JP7007198B2 - アルカリ金属空気電池カソード - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には、電気化学電池、より具体的には、金属空気電池及びその部品カソードに関する。
金属空気電池は、金属アノードからなるアノード、及びカソード減極剤(燃料)としての空気からの酸素を使用する電気化学セルである。酸素は電池に貯蔵されないので、金属空気電池の容量及びエネルギー密度は非常に高くなり得る。亜鉛空気システム及び他の金属空気電池システムの比エネルギーを表1に示す。亜鉛空気電池の比エネルギーは、Liイオンを大きく上回る。
Figure 0007007198000001
放電中、金属空気電池のアノードは、その特定の金属に特有の酸化反応を受ける。反応機構は、通常、多段階であり、中間体は電解質に依存する。アルカリ亜鉛空気電池の典型的なアノード放電反応は、式1~4によって表される。
Zn + 4OH- → Zn(OH)4 2- + 2e- (1)
Zn + 2OH- → Zn(OH)2 + 2e- (2)
Zn + 2OH- → ZnO + H2O + 2e- (3)
Zn(OH)2 → ZnO + H2O (4)
全ての金属空気電池の重要な構成要素は空気電極である。従来の電池カソードとは異なり、空気電極は大部分が酸素還元のための触媒マトリックスとして機能することができ、また、カソード電流コレクタとして作用し、同時に、通常、大気である電池外の空気から酸素が供給される。アルカリ性水性電解質のカソード反応シーケンスは、以下の式によって表される。
2 + 2e- + H2O → O2- + OH- (5)
2- → OH- + 1/2O2 (6)
酸素は外気から供給されるので、正極自体は、電子を伝導し、酸素をヒドロキシル反応に触媒するためだけに必要とされるので、非常に薄くてもよい。様々なカーボン、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、コバルトテトラピラジノポルフィラジン誘導体、ペロ
ブスカイト、チタン・ドープド・二酸化マンガン、酸化コバルト、グラフェン、ケッチェンブラック、ドープド・ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、炭素繊維、コバルトマンガン酸化物、導電性ポリマー、及び本質的に導電性のポリマー、これらの組み合わせ、並びに他の化合物が、反応(6)を介して過酸化物の化学分解を触媒することが報告されている。
典型的な空気電極カソード構造は、通常、空気拡散層、疎水性PTFE層、過酸化物分解を改善する触媒とカーボンが混合された触媒層を含む複数層を含む。カソードは、セパレータ及びバリア層によってアノードから分離され、電解質に濡れ性であり、金属アノードがカソードと直接接触することを防止することができる。
カソードに面する空気穴が、適切な空気供給を提供するために使用される。金属空気電池は使用が必要とされる前に、外部環境から保護する必要がある。酸素の大部分が自由にセルに入るのを防ぐために、通気孔を覆う接着剤及びガス分別(gas-differentiating)タブが使用される。このタブは、カソードが自由に空気を受け取ることを可能にするために使用前に除去される。
亜鉛空気電池は、最も一般的に使用されている金属空気システムの1つである。この電池は、アルカリ電池に比べて高いエネルギー密度を示す。このシステムの欠点には、比較的低いレート能力(rate capability)及び環境条件に対する影響の受けやすさがある。亜鉛空気電池は、通常、低連続電流ドレイン条件下では良好に機能するが、断続的高レートテストでは不十分なサービスを提供する可能性がある。
亜鉛空気電池構造は、典型的には、空気孔を有する底缶、疎水性層及びバリア層を含むカソード構造、その上に続くセパレータを含むコインセル設計を有する。空気電極が薄いので、電池の体積の大部分は亜鉛アノードによって占められる。典型的には角柱形式であるより大きい電池は、十分な性能を維持するために、複雑な空気供給システムを必要とする。円筒形(例えば、AA又はLR6サイズ)の亜鉛空気設計は、通常、アルカリカテゴリにとって電池のコストを法外に高くし、複雑なカソード設計及び製造プロセス、空気供給経路を要求し、さらに、正端子アセンブリをカソード電流コレクタに溶接することを必要とする。
典型的な一次亜鉛電池、二酸化マンガン(「Zn/MnO2」)電池、又はアルカリ電池は、材料及び製造コストが低く、断続的なものを含む様々な試験において良好な性能を提供することができる。しかしながら、電池容量及びそれに伴い耐用年数は、電池内に収容可能なMnO2及び亜鉛等の電気化学的活性成分の量によって制限される。
亜鉛空気電池及び空気補助(air-assisted)亜鉛MnO2電池では、アノード材料及び関連する電気化学反応は、Zn/MnO2と基本的に同じである。しかし、空気リカバリ(air recovery)電池又は空気回復(air restored)電池とも呼ばれる空気補助電池では、カソードは空気によって再充電(recharged)又は回復可能である。電池が使用されていないとき、又は放電率が十分に低いとき、大気中の酸素が空気孔を通して電池に入り、空気カソードと反応して、オキシ水酸化マンガンが再充電され二酸化マンガンに戻る。
1/2O2 + MnOOH → MnO2 + OH- (7)
高い放電率では、空気補助電池は、新鮮な二酸化マンガンを還元する従来のアルカリ電池のように動作することができる。カソードは、MnO2還元が起こるように電解質で濡らされてもよい。同時に、KOH溶液への酸素の溶解度は低いので、典型的なカソードは、酸素進入(ingress)を可能にしなければならない。
空気補助電池は、断続的用途に特に有用であり、従来のアルカリ電池に比べて大幅な性能改善をもたらすことができる。しかしながら、空気補助電池の設計は、亜鉛空気電池の設計ほど複雑であり、製造が困難で高価である。これらの制限のために、実用的な円筒形状の空気補助電池は現在まで量産されていない。したがって、民生(consumer)用途におけるランタイムが改善された低コストかつ製造容易な電池へのニーズは依然として満たされておらず、断続的かつ高レート用途で動作可能な金属空気電池へのニーズが存在する。
一側面によれば、電気化学的金属空気電池は空気電極を伴い、空気電極は固体イオン伝導性(ionically conducting)ポリマー材料を含み、それは空気電極中で使用され、本願では固体イオン伝導性ポリマー材料と称される。
一側面では、金属空気電池は、導電性材料及び固体イオン伝導性ポリマー材料を含む空気電極と、第1の電気化学的活性金属を含む負極と、前記空気電極と前記負極との間に差し込まれ、前記空気電極と接触する、イオン伝導性かつ誘電性の電気化学的不活性材料とを備え、前記空気電極は、前記空気電極が酸素ガス供給源にさらされ、前記電池に負荷がかかっているとき、酸素を還元するように作用する。
金属空気電池のさらなる側面は、以下のうちの1つ以上を含み得る:
固体イオン伝導性ポリマー材料は、30%より大きい結晶化度を有する。
固体イオン伝導性ポリマー材料は、融点を有する。
固体イオン伝導性ポリマー材料は、ガラス状態を有する。
固体イオン伝導性ポリマー材料は、少なくとも1つのカチオン性(cationic)拡散イオン及びアニオン性(anionic)拡散イオンの両方を備え、少なくとも1つの拡散イオンは、前記ガラス状態において移動可能である。
固体イオン伝導性ポリマー材料は、複数の電荷移動錯体を有する。
固体イオン伝導性ポリマー材料は複数のモノマーを含み、各電荷移動錯体はモノマー上に配置される。
固体イオン伝導性ポリマー材料の電子伝導率は、室温で1×10-8S/cm未満である。
ガラス状状態は、固体イオン伝導性ポリマー材料の融点より低い温度で存在する。少なくとも1つのカチオン性拡散イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、又はポスト遷移金属を含む。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、複数のモノマーを含み、モノマーごとに少なくとも1つのアニオン性拡散イオンが存在する。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、複数のモノマーを含み、モノマーごとに少なくとも1つのカチオン性拡散イオンが存在する。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料1リットル当たり、少なくとも1モルのカチオン性
拡散イオンが存在する。
前記電荷移動錯体は、ポリマー、電子受容体、及びイオン性化合物の反応によって形成され、各カチオン性拡散イオン及びアニオン性拡散イオンは、前記イオン性化合物の反応生成物である。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、少なくとも1つのイオン性化合物から形成され、前記イオン性化合物は、少なくとも1つのカチオン性拡散イオン及びアニオン性拡散イオンをそれぞれ含む。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は熱可塑性である。
前記電荷移動錯体は、ポリマーと電子受容体との反応によって形成される。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料の融点は、250℃より高い。
少なくとも1つのカチオン性拡散イオン及びアニオン性拡散イオンは、それぞれが拡散係数を有し、カチオン性拡散係数は、アニオン性拡散係数よりも大きい。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料のカチオン輸率は、0.5より大きい。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料はリチウムを含み、前記リチウムの濃度は、固体イオン伝導性ポリマー材料1リットル当たりリチウム3モルよりも大きい。
カチオン性拡散イオンはリチウムを含む。
前記拡散カチオンは一価である。
前記拡散カチオンの価数は1よりも大きい。
前記空気カソードは、酸素を還元するときに水酸化物イオンを生成し、前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、水酸化物イオンをイオン伝導する。
拡散アニオンは水酸化物イオンである。
拡散アニオンは一価である。
前記拡散アニオンと前記拡散カチオンの両方が一価である。
少なくとも1つのカチオン性拡散イオン及びアニオン性拡散イオンは、それぞれが拡散係数を有し、アニオン性拡散係数は、カチオン性拡散係数よりも大きい。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料のカチオン輸率は、0.5以下かつ0より大きい。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、複数のモノマーを含み、各モノマーは、該モノマーの骨格内に配置された芳香族又は複素環構造を含む。
固体イオン伝導性ポリマー材料は、環構造に組み込まれた、又は環構造に隣接するよう骨格上に配置されたヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、硫黄、酸素、又は窒素からなる群から選択される。
ヘテロ原子が、固体イオン伝導性ポリマー材料の環構造に隣接するモノマーの骨格上に配置される。
ヘテロ原子が、固体イオン伝導性ポリマー材料の環構造に隣接するモノマーの骨格上に配置され、ヘテロ原子は硫黄である。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料はπ共役である。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、複数のモノマーを含み、各モノマーの分子量は、100g/molよりも大きい。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は親水性である。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料のイオン伝導性は等方性である。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は不燃性である。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料のヤング率は、3.0MPa以上である。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、イオン性化合物の存在下に電子受容体によりドープされた後にイオン伝導性となり、イオン性化合物はカチオン性拡散イオンおよびアニオン性拡散イオンの両方を含むか、または、電子受容体による酸化を介してカチオン性拡散イオンおよびアニオン性拡散イオンの両方に変換可能であるかのいずれかである。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、ベースポリマー、電子受容体、及びイオン性化合物の反応生成物から形成され、前記ベースポリマーは共役ポリマー、PPS、又は液晶ポリマーであり得る。
空気電極は、さらに、第2の電気化学的活性材料を含み、前記第2の電気化学的活性材料は金属酸化物を含むことができ、前記金属酸化物は二酸化マンガンであり得る。
前記第1の電気化学的活性材料は亜鉛を含む。
前記第1の電気化学的活性材料は、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、又はリチウムを含む。
前記空気電極はさらに第2の電気化学的活性材料を含み、前記第2の電気化学的活性材料は、前記導電性材料及び前記固体イオン伝導性ポリマー材料と混合される。
前記イオン伝導性かつ誘電性の電気化学的不活性材料は、前記空気電極に隣接して配置された不織セパレータと、水性電解質の両方を備える。
前記導電性材料は炭素を含む。
前記電池は非水性であり、前記イオン伝導性かつ誘電性の電気化学的不活性材料は、固体イオン伝導性ポリマー材料を含む。
前記イオン伝導性かつ誘電性の電気化学的不活性材料は、前記空気電極に隣接して配置された不織セパレータと、水性電解質の両方を備える。
前記導電性材料は、前記固体イオン伝導性ポリマー材料と混合され、前記空気電極は熱可塑性である。
前記酸素ガス供給源は空気供給源であり、前記空気供給源は、第1の濃度の酸素、二酸化炭素、及び水蒸気ガスを含み、前記電池は、さらに、前記空気電極と前記空気供給源との間に流体的に配置された空気分別システムを含み、前記空気分別システムは、第2の濃度の酸素、二酸化炭素、及び水蒸気ガスを前記空気電極に供給し、前記空気分別システムは、電池に負荷がかかっているとき、酸素の前記第2の濃度が酸素の前記第1の濃度よりも大きくなるよう、前記空気電極に到達する酸素の濃度に影響を及ぼし、前記空気分別システムは、二酸化炭素の濃度に影響を及ぼし、二酸化炭素の第2の濃度は、二酸化炭素の第1の濃度より小さく、前記空気分別システムは、水の濃度に影響を及ぼし、水の第2の濃度は、水の第1の濃度より小さく、前記空気分別システムは、前記固体イオン伝導性ポリマー材料を含むか、又は前記空気供給源は大気であり、前記電池は、空気供給口を有する筐体内に配置され、前記空気供給口は、大気が前記空気電極に流れることを可能にする。
電池の一側面及び目的は、固体イオン伝導性ポリマー材料によって提供されるイオン移動性であり、具体的には:
前記固体イオン伝導性ポリマー材料のイオン伝導率は、室温で1.0×10-5S/cmより高い。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、単一のカチオン性拡散イオンを備え、前記カチオン性拡散イオンの拡散係数は、室温で1.0×10-122/sより高い。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、単一のアニオン性拡散イオンを備え、前記アニオン性拡散イオンの拡散係数は、室温で1.0×10-122/sより高い。
前記少なくともカチオン性拡散イオンの1つは、1.0×10-122/sより大きい拡散係数を有する、前記固体イオン伝導性ポリマー材料。
前記少なくとも1つのアニオン性拡散イオンの1つは、1.0×10-122/sより大きい拡散係数を有する、前記固体イオン伝導性ポリマー材料。
前記少なくとも1つのアニオン性拡散イオン及び前記少なくとも1つのカチオン性拡散イオンの両方の1つは、1.0×10-122/sより大きい拡散係数を有する、前記固体イオン伝導性ポリマー材料。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料のイオン伝導率は、室温で1×10-4S/cmより高い。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料のイオン伝導率は、80℃で1×10-3S/cmより高い。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料のイオン伝導率は、-40°Cで1×10-5S/cmより高い。
前記カチオン性拡散イオンはリチウムを含み、リチウムイオン及び水酸化物イオンの拡散係数はともに、室温で1.0×10-132/sより高い。
一側面では、電池は、以下の1つ又は複数のさらなる属性で構成され得る:
前記導電性材料は、前記空気電極の10~30重量%を構成する。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、前記空気電極の5~50重量%を構成する。
前記第2の電気化学的活性材料は、前記空気電極の10~70重量%を構成する。
前記空気カソードは酸素還元触媒を含み、前記触媒は、炭素、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、コバルトテトラピラジノポルフィラジン誘導体、ペロブスカイト、チタンドープド二酸化マンガン、酸化コバルト、グラフェン、ケッチェンブラック、ドープドケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、炭素繊維、コバルトマンガン酸化物、導電性ポリマー、本質的に導電性のポリマー、及びこれらの組み合わせを含む群から選択され得る。
前記空気電極は、二酸化マンガンを含み、前記二酸化マンガンは、β-MnO2(軟マンガン鉱)、ラムスデライト、γ-ΜnO2、ε-ΜnO2、λ-ΜnO2、EMD、CMD、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される。
前記導電性材料は炭素を含み、二酸化マンガンと炭素の重量比は、2:1よりも大きい。
前記第1の電気化学的活性材料は亜鉛を含み、亜鉛と二酸化マンガンの重量比は、1:1よりも大きい。
空気電極中の二酸化マンガンとイオン伝導性ポリマー材料の重量比は、1:1よりも大きい。
前記金属空気電池は、さらに、正電流コレクタとして作用する金属缶を備え、前記空気電極は、前記缶と電気的に連絡する。
前記缶は円筒形状であり、前記空気カソードは環形状である。
前記缶のサイズはAA(LR6)である。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料の酸素ガス透過率は、前記固体イオン伝導性ポリマー材料の水透過率より高い。
前記固体イオン伝導性ポリマー材料を含む前記空気電極を含むAAサイズのセルは、以下のときにおいて、3Ahよりも大きい容量を示した:150~300mAの電流、0.8V電圧カットオフでの連続定電流放電;1時間の150~300mAカットオフ電流印加、後続する1時間の休止期間の断続的放電(0.8V電圧カットオフ);50mA、1.0V電圧カットオフでの連続定電流放電;1時間の50mA印加、後続する1時間の休止期間の断続的放電(1.0V電圧カットオフ);3.9Ohm、0.8V電圧カットオフでの連続定抵抗放電;1時間の3.9Ohm適用、後続する1時間の休止期間の断続的定抵抗放電(0.8V電圧カットオフ);42Ohm、1.0V電圧カットオフでの連続定抵抗放電;15秒間の42Ohm抵抗適用、後続する45秒間の休止期間の断続的定抵抗放電(1.0V電圧カットオフ)。
一側面では、空気電極の製造方法は、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る:
ポリマーをイオン性化合物及び電子受容体と混合して第1の混合物を作成するステップ
と、
前記第1の混合物を加熱して固体イオン伝導性ポリマー材料にするステップと、
前記固体イオン伝導性ポリマー材料を導電性材料と混合することにより、反応性であり、酸素を還元し、水酸化物イオンをイオン伝導する第2の混合物を作成するステップ。
一側面では、空気電極の製造方法は、さらに、直前の側面と組み合わせて、以下のステップのうちの1つ以上を含み得る:
前記第2の混合物の混合ステップにおいて、前記第2の混合物に共減極剤(codepolarizer)が添加される。
前記共減極剤は二酸化マンガンである。
前記第1の混合ステップにおいて、前記第1の混合物に共減極剤が添加される。
前記導電性材料は炭素を含む。
前記第2の混合物が前記空気カソードに形成される形成ステップが使用される。
前記形成ステップでは、前記第2の混合物に圧力が加えられ、前記第2の混合物が空気カソードに熱形成され、前記空気カソードはフィルムに形成されるか、又は前記空気カソードは環状に形成される。
前記ベースポリマーは、PPS、PEEK、LCP、PPy、又はこれらの組み合わせである。
前記ドーパントは、DDQ、TCNE、クロラニル、SO3、オゾン、遷移金属酸化物、MnO2、酸素、及び空気から選択される。
前記イオン性化合物は、塩、水酸化物、酸化物、又は、水酸化物イオンを含む若しくは水酸化物に変換可能な他の材料である。
前記イオン性化合物は、LiOH、NaOH、KOH、Li2O、又はLiNO3を含む。
前記加熱ステップにおいて、前記第1の混合物は、250~450℃の温度に加熱される。
前記加熱ステップにおいて、加熱中、前記第1の混合物に圧力が加えられ、前記圧力は300~500psiであり得る。
前記第2の混合物の前記混合ステップにおいて、前記二酸化マンガンは固体イオン伝導性ポリマー材料によってカプセル化される。
前記形成ステップにおいて、前記空気電極は押出形成される。
前記第2の混合物の混合ステップにおいて、前記混合物に触媒が添加される。
前記第2の混合物の混合ステップにおいて、前記混合物に疎水性化合物が添加される。
前記第2の混合物の混合ステップにおいて、前記混合物に二酸化炭素吸着化合物が添加
される。
缶の内面に隣接するよう、前記空気カソードを前記缶内に配置する配置ステップが使用され、前記空気カソードは環として成形されることができ、第2の環状カソード部分が、前記缶の前記内面及び前記空気カソードの両方に隣接するよう配置されることができ、前記第2のカソード部分は、前記固体イオン伝導性ポリマー材料を含んでも含まなくてもよい。
上記及び他の特徴、利点、及び目的は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照することによって、当業者によってさらに理解され、認識されるであろう。
図1は、4つの異なる導電性炭素を用いた場合の電池性能を示す放電曲線である。 図2Aは、複数のカソードセクションを作成するためのツールの断面模式図である。 図2Bは、ツールによって形成されている空気カソード環状セクションの断面模式図である。 図3は、電気化学的電池セルの断面図である。 図4は、150mAの連続放電下での電池及び比較電池の放電曲線である。 図5は、実施例7において記載される放電曲線であり、実施例7のセル及び比較用市販セルの断続的放電電圧が試験時間の関数として示されている。 図6は、実施例8において記載される放電曲線であり、断続的放電が試験時間の関数として示されている。 図7は、実施例9において記載される体積測定ノーマライズ化曲線であり、様々な技術における体積プロファイル当たりの体積測定容量レートの比較が示されている。 図8は、薄膜電池を示す本発明の一側面の断面模式図である。
本特許出願は、2015年6月2日に出願された米国仮特許出願第62/169,812号に基づく優先権を主張し、また、2016年5月6日に出願された米国特許出願第15/148,085号の一部継続出願であり、該出願は、(a)2015年5月8日に出願された米国仮特許出願第62/158,841号に基づく優先権を主張し、また、(b)(i)2013年12月3日に出願された米国仮特許出願第61/911,049号に基づく優先権を主張する、2014年12月3日に出願された米国特許出願第14/559,430号、及び(ii)2012年4月11日に出願された米国仮特許出願第61/622,705号に基づく優先権を主張する、2013年4月11日に出願された米国特許出願第13/861,170号の両方の一部継続出願であり、これらの文献の開示内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
以下の用語の説明は、本章で説明される側面、実施形態、及び物体の説明をより詳細に説明するために提供される。他に説明又は定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本開示の様々な実施形態の検討を容易にするために、以下の特定の用語の説明が提供される。
減極剤は、電気化学的活性物質、すなわち、電気化学的反応および電気化学活性物質の電荷移動ステップにおいて、その酸化状態を変化させる、又は化学結合の形成又は破壊に関与する物質の同義語である。電極が複数の電気活性物質を有する場合、これらは、共減極剤と称され得る。
熱可塑性とは、プラスチック材料又はポリマーが、多くの場合はその融点付近又はその融点である特定温度より高い温度で柔軟又は成形可能になり、冷却されると固化する特性である。
固体電解質は、無溶媒ポリマー、及びセラミック化合物(結晶及びガラス)を含む。
「固体」は、形状が無期限に長く維持されることを特徴とし、液相の物質とは区別され、異なる。固体の原子構造は、結晶質又は非晶質であり得る。固体は、組成物構造内の成分と混合されたり、係る成分であってもよい。
しかし本出願および特許請求の範囲の目的では、固体イオン伝導性ポリマー材料は、当該材料が固体を通ってイオン伝導性であるが、特に記載しない限り、いかなる溶媒相、ゲル相、または液相を通ってもイオン伝導性ではないことが要求される。本願及び特許請求の範囲の目的では、ゲル化(又は湿潤)ポリマー及びイオン伝導性のための液体に依存する他の材料は、イオン伝導性について液相に依拠するという点から、固体電解質(固体イオン伝導性ポリマー材料)ではないと定義される。
ポリマーは、典型的には有機物であり、それぞれが1種以上の繰り返し単位又はモノマーを有する複数の炭素系高分子からなる。ポリマーは軽量で延性があり、通常は非導電性であり、比較的低温で溶融する。ポリマーは、射出、ブロー等の成形プロセス、押出、プレス、スタンピング、3D印刷、機械加工および他の可塑プロセスによって製品化することができる。ポリマーは、典型的には、ガラス転移温度Tg未満の温度でガラス状態を有する。このガラス温度は、鎖の柔軟性の関数であり、ポリマー高分子の一連のセグメントが単位として同時に動くことを可能にするのに十分な自由体積を創出するのに十分な振動(熱)エネルギーがシステムにある場合に生じる。しかし、ポリマーのガラス状態では、ポリマーのセグメント運動は存在しない。
ポリマーは、無機非金属材料として定義されるセラミックス、典型的には、酸素、窒素、又は炭素と共有結合した金属からなる、脆性で、強く、かつ非伝導性の化合物とは区別される。
一部のポリマーで生じるガラス転移は、ポリマー材料が冷却される際の、過冷却液体状態とガラス状態との間の中間温度である。ガラス転移の熱力学的測定は、ポリマーの物理的特性、例えば体積、エンタルピー又はエントロピー、及び他の派生特性を温度の関数として測定することによって行われる。ガラス転移温度は、転移温度における、選択された特性の破断(エンタルピー又は体積)、又は勾配(熱容量又は熱膨張係数)の変化等のプロットから観察される。Tgよりも高い温度からTg未満までポリマーを冷却すると、ポリマーの分子運動性は、ポリマーがガラス状態に達するまで下がる。
ポリマーは、非晶質相及び結晶相の両方を含み得るので、ポリマー結晶化度は、ポリマーの量に対する結晶相の量であり、パーセンテージとして表される。結晶化率は、ポリマーのX線回折を介して非晶質相及び結晶相の相対面積の分析によって、計算することができる。
ポリマーフィルムは一般に、ポリマーの薄い部分として説明されるが、300マイクロメートル以下の厚さであると理解されたい。
イオン伝導性は導電性とは異なることに留意されたい。イオン伝導性はイオン拡散係数に依存し、これらの特性はネルンスト―アインシュタインの式によって関連づけられる。
イオン伝導性及びイオン拡散係数は両方ともイオン移動度(モビリティ)の尺度である。材料中のイオンは、材料中のその拡散係数が正(ゼロより大きい)であるか、又は正の伝導性に寄与するならば、移動可能である。このようなイオン移動度測定はいずれも、特に指定のない限り、室温(約21℃)で行われる。イオン移動度は温度の影響を受けるので、低温での検出は困難である可能性がある。
装置の検出限界は、小さい移動度の量を決定する際のファクタとなり得る。移動度は、少なくとも1×10-42/s、好ましくは少なくとも1×10-132/sのイオンの拡散係数として理解することができ、これらは両方とも材料中でイオンが移動可能であることを伝える。
固体ポリマーイオン伝導性材料は、後述するような、ポリマーを含むイオン伝導性の固体である。
ある側面は、少なくとも3つの異なる構成要素、すなわちポリマー、ドーパント、及びイオン性化合物から固体イオン伝導性ポリマー材料を合成する方法を含む。構成要素及び合成方法は、材料の具体的な用途に応じて選択される。また、ポリマー、ドーパント、及びイオン性化合物の選択は、材料の所望の性能に基づいて変化し得る。例えば、所望の構成要素及び合成方法は、所望の物理的特性(例えば、イオン伝導度)の最適化によって決定され得る。
合成:
また、合成方法は、具体的な構成要素、及び最終材料の所望の形態(例えば、フィルム、粒子など)に依存して変わり得る。しかしながら、方法は、いくつかの基本的ステップ、すなわち、最初に少なくとも2つの構成要素を混合するステップ、オプションの第2の混合ステップにおいて第3の構成要素を加えるステップ、及び加熱ステップにおいて、構成要素/反応物質を加熱して固体イオン伝導性ポリマー材料を合成するステップを含む。本発明の1つの側面では、オプションで、得られた混合物を所望のサイズのフィルムに成形することができる。第1のステップにおいて作成される混合物中にドーパントが存在しない場合、その後、熱及びオプションで圧力(正圧又は真空)を与えている間に混合物に加えられてもよい。3つの構成要素の全てが存在する状態で混合し、加熱して固体イオン伝導性ポリマー材料の合成することが単一のステップで行われてもよい。しかし、加熱工程は、任意の混合から別の工程で行われてもよく、又は混合中に間に行われてもよい。加熱工程は、混合物の形態(例えば、フィルム、粒子など)に関係なく実施され得る。合成方法の一側面では、3つの構成要素の全てを混合した後、フィルムに押出加工される。フィルムは加熱され、合成が完了する。
反応物質の色は比較的明るい色であり、固体イオン伝導性ポリマー材料の色は比較的暗い又は黒色であるので、固体イオン伝導性ポリマー材料が合成されるとき、視覚的に観察可能な色の変化が生じる。この色変化は、電荷移動錯体が形成されているときに起こると考えられており、合成方法に応じて徐々に又は急速に起こり得る。
合成方法の一側面は、ベースポリマー、イオン性化合物、及びドーパントの混合、及び第2のステップにおける混合物で加熱である。ドーパントは気相であり得るので、加熱工程はドーパントの存在下で行われ得る。混合工程は、押出機、ブレンダ、ミル、又はプラスチック加工に典型的な他の装置内で行うことができる。加熱工程は数時間(例えば24時間)持続し得り、色変化は、合成が完全に又は部分的に完了したことの信頼できる指標である。
合成方法の一側面では、ベースポリマー及びイオン性化合物が最初に混合され得る。次
いで、ドーパントがポリマー・イオン性化合物の混合物と混合され、加熱が行われる。加熱は、第2の混合工程中に又は混合工程の後に混合物に適用され得る。
合成方法の別の側面では、ベースポリマー及びドーパントが最初に混合され、次いで加熱が行われる。この加熱工程は、混合後又は混合中に適用され得り、電荷移動錯体の形成、及びドーパントとベースポリマーとの間の反応を示す色変化を生じさせる。その後、反応したポリマー・ドーパント材料にイオン性化合物が混合され、固体イオン伝導性ポリマー材料の形成が完了する。
ドーパントを加える典型的な方法は、当業者に知られており、ベースポリマー及びイオン性化合物を含むフィルムの蒸気ドーピング、及び当業者に公知の他のドーピング方法を含み得る。ドーピングされると、固体ポリマー材料はイオン伝導性になる。ドーピングは固体ポリマー材料のイオン性成分を活性化してイオンを拡散させるように作用すると考えられている。
初期混合工程、二次混合工程、又は加熱後の混合工程中に、他の非反応性成分が上記混合物に加えられてもよい。このような他の成分としては、限定するものではないが、減極剤又はアノード若しくはカソード活性材料等の電気化学的活性材料、炭素等の導電性材料、結合剤又は押出助剤(例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー「EPDM」)等のレオロジー添加物、触媒、及び混合物の所望の物理的特性を達成するのに有用な他の成分が含まれる。
固体イオン伝導性ポリマー材料の合成において反応物質として有用なポリマーは、電子供与体、又は電子受容体によって酸化可能なポリマーである。結晶化指数が30%より高く、50%より高い半結晶性ポリマーは、適切な反応物質ポリマーである。液晶ポリマー(「LCP」)などの完全に結晶質のポリマー材料も、反応物質ポリマーとして有用である。LCPは完全に結晶質であり、したがって、結晶度指数は100%と定義される。ドーピングされていない共役ポリマー、及びポリフェニレンスルフィド(「PPS」)のようなポリマーも好適なポリマー反応物質である。
ポリマーは、典型的には導電性ではない。例えば、バージンPPSは10-20S cm-1の導電率を有する。非導電性ポリマーは、適切な反応物質ポリマーである。
一側面では、反応物質として有用なポリマーは、各繰り返しモノマー基の骨格内に芳香族又は複素環成分を有することができ、及び、複素環に組み込まれているか又は骨格沿いの芳香族環に隣接する位置にあるヘテロ原子を有し得る。ヘテロ原子は、骨格上に直接配置されてもよく、又は骨格上に直接配置された炭素原子に結合されてもよい。ヘテロ原子が骨格上に位置する場合、又は骨格上に位置する炭素原子に結合される場合のいずれにせよ、骨格原子は、芳香族環に隣接する骨格上の位置にある。本発明のこの側面で使用されるポリマーの非限定的な例は、PPS、ポリ(p-フェニレンオキシド)(「PPO」)、LCP、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、ポリフタルアミド(「PPA」)、ポリピロール、ポリアニリン、及びポリスルホンを含む群から選択され得る。列挙したポリマーのモノマーを含むコポリマー、及びこれらのポリマーの混合物も使用され得る。例えば、p-ヒドロキシ安息香酸のコポリマーは、適切な液晶ポリマーベースポリマーであり得る。
表2は、固体イオン伝導性ポリマー材料の合成に有用な反応物質ポリマーの非限定的例を、モノマー構造、及びいくらかの物理的特性情報とともに詳細に示す。なお、ポリマーは、物理的性質に影響を及ぼし得る複数の形態を取ることができるので、これらの情報も非限定的であると考慮されたい。
Figure 0007007198000002
固体イオン伝導性ポリマー材料の合成において反応物質として有用なドーパントは、電子受容体又は酸化剤である。ドーパントは、イオン輸送及び移動度のためにイオンを放つよう作用すると考えられており、そして、電荷移動錯体に類似する部位、もしくは、イオン伝導性を許容するためのポリマー内の部位を生成すると考えられている。有用なドーパントの非限定的な例は、キノン、例えば:「DDQ」とも呼ばれる2,3-ジシアノ-5,6-ジクロロジシアノキノン(C8Cl222)、クロラニルとも呼ばれるテトラクロロ-1,4-ベンゾキノン(C6Cl42)、TCNEとも呼ばれるテトラシアノエチレン(C64)、三酸化硫黄(「SO3」)、オゾン(三酸素又はO3)、酸素(O2、空気
を含む)、二酸化マンガン(「MnO2」)を含む遷移金属酸化物、又は任意の適切な電子受容体など、及びこれらの組み合わせである。合成加熱工程の温度で温度安定であるドーパントが有用であり、キノン、及び温度安定かつ強力な酸化剤である他のドーパントは非常に有用である。表3は、ドーパントの非限定的なリストを化学図とともに提供する。
Figure 0007007198000003
固体イオン伝導性ポリマー材料の合成において反応物質として有用なイオン性化合物は、固体イオン伝導性ポリマー材料の合成中に所望のイオンを放出する化合物である。イオン性化合物及びドーパントの両方が必要とされる点で、イオン性化合物はドーパントとは異なる。非限定的な例は、Li2O、LiOH、NaOH、KOH、LiNO3、Na2O、MgO、CaCl2、MgCl2、AlCl3、LiTFSI(リチウムビス-トリフルオロメタンスルホンイミド)、LiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiB(C242「LiBOB」)、及び他のリチウム塩、並びにこれらの組み合わせを含む。化合物の取り扱いを簡単にするために、これらの化合物の水和物(例えば、一水和物)が使用されてもよい。無機酸化物、塩化物、及び水酸化物は、合成中に解離して少なくとも1つのアニオン性拡散イオン及びカチオン性拡散イオンを生成する点で、適切なイオン性化合物である。解離して少なくとも1つのアニオン性拡散イオン及びカチオン性拡散イオンを生成するかかるイオン性化合物も、同様に適切であろう。複数のアニオン性拡散イオン及びカチオン性拡散イオンをもたらす複数のイオン性化合物もまた有用であり得る。合成に含まれる具体的なイオン性化合物は、材料に望まれるユーティリティに依存する。例えば、水酸化物アニオンを有することが望まれる用途では、水酸化リチウム、又は水酸化物イオンに変換可能な酸化物が適切であろう。同様に、合成中に拡散アニオンを放出する任意の水酸化物含有化合物も適切であろう。そのような水酸化物イオン性化合物の非限定的な群には、金属が含まれる。水酸化物イオン性化合物は、所望のカチオン性拡散種及びアニオン性拡散種の両方を生成可能な形態のアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、及びポスト遷移金属を含むことができ、それらは合成反応物質イオン性化合物として適切である。
意図しない副反応を防止し、合成反応の有効性を最大化して伝導性の高い材料を生成するために、材料の純度が潜在的に重要である。ドーパント、ベースポリマー、及びイオン性化合物の概して高い純度を有する実質的に純粋な反応物質が有用であり、98%を超え
る純度はより有用であり、さらに高い純度、例えば、LiOH:99.6%、DDQ:>98%、及びクロラニル:>99%も有用である。
固体イオン伝導性ポリマー材料のユーティリティ、及び上記の固体イオン伝導性ポリマー材料の合成方法の多様性をさらに説明するために、複数の電気化学的用途のために有用であて、それらの用途によって区別される固体イオン伝導性ポリマー材料のいくつかのクラスを記載する。
PPSポリマーとイオン性化合物LiOH一水和物を、それぞれ67対33重量%の割合でジェットミルを用いて混合した。このアンドープ混合物は、ドーピングの前にフィルム又は他の形状に押し出し成形され得る。一部をフィルムに押し出し成形して、(PPS及びLiOHの)アンドープフィルムが作成される。250~325℃の温度、中程度の圧力(500~1000PSI)下で、30分間蒸気ドーピングを行うことにより、DDQドーパントが得られた混合物を加え、固体イオン伝導性ポリマー材料(PPS/LiOH/DDQ)を合成した。
一側面では、固体イオン伝導性ポリマー材料PPS/LiOH/DDQは、最初にDDQドーパントとベースポリマーPPSモノメーターとを混合することによって、粒状形態で合成される。イオン性化合物LiOHを加え、三成分混合物を250~325℃で加熱することにより、上記粒状形態が生成される。
ブロッキング電極間で定電位法を用いて導電率を測定した結果、約6.5×10 -9S/cm(1×10-8S/cm未満)と測定された。
また、基本的NMR技術を使用して、PPS/LiOH/DDQ材料の圧縮成形粒状形態についてイオン拡散係数の測定を実施した。具体的には、パルス勾配スピンエコー(「PGSE」)リチウムNMR法によって、リチウム及び水酸化物イオンの拡散係数を評価した。PGSE-NMR測定は、Varian-S Direct Drive 300(7.1T)分光計を用いて行った。上記固体ポリマーイオン伝導性材料は、室温で5.7×10-112/sのLi+拡散係数を有し、OH-イオンの拡散係数は室温で4.1×10-112/sであった。これらの拡散係数の値は、アニオン及びカチオン輸率の両方を計算するために使用することができる。関連はしているが、アルカリ電池では、水酸化物の拡散係数が重要であるという点で、アニオン輸率がより関連性が高い。
合成後、厚さ20ミクロンの上記固体イオン伝導性ポリマー材料フィルムについて、室温で、空気成分透過性(すなわち酸素、水、及び二酸化炭素)試験を行った。固体イオン伝導性ポリマー材料フィルム、及びアンドープフィルム(同様に厚さ20ミクロン)の透過性を、Saint-Gobain製のZitex G-104フィルム(厚さ100ミクロン)と比較した。結果を表4に詳細に示す。透過率の結果は、モル ガス/cm2-秒の単位で表されている。
Figure 0007007198000004
ドーピングは、固体ポリマーフィルムの透過性に大きな変化をもたらす。合成された固体ポリマーフィルムは、いくらかのガス分別特性を示し、酸素透過率が重要であり、より低い二酸化炭素透過率と比較され得る。アンドープポリマーフィルムは、水及びCO2両方に対して不透過性である。一側面では、ドープド及びアンドープ固体ポリマーフィルムの組み合わせが、ガス分別システムにおける水及び二酸化炭素不透過性を提供することができる。
亜鉛空気電池:
大量生産プロセスを用いて製造可能な固体イオン伝導性ポリマー材料は、金属空気電池に適用可能である。一側面は、固体イオン伝導性ポリマー材料に基づく空気カソード、及び該空気カソードを含む金属空気電池である。
空気カソードは、固体イオン伝導性ポリマー材料と混合された導電性炭素粉末を含む単一層を使用することによって、従来の金属空気カソードを単純化する。導電性炭素は、グラファイト、カーボンブラック、グラフェン、導電性ポリマー、又はこれらの混合物の形態であり得る。
一側面では、追加の触媒が空気電極に追加される。固体イオン伝導性ポリマー材料と導電性炭素粉末の組み合わせは十分な触媒反応速度能力を提供するが、ペルオキシドの化学的分解をさらに触媒するために、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、コバルトテトラピラジノポルフィラジン誘導体、ペロブスカイト、及び他の化合物が有用であり、よって、場合によっては追加され得る。
実施例1で製造した固体イオン伝導性ポリマー材料を所望の割合で導電性炭素粉末と混合することにより空気カソードを作成し、電池の正端子に電気的に接続された導電性(例えば金属)電流コレクタ上に圧縮成形した。
上記固体イオン伝導性ポリマー材料を以下の様々な炭素と混合することによって、複数の空気電極を作成した。TIMCAL SUPER C45導電性カーボンブラック(C45)、Timcal SFG6(合成グラファイト)、Ashbury製のA5303カーボンブラック、及びAshbury製の天然ベイン(vein)グラファイトナノ99(N99)。炭素含有量は15~25重量%で変化させた。2032コインセルに適合するように、カソードをパンチングした。アノードとして亜鉛箔を使用した。不織セパレータを40%KOH水溶液で浸漬した。カソードに面するコイン上部に2つの穴を穿孔した。MTIコインセルテスターを用いて室温で、0.5mAの定電流でセルの放電を行った。
カソードパラメータ及び試験結果を表5にまとめる。放電曲線を図1に示す。空気カソードを有するセルは、混合物に慣用的な触媒(例えば、遷移金属ベース)を加えることなく、Zn空気電池の典型的な放電挙動を示した。
Figure 0007007198000005
空気支援亜鉛-MnO2電池:
空気支援亜鉛-二酸化マンガン電池では、β-MnO2(パイロルサイト)、ラムスデライト、γ-MnO2、ε-MnO2、λ-MnO2、及び他のMnO2相、又はこれらの組み合わせの形態の第2の減極剤又は電気化学的活性カソード材料が追加されてもよい(非限定的にEMD及びCMDなど)。この実施例は空気支援亜鉛-MnO2システムに限定されているが、他の金属空気システムでは、他の減極剤が追加され得る。そのような第2の減極剤は、30~70重量%の範囲内で加えられる。
実施例2に列挙した炭素のような導電性炭素が有用であり、同様に、Ketjenblack EC-600JDのような他の導電性炭素、及び電池分野において典型的で既知の他の導電性添加物も有用である。そのような導電性炭素が、10~60重量%の範囲内で加えられる。
固体イオン性ポリマー材料は、独立して調製されてもよいし、空気カソードの調製中に調製されてもよい。一側面では、反応物質ポリマー及びイオン性化合物が空気とともに混合され、その後加熱され、固体イオン伝導性ポリマー材料が作成される。他の側面では、反応物質ポリマー及びイオン性化合物がEMD又は他の減極剤とともに混合され、その後加熱され、固体イオン伝導性ポリマー材料が作成される。加熱中、混合物は、反応及びイオン伝導性材料への遷移を示す色変化を呈する。加熱工程後、第2の混合工程において、KOH溶液及び選択された導電性材料が添加される。EMDがまだ追加されていない場合は、EMDが第2の混合工程に含まれ得る。EMDが第1の混合行程に含まれていた場合、加熱工程が空気カソード開路電圧(「OCV」)に影響を及ぼす可能性があるため、OCV維持のために追加のEMDが任意で追加されてもよい。材料は、砕けやすい状態で加熱工程から出るので、第2の工程で容易に混合及び粒化されることができ、再破砕を必要としない。第2の混合工程は、環境的に安定であり、所望の空気カソード形状に成形する準備ができている粒子を製造し得る。
一側面では、カソードは、図2Aに示される、円筒形状の外管15、中心ピン20、並びに端部ブッシュ25及び26を備えるツール10を使用して調製することができる。各部品は、環状内部空間を形成するように配置される。所望の量のカソード材料粉末30が、中心ピン20が挿入された状態でツール10内に投入される。上端ブッシュ26が挿入され、ツールがプレス下に配置される。
図2Bを参照して、両端部ブッシュを所定の深さまで動かすよう、外部圧力が加えられる(矢印で示される)。その後、得られた中空カソードリング35は、缶内に移され得る。
図3を参照すると、標準的なANSIサイズの円筒缶100が示されており、これは、空気支援電池を構築するのに有用である。
この側面では、セルを構築するために3つのカソードリング121、122、及び123が使用される。全てのカソードセクションが缶に移された後、追加の圧力を加えて、カソードを缶壁に押し付け、空気カソード120と缶100の密着を確実にしてもよい。
カソードを配置した後、セパレータアセンブリ130が、空気カソード120に隣接するよう缶100内に配置される。セパレータアセンブリは、アルカリ電池の場合に典型的な様式である。セパレータ材料は、業界で従来使用されているセパレータ、例えば不織布材料から選択され得る。40%KOH溶液など、アルカリ電池で使用される典型的な電解質の測定量をセパレータに加えて濡らし、イオン伝導が可能にされ得る。電解質が吸収された後、内部空間は測定量の亜鉛材料で充填され、アノード140が形成される。次に、導電性釘150、負端子160、及びシールアセンブリ(図示せず)がセル内に配置され、所定の位置に固定される。
別の側面では、カソードは、所望量のカソード材料粉末を缶の底部に直接投入し、次いでセンターピンをカソード材料に通してカソードを形成することによって作成され得る。このカソード作成方法は、市販のアルカリ電池のカソード製法にとって典型的であり、カソードを成形するために使用される衝撃力のために、衝撃成形と呼ばれる。缶の完全性を維持するため、センターピンの衝撃によって環状カソードを形成する前に、まず、缶が補強シリンダ内に配置される。
アノード材料は、合金亜鉛粉末、KOH、ゲル化剤、及び安定剤、例えば酸化亜鉛、水酸化インジウム、有機界面活性剤などを含むスラリーの形態であり得る。アノードスラリーは、市販のアルカリ電池において典型的な方法で調整され、取り扱われる。
カソード材料粉末調製を除き、全ての材料及びプロセスが、アルカリ業界にとって典型的であり、当業者によく知られているものであり得る。したがって、既存のプロセス及び機器の多くが、電池の製造に利用され得る。
固体イオン伝導性ポリマー材料は、ベースポリマーの熱可塑性物理特性を保持する。例えば、固体イオン伝導性ポリマー材料は、様々なウェブ、環、粉末、メッシュ、コンボリュート、コーティング、フィルム、及び他の有用な形態に熱成形、押出、又は他の方法で成形され得る。カソード材料は固体イオン伝導性ポリマー材料によって包囲されるので、空気カソードは、この包囲状態を維持しながら成形され得るので、それ自体が熱可塑性である。この特性固体イオン伝導性ポリマー材料は、空気電極が複数の形状の単一層から作成され得るという点で、金属空気又は空気支援電池において特に有用である。
ほとんどのポリマーと同様に、固体イオン伝導性ポリマー材料は、その物理的性質を変えるために材料と混合され得る。金属空気又は空気支援電池の場合、酸素、水、及び二酸化炭素の分別進入が好ましい。テフロン、液晶ポリマー、又は他の既知の水バリアなどの疎水性材料を加えることにより、金属空気又は空気支援電池の空気電極に疎水性を与えることができる。二酸化炭素については、適切なフィルムの使用により不浸透性にすることができ、又は、人工的な又は自然に存在する吸着部位を有するゼオライトなどの適切な化合物によって吸着することができる。このような二酸化炭素ゼオライトは、固体イオン伝導性ポリマー材料と混合されたり、又はカソードと空気アクセス孔との間のフィルム内に設けられてもよく、これにより、酸素がセルに入り、所望の電気化学的ドレインレートを可能にするのに必要なレートで空気電極に到達することを可能にする一方、二酸化炭素及び水の透過性を選択的に防止するガス分別システムが作成される。
空気は、シールアセンブリ及び/又は缶壁に配置された空気穴(図示せず)を通って、図3に示すセル内に供給される。セルを漏れから保護するためにガス分別システムが使用
されてもよく、かかる膜は、空気孔等の空気侵入ポータルと空気電極の中間に位置することができ、大気ガス透過性を調節し、水がセルから出るのを防止し得る。このようなガス分別システムは、テフロンフィルム、固体イオン伝導性ポリマー材料などの疎水性保護膜、Zitexなどの他のガス分別膜、又は実施例1に詳述されるアンドープ材料を含み得る。また、ゼオライト及び他の吸着添加剤が、フィルムに組み込まれたり、又は他の方法でガス分別システムに組み込まれてもよい。
一側面では、空気カソードは、混合カソード構造を有する電池に使用され得る。
この混合構造は、典型的なアルカリカソード構造と組み合わせて説明したような空気カソードを使用する。例えば、図3に関連して説明した構成において、3つのカソードリング121~123が示されている。この側面では、二酸化マンガン、導電性炭素、KOH電解質、及びアルカリ電池カソードに典型的な他の添加物を有するが、固体イオン伝導性ポリマー材料は含まない少なくとも1つのリングを含むハイブリッドカソードを提供するために、リングのうちの少なくとも1つは、固体イオン伝導性ポリマー材料を含まない。さらに、少なくとも1つのリングは、固体イオン伝導性ポリマー材料、及び少なくとも導電性材料、例えば炭素を含む。固体イオン伝導性ポリマー材料を含むこのリングは、さらに、二酸化マンガン又は別の共減極剤、触媒、及び他の上記添加剤を含み得る。この側面の構成は、固体イオン伝導性ポリマー材料を含まないリングの相対インピーダンスがより低いため、高いドレインレートを可能にする。
しかし、この構成はまた、水性電解質を介して水酸化物イオンを伝導することができるので、固体イオン伝導性ポリマー材料を含まないリングが再充電されることを可能にする。したがって、このようなハイブリッド構造は、固体イオン伝導性ポリマー材料のユーティリティ、及び、典型的なシステムにおいて使用される場合における固体イオン伝導性ポリマー材料のシステム性能改善能力をさらに実証する。
したがって、固体イオン伝導性ポリマーは、所望の形状、表面積、孔隙度、及びガス分別特性を有する空気電極に含まれ得る。
粉砕したポリ(フェニレンスルフィド)ポリマー及び水酸化リチウム一水和物を67対33重量%の割合で合わせ、ジェットミルを用いて混合した。得られたイオン含有化合物-ポリマー混合物、二酸化マンガン粉末(Erachem製のEMD)、及びC45カーボンブラックをそれぞれ30%、50%、及び20%の割合で合わせ、V-ブレンダを用いて完全に混合した。
V-ブレンドされた混合物を加熱容器に入れ、所望の熱処理温度(305~345℃、又は300℃より高い温度、及び250~450℃)で所定時間加熱(10~50分)した。冷却後、得られた材料を炭素と混合した。一側面では、組成は50%二酸化マンガン、20%ケッチェンブラックEC-600JD、及び30%)ポリマー/LiOH混合物(重量%)である。別の側面では、炭素は10~30重量%を含み得り、二酸化マンガンは40~70重量%であり得り、残りはポリマー、イオン性化合物、及び他の添加剤である。
得られた粉末を再粉砕し、40%KOH溶液と約6重量で混合し、空気カソード混合物を作成した。
実施例3からの空気カソード混合物を、円筒形状の外管、センダーピン、及び複数の端
部ブッシュを含むツールに投入した。所望の量のカソード材料粉末が、底部ブッシュ及びセンターピンが挿入された状態でツール内に投入される。その後、上部ブッシュが挿入され、ツールがプレス下に配置される。両端のブッシュを所定の深さまで動かすために油圧が加えられ、中空リング形状のカソードセクションが形成される(図2a)。
ブッシュを抜き取った後、カソードセクションは缶の中に移され得る。
典型的には、セルを構築するために、3つのカソードセクションが使用される。各カソードセクションを配置した後、センターピンが再び挿入され、カソードセクションを膨張させて定位置に固定するために圧力が加えられる(図2b)。
市販の不織セパレータ(NKK)からなる従来のセパレータアセンブリをセルに挿入した。次いで、0.6ccの40%KOH溶液を加えた。市販のアルカリ電池から抽出したZnアノードスラリーを、セパレータの内側に加えた。釘及びシーリングアセンブリを挿入し、セル壁を軽く圧縮することにより固定した(図2c)。
空気アクセスを提供するために、空気アクセス孔をセル缶に穿孔した。
以下の表6において、空気陰極及びセルデザインを含む、実施例4に記載のAAセル構造を、比較用市販AAセル(「Coppertop」)と比較する。
Figure 0007007198000006
空気カソードのエネルギー密度は比較的高く、したがって、典型的なアルカリ電池のカソードほどに厚くする必要はなく、この体積の減少は、空気カソードの原材料要件を引き下げる。より薄いカソードによって提供されるより大きな内部空間は、金属空気電池のより大きなアノードを可能にする。また、アノードとカソードとの間のより大きい界面領域は、電極間のより高い物質移動領域を可能にし、これは、より高いドレインレートを可能にする。亜鉛スラリーの量は、市販のセルと比較して、ほぼ倍増され得り、対応する亜鉛対EMD比は、1:1よりはるかに大きい。換言すれば、アノード対カソード電気化学的活性重量比は、1(1:1)より大きい。カソードの共減極剤EMD対炭素の重量比は2:1より大きく、共減極剤EMD対ポリマー電解質の重量比は1:1より大きい。
開路電圧及びインピーダンスを確認した後、実施例4からのアセンブリセルをセルホルダーに入れ、Maccor4600A装置を用いて試験を行った。
図4は、150mA連続放電のもとでの、実施例4で作成されたAA電池、及び比較用Duracell Coppertop(ブラック)の放電曲線を示す。上記セルは、0.8V電圧カットオフまで4.2Ah供給した。これに対して、同じ条件下で、市販セル容量は約2.6Ahに制限された。
開路電圧及びインピーダンスを確認した後、実施例4からのアセンブリセルをセルホルダーに入れ、Maccor4600A装置を用いて試験を行った。
各セルについて、24Ohmの抵抗負荷での15秒間の断続的放電、後続する45秒間の休止が行われた。セル電圧が1.0Vに低下するまで試験が続けられた。標準リモコン試験では1日あたり8時間しか負荷をかけないので、この放電プロトコルは、標準リモコン試験の加速されたバージョンと考えることができる。
図5を参照して、実施例4からのセルを、市販のDuracell Coppertopセル及びEnergizer Maxセルの両方と比較した。これらの放電条件下において、実施例4のセルは、市販のAA電池よりも20%以上寿命が長かった。
開路電圧及びインピーダンスを確認した後、実施例4からのセルをセルホルダーに入れ、Maccor4600A装置を用いて試験を行った。
各セルについて、3.9Ohmの抵抗負荷での1時間の断続的放電、後続する1時間の休止が行われた。セル電圧が0.8Vに低下するまで試験が続けられた。この放電プロトコルは、標準玩具試験(toy test)と比較して、より短い休止期間を利用するので(1時間対23時間)、加速された玩具試験と考えることができる。
図6は、放電を時間の関数として示す。これらの放電条件下において、実施例4のセルは、市販のセルよりも200%近く寿命が長かった。
また、AAセルは以下の条件下において、3Ahより高い容量を示した:150~300mAの電流、0.8V電圧カットオフでの連続定電流放電;1時間の150~300mAカットオフ電流印加、後続する1時間の休止期間の断続的放電(0.8V電圧カットオフ);50mA、1.0V電圧カットオフでの連続定電流放電;1時間の50mA印加、後続する1時間の休止期間の断続的放電(1.0V電圧カットオフ);3.9Ohm、0.8電圧カットオフでの連続定抵抗放電;1時間の3.9Ohm適用、後続する1時間の休止期間の断続的定抵抗放電(0.8電圧カットオフ);42Ohm、1.0V電圧カットオフでの連続定抵抗放電;15秒間の42Ohm抵抗適用、後続する45秒間の休止期間の断続的定抵抗放電(1.0V電圧カットオフ)。
本願に従って作られたセルの性能を、典型的には異なるフォームファクタで実装される競合技術と比較するために、セル容量及び放電速度をセル体積あたりにノーマライズした。実施例4で組み立てられたセル及びDuracell Coppertopアルカリ電池の両方を、150及び250mAの定電流で放電させた。放電中に送られた容量を、標準AAセルの体積で割り、Ah/Lを計算した。同様に、放電電流をセル体積でノーマライズし、A/Lを取得した。
パナソニックPR2330コインセルを、10及び15mAの定電流で放電させた。容量及び放電速度は、上記のようにセル体積あたりにノーマライズした。Cegasa A
LR40/100セル(円筒形デザインの最小セル)の性能パラメータをデータシートから取得し、セル体積にノーマライズした。米国特許第5,079,106号に開示される結果に基づき、空気支援Eveready Dセルの性能を計算した。米国特許第7,238,448号及び米国特許第7,615,508号に報告される結果に基づき、空気支援Duracell AAセルの性能を計算した。断続的放電における放電レートは、報告されるデューティサイクルにわたる電流ドローを平均化することによって、連続放電と等価に変換した。例えば、2秒間の600mA負荷、後続する28秒間の休止は、40mAの連続放電(600×2/30=40)と等価である。上記のように、データはセル体積当たりにノーマライズされた。
図8は、上に列挙したセルの体積測定容量対レートプロファイルの比較を示す。空気支援セルは、アルカリ電池に典型的な放電レートで動作し、著しく大きなセル容量を示す。
固体イオン伝導性ポリマー材料は、電気化学反応(酸素還元)に関与し、酸素還元を促進し、カソードの疎水性を向上させることによって、性能を向上させると考えられる。
薄膜空気カソード
本発明の一側面では、固体イオン伝導性ポリマー材料を含む上記空気カソードは、薄膜構造の形態を取り得る。固体イオン伝導性ポリマー材料は、空気カソードが2つ以上のフィルム層を含むことを可能にし、フィルム層は、缶のような構造に組み込まれたり、又は、柔軟な筐体とともに若しくは容器や筐体なしで動作する可撓性薄膜電池として動作し得る。図7を参照すると、この側面の薄膜電池200のグラフ図が示されている。この側面は、薄膜電池として特徴付けられるが、以下に説明する電池構成要素の相対的厚さは限定的ではない。
カソード210は3つの構成要素層と、第1の表面221、及び大気又は別の酸素供給源から酸素を受け取る第2の表面222とを有する空気電極220とを含む。空気カソードは、カソードコレクタ225に電気的に接続され、カソードコレクタ225は空気カソードと接触し、空気カソード220から負荷226への導電性を提供する。空気カソードは材料、及び、炭素、グラファイト、又はカソードにおいて導電性材料として典型的に使用される他の材料などの導電性材料を含む。
空気カソードは、ガス分別層230から第2の表面222を通して酸素を受け取ることができる。ガス分別層はオプションであり、本発明の一側面では、空気カソードに組み込まれ得る。ガス分別層は、空気電極が以下のような状況で恩恵を受ける環境において、すなわち、空気から等、電池に利用可能であるものよりも大きい酸素局部濃縮から恩恵を受ける場合、電池が、ガス分別層を用いないときよりも低い水及び二酸化炭素濃度の恩恵を受ける場合、及び電池が、空気電極から流出する水分に対するバリアの恩恵を受ける場合に有用であり、必要とされ得る。酸素、水、及び二酸化炭素の分別輸送は、かかる分別輸送を可能にし、ガス分別層に組み込み可能な材料を含めることによって、ガス分別層内に組み込まれ得る。このような材料には、テフロンなどの疎水性材料、液晶ポリマー(「LCP」)、又は他の既知の水バリア、人工的な又は自然に存在する吸着部位を有する二酸化炭素吸着ゼオライトが含まれる。このような材料は、固体イオン伝導性ポリマー材料又は他の膜と混合され得り、これにより、酸素がセルに入り、所望の電気化学的ドレインレートを可能にするのに必要なレートで空気電極に到達することを可能にする一方、二酸化炭素及び水の透過性を選択的に妨害及び防止するガス分別システムが作成される。
負荷がかけられており、空気電極220に酸素が輸送されている状態において、空気電極は、酸素を水酸化物イオンに電気化学的に還元し、水酸化物イオンは酸素とともに、空気電極から、構成要素である固体イオン伝導性ポリマー材料を介して第1の表面221に
伝導される。第1の表面は、空気カソード第2の部分240を含むオプションの共減極剤とイオン的に連絡し得る。空気カソード第2の部分は、固体イオン伝導性ポリマー材料、炭素などの導電性材料、及びEMDなどの共減極剤又は他の適切なカソード減極剤を含む。一側面では、カソード第2の部分は、水酸化カリウム溶液を含むことができ、水性金属空気セルにおいて、これを第1の表面221及びカソード210全体に輸送するよう作用し得る。EMD又は他の共減極剤は、電気化学的に反応し、還元された形態で、カソード第2の部分又は組み合わせ空気カソードに輸送される過酸化物イオン及び酸素によって再酸化され得る。この層又は第2の部分は別個のフィルムとして記載されているが、一側面では、空気カソードに組み込まれたり、又は空気カソードと置換されてもよい。この層は、固体イオン伝導性ポリマー材料を含むのでイオン伝導性であり、また、炭素又は他の適切な導電性材料のために導電性であり、セパレータ層250を介してアノードに水酸化物イオンをイオン伝導するように作用する。
セパレータ層250は、固体イオン伝導性ポリマー材料を含み、カソード210とアノード260との間の誘電体バリアとして作用するので、導電性ではない。このセパレータ層は、別個の層であってもよいし、アノード260に組み込まれてもよい。したがって、セパレータ層250は、イオン伝導性であり、誘電性で電気化学的に不活性であり、カソード210の空気電極250、又は存在する場合には第2の部分240との間に差し込まれる。水性電池では、セパレータ層はまた、アノードとカソードとの間の流体輸送層として作用する。セパレータ層は、アノードとカソードとの間であって、かつ、カソード(空気カソード及び/又は第2のカソード層を含むか含まないかにかかわらず)に隣接して配置される。
アノード260は、アノード電流コレクタ265を含み、例えばアノードが金属箔又は構造である場合には、それに物理的に接続され、又は、例えばアノードがゲルなどの材料内に配置された電気化学的活性材料を含む場合には、それに電気的に接続される。一側面では、アノード260は固体イオン伝導性ポリマー材料を含むことができ、その場合、固体イオン伝導性ポリマー材料が電気化学的活性材料及び任意の導電性材料をカソード210から電気的に絶縁できるという点において、セパレータ層250は必要とされない。電気化学的活性材料が固体イオン伝導性ポリマー材料で囲まれている場合、アノードは、いかなる追加環境保護も必要としない可能性がある。しかしながら、かかる保護が、ポーチ、缶、筐体、又は他の典型的な電池包装内にアノード及び電池を含めることによって提供されてもよい。
本発明のこの側面は、設計における柔軟性を提供し、高エネルギー密度の可撓性電池を可能にする。電池200及びその構成要素は、用途に応じてサイズ変更され得り、包装されてもされなくてもよい。固体イオン伝導性ポリマー材料は熱可塑性材料であるので、電池200の上記構成要素は、ヒートシール、共押出、又は他の方法で一体化され、単一の一体的フィルムとされてもよい。
本発明の特定の好ましい実施形態に基づき、本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、多くの改変及び変更を行い得る。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書に示す実施形態を説明する詳細な事項及び手段によっては限定されない。記載された側面の概念から逸脱することなく、上記構造に変更及び改変を加えることができることを理解されたい。さらに、かかる概念は、添付の特許請求の範囲に特に明記されない限り、特許請求の範囲によって包含されるものであることを理解されたい。

Claims (22)

  1. 導電性材料及び固体イオン伝導性ポリマー材料を含む空気電極と、第1の電気化学的活性材料を含む負極と、前記空気電極と前記負極との間に差し込まれ、前記空気電極と接触する、イオン伝導性かつ誘電性の電気化学的不活性材料とを備える金属空気電池であって、
    前記空気電極が酸素ガス供給源にさらされ、前記電池に負荷がかかっているとき、酸素を還元するように作用し、前記固体イオン伝導性ポリマー材料が固体を通ってイオン伝導性であるが、溶媒相、ゲル相または液相を通ってはイオン伝導性ではなく、かつ、
    前記固体イオン伝導性ポリマー材料は21℃の室温において1×10-5 S/cmより高いイオン伝導率を有し、
    前記固体イオン伝導性ポリマー材料はベースポリマーと電子受容体とイオン性化合物との反応生成物により形成されており、
    前記ベースポリマーは、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリ(p-フェニレンオキシド)(PPO)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリピロール、ポリアニリン及びポリスルホン、並びに前記の各ポリマーのモノマーを含むポリマー及び前記ポリマーの混合物、ポリアニリンポリフェニルアミン([CNH])、ポリパラフェニレン テレフタルアミド([-CO-C-CO-NH-C-NH-])、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及びポリエチレン(PE)からなる群より選択され、
    前記イオン性化合物はLiO、LiOH、NaOH、KOH、LiNO、NaO、MgO、CaCl、MgCl、AlCl、LiTFSI(リチウムビス-トリフルオロメタンスルホンイミド)、LiFSI(リチウムビス(フルオロスホニル)イミド)、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiB(C、LiBOB)及び他のリチウム塩、並びにこれらの組み合わせ物からなる群より選択され、
    前記電子受容体は2,3-ジシアノ-5,6-ジクロロジシアノキノン(DDQ)(Cl2)、テトラクロロ-1,4-ベンゾキノン(クロラニル、CCl)、テトラシアノエチレン(TCNE)(C)、三酸化硫黄(SO)、オゾン(三酸素又はO)、酸素(O、空気を含む)、二酸化マンガン(MnO)を含む遷移金属酸化物,及びこれらの組み合わせ物からなる群より選択され、
    前記第1の電気化学的活性材料は亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、又はリチウムからなる群から選択される、
    金属空気電池。
  2. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、250℃より高い融点を有し、前記融点より低い温度でガラス状態で存在し、かつ、
    少なくとも1つのカチオン性拡散イオン及び少なくとも1つのアニオン性拡散イオンを備え、少なくとも1つの拡散イオンはガラス状態において移動可能である、請求項1に記載の電池。
  3. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料の電子伝導率は、室温で1×10-8S/cm未満である、請求項1に記載の電池。
  4. 少なくとも1つのカチオン性拡散イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、又はポスト遷移金属を含む、請求項2に記載の電池。
  5. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料1リットル当たり、少なくとも1モルの少なくとも1つのカチオン性拡散イオンが存在する、請求項2に記載の電池。
  6. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、30%より大きい結晶化度を有し、前記結晶化度は該ポリマーのX線回析を介して非晶質相及び結晶相の相対面積の分析によって計算することができる、請求項1に記載の電池。
  7. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料は熱可塑性である、請求項1に記載の電池。
  8. 前記空気電極は、酸素を還元するときに水酸化物イオンを生成し、前記固体イオン伝導性ポリマー材料は、水酸化物イオンをイオン伝導する、請求項1に記載の電池。
  9. 前記アニオン性拡散イオンは水酸化物イオンである、請求項2に記載の電池。
  10. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料のイオン伝導性は等方性である、請求項1に記載の電池。
  11. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料が室温で1×10-4S/cmより高いイオン伝導率を有する、請求項1に記載の電池。
  12. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料が80℃で1×10-3S/cmより高いイオン伝導率を有する、請求項1に記載の電池。
  13. 前記固体イオン伝導性ポリマー材料が-40°Cで1×10-5S/cmより高いイオン伝導率を有する、請求項1に記載の電池。
  14. 前記空気電極は、さらに、第2の電気化学的活性材料を含む、請求項1に記載の電池。
  15. 前記第2の電気化学的活性材料は、金属酸化物を含む、請求項14に記載の電池。
  16. 前記金属酸化物は二酸化マンガンである、請求項15に記載の電池。
  17. 前記第1の電気化学的活性材料は、亜鉛を含む、請求項1に記載の電池。
  18. 前記ベースポリマーはポリフェニレンスルフィド(PPS)であり、前記イオン化合物はLiOHであり、前記電子受容体は2,3-ジシアノ-5,6-ジクロロジシアノキノン(DDQ)であり、かつ、前記導電性材料は炭素を含む、請求項1に記載の電池。
  19. 前記電池は非水性であり、前記イオン伝導性かつ誘電性の電気化学的不活性材料は、固体イオン伝導性ポリマー材料を含む、請求項1に記載の電池。
  20. 前記導電性材料は、炭素を含む、請求項1に記載の電池。
  21. 前記イオン伝導性かつ誘電性の電気化学的不活性材料は、前記空気電極に隣接して配置された不織セパレータと、水性電解質の両方を備える、請求項1に記載の電池。
  22. 前記空気電極は、酸素還元触媒をさらに含む、請求項1に記載の電池。
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