JP7007147B2 - カロリメトリックセンサ、それを用いた検査装置 - Google Patents

カロリメトリックセンサ、それを用いた検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、カロリメトリックセンサに関する。
液体試料中の特定成分を検出するためにバイオセンサが用いられる。バイオセンサの方式のひとつとして、カロリメトリック方式が提案されている。カロリメトリック方式のバイオセンサ(以下、カロリメトリックバイオセンサ、あるいは単にカロリメトリックセンサという)は、熱電対をなす一対の電極を備える。一方の反応電極には溶液中のターゲット物質と反応する酵素が塗布されており、酵素とターゲット物質が反応することにより発熱する。他方の基準電極は、温度が変動しないように反応電極と熱的にアイソレートされている。反応電極においてターゲット物質の濃度に応じた温度上昇が発生すると、温度上昇に応じた電位差が観測される(特許文献1や特許文献2参照)。
特開2015-200611号公報 特開2016-173273号公報 特開2015-21779号公報 特開2012-242335号公報 特開昭61-212750号公報
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、検出感度が改善されたカロリメトリックバイオセンサの提供にある。
本発明のある態様はカロリメトリックセンサに関する。カロリメトリックセンサは、熱電変換薄膜と、熱電変換薄膜の上に形成された基準電極と、熱電変換薄膜の上に形成され、検体と反応する酵素が定着している反応電極と、を備え、基準電極と反応電極の間の電位差が測定可能に構成される。基準電極と反応電極は、当該カロリメトリックセンサが形成されるチップの1辺に対して傾斜した方向に離間している。
本発明の別の態様は、検査装置に関する。検査装置は、上述のカロリメトリックセンサと、カロリメトリックセンサの基準電極と反応電極の間の電位差に応じた検出信号を生成するセンスアンプと、検出信号を処理する処理部と、を備える。処理部は、(i)反応開始から第1所定時間経過後の値が第1所定値となるように検出信号をオフセットし、(ii)オフセット後の検出信号の波形を、値が第2所定値である時刻から第2所定時間にわたり積分する。
本発明の別の態様は、カロリメトリックセンサの製造方法に関する。製造方法は、SOI(Silicon On Insulator)基板にイオン注入するステップと、オーミック電極を形成するステップと、SiO2層を形成し、一部をエッチングするステップと、配線を形成するステップと、SiO2層を形成し、一部をエッチングするステップと、電極パッドを形成するステップと、SOI基板のデバイス層とBOX層を除去するステップと、センシング領域の直下の支持層を除去するステップと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、検出感度が改善されたカロリメトリックバイオセンサを提供できる。
実施の形態に係るカロリメトリックセンサの斜視図である。 図2(a)、(b)は、実施の形態に係るカロリメトリックセンサの平面図および断面図である。 熱電変換薄膜の斜視図である。 配線構造の一例を示す図である。 図5(a)、(b)は、カロリメトリックセンサの使用を説明する図である。 図6(a)、(b)は、カロリメトリックセンサの利点を説明する図である。 図7(a)~(d)は、カロリメトリックセンサの製造方法を示す断面図である。 図8(a)~(c)は、カロリメトリックセンサの製造方法を示す断面図である。 カロリメトリックセンサを備える検査装置を示す図である。 図10(a)、(b)は、カロリメトリックセンサによる測定結果を示す図である。 演算処理を施したセンサの出力を示す図である。 図11の波形を、時刻0から所定時間にわたって積分した値と、濃度の関係を示す図である。
(概要)
本明細書には、本発明の一実施の形態として、カロリメトリックセンサが開示される。カロリメトリックセンサは、熱電変換薄膜と、熱電変換薄膜の上に形成された基準電極と、熱電変換薄膜の上に形成され、検体と反応する酵素が定着している反応電極と、を備え、基準電極と反応電極の間の電位差が測定可能に構成され、基準電極と反応電極は、当該カロリメトリックセンサが形成されるチップの1辺に対して傾斜した方向に離間している。
この実施の形態によると、基準電極と反応電極を、チップの1辺と平行な方向に離間した場合に比べて、それらの距離を長くできるため、それらの熱的なアイソレーションを高めることができ、検出感度を改善できる。
一実施の形態において、カロリメトリックセンサは、熱電変換薄膜を支持する基体をさらに備えてもよい。反応電極および基準電極を包含する矩形のセンシング領域において、熱電変換薄膜の直下は空洞であってもよい。これによりセンシング領域の熱容量を小さくできるため、さらに検出感度を改善できる。
一実施の形態において、熱電変換薄膜と基体はそれぞれ、SOI(Silicon On Insulator)基板の、最表層のデバイス層と、最下層の支持層であってもよい。これにより、熱電変換薄膜と基体を容易に形成することができる。
反応電極は、センシング領域の略中央に位置し、基準電極は、センシング領域のコーナーに位置してもよい。これにより反応電極を、周囲のパッドやその他の回路素子から遠ざけることができ、検出感度を高めることができる。
一実施の形態において、熱電変換薄膜は、その上に反応電極が形成される第1部分と、センシング領域を取り囲むI/O領域に形成される第2部分と、一端がセンシング領域の第1コーナーにおいて第2部分と接続され、他端が第1部分と接続される第1ブリッジ部分と、一端がセンシング領域の第1コーナーと対角の第2コーナーにおいて第2部分と接続され、他端が第1部分と接続される第2ブリッジ部分と、を含んでもよい。
これにより第1ブリッジ部分と第2ブリッジ部分の梁構造で反応電極を支えることができる。
一実施の形態において、カロリメトリックセンサは、I/O領域に形成される第1パッドおよび第2パッドと、第1ブリッジ部分または第2ブリッジを経由して第1パッドと基準電極とを結線する第1配線と、第1ブリッジ部分または第2ブリッジを経由して第2パッドと反応電極とを結線する第2配線と、をさらに備えてもよい。
一実施の形態において、反応電極は、チップに対して45度傾いた矩形であってもよい。これにより、同じサイズの反応電極を、チップに対して平行な矩形とした場合に比べて、反応電極と基準電極間の熱的なアイソレーションを高めることができる。
一実施の形態において、カロリメトリックセンサは、カロリメトリックセンサの表面に設けられ、反応電極とオーバーラップする開口を有する第1封止テープをさらに備えてもよい。
一実施の形態において、カロリメトリックセンサは、カロリメトリックセンサの裏面に設けられた第2封止テープをさらに備えてもよい。これにより、センシング領域の下方の空間に、試料が浸潤するのを防止できる。
(実施の形態)
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図面に記載される各部材の寸法(厚み、長さ、幅など)は、理解の容易化のために適宜、拡大縮小されている場合がある。さらには複数の部材の寸法は、必ずしもそれらの大小関係を表しているとは限らず、図面上で、ある部材Aが、別の部材Bよりも厚く描かれていても、部材Aが部材Bよりも薄いこともあり得る。
図1は、実施の形態に係るカロリメトリックセンサ1の斜視図である。図2(a)、(b)は、実施の形態に係るカロリメトリックセンサ1の平面図および断面図である。
カロリメトリックセンサ1は、たとえば数ミリ角の矩形のチップ40である。チップ40の中央付近の矩形領域をセンシング領域50、それを囲むロの字型の領域をI/O領域52と称する。
カロリメトリックセンサ1は、センシング領域50に包含される基準電極2および反応電極4を備える。反応電極4の表面には、液体試料中の特定成分(検体の基質)と反応する酵素が定着している。酵素を固着する方法は特に限定されないが、たとえば水溶性感光性樹脂(たとえば東洋合成工業社製のBiosurfine)に酵素を混ぜ、反応電極4に塗布し、紫外線を照射して硬化させてもよい。あるいは反応電極4の表面に酵素接着層を形成し、接着層に酵素を吸着させてもよい。
カロリメトリックセンサ1は、基準電極2と反応電極4の間の電位差ΔVが測定可能に構成される。I/O領域52には、第1パッドPAD1、第2パッドPAD2が設けられる。第1パッドPAD1は、図示しない第1配線を介して基準電極2と電気的に接続され、第2パッドPAD2は、図示しない第2配線を介して反応電極4と電気的に接続される。たとえば第1パッドPAD1、第2パッドPAD2に、プローブ60,62を接触させることにより、電位の測定が可能である。
図1あるいは図2(a)に示されるように、基準電極2と反応電極4は、当該カロリメトリックセンサ1が形成されるチップ40の1辺に対して傾斜した方向に離間している。
図2(b)を参照する。基準電極2および反応電極4は、熱電変換薄膜10の上に形成される。熱電変換薄膜10の材料は特に限定されないが、Si(シリコン)を用いるとよい。Siは大きなゼーベック係数を有する上に、一般的な半導体製造プロセスとの整合性が高いという利点がある。
図2(b)に示すように熱電変換薄膜10は、I/O領域52において基体20によって支持されている。基体20には、反応電極4および基準電極2を包含する矩形のセンシング領域50において空間22が設けられる。たとえば基体20は、センシング領域50を取り囲むロの字型である。
本実施の形態において、カロリメトリックセンサ1は、SOI(Silicon On Insulator)基板42の上に形成される。SOI基板42は、Si支持層44、Siデバイス層48、およびそれらの間のSiO絶縁層(BOX層:Buried Oxide)46からなる。熱電変換薄膜10は、Siデバイス層48であり、基体20はSi支持層44である。たとえばSi支持層44の厚さは350μmであり、Siデバイス層48は厚さ5μmである。
反応電極4は、チップ40に対して45度傾いた矩形であり、センシング領域50の略中央に位置する。一方、基準電極2は、センシング領域50のコーナーに位置する。
図2(b)に示すように、第1封止テープ6は、カロリメトリックセンサ1の表面に設けられ、反応電極4とオーバーラップする開口7を有する。また、カロリメトリックセンサ1の裏面は、第2封止テープ8によって封止されている。第1封止テープ6および第2封止テープ8は、耐熱粘着テープ(ポリイミドフィルム)であってもよい。
図1に示すように熱電変換薄膜10は架橋構造を有する。図3は、熱電変換薄膜10の斜視図である。熱電変換薄膜10は、第1部分12、第2部分14、第1ブリッジ部分16、第2ブリッジ部分18を含む。第1部分12は、その上に反応電極4が形成される部分である。第2部分14は、I/O領域52に対応する部分である。第1部分12は、第1ブリッジ部分16および第2ブリッジ部分18によって、空間22の上に支持される。第1ブリッジ部分16は、一端がセンシング領域50の第1コーナーC1において第2部分14と接続され、他端が第1部分12と接続される。第2ブリッジ部分18は、一端がセンシング領域50の第1コーナーC1と対角の第2コーナーC2において第2部分14と接続され、他端が第1部分12と接続される。
第1ブリッジ部分16および第2ブリッジ部分18の幅は、可能な限り狭くすることが好ましい。後述のように、第1ブリッジ部分16(第2ブリッジ部分18)に配線を形成する場合、所望の配線を形成しうる範囲において、なるべく狭くすることが好ましい。これにより、熱電変換薄膜10のセンシングに寄与する部分の熱容量を下げることができ、検出感度を高めることができる。たとえば第1ブリッジ部分16および第2ブリッジ部分18の幅は、50μm~200μm程度とするとよい。
図4は、配線構造の一例を示す図である。熱電変換薄膜10の第1ブリッジ部分16には、第1配線W1および第2配線W2が形成される。第1配線W1は、第1ブリッジ部分16を経由して第1パッドPAD1と基準電極2を結線する。第2配線W2は、第1ブリッジ部分16を経由して第2パッドPAD2と反応電極4を結線する。第1配線W1は、ビアホールVIA1を介して基準電極2とコンタクトが取られており、第2配線W2は、ビアホールVIA2を介して反応電極4とコンタクトが取られる。第1配線W1および第2配線W2が形成される配線層と、基準電極2および反応電極4が形成される配線層の間には、図示しない層間絶縁膜が形成される。
以上がカロリメトリックセンサ1の構造である。続いてその使用を説明する。
図5(a)、(b)は、カロリメトリックセンサ1の使用を説明する図である。図5(a)に示すように、第1封止テープ6の開口7の部分に、液体試料の液滴80を垂らして、使用してもよい。あるいは図5(b)に示すように、液体試料82で満たされた容器84の中に、カロリメトリックセンサ1を浸してもよい。
(第1の利点)
図6(a)は、カロリメトリックセンサ1の第1の利点を説明する図である。基準電極2と反応電極4は、チップの1辺に対して傾斜した方向に離間している。このときの2つの電極間の距離をlとする。図5には、比較のために、反応電極4に対して、チップの1辺と平行な方向に離間した基準電極3が破線で示され、基準電極3と反応電極4の距離はlである。図6(a)から明らかなように、l>lが成り立っており、2つの電極を斜め方向にレイアウトすることで、それらの熱的なアイソレーションを高めることができる。基準電極2の温度が、反応電極4における熱反応の影響を受けにくくなるため、検出感度を高めることができる。
(第2の利点)
図6(b)は、カロリメトリックセンサ1の第2の利点を説明する図である。反応電極4は、チップに対して45度傾いた矩形である。図6(b)には、比較のために、チップに対して傾斜されない反応電極5が示され、基準電極2と反応電極5の距離はlである。
図6(b)から明らかなように、l>lが成り立っており、反応電極4を傾斜させることで、反応電極4と基準電極2間の熱的なアイソレーションを高めることができる。基準電極2の温度が、反応電極4における熱反応の影響を受けにくくなるため、検出感度を高めることができる。
(第3の利点)
図1や図2(b)に示すように、センシング領域50において、反応電極4の直下には、空間22が設けられる。これにより、カロリメトリックセンサ1のセンシングに寄与する部分(主として熱電変換薄膜10)の熱容量を小さくでき、検出感度を高めることができる。
続いて、カロリメトリックセンサ1の製造方法の一例を説明する。図7(a)~(d)および図8(a)~(c)は、カロリメトリックセンサ1の製造方法を示す断面図である。
図7(a)に示すように、SOI(Silicon On Insulator)基板42のデバイス層48に、基準電極2、反応電極4を形成すべき領域102,104に、イオン注入を行う。続いて図7(b)に示すように、イオン注入を行った領域102,104に基準電極2、反応電極4として機能するオーミック電極112,114を形成する。電極の材料としてはAl(アルミニウム)を用いることができ、スパッタリングした後に、シンタリングされる。
続いて図7(c)に示すように、SiO層120を形成し、一部の領域122,124をエッチングする。領域122は、基準電極2と後に形成される第1配線W1とのコンタクトを取るためのビアホールを形成するための領域であり、領域124は、反応電極4と後に形成される第2配線W2とのコンタクトを取るためのビアホールを形成するための領域である。
続いて、図7(d)に示すように配線層130が形成される。この配線層130は、第1配線W1、第2配線W2を含む。さらにこの配線層は、第1パッドPAD1(第2パッドPAD2)のランド領域132を含む。
続いて図8(a)に示すように、SiO層140が形成され、続いてその一部の領域がエッチングされ、開口142,144が設けられる。開口144は、反応電極4に対応する部分に形成される。開口142は、第1パッドPAD1や第2パッドPAD2を形成すべき領域に形成される。
続いて図8(b)に示すように、開口142,144の上部に、電極パッド152、154が形成される。電極パッド152は、第1パッドPAD1に対応する。電極パッド154は反応電極4である。
続いてSOI基板42のSiデバイス層48とBOX層46の一部が上側から除去される。この様子は図8(c)には示されない。さらにSOI基板42のセンシング領域50の直下のSi支持層44が除去される。
その後、カロリメトリックセンサ1の表面に第1封止テープ6が、裏面に第2封止テープ8が貼付される。
図9は、カロリメトリックセンサ1を備える検査装置200を示す図である。検査装置200は、カロリメトリックセンサ1に加えて、センスアンプ202および処理部210を備える。センスアンプ202は、第1パッドPAD1と第2パッドPAD2の間、言い換えれば基準電極2と反応電極4の間の電位差を増幅する。センスアンプ202の出力電圧は、A/Dコンバータ(デジタイザ)204によってデジタルの検出信号に変換される。処理部210は、検出信号にもとづいて、液体試料中の特定成分の濃度を取得する。センスアンプ202やA/Dコンバータ204は、カロリメトリックセンサ1と同じチップ上に集積化してもよい。
図10(a)、(b)は、カロリメトリックセンサ1による測定結果を示す図である。測定に用いたカロリメトリックセンサ1のチップサイズは5ミリ角であり、反応電極4は1mm角である。酵素としては、クレアチナーゼを使用し、さまざまな濃度のクレアチニン溶液にカロリメトリックセンサ1を浸漬させた。前準備として容器に生理食塩水を満たし、生理食塩水を抜いた後に、直ちにクレアチニン溶液を注入した。図10(a)は、濃度20mg/dlの溶液、図10(b)は、濃度50mg/dlの溶液である。
図10(a)や(b)の波形からは、濃度を判定することが困難な場合がある。そこで処理部210において、波形シフトなどを行ってもよい。
図11は、演算処理を施したセンサの出力を示す図である。ここでは、(i)反応開始から第1所定時間T(5分)経過後の値が第1所定値(ここでは0)となるように検出信号がオフセットされている。また、(ii)オフセット後の検出信号の波形において、値が第2所定値(-300μV)である時刻を、時刻0としている。
図11に示すように、演算処理後の波形は、時定数が濃度に依存することがわかる。図12は、図11の波形を、時刻0から所定時間にわたって積分した値と、濃度の関係を示す図である。図12から分かるように、演算処理後の波形の積分値と濃度の間には相関があることが分かる。
これらの結果から、実施の形態に係るカロリメトリックセンサ1によれば、試料中の検体の濃度を検出することが実証できた。
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
<変形例>
実施の形態では、カロリメトリックセンサ1を液体に浸漬させて、濃度を測定した。この方式では、液体の容積が大きいため、反応時間が数分と長くなる。そこでカロリメトリックセンサ1の上側に、微小な流路(反応室)を形成し、反応室に閉じ込めた試料溶液を測定してもよい。
1 カロリメトリックセンサ
2 基準電極
4 反応電極
10 熱電変換薄膜
12 第1部分
14 第2部分
16 第1ブリッジ部分
18 第2ブリッジ部分
20 基体
6 第1封止テープ
8 第2封止テープ
W1 第1配線
W2 第2配線
40 チップ
42 SOI基板
44 Si支持層
46 SiO2絶縁層
48 Siデバイス層
PAD1 第1パッド
PAD2 第2パッド
50 センシング領域
52 I/O領域
60,62 プローブ
200 検査装置

Claims (11)

  1. 熱電変換薄膜と、
    前記熱電変換薄膜の上に形成された基準電極と、
    前記熱電変換薄膜の上に形成され、検体と反応する酵素が定着している反応電極と、
    を備え、前記基準電極と前記反応電極の間の電位差が測定可能に構成され、
    前記基準電極と前記反応電極は、当該カロリメトリックセンサが形成されるチップの1辺に対して傾斜した方向に離間していることを特徴とするカロリメトリックセンサ。
  2. 前記熱電変換薄膜を支持する基板をさらに備え、
    前記基板には、前記反応電極および前記基準電極を包含する矩形のセンシング領域において空間が設けられることを特徴とする請求項1に記載のカロリメトリックセンサ。
  3. 前記熱電変換薄膜と前記基板はそれぞれ、SOI(Silicon On Insulator)基板の最表層のSiデバイス層と最下層のSi支持層であることを特徴とする請求項2に記載のカロリメトリックセンサ。
  4. 前記反応電極は、前記センシング領域の略中央に位置し、
    前記基準電極は、前記センシング領域のコーナーに位置することを特徴とする請求項2または3に記載のカロリメトリックセンサ。
  5. 前記熱電変換薄膜は、
    その上に前記反応電極が形成される第1部分と、
    前記センシング領域を取り囲むI/O領域に形成される第2部分と、
    一端が前記センシング領域の第1コーナーにおいて前記第2部分と接続され、他端が前記第1部分と接続される第1ブリッジ部分と、
    一端が前記センシング領域の前記第1コーナーと対角の第2コーナーにおいて前記第2部分と接続され、他端が前記第1部分と接続される第2ブリッジ部分と、
    を含むことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のカロリメトリックセンサ。
  6. 前記I/O領域に形成される第1パッドおよび第2パッドと、
    前記基準電極とコンタクトが取られ、前記第1ブリッジ部分または前記第2ブリッジ部分を経由して前記第1パッドと接続される第1配線と、
    前記反応電極とコンタクトが取られ、前記第1ブリッジ部分または前記第2ブリッジ部分を経由して前記第2パッドと接続される第2配線と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のカロリメトリックセンサ。
  7. 前記反応電極は、前記チップに対して45度傾いた矩形であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のカロリメトリックセンサ。
  8. 前記カロリメトリックセンサの表面に設けられ、前記反応電極とオーバーラップする開口を有する第1封止テープをさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のカロリメトリックセンサ。
  9. 前記カロリメトリックセンサの裏面に設けられた第2封止テープをさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のカロリメトリックセンサ。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のカロリメトリックセンサと、
    前記基準電極と前記反応電極の間の電位差に応じた検出信号を生成するセンスアンプと、
    前記検出信号を処理する処理部と、
    を備えることを特徴とする検査装置。
  11. 前記処理部は、(i)反応開始から第1所定時間経過後の値が第1所定値となるように前記検出信号をオフセットし、(ii)オフセット後の前記検出信号の波形を、値が第2所定値である時刻から第2所定時間にわたり積分することを特徴とする請求項10に記載の検査装置。
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