JP7008504B2 - 発熱具 - Google Patents

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Description

本発明は、発熱具に関する。より具体的には、本発明は、知覚される温感と冷感に持続性があり、温熱作用を効果的に発揮できる発熱具に関する。
空気と接触して発熱する発熱性組成物を利用した発熱具は、防寒等のための保温具としてのみならず、血行促進や疼痛緩和等のための治療用具等としても広く使用されている。
従来の発熱具では、治療用具として使用する場合、夏場等の暑い時期には、温感のみでは暑熱感として感じられ、使用感が悪くなるという欠点がある。従来、発熱具の温感は、発熱性組成物の組成、発熱性組成物を収容する収容体による酸素流入量等を調節することによってコントロールできることが知られているが、このような発熱具の温感のコントロールでは、最高到達温度、昇温速度、持続時間等を調節できるに止まり、夏場等の暑い時期に知覚される暑熱感を減じることはできない。
そこで、近年、冷感を呈させることにより、暑熱感が減じられる発熱具が開発されている。例えば、特許文献1には、発熱性組成物に清涼感を付与する冷感剤を配合した発熱具は、清涼感を知覚できることが報告されている。また、特許文献2には、発熱性組成物に、冷感剤とセスキテルペン炭化水素を特定量配合した発熱具は、温熱感と清涼感を知覚できることが報告されている。更に、特許文献3には、発熱性組成物に、環状エーテル構造を有するモノテルペノイドと環状ケトン構造を有するモノテルペノイドを特定量配合した発熱具は、保存中の清涼感の質の変化を効果的に防止し、清涼感が維持できることが報告されている。しかしながら、特許文献1~3のように、発熱性組成物に冷感剤等を配合する技術では、呈される温感が減じてしまい、優れた温感と冷感を両立させることができないという欠点がある。また、発熱具において、発熱性組成物は、通気性を有する収容体に収容されているため、特許文献1~3のように、発熱性組成物に冷感剤等を配合した発熱具では、冷感剤等の一部が収容体の通気孔を介して大気中に揮散するため、冷感の持続性が低いという欠点もある。更に、特許文献1~3の技術では、温感と冷感に対して知覚的な馴れが生じ易く、知覚される温感と冷感の持続性に劣るという欠点もある。
近年、発熱具の機能性の向上に対する消費者の要望が高まっており、知覚される温感と冷感の持続性が向上しており、効果的に温熱作用を発揮できる発熱具の開発が切望されている。
特開2010-158507号公報 特開2014-128467号公報 特開2011-160885号公報
本発明の目的は、知覚される温感と冷感に持続性があり、温熱作用を効果的に発揮できる発熱具を提供することである。
発明を解決するための手段
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、皮膚に貼付して使用される発熱具において、以下の(1)~(3)の構成を具備させることにより、知覚される温感と冷感の持続性が向上し、格段に優れた温熱作用を発揮できることを見出した。
(1)収容体の皮膚貼付面側を構成する包材が、前記粘着層側から、少なくとも、水分を吸収する水分吸収層と、水分の透過を遮断する水分バリア層とがこの順で積層された積層シートによって形成する。
(2)粘着層を、前記水分吸収層の表面に対して部分的に設ける。
(3)粘着層及び水分吸収層の少なくとも一方に、水分存在下で冷感が増強して知覚される冷感剤を含有させる。
本発明は、かかる知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 皮膚に貼付して使用される発熱具であって、
皮膚に伝える熱を発生させる発熱部と、
前記発熱部を収容し、皮膚に貼付される皮膚貼付面を有する収容体と、
前記収容体の皮膚貼付面側に設けられた粘着層と、を備え、
前記収容体の皮膚貼付面側を構成する包材が、前記粘着層側から、少なくとも、水分を吸収する水分吸収層と、水分の透過を遮断する水分バリア層とがこの順で積層された積層シートによって形成されており、
前記粘着層が、前記水分吸収層の表面に部分的に設けられており、且つ
前記粘着層及び前記水分吸収層の少なくとも一方に、水分存在下で冷感が増強して知覚される冷感剤が含まれている、
ことを特徴とする、発熱具。
項2. 前記水分吸収層の表面において、前記粘着層が設けられている粘着層形成領域:前記水分吸収層が露出している水分吸収層露出領域の面積比が、100:5~2000である、項1に記載の発熱具。
項3. 前記水分吸収層の表面において、前記水分吸収層が露出している水分吸収層露出領域が、前記水分吸収層の端部まで連通している、項1又は2に記載の発熱具。
項4. 前記収容体の皮膚貼付面側を構成する包材が、前記冷感剤の透過を遮断するバリア機能を有する、項1~3のいずれかに記載の発熱具。
項5. 前記水分バリア層として、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロ二トリル、又はエチレン-ビニルアルコール共重合体で形成された樹脂層、蒸着膜、並びに/或は金属箔膜を有する、項4に記載の発熱具。
項6. 前記水分吸収層が繊維シートである、項1~5のいずれかに記載の発熱具。
項7. 前記冷感剤が、前記粘着層に含まれる、項1~6のいずれかに記載の発熱具。
項8. 前記冷感剤が、メントール、カンフル、チモール、スピラントール、乳酸メンチル、及びサリチル酸メチルよりなる群から選択される少なくとも1種である、項1~7のいずれかに記載の発熱具。
項9. 前記発熱部が、酸素との接触により発熱する発熱性組成物であり、前記収容体が少なくとも一部に通気性を有している、項1~8のいずれかに記載の発熱具。
本発明の発熱具によれば、発熱部による温感と冷感剤による冷感を持続的に知覚されせることができる。このような温感と冷感の持続性は、本発明の発熱具が有する特有の構成に依存しており、以下の(1)~(4)を繰り返すことによって実現できていると考えられる。(1)発熱部から付与される温感によって皮膚が発汗する、(2)水分吸収層が汗を吸取る、(3)吸取られた汗を利用して冷感剤による冷感が増強される、(4)冷感が知覚的に馴れてくると、発熱部から付与される温感が支配的に知覚される。
水分吸収層の表面に粘着層がストライプ状に設けられた態様の発熱具について、皮膚貼付面側から見た平面概略図である。 水分吸収層の表面に粘着層がドット状に設けられた態様の発熱具について、皮膚貼付面側から見た平面概略図である。 水分吸収層の表面に粘着層が格子状に設けられた態様の発熱具について、皮膚貼付面側から見た平面概略図である。 水分吸収層の表面に粘着層が網目状に設けられた態様の発熱具について、皮膚貼付面側から見た平面概略図である。 水分吸収層の表面に粘着層が枠状に設けられた態様の発熱具について、皮膚貼付面側から見た平面概略図である。 本発明の発熱具の好適な一形態の断面構造の概略図である。
本発明の発熱具は、前述するように温感と冷感が持続的に呈されるので、暑熱感を低減でき、暑い時期や地域でも快適に使用することができる。また、本発明の発熱具によれば、格段に優れた温熱作用を発揮できるので、血行促進、肩こり改善、疼痛緩和等を目的とした治療具としても好適に使用できる。更に、本発明の発熱具は、使用時の発汗によるベタツキを抑制し、更に皮膚からの剥がれを防止することもできるので、優れた使用感を得ることもできる。
本発明の発熱具は、皮膚に貼付して使用される発熱具であって、皮膚に伝える熱を発生させる発熱部1と、前記発熱部を収容し、皮膚に貼付される皮膚貼付面を有する収容体2と、前記収容体の皮膚貼付面側に設けられた粘着層3とを備える。また、本発明の発熱具では、前記収容体2の皮膚貼付面側を構成する包材21が、前記粘着層3側から、少なくとも、水分を吸収する水分吸収層211と、水分の透過を遮断する水分バリア層212とがこの順で積層された積層シートによって形成されており、前記粘着層3が、前記水分吸収層211の表面に対して部分的に設けられており、且つ前記粘着層3及び前記水分吸収層211の少なくとも一方に、水分存在下で冷感が増強して知覚される冷感剤が含まれている、ことを特徴とする。以下、本発明の発熱具について詳述する。
なお、本発明において、「冷感」及び「温感」とは、それぞれ、発熱具を皮膚に貼付した際に知覚される冷たさ及び温かさに関する感覚を指し、「温熱作用」とは、発熱具の物理的な発熱と前記冷感及び温感とによって皮膚貼付部位にもたらされる生理作用(血行促進、肩こり改善、疼痛緩和等)を指す。
<発熱部1>
本発明の発熱具は、発熱体として、皮膚に伝える熱を発生させる発熱部1を備える。当該発熱部1は、発熱し、温感を付与する役割を果たす。
発熱部1は、発熱して皮膚に熱を伝え得ることを限度として、その発熱機構については特に制限されないが、例えば、酸素との接触により発熱する発熱組成物;通電により発熱する通電発熱体;マイクロ波の照射を受けて発熱する発熱体;液状、半固体状、又は固体状蓄熱材を利用して熱を発する発熱体等が挙げられる。これらの中でも、酸素との接触により発熱する発熱組成物は、使い捨てが可能であり、安全性、発熱効率、利便性等の点から、発熱部1として好適に使用される。
酸素との接触により発熱する発熱組成物の組成については、特に制限されず、従来、使い捨てカイロ等で使用されているものであればよい。酸素との接触により発熱する発熱組成物の好適な一例として、被酸化性金属、酸化促進剤、及び水を含有する組成物が挙げられる。
前記発熱組成物において、被酸化性金属は、酸素との接触によって酸化され、酸化熱によって発熱源となる役割を果たす。被酸化性金属の種類については、酸化によって発熱可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、鉄(還元鉄、鋳鉄、アトマイズド鉄、電解鉄)、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム等の金属が挙げられる。これらの被酸化性金属は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、被酸化性金属の形状については、特に制限されないが、発熱効率の観点からは、好ましくは粉末状、粒状又は繊維状、更に好ましくは粉末状が挙げられる。
これらの被酸化性金属の中でも、安全性、取扱性等の観点から、好ましくは鉄粉が挙げられる。
被酸化性金属が粉末状である場合、その粒子径については、特に制限されないが、例えば、0.01~1000μm、好ましくは0.1~500μm、更に好ましくは0.5~300μmが挙げられる。ここで、粉末状の被酸化性金属の粒子径は、JIS8815-1994「ふるい分け試験方法通則」に規定されている「乾式ふるい分け試験」に従って測定される値である。
前記発熱性組成物における被酸化性金属の含有量については、付与すべき発熱特性に応じて適宜設定されるが、例えば、20~80重量%、好ましくは25~70重量%、更に好ましくは30~60重量%が挙げられる。
また、前記発熱組成物において、酸化促進剤は、酸素の保持、及び被酸化性金属に酸素を供給する役割を果たす。酸化促進剤の種類については、酸素の保持及び被酸化性金属への酸素の供給が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、竹炭、木炭、コーヒーカス炭、黒鉛、石炭、椰子殻炭、暦青炭、泥炭、亜炭等の炭素材料が挙げられる。これらの酸化促進剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの酸化促進剤の中でも、好ましくは活性炭、カーボンブラック、竹炭、木炭、コーヒーカス炭、更に好ましくは活性炭が挙げられる。
また、酸化促進剤の形状については、特に制限されないが、発熱効率の観点からは、好ましくは粉末状、粒状又は繊維状、更に好ましくは粉末状が挙げられる。
酸化促進剤が粉末状である場合、その粒子径については、特に制限されないが、例えば、0.001~1000μm、好ましくは0.005~500μm、更に好ましくは0.01~200μmが挙げられる。ここで、粉末状の酸化促進剤の粒子径は、JIS8815-1994「ふるい分け試験方法通則」に規定されている「乾式ふるい分け試験」に従って測定される値である。
前記発熱性組成物における酸化促進剤の含有量については、付与すべき発熱特性等に応じて適宜設定されるが、例えば、1~30重量%、好ましく3~25重量%、更に好ましくは5~23重量%が挙げられる。
また、前記発熱性組成物において、被酸化性金属と酸化促進剤の比率については、付与すべき発熱特性に応じて適宜設定されるが、例えば、被酸化性金属100重量部当たり、酸化促進剤が2~60重量部、好ましくは5~50重量部、更に好ましくは10~40重量部が挙げられる。
また、前記発熱性組成物において、水は、酸素と共に被酸化金属を酸化させる役割を果たす。水については、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、水道水、工業用水等のいずれを使用してもよい。
発熱性組成物における水の含有量については、付与すべき発熱特性に応じて適宜設定されるが、例えば、5~50重量%、好ましく10~40重量%、更に好ましくは15~35重量%が挙げられる。
前記発熱性組成物は、前述する成分の他に、必要に応じて、水溶性塩類が含まれていてもよい。水溶性塩類を含んでいる場合には、被酸化性金属の酸化を促進することが可能になる。
水溶性塩類の種類については、特に制限されないが、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、又は重金属(鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、銀、バリウム等)の硫酸塩、炭酸水素塩、塩化物若しくは水酸化物等が挙げられる。これらの水溶性塩類の中でも、導電性、化学的安定性等の観点から、好ましくは塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄(第1、第2)等の塩化物、更に好ましくは塩化ナトリウムなどが挙げられる。これらの水溶性塩類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記発熱性組成物に水溶性塩類を配合する場合、その含有量については、付与すべき発熱特性に応じて適宜設定されるが、例えば、0.1~10重量%、好ましくは0.5~7重量%、更に好ましくは1~5重量%が挙げられる。
また、前記発熱性組成物は、必要に応じて、保水剤を含んでいてもよい。保水剤は、水を保持して、酸化反応場に水を供給する役割を果たす。
保水剤の種類については、特に制限されないが、例えば、バーミキュライト(蛭石)、パーライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、カオリン、タルク、スメクタイト、マイカ、ベントナイト、炭酸カルシウム、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、二酸化珪素、珪藻土等の無機多孔質物質;パルプ、木粉(おがくず)、綿、デンプン類、セルロース類等の有機物;ポリアクリル酸系樹脂、ポリスルホン酸系樹脂、無水マレイン酸系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリアスパラギン酸系樹脂、ポリグルタミン酸系樹脂、ポリアルギン酸系樹脂等の吸水性樹脂等が挙げられる。これらの保水剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの保水剤の中でも、好ましくはバーミキュライト、ポリアクリル酸系樹脂木粉、パルプ、;更に好ましくはバーミキュライト、ポリアクリル酸系樹脂が挙げられる。また、保水剤として無機多孔質物質を使用する場合には、発熱性組成物中で空気の流路を確保することも可能になる。
保水剤の粒径については、特に制限されないが、例えば、0.1~3000μm、好ましくは0.5~1000μm、更に好ましくは1~500μmが挙げられる。ここで、保水剤の粒子径は、JIS8815-1994「ふるい分け試験方法通則」に規定されている「乾式ふるい分け試験」に従って測定される値である。
前記発熱性組成物に保水剤を配合する場合、その含有量については、付与すべき発熱特性に応じて適宜設定されるが、例えば、1~20重量%、好ましくは3~15重量%、更に好ましくは5~10重量%が挙げられる。
前記発熱性組成物には、更に必要に応じて、金属イオン封鎖剤、香料、増粘剤、賦形剤、界面活性剤、水素発生抑制剤等が他の添加剤が含まれていてもよい。
前記発熱性組成物は、前述する成分を所定量混合することにより調製することができる。前記発熱性組成物の調製は、酸素存在下で行ってもよいが、減圧下又は不活性ガス雰囲気下で調製することが好ましい。
発熱部1は、本発明の発熱具を皮膚に貼付した際に適度な温度に発熱するように設定される。本発明の発熱具の最高到達温度については、適用対象となる皮膚部位、付与すべき温感や温熱作用等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、32~85℃程度、好ましくは34~70℃程度が挙げられる。当該最高到達温度は、JIS S4100:2007に規定されている方法に従って測定される値である。
<収容体2>
本発明の発熱具は、発熱部1を収容している収容体2を備える。収容体2は、前記発熱部1を収容するための収容部22を有している。
収容体2は、皮膚貼付面側に配される包材21(以下、「皮膚貼付面側包材」と表記することもある)が、粘着層3側から、少なくとも、水分を吸収する水分吸収層211と、水分の透過を遮断する水分バリア層212とがこの順で積層された積層シートによって形成されている。皮膚貼付面側包材において、水分バリア層212は水分吸収層211の全面に亘って積層され、水分吸収層211によって吸収された汗が、収容体22内部又は収容体2の皮膚貼付面とは反対側に透過するのを遮断できるように構成される。
皮膚貼付面側包材21において、水分吸収層211は、粘着層3が設けられていない部分(水分吸収層露出領域)から温熱により発汗した汗を吸取って、冷感剤から付与される冷感を増強させることにより、温感と冷感の持続性を向上させる役割を果たす。また、水分吸収層211は、粘着層3が設けられていない部分(水分吸収層露出領域)から、発汗した汗を吸取ることにより、使用時の汗によるベタツキを抑制し、優れた使用感を備えさせる役割も果たす。
水分吸収層211を構成する素材については、吸水特性を有していることを限度として特に制限されず、例えば、繊維材料、吸水性樹脂材料、スポンジ状樹脂材料等が挙げられる。水分吸収層211は、これらの素材をシート状に形成したものを水分バリア層212に張り合わせる方法;これらの素材を水分バリア層212に塗布又は担持させて層を形成させる方法等によって形成することができる。使用感、粘着層3との接着性等の観点から、水分吸収層211の好適な態様として繊維シートが好ましい。
水分吸収層211として使用される繊維シートとしては、具体的には、不織布、織布が挙げられる。使用感等の観点から、繊維シートとして、好ましくは不織布が挙げられる。繊維シートの構成繊維については、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、レーヨン、アクリル、アセテート、ポリ塩化ビニル等の合成繊維;綿、麻、絹、紙等の天然繊維;これらの混合繊維等が挙げられる。これらの構成繊維の中でも、使用感を高めるという観点から、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、更に好ましくはポリエチレンテレフタレート、ナイロンが挙げられる。
また、水分吸収層211として使用される繊維シートは、吸水性を高めるために、必要に応じて、吸水性樹脂(高吸水性樹脂(SAP)を含む)が担持されているものであってもよい。
水分吸収層211として使用される繊維シートの目付けについては、特に制限されないが、例えば、10~100g/m2、好ましくは15~70g/m2、更に好ましくは20~50g/m2が挙げられる。
皮膚貼付面側包材21において、水分バリア層212は、発汗した汗を吸取った水分吸収層211から汗が収容体内部又は収容体の皮膚貼付面とは反対側の外部に透過するのを抑制することによって、温感と冷感の持続性が低下するのを抑制する役割を果たす。
水分バリア層212の構成素材については、特に制限されないが、例えば、熱可塑性樹脂で形成された樹脂層、蒸着膜、金属箔膜等が挙げられる。水分バリア層212は、1層のみからなる単層構造であってもよく、また同一又は異なる素材で形成された2層以上からなる複層構造であってもよい。収容体2の製造容易性等の観点から、水分バリア層212を構成する層の少なくとも1層が、熱可塑性樹脂で形成された樹脂層であることが望ましい。
水分バリア層212として使用される樹脂層を形成する熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体が挙げられる。水分バリア層212として、熱可塑性樹脂で形成された樹脂層を設ける場合、当該樹脂層は、1層であってもよく、また、同一又は異なる樹脂によって2層以上形成されていてもよい。
水分バリア層212として熱可塑性樹脂で形成された樹脂層を設ける場合、1層当たりの厚さについては、水分バリア層212を構成する層の数等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、10~100μm、好ましくは15~70μm、更に好ましくは20~50μmが挙げられる。
また、水分バリア層212として使用される蒸着膜を構成する素材については、水分の透過を遮断できることを限度として特に制限されないが、例えば、アルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ、ニッケル等の金属;二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミ、酸化ジルコニウム等の無機酸化物;フッ化マグネシウム等の無機フッ化物等が挙げられる。
前記蒸着膜の厚みについては、水分の透過を抑制できる範囲であることを限度として特に制限されないが、例えば50~5000Å、好ましくは100~1000Åが挙げられる。
前記蒸着膜は、熱可塑性樹脂で形成された樹脂層又は水分吸収層211に対して、物理蒸着法、化学蒸着法等の公知の蒸着方法で、前記素材を蒸着させることによって形成することができる。
また、水分バリア層212として使用される金属箔膜としては、例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔等が挙げられる。これらの金属箔の中でも、好ましくはアルミニウム箔が挙げられる。
前記金属箔膜の厚みについては、特に制限されないが、例えば5~50μm、好ましくは5~15μmが挙げられる。
前記金属箔膜は、熱可塑性樹脂で形成された樹脂層又は水分吸収層211に対して、ドライラミネート、押出ラミネート、熱ラミネート等の公知のラミネート方法に従って積層させることができる。
また、皮膚貼付面側包材21は、水分吸収層211及び/又は粘着層3に含まれる冷感剤の透過を遮断する冷感剤バリア機能を有していてもよい。このような冷感剤バリア機能を有することによって水分吸収層211及び/又は粘着層3に含まれる冷感剤が皮膚貼付面とは反対側に移行することを抑制できるので、温感及び冷感の持続性をより一層向上させ、温熱作用を格段顕著に発揮させることが可能になる。
皮膚貼付面側包材21に冷感剤バリア機能を備えさせるには、例えば、水分バリア層212を構成する少なくとも1層を、水分バリア機能と共に冷感剤バリア機能を併せ持つ構成素材で形成すればよい。冷感剤バリア機能を有する水分バリア層212としては、具体的には、冷感剤バリア機能を有する熱可塑性樹脂(以下、「冷感剤バリア性樹脂」と表記することがある)で形成された樹脂層、前記蒸着膜、及び前記金属箔膜が挙げられる。
前記冷感剤バリア性樹脂の種類については、冷感剤の透過を遮断できることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。これらの冷感剤バリア性樹脂の中でも、好ましくはポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
また、冷感剤バリア性樹脂で形成された水分バリア層212aを設ける場合には、当該水分バリア層212aに対して、更に熱溶着性に優れる熱可塑性樹脂で形成された水分バリア層212bを積層させておくことが望ましい。このような熱溶着性に優れる熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。また、水分バリア層212として、冷感剤バリア性樹脂で形成された水分バリア層212aと熱溶着性に優れる熱可塑性樹脂で形成された水分バリア層212bとの積層体を使用する場合であれば、冷感剤バリア性樹脂で形成された水分バリア層212aが皮膚貼付面側に配されていることが望ましい。
皮膚貼付面側包材21の好適な層構造として、収容部22側から接着層3側に向けて、熱溶着性に優れる熱可塑性樹脂(ポリエチレン及び/又はポリプロピレン)で形成された水分バリア層212b、冷感剤バリア性樹脂で形成された水分バリア層212a、及び水分吸収層211がこの順で積層されている積層構造;ポリエチレン及び/又はポリプロピレンで形成された水分バリア層212b、蒸着膜又は金属箔膜、及び水分吸収層22がこの順で積層されている積層構造等が挙げられる。
収容体2において、皮膚貼付面側とは反対側に配される包材23(以下、「非皮膚貼付面側包材」と表記することもある)は、従来の発熱具における収容体の非皮膚貼付面側包材と同様の素材で形成できる。非皮膚貼付面側包材23は、発熱部1として酸素との接触により発熱する発熱性組成物を使用する場合であれば、通気性を備えていることが必要になるが、発熱部1として当該発熱性組成物以外を使用する場合であれば、通気性又は非通気性のいずれであってもよい。
通気性を備える非皮膚貼付面側包材23は、例えば、通気性樹脂層231、繊維基材232等によって形成することができる。
通気性を備える非皮膚貼付面側包材23の形成に使用される通気性樹脂層231の構成樹脂については、特に制限されないが、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂として、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
また、通気性樹脂層231は、具体的には、通気性を確保するための細孔が設けられている樹脂フィルムであればよい。樹脂フィルムに設けられる細孔の形状、大きさ及び数については、収容体に備えさせるべき通気度に応じて適宜設定すればよい。
通気性樹脂層231の厚さについては、非皮膚貼付面側包材23の層構成等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、15~150μm、好ましくは30~100μm、更に好ましくは50~80μmが挙げられる。
非皮膚貼付面側包材23に使用される繊維基材232としては、具体的には、不織布、織布が挙げられる。使用感等の観点から、繊維基材232として、好ましくは不織布が挙げられる。繊維基材232の素材については、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、レーヨン、アクリル、アセテート、ポリ塩化ビニル等の合成繊維;綿、麻、絹、紙等の天然繊維;これらの混合繊維等が挙げられる。これらの素材の中でも、使用感を高めるという観点から、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、更に好ましくはポリエチレンテレフタレート、ナイロンが挙げられる。
繊維基材232の目付けについては、非皮膚貼付面側包材の層構成等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1~100g/m2、好ましくは5~70g/m2、更に好ましくは10~50g/m2が挙げられる。
通気性を有する非皮膚貼付面側包材23の層構造としては、具体的には、通気性樹脂層231、又は繊維基材232からなる単層構造;通気性樹脂層231及び繊維基材232の内、同一又は異なる素材を2つ以上組み合わせた複層構造が挙げられる。使用感の向上、発熱組成物の漏出防止等の観点から、好ましくは、通気性樹脂層231からなる単層構造;収容体の内部から外部に向けて、通気性樹脂層231及び繊維基材232がこの順で積層されている積層構造が挙げられる。
通気性樹脂層231と繊維基材232の積層は、ドライラミネート、押出ラミネート、熱ラミネート等の公知のラミネート方法によって行うことができる。
また、非皮膚貼付面側包材23を非通気性にする場合には、その層構造、使用素材等については、皮膚貼付面側包材21と同様にすればよい。但し、非通気性の非皮膚貼付面側包材23では、前記蒸着膜及び金属箔膜は設けなくてもよい。
本発明で使用される収容体2は、皮膚貼付面側包材21と非皮膚貼付面側包材23とを、発熱部1を収容する収容部22となる領域の周囲を張り合わせることによって形成される。
皮膚貼付面側包材21と非皮膚貼付面側包材23を張り合わせる方法については、特に制限されないが、例えば、皮膚貼付面側包材21に含まれる水分バリア層212及び/又は非皮膚貼付面側包材23に含まれる樹脂層を利用して熱溶着(ヒートシール)させる方法、接着剤を使用して張り合わせる方法等が挙げられる。
発熱部1として、酸素との接触により発熱する発熱性組成物を使用する場合、収容体2の収容部22に収容される当該発熱性組成物の量については、貼付する皮膚部位、当該発熱性組成物の発熱特性等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、収容部22の1cm2当たり、当該発熱性組成物が0.01~1.5g程度、好ましくは0.05~1g程度、更に好ましくは0.1~0.8g程度が挙げられる。
本発明で使用される収容体2において、発熱部1を収容する収容部22の数については、特に制限されず、1つであっても、また複数であってもよく、貼付する皮膚部位等に応じて適宜設定される。また、収容部22の大きさや形状についても、特に制限されず、貼付する皮膚部位の形状等に応じて適宜設定すればよい。
<粘着層3>
本発明の発熱具は、水分吸収層211の表面(即ち、収容体2の皮膚貼付面側)に対して、粘着層3が部分的に設けられる。このように粘着層3を部分的に設けることによって、本発明の発熱具の皮膚貼付面の表面に、粘着層3が形成された領域(以下、「粘着層形成領域3X」と表記することもある)と、水分吸収層211が露出している領域(以下、「水分吸収層露出領域211X」)が形成され、粘着層形成領域3Xが皮膚上に発熱具を固定する機能を果たし、水分吸収層露出領域211Xが発汗した汗を吸取る機能を果たす。
粘着層3は、粘着剤を基剤として使用して形成される。粘着剤とは、油剤やその他の溶媒等の存在下で粘着性を示すポリマー(粘着性ポリマー)を含み、当該粘着性ポリマーが油剤やその他の溶媒等に分散又は溶解されて、粘着性を呈している組成物である。粘着剤に含まれる粘着性ポリマーの種類や組成は、公知であり、本発明では、従来の使い捨てカイロの粘着層に使用されている粘着剤を使用することができる。粘着剤の種類としては、具体的には、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。
ゴム系粘着剤に含まれる粘着性ポリマーとしては、具体的には、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレン系共重合体、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレン系共重合体、ポリスチレン-ポリエチレン-ポリブチレン-ポリスチレン共重合体、ポリスチレン-ポリエチレン-ポリプロピレン-ポリスチレン共重合体等が挙げられる。
シリコーン系粘着剤としては、具体的には、付加反応硬化型シリコーン系粘着剤、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
アクリル系粘着剤に含まれる粘着性ポリマーとしては、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル系モノマーを構成単位とする(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられる。
ウレタン系粘着剤に含まれる粘着性ポリマーとしては、具体的には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリオールと、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタン樹脂が挙げられる。
これらの粘着剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの粘着剤の中でも、好ましくはゴム系粘着剤が挙げられる。
粘着層3は、粘着剤のみから形成されていてもよく、また後述する冷感剤等の他の成分を含んでいてもよい。
粘着層3に粘着剤以外の成分が含まれる場合、粘着層3中の粘着剤の含有量については、皮膚への粘着性、粘着層形成領域の割合等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、60~99.9重量%、好ましくは70~99重量%、更に好ましくは80~98重量%が挙げられる。
粘着層3は、少なくとも、収容体2において発熱部1を収容している収容部22の下面領域内に設けられていることが好ましい。また、粘着層3は、水分吸収層211の表面に部分的に設けられていることを限度として、粘着層形成領域の形状については、特に制限されないが、例えば、ストライプ状、ドット状、格子状、網目状、水分吸収層の端部を囲む枠状等が挙げられる。
図1にストライプ状の粘着層形成領域3Xが形成された態様の一例を示す。ストライプ状の粘着層形成領域を形成する場合、粘着層形成領域3Xのストライプ幅については、発熱具を貼付する皮膚部位、発熱具の大きさ等に応じて、適宜設定すればよいが、例えば、1~100mm程度、好ましくは3~30mm程度が挙げられる。
また、図2にドット状の粘着層形成領域3Xが形成された態様の一例を示す。図2には、円形のドットが配された態様を示しているが、ドット形状は、楕円形、多角形、不定形等のいずれであってもよい。ドット状の粘着層形成領域3Xを形成する場合、ドット1個当たりの面積については、発熱具を貼付する皮膚部位、発熱具の大きさ等に応じて、適宜設定すればよいが、例えば、5~10000mm2程度、好ましくは500~3000mm2程度が挙げられる。
また、図3に格子状の粘着層形成領域3Xが形成された態様の一例を示す。格子状の粘着層形成領域3Xを形成する場合、格子1個当たりの面積については、発熱具を貼付する皮膚部位、発熱具の大きさ等に応じて、適宜設定すればよいが、例えば、1~3000mm2程度、好ましくは10~1000mm2程度が挙げられる。
また、図4に網目状の粘着層形成領域3Xが形成された態様の一例を示す。網目状の粘着層形成領域3Xを形成する場合、網目を形成する線幅については、発熱具を貼付する皮膚部位、発熱具の大きさ等に応じて、適宜設定すればよいが、例えば、1~100mm程度、好ましくは3~30mm程度が挙げられる。
また、図5に枠状の粘着層形成領域3Xが形成された態様の一例を示す。枠状の粘着層形成領域3Xを形成する場合、枠の幅については、発熱具を貼付する皮膚部位、発熱具の大きさ等に応じて、適宜設定すればよいが、例えば、1~100mm程度、好ましくは3~50mm程度が挙げられる。
また、形成される水分吸収層露出領域211Xは、水分吸収層211の端部まで連通していることが好ましい。水分吸収層露出領域211Xが水分吸収層211の端部まで連通している場合には、発熱具を皮膚に貼付した際に空気の通り道を確保でき、使用時の発汗によるベタツキをより一層効果的に抑制することが可能になる水分吸収層露出領域211Xが水分吸収層211の端部まで連通している態様としては、具体的には、粘着層3がストライプ状又はドット状に形成された態様が挙げられる。
粘着層形成領域3Xと水分吸収層露出領域211Xの面積比については、貼付する皮膚への接着性等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、粘着層形成領域3X:水分吸収層露出領域211Xの面積比として、通常100:5~2000、好ましくは100:10~400、更に好ましくは100:25~150が挙げられる。
粘着層3の塗布量については、貼付する皮膚への接着性、粘着層形成領域3Xの割合等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、粘着層形成領域3Xにおける粘着層3の塗布量として、通常20~150g/m2、好ましくは40~120g/m2、更に好ましくは60~100g/m2が挙げられる。
粘着層3は、収容体2を構成する皮膚貼付面側包材21の水分吸収層211に対して、公知のコート法によって塗工することにより形成される。
<冷感剤>
本発明の発熱具では、粘着層3及び水分吸収層311の少なくとも一方に、水分存在下で冷感が増強して知覚される冷感剤が含まれる。当該冷感剤は、冷感を付与し、優れた温熱作用の発揮に寄与する。
「水分存在下で冷感が増強して知覚される冷感剤」とは、皮膚に冷感を与える冷感剤の内、水分と共存することによって、水分非存在下の場合に比べて、知覚される冷感が増強される冷感剤である。水分存在下で冷感が増強して知覚される冷感剤については、当該技術分野で公知であり、その種類については、特に制限されないが、具体的には、メントール、カンフル、チモール、スピラントール、乳酸メンチル、サリチル酸メチル等が挙げられる。
前記冷感剤の内、メントールについては、d体、l体、dl体のいずれであってもよいが、好ましくはl体が挙げられる。また、メントールは、精製品を使用してもよく、また精油の状態で使用してもよい。メントールを含む精油については、公知のものから適宜選択して使用することができるが、例えば、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油等が挙げられる。
また、前記冷感剤の内、カンフルについては、d体、l体、dl体のいずれであってもよいが、好ましくはdl体が挙げられる。また、カンフルは、精製品を使用してもよく、また精油の状態で使用してもよい。カンフルを含む精油は、公知のものから適宜選択して使用することができる。
これらの冷感剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの冷感剤の中でも、呈される冷感及び温感の持続性をより一層向上させ、より優れた温熱作用を発揮させるという観点から、好ましくはメントールが挙げられる。
前記冷感剤は、粘着層3又は水分吸収層211のいずれか一方に含まれていてもよく、またこれらの双方に含まれていてもよい。呈される冷感及び温感をより一層高めて、温熱作用をより一層向上させるという観点から、前記冷感剤は、少なくとも粘着層3に含まれていることが好ましい。
粘着層3及び/又は水分吸収層211における前記冷感剤の含有量については、使用する冷感剤の種類、冷感剤を含有させる層の種類等に応じて適宜設定すればよい。粘着層3に前記冷感剤を含有させる場合であれば、粘着層3中での前記冷感剤の含有量として、例えば、0.1~10重量%、好ましくは0.5~8重量%、更に好ましくは1~5重量%が挙げられる。また、水分吸収層211に前記冷感剤を含有させる場合であれば、水分吸収層211の単位面積当たりの前記冷感剤の含有量として、0.5~500mg/cm2、好ましくは1~300mg/cm2、更に好ましくは5~150mg/cm2が挙げられる。
粘着層3に冷感剤を含有させる場合、粘着層3の基剤として使用される粘着剤と冷感剤を混合した粘着層用組成物を調製し、これを水分吸収層211上に塗工すればよい。また、水分吸収層211に冷感剤を含有させる場合、水分吸収層211に対して冷感剤を含む液を噴霧する方法、冷感剤を含む液に水分吸収層211を含浸させる方法等によって、冷感剤を水分吸収層に担持させればよい。
<その他の成分>
粘着層3及び/又は水分吸収層211には、前記冷感剤の他に、必要に応じて、他の薬理成分や香粧成分を含んでいてもよい。このような薬理成分や香粧成分としては、例えば、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ、セイヨウトチノキ、イチョウ、ハマメリエキス、グレープフルーツエキス、ローズマリーエキス、レモンエキス、ビタミンE、ニコチン酸誘導体等の血行促進剤;グリセリン、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、スクワラン等の保湿剤;バジルエキス、ジュニパーエキス等の疲労回復剤;インドメタシン、ジクロフェナック、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、フェルビナック、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等の鎮痛剤;茶エキス、朝鮮人参エキス、カフェイン、セイヨウトチノキ、アミノフィリン、エスシン、アントシアニジン、有機ヨウ素化合物、オトギリ草エキス、シモツケ草エキス、スギナ、マンネンロウ、セイヨウキヅタ、チオムカーゼ、ヒアルウロニダーゼ等のスリミング剤;テルミナリア、ビスナガ、マユス、セイヨウトチノキ、アントシアニン、ビタミンP、キンセンカ、コンコリット酸、シラノール、等のむくみ改善剤;プロテアーゼ等のピーリング剤;チオグリコール酸カルシウム等の除毛剤;γ-オリザノール等の自律神経調節剤;天然香料、単品香料等の香料等が挙げられる。
これらの薬理成分及び香粧成分は、粘着層3及び水分吸収層211のいずれに含まれていてもよいが、薬理作用や香粧学的作用を効果的に奏させるという観点から、粘着層3に含まれていることが好ましい。
これらの薬理成分及び香粧成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。粘着層3及び/又は水分吸収層211における薬理成分及び香粧成分の含有量については、付与すべき薬理的効果又は香粧的効果に応じて、適宜設定すればよい。また、粘着層3及び/又は水分吸収層211に、これらの成分を含有させる方法については、前記冷感剤の場合と同様である。
<離型層>
本発明の発熱具において、必要に応じて、前記粘着層3の表面(皮膚に貼付される側)には、剥離可能な離型層が設けられていてもよい。離型層が設けられている場合には、保存中の粘着層の乾燥防止、保存中の前記冷感剤の揮発防止、粘着層の粘着による取扱性の低下の防止等を図ることができる。
離型層としては、ポリエチレンテレフタラート、ポリアクリロ二トリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン等の樹脂フィルム;シリコン加工等の離型性付与加工を施した紙等が挙げられる。また、離型層として樹脂フィルムを使用する場合であっても、シリコン加工等の離型性付与加工が施されていてもよい。これらの離型層の中でも、ポリエチレンテレフタラート、ポリアクリロ二トリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体等の樹脂フィルムは、粘着層3中の有効成分の吸着を抑制できるので好適である。
<好適な態様>
本発明の発熱具の好適な一形態の断面構造の概略図を図6に示す。図6に示す発熱具では、皮膚貼付面側包材21と非皮膚貼付面側包材23の端部同士を張り合わすことにより、収容部22を有する収容体2が形成されており、収容体2中に、発熱部1として、酸素との接触により発熱する発熱性組成物が収容されている。図6に示す発熱具では、収容体2の皮膚貼付面側包材21が、収容部22側から皮膚貼付面に向けて、溶着性に優れる熱可塑性樹脂(ポリエチレン及び/又はポリプロピレン)で形成された水分バリア層212b、冷感剤バリア性樹脂で形成された水分バリア層212a、及び水分吸収層211がこの順で積層されている積層シートで構成されている。また、図6に示す発熱具では、収容体2の非皮膚貼付面側包材23が、収容部22側から外側に向けて通気性樹脂層231及び繊維基材232がこの順で積層されている積層シートで形成されている。また、図6に示す発熱具では、皮膚貼付面側包材21を構成する水分吸収層211の表面に、粘着層3が部分的に設けられている。なお、図6には、便宜上、離型層については割愛している。
<使用態様・包装形態>
本発明の発熱具は、粘着層を皮膚に貼付することによって、身体の保温具又は治療用具として使用される。特に、本発明の発熱具は、格段に優れた温熱作用を発揮できるので、血行促進、疼痛緩和、肩こり改善等のための治療用具として特に好適に使用される。
本発明の発熱具が適用される皮膚部位については、特に制限されないが、例えば、目、顔、首、肩、腰、背中、腹部、臀部、腕、脚、足裏等が挙げられる。
本発明の発熱具は、発熱部1が酸素との接触により発熱する発熱性組成物である場合には、酸素バリア性を有する包装材に包装され、当該発熱性組成物が空気と接触しない状態で提供される。使用時に当該包装材を開封することによって、当該発熱性組成物が空気と接触し、発熱が開始する。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1
粘着層形成領域と水分吸収層露出領域の面積比が異なる発熱具(実施例1~3及び比較例1)を製造し、各発熱具について、温感と冷感の持続性、皮膚への接着性、及び使用感について評価した。各発熱具の製造方法及び評価方法等については、以下に示す通りである。
1.発熱具の製造
実施例1
ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び不織布(ポリエチレンテレフタレート製)がこの順に積層している非通気性積層シートからなる皮膚貼付面側包材(縦13cm、横9.5cmの長方形)を準備した。当該皮膚貼付面側包材の不織布の表面に対して部分的に、140℃で加熱混合した下記組成の粘着層形成用組成物Aを、粘着層形成領域の塗布量が100g/m2となるように塗工し、冷却することによって、皮膚貼付面側包材上に粘着層を部分的に形成した。なお、粘着層の部分的な形成は、粘着層形成領域のストライプが縦方向に4本、且つその間に水分吸収層(不織布)露出領域が3本あるストライプ状で、粘着層形成領域のストライプ幅が19mm、水分吸収層(不織布)露出領域の横幅が6.3mm、粘着層形成領域:水分吸収層露出領域の面積比が80:20となるように設定して行った。
<粘着層形成用組成物A>
メントール(商品名「薄荷脳」、長岡実業株式会社製) 2.5重量%
ゴム系粘着剤 97.5重量%
合計 100重量%
次いで、皮膚貼付面側包材上の粘着層に、シリコン加工が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型層(縦13cm、横9.5cmの長方形)を張り合わせた。
また、別途、細孔が設けられたポリエチレンフィルム及び不織布(ポリエチレンテレフタレート製)が積層している通気性積層シートからなる非皮膚貼付面側包材(縦13cm、横9.5cmの長方形)を準備した。
次いで、鉄粉22g、活性炭6g、水溶性塩・保水剤・水混合物10g(塩化ナトリウム、吸水性樹脂、蛭石、水等の混合物;水8.5g含有)を混合し、発熱性組成物を調製した。得られた発熱性組成物38gを、皮膚貼付面側包材のポリエチレンフィルム側と非皮膚貼付面側包材のポリエチレンフィルム側で挟持させた状態で、これらの包材の端部同士を熱溶着することにより、収容部(縦12cm、横8.5cm)に発熱性組成物が収容された発熱具を製造した。製造した発熱具は、素早く密封袋に収容した。
実施例2
皮膚貼付面側包材に設けた粘着層の部分的な形成を、粘着層形成領域のストライプ幅が14.25mm、水分吸収層(不織布)露出領域の横幅が12.7mm、粘着層形成領域:水分吸収層露出領域の面積比が60:40となるように設定したこと以外は、前記実施例1と同条件で、発熱具を製造した。
実施例3
皮膚貼付面側包材に設けた粘着層の部分的な形成を、粘着層形成領域のストライプ幅が9.5mm、水分吸収層(不織布)露出領域の横幅が19mm、粘着層形成領域:水分吸収層露出領域の面積比が40:60となるように設定したこと以外は、前記実施例1と同条件で、発熱具を製造した。
比較例1
皮膚貼付面側包材の不織布の全面に粘着層形成を形成したこと(即ち、粘着層形成領域:水分吸収層露出領域の面積比が100:0)以外は、前記実施例1と同条件で、発熱具を製造した。
2.性能評価
各発熱具を、10名の被験者の腰部に貼付した。貼付から2時間後に、知覚される温感及び冷感、皮膚への接着性、並びに使用感について、以下の判定基準に従って評点化し、各評価項目について、評点の平均が2以上3以下の場合をA、1以上2未満の場合をB、0.5以上1未満の場合をC、0.5未満の場合とDとして判定した。
(温感及び冷感の判定基準)
3点:十分に知覚できる。
2点:知覚できる。
1点:弱いが知覚できる。
0点:知覚できない。
(皮膚への接着性の判定基準)
3点:端部の剥がれ等がなく、接着状態を十分に維持できている。
2点:端部の剥がれ等が僅かに認められるが、接着状態を十分に維持できている。
1点:端部の剥がれ等が認められ、接着状態がやや不安定になっている。
0点:端部の剥がれ等が多く認められ、接着状態が不安定になっている。
(使用感の判定基準)
3点:汗によるベタツキがなく、使用感が極めて良好である。
2点:汗によるベタツキがやや感じられるが、使用感が良好である。
1点:汗によるベタツキが感じられ、使用感がやや悪い。
0点:汗によるベタツキが強く感じられ、使用感が悪い。
3.評価結果
得られた結果を表1に示す。表1から明らかなように、皮膚貼付面側包材の皮膚貼付面側に粘着層を全面に設けた場合には、冷感の持続性が劣っており、皮膚への接着性や使用感も満足できるものではなかった(比較例1)。これに対して、皮膚貼付面側包材の皮膚貼付面側に粘着層を部分的に設けた場合には、温感及び冷感の持続性が向上しており、皮膚への接着性及び使用感も改善していた(実施例1~3)。特に、粘着層形成領域:水分吸収層露出領域の面積比が80:20~60:40の場合には、温感及び冷感の持続性が格段に優れており、皮膚への接着性及び使用感も良好であった(実施例2及び3)。
Figure 0007008504000001
試験例2
皮膚貼付面側包材の構造及び粘着層中の添加成分が異なる発熱具(実施例2、4、及び比較例2~5)を製造し、各発熱具について、温感と冷感の持続性、皮膚への接着性、及び使用感について評価した。実施例4及び比較例2~5の発熱具の製造方法、並びに評価方法等については、以下に示す通りである。
1.発熱具の製造
実施例4
下記組成の粘着層形成用組成物Bを使用して粘着層を形成したこと以外は、前記実施例2と同条件で、発熱具を製造した。
<粘着層形成用組成物B>
ペパーミント油(商品名「ファルコレックス ペパーミント B」、一丸ファルコス株式会社製)(液状) 8重量%
ゴム系粘着剤 92重量%
合計 100重量%
比較例2
ポリエチレンフィルム及びポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順に積層している非通気性積層シートからなる皮膚貼付面側包材(縦13cm、横9.5cmの長方形)を準備した。当該皮膚貼付面側包材のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に対して部分的に、粘着層を部分的に形成したこと以外は、前記実施例2と同条件で、発熱具を製造した。
比較例3
不織布(ポリエチレンテレフタレート製)のみからなる通気性の皮膚貼付面側包材(縦13cm、横9.5cmの長方形)を準備した。当該皮膚貼付面側包材の一方の面に対して部分的に、前記実施例2と同条件で、粘着層を部分的に形成した。また、別途、ポリエチレンフィルム及び不織布(ポリエチレンテレフタレート製)が積層している非通気性積層シートからなる非皮膚貼付面側包材(縦13cm、横9.5cmの長方形)を準備した。
次いで、皮膚貼付面側包材のポリエチレンフィルム側の端部と非皮膚貼付面側包材の端部をスプレー糊で接着させること以外は、前記実施例2と同条件で、収容部(縦12cm、横8.5cm)に発熱性組成物が収容された発熱具を製造した。
比較例4
下記組成の粘着層形成用組成物Cを使用して粘着層を形成したこと以外は、前記実施例2と同条件で、発熱具を製造した。
<粘着層形成用組成物C>
dl-α-トコフェロール;ビタミンE(商品名「ビタミンE リノレートミクスチャー」、エーザイフード・ケミカル株式会社製)(油状) 5重量%
ゴム系粘着剤 95重量%
合計 100重量%
比較例5
前記粘着層形成用組成物Cを使用して粘着層を形成したこと以外は、前記比較例2と同条件で、発熱具を製造した。
2.性能評価
各発熱具の温感及び冷感の持続性、皮膚への接着性、使用感、並びに腰痛緩和効果について評価した。温感及び冷感の持続性、皮膚への接着性、並びに使用感については、前記試験例1と同様の方法で評価した。腰痛緩和効果の評価方法については、以下に示す通りである。
腰痛を感じている10名の被験者の腰部に発熱具を8時間貼付した。貼付8時間後に、腰痛緩和効果を以下の判定基準に従って評点化し、評点の平均が2以上3以下の場合をA、1以上2未満の場合をB、0.5以上1未満の場合をC、0.5未満の場合とDとして判定した。
(腰痛緩和効果の判定基準)
3点:腰痛が著しく緩和している。
2点:腰痛が緩和している。
1点:腰痛がやや緩和している。
0点:腰痛の緩和は認められない。
3.評価結果
得られた結果を表2に示す。皮膚貼付面側包材に、水分吸収層(不織布)を設けなかった発熱具では、部分的に設けた粘着層にメントールを含んでいても、冷感の持続性がなく、皮膚への接着性、使用感、及び腰痛緩和効果も不十分であった(比較例2)。また、水分バリア層を設けなかった発熱具では、部分的に設けた粘着層にメントールを含んでいても、冷感の持続性及び腰痛緩和効果が満足できるものではなかった(比較例3)。一方、部分的に設けた粘着層に、血行促進作用が知られているビタミンEを含む場合には、水分吸収層(不織布)の有無に拘わらず、冷感が得られず、腰痛緩和効果も不十分であった(比較例4及び5)。これに対して、水分吸収層(不織布)及び水分バリア層(樹脂フィルム)が積層されている皮膚貼付面側包材に、冷感剤(メントール、ペパーミント油)を含む粘着層を部分的に設けた場合には、温感及び冷感の持続性に優れ、格段に優れた腰痛緩和効果が認められし、しかも皮膚への接着性及び使用感も良好であった(実施例2及び4)。
Figure 0007008504000002
1 発熱部
2 収容体
21 皮膚貼付面側包材
211 水分吸収層
212 水分バリア層
212a 冷感剤バリア機能を有する水分バリア層(樹脂層)
212b 熱溶着性に優れる水分バリア層(樹脂層)
22 収容部
23 非皮膚貼付面側包材
231 通気性樹脂層
232 繊維基材
3 粘着層

Claims (7)

  1. 皮膚に貼付して使用される発熱具であって、
    皮膚に伝える熱を発生させる発熱部と、
    前記発熱部を収容し、皮膚に貼付される皮膚貼付面を有する収容体と、
    前記収容体の皮膚貼付面側に設けられた粘着層と、を備え、
    前記収容体の皮膚貼付面側を構成する包材が、前記粘着層側から、少なくとも、水分を吸収する水分吸収層と、水分の透過を遮断する水分バリア層とがこの順で積層された積層シートによって形成されており、
    前記粘着層が、前記水分吸収層の表面に部分的に設けられており、
    前記水分吸収層の表面において、前記粘着層が設けられている粘着層形成領域:前記水分吸収層が露出している水分吸収層露出領域の面積比が、40:60~60:40であり、
    前記粘着層及び前記水分吸収層の少なくとも一方に、水分存在下で冷感が増強して知覚される冷感剤が含まれており、且つ
    前記水分吸収層が露出している水分吸収層露出領域が、前記水分吸収層の端部まで連通している、
    ことを特徴とする、発熱具。
  2. 前記収容体の皮膚貼付面側を構成する包材が、前記冷感剤の透過を遮断するバリア機能を有する、請求項に記載の発熱具。
  3. 前記水分バリア層として、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロ二トリル、又はエチレン-ビニルアルコール共重合体で形成された樹脂層、蒸着膜、並びに/或は金属箔膜を有する、請求項に記載の発熱具。
  4. 前記水分吸収層が繊維シートである、請求項1~のいずれかに記載の発熱具。
  5. 前記冷感剤が、前記粘着層に含まれる、請求項1~のいずれかに記載の発熱具。
  6. 前記冷感剤が、メントール、カンフル、チモール、スピラントール、乳酸メンチル、及びサリチル酸メチルよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~のいずれかに記載の発熱具。
  7. 前記発熱部が、酸素との接触により発熱する発熱性組成物であり、前記収容体が少なくとも一部に通気性を有している、請求項1~のいずれかに記載の発熱具。
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