JP7009298B2 - 生体組織シーラント用ハイドロゲルおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
[1] 下記成分A、成分Bおよび成分Cを含み、下記式(f1)、式(f2)および式(f3)を満足することを特徴とする、生体組織シーラント用ハイドロゲル。
成分A:
式(1)
Xは1つのアミノ基または1つのチオール基を含む有機基を表し、
mは25~500の整数を表す。)
で表されるポリエチレングリコール誘導体
成分B:式(2)
Yは1つの活性エステル基または1つのマレイミド基を含む有機基を表し、
nは25~500の整数を表す。)
で表されるポリエチレングリコール誘導体
成分C:式(3)
Z-PEG-polyester ・・・(3)
(式(3)中、
Zは1つのアルデヒド基または1つのマレイミド基を含む有機基を表し、
PEGはポリエチレングリコール鎖を表し、
polyesterは生分解性ポリエステルを表す。)
で表されるジブロックポリマーを含み、表面に少なくとも1つ以上の前記有機基Zを有するポリマーミセル
1.2mmol/L≦(成分Aのモル濃度)+(成分Bのモル濃度)≦4.0mmol/L ・・・(f1)
1.0≦(成分Aのモル濃度)÷(成分Bのモル濃度)≦4.0・・・(f2)
0.1≦(成分Bのモル濃度)÷(成分Cのポリマーのモル濃度)≦0.75・・・(f3)
前記成分Aを含む調製液aを作製する工程、
前記成分Bと成分Cを含む調製液bを作製する工程、および
前記調製液aと前記調製液bを混合して塗布し、ゲルを形成する工程
を含む、生体組織シーラント用ハイドロゲルの製造方法。
本発明のハイドロゲルは、成分A:前記式(1)で表されるポリエチレングリコール誘導体と、成分B:前記式(2)で表されるポリエチレングリコール誘導体と、成分C:前記式(3)で表されるジブロックポリマーを含み、表面に少なくとも1つ以上の有機基Zを有するポリマーミセルとを含む。
-O-(CH2)a1-NH2 ・・・(4)
-O-(CH2)a2-SH ・・・(5)
式(5)中、a2は2~6の整数を表し、化合物の入手のし易さからa2は2または3が好ましい。
-O-W-(CH2)a3-C(=O)-R1・・・(6)
前記式(3)で表されるジブロックポリマーにおいて、Zは1つのアルデヒド基または1つのマレイミド基を含む有機基を表す。
-(CH2)a6-CHO ・・・(8)
成分Cのポリマーミセルの粒子径は、動的光散乱法で測定される流体力学的直径が10~40nmであることが好ましい。
中に溶解させて作製することができる。
1.2mmol/L≦(成分Aのモル濃度)+(成分Bのモル濃度)≦4.0mmol/L・・・(f1)
1.0≦(成分Aのモル濃度)÷(成分Bのモル濃度)≦4.0・・・(f2)
0.1≦(成分Bのモル濃度)÷(成分Cのポリマーのモル濃度)≦0.75 ・・・(f3)
日油(株)社製SUNBRIGHT PTE-200PA(前記式(1)中、mが114、Xがアミノプロピル基)25mg(1.25μmol)をCarmody緩衝液(pH=8)0.5mLに溶解させ、調製液a-1を得た。また、調製液a-1をCarmody緩衝液(pH=8)で10倍に希釈することによって、調製液a-2を得た。
(調整液bCの作製)
(作製例2-1)
末端ジエトキシプロピル化ポリエチレングリコール-block-ポリ(DL-乳酸)(ポリエチレングリコール分子量4400-ポリ乳酸分子量4200)100mgをジメチルアセトアミド0.4mLに溶解させ、水に対して透析することでポリマーミセルを形成させた。回収したポリマーミセル溶液について、塩酸でpHを2として室温で2時間撹拌し、アセタール基をアルデヒド基へと脱保護した。pHを8に調整した後、脱塩のため再び水に対して透析した。最後に濃縮を行い、ポリマー濃度が20wt%(23.3μmol/mL)のポリマーミセル溶液を作製した。動的光散乱(Malvern社製 Zetasizer NanoZS)により測定した、ポリマーミセルの流体力学的直径は27nmであった。
末端ジエトキシプロピル化ポリエチレングリコール-block-ポリ(DL-乳酸)(ポリエチレングリコール分子量4000-ポリ乳酸分子量3600)30mgをジメチルアセトアミド0.12mLに溶解させ、水に対して透析することでポリマーミセルを形成させた。回収したポリマーミセル溶液について、塩酸でpHを2として室温で2時間撹拌し、アセタール基をアルデヒド基へと脱保護した。pHを8に調整した後、脱塩のため再び水に対して透析した。最後に濃縮を行い、ポリマー濃度が7.55wt%(10μmol/mL)のポリマーミセル溶液を作製した。動的光散乱(Malvern社製 Zetasizer NanoZS)により測定した、ポリマーミセルの流体力学的直径は22nmであった。
(作製例2-3)
日油(株)社製SUNBRIGHT PTE-200GS(前記式(2)中、nが114、Xがスクシンイミジルグルタレート基)12.5mg(0.63μmol)をCarmody緩衝液(pH=8)0.25mLに溶解させた。これに作製例2-1のミセル溶液0.25mLを混合して調整液b-1を作製した。
日油(株)社製SUNBRIGHT PTE-400GS(前記式(2)中、nが227、Xがスクシンイミジルグルタレート基)25mg(0.63μmol)をCarmody緩衝液(pH=8)0.25mLに溶解させた。これに作製例2-2のミセル溶液0.25mLを混合して調整液b-2を作製した。
日油(株)社製SUNBRIGHT PTE-400GS(前記式(2)中、nが227、Xがスクシンイミジルグルタレート基)12.5mg(0.31μmol)をCarmody緩衝液(pH=8)0.125mLに溶解させた。これに作製例2-2のミセル溶液0.375mLを混合して調整液b-3を作製した。
作製例2-1のミセル溶液0.5mLをそのまま調製液b-4とした。
実施例1-1、実施例1-2について、調製液aおよび調製液bを0.5mLずつバイアル中で混合した。調製液aと調整液bの組合せ、および組成物中の成分A、成分B、成分Cの含量ならびに各比率を表1に示す。
次いで、静置した後にバイアルを傾け、液体の流動性がなくなった時点でゲル化とし、ゲル化の有無、およびゲル化までに要した時間(ゲル化時間)を記録した。結果を表1に示す。
ゲルが形成した実施例1-1および実施例1-2について、調製液aと調製液b等量を2液混合シリンジで混合しながらレオメーター(Thermo Electron社製、RheoStress600)上に0.1mL吐出し、吐出60分後の貯蔵弾性率および損失弾性率を測定した。
実施例1-1および実施例1-2で形成した、バイアル中のハイドロゲルに対し、直径1.5mmの木製の棒を5mm押し込んだ後、棒を持ち上げた。持ち上げた際にハイドロゲルが粘りつき一緒に持ち上がった場合を「粘着性あり」、ゲルが棒に粘りつかず元の形状に戻った場合を「粘着性なし」とした。
動的粘弾性測定および粘着性評価の結果を表1に示す。
比較例1-1、比較例1-2について、調製液aおよび調製液bを0.5mLずつバイアル中で混合した。調製液aと調整液bの組合せ、および組成物中の成分A、成分B、成分Cの含量ならびに各比率を表2に示す。
静置した後にバイアルを傾け、液体の流動性がなくなった時点でゲル化とし、ゲル化の有無、およびゲル化までに要した時間(ゲル化時間)を記録した。結果を表2に示す。
Claims (6)
- 下記成分A、成分Bおよび成分Cを含み、下記式(f1)、式(f2)および式(f3)を満足することを特徴とする、生体組織シーラント用ハイドロゲル。
成分A:
式(1)
Xは1つのアミノ基または1つのチオール基を含む有機基を表し、
mは25~500の整数を表す。)
で表されるポリエチレングリコール誘導体
成分B:式(2)
Yは1つの活性エステル基または1つのマレイミド基を含む有機基を表し、
nは25~500の整数を表す。)
で表されるポリエチレングリコール誘導体
成分C:式(3)
Z-PEG-polyester ・・・(3)
(式(3)中、
Zは1つのアルデヒド基または1つのマレイミド基を含む有機基を表し、
PEGはポリエチレングリコール鎖を表し、
polyesterは生分解性ポリエステルを表し、前記生分解性ポリエステルが、D-乳酸、L-乳酸およびグリコール酸からなる群より選択される一種以上のモノマーの重合体からなる。)
で表されるジブロックポリマーを含み、表面に少なくとも1つ以上の前記有機基Zを有するポリマーミセル
1.2mmol/L≦(成分Aのモル濃度)+(成分Bのモル濃度)≦4.0mmol/L・・・(f1)
1.0≦(成分Aのモル濃度)÷(成分Bのモル濃度)≦4.0・・・(f2)
0.1≦(成分Bのモル濃度)÷(成分Cのポリマーのモル濃度)≦0.75・・・(f3)
- 式(1)中、Xが、1つのアミノ基を含む有機基であり、式(2)中、Yが、1つの活性エステル基を含む有機基であり、式(3)中、Zが、1つのアルデヒド基を含む有機基であることを特徴とする、請求項1記載の生体組織シーラント用ハイドロゲル。
- 前記ポリマーミセルが、式(3)中、Zが1つのアルデヒド基を含む有機基である前記ジブロックポリマーのみからなることを特徴とする、請求項2記載の生体組織シーラント用ハイドロゲル。
- 式(1)中、mが50~300の整数であり、式(2)中、nが50~300の整数であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つの請求項に記載の生体組織シーラント用ハイドロゲル。
- 式(3)中、前記ポリエチレングリコール鎖の分子量が2500~5000、前記生分解性ポリエステルの分子量が2500~5000であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一つの請求項に記載の生体組織シーラント用ハイドロゲル。
- 請求項1~5のいずれか一つの請求項に記載の生体組織シーラント用ハイドロゲルを製造する方法であって、
前記成分Aを含む調製液aを作製する工程、
前記成分Bと成分Cを含む調製液bを作製する工程、および
前記調製液aと前記調製液bを混合して塗布し、ゲルを形成する工程
を含む、生体組織シーラント用ハイドロゲルの製造方法。
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