JP7012443B2 - 光学的情報読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
近年、スーパーマーケットやドラッグストア等の店舗、特に高価で比較的小さな商品を取り扱う店舗では、商品の盗難を防止するため、無線機能を利用した防犯用の電子タグ(以下、単に、電子タグともいう)による商品販売管理を実施する店舗が増加している。この商品販売管理方法では、会計処理時等に、専用機器を用いて商品に付された電子タグの機能を停止させる処理が行われている。
このように商品に付された電子タグの機能を停止させる技術として、下記特許文献1に開示される販売データ処理端末が知られている。この販売データ処理端末は、商品に付されたバーコード等を読み取るスキャナが端末本体と一体に形成されており、このスキャナの周囲とその下方に、商品に付されたRFIDタグを無効化するためのアンテナがそれぞれ配置されている。そして、スキャナによりバーコード等が読み取られると、アンテナを介してRFIDタグを無効化するための無線データ通信を行い、商品に付されたRFIDタグを無効化している。
特開2011-081619号公報
ところで、上述した販売データ処理端末は、大型の商品でもバーコード等を読み取れるように携帯型のハンドスキャナを備えており、このハンドスキャナにもRFIDタグを無効化するためのアンテナ部が設けられている。このように、携帯型の光学的情報読取装置にも電子タグの機能を停止させることで無効化させるなどの電子タグを制限する機能が望まれている。
しかしながら、上述したハンドスキャナのような構成では、バーコードからの反射光を取り込む読取口に上記アンテナ部が設けられているため、このアンテナ部による電波放射方向と反射光を受光する受光センサの光軸とがずれていると、読取口から離れるほど光学読取エリアと電波出力エリアとのずれが大きくなる。このため、バーコードに読取口を向けても電子タグが読み取りされない場合があり、このような場合には、バーコードに対するハンドスキャナの位置をずらすか電子タグ(バーコード)の位置をずらして再度操作する必要があり、無効化等のための動作(操作)が煩雑になるという問題がある。
特に、読取口は、読取対象の鏡面反射を避けるために読取対象に対して光軸が垂直にならないように設計されている場合が多く、このような場合には、上記問題が顕著になる。すなわち、光軸やアンテナ部の配置等に関して、光の反射や拡散及び電波の放射方向や距離に対する減衰といった物理特性の影響を考慮していないために上記問題が生じる。一方、例えば、光学読取エリアと電波出力エリアとが重なるように単にアンテナ部の向きを傾けるように設計すると、読取口からアンテナ部の一部が飛び出すためにこの飛び出し部分が光学読み取り操作の妨げになり、このような操作の妨げをなくすためにアンテナ部を筐体内に引き込むように設計すると電子タグとの距離が遠くなるため電波が減衰し、電子タグの読み取りが行えない場合がある。このように、情報コード等の光学読み取りに関する光学設計を重視すると、アンテナ配置に関する設計に関して制約が大きくなるという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、アンテナ面の角度制御により設計自由度を向上させ得る構成を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
情報コード(C)を光学的に読み取る光学的情報読取装置(1)であって、
光学読取エリア(S1)に位置する前記情報コードからの反射光を読取口(13)を介
して受光する受光手段(28)と、
電波を利用する非接触通信媒体(T)に対して電磁誘導を利用した電波を放射するためのアンテナ部(50,50a)と、
を備え,
前記アンテナ部は、少なくとも第1の面(61,71)と第2の面(62,72)とを含むように形成されるアンテナ面に1つのループアンテナ(51)が設けられて構成され、前記第1の面及び前記第2の面のいずれか一方に設けられる前記ループアンテナの部分が前記読取口の周囲を囲うように配置され、
前記アンテナ部による電波放射方向(F)が前記光学読取エリアに向かうように、前記第1の面と前記第2の面との角度(θ1,θ2)と前記第1の面と前記第2の面との面積比とが設定されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、アンテナ部は、少なくとも第1の面と第2の面とを含むように形成されるアンテナ面に1つのループアンテナが設けられて構成され、このアンテナ部による電波放射方向が光学読取エリアに向かうように、第1の面と第2の面との角度と第1の面と第2の面との面積比とが設定される。
このようにアンテナ部による電波放射方向が光学読取エリアに向かうことで、読取口から離れた位置でも光学読取エリアと電波出力エリアとがずれ難くなるので、例えば、情報コードを付した商品等に無効化すべき電子タグが付されている場合には、その情報コードに読取口を向ける動作で、情報コードの読み取りと電子タグの無効化とを円滑に行うことができる。特に、電波放射方向は、第1の面と第2の面との角度と第1の面と第2の面との面積比とに応じて変化させることができるので、アンテナ部の配置に関して、1つの平面にループアンテナを設けて構成されるアンテナ部等と比較して、読取口等の他の構造物の影響を受け難くすることができる。したがって、アンテナ配置に関する設計自由度を低下させることなくアンテナ部による電波放射方向を容易に制御することができる。すなわち、アンテナ面の角度制御により設計自由度を向上させることができる。
特に、アンテナ部は、第1の面及び第2の面のいずれか一方に設けられるループアンテナの部分が読取口の周囲を囲うように配置される。これにより、例えば、第2の面のループアンテナを読取口の周囲に設けるようにアンテナ部を配置する場合でもこの第2の面と第1の面との角度及び面積比を調整することで、電波放射方向を制御でき、読取口の周囲のスペースを有効に活用することができる。
請求項2の発明では、アンテナ部は、読取口に対して当該読取口を構成する縁部の外側に配置される。これにより、アンテナ部が受光手段による情報コードの受光を妨げることを確実に防止することができる。
請求項の発明では、アンテナ部は、読取口に対して複数設けられるため、意図する方向に電波を放射し易くなり、電波出力エリアを広げることができる。
請求項4の発明では、情報コードを光学的に読み取る読取処理が実行される一定時間、アンテナ部から電波が常時放射されるため、このアンテナ部から電波が常時放射される一定時間で情報コードが読み取られることで、例えば、情報コードの読み取りと電子タグの無効化とを同時に行うことができる。
請求項の発明では、操作手段による読取操作時にアンテナ部から電波が放射されるため、例えば、情報コードの読み取りと電子タグの無効化とを同期させるように行うことができる。
請求項の発明では、解読手段による解読結果に応じてアンテナ部から放射される電波が電波制御手段により制御されるため、読み取った情報コードに応じて、電子タグの無効
化だけでなく、電子タグへの書き込み等、電波を利用した処理内容を変更することができる。
請求項の発明のように、受光手段及びアンテナ部が組み込まれる筐体と、受光手段による受光結果を利用した制御を行う制御手段が組み込まれる筐体とが別体として構成されるような光学的情報読取装置にも適用することができる。
請求項の発明のように、電力供給用の電池を備えるように携帯型として構成されるような光学的情報読取装置にも適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置の構成概要を示す断面図である。 図1の光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。 アンテナ部の概略構成を立体的に説明するための説明図である。 第1実施形態における光学読取エリアと電波出力エリアと関係を示す説明図である。 第1実施形態における読取処理とタグ無効化処理との流れをそれぞれ例示するフローチャートである。 第1実施形態の第1変形例における読取処理及びタグ無効化処理の流れを例示するフローチャートである。 第1実施形態の第2変形例における読取処理及びタグ無効化処理の流れを例示するフローチャートである。 第2実施形態に係る光学的情報読取装置の要部を示す説明図である。 第2実施形態においてアンテナ部の概略構成を立体的に説明するための説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置システムについて、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る光学的情報読取装置1は、一次元コードや二次元コード等の情報コードを光学的に読み取る情報コードリーダとしての機能と、その情報コードが付された物品等に設けられる非接触通信媒体に対して電磁誘導を利用した電波(電磁波)を放射することでその非接触通信媒体を制御する機能とを有するように構成されている。本実施形態では、非接触通信媒体を制御する機能として、情報コードCとともに商品Rに付された電子タグTの無効化が採用されている。
この光学的情報読取装置1は、図1に示すように、スキャナ2とこのスキャナ2を制御する制御装置3とがケーブル4を介して接続されるように構成されている。スキャナ2は、上ケース及び下ケースが組み付けられて構成される筐体11によって外郭が形成され、この筐体11内に各種電気部品等が回路基板20等に実装されて収容されている。筐体11を構成する上ケース及び下ケースは、ABS樹脂等の合成樹脂からなる成形部材で、筐体11の一端側の端面12には読取口13が形成され、また他端側にはケーブル4を固定するためのケーブル取付部14が形成されている。この読取口13が形成される一端側は、裏面側に大きく前傾する首曲がり形状に形成されている。これにより、使用者がスキャナ2を上ケース側から把持した状態で、読取対象物に貼付された情報コードに対して読取口13を当て易くしている。
次に、光学的情報読取装置1の電気的構成について説明する。
図1及び図2に示すように、光学的情報読取装置1は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系とを備えている。
光学系は、スキャナ2の筐体11内に収容され、投光光学系と受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、光学読取エリアS1(図4参照)に向けて照明光Lfを発光可能な照明手段として機能するもので、例えば、赤色のLED21aとこのLED21aの出射側に設けられるレンズ21bとから構成されている。照明光源21は、図1に示す照明光軸L1からわかるように、鏡面反射を抑制するため、受光センサ28による結像光軸L2に対して僅かに傾斜して照明光Lfを照射するように配置されている。
受光光学系は、受光センサ28及び結像レンズ27等によって構成されている。受光センサ28は、例えば、C-MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を二次元に配列したエリアセンサとして構成されている。この受光センサ28は、光学読取エリアS1から読取口13、保護プレート26及び結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能に回路基板20に実装されている。なお、受光センサ28は、「受光手段」の一例に相当し得る。
結像レンズ27は、外部から読取口13を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面に像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが情報コード等にて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面にコード像等を結像させている。
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40等からなり、制御装置3の筐体内に収容されるように構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心に構成されるもので、上述した光学系によって撮像された情報コードの画像信号をハードウェア的及びソフトウェア的に信号処理し得るものである。なお、マイコン系の少なくとも一部は、回路基板20等に実装されてスキャナ2の筐体11内に収容されてもよい。
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28及びアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。また、ROMには、照明光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
制御回路40は、光学的情報読取装置1全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40は、後述する読取処理を行うことで、受光センサ28の受光結果に応じて撮像された情報コードCの画像に基づいてその情報コードCのデコード(解読)を行う解読手段及び受光センサ28の受光結果を利用した制御を行う制御手段として機能する。
また、制御回路40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、スキャナ2に設けられるブザー44や発光部46が回路基板20のコネクタ等を介して接続され、制御装置3に設けられる操作部47や通信インタフェース48等も接続されている。これにより、例えば、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、発光部46の点灯や点滅、操作部47の監視や管理、外部装置との通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等が、制御回路40によって行われることとなる。
次に、アンテナ部50について説明する。
端面12を平面視したときに読取口13を構成する縁部の一部である一縁部13aよりも外側(図1にて右側)となる位置には、上述した電子タグT等の非接触通信媒体の制御を実現するためのアンテナ部50が設けられている。このアンテナ部50を筐体11内に配置するため、端面12は、読取口13を構成する縁部のうち一縁部13a側が広くなるように形成されている。なお、一縁部13aを除く読取口13を構成する縁部は、筐体11の厚さとほぼ等しくなるように形成されている。
アンテナ部50は、FPC(フレキシブルプリント配線板)等を利用することで、図1、図3及び図4から分かるように、2つの面を有するように形成されるアンテナ面にループアンテナ51が設けられて構成されている。具体的には、アンテナ面は、第1アンテナ面61と第2アンテナ面62とが所定の角度θ1で連なるように折り曲げて形成され、アンテナ部50は、第2アンテナ面62が端面12と略平行となるように配置されている。なお、アンテナ部50は、ループアンテナ51の内側が開口するように形成されてもよい。
また、ループアンテナ51は、第1アンテナ面61と第2アンテナ面62とが連なる縁を除く第1アンテナ面61の外縁と第2アンテナ面62の外縁とに沿うように配置されている。本実施形態では、第1アンテナ面61及び第2アンテナ面62は、「第1の面」及び「第2の面」の一例に相当し、それぞれ矩形状の平面となるように形成されているが、これに限らず、少なくとも一部が曲面となるように形成されてもよい。
ループアンテナ51は、第1アンテナ面61の上部に設けられる両端部が配線52等を介して制御装置3の制御回路40に接続されている。そして、制御回路40により制御されてアンテナ部50から電波が放射されることで、電子タグTの無効化が可能な状態になる。
ここで、アンテナ部50の詳細構成について、図面を参照して詳述する。
本実施形態では、図1に示すように、読取対象となる情報コードCが付された商品Rに対して、その情報コードCの近傍に付された盗難防止用の電子タグTが、アンテナ部50を利用した無効化対象となる。このため、第1アンテナ面61と第2アンテナ面62との角度θ1は、図4に示すように、アンテナ部50による電波放射方向Fが光学読取エリアS1に向かうように設定されている。すなわち、第1アンテナ面61と第2アンテナ面62との角度θ1に応じてアンテナ部50による電波放射方向Fを変化させることができる。また、第1アンテナ面61の面積や第2アンテナ面62の面積によってもアンテナ部50による電波放射方向Fを変化させることができる。なお、図4では、便宜上、光学読取エリアのうちでも撮像に適した距離に相当する光軸部分に矢印S1を付すことで光学読取エリアを示している。
これにより、光学読み取りに関して最適化された光学読取エリアS1に向けてアンテナ部50による電波放射方向Fを角度θ1等に応じて調整できる。このような角度θ1等に応じた電波放射方向Fの調整がなされることで、読取口13を情報コードCに翳した場合に、電子タグの無効化が可能な電波出力エリアS2に電子タグTが確実に入ることとなり、電波出力エリアS2と光学読取エリアS1とが両立するエリア(図4の符号S3にて示すクロスハッチング参照)を広くしている。
次に、光学的情報読取装置1による情報コードCの読み取りと電子タグTの無効化の処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、操作部47の操作に応じて制御回路40による読取処理が開始されると、照明光源21により照明光Lfが読取口13を介して照射され、読取口13を向けた情報コードCが受光センサ28を用いて撮像されて光学的に読み取り可能な状態になる(図5のS101)。また、この読取処理が実行される一定時間、制御回路40により制御されて、アンテナ部50から電波が常時放射されることで、電波出力エリアS2内の電子タグTの無効化が可能な状態になる(S201)。
そして、光学読取エリアS1に位置する情報コードCの読み取りが成功すると(S103でYes)、報知処理がなされ(S105)、ブザー44の鳴動や発光部46の点灯等により、情報コードCの読み取りが成功したことが報知される。一方、電波出力エリアS2内の電子タグTの無効化が成功すると(S203でYes)、報知処理がなされ(S205)、上記ステップS105の報知処理とは異なるようにブザー44の鳴動や発光部46の点灯等がなされて、電子タグTの無効化が成功したことが報知される。
ここで、電子タグTの無効化の成否については、例えば、その電子タグTの無効化するための共振周波数周辺で変化させるように電波を照射し、共振周波数近傍での電子タグTからの応答が無効化前後で変化することを利用して行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る光学的情報読取装置1では、アンテナ部50は、第1アンテナ面61と第2アンテナ面62とを含むように形成されるアンテナ面にループアンテナ51が設けられて構成され、このアンテナ部50による電波放射方向Fが光学読取エリアS1に向かうように、第1アンテナ面61と第2アンテナ面62との角度θ1が設定される。
このようにアンテナ部50による電波放射方向Fが光学読取エリアS1に向かうことで、読取口13から離れた位置でも光学読取エリアS1と電波出力エリアS2とがずれ難くなるので、情報コードCを付した商品Rに無効化すべき電子タグTが付されている場合には、その情報コードCに読取口13を向ける動作で、情報コードCの読み取りと電子タグTの無効化とを円滑に行うことができる。特に、電波放射方向Fは、第1アンテナ面61と第2アンテナ面62との角度θ1に応じて変化させることができるので、アンテナ部50の配置に関して、1つの平面にループアンテナを設けて構成されるアンテナ部等と比較して、読取口13等の他の構造物の影響を受け難くすることができる。したがって、アンテナ配置に関する設計自由度を低下させることなくアンテナ部50による電波放射方向Fを容易に制御することができる。すなわち、第1アンテナ面61及び第2アンテナ面62の角度制御により設計自由度を向上させることができる。
特に、アンテナ部50は、読取口13に対して当該読取口13を構成する一縁部13aの外側に配置される。これにより、アンテナ部50が受光センサ28による情報コードCの受光を妨げることを確実に防止することができる。
また、上記読取処理が実行される一定時間、アンテナ部50から電波が常時放射されるため、このアンテナ部50から電波が常時放射される一定時間で情報コードCが読み取られることで、情報コードCの読み取りと電子タグTの無効化とを同時に行うことができる。なお、上記一定時間は、上記読取処理が実行される間に限らず、例えば、操作部47に対して無効化を開始するための操作がなされてから無効化を終了するための操作がなされるまでの間であってもよい。
なお、上記読取処理を開始する際に操作されるトリガスイッチ等が操作部47の一部としてスキャナ2に設けられる構成では、このトリガスイッチ等による読取操作時にアンテナ部50から電波を放射するようにしてもよい。これにより、情報コードCの読み取りと電子タグTの無効化とを同期させるように行うことができる。なお、トリガスイッチ等の操作部47は、「操作手段」の一例に相当し得る。
また、上記読取処理による読取結果(解読結果)に応じてアンテナ部50から放射される電波が制御回路40により制御されてもよい。具体的には、例えば、図6に例示するフローチャートのように、情報コードCを光学的に読み取り可能な状態となり(S301)、情報コードCの読み取りが成功すると(S303でYes)、アンテナ部50から電波が放射されて電波出力エリアS2内の電子タグTの無効化が可能な状態になった後(S305)、情報コードCの読み取りが成功したことを報知してもよい(S307)。なお、この報知処理では、電子タグTの無効化の成否についても報知することができる。
また、例えば、読み取った情報コードCに応じて、電子タグTの無効化だけでなく、電子タグへの書き込み等、電波を利用した処理内容を変更してもよい。例えば、図7に例示するフローチャートのように、情報コードCを光学的に読み取り可能な状態となり(S401)、情報コードCの読み取りが成功すると(S403でYes)、この読み取った情報コードCの種別に応じて電波を利用した処理内容を変更することができる。具体的には、例えば、読み取った情報コードCの種別がA種別であれば(S405でYes)、電子タグTの無効化を行うためのA通信を行った後(S407)、A種別の情報コードCの読み取りが成功した旨や電子タグTの無効化処理を行った旨及びその成否等が報知される(S409)。また、読み取った情報コードCの種別がB種別であれば(S405でNo、S411でYes)、電子タグ(非接触通信媒体)等に対して所定の情報を書き込むためのB通信を行った後(S413)、B種別の情報コードCの読み取りが成功した旨や電子タグ等に対して所定の情報を書き込むための処理を行った旨及びその成否等が報知される(S415)。また、読み取った情報コードCの種別がC種別であれば(S405、S411でNo、S417でYes)、電子タグ(非接触通信媒体)等に対して読み書き等の他の処理を行うためのC通信を行った後(S419)、C種別の情報コードCの読み取りが成功した旨や電子タグ等に対して他の処理を行った旨及びその成否等が報知される(S421)。また、読み取った情報コードCの種別がA、B、C種別のいずれでもない場合には(S405、S411、S417でNo)、再度上記ステップS401からの処理が繰り返される。
このように、情報コードCの解読結果に応じてアンテナ部50から放射される電波が制御回路40により制御されるため、読み取った情報コードCに応じて、電子タグTの無効化だけでなく、電子タグへの書き込み等、電波を利用した処理内容を変更することができる。このような処理を行う制御回路40は、解読結果に応じてアンテナ部50から放射される電波を制御する「電波制御手段」の一例に相当し得る。
なお、光学的情報読取装置1は、本実施形態のように、受光センサ28及びアンテナ部50等が組み込まれるスキャナ2の筐体11と、受光センサ28による受光結果を利用した制御を行う制御回路40が組み込まれる制御装置3の筐体とが別体として構成されることに限らず、スキャナ2の機能と制御装置3の機能とを兼備して電力供給用の電池を備えたハンディターミナルのように携帯型として構成されてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る光学的情報読取装置について、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、読取口に対するアンテナ部の配置が主に上記第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図8及び図9に示すように、本実施形態に係る光学的情報読取装置1のアンテナ部50aは、第1アンテナ面71と第2アンテナ面72とが所定の角度θ2で連なるように折り曲げて形成され、アンテナ部50aは、第2アンテナ面72が端面12と略平行であって第1アンテナ面71が読取口13近傍の筐体11の内壁に沿うように配置されている。特に、第2アンテナ面72は、受光センサ28による受光を妨げないようにループアンテナ51の内側が開口し、配線52に接続される辺部を除くループアンテナ51の部分が読取口13の外縁に沿うように配置されている。また、第2アンテナ面72は、配線52に接続される辺部が一縁部13aから離れた奥側に配置されることで、ループアンテナ51にて読取口13の周囲を囲うように配置されている。端面12は、平面視したときアンテナ部50aが露出しないように形成されている。なお、アンテナ部50aは、第1アンテナ面71のループアンテナ51の内側が開口するように形成されてもよい。
そして、上述したアンテナ部50と同様に、第1アンテナ面71と第2アンテナ面72との角度θ2は、図8に示すように、アンテナ部50aによる電波放射方向Fが光学読取エリアS1に向かうように設定されている。特に、本実施形態では、読取口13の周囲に第2アンテナ面72のループアンテナ51が位置していることから、上述したアンテナ部50よりも電波放射方向Fを端面12に対して直交する方向に傾ける必要がある。このため、アンテナ部50aは、第1アンテナ面71に対する第2アンテナ面72の面積比がアンテナ部50における第1アンテナ面61に対する第2アンテナ面62の面積比よりも大きくなるように形成されている。
このようしても、光学読み取りに関して最適化された光学読取エリアS1に向けてアンテナ部50aによる電波放射方向Fを角度θ2に応じて調整できる。また、第1アンテナ面71の面積や第2アンテナ面72の面積によってもアンテナ部50aによる電波放射方向Fを変化させることができる。このような角度θ2等に応じた電波放射方向Fの調整がなされることで、読取口13を情報コードCに翳した場合に、電子タグの無効化が可能な電波出力エリアS2に電子タグTが確実に入ることとなり、電波出力エリアS2と光学読取エリアS1とが両立するエリア(図8の符号S3にて示すクロスハッチング参照)を広くしている。
特に、第2アンテナ面72のループアンテナ51を読取口13の周囲に設けるようにアンテナ部50aを配置する場合でもこの第2アンテナ面72と第1アンテナ面71との角度θ2等を調整することで、電波放射方向Fを制御でき、読取口13の周囲のスペースを有効に活用することができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)アンテナ部50は、アンテナ面が第1アンテナ面61と第2アンテナ面62との2平面からなるように構成されることに限らず、例えば、第1アンテナ面61と第2アンテナ面62との間に曲面が設けられる構成等、3つ以上の面から構成されてもよい。このような場合でも、他の面よりも面積が大きく主要な面となる第1アンテナ面61と第2アンテナ面62との角度θ1が上述のように設定されることで、上記効果を奏する。アンテナ部50aにおいても同様であり、アンテナ面が3つ以上の面から構成されてもよく、このような場合でも、他の面よりも面積が大きく主要な面となる第1アンテナ面71と第2アンテナ面72との角度θ2が上述のように設定されることで、上記効果を奏する。なお、角度θ1及び角度θ2は、30°以上160°以下程度に設定することができる。30°より鋭角となる場合は、2つアンテナ面にて発生する電波が互いに打ち消しあう影響が強くなり、逆に160°より大きくなる場合は、アンテナ面が1つの面で構成される場合に対して大きく効果を得られないからである。
(2)読取口13に対して、アンテナ部50及びアンテナ部50aのいずれか一方が設けられることに限らず、双方が配置されてもよいし、更に他のアンテナ部が設けられてもよい。このように、アンテナ部が読取口13に対して複数設けられることで、意図する方向に電波を放射し易くなり、電波出力エリアS2を好適に広げることができる。
1…光学的情報読取装置
2…スキャナ
3…制御装置
13…読取口
28…受光センサ(受光手段)
40…制御回路(解読手段,電波制御手段)
47…操作部(操作手段)
50,50a…アンテナ部
51…ループアンテナ
61,71…第1アンテナ面(第1の面)
62,72…第2アンテナ面(第2の面)
C…情報コード
F…電波放射方向
S1…光学読取エリア
S2…電波出力エリア
T…電子タグ(非接触通信媒体)
θ1,θ2…角度

Claims (8)

  1. 情報コードを光学的に読み取る光学的情報読取装置であって、
    光学読取エリアに位置する前記情報コードからの反射光を読取口を介して受光する受光手段と、
    電波を利用する非接触通信媒体に対して電磁誘導を利用した電波を放射するためのアンテナ部と、
    を備え、
    前記アンテナ部は、少なくとも第1の面と第2の面とを含むように形成されるアンテナ面に1つのループアンテナが設けられて構成され、前記第1の面及び前記第2の面のいずれか一方に設けられる前記ループアンテナの部分が前記読取口の周囲を囲うように配置され、
    前記アンテナ部による電波放射方向が前記光学読取エリアに向かうように、前記第1の面と前記第2の面との角度と前記第1の面と前記第2の面との面積比とが設定されることを特徴とする光学的情報読取装置。
  2. 情報コードを光学的に読み取る光学的情報読取装置であって、
    光学読取エリアに位置する前記情報コードからの反射光を読取口を介して受光する受光手段と、
    電波を利用する非接触通信媒体に対して電磁誘導を利用した電波を放射するためのアンテナ部と、
    を備え、
    前記アンテナ部は、少なくとも第1の面と第2の面とを含むように形成されるアンテナ面に1つのループアンテナが設けられて構成され、前記第1の面及び前記第2の面のいずれか一方に設けられる前記ループアンテナの部分が前記読取口の周囲の少なくとも一部を囲うように、前記読取口に対して当該読取口を構成する縁部の外側に配置され
    前記アンテナ部による電波放射方向が前記光学読取エリアに向かうように、前記第1の面と前記第2の面との角度と前記第1の面と前記第2の面との面積比とが設定されることを特徴とする光学的情報読取装置。
  3. 前記アンテナ部は、前記読取口に対して複数設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学的情報読取装置。
  4. 前記情報コードを光学的に読み取る読取処理が実行される一定時間、前記アンテナ部から電波が常時放射されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
  5. 前記情報コードからの反射光を受光する際に読取操作される操作手段を備え、
    前記操作手段による読取操作時に前記アンテナ部から電波が放射されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
  6. 前記受光手段による前記情報コードの受光結果に応じて当該情報コードを解読する解読手段と、
    前記解読手段による解読結果に応じて前記アンテナ部から放射される電波を制御する電波制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1~3、5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
  7. 前記受光手段及び前記アンテナ部が組み込まれる筐体と、前記受光手段による受光結果を利用した制御を行う制御手段が組み込まれる筐体とが別体として構成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
  8. 電力供給用の電池を備えるように携帯型として構成されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
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