JP7010080B2 - アンテナ設計装置及びアンテナ設計プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナ設計装置及びアンテナ設計プログラムに関する。
近年、アンテナの小型化に伴い、様々な環境で小型アンテナが広く利用されている。また、小型アンテナに適した整合回路の開発も行われている。
一例として、アンテナに接続される整合回路に、アンテナ素子と直列に接続された第1可変容量素子と第1インダクタと、アンテナ素子と並列に接続された第2可変容量素子と第2インダクタとを備えることで、薄型の電子機器に収納可能とする技術が知られている。
また、アンテナと、寄生リアクタンスおよび損失抵抗を含む整合素子により構成される整合回路とを含むアンテナモデルを作成し、入力された第1のアンテナ特性を用いて計算した第2のアンテナ特性が、所望の規格値を満たすかを判定する技術等が知られている。
特開2007-159083号公報 特開2013-141081号公報
近年のIoT(Internet Of Things)の適用範囲の拡大に伴って、様々な環境でアンテナの需要が高まっている。アンテナ特性は、貼付け対象、周囲環境等の違いにより異なるため、膨大な種類のアンテナが設計されている。
また、実現可能性の検証(PoC:Proof of Concept)及び事業としての価値の検証(PoB:Proof of Business)、また、製品化を効率的に行うには、設計したアンテナが環境に適していなければならない。アンテナ設計では、アンテナに接続される整合回路の特性をシミュレーションにより求めるが、整合回路は損失を含むため、特性を求めるには時間を要するといった問題がある。
したがって、1つの側面では、整合回路の計算を高速に行うことを目的とする。
一態様によれば、記憶部に記憶されたSパラメータデータを用いて、アンテナ用の整合回路の損失抵抗を含めて、該整合回路の回路素子値を計算する第1計算部と、計算された前記整合回路の前記回路素子値のうち、ポート側の回路素子値に含まれる損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、該整合回路の損失抵抗の一部を該アンテナの特性とした合成Sパラメータデータを取得する取得部と、得られた前記合成Sパラメータデータに整合するように、前記整合回路の前記アンテナへの接続時の該整合回路の前記回路素子値を再計算する第2計算部とを有するアンテナ設計装置が提供される。
また、上記課題を解決するための手段として、アンテナ設計プログラム、及びアンテナ設計方法とすることもできる。
整合回路の計算を高速に行うことができる。
整合回路に損失がない場合の構成について説明するための図である。 整合回路に損失がある場合の構成について説明するための図である。 整合回路に損失がない場合のシミュレーション結果を示した図である。 整合回路に損失がある場合のシミュレーション結果を示した図である。 本実施例における計算手法を説明するための図である。 アンテナ設計装置のハードウェア構成を示す図である。 アンテナ設計装置の機能構成例を示す図である。 アンテナ設計装置によるアンテナ設計処理を説明するためのフローチャート図である。 整合回路計算処理を説明するためのフローチャート図である。 全接続パターンの一例を示した図(続く)である。 全接続パターンの一例を示した図(続き)である。 接続パターンNo.1の場合の処理例を説明するための図である。 接続パターンNo.22の場合の処理例を説明するための図である。 接続パターンNo.49の場合の処理例を説明するための図である。 Sパラメータデータの例を示す図である。 既存技術によるシミュレーション結果例を示す図である。 本実施例によるシミュレーション結果例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。先ず、2本のアンテナの整合回路に損失がない場合の整合回路を決定する計算方法について説明する。図1は、整合回路に損失がない場合の構成について説明するための図である。図1において、アンテナ装置7は、2本のアンテナ8a及び8bと、アンテナ8aに接続される整合回路3aと、アンテナ8bに接続される整合回路3bと、無線モジュール4とを有する。アンテナ8a及び8bは、総称して、アンテナ8という場合がある。
整合回路に損失がないアンテナ装置7を表すモデル7maでは、Sパラメータデータ8spと、整合回路3a-1及び3a-2と、終端4a-1及び4a-2とで表される。Sパラメータデータ8spは2本のアンテナ8a及び8bの回路特性を表している。Sパラメータデータ8spは、S11、S22、S21、及びS12によるSパラメータ(Scattering parameters)を示す。
整合回路3a-1は整合回路3aを表し、整合回路3a-2は整合回路3bを表している。また、終端4a-1は無線モジュール4のうち整合回路3aと接続される給電部を表し、終端4a-2は無線モジュール4のうち整合回路3bと接続される給電部を表している。終端4a-1及び4a-2には終端条件として抵抗値Zがそれぞれ与えられる。
このようなモデル7maにおいて、Sパラメータデータ8spにおける、アンテナ8aの根元からアンテナ8a側への反射係数をΓで表し、アンテナ8aの根元から整合回路3a及び無線モジュール4(終端4a-1(給電部))側への反射係数をΓm1で表す。同様に、アンテナ8bの根元からアンテナ8b側への反射係数をΓで表し、アンテナ8bの根元から整合回路3b及び無線モジュール4(終端4a-2(給電部))側への反射係数をΓm2で表す。反射係数Γm1及びΓm2は、
Figure 0007010080000001
で表され、上記式を同時に満たすような整合回路3a-1及び3a-2のインピーダンスZm1及びZm2を決定すればよい。この数1は、
Figure 0007010080000002
と表せる。
整合回路に損失がない場合、上述した数1及び数2により、反射係数Γm1が反射係数Γの複素共役となり、かつ、反射係数Γm2が反射係数Γの複素共役となるように方程式を解くことで、整合回路3a-1のインピーダンスZm1及び整合回路3a-2のインピーダンスZm2を得ることができる。
しかしながら、整合回路3a-1及び3a-2に損失が含まれている場合には、
Figure 0007010080000003
の条件が成立せず、上述した計算方法では、整合回路3a-1及び3a-2の特性を得ることができず、また、効率的に整合回路の特性を得る手法は未だ確立されていない。数値最適化手法を用いることが考えられるが、数値解析に係る種々のパラメータ等の設定には、専門的な知識を要し、また、シミュレーションの繰り返しにより計算時間が掛かってしまう。
図2は、整合回路に損失がある場合の構成について説明するための図である。図2において、アンテナ装置7の構成は図1と同様である。
整合回路に損失があるアンテナ装置7を表すモデル7mdでは、Sパラメータデータ8spと、整合回路3b-1及び3b-2と、終端4b-1及び4b-2とで表される。Sパラメータデータ8spについては、図1で説明した通りである。
整合回路3b-1は整合回路3aを表し、整合回路3b-2は整合回路3bを表している。整合回路3b-1は、Sパラメータデータ8spが表すアンテナ8のうちアンテナ8aから直列に接続される回路Rs1及びjXs1と、並列に接続される回路Rp1及びjXp1とを有する。また、整合回路3b-2は、Sパラメータデータ8spが表すアンテナ8のうちアンテナ8bから直列に接続される回路Rs2及びjXs2と、並列に接続される回路Rp2及びjXp2とを有する。以下、Sパラメータデータ8spが表すアンテナ8を、単に、Sパラメータデータ8spという場合がある。
また、終端4b-1は無線モジュール4のうち整合回路3aと接続される給電部を表し、終端4b-2は無線モジュール4のうち整合回路3bと接続される給電部を表している。一例として、終端4b-1及び4b-2には終端条件として抵抗値Zに50Ohmが与えられる。
このように、図1に示すモデル7maと図2に示すモデル7mbとでは、回路構成が異なる。上述したようなモデル7ma及び7mbで、整合回路に損失がある場合とない場合との数値解析で得られる結果の違いについて図3及び図4で説明する。図3及び図4では、1ポートのアンテナの場合で説明するが、2ポートであっても同様である。
図3は、整合回路に損失がない場合のシミュレーション結果を示した図である。図3では、ターゲット周波数を1GHzとし、アンテナ部を表すRF(Radio Frequency)に対してZ=5-20*jを与え、終端に対してZ=50Ohmを設定する。Sパラメータデータ8spのS11は「‐0.605839‐0.583942j」である。
図3(A)では、アンテナ8の根元からアンテナ8側への反射係数を求めた結果を示している。縦軸に反射係数を示し、横軸に周波数を示すグラフ5aを参照すると、ターゲット周波数1GHzで反射係数はゼロを示している。
また、図3(B)では、アンテナ8の根元から給電部側への反射係数Γを求めた結果を示している。周波数ごとの反射係数を示すテーブル6aを参照すると、ターゲット周波数1GHzのときの反射係数Γは「‐0.605839‐0.583942j」である。
図3(C)より、Sパラメータデータ8spのS11が「‐0.605839‐0.583942j」の場合、Sパラメータデータ8spのシミュレーションにより、ターゲット周波数1GHzで反射係数Γ「‐0.605839+0.583942j」を得ている。したがって、1GHzでS11=Γ であり、完全に整合がとれている。
図4は、整合回路に損失がある場合のシミュレーション結果を示した図である。図4でも図3と同様に、ターゲット周波数を1GHzとし、アンテナ部を表すRF(Radio Frequency)に対してZ=5-20*jを与え、終端に対してZ=50Ohmを設定する。更に、損失として、直列側に10Ohm、及び、並列側に10Ohmを加える。Sパラメータデータ8spのS11は、損失がない場合と同様に「‐0.605839‐0.583942j」である。
図4(A)では、アンテナ8の根元からアンテナ8側への反射係数を求めた結果を示している。縦軸に反射係数を示し、横軸に周波数を示すグラフ5bを参照すると、ターゲット周波数1GHzで反射係数はゼロを示している。
また、図4(B)では、アンテナ8の根元から給電部側への反射係数Γを求めた結果を示している。周波数ごとの反射係数を示すテーブル6bを参照すると、ターゲット周波数1GHzのときの反射係数Γは「‐0.5896+0.5558j」である。
図4(C)より、Sパラメータデータ8spのS11が「‐0.605839‐0.583942j」の場合、Sパラメータデータ8spのシミュレーションにより、ターゲット周波数1GHzで反射係数Γ「‐0.5896+0.5558j」を得ている。したがって、1GHzでS11=Γ は成立せず、整合がとれない。このように、損失がある場合、整合回路のインピーダンスを解析的に解くことができない。
本実施例では、上述した問題を解決するアンテナ設計装置及びアンテナ設計プログラムを提供する。発明者は、損失を含む状態で整合素子値を決定した後、回路素子に含まれる損失をアンテナ8のSパラメータデータ8spと合成した後で、再度整合回路の回路素子値を算出することで、整合回路に係る計算を高速に行うことを見出した。
図5は、本実施例における計算手法を説明するための図である。図5(A)は、ステップIを説明するための図である。図5(A)では、図2のモデル7mbにおいて、整合回路3b-1のうちRs1+jXs1を1つの回路で表し、整合回路3b-2のうちRp1+jXp1を1つの回路で表したモデル7mb-1を示している。
に50Ohmを与え、Sパラメータデータ8spを与え、損失を表すRs1、Rp1、Rs2、及びRp2を与える。ステップIでは、Rs1、Rp1、Rs2、及びRp2を与えるが、損失がない整合回路を接続したときの、インピーダンスをZに等しくする計算を行って回路素子値を計算する。反射係数Γ及びΓは、既存の計算方法にて求める。
ステップIでは、図4で説明したように、反射係数Γは、Sパラメータデータ8spのS11と整合しない。反射係数Γも、Sパラメータデータ8spのS22と整合しない。整合していない状態で、ステップIIを行う。
図5(B)のステップIIでは、図5(A)のモデル7mb-1において、並列に接続される回路のRp1+jXp1とRp2+jXp2について、それぞれ逆数を求め分母を実数にする。一般式として、インピーダンス(R+jX)をアドミッタンス(G+jB)に回路変換させる数4の計算を行えばよい。
Figure 0007010080000004
上記数4により、Rp1+jXp1からGp1+jBp1へと変換することで、Gp1とBp1の値を得られる。この変換により、同一の並列接続上で回路素子Rp1と回路素子jXp1とが接続される回路構成から、回路素子Gp1と回路素子jBp1とがそれぞれ並列に接続される回路構成へと変換される。
同様に、Rp2+jXp2からGp2+jBp2へと変換することで、Gp2とBp2の値を得られる。この変換により、同一の並列接続上で回路素子Rp2と回路素子jXp2とが接続される回路構成から、回路素子Gp2と回路素子jBp2とがそれぞれ並列に接続される回路構成へと変換される。
得られたGp1とGp2とをSパラメータデータ8spに合成することで、SパラメータデータSを得る。そして、合成後のSパラメータデータS(以下、合成SパラメータデータSという)に整合するように、回路素子Xs1、Xs2、Bp1、及びBp2の値を計算により求める。整合回路の損失に相当するGp1とGp2とが考慮された整合回路の回路素子値を得ることができる。この図5に示す回路構成例は、後述される、図10の接続パターンNo.17に相当する。
上述したステップI及びIIを行うアンテナ設計装置は、図6に示すようなハードウェア構成を有する。図6は、アンテナ設計装置のハードウェア構成を示す図である。図6において、アンテナ設計装置100は、コンピュータによって制御される情報処理装置であって、CPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置12と、補助記憶装置13と、入力装置14と、表示装置15と、通信I/F(インターフェース)17と、ドライブ装置18とを有し、バスBに接続される。
CPU11は、主記憶装置12に格納されたプログラムに従ってアンテナ設計装置100を制御するプロセッサに相当する。主記憶装置12には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等が用いられ、CPU11にて実行されるプログラム、CPU11での処理に必要なデータ、CPU11での処理にて得られたデータ等を記憶又は一時保存する。
補助記憶装置13には、HDD(Hard Disk Drive)等が用いられ、各種処理を実行するためのプログラム等のデータを格納する。補助記憶装置13に格納されているプログラムの一部が主記憶装置12にロードされ、CPU11に実行されることによって、各種処理が実現される。主記憶装置12と、補助記憶装置13とを総称して記憶部130という。
入力装置14は、マウス、キーボード等を有し、設計者等のユーザがアンテナ設計装置100による処理に必要な各種情報を入力するために用いられる。表示装置15は、CPU11の制御のもとに必要な各種情報を表示する。入力装置14と表示装置15とは、一体化したタッチパネル等によるユーザインタフェースであってもよい。通信I/F17は、有線又は無線などのネットワークを通じて通信を行う。通信I/F17による通信は無線又は有線に限定されるものではない。
ドライブ装置18は、ドライブ装置18にセットされた記憶媒体19(例えば、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)等)とアンテナ設計装置100とのインターフェースを行う。
アンテナ設計装置100によって行われる処理を実現するプログラムは、例えば、CD-ROM等の記憶媒体19によってアンテナ設計装置100に提供される。記憶媒体19に、後述される本実施の形態に係る種々の処理を実現するプログラムを格納し、この記憶媒体19に格納されたプログラムは、ドライブ装置18を介してアンテナ設計装置100にインストールされる。インストールされたプログラムは、アンテナ設計装置100により実行可能となる。
尚、プログラムを格納する記憶媒体19はCD-ROMに限定されず、コンピュータが読み取り可能な、構造(structure)を有する1つ以上の非一時的(non-transitory)な、有形(tangible)な媒体であればよい。コンピュータ読取可能な記憶媒体として、CD-ROMの他に、DVD(Digital Versatile Disk)ディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良い。
図7は、アンテナ設計装置の機能構成例を示す図である。図7において、アンテナ設計装置100は、条件取得部41と、読込部42と、整合回路計算部43と、出力部44とを有する。記憶部130には、条件データ51、Sパラメータデータ8sp、アンテナインピーダンスデータ52、結果データファイル53等を記憶する。
条件取得部41は、ユーザから条件データ51を取得し、記憶部130に記憶する。条件データ51は、アンテナインピーダンスデータを指定するデータ指定情報、ターゲット周波数等を示す。
読込部42は、データ指定情報を用いて、アンテナインピーダンスデータ52を記憶部130から読み込む。アンテナインピーダンスデータ52は、予め用意されたデータファイルであり、周波数ごとに、アンテナ8のインピーダンスが対応付けられて記録したデータファイルであり、様々なアンテナ毎に作成され記憶部130に記憶されている。
上述したSパラメータデータ8spは、条件データ51で指定されたアンテナインピーダンスデータと、50Ohm等の基準インピーダンスとによって計算され、2又は4つの反射係数によって表される。アンテナ8が2本の場合、S11、S12、S21、及びS22を得る。Sパラメータデータ8spは、読込部42で予め計算して、整合回路計算部43に与えてもよいし、整合回路計算部43でSパラメータデータ8spを算出するようにしてもよい。計算により得られた2又は4つの反射係数は、整合回路計算部43においてSパラメータデータ8spの初期値となる。
整合回路計算部43は、条件データ51と、読込部42が読み込んだアンテナインピーダンスデータ52とを用いて、整合回路接続時のインピーダンスを算出し回路素子値を取得したのち、帯域が広い順に並べ替える。異なる整合回路構成ごとのインピーダンスが算出される。整合回路計算部43は、第1計算部4310と、取得部4320と、第2計算部4330と、ソート部4340とを有する。
第1計算部4310は、Sパラメータデータ8spを用いて、整合回路3b-1及び3b-2の損失抵抗を考慮しない状態で、ターゲット周波数のアンテナ8のインピーダンスを終端Zに等しくする、整合回路3b-1及び3b-2の各インピーダンスを計算により求める。計算により得られた整合回路3b-1及び3b-2の各インピーダンスは、損失抵抗を含んでいる。
具体的には、第1計算部4310は、整合回路3b-1のインピーダンス(Rs1+jXs1及びRp1+jXp1)を計算により求める。同様に、第1計算部4310は、Sパラメータデータ8spを用いて、整合回路3b-2のインピーダンス(Rs2+jXs2及びRp2+jXp2)を計算により求める。実数で示されるレジスタンスR(Rs1、p1、Rs2、及びRp2)は予め与えられ、第1計算部4310により、損失抵抗が考慮されていない状態の、リアクタンスX(Xs1、Xp1、Xs2、及びXp2)を得る。
取得部4320は、アンテナ8の各ポート側の直列接続又は並列接続によるレジスタンスRをポートの特性に含めて、Sパラメータデータ8spを再計算して、合成SパラメータSを得る。
直列接続のレジスタンスRを含める場合は、取得部4320は、単に、接続されるポートの特性に含めて、Sパラメータデータ8spを再計算して、合成SパラメータSを得る。並列接続のレジスタンスRを含める場合は、取得部4320は、インピーダンス(R+jX)をアドミッタンス(G+jB)に変換した後、コンダクタンスGを接続されるポートの特性に含めて、Sパラメータデータ8spを再計算して、合成SパラメータS(図5)を得る。
第2計算部4330は、取得部4320によって得られた合成SパラメータSに整合するように、整合回路3b-1及び3b-2がアンテナ8に接続時のインピーダンスを計算する。第2計算部4330により、精度が改善された回路素子Xs1、Xp1、Xs2、及びXp2の値を得る。アドミッタンス(G+jB)への変換が行われた場合には、計算により得られたサセプタンスBが並列接続されたリアクタンスXに相当する。
ソート部4340は、帯域の広い順又はQ値の小さい順に、整合回路構成をソートする。ソートした結果を示す結果データファイル53が記憶部130に記憶される。
出力部44は、結果データファイル53を参照して、最適な整合回路構成を表示装置15に表示する。帯域が最も広い整合回路構成、又は、Q値が最も小さい整合回路構成が表示装置15に表示される。
図8は、アンテナ設計装置によるアンテナ設計処理を説明するためのフローチャート図である。図8において、条件取得部41は、ユーザから条件データ51を取得して、記憶部130に記憶する(ステップS110)。次に、読込部42が、記憶部130からアンテナインピーダンスデータ52を読み込み(ステップS120)、整合回路計算部43による整合回路計算処理が行われる(ステップS130)。
整合回路計算処理が終了すると、出力部44が、整合回路計算部43によって得られた計算結果を含む結果データファイル53を参照して、表示装置15の画面に、最適な整合回路構成を表示する(ステップS140)。最も帯域の広い整合回路構成、又は、Q値が最も小さい整合回路構成が表示装置15に表示される。ソート順に上位から予め定めた順位までを候補の整合回路構成として表示してもよい。その後、アンテナ設計処理は終了する。
図9は、整合回路計算処理を説明するためのフローチャート図である。図9において、整合回路計算部43は、条件データ51からターゲット周波数を取得し、アンテナインピーダンスデータ52を参照して、ターゲット周波数の前後のインピーダンスを用いて値を補間し、ターゲット周波数のインピーダンスを求める(ステップS1301)。
整合回路計算部43は、整合回路を構成する回路素子の接続パターン全てについて、ステップS1302からS1308を行う。接続パターンは、図10及び図11に示される。整合回路計算部43において、第1計算部4310は、接続パターンを1つを選択する(ステップS1302)。
第1計算部4310は、選択した接続パターンに従った回路構成を用いて、ポートごとに、ステップS1301で求めたアンテナ8のインピーダンスを終端の抵抗値Zに等しくする整合回路の回路素子値を計算する(ステップS1303)。第1計算部4310は、反射係数Γにポート1側の整合回路を接続したときのアンテナ8のインピーダンスが抵抗値Zに等しくなるように回路素子値Xs1及びXp1を求める。同様に、第1計算部4310は、反射係数Γにポート2側の整合回路を接続したときのアンテナ8のインピーダンスが抵抗値Zに等しくなるように回路素子値Xs1及びXp2を求める。よって、第1計算部4310は、4つの回路素子値Xs1、Xp1、Xs2、及びXp2を得る。
整合回路計算部43において、取得部4320は、回路構成から、1つ以上のポートに回路素子が直列接続されているか否かをチェックする(ステップS1304)。いずれのポートにも回路素子が直列接続されていない場合(ステップS1304のNO)、取得部4320は、ステップS1306へと進む。一方、1つ以上のポートに回路素子が直列接続されている場合(ステップS1304のYES)、取得部4320は、直列接続される回路素子Rをアンテナ8のポートの特性に含めて、Sパラメータデータ8spを再計算し、合成SパラメータデータSに設定する(ステップS1305)。また、取得部4320は、Sパラメータデータ8spを合成SパラメータデータSで置き換える。
取得部4320は、回路構成から、1つ以上のポートに回路素子が並列接続されているか否かをチェックする(ステップS1306)。いずれのポートにも回路素子が並列接続されていない場合(ステップS1306のNO)、取得部4320は、ステップS1308へと進む。
一方、1つ以上のポートに回路素子が直列接続されている場合(ステップS1306のYES)、取得部4320は、並列接続の回路素子ごとに、数4を用いてR+jXをG+jBに変換し、回路素子Gをアンテナ8のポートの特性に含めてSパラメータデータ8spを再計算し、合成SパラメータデータSに設定する(ステップS1307)。
一方のポートには直列接続される回路素子のみが接続され(ステップS1304のYES)、他方のポートでは並列接続される回路素子が存在する場合(ステップS1306のYES)、ステップS1305で設定された合成SパラメータデータSは、ステップS1307で更新される。
整合回路の損失を含めた合成SパラメータデータSを取得すると、第2計算部433は、合成SパラメータデータSに整合するように、整合回路のアンテナ8への接続時のインピーダンスを計算する(ステップS1308)。第2計算部433は、合成SパラメータデータSを用いて、反射係数Γ及びΓを更新する。
第2計算部433は、更新した反射係数Γにポート1側の整合回路を接続したときのインピーダンスが抵抗値Zに等しくなるように回路素子値Xs1及びXp1(又はBp1)を求める。同様に、第2計算部433は、反射係数Γにポート2側の整合回路を接続したときのインピーダンスが抵抗値Zに等しくなるように回路素子値Xs2及びXp2(又はBp2)を求める。よって、損失が考慮された4つの回路素子値Xs1、Xp1(又はBp1)、Xs2、及びXp2(又はBp2)を得る。
整合回路計算部43は、全接続パターンを終了したか否かを判断する(ステップS1309)。全接続パターンを終了していない場合(ステップS1309のNO)、整合回路計算部43は、Sパラメータデータ8spを初期値に戻して、ステップS1302へと戻り、上述した同様の処理を繰り返す。全接続パターンを終了した場合(ステップS1309のYES)、整合回路計算部43のソート部4340は、計算したインピーダンスに基づいて、帯域の広い順に全接続パターンをソートし、結果データファイル53を記憶部130に出力する(ステップS1310)。そして、整合回路計算部43は、この整合回路計算処理を終了する。
ステップS1310では、ソート部4340は、合成SパラメータデータSを用いて、Q値(Quality factor)を求めて、Q値の昇順に全接続パターンをソートしてもよい。アンテナ8が2本の場合、ソート部4340は、整合時のS11から計算したQ値とS22から計算したQ値の和が昇順になるように全接続パターンをソートする。
上述した整合回路計算処理により、各アンテナ8のポートに対して直列接続される回路素子と並列接続される回路素子とを有する調整回路において、アンテナ8のポートへの接続順と、回路素子種別とにより全64の接続パターンの整合回路の回路素子値を求めることができる。また、本実施例における整合回路計算処理は、1ポートアンテナの場合と、2ポートアンテナの場合とに適用可能である。
図10及び図11は、全接続パターンの一例を示した図である。2ポートアンテナの整合回路における回路素子の接続パターンは、
・ポート1と波源1の接続間と、ポート2と波源2の接続間とにおいて直列接続される回路と、
・ポート1及びポート2側に並列接続され接地される回路、
ポート1及び波源2側に並列接続され接地される回路、又は
ポート2及び波源1側に並列接続され接地される回路と
による回路構成を略式的に表す。
一例として、図10及び図11では、アンテナ8を中心に、波源1及び波源2それぞれへの接続方向で順に接続種別と回路素子種別の組合せを示している。具体的には、「並列L」はインダクタLが並列接続されることを示し、「直列L」はインダクタLが直列接続されることを示している。また、「並列C」はキャパシタCが並列接続されることを示し、「直列C」はキャパシタCが直列接続されることを示している。また、記号「↑」は同上であることを示している。以下、インダクタLを回路素子Lといい、キャパシタCを回路素子Cという。
また、ポート1に直列又は並列に接続される回路素子L又は回路素子Cを第1の回路といい、波源1(給電部)に直列又は並列に接続される回路素子L又は回路素子Cを第2の回路という。第1の回路及び第2の回路は、それぞれ損失を含む。ポート2に対しても同様に第1の回路及び第2の回路が定義され、それぞれ損失を含む。
上述したように、回路素子Lによる第1又は第2の回路はR+jX(インピーダンス)で表される。また、回路素子Cによる第1又は第2の回路はR-jX(インピーダンス)で表される。レジスタンスRが損失を表す。
図10のNo.1~No.16では、ポート1及び2に対して第1の回路が直列接続され、波源1及び2(給電部)側で第2の回路が並列接続される回路構成を示している。これらの回路構成では、ポート1とポート2のそれぞれに直列接続される第1の回路を表す回路素子R及び回路素子(+jX又は-jX)のうち、損失部分の回路素子Rの値をそれぞれのポート1及び2の特性に含めて、Sパラメータデータ8spを再作成する。
損失部分の回路素子Rの値をポート1及び/又は2の特性に含めてSパラメータデータ8spを再作成することを、以下、単に、損失部分をSパラメータデータ8spに合成する、という。
また、No.17~No.32では、ポート1及び2に対して第1の回路が並列接続され、波源1及び2(給電部)側では第2の回路が直列接続される回路構成を示している。これらの回路構成では、ポート1とポート2のそれぞれに並列接続される第1の回路を並列接続される2つの回路素子(G及びjB)に分離し、分離した2つの回路素子のうち損失部分(G)をSパラメータデータ8spに合成する。
図11のNo.33~No.48では、ポート1に対して第1の回路が直列接続され、波源1(給電部)側で第2の回路が並列接続され、ポート2に対して第1の回路が並列接続され、波源2(給電部)側で第2の回路が直列接続される回路構成を示している。これらの回路構成では、ポート1に直列接続される第1の回路を表す回路素子R及び回路素子(+jX又は-jX)のうち、損失部分(R)をSパラメータデータ8spに合成する。一方、ポート2側では、ポート2に並列接続される第1の回路を並列接続される2つの回路素子(G及びjB)に分離し、分離した2つの回路素子のうち損失部分(G)をSパラメータデータ8spに合成する。
No.49~No.64では、ポート1に対して第1の回路が並列接続され、波源1(給電部)側で第2の回路が直列接続され、ポート2に対して第1の回路が直列接続され、波源2(給電部)側で第2の回路が並列接続される回路構成を示している。これらの回路構成では、ポート2に直列接続される第1の回路を表す回路素子R及び回路素子(+jX又は-jX)のうち、損失部分(R)をSパラメータデータ8spに合成する。そして、ポート1に並列接続される第1の回路を並列接続される2つの回路素子(G及びjB)に分離し、分離した2つの回路素子のうち損失部分(G)をSパラメータデータ8spに合成する。
図10及び図11に示す全接続パターンのうち、接続パターンNo.1、No.22、及びNo.49について、図9のステップS1304~S1308の処理例を説明する。
図12は、接続パターンNo.1の場合の処理例を説明するための図である。図12では、接続パターンNo.1による調整回路に関するモデルを示している。接続パターンNo.1では、ポート1側回路では、ポート1に回路素子Lが直列接続され、波源1側で回路素子Lが並列接続され接地される。ポート1に直列接続される回路素子Lは、回路Rs1と+jXs1とで表され、波源1側で並列接続され接地される回路素子Lは、回路(Rp1+jXp1)で表される。
また、ポート2側回路では、ポート2に回路素子Lが直列接続され、波源2側で回路素子Lが並列接続され接地される。直列接続される回路素子Lは、回路Rs2と+jXs1とで表され、並列接続され接地される回路素子Lは、回路(Rp2+jXp2)で表される。波源1及び波源2にはZ(50)が与えられる。
ポート1及びポート2で回路素子Lが直列接続されるため(ステップS1304のYES)、ポート1及びポート2のそれぞれに直列接続される回路素子Lの損失部分(Rs1)をSパラメータデータ8spに合成して、合成SパラメータデータSを取得する(ステップS1305)。
接続パターンNo.1では、ポート1及び2側のいずれにも並列接続される回路素子が存在しないため、ステップS1307の処理は行われない。よって、ステップS1305で得られた合成SパラメータデータSに整合するように、整合回路接続時のインピーダンスが計算される(ステップS1308)。結果、Xs1、Xp1、Xs2、及びXp2の値を得る。
図13は、接続パターンNo.22の場合の処理例を説明するための図である。図13では、接続パターンNo.22による調整回路に関するモデルを示している。接続パターンNo.22では、ポート1側回路では、ポート1に回路素子Cが並列接続され、波源1側で回路素子Lが直列接続され接地される。ポート1に並列接続される回路素子Cは、回路(Rp1-jXp1)で表され、波源1側で直列接続され接地される回路素子Lは、回路Rs1と+jXs1とで表される。
また、ポート2側回路では、ポート2に回路素子Cが並列接続され、波源2側で回路素子Lが直列接続され接地される。並列接続される回路素子Cは、回路(Rp2-jXp2)とで表され、直列接続され接地される回路素子Lは、回路Rs2と+jXs2とで表される。波源1及び波源2にはZ(50)が与えられる。
ポート1及びポート2で直列接続される回路素子が存在しないため(ステップS1304のNO)、ステップS1305の処理は行われない。ステップS1306の判断処理はYESとなり、ポート1とポート2のそれぞれに対してステップS1307の処理が行われる。
ポート1に並列接続される回路素子Cを表す回路(Rp1-jXp1)を、数4によりポート1にそれぞれ並列接続される回路Gp1と-jBp1とに変換する。また、ポート2に並列接続される回路素子Cを表す回路(Rp2-jXp2)を、数4によりポート2にそれぞれ並列接続される回路Gp2と-jBp2とに変換する。そして、損失部分(Gp1)と損失部分(Gp2)とをSパラメータデータ8spに合成して、合成SパラメータデータSを取得する(ステップS1307)。
よって、ステップS1307で得られた合成SパラメータデータSに整合するように、整合回路接続時のインピーダンスが計算される(ステップS1308)。結果、Xs1、Xp1、Xs2、及びXp2の値を得る。
図14は、接続パターンNo.49の場合の処理例を説明するための図である。図14では、接続パターンNo.49による調整回路に関するモデルを示している。接続パターンNo.49では、ポート1側回路では、ポート1に回路素子Lが並列接続され、波源1側で回路素子Lが直列接続され接地される。ポート1に並列接続される回路素子Lは、回路(Rp1+jXp1)で表され、波源1側で直列接続され接地される回路素子Lは、回路Rs1と+jXs1とで表される。
また、ポート2側回路では、ポート2に回路素子Lが直列接続され、波源2側で回路素子Lが並列接続され接地される。直列接続される回路素子Lは、回路Rs2と+jXs2とで表され、並列接続され接地される回路素子Lは、回路(Rp2+jXp2)で表される。波源1及び波源2にはZ(50)が与えられる。
ポート2に直列接続される回路素子Lが存在するため(ステップS1304のYES)、ポート2に直列接続される回路素子Lの損失部分(Rs2)をSパラメータデータ8spに合成して、合成SパラメータデータSm1を取得する(ステップS1305)。
また、ポート1に並列接続される回路素子Lが存在するため(ステップS1306のYES)、ポート1に並列接続される回路素子Lを表す回路(Rp1+jXp1)を、数4によりポート1にそれぞれ並列接続される回路Gp1と+jBp1とに変換する。そして、損失部分(Gp1)をステップS1305で得られたSパラメータデータSm1に合成して、合成SパラメータデータSm2を取得する(ステップS1307)。
よって、ステップS1307で得られた合成SパラメータデータSm2に整合するように、整合回路接続時のインピーダンスが計算される(ステップS1308)。結果、Xs1、Xp1、Xs2、及びXp2の値を得る。
図12~図14で説明したように、本実施例では、少なくともポート1及び2側に接続される回路素子の損失を考慮した整合回路を、既存の技術と比べて、精度良く設計することができる。
図15は、Sパラメータデータの例を示す図である。Sパラメータデータ8spは、図15に示すように、周波数の値に対応付けて、S11振幅[dB]及び位相[度]、S21振幅[dB]及び位相[度]、S12振幅[dB]及び位相[度]、及びS22振幅[dB]及び位相[度]の値が示される。Sパラメータデータ8spは、テキストファイル等である。
次に、整合回路の損失を考慮しない既存技術によるシミュレーション結果例と、整合回路の損失を考慮した本実施例によるシミュレーション結果例とを以下に示す。以下のシミュレーション結果例におけるターゲット周波数(整合周波数)は、3.5GHzである。また、損失を表す回路素子定数は全て1Ohmである(R=0Ohm)。
図16は、既存技術によるシミュレーション結果例を示す図である。図16(A)は、損失を考慮しない整合回路を示し、整合回路の各インダクタンスL1、L5、L2、及びL4が示されている。図16(A)より、ポート1側回路では、L1は4.03nH及びL5は1.4nHであり、ポート2側回路では、L2は3.86nH及びL4は1.34nHである。
図16(B)では、縦軸に反射係数を示し、横軸に周波数を示し、図16(A)の整合回路を追加した時のインピーダンスを表すグラフ5pが示されている。実線がポート1のS11を表し、円がポート2のS22を表す。図16(B)より、図16(A)の整合回路では、3.5GHzでのS11及びS22は約-20dBである。
図17は、本実施例によるシミュレーション結果例を示す図である。図17(A)は、損失を考慮した整合回路を示し、整合回路の各インダクタンスL8、L6、L9、及びL7が示されている。図17(A)より、ポート1側回路では、L8は4.3499nH及びL6は1.4118nHであり、ポート2側回路では、L9は4.1614nH及びL7は1.3520nHである。
図17(B)では、縦軸に反射係数を示し、横軸に周波数を示し、図17(A)の整合回路を追加した時のインピーダンスを表すグラフ5qが示されている。実線がポート1のS11を表し、円がポート2のS22を表す。図17(B)より、図17(A)の整合回路では、3.5GHzでのS11及びS22は約-30dBである。
一方、上述したように、損失を考慮しない図16の整合回路では、3.5GHzでのS11及びS22は約-20dBであり、したがって、本実施例により、10dB程度整合が改善している。
また、設計者は、アンテナ装置7を設置する環境に応じた値を条件データ51で設定するればよく、数値解析を用いた場合に比べて、専門的な知識を要する複雑なパラメータ設定を行う必要がないため、精度よい整合回路を設計するための設計者の負担を軽減できる。
また、図10~図11で示したように全64の接続パターンによる計算処理で最適な整合回路の候補を得られるため、数値解析を用いた場合に比べて、計算時間を概ね数10分1から数100分の1にまで短縮できる。従って、本実施例では、整合回路の設計に係る計算を高速に行うことができる。
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、主々の変形や変更が可能である。
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
記憶部に記憶されたSパラメータデータを用いて、アンテナ用の整合回路の損失抵抗を含めて、該整合回路の回路素子値を計算する第1計算部と、
計算された前記整合回路の前記回路素子値のうち、ポート側の回路素子値に含まれる損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、該整合回路の損失抵抗の一部を該アンテナの特性とした合成Sパラメータデータを取得する取得部と、
得られた前記合成Sパラメータデータに整合するように、前記整合回路の前記アンテナへの接続時の該整合回路の前記回路素子値を再計算する第2計算部と
を有するアンテナ設計装置。
(付記2)
前記取得部は、前記整合回路のうち、前記ポート側に並列接続によるインピーダンスが存在する場合、該インピーダンスをアドミッタンスに変換し、変換により得られた損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、前記合成Sパラメータデータを取得する第1合成部を有することを特徴とする付記1記載のアンテナ設計装置。
(付記3)
前記取得部は、前記整合回路のうち、前記ポート側に直列接続によるインピーダンスが存在する場合、該インピーダンスの損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、前記合成Sパラメータデータを取得する第2合成部を有することを特徴とする付記1記載のアンテナ設計装置。
(付記4)
前記整合回路の回路構成のパターンごとに、前記合成Sパラメータデータを取得して、前記インピーダンスを再計算し、再計算された該インピーダンスの帯域の降順で該パターンをソートするソート部を更に有することを特徴とする付記2又は3記載のアンテナ設計装置。
(付記5)
前記ソート部は、前記帯域が最も広い回路構成を出力することを特徴とする付記4記載のアンテナ設計装置。
(付記6)
前記整合回路の回路構成のパターンごとに、前記合成Sパラメータデータを取得して、前記インピーダンスを再計算し、該合成Sパラメータデータを用いてQ値を算出し、該Q値の昇順に該パターンをソートするソート部を更に有することを特徴とする付記2又は3記載のアンテナ設計装置。
(付記7)
前記アンテナは2ポートアンテナであることを特徴とする付記1乃至6のいずれか一項記載のアンテナ設計装置。
(付記8)
記憶部に記憶されたSパラメータデータを用いて、アンテナ用の整合回路の損失抵抗を含めて、該整合回路の回路素子値を計算し、
計算された前記整合回路の前記回路素子値のうち、ポート側の回路素子値に含まれる損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、該整合回路の損失抵抗の一部を該アンテナの特性とした合成Sパラメータデータを取得し、
得られた前記合成Sパラメータデータに整合するように、前記整合回路の前記アンテナへの接続時の該整合回路の前記回路素子値を再計算する
処理をコンピュータに行わせるアンテナ設計プログラム。
(付記9)
記憶部に記憶されたSパラメータデータを用いて、アンテナ用の整合回路の損失抵抗を含めて、該整合回路の回路素子値を計算し、
計算された前記整合回路の前記回路素子値のうち、ポート側の回路素子値に含まれる損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、該整合回路の損失抵抗の一部を該アンテナの特性とした合成Sパラメータデータを取得し、
得られた前記合成Sパラメータデータに整合するように、前記整合回路の前記アンテナへの接続時の該整合回路の前記回路素子値を再計算する
処理をコンピュータが実行するアンテナ設計方法。
2 Sパラメータデータ
2、8a、8b アンテナ
3a-1、3a-2 整合回路
4 無線モジュール
4a-1、4a-2 終端
7 アンテナ装置
7ma、7mb モデル
41 条件取得部
42 読込部
43 整合回路計算部
4310 第1計算部
4320 取得部
4330 第2計算部
4340 ソート部
44 出力部
51 条件データ
52 アンテナインピーダンスデータ
53 結果データファイル

Claims (6)

  1. 記憶部に記憶されたSパラメータデータを用いて、アンテナ用の整合回路の損失抵抗を含めて、該整合回路の回路素子値を計算する第1計算部と、
    計算された前記整合回路の前記回路素子値のうち、ポート側の回路素子値に含まれる損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、該整合回路の損失抵抗の一部を該アンテナの特性とした合成Sパラメータデータを取得する取得部と、
    得られた前記合成Sパラメータデータに整合するように、前記整合回路の前記アンテナへの接続時の該整合回路の前記回路素子値を再計算する第2計算部と
    を有するアンテナ設計装置。
  2. 前記取得部は、前記整合回路のうち、前記ポート側に並列接続によるインピーダンスが存在する場合、該インピーダンスをアドミッタンスに変換し、変換により得られた損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、前記合成Sパラメータデータを取得する第1合成部を有することを特徴とする請求項1記載のアンテナ設計装置。
  3. 前記取得部は、前記整合回路のうち、前記ポート側に直列接続によるインピーダンスが存在する場合、該インピーダンスの損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、前記合成Sパラメータデータを取得する第2合成部を有することを特徴とする請求項1記載のアンテナ設計装置。
  4. 前記整合回路の回路構成のパターンごとに、前記合成Sパラメータデータを取得して、前記インピーダンスを再計算し、再計算された該インピーダンスの帯域の降順で該パターンをソートするソート部を更に有することを特徴とする請求項2又は3記載のアンテナ設計装置。
  5. 前記整合回路の回路構成のパターンごとに、前記合成Sパラメータデータを取得して、前記インピーダンスを再計算し、該合成Sパラメータデータを用いてQ値を算出し、該Q値の昇順に該パターンをソートするソート部を更に有することを特徴とする請求項2又は3記載のアンテナ設計装置。
  6. 記憶部に記憶されたSパラメータデータを用いて、アンテナ用の整合回路の損失抵抗を含めて、該整合回路の回路素子値を計算し、
    計算された前記整合回路の前記回路素子値のうち、ポート側の回路素子値に含まれる損失抵抗を前記アンテナの特性に含めて前記Sパラメータデータを計算して、該整合回路の損失抵抗の一部を該アンテナの特性とした合成Sパラメータデータを取得し、
    得られた前記合成Sパラメータデータに整合するように、前記整合回路の前記アンテナへの接続時の該整合回路の前記回路素子値を再計算する
    処理をコンピュータに行わせるアンテナ設計プログラム。
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