JP7017174B2 - 食事に対する内臓脂肪のつきにくさの評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内臓脂肪のつきにくさの点から食事を評価する方法に関する。
体脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪があり、内臓脂肪は代謝異常の原因となり生活習慣病など健康に悪影響を及ぼすこと、体脂肪の低減のためには食事の量を減らさず、栄養バランスをとるのが望ましいこと、また、食事においては料理を組み合わせて栄養バランスをとるのが望ましいことが知られている(非特許文献1)。
一方、加工食品の食品表示に、原材料名の他に、栄養素ごとの含有量や熱量(カロリー)を表示することが行われており、店頭で販売される総菜、弁当等の内容表示や、料理のレシピ、食堂のメニュー等でも食事の熱量を表示することが普及してきている。さらに、加工食品に含まれる栄養素を容易に把握できるようにするため、食品に含まれる栄養素をバーコード化して食品ラベルに表示すること(特許文献1)、調理済み食品を栄養成分別のグループに分け、各グループの食品に栄養成分を表示して販売すること(特許文献2)等が提案されている。
しかしながら、現実には、体脂肪を十分に低減できない人が多い。
特開2000-98898号公報 特開2005-92261号公報
厚生労働省、食事バランスガイド、http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo02/yobou/syokuji/
上述の従来技術に対し、本発明は、消費者が食事における栄養バランスを改善することによって内臓脂肪をつきにくくすることを支援するために、食事に対し、体脂肪の中でも生活習慣病に悪影響を及ぼすとされている内臓脂肪のつきにくさを評価し、その評価結果を食事に付することを課題とする。
本発明者は、約12000人について内臓脂肪面積と食事内容との関係を調べた結果、食事の量を減らさず栄養バランスの改善によって内臓脂肪を低減させるには、(i)脂質に対するタンパク質の摂取割合を増加させること、(ii)糖質に対する食物繊維の摂取割合を増加させること、及び(iii)脂質に対するオメガ3脂肪酸の摂取割合を増加させること、が有効であり、さらに、(i)に関してタンパク質と脂質の摂取の推奨量の比Rp0/f0に対する、実際のタンパク質と脂質の摂取量の比Rp1/f1の充足割合をタンパク質と脂質の個別評価点Pp/fとし、(ii)に関して同様に食物繊維と糖質の個別評価点をPd/cとし、(iii)に関して同様にオメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の個別評価点Pω/fとした場合に、Pp/f、Pd/c、Pω/fから導出される総合評価点Sが内臓脂肪面積と相関すること、したがって、食事に対して内臓脂肪のつきにくさを、これら3種の個別評価点Pp/f、Pd/c、Pω/fから導出される総合評価点を用いて評価し、その評価結果を食事に表示すると消費者は内臓脂肪のつきにくい食事の選択が容易になることを見出し、本発明を想到した。
即ち、本発明は、食事に対して内臓脂肪のつきにくさを評価する評価方法であって、食事による
(a)タンパク質と脂質の摂取量、
(b)食物繊維と炭水化物の摂取量、及び
(c)オメガ3脂肪酸と脂質の摂取量
のそれぞれについて、栄養バランスの個別評価点として、推奨される摂取量の比に対する当該食事による摂取量の比の充足割合を算出し、(a)、(b)及び(c)の個別評価点に基づいて総合評価点を算出し、総合評価点に基づいて内臓脂肪のつきにくさを評価する評価方法を提供する。
また、本発明は、上述の評価方法による評価結果を表示した表示物を提供する。
本発明によれば、食費者が栄養素のバランスの点から内臓脂肪をつきにくくする食事を見定め、選択することが容易となる。したがって、食事による摂取カロリーを減らさず、内臓脂肪を低減させることを支援することができる。
図1は、実施例の表示物を備えた弁当の斜視図である。 図2Aは、実施例の表示物の平面図である。 図2Bは、実施例の表示物の平面図である。 図2Cは、実施例の表示物の平面図である。 図3は、実施例の表示物の平面図である。 図4は、食事習慣に関するアンケートの因子分析の結果である。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
本発明の評価方法は、食事に対し、内臓脂肪のつきにくさを評価する方法であって、概略、(a)タンパク質と脂質の摂取量、(b)食物繊維と炭水化物の摂取量、及び(c)オメガ3脂肪酸と脂質の摂取量、の3通りの栄養バランスの個別評価点を算出し、個別評価点に基づいて総合評価点を算出し、総合評価点に基づいて食事を評価する。
<個別評価点>
個別評価点は、(a)タンパク質と脂質の摂取量、(b)食物繊維と炭水化物の摂取量、及び(c)オメガ3脂肪酸と脂質の摂取量のそれぞれについて、推奨される摂取量の比に対する当該食事による摂取量の比の充足割合を算出することにより得られる。
本発明において3種の個別評価点を算出するのは、単に、タンパク質、食物繊維、オメガ3脂肪酸の摂取比率を高めればよいというというだけでなく、後述するように、内臓脂肪面積が、3種の個別評価点に基づいて算出される総合評価点と相関するという本発明者の知見に基づいている。
なお、食物繊維は炭水化物の下位概念であるから、食物繊維と炭水化物の摂取量の比は、炭水化物中の食物繊維の割合となり、また、オメガ3脂肪酸は脂質の下位概念であるから、オメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の比は、脂質中のオメガ3脂肪酸の割合となる。
個別評価点の算出において、摂取量は熱量(カロリー)として計算してもよく、質量として計算してもよい。摂取量を熱量として計算するか質量として計算するかに応じて、個別評価点及び総合評価点を算出するときの係数が変わる。
また、タンパク質、脂質、食物繊維、炭水化物、オメガ3脂肪酸のそれぞれの推奨される摂取量は、一般に健康の維持、増進の点から推奨されている量とすることができ、例えば、日本人の食事摂取基準(厚生労働省)、肥満症治療ガイドライン(日本肥満学会)等に掲載されている量とすることができる。
<タンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/fの算出方法>
タンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/fは、より具体的には、摂取量を熱量(カロリー)で計算した場合に次式(1a)により算出することができる。
p/f=100×[(Cp/Cf)-Rp0/f0]/Rp0/f0 +100 (1a)
式中、Cpは当該食事によるタンパク質の摂取カロリーであり、Cfは当該食事による脂質の摂取カロリーである。
p0/f0はタンパク質と脂質の摂取の推奨量の比、即ち、タンパク質について推奨される摂取量(カロリー)(Cp0)と脂質について推奨される摂取量(カロリー)(Cf0)との比(Cp0/Cf0)であり、「日本人の食事摂取基準」に準拠してこれらの摂取量Cp0、Cf0を設定するとRp0/f0は1となる。
したがって、式(1a)は
p/f=100×[(Cp/Cf)-1]/1+100
となる。
摂取量を質量(g)として計算する場合、上述の摂取量をカロリーとして計算する場合に準じて算出することができ、タンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/fは次式(1a')で表される。
p/f=100×[(Wp/Wf)-(Wp0/Wf0)]/(Wp0/Wf0)+100
=100×[(Wp/Wf)-2.25]/2.25+100 (1a')
式中、Wpは当該食事によるタンパク質の摂取質量(g)であり、Wfは当該食事による脂質の摂取質量(g)である。また、Wp0は推奨されるタンパク質の摂取質量(g)であり、Wf0は推奨される脂質の摂取質量(g)である。(Wp0/Wf0)の数値は、式(1a)におけるタンパク質と脂質の摂取の推奨量の比(Rp0/f0=Cp0/Cf0=1)を、タンパク質=4kcal/g、脂質=9kcal/gとして換算することにより得られる。
式(1a)において、100を足しているのは、当該食事によるタンパク質と脂質の摂取量の比(Cp/Cf)が、推奨されるタンパク質と脂質の摂取量の比(Cp0/Cf0)を充足した場合のタンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/fが100になるようPp/fを算出するためである。式(1a')において100を足しているのも同様の理由による。
このように、推奨されるタンパク質と脂質の摂取量の比を100とした場合の、当該食事によるタンパク質と脂質の摂取量の比を求めることにより、推奨されるタンパク質と脂質の摂取バランスに対する当該食事におけるタンパク質と脂質の摂取バランスを容易に対比することができる。
なお、本発明において、タンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/fは、推奨されるタンパク質と脂質の摂取量の比に対する当該食事による摂取量の比の充足割合が表される限り、その算出式は上述の式(1a)や式(1a')に限定されない。
<食物繊維と炭水化物の摂取量の個別評価点Pd/cの算出方法>
食物繊維と炭水化物の摂取量の個別評価点Pd/cは、上述のタンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/fの算出方法に準じて次式(1b)又は(1b')により算出することができる。
摂取量をカロリーで計算した場合
d/c=100×[(Cd/Cc)-(Cd0/Cc0)]/(Cd0/Cc0)+100 (1b)
式中、Cdは当該食事による食物繊維の摂取カロリーであり、Ccは当該食事による炭水化物の摂取カロリーである。
また、食物繊維と炭水化物の摂取の推奨量の比(Cd0/Cc0)を算出するにあたり、日本人の食事摂取基準によれば、食物繊維の摂取の推奨量は質量(g)で表されている。そこで、食物繊維のグラム当たりのカロリーを、例えば2kcal/gとし、炭水化物のグラム当たりのカロリーを4kcal/gとすると、食物繊維と炭水化物の摂取の推奨量の比(Cd0/Cc0)は0.0317となる。
したがって
d/c=100×[(Cd/Cc)-0.0317]/0.0317+100 (1b)
となる。
摂取量を質量で計算した場合
d/c=100×[(Wd/Wc)-(Wd0/Wc0)]/(Wd0/Wc0)+100
=100×[(Wd/Wc)-0.0633]/0.0633+100 (1b')
式中、Wdは当該食事による食物繊維の摂取質量(g)であり、Wcは当該食事による炭水化物の摂取質量(g)である。また、Wd0は推奨される食物繊維の摂取質量(g)であり、Wc0は推奨される炭水化物の摂取質量(g)である。
<オメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の個別評価点Pω/fの算出方法>
上述の個別評価点Pp/f、Pd/cの算出方法と同様に、オメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の個別評価点Pω/fは、摂取量をカロリーで算出した場合、次式(1c)により算出することができ、質量で計算した場合に次式(1c')により算出することができる。ここで、オメガ3脂肪酸の摂取量は、EPA、DHAの摂取量の合計とした。オメガ3脂肪酸の摂取量は、EPA、DHAおよびαリノレン酸の摂取量の合計としても良く、その場合は式(1c)および(1c')におけるCω0/Cf0、Wω0/Wf0をそれぞれ0.0540とすれば良い。
d/c=100×[(Cω/Cf)-(Cω0/Cf0)]/(Cω0/Cf0)+100 (1c)
=100×[(Cω/Cf)-0.0225]/0.0225+100
式中、Cωは当該食事によるオメガ3脂肪酸の摂取カロリーであり、Cfは当該食事による脂質の摂取カロリーである。また、Cω0は推奨されるオメガ3脂肪酸の摂取カロリーであり、Cf0は推奨される脂質の摂取カロリーである。
d/c=100×[(Wω/Wf)-(Wω0/Wf0)]/(Wω0/Wf0)+100 (1c')
=100×[(Wω/Wf)-0.0225]/0.0225+100
式中、Wωは当該食事によるオメガ3脂肪酸の摂取質量(g)であり、Wfは当該食事による脂質の摂取質量である。また、Wω0は推奨されるオメガ3脂肪酸の摂取質量(g)であり、Wf0は推奨される脂質の摂取質量(g)である。
<総合評価点S>
総合評価点Sは、上述のタンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/f、食物繊維と炭水化物の摂取量の個別評価点Pd/c、及びオメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の個別評価点Pω/fに基づいて求める。より具体的には、総合評価点Sは、タンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/f、食物繊維と炭水化物の摂取量の個別評価点Pd/c、及びオメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の個別評価点Pω/fの一次式である次式(2)により算出することができる。
S=a×Pp/f+b×Pd/c+c×Pω/f+d (2)
式中、a、b、c、dはぞれぞれ係数であり、以下の数値をとる。
a=0.005762
b=0.006144
c=0.002015
d=-0.748
この式(2)は次のようにして導出されたものである。まず、成人男女約600名に対する食事習慣に関する図4に示したアンケート(35問・5件法)の回答パターンを因子分析(バリマックス回転を伴う主因子法)することにより7種の因子得点を得、食事の質の良否に関連すると解釈できる質問で因子負荷量が高くなっている因子を選択し、その因子得点を前述の総合評価点Sとした。
一方、同じ成人男女約600人に対して連続する3日間の全ての食事内容を記録する食事調査を実施し、管理栄養士が栄養分析して各人の栄養摂取量を算出し、その算出結果を用いて個別評価点であるPp/f、Pd/c、Pω/fを計算した。
次に、総合評価点Sを目的変数とし、個別評価点Pp/f、Pd/c、Pω/fを説明変数として重回帰分することにより式(2)を導出した。
なお、式(2)の係数a、b、c、dは、タンパク質、脂質、食物繊維、炭水化物及びオメガ3脂肪酸のそれぞれについて、当該食事における摂取量と推奨摂取量の単位を合わせることにより、単位をカロリーとした場合と質量とした場合で同じ数値になる。したがって、例えば、タンパク質及び脂質の摂取量をカロリーで計算し、食物繊維、炭水化物、オメガ3脂肪酸及び脂質の摂取量を質量で計算した場合にも上述の係数値を使用することができる。
また、年齢20~65歳、平均BMI 22.5kg/m2の健常成人男女(男性8531名、女性 3115名)の食生活について、内臓脂肪面積を目的変数とし、年齢と上述の総合評価点Sとを説明変数として重回帰分析すると、内臓脂肪面積は次式で(3)で表される。
内臓脂肪面積(cm2)=1.536×年齢-3.690×総合評価点S+8.566 (3)
この内臓脂肪面積と総合評価点Sの相関の有意性検定は、t値=-8.312、p<0.001となり、内臓脂肪面積と総合評価点Sとに相関のあることがわかる。このように総合評価点Sが内臓脂肪面積と相関することは本発明者による知見である。
そこで、本発明においては、総合評価点Sを評価指標として、食事に対して内臓脂肪のつきにくさを評価する。
この総合評価点Sによれば、約600名の総合評価点Sの平均値が0になり、個別評価点が全て100の場合に総合評価点S=0.644になるので、総合評価点Sの数値が0未満の場合に、内臓脂肪のためにくさの点から劣った食事と評価され、0以上の場合に、内臓脂肪のためにくさの点から良好な食事と評価され、0.664以上の場合に、内臓脂肪のためにくさの点から非常に良好な食事と評価される。
なお、式(3)において用いる内臓脂肪面積の測定方法は特に限定されず、例えば、腹部CT等で計測される腹部の内臓脂肪面積とすることができる。
総合評価点Sは、1回の食事における評価点としてもよく、1日、1週間など、所定期間の食事における評価点としてもよい。
一方、式(3)において、総合評価点Sをタンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/f、食物繊維と炭水化物の摂取量の個別評価点Pd/c、及びオメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の個別評価点Pω/fで表すと、内臓脂肪面積(cm2)は次式(3’)で表される。
内臓脂肪面積(cm2)
=1.536×年齢-3.690×(0.005762Pp/f+0.006144Pd/c+0.002015Pω/f-0.748)+8.566
=1.536×年齢-0.02115Pp/f―0.02433Pd/c―0.0074Pω/f―11.326 (3’)
この式(3’)において、個別評価点Pp/f、Pd/c、Pω/fにかかる係数は、夫々の個別評価点が内臓脂肪面積に及ぼす寄与度を表しているとみることができる。
そこで、本発明においては、内臓脂肪のつきにくさの評価結果を食品に表示するにあたり、総合評価点と共に、タンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/f、食物繊維と炭水化物の摂取量の個別評価点Pd/c、及びオメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の個別評価点Pω/fも表示すること、あるいは、これらの個別評価点のそれぞれに内臓脂肪面積に及ぼす寄与度を掛け合わせた数値を表示してもよい。これにより、消費者は、内臓脂肪のつきにくさに、どのような栄養素のバランスが寄与しているかを知ることができる。
なお、本発明が食事の評価に使用する総合評価点Sや、個別評価点Pp/f、Pd/c、Pω/fは、食事を構成する栄養素の比によって定まり、食事全体の量には依存しない。したがって、本発明は、消費者が内臓脂肪をつきにくくするために、本発明による評価結果に基づいて食事における栄養素のバランスを改善することを意図しているが、食事全体の量を減らすことは意図していないという特徴を有する。
<表示物>
本発明の表示物は、本発明の評価方法による評価結果を表示したものであり、より具体的には、総菜、弁当、デリバリーの食事などに付されるラベル、食事内容を表示した紙片、包装材料、料理のレシピ、食堂のメニュー等に本発明の評価方法による評価結果を表示したものとすることができる。この表示物における表示には、総合評価点Sの数値、又は総合評価Sと個別評価点Pp/f、Pd/c、Pω/fの数値を含めることができ、任意の食品に対してそのような表示を付することができる。一方、消費者が内臓脂肪のつきにくさや、内臓脂肪のつきにくさに影響する栄養素のバランスの良否を視覚的に判別し、内臓脂肪のつきにくい食事を選択しやすくするために、総合評価点Sによる評価結果として内臓脂肪がつきにくい旨を表しているが、総合評価点Sの数値等は載せていない表示を、総合評価点Sが所定の数値以上の食事に対して付するようにしても良い。総合評価点Sが例えば0以上で、内臓脂肪がたまりにくいと評価される弁当に対し、図1に示すように、「内臓脂肪をためない」を表したラベル1を弁当容器10に貼る。
また、表示物に総合評価点Sを表示する場合に、算出された数値をそのまま記載しても消費者には数値の意味がわかりにくいことから、総合評価点Sを段階的に表示することが好ましい。この場合の段階数は、段階数が多すぎると消費者が段階間の差異を認識にくく、段階数が少なすぎると内臓脂肪をつきにくくする食事を効果的に選択することが難しくなる。そこで、段階数は3~5にすることが好ましい。
総合評価点Sを段階的に表示する場合の具体的態様としては、例えば、総合評価点が0点未満であり、内臓脂肪のつきにくい食事とはいえない段階、総合評価点が0点以上0.3点未満で内臓脂肪のつきにくい食事として推奨できる第1段階、総合評価点が0.3点以上0.664点未満で内臓脂肪のつきにくい食事として好ましく推奨できる第2段階、総合評価点が0.664点以上(全ての個別評価点が100点以上)で内臓脂肪のつきにくい食事として強く推奨できる第3段階とする場合に、図2A(第1段階)、図2B(第2段階)、図2C(第3段階)に示すように、推奨できる評価の段階数を星マークの数で表し、塗りつぶされている星マークの数で当該評価段階を表すようにすることができる。
表示物に、総合評価点Sと共に個別評価点Pp/f、Pd/c、Pω/fも表示する場合、個別評価点Pp/f、Pd/c、Pω/fも段階的に表示することが好ましい。例えば、個別評価点が75点未満を第1段階、75点以上100点未満を第2段階、100点以上を第3段階とする3段階で表示にする場合、図3に示すように、評価段階数を星マークの数とし、塗りつぶされている星マークの数で個別評価点を段階的に表示することができる。
なお、本発明において、内臓脂肪のつきにくさを表示する対象は、弁当等の食品の包装材に限られず、例えば、量り売りの総菜の内容表示板、料理のレシピの頁、食堂のメニューの紙面等をあげることができる。
以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説明する。
実施例1、2
1食分の食事となっている2種の弁当A、Bについて内臓脂肪のつきにくさを以下のように評価した。
弁当Aには、白米、クラムチャウダー、ミートボールが詰め合わされ、弁当Bには、玄米、鰆の塩焼き、かぼちゃのくずあんかけが詰め合わされている。
まず、表1のI欄に示すように、弁当A、Bの総カロリー、タンパク質の質量(g)および総カロリーに占めるカロリーの比率(%)、脂質の質量(g)および総カロリーに占めるカロリーの比率(%)、炭水化物の質量(g)および総カロリーに占めるカロリーの比率(%)、弁当に含まれる食物繊維量(g)、弁当に含まれるオメガ3脂肪酸の質量(g)および総カロリーに占めるカロリーの比率(%)を求めた。
次に、表1のII欄に示すように、I欄の数値に基づいてタンパク質と脂質のカロリー比、食物繊維と炭水化物の質量比、オメガ3脂肪酸と脂質の質量比を算出した。
次に、表1のIII欄に示すように、タンパク質と脂質の摂取量の個別評価点Pp/fを式(1a)によって算出し、食物繊維と炭水化物の摂取量の個別評価点Pd/cを式(1b)によって算出し、オメガ3脂肪酸と脂質の摂取量の個別評価点Pω/fを式(1c)によって算出した。
次に、表1のIV欄に示すように、個別評価点に基づく総合評価点Sを式(2)によって算出した。また、内臓脂肪面積に対する寄与度を式(3')により算出した。総合評価点Sに基づき、内臓脂肪のつきにくい食事としての推奨レベルを判定した。
Figure 0007017174000001
表1から、弁当Aと弁当Bの総カロリーはほぼ等しいが、弁当Aよりも弁当Bの方が、内臓脂肪をためにくいという点から優れていることがわかる。
1 ラベル
10 弁当容器

Claims (1)

  1. 食事に対して内臓脂肪のつきにくさを、コンピュータを用いて次式により算出される、内臓脂肪面積と相関する総合評価点Sにより評価する評価方法。
    S=a×P p/f +b×P d/c +c×P ω/f +d
    (式中、
    p/f は、タンパク質と脂質の摂取量について、推奨される摂取量の比に対する、当該食事による摂取量の比の充足割合であり、
    d/c は、食物繊維と炭水化物の摂取量について、推奨される摂取量の比に対する、当該食事による摂取量の比の充足割合であり、
    ω/f は、オメガ3脂肪酸と脂質の摂取量について、推奨される摂取量の比に対する、当該食事による摂取量の比の充足割合であり、
    a、b、c、dはそれぞれ係数であり、
    前記式は、食事習慣に関するアンケート回答パターン因子分析において、食事の質の良否に関連すると解釈できる質問で因子負荷量が高くなっている因子の因子得点を個々のアンケート回答者の総合評価点Sとしてこれを目的変数とし、一方、アンケート回答者の食事内容について算出されたp/f、Pd/c、Pω/fを説明変数として重回帰分析することにより求められた式である。)
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