以下に、本願にかかる情報制御プログラム、情報制御方法および情報制御装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報制御プログラム、情報制御方法および情報制御装置が限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.制御処理の一例〕
図1を用いて、実施形態にかかる制御処理の一例を示す。図1は、実施形態にかかる情報制御プログラムによる制御処理の一例を示す図である。また、実施形態にかかる情報制御システム1は、端末装置10-2と、端末装置10-3と、端末装置10-4と、情報制御装置100とを含む。端末装置10-2と、端末装置10-3と、端末装置10-4を区別する必要が無い場合には、単に「端末装置10」と表記する。実施形態にかかる情報制御プログラムによる制御処理は、図1に示す端末装置10および情報制御装置100によって行われる。つまり、端末装置10および情報制御装置100は、実施形態にかかる情報制御プログラムによる制御に従って、実施形態にかかる制御処理を実行する。
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。また、端末装置10は、静電容量方式によりユーザーからの操作を受け付けるタッチパネルを搭載しているものとする。図1の例では、端末装置10-2はユーザU2によって利用され、端末装置10-3はユーザU3によって利用され、端末装置10-4はユーザU4によって利用される。なお、不図示であるが、担当者Tの端末装置についても端末装置10と表記する場合がある。
ここで、実施形態にかかる前提について説明する。前提として、例えば、端末装置10を用いて入力された入力結果に基づく情報認証がある。一例として、大学における出席管理システムが挙げられる。かかる出席管理システムでは、例えば、学生それぞれに固有の識別番号とQRコード(登録商標)が配布されており(例えば、講義室の各座席に予め用意されている)、学生は自身の端末装置10のカメラ機能によりQRコードを読み取らせ出席登録を行う。
例えば、出席管理システムは、端末装置10から受信した固有の識別番号とQRコードとに基づいて、認証処理を行うことで、確かにその学生本人が特定の時間の授業(例えば、9時からの授業)のために特定の場所(講義室)に居たかどうかといった本人性の認証を行う。しかしながら、出席管理システムでは、代理出席ができてしまう可能性がある。例えば、出席していない友人のためにある生徒が、その友人に対して固有の識別番号とQRコードとを送信すれば、例えば、その友人は、自宅からでも自身の端末装置10を用いて、固有の識別番号とQRコードとを出席管理システムに送信することができる。そうすすると、実際には、本人は出席していないにも拘わらず出席したものとして認証されてしまう可能性がある。
実施形態にかかる情報制御プログラムは、このような前提によって生じる問題を解決するための制御処理を端末装置10や情報制御装置100に対して行わせるものである。つまり、実施形態にかかる情報制御プログラムは、ユーザ本人が確かに所定の場所いるかどうかといった本人性の認証を精度よく行えるようにするものであり、認証精度を向上を目的とする。具体的には、実施形態にかかる情報制御プログラムは、複数のユーザが有する端末装置それぞれに入力される情報に関する入力結果を取得する取得手順と、取得手順によって取得された入力結果に基づいて、複数のユーザそれぞれについて所定の現実空間での本人性を認証する認証手順とをコンピュータに実行させる。例えば、認証手順は、取得手順によって取得された入力結果に基づき特定されたコンテキストであって、前記複数のユーザそれぞれのコンテキストが所定の条件情報を満たすか否かに応じて、所定の現実空間での本人性を認証する。
このような認証処理が行われるにあたって、本実施形態では、ユーザは導電性パターンを用いる。例えば、取得手順は、入力結果として、ユーザがタッチした際の通電により端末装置10に対して入力を行う導電性パターンを用いて複数のユーザの端末装置10それぞれに入力される情報に関する入力結果を取得する。一例を示すと、取得手順は、導電性パターンとして、所定の時刻、所定の位置、所定のイベントに応じた情報を端末装置10に入力するための導電性パターンを用いて複数のユーザの端末装置10それぞれに入力される情報に関する入力結果を取得する。
ユーザ(図1の例では、担当者T等)は、導電性パターン(図1の例では、導電性パターンPT2)が印刷された媒体(図1の例では、媒体K2)を端末装置10のタッチパネルに接触させた状態で、導電性パターンにタッチすることにより、本来端末装置10の表示画面に直接タッチすることにより行う入力を、導電性パターンを介して端末装置10に対して行うことができる。例えば、担当者Tは、紙媒体である媒体K2に銀ナノインクで印刷された導電性パターンPT2を用いることができる。導電性パターンの素材は、銀ナノ材料(例えば、銀ナノ粒子)であるため、効率よく通電される。
導電性パターンを用いた端末装置10への情報入力について具体的に説明する。上記の通り、端末装置10は、静電容量方式によりユーザからの操作を受け付けるタッチパネルを搭載している。例えば、ユーザが情報入力のためにタッチパネルに直接触れた場合、タッチパネル内部で常時流れている信号がタッチされた指を通じてグラウンドへ流出する。端末装置10は、この信号の流出により信号が減衰したことを検知する。すなわち、端末装置10は、信号の減衰を検出することにより、信号の減衰が検出された位置(ユーザが触れた位置)での情報入力と認識する。
導電性パターンを用いた情報入力について説明する。図1に示す導電性パターンPT2のように、導電性パターンは、ユーザがタッチしたことに基づく通電により端末装置10に対して操作内容に応じた入力を行う入力点、すなわちタッチイベント(情報入力)を発生させる入力点(丸い部分)と、入力点に接続される接続線であって入力点との通電を行う接続線とで構成される。
図1の例では、導電性パターンPT2は、一枚の大型の紙媒体である媒体K2に印刷されて用いられる。導電性パターンPT2は、「端末装置10-2に対応する導電性パターン部分である導電性パターンPT2-2」、「端末装置10-3に対応する導電性パターン部分である導電性パターンPT2-3」、「端末装置10-4に対応する導電性パターン部分である導電性パターンPT2-4」が接続線でたこ足配線された大型の導電性パターンである。
また、導電性パターンPT2では、ユーザが直接触れる入力点D1と、入力点D1にタッチされることで、端末装置10-2にタッチイベントを検出させる(端末装置10-2の表示画面D上に接触させられる)入力点P11-2と、端末装置10-3にタッチイベントを検出させる(端末装置10-3の表示画面D上に接触させられる)入力点P11-3と、端末装置10-4にタッチイベントを検出させる(端末装置10-4の表示画面D上に接触させられる)入力点P11-4と、が一本の接続線で接続される。
また、導電性パターンPT2では、ユーザが直接触れる入力点D2と、入力点D2にタッチされることで、端末装置10-2にタッチイベントを検出させる(端末装置10-2の表示画面D上に接触させられる)入力点P12-2と、端末装置10-3にタッチイベントを検出させる(端末装置10-3の表示画面D上に接触させられる)入力点P12-3と、端末装置10-4にタッチイベントを検出させる(端末装置10-4の表示画面D上に接触させられる)入力点P12-4と、が一本の接続線で接続される。
また、導電性パターンPT2では、ユーザが直接触れる入力点D3と、入力点D3にタッチされることで、端末装置10-2にタッチイベントを検出させる(端末装置10-2の表示画面D上に接触させられる)入力点P13-2と、端末装置10-3にタッチイベントを検出させる(端末装置10-3の表示画面D上に接触させられる)入力点P13-3と、端末装置10-4にタッチイベントを検出させる(端末装置10-4の表示画面D上に接触させられる)入力点P13-4と、が一本の接続線で接続される。
また、導電性パターンPT2では、ユーザが直接触れる入力点D4と、入力点D4にタッチされることで、端末装置10-2にタッチイベントを検出させる(端末装置10-2の表示画面D上に接触させられる)入力点P14-2と、端末装置10-3にタッチイベントを検出させる(端末装置10-3の表示画面D上に接触させられる)入力点P14-3と、端末装置10-4にタッチイベントを検出させる(端末装置10-4の表示画面D上に接触させられる)入力点P14-4と、が一本の接続線で接続される。
このため、実施形態にかかる導電性パターンは、ユーザによる手作業による入力操作を自動化する「操作マクロ」といえる。より具体的には、導電性パターンPT2-2、導電性パターンPT2-3および導電性パターンPT2-4それそれに含まれる4つの入力点は、操作マクロに対応する。したがって、タッチイベントを検出させる4つの入力点は、導電性パターンPT2-2、導電性パターンPT2-3および導電性パターンPT2-4に拘わらず、配置される位置関係(配置関係)は共通している。
さて、これまで前提と導電性パターンを用いた情報入力について示した。以下では、端末装置10および情報制御装置100によって行われる制御処理の一例について説明する。なお、図1の例では、ユーザとは、ユーザU2、ユーザU3、ユーザU4、担当者Tを指すものとする。また、図1はどのようなシチュエーションかというと、上記前提と同様に、ある大学のある行動で行われる授業に、受講対象の生徒本人が出席しているかの認証を行う出席管理であるものとする。具体的には、A大学のエリアAR1(授業が行われる講義室の場所)に生徒であるユーザU2、ユーザU3、ユーザU4が来ているか、つまり授業に出席しているか、といった出席確認を教授である担当者Tが行いたいといったシチュエーションである。
例えば、担当者Tは、自身の端末装置10を用いて、情報制御装置100に対して、出席確認に対応する導電性パターンを生成するようリクエストする。例えば、担当者Tは、A大学のエリアAR1に対応する導電性パターンを生成するようリクエストする。なお、担当者Tはどのようなかたちで導電性パターンの生成をリクエストするかは限定されない。例えば、担当者Tは、場所の識別情報(教室の番号等)や授業の識別情報(授業名や時間帯等)もリクエストに含めてよい。
情報制御装置100は、担当者Tからリクエストを受信すると、入力対象情報と条件情報とを決定する(ステップS1)。入力対象情報とは、ユーザに入力させる情報である。図1の例では、入力対象情報はユーザU2~U4に入力させる情報である。例えば、情報制御装置100は、A大学のエリアAR1に対応する入力対象情報と条件情報とを決定する。例えば、情報制御装置100は、入力対象情報として入力対象情報C1を決定し、また、条件情報として条件情報J1を決定する。なお、入力対象情報とは、ユーザ(図1の例では、生徒であるユーザU2~U4)に入力させる情報であり、例えば、パスワードがそれに該当する。
図1の例では、入力対象情報C1は、「1234」といった4つの数字から成るパスワードである。なお、図1の例では、説明を簡単にするために、パスワードとして単純な例を挙げているが、実際には、より複雑な構成の文字情報がパスワードとして決定される。また、入力対象情報C1であるパスワード「1234」は、端末装置10の表示画面Dに表示される。例えば、端末装置10には、実施形態にかかる情報制御プログラムに対応するアプリケーション(「アプリAP1」とする)がインストールされていることにより、このような表示が可能となる。また、図1の例では、条件情報J1は、「0.3秒以内にパスワードに対応する番号が付されたポイントである対象ポイントを番号順にタッチ」といったものである。
このようなことから、表示画面Dには、パスワード「1234」に応じて、各数字が個別に所定位置(対象ポイント)に表示されるため、ユーザU2~U4は、0.3秒以内に1、2、3、4の順に対象ポイントを順にタッチしなければならない。
次に、情報制御装置100は、先に説明したようなタコ足配線の導電性パターンPT2を示すパターン情報を生成する(ステップS2)。具体的には、情報制御装置100は、条件情報に基づいて、パターン情報を生成する。例えば、情報制御装置100は、4つの対象ポイントの位置関係に基づいて、パターン情報を生成する。ここで、タッチイベントを検出させる4つの入力点の位置関係について、導電性パターンPT2-2を例に説明する。
入力点P11-2、入力点P12-2、入力点P13-2および入力点P14-2の位置関係は、4つの対象ポイントの位置関係に対応する。具体的には、入力点P11-2はパスワード「1234」のうち「1」に対応する対象ポイントにおいてタッチイベントを検出させる入力点である。また、入力点P12-2はパスワード「1234」のうち「2」に対応する対象ポイントにおいてタッチイベントを検出させる入力点である。また、入力点P13-2はパスワード「1234」のうち「3」に対応する対象ポイントにおいてタッチイベントを検出させる入力点である。また、入力点P14-2はパスワード「1234」のうち「4」に対応する対象ポイントにおいてタッチイベントを検出させる入力点である。
このようなことから、例えば、「1」に対応する対象ポイントに入力点P11-2が合わさるように、表示画面上に媒体K2を載置した場合、「2」に対応する対象ポイントに入力点P12-2が合わさり、「3」に対応する対象ポイントに入力点P13-2が合わさり、「4」に対応する対象ポイントに入力点P14-2が合わさることになる。情報制御装置100は、このような導電性パターンPT2を示すパターン情報を生成する。
また、図1では、不図示であるが、情報制御装置100は、担当者Tの端末装置10からのパターン情報の配信リクエストを受信した場合には、ステップS2で生成したパターン情報を担当者Tの端末装置10に配信する。担当者Tは、任意の手段で、このパターン情報を印刷する。印刷する際のインクには、銀ナノインクが用いられる。これにより、担当者Tは、紙媒体である媒体K2に印刷された導電性パターンPT2を得ることができる。また、担当者Tは、導電性パターンPT2が印刷された媒体K2を持ってエリアAR1での授業に行く。そして、例えば、担当者Tは、任意のタイミングで、端末装置10を用いて入力対象情報C1の配信リクエストを情報制御装置100に送信する。なお、入力対象情報C1の配信リクエストは、ユーザU2~U4それぞれの端末装置10から送信されてもよい。
情報制御装置100は、入力対象情報C1の配信リクエストを受信すると、ユーザU2~U4それぞれの端末装置10に対して入力対象情報C1を送信する。これにより、ユーザU2~U4それぞれの端末装置10の表示画面Dには、パスワード「1234」に対応する4つの対象ポイントが図1に示すような位置関係で表示される。
このような状態において、担当者Tは、図1に示すように、導電性パターンPT2-2、PT2-3およびPT2-4に含まれる各入力点が、表示画面Dに表示される対象ポイントに合わさるよう表示画面D上に媒体K2を載置する。そして、担当者Tは、入力点D1~D4へと上から順に、例えば、指先でなぞる。入力点D1~D4へと上から順になぞるだけであれば0.3秒以内に行うことができるが、例えば、導電性パターンPT2を用いずに、表示画面Dに表示された4つの対象ポイントを直接タッチする場合、これを0.3秒以内に行うのは困難な場合がある。また、対象ポイントの数が多くなるほどより困難になる。しかし、導電性パターンPT2を用いれば、対象ポイントの数が多くなろうとも、比較的容易に短時間で対象ポイントに対して順にタッチイベントを発生させることができる。つまり、導電性パターンPT2を用いれば、直接入力では不可能なスピードでタッチイベントを発生させることができる。
入力点D1~D4へと上から順になぞられたことに応じて、対象ポイントにおいてタッチイベントが発生するためこのタッチイベントに応じた情報入力を、ユーザU2~U4それぞれの端末装置10は検出する。そして、端末装置10は、検出した入力結果を情報制御装置100に送信する(ステップS3)。
例えば、端末装置10は、まず、「1」に対応する対象ポイントがタッチされたことを検出するため、「1」に対応する対象ポイントがタッチされたことを示す入力結果N1を情報制御装置100に送信する。次に、端末装置10は、「2」に対応する対象ポイントがタッチされたことを検出するため、「2」に対応する対象ポイントがタッチされたことを示す入力結果N2を情報制御装置100に送信する。次に、端末装置10は、「3」に対応する対象ポイントがタッチされたことを検出するため、「3」に対応する対象ポイントがタッチされたことを示す入力結果N3を情報制御装置100に送信する。次に、端末装置10は、「4」に対応する対象ポイントがタッチされたことを検出するため、「4」に対応する対象ポイントがタッチされたことを示す入力結果N4を情報制御装置100に送信する。
このようにして、情報制御装置100は、ユーザU2~U4それぞれの端末装置10から導電性パターンPT2を介して入力される情報に関する入力結果を取得する。そして、情報制御装置100は、取得した入力結果に基づいて、ユーザU2~U4のコンテキストを特定する(ステップS4)。本実施形態では、コンテキストは「ユーザが置かれている状況」を示すものである。
図1の例では、情報制御装置100は、端末装置10-2から取得した入力結果N1~N4に基づいて、ユーザU2のコンテキストとして、「ユーザU2はエリアAR1にて、条件情報J1を満たすよう入力対象情報C1の入力を行った」といったコンテキストを特定する。また、情報制御装置100は、端末装置10-3から取得した入力結果N1~N4に基づいて、ユーザU3のコンテキストとして、「ユーザU3はエリアAR1にて、条件情報J1を満たすよう入力対象情報C1の入力を行った」といったコンテキストを特定する。また、情報制御装置100は、端末装置10-4から取得した入力結果N1~N4に基づいて、ユーザU4のコンテキストとして、「ユーザU4はエリアAR1にて、条件情報J1を満たすよう入力対象情報C1の入力を行った」といったコンテキストを特定する。
次に、情報制御装置100は、特定したコンテキストに基づいて、所定の現実空間であるエリアAR1での本人性を認証する(ステップS5)。情報制御装置100は、コンテキストが所定の条件情報を満たすか否かに応じて、エリアAR1での本人性を認証する。ユーザU2を例に挙げると、情報制御装置100は、ユーザU2のコンテキスト「ユーザU2はエリアAR1にて、条件情報J1を満たすよう入力対象情報C1の入力を行った」が、所定の条件情報として、「ユーザがエリアAR1(所定のエリアの一例)内で入力対象情報C1の入力(所定の情報入力の一例)を行ったとする条件情報」を満たすか否かを判定する。
かかる場合、まずコンテキストから、ユーザU2は、条件情報J1を満たすよう入力対象情報C1の入力を行ったことは明らかである。また、上記の通り、エリアAR1にて担当者T1が導電性パターンPT2をなぞらない限り、端末装置10-2において入力対象情報C1の入力は検出されない。このようなことから、情報制御装置100は、「ユーザがエリアAR1(所定のエリアの一例)内で入力対象情報C1の入力(所定の情報入力の一例)を行ったとする条件情報」を満たすと判定する。また、情報制御装置100は、ユーザU2が条件情報を満たしたことで、エリアAR1でのユーザU2の本人性の認証を得る。言い換えれば、情報制御装置100は、確かにエリアAR1での授業に参加していたという本人性の認証を得る。そして、情報制御装置100は、ユーザU2の出席を承認する。
また、情報制御装置100は、ユーザU3およびU4についても、それぞれのコンテキストが条件情報を満たすか否か判定し、満たす場合には、認証を得る。図1の例では、情報制御装置100は、ユーザU3およびU4についても認証を得るため出席を承認する。
一方、「ユーザがエリアAR1(所定のエリアの一例)内で入力対象情報C1の入力(所定の情報入力の一例)を行ったとする条件情報」は、導電性パターンPT2を用いなければ満たすことのできない条件情報であるため、情報制御装置100は、この条件情報を満たさないような入力、あるいは、そもそも入力を行わなかったユーザは欠席とする。
このように、実施形態にかかる情報制御プログラムは、導電性パターンPT2を用いなければ満たすことのできない条件情報を設定するとともに、ユーザから取得した入力結果に基づき特定したユーザのコンテキストがかかる条件情報を満たしか否かに応じて、所定の現実空間でのユーザの本人性を認証する。このような場合、ユーザ(生徒)は、図1の前提で説明したような代理出席といった不正を行うことができなくなる。したがって、実施形態にかかる情報制御プログラムは、認証精度を向上させることができる。
〔2.情報制御装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態にかかる情報制御装置100について説明する。図2は、実施形態にかかる情報制御装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、情報制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、決定情報記憶部121と、ユーザ情報記憶部122と、コンテキスト情報記憶部123とを有する。
(決定情報記憶部121について)
決定情報記憶部121は、情報制御装置100により決定された情報を記憶する。例えば、決定情報記憶部121は、情報制御装置100により決定された入力対象情報や、入力対象情報を入力させるうえでの条件情報に関する情報を記憶する。ここで、図3に実施形態にかかる決定情報記憶部121の一例を示す。図3の例では、決定情報記憶部121は、「管理ID」、「用途」、「状況」、「管理者情報」、「管理コード」、「入力対象情報」、「条件情報」といった項目を有する。また、「条件情報」には、「入力時間」、「入力時刻」、「位置」、「アプリ」といった項目が含まれる。
「管理ID」は、「用途」、「状況」、「管理者情報」、「管理コード」、「入力対象情報」、「条件情報」といったその他の項目を対応付けて一元管理するための識別情報を示す。なお、管理ID「ST1」に対応付けられる各項目は、図1の例に対応する。「用途」は、導電性パターンが何の目的のために利用されるかといった用途目的を示す。図1の場合、導電性パターンPT2は、出席管理のために利用される。したがって、図1の例に対応する管理ID「ST1」によって識別される「用途」には、「出席管理」が対応付けられる。
「状況」は、どのような状況の際に、導電性パターンが利用されるかといった状況を示す。図1の場合、「A大学」の「エリアAR(に位置する教室)」にて「1限目(9時から10時30分)」といった状況下において生徒の出席管理が行われる。したがって、図1の例に対応する管理ID「ST1」によって識別される「状況」には、このような状況を情報が対応付けられる。
「管理者情報」は、「用途」や「状況」を管理する管理者の情報を示す。図1の例では、教授である担当者Tが「用途」や「状況」を管理する。したがって、図1の例に対応する管理ID「ST1」によって識別される「管理者情報」には、担当者Tに関する情報が対応付けられる。例えば、「管理者情報」には、担当者Tの氏名、役職、識別番号等の個人情報が入力されるが、担当者Tを識別可能な情報であればどのような情報が入力されてもよい。
なお、「状況」および「管理者情報」については、例えば、管理者によって情報制御装置100に対して登録されてよい。図1の例では、担当者T1が「状況」および「管理者情報」を登録する。
「管理コード」は、「入力対象情報」および「条件情報」を管理するための識別情報を示す。図1の例を用いると、例えば、担当者Tは、複数の授業それぞれの出席確認で導電性パターンを利用したいとする。かかる場合、担当者Tは、複数の授業それぞれに対応する導電性パターンを情報制御装置100に対して生成させるが、複数の授業毎に「入力対象情報」および「条件情報」は異なる。このように、1つの管理IDについて複数の「状況」が存在する場合があるため、「管理コード」は、複数の「状況」それぞれに対応する「入力対象情報」および「条件情報」を識別するためのものである。
「入力対象情報」は、情報制御装置100によって決定された入力対象情報を示す。「入力対象情報」は、ユーザに入力させる情報であり、例えば、パスワードがそれに該当する。図1の例では、情報制御装置100は、数字4桁のパスワード「1234」を入力対象情報C1として決定している。したがって、図1の例に対応する管理ID「ST1」および管理コード「Code1」よって識別される「入力対象情報」には、数字4桁のパスワード「1234」を示す「C1」が入力される。
「条件情報」は、「入力対象情報」を入力させるうえでの入力に関する条件情報、および、認証においてコンテキストが満たすか否かを判定する際に用いられる条件情報を示す。「入力時間」は、「入力対象情報」を入力するうえでの入力に関する条件情報であり、入力時間「0.3秒」は、「入力対象情報」を「0.3秒」以内に入力するよう制限する条件情報であることを示す。なお、図1の例の様に、「入力対象情報」が数字で構成される場合、「0.3秒内に小さい数字から対象ポイントを順にタッチ」あるいは「0.3秒内に大きい数字から対象ポイントを順にタッチ」といった形で「入力時間」が決定されてもよい。
「入力時刻」は、「管理コード」によって識別される「入力対象情報」を入力すべきユーザ(図1の例では、生徒であるユーザU2~U4)について、それそれの入力結果から特定されたコンテキストが満たすか否かを判定する際に用いられる条件情報の一つである。図1の例では、「入力時刻」は、「同一時刻」が対応付けられており、「端末装置10に対して「入力対象情報」の入力が行われたタイミングが対象のユーザ間で同一の時刻であるとする条件情報」を示す。対象のユーザとは、図1の例では、生徒であるユーザU2~U4である。
「位置」は、「管理コード」によって識別される「入力対象情報」を入力すべきユーザ(図1の例では、生徒であるユーザU2~U4)について、それそれの入力結果から特定されたコンテキストが満たすか否かを判定する際に用いられる条件情報の一つである。図1の例では、「位置」は、「エリアAR1」が対応付けられており、「ユーザがエリアAR1内で「入力対象情報」の入力を行ったこととする条件情報」を示す。
「アプリ」は、「管理コード」によって識別される「入力対象情報」を入力すべきユーザ(図1の例では、生徒であるユーザU2~U4)について、それそれの入力結果から特定されたコンテキストが満たすか否かを判定する際に用いられる条件情報の一つである。図1の例では、「アプリ」は、「端末装置10に対する「入力対象情報」の入力が「アプリAP1」を介して行われたこととする条件情報」を示す。
(ユーザ情報記憶部122について)
ユーザ情報記憶部122は、ユーザに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部122は、入力対象情報を入力すべきユーザに関する情報を記憶する。ここで、図4に実施形態にかかるユーザ情報記憶部122の一例を示す。図4の例では、ユーザ情報記憶部122は、「管理ID」、「管理コード」、「ユーザID」、「個人情報」といった項目を有する。
「管理ID」は、決定情報記憶部121の「管理ID」に対応する。「管理コード」は、決定情報記憶部121の「管理コード」に対応する。「ユーザID」は、決定情報記憶部121の入力対象情報を入力すべきユーザ(図1の例では、ユーザU2~U4)またはユーザの端末装置10を識別する識別情報を示す。「個人情報」は、「ユーザID」によって識別されるユーザの個人情報を示す。図4の例では、「個人情報」として「DA2」にような概念的な記号を用いているが、例えば、図1のような出席管理の場合、「個人情報」として、これまでの出席状況が授業毎に登録される。また、ユーザの住所氏名等の個人情報も登録されてよい。
すなわち、図4の例では、管理ID「ST1」および管理コード「Code1」に対応する状況(図1の例)において、ユーザID「U2」によって識別されるユーザ(ユーザU2)の個人情報が「DA2」である例を示す。
(コンテキスト情報記憶部123について)
ユーザ情報記憶部122は、ユーザに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部122は、入力対象情報を入力すべきユーザに関する情報を記憶する。ここで、図5に実施形態にかかるコンテキスト情報記憶部123の一例を示す。図5の例では、コンテキスト情報記憶部123は、「管理ID」、「管理コード」、「ユーザID」、「入力結果」、「コンテキスト情報」といった項目を有する。
「管理ID」は、決定情報記憶部121の「管理ID」に対応する。「管理コード」は、決定情報記憶部121の「管理コード」に対応する。「ユーザID」は、ユーザ情報記憶部122の「ユーザID」に対応する。「入力結果」は、ユーザによって入力された情報に応じて端末装置10が検出した検出結果である。例えば、ユーザが端末装置10の表示画面Dに直接タッチした場合、そのタッチに応じた情報が「入力結果」となる。また、例えば、導電性パターンを介して端末装置10に対してタッチイベントを発生させた場合、そのタッチイベントに応じた情報が「入力結果」となる。
「コンテキスト情報」は、「入力対象情報」を入力すべきユーザ(図1の例では、生徒であるユーザU2~U4)の端末装置10により検出された入力結果に基づき特定されたコンテキスト情報であって、かかるユーザのコンテキスト情報を示す。
すなわち、図5の例では、ユーザID「U2」によって識別される端末装置10(図1の例では、端末装置10-2)が、タッチイベントに応じて、入力結果N1、N2、N3、N4を検出した例を示す。
図2に戻り、制御部130は、CPUやMPU等によって、情報制御装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部130は、実施形態にかかる情報制御プログラムによって実行される処理部である。
図2に示すように、制御部130は、受信部131と、決定部132と、パターン生成部133と、表示制御部134と、取得部135と、特定部136と、認証部137とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(受信部131について)
受信部131は、端末装置10から各種情報を受信する。例えば、受信部131は、管理者情報によって識別される管理者(図1の例では、担当者T)の端末装置10からパターン情報の生成リクエストを受信する。また、受信部131は、管理者情報によって識別される管理者の端末装置10からパターン情報の配信リクエストを受信する。なお、受信部131は、生成されたパターン情報の配信も行うことができる。
また、受信部131は、入力対象情報の配信リクエストを受信する。例えば、受信部131は、入力対象情報を入力すべき対象のユーザの端末装置10、あるいは、管理者情報によって識別される管理者の端末装置10から入力対象情報の配信リクエストを受信する。なお、受信部131は、入力対象情報の配信も行うことができる。
(決定部132について)
決定部132は、入力対象情報と条件情報とを決定する。例えば、決定部132は、受信部131によりパターン情報の生成リクエストが受信された場合に、入力対象情報と条件情報とを決定する。図1の例では、決定部132は、A大学のエリアAR1に対応する入力対象情報と条件情報とを決定する。図1の例では、決定部132は、入力対象情報として入力対象情報C1を決定し、また、条件情報として条件情報J1を決定する。
例えば、決定部132は、入力対象情報として、複数の文字で構成されるパスワードを決定する。また、決定部132は、入力対象情報を入力させるうえでの条件情報や、入力対象情報を入力すべきユーザについて、それそれの入力結果から特定されたコンテキストが満たすか否かを判定する際に用いられる条件情報を決定する。また、決定部132は、決定した入力対象情報および条件情報を決定情報記憶部121に格納する。なお、決定部132は、入力対象情報が表示画面Dにおいて表示される位置である対象ポイントも決定することができる。
(パターン生成部133について)
パターン生成部133は、導電性パターンを示すパターン情報を生成する。例えば、パターン生成部133は、受信部131によりパターン情報の生成リクエストが受信された場合に、パターン情報を生成する。例えば、パターン生成部133は、決定部132により決定された入力対象情報および条件情報に基づいて、パターン情報を生成する。
また、パターン生成部133は、図1で説明したように、一枚の大型の紙媒体に印刷して用いられる導電性パターンであって、複数のユーザの端末装置10に表示された対象ポイントと位置関係が対応する入力点が接続線によってタコ足配線された導電性パターンを示すパターン情報を生成する。
(表示制御部134について)
表示制御部134は、端末装置10に対して情報の表示制御を行う。例えば、表示制御部134は、決定部132により決定された入力対象情報が、決定部132により決定された対象ポイントに表示されるよう端末装置10に対して表示制御する。
(取得部135について)
取得部135は、複数のユーザが有する端末装置10それぞれに入力される情報に関する入力結果を取得する。具体的には、取得部135は、入力対象情報を入力すべき対象の複数のユーザの端末装置10それぞれに入力された情報に基づく入力結果を取得する。
例えば、取得部135は、入力結果として、ユーザがタッチした際の通電により端末装置10に対して入力を行う導電性パターンを用いて複数のユーザの端末装置10それぞれに入力される情報に関する入力結果を取得する。より具体的には、取得部135は、導電性パターンとして、所定の時刻、所定の位置または所定のイベントに応じた情報を端末装置10に入力するための導電性パターンを用いて複数のユーザによって複数のユーザの端末装置10それぞれに入力される情報に関する入力結果を取得する。所定のイベントは、図3の例では、「A大学のエリアAR1にて行われる1限目授業」に相当する。
図1の例では、入力点D1~D4へと上から順になぞられたことに応じて、対象ポイントにおいてタッチイベントが発生するためこのタッチイベントに応じた情報入力を、ユーザU2~U4それぞれの端末装置10は検出する。そして、端末装置10は、検出した入力結果を情報制御装置100に送信する。
例えば、端末装置10は、まず、「1」に対応する対象ポイントがタッチされたことを検出するため、「1」に対応する対象ポイントがタッチされたことを示す入力結果N1を情報制御装置100に送信する。次に、端末装置10は、「2」に対応する対象ポイントがタッチされたことを検出するため、「2」に対応する対象ポイントがタッチされたことを示す入力結果N2を情報制御装置100に送信する。次に、端末装置10は、「3」に対応する対象ポイントがタッチされたことを検出するため、「3」に対応する対象ポイントがタッチされたことを示す入力結果N3を情報制御装置100に送信する。次に、端末装置10は、「4」に対応する対象ポイントがタッチされたことを検出するため、「4」に対応する対象ポイントがタッチされたことを示す入力結果N4を情報制御装置100に送信する。かかる場合、取得部135は、ユーザU2~U4それぞれの端末装置10から入力結果N1~N4を取得する。
(特定部136について)
特定部136は、ユーザのコンテキストを特定する。具体的には、特定部136は、取得部135によって取得された入力結果に基づいて、複数のユーザそれぞれについて所定の現実空間での本人性を認証する。
図1の例では、特定部136は、端末装置10-2から取得した入力結果N1~N4に基づいて、ユーザU2のコンテキストとして、「ユーザU2はエリアAR1にて、条件情報J1を満たすよう入力対象情報C1の入力を行った」といったコンテキストを特定する。また、特定部136は、端末装置10-3から取得した入力結果N1~N4に基づいて、ユーザU3のコンテキストとして、「ユーザU3はエリアAR1にて、条件情報J1を満たすよう入力対象情報C1の入力を行った」といったコンテキストを特定する。また、特定部136は、端末装置10-4から取得した入力結果N1~N4に基づいて、ユーザU4のコンテキストとして、「ユーザU4はエリアAR1にて、条件情報J1を満たすよう入力対象情報C1の入力を行った」といったコンテキストを特定する。また、特定部136は、特定したコンテキストをコンテキスト情報記憶部123に格納する。
(認証部137について)
認証部137は、取得部135により取得された入力結果に基づいて、複数のユーザそれぞれについて所定の現実空間での本人性を認証する。具体的には、認証部137は、取得部135により取得された入力結果に基づき特定されたコンテキストであって、複数のユーザそれぞれのコンテキストに基づいて、所定の現実空間での本人性を認証する。より具体的には、認証部137は、コンテキストが所定の条件情報を満たすか否かに応じて、所定の現実空間での本人性を認証する。
例えば、認証部137は、コンテキストが所定の条件情報として、端末装置10に対する所定の入力に要した時間を所定の閾値以下とする条件情報を満たすか否かに応じて、所定の現実空間での本人性を認証する。図1の例では、認証部137は、所定の条件情報として、「端末装置10に対する入力対象情報C1の入力に要した時間を0.3秒以下とする条件情報」をコンテキストが満たすか否かを判定する。
ユーザU2を例に説明すると、エリアAR1にて担当者T1が導電性パターンPT2をなぞった場合に限り、端末装置10-2に対して0.3秒以下で入力対象情報C1を入力することができる。このようなことから、認証部137は、「端末装置10に対する入力対象情報C1の入力に要した時間を0.3秒以下とする条件情報」をユーザU2のコンテキストが満たすと判定する。説明を省略するが、認証部137は、ユーザU3およびU4についても同様にコンテキストがかかる条件情報を満たすと判定する。
また、例えば、認証部137は、コンテキストが所定の条件情報として、端末装置10に対して所定の入力が行われたタイミングが同一の時刻であるとする条件情報を満たすか否かに応じて、所定の現実空間での本人性を認証する。図1の例では、認証部137は、所定の条件情報として、「ユーザU2~U4のうち、端末装置10に対して入力対象情報C1の入力が行われたタイミングが同一の時刻のユーザを認証対象とする条件情報」をコンテキストが満たすか否かを判定する。
図1の例では、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4に対してタコ足配線された導電性パターンPT2が載置され入力点D1~D4がなぞられるため、、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4において同時にタッチイベントが発生する。つまり、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4では、同一時刻に入力対象情報C1の入力が検出される。このようなことから、認証部137は、ユーザU2~U4は「ユーザU2~U4のうち、端末装置10に対して入力対象情報C1の入力が行われたタイミングが同一の時刻のユーザを認証対象とする条件情報」を満たすと判定する。
また、例えば、認証部137は、コンテキストが所定の条件情報として、ユーザが所定のエリア内で所定の情報入力を行ったこととする条件情報を満たすか否かに応じて、所定の現実空間での本人性を認証する。図1の例では、認証部137は、所定の条件情報として、「ユーザがエリアAR1内で入力対象情報C1の入力を行ったこととする条件情報」をコンテキストが満たすか否かを判定する。
ユーザU2を例に説明すると、エリアAR1にて担当者T1が導電性パターンPT2をなぞった場合に限り、端末装置10-2に対して0.3秒以下で入力対象情報C1を入力することができる。このようなことから、認証部137は、「ユーザがエリアAR1内で入力対象情報C1の入力を行ったこととする条件情報」をユーザU2のコンテキストが満たすと判定する。説明を省略するが、認証部137は、ユーザU3およびU4についても同様にコンテキストがかかる条件情報を満たすと判定する。
また、例えば、認証部137は、コンテキストが所定の条件情報として、端末装置10に対する所定の入力が所定のアプリケーションを介して行われたこととする条件情報を満たすか否かに応じて、所定の現実空間での本人性を認証する。図1の例では、認証部137は、所定の条件情報として、「端末装置10に対する入力対象情報C1の入力がアプリAP1を介して行われたこととする条件情報」をコンテキストが満たすか否かを判定する。
ユーザU2を例に説明すると、端末装置10-2には、アプリAP1がインストールされていることにより対象ポイント、および、対象ポイントが表示されている状態で対象ポイントでのタッチイベントの検出が表示されるようになっている。このようなことから、認証部137は、「端末装置10に対する入力対象情報C1の入力がアプリAP1を介して行われたこととする条件情報」をユーザU2のコンテキストが満たすと判定する。説明を省略するが、認証部137は、ユーザU3およびU4についても同様にコンテキストがかかる条件情報を満たすと判定する。
以上のことから、図1の例では、端末装置10-2、10-3および10-4には、導電性パターンPT2を用いて入力対象情報C1の入力が行われたため、ユーザU2~U4それぞれのコンテキストは条件情報を満たすと判定される。このため、認証部は、エリアAR1でのユーザU2~U4の本人性の認証を得る。言い換えれば、認証部137は、ユーザU2~U4は、確かにエリアAR1での授業に参加していたという本人性の認証を得る。そして、認証部137は、ユーザU2~U4の出席を承認する。
〔3.処理手順〕
以下、図6に示すフローチャートを用いて、実施形態にかかる情報制御プログラムによって端末装置10および情報制御装置100各処理部が実行・実現する制御処理の内容について説明する。図6は、実施形態にかかる制御処理の一例を示すフローチャートである。
情報制御装置100の受信部131は、管理者の端末装置10から導電性パターンを示すパターン情報の生成リクエストを受信したか否かを判定する(ステップS101)。受信部131は、生成リクエストを受信していない場合には(ステップS101;No)、受信するまで待機する。一方、決定部132は、受信部131により生成リクエストが受信された場合には(ステップS101;Yes)、入力対象情報と条件情報とを決定する(ステップS102)。また、決定部132は、入力対象情報が表示画面Dにおいて表示される位置である対象ポイントも決定する。
次に、パターン生成部133は、決定部132により決定された入力対象情報および条件情報に基づいて、パターン情報を生成する(ステップS103)。例えば、パターン生成部133は、図1で説明したように、一枚の大型の紙媒体に印刷して用いられる導電性パターンであって、複数のユーザの端末装置10に表示された対象ポイントと位置関係が対応する入力点が接続線によってタコ足配線された導電性パターンを示すパターン情報を生成する。
また、パターン生成部133は、生成したパターン情報を管理者の端末装置10に配信する(ステップS104)。なお、パターン生成部133は、管理者の端末装置10からパターン情報の配信要求が受信された場合に、生成したパターン情報を配信してもよい。また、パターン情報は、パターン生成部133以外の処理部によって配信されてもよい。
このような状態において、受信部131は、入力対象情報を入力すべき対象のユーザの端末装置10、あるいは、管理者の端末装置10から入力対象情報の配信リクエストを受信したか否かを判定する(ステップS105)。受信部131は、配信リクエストを受信していない場合には(ステップS105;No)、受信するまで待機する。一方、受信部131は、配信リクエストを受信した場合には(ステップS105;Yes)、対象ポイントに応じて入力対象情報が表示されるよう、入力対象情報を入力すべき対象のユーザの端末装置10に入力対象情報を配信する(ステップS106)。
また、取得部135は、複数のユーザ(入力対象情報を入力すべき対象のユーザ)が有する端末装置10それぞれに入力される情報に関する入力結果を取得したか否かを判定する(ステップS107)。例えば、取得部135は、端末装置10の表示画面に導電性パターンが載置され、図1のように入力点がなぞられた場合に端末装置10がタッチイベントを検出するため、タッチイベントに応じた入力結果を取得可能となる。取得部135は、入力結果を取得していない場合には(ステップS107;No)、取得するまで待機する。一方、特定部136は、取得部135により入力結果が取得された場合には(ステップS107;Yes)、複数のユーザそれぞれの入力結果に基づいて、複数のユーザそれぞれのコンテキストを特定する(ステップS108)。
次に、認証部137は、ステップS108で特定されたコンテキストに基づいて、複数のユーザそれぞれについて所定の現実空間での本人性を認証する(ステップS109)。また、認証部137は、認証結果に応じた処理得を実行する(ステップS110)。例えば、認証部137は、認証が得られた場合には、所定の現実空間で行われるイベント(授業等)への参加(出席、入場等)を承認する。
〔4.変形例〕
上記実施形態にかかる端末装置10および情報制御装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、端末装置10および情報制御装置100の他の実施形態について説明する。
〔4-1.音声利用〕
上記実施形態では、認証部137が、コンテキストに対する条件として、入力に要した時間、入力のタイミング、入力が行われた場所、入力に利用されたアプリケーションに関する条件情報を満たすか否かに応じて現実空間での本人性を認証する例を説明した。しかし、認証部137は、コンテキストが所定の条件情報として、複数のユーザのうち複数のユーザそれぞれの周辺環境を示す音声が共通していることとする条件情報を満たすか否かに応じて、所定の現実空間での本人性を認証する。図1の例では、認証部137は、所定の条件情報として、「ユーザU2~U4のうち、周辺環境を示す音声が共通しているユーザを認証対象とする条件情報」をコンテキストが満たすか否かを判定する。
図1の例では、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4が情報制御装置100に周辺環境の音声を送信する。例えば、認証部137は、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4それぞれから取得された音声を解析する。図1の例では、担当者TがエリアAR1のまさにその場で導電性パターンPT2を用いて、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4に対して同時にタッチイベントを発生させている訳であるから、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4から得られる音声は当然共通のものとなる。このようなことから、認証部137は、ユーザU2~U4の全てが条件情報を満たすと判定する。
なお、周辺環境の音声は、ユーザが端末装置10に対してタッチする等に基づく入力結果ではないものの、音声として入力された入力結果と解することができる。
このように、実勢形態にかかる情報制御プログラムは、端末装置10にユーザが触れることで発生する入力結果だけでなく、周辺環境に基づく入力結果も用いることができるため、より高精度な認証を行うことができる。
〔4-2.複数媒体を物理導線でつなぐ〕
上記実施形態では、パターン生成部133は、図1に示すように、大判の媒体1枚に印刷されて利用されるパターン情報であって、複数の端末装置10に対応するパターン情報がタコ足配線されたパターン情報を生成する例を示した。しかし、パターン生成部133は、端末装置10毎に1つの媒体に印刷して利用される導電性パターンを示すパターン情報を端末装置10毎に生成してもよい。
図1の例を用いると、パターン生成部133は、端末装置10-2に対応する導電性パターンPT2-2のパターン情報を生成し、かかるパターン情報は1つの媒体K2-2に印刷される。また、パターン生成部133は、端末装置10-3に対応する導電性パターンPT2-3のパターン情報を生成し、かかるパターン情報は1つの媒体K2-3に印刷される。パターン生成部133は、端末装置10-4に対応する導電性パターンPT2-4のパターン情報を生成し、かかるパターン情報は1つの媒体K2-4に印刷される。
上記例では、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4という3台の端末装置10に応じて3枚の媒体が存在する。かかる場合、担当者Tは、例えば、3枚の媒体である媒体K2-2、媒体K2-3および媒体K2-4を物理的な導線(例えば、極細の針金等)でつなぐ。つなぐ際は、導電性パターンと物理的な導線とを接触させるようにつなぐ。
そして、担当者Tは、端末装置10-2には導電性パターンPT2-2が合わさるように、端末装置10-3には導電性パターンPT2-3が合わさるように、端末装置10-4には導電性パターンPT2-4が合わさるように、物理的な導線でつながれた3つの媒体を載置する。そして、担当者Tは導電性パターンをうえからなぞることによりタッチイベントを発生させる。
このように実施形態にかかる媒体は、入力対象の端末装置10が複数台存在する場合であっても、必ずしも大型の1枚の媒体である必要はなく、端末装置10毎に用意された媒体が導線でつながれた状態で利用されてもよい。例えば、1枚の媒体を用いる場合、端末装置10の数が多いほどより大きな媒体が必要となり、また、各端末装置10のうまく媒体を載置するのが困難となる。このような場合、端末装置10毎の媒体を導線でつないで利用することで、導電性パターンが印刷された媒体の使い勝手を向上させることができる。
〔4-3.適用されるシチュエーション(1)〕
上記実施形態では、導電性パターンを用いた認証のシチュエーションとして、出席管理システムを例に挙げた。しかしながら、実施形態にかかる認証処理は、出席管理システムへの適用に限定されるものではい。例えば、導電性パターンを用いた実施形態にかかる認証処理は、イベントやコンサート会場へ入場する際の本人認証や、連絡先交換の際の本人認証にも適用することができる。
〔4-4.適用されるシチュエーション(2)〕
上記変形例では、導電性パターンを用いた認証のシチュエーションとして、イベントやコンサート会場へ入場する際の本人認証があることを示した。ここで、例えば、ある1つコンサート会場(「ホールH」とする)を例に挙げる。そして、ホールHには、複数の入り口が存在するとする。かかる場合、パターン生成部133は、入り口毎に異なるパターンを示すパターン情報を生成することができる。また、パターン生成部133は、時間帯毎に異なるパターンを示すパターン情報を生成することができる。これにより、例えば、入場を管理するコンサートスタッフは、どの客がどの入り口から入場したかを把握することができる。
また、例えば、スタッフは、ホールHの高額な座席(プレミアムシート等)座る客に対して、適切な入り口から正当な手順で入場したか(会場に入った後に席交換等をしていないか)を把握できるようになる。また、スタッフは、コンサートでは客入れ替え(13時の部/16時の部/19時の部、等)があるが、一旦場外に出てから再入場したかも適切に把握できるようになる。
〔4-5.パターン情報を複数回生成〕
上記実施形態では、図1の例を用いて、パターン生成部133が、1つのイベント(例えば、ある日の1時限目の授業)についてパターン情報を生成する例を示した。しかし、パターン生成部133は、例えば、イベント毎に当該イベントに対応したパターン情報を生成してもよい。図1の例を用いると、例えば、教授である担当者Tは、毎週月曜日に1限目に授業を担当しているものとする。かかる場合、パターン生成部133は、1回の授業に対応するパターン情報を生成するのではなく、毎週月曜に対応するパターン情報であって、それぞれの回で異なるパターンのパターン情報を生成する。
これにより、実施形態にかかる情報制御プログラムは、代理出席だけでなく、出席回の偽装も防止することができる。例えば、教員によっては出席必須の回を設けることがあるが、情報制御プログラムは、第何回の授業に出席していたかというのも正確に把握させることができる。例えば、毎回同じ導電性パターンで認証が行われると、生徒は端末装置10の時刻設定を操作する等して、出席必須回以外の授業でタッチされた記録によって必須回に出席したと偽装できてしまう可能性がある。しかしながら、情報制御プログラムは、授業毎に異なるパターンの導電性パターンを利用させることができるため、このような不正が行われることを防止することができる。
〔5.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる端末装置10および情報制御装置100は、例えば図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報制御装置100を例に挙げて説明する。図7は、情報制御装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報制御装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
また、例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる端末装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。
〔6.その他〕
上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。