JP7007622B1 - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理物の表面に生成されるダイヤモンドライクカーボン層の膜厚の不均一性を抑制可能な成膜方法及び成膜装置を提供する。【解決手段】成膜装置10が有する供給部材30は、反応炉28の外側から内側まで延びて設けられ、反応炉28内に位置する端部にて該端部から離れる方向に延びて配置されるようにワーク12を支持する。成膜処理条件の設定範囲は、反応炉28内の圧力が20~150Paであり、直流電源22からの出力電圧が200~650Vであり、かつ、マイクロ波の出力強度が300~1000Wである。コントローラ24は、圧力調整機構18、直流電源20及び高周波出力器22に対して設定範囲となるような動作制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、反応炉内に供給した炭化水素ガスをプラズマ化して分解させることにより、反応炉内に収容された被処理物の表面にダイヤモンドライクカーボン層を生成するための成膜方法及び成膜装置に関する。
従来から、反応炉内に供給した炭化水素ガスをプラズマ化して分解させることにより、反応炉内に収容された被処理物の表面にダイヤモンドライクカーボン層(以下、「DLC層」ともいう)を生成する成膜技術、いわゆるプラズマ化学気相成長法(PCVD法)が知られている。
特許文献1には、硬度の高さ及び摩擦係数の低さを両立すべく、マイクロ波の出力強度を、バイアス電流の一回目の跳躍が発生する第一強度と、バイアス電流の二回目の跳躍が発生する第二強度との間に設定する成膜方法が開示されている。
特許第6292244号公報
ところが、本発明者の鋭意検討によれば、特許文献1に開示された成膜処理条件では、被処理物の形状に応じてDLC層の膜厚が不均一になり得ることを見出した。特に、被処理物のサイズが大きいほど膜厚の均一性が損なわれる傾向がみられる。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被処理物の表面に生成されるダイヤモンドライクカーボン層の膜厚の不均一性を抑制可能な成膜方法及び成膜装置を提供することにある。
本発明の第一態様における成膜方法は、反応炉内に供給した炭化水素ガスをプラズマ化して分解させることにより、前記反応炉内に収容された被処理物の表面にダイヤモンドライクカーボン層を生成する成膜装置を用いた方法であって、前記成膜装置は、前記被処理物を収容する反応炉と、前記反応炉内の圧力を調整する圧力調整機構と、直流電圧を出力する直流電源と、マイクロ波を出力する高周波出力器と、前記直流電源及び前記高周波出力器にそれぞれ接続され、前記直流電源からの前記直流電圧及び前記高周波出力器からの前記マイクロ波を前記被処理物に供給する供給部材と、前記圧力調整機構、前記直流電源及び前記高周波出力器に対して成膜処理条件に従う動作制御を行うコントローラと、を備え、前記供給部材は、前記反応炉の外側から内側まで延びて設けられ、前記反応炉内に位置する端部にて該端部から離れる方向に延びて配置されるように前記被処理物を支持し、前記成膜処理条件の設定範囲は、前記反応炉内の前記圧力が20~150Paであり、前記直流電源からの出力電圧が200~650Vであり、かつ、前記マイクロ波の出力強度が300~1000Wであり、前記コントローラは、前記圧力調整機構、前記直流電源及び前記高周波出力器に対して前記設定範囲となるような動作制御を行う。
本発明の第二態様における成膜方法では、前記反応炉内の前記圧力を第一軸、前記直流電源からの前記出力電圧を第二軸、前記マイクロ波の前記出力強度を第三軸とする三次元空間に関して、前記マイクロ波の前記出力強度をゼロから徐々に大きくする過程で前記被処理物に流れるバイアス電流が跳躍する現象である第一跳躍が発生する境界面を第一跳躍曲面と定義し、前記マイクロ波の前記出力強度を前記第一跳躍が発生する強度から徐々に大きくする過程で前記被処理物に流れる前記バイアス電流が再度跳躍する現象である第二跳躍が発生する境界面を第二跳躍曲面と定義するとき、前記設定範囲は、前記第三軸に関して、前記第一跳躍曲面及び前記第二跳躍曲面よりも上側にある。
本発明の第三態様における成膜方法では、前記被処理物の高さ又は幅に応じて異なる前記成膜処理条件が設定される。
本発明の第四態様における成膜装置は、反応炉内に供給した炭化水素ガスをプラズマ化して分解させることにより、前記反応炉内に収容された被処理物の表面にダイヤモンドライクカーボン層を生成する装置であって、前記被処理物を収容する前記反応炉と、前記反応炉内の圧力を調整する圧力調整機構と、直流電圧を出力する直流電源と、マイクロ波を出力する高周波出力器と、前記直流電源及び前記高周波出力器にそれぞれ接続され、前記直流電源からの前記直流電圧及び前記高周波出力器からの前記マイクロ波を前記被処理物に供給する供給部材と、前記圧力調整機構、前記直流電源及び前記高周波出力器に対して成膜処理条件に従う動作制御を行うコントローラと、を備え、前記供給部材は、前記反応炉の外側から内側まで延びて設けられ、前記反応炉内に位置する端部にて該端部から離れる方向に延びて配置されるように前記被処理物を支持し、前記成膜処理条件の設定範囲は、前記反応炉内の前記圧力が20~150Paであり、前記直流電源からの出力電圧が200~650Vであり、かつ、前記マイクロ波の出力強度が300~1000Wであり、前記コントローラは、前記圧力調整機構、前記直流電源及び前記高周波出力器に対して前記設定範囲となるような動作制御を行う。
本発明によれば、被処理物の表面に生成されるダイヤモンドライクカーボン層の膜厚の不均一性を抑制することができる。
本発明の一実施形態における成膜装置の概略構成図である。 ワークからのバイアス電流の挙動の一例を示す図である。 本実施形態における成膜処理条件の設定範囲を示す第一図である。 本実施形態における成膜処理条件の設定範囲を示す第二図である。 図3及び図4に示す成膜処理条件の設定により得られる効果を示す図である。 図3及び図4に示す成膜処理条件の設定による作用を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明を省略する。また、本明細書中にて「~」で表記する数値範囲は、上限値及び下限値の両方を含むものとする。
[成膜装置10の構成]
図1は、本発明の一実施形態における成膜装置10の概略構成図である。成膜装置10は、いわゆるマイクロ波PCVD(プラズマ化学気相成長)法を用いて、ワーク12(「被処理物」に相当)の表面にダイヤモンドライクカーボン層(DLC層)を生成するために設けられる。ワーク12は、金属などの導電材料からなる。この成膜装置10は、具体的には、本体部14と、ガス供給機構16と、圧力調整機構18と、直流電源20と、高周波出力器22と、コントローラ24と、を備える。
本体部14は、ワーク12を収容可能な内部空間26を有する反応炉28と、電磁エネルギー(具体的には、後述する直流電圧及びマイクロ波)をワーク12に供給する供給部材30と、を含んで構成される。供給部材30は、反応炉28の外側から内側にかけて、反応炉28の高さ方向に延びて設けられる。この供給部材30は、具体的には、相対的に径が小さい第一筒状体32と、相対的に径が大きい第二筒状体34と、シール部材36と、を備える。
第一筒状体32及び第二筒状体34は導電材料からなり、かつ同軸的に配置される。シール部材36は、第一筒状体32の外周面と第二筒状体34の内周面との間に設けられ、反応炉28内への外気の流入を規制する機能を発揮する。なお、シール部材36は、後述するマイクロ波を通過させることができる絶縁材料からなる。
また、供給部材30は、反応炉28内に位置する端部38にて該端部38から離れる方向に延びて配置されるようにワーク12を支持する。ここでは、第一筒状体32の端部38は、第二筒状体34の先端位置と比べて上方に突出することにより、ワーク12の支持部として機能する。以下、第一筒状体32の端部38に近い側のワーク12の端部を「近端部12n」という一方、第一筒状体32の端部38に遠い側のワーク12の端部を「遠端部12f」という。なお、X軸は、近端部12nを基準とするワーク12の高さ位置に相当し、上方向が「正」として定義される。
ガス供給機構16は、炭化水素ガス(例えば、アセチレンなど)及び不活性ガス(例えば、アルゴンなど)を含む混合ガスを反応炉28内に供給するための装置である。圧力調整機構18は、反応炉28内の圧力を調整するための装置であり、例えば、真空ポンプから構成される。
直流電源20は、供給部材30に直流電圧を出力する。第一筒状体32は直流電源20に接続されており、第一筒状体32には正の電位が設定される。一方、第二筒状体34はグランドに接地されており、第二筒状体34の電位は「0V」である 。つまり、直流電流が第一筒状体32を経由してワーク12に流れるので、ワーク12には負の電荷が帯電される。
高周波出力器22は、例えば2.45GHzの周波数を有するマイクロ波を供給部材30の第一筒状体32に出力する。つまり、高周波出力器22からのマイクロ波が、第一筒状体32を経由して、負に帯電したワーク12に供給される。すると、ワーク12の表面にマイクロ波が伝播し、炭化水素ガスがワーク12の近傍でプラズマ化して分解する。その結果、ワーク12の表面に、炭化水素ガスに由来するDLC層が生成される。
なお、直流電源20と第一筒状体32とを繋ぐ接続線上には、ワーク12のバイアス電流を検出するための電流計40が設けられる。この「バイアス電流」とは、ワーク12の周辺にてプラズマが発生する際に、ワーク12から第一筒状体32を介して直流電源20に流れ込む電流を意味する。
コントローラ24は、プロセッサ42及びメモリ44を有し、成膜装置10の各部を動作制御する装置である。コントローラ24は、具体的には、[1]ガス供給機構16に対するガス供給制御、[2]圧力調整機構18に対する圧力制御、[3]直流電源20に対する電圧制御、及び[4]高周波出力器22に対する出力制御、を同期的又は並列的に実行する。これらの制御を行うため、流量センサ、圧力センサ、電圧センサ及び電波センサ(いずれも不図示)がコントローラ24に接続される。
コントローラ24は、図示しない操作パネルを介した作業者の操作を受け付けて、ワーク12に適した成膜処理条件を設定する。成膜処理条件の設定範囲は、[1]反応炉28内の圧力が20~150Paであり、[2]直流電源20からの出力電圧が200~650Vであり、かつ[3]マイクロ波の出力強度が300~1000Wである。
[成膜方法の説明]
この実施形態における成膜装置10は、以上のように構成される。続いて、成膜装置10を用いた成膜方法について、図2~図6を参照しながら説明する。
<成膜処理条件の設定>
まず、この実施形態における成膜処理条件の設定範囲について、図2~図4を参照しながら詳細に説明する。成膜処理条件は、[1]反応炉28内の圧力、[2]直流電源20からの出力電圧、及び[3]高周波出力器22からのマイクロ波の出力強度、に関する三つの個別条件の組み合わせからなる。この場合、各々の成膜処理条件は、反応炉28内の圧力を第一軸、直流電源20からの出力電圧を第二軸、マイクロ波の出力強度を第三軸とする三次元空間上で表現される。
図2は、ワーク12からのバイアス電流の挙動の一例を示す図である。グラフの横軸はマイクロ波の出力強度(単位:W)を示すとともに、グラフの縦軸はバイアス電流(単位:A)を示している。このグラフから理解されるように、マイクロ波の出力強度が比較的小さい状態下にて、出力強度が大きくなるにもかかわらず、ワーク12からのバイアス電流はほとんど変化しない。ところが、出力強度が第一閾値(本図の例では、約10W)を上回る箇所J1にて、バイアス電流が跳躍的に増加する現象(以下、第一跳躍)が発生する。この第一跳躍の発生後、バイアス電流は、出力強度が大きくなるにつれて徐々に増加する。
そして、出力強度が第二閾値(本図の例では、約160W)を上回る箇所J2にて、バイアス電流が再び跳躍的に増加する現象(以下、第二跳躍)が発生する。この第二跳躍の発生後、バイアス電流は出力強度が大きくなるにつれて徐々に増加する。これら二回の跳躍は、マイクロ波の出力強度に応じて反応炉28内での炭化水素ガスの分解挙動が変わることに起因して発生する。
図3は、本実施形態における成膜処理条件の設定範囲を示す第一図である。グラフの横軸は反応炉28内の圧力(単位:Pa)を示すとともに、グラフの縦軸はマイクロ波の出力強度(単位:W)を示している。ここでは、直流電源20からの出力電圧が一定(=400V)に設定された場合を想定する。
下側の曲線は、第一跳躍の発生箇所J1の集合を示す「第一跳躍曲面」の境界線に相当する。上側の曲線は、第二跳躍の発生箇所J2の集合を示す「第二跳躍曲面」の境界線に相当する。本図から理解されるように、成膜処理条件は、第一跳躍曲面及び第二跳躍曲面の両方を上回るように設定される。
図4は、本実施形態における成膜処理条件を示す第二図である。グラフの横軸は直流電源20からの出力電圧(単位:V)を示すとともに、グラフの縦軸はマイクロ波の出力強度(単位:W)を示している。ここでは、反応炉28内の圧力が一定(=20Pa)に設定された場合を想定する。
下側の曲線は、第一跳躍の発生箇所J1の集合を示す「第一跳躍曲面」の境界線に相当する。上側の曲線は、第二跳躍の発生箇所J2の集合を示す「第二跳躍曲面」の境界線に相当する。本図から理解されるように、成膜処理条件は、第一跳躍曲面及び第二跳躍曲面の両方を上回るように設定される。
<作用効果>
続いて、上記した成膜処理条件の設定により得られる作用及び効果について、図5及び図6を参照しながら詳細に説明する。
図5は、図3及び図4に示す成膜処理条件の設定により得られる効果を示す図である。グラフの横軸はDLC層の膜厚(単位:μm)を示すとともに、グラフの縦軸は近端部12nを基準とするワーク12の高さ位置(単位:mm)を示している。「比較例」は、図3及び図4に示す第一跳躍曲面と第二跳躍曲面との間にある成膜処理条件を用いた場合におけるワーク12の測定結果を示す。一方、「実施例」は、図3及び図4に示す設定範囲内にある成膜処理条件を用いた場合におけるワーク12の測定結果を示す。
本図から理解されるように、比較例において、供給部材30に近い側である位置X=0~X1の範囲にて膜厚が略一定であるが、位置X=X1から遠ざかるにつれて膜厚が徐々に小さくなる。つまり、ワーク12が長くなるにつれて膜厚が不均一になる傾向がみられる。一方、実施例において、位置X=0~X1の範囲に限られず、位置X>X1の範囲であっても膜厚が略一定である。以下、実施例にて膜厚の不均一性が抑制される理由について、図6を参照しながら説明する。
図6は、図3及び図4に示す成膜処理条件の設定による作用を模式的に示す図である。グラフの横軸はワーク12の高さ位置(単位:mm)を示すとともに、グラフの横軸は炭化水素ガスの分解エネルギー(E)を示している。ここで、所望のプラズマの発生量(つまり、所望の膜厚)を得るために必要な分解エネルギーをEthと定義する。
比較例において、ワーク12の近端部12n(X=0)における分解エネルギーがE=E1になるようにマイクロ波が出力される。ここで、ワーク12の近端部12nから遠端部12fに向かうほどマイクロ波の伝播経路が長くなるので、分解エネルギーが位置Xの増加につれて徐々に減衰する。「比較例」を示す曲線から理解されるように、分解エネルギーがE≧Ethを満たす範囲(つまり、X=0~X1)にて膜厚が略一定に保たれるものの、X>X1の範囲では、プラズマの発生量の減少に伴って膜厚が徐々に小さくなる。
これに対して、ワーク12の近端部12n(X=0)における分解エネルギーがE=E2(>E1)になるようにマイクロ波が出力される。つまり、実施例では、ワーク12に伝達されるマイクロ波の出力強度が、全体的に嵩上げされるように設定される。「実施例」を示す曲線から理解されるように、分解エネルギーがE≧Ethを満たす範囲(X=0~X2)、すなわち比較例よりも長い範囲にて膜厚が略一定に保たれる、
<他の設定例>
続いて、成膜処理条件に関する他の設定例について説明する。
反応炉28内の圧力範囲は、20~150Paに限られない。圧力の上限値は、150Paに限られず、120Paが好ましく、100Paがより好ましい。圧力の下限値は、20Paに限られず、30Paが好ましく、40Paがより好ましい。
直流電源20の電圧範囲は、200~650Vに限られない。電圧の上限値は、650Vに限られず、600Vが好ましく、550Vがより好ましい。電圧の下限値は、200Vに限られず、250Vが好ましく、300Vがより好ましい。
マイクロ波の出力範囲は、300~1000Wに限られない。出力強度の上限値は、1000Wに限られず、800Wが好ましく、600Wがより好ましい。出力強度の下限値は、300Wに限られず、350Wが好ましく、400Wがより好ましい。
図6で説明した通り、ワーク12の形状や配置によって、適した成膜処理条件が異なる場合がある。そこで、ワーク12の高さ又は幅に応じて異なる成膜処理条件が設定されてもよい。具体的には、コントローラ24は、ワーク12のサイズ(例えば、長さ、幅、又は面積など)が大きいほど、マイクロ波の出力強度が大きくなるように成膜処理条件を設定してもよい。反対に、コントローラ24は、ワーク12のサイズが小さいほど、マイクロ波の出力強度が小さくなるように成膜処理条件を設定してもよい。
[実施形態のまとめ]
以上のように、この実施形態における成膜方法は、反応炉28内に供給した炭化水素ガスをプラズマ化して分解させることにより、反応炉28内に収容された被処理物(ここでは、ワーク12)の表面にDLC層を生成する成膜装置10を用いた方法である。成膜装置10は、ワーク12を収容する反応炉28と、反応炉28内の圧力を調整する圧力調整機構18と、直流電圧を出力する直流電源20と、マイクロ波を出力する高周波出力器22と、直流電源20及び高周波出力器22にそれぞれ接続され、直流電源20からの直流電圧及び高周波出力器22からのマイクロ波をワーク12に供給する供給部材30と、圧力調整機構18、直流電源20及び高周波出力器22に対して成膜処理条件に従う動作制御を行うコントローラ24と、を備える。
そして、供給部材30は、反応炉28の外側から内側まで延びて設けられ、反応炉28内に位置する端部38にて該端部38から離れる方向に延びて配置されるようにワーク12を支持する。成膜処理条件の設定範囲は、反応炉28内の圧力が20~150Paであり、直流電源20からの出力電圧が200~650Vであり、かつ、マイクロ波の出力強度が300~1000Wである。コントローラ24は、圧力調整機構18、直流電源20及び高周波出力器22に対して設定範囲となるような動作制御を行う。
このように構成したので、供給部材30の端部38から離れたワーク12の部位(つまり、遠端部12f)に対して十分な強度のマイクロ波を供給可能となり、ワーク12の表面に生成されるDLC層の膜厚の不均一性を抑制することができる。
また、反応炉28内の圧力を第一軸、直流電源20からの出力電圧を第二軸、マイクロ波の出力強度を第三軸とする三次元空間に関して、マイクロ波の出力強度をゼロから徐々に大きくする過程でワーク12に流れるバイアス電流が跳躍する現象である第一跳躍が発生する境界面を第一跳躍曲面と定義し、マイクロ波の出力強度を前記第一跳躍が発生する強度から徐々に大きくする過程でワーク12に流れるバイアス電流が再度跳躍する現象である第二跳躍が発生する境界面を第二跳躍曲面と定義する。この場合、成膜処理条件の設定範囲は、第三軸に関して、第一跳躍曲面及び第二跳躍曲面よりも上側にあってもよい。
また、コントローラ24は、ワーク12の高さ又は幅に応じて異なる成膜処理条件を設定してもよい。これにより、ワーク12の高さ又は幅に適した成膜処理条件を選択することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。あるいは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。
10…成膜装置、12…ワーク(被処理物)、18…圧力調整機構、20…直流電源、22‥高周波出力器、24‥コントローラ、28‥反応炉、30‥供給部材

Claims (3)

  1. 反応炉内に供給した炭化水素ガスをプラズマ化して分解させることにより、前記反応炉内に収容された被処理物の表面にダイヤモンドライクカーボン層を生成する成膜装置を用いた成膜方法であって、
    前記成膜装置は、
    前記被処理物を収容する反応炉と、
    前記反応炉内の圧力を調整する圧力調整機構と、
    直流電圧を出力する直流電源と、
    マイクロ波を出力する高周波出力器と、
    前記直流電源及び前記高周波出力器にそれぞれ接続され、前記直流電源からの前記直流電圧及び前記高周波出力器からの前記マイクロ波を前記被処理物に供給する供給部材と、
    前記圧力調整機構、前記直流電源及び前記高周波出力器に対して成膜処理条件に従う動作制御を行うコントローラと、
    を備え、
    前記供給部材は、前記反応炉の外側から内側まで延びて設けられ、前記反応炉内に位置する端部にて該端部から離れる方向に延びて配置されるように前記被処理物を支持し、
    前記成膜処理条件の設定範囲は、前記反応炉内の前記圧力が20~150Paであり、前記直流電源からの出力電圧が200~650Vであり、かつ、前記マイクロ波の出力強度が300~1000Wであり、
    前記コントローラは、前記圧力調整機構、前記直流電源及び前記高周波出力器に対して前記設定範囲となるような動作制御を行い、
    前記被処理物の高さ又は幅に応じて異なる前記成膜処理条件が設定されることを特徴とする成膜方法。
  2. 前記反応炉内の前記圧力を第一軸、前記直流電源からの前記出力電圧を第二軸、前記マイクロ波の前記出力強度を第三軸とする三次元空間に関して、
    前記マイクロ波の前記出力強度をゼロから徐々に大きくする過程で前記被処理物に流れるバイアス電流が跳躍する現象である第一跳躍が発生する境界面を第一跳躍曲面と定義し、
    前記マイクロ波の前記出力強度を前記第一跳躍が発生する強度から徐々に大きくする過程で前記被処理物に流れる前記バイアス電流が再度跳躍する現象である第二跳躍が発生する境界面を第二跳躍曲面と定義するとき、
    前記設定範囲は、前記第三軸に関して、前記第一跳躍曲面及び前記第二跳躍曲面よりも上側にあることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 反応炉内に供給した炭化水素ガスをプラズマ化して分解させることにより、前記反応炉内に収容された被処理物の表面にダイヤモンドライクカーボン層を生成する成膜装置であって、
    前記被処理物を収容する前記反応炉と、
    前記反応炉内の圧力を調整する圧力調整機構と、
    直流電圧を出力する直流電源と、
    マイクロ波を出力する高周波出力器と、
    前記直流電源及び前記高周波出力器にそれぞれ接続され、前記直流電源からの前記直流電圧及び前記高周波出力器からの前記マイクロ波を前記被処理物に供給する供給部材と、
    前記圧力調整機構、前記直流電源及び前記高周波出力器に対して成膜処理条件に従う動作制御を行うコントローラと、
    を備え、
    前記供給部材は、前記反応炉の外側から内側まで延びて設けられ、前記反応炉内に位置する端部にて該端部から離れる方向に延びて配置されるように前記被処理物を支持し、
    前記成膜処理条件の設定範囲は、前記反応炉内の前記圧力が20~150Paであり、前記直流電源からの出力電圧が200~650Vであり、かつ、前記マイクロ波の出力強度が300~1000Wであり、
    前記コントローラは、前記圧力調整機構、前記直流電源及び前記高周波出力器に対して前記設定範囲となるような動作制御を行い、
    前記被処理物の高さ又は幅に応じて異なる前記成膜処理条件が設定されることを特徴とする成膜装置。
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