JP7006334B2 - 表示装置 - Google Patents

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JP7006334B2
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Description

本発明は表示装置に関し、特に光学像を重畳的に表示する装置に関する。
特許文献1には図1に示すようなハーフミラー94を有する表示装置が開示されている。ハーフミラー94は、ハーフミラー94の背後にある第1の表示器96の画像を透過しつつ、ハーフミラー94の手前にある第2の表示器97の画像を反射する。両画像はハーフミラー94によって重ね合されるため、観察者90は重畳した画像を視認できる。
第1の表示器96には第2の表示器97よりも広い描画領域を有する液晶表示装置を利用する。第2の表示器97の描画領域は狭いので第2の表示器97には文字などが表示される。第2の表示器97には液晶表示装置よりも輝度の大きい蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display)が使われる。
特開2004-284524号公報 国際公開第2016/170997号 国際公開第2017/126624号
観察者から第1の表示器96までの光学的な距離と第2の表示器97までの光学的な距離との間に実質的な差が無い。このため第1の表示器96による描画像上に第2の表示器97の表示する文字が浮き上がっているかのような奥行き感のある重ね合わせ像を観察者に知覚させることは難しい。
これに対して第1の表示器96をハーフミラー94から離して配置することで奥行き感のある像を表現できる可能性がある。しかしながら観察者から第1の表示器96までの光学的な距離も大きくなることに合わせて、第1の表示器96の描画領域を拡大しなければならない。
[1] 第1表示パネル及び第2表示パネル並びに前記第1表示パネルの表示像及び第2表示パネルの表示像を重ね合わせるハーフミラーを備え、
前記ハーフミラーの前面又は後面に半透過性の反射膜が設けられており、
前記第1表示パネルから出る第1光線は前記前面から前記ハーフミラーに入射するとともに前記反射膜で反射し、
前記第2表示パネルから出る第2光線は前記後面から前記ハーフミラーに入射するとともに前記反射膜を透過し、
前記第2表示パネルの表示面が前記ハーフミラーの後面に対して直接に又は間接に貼り合わせられていることから、前記第1表示パネルから前記反射膜までの光路長は前記第2表示パネルから前記反射膜までの光路長よりも大きい、
表示装置。
[2] 前記ハーフミラーにおいて前記反射膜は前記後面に設けられており、
前記ハーフミラーの前記反射膜と前記第2表示パネルの前記表示面との間には、コレステリック規則性を有する選択反射フィルムが設けられており、
前記選択反射フィルムは、左円偏光及び右円偏光のうちの一方を選択的に透過させ、他方を選択的に反射するものであるとともに、前記反射膜側から入射する光を反射する際その位相を逆転させるものであり、
前記反射膜は、前記選択反射フィルム側から入射する光を反射する際その位相を逆転させるものであり、
前記第2光線は前記反射膜と前記選択反射フィルムとの間で多重反射しながら、前記選択反射フィルムよりも前記反射膜から優先的に出射する、
[1]に記載の表示装置。
[3] 前記第2光線は、前記選択反射フィルムに対して前記第2表示パネル側から左円偏光として入射するとともに前記選択反射フィルムを透過し、
前記第2光線の一部は、前記反射膜にて反射するとともに右円偏光に変化し、さらに前記選択反射フィルムにて反射するとともに左円偏光に変化する、
又は
前記第2光線は、前記選択反射フィルムに対して前記第2表示パネル側から右円偏光として入射するとともに前記選択反射フィルムを透過し、
前記第2光線の一部は、前記反射膜にて反射するとともに左円偏光に変化し、さらに前記選択反射フィルムにて反射するとともに右円偏光に変化する、
[2]に記載の表示装置。
[4] 可視光(400~750nm)全域中の任意の波長において、前記ハーフミラーの前記前面における前記第1光線に対する反射率は50%以上であり、
可視光(400~750nm)全域中の任意の波長において、前記選択反射フィルムに対して前記第2表示パネル側から入射する前記第2光線のうち、前記ハーフミラーの前記前面より出射するものの割合は20%以上である、
[3]に記載の表示装置。
[5] 前記第2表示パネルは液晶ディスプレイであり、
前記第2表示パネルから出射する前記第2光線は直線偏光であり、
前記選択反射フィルムと前記第2表示パネルの前記表示面との間には、λ/4板が設けられており、
前記λ/4板は、前記直線偏光を、前記選択反射フィルムを透過する左円偏光及び右円偏光のうちの一方の円偏光に変換する、
[4]に記載の表示装置。
[6] 前記ハーフミラーの前記前面は防眩膜又は反射防止膜を備え、
前記防眩膜又は反射防止膜は、前記第1光線が前記ハーフミラーの前記前面で鏡面反射することを抑制する、
請求項3~5のいずれかに記載の表示装置。
[7] 前記ハーフミラーにおいて前記反射膜は前記前面に設けられており、
前記第2表示パネルの前記表示面は前記ハーフミラーの前記後面に対して接着されている、
[1]に記載の表示装置。
[8] 前記第1表示パネルの前記表示面と前記ハーフミラーの前記前面との間の最も狭い部分の間隔が前記ハーフミラーの縦方向の長さの1/10以下である、
[3]~[7]のいずれかに記載の表示装置。
[9] 前記第1表示パネルの前記表示面は前記ハーフミラーの前記前面に対向しているとともに前記ハーフミラーの前記反射膜の成す反射面に対して45±5度傾いている、
[1]~[8]のいずれかに記載の表示装置。
[10] 自動車又は自動車シミュレーターのインストルメントパネルに用いられる、
[1]~[9]のいずれかに記載の表示装置。
[11] [10]に記載の表示装置を有するインストルメントパネルを備える自動車又は自動車シミュレーター。
本発明の表示装置により第1表示パネルの表示像上に第2表示パネルの表示像が浮き上がっているかのような奥行き感のある重ね合わせ像を表示することができる。
従来の表示装置の左側面図である。 表示装置の左側面図である。 重ね合わせ像の説明図である。 他の表示装置の左側面図である。 鏡面表示ユニットの分解図である。 インストルメントパネルの部分断面図である。
図2には表示装置20が示されている。表示装置20は第1表示パネル21、第2表示パネル26及びハーフミラー30を備える。ハーフミラー30は第1表示パネル21の表示像及び第2表示パネル26の表示像を重ね合わせる。ハーフミラー30は半透鏡(semi-transparent mirror)である。ハーフミラー30は透過率と反射率とが互いに等しいハーフミラーに限定されない。
図2に示すハーフミラー30は前面31及び後面32を備える。ハーフミラー30は透明板34及び半透過性の反射膜35を備える。図中において透明板34を基準にして表示装置20の正面側に位置するのが前面31である。透明板34を基準にして表示装置20の背面側に位置するのが後面32である。半透過性の反射膜35は前面31及び後面32のいずれかに設けられる。図中では反射膜35は後面32に配置されている。
図2に示す透明板34は、少なくとも表示光が通過する領域が透明な基材からなる。基材は、平面であっても曲面であってもよい。ここで「透明」とは、可視光帯域において少なくとも20%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上の透過率を示すものをいい、無色透明の他、有色透明も含む。
図2に示す透明板34の材料の好適な例として、無機ガラスや、アクリル、ポリカーボネートなどのプラスチック材料が例示できる。貼り合せガラスでもよい。また、表示光を透過する領域をガラスとし、他の領域を透明な又は不透明な別の部材により構成した複合材からなる基材を用いてもよい。すなわち、透明板34は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の部材および形状とすることができる。透明板34の厚さは例えば1~10mmとすることができる。
図2に示す反射膜35は、ハーフミラー30において、通常の鏡面に近接した反射像を得るための光学薄膜である。に、波長550nmにおける光の反射率が50%以上であることが好ましく、60%以上がより好ましく、65%以上がさらに好ましい。
図2に示す反射膜35としては、例えば、入射する光を完全には反射せず部分的に透過するアルミニウム薄膜などの金属薄膜、金属酸化膜、又は誘電体多層膜が好ましい。中でも、反射率と透過率の比率が調整し易い点で、反射膜35は、誘電体多層膜であることが好ましい。
図2に示す反射膜35は、公知の方法で透明板34上に形成できる。透明板34上に直接形成してもよい。樹脂フィルムなどの透明基材面に反射膜35を形成したものを透明板34に貼合してハーフミラー30を形成してもよい。
図2に示す反射膜35が、金属薄膜である場合、該金属薄膜を保護するために、有機薄膜等の透明保護膜を金属薄膜の上層にさらに形成してもよい。金属薄膜の厚みは、所望の透過率によって適宜設計すればよい。
図2に示す第1表示パネル21はその表示面として遠景表示面22を備える。遠景表示面22からは第1光線23が出る。第1光線23は前面31からハーフミラー30に入射する。図中では遠景表示面22が前面31に対向している。このとき遠景表示面22は反射膜35の成す反射面に対して角度Agをもって傾いている。角度Ag=45±5度が好ましい。
図2に示す遠景表示面22とハーフミラー30との間の光路には鏡やその他の光学素子が配置されていてもよく、いなくてもよい。遠景表示面22が前面31に対向していなくてもよい。遠景表示面22の形状としては、図2に示す矩形形状の他、任意の形状を採用できる。図中では遠景表示面22が第1表示パネル21の片面の一部のみを占めている。遠景表示面22は第1表示パネル21の片面の全体を占めるものでもよい。遠景表示面22は第1表示パネル21の表示領域として解釈してもよい。
図2に示す第2表示パネル26はその表示面として近景表示面27を備える。近景表示面27からは第2光線28が出る。第2光線28は後面32からハーフミラー30に入射する。図中では近景表示面27が後面32に対向している。近景表示面27はハーフミラー30の後面32に対して直接に又は間接に貼り合わせられている。近景表示面27は後面32に対して接着されていてもよく、されていなくてもよい。
図2に示すハーフミラー30と第2表示パネル26とは光学的に一体として機能する鏡面表示ユニット50としてもよい。鏡面表示ユニット50の詳細は実施例で説明する。
図2に示すハーフミラー30は近景表示面27より大きくてもよい。ハーフミラー30には遮光部37を設けてもよい。遮光部37は近景表示面27を取り囲んでいてもよい。近景表示面27の形状としては、矩形形状の他、任意の形状を採用できる。一枚のハーフミラー30に対し、第2表示パネル26が複数枚貼り合わせられていてもよい。図中では近景表示面27が第2表示パネル26の片面の全体を占めている。近景表示面27は第2表示パネル26の片面の一部のみを占めるものでもよい。近景表示面27は第2表示パネル26の表示領域として解釈してもよい。
図2に示す第1表示パネル21及び第2表示パネル26の表示方式は特に制限されない。第1表示パネル21及び第2表示パネル26は各々液晶ディスプレイでもよく有機ELディスプレイでもよい。表示方式はドットによる描像でなくともよい。例えばLEDランプによるインジケーターの像でもよい。
図2に示す第1表示パネル21及び第2表示パネル26は各々、例えば不図示の記憶装置に記憶されている画像や、ネットワークを介して接続するコンピューターやサーバー等から送信される画像を表示する。
図2に示す第1光線23は反射膜35で反射する。第1光線23の一部は反射膜35で反射し、残部は反射膜35を透過する。第2光線28は反射膜35を透過する。第2光線28の一部は反射膜35を透過し、残部は反射膜35で反射する。
図2において遠景表示面22から反射膜35までの第1光線23の光路長を光路長Opとする。光路長Opは遠景表示面22上の第1光線23の起点の位置によって変化する。ここでは遠景表示面22の中心を第1光線23の起点と考える。近景表示面27が後面32に貼り合わせられているので、光路長Opを基準とすると近景表示面27から反射膜35までの第2光線28の光路長は実質的に0である。したがって第1光線23の光路長は、第2光線28の光路長よりも大きい。
図2に示す第1光線23と第2光線28はハーフミラー30において重畳される。重畳された光線はハーフミラー30の前面31から観察者90の視点に到達する。このため表示装置20は遠景表示面22の表示像と近景表示面27の表示像との重ね合わせ像を表示することができる。
図3にはハーフミラー30の前面31を観察したときに得られる重ね合わせ像40が示されている。遠景表示面22には第1表示パネル21の表示像として速度目盛の画像が表示されている。近景表示面27には第2表示パネル26の表示像として指示針の画像が表示されている。
図3に示す遠景表示面22の表示像及び近景表示面27の表示像はいずれも静止画でもよく動画でもよい。一態様において遠景表示面22の表示像は近景表示面27の表示像よりも大きい。遠景表示面22の表示像は観察者90の注意を強く引かない背景であることが好ましい。近景表示面27の表示像は遠景表示面22の表示像よりも小さい。近景表示面27の表示像は観察者90の注意を強く引くマーク、文字又は図形であることが好ましい。遠景表示面22の表示像が地図の画像であれば、近景表示面27の表示像はランドマークとなる建物の画像でも良い。
図3に示す遠景表示面22の表示像中、近景表示面27の表示像が重なる部分を暗くしてもよい。遠景表示面22の表示像中、近景表示面27の表示像が重なる部分を暗くしてもよい。これらの制御は第1表示パネル21及び第2表示パネル26に不図示のコンピューターを接続するとともに、係るコンピューターにおいて演算することで実現できる。
図2に示す前面31から観察者90の視点に到達する光線によって観察者90は速度目盛の画像と指示針の画像とを有する重ね合わせ像40を知覚する。図2に示すように観察者90の視点と遠景表示面22との間の光学的な距離は観察者90の視点と近景表示面27との間の光学的な距離よりも大きい。これらの光学的な距離の間には光の波長よりもはるかに大きい巨視的な差が生じている。したがって図3に示す重ね合わせ像40は、速度目盛の画像上に指示針の画像が浮き上がっているかのような奥行き感のある画像となる。また観察者は重ね合わせ像40を奥行き感のある画像として認識できる。
図2に示すハーフミラー30の前面31の第1光線23に対する反射率Rfは好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上である。可視光(400~750nm)全域中の任意の波長において反射率Rfが上記の範囲にあることが好ましい。
Rfは以下の方法によって測定される全反射率である。波長550nmにおける反射率を測定する場合は、まずハーフミラー30の測定サンプルを積分球の内部に設置し、次に測定サンプルにおけるガラス透明板34側の表面に対し反射膜35側から入射角5°で光を入射し、その後、正反射の方向に反射した光を分光光度計で検出する。検出された光の強さから反射率の測定値を得る。分光光度計としては、市販のもの(例えば日立製作所社製、型式:U-4100)が用いられる。光源としては日本工業規格(JIS Z8720:2012)に記載のD65光源を用いる。
図2に示す反射膜35に対して第2表示パネル26側から入射する第2光線28全体のうち、ハーフミラー30の前面31より出射するものの割合Tr(以下、「第2光線28に対する出射の割合Tr」又は「割合Tr」という。)は好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上である。可視光(400~750nm)全域中の任意の波長において割合Trが上記の範囲にあることが好ましい。
割合Trは以下の方法に沿って分光光度計を用いて測定される透過率である。測定に際しまず光をハーフミラー30の測定サンプルを板厚方向に対して平行に透過させる。かかる透過光のうち、拡散光を含まない成分の割合が透過率として求められる。ここで第2表示パネル26側から入射する第2光線28が偏光光の場合は、光源として偏光光源を用いて、その透過率を測定する。日本工業規格(JIS Z8720:2012)に記載のD65光源の発する光を、偏光板を通して用いることで、これを偏光光源とすることができる。
反射率Rfが上記範囲にあることで図2に示す第1表示パネル21として液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを選んでも、観察者90がハーフミラー30で反射された遠景表示面22の表示像を観察するのに十分な表示像の明るさを確保できる。またこれらのディスプレイの輝度を抑制することが出来る。一例において輝度は100cd以上、300cd以下である。
割合Trが上記範囲にあることで図2に示す第2表示パネル26として液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを選んでも、観察者90がハーフミラー30を透過する近景表示面27の表示像を観察するのに十分な表示像の明るさを確保できる。またこれらのディスプレイの輝度を抑制することが出来る。一例において輝度は100cd以上、400cd以下である。
図2に示す第1光線23に対する反射率Rfと第2光線28に対する出射の割合Trとの数値の合計は100に近いことが好ましく、第2表示パネル26が偏光による表示を行う場合には、Rfとその偏光に対するTrとの合計が100を超えることが更に好ましい。係る光学特性を実現するために実施例で説明する鏡面表示ユニット50を用いてもよい。
さらに数値の合計が上記範囲にあることで図2に示す第1表示パネル21及び第2表示パネル26として各々液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイのいずれかを選んでも、観察者90が重ね合わせ像を観察するのに十分な像の明るさを確保できる。またこれらのディスプレイの輝度を抑制することが出来る。一例において輝度は100cd以上、400cd以下である。
図2において間隔Gpは遠景表示面22とハーフミラー30の前面31との間の最も狭い部分の間隔である。前記間隔Gpの長さが、ハーフミラー30を視認した時のハーフミラー30の縦方向の長さ(図2の側面視における長さ)Lmの1/10以下であることが好ましい。
同様に、図2において側面視した遠景表示面22の縦方向の長さLdは、ハーフミラー30の長さLmの(1/√2)倍よりも大きいことが好ましい。図中では遠景表示面22が第1表示パネル21の全体を覆っている。さらに間隔Gpは前記長さLmの1/(√2×10)以下が好ましい。例えば第1表示パネル21として対角12インチ、アスペクト比が16:9の表示領域を持つディスプレイを用いた場合、長さLdは約150mmとなる。ここで角度Agを45°以下とすると長さLmは150mm未満となる。また間隔Gpの最大値は長さLmの1/10である。なお長さLpは側面視した近景表示面27の縦方向の長さを表している。
遠景表示面22の表示像のサイズはハーフミラー30のサイズの制約を受ける。このことから、遠景表示面22のサイズを基準として、近景表示面27の表示像の見かけの浮き上がり距離を定めてもよい。本実施形態ではハーフミラー30のサイズから間隔Gpを定めるものとした。
図2に示す長さLmが大きいほど、光路長Opが大きくなることが好ましい。第1光線23の光路長が大きくなるほど図3に示す重ね合わせ像40において、速度目盛と指示針との間にずれが生じやすくなる。すなわち第1表示パネル21の表示像と第2表示パネル26の表示像との間に位置的なずれが生じる。ずれは観察者90の視点がその位置を変えた時に発生しやすい。間隔Gpを上記の通り制限することでこのような表示像間のずれを生じにくくすることができる。
図2に示す表示装置20において第1表示パネル及び第2表示パネルのいずれも、観察者90に対して正対する方向以外の方向に配置されている。このため図3に示す遠景表示面22及び近景表示面27のいずれの表示像においても台形歪みが発生する可能性がある。かかる台形歪みは遠景表示面22及び近景表示面27の表示像を意図的に歪めることで予め補償しておいてもよい。表示像を意図的に歪めることは、観察者90の視点の位置に応じて行ってもよい。
また先に述べた表示像間のずれを解消するために表示像に意図的にずれを与えることで予め補償しておいてもよい。表示像に意図的にずれを与えることは、図2に示す観察者90の視点の位置に応じて行ってもよい。
また角度Agや観察者90の視線とハーフミラーとの成す角度によって表示像が縦又は横に圧縮されて見える。表示像を意図的に所定方向に拡大処理することで予め表示像の圧縮を補償しておいてもよい。表示像に意図的に拡大処理を行うことは、図2に示す観察者90の視点の位置に応じて行ってもよい。
これらの補償は図2に示す第1表示パネル21及び第2表示パネル26に不図示のコンピューターを接続するとともに、係るコンピューターにおいて演算することで実現できる。観察者90の視点の位置を測定する不図示のカメラをコンピューターに接続しておいてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。図4には他の表示装置59が示されている。図1に示す表示装置20と異なり、図4に示す表示装置59はハーフミラー60を備える。ハーフミラー60と第2表示パネル26とが複合した例としては特許文献2に記載の表示装置付きミラーが挙げられる。以下に表示装置59が表示装置20と異なる点を説明する。
図4に示すハーフミラー60は前面61及び後面62を備える。前面61には半透過性の反射膜65が設けられている。第2表示パネル26の近景表示面27はハーフミラー60の後面62に対して接着されていてもよい。表示装置59により第1表示パネル21の表示像上に第2表示パネル26の表示像が浮き上がっているかのような奥行き感のある重ね合わせ像を表示することができる。多重像が表示されることを抑えるためには、第2表示パネル26とハーフミラー60の後面62との間に空隙がなくなるように、これらを接着することが好ましい。
[実施例1]
<鏡面表示ユニットの構成>
本実施例では図2に示すように反射膜35はハーフミラー30の後面32に設けられている。また第2表示パネル26及びハーフミラー30が鏡面表示ユニット50を構成している。鏡面表示ユニット50の例としては特許文献3に記載の鏡面表示装置が挙げられる。
図5に鏡面表示ユニット50の分解図が示されている。反射膜35と近景表示面27との間には選択反射フィルム51が設けられている。ハーフミラー30、選択反射フィルム51及び第2表示パネル26並びに後述するλ/4板52を含む各部材を互いに貼り合わせることで鏡面表示ユニット50を形成する。ハーフミラー30と選択反射フィルム51とが偏光増幅ミラーとして機能する。なお第2表示パネル26内には偏光板が既に設けられている。したがって近景表示面27から出射する第2光線28は直線偏光である。第2光線28がλ/4板52を通過することで円偏光に変換される。
<反射膜と選択反射フィルムの働き>
図5に示す選択反射フィルム51は、左円偏光及び右円偏光のうちの一方を選択的に透過させ、他方を選択的に反射するものである。本実施例では便宜的に左円偏光を選択的に透過させ、右円偏光を選択的に反射するものを用いる。他の例においては右円偏光を選択的に透過させ、左円偏光を選択的に反射するものを用いてもよい。
図2に例示される第2光線28は左円偏光である。左円偏光は光の進行方向に対して右回り螺旋となる右回り円偏光である。右円偏光は光の進行方向に対して左回り螺旋となる左回り円偏光である。光学では、光の進行方向、すなわち光を受ける方向から見た回転方向で左及び右円偏光を定義する。これに対して電気工学では光の進行方向を基準とするため、左右が逆に定義される。本実施例では便宜的に光学の定義に沿って説明するが、なんら発明を限定的に解釈するものではない。
図5に示す選択反射フィルム51は反射膜35側から入射する光成分56a-cを反射する。選択反射フィルム51の反射膜35側の界面は、反射膜の平均屈折率よりも低い屈折率を有する透明樹脂、あるいは空気で形成されている。反射膜35で反射する円偏光の旋光方向は反射膜35に入射する円偏光の旋光方向と同じである。選択反射フィルム51は光学軸(ヘリカル軸)を有している。ここで反射により円偏光の進行方向が逆転するために、選択反射フィルム51の光学軸の軸方位を基準に見ると、光の進行方向における円偏光の偏向方位が逆転する。したがって左円偏光であった第2光線28から右円偏光である光成分56aが生成される。同様に光成分56b-cが生成される。反射膜35側から選択反射フィルム51に入射する光成分56a-cは選択反射フィルム51により反射される。
図5において、今度は光成分56a-cが選択反射フィルム51で反射する。上記同様に光線方向の反転に伴い選択反射フィルム51を透過するのに適した偏光方位を有する円偏光となる。このようにして右円偏光であった光成分56a-bから光成分57a-bが生成される。
図5において、反射膜35と選択反射フィルム51の間に空気が介在している場合は反射膜35と選択反射フィルム51間の距離を一定に保つことが難しい場合がある。したがって厚みが揃った透明樹脂を介在させることで、空気を除去してもよい。これにより、反射層35と選択反射フィルム51とを貼り合わせたときに反射膜35と選択反射フィルム51間の距離を面全体に渡って一定に保つことができる。
図5に示す反射膜35は選択反射フィルム51側から入射する光成分をその反射率に応じて反射する。反射膜35の選択反射フィルム51側の界面は、反射膜35よりも低い屈折率を有する透明樹脂とで形成されている。あるいは界面は反射膜35と空気とで形成されている。反射膜35は、選択反射フィルム51側から入射する第2光線28及び光成分57a-bを反射する際、選択反射フィルムの光学軸(ヘリカル軸)の軸方位を基準として、円偏光の偏向方位が逆転する。
図5に示す第2光線28の一部が反射膜35で光成分56aとして反射する。光成分56aが選択反射フィルム51で光成分57aとして反射する。光成分57aの一部が反射膜35で光成分56bとして反射する。光成分56bが選択反射フィルム51で光成分57bとして反射する。光成分57bの一部が反射膜35で光成分56cとして反射する。以降、反射膜35と選択反射フィルム51との間で光は反射を繰り返す。結果として第2光線28は反射膜35と選択反射フィルム51との間で多重反射する。
図5に示す第2光線28の一部が反射膜35の透過率に応じて光成分58aとして透過する。光成分57aの一部が同様に反射膜35で光成分58bとして透過する。光成分57bの一部が同様に反射膜35で光成分58cとして透過する。以降、反射膜35を光は次々と透過する。
図5に示す第2光線28が円偏光である点を考慮し、第2光線28が多重反射する原理をさらに説明する。図中の選択反射フィルム51は、左円偏光を選択的に透過させ、右円偏光を選択的に反射するものである。第2光線28が、選択反射フィルム51に対して第2表示パネル26側から左円偏光として入射するように、λ/4板52の位相軸の軸方位を定めてこれを配置する。これにより、第2光線28はほぼ全てが選択反射フィルム51を透過する。
図5に示す反射膜35は、円偏光の回転の向きに関わらず円偏光の一部を透過させ、残部の一部又は全部を反射するものである。第2光線28の一部は光成分56aとして反射膜35にて反射する。このとき、選択反射フィルム51の光学軸(ヘリカル軸)の軸方位を基準として、光の進行方向に対する円偏光の偏向方位が逆転するので、左円偏光は右円偏光となる。光成分56aは右円偏光として反射膜35側から選択反射フィルム51に入射する。
図5に示す選択反射フィルム51は、左円偏光を選択的に透過させ、右円偏光を選択的に反射するものである。選択反射フィルム51はヘリカル軸(第2光線28の進行方向に平行)に対して右螺旋のコレステリック構造を持つ。このため左円偏光(光の進行方向に対しては右螺旋の光)は透過する。一方、右円偏光である光成分56aは選択反射フィルム51にてそのほとんどが反射される。光成分56aは、選択反射フィルムで反射して光の進行方向が反転することで、前記同様に左円偏光の光成分57aとなる。以下、円偏光が反射膜35と選択反射フィルムで反射をするたびにその回転の向きが入れ替わるので多重反射を繰り返すことが出来る。
図5に示す選択反射フィルム51が、右円偏光を選択的に透過させ、左円偏光を選択的に反射するものであっても同様の結果が得られる。この場合、第2光線が選択反射フィルム51に対して第2表示パネル26側から右円偏光として入射するようにλ/4板52の位相軸の軸方位を定めてこれを配置する。第2光線は、選択反射フィルム51をほぼ透過する。第2光線の一部は、反射膜35にて反射するとともに光の進行方向に対して左円偏光である光成分に変化する。左円偏光である光成分は選択反射フィルム51にて反射する。このとき反射した光成分は、光の進行方向に対して右円偏光となる。
<選択反射フィルムの構成>
図5に示す選択反射フィルム51はコレステリック規則性を有する材料で形成されている。また材料を以下に示すように設計することで選択反射フィルム51を広帯域の光を選択反射することのフィルムとすることが好ましい。選択反射フィルム51が広帯域で円偏光を選択反射できるものであれば、各表示パネルの表示像に用いることのできる色の制限が少なくなる。
図5に示す選択反射フィルム51は、特定の波長帯域において右回り円偏光および左回り円偏光のうち一方を選択的に透過させ、他方を選択的に反射し、且つコレステリック規則性を有するフィルムであり、単層または複層フィルムからなる。なお、本明細書において広帯域とは、可視光帯域の少なくとも150nm以上の帯域において、右回り円偏光および左回り円偏光のうち一方を選択的に透過させ、他方を選択的に反射する機能を有するフィルムをいうものとする。反射光の色付きを抑えるなど、選択反射フィルムの反射特性を向上させる観点からは、可視光(400~750nm)全域を選択反射帯域とすることが好ましい。なお、本明細書においていう広帯域選択反射フィルムの帯域の範囲は、その反射分光スペクトルにおける反射半値幅に相当する波長帯域を示すものとする。
コレステリック規則性とは、一方向に揃って配向した分子が層を形成し、隣り合う分子層ごとに配向方向が僅かずつずれ、分子層が螺旋構造をなしている状態のことをいう。コレステリック規則性を固定するためには、通常、コレステリック液晶相を固定することにより得られる。コレステリック液晶組成物の膜を硬化した高分子フィルムが好適である。
コレステリック規則性は、通常、棒状のネマチック液晶やスメクチック液晶に対して不斉中心等を持つカイラルドーパントなどの旋光性物質を添加することによって得られる。
また、螺旋軸を有する円盤状液晶は、円盤状液晶に対してカイラルドーパントを添加することによって得られる。カイラルドーパントによって、液晶分子に捩じれが生じ、旋光性が付与される。螺旋を誘起するカイラルドーパントの濃度を調整することによって、若しくは液晶性化合物やカイラルドーパントの種類を変えることによってカイラル構造の螺旋ピッチを変えることができる。螺旋ピッチを変えることによって特定の波長の光を反射させることが可能となる。コレステリック規則性を構成する構造は、フィルム主面に対してほぼ法線方向のヘリカル軸を有することが好ましい。広帯域選択反射フィルムのみを用いる場合は、前記ヘリカル軸がフィルム主面に対して法線方向に完全に揃っていることが好ましい。ハーフミラーと広帯域選択反射フィルムとを積層して用いる場合は、前記ヘリカル軸が平均的にフィルム主面に対して法線方向となるようにしてもよい。
コレステリック規則性を有する螺旋構造は、その螺旋軸と平行な方向より、その螺旋構造に入射する光の螺旋の旋回方向と同一方向の円偏光を反射し(選択反射という)、非同一方向の円偏光を透過する性質が知られている。この時、その反射する円偏光の中心波長λは、以下の式(1)に示すように、その螺旋構造のピッチp(μm)と螺旋軸に直交する平面での液晶の平均屈折率n[av]との積で示される。
λ=p×n[av] (式(1))
その反射の帯域幅Wは、以下の式(2)に示すように、液晶の複屈折異方性Δnとpの積で示される。
W=p×Δn (式(2))
広帯域化する方法としては、螺旋ピッチの異なる、すなわち、選択反射帯域の異なるフィルムを複数枚積層して、積層体全体として広帯域化する方法がある。この場合、通常、螺旋ピッチの大きさの順に積層する。また、別の方法として、単層において螺旋ピッチの大きさを連続的に変化させる方法がある。単層において螺旋ピッチの大きさを連続的に変化させる方法としては、光線照射条件および加温による配向処理の少なくとも一方の条件を変更して複数回に亘って硬化処理する方法や、硬化性液晶組成物を塗工する工程と前記処理を複数回に分けて行う方法が例示できる。これらの方法は、組み合わせて用いてもよい。
硬化性液晶組成物は、例えば、重合性官能基を有するネマチック若しくはスメクチックの液晶性化合物と、重合性官能基を有するカイラルドーパントとを含有する液晶組成物である。また、円盤状液晶とカイラルドーパントとを含有する液晶組成物でもよい。カイラルドーパントは、必ずしも重合性基を有していなくてもよく、また、重合性基を有するカイラルドーパントと、重合性基を有しないカイラルドーパントとを併用してもよい。また、重合性官能基を有しない液晶性化合物が一部に含まれていてもよい。また、液晶性化合物は、低分子化合物のみならず、ポリマーであってもよい。
液晶組成物には、通常、重合開始剤が含まれている。また、必要に応じて、コレステリック液晶相の形成に影響を与えない範囲において、重合開始剤、重合禁止剤、紫外光吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、水平配向剤、ムラ防止剤、ハジキ防止剤等を含有していてもよい。また、膜強度を高めるために、可塑剤等を添加することも可能である。
光安定剤としては、ヒンダードアミン類、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、ニッケルコンプレクス-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルリン酸モノエチラート、ニッケルジブチルジチオカーバメート等のニッケル錯体が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。液晶組成物中の光安定剤の含有量は、液晶化合物の合量100質量部に対して、0.01~1質量部であることが好ましく、0.1~0.3質量部が特に好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、フォスフィンオキサイド類、チオキサントン類等が挙げられる。また熱重合開始剤としてアゾビス系、過酸化物系等の重合開始剤が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。液晶組成物中の光、又は熱重合開始剤の含有量は液晶組成物の全体量に対して、0.01~5質量%が好ましく、0.03%~2質量%が特に好ましい。
重合性官能基を有する液晶性化合物は、カイラルドーパントの添加によって螺旋軸を有する液晶相を示し、螺旋軸を有する液晶相を固定化でき、かつ、可視光帯域を選択反射可能なものを用いることが好ましい。
図5に示すハーフミラーを形成するために、所定の材料を透明板34上に塗布することで選択反射フィルム51を形成する。一例として重合性官能基を有する液晶性化合物と、カイラルドーパントとを少なくとも含む液晶組成物を支持体となる透明板上に塗布する。非重合性の液晶性化合物や、非液晶性の重合性化合物が液晶組成物中に含有されていてもよい。カイラルドーパントの量は、液晶化合物に対して1~30モル%であることが好ましい。液晶組成物に溶媒が添加されている場合には、塗膜の乾燥を行う。溶媒を除去し、温度を所定の条件下にすることによって、コレステリック液晶相が発現する。この状態において、重合を行う。重合は、前述したように外部エネルギーを印加することによって行う。重合温度は、コレステリック液晶相を安定して発現させる点からは、コレステリック液晶相-等方相の相転移温度(Tc)よりも-10℃以下の範囲が好ましい。重合は、ラジカル重合が好ましい。重縮合等で水等の揮発物が重合中に発生する反応や、液晶特性に悪影響を与える副生成物を発生する反応は好ましくない。円盤状液晶性分子の重合については、公知の方法で行うことができる。
光線照射に用いる光源は特に制限されない。例えば、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ等を用いることができる。
液晶組成物は、重合性官能基を有する液晶性化合物と重合性官能基を有するカイラルドーパントとを合わせて75質量%以上含むことが好ましく、さらに、90質量%以上を含むことが好ましい。液晶組成物は、重合性液晶化合物を75質量%以上、特に85質量%以上含むことが好ましい。上記工程を経て、選択反射フィルム51が製造される。
<ハーフミラー前面の反射防止膜>
図5に示す鏡面表示ユニット50の前面にはハーフミラー30の前面31が位置するので鏡面として機能する。実際には、鏡面表示ユニット50はハーフミラー30の後面32に反射膜35を備える。ハーフミラー30の前面31で鏡面反射することは望ましくない。しかしながら透明板34としてガラスを選択した場合、一例において前面31で4%程度の光が反射される。このためハーフミラー30は反射防止膜36を備える。反射防止膜36は、第1光線23がハーフミラー30の前面31で鏡面反射することを抑制する(Anti-Reflective:反射防止)。
図5において第1光線23中の光成分53aはハーフミラー30を透過するとともに後面32側にある反射膜35で反射する。光成分53aが観察者の視点に届くと第1表示パネルの正規の表示像として観察される。
図5において第1光線23中の他の光成分である光成分53bは前面31で鏡面反射する。光成分53bが観察者の視点に届くと第1表示パネルの表示像のゴースト又は二重映りとして観察される。ゴースト又は二重映りが発生しやすいのは、透明板34が支持体として働くのに必要な厚みを有しているとともに、反射膜35が後面32にあるためハーフミラー30内に光路差が生じるからである。一例において透明板34の厚みは6mmである。
図5において反射防止膜36の作用により光成分53bが鏡面反射して観察者の視点に届くことを防止する。このように鏡面反射を抑制することでゴースト又は二重映りが発生することを防止する。反射防止膜36は、反射防止膜36と外界との界面における反射光と、反射防止膜36と透明板34との界面における反射光との間の干渉により、光成分53bを打ち消す。
反射防止膜36は防眩膜に置き換えてもよい(Anti-Glare:防眩)。防眩膜は図中の反射防止膜36と外界との界面において、光成分53bを散乱させるものでもよい。
<表示パネルの表示方式とこれに必要な他の光学素子>
図5に示す第2表示パネル26は液晶ディスプレイでもよい。一般に液晶ディスプレイから出射する光線は直線偏光である。この場合、図において近景表示面27から出射する第2光線28は直線偏光である。
また図5に示す選択反射フィルム51と第2表示パネル26の近景表示面27との間には、λ/4板52が設けられている。λ/4板52は、直線偏光である第2光線28を、選択反射フィルム51を透過する左円偏光及び右円偏光のうちの一方の円偏光に変換する。
図5に示す第2表示パネル26は有機EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイでもよい。一般に、円偏光板によって表示素子からの反射光を制御している有機ELディスプレイから出射する光線は通常は直線偏光である。この場合、図において近景表示面27から出射する第2光線28は偏光である。
さらに選択反射フィルム51と第2表示パネル26との間には、λ/4板52が設けられている。λ/4板52は、直線偏光である第2光線28を、選択反射フィルム51を透過する左円偏光及び右円偏光のうちの一方の円偏光に変換する。本実施例では直線偏光であった第2光線28を左円偏光に変換する。
[比較例1]
図1に示す表示装置では第1の表示器96を観察者90から見て各部材の中でも最も遠方に配置することが出来る。第1の表示器96には広い描画領域を有する液晶表示装置を利用する。第2の表示器97には第1の表示器96よりも輝度の大きいものを使用する。第2の表示器97には液晶よりも輝度の大きい蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display)が使われる。第2の表示器97の描画領域は小さいので第2の表示器97には文字などを表示することが好ましい。
図1に示すハーフミラー94の反射率が高くなると第2の表示器97の画像が明るく見えるようになる一方で、第1の表示器96の画像が暗く見えるようになる。ハーフミラー94の透過率が高いと第1の表示器96の画像が明るく見えるようになる一方で、第2の表示器97の画像が暗く見えるようになる。したがって、ハーフミラー94の光学的特性に合わせて少なくともいずれか一方の表示器の輝度を十分に高める必要がある。
これに対して、図2に示す表示装置20では、第1光線23に対する反射率Rfと第2光線28に対する出射の割合Trとの数値の合計が100より大きいものとすることが出来る。係る場合、ハーフミラー30の反射率は第2光線の透過の問題によって制限されない。したがって第1表示パネル21の輝度は大きく制限されない。
[実施例2]
図2に示す表示装置20は図6に示すように動力機械のインストルメントパネル67に用いることが出来る。図には動力機械の例として自動車が示されている。第1光線23及び第2光線28は搭乗員である観察者90に知覚される。表示装置20の手前には透明のカバー68が設けられている。表示装置20の向きは第1光線23及び第2光線28が観察者90の視点に届くように変化させてもよい。
また図6に示す表示装置20は図4に示す表示装置59に置き換えてもよい。これらの表示装置は、自動車をはじめとする動力機械のシミュレーターのインストルメントパネルに用いてもよい。
[実施例3~7]
本実施例3~7では、以下に説明する通り図5に示すのと同様の構成の鏡面表示ユニットを用いた。さらに図2に示すのと同様の構成の表示装置と同等の試験用光学系を組んで、表示像同士を重畳させた。角度Agは45°とした。間隔Gpを様々に変えて表示像間のずれの有無、奥行き感の有無を評価した結果を表1に示す。ハーフミラーの第1光線に対する反射率Rfは62%、第2光線(偏光)に対する出射の割合Trは38%であった。
本実施例3~7ではハーフミラー30の大きさは縦200mm×横250mmである。第1表示パネル21の表示領域(遠景表示面22)の大きさは対角11.6インチ(295mm)で、横259×縦146mmである。長さLd=146mmである。第2表示パネル26の表示領域(近景表示面27)の大きさは対角10.1インチ(259mm)で横225×縦127mmである。長さLp=127mm。表示パネルはいずれも、アスペクト比16:9の横置きである。ハーフミラー30と第1表示パネル21との成す角度が45°の時、ハーフミラー30の短辺の第1表示パネル21の短辺への投影長さは、200/√2=141mmとなる。したがって縦方向において、ハーフミラー全面に第1表示パネル21の表示領域が表示される(長さLd>141mm)。本実施例では長辺についてはハーフミラー30の傾きに起因する投影長さに変化が無い。したがって横方向においてもハーフミラー全面に第2表示パネル26の表示領域が表示される(表示パネルの長辺259mm>ハーフミラーの長辺250mm)。ハーフミラーの長辺が表示パネルの長辺より大きい場合は、長辺方向の表示領域を超える部分のハーフミラー面に遮光フィルムを配設して、表示領域以外が反射して視認されることを防止する。
Figure 0007006334000001
評価方法:テスターが鏡面表示ユニットの前面から70cmの位置から画像を観察した。観察の際、テスターは視線を左右に振りながら表示を確認した。
表示像間のずれ有無の判断基準:近景表示が不自然でないかどうか。
奥行き感の有無の判断基準:画像に立体感が感じられるかどうか。
20 表示装置、 21 第1表示パネル、 22 遠景表示面、 23 第1光線、 26 第2表示パネル、 27 近景表示面、 28 第2光線、 30 ハーフミラー、 31 前面、 32 後面、 34 透明板、 35 反射膜、 36 反射防止膜、 37 遮光部、 40 重ね合わせ像、 50 鏡像表示ユニット、 51 選択反射フィルム、 52 λ/4板、 53a-b 光成分、 55 偏光板、 56a-c 光成分、 57a-b 光成分、 58a-c 光成分、 59 表示装置、 60 ハーフミラー、 61 前面、 62 後面、 65 反射膜、 67 インストルメントパネル、 68 カバー、 90 観察者、 94 ハーフミラー、 96 第1の表示器、 97 の表示器、 Ag 角度、 Gp 間隔、 Ld 遠景表示面の長さ、 Lm ハーフミラーの長さ、 Lp 近景表示面の長さ、 Op 光路長、 Rf 反射率、 Tr 割合

Claims (11)

  1. 第1表示パネル及び第2表示パネル並びに前記第1表示パネルの表示像及び第2表示パネルの表示像を重ね合わせるハーフミラーを備え、
    前記ハーフミラーの前面又は後面に半透過性の反射膜が設けられており、
    前記第1表示パネルから出る第1光線は前記前面から前記ハーフミラーに入射するとともに前記反射膜で反射し、
    前記第2表示パネルから出る第2光線は前記後面から前記ハーフミラーに入射するとともに前記反射膜を透過し、
    前記第2表示パネルの表示面が前記ハーフミラーの後面に対して直接に又は間接に貼り合わせられていることから、前記第1表示パネルから前記反射膜までの光路長は前記第2表示パネルから前記反射膜までの光路長よりも大きく、
    前記第1表示パネルの表示面と前記ハーフミラーの前記前面との間の最も狭い部分の間隔が前記ハーフミラーの縦方向の長さの1/20以下である
    表示装置。
  2. 前記ハーフミラーにおいて前記反射膜は前記後面に設けられており、
    前記ハーフミラーの前記反射膜と前記第2表示パネルの前記表示面との間には、コレステリック規則性を有する選択反射フィルムが設けられており、
    前記選択反射フィルムは、左円偏光及び右円偏光のうちの一方を選択的に透過させ、他方を選択的に反射するものであるとともに、前記反射膜側から入射する光を反射する際その位相を逆転させるものであり、
    前記反射膜は、前記選択反射フィルム側から入射する光を反射する際その位相を逆転させるものであり、
    前記第2光線は前記反射膜と前記選択反射フィルムとの間で多重反射しながら、前記選択反射フィルムよりも前記反射膜から優先的に出射する、
    請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第2光線は、前記選択反射フィルムに対して前記第2表示パネル側から左円偏光として入射するとともに前記選択反射フィルムを透過し、
    前記第2光線の一部は、前記反射膜にて反射するとともに右円偏光に変化し、さらに前記選択反射フィルムにて反射するとともに左円偏光に変化する、
    又は
    前記第2光線は、前記選択反射フィルムに対して前記第2表示パネル側から右円偏光として入射するとともに前記選択反射フィルムを透過し、
    前記第2光線の一部は、前記反射膜にて反射するとともに左円偏光に変化し、さらに前記選択反射フィルムにて反射するとともに右円偏光に変化する、
    請求項2に記載の表示装置。
  4. 可視光(400~750nm)全域中の任意の波長において、前記ハーフミラーの前記前面における前記第1光線に対する反射率は50%以上であり、
    可視光(400~750nm)全域中の任意の波長において、前記選択反射フィルムに対して前記第2表示パネル側から入射する前記第2光線のうち、前記ハーフミラーの前記前面より出射するものの割合は20%以上である、
    請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記第2表示パネルは液晶ディスプレイであり、
    前記第2表示パネルから出射する前記第2光線は直線偏光であり、
    前記選択反射フィルムと前記第2表示パネルの前記表示面との間には、λ/4板が設けられており、
    前記λ/4板は、前記直線偏光を、前記選択反射フィルムを透過する左円偏光及び右円偏光のうちの一方の円偏光に変換する、
    請求項4に記載の表示装置。
  6. 前記ハーフミラーの前記前面は防眩膜又は反射防止膜を備え、
    前記防眩膜又は反射防止膜は、前記第1光線が前記ハーフミラーの前記前面で鏡面反射することを抑制する、
    請求項3~5のいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記ハーフミラーにおいて前記反射膜は前記前面に設けられており、
    前記第2表示パネルの前記表示面は前記ハーフミラーの前記後面に対して接着されている、
    請求項1に記載の表示装置。
  8. 前記第1表示パネルの前記表示面と前記ハーフミラーの前記前面との間の最も狭い部分の間隔が前記ハーフミラーの縦方向の長さの1/40以上である、
    請求項~7のいずれかに記載の表示装置。
  9. 前記第1表示パネルの前記表示面は前記ハーフミラーの前記前面に対向しているとともに前記ハーフミラーの前記反射膜の成す反射面に対して45±5度傾いている、
    請求項1~8のいずれかに記載の表示装置。
  10. 自動車又は自動車シミュレーターのインストルメントパネルに用いられる、
    請求項1~9のいずれかに記載の表示装置。
  11. 請求項10に記載の表示装置を有するインストルメントパネルを備える自動車又は自動車シミュレーター。
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