JP7014940B2 - ロータリーポンプ - Google Patents
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Description
また特許文献1のポンプではローターの外形が円であり、主室の内周面もまた円であるためそのシール部は点となり、気密保持が線であるためシール性が低い。
また外側ローターと揺動片先端シールは常に接触する状態にあるが、この構造では双方の材質が同じであるため、双方が傷付き気密が更に損なわれる。
前述のように本発明適用前の揺動シール型ロータリーポンプでは、ローターが外側ローターと内側ローターに別れている。そして両ローターの間にグリス封入形のボールベアリングを配置しているため、常温においても、また特に高温に晒された場合、封入されたグリスがシールから外に滲み出てくる可能性が否定できない。また真空領域ではグリスを使用した場合、グリスが蒸発してトラブルとなる可能性がある。
本発明ではこの問題を解決すること及びコスト低減を目的として、一体物のローター外周面の一部を外周面の他の部分と違える(一部を真円からずらす)ことにより、ローターと駆動軸を一体化してローター側のシール部を線ではなく面とし、内部漏れを少なくして性能向上を図ったものである。好ましい形態では、ローター外周の一部を面とした上、その一部を自己潤滑性の部材とし、主室内周に対して面でシールし且つ主室内周に接触させる構造として、更に長寿命化を目的としてシール部材の一定量以上の摩耗を防止する構造としたものである。
このような形態を得る手法として、まず真円の形状のローターを形成し、その後D部に対応する部分を一部加工するようにする。
これもまた一体型ローターによって可能となったものである。
そしてコンプレッサでは11KW以上、そしてスクロール型では1.5KW~5.5KWの範囲である。
本発明では0.1KW~100KW以上の範囲が低コストで製作可能となる。また本発明ではスクリュー型と違いタイミングギアを使用していないため潤滑油を使用しない。従って潤滑油を管理する必要がなく、潤滑油によって周囲を汚すことが無い。
前述のように本発明のオイルフリー型ロータリーポンプによれば、低コスト・長寿命で小容量から大容量のオイルフリー真空ポンプ・ブロアー及びコンプレッサを提供することができる。
実線で示すローターの外周面の形状に注目されたい。この外周面は、全体的には点C’を中心とした半径RRの円に対応する。
しかし、Dで示す外周面の部分については、点C’とはオフセットした別の点Cを中心としたRCを半径とした円に対応する。この場合、半径RCを半径RRより大きくすることによりDの部分の曲率を大きくする。
このようにローターの外周面の一部が特定の範囲Dにおいて、ローターの他の部分と異なることから、主室内周面との間に間隙mを作り出し、面状のシールを可能とする。
例えば、Dの領域について、角度で10°~20°程度にすることができる。
また、一体型ローターとしたことによってDで示す外周面の部分について揺動片シール先端はRRで示す円上を通る。しかし、前述のようにローターの外周面はDの範囲は点Cを中心とした半径RCとしているので、Dで示す外周面の部分では揺動片シール先端とローターの外周面とは間隙が生じる。即ち、このことによってこの部分ではローターの外周に設けたシールと揺動片シール先端の接触による両シールの擦過によるダメージを避けることができる(図12・13)。
具体的に言うと、ローターの外周面を見るとDの部分については、他の部分よりも中心に向かって凹んだ形態である。従って揺動片シール先端が、ローターの外周面上、他の部分からDの部分に達するとき、Dの部分が他の部分よりも凹んでいることからローター側のシールと接触することがない。すなわち、揺動片シール先端は、Dの部分をスムーズに通り過ぎる。ここで、揺動片シール先端をよりスムーズに移動させるため、好ましくは、ローター側シールについて、半径RRの仮想の円よりも飛び出ないような設計にするとよい。これについては、後で述べる段付きピン(66)によるストッパ作用を利用することができる。
ローターと主室内周間のシールについてはローターの主室内周に接触する部分について、ローター側にシリンダ中心軸と平行に所要の幅で溝(61d,61e,61f)を設けて、自己潤滑性のある部材(61a,61b,61c)を遊嵌する(図9・10)。
次に前記溝にローター外方に付勢するための波型またはコイル型のバネ(64)等の弾性体を配置し、段付きピン(66)で前記自己潤滑性部材が一定以上摩耗しないための構造とする(図3)。但し、ローターシールは回転時に揺動片出入口に引っかかるのを防止するため装着時にストッパが働いた状態とし、ローターシール外周が主室内周(RR)と同一寸法となるようにすることが必要となる。そして、このことによってローターシールは主室内周と接触しても焼損には至らず、隙間を無くして運転が可能になることで内部漏れを低減でき、性能向上を図ることができる。
内側・外側分離型ローターを一体型ローターにすることにより、前述のほかに
1. 一体型により部品点数を少なくし、製作コストを下げることができる。
2. 分離型ローターではローター外周と主室内周の気密は線であったが、一体型では隙間を無くして且つ面でのシールとすることができるので気密性を高めることができ、性能を向上させることができる。
3. この隙間はローター、揺動片、主室内周で構成する圧縮行程が終了した後に発生するので性能低下とはならない。
揺動片とローター外周間のシールについては揺動片(24a,24b,24c)先端にシリンダ中心軸と平行に所要の幅で溝(24g,24h,24i)を設けて、自己潤滑性のある部材(72a,72b,72c)を遊嵌する(図4・5)。
次に前記溝にローター外周に付勢するための波型(76)またはコイル型のバネ(64)等の弾性体を配置し(図4)、溝側及び自己潤滑性部材側双方を段付き構造(図5)とし前記自己潤滑性部材が一定以上摩耗しないための構造とする(図6・7)。但し、揺動片先端シールは同様にローターシールと干渉させないために、装着時にはストッパが働いた状態とすることが必要である。こうすることによって、揺動片先端シールとローター外周とが隙間なく運転ができ、なお且つ揺動片先端シールとローター外周との接触に柔軟性を持たせることが可能となることで性能向上を向上させることができる。
吸入圧力が大気圧で吐出圧力が正圧の場合、即ちコンプレッサの圧力領域では第1副室(14a)と第2副室(14b)及び第2副室(14b)と第3副室(14c)、第1副室(14a)と大気との間には圧力差が発生する。従って前記の3カ所は漏洩防止装置が必要となる。また、本発明のポンプを真空ポンプとして使用する場合も同様に第1副室(14a)と第2副室(14b)及び第2副室(14b)と第3副室(14c)、第1副室(14a)及び第3副室と大気との間には圧力差が発生する。
そこで揺動軸も仕切り板(18a)と仕切り板(18b)及び側板(30)に対してシールをする必要がある。
次に吸入圧力が真空で吐出圧力が大気圧の場合即ち真空ポンプの圧力領域ではでは第1副室(14a)と第2副室(14b)及び第2副室(14b)と第3副室(14c)、第3副室(14c)と大気圧との間に圧力差が発生する。
そこで揺動軸も仕切り板(18a)と仕切り板(18b)及び側板(30、32)に対してシールをする必要がある。
そしてシールリング溝を揺動軸側に形成する場合(図16)と、シールリング溝を側板及び仕切り板側に形成する場合(図17)を提示した。
しかし、揺動軸は揺動運動をするためシールリングの中心が揺動軸と同じだとシールリングは仕切り板または側板との摩擦によって回されてトラブル発生の原因となる。
本発明ではこの問題の解消を目的としてシールリングを揺動軸の中心と一致させずに、偏心させることでこの問題を解消させた(図14、15、16、17)。
具体的には、図16に示すように、揺動軸(22)の中心C1に対し、揺動軸シール(74)の中心C2をオフセットすることにより、揺動軸(22)とそれに保持される揺動軸シール(74)とが常に一体に動くようになっている。尚、揺動軸シール(74)については(図14)に示すように、合口の無い形態、或いは、図15に示すように、合口のある形態にすることができる。また、揺動軸シール(74)を側板(30、32)及び仕切り板(18a,18b)側に配置することもできる。
そしてシールリングの摩耗を一定量とするため、シールリングを段付きとしストッパ板(80)で摩耗を停止させる構造とした(図16、17・18、19)
14a,14b,14c 副室
17 プーリ
18a,18b 仕切り板
20 駆動軸
21a,21b,21c ローター
21d,21e,21f ローター外周
22 揺動軸
24a,24b,24c 揺動片
24g,24h,24i 揺動片先端溝
25 バランス・ウエイト
27 上蓋
28a,28b,28c 吸入口
29a,29b,29c 吐出口
30a,30b,30c 主室
30 側板a
32 側板b
33a,33b,33c 圧縮室
61a ローターシール(a)
61b ローターシール(b)
61c ローターシール(c)
61d,61e,61f ローターシール溝
62a,62b,62c ローター外周RC部
64 付勢用コイルバネ
66 ローターストッパピン
72a 揺動片先端シール(a)
72b 揺動片先端シール(b)
72c 揺動片先端シール(c)
73a,73b,73c 揺動片先端シール先端
74 揺動軸シール
75 揺動軸シール溝
76 揺動片先端付勢バネ
79 付勢波型バネ
80 摩耗防止板
m 主室内周面とローター外周面との間隙
B ローター外周RC部中間位置
C 半径RCの円の中心
C’ 半径RRの円の駆動軸の中心
C1 揺動軸77の中心
C2 揺動軸シール74の中心
D ローター外周RC部範囲
E 揺動片先端部― ローター外周RC部最大隙間
EAS 揺動片先端シール装着時隙間
ERS ローターシール装着時隙間
ES1 揺動軸シール装着時隙間
RC シリンダ内周半径
RE ローター偏心量
RR ローター外周半径
Claims (3)
- 圧縮室を区画するための主室及びその主室に隣り合い、主室に連結する副室ならびに気体を取り入れる入口及び圧縮室の圧縮気体を取り出す出口を含むケーシングと、
主室内に位置し、駆動軸に偏芯された状態で支持され、その外周面の一部がローターシール部となるローターであって、そのローターは一体物であり、かつ、その外周面の一部が外周面の他の部分と異なる形状であり、前記ローターシール部が、前記主室の内周面に対して僅かな間隙を保持し、前記ローターと前記主室の内周面との間に、その周方向に面状に広がるローターと、
副室内に位置する搖動軸に支持され、一端が主室内に延びる搖動片を備え、主室の内周面、ローター及び搖動片によって圧縮室を区画するロータリーポンプであって、
前記搖動軸は、側板及び仕切り板とのシール部において、前記搖動軸に対して偏芯した円筒状の溝を形成し、円筒状のシールリングは前記側板及び仕切り板に対して弾性的に付勢されており、段付き部を設けて摩耗防止板により摩耗が一定以上進行しない摩耗防止構造となっていることを特徴とするロータリーポンプ。 - 圧縮室を区画するための主室及びその主室に隣り合い、主室に連結する副室ならびに気体を取り入れる入口及び圧縮室の圧縮気体を取り出す出口を含むケーシングと、
主室内に位置し、駆動軸に偏芯された状態で支持され、その外周面の一部がローターシール部となるローターであって、そのローターは一体物であり、かつ、その外周面の一部が外周面の他の部分と異なる形状であり、前記ローターシール部が、前記主室の内周面に対して僅かな間隙を保持し、前記ローターと前記主室の内周面との間に、その周方向に面状に広がるローターと、
副室内に位置する搖動軸に支持され、一端が主室内に延びる搖動片を備え、主室の内周面、ローター及び搖動片によって圧縮室を区画するロータリーポンプであって、
前記搖動軸は、側板及び仕切り板とのシール部において、側板及び仕切り板に対して偏芯した円筒状の溝を形成し、円筒状のシールリングは前記搖動軸に対して弾性的に付勢されており、段付き部を設けて摩耗防止板により摩耗が一定以上進行しない摩耗防止構造となっていることを特徴とするロータリーポンプ。 - 前記円筒状のシールリングは切断の無い円筒状を成し、内径に対しては隙間を無くして側板または仕切り板に対して付勢をすることで漏洩を防止する構造とし、段付き部を設けて摩耗防止板により摩耗が一定以上進行しない摩耗防止構造となっていることを特徴とする請求項1に記載のロータリーポンプ。
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- 2017-09-12 JP JP2017174634A patent/JP7014940B2/ja active Active
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