JP7012720B2 - 電力系統の状態推定装置および方法、電力系統の安定化システム - Google Patents

電力系統の状態推定装置および方法、電力系統の安定化システム Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の状態推定装置および方法、電力系統の安定化システムに関する。
電力系統の潮流(有効電力P、無効電力Q、電圧V、電圧位相δ)状態を把握することは、電力系統の監視制御に有効であるとともに、潮流計算等の解析モデルを構築するためにも有用である。現状の電力系統に近い状態を解析モデルで再現することで、今後起こりうる電力系統状態を予測することや、電力系統故障に備えた安定化対策を事前に行うことが可能となる。なお一般に電力系統の状態は、電力系統に設置された計測センサで測定された電気量(有効電力P、無効電力Q、電圧V、電圧位相δ、電流I)の計測値を利用して、一定インターバルで行われる状態推定計算によって把握される。
電力系統の状態を把握するためには、電力系統の電力方程式を解くために十分な数の計測値を用意し可観測状態とすることが重要であるが、電力系統の構成や潮流条件(線路の抵抗成分が大きい区間が存在する場合、無効電力潮流が大きい区間が存在する場合、隣接する計測値の例えば電圧値が大きく異なる場合等)によっては、状態推定計算が収束しない場合が生じる。状態推定計算が収束しない場合、一般的には前回計算における算出値を用いるため、現在の系統状態との大きな乖離が発生し、得られた推定結果(潮流状態)の信頼性が低下するという課題がある。特に、電力系統の監視機能・計測精度が不十分な地域において、当課題が発生すると考えられる。
また、従来の大規模電源(火力発電、水力発電、原子力発電等)減少と共に新エネルギー(風力発電、太陽光発電等)拡大が見込まれている。新エネルギーは気象条件によって、出力が時々刻々変動することが知られている。状態推定計算インターバル中において、新エネルギー出力変動により潮流状態が急変すると、現在の系統状態との大きな乖離が発生し、得られた推定結果の信頼性が低下するという課題がある。特に、新エネルギーが大量に導入される地域において、当課題が発生すると考えられる。
状態推定計算分野において、特願2013-213334(特許文献1)がある。この文献には、位相計測器より計測された電流および電流位相角を疑似的な計測値である擬似計測値に変換し、状態推定計算を行うと記載されている。
状態推定計算インターバル中の系統変化を吸収するための補正制御分野において、特願2016-25715(特許文献2)がある。この文献には、各故障において生じる制御対象および制御対象外の発電機の動揺による影響量を示す修正量を算出する事前演算手段と、何らかの故障が発生すると、制御対象の発電機から計測される実計測値に基づいて、電力系統の過渡安定度を判別するためのモデルを生成するとともに、修正量を当該生成したモデルに反映した上で、制御パターンに従って制御を行う事後演算手段を融合することで適切な電力系統の安定化制御を実現できると記載されている。
特開2015-77034 特願2016-25715
しかし、特許文献1の電力系統の状態推定装置では、背景技術に記載した通り、状態推定計算が収束しない場合や潮流状態が急変した場合に現在の系統状態との大きな乖離が発生する可能性がある。
また、特許文献2の電力系統安定化システムでは、状態推定で算出した値が現在の系統状態との大きな乖離が発生した場合に事後演算を行うことで制御を行うが、故障後の演算時間を考慮しなければならないため、制御動作のタイミングが遅れる可能性がある。
上記課題を解決する為に本発明は、電力系統の状態推定装置において、複数の系統計測データに基づいて状態推定計算を行う系統状態計算部と、前記状態推定計算の結果に基づいて現在の系統状態との乖離度を判定する乖離判定部と、所定の予測値又は計画値、及び前記状態推定計算の結果に基づいて状態推定の補正量分布モデルを作成する補正量分布作成部と、前記乖離度が所定の閾値以上の場合に、前記状態推定計算の結果を前記補正量分布モデルに基づいて補正する補正部と、を備える。
本発明によれば、状態推定計算インターバル中に潮流が急変した場合において、系統状況変化度(需要予測値、新エネルギーの出力予測値、大規模電源の出力値)と状態推定計算結果から補正量分布モデルを作成しておき、状態推定計算結果と系統状態推定値が乖離した場合、状態推定計算結果を補正することで、現在の潮流状況を把握できる。
電力系統の状態推定装置のソフト構成図の例である。 複数の計測データが通信ネットワークを介してデータベースに格納される電力系統、及び電力系統の状態推定装置のハード構成図の例である。 電力系統の状態推定装置の処理の全体を示すフローチャートの例である。 状態推定の処理を示すフローチャートの例である。 状態推定装置における補正分布作成部のソフト構成図の例である。 補正量分布モデルの作成方法の処理を示すフローチャートの例である。 新エネルギー1台が接続された電力系統図の例である。 補正分布モデルの例である。 欠損補間部と補正後精度検証部を追加した電力系統の状態推定装置のソフト構成図の例である。 欠損補間と補正後精度検証の処理を追加した電力系統の状態推定装置の処理の全体を示すフローチャートの例である。 安定性計算部と電制機決定部と電制機結果データベースを追加した電力系統の状態推定装置のソフト構成図の例である。 安定性計算と電制機決定の処理を追加した電力系統の状態推定装置の処理の全体を示すフローチャートの例である。
以下、本発明の実施に好適な実施例について説明する。尚、下記はあくまでも実施の例に過ぎず、下記具体的内容に発明自体が限定されることを意図するものではない。
本発明の実施例1について、以下に説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用された電力系統の状態推定装置10のソフト構成例を示す図であり、需要予測データベースDB1、新エネ出力予測データベースDB2、大規模電源出力データベースDB3、系統状態測定値データベースDB4、状態推定計算補正結果データベースDB5、状態推定計算部11、補正量分布作成部12、状態推定計算結果乖離判定部13、状態推定計算結果補正部14、を備える。
需要予測データベースDB1においては、地域単位や接続地点(ノード)単位の需要予測値D1を格納しておく。
新エネ出力予測データベースDB2においては、地域単位や接続地点(ノード)単位の新エネルギーの出力予測値D2を格納しておく。
大規模電源出力データベースDB3においては、大規模電源の出力値D3を格納しておく。
系統状態測定値データベースDB4においては、SCADAやPMU等の系統状態測定装置より測定された系統状態測定値D4を格納しておく。
状態推定計算補正結果データベースDB5においては、補正後の状態推定計算結果D5を格納する。
状態推定計算部11においては、系統状態測定値D4を入力として状態推定計算を行い、状態推定計算結果D7を出力する。
補正量分布作成部12においては、状態推定計算結果D7と需要予測値D1と新エネルギーの出力予測値D2と大規模電源の出力値D3を入力として補正量分布モデルを作成し、補正量分布モデルD6を出力する。
状態推定計算結果乖離判定部13においては、系統状態測定値D4と状態推定計算結果D7を入力として現在の系統状態との乖離度を判定し、状態推定計算結果補正の必要性有無D8を出力する。
状態推定計算結果補正部14において、補正量分布モデルD6と系統状態測定値D4と状態推定計算結果D7を入力として状態推定計算結果補正量を算出し、状態推定計算結果補正値D5を出力する。
図2は、複数の計測データが通信ネットワークを介してデータベースに格納される電力系統と、本発明の一実施形態が適用された電力系統の状態推定装置10のハード構成例を示している。
前記の電力系統は、複数の同期発電機130及び負荷150が母線(ノード)110、変圧器120、送電線路140等を介して相互に連系されたシステムである。なお図2において、160は当該電力系統における想定故障個所を例示している。ノード110には、電力系統の保護、制御、監視の目的での各種の計測器が適宜設置されており、計測器で検知した信号は通信ネットワーク300を介して電力系統の状態推定装置10の通信部23に送られる。なお図2では、ノード110に対して図示したノード番号を適宜付与して示している。その他のノード番号のノードには、既存の計測器として例えば電流変成器CT、電圧変成器PT等が設置されている。
電力系統の状態推定装置10は計算機システムで構成されており、ディスプレイ装置等の表示部21、キーボードやマウス等の入力部22、通信部23、CPU24、メモリ25、および各種データベースDBがバス線26に接続されている。電力系統の潮流監視装置10のデータベースとしては、需要予測データベースDB1、新エネ出力予測データベースDB2、大規模電源出力データベースDB3、系統状態測定値データベースDB4、状態推定計算補正結果データベースDB5を備える。
このうち表示部21は、例えば、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、プリンタ装置または音声出力装置等を用いる構成でもよい。入力部22は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、音声指示装置等の少なくともいずれか一つを備えて構成できる。通信部23は、通信ネットワーク300に接続するための回路及び通信プロトコルを備える。CPU24は、計算プログラムを実行して表示すべき画像データの指示や、各種データベース内のデータの検索等を行う。CPU24は、一つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、または、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。メモリ25は、例えば、RAM(Random Access Memory)として構成され、コンピュータプログラムを記憶したり、各処理に必要な計算結果データ及び画像データ等を記憶したりする。メモリ25に格納された画面データは、表示部21に送られて表示される。
図3は、電力系統の状態推定装置10の処理例の全体を示すフローチャートを表している。最初の処理ステップS1では、複数の計測点における計測データが格納された系統状態測定値D4に基づいて、電力系統の状態を推定する。
図4は、図3の最初の処理ステップS1で実施される状態推定計算の一例を示す処理フローチャートを表している。処理ステップS5では、(1)式で表される観測値Z、電力系統状態値F(X)、電力系統誤差eの関係から、(2)式の関係式が最小になるように状態値Xを決定する。ただし、Zは有効電力P、無効電力Q、電圧V等の観測値、Xは電力系統状態(電圧V、電圧位相δ等)、F(X)は状態量の値(回路の接続状態およびインピーダンスから決まる回路方程式で定まる)である。
Figure 0007012720000001
Figure 0007012720000002
図4の処理ステップS6では、残差εを計算し、残差が大きい計測値を除去するか、代わりの擬似計測値に置き換える(代わりに過去の計測値データを用いる)ような、誤りデータの除去を行う。処理ステップS7では、計算された残差εを規定値と比較する。残差εが規定値以下であれば状態推定計算の処理フローを終了し、規定値以上であれば処理ステップS5へ戻る。なお、このような電力系統の状態推定計算は確立された計算手法であり、一般的なアルゴリズムを用いることで計算可能である。残差εが規定値以下であると判断された状態値Xは、状態推定計算結果(状態量推定値)D7として出力、記憶される。
図3に戻り、次の処理ステップS2では、系統状態測定値D4と状態推定計算結果D7の乖離度を示す状態推定計算結果乖離度を算出する。前記乖離度は、例えば、各系統状態測定装置地点におけるD4とD7の電圧位相差の合計値とする。処理ステップS3では、前記乖離度が一定の閾値より大きければステップS4に進み、前記閾値より小さければ電力系統の状態推定装置10の処理フローを終了する。処理ステップS4では、前記系統状態測定値D4と前記状態推定計算結果D7を後述の補正量分布モデルD6に入力することで、状態推定計算補正結果を算出する。
図5は、状態推定装置における補正分布作成部12のソフト構成図の例であり、潮流計算部15、補正分布モデル部16、を備える。
潮流計算部15においては、状態推定計算結果D7と需要予測値D1と新エネルギーの出力予測値D2と大規模電源の出力値D3を入力として潮流計算を行い、潮流計算結果D9を出力する。
補正分布モデル作成部16においては、潮流計算結果D9を入力として補正分布モデル作成をし、補正量分布モデルD6を出力する。
図6は、処理ステップS4で用いる補正量分布モデルの作成方法の処理を示すフローチャートを表している。処理ステップS8では、需要予測値D1と新エネルギーの出力予測値D2と大規模電源の出力値D3と系統状態測定値D4と状態推定計算結果D7を用いて、次回状態推定計算までの系統状況変化量を予測する。系統状況変化量とは、状態推定計算インターバル中の需要、新エネルギー出力、大規模電源出力の変化量である。以下では、図7の電力系統例を用いて、処理ステップS4で用いる補正量分布モデルの作成方法の処理を示す。ノード700に接続の新エネルギー出力の次回状態推定計算までの最大変化予測値(新エネルギーの出力予測値D2)をα、系統状態測定値D4より新エネルギーの現在出力がPRES(t)をすると、Pres(t)を基準とした系統状況変化量はPres(t)-α<Pres(t+1)<Pres(t)+αの範囲内となる。
処理ステップS9では、系統状況変化量予測範囲(Pres(t)-α<Pres(t+1)<Pres(t)+α)の一定刻み幅毎に入力値Pres(t+1)を与え、潮流計算を行う。潮流計算に必要な値である有効電力P、無効電力Q、電圧Vは、新エネルギー出力に関しては幅を持った予測値を入力とする一方、潮流計算に用いる他の入力値は前回の状態推定計算結果D7とする。
処理ステップS10では、前記潮流計算の結果の内、系統状態測定装置地点ごとの状態推定計算結果D7と新エネルギー出力予測値を与えた際の潮流計算値の差分と、潮流計算に必要な値である有効電力P、無効電力Q、電圧Vを入力とし、補正量分布モデルを出力とする。例えば、図8の補正分布モデルを作成する。ここでは簡単のため3軸で表している。図8では、前記状態推定計算結果として送電線路1の有効電力をPse1、送電線路2の有効電力をPse2とし、前記潮流計算結果として系統状態測定装置設置地点の送電線路1と2の有効電力をPpf1、Ppf2とし、状態推定値を補正する送電線路3の有効電力をPpf3とする。
図8の補正量分布モデル作成時にPpf分布(Ppf1、Ppf2)に対応する補正量分布(Ppf3)を計算しておき、補正量分布モデル使用時に系統状態測定値(Pobserve1、Pobserve2)を当てはめると然るべき補正量(Pse_cor3)を得られる。すなわち、補正量分布モデル使用時において、前記処理ステップS4では、前記状態推定計算結果Pse1、Pse2と前記系統状態測定値Pobserve1、Pobserve2を補正量分布モデルに入力することで、状態推定計算補正結果として送電線路3の有効電力Pse_cor3を算出できる。
また、処理ステップS4では、現在データを過去データと比較して、需要値D1と新エネルギーの出力値D2と大規模電源の出力値D3が最も近い過去時系列データにおける、系統状態測定値D4と状態推定計算結果D7の関係を示す補正分布モデルを作成及び選択し、系統状態測定値D4と状態推定計算結果D7を補正分布モデルへの入力とすることで、状態推定修正結果D5を算出してもよい。前記の方法との相違点は、前回状態推定計算結果及び系統変化予測値を用いるのではなく、過去データを用いて補正分布モデルを作成する点である。過去データが充分揃ってない場合は、モンテカルロシミュレーションによって、大量のデータを作り出してもよい。
実施例1によれば、状態推定インターバル中に潮流が変動した場合において、系統状況変化度(需要予測値D1、新エネルギーの出力予測値D2、大規模電源の出力値D3)と状態推定計算結果D4から補正量分布モデルD6を作成しておき、系統状態測定値D4と状態推定計算結果D7が乖離した場合、系統状態測定値D4と状態推定計算結果D7を補正量分布モデルD6に入力し、状態推定計算結果D5を算出することで、現在状況に近い潮流状態を把握できる。
本発明の実施例2について、以下に説明する。なお、実施例1で説明した内容と重複する説明については省略する。
図9は、実施例2に係る電力系統の状態推定装置のソフト構成例を示す図である。図9に示す実施例2の電力系統の状態推定装置は、実施例1の構成に欠損補間部17、補正後精度検証部18を追加したものである。
欠損補間部17において、系統状態測定値D4を入力として欠損が生じた場合に、欠損補間値D10を出力する。
補正後精度検証部18において、測定値のある状態量である系統状態測定値D4を基準として精度検証を行う。補正前の状態推定計算結果D7と補正後の状態推定計算結果D5の内、系統状態測定値D4により系統状況に近い方の値を状態推定計算補正結果データベースDB5に出力する。系統状況とは、例えば、系統状態測定装置設置地点の送電線路の有効電力Pの合計値とする。
図10は、実施例2に係る電力系統の状態推定装置の処理例の全体を示すフローチャートであり、図3のフローチャートに欠損補間の処理ステップS11、補正後精度検証の処理ステップS12を追加した例である。実施例1との差分である処理ステップS11では、系統状態測定値D4に欠損が生じた場合に、欠損補間値D10を算出する。なお、このような欠損補間は確立された計算手法であり、一般的なアルゴリズムを用いることで計算可能である。実施例1との差分である処理ステップS5では、補正前の状態推定計算結果D7と補正後の状態推定計算結果D5を系統状態測定値D4と比較し、系統状態測定値D4を真値とした場合に、補正前の状態推定計算結果D7と補正後の状態推定計算結果D5の近い方の値を最終的な状態推定結果とする。
実施例2によれば、欠損補間によって、状態推定計算結果の精度が向上できる。また、補正後精度検証によって、補正後の状態推定計算結果の妥当性を検証すると共に、精度の高い状態推定計算結果を選択できる。以上により、補正後の状態推定計算結果の精度が悪ければ、他の状態量の推定値選択に用いることで正確な潮流状態を把握できる。
本発明の実施例3について、以下に説明する。なお、実施例1で説明した内容と重複する説明については省略する。
状態推定は、電力系統における監視システムや安定化システムの入力値として、広く用いられている。ここでは、上記の一例として、同期安定性(過渡安定性)の系統安定化システムへの状態推定の適用手法について説明する。
図11は、実施例3に係る電力系統の状態推定装置のソフト構成例を示す図である。図11に示す実施例3の電力系統の状態推定装置は、実施例1の構成に電制機結果データベースDB6、安定性計算部17、電制機決定部18を追加したものである。
電制機結果データベースDB6において、後述の電制機決定結果D12を格納しておく。
安定性計算部17において、補正後の状態推定計算結果D5を入力として、落雷等の故障によって生ずる発電機の同期外れ現象を解析する安定性計算を実施し、発電機毎の内部位相角の時系列データ等の安定性計算結果D11を出力する。
電制決定部18において、安定性計算結果D11を入力として、故障の波及を防止するために同期外れが発生した発電機を系統から切り離す発電機(電制機)を決定し、電制機決定結果D12を出力する。
図12は、実施例3に係る電力系統の状態推定装置の処理例の全体を示すフローチャートであり、図3のフローチャートに安定性演算の処理ステップS13、電制機決定の処理ステップS14を追加した例である。実施例1との差分である処理ステップS13では、各想定故障ケースに対する安定性計算を実施し、故障点毎の各発電機の内部位相角の時系列データ等を算出する。実施例1との差分である本処理理ステップS14では、各故障ケースに対して同期外れが発生した発電機を電制発電機として決定する。
実施例3によれば、状態推定インターバル中に潮流が変動した場合において、状態推定計算結果補正により、補正電制台数を事前に補正することで、過剰及び過小電制を防ぐことができる。
10 電力系統の状態推定装置
11 補正量分布作成部
12 状態推定計算部
13 状態推定計算結果乖離判定部
14 状態推定計算結果補正部
15 潮流計算部
16 補正分布モデル作成部
17 欠損補間部
18 補正後精度検証部
19 安定性計算部
20 電制機決定部
100 電力系統の安定性監視装置
21 表示部
22 入力部
23 通信部
24 CPU
25 メモリ
26 バス線
110 ノード
120 変圧器
130 同期発電機
140 送電線路
150 負荷
160 風力発電機
300 通信ネットワーク
DB1 需要予測データベース
DB2 新エネ出力予測データベース
DB3 大規模電源出力データベース
DB4 系統状態測定値データベース
DB5 状態推定計算補正結果データベース
DB6 電制機結果データベース

Claims (3)

  1. 電力系統の系統状態の測定値である系統状態測定値に基づいて前記電力系統の系統状態の推定値である系統状態推定値を算出する状態推定計算を行う系統状態計算部と、
    前記系統状態測定値は、前記電力系統における複数の計測点で得られた計測データ、又は、当該計測データに欠損がある場合に当該欠損が補間された計測データであり、
    前記系統状態測定値及び前記系統状態推定値の各々は、有効電力、無効電力、電圧、電圧位相及び電流を含み、
    電力需要の予測値、新エネルギーの出力予測値、又は大規模電源の出力値の時系列データから、前記状態推定計算から次の状態推定計算までの状態推定計算インターバル中の需要、新エネルギー出力又は大規模電源出力の変化量である系統状況変化量を予測し、当該予測された系統状況変化量と、系統状態推定値とを基に、系統状態推定値及び系統状態測定値を入力とし当該入力された系統状態推定値の補正後の系統状態推定値を出力とする補正量分布モデルを作成する補正量分布作成部と、
    前記大規模電源は、火力発電、水力発電又は原子力発電であり、
    前記状態推定計算により算出された系統状態推定値と当該状態推定計算に使用された系統状態測定値との乖離度が所定の閾値以上か否かを判定する乖離判定部と、
    前記乖離度が前記所定の閾値以上の場合に、前記状態推定計算により算出された系統状態推定値と当該状態推定計算に使用された系統状態測定値とを前記作成された補正量分布モデルに入力することで当該入力された系統状態推定値の補正後の系統状態推定値を得る補正部と、を備えること
    を特徴とする電力系統の状態推定装置。
  2. 請求項1に記載の電力系統の状態推定装置において、
    前記状態推定計算により算出された補正前の系統状態推定値であり前記補正量分布モデルに入力された系統状態推定値と、当該系統状態推定値の補正後の系統状態推定値であり前記補正量分布モデルから出力された系統状態推定値とのうち、前記状態推定計算に使用された系統状態測定値に近い方の系統状態推定値を出力する精度検証部を更に備えること
    を特徴とする電力系統の状態推定装置。
  3. 計算機システムが、電力系統の系統状態の測定値である系統状態測定値に基づいて前記電力系統の系統状態の推定値である系統状態推定値を算出する状態推定計算を行い、
    前記系統状態測定値は、前記電力系統における複数の計測点で得られた計測データ、又は、当該計測データに欠損がある場合に当該欠損が補間された計測データであり、
    前記系統状態測定値及び前記系統状態推定値の各々は、有効電力、無効電力、電圧、電圧位相及び電流を含み、
    前記計算機システムが、電力需要の予測値、新エネルギーの出力予測値、又は大規模電源の出力値の時系列データから、前記状態推定計算から次の状態推定計算までの状態推定計算インターバル中の需要、新エネルギー出力又は大規模電源出力の変化量である系統状況変化量を予測し、当該予測された系統状況変化量と、系統状態推定値とを基に、系統状態推定値及び系統状態測定値を入力とし当該入力された系統状態推定値の補正後の系統状態推定値を出力とする補正量分布モデルを作成し、
    前記大規模電源は、火力発電、水力発電又は原子力発電であり、
    前記計算機システムが、前記状態推定計算により算出された系統状態推定値と当該状態推定計算に使用された系統状態測定値との乖離度が所定の閾値以上か否かを判定し、
    前記計算機システムが、前記乖離度が前記所定の閾値以上の場合に、前記状態推定計算により算出された系統状態推定値と当該状態推定計算に使用された系統状態測定値とを前記作成された補正量分布モデルに入力することで当該入力された系統状態推定値の補正後の系統状態推定値を得る補正を行うこと
    を特徴とする電力系統の状態推定方法。
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