JP7007147B2 - カロリメトリックセンサ、それを用いた検査装置 - Google Patents
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Description
本明細書には、本発明の一実施の形態として、カロリメトリックセンサが開示される。カロリメトリックセンサは、熱電変換薄膜と、熱電変換薄膜の上に形成された基準電極と、熱電変換薄膜の上に形成され、検体と反応する酵素が定着している反応電極と、を備え、基準電極と反応電極の間の電位差が測定可能に構成され、基準電極と反応電極は、当該カロリメトリックセンサが形成されるチップの1辺に対して傾斜した方向に離間している。
これにより第1ブリッジ部分と第2ブリッジ部分の梁構造で反応電極を支えることができる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図5(a)、(b)は、カロリメトリックセンサ1の使用を説明する図である。図5(a)に示すように、第1封止テープ6の開口7の部分に、液体試料の液滴80を垂らして、使用してもよい。あるいは図5(b)に示すように、液体試料82で満たされた容器84の中に、カロリメトリックセンサ1を浸してもよい。
図6(a)は、カロリメトリックセンサ1の第1の利点を説明する図である。基準電極2と反応電極4は、チップの1辺に対して傾斜した方向に離間している。このときの2つの電極間の距離をl1とする。図5には、比較のために、反応電極4に対して、チップの1辺と平行な方向に離間した基準電極3が破線で示され、基準電極3と反応電極4の距離はl2である。図6(a)から明らかなように、l1>l2が成り立っており、2つの電極を斜め方向にレイアウトすることで、それらの熱的なアイソレーションを高めることができる。基準電極2の温度が、反応電極4における熱反応の影響を受けにくくなるため、検出感度を高めることができる。
図6(b)は、カロリメトリックセンサ1の第2の利点を説明する図である。反応電極4は、チップに対して45度傾いた矩形である。図6(b)には、比較のために、チップに対して傾斜されない反応電極5が示され、基準電極2と反応電極5の距離はl3である。
図6(b)から明らかなように、l1>l3が成り立っており、反応電極4を傾斜させることで、反応電極4と基準電極2間の熱的なアイソレーションを高めることができる。基準電極2の温度が、反応電極4における熱反応の影響を受けにくくなるため、検出感度を高めることができる。
図1や図2(b)に示すように、センシング領域50において、反応電極4の直下には、空間22が設けられる。これにより、カロリメトリックセンサ1のセンシングに寄与する部分(主として熱電変換薄膜10)の熱容量を小さくでき、検出感度を高めることができる。
実施の形態では、カロリメトリックセンサ1を液体に浸漬させて、濃度を測定した。この方式では、液体の容積が大きいため、反応時間が数分と長くなる。そこでカロリメトリックセンサ1の上側に、微小な流路(反応室)を形成し、反応室に閉じ込めた試料溶液を測定してもよい。
2 基準電極
4 反応電極
10 熱電変換薄膜
12 第1部分
14 第2部分
16 第1ブリッジ部分
18 第2ブリッジ部分
20 基体
6 第1封止テープ
8 第2封止テープ
W1 第1配線
W2 第2配線
40 チップ
42 SOI基板
44 Si支持層
46 SiO2絶縁層
48 Siデバイス層
PAD1 第1パッド
PAD2 第2パッド
50 センシング領域
52 I/O領域
60,62 プローブ
200 検査装置
Claims (11)
- 熱電変換薄膜と、
前記熱電変換薄膜の上に形成された基準電極と、
前記熱電変換薄膜の上に形成され、検体と反応する酵素が定着している反応電極と、
を備え、前記基準電極と前記反応電極の間の電位差が測定可能に構成され、
前記基準電極と前記反応電極は、当該カロリメトリックセンサが形成されるチップの1辺に対して傾斜した方向に離間していることを特徴とするカロリメトリックセンサ。 - 前記熱電変換薄膜を支持する基板をさらに備え、
前記基板には、前記反応電極および前記基準電極を包含する矩形のセンシング領域において空間が設けられることを特徴とする請求項1に記載のカロリメトリックセンサ。 - 前記熱電変換薄膜と前記基板はそれぞれ、SOI(Silicon On Insulator)基板の最表層のSiデバイス層と最下層のSi支持層であることを特徴とする請求項2に記載のカロリメトリックセンサ。
- 前記反応電極は、前記センシング領域の略中央に位置し、
前記基準電極は、前記センシング領域のコーナーに位置することを特徴とする請求項2または3に記載のカロリメトリックセンサ。 - 前記熱電変換薄膜は、
その上に前記反応電極が形成される第1部分と、
前記センシング領域を取り囲むI/O領域に形成される第2部分と、
一端が前記センシング領域の第1コーナーにおいて前記第2部分と接続され、他端が前記第1部分と接続される第1ブリッジ部分と、
一端が前記センシング領域の前記第1コーナーと対角の第2コーナーにおいて前記第2部分と接続され、他端が前記第1部分と接続される第2ブリッジ部分と、
を含むことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のカロリメトリックセンサ。 - 前記I/O領域に形成される第1パッドおよび第2パッドと、
前記基準電極とコンタクトが取られ、前記第1ブリッジ部分または前記第2ブリッジ部分を経由して前記第1パッドと接続される第1配線と、
前記反応電極とコンタクトが取られ、前記第1ブリッジ部分または前記第2ブリッジ部分を経由して前記第2パッドと接続される第2配線と、
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のカロリメトリックセンサ。 - 前記反応電極は、前記チップに対して45度傾いた矩形であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカロリメトリックセンサ。
- 前記カロリメトリックセンサの表面に設けられ、前記反応電極とオーバーラップする開口を有する第1封止テープをさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のカロリメトリックセンサ。
- 前記カロリメトリックセンサの裏面に設けられた第2封止テープをさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のカロリメトリックセンサ。
- 請求項1から9のいずれかに記載のカロリメトリックセンサと、
前記基準電極と前記反応電極の間の電位差に応じた検出信号を生成するセンスアンプと、
前記検出信号を処理する処理部と、
を備えることを特徴とする検査装置。 - 前記処理部は、(i)反応開始から第1所定時間経過後の値が第1所定値となるように前記検出信号をオフセットし、(ii)オフセット後の前記検出信号の波形を、値が第2所定値である時刻から第2所定時間にわたり積分することを特徴とする請求項10に記載の検査装置。
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JP2017196192A JP7007147B2 (ja) | 2017-10-06 | 2017-10-06 | カロリメトリックセンサ、それを用いた検査装置 |
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JP2014122870A (ja) | 2012-11-22 | 2014-07-03 | Mitsuteru Kimura | 温度差センサと絶対温度センサの組合せによる絶対温度出力センサ |
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