JP7016392B2 - セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池用セパレータおよびその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、軽量、高エネルギー及び長寿命であることが大きな特徴であり、例えばノートブックコンピューター、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の携帯用電子機器の電源として広範囲に用いられている。また、低環境負荷社会への移行に伴い、ハイブリッド型電気自動車(Hybrid Electric Vehicle:HEV)及びプラグインHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle:PHEV)の電源、更には住宅用蓄電システム等の電力貯蔵分野においても注目されている。
ところで、従来、リチウムイオン二次電池の電解質には、リチウム塩を有機溶媒に溶解した有機電解液が用いられており、漏液に伴う安全性の懸念があった。
電解液の代わりに固体電解質を用いることで、正極材、電解質および負極材をすべて固体とした全固体電池は、可燃性の電解液が不要になり安全性が飛躍的に向上した技術として提案されている。
全固体電池に用いる固体電解質としては例えば、高いリチウムイオン伝導性を有していることから、硫化物系材料を用いた技術の開示がある。しかしながら、硫化物系材料は化学的安定性に乏しく、大気暴露において硫化水素が発生する懸念がある。また、硫化物系固体電解質と正極材とを直接接触させた場合、境界面に、リチウムの存在しない、厚さ数ナノメートルの「欠乏層」が出現し、出力特性が著しく低下するなどの課題がある。
一方で、化学的に安定な結晶性酸化物系固体電解質は、大気暴露においても有害な物質の発生は無く安定な物質であるが、脆性材料であり加工性に乏しく、固体電解質だけからなる単一層の薄膜シートの形成は困難であった。固体電解質層の膜厚を薄くすることはリチウムイオン伝導性が高まり、多くの電極活物質を電池内に収納できるようになることから、電池特性、電気容量の観点から固体電解質層の薄膜化が求められていた。
これらの問題に対して、特許文献1では、硫化物系固体電解質と熱可塑高分子樹脂とを乾式で混合し加熱プレスすることにより、柔軟性を有する固体電解質シートを得ている。しかしながら、絶縁性の樹脂を混合してシートを成形しているため、導電パスが分断され問題があった。また、特許文献2では、硫化物系固体電解質を用いて絶縁性の樹脂等を混合させずガラス製の不織布を支持体として自立したシートを作製しているが、シート厚みが300μm程度と厚く、薄膜化の観点から問題があった。
特開平4-133209号公報 特開2008-103258号公報
前記したように、化学的安定性の高い結晶性酸化物系無機固体電解質の層が柔軟性を有した薄い膜を得る技術が望まれていた。
本発明はこのような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、本発明の目的は、リチウムイオン電池に用いる加工性の優れた結晶性酸化物系無機固体電解質を用いたセパレータを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究し、実験を重ねた。その結果、セパレータに平均粒径が5~100μmの結晶性酸化物系固体電解質粒子を一層に担持させることで、加工性に優れ、高いイオン伝導性が得られるセパレータが得られることを見出し、本発明を成すに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]
平均粒径が5~100μmの結晶性酸化物系無機固体電解質粒子が、基材に一層に担持されてなるセパレータであって、
前記セパレータの両面で前記固体電解質粒子が露出しており、
前記固体電解質粒子の露出率は前記セパレータの両面それぞれ10~100%であり、
前記基材が不織布であることを特徴とするセパレータ。
[2]
前記固体電解質粒子の径は前記基材の厚みよりも大きい、[1]に記載のセパレータ。
[3]
前記固体電解質粒子の露出率が35~100%である、[1]または[2]に記載のセパレータ。
[4]
[1]~[3]のいずれかに記載のセパレータの製造方法であって、
平均粒径が5~100μmの結晶性酸化物系無機固体電解質粒子を支持体上に一層に配列させた後、該固体電解貿粒子上に基材を積層し、該固体電解買粒子と該基材とを一体化させることを特徴とする、セパレータの製造方法。
[5]
前記固体電解質粒子を、粘着層を有する支持体の上に載せ、該粘着層に固定していない粒子を除去することで、前記支持体上に一層に配列させる、[4]に記載のセパレータの製造方法。

本発明に係る形態を有するセパレータを用いることで、薄い膜による高いイオン伝導性から電池特性を向上させることができ、セパレータの柔軟性により電池としての加工性が高まり、電池作製時、作動時に短絡を防ぐことができる不織布セパレータを提供することができる。
本実施形態におけるセパレータの概略的に示す断面図である。 本発明のセパレータを用いたリチウムイオン二次電池の一例を概略的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。尚、本明細書において「~」を用いて記載される範囲は、その前後に記載される数値を含むものである。
なお、以下の説明では、「結晶性酸化物系無機固体電解質粒子」を「固体電解質粒子」あるいは単に「粒子」等と記す場合もある。
図1は、本実施形態におけるセパレータの概略的に示す断面図である。
本発明のセパレータ100は、平均粒径が5~100μmの結晶性酸化物系無機固体電解質粒子110が、基材120に一層に担持されてなることを特徴とする。
基材としては、電子伝導性が無く電池用のセパレータとして用いられている公知の材料がいずれも使用できるが、多孔質膜であることが好ましい。例えば不織布やポリオレフィン多孔質膜が挙げられる。
不織布は、繊維状物質が3次元状に絡まった構造を有する。本実施形態のセパレータに用いられる不織布は、「粒子が一層に担持されてなる」状態を保つことができれば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、PP、PEなどのポリオレフィン、ポリイミド、アラミドなどの樹脂繊維不織布、ガラス繊維不織布などの従来公知のものが、単独または混合して用いられる。好ましくは熱可塑性樹脂を用いた不織布が用いられる。
繊維の径としては0.1μm~5.0μmのものが用いられ、好ましくは繊維径が0.2~3.0μmのものが用いられ、最も好ましくは0.25~2.5μmのものが用いられる。繊維径0.1μm以上とすることで強度を保つことができ、加工時の電池の短絡を防ぐことができる。繊維径を5.0μm以下とすることで膜の両面の粒子の露出を高く確保できるようになり、セパレータのリチウムイオン伝導性を十分確保できるようになる。繊維径0.1μm~5.0μmの不織布が用いられていれば、膜の性状を維持するために繊維径5.0μm~30μmの不織布と組み合わせることもできる。5.0~30μmの組み合わせ比率は繊維径0.1~5.0μmの不織布に対して重量比で0~80%の比率で用いることができる。
不織布の厚みは、粒子と一体化する前の状態で5μm~100μmの厚みで用いることができ、好ましくは10~80μmの厚みで用いることができる。不織布の厚みを5μm以上とすることで、セパレータとしての強度が得られ、電池作製時、作動時の短絡を防ぐことができる。100μm以下とすることで、粒子の表面露出の比率が増え高いイオン伝導性が確保できるようになる。
不織布の目付は2~30g/mで用いられ、好ましくは4~20/mで用いられ、最も好ましくは5~15/mで用いられる。不織布の目付を2g/m以上とすることで膜の十分な強度が得られ、電池作製時、作動時の短絡を防ぐことができる。目付を30g/m以下とすることで粒子の表面露出が増え、高いイオン伝導性を確保できるようになる。
不織布の製造方法としては一般的な不織布成膜装置を用いることができ、メルトブローン成膜装置、スパンデックス成膜装置を用いることができる。
ポリオレフィン微多孔膜としては、ポリオレフィン系の樹脂を主成分として含むことが好ましく、50質量%以上でポリオレフィン系樹脂を含むことが好ましく、好ましくは75質量%以上含むことが好ましく、さらに好ましくは90質量%以上含むことが好ましく、最も好ましくは95%以上含むことが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜の一体化する前の厚さは好ましくは0.5~50μmであり、より好ましくは1~30μmであり、さらに好ましくは1~10μmである。
基材の気孔率は好ましくは0.1~99.9%の範囲で用いられる。電池内部に電解液およびゲル電解質を満たして用いる場合には、高いイオン伝導性が得られるため、より高い気孔率が好ましく、30~99.9%の範囲で用いられ、50~99.9%がより好ましく用いられ、さらに好ましくは70~99.9%が用いられる。正極および負極の間に固体電解質を介在させて用いる場合には、粒子の表面が正極側および負極側の両面に露出していれば用いることができ、デンドライト成長などの問題が生じる場合は低い気孔率が好ましく0.1~70%の範囲で用いられる。さらに好ましくは0.1~50%の範囲で用いられ、最も好ましくは0.1~30%の範囲で用いることができる。気孔率の値は、一定の大きさの基材試料を切り出し、その体積(cm)と質量(g)および基材の膜密度(g/cm)から下記式を用いて算出された値である。
気孔率(%)=(1-質量/体積/膜密度)×100
以下の説明では、基材として不織布を用いた場合を例に挙げて説明する。
本発明のセパレータは、結晶性酸化物系無機固体電解質粒子と不織布が一体化した膜の厚みで10~110μmで用いることができる。セパレータの厚みを10μm以上とすることで、セパレータとしての強度を保つことができ電池の短絡を防ぐことができる。100μm以下とすることで、電池の活物質を多く充填することができるようになり、電池としての電気容量を増やすことができる。
本発明では、平均粒径が5~100μmの結晶性酸化物系無機固体電解質粒子を用いる。好ましくは平均粒径10~80μmの粒子が用いられ、最も好ましくは、平均粒子径20~50μmの粒子が用いられる。平均粒子径を5μm以上とすることで、セパレータの強度が保たれ、柔軟性が得られ電池の短絡を防止することができる。平均粒子径を100μm以下とすることで、セパレータの高いイオン伝導性が保たれるようになる。
なお、セパレータの両面で粒子が露出していることが好ましい。すなわち、結晶性酸化物系無機固体電解質粒子の径は、基材の厚みよりも大きいことが好ましい。
結晶性酸化物系無機固体電解質粒子の形状としては球形、不定形いずれも用いることができる。結晶性酸化物系無機固体電解質粒子は、高いイオン伝導性を確保するために高い密度が好ましく、各結晶性酸化物系無機固体電解質の相対密度が80~100%のものが用いられる。好ましくは相対密度90~100%のものが用いられ、最も好ましくは相対密度95~100%のものが用いられる。ここで相対密度とは、液体置換法、ガス置換法等の一般的な測定法で求めた試料の「真密度」を実測密度としてXRD測定法等から求めた格子定数値から得られた理論密度から、
相対密度(%)=(試料実測密度/理論密度)×100
により求められる。相対密度を80%以上とすることで、結晶粒子中の粒界に由来する抵抗やボイドに由来する抵抗が低減して、粒子自身のリチウムイオン伝導性が向上する。100%以下とすることで、粒子の粒界やボイドを低減させるための高い温度での加熱、高い圧力での圧縮になどの煩雑な操作の負荷を減らすことができる。
本発明に用いる結晶性酸化物固体電解質粒子は、リチウムイオン伝導性を有する結晶性酸化物系無機無機固体電解質であればいずれのものも用いることができる。例えばγ-LiPO型酸化物、逆蛍石型酸化物、NASICON型酸化物、ペロブスカイト型酸化物、ガーネット型酸化物が用いられ、NASICON型酸化物であるLi1.3Ti1.7(PO、ペロブスカイト型酸化物であるLa2/3-xLi3xTiO、ガーネット型酸化物であるLiLaZr12が好ましく用いられる。イオン伝導を高める目的、化学的な安定性を高める目的、加工性を高める目的で、上記基本結晶構造に対して置換、ドープにより元素を置換した酸化物系無機固体電解質も用いることができる。
「粒子が一層に担持した」とは、その単一の粒子が層の厚み方向に1つ、層内方向に多数が担持された状態を意味するが、粒子は割れて複数の粒子となって存在する、比較的扁平な粒子が重なる等、膜厚方向の粒子が1つでない場合も膜内方向の全粒子数に対して最大で15%以下存在してもよく、5%以下存在することが好ましい。 粒子を一層に配列させる方法としては、例えば粘着層のような支持体の上に粒子を載せ、粘着層に固定していない粒子を除去することで一層に配列させることができる。粘着層としては粘着テープ、後述するような支持体の上に除去が容易なグリース等を塗布したものも用いられる。さらには静電気等を利用して電気的に基板に粒子を一層分で配列させることもできる。粘着層等に固定されていない粒子の除去方法としては、粒子の載った粘着層ごと反転させ、固定されていない粒子を落下させて除去する方法、気体の噴射等により粘着層に固定されていない粒子を吹き飛ばして除去する方法などを用いることができる。以上のような方法で粒子を一層に並べ、不織布を上に載せ圧着、加熱圧着の方法により一体化することができる。圧着は不織布の軟化温度より高い温度で軟化させて圧着させる方法、不織布の溶融温度以上に加熱して粒子と一体化させる方法などを用いることができる。
また、結晶性酸化物系無機固体電解質粒子を支持体上に一層に配列させた後、支持体上に溶融状態の不織布原料を供給することにより、不織布と粒子とを一体化することもできる。
支持体としては酸化物系無機固体電解質粒子を一層に配列させることができればいずれも用いることができる。支持体は平滑な板状のものが好ましく、金属板、セラミック板、ガラス板、樹脂板を用いることができる。好ましくはステンレス板、アルミニウム板、銅板、ガラス板、樹脂板が用いられる。支持体の表面は一時的に粒子を一層に配列させるために粘着性の物質を薄く塗布したり、粘着性テープを張り付けたりして用いることもできる。また、静電気的に粒子を一層に配列固定させて用いることもできる。
粒子の露出率は、粒子が露出している割合を示し、膜の厚み方向から見たときに、単位面積当たりの粒子が露出している面積を、粒子が占める面積で割ることにより求められる。露出率は両面それぞれ10~100%で用いられる。露出率を10%以上とすることにより、セパレータのリチウムイオン伝導性が高まり、電池の充放電特性を高めることができる。露出率を100%以下とすることにより、セパレータの強度が高まり、電池の加工時、作動時の短絡を防ぐことができる。
<リチウムイオン伝導性の評価方法>
上記、リチウムイオン伝導度は一般的な交流インピーダンス法で測定することができる。
このようなセパレータは、各種電池におけるセパレータとして用いることができるが、例えば、図2に示すようなリチウムイオン二次電池200におけるセパレータとして用いることができる。
図2は、本実施形態のセパレータが適用されるリチウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。図2に示されるリチウムイオン二次電池200は、セパレータ100を両側から挟む正極210と負極220と、さらにそれらの積層体を挟む正極集電体230(正極の外側に配置)と、負極集電体240(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装250とを備える。電池外装250の内部は電解液で満たされている、あるいは、セパレータ100と正極210および負極220との間に固体電解質が介在されている。可燃性の高い電解液が満たされず固体電解質のみが介在する形態が好ましく用いられる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例および比較例について説明する。
[実施例1]
<不織布の製作>
不織布はメルトブローン法により製作した。
目付:10g/m
繊維径:0.29μm
材質:ポリプロピレン
<粒子の配列>
結晶性酸化物系無機粒子として豊島製作所製NASICON型酸化物であるLi1.3Ti1.7(PO(LATP)を用い、成膜した。6cm×6cm×0.2mm厚みのステンレス基板の表面に、耐熱グリースを中心部2cm×2cmの領域に薄く塗布した。この基板上に、あらかじめ38~45μmの目開きでふるい分けにより分級したLATP粒子を載せ、ステンレス基板ごと反転させることで、基板上に固定化されていない余剰粒子を除去した。さらに、グリースを塗布した基板上にLATP粒子を載せ、反転させることで余剰粒子を除去する操作を数回繰り返し、単粒子が配列した状態とした。
<不織布と粒子の一体化>
粒子が一層で配列した基板上に、上記3cm×3cmの不織布を、粒子が配列した部分を覆うように載せ、その上に6cm×6cm×0.2mm厚みのステンレス板を載せ100g/cmの加圧条件で加圧し、ホットプレート上で190℃、30分加熱した。不織布の一部が溶融して粒子と一体化した膜状となった。膜のグリースの付着した面はヘキサンで洗浄し、グリースを除去した。
<粒子の被覆率>
得られた膜のSEM観察
SEM観察
装置:KEYENCE社製 VE-9800
加速電圧:1.2KV
スポット径:6(装置の設定値)
真空度:3Pa
検出器:二次電子検出器
不織布と粒子の一体化した膜の一部を切り出し試料とした。導電性両面テープを用いて試料を試料台に固定し、非蒸着の条件下、200倍の倍率にて粒子を配列させた面および不織布を載せた面を観察した。
装置付属のソフトウエアで粒子が占める面積を算出し、全体の面積で割ることで単粒子膜の粒子の占める割合を算出し、粒子の被覆率とした。視野を変えて同様の計算を3回繰り返し、平均を算出した。
粒子配列面 粒子面被覆率 75% 粒子表面露出率 100%
不織布一体化面 粒子面被覆率 75% 粒子表面露出率 35%
膜厚をMitutoyo 457-401型厚み計で測定したところ、48μmであった。
<イオン伝導度の測定>
得られた粒子と不織布の一体化膜のイオン伝導度の測定を行った。一体化膜の両面に下記条件で金を蒸着した。
装置:マグネトロンスパッタ装置
放電電流:15mA
放電時間:3分
コート範囲:5mmφ
電気抵抗率の測定は下記装置、下記測定条件で実施した。
装置:LCRメーター
測定周波数:120MHz~100Hz
電気抵抗率は2.0kΩ・cmであった。
[実施例2]
下記の不織布を使用したこと以外は同じ操作を行い、電気抵抗率を測定したところ、20kΩ・cmであった。
総目付:7.5g/m
繊維径:0.6μm 46wt% 1.2μm 54wt%
材質:ポリプロピレン
[実施例3]
結晶性酸化物系無機固体電解質として、豊島製作所製Li6.25Al0.25LaZr12(LLZO)のプレートを粉砕し、38~45μmの目開きでふるい分けにより分級した粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で電気抵抗率を測定したところ、2.5kΩ・cmであった。
[比較例1]
実施例1において余剰粒子を除去せず不織布を載せ、加熱操作を行ったところ、粒子が複数層形成された状態となり、膜厚は90μmとなった。実施例1と同様の評価を行ったところ短絡が生じた。
[比較例2]
4cm×4cm不織布を6cm×6cmの基板の上に載せ、実施例1と同様の方法で加熱し不織布が溶融した状態で、実施例1と同様の粒子を上に載せて余剰分を除去し粒子と不織布が一体化した膜を得た。実施例1と同様な評価を実施したところ、3000kΩ・cmであった。
[比較例3]
実施例1において目開き5μm以下の粒子を分級して用いたこと以外は同様の操作を行い、電気抵抗率を測定したところ、短絡が生じた。
各実施例および比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 0007016392000001
表1から明らかなように、粒子が複数層となった比較例1、不織布基材上に粒子を載せて一体化させた比較例2、平均粒子径の小さい比較例3のセパレータでは、短絡が発生、あるいは電気抵抗率が高かった。これに対し、配列した粒子上に不織布基材を載せることにより、平均粒径が5~100μmの結晶性酸化物系無機固体電解質粒子を、基材上に一層に担持させた実施例のセパレータでは、いずれも短絡は発生せず、また電気抵抗率が低いことが分かった。
本発明によれば、薄い膜による高いイオン伝導性から電池特性を向上させることができ、セパレータの柔軟性により電池としての加工性が高まり、電池作製時、作動時に短絡を防ぐことができる不織布セパレータとなり、リチウムイオン電池用不織布セパレータとして広く適用可能である。
100 セパレータ
110 結晶性酸化物系無機固体電解質粒子
120 基材
200 リチウムイオン二次電池
210 正極
220 負極
230 正極集電体
240 負極集電体
250 電池外装

Claims (5)

  1. 平均粒径が5~100μmの結晶性酸化物系無機固体電解質粒子が、基材に一層に担持されてなるセパレータであって、
    前記セパレータの両面で前記固体電解質粒子が露出しており、
    前記固体電解質粒子の露出率は前記セパレータの両面それぞれ10~100%であり、前記基材が不織布であることを特徴とするセパレータ。
  2. 前記固体電解質粒子の径は前記基材の厚みよりも大きい、請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記固体電解質粒子の露出率が35~100%である、請求項1または2に記載のセパレータ。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のセパレータの製造方法であって、
    平均粒径が5~100μmの結晶性酸化物系無機固体電解質粒子を支持体上に一層に配列させた後、該固体電解貿粒子上に基材を積層し、該固体電解買粒子と該基材とを一体化させることを特徴とする、セパレータの製造方法。
  5. 前記固体電解質粒子を、粘着層を有する支持体の上に載せ、該粘着層に固定していない粒子を除去することで、前記支持体上に一層に配列させる、請求項4に記載のセパレータの製造方法。
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