以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、本実施の形態にかかる記録再生装置の例として、車両である自動車において用いられるドライブレコーダの例として説明するが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、オートバイ、自転車などの各種車両、鉄道、船舶、ロボット、さらには人など車両以外の移動体に対しても適用することが可能である。また、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
以下、図1から図5を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。第1実施形態にかかる記録再生装置10は、ドライブレコーダとして、車両のウィンドシールド上部に車両の前方を撮影可能な向きで装着され、事故などイベントとして検出すべき事象に相当する衝撃を検出して事故発生時を含む期間の撮影データをイベント記録データとして保存する。ドライブレコーダとしての記録再生装置10は、単体の装置として車両に装着されるものに限らず、ナビゲーション装置の機能として実現される構成や、車両に予め装着されている構成などにも適用可能である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る記録再生装置10の構成を示すブロック図である。図1において、記録再生装置10は、記録再生制御装置としての制御部100、第一カメラ150、記録部154、操作部155、表示部156、センサ157、GPS(Global Positioning System)受信部158、および着脱部159を備える。
記録再生装置10は、車両の周囲を撮影する第一カメラ150の撮影向きが、車両の前方を向いて装着されるが、車両の後方または側方を向いて装着されるものであってもよい。また、記録再生装置10は、一体型の装置であってもよく、複数の装置に分散されて実現されてもよい。また、図1の説明においては、記録再生装置10を動作させる電源などの説明は省略するが、記録再生装置10は、車両から供給される電力によって動作するとともに、図示しないバッテリを内蔵し、車両から電力が供給されない場合はバッテリからの電力で動作する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る記録再生装置10の外観を示す図である。図2(a)は、記録再生装置10を車両の周囲を撮影する方向からみた正面図である。つまり、図2における第一カメラ150が撮影する方向の正面からみた図である。図2(b)は、記録再生装置10を背面から見た図である。図2(c)は、記録再生装置10を側面から見た図である。
図2に示すように、記録再生装置10は、車両の周囲を撮影する第一カメラ150、再生されたイベント記録データ等を表示する表示部156、記録再生装置10を着脱可能に車両に装着させる着脱部159を備える。記録再生装置10は、図2(c)に示すように、ブラケット400などを用いて車両が備えるウィンドシールド500等に取付けられる。図2(c)の例においては、記録再生装置10は、ウィンドシールド500を介して車両の前方を含む範囲を撮影可能に設置されている。ブラケット400は、吸盤やボールジョイント等を備え、記録再生装置10の着脱部159と着脱可能である。
記録再生装置10を、車両の前方を撮影するように、車両のウィンドシールド500の上部に車両の前方を向いて装着された場合、第一カメラ150は、車両のウィンドシールド500を介して車両の周囲である前方を撮影可能であり、表示部156の表示面は、車両の室内側、言い換えると、運転者側を向く。
図1に戻り、制御部100は、各種データ処理を行う単数または複数のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、バッファメモリ121などで構成され、プログラムによって様々な処理を実行する。制御部100は、その構成および機能として、バスライン110、撮影データ取得部120、撮影データ処理部122、記録制御部123、再生制御部124、操作制御部125、表示制御部126、イベント検出部127、移動情報取得部128、着脱出部129を少なくとも備える。以下、制御部100の各構成要素は、撮影データなどのデータを、バスライン110を経由して授受することとして説明する。
制御部100は、記録再生装置10における本発明にかかる動作を実行する記録再生制御装置であり、本発明にかかる記録再生方法を実行する。また、制御部100は、本発明にかかるプログラムを動作させるコンピュータである。
第一カメラ150は、移動体である車両の周囲を撮影する。第一カメラ150は、記録再生装置10として一体的に備えられていてもよく、有線または無線により別体として接続されていてもよい。また、第一カメラ150および撮影データ取得部120を含むユニットが、有線または無線により別体として接続されていてもよい。第一カメラ150には、図示しないが、レンズ、撮像素子、A-D(Analog to Digital)変換素子等が含まれる。第一カメラ150は、撮影した第一撮影データを、撮影データ取得部120に出力する。第一カメラ150が撮影する範囲は、車両の前方や後方など任意の範囲であり、全周囲カメラであってもよい。
図1においては、第一カメラ150は単数として示したが、第一カメラ150は複数のカメラで構成されていてもよい。例えば、車両の前方、後方、側方、車室内などを各々撮影する任意の組合せの複数のカメラであってもよい。
第一カメラ150が撮影する撮影データは、動画像データである。これらの撮影データには、動画像データに加えて音声データを含んでいてもよい。この場合、第一カメラ150の構成にはマイクロフォンを含む。
記録部154は、第一カメラ150が撮影した第一撮影データを、記録制御部123の制御によって記録するための不揮発性メモリであり、例えばメモリカードである。記録部154に記録された第一撮影データは、再生制御部124の制御によって再生される。記録部154は、記録部154に加えて記録制御部123および再生制御部124を備える別体の記録再生装置と置き換えてもよい。記録部154は、記録再生装置10として一体的に備えられていてもよく、有線または無線により別体として接続されていてもよい。
操作部155は、記録再生装置10に対する操作を受け付けるインターフェースであり、受け付けた操作情報を操作制御部125に出力する。操作部155は、各種ボタンやタッチパネルであり、ユーザによる操作を受け付ける。操作部155は、無線接続された他の装置からの操作を受け付けてもよい。操作部155は、例えば、ユーザによるイベントの記録開始の操作を受け付ける。また、操作部155は、ユーザによるイベント記録データの再生を行う操作を受け付ける。
表示部156は、表示制御部126の制御により各種情報を表示する表示装置である。表示部156は、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどの表示パネルを備える。表示部156は、記録再生装置10として一体的に備えられていてもよく、有線または無線により別体として接続されていてもよい。表示部156は、無線により接続され表示制御部126を備える他の装置であってもよい。
センサ157は、例えば加速度センサであり、記録再生装置10または車両に加わった加速度を検出する。センサ157は、例えば3軸の加速度センサであり、x軸方向として車両の前後方向、y軸方向として車両の左右方向、z軸方向として車両の上下方向に加わった加速度を検出する。センサ157は、検出した加速度情報をイベント検出部127に出力する。センサ157は、記録再生装置10として一体的に備えられていてもよく、有線または無線により別体として接続されていてもよい。また、センサ157は、センサ157およびイベント検出部127を含むユニットとして別体であってもよい。
GPS受信部158は、GPS衛星からの信号を受信するGPSアンテナである。GPS受信部158は、受信した信号を移動情報取得部128に出力する。GPS受信部158は、記録再生装置10として一体的に備えられていてもよく、有線または無線により別体として接続されていてもよい。また、GPS受信部158は、移動情報取得部128を含む他の装置として別体であってもよい。
着脱部159は、記録再生装置10を車両に取付けるための構成部材であり、例えば図2に示すように、ブラケット400の一部分が着脱部159に勘合することで、着脱可能に装着する。着脱部159は、記録再生装置10が車両から取り外されたことが着脱検出部129で判断可能な構成となっている。例えば、記録再生装置10が車両に取付けられているときに、着脱部159に勘合しているブラケット400の一部分を弾性的に勘合する部材の状態を機構的または電気的に検出するようにしてもよい。または、ブラケット400と着脱部159とが勘合したときに、ブラケット400と着脱部159とが備える電極部が接触することで、記録再生装置10が車両から電力を供給可能な構成である場合、車両からの電力供給の状態によって着脱検出部129が着脱を判断できるような構成としてもよい。
撮影データ取得部120は、第一カメラ150が撮影した第一撮影データを取得する。撮影データ取得部120は、第一カメラ150から取得した第一撮影データを、バッファメモリ121へ出力する。
バッファメモリ121は、制御部100が備える内部メモリであり、撮影データ取得部120が取得した一定時間分の撮影データを、更新しながら一時的に記憶する。
撮影データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している撮影データを、例えばH.264やMPEG-4(Moving Picture Experts Group)などの任意の方式のコーデックで符号化された、例えばMP4形式などの任意のファイル形式に変換する。撮影データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している撮影データから、一定時間分のファイルとした撮影データを生成する。具体例として、撮影データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している撮影データを、記録順に60秒間の撮影データをファイルとして生成する。撮影データ処理部122は、生成した撮影データを記録制御部123へ出力する。また、撮影データ処理部122は、生成した撮影データを表示制御部126へ出力する。ファイルとして生成される撮影データの期間は、一例として60秒としたが、これには限定されない。
記録制御部123は、撮影データ処理部122でファイル化された撮影データを、記録部154に記録させる制御を行う。記録制御部123は、イベント検出部127がイベントを検出していない期間は、撮影データ処理部122でファイル化された撮影データを、上書き可能な撮影データとして、記録部154に記録する。記録制御部123は、記録部154の記録容量が上限となった場合、記録部154に記録されている上書き可能な撮影データのうち、古い撮影データが記録されている記録領域から、新しい撮影データを上書きして記録する。記録制御部123が記録部154に記録する撮影データは、第一カメラ150が撮影した第一撮影データである。
記録制御部123は、イベント検出部127が、イベントが発生したと判断したことを受けて、イベント発生時点を含む所定の期間の第一撮影データを、上書きが禁止されたイベント記録データとして保存する。
記録制御部123によるイベント記録データの保存方法は任意である。例えば、第一撮影データにおける上書き禁止とする区間のヘッダもしくはペイロードなどに上書き禁止フラグを付与して、記録部154に保存する。または、第一撮影データにおける上書き禁止とする区間を、記録部154の上書き禁止エリアに保存する。あるいは、第一撮影データにおける上書き禁止とする区間を他の装置に送信して保存する。
再生制御部124は、記録部154に記録された撮影データを再生する制御を行う。再生制御部124は、記録部154に記録された、上書き可能な撮影データの再生に加えて、上書き禁止となっているイベント記録データの再生を行い、表示制御部126に出力する。
再生制御部124は、着脱検出部129による検出結果に基づき、例えば直近に保存されたイベント記録データの再生を開始する。また、再生制御部124は、操作部155で受け付けられた再生指示に基づき、イベント記録データを含む各種撮影データの再生を行う。
操作制御部125は、操作部155が受け付けた操作情報を取得し、操作情報に基づいた操作指示を、各構成要素に出力する。操作制御部125は、操作部155から再生対象となる各種データの選択指示を取得した場合、再生制御部124に記録部154に記録されているファイルなどを選択させる。操作制御部125は、操作部155から各種データの再生に関する指示を取得した場合、再生制御部124に再生に関する処理を行わせる。各種データの再生に関する指示とは、例えば、再生開始、一時停止、再生停止、拡大表示などである。
表示制御部126は、表示部156に対し、様々な情報を表示させる制御を行う。例えば、表示制御部126は、第一カメラ150が撮影中の第一映像データを表示部156に表示させる。また、表示制御部126は、再生制御部124によって再生された記録部154に保存されているイベント記録データを表示部156に表示させる。また、表示制御部126は、表示部156が操作部155としてのタッチパネル機能を備えている場合、タッチ操作を行うアイコンなどを表示部156に表示させる。
イベント検出部127は、加速度センサであるセンサ157が検出している加速度情報を取得し、イベントに該当する加速度が検出された場合、イベントが検出されたと判断する。イベント検出部127は、イベントが検出されたと判断された場合、記録制御部123にイベントが検出された情報を出力する。
イベント検出部127は、センサ157から出力された加速度が、車両と、例えば他の車両などの他の物体が衝突したときの加速度に該当する加速度を、イベントに該当する加速度として検出する。イベントに該当する加速度の検出は、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の各々で重み付けを行ってもよい。また、イベントに該当する加速度の検出は、加速度の立ち上がりが急峻な加速度を検出対象としてもよい。
移動情報取得部128は、GPS受信部158が受信したGPS衛星からの信号に基づき、時刻毎の現在位置を特定し、時刻毎の現在位置情報を記録制御部123に出力する。移動情報取得部128は、現在位置情報として、緯度経度を特定する。移動情報取得部128は、GPS受信部158からの信号に加えて、Wi-Fi(登録商標)などの電波を受信し、アクセスポイントの位置情報などを併用して現在位置を特定してもよい。
着脱検出部129は、記録再生装置10の車両に対する着脱状態を検出する。着脱検出部129は、記録再生装置10の構成が一体型ではない場合、少なくとも表示部156を備える筐体の車両に対する着脱状態を検出する。従って、言い換えると、着脱検出部129は、表示部156の車両に対する着脱状態を検出する。着脱検出部129は、記録再生装置10を構成する少なくとも表示部156を備える筐体の着脱状態または取り外されたことを示す信号を再生制御部124に出力する。
次に、図3を用いて、第一撮影データとイベント記録データとの関係を説明する。図3は、撮影データとイベントデータとの関係を概念的に示す図である。図3の横軸は時間の経過を示しており、右方向に向けて時間が経過していることを示す。
図3(a)は、撮影データ取得部120が第一カメラ150から取得して、バッファメモリ121に一時的に記憶している第一撮影データを示している。図3(a)の点線は、時間軸に記載された時刻t-3から時刻t+2に対応しており、撮影データ処理部122がファイルを生成するための期間を示している。バッファメモリ121に一時的に記憶されている状態では、ファイルは生成されていないため、点線で表示する。
図3(b)は、撮影データ処理部122が、バッファメモリ121に一時的に記憶している第一撮影データをファイル化して、記録制御部123が記録部154に記録した第一撮影データを示している。例えば、撮影データD-3は、時刻t-3から時刻t-2の間に撮影された撮影データであり、ファイル化されて記録部154に上書き可能な状態で記録されている。また、撮影データD-2も同様に、時刻t-2から時刻t-1の間に撮影された撮影データであり、ファイル化されて記録部154に上書き可能な状態で記録されている。
例えば、記録部154の記録容量が上限となった場合、図3(b)に示されている第一撮影データにおいては、記録時間が古い撮影データから上書きされる。
例えば、時刻t-1から時刻tまでの間の時刻T1でイベントが検出された場合、イベント発生時刻である時刻T1の所定時間前から時刻T1の所定時間経過後までの期間における第一撮影データを、イベント記録データとして保存する。所定時間とは、例えば、イベント発生時刻である時刻T1の30秒前から時刻T1の30秒後までなどであるが、これに限定はされない。
一例としては、時刻t-1から時刻tまでの間の時刻T1でイベントが検出された場合、記録制御部123は、撮影データD-1を、記録部154の上書き禁止エリアにイベント記録データD-1´として保存する。
例えば、記録部154の記録容量が上限となった場合、図3(b)に示されている第一撮影データにおいては、撮影データD-1は撮影データD-2に続き上書きされてしまうが、撮影データD-1は、図3(c)に示されている記録部154の上書き禁止エリアに撮影データD-1´として保存されているため、確実に保存される。
時刻t-1から時刻tまでの期間の第一撮影データがファイル化され、記録部154の上書き禁止エリアに保存された撮影データD-1´は、イベント発生時点である時刻T1を含むイベント記録データである。イベント記録データは、イベント発生時点を含むファイルとして生成された期間の第一撮影データに限定されない。イベント記録データは、例えば、イベント発生時刻である時刻T1の所定時間前から時刻T1の所定時間経過後までの期間における撮影データを、イベント記録データとして保存することとしてもよい。所定時間とは、例えば30秒などであるが、これに限定はされない。
また、イベント記録データの保存は、記録部145の上書き禁止エリアへの保存に限らない。例えば、図示しない通信機能を用いて、予め登録された他の装置が備える記録部に記録することとしてもよい。具体例としては、記録再生装置10と予めペアリングされ通信が確立されている、運転者や同乗者の保有するスマートフォンなどへ、イベント記録データを送信してもよい。または、記録再生装置10に予め登録されている、運転者や運転者の関係者、さらには、保険会社や安全保障会社などが保有するサーバ等の装置へ、イベント記録データを送信してもよい。
上述した、第一撮影データおよびイベント記録データのいずれにおいても、移動情報取得部128が取得した位置情報を対応付けて記録されることが好ましい。
次に、図4および図5を用いて、記録再生装置10が実行する記録再生処理の流れについて説明する。記録再生装置10が実行する記録再生処理は、記録再生装置10として動作するコンピュータとしての制御部100が、プログラムに基づき実行する。制御部100の機能は、複数の装置または複数のユニットが備える制御装置が分散して実行してもよい。その場合、プログラムも装置毎、またはユニット毎に連携して実行される。
図4は、記録再生装置10がイベント記録を行う場合を説明したフローチャートである。図4おいて、処理の開始および処理の終了は、具体的な特定の事象の開始および終了に限定されない。記録再生装置10がイベントの検出を行う場合とは、例えば、移動体である車両の動作中にイベントの検出を行う場合に加えて、移動体である車両が動作していない場合、所謂駐車監視機能としてイベントの検出を行う場合も含まれるためである。また、処理の開始および終了は、操作部155において指示されることで、処理の開始および終了することとしてもよい。
図4の処理が実施されている期間、記録再生装置10は、撮影データの記録とイベントの検出を行う。撮影データの記録とは、撮影データ取得部120による第一カメラ150からの第一撮影データの取得、撮影データ処理部122による第一撮影データのファイル化、記録制御部123による第一撮影データの記録部154への記録が実行されることである。この場合の第一撮影データの記録は、記録部154に上書き可能な状態で記録され、通常記録またはループ記録とも呼ばれる。また、イベントの検出とは、イベント検出部127がセンサ157からの加速度情報の取得を開始し、取得した加速度情報に基づいてイベントの検出を行うことである。
また、図4に示す各処理が実行されている間は、第一撮影データの記録、加速度情報の取得によるイベント検出、移動情報取得部128による現在位置情報の特定は継続して実行されている。
ステップS10において、イベント検出部127は、イベントが検出されたか否かを判断する。イベント検出部127は、センサ157が検出した加速度が、例えば、車両に対する物体の衝突など、事故に該当するような加速度である場合に、イベントが検出されたと判断する。車両に対する物体の衝突に該当するような加速度とは、加速度の絶対値が所定の閾値以上の加速度である場合や、加速度の絶対値が所定の閾値以上の立ち上がりの急峻な加速度などである。また、イベント検出部127は、車両に対する物体の衝突などに該当する加速度ではなくとも、急ブレーキなど異常値として検出される加速度を検出した場合に、イベントが検出されたと判断してもよい。
ステップS10において、イベントが検出されたと判断された場合(ステップS10:Yes)、記録制御部123は、ステップS10で検出されたイベントの発生時点を含む第一撮影データを、イベント記録データとして保存する(ステップS11)。記録制御部123は、イベントの発生時点を含む第一撮影データを、例えば、図3で説明したように、記録部154の上書き禁止エリアに保存する。
ステップS10において、イベントが検出されていないと判断された場合(ステップS10:No)、ステップS13に推移する。
ステップS11においてイベント記録データの保存後、またはステップS10がNoの場合、記録制御部123は、第一撮影データの記録が終了したか否かを判断する(ステップS13)。ステップS13において、第一撮影データの記録が終了したと判断された場合(ステップS13:Yes)、本処理を終了する。また、ステップS13において、第一撮影データの記録が終了していないと判断された場合(ステップS13:No)、ステップS10に推移する。
図5は、記録再生装置10がイベント記録データの再生を行う場合を説明したフローチャートである。図5における処理の開始および処理の終了で示す取り外し検出期間は、移動体である車両のエンジンまたは電源等のオンまたはオフの状態など、具体的な特定の事象の開始および終了までの期間に限定されないが、例として以下のように限定することもできる。例えば、移動体である車両の走行時に検出されたイベントに基づくイベント記録データの確認は、走行後に停止した状態で行われることが多い。このため、車両のエンジンまたは電源等が動作している期間に加えて、エンジンまたは電源等がオフになってから、例えば10分間など所定期間、取外しが検出されるようにしてもよい。また、移動体である車両の駐車中に検出されたイベントに基づくイベント記録データの確認は、走行開始前に行われることが多い。このため、車両のエンジンまたは電源等の動作有無を問わず、例えば、ドアの解錠や乗員の搭乗から、10分間など所定期間、取外しが検出されるようにしてもよい。いずれの場合においても、車両が走行していないことや、ギヤまたはブレーキがパーキング状態であることを条件としてもよい。
ステップS101において、着脱検出部129は、表示部156を含む記録再生装置10の取外しが検出されたか否かを判断する。ステップS101において、表示部156を含む記録再生装置10の取外しが検出された場合(ステップS101:Yes)、再生制御部124は、取外しが検出された時点の直近に保存されたイベント記録データが存在するか否かを判断する(ステップS102)。ここでいう直近とは、直前と言い換えてもよい。例えば、ステップS101で取外しが検出されたときに、最も新しいイベント記録データを、直近に保存されたイベント記録データとする。また、最も新しいイベント記録データが、例えば、前日に保存されたイベント記録データの場合や、車両が1時間以上動作していない期間を経過した前に保存されたイベント記録データである場合は、ステップS102においては、直近のイベント記録データは存在しないと判断してもよい。
ステップS102において、直近に保存されたイベント記録データが存在すると判断された場合(ステップS102:Yes)、再生制御部124は、取外しが検出された時点の直近のイベント記録データの再生を開始する(ステップS103)。また、ステップS103においては、ステップS103で再生しているイベント記録データ、またはステップS103で再生したイベント記録データの消去を制限または禁止する。イベント記録データの消去を制限する理由としては、イベント記録データの再生中は、表示部156を含む記録再生装置10を人が手などで保持しながら再生することが多く、人が操作部155を操作しやすい状態にある。このため、意図的または誤ってイベント記録データが消去されることを防止する必要がある。ステップS103で消去を制限する対象のイベント記録データは、少なくともステップS103で再生対象となっているイベント記録データであるが、記録再生装置10が保存している全てのイベント記録データの消去を制限することとしてもよい。または、表示部156を含む記録再生装置10が取り外されている間、操作部155の操作によるイベント記録データの消去を制限することとしてもよい。
ステップS103におけるイベント記録データの再生は、再生対象となるイベント記録データを少なくとも1回または所定の複数回再生することとしてもよく、操作部155による再生停止指示が受け付けられるまで繰り返し再生することとしてもよい。
ステップS102において、直近に保存されたイベント記録データが存在しないと判断された場合(ステップS102:No)、ステップS105に推移する。
ステップS103において、イベント記録データの再生が開始された後、再生制御部124は、イベント記録データの再生が終了したか否かを判断する(ステップS104)。ステップS104においては、再生されているイベント記録データが所定の回数の再生が終了した場合、または再生停止指示が受け付けられた場合に、イベント記録データの再生が終了したと判断する。
ステップS104において、イベント記録データの再生が終了したと判断された場合(ステップS104:Yes)、ステップS105に推移し、取外し検出期間が終了したか否かを判断する(ステップS105)。ステップS104において、イベント記録データの再生が終了していないと判断された場合(ステップS104:No)、ステップS104の処理を再度行う。
ステップS101において、表示部156を含む記録再生装置10の取外しが検出されていない場合(ステップS101:No)、ステップS105に推移する。
ステップS105において、表示部156を含む記録再生装置10の取外しが検出されるべき任意の期間が終了したと判断された場合(ステップS105:Yes)、本処理を終了する。ステップS105において、表示部156を含む記録再生装置10の取外しが検出されるべき任意の期間が終了していないと判断された場合(ステップS105:No)ステップS101の処理を行う。
このような処理が行われることで、表示部156を含む記録再生装置10を取外すことにより、特段の再生操作を行わずとも、直近に保存されたイベント記録データが再生されるため、容易にイベント記録データを確認することができる。
例えば、記録再生装置10を装着している車両のユーザが事故の当事者である場合、事故発生後に記録再生装置10を操作して事故時の映像を確認したくとも、記録再生装置10の操作に不慣れな場合や、事故によって動転している場合などでも、容易に事故時の映像を確認することができる。また、事故の当事者ではない第三者が事故時の映像を確認する必要が生じたときであっても、記録再生装置10の操作の知識が無くとも容易に事故時の映像を確認することができる。
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態にかかる記録再生装置10の構成および処理の一部は、第1実施形態にかかる記録再生装置10の構成および処理と同一であるため、共通する構成および処理については説明を省略する。図6は、記録再生装置10がイベント記録データの再生を行う場合を説明したフローチャートである。図6において、ステップS201は図5におけるステップS101、ステップS204は図5におけるステップS104、ステップS205は図5におけるステップS105と同一である。
ステップS201において、表示部156を含む記録再生装置10の取外しが検出された場合(ステップS201:Yes)、再生制御部124は、取外しが検出された時点から第一期間内に保存されたイベント記録データが存在するか否かを判断する(ステップS202)。ここでいう第一期間は任意の期間であるが、例えば10分などである。
ステップS202における第一期間とは、以下の2通りが考えられる。一方の第一期間は、車両が事故に関連し、事故後にイベント記録データを確認したい場合の期間である。このような場合は、第一期間は比較的短くてもよく、例えば5分や10分などとしてもよい。この場合、イベント検出部127は、事故に相当する加速度をイベントとして検出する。また、他方の第一期間は、急ブレーキなどの危険状態の発生を、運転後または運転中の休憩時などに確認するための期間である。このような場合は、第一期間は比較的長くする必要があり、例えば3時間や10時間などとしてもよい。この場合、イベント検出部127は、急ブレーキなどに相当する加速度をイベントとして検出する。
ステップS202において、第一期間内に保存されたイベント記録データが存在すると判断された場合(ステップS202:Yes)、再生制御部124は、取外しが検出された時点から第一期間内に保存されたイベント記録データの再生を開始する(ステップS203)。また、ステップS203においては、ステップS203で再生しているイベント記録データ、またはステップS203で再生したイベント記録データの消去を制限または禁止する。
ステップS203におけるイベント記録データの再生は、再生対象となるイベント記録データを1回または所定の複数回再生することとしてもよく、操作部155による再生停止指示が受け付けられるまで繰り返し再生することとしてもよい。また、第一期間が他方第一期間である場合は、第一期間内に保存されたイベント記録データが複数存在する場合もある。このような場合は、複数のイベント記録データを連続的に再生する。例えば、再生制御部124は、第一期間内に保存されたイベント記録データが複数存在する場合には、保存された時刻の古いイベント記録データから順に再生する。
ステップS202において、第一期間内に保存されたイベント記録データが存在しないと判断された場合(ステップS202:No)、ステップS205に推移する。
ステップS203において、イベント記録データの再生が開始された後、再生制御部124は、イベント記録データの再生が終了したか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204においては、再生されているイベント記録データが所定の回数の再生が終了した場合、または再生対象の全てのイベント記録データの再生が終了した場合、さらには再生停止指示が受け付けられた場合に、イベント記録データの再生が終了したと判断する。
このような処理が行われることで、表示部156を含む記録再生装置10を取外すことにより、特段の再生操作を行わずとも、第一期間内に保存されたイベント記録データが再生されるため、容易にイベント記録データを確認することができる。
図6で説明した第2実施形態にかかる記録再生装置10は、ステップS202において、ステップS201で取外しが検出された時点を起点とし第一期間遡った期間内に保存されたイベント記録データの有無を判断した。第2実施形態の変形例としては、イベントが検出された時点またはイベント記録データが保存された時点を起点とし、イベントが検出された時点またはイベント記録データが保存された時点から第二期間経過する期間内に取外しが検出された場合に、イベント記録データの再生を行うようにしてもよい。第二期間についても、具体例としては第一期間と同一である。
次に、図7から図9を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態にかかる記録再生装置20の構成および処理の一部は、第1実施形態にかかる記録再生装置10の構成および処理と同一であるため、共通する構成および処理については説明を省略する。第3実施形態にかかる記録再生装置20は、ドライブレコーダを兼用した電子ミラーとして、例えば車両のウィンドシールド上部に車両の前方を撮影可能な向きで装着され、車両の後方を撮影するカメラの映像を車両の運転者が表示部を用いて確認できるように装着される。また、記録再生装置20は、事故などイベントとして検出すべき事象に相当する衝撃を検出して事故発生時を含む期間の撮影データをイベント記録データとして保存する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る記録再生装置20の構成を示すブロック図である。図7に示す記録再生装置20の構成要素は、図1に示す記録再生装置10の同一名称の構成要素は、符号が異なるのみで機能は共通する。
図7に示す記録再生装置20は、第一カメラ250に加えて第二カメラ251をさらに備える。第二カメラ251の構成は、第一カメラ250と同様であり、第二カメラ250は、撮影した第二撮影データを、撮影データ取得部220に出力する。第二カメラ251は、車両の後方を撮影可能なように車両の後方に備えられている。このため、撮影データ取得部220は、第一カメラ250が撮影した第一撮影データに加えて、第二カメラ251が撮影した第二撮影データを取得する。
図7において、少なくとも、第二カメラ251、撮影データ取得部220、表示制御部226および表示部256は、電子ミラーを構成する。電子ミラーとは、一般的には車両のウインドシールド上部などに表示部が備えられ、車両の運転者が車両の後方を確認する装置である。したがって、記録再生装置20は、第二カメラ251が撮影した第二撮影データを、少なくとも、車両の動作中や車両の走行中は継続的に表示部256に表示する必要がある。
撮影データ取得部220は、第二撮影データを、記録再生装置20が車両に装着されることで着脱部259に備えられた端子が接続される有線接続を介して取得してもよく、第二カメラ251と記録再生装置20とが備える図示しない無線通信装置を介して取得してもよい。
表示制御部226は、車両が動作している間は、第二カメラ251が撮影した第二撮影データを、表示部256に表示させる。表示制御部226は、記録部254に保存されているイベント記録データの再生要求がある場合、再生制御部224が再生したイベント記録データを表示部256に表示させる。
図8は、本発明の第3実施形態に係る記録再生装置30の外観を示す図である。図8(a)は、記録再生装置20を車両の周囲を撮影する方向からみた正面図である。つまり、図8における第一カメラ250が撮影する方向の正面からみた図である。図8(b)は、記録再生装置20を背面から見た図である。図8(c)は、記録再生装置20を側面から見た図である。車両の運転者は、車両の運転中、表示部256を見ることで車両の後方を確認する。
次に、図9を用いて、記録再生装置20が実行する記録再生処理の流れについて説明する。図9の前提条件は、記録再生装置20が第二撮影データを表示部256に表示させている状態、つまり記録再生装置20が電子ミラーとして機能している状態である。第3実施形態にかかる記録再生装置20の構成および処理の一部は、第1実施形態にかかる記録再生装置10の構成および処理と同一であるため、共通する構成および処理については説明を省略する。図9は、記録再生装置10がイベント記録データの再生を行う場合を説明したフローチャートである。図9において、ステップS301は図5におけるステップS101、ステップS302は図5におけるステップS102、ステップS304は図5におけるステップS104、ステップS306は図5におけるステップS105と同一である。
ステップS302において、直近に保存されたイベント記録データが存在すると判断された場合(ステップS302:Yes)、再生制御部224は、第二撮影データの表示を停止し、取外しが検出された時点の直近のイベント記録データの再生を開始する(ステップS303)。また、ステップS303においては、ステップS103で再生しているイベント記録データ、またはステップS103で再生したイベント記録データの消去を制限または禁止する。
ステップS303におけるイベント記録データの再生は、再生対象となるイベント記録データを少なくとも1回または所定の複数回再生することとしてもよく、操作部255による再生停止指示が受け付けられるまで繰り返し再生することとしてもよい。
ステップS304において、イベント記録データの再生が終了したと判断された場合(ステップS304:Yes)、表示制御部226は、第二撮影データの表示を開始する(ステップS305)。すなわち、電子ミラーとしての機能を再開する。
図9におけるステップS302の処理は、図6におけるステップS202およびその変形例を適用してもよい。この場合、ステップS303の処理は、第二撮影データの表示を停止し、第一期間内のイベント記録データの再生を開始する。
このような処理が行われることで、電子ミラーとして機能している表示部256を含む記録再生装置20を取外すことにより、特段の再生操作を行わずとも、第一期間内に保存されたイベント記録データが再生されるため、容易にイベント記録データを確認することができる。
ステップS303における、表示制御部226による表示部256での表示形態は、第二撮影データの表示に替えてイベント記録データを表示部256の全面に表示させてもよく、第二撮影データの表示に対し、イベント記録データの表示を部分的に重ねて表示させてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
また、上述した処理をコンピュータに実行させるためのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、記録再生装置として動作するコンピュータに供給することができる。