JP7014799B2 - ガイド片とフライスのシステム - Google Patents

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Description

本発明は、歯科分野で使用するためのガイド片及びフライス、特に骨プロファイラ用フライス工具のシステムに関する。
患者の口腔内の1つ又は複数の歯を交換するために歯科インプラントを使用する。インプラントには、2つの必須の部分、即ち、係留部と支台部がある。係留部は骨に埋め込まれ、そこで骨組織と骨結合して補綴物を堅固に固定する。支台は口腔内に延び、補綴物を支える。所望の補綴要素(例えばブリッジ又はクラウン)を支台全体にわたって固定する。
インプラントは、係留部と支台部とが一体の部品として製造されるように、一体的に構成することができる。しかし、インプラントを2つ以上の部品で構成することの方が多く、その場合、インプラントは、少なくとも単独でインプラントと呼ばれる少なくとも1つの係留部品と、スペーサと呼ばれることもある別の支台とから構成される。そのような二部構成インプラントは、歯科医にさらに柔軟な治療選択肢を提供するため、一般に好ましいものである。係留部品は、通常、骨に完全に埋め込まれる、即ち、歯槽頂の高さまで埋め込まれるか、歯槽頂から軟組織内に数ミリメートル突出する。支台は、係留部品が骨に組み込まれた(骨結合された)後、あるいは係留部品が挿入された直後に、係留部品に直接的又は間接的に取り付けられる。支台はこのほか、挿入の前に係留部品に取り付けることができる。ほとんどの場合、支台は骨結合の後まで取り付けられない。そのような場合、インプラント部位への軟組織の侵入を防止するために、骨結合プロセス中に治癒キャップと呼ばれる部品が係留部品に取り付けられることが多い。最終補綴物を準備する過程では、いくつかの他の周知の部品を印象キャップ又はポスト及び一時的な支台などの係留部品に取り付けることが多い。
本明細書の残りの部分では、特に断らない限り、一部構成インプラントと二部構成インプラントを区別するために、用語「インプラント」は多部構成インプラントの係留部品を指すのに使用されるのに対し、用語「一体型インプラント」又は「一部構成インプラント」は、一体的な係留及び支台部を指すのに使用されることになる。
全体的に骨の内部に配置されるように設計され、その結果、患者の顎骨の上部で終端するインプラントが、「骨レベル」インプラントとして知られている。
骨レベルインプラントが骨内に配置されると、骨がインプラントの頂部より上に延びる可能性がある。これは、例えば、インプラントの配置が深すぎるため、骨稜が不均一であるため、あるいはインプラントが顎の中に斜めに配置される場合に発生することがある。インプラントの上方の骨は、支台をはじめとする部品(例えば、治癒キャップ、印象ポスト)のインプラントへの適正な取り付けを妨げる可能性がある。
このため、治癒キャップ、補綴部品、印象コーピング及び一時的な支台及び最終的な支台の適切な着座を可能にするために、インプラントの冠状縁の上方の骨を成形するために骨プロファイラを使用することが知られている。
公知の手順によれば、骨プロファイラの経路を案内するために案内シリンダがインプラントに接続される。案内シリンダは、インプラントから冠状に同軸に突出する中実の円筒形本体を備える。骨プロファイラは、冠状方向外側に向かって先細になっている円錐状フライス削りビットを備える。フライス削りビットは中心空洞を有する中空である。中心空洞は、骨プロファイラを案内シリンダと位置合わせするために、案内シリンダの円筒形本体全体に嵌合するように寸法決めされる。このようにして、骨プロファイラはインプラントに対して正確に位置決めすることができ、インプラントの冠状縁の上方の円錐形の体積の骨を取り除くことができる。案内シリンダの停止肩部が、フライス削りビットを挿入することができる深さを制限し、ひいてはインプラントを保護する。
従来の歯科用語によれば、「先端」は骨に向かう方向を指し、「冠状」は歯に向かう方向を指す。このため、部品の先端部は、使用時に顎骨の方を向く端部であり、冠状端部は口腔の方を向く端部である。
特許文献1(米国特許第5,782,636号明細書)は、埋め込まれた歯科用インプラントを囲む骨組織を除去するための骨輪郭形成工具を開示する。輪郭形成工具は一端に形成された切削刃手段と、輪郭形成工具と一体的に形成され、この切削刃手段の下方に延びるパイロットピンとを有する。パイロットピンは、輪郭形成工具を歯科インプラントと一直線上に並べ、骨組織の除去の間にこのインプラントの周囲に切削刃手段を案内するために、インプラントの中に挿入可能である。その後、パイロットピンと輪郭形成工具が同時に取り外される。
歯科用インプラントの分野では、天然歯の形状、例えば、楕円形、三角形などをさらに正確に模倣する断面を有する支台をはじめとする部品を提供する動きがある。しかし、既存の骨プロファイラは、(それ自体がインプラントと同軸である)案内シリンダの長手方向軸回りに円形対称の穴を形成することしかできない。その結果、非円形対称の支台をインプラント上に配置しようとする場合、既存の骨プロファイラによって準備された穴は支台形状と一致せず、支台又は他の解剖学的形状の部品をインプラント上に配置可能にするために余分な骨を取り除く必要がある。非対称インプラント(一体型又は多部構成のいずれか)を配置するために骨に孔を形成するときにも同様の問題が存在する。
米国特許第5,782,636号明細書
このため、非円形対称歯科用部品に適合するように骨内に非円形対称穴を形成することを可能にするフライスを提供する必要がある。
この目的は、請求項1の少なくとも好ましい実施形態によるシステムによって達成される。
一態様によれば、本発明は、フライスとガイド片とを備えるシステムを提供する。フライスは、長手方向軸線に沿って延びる細長いシャフトと、骨組織を除去するための少なくとも1つの周方向に配置された切れ刃を備えるフライス加工部を有する遠位端部分とを備える。ガイド片は、ガイド片を支持構造体に解放可能に固定する固定要素と、長手方向軸線とを有する。ガイド片及びフライスの遠位端の一方は、ガイド片及びフライスの遠位端の一方の長手方向軸線と同軸の中心軸線を有するヘッドを備え、ガイド片及びフライスの遠位端の他方は、ガイド片及びフライスの遠位端の他方と同軸の中心軸線に沿って延びる内部空洞を備える。このヘッドは、ヘッドの軸平面にて凸状に丸みを帯びた軸受面を有するガイド部分を備え、この空洞は、空洞の軸平面にて凹状である当接面を有する案内部分を備える。この軸受面と当接面はその中心軸回りに円形対称である。空洞はヘッドのガイド部分を受容するような大きさと形状であり、その結果、凸状に丸みを帯びた軸受面と凹状当接面は、ヘッドと空洞との間でのその中心軸線回りの相対回転運動と、ガイド片の長手方向軸線に対するフライスの長手方向軸線の旋回とを同時に可能にするように、互いに接触する。
このため、本発明は、円筒形ガイドではなく、ガイドとフライスとの間の玉継ぎ手接続が設けられる新しい形態の誘導を備えたフライスシステムを提供する。フライスとガイド片の一方、例えば、ガイド片は、凸状に丸みを帯びた軸受面を有するガイド部分を備えるヘッドを備えるのに対し、他方の部品、例えば、フライスは、内部空洞であって、ヘッドのガイド部分が内部空洞内に配置されるようにヘッドのガイド部分全体にわたって配置することができる内部空洞を備える。この係合位置では、即ち、内部空洞の凹状の当接面がヘッドの凸状の軸受け面に当接するようにヘッドのガイド部分が内部空洞内に受容される場合には、フライスはその長手方向軸線回りに回転し、同時に、ガイド片の長手方向軸線周りを旋回することができる。このため、ヘッド及び空洞は、歯科医が骨内に非円形対称の穴を形成することを可能にするための玉継ぎ手として作用する。フライスの旋回自由度のおかげで、骨に形成された穴は、その長手方向軸線回りに円形対称ではない部品を含む任意の歯科用部品の輪郭に実質的に一致するように個々に調整することができ、その結果、歯科用部品は穴に適切に篏合する。言い換えれば、円形対称の穴だけでなく、例えば楕円形又は不規則な断面を有する穴もフライス加工することができる。さらに、本発明のシステムによってフライス加工された孔の深さは、ガイド片の長手方向軸線からのフライスの角度ずれの程度に応じて、ガイド片の長手方向軸線周りに変化することがある。特定の例を挙げると、本発明のシステムは、歯医者が楕円形の断面を有する穴を骨に切削加工することを可能にし、その穴は頬側及び/又は舌側の領域にて骨にさらに深く切削加工される。
本発明によれば、内部空洞は、空洞の凹状当接面がヘッドの凸状軸受面に当接し、同軸受面に対して回転可能かつ旋回可能に移動可能であるように、ヘッドのガイド部分を収容するような大きさ及び形状である。本発明の文脈において、フライスの回転に対する言及は、フライスの長手方向軸線回りの回転を意味するのに対し、旋回又は旋回運動に対する言及は、ガイド片の長手方向軸線に対するフライスの長手方向軸線の角度ずれを意味する。
軸受面と当接面の両方がその中心軸線回りに円形対称であるため、ヘッドと空洞との間の相対回転運動が可能になる。このため、両面は、互いに接触したままで、それぞれの中心軸線回りを自由に回転することができる。
ガイド片に対するフライスの旋回運動は、ヘッドの軸平面内、即ち、ヘッドの中心軸線と同一平面内にある軸受面の凸状に丸みを帯びた断面によって可能になる。これにより、軸受面と当接面とが互いに接触している間に、フライスがガイド片に対して旋回することが可能になる。
いくつかの実施形態では、軸受面と当接面の一方又は両方が、その中心軸線回り及び/又はその中心軸線と同一平面内で不連続であってもよい。即ち、軸受面及び/又は当接面はそれぞれ、溝、刻み目などによって中断されてもよく、その結果、軸受面及び/又は当接面は、ヘッドのガイド部分上又は空洞の案内部分上の周方向及び/又は軸線方向に離間した点又は区画によって形成される。
周方向に不連続な軸受面及び/又は当接面を、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形又は八角形などの多角形の断面をその中心軸線に直交する平面(横断面)に有するヘッドのガイド部及び/又は空洞の案内部分によって設けることができる。これとは別に、周方向に不連続な面を、例えば、その中心軸線直交する断面、Torx(登録商標)又は「自転車用スポーク」断面を有するヘッドのガイド部分及び/又は空洞の案内部分によって形成することができる。そのような断面は、ガイド部分及び/又は案内部分の表面上の複数の周方向に離れた点又は区画によって形成された周方向に不連続な軸受面及び/又は当接面を提供する。上記の断面形状は、軸受面の場合、ヘッドのガイド部分の輪郭に関連するのに対し、当接面の場合、空洞の案内部分の周方向の境界に関連する。
軸方向に不連続な軸受面及び/又は当接面を、例えば、ヘッドのガイド部分及び/又は空洞の案内部分であって、その中心軸線と同軸の平面内に切子面付き又は段付きの輪郭を有する部分によって設けることができる。そのような断面は、ガイド部分及び/又は案内部分の表面上の複数の軸方向に離間した点又は区画によって形成された軸方向に不連続な軸受面及び/又は当接面を提供する。軸受面の場合、このような離間した点又は区画は、軸受面の凸状に丸みを帯びた性質が維持されるように円弧上に存在する。当接面の場合、軸方向に離間した点又は区画は円弧上に存在することができるか、これとは別に、例えば、円錐又は円柱又は他の凹形状上に点を形成してもよい。
軸受面は不連続であり得るため、ヘッドのガイド部分の多くの幾何学的形態が可能である。例えば、ヘッドのガイド部分は、その中心軸線に直交する平面内で八角形又は他の多角形の断面(横断面)と、ヘッドの軸平面の円弧形、嵌め込み式、段付き又は切子面付きの断面とを有することができる。これとは別に、ヘッドのガイド部分は、例えば、星形、花形又は「自転車の車輪」形の横断面を有する横断面を形成するように、さまざまな形状の網目状物(webbing)によって接合された多数の周方向に離間して半径方向に延びるスポークによって形成されてもよいのに対し、スポークの軸方向の断面は、円弧形、はめ込み式、段付き又は切子面付きの形状にすることができる。ヘッドのガイド部分が、円弧状の軸方向断面を有するスポーク又は多角形断面を備える場合、概ね「傘」形状を有すると言える。ヘッドのガイド部分が、嵌め込み式軸方向断面を有するスポーク又は多角形断面を備える場合、概ね「松かさ」形状を有すると言える。ヘッドがガイド片上に形成され、ガイド片の固定部品がネジ山を備える場合、ガイド片を回転させ、支持構造体に装着するためにスポーク間に形成された溝が適切な工具によって係合可能である可能性があるため、横断面にて半径方向に延びるスポークを備えるヘッドが有利であることがある。
このほか、当接面は不連続であることがあるため、空洞の案内部分の多くの幾何学的形態が可能である。ヘッドのガイド部分と同じように、空洞の案内部分は、その中心軸線に直交する平面内の八角形をはじめとする多角形の断面(横断面)と、空洞の軸方向面内の円弧形、嵌め込み式、段付き又は切子面付きの断面を有してもよい。これとは別に、空洞の案内部分は、軸方向及び/又は周方向に延びる溝によって中断された概ね球形、トロイダル形、円形、円筒形又は円錐形の表面を有してもよい。
軸受面及び/又は当接面が不連続である場合、当然ながら、ヘッドのガイド部分の軸方向範囲にわたって、軸受面がヘッドの最も外側の半径を形成し、空洞の案内部分の軸方向範囲にわたって、当接面は空洞の最も内側の半径を形成することが不可欠である。これにより、軸受面と当接面とが互いに接触し、その所与の機能、即ち、相対回転運動及び相対旋回運動を確実なものにする。
軸受面と当接面の両方がその中心軸線回りに不連続である実施形態では、両面は、両面が互いに対して完全に1回転する過程で、両面間の接触がその円周上のある点で常に維持されるように設計されることが好ましい。これは、例えば、軸受面の各セクションの周方向の広がりが当接面のセクション間の距離の周方向の広がりよりも大きいことによって達成することができる。これにより、回転中に、軸受面と当接面とが常に接触しているため、さらに良好な誘導が作り出される。
好ましくは、ヘッドのガイド部分又は空洞の案内部分の少なくとも一方が、その中心軸線回りに円形対称であり、このため、その中心軸線の周りに連続する軸受面又は当接面をそれぞれ形成する。そのような連続的な円形対称の軸受面又は当接面を提供することによって、フライスの回転中に両面間の滑らかな接触を維持することができ、ガイド片上でのフライスの跳ね、ぐらつき又はがたつきを防止する。
一般に、さらに滑らかな誘導を作り出すためには、当接面と軸受面との間にさらに多くの接触点があることが好ましい。このため、当接面がその中心軸線回りで連続的であり、軸受面が多角形の横断面を有するガイド部分によって形成されるか、あるいはその逆の場合、多角形の横断面を有する案内部分では、八角形又は十角形が三角形などに優先されるであろう。
しかし、最も好ましくは、ヘッドのガイド部分と空洞の案内部分の両方がその中心軸線回りに円形対称であり、このため、その中心軸線回りに連続する軸受面と当接面をそれぞれ形成する。これにより、ガイド部分及び案内部分の全周にわたって最良の面対面接触が得られるため、フライスへの最適な回転誘導が得られる。
フライスとガイド片との間に円滑な旋回運動を提供するために、当接面又は軸受面の少なくとも一方が、空洞の案内部分又はヘッドのガイド部分の軸方向範囲にわたる軸平面ではそれぞれ連続していることが好ましい。言い換えれば、軸受面は、ヘッドのガイド部分の近位端と遠位端との間でヘッドの軸平面にて連続面を形成し、及び/又は当接面は、空洞の案内部分の近位端と遠位端との間の空洞の軸平面にて連続面を形成する。最も好ましくは、軸受面と当接面の両方がそれぞれ、ヘッドのガイド部分及び空洞の案内部分の軸方向範囲にわたってそれぞれの軸平面にて連続している。これは、可能な限り最良の面対面接触を提供し、ひいてはフライスへの最適な旋回誘導を提供する。
本発明によれば、ヘッドの軸受面は、ヘッドの軸平面内、即ちヘッドの中心軸線と同一平面内に凸状に丸みを帯びた断面を有する。軸受面が例えば楕円形の軸方向断面を有することは可能であるが、ヘッドの軸平面における軸受面の断面は半径rを有する曲率円弧を形成することが好ましい。これにより、ガイド片上でのフライスの移動の自由度を最大にすることができる。そのような実施形態では、曲率円弧がヘッドの中心軸線を中心とすることは必須ではない。その代わりに、曲率円弧の中心は中心軸線から半径方向にずらすことができ、その結果、軸受面はトロイダル形状であり、即ち、トーラスの一部を形成する。しかし、簡略化するために、軸受面の曲率円弧はヘッドの中心軸線を中心とすることが好ましい。これにより、協働する軸受面及び当接面を設計するときに考慮しなければならない設計上の考慮事項の数が軽減される。
いくつかの実施形態では、これまでに考察したように、軸受面はヘッドの軸平面にて不連続であってもよい。しかし、好ましくは、軸受面はガイド部分の軸方向範囲にわたってヘッドの軸平面にて連続的である。これは、製造を容易にし、ガイド部分の軸方向範囲にわたって連続的な旋回ガイド面を提供する。このため、そのような実施形態では、ヘッドのガイド部分は、ヘッドの軸平面内に凸状に丸みを帯びた断面を有し、好ましくは半径rを有する曲率円弧を形成する。
製造を容易にし、最も滑らかな誘導を確実にするために、軸受面はその中心軸線回りでヘッドのガイド部分の軸方向範囲にわたって連続的であることが好ましい。これは、例えば、球形又はトロイダル形状を有するヘッドのガイド部分によって達成することができる。
特に好ましい実施形態では、ヘッドのガイド部分は球形であり、このためガイド部分の軸方向範囲にわたって球形の軸受面を形成する。ヘッドのガイド部分は、半球などの球状キャップの形態をとることができる。そのような実施形態では、ガイド部分、ひいては軸受面は、丸いドームを形成する。しかし、ヘッドのガイド部分は、球状区画、即ち、二つの平行な平面内に含まれる球の表面を、球が先端方向にも冠状方向にも切頭されるように形成することが好ましい。このため、この実施形態では、ガイド部分、ひいては軸受面は、球形の円錐台又は円錐台形である。これにより、ガイド部分の高さが低くなる。さらに、ヘッドがガイド片上に形成されるとき、球形区画の形態のガイド部分が、ガイド片の冠状端に、以下でさらに考察するように、ネジ回しと協働するための駆動凹部を形成するか、貫通孔の冠状端部を形成するために使用することができる領域を作り出すことができる。
本発明によれば、空洞の案内部分の当接面は、空洞の軸平面、即ち、空洞の中心軸線と同一平面にて凹状である。いくつかの実施形態では、当接面は、例えば、円錐形又は円筒形の軸方向断面を備えてもよい。そのような当接面は、ヘッドの丸みを帯びた凸状の軸受面に対して空洞を回転させて旋回させることができるが、それでもなお、空洞の当接面は、空洞の軸平面にて凹状に丸みを帯びていることが好ましい。言い換えれば、当接面は、丸みを帯びた凹状の軸方向断面を有する。これにより、軸受面と当接面との間の面接触が大きくなり、このため動作中のフライスのさらに良好な誘導が得られる。
ヘッドの軸受面と空洞の当接面は、それぞれの軸平面にて一致する曲率を有することが好ましい。このようにして、両面は互いに正確に接触することができ、フライスの円滑な旋回誘導をもたらす。
これまでに考察したように、当接面は、空洞の案内部分の軸方向に離間した点又は区画によって形成されるように、軸平面にて不連続であることがある。しかし、当接面は、空洞の案内部分の軸方向範囲にわたって軸平面にて連続的であることが好ましい。
製造を容易にし、最も円滑な誘導を確実にするために、当接面は、その中心軸線回りで空洞の案内部分の軸方向範囲にわたって連続的であることが好ましい。これは、例えば、円形、円筒形、球形、トロイダル形又は円錐形の形状を有する空洞の案内部分によって達成することができる。
これまでに考察したように、好ましい実施形態では、空洞の当接面は、ヘッドの軸受面と一致する曲率を有する。このため、特に好ましい実施形態では、空洞の案内部分とヘッドのガイド部分とは、一致する球形又はトロイダル形状を有する。
好ましい一実施形態では、空洞の案内部分は、球形であるため、案内部分の軸方向範囲にわたって球状の当接面を形成する。この実施形態では、ヘッドの軸受面は、好ましくは、一致する凸球面曲率を有する。好ましくは、案内部分は凹状の球形キャップ、好ましくは半球を形成する。この実施形態では、軸受面は不連続であっても連続球形キャップを形成してもよいが、好ましくは、上記のように、ヘッドのガイド部分、ひいては軸受面は球形区画を形成する。
本発明によれば、空洞及びヘッドはガイド片又はフライスのいずれかに配置することができる。空洞及びヘッドの中心軸線は、中心軸線が配置されているどの部品の長手方向軸線とも同軸である。例えば、ガイド片は内部空洞を備えてもよい。この場合、空洞の中心軸線はガイド片の長手方向軸線と同軸である。そのような実施形態では、フライスの遠位端はヘッドを備え、ヘッドの中心軸線はフライスの長手方向軸線と同軸であることになる。
しかし、好ましくは、フライスの遠位端はフライスの長手方向軸線と同軸の中心軸線に沿って延びる上記の内部空洞を備えるのに対し、ガイド片はガイド片の長手方向軸線と同軸の中心軸線を有するヘッドを備える。この構成は、結果として生じる玉継ぎ手がフライスの遠位端内に配置されることを可能にし、このため少なくとも1つの切れ刃がシステムの旋回点と軸方向に重なる。空洞がガイド片内に配置される代替実施形態では、(少なくとも1つの)切れ刃は旋回点の上方、即ち、旋回点の冠状部に位置することになる。これにより、フライスと骨の接触量を減らすことができる。この実施形態では、これを補償し、骨との接触深さを増大させるために、ガイド片及び支持構造に対して旋回点を低くする、即ち、いっそう先端寄りに配置する必要がある。しかし、多くの好ましい実施形態では、以下で考察するように、ガイド片は使用中に歯科用インプラントに固定されるか、そのようなインプラントを収容するように寸法決めされた予め掘削された穿孔内に固定される。このようなインプラント、ひいてはその調節孔は、必然的に小さな直径を有する。このため、空洞がガイド片の先端に配置されている場合、空洞に利用可能な設置面積は小さく、構造的に弱い玉継ぎ手をもたらす可能性がある。このため、フライスの遠位端に空洞を形成し、ガイド片上にヘッドを形成することによって玉継ぎ手をフライス内に配置することが好ましい。
本発明によれば、フライス加工部は、骨組織を除去するための少なくとも1つの周方向に配置された切れ刃を備える。好ましくは、フライスの切削能力を高めるために、フライス加工部は、骨組織を除去するために周方向に配置された複数の切れ刃、最も好ましくは周方向に等間隔に離間した2~8個の切れ刃を備える。
フライス加工部は、フライスの軸平面内で円筒形又は円錐形であるか、丸みを帯びたものであることがある。好ましくは、フライス加工部は、少なくとも1つの周方向に配置された外側切れ刃であって、近位方向にて半径方向外向きに先細になる切れ刃を有するフライスの遠位先端に配置された第1の切削セクションを備える。そのような切削セクションは骨に先細穴を形成することを可能にする。これは、フライスが歯槽頂に向かって外側に先細になる穴を切削加工することを可能にするため有益である。これは、結果として生じる孔内に着座している歯科用部品がさらに自然な「出現プロファイル」を有することを可能にする。さらに、第1の切削セクションの先細構成は、フライス削り作業中に骨片を切削部位から除去することを可能にする。これは、骨組織の切削加工中に外科医に妨げのない視野を提供するのを助け、さらに望ましくない発熱を最小限に抑えるのを助ける。フライスの主な機能は、予め掘削された穴周りの骨を除去することであり、このため、(少なくとも1つの)切れ刃はフライス加工部の円周上に配置されるが、少なくとも1つの切れ刃がフライスの遠位端に形成されることが好ましい。これは、フライスの旋回中に骨を取り除くのに役立つ。
フライス加工部はこの第1の切削セクションのみを備えることができるが、フライス加工部は好ましくは第1の切削セクションに隣接して近位側に配置された第2の切削セクションをさらに備える。第2の切削セクションは、第1の切削セクションと同じ数の周方向に配置された外側切れ刃を有する。ここで、第2の切削セクションの(少なくとも1つの)外側切れ刃は、第1の切削セクションの(少なくとも1つの)切れ刃の連続体を形成する。第2のセクションの少なくとも1つの外側切れ刃は、第1の切削セクションの少なくとも1つの切れ刃よりも外向きの傾斜が緩いか、内向きに傾斜する、即ち、近位方向に半径方向内向きに延びるか、あるいはフライスの長手方向軸線に平行に延びる。そのような第2の切削セクションは、フライスがガイド片上で旋回するときに半径方向の余分な量の骨が除去されるのを回避しながらフライスの切削長さを増大させる。最も好ましくは、第2の切削セクションの少なくとも1つの切れ刃は、フライスの長手方向軸線と平行に延びる。これは製造を簡単にする。しかし、代替実施形態では、第2の切削セクションの少なくとも1つの切れ刃は近位方向に内向きに先細になっている。これにより、作成された穿孔を最適に制御できる。
本発明によれば、ヘッドのガイド部分が空洞内に受容されている間、ガイド片に対するフライスの回転運動及び旋回運動が可能となるように、軸受面と当接面とが互いに接触する。好ましくは、この係合位置では、フライスの長手方向軸線は、ガイド片の長手方向軸線に対して鋭角α、好ましくは1°~180°、さらに好ましくは15°~45°、最も好ましくは55°~65°を成す程度まで旋回可能である。
ガイド片に対するフライスの過度の旋回を防止するために、フライスとガイド片とは、互いに協働する停止面であって、互いに接触したときに、ガイド片に対してフライスがさらに回転運動するのを防止する停止面を備えることが好ましい。
これは、例えば、ヘッドのガイド部分の遠位端に軸方向に延びる突起を設けることによって達成することができる。この実施形態では、空洞は、そのガイド部分の近位に、突起よりも大きい直径を有するチャンバをさらに備える。係合位置では、突起はチャンバ内に収容される。フライスがガイド片の長手方向軸線から離れるように旋回されると、突起はチャンバに対してチャンバ内で移動する。フライスの長手方向軸線とガイド片の長手方向軸線との間のずれの角度が所定の限界に達すると、突起はチャンバ壁に当接し、それ以上の旋回を阻止する。
しかし、この形態の内部停止面は、空洞の中空領域を増加させ、ひいては空洞が配置されている構造体(ガイド片又はフライス)を弱める。さらに、そのようなチャンバを作成することは、空洞の製造上の複雑さを増大させる。このため、一般に、本発明に関しては、ヘッドのガイド部分はヘッドの最遠位端に配置され、空洞の案内部分は内部空洞の最近位端に配置されるのが好ましい。同じ理由で、これとは別に、あるいはこれに加えて、空洞の案内部分の遠位端は、内部空洞の最遠位端に配置されるのが好ましい。このため、好ましい実施形態では、当接面は空洞の軸方向範囲全体にわたって延びる。これまでに考察したように、空洞の当接面のための好ましい形状には球形キャップが挙げられる。このため、好ましい一実施形態では、空洞は全体として凹形の球形キャップを形成する。
誤解を避けるために、本明細書を通して、ガイド片及びフライスの「遠位」端への言及は、協働する部品(即ち、ガイド片及びフライスの他方)に使用時に最も近い端部を指すのに対し、「近位」端とは、当該部品の反対側の離れた端を指す。
空洞の案内部分が内部空洞の最近位端に配置される実施形態では、それでもなお、停止面を空洞内に形成することが可能である。例えば、軸受面と当接面の両方が、球形区画又はトロイダル区画と一致することによって形成されてもよい。即ち、両面は、2つの平行な平面の間にある球形又はトーラス形状の表面を有する。しかし、当接面の近位端は、軸受面の遠位切頭面よりも中心から遠い基礎球体又はトーラスの一点で切頭される。このため、空洞は、近位切頭平面に相当する空洞の近位面が、遠位切頭平面に相当するガイド片の遠位端と接触するまで、軸受面上で旋回することができる。
しかし、好ましい実施形態では、ヘッドは、ガイド部分の近位に、環状肩部を備える。この環状肩部は、ガイド部分の最大直径よりも大きい直径を有して遠位方向を向く第1の停止面を提供する。環状肩部はヘッドの中心軸線に直交することが好ましいが、先細形状であるか湾曲していてもよい。さらに、空洞の遠位端から半径方向外向きに延びる第2の停止面が設けられる。第2の停止面は、空洞の中心軸線に直交することが好ましいが、これも先細形状であるか湾曲していてもよい。第1及び第2の停止面は協働して、フライスがガイド片に対して旋回できる程度を制限する。フライスがガイド片の長手方向軸線から離れるように旋回すると、ヘッドの停止面と空洞に関連する停止面とは、所定の角度で、互いに当接して、さらに旋回運動をするのを妨げられるまで、接近することになる。ヘッドの遠位端と環状肩部との間の距離は一般に、内部空洞の深さよりも大きい。このように、フライスとガイド片とが係合位置にあり、ガイド片の長手方向軸線とフライスの長手方向軸線とが一直線上にある場合、第2の停止面は環状肩部と接触しないことになる。ガイド片回りでフライスを旋回させる(即ち、ガイド片の長手方向軸線に対してフライスの長手方向軸線を旋回させる)と、第2の停止面と環状肩部とが接触するまで、その間の最小距離が減少することになる。このため、環状肩部は、ガイド片に対するフライスの旋回角度を制限することができる。
環状肩部、あるいは半径方向に延在する停止面を設けることが好ましいという1つの理由には、環状肩部又は停止面を用いて、ガイド片が固定される支持構造体を保護することもできることが挙げられる。これは、支持構造体がインプラントである場合に特に重要である。このため、一実施形態では、ガイド片の停止面は、歯科用インプラントの冠状面に当接するような大きさ及び形状である下面であって、先端に面する下面を有することが好ましい。停止面の下面は、インプラントの冠状面を覆うことによって、インプラントをフライスの(少なくとも1つの)切れ刃から保護する。このため、ヘッド又は空洞がガイド片上に形成されるかどうかに応じて、この実施形態では、ガイド片は、環状肩部であって、その先端方向に面する下面がインプラントの冠状面に当接するような大きさ及び形状である環状肩部を備えることになるか、半径方向に延びる第2の停止面であって、この停止面の下面がインプラントの冠状面に当接するような大きさ及び形状である停止面を備えることになるかのいずれかである。
本発明によれば、ヘッドはガイド部分を備える。好ましい実施形態では、ヘッドは、ガイド部分に近位側で隣接して配置され、ガイド部分の近位端の直径よりも小さい直径を有し、それによってアンダーカットを形成する頸部分をさらに備える。アンダーカットは、ガイド片回りにフライスを旋回させるときにフライス加工部又はガイド片の遠位端が前進することができる追加の空間をガイド部分の近位側に提供する。頸部の側面は、いくつかの実施形態では、フライスの旋回運動を制限するための停止面として作用することができる。ここでは、直径の大きい頸部の方が、直径の小さい頸部よりも小さい角度にフライスの旋回を制限する。しかし、これまでに考察したように、ヘッドの停止面は環状肩部によって提供されることが好ましい。このため、特に好ましい実施形態では、ヘッドは、ガイド部分と、ガイド部分の近位端の直径よりも小さい直径を有してガイド部分に近位側で隣接する頸部とを備え、それにより、アンダーカットを形成し、この頸部に隣接して、ガイド部分の最大直径よりも大きい直径を有する環状肩部を形成する。特に好ましい実施形態では、このヘッドはガイド片上に配置される。
本発明によれば、ヘッドは、ガイド片を支持構造体に解放可能に固定する固定要素を備える。ガイド片の固定要素は、ガイド片を、下にある支持構造体に直接又は間接的に取り付けることを可能にする任意の要素であってもよい。
本発明のガイド片及びフライスは、例えば、不規則な形状のインプラントを収容するために骨に穿孔ときに使用され得る。そのような状況では、ガイド片は、事前に掘削された穿孔内と、楕円形、三角形をはじめとする不規則な頸部形状を有するインプラントを骨内に配置することができるように孔の冠状部分を広げるのに用いられるフライス内に固定される。そのような実施形態では、インプラントは一体型インプラントであるか、二部構成インプラントの係留部であってもよい。このため、このような実施形態では、固定要素はガイド片を骨の穿孔に解放可能に固定するように構成される。
しかし、好ましくは、本発明のガイド片及びフライスは、in-situ骨レベルインプラントの冠状部に位置する骨を成形するように構成される。そのような実施形態では、ガイド片の固定要素は、ガイド片をインプラントに解放可能に固定するように構成される。
多部構成インプラントの係留部品は、その冠状端に、システムの他の部品、例えば、支台を堅固に回転しないようにインプラントに固定可能にする接続手段を備える。ほとんどの場合、インプラントは、インプラントの長手方向軸線に沿って延びる開口部を備える。これとは別に、あるいはこれに加えて、インプラントの冠状端は、軸方向に突出するボスを備えてもよい。
そのようなボスを備えるインプラントと共に使用するように設計されたガイド片が、ガイド片をボスの上に位置決めすることを可能にする相補的な空洞を備える固定要素を備えてもよい。インプラント及びガイド片の設計に応じて、ガイド片は、摩擦篏合又はスナップ篏合(例えば、ボスが適切なアンダーカットを備える場合)又はセメントによってボス上に解放可能に保持することができる。
しかし、大部分の骨レベルインプラントは、軸方向に突出するボスを備えていない。
このため、好ましい実施形態では、ガイド片は本体部分を備え、本体部分は固定要素を備える。本体部分は、骨内の予め掘削された穿孔内に挿入されるように設計され得る。しかし、本体部分は、インプラントの開口部に挿入されるように設計されるのが好ましい。
固定要素は、インプラントの開口部とのスナップ嵌合又は摩擦嵌合を形成するための可撓性アーム、あるいはバヨネットロックを形成するための1つ又は複数の半径方向に延びるピンを備え得る。これとは別に、固定要素は、協働する先細部を有するインプラント開口部との摩擦嵌合を形成するための先細セクションを備えてもよい。しかし、好ましくは、固定要素は、インプラントへのネジ接続のためのネジ山セクションを備える。好ましくは、ネジ山セクションは雄ネジを備える。
上記の実施形態とは別に、ガイド片は、別個のネジ部品によってインプラントに締結できるように貫通孔を備えてもよい。この後者の変形例では、固定要素は、別個のネジがガイド片を貫通してインプラント内のネジ穴に螺合することを可能にする貫通孔を備える。ネジ座が貫通孔内又はガイド片の冠状端部内のいずれかに設けられる。
ガイド片が骨内への直接挿入を意図されている場合、本体部分はこのほか、部品の使用中に本体部分を骨に取り外し可能に固定するためにネジ山セクションをはじめとする固定要素、例えば、先細部を備えてもよい。
いくつかの実施形態では、ガイド片の本体部分は、回転防止機構、例えば、適合する回転防止機構、例えば、歯科用インプラントの開口部に設けられた八角形などの内部多角形と係合するための多角形断面を有する部分を備えてもよい。そのような実施形態では、固定要素はネジ山セクションを備えることができないが、例えばスナップ機構又は先細部を備えてもよい。これとは別に、回転防止機構がガイド片の本体に存在する場合、固定要素は上記のように貫通孔を備えることが好ましい。これにより、別個のネジ要素がガイド片を貫通して、ガイド片を歯科用インプラントに固定することが可能になる。
ガイド片の本体部分は、固定要素に対して冠状になっている円錐形部を備えてもよい。円錐形部は、本体部分からヘッド又は空洞への滑らかな移行部を提供することができる。ガイド片が内部空洞を備える場合、円錐形部は空洞を作り出すことができる容積を増大させることができる。
ガイド片がインプラントに締結されるように構成され、環状肩部を備える場合、この肩部の下面はこのほか、ガイド片の歯科用インプラントの開口部への挿入深さを制限するように作用することができる。
このため、環状肩部は、3つの目的を果たすことができる。即ち、歯科用インプラントの開口部へのガイド片の貫通を制限するため、ガイド片に対するフライスの旋回角を制限するため、フライスの切削作用から歯科用インプラントを保護するための停止部を提供する。この3つの目的は互いに独立して提供することができる。このため、例えば、ヘッドを備えるガイド片を有することが可能であり、ヘッドは環状肩部を備える。ここで、環状肩部はフライスと協働するための第1の停止面を形成せず、代わりに冠状端を保護し、及び/又はガイド片の挿入深さを制限するために設けられる。
特に好ましい実施形態では、ガイド片は、ガイド片を歯科用インプラントに解放可能に固定する固定要素を有する本体部分、好ましくはネジ山セクションと、本体部分の冠状部、即ち、ヘッドとを備える。ヘッドは、その冠状端に軸受面を有するガイド部分を備える。ヘッドは、ガイド部分の先端部に直接配置され、ガイド部分の先端部よりも小さい直径を有する頸部分をさらに備えるため、アンダーカットを形成し、頸部分に先端側で隣接して、ガイド部分の最大直径よりも大きい直径を有して半径方向に延びる環状肩部を形成する。好ましくは、軸受面、さらに好ましくは、ガイド部分は、球形区画の形状を有する。これにより、ヘッドの冠状端は円形横断面を有する平坦面を有することになる。好ましくは、ヘッドの冠状端は、例えば、多角形又はTorx(登録商標)形状のような非円形対称断面を有する盲孔を備える。この盲孔は、ガイド片をインプラントに締結するためにネジ回しによって係合することができる駆動凹部を形成する。
さらに一般的には、固定要素がネジ山セクションを備える全実施形態では、ガイド片の冠状端部は、好ましくは多角形、最も好ましくは六角形又はトルクス(登録商標)(torx)形状の非円形対称断面を有する盲孔を備えることが好ましい。。規格EN DIN ISO 10664には、ネジ用の対応する内部六角形又はトルクス(登録商標)形状が記載されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。このようにして、盲孔は、ドライバのようなトルク付与工具上の適合する駆動手段に解放可能に接続されて、ガイド片を回転させることができる。内部六角形又はトルクス(登録商標)形状を有するネジにトルクを伝達するのに適したトルク付与工具が、例えば、規格EN DIN ISO 10664に同じように規定されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
ガイド片が本発明の空洞を備える場合、上記の盲孔は、案内部分の当接面に対して近位であるか、遠位であるか、軸方向に整列している空洞内に形成することができる。この後者の場合、当接面は空洞の中心軸線回りで不連続となる。ガイド片がヘッドを備える場合、盲孔はヘッドの冠状端部に形成することができる。球状区画の形態のガイド部分が、盲孔を形成することができる適切な大きさの冠状端部を提供することができる。
好ましい実施形態によれば、盲孔は、補助部品、特に支台又は治癒キャップを歯科用インプラントに取り付けるために後に使用されるのと同じ駆動工具からトルクを受けるように構成される。
一般に、本発明によれば、ガイド片は一体的に形成されるのが好ましい。ガイド片を一体ピースとして製造すると、流体、汚れなどが入り込む可能性があって細菌が繁殖する可能性がある微小間隙の形成が回避される。さらに、一体的に形成されたガイド片を設けることにより、ガイド片の製造が容易になり、ガイド片の安定性が高まる。
同じ理由から、フライスは一体的に形成されるのが好ましい。
フライス加工部に加えて、フライスは、その近位端に、フライスを歯科用ハンドピースなどのトルク伝達装置に軸方向及び回転方向に固定する接続手段をさらに備えることが好ましい。接続手段は、例えば、ISO規格のラッチとすることができる。
ヘッドがガイド片上に形成されている好ましい実施形態では、ガイド片は4mm~10mm、好ましくは5mm~8mmの全長を有する。ヘッド部分は、好ましくは1~3mmの高さである。軸受面は、好ましくは1.5mm~3.5mm、特に約2.4mmの最大直径を有する。
本発明のシステムの部品は、金属、プラスチック及びセラミックを含む医療用途に適した任意の生物学的に許容される材料から作成することができる。言うまでもなく、部品は異なる材料から製造することも、全て同じ材料から製造することもできる。好ましい材料の例には、市販のステンレス鋼、チタン及びチタン合金が挙げられる。本発明のシステムのフライス及び/又はガイド片はこのほか、2つ以上の上記の材料の組み合わせから製造されてもよい。
好ましい実施形態では、本発明のシステムは、長手方向に延びる開口部を有するインプラントをさらに備え、ガイド片の固定要素は、これまでに考察した1つ又は複数の好ましい実施形態に従って、ガイド片をインプラントに解放可能に固定するように構成される。
本発明によるシステムの好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、ほんの一例として説明する。
本発明によるガイド片及びフライスの好ましい実施形態の斜視図。 フライスの長手方向軸線がガイド片の長手方向軸線に対して旋回している状態で、フライスがガイド片に取り付けられる図1Aのシステムの斜視図。 ガイド片が歯科用インプラントに固定されている図1Aに示されるシステムを通る長手方向断面の拡大図。 ガイド片が歯科用インプラントに固定されている図1Bに示されるシステムを通る長手方向断面の拡大図。 本発明の別の実施形態によるヘッドのガイド部分及び空洞の案内部分の横断面図。 本発明の別の実施形態によるヘッドのガイド部分及び空洞の案内部分の横断面図。 本発明の別の実施形態によるヘッドのガイド部分及び空洞の案内部分の横断面図。 本発明の別の実施形態によるヘッドのガイド部分の代替形状を示す図。 本発明の別の実施形態によるヘッドのガイド部分の代替形状を示す図。 本発明の別の実施形態によるヘッドのガイド部分の代替形状を示す図。 本発明の別の実施形態によるヘッドのガイド部分の代替形状を示す図。 図2BのX部分の詳細を示す図。 本発明のシステムのヘッド及び空洞の代替実施形態を示す図。 本発明のシステムのヘッド及び空洞の代替実施形態を示す図。 分離した状態の図1及び図2のガイド片の拡大斜視図。 分離した状態の図1及び図2のフライスの拡大図。 図8のフライスの遠位端の平面図。 歯科用インプラントの骨冠状部に非対称の先細開口部を形成するために本発明のシステムを利用する外科手術中のさまざまな段階を示す図。 歯科用インプラントの骨冠状部に非対称の先細開口部を形成するために本発明のシステムを利用する外科手術中のさまざまな段階を示す図。 歯科用インプラントの骨冠状部に非対称の先細開口部を形成するために本発明のシステムを利用する外科手術中のさまざまな段階を示す図。 歯科用インプラントの骨冠状部に非対称の先細開口部を形成するために本発明のシステムを利用する外科手術中のさまざまな段階を示す図。 歯科用インプラントの骨冠状部に非対称の先細開口部を形成するために本発明のシステムを利用する外科手術中のさまざまな段階を示す図。 歯科用インプラントの骨冠状部に非対称の先細開口部を形成するために本発明のシステムを利用する外科手術中のさまざまな段階を示す図。 歯科用インプラントの骨冠状部に非対称の先細開口部を形成するために本発明のシステムを利用する外科手術中のさまざまな段階を示す図。
図1A及び図1Bは、歯科処置及び歯科用インプラント処置に使用するための本発明のシステムの第1の実施形態を示す。このシステムは、ガイド片10とフライス12とを備える。フライス12は、ガイド片10の冠状面の周囲から骨を除去するのに使用される。図1Aでは、ガイド片10の長手方向軸線LGとフライス12の長手方向軸線LMとが一直線上に並んだ状態で、ガイド片10とフライス12とが分離して示される。ガイド片10は、先端部18から長手方向軸線LGに沿って冠状端部20に向かって延びる本体部分16を備える。本体部分16は、患者の顎骨内の事前穿孔内に挿入するように構成することができるが、本実施形態では、本体部分16は歯科用インプラント14の中央開口部22に挿入するように構成される(図2A及び図2B参照)。本体部分16は、歯科用インプラント14の開口部22内の雌ネジと係合するための雄ネジ24の形態の固定要素を備える。ガイド片10は、本体部分16の遠位端にヘッド28をさらに備える。
ヘッド28は、球形区画の形態をとるガイド部分31を備えるため、切頭球状軸受面30を形成する。ヘッド28は、ガイド部分31の頂部に直接配置され、ガイド部分31の先端部の直径より小さい直径を有する頸部分32をさらに備え、それによってアンダーカット34を形成する。頸部分32は、長手方向軸線LGに直交して半径方向外向きに延び、ガイド部分31の最大直径よりも大きい直径を有する環状肩部36に冠状に隣接する。
フライス12は、長手方向軸線LMに沿って近位端39から遠位端40に向かって延びる細長いシャフト38を備える。遠位端40にて、フライス12は、骨組織を除去するための複数の周方向に配置された切れ刃44を備えるフライス加工部42を備える。遠位端40にて、フライス12は内部空洞48を備える。内部空洞48は、当接面50を形成する凹状半球状案内部分51を有し、ガイド片10のガイド部分31を受容し収容するように構成される。
図2A及び図2Bに示すように、フライス12の空洞48は、ガイド片10のガイド部分31を覆うように嵌合することができる。ガイド部分31が内部空洞48内に全体的に挿入されると、当接面50はガイド片のヘッド28の軸受面30に当接する。当接面50及び軸受面30は、適合する球面曲率を有し(図5も参照)、このため、フライス12をその軸線LM回りに回転可能にするほか、フライス12の長手方向軸線LMを、図1B及び図2Bに示すように、ガイド片10の長手方向軸線LGに対して旋回させることができる。
好ましい実施形態に示される連続球形当接面50及び軸受面30のほか、当接面及び軸受面の多数の代替形状が可能である。図3A~図3Cは、代替実施形態の少数の選択を提供する。
図3Aは、空洞148のガイド部分の横断面、即ち、空洞148の中心軸線CCに直交する断面が円形である例を提供する。このため、これにより、連続的な円形対称当接面150が提供される。対照的に、ヘッドのガイド部分131の横断面、即ち、ヘッドCHの中心軸線に直交する断面は六角形である。これにより、ガイド部分131の円周周りの6つの別々の点で当接面150と接触する不連続な軸受面130が形成される。
図3Bは対照的な構造の例を提供する。ヘッドのガイド部分231は円形の横断面を有するため、連続的な軸受面230を形成するのに対し、空洞248の案内面の断面は多角形(この場合は八角形)であるため、8つの別々の接触点を有する不連続な当接面250を形成する。
軸受面と当接面の両方が不連続であることも可能である。一例を図3Cに示す。ここで、ヘッドのガイド部分331は、複数の半径方向の突起329を有する横断面を有し、このような突起の頂点は不連続な軸受面330を形成する。空洞348の相補的案内部分は、周方向に離間した溝347によって中断された円形横断面349を有する。円形断面の残りの区画は不連続な当接面350を形成する。
いずれの場合にも、図3A~図3Cの協働する軸受面及び当接面は、ガイド片10とフライス12とを、その長手方向軸線LG、LM回りに相対的に回転させることができる。空洞148、248、348は、ヘッドが他の部品に配置される状態で、フライス12又はガイド片10のいずれかに配置され得る。
本発明の軸受面は、ヘッドの軸平面にて凸状に丸みを帯びている必要がある。図4A及び図4Bは、不連続な軸受面を有するヘッドのガイド部分の例を提供する。図4Aは、軸受面430を形成する八角形の頂点を有する八角形の横断面を有するガイド部分431を示す。図4Bは、丸みを帯びた溝527によって挟まれた軸受面530を形成する複数の突起529を備える横断面を有するガイド部分531を示す。両方の場合では、軸受面430、530は軸平面にて連続的かつ球形であるため、概ね「傘」形状のヘッドを形成する。図4Cでは、ガイド部分631も同じように八角形の横断面を有する。しかし、さらに、ガイド部分631はこのほか、軸平面内で切子面となっている。このため、軸受面630は、軸方向及び周方向に離間した点によって形成される。軸平面では、点は(点線で示される)円弧を追従するため、凸状に湾曲した軸受面630を形成する。
最後に、図4Dは、軸平面内で球形ではなく、代わりにトロイダル形であるヘッドのガイド部分731の例を提供する。ここで、軸受面730を、半径rを有する曲率円弧によって形成する。しかし、この半径はヘッドCHの中心軸線を中心としておらず、この中心軸線からオフセットされている。これにより、トロイダル軸受面730と、軸受面730の遠位端の平坦面733とが得られる。この平坦面733は、ネジ回しと協働するための盲孔を形成するのに使用されるか、軸方向に延びる貫通チャネルのための空間を提供するのに使用され得る。
図1及び図2に示す好ましい実施形態に戻ると、図5及び図7に最もよく見られるように、環状肩部36は、ガイド片10の本体部分16と軸受面30との間に介在する。この肩部36は、2つの主な機能を有し、一方では、ガイド片10に対するフライス12の旋回角度αを制限するための第1の停止面52を提供する。この目的のために、第1の停止面52はフライス12の遠位端40によって提供される第2の停止面53と協働する。ガイド片10の冠状端部20と停止面52との間の距離d1は、フライスの内部空洞48の深さd2より大きい。このように、フライス12とガイド片10とが係合位置にあり、ガイド片10の長手方向軸線LGとフライス12の長手方向軸線LMとが一直線上にある場合、フライス12の遠位端40(第2の停止面53)は、第1の停止面52と接していない。フライス12をガイド片のヘッド28周りに旋回させると、フライス12の長手方向軸線LMとガイド片10の長手方向軸線LGとの間の角度αである旋回角度αは大きくなるのに対し、フライス12の遠位端40と第1の停止面52との間の最小距離dminは、遠位端と停止面が接触するまで小さくなる(図5参照)。この時点で、最大旋回角度αmaxに達している。
環状肩部36の他の機能は、歯科用インプラント14の開口部22へのガイド片10の挿入深さの制限である。具体的には、環状肩部36は、歯科用インプラント14の開口部22の直径DAよりも大きい直径DSを有する。環状肩部36は、その下面に、歯科用インプラント14の中央開口部22周りに延在する冠状上面56と相補的な形状の下部停止面54を備える。これにより、ガイド片10は、下部停止面54が冠状上面56上に静止するようになるまで、歯科用インプラント14の開口部22内に挿入することができる。次いで、下部停止面54は、ガイド片10がさらに挿入されるのを防止し、ヘッド28がインプラント14から十分に突出してフライス12の遠位端40がその上に嵌合できるようにする。さらに、インプラント14の冠状端部を覆うことによって、環状肩部36はこのほか、歯科用インプラント14の冠状上面56をフライス12から保護する。
図5にも見られるように、頸部分32によって形成されたアンダーカット34は、フライスの使用中にフライス12の遠位端40が旋回するための空間を提供する。
本発明の範囲内に含まれる停止面の代替形態が可能である。図6A及び図6Bはそのような代替実施形態の例を提供する。
図6Aは、図5の断面図に基づくものである。しかし、これは、半球形状を有する当接面850ではなく、軸受面830の球状区画と類似する球状区画を形成する。しかし、当接面850を形成する球状区画は、軸受面830の遠位切頭平面835よりも基礎球体の中心から離れた点で近位端855にて切頭されている。これは、空洞の近位端855がヘッド828の遠位端820に当接するまで、空洞848がヘッド828周りを旋回することができることを意味する。このため、この実施形態では、フライスの停止面は空洞848の近位端855によって形成され、ガイド片の停止面はヘッド828の遠位端820によって形成される。環状肩部36は、インプラントを切れ刃44から保護し、ガイド片のインプラントへの挿入深さを制限するためにのみ作用する。
図6Bは、図4Dに示すヘッドのガイド部分731を含み、ヘッドは軸方向に延びる突起729をさらに備える。相補的空洞748は、当接面750の近位に、チャンバ755を備える。ガイド部分731が空洞748内に収容されると、突起629はチャンバ755内に収容される。チャンバ755は突起729よりも大きい直径を有するため、突起は所定の旋回角度に達するまでチャンバに対してチャンバ内で移動することができ、その時点で突起729はチャンバ755に当接し、それ以上の旋回を防止する。
図1及び図2の好ましい実施形態に再度戻ると、図7に最もよく見られるように、ガイド片10のヘッド28は、冠状端部20に向かって開いており、トルク付与工具と協働するための非円形対称断面60を有する中央盲孔58を備える。図示の実施形態では、断面60はトルクス(登録商標)形状を有する。このため、ガイド片のヘッド28の内側トルクス(登録商標)は、ガイド片10を回転させるために、ネジ回し82(図10A参照)などのトルク付与工具の外側トルクス(登録商標)に解放可能に接続することができる。
ガイド片10は一体的に形成される。図1A、図1B、図5及び図7に示すように、ガイド片10の本体部分16は、直径が異なるいくつかの部分、即ち、先端部18から延び、第1の直径D1を有する円筒形の第1の部分62と、第1の部分62に冠状に配置され、直径D2を有する後続の円筒形の第2の部分64と、第2の部分64に冠状に配置され、環状肩部36内に延びる円錐形の第3の部分66と、を備える。直径D2は直径D1よりも大きく、第3の部分66の直径D3は冠状方向に増大する。第1のシャフト部分62には、歯科用インプラント14の中央開口部22内の雌ネジと係合するための雄ネジ24が設けられる。
図8は、図1及び図2の好ましい実施形態の分離された状態のフライス12を示す。シャフト38は、近位端39に、フライス12を回転させるための(図示しない)電動歯科用ハンドピースに接続するための接続部68を備える。フライス加工部42の切れ刃44は、長手方向軸線LM周りに周方向に離間する。フライス加工部42は第1の切削セクション74を備える。この切削セクションでは、切れ刃は外向きの先細部76を有する。この先細部76は、骨に先細穴を形成することを可能にする。図示の実施形態では、長手方向軸線LMに対する先細部76の角度は23°である。第1の切削セクション74の(長手方向の)長さは約0.8mmである。第2の切削セクション78が第1の切削セクション74に近位側で隣接している。第2の切削セクション78の切れ刃44は、長手方向軸線LMと平行に延びる。図示の実施形態では、第2の切削セクション78は約4.0mmの長さを有する。この第2の切削セクション78を設けることにより、フライス12がインプラント14に対して旋回するときに骨を過剰に取り除くことが回避される。
図9は、フライス12の遠位端40の平面図を示す。切れ刃44は、フライス12の外周に沿って等間隔に配置される。このほか、切れ刃41がフライス12の遠位端40に形成される。内部空洞48はフライス12の長手方向軸線LMを中心とする。
図1及び図2に関連して説明したシステムの使用は図10A~図10Gに図示される。ここでは、ガイド片10は、患者の顎骨80内に固定された骨レベルインプラント14の中央開口部22内に螺合される。ガイド片10をインプラント14内に螺合するためにネジ回し82が使用される。次いで、フライス12は歯科用ハンドピース84に挿入され、フライス12の遠位端40は、フライス12を回転させることなく、ガイド片10のヘッド28上に配置され、これにより、ヘッド28のガイド部分31はフライスの遠位端40に設けられた内部空洞48内に全体的に挿入される。この係合位置では、内部空洞48の当接面50がガイド片10のヘッド28上の軸受面30に当接し、フライス12はガイド片10の中心軸線LG(ひいては、インプラント14の中心軸線)に対して旋回することができる。フライス12は、軽い圧力を加えることによってヘッド28上に保持され、非円形断面を有する支台がインプラント14に接続されるのに十分なスペースを提供するために、歯科用インプラント14の冠状端部56の上の余分な骨を切除するために回転させられる。フライス12は、フライス削り作業中、ガイド片10に結合されたままである。フライス12の長手方向軸線LMがガイド片10の長手方向軸線LGと一直線上にある状態が維持されている場合(図10B)、歯科用インプラント14の周囲の骨に対称中心の先細穴を形成することができる。図10Cに示すように、フライス12を片側にわずかに傾けることによって、非対称の穴86を作り出すことができ、それによって非対称の断面を有する支台をインプラント14に取り付けることができる。このため、穴86の形状は、支台又は他の部品、例えば、歯科用インプラント14上に配置されることになる治癒キャップ88の形状と実質的に一致するように構成することができる。ガイド片10の環状肩部36が歯科用インプラント14の冠状上面56を覆っているため、フライス12は、インプラント14に切り込むリスクなしに、インプラント14の周囲の歯槽頂部骨を安全に摩耗させることができる。所望の形状及び寸法を有する穴86が設けられた時点で、フライス12は取り外され(図10D)、ガイド片10はインプラント14との螺合から解除される(図10E)。最後に、図10Gに示すように、治癒キャップ88又は他の部品はインプラント14内に配置され螺合される。
上記の実施形態は例示のみを目的としたものであり、当業者は特許請求の範囲内にある代替の構成が可能であることを理解するであろう。例えば、ヘッドは、フライス及びガイド片の空洞に形成されてもよい。軸受面と当接面は、球形ではなくトロイダル形とすることができ、それぞれの中心軸線周り又は軸平面内で不連続としてもよい。ガイド片は、骨の穿孔内に挿入されるように構成されてもよく、先細セクションなどの代替固定要素、貫通孔又はスナップ/摩擦嵌合手段を備えてもよい。

Claims (20)

  1. フライス(12)とガイド片(10)とを具備するシステムであって、
    前記フライス(12)は、
    長手方向軸線(LM)に沿って延びる細長いシャフト(38)と、骨組織を除去するための少なくとも1つの周方向に配置された切れ刃(44)を具備するフライス加工部(42)を有する遠位端部分(40)と、を具備し、
    前記ガイド片(10)は、
    前記ガイド片(10)を支持構造体に解放可能に固定する固定要素と、長手方向軸線とを有する、システムにおいて、
    前記ガイド片(10)及び前記フライス(12)の前記遠位端(40)の一方が、前記ガイド片及び前記フライスの前記遠位端の前記一方の長手方向軸線と同軸の中心軸線(CH)を有するヘッド(28)を具備し、
    前記ガイド片(10)及び前記フライス(12)の前記遠位端(40)の他方は、前記ガイド片(10)及び前記フライス(12)の前記遠位端(40)の前記他方の長手方向軸線と同軸の中心軸線(CC)に沿って延びる内部空洞(48)を具備し、
    前記ヘッド(28)は、前記ヘッド(28)の軸平面にて凸状に丸みを帯びた軸受面(30)を有するガイド部分(31)を具備し、
    前記空洞(48)は、前記空洞(48)の軸平面にて凹状である当接面(50)を有する案内部分(51)を具備し、
    前記軸受面及び当接面(30;50)はその中心軸線(CC;CH)回りに円形対称であり、
    前記空洞(48)は、前記ヘッド(28)の前記ガイド部分(31)を受容するような大きさと形状であり、その結果、前記凸状に丸みを帯びた軸受面(30)と凹状の当接面(50)は、前記ヘッド(28)と前記空洞(48)との間でその中心軸線(CH;CC)回りの相対回転と、前記ガイド片(10)の長手方向軸線(LG)に対する前記フライス(12)の前記長手方向軸線(LM)の旋回とを同時に可能にするように、互いに接触する、システム。
  2. 前記ヘッド(28)の前記ガイド部分(31)又は前記空洞(48)の前記案内部分(51)の少なくとも一方は、その中心軸線(CH;CC)回りに円形対称であるため、その中心軸線回りに連続している軸受面(30)又は当接面(50)をそれぞれ形成する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ヘッド(28)の前記ガイド部分(31)と前記空洞(48)の前記案内部分(51)の両方は、その中心軸線(CH;CC)回りに円形対称であるため、その中心軸線回りに連続している軸受面(30)及び当接面(50)をそれぞれ形成する、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記軸受面(30)は、前記ヘッドの前記ガイド部分(31)の近位端と遠位端との間で前記ヘッド(28)の軸平面内で連続面を形成し、及び/又は前記当接面(50)は、前記空洞の前記案内部分(51)の近位端と遠位端との間で前記空洞(48)の軸平面内で連続面を形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
  5. 前記軸受面(30)と前記当接面(50)の両方は、前記ヘッド(28)の前記ガイド部分(31)と前記空洞(48)の前記案内部分(51)のそれぞれの軸方向範囲にわたって軸平面にて連続している、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記ヘッド(28)の軸平面での前記軸受面(30)の断面は、半径rを有する曲率円弧を形成する、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
  7. 前記ヘッド(28)の前記ガイド部分(31)は球形であるため、前記ガイド部分(31)の軸方向範囲にわたって球形の軸受面(30)を形成する、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
  8. 前記空洞(48)の前記当接面(50)は、前記空洞の軸平面にて凹状に丸みを帯びている、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 前記ヘッド(28)の前記軸受面(30)及び前記空洞(48)の前記当接面(50)は、それぞれの軸平面にて一致する曲率を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
  10. 前記空洞(48)の前記案内部分(51)は球形であるため、前記案内部分(51)の軸方向範囲にわたって球状当接面(50)を形成する、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
  11. 前記フライス(12)の前記遠位端(40)は、前記フライスの前記長手方向軸線(LM)と同軸の中心軸線(CH)に沿って延びる前記内部空洞(48)を具備し、前記ガイド片(10)は、前記ガイド片の前記長手方向軸線(LG)と同軸の中心軸線(CC)を有する前記ヘッド(28)を具備する、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 前記フライス加工部(42)は、少なくとも1つの周方向に配置された外側切れ刃(44)を有する前記フライス(12)の遠位先端(46)に配置された第1の切削セクション(74)を具備し、前記切れ刃は、近位方向にて半径方向外側に先細になる、請求項1~11のいずれか1項に記載のシステム。
  13. 前記フライス加工部(42)は、前記第1の切削セクション(74)に近位側で隣接して配置された第2の切削セクション(78)をさらに具備し、前記第2の切削セクション(78)は、周方向に配置されて前記第1の切削セクション(74)と同数の外側切れ刃(44)を有し、
    前記第2の切削セクション(78)の前記外側切れ刃は、前記第1の切削セクション(74)の前記切れ刃の連続を形成し、
    前記第2の切削セクション(78)の少なくとも1つの外側切れ刃(44)は、前記第1の切削セクション(74)の少なくとも1つの切れ刃と比較して外側への傾斜の緩い先細部を有するか、内側へ傾斜する先細部を有するか、あるいは前記フライス(12)の長手方向軸線(LM)と平行に延びる、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記フライス加工部(42)は、骨組織を除去するための複数の周方向に配置された切れ刃(44)を具備する、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
  15. 前記フライス(12)及び前記ガイド片(10)は、互いに接触したときに、前記ガイド片に対して前記フライスがさらに旋回するのを防止する協働停止面(52、53)を具備する、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
  16. 前記ヘッド(28)は、前記ガイド部分(31)の近位に、環状肩部(36)を具備し、前記環状肩部は、前記ガイド部分(31)の最大直径よりも大きい直径を有して遠位方向に面する第1の停止面(52)を提供し、
    前記空洞(48)の遠位端から半径方向外向きに延びる第2の停止面(53)が設けられる、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記ヘッド(28)の前記ガイド部分(31)は、前記ヘッドの最遠位端に配置され、前記空洞(48)の前記案内部分(51)は前記内部空洞の最近位端に配置される、請求項1~16のいずれか1項に記載のシステム。
  18. 前記ヘッド(28)は、前記ガイド部分(31)に近位側で隣接して配置され、前記ガイド部分の近位端の直径よりも小さい直径を有する頸部分(32)を具備し、それによってアンダーカット(34)を形成する、請求項1~17のいずれか1項に記載のシステム。
  19. 前記ガイド片(10)は本体部分(16)を具備し、前記本体部分(16)は前記固定要素を具備する、請求項1~18のいずれか1項に記載のシステム。
  20. 前記固定要素はネジ山セクション(24)を具備する、請求項19に記載のシステム。
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