以下、図1等を参照して、本発明の一実施形態に係る駐車場システムについて説明する。本実施形態に係る駐車場システム500は、入場部10と、出場部30と、事前精算機20と、アクセスポイントAPと、管理装置100とを有する。この駐車場システム500は、主に一時利用をする車両のための有料駐車場を管理対象として想定した管理システムとなっている。また、駐車場システム500は、管理装置100においてネットワーク回線INを介して駐車場システム500外の装置等との通信が可能であり、ここでは特に駐車場の利用者が所持する携帯通信端末TIとの通信を可能とすることで、利用者の事前登録の受付等を可能にしている。
以下、駐車場システム500を構成する各部について説明する。まず、駐車場システム500のうち、入場部10は、発券機11と、ゲート装置12と、第1読取装置13とを備える。発券機11は、排出口11aから駐車券を発券する駐車券発行機である。ゲート装置12は、例えば管理装置100からの指令信号に従ってゲートバー12aを昇降させて車両の入場の許否を示す装置である。なお、ゲート装置12は、発券機11を介して管理装置100からの指令信号を受けるとともに、発券機11からの指令信号も受け付ける。第1読取装置13は、CMOS等で構成されるカメラ部(撮像部)を有する撮像装置であり、図示のように、矢印A1に示す進行方向についてゲートバー12aの前方に配置されている。これにより、第1読取装置13は、入場しようとする車両の前方側のうち、特にナンバープレートの部分の撮像を可能としている。すなわち、第1読取装置13は、駐車場の入口において車両の特定を可能にする識別情報を取得する車両情報取得部あるいはその一部として機能する。
以下、入場部10の動作について簡単に説明する。入場部10は、矢印A1に示す進行方向に関してゲートバー12aの手前側に車両が停止すると、当該車両のナンバープレートの情報取得すなわち車番取得のために、第1読取装置13による撮像をし、管理装置100に取得した情報を送信する。また、これとともに、排出口11aから発券する駐車券の駐車券番号の情報を管理装置100に送信する。ただし、撮像した車両について取得した車番の情報が、予め登録されている車番と一致する場合には、発券を行わず、チケットレスで通過させるものとしてもよい。典型的には、利用者が所持するスマートフォン等の携帯通信端末の情報を事前登録によって車番と紐付け(リンク)させて管理装置100に情報を格納させておき、入場部10が管理装置100に問合せを適宜行うことで、いわばスマートフォンを駐車券として利用できるようにしておく、といったことが考えられる。
駐車場システム500のうち、出場部30は、精算装置31と、ゲート装置32と、第2読取装置33と、ループコイルCOとを備える。精算装置31は、受付口31aから駐車券を挿入排出するとともに管理装置100への問合せ等の駐車料金精算に必要な各種処理を行う。ゲート装置32は、例えば管理装置100からの指令信号に従ってゲートバー32aを昇降させて車両の出場の許否を示す装置である。なお、ゲート装置32は、精算装置31を介して管理装置100からの指令信号を受けるとともに、精算装置31からの指令信号も受け付ける。第2読取装置33は、CMOS等で構成されるカメラ部(撮像部)を有する撮像装置であり、図示のように、矢印A2に示す進行方向についてゲートバー32aの前方に配置されている。これにより、第2読取装置33は、出場しようとする車両の前方側のうち、特にナンバープレートの部分の撮像を可能としている。すなわち、第2読取装置33は、駐車場の出口において車両の特定を可能にする識別情報を取得する車両情報取得部あるいはその一部として機能する。
出場部30のうち、ループコイルCOは、ゲート装置32の手前側の停車範囲内の地中に埋設されており、ゲートバー32aの手前で停止した車両、すなわち駐車場の出口における車両の有無を検知する出口側車両検知部VDとして機能する。特に、本実施形態では、ループコイルCOは、接続されている精算装置31に対して車両を検知した旨を送信し、精算装置31は、ループコイルCOでの検知結果に基づいて、出口渋滞が発生しているか否かを判定し、出口渋滞が発生していると判断した場合には、アクセスポイントAPにその旨の送信を行う。なお、精算装置31での上記判断については、例えばループコイルCOで検知される車両の頻度等について予め閾値を設けておき、当該閾値に基づいて判断するものとしてもよく、あるいは、単純に車両の検知が有ったら無条件に渋滞発生として送信するものとしてもよい。また、精算装置31からの車両の検知の情報に基づいてアクセスポイントAPが出口渋滞が発生しているか否かを判定してもよい。また、精算装置31からアクセスポイントAPへの送信についても、種々の方法が考えられ、例えば管理装置100を介して行ってもよく、既知の近距離通信手段等を利用したりケーブル(有線)で直接接続したりすることで、直接送信を行うものとしてもよい。
なお、出口側車両検知部VDについては、種々のものでの代替が考えられ、例えば、ループコイルCOに代えて、第2読取装置33での画像検知機能を利用することで、第2読取装置33を出口側車両検知部VDとして機能させるものとすることが考えられる。さらに、ループコイルCOに代えて、赤外光センサー等による車両検知とすることも考えられる。
また、図示及び説明を省略するが、入場側すなわち入場部10においても、ゲート装置12の手前側に入口側車両検知部としてのループコイルや赤外光センサー等を設けてもよい。
駐車場システム500のうち、アクセスポイントAPは、出場部30の近傍に配置されており、出口付近において通信可能なエリアを形成する。ここでは、一例として、アクセスポイントAPとの通信可能範囲を範囲DDとしている。範囲DDは、出口を含む出口へ向かう方向すなわち矢印A2で示す方向に沿った車両の通路範囲において、例えば車数台~数十台分の長さを有している。ここで、アクセスポイントAPは、出場部30の精算装置31から、出口付近が渋滞が発生している旨の情報を受けた場合にのみ範囲DDでの接続が可能(アクセスが可能)な状態となるように構成されている。すなわち、出口側車両検知部であるループコイルCOでの検知結果に基づいて起動し、所定のエリア内である範囲DD内において、利用者の携帯通信端末TIからの渋滞申告を受け付けるものとなっている。
駐車場システム500のうち、事前精算機20は、出場するために必要となる駐車料金の精算処理を事前に可能とするための装置であり、受付口20aに駐車券が挿入されると駐車料金精算に必要な各種処理を行うものとなっている。事前精算機20は、駐車場が設けられている施設の施設内や駐車場から施設への人の出入り口等に設置されており、駐車場の利用者は、事前精算機20を利用することで、出場部30において精算処理を要することなく迅速に自己の車両を出場させることができる。利用者が事前精算機20による事前精算を済ませると、事前精算機20は、事前精算が完了している旨の情報を管理装置100に送信する。
駐車場システム500のうち、管理装置100は、駐車場における各種管理を統括制御する管理部であり、例えば管理用サーバーやPC等で構成され、各種演算処理を行うためのCPUのほか、各種データやプログラムを格納するメモリ等を含む。また、管理装置100は、駐車場システム500を構成する入場部10、出場部30、事前精算機20及びアクセスポイントAPとそれぞれ接続されている。駐車場の統括制御を可能とするため、管理装置100は、データ保持部40と、データ受付部50と、データ作成部60と、データ照合部70と、判定部80と、通信部90とを備えている。本実施形態では、特に、管理装置100は、各種管理の一環として、上記各部からの信号を受け付けるとともに指令信号を発して各部を動作させることで、事前精算機20において事前精算が済んだ車両に対して、事前精算完了後出庫するまでの時間として設けた猶予時間(グレースタイム、おまけ時間等とも言う。)の延長の可否判定を、駐車場の混雑状況に応じて行うものとなっている。
管理装置100のうち、データ保持部40は、各種データを格納する。ここでは、特に、データ保持部40は、入庫した車両に関する各種データを格納する駐車車両データ格納部41と、事前登録された車両とその車両に紐づけられた利用者の携帯通信端末の情報とを格納する事前登録データ格納部42とを有している。
管理装置100のうち、データ受付部50は、入場部10、出場部30、事前精算機20及びアクセスポイントAPといった駐車場システム500を構成する各部との通信を行うインターフェース部として機能する。
管理装置100のうち、データ作成部60は、例えば入場部10によって取得された画像情報を解析して取得したナンバー情報についてリスト化する等、入手した各種情報のリスト化を行うリスト化データ作成部である。より、具体的な一例としては、データ作成部60は、データ受付部50を介して入場部10及び出場部30の第1及び第2読取装置13,33において撮像された画像データから取得された車両のナンバープレートについて必要な画像処理を施すことで、当該ナンバープレート上に表記されている文字や数字等についての情報であるナンバー情報である車番の情報を取得するためのデータ化処理を行う画像解析部を有する。なお、画像解析処理については、既知の種々の方法を適用することができる。データ作成部60において作成されたデータは、データ保持部40に格納される。なお、上記のような車番取得のための画像処理については、データ作成部60で行わずに第1及び第2読取装置13,33において行い、データ作成部60では、専ら第1及び第2読取装置13,33から車番の情報を取得するという構成としてもよい。
管理装置100のうち、データ照合部70は、例えばデータ作成部60で取得したナンバー情報のデータ等の各種データについて、各部からの要求に応じてデータ保持部40においてリスト化されているデータ中に一致するものがあるか否かの検索を行う。
管理装置100のうち、判定部80は、駐車管理のために必要な各種判断を行う。例えばデータ照合部70での検索結果に基づき、車両の通過許否や時間延長の可否、追加料金の有無等を判定する。
管理装置100のうち、通信部90は、駐車場システム500以外のものとの通信接続を可能とするためのものであり、ここでは、一例として、ネットワーク回線INと通信可能な装置で構成され、ネットワーク回線INを介して駐車場の利用者が携帯するスマートフォン等の携帯通信端末TIとの通信を可能としている。通信部90から受け付けた情報により、例えば事前登録に関するデータ等が作成・格納される。
管理装置100は、以上のような各部を有することで、車両に関する情報に限らず、車両の所有者すなわち駐車場の利用者が所持する携帯通信端末TIに関する情報を取得、リスト化、照合等を可能としている。これにより、例えば図2に示すような情報がデータ保持部40に蓄積され、必要に応じて適宜データの追加、修正、変更、削除等がなされる。
各データについてより具体的に説明すると、まず、図2(A)は、駐車場に入場した車両に関して格納する各種データの一例を示すデータ表であり、データ保持部40のうち駐車車両データ格納部41に格納されている。ここでは、図に例示すように、駐車券番号と、車番と、利用者の携帯通信端末のIDと、事前精算機20による事前精算の有無がリスト化されたデータとなっている。さらに、これらのほか、事前精算後の猶予時間の延長を受け付けるものとなっており、当該延長の受付の有無が併せてリスト化されている。なお、ここでの猶予時間とは、事前精算機20での精算後の料金非加算時間を意味する。
また、図2(B)は、事前登録されている車両に関するデータの一例を示すデータ表であり、データ保持部40のうち事前登録データ格納部42に格納されている。ここでは、図に例示するように、車番と利用者の携帯通信端末のIDとを紐付けしてリスト化されたデータが格納されている。例えば、入場に際して、この情報を適宜読み出すことにより、入場部10において、携帯通信端末を駐車券代わりとするための処理が可能になる。
ここで、駐車場の運営・管理において、出口渋滞の緩和は1つの大きな課題である。例えば上記した事前精算機20による事前精算のシステムもその一環である。事前精算をすることで、出口の精算の手間に起因する出口渋滞が緩和されることが期待できる。この場合において、事前精算完了後、駐車場から出場するまでの時間を勘案して設けられているのが、事前精算機20での精算後の料金非加算時間である。しかしながら、事前精算のシステムを導入しただけでは、出口渋滞の解消が完全にできるとは限らない。例えば、一部の利用者は事前精算をしていても事前精算をせず出口で精算をする他の利用者が多く存在したり、出口の先で予期せぬトラブルが生じていたりすることで、依然として出口渋滞が発生する可能性が残る。このような場合、今度は、出口渋滞に伴って出場までの予期せぬ待ち時間が発生し、料金非加算時間を超えてしまい、事前に精算完了しているにもかかわらず、駐車料金が新たに加算されてしまう可能性がある。本実施形態の駐車場システム500では、利用者から渋滞である旨の申告を受け付け、申告に従って事前精算機20での精算後の料金非加算時間を延長することで、かかる事態を簡易な構成で改善を図れるものとしている。
以下、図3等を参照して、駐車場システム500における事前精算機20での事前精算後における一連の動作の概要について一例を説明する。図3は、事前精算後において、駐車場内で渋滞が発生した際の動作に関して説明するための概念図であり、図4は、図3に示す渋滞を経て出場処理を行う際の動作に関して説明するための概念図である。また、図5は、事前登録から渋滞申告して出場するまでの一連の流れを説明するための図である。図5のうち、工程(A)は、前段階としての事前精算での処理の流れを示している。また、工程(B)は、渋滞申告から精算後の料金非加算時間延長の可否結果通知までの処理の流れを示しており、図3に対応している。さらに、工程(C)は、出場時の処理の流れを示しており、図4に対応している。なお、図3及び図4では、出口側車両検知部VDの一例を分かりやすく明示するために誇張して例示している。
ここで、図3等を参照する以下の説明では、出場対象の車両として車両VHaに着目するとともに、いくつかの事項を前提とした上で、一連の動作を説明する。
まず、図中の車両VHaの所有者は、自己の所持する携帯通信端末TIを渋滞申告に利用するものとする。すなわち、管理装置100側において、利用者の車両VHaの情報と携帯通信端末TIの情報とが紐付けされた状態で、データ保持されている。さらに、前提として、当該利用者は、事前精算機20による事前精算を行っており(図3及び図5の工程(A)ステップ0)、この情報についても、管理装置100側において、車両VHa及び携帯通信端末TIの情報に併せて紐付けされているものとする。すなわち、図2(A)に示す例において、事前精算の有無が「有」となっている。さらに、携帯通信端末TIには、出口渋滞の申告を行うために必要なアプリが適宜導入されており、駐車場内のアクセスポイントAPを介した渋滞申告すなわち猶予時間延長の申請が可能になっているものとする。
以上を踏まえて、まず、図3に示すように、出場部30がある出口へ向かう車両VHaの前方に複数の先行車両VHx,VHx…が並んでおり、出場部30の精算装置31に到達した先頭の先行車両VHxが出口側車両検知部VDで検知されているものとする。この場合、精算装置31からアクセスポイントAPに出口渋滞が発生している旨の送信がなされ、アクセスポイントAPが起動した状態となる(図3及び図5の工程(B)ステップ1)。すなわち、出口付近に設けられた接続可能なエリアである範囲DDにおいて、携帯通信端末TIのアクセスポイントAPへの接続が可能な状態となっている。この状況下において、車両VHaが範囲DD内に到達すると、利用者すなわち車両VHaの所有者は、携帯通信端末TIによる渋滞申告が可能となる。携帯通信端末TIによる渋滞申告がアクセスポイントAPに向けてなされると(図3及び図5の工程(B)ステップ2)、アクセスポイントAPは、管理装置100に対して携帯通信端末TIについて、すなわち携帯通信端末TIに紐付けされた車両VHaについての猶予時間の延長申請を行う(図3及び図5の工程(B)ステップ3)。管理装置100は、ステップ3のアクセスポイントAPからの延長申請に関する申告内容について、データ照合部70によって駐車車両データ格納部41中のデータとの照合をする。すなわち、申請のあった車両に該当する車両のデータが存在するか、その車両の事前精算が完了しているか等についての照合を行う。データ照合部70での結果に応じて、管理装置100の判定部80は、猶予時間(料金非加算時間)の延長の可否すなわち駐車料金加算停止の可否を判定し、判定結果をアクセスポイントAPに送信する(図3及び図5の工程(B)ステップ4)。さらに、アクセスポイントAPは、ステップ4において送信された延長可否の結果を、該当する車両VHaに対応する携帯通信端末TIに通知する(図3及び図5の工程(B)ステップ5)。なお、携帯通信端末TIは、ステップ5で受けた通知結果を例えば画面上に表示する。
その後、車両VHaが出口渋滞を経て、図4に示すように出場部30の精算装置31に到達し、出場処理を行う段になる、すなわち車両VHaの出場処理の受付がなされると、まず、出場部30の精算装置31は、例えば第2読取装置33(図1参照)で読み取った車番の情報を利用して、車両VHaに関する精算の要否について管理装置100に問合せをする。この際、併せて先ほどの猶予時間(料金非加算時間)に関する延長申請の有無等に関しても問い合わせがなされることになる(図4及び図5の工程(C)ステップ6)。管理装置100は、ステップ6の精算装置31からの問合せ内容について、データ照合部70によって駐車車両データ格納部41中のデータとの照合をする。管理装置100の判定部80は、データ照合部70での結果に応じて、問合せ内容についての判定を行い、判定結果を精算装置31に送信する(図4及び図5の工程(C)ステップ7)。精算装置31は、判定結果にしたがって、出場のために必要な各種処理を行う。例えば、ステップ7での通知結果から追加料金の徴収が必要であれば、そのために必要な各種動作を行う。一方、例えば、事前精算が完了し、かつ、料金非加算時間の延長が認められている場合には、支払要求を行うことなく、即座にゲートを開け、出場を促す。
以上のように、本実施形態では、管理部である管理装置100において、駐車場の利用者の携帯通信端末TIから渋滞申告を受け付けた場合に、事前精算機20での精算後の料金非加算時間を延長することで、簡易な構成でありながら、事前精算機20での精算後において、予期せぬ渋滞が発生しても、精算後の料金加算を生じさせないようにすることができるようになっている。この際、携帯通信端末TIからの渋滞申告を受け付けるアクセスポイントAPが、出口側車両検知部VDでの検知結果に基づいて実際に出口渋滞が発生している際にのみ起動する(接続可能になる)ことで、利用者からの虚偽の渋滞申告が受け付けられないものとなっている。また、アクセスポイントAPとの通信可能な範囲も出口付近に限られていることで、例えば利用者が駐車場外にいる場合も、利用者による渋滞申告ができないことになる。一方、実際に出口渋滞に遭遇している利用者に対しては、料金非加算時間(猶予時間)を延長して不当な追加料金を発生させないようにできる。以上のようにして、事前精算後のグレースタイム(おまけ時間)を従来のような固定設定ではなく、出口渋滞の状況に合わせて、流動的に必要最低限の駐車時間へ可変できる仕組みが実現される。
以下、図6のフローチャートを参照して、携帯通信端末TIを利用した渋滞申告のためのアプリの動作の一例すなわち利用者側での操作の一例について説明する。図6では、事前登録がされていない場合、すなわち入場部10で発券された磁気券等紙の駐車券と携帯通信端末TIとの紐付けがされていない場合についての一例を説明する。
まず、利用者が携帯通信端末TIを起動して、渋滞申告のためのアプリの準備及び起動がなされる(ステップS101)。すなわち、アプリが携帯通信端末TIに無い場合には、適宜ダウンロードすること等により当該アプリの準備が携帯通信端末TIでなされた上で、準備されたアプリが起動する。ステップS101においてアプリが起動すると、携帯通信端末TIは、対象となる車両と携帯通信端末TIとの紐付けを行うべく、まず、該当する車両の駐車券又は車番の入力を促す(ステップS102)。次に、携帯通信端末TIは、ステップS102において入力された駐車券又は車番の情報と携帯通信端末TI自身の特定のための情報とを、管理部である管理装置100に対して、例えばネットワーク回線INを介して(図1参照)、送信する(ステップS103)。これにより、管理装置100において、携帯通信端末TIと該当車両との紐付けがなされる。携帯通信端末TIは、ステップS103での送信に対する応答を管理装置100から受けると、受けた通信結果を、例えば画面上に表示する(ステップS104)。ステップS104までの動作において問題がなければ、携帯通信端末TIは、出口渋滞発生時において範囲DD内でのアクセスポイントAPへの接続を介した渋滞申告が可能となる。
ステップS104までの動作が完了すると、携帯通信端末TIは、アクセスポイントAPへの接続を開始する(ステップS105)。すなわち、渋滞申告のための準備を開始し、アクセスポイントAPへの接続が成功するまで、接続動作を繰り返す(ステップS106)。ステップS106において、アクセスポイントAPへの接続が成功すると(ステップS106:Yes)、つまり、出口渋滞の発生に関する既述の諸条件が満たされると、携帯通信端末TIは、アクセスポイントAPを介した渋滞申告(料金加算停止申請)を行う(ステップS107)。ステップS107での申告に対するアクセスポイントAPを介した管理装置100からの通知の結果、料金加算停止が許可された場合(ステップS108:Yes)、携帯通信端末TIは、料金非加算時間(猶予時間)の延長許可がなされた旨の表示動作を行う(ステップS109a)。一方、ステップS108において、料金加算停止が許可されなかった場合(ステップS108:No)、携帯通信端末TIは、料金非加算時間(猶予時間)の延長申請が却下された旨の表示動作を行う(ステップS109b)。なお、ステップS109bの表示内容については、例えば事前精算が完了していない等の延長申請が却下された理由や、追加支払金額について併せて表示してもよい。
以下、図7のフローチャートを参照して、携帯通信端末TIを利用した渋滞申告のためのアプリの動作の他の一例について説明する。図7では、事前登録がされている場合、すなわち図2(B)に例示したように、事前登録によって車両の情報と携帯通信端末TIとの紐付けがされて携帯通信端末TIが駐車券の代わりとして機能し、紙の駐車券が存在しない場合についての一例を説明する。
この場合、まず、既に携帯通信端末TIに導入されているアプリを起動させると(ステップS201)、携帯通信端末TIは、紐付け動作を行うことなく、アクセスポイントAPへの接続を開始する(ステップS205)。すなわち、図6においてステップS102~S104で示した一連の紐付け処理をすることなく、アクセスポイントAPへの接続を開始する。以後は、図6の場合と同様の動作をする。すなわち、携帯通信端末TIは、渋滞申告のため、アクセスポイントAPへの接続が成功するまで動作を繰り返し(ステップS206)、接続が成功すると(ステップS206:Yes)、渋滞申告を行う(ステップS207)。さらに、携帯通信端末TIは、渋滞申告に対する管理装置100からの通知の結果、料金加算停止が許可された場合(ステップS208:Yes)、料金非加算時間(猶予時間)の延長許可がなされた旨の表示動作を行い(ステップS209a)、料金加算停止が許可されなかった場合(ステップS208:No)、料金非加算時間(猶予時間)の延長申請が却下された旨の表示動作を行う(ステップS209b)。
駐車場の利用者は、以上のような操作を、携帯通信端末TIのアプリにおいて行うことで、予期せぬ出口渋滞における不当な追加料金の発生を回避することができる。
〔その他〕
この発明は、上記の上記各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
まず、上記実施形態では、説明の都合上、駐車場システム500における入場部10や、出場部30、あるいは事前精算機20を1つずつとして記載しているが、これに限らず、これらあるいはこれらの一部を1つの駐車場において複数ずつ有する場合においても、本願を適用することができる。例えば、図8に示す一変形例では、3つの出場部30A,30B,30Cを設けた駐車場システム600を例示している。この場合、各出場部30A,30B,30Cにおいて、それぞれに対応させるべく出口付近にアクセスポイントAPa,APb,APcを設け、それぞれの出場部30A,30B,30C付近において、接続可能な範囲DDa,DDb,DDcを設定することで、各出口ごとの渋滞状況を捉え、適切な状況判断を出口ごとに行うことが可能になる。なお、図8の例でも、事前精算機20を1つとし、入場部10を省略しているが、これらについても複数とすることが可能であるのは言うまでもない。
また、料金非加算時間(猶予時間)の設定や延長時間の設定についても、種々のものとすることができ、また、延長受付についても、料金非加算時間内でのみ受付可能とするだけでなく、料金非加算時間経過後であっても受付可能とし、許可した場合には許可時点から遡って時間の延長を有効として扱うようにしてもよい。
また、例えば携帯通信端末についての事前登録がなされている場合、携帯通信端末に決済機能をさらに付加して事前精算を携帯通信端末において行うものとしてもよい。
また、ナンバープレートの解析については、種々の方法が考えられ、例えば陸運支局の地名、分類番号、かな文字及び一連指定番号4つの項目の全てについて確認する場合やその一部のみについて確認する場合等種々のものが考えられる。また、一致と判断する基準についても、適宜閾値を定めることができる。