JP7008202B1 - 水素システムおよび水素システムの運転方法 - Google Patents

水素システムおよび水素システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

水素システムは、電解質膜を挟んで設けられたアノードとカソードの間に電圧を印加することによりアノードに供給された水素含有ガス中の水素をカソードに移動させ、圧縮水素を生成する圧縮機と、少なくともアノードの圧力を調整する圧力調整器と、停止時に、前記アノードからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、圧力調整器を制御して、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くする制御器と、を備える。

Description

本開示は水素システムおよび水素システムの運転方法に関する。
近年、地球温暖化などの環境問題、石油資源の枯渇などのエネルギー問題から、化石燃料に代わるクリーンな代替エネルギー源として、水素が注目されている。水素は燃焼しても基本的に水しか生成せず、地球温暖化の原因となる二酸化炭素が排出されずかつ窒素酸化物などもほとんど排出されないので、クリーンエネルギーとして期待されている。また、水素を燃料として高効率に利用する装置として、例えば、燃料電池があり、自動車用電源向け、家庭用自家発電向けに開発および普及が進んでいる。
来るべき水素社会では、水素を製造することに加えて、水素を高密度で貯蔵し、小容量かつ低コストで輸送または利用することが可能な技術開発が求められている。特に、分散型のエネルギー源となる燃料電池の普及促進には、水素供給インフラを整備する必要がある。そこで、水素を安定的に供給するために、高純度の水素を製造、精製、高密度貯蔵する様々な検討が行われている。
例えば、特許文献1では、アノードおよびカソード間に電圧を印加することで、水の電気分解により、水素ガスの精製および昇圧を行い得ることが記載されている。具体的には、アノードおよびカソードで挟持された高分子電解質膜に電流を流すことで、アノードの水から水素が引き抜かれ、プロトンになる。そして、プロトンがアノードからカソードへと水分子を伴いながら電解質膜内を移動することで、カソードで水素に戻される。なお、アノード、電解質膜およびカソードの積層構造体を膜電極接合体(以下、MEA:Membrane Electrode Assembly)という。
また、特許文献1では、燃料電池およびイオンポンプとして機能する電極構造体が、水素精製モード(イオンポンプとして動作)で停止する時に、アノードへ空気を供給し、残留するガス(水素)と水を掃気することが提案されている。
また、例えば、特許文献2では、電気化学デバイスの水素生成動作を終了させる際、アノードの入口の開閉弁を開放したままの状態でアノードの出口の開閉弁を閉止させ、これにより、電気化学デバイスに対して水素生成動作時とは逆方向に電流を流すように電源を制御することで、アノードに滞留する水素含有ガスをカソードと同様の精製水素ガスに置換することが提案されている。
特開2011-100610号公報 特開2020-172405号公報
本開示は、一例として、再起動時における水素圧縮動作の効率低下を従来よりも抑制し得る水素システムおよび水素システムの運転方法を提供することを課題とする。
本開示の一態様(aspect)の水素システムは、電解質膜を挟んで設けられたアノードとカソードの間に電圧を印加することにより前記アノードに供給された水素含有ガス中の水素を前記カソードに移動させ、圧縮水素を生成する圧縮機と、少なくとも前記アノードの圧力を調整する圧力調整器と、停止時に、前記アノードからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力が前記カソードの圧力よりも高くする制御器と、を備える。
本開示の一態様の水素システムの運転方法は、電解質膜を挟んで設けられたアノードとカソードの間に電圧を印加することにより前記アノードに供給された水素含有ガス中の水素を前記カソードに移動させ、圧縮水素を生成するステップと、停止時に、前記アノードからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、前記アノードの圧力を前記カソードの圧力よりも高くするステップと、を備える。
本開示の一態様の水素システムおよび水素システムの運転方法は、再起動時における水素圧縮動作の効率低下を従来よりも抑制し得るという効果を奏することができる。
図1は、第1実施形態の水素システムの一例を示す図である。 図2は、第1実施形態の第3実施例の水素システムの一例を示す図である。 図3は、第2実施形態の水素システムの一例を示す図である。 図4は、第2実施形態の第3実施例の水素システムの一例を示す図である。 図5は、第2実施形態の第3実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図6は、第2実施形態の第4実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図7は、第2実施形態の第5実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、第2実施形態の変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、第3実施形態の水素システムの一例を示す図である。 図10は、第3実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図11は、第4実施形態の水素システムの一例を示す図である。 図12は、第4実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図13は、第5実施形態の水素システムの一例を示す図である。 図14は、第5実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図15は、第5実施形態の変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図16は、第6実施形態の水素システムの一例を示す図である。 図17は、第6実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図18は、第7実施形態の水素システムの一例を示す図である。 図19は、第7実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
電気化学式の圧縮機では、一般的に、電解質膜は、湿潤状態で所望のプロトン伝導性を示す。このため、圧縮機の水素圧縮動作の効率を所望の値を維持するには、電解質膜を湿潤状態に保つ必要がある。そこで、従来から、高湿度の水素含有ガスを圧縮機のアノードに供給することが多い。
ここで、特許文献1のように、停止時にアノードに空気を供給して、アノードに残留する水素および水を排出すれば、アノードにおいてフラッディング(ガス流路の水による閉塞現象)が発生する可能性が低減される。しかしながら、上記特許文献1は、フラッディングの抑制について検討が十分でない。これは、以下の理由による。
まず、圧縮機の水素圧縮動作中は、MEA(セル)のアノードとカソードとの間に電圧が印加される。よって、この場合、アノードおよびカソード間に電流が流れることで、プロトンがアノードからカソードへ水分子を同伴しながら電解質膜内を移動する(電気浸透)。一方で、アノードからカソードに移動した電気浸透水は、カソードおよびアノード間の差圧によってカソードからアノードに移動する(逆拡散)。なお、このとき、カソードからアノードに移動する水の量は、カソード側のガス圧力が高いほど、多い。圧縮機の水素圧縮動作中は、カソードからアノードに水が逆拡散しても、アノード上を水素含有ガスが流通しているので、水が滞留せず、フラッディングが抑制される。
ここで、圧縮機を停止する際に、上記特許文献1の空気によるアノードパージを実行すれば、パージ直前に、アノードに滞留する水は外部に排出されるが、アノードパージ後は、アノードおよびカソード間の差圧がなくなるまでの間に、水の逆拡散が継続し、かつ逆拡散した水はアノード上で滞留する。これにより、圧縮機の停止後に、アノードにおいてフラッディングが発生する可能性が高くなる。仮に、フラッディングが発生すると、再起動時に、圧縮機のアノード上での水素含有ガスの拡散性が阻害されるので、カソードへの所定量のプロトン移動を確保するために必要な電圧印加器の電圧が増加する可能性がある。すると、水素システムは、圧縮機の再起動時に、水素圧縮動作の効率が低下する。
そこで、本開示の第1態様の水素システムは、電解質膜を挟んで設けられたアノードとカソードの間に電圧を印加することによりアノードに供給された水素含有ガス中の水素をカソードに移動させ、圧縮水素を生成する圧縮機と、少なくともアノードの圧力を調整する圧力調整器と、停止時に、アノードからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、圧力調整器を制御して、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くする制御器と、を備える。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、再起動時における水素圧縮動作の効率低下を従来よりも抑制し得る。
具体的には、本態様の水素システムは、停止時に、アノードからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、アノードの圧力がカソードの圧力よりも高くなるように、圧力調整器が制御される。これにより、水素システムの停止時に、カソードからアノードへの水の逆拡散を抑制することができる。また、アノードにおいて、凝縮水が発生した場合には、アノードおよびカソード間の差圧によって、アノードからカソードに凝縮水を拡散させることができる。従って、本態様の水素システムは、アノードでフラッディングが発生しにくくなるので、再起動時における水素圧縮動作の効率低下が抑制される。
また、アノードでフラッディングの発生を抑制するために特許文献1のように停止時にアノードにガスパージ操作を行ったり、仮に、停止時にアノードでフラッディングが発生した場合に、水素システムの再起動時に、これを解消するためのガスパージ操作を行ったりすることが想定される。しかし、本態様の水素システムは、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くすることで、上記のとおり、アノードに存在する水をカソードに拡散させたり、カソードからアノードへの水の逆拡散を軽減させたりすることができる。従って、本態様の水素システムは、上記の停止時または再起動時のガスパージ操作を無くすことができる。また、仮に、上記ガスパージ操作のいずれかを行う場合でも、本態様の水素システムは、ガスパージ操作の期間を短縮化することができる。
本開示の第2態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、制御器は、圧力調整器を制御して、アノードの圧力を昇圧することにより、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くしてもよい。
本開示の第3態様の水素システムは、第2態様の水素システムにおいて、制御器が、圧力調整器を制御して、アノードの圧力を昇圧した後、アノードとカソードとの差圧が低下すると、制御器は、圧力調整器を制御して、アノードの圧力を昇圧してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、アノードの圧力の昇圧後において、アノードおよびカソード間の差圧が低下しても、アノードの圧力をさらに昇圧させることができるので、両者の差圧を適正に維持することができる。
例えば、アノードの圧力を昇圧した後、圧縮機の温度が、時間の経過とともに下がると、アノードに存在する水素含有ガス中の水蒸気が凝縮する可能性がある。すると、アノードに存在する水素含有ガスの気体分子モル量の減少に伴い圧力が減少することで、アノードとカソードの差圧が低下し、アノードからカソードへの水の拡散効果またはカソードからアノードへの水の逆拡散の抑制効果が低減する可能性があるが、本態様の水素システムは、上記の構成により、このような、上記効果が低減する可能性を低減することができる。
本開示の第4態様の水素システムは、第1態様から第3態様のいずれか一つの水素システムにおいて、圧力調整器は、アノードにガスを供給するガス供給器を含み、アノードの出口を封止した状態で、制御器が、ガス供給器を制御してアノードにガスを供給させることにより、アノードの圧力を昇圧してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、アノードの出口を封止した状態において、アノードに供給するガスの供給圧力を利用することで、アノードの圧力を適切に昇圧させることができる。
本開示の第5態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、圧力調整器は、アノードおよびカソードの圧力を調整し、制御器は、圧力調整器を制御して、アノードの圧力を昇圧し、かつカソードの圧力を減圧することにより、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くしてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、カソードの圧力の減圧のみによって、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くする場合、または、アノードの圧力の昇圧のみよってアノードの圧力をカソードの圧力よりも高くする場合に比べて、アノードおよびカソード間の差圧を維持しやすくなる。これにより、本態様の水素システムは、再起動時における水素圧縮動作の効率低下がさらに抑制される。
本開示の第6態様の水素システムは、第5態様の水素システムにおいて、制御器が、圧力調整器を制御して、アノードの圧力を昇圧し、かつカソードの圧力を減圧した後、アノードとカソードとの差圧が低下すると、制御器は、圧力調整器を制御して、アノードの圧力を昇圧してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、アノードの圧力の昇圧後およびカソードの圧力の減圧後において、アノードおよびカソード間の差圧が低下しても、アノードの圧力をさらに昇圧させることができるので、両者の差圧を適正に維持することができる。
本開示の第7態様の水素システムは、第5態様の水素システムにおいて、制御器が、圧力調整器を制御して、アノードの圧力を昇圧し、かつカソードの圧力を減圧した後、アノードとカソードとの差圧が低下すると、制御器は、圧力調整器を制御して、カソードの圧力を減圧してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、アノードの圧力の昇圧後およびカソードの圧力の減圧後において、アノードおよびカソード間の差圧が低下しても、カソードの圧力をさらに減圧させることができるので、両者の差圧を適正に維持することができる。
本開示の第8態様の水素システムは、第1態様から第7態様のいずれか一つの水素システムにおいて、圧力調整器は、アノードにガスを供給するガス供給器、およびカソードから圧縮水素を含むカソードガスをアノードと異なる箇所に排出するための第1の弁を含み、アノードの出口を封止した状態で、制御器が、ガス供給器を制御してアノードにガスを供給させることによりアノードの圧力を昇圧し、制御器が、第1の弁を開放させることにより、カソードの圧力を減圧してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、アノードの出口を封止した状態において、アノードに供給するガスの供給圧力を利用することで、アノードの圧力を適切に昇圧させることができる。また、第1の弁は、カソードから高圧のカソードガスをアノードと異なる箇所に逃がすための弁として機能する。よって、本態様の水素システムは、第1の弁の開放により、カソードの圧力を適切に減圧させることができる。
本開示の第9態様の水素システムは、第5態様または第6態様の水素システムにおいて、圧力調整器は、アノードにガスを供給するガス供給器およびカソードから圧縮水素を含むカソードガスをアノードに供給するための第2の弁を含み、制御器が、第2の弁を開放させることによりカソードの圧力を減圧した後、アノードの出口を封止した状態で、ガス供給器を制御して、アノードにガスを供給することによりアノードの圧力を昇圧してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、アノードの出口を封止した状態において、アノードに供給するガスの供給圧力を利用することで、アノードの圧力を適切に昇圧させることができる。また、本態様の水素システムは、第2の弁の開放により、カソードの圧力がアノードの圧力に近づくようにカソードの圧力を減圧させることができる。
ここで、第2の弁は、カソードからアノードへのカソードガス供給を制御するための弁として機能する。よって、本態様の水素システムは、第2の弁を使用してカソードからアノードにカソードガスを供給することで、カソードガスの供給を行わない場合に比べて、カソードを昇圧するためにガス供給器によってアノードに供給されるガスの供給量が低減する。
本開示の第10態様の水素システムは、第5態様または第7態様の水素システムにおいて、圧力調整器は、カソードから圧縮水素を含むカソードガスをアノードに供給するための第2の弁およびカソードガスをアノードと異なる箇所に排出するための第1の弁とを備え、アノードの出口を封止した状態で、制御器が、第2の弁を開放させることによりアノードの圧力を昇圧した後、第1の弁を開放させることによりカソードの圧力を減圧してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第2の弁の開放により、アノードの出口を封止した状態において、カソードガスの圧力を利用することで、アノードの圧力を適切に昇圧させた後、第1の弁の開放によりカソードの圧力を更に減圧させることで、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くすることができる。
本開示の第11態様の水素システムは、第4態様、および、第8態様から第10態様のいずれか一つの水素システムにおいて、アノードから排出される水素含有ガスが流れる排出路と、排出路に設けられた第3の弁と、を備え、制御器は、第3の弁を閉止させることによりアノードの出口を封止した状態にしてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、排出路に設けられた第3の弁の閉止をすることで、アノードの出口を簡易に封止状態にすることができる。
本開示の第12態様の水素システムは、第1態様から第3態様、および、第5態様から第7態様のいずれか一つの水素システムにおいて、制御器は、圧力調整器を制御して、アノードの圧力を1MPa未満してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、大気圧を基準とするゲージ圧でアノードの圧力を1MPa未満にすることにより、アノードの圧力をゲージ圧で1MPa以上とする場合に比べて、水素含有ガス供給系におけるアノードに連接する部材、アノードのガスラインを低圧仕様で構成しやすくなるので、装置のコストを低減することができる。
本開示の第13態様の水素システムは、第4態様、および、第8態様から第10態様のいずれか一つの水素システムにおいて、ガス供給器は、水素含有ガスと異なるガスを供給してもよい。
本開示の第14態様の水素システムは、第5態様から第7態様のいずれか一つの水素システムにおいて、圧力調整器は、アノードおよびカソード間に電圧を印加する電圧印加器を含み、アノードの入口および出口を封止した状態で、制御器は、電圧印加器を制御して、アノードおよびカソード間に、停止前とは逆の電圧を印加することにより、アノードの圧力を昇圧し、カソードの圧力を減圧してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、停止時に、アノードの入口および出口を封止した状態で、アノードおよびカソード間における、停止前とは逆の電圧印加によって、プロトンが、電解質膜を介してカソードからアノードに移動するので、アノードの圧力を昇圧させるとともに、カソードの圧力を減圧させることができる。
本開示の第15態様の水素システムの運転方法は、電解質膜を挟んで設けられたアノードとカソードの間に電圧を印加することによりアノードに供給された水素含有ガス中の水素をカソードに移動させ、圧縮水素を生成するステップと、停止時に、アノードからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くするステップと、を備える。
これにより、本態様の水素システムの運転方法は、再起動時における水素圧縮動作の効率低下を従来よりも抑制し得る。
なお、本態様の水素システムの運転方法が奏する作用効果の詳細は、第1態様の水素システムが奏する作用効果の参酌により容易に理解することができるので説明を省略する。
本開示の第16態様の水素システムの運転方法は、第15態様の水素システムの運転方法において、アノードの圧力を昇圧することにより、アノードの圧力をカソードの圧力よりも高くしてもよい。
本開示の第17態様の水素システムの運転方法は、第15態様の水素システムの運転方法において、アノードの圧力を昇圧し、かつカソードの圧力を減圧することによりアノードの圧力をカソードの圧力よりも高くしてもよい。
本態様の水素システムの運転方法が奏する作用効果は、第5態様の水素システムが奏する作用効果の参酌により容易に理解することができるので説明を省略する。
本開示の第18態様の水素システムの運転方法は、第16態様または第17態様の水素システムの運転方法において、アノードにガスを供給することによりアノードの圧力を昇圧してもよい。
本態様の水素システムの運転方法が奏する作用効果は、第4態様の水素システムが奏する作用効果の参酌により容易に理解することができるので説明を省略する。
本開示の第19態様の水素システムの運転方法は、第17態様の水素システムの運転方法において、圧縮水素を含むカソードガスをカソードから排出することによりカソードの圧力を減圧してもよい。
本態様の水素システムの運転方法が奏する作用効果は、第8態様または第9態様の水素システムが奏する作用効果の参酌により容易に理解することができるので説明を省略する。
本開示の第20態様の水素システムの運転方法は、第18態様の水素システムの運転方法において、アノードに水素含有ガスと異なるガスを供給することによりアノードの圧力を昇圧してもよい。
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下で説明する実施形態は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される数値、形状、材料、構成要素、および、構成要素の配置位置および接続形態などは、あくまで一例であり、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、本態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。また、動作においては、必要に応じて、各工程の順序などを変更でき、かつ、他の公知の工程を追加できる。
(第1実施形態)
以下の実施形態では、上記圧縮機の一例である電気化学式水素ポンプを備える水素システムの構成および動作について説明する。また、以下の実施形態では、大気圧を基準としたゲージ圧が表記されている。
[装置構成]
図1は、第1実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図1に示す例では、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、圧力調整器20と、制御器50と、を備える。
ここで、電気化学式水素ポンプ100は、電解質膜10と、アノードANと、カソードCAと、を備える。なお、電気化学式水素ポンプ100は、複数のMEA(セル)を積層したスタックを含んでもよい。詳細は後で説明する。
アノードANは、電解質膜10の一方の主面に設けられている。アノードANは、アノード触媒層およびアノードガス拡散層を含む電極である。カソードCAは、電解質膜10の他方の主面に設けられている。カソードCAは、カソード触媒層およびカソードガス拡散層を含む電極である。これにより、電解質膜10は、アノード触媒層およびカソード触媒層のそれぞれと接触するようにして、アノードANとカソードCAとによって挟持されている。
電解質膜10はプロトン伝導性を備える膜であれば、どのような構成であってもよい。例えば、電解質膜10として、フッ素系高分子電解質膜、炭化水素系電解質膜などを挙げることができる。具体的には、電解質膜10として、例えば、Nafion(登録商標、デュポン社製)、Aciplex(登録商標、旭化成株式会社製)などを用いることができるが、これらに限定されない。
アノード触媒層は、電解質膜10の一方の主面に設けられている。アノード触媒層は、触媒金属(例えば、白金)を分散状態で担持することができるカーボンを含むが、これに限定されない。
カソード触媒層は、電解質膜10の他方の主面に設けられている。カソード触媒層は、触媒金属(例えば、白金)を分散状態で担持することができるカーボンを含むが、これに限定されない。
カソード触媒層もアノード触媒層も、触媒の調製方法としては、種々の方法を挙げることができるが、特に限定されない。例えば、カーボン系粉末としては、黒鉛、カーボンブラック、導電性を有する活性炭などの粉末を挙げることができる。カーボン担体に、白金若しくは他の触媒金属を担持する方法は、特に限定されない。例えば、粉末混合または液相混合などの方法を用いてもよい。後者の液相混合としては、例えば、触媒成分コロイド液にカーボンなどの担体を分散させ、吸着させる方法などが挙げられる。白金などの触媒金属のカーボン担体への担持状態は、特に限定されない。例えば、触媒金属を微粒子化し、高分散で担体に担持してもよい。
カソードガス拡散層は、カソード触媒層上に設けられている。カソードガス拡散層は、多孔性材料で構成され、導電性およびガス拡散性を備える。カソードガス拡散層は、電気化学式水素ポンプ100の動作時にカソードCAおよびアノードAN間の差圧で発生する構成部材の変位、変形に適切に追従するような弾性を備える方が望ましい。カソードガス拡散層の基材として、例えば、カーボン繊維焼結体などを使用することができるが、これに限定されない。
アノードガス拡散層は、アノード触媒層上に設けられている。アノードガス拡散層は、多孔性材料で構成され、導電性およびガス拡散性を備える。アノードガス拡散層は、電気化学式水素ポンプ100の動作時に、上記の差圧による電解質膜10の押し付けに耐え得る程度の剛性を備える方が望ましい。アノードガス拡散層の基材として、例えば、カーボン粒子焼結体、およびチタン焼結体などを使用することができるが、これに限定されない。
以上のような電気化学式水素ポンプ100は、電解質膜10を挟んで設けられたアノードANとカソードCAの間に電圧を印加することによりアノードANに供給された水素含有ガス中の水素をカソードCAに移動させ、圧縮水素を生成する装置である。なお、上記の水素含有ガスは、例えば、水の電気分解で生成された水素ガスであってもよいし、炭化水素ガスの改質反応で生成された改質ガスであってもよい。また、上記電圧は、図示しない電圧印加器により印加されてもよい。このような電圧印加器の具体例は第7実施形態で説明する。
圧力調整器20は、少なくともアノードANの圧力を調整する装置である。圧力調整器20は、アノードANの圧力を調整することができれば、どのような構成であってもよい。なお、このような圧力調整器20の具体例は、本実施形態の第3実施例で説明する。
制御器50は、停止時に、アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、圧力調整器20を制御して、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くする。なお、このときカソードCAの出口は、制御器50によりカソード弁(図示せず)を閉止させることにより封じられている。制御器50は、水素システム200の全体の動作を制御してもよい。ここで、「停止時」とは、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから水素需要体(図示せず)への圧縮水素を含むカソードガスの供給停止後のことをいう。なお、水素需要体として、例えば、水素貯蔵器、水素インフラの配管、燃料電池などを挙げることができる。水素貯蔵器として、例えば、水素ボンベなどを挙げることができる。また、「アノードANの圧力」および「カソードCAの圧力」とはそれぞれ、アノードANに連通するガス流路およびカソードCAに連通するガス流路のそれぞれの圧力をいう。「アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態」を実現するための具体例は、後で説明する。
制御器50は、例えば、演算回路(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶回路(図示せず)と、を備える。演算回路として、例えば、MPU、CPUなどを挙げることができる。記憶回路として、例えば、メモリなどを挙げることができる。制御器50は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
ここで、図面には示されていないが、水素システム200の水素圧縮動作において必要となる部材および機器は適宜、設けられる。
例えば、電気化学式水素ポンプ100において、一対のセパレータのそれぞれが、アノードANおよびカソードCAのそれぞれを外側から挟んでいてもよい。この場合、アノードANに接触するセパレータは、アノードANに水素含有ガスを供給するための導電性の板状の部材である。この板状の部材は、アノードANに供給する水素含有ガスが流れるサーペンタイン状のガス流路を備える。カソードCAに接触するセパレータは、カソードCAから水素を導出するための導電性の板状の部材である。この板状の部材は、カソードCAから導出した水素が流れるガス流路を備える。
また、電気化学式水素ポンプ100では、通常、高圧の水素が外部へリークしないように、セルの両側からガスケットなどのシール材が設けられ、電気化学式水素ポンプ100のセルと一体化して予め組み立てられる。そして、このセルの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接するセル同士を互いに電気的に直列に接続するための上記のセパレータが配置されている。
セルとセパレータを交互に重ねて、セルを10~200個程度、積層して、その積層体(スタック)を、集電板および絶縁板を介して端板で挟み、両端板を締結ロッドで締め付けるのが一般的な積層構造である。なお、この場合、セパレータのそれぞれのガス流路に適量の水素含有ガスを供給するには、セパレータのそれぞれにおいて、適宜の管路から溝状の分岐経路を分岐させ、これらの下流端が、セパレータのそれぞれのガス流路の一方の端部に連結するように構成する必要がある。また、セパレータのそれぞれのガス流路から適量の水素含有ガスを排出するには、セパレータのそれぞれにおいて、適宜の管路から溝状の分岐経路を分岐させ、これらの上流端が、セパレータのそれぞれのガス流路の他方の端部に連結するように構成する必要がある。さらに、セパレータのそれぞれのカソードから高圧のカソードガスを排出するには、セパレータのそれぞれにおいて、適宜の管路から溝状の分岐経路を分岐させ、これらの上流端が、セパレータのそれぞれのカソードに連結するように構成する必要がある。
以上のような管路のことをマニホールドといい、マニホールドは、例えば、スタックを構成する部材のそれぞれの適所に設けられた貫通孔の連なりにより構成されている。
また、水素システム200には、セルの温度を検知する温度検知器、セルの温度を調整する温度調整器、アノードANに供給される水素含有ガスの露点を調整する露点調整器などが設けられていてもよい。
なお、以上の図示しない部材および機器は例示であって、本例に限定されない。
[動作]
以下、水素システム200の水素圧縮動作の一例について、図面を参照しながら説明する。以下の動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
まず、電気化学式水素ポンプ100のアノードANに低圧および高湿度の水素含有ガスが供給されるとともに、図示しない電圧印加器の電圧が電気化学式水素ポンプ100に給電される。すると、アノードANのアノード触媒層において、水素分子がプロトンと電子とに分離する(式(1))。プロトンは電解質膜10内を伝導してカソード触媒層に移動する。電子は電圧印加器を通じてカソード触媒層に移動する。
そして、カソード触媒層において、水素分子が再び生成される(式(2))。なお、プロトンが電解質膜10内を移動する際に、所定水量の水が、電気浸透水としてアノードANからカソードCAにプロトンに同伴することが知られている。
このとき、例えば、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAで生成される高圧の圧縮水素が、図示しないカソードガス導出流路を通じて、図示しない水素貯蔵器に供給される場合、カソードガス導出流路に設けられた背圧弁、調整弁(図示せず)などを用いて、カソードガス導出流路の圧損を増加させることにより、カソードCAで生成された水素(H)を圧縮することができる。ここで、カソードガス導出流路の圧損を増加させるとは、カソードガス導出流路に設けられた背圧弁、調整弁の開度を小さくすることに対応する。
アノード:H(低圧)→2H+2e ・・・(1)
カソード:2H+2e→H(高圧) ・・・(2)
このようにして、水素システム200において、電解質膜10を挟んで設けられたアノードANおよびカソードCA間に電圧を印加することにより、アノードANに供給された水素含有ガス中の水素を、カソードCAに移動させ、圧縮水素を生成する動作が行われる。カソードCAで生成された圧縮水素を含むカソードガスは、例えば、カソードガス中の水分および不純物などを除去した後、水素貯蔵器に一時的に貯蔵される。
次に、水素システム200の運転が停止する。具体的には、例えば、カソードガス導出流路に設けられた背圧弁、調整弁を閉止させることで、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから水素貯蔵器へのカソードガスの供給が停止する。
ここで、電気化学式水素ポンプ100が、例えば、燃料電池フォークリフト向けの圧縮機である場合、一般的に、カソードCA側には、約40MPa程度の高圧のカソードガスが存在する。また、アノードAN側には、約0.1MPa程度の低圧かつ高湿度(例えば、約50℃程度での飽和水蒸気圧、相対湿度100%で、ガス中の約12%程度の水蒸気含有量)の水素含有ガスが存在する。そこで、本実施形態の水素システム200では、水素システム200の停止時に、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くする動作が行われる。
なお、水素貯蔵器で貯蔵されたカソードガスは、適時に、燃料電池などに供給されてもよい。
以上のとおり、本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、再起動時における水素圧縮動作の効率低下を従来よりも抑制し得る。
具体的には、本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、停止時に、アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、アノードANの圧力がカソードCAの圧力よりも高くなるように、圧力調整器20が制御される。これにより、水素システム200の停止時に、カソードCAからアノードANへの水の逆拡散を抑制することができる。また、アノードANにおいて、凝縮水が発生した場合には、アノードANおよびカソードCA間の差圧によって、アノードANからカソードCAに凝縮水を拡散させることができる。従って、本実施形態の水素システム200は、アノードANでフラッディングが発生しにくくなるので、再起動時における水素圧縮動作の効率低下が抑制される。
また、アノードANでフラッディングの発生を抑制するために特許文献1のように停止時にアノードANにガスパージ操作を行ったり、仮に、停止時にアノードANでフラッディングが発生した場合に、水素システム200の再起動時に、これを解消するためのガスパージ操作を行ったりすることが想定される。しかし、本実施形態の水素システム200は、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くすることで、上記のとおり、アノードに存在する水をカソードCAに拡散させたり、カソードCAからアノードANへの水の逆拡散を軽減させたりすることができる。従って、本実施形態の水素システム200は、上記の停止時または再起動時のガスパージ操作を無くすことができる。また、仮に、上記ガスパージ操作のいずれかを行う場合でも、本実施形態の水素システム200は、ガスパージ操作の期間を短縮化することができる。
さらに、水素システム200の停止時において、仮に、カソードCAの圧力がアノードANの圧力よりも高いと、カソードCAからアノードANへの水の逆拡散によって、カソードCA側における電解質膜10の部分で、乾湿の変化が生じる可能性がある。すると、かかる電解質膜10の部分で膨潤および収縮の繰り返しにより電解質膜10の耐久性が低下する可能性がある。しかし、本実施形態の水素システム200は、水素システム200の停止時に、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くすることで、以上の不都合を軽減することができる。
(第1実施例)
本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法は、以下に説明する制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の水素システム200と同様である。
制御器50は、水素システム200の停止時に、圧力調整器20を制御して、アノードANの圧力を昇圧することにより、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くする。
なお、本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法が奏する作用効果は、第1実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法が奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法は、上記特徴以外は、第1実施形態と同様であってもよい。
(第2実施例)
本実施例の水素システム200は、以下に説明する制御器50の制御内容以外は、第1実施形態の水素システム200と同様である。
制御器50が、水素システム200の停止時に、圧力調整器20を制御して、アノードANの圧力を昇圧した後、アノードANとカソードCAとの差圧が低下すると、制御器50は、圧力調整器20を制御して、アノードANの圧力を昇圧する。
以上により、本実施例の水素システム200は、アノードANの圧力の昇圧後において、アノードANおよびカソードCA間の差圧が低下しても、アノードANの圧力をさらに昇圧させることができるので、両者の差圧を適正に維持することができる。
例えば、アノードANの圧力を昇圧した後、電気化学式水素ポンプ100の温度が、時間の経過とともに下がると、アノードANに存在する水素含有ガス中の水蒸気が凝縮する可能性がある。すると、アノードANに存在する水素含有ガスの気体分子モル量の減少に伴い圧力が減少することで、アノードANとカソードCAの差圧が低下し、アノードANからカソードCAへの水の拡散効果またはカソードCAからアノードANへの水の逆拡散の抑制効果が低減する可能性があるが、本実施例の水素システム200は、上記の構成により、このような、上記効果が低減する可能性を低減することができる。
本実施例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態または第1実施形態の第1実施例と同様であってもよい。
(第3実施例)
図2は、第1実施形態の第3実施例の水素システムの一例を示す図である。
図2に示す例では、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、圧力調整器20と、アノード供給路21と、アノード入口弁27と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素ポンプ100は、第1実施形態と同様である。
アノード供給路21は、電気化学式水素ポンプ100のアノードANに供給されるガスが流れる流路である。
圧力調整器20はガス供給器20Aを含む装置である。なお、ガス供給器20Aは、アノード供給路21に設けられている。ガス供給器20Aは、アノードANにガスを供給する装置である。ガス供給器20Aは、アノードANにガスを供給できれば、どのような構成であってもよい。ガス供給器20Aとして、例えば、ポンプ、開閉弁、減圧弁を挙げることができる。なお、ガス供給器20Aが開閉弁または減圧弁であるとき、アノード供給路21は、所定の供給圧を有するガス供給源に接続される。所定の供給圧を有するガス供給源としては、ガスボンベが例示される。また、ガス供給器20Aは、アノードANに、上記水素含有ガスを供給してもよいし、水素含有ガスと異なるガスを供給してもよい。後者の詳細は、第6実施形態で説明する。
アノード入口弁27は、圧力調整器20よりも上流のアノード供給路21に設けられた弁である。アノード入口弁27は、このようなアノード供給路21を遮断することができれば、どのような構成であってもよい。アノード入口弁27として、例えば、窒素ガスまたは空気などで駆動する駆動弁または電磁弁などを用いることができるが、これらに限定されない。
本実施例では、アノードANの出口を封止した状態で、制御器50が、ガス供給器20Aを制御してアノードANの入口にガスを供給させることによりアノードANの圧力を昇圧する。アノードANの圧力を昇圧後は、アノード供給路21に設けられたアノード入口弁27が閉止される。
ここで、本実施例では、アノードANの入口にガスを供給するときに、「アノードANの出口を封止した状態」にすることで、「アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態」が実現される。また、例えば、アノードANの入口にガスを供給するときに、アノードANの出口に連通するアノード排出路が遮断されると、「アノードANの出口を封止した状態」にすることができる。このようなアノード排出路の遮断は、アノード排出路に設けられたアノード出口弁で行われてもよい。アノード排出路およびアノード出口弁の具体例は、第3実施形態で説明する。
以上により、本実施例の水素システム200および水素システム200の運転方法は、アノードANの出口を封止した状態において、アノードANに供給するガスの供給圧力を利用することで、アノードANの圧力を適切に昇圧させることができる。
本実施例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態および第1実施形態の第1実施例-第2実施例のいずれかの水素システム200と同様であってもよい。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図3に示す例では、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、圧力調整器20と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素ポンプ100は第1実施形態と同様である。
圧力調整器20は、アノードANおよびカソードCAの圧力を調整する装置である。圧力調整器20は、アノードANおよびカソードCAの圧力を調整することができれば、どのような構成であってもよい。なお、このような圧力調整器20の具体例は、本実施形態の第3実施例で説明する。
本実施形態では、制御器50は、水素システム200の停止時に、圧力調整器20を制御して、アノードANの圧力を昇圧し、かつカソードCAの圧力を減圧することにより、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くする。
以上により、本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、カソードCAの圧力の減圧のみによって、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くする場合、または、アノードANの圧力の昇圧のみによって、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くする場合に比べて、アノードANおよびカソードCA間の差圧を維持しやすくなる。これにより、本実施形態の水素システム200は、再起動時における水素圧縮動作の効率低下がさらに抑制される。
なお、アノードANの圧力を昇圧する動作およびカソードCAの圧力を減圧する動作における順番は任意である。本実施形態の第3実施例の如く、カソードCAの圧力を減圧する動作を行った後に、アノードANの圧力を昇圧する動作を行ってもよいし、本実施形態の変形例の如く、これらの動作を上記とは逆の順番で行ってもよいし、これらの動作をタイミング的にオーバーラップさせるように実行してもよい。
本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、上記特徴以外は、第1実施形態および第1実施形態の第1実施例-第3実施例のいずれかと同様であってもよい。
(第1実施例)
本実施例の水素システム200は、以下に説明する制御器50の制御内容以外は、第2実施形態の水素システム200と同様である。
制御器50が、圧力調整器20を制御して、アノードANの圧力を昇圧し、かつカソードCAの圧力を減圧した後、アノードANとカソードCAとの差圧が低下すると、制御器50は、圧力調整器20を制御して、アノードANの圧力を昇圧する。
以上により、本実施例の水素システム200は、アノードANの圧力の昇圧後およびカソードCAの圧力の減圧後において、アノードANおよびカソードCA間の差圧が低下しても、アノードANの圧力をさらに昇圧させることができるので、両者の差圧を適正に維持することができる。
本実施例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例および第2実施形態のいずれかと同様であってもよい。
(第2実施例)
本実施例の水素システム200は、以下に説明する制御器50の制御内容以外は、第2実施形態の水素システム200と同様である。
制御器50が、圧力調整器20を制御して、アノードANの圧力を昇圧し、かつカソードCAの圧力を減圧した後、アノードANとカソードCAとの差圧が低下すると、制御器50は、圧力調整器20を制御して、カソードCAの圧力を減圧する。
以上により、本実施例の水素システム200は、アノードANの圧力の昇圧後およびカソードCAの圧力の減圧後において、アノードANおよびカソードCA間の差圧が低下しても、カソードCAの圧力をさらに減圧させることができるので、両者の差圧を適正に維持することができる。
本実施例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態および第2実施形態の第1実施例のいずれかと同様であってもよい。
(第3実施例)
図4は、第2実施形態の第3実施例の水素システムの一例を示す図である。
図4に示す例では、本実施例の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、圧力調整器20と、アノード供給路21と、アノード排出路22と、アノード入口弁27と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素ポンプ100は第1実施形態と同様である。アノード供給路21およびアノード入口弁27は、第1実施形態の第3実施例と同様である。
圧力調整器20は、ガス供給器20Aおよびカソード弁20Bを含む装置である。ここで、ガス供給器20Aは第1実施形態の第3実施例と同様である。
カソード弁20Bは、カソードCAから圧縮水素を含むカソードガスをアノードANと異なる箇所に排出するための弁である。カソード弁20Bは、カソードガスをアノードANと異なる箇所に排出できれば、どのような構成であってもよい。アノードANと異なる箇所として、例えば、大気中などを挙げることができるが、これに限定されない。
カソード弁20Bとして、例えば、開閉弁、弁開度が制御される調整弁などを挙げることができる。調整弁は、圧力調整弁でもよいし、流量調整弁でもよい。カソード弁20Bとして、例えば、窒素ガスまたは空気などで駆動する駆動弁または電磁弁などを用いることができるが、これらに限定されない。なお、カソード弁20Bが、本開示の「第1の弁」の一例に対応する。
アノード排出路22は、電気化学式水素ポンプ100のアノードANから排出されるガスが流れる流路である。カソード弁20Bは、アノード排出路22に設けられている。
本実施例では、アノードANの出口を封止した状態で、制御器50が、ガス供給器20Aを制御してアノードANの入口にガスを供給させることによりアノードANの圧力を昇圧し、制御器50が、カソード弁20Bを開放させることによりカソードCAの圧力を減圧する。
ここで、本実施例では、アノードANの入口にガスを供給するときに、「アノードANの出口を封止した状態」にすることで、「アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態」が実現される。また、例えば、アノードANの入口にガスを供給するときに、アノードANの出口に連通するアノード排出路が遮断されると、「アノードANの出口を封止した状態」にすることができる。このようなアノード排出路の遮断は、アノード排出路に設けられたアノード出口弁で行われてもよい。アノード排出路およびアノード出口弁の具体例は、第3実施形態で説明する。
図5は、第2実施形態の第3実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図5に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
水素システム200の停止制御が開始すると、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから水素需要体(図示せず)へのカソードガスの供給が停止する。このとき、カソード弁20Bは閉止状態であるとともに、ガス供給器20Aの動作は停止している。なお、このとき、アノード入口弁27は開放されていてもよいし、閉止されていてもよいが、本例は、アノード入口弁27が開放状態である場合について説明する。
まず、ステップS1でカソード弁20Bを開放する。そして、ステップS2で、カソード弁20Bの開放時から「所定時間A」が経過した後、ステップS3でカソード弁20Bを閉止する。ステップS2の「所定時間A」として、例えば、約1秒~約1時間のうちのいずれかの時間を挙げることができるが、これに限定されない。このとき、ステップS2の「所定時間A」として、制御器50のタイマーで計測された時間を使用することができる。ただし、以上の動作は、例示であって、本例に限定されない。例えば、ステップS2の「所定時間A」に代えて、カソードCAの圧力に基づいて、上記の動作が実行されてもよい。本動作の詳細は、第4実施形態で説明する。
ステップS1~ステップS3において、カソード弁20Bが開閉弁であると、カソード弁20Bの開閉操作を繰り返すことで、カソードCAの圧力を漸減させることができる。また、カソード弁20Bが圧力調整弁または流量調整弁であると、弁開度に基づいて圧力調整または流量調整を行うことで、カソードCAの圧力を漸減させることができる。なお、カソードCAの圧力を漸減させる理由は、カソードCAの圧力を一気に開放すると、電気化学式水素ポンプ100における高圧仕様の機器、部品が破損する可能性があるからである。
次に、ステップS4で、ガス供給器20Aが動作する。そして、ステップS5で、ガス供給器20Aの動作時から「所定時間B」が経過した後、ステップS6でガス供給器20Aの動作が停止するとともに、ステップS16でアノード入口弁27が閉止される。ステップS5の「所定時間B」として、例えば、約10秒~約300秒のうちのいずれかの時間を挙げることができるが、これに限定されない。このとき、ステップS5の「所定時間B」として、制御器50のタイマーで計測された時間を使用することができる。ただし、以上の動作は、例示であって、本例に限定されない。例えば、ステップS2の「所定時間B」に代えて、アノードANおよびカソードCA間の差圧に基づいて、上記の動作が実行されてもよい。本動作の詳細は、第4実施形態で説明する。
このようにして、水素システム200の停止制御が完了する。
以上により、本実施例の水素システム200は、アノードANの出口を封止した状態において、アノードANに供給するガスの供給圧力を利用することで、アノードANの圧力を適切に昇圧させることができる。また、カソード弁20Bは、カソードCAから高圧のカソードガスをアノードANと異なる箇所に逃がすための弁として機能する。よって、本実施例の水素システム200は、カソード弁20Bの開放により、カソードCAの圧力を適切に減圧させることができる。
本実施例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態および第2実施形態の第1実施例-第2実施例のいずれかと同様であってもよい。
(第4実施例)
図6は、第2実施形態の第4実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図6に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
ここで、図6のステップS1~ステップS16の内容は、図5のステップS1~ステップS16と同様であるので詳細な説明を省略する。
まず、ステップS7で、水素システム200の停止制御完了時から「所定時間C」が経過した後、ステップS26でアノード入口弁27が開放し、ステップS104で、ガス供給器20Aが動作する。そして、ガス供給器20Aの動作時からステップS105で「所定時間BB」が経過した後、ステップS106でガス供給器20Aの動作が停止するとともに、ステップS116でアノード入口弁27が閉止される。ステップS7の「所定時間C」として、例えば、約1時間を挙げることができるが、これに限定されない。このとき、ステップS7の「所定時間C」として、制御器50のタイマーで計測された時間を使用することができる。なお、図5のステップS105の「所定時間BB」は、図4のステップS5の「所定時間B」と同様である。その後、水素システム200は、適時に起動制御を開始してもよい。
以上により、本実施例の水素システム200は、カソードCAの圧力の減圧後およびアノードANの圧力の昇圧後において、例えば、電気化学式水素ポンプ100の温度が、所定時間Cの経過とともに下がることで、アノードANおよびカソードCA間の差圧が低下しても、アノードANの圧力をさらに昇圧させることができるので、両者の差圧を適正に維持することができる。
本実施例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態および第2実施形態の第1実施例-第3実施例のいずれかと同様であってもよい。
(第5実施例)
図7は、第2実施形態の第5実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図7に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
ここで、図7のステップS1~ステップS16の内容は、図5のステップS1~ステップS16と同様であるので詳細な説明を省略する。
ステップS7で、水素システム200の停止制御完了時から「所定時間C」が経過した後、ステップS101で、カソード弁20Bを開放する。そして、ステップS102で、カソード弁20Bの開放時から「所定時間AA」が経過した後、ステップS103でカソード弁20Bを閉止する。ステップS7の「所定時間C」として、例えば、約1時間を挙げることができるが、これに限定されない。このとき、ステップS7の「所定時間C」として、制御器50のタイマーで計測された時間を使用することができる。図7のステップS102の「所定時間AA」は、例えば、約60秒を挙げることができるが、これに限定されない。このとき、ステップS102の「所定時間AA」として、制御器50のタイマーで計測された時間を使用することができる。その後、水素システム200は、適時に起動制御を開始してもよい。
以上により、本実施例の水素システム200は、カソードCAの圧力の減圧後およびアノードANの圧力の昇圧後において、例えば、電気化学式水素ポンプ100の温度が、所定時間Cの経過とともに下がることで、アノードANおよびカソードCA間の差圧が低下しても、カソードCAの圧力をさらに減圧させることができるので、両者の差圧を適正に維持することができる。
本実施例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態および第2実施形態の第1実施例-第4実施例のいずれかと同様であってもよい。
(変形例)
図8は、第2実施形態の変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図8に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
第2実施形態の第3実施例では、図5に示すように、ステップS1~ステップS3の動作が、ステップS4~ステップS16の動作よりも先に行われているが、本変形例では、図8に示すように、ステップS4~ステップS16の動作が、ステップS1~ステップS3の動作よりも先に行われている。
図8のステップS4~ステップS16、および、ステップS1~ステップS3の内容はそれぞれ、上記ステップの順番以外は、図5のステップS4~ステップS16、および、ステップS1~ステップS3のそれぞれと同様である。また、本変形例の水素システム200が奏する作用効果は、第2実施形態の第3実施例の水素システム200が奏する作用効果と同様である。よって、これらの説明は省略する。
本実施例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態および第2実施形態の第1実施例-第5実施例のいずれかと同様であってもよい。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図9に示す例では、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、圧力調整器20と、アノード供給路21と、アノード排出路22と、アノード出口弁23と、カソード排出路24と、アノード入口弁27と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素ポンプ100は第1実施形態と同様である。また、圧力調整器20およびアノード入口弁27は、第2実施形態の第3実施例と同様である。なお、以下の例では、ガス供給器20AによりアノードANに水素含有ガスが供給される場合について説明するが、これに限定されない。つまり、本例では、アノード供給路21は、電気化学式水素ポンプ100のアノードANに供給される水素含ガスが流れる流路である。電気化学式水素ポンプ100が、上記のスタックを備える場合、アノード供給路21の下流端は、例えば、水素含有ガス導入用のマニホールドに連通していてもよい。また、アノード供給路21の上流端は、例えば、水素含有ガス供給源(図示せず)に接続していてもよい。なお、水素含有ガスの供給源として、例えば、改質装置、水電解装置、水素ボンベなどを挙げることができる。また、本例では、アノード排出路22は、電気化学式水素ポンプ100のアノードANから排出される水素含有ガスが流れる流路である。電気化学式水素ポンプ100が、上記のスタックを備える場合、アノード排出路22の上流端は、例えば、水素含有ガス導出用のマニホールドに連通していてもよい。
アノード出口弁23は、アノード排出路22に設けられた弁である。アノード出口弁23は、アノード排出路22を遮断することができれば、どのような構成であってもよい。アノード出口弁23として、例えば、窒素ガスまたは空気などで駆動する駆動弁または電磁弁などを用いることができるが、これらに限定されない。なお、アノード出口弁23が、本開示の「第3の弁」の一例に対応する。
カソード排出路24は、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから排出されるカソードガスが流れる流路である。なお、カソード弁20Bは、カソード排出路24に設けられている。電気化学式水素ポンプ100が、上記のスタックを備える場合、カソード排出路24の上流端は、例えば、カソードガス導出用のマニホールドに連通していてもよい。
本実施形態では、制御器50は、アノード出口弁23を閉止させることによりアノードANの出口を封止した状態にする。
図10は、第3実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図10に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
ここで、図10のステップS1、ステップS2およびステップS4~ステップS16の内容は、図5のステップS1、ステップS2およびステップS4~ステップS16と同様であるので詳細な説明を省略する。なお、水素システム200の停止制御が開始する際には、カソード弁20Bは閉止状態であるとともに、アノード出口弁23は閉止状態である。また、ガス供給器20Aの動作は停止している。アノード入口弁27は開放されていてもよいし、閉止されていてもよいが、本例は、アノード入口弁27が開放状態である場合について説明する。
ステップS2で、カソード弁20Bの開放時から「所定時間A」が経過した後、ステップS31でカソード弁20Bを閉止する。これにより、アノードANの出口が封止される。
以上により、本実施形態の水素システム200は、アノード排出路22に設けられたアノード出口弁23の閉止をすることで、アノードANの出口を簡易に封止状態にすることができる。
本実施形態の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の第1実施例-第5実施例および第2実施形態の変形例のいずれかと同様であってもよい。
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図11に示す例では、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、圧力調整器20と、アノード供給路21と、アノード排出路22と、アノード出口弁23と、カソード排出路24と、アノード入口弁27と、第1圧力計30と、第2圧力計31と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素ポンプ100は第1実施形態と同様である。また、圧力調整器20、アノード供給路21、アノード排出路22、アノード出口弁23、アノード入口弁27およびカソード排出路24は、第3実施形態と同様である。なお、以下の例では、ガス供給器20AによりアノードANに水素含有ガスが供給される場合について説明するが、これに限定されない。
第1圧力計30は、アノードANの圧力(以下、アノード圧)を計測するためのセンサである。第1圧力計30は、アノード圧を計測できれば、どのような構成であってもよい。図11に示す例では、第1圧力計30は、ガス供給器20Aよりも下流のアノード供給路21に設けられている。
第2圧力計31は、カソードCAの圧力(以下、カソード圧)を計測するためのセンサである。第2圧力計31は、カソード圧を計測できれば、どのような構成であってもよい。図11に示す例では、第2圧力計31は、カソード弁20Bよりも上流のカソード排出路24に設けられている。
図12は、第4実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図12に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
ここで、図12のステップS1、ステップS31、ステップS4、ステップS6およびステップS16の内容は、図10のステップS1、ステップS31、ステップS4、ステップS6およびステップS16と同様であるので詳細な説明を省略する。なお、水素システム200の停止制御が開始する際には、カソード弁20Bは閉止状態であるとともに、アノード出口弁23は閉止状態である。また、ガス供給器20Aの動作は停止している。アノード入口弁27は開放されていてもよいし、閉止されていてもよいが、本例は、アノード入口弁27が開放状態である場合について説明する。
ステップS1でカソード弁20Bを開放した状態において、ステップS21で、カソード圧が所定値A以下に到達したかどうかが判定される。ステップS21の「所定値A」として、例えば、約0.01MPa~0.1MPaのうちのいずれかのゲージ圧を挙げることができるが、これに限定されない。
ここで、カソード圧が、所定値Aを上回る場合(ステップS21で「No」の場合)、カソード弁20Bを開放したままの状態が維持される。カソード圧が、所定値A以下に到達すると(ステップS21で「Yes」の場合)、次のステップS31に進み、ステップS31で、カソード弁20Bを閉止する。
ステップS4でガス供給器20Aを動作した状態において、ステップS51でアノード圧およびカソード圧間の差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達したかであるかどうかが判定される。ステップS51の「所定値B」として、例えば、約0.01MPa~1MPaのうちのいずれかのゲージ圧を挙げることができるが、これに限定されない。
ここで、上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達していない場合(ステップS51で「No」の場合)、ガス供給器20Aを動作させたままの状態が維持される。上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達した場合(ステップS51で「Yes」の場合)、次のステップS6に進み、ステップS6で、ガス供給器20Aの動作が停止する。
以上により、本実施形態の水素システム200は、第1圧力計30で計測されるカソード圧に基づいて、カソード弁20Bを閉止するタイミングを適切に知ることができる。また、本実施形態の水素システム200は、第1圧力計30および第2圧力計31で計測されるアノード圧およびカソード圧間の差圧「アノード圧-カソード圧」に基づいて、ガス供給器20Aの動作を停止するタイミングを適切に知ることができる。
また、本実施形態の水素システム200は、大気圧を基準とするゲージ圧でアノード圧を1MPa未満とすることにより、アノード圧をゲージ圧で1MPa以上にする場合に比べて、水素含有ガス供給系におけるアノードANに連接する部材、アノードANのガスラインを低圧仕様で構成しやすくなるので、装置のコストを低減することができる。
ただし、以上の所定値Aおよび所定値Bは、例示であって、本例に限定されない。つまり、本実施形態の水素システム200では、水素システム200の停止時に、アノード圧がカソード圧よりも高いという条件を満たせば、所定値Aおよび所定値Bは、どのような数値に設定しても構わない。例えば、電気化学式水素ポンプ100が、燃料電池フォークリフト向けの圧縮機である場合、一般的に、カソードCA側には、約40MPa程度の高圧のカソードガスが存在する。このため、所定値Aおよび所定値Bは、必ずしも、1MPa未満の大気圧近傍の値に設定しなくても構わない。
本実施形態の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の第1実施例-第5実施例、第2実施形態の変形例および第3実施形態のいずれかと同様であってもよい。
(第5実施形態)
図13は、第5実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図13に示す例では、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、圧力調整器20と、アノード供給路21と、アノード排出路22と、アノード出口弁23と、アノード入口弁27と、カソード排出路24と、連通路25と、第1圧力計30と、第2圧力計31と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素ポンプ100は、第1実施形態と同様である。また、アノード供給路21、アノード排出路22、アノード出口弁23、アノード入口弁27およびカソード排出路24、第3実施形態と同様である。また、第1圧力計30および第2圧力計31は、第4実施形態と同様である。
圧力調整器20は、ガス供給器20Aと、カソード弁20Bと、連通弁20Cと、を備える。ここで、ガス供給器20Aは第1実施形態の第3実施例と同様である。また、カソード弁20Bは第2実施形態の第3実施例と同様である。なお、以下の例では、ガス供給器20AによりアノードANに水素含有ガスが供給される場合について説明するが、これに限定されない。
連通弁20Cは、カソードCAからカソードガスをアノードANに供給するための弁である。連通弁20Cは、カソードCAからカソードガスをアノードANに供給できれば、どのような構成であってもよい。連通弁20Cとして、例えば、窒素ガスまたは空気などで駆動する駆動弁または電磁弁などを用いることができるが、これらに限定されない。なお、連通弁20Cが、本開示の「第2の弁」の一例に対応する。
連通弁20Cは、連通路25に設けられている。電気化学式水素ポンプ100が、上記のスタックを備える場合、連通路25の上流端は、例えば、カソードガス導出用のマニホールドに連通していてもよい。連通路25の下流端は、例えば、水素含有ガス導入用のマニホールドに連通していてもよい。図13に示す例では、連通路25の下流端が、ガス供給器20Aよりも下流のアノード供給路21に接続するとともに、連通路25の上流端が、カソード弁20Bよりも上流のカソード排出路24に接続している。
本実施形態では、制御器50が、連通弁20Cを開放させることによりカソード圧を減圧した後、アノードANの出口を封止した状態で、ガス供給器20Aを制御して、アノードANの入口に水素含有ガスを供給することによりアノード圧を昇圧する。
ここで、本実施形態では、カソードCAからカソードガスをアノードANに供給するときに、「アノードANの入口および出口を封止した状態」にすることで、「アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態」が実現される。図13に示す例では、連通弁20Cを開放するときに、アノードANの入口に連通するアノード供給路21に設けられたアノード入口弁27と、アノードANの出口に連通するアノード排出路22に設けられた、アノード出口弁23とが閉止されると、「アノードANの入口および出口を封止した状態」にすることができる。
また、本実施形態では、アノードANの入口にガスを供給するときに、「アノードANの出口を封止した状態」にすることで、「アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態」が実現される。図13に示す例では、ガス供給器20Aを制御して、アノードANの入口にガスを供給するときに、アノードANの出口に連通するアノード排出路22に設けられた、アノード出口弁23が閉止されると、「アノードANの出口を封止した状態」にすることができる。
図14は、第5実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図14に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
ここで、図14のステップS1、ステップS21およびステップS31の内容は、図12のステップS1、ステップS21およびステップS31と同様であるので詳細な説明を省略する。ただし、図示を省略するが、図14のステップS1、ステップS21およびステップS31の動作は、ステップS8の連通弁20Cの開放に先立って、カソード弁20Bを所定時間だけ開閉する予備動作である。これは、カソードCA側に高圧のカソードガスが存在する場合、以上の予備動作を行わずに連通弁20Cを開放すると、低圧仕様の水素含有ガス供給系に高圧のカソードガスが供給される可能性があるからである。よって、かかる予備動作は、水素システム200の停止制御開始時におけるカソードCAに存在するカソードガスの圧力に依存して不要な場合がある。
水素システム200の停止制御が開始すると、電気化学式水素ポンプ100のカソードCAから水素需要体(図示せず)へのカソードガスの供給が停止する。このとき、カソード弁20Bおよび連通弁20Cは閉止状態であるとともに、アノード出口弁23は閉止状態である。また、ガス供給器20Aの動作は停止している。アノード入口弁27は開放されていてもよいし、閉止されていてもよいが、本例は、アノード入口弁27が開放状態である場合について説明する。
ここで、ステップS31で、カソード弁20Bを閉止するとともに、ステップS8で連通弁20Cを開放する。なお、ステップS8の前にアノード出口弁23を開放してもよい。アノード出口弁23を開放した状態で、ステップS8で連通弁20Cを開放すると、アノードAN上に存在するガスは、カソードガスによりパージされる。
そして、ステップS9で、連通弁20Cの開放時から「所定時間D」が経過した後、ステップS10で連通弁20Cを閉止する。これにより、カソードCAから高圧のカソードガスがアノードANに供給され、その結果、アノード圧およびカソード圧が同圧に近づくように制御することができる。ステップS9の「所定時間D」として、例えば、約60秒~約30分のうちのいずれかの時間を挙げることができるが、これに限定されない。このとき、ステップS9の「所定時間D」として、制御器50のタイマーで計測された時間を使用することができる。
その後、ステップS4でガス供給器20Aの動作が開始される。このとき、図示を省略するが、連通弁20Cの開放時にアノード出口弁23が開放状態であった場合は、アノード出口弁23は閉止される。
ステップS4でガス供給器20Aを動作した状態において、ステップS51でアノード圧およびカソード圧間の差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達したかであるかどうかが判定される。ステップS51の「所定値B」として、例えば、約0.01MPa~1MPaのうちのいずれかのゲージ圧を挙げることができるが、これに限定されない。
ここで、上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達していない場合(ステップS51で「No」の場合)、ガス供給器20Aを動作させたままの状態が維持される。上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達した場合(ステップS51で「Yes」の場合)、次のステップS6に進み、ステップS6で、ガス供給器20Aの動作が停止するとともに、ステップS16でアノード入口弁27が閉止される。
以上のとおり、本実施形態の水素システムは、アノードANの出口を封止した状態において、アノードANに供給する水素含有ガスの供給圧力を利用することで、アノード圧を適切に昇圧させることができる。また、本実施形態の水素システム200は、連通弁20Cの開放により、カソード圧がアノード圧に近づくようにカソード圧を減圧させることができる。
ここで、連通弁20Cは、カソードCAからアノードANへのカソードガス供給を制御するための弁として機能する。よって、本実施形態の水素システム200は、連通弁20Cを使用してカソードCAからアノードANにカソードガスを供給することで、カソードガスの供給を行わない場合に比べて、カソードCAを昇圧するためにガス供給器20AによってアノードANに供給される水素含有ガスの供給量が低減する。
本実施形態の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の第1実施例-第5実施例、第2実施形態の変形例、第3実施形態および第4実施形態のいずれかと同様であってもよい。
(変形例)
本変形例の水素システム200は、以下に説明する制御器50の制御内容以外は、第5実施形態と同様である。
アノードANの出口を封止した状態で、制御器50が、連通弁20Cを開放させることによりアノード圧を昇圧した後、カソード弁20Bを開放させることによりカソード圧を減圧する。
ここで、本変形例では、カソードCAからカソードガスをアノードANに供給するときに、「アノードANの入口および出口を封止した状態」にすることで、「アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態」が実現される。図13に示す例では、連通弁20Cを開放するときに、アノードANの入口に連通するアノード供給路21に設けられたアノード入口弁27と、アノードANの出口に連通するアノード排出路22に設けられた、アノード出口弁23とが閉止されると、「アノードANの入口および出口を封止した状態」にすることができる。
図15は、第5実施形態の変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図15に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
第5実施形態では、図14に示すように、ステップS10で連通弁20Cを閉止した後、ステップS4、ステップS51およびステップS6の動作が行われているが、本変形例では、これらの動作に代えて、以下の動作が行われる。
ステップS201でカソード弁20Bを開放した状態において、ステップS51でアノード圧およびカソード圧間の差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達したかであるかどうかが判定される。ステップS51の「所定値B」として、例えば、約0.01MPa~1MPaのうちのいずれかのゲージ圧を挙げることができるが、これに限定されない。
ここで、上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達していない場合(ステップS51で「No」の場合)、カソード弁20Bを開放したままの状態が維持される。上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達した場合(ステップS51で「Yes」の場合)、ステップS203に進み、ステップS203でカソード弁20Bが閉止される。
以上のとおり、本変形例の水素システム200は、連通弁20Cの開放により、アノードANの出口を封止した状態において、カソードガスの圧力を利用することで、アノード圧を適切に昇圧させた後、カソード弁20Bの開放によりカソードCAの圧力を更に減圧させることで、アノードANの圧力をカソードCAの圧力よりも高くすることができる。
本変形例の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の第1実施例-第5実施例、第2実施形態の変形例、第3実施形態、第4実施形態および第5実施形態のいずれかと同様であってもよい。
(第6実施形態)
図16は、第6実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図16に示す例では、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、アノード供給路21と、アノード排出路22と、アノード出口弁23と、カソード排出路24と、ガス封入弁20ABと、ガス供給路26と、ガス貯蔵器40と、第1圧力計30と、第2圧力計31と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素ポンプ100は、第1実施形態と同様である。また、アノード供給路21、アノード排出路22、アノード出口弁23およびカソード排出路24、第3実施形態と同様である。また、第1圧力計30および第2圧力計31は、第4実施形態と同様である。
圧力調整器20は、ガス供給器20AAと、ガス封入弁20ABと、カソード弁20Bと、を備える。ここで、カソード弁20Bは、第2実施形態の第3実施例と同様である。
ガス供給器20AAは、アノードANに水素含有ガスと異なるガスを供給する装置である。ガス供給器20AAは、アノードANに水素含有ガスと異なるガスを供給できれば、どのような構成であってもよい。ガス供給器20AAとして、例えば、ポンプを挙げることができる。また、水素含有ガスと異なるガスとして、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、空気、都市ガス、液化石油ガスなどを挙げることができる。
ガス封入弁20ABは、ガス供給路26に設けられ、ガス貯蔵器40からアノードANに上記ガスを供給するための弁である。ガス封入弁20ABおよびガス供給路26は、ガス貯蔵器40から上記ガスをアノードANに供給できれば、どのような構成であってもよい。図16に示す例では、ガス供給路26の上流端が、ガス貯蔵器40に接続しており、ガス供給路26の下流端が、ガス供給器20AAに接続しているが、これに限定されない。例えば、ガス貯蔵器40内のガス圧が高圧である場合、ガス供給路26の下流端は、第1圧力計30よりも上流のアノード供給路21に接続してもよい。ガス封入弁20ABとして、例えば、窒素ガスまたは空気などで駆動する駆動弁または電磁弁などを用いることができるが、これらに限定されない。
図17は、第6実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図17に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
ここで、図17のステップS1、ステップS21およびステップS31の内容は、図12のステップS1、ステップS21およびステップS31と同様であるので詳細な説明を省略する。なお、水素システム200の停止制御が開始する際には、カソード弁20Bおよびガス封入弁20ABは閉止状態であるとともに、アノード出口弁23は閉止状態である。また、ガス供給器20AAの動作は停止している。
ステップS31でカソード弁20Bを閉止するとともに、ステップS11で、ガス封入弁20ABを開放する。また、ステップS204でガス供給器20AAが動作する。すると、ガス貯蔵器40からアノードANへのガスの供給が開始する。よって、アノードANに水素含有ガスと異なるガスを供給することにより、アノード圧を昇圧する動作が行われる。
ステップS204でガス供給器20AAを動作した状態において、ステップS51でアノード圧およびカソード圧間の差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達したかであるかどうかが判定される。ステップS51の「所定値B」として、例えば、約0.01MPa~1MPaのうちのいずれかのゲージ圧を挙げることができるが、これに限定されない。
ここで、上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達していない場合(ステップS51で「No」の場合)、ガス封入弁20ABを開放したままの状態、および、ガス供給器20AAを動作させたままの状態が維持される。上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達した場合(ステップS51で「Yes」の場合)、次のステップS206およびステップS12に進み、ステップS206で、ガス供給器20AAの動作が停止するとともに、ステップS12で、ガス封入弁20ABを閉止する。すると、ガス貯蔵器40からアノードANへのガスの供給が停止する。
なお、本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法が奏する作用効果は、第1実施形態-第4実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法が奏する作用効果の参酌により容易に理解することができるので説明を省略する。
本実施形態の水素システム200および水素システム200の運転方法は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の第1実施例-第5実施例、第2実施形態の変形例、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態および第5実施形態の変形例のいずれかと同様であってもよい。
(第7実施形態)
図18は、第7実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図18に示す例では、本実施形態の水素システム200は、電気化学式水素ポンプ100と、圧力調整器20と、アノード出口弁23と、アノード入口弁27と、制御器50と、を備える。ここで、電気化学式水素ポンプ100は、第1実施形態と同様である。アノード出口弁23およびアノード入口弁27は、第3実施形態と同様である。
圧力調整器20は、電圧印加器20Dを含む装置である。電圧印加器20Dは、アノードANおよびカソードCA間に電圧を印加する装置である。電圧印加器20Dは、アノードANおよびカソードCA間に電圧を印加することができれば、どのような構成であってもよい。これにより、電圧印加器20Dを用いて、アノードANおよびカソードCAの間で通電が行われる。なお、電圧印加器20Dとして、例えば、DC/DCコンバータ、AC/DCコンバータなどを挙げることができる。DC/DCコンバータは、電圧印加器20Dが、太陽電池、燃料電池、バッテリなどの直流電源と接続された場合に用いられる。AC/DCコンバータは、電圧印加器20Dが、商用電源などの交流電源と接続された場合に用いられる。
また、電圧印加器20Dは、例えば、電気化学式水素ポンプ100のセルに供給する電力が所定の設定値となるように、アノードANおよびカソードCA間に印加される電圧、アノードANおよびカソードCA間に流れる電流が調整される電力型電源であってもよい。
本実施形態では、水素システム200の停止時に、アノードANの入口および出口を封止した状態で、制御器50は、電圧印加器20Dを制御して、アノードANおよびカソードCA間に、水素システム200の停止前とは逆の電圧を印加することにより、アノード圧を昇圧し、カソード圧を減圧する。具体的には、水素システム200の停止前には、電圧印加器20Dの高電位が、アノードANに印加され、電圧印加器20Dの低電位が、カソードCAに印加されるのに対して、水素システム200の停止時には、電圧印加器20Dの高電位が、カソードCAに印加され、電圧印加器20Dの低電位が、アノードANに印加される。
ここで、本実施形態では、アノードANおよびカソードCA間に、水素システム200の停止前とは逆の電圧を印加するとき、「アノードANの入口および出口を封止した状態」にすることで、「アノードANからの水素含有ガスの流出を封じた状態」が実現される。また、例えば、アノードANの入口に連通するアノード供給路に設けられたアノード入口弁27、および、アノードANの出口に連通するアノード排出路に設けられたアノード出口弁23が閉止されると、「アノードANの入口および出口を封止した状態」にすることができる。
図19は、第7実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。図19に示された動作は、例えば、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、本動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。以下の例では、制御器50により動作を制御する場合について、説明する。
ここで、図19のステップS1およびステップS21の内容は、図12のステップS1およびステップS21と同様であるので詳細な説明を省略する。なお、水素システム200の停止制御が開始する際には、カソード弁20B(図4参照)およびアノード出口弁23は閉止状態である。アノード入口弁27は開放されていてもよいし、閉止されていてもよいが、本例は、アノード入口弁27が開放状態である場合について説明する。また、電圧印加器20Dの動作は停止している。
ステップS31Aでカソード弁20Bを閉止すとともに、アノード入口弁27を閉止する。この状態において、ステップS13で、アノードANおよびカソードCA間に、水素システム200の停止前とは逆の電圧を印加するように、電圧印加器20Dを動作する。これにより、水素システム200の停止時には、プロトンが、電解質膜10を介してカソードCAからアノードANに移動する。
ステップS13で電圧印加器20Dを動作した状態において、ステップS51でアノード圧およびカソード圧間の差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達したかであるかどうかが判定される。ステップS51の「所定値B」として、例えば、約0.01MPa~1MPaのうちのいずれかのゲージ圧を挙げることができるが、これに限定されない。
ここで、上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達していない場合(ステップS51で「No」の場合)、電圧印加器20Dを動作させたままの状態が維持される。上記差圧「アノード圧-カソード圧」が所定値Bに到達した場合(ステップS51で「Yes」の場合)、次のステップS14に進み、ステップS14で、電圧印加器20Dの動作が停止する。
以上により、本実施形態の水素システム200は、水素システム200の停止時に、アノードANの入口および出口を封止した状態で、アノードANおよびカソードCA間に、水素システム200の停止前とは逆の電圧印加によって、プロトンが、電解質膜10を介してカソードCAからアノードANに移動するので、アノード圧を昇圧させるとともに、カソード圧を減圧させることができる。
本実施形態の水素システム200は、上記特徴以外は、第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の第1実施例-第5実施例、第2実施形態の変形例、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態、第5実施形態の変形例および第6実施形態のいずれかと同様であってもよい。
第1実施形態、第1実施形態の第1実施例-第3実施例、第2実施形態、第2実施形態の第1実施例-第5実施例、第2実施形態の変形例、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態、第5実施形態の変形例、第6実施形態および第7実施形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
また、上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良および他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更することができる。
本開示の一態様は、再起動時における水素圧縮動作の効率低下を従来よりも抑制し得る水素システムおよび水素システムの運転方法に利用することができる。
10 :電解質膜
20 :圧力調整器
20A :ガス供給器
20AA :ガス供給器
20AB :ガス封入弁
20B :カソード弁
20C :連通弁
20D :電圧印加器
21 :アノード供給路
22 :アノード排出路
23 :アノード出口弁
24 :カソード排出路
25 :連通路
26 :ガス供給路
27 :アノード入口弁
30 :第1圧力計
31 :第2圧力計
40 :ガス貯蔵器
50 :制御器
100 :電気化学式水素ポンプ
200 :水素システム
AN :アノード
CA :カソード

Claims (20)

  1. 電解質膜を挟んで設けられたアノードとカソードの間に電圧を印加することにより前記アノードに供給された水素含有ガス中の水素を前記カソードに移動させ、圧縮水素を生成する圧縮機と、
    少なくとも前記アノードの圧力を調整する圧力調整器と、
    停止時に、前記アノードからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を前記カソードの圧力よりも高くする制御器と、を備える、水素システム。
  2. 前記制御器は、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を昇圧することにより、前記アノードの圧力を前記カソードの圧力よりも高くする、請求項1に記載の水素システム。
  3. 前記制御器が、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を昇圧した後、前記アノードと前記カソードとの差圧が低下すると、前記制御器は、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を昇圧する、請求項2に記載の水素システム。
  4. 前記圧力調整器は、前記アノードにガスを供給するガス供給器を含み、
    前記アノードの出口を封止した状態で、前記制御器が、前記ガス供給器を制御して前記アノードにガスを供給させることにより前記アノードの圧力を昇圧する、請求項1-3のいずれか1項に記載の水素システム。
  5. 前記圧力調整器は、前記アノードおよび前記カソードの圧力を調整し、前記制御器は、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を昇圧し、かつ前記カソードの圧力を減圧することにより、前記アノードの圧力を前記カソードの圧力よりも高くする、請求項1に記載の水素システム。
  6. 前記制御器が、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を昇圧し、かつ前記カソードの圧力を減圧した後、前記アノードと前記カソードとの差圧が低下すると、前記制御器は、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を昇圧する、請求項5に記載の水素システム。
  7. 前記制御器が、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を昇圧し、かつ前記カソードの圧力を減圧した後、前記アノードと前記カソードとの差圧が低下すると、前記制御器は、前記圧力調整器を制御して、前記カソードの圧力を減圧する、請求項5に記載の水素システム。
  8. 前記圧力調整器は、前記アノードにガスを供給するガス供給器、および前記カソードから圧縮水素を含むカソードガスを前記アノードと異なる箇所に排出するための第1の弁を含み、
    前記アノードの出口を封止した状態で、前記制御器が、前記ガス供給器を制御して前記アノードにガスを供給させることにより前記アノードの圧力を昇圧し、前記制御器が、前記第1の弁を開放させることにより、前記カソードの圧力を減圧する、請求項5-7のいずれか1項に記載の水素システム。
  9. 前記圧力調整器は、前記アノードにガスを供給するガス供給器および前記カソードから圧縮水素を含むカソードガスを前記アノードに供給するための第2の弁を含み、
    前記制御器が、前記第2の弁を開放させることにより前記カソードの圧力を減圧した後、前記アノードの出口を封止した状態で、前記ガス供給器を制御して、前記アノードにガスを供給することにより前記アノードの圧力を昇圧する、請求項5または6に記載の水素システム。
  10. 前記圧力調整器は、前記カソードから圧縮水素を含むカソードガスを前記アノードに供給するための第2の弁および前記カソードガスを前記アノードと異なる箇所に排出するための第1の弁とを備え、
    前記アノードの出口を封止した状態で、前記制御器が、前記第2の弁を開放させることにより前記アノードの圧力を昇圧した後、前記第1の弁を開放させることにより前記カソードの圧力を減圧する、請求項5または7に記載の水素システム。
  11. 前記アノードから排出される水素含有ガスが流れる排出路と、前記排出路に設けられた第3の弁と、を備え、
    前記制御器は、前記第3の弁を閉止させることにより前記アノードの出口を封止した状態にする、請求項4、8-10のいずれか1項に記載の水素システム。
  12. 前記制御器は、前記圧力調整器を制御して、前記アノードの圧力を1MPa未満とする請求項1―3、5-7のいずれか1項に記載の水素システム。
  13. 前記ガス供給器は、前記水素含有ガスと異なるガスを供給する、請求項4、8、9のいずれか1項に記載の水素システム。
  14. 前記圧力調整器は、前記アノードおよび前記カソード間に電圧を印加する電圧印加器を含み、前記アノードの入口および出口を封止した状態で、前記制御器は、前記電圧印加器を制御して、前記アノードおよび前記カソード間に、停止前とは逆の電圧を印加することにより、前記アノードの圧力を昇圧し、前記カソードの圧力を減圧する、請求項5-7のいずれか1項に記載の水素システム。
  15. 電解質膜を挟んで設けられたアノードとカソードの間に電圧を印加することにより前記アノードに供給された水素含有ガス中の水素を前記カソードに移動させ、圧縮水素を生成するステップと、
    停止時に、前記アノードからの水素含有ガスの流出を封じた状態で、前記アノードの圧力を前記カソードの圧力よりも高くするステップと、を備える、水素システムの運転方法。
  16. 前記アノードの圧力を昇圧することにより、前記アノードの圧力を前記カソードの圧力よりも高くする、請求項15に記載の水素システムの運転方法。
  17. 前記アノードの圧力を昇圧し、かつ前記カソードの圧力を減圧することにより前記アノードの圧力を前記カソードの圧力よりも高くする、請求項15に記載の水素システムの運転方法。
  18. 前記アノードにガスを供給することにより前記アノードの圧力を昇圧する、請求項16または17に記載の水素システムの運転方法。
  19. 前記圧縮水素を含むカソードガスを前記カソードから排出することにより前記カソードの圧力を減圧する、請求項17に記載の水素システムの運転方法。
  20. 前記アノードに水素含有ガスと異なるガスを供給することにより前記アノードの圧力を昇圧する、請求項18に記載の水素システムの運転方法。
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