16は、実施の形態3に係るFHM71のブロック構成例を示した図である。図16において、図10と同じものには同じ符号が付してある。図16に示すように、FHM71は、故障検知部81と、制御部82aと、スイッチ82bと、を有している。FHM71のI/F部21には、図7に示したBB処理装置41,42が接続され、I/F部25には、図7に示したDU33a~33cが接続されている。
故障検知部81は、BB処理装置41,42の故障を検知する。例えば、故障検知部81は、BB処理装置41,42から送信されるDL信号の有無を監視することによって、BB処理装置41,42の故障を検知する。または、故障検知部81は、例えば、故障診断機能を有するBB処理装置41,42から、故障診断情報を受信し、BB処理装置41,42の故障を検知してもよい。
故障検知部81は、BB処理装置41,42が故障していないときに(BB処理装置41,42の正常時に)、BB処理装置41,42に接続されているDU33a~33cの接続情報を、BB処理装置41,42に送信する。例えば、図16に示すスイッチ82bの状態では、BB処理装置41には、DU33a,33bが接続され、BB処理装置42には、DU33cが接続されている。従って、故障検知部81は、BB処理装置41にはDU33a,33bが接続され、BB処理装置42にはDU33cが接続されていることを示す接続情報を、BB処理装置41,42に送信する。
故障検知部81は、BB処理装置41,42の故障を検知すると、BB処理装置41,42が故障したことを示す故障情報を、故障していないBB処理装置41,42に送信する。例えば、BB処理装置41が故障したとする。この場合、故障検知部81は、BB処理装置41が故障したことを示す故障情報を、故障していないBB処理装置42に送信する。また、故障検知部81は、検知した故障情報を、制御部82aに出力する。
制御部82aは、故障検知部81が故障情報をBB処理装置41,42に送信した後、スイッチ82bを制御し、故障したBB処理装置41,42に接続されていたDU33a~33cを、故障していないBB処理装置41,42に接続する。例えば、図16に示すスイッチ状態において、BB処理装置41が故障したとする。この場合、制御部82aは、端子T1を端子T3に接続し、端子T11を端子T13に接続する。これにより、故障したBB処理装置41に接続されていたDU33a,33bは、正常なBB処理装置42に接続される。
FHM71の動作について説明する。
図17は、BB処理装置41,42の一方が故障したときの無線基地局の動作例を説明する図である。図17には、図16で説明したFHM71と、FHM71に接続されているBB処理装置41,42およびDU33a~33cとが示してある。
FHM71のスイッチ82bは、図16に示す状態にあるとする。すなわち、DU33a,33bは、BB処理装置41に接続され、DU33cは、BB処理装置42に接続されているとする。故障検知部81は、BB処理装置41,42の接続情報(DU33a,33bはBB処理装置41に接続され、DU33cはBB処理装置42に接続されていることを示す情報)を、BB処理装置41,42に送信しているとする。
BB処理装置41が故障したとする。この場合、故障検知部81は、BB処理装置41の故障を検知する(図17のS1)。
故障検知部81は、BB処理装置41の故障を検知すると、BB処理装置41が故障したことを示す故障情報を、故障していないBB処理装置42に送信する(図17のS2)。
BB処理装置42は、FHM32から受信した故障情報に基づいて、自身が新たに管理するDUを認識する。例えば、BB処理装置42は、事前に(BB処理装置41の故障前に)BB処理装置41の接続情報(BB処理装置41は、DU33a,33bと接続されていることを示す情報)を受信している。従って、BB処理装置42は、BB処理装置41が故障したことを示す故障情報を受信した場合、故障したBB処理装置41に接続されていたDU33a,33bが、新たに接続されることを認識できる(図17のS3)。これにより、BB処理装置42は、例えば、DU33a,33bに在圏するユーザ端末のスケジューリングを行うことができる。
FHM71の制御部82aは、故障検知部81の故障情報に基づいて、故障したBB処理装置41に接続されていたDU33a,33bが、BB処理装置42に接続されるように、スイッチ82bを切替える(図17のS4)。これにより、DU33a,33bに在圏していたユーザ端末は、BB処理装置42と無線通信を行うことができる。
以上説明したように、FHM71は、BB処理装置41,42の故障を検知する故障検知部81を備える。制御部82aは、故障検知部81の故障の検知結果に基づいて、故障したBB処理装置41,42に接続されているDU33a~33cを、故障していないBB処理装置41,42に接続するよう決定する。これにより、故障したBB処理装置41,42と通信を行っていたユーザ端末は、BB処理装置41,42が故障しても、別の故障していないBB処理装置41,42と通信を行うことができる。
また、FHM71は、簡易な構成および処理により、BB処理装置41,42が故障しても、無線通信を行うことができなくなるユーザ端末を救済することができる。例えば、BB処理装置41,42とDU33a~33cとを直接接続する場合、無線通信を行うことができなくなるユーザ端末を救済するには、メッシュ状に接続する必要があり、配線が複雑化する。また、BB処理装置41,42とDU33a~33cとが、ユーザ端末を救済するためのアルゴリズムを備えなければならない。これに対し、FHM71を備える無線基地局は、簡易な構成および処理により、無線通信を行うことができなくなるユーザ端末を救済することができる。
なお、故障検知部81は、故障情報の代りに、または故障情報とともに、故障したBB処理装置41,42が処理(管理)していたBMIを、故障していないBB処理装置41に送信してもよい。故障してないBB処理装置42は、受信したBMIに基づいてビーム情報を参照することにより、新たに接続されるDU33a~33cを認識することができる。
以上、各実施の形態について説明した。
(ハードウェア構成)
上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態における無線基地局(CU、FHM、DU)及びユーザ端末などは、本発明の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図18は、本発明の一実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局及びユーザ端末は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、一以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、一以上のチップで実装されてもよい。
無線基地局及びユーザ端末における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、又は、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のブロック例、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、無線基地局及びユーザ端末を構成する少なくとも一部の機能ブロックは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局及びユーザ端末は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(情報の通知、シグナリング)
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
(適応システム)
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
(処理手順等)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(基地局の操作)
本明細書において基地局(無線基地局)によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)またはS-GW(Serving Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS-GW)であってもよい。
(入出力の方向)
情報及び信号等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)に出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置に送信されてもよい。
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
(「システム」、[ネットワーク])
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
(基地局)
基地局(無線基地局)は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
(端末)
ユーザ端末は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、UE(User Equipment)、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
(用語の意味、解釈)
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。また、補正用RSは、TRS(Tracking RS)、PC-RS(Phase Compensation RS)、PTRS(Phase Tracking RS)、Additional RSと呼ばれてもよい。また、復調用RS及び補正用RSは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。また、復調用RS及び補正用RSは同じ名称(例えば復調RS)で規定されてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレーム、タイムユニット等と呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。
例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。
例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。
リソースユニットは、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースユニットの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースユニットで構成されてもよい。また、リソースユニットは、リソースブロック(RB:Resource Block)、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペア、スケジューリングユニット、周波数ユニット、サブバンドと呼ばれてもよい。また、リソースユニットは、1つ又は複数のREで構成されてもよい。例えば、1REは、リソース割当単位となるリソースユニットより小さい単位のリソース(例えば、最小のリソース単位)であればよく、REという呼称に限定されない。
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。