以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本明細書においては半導体基板の深さ方向と平行な方向における一方の側を「上」、他方の側を「下」と称する。基板、層、膜またはその他の部材の2つの主面のうち、一方の面を上面、他方の面を下面と称する。「上」、「下」の方向は、相対的な位置関係を説明する便宜的な表現に過ぎない。「上」、「下」の方向は、重力方向に限定されない。また、各実施形態においては、第1導電型をP型とし、第2導電型をN型とするが、他の実施形態においては第1導電型をN型、第2導電型をP型としてもよい。
図1は、第1実施形態における半導体装置200の上面視図である。本例の半導体装置200は、半導体基板10を有する。半導体基板10は、半導体チップと呼んでもよい。半導体基板10はX軸方向に平行な2つの端部とY軸方向に平行な2つの端部を有する矩形形状であってよい。
本例において、X軸方向とY軸方向とは互いに直交する方向である。なお、X軸方向は第1方向の一例であり、Y軸方向は第2方向の一例である。また、Z軸方向はX‐Y平面に垂直な方向である。Z軸方向と平行な特定の方向を、半導体基板10における深さ方向と称する。本例において、X、YおよびZ軸方向は、いわゆる右手系を成す。
半導体装置200は、パッド部80、活性部90およびエッジ終端部100を有する。本例の活性部90は、複数の主IGBT領域92と複数のFWD(Free Wheeling Diode)領域94とを有する。主IGBT領域92は主トランジスタ領域の一例であり、センスIGBT領域82はセンストランジスタ領域の一例である。本例のセンスIGBT領域82は、Y軸方向において主IGBT領域92に隣接して、活性部90ではなくパッド部80に設けられる。FWD領域94は、主IGBT領域92とは逆の向きに電流を流す逆導通のダイオードの領域として機能してよい。本例では、主IGBT領域92は、半導体基板10の裏面から表面に向けてZ軸方向の正の向きに電流を流す。一方、FWD領域94は、本例では半導体基板10の表面から裏面に向けてZ軸方向の負の向きに電流を流す。
主IGBT領域92は、FWD領域94に隣接してよい。主IGBT領域92およびFWD領域94は、互いに離間して交互に配置されてよい。本明細書においては、主IGBT領域92とFWD領域94とが交互に配置される配列方向は、X軸方向と平行である。1つのFWD領域94は、X軸方向において2つの主IGBT領域92に挟まれてよい。複数の主IGBT領域92は、互いに離間してY軸方向に沿って配置されてよい。また、複数のFWD領域94も、互いに離間してY軸方向に沿って配置されてよい。
Y軸方向に隣接する2つの主IGBT領域92の間および2つのFWD領域94の間には、ゲートランナー部が設けられてよい。加えて、ゲートランナー部は、活性部90の周囲に設けられてよい。ゲートランナー部は、ゲート電極を介してゲートパッド88に電気的に接続してよい。ゲートランナー部にはゲート電位が供給されてよい。
各主IGBT領域92は、一または複数のIGBTを有してよい。また、各FWD領域94は一または複数のFWDを有してよい。本例の半導体装置200は、主IGBT領域92およびFWD領域94を半導体基板10に一体化した逆導通IGBT(RC-IGBT(Reverse Conducting IGBT))である。
パッド部80は、Y軸方向において活性部90に隣接してよい。本例のパッド部80は、センスIGBT領域82、ゲートパッド88(G)、ダミー電極パッド86(DE)およびセンスエミッタパッド84(SE)を少なくとも有する。本例のパッド部80は、活性部90の温度を測定するために設けられたセンサダイオードに各々電気的に接続するアノードパッド(TA)およびカソードパッド(TK)をさらに有する。各パッドは、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)およびこれらの組合せを含む電極パッドであってよい。
センスIGBT領域82は、主IGBT領域92に流れる主電流を検出する目的で設けられてよい。なお、センスIGBT領域82に流れるセンス電流は、主IGBT領域92に流れる主電流に比べて十分に小さい電流値であってよい。センスIGBT領域82の上面には設けられたセンスエミッタ電極が設けられてよい。センスエミッタ電極は、センスエミッタパッド84に電気的に接続されてよい。センスIGBT領域82は、主IGBT領域92と対向するように隣接してよい。本例のセンスIGBT領域82は、X軸およびY軸方向の長さが、1つの主IGBT領域92のX軸およびY軸方向の長さに比べて十分に小さい。本例において、センスIGBT領域82のX軸方向に平行な一辺の全体は、1つの主IGBT領域92のX軸方向に平行な一辺とY軸方向において対向する。
センスエミッタパッド84には、ワイヤ、ピンまたは配線が電気的に接続されてよい。センスエミッタパッド84を介して、センスIGBT領域82に流れるセンス電流を半導体装置200外に設けられた制御回路に取り込んでよい。制御回路は、センス電流の値から主電流の値を推定してよい。制御回路は、主IGBT領域92に過電流が流れている場合に、主IGBT領域92に流れる電流を遮断してよい。これにより、半導体装置200に急激な温度上昇が生じて最終的に半導体装置200が破壊されることを防止することができる。
エッジ終端部100は、半導体基板10の周辺部に設けられてよい。本例のエッジ終端部100は、上面視において活性部90およびパッド部80を合わせた領域の周囲を囲んでよい。エッジ終端部100は、活性部90における半導体基板10の表面近傍の電界集中を緩和する機能を有してよい。エッジ終端部100は、ガードリング、フィールドプレート、リサーフ構造およびチャネルストッパーならびにこれらを組み合わせた構造を有してよい。
図2は、図1における領域Aの拡大図である。領域Aは、活性部90の主IGBT領域92と、パッド部80のセンスIGBT領域82とを含む領域である。図2において、センスIGBT領域82と主IGBT領域92との仮想的な境界85を破線で示す。なお、境界85近傍に位置する主IGBT領域92のP+型のウェル領域17‐1と、境界85近傍に位置するセンスIGBT領域82のP+型のウェル領域17‐2との間においては、N-型のドリフト領域18が半導体基板10の表面に露出する。本例のセンスIGBT領域82は、境界85を挟んで、主IGBT領域92と対向する。
主IGBT領域92において、半導体基板10は、P+型のウェル領域17‐1、P-型のベース領域14、P+型のコンタクト領域16、N+型のエミッタ領域12、第1ダミートレンチ部30および第1ゲートトレンチ部60を有する。本例の主IGBT領域92は、半導体基板10上において、ゲート電極50‐1、ダミー電極56および主エミッタ電極95を有する。
センスIGBT領域82において、半導体基板10は、P+型のウェル領域17‐2および17‐3、P-型のベース領域14、P+型のコンタクト領域16、N+型のエミッタ領域12、第2ダミートレンチ部40および第2ゲートトレンチ部70を有する。本例のセンスIGBT領域82は、半導体基板10上において、センスエミッタ電極96を有する。
図2においては、ゲート電極50‐1および50‐2、ダミー電極56、主エミッタ電極95ならびにセンスエミッタ電極96は、Y軸方向において互いに離間している。本例において、ゲート電極50‐1およびダミー電極56は、主エミッタ電極95とセンスエミッタ電極96との間に位置し、主エミッタ電極95およびセンスエミッタ電極96から離間する。ただし、ダミー電極56および主エミッタ電極95は、スクリーニング試験後における領域A以外の領域において電気的に接続する場合がある。
なお、半導体装置200は、半導体基板10の表面と各電極との間に層間絶縁膜を備えるが、理解を容易にすることを目的として、図2においては層間絶縁膜を省略する。層間絶縁膜は、特定の開口が設けられた領域を除いて、トレンチ部内の導電部と半導体基板10上の電極とを電気的に絶縁する機能を有してよい。例えば、層間絶縁膜は、第1ダミートレンチ部30と主エミッタ電極95、ダミー電極56およびゲート電極50‐1との間、第2ダミートレンチ部40とセンスエミッタ電極96との間、第1ゲートトレンチ部60と主エミッタ電極95およびダミー電極56との間、ならびに、第2ゲートトレンチ部70とセンスエミッタ電極96との間に各々設けられる。
図2の主IGBT領域92においては、3本の第1ダミートレンチ部30と4本の第1ゲートトレンチ部60とが設けられる。ただし、第1ダミートレンチ部30および第1ゲートトレンチ部60の数は、上記例に限定されない。第1ダミートレンチ部30と第1ゲートトレンチ部60との間には、ベース領域14、コンタクト領域16およびエミッタ領域12が配置される。コンタクト領域16およびエミッタ領域12は、Y軸方向において交互に配置されてよい。
領域Aの主IGBT領域92は、センスIGBT領域82に比べて半導体基板10のX‐Y平面の中央に位置する。そこで、領域Aにおいては、内側および外側の表現を用いて説明する場合がある。例えば、主IGBT領域92において、境界85に近い位置の側を外側と表現し、境界85から遠い位置の側を内側と表現する場合がある。同様に、センスIGBT領域82において、境界85に近い位置の側を内側と表現し、境界85から遠い位置の側を外側と表現する場合がある。
主IGBT領域92において、ベース領域14は、最も外側のコンタクト領域16のさらに外側に位置する。また、ウェル領域17‐1は、このベース領域14のさらに外側に位置する。ウェル領域17‐1は、ベース領域14と境界85近傍のドリフト領域18との間に位置する。
主IGBT領域92のエミッタ領域12、ベース領域14およびコンタクト領域16上において、層間絶縁膜は開口65を有してよい。主エミッタ電極95は、開口65を通って、半導体基板10の表面に露出したエミッタ領域12、ベース領域14およびコンタクト領域16と接触してよい。なお、開口65において主エミッタ電極95と半導体基板10の表面との間には、タングステンで形成されたプラグが設けられてもよい。
第1ゲートトレンチ部60においては、ゲート・オン時にトレンチの側壁に接してチャネルが形成されてよい。これに対して、第1ダミートレンチ部30のトレンチの側壁にはチャネルは形成されない。第1ダミートレンチ部30は、ゲート・オン時にキャリアの注入を促進させる効果(Injection Enhancement効果、以下IE効果)を発揮してよい。
第1ダミートレンチ部30または第2ダミートレンチ部40とダミー電極56との間には、接続部38が設けられてよい。ダミー電極56は、接続部38を通じて、第1ダミートレンチ部30および第2ダミートレンチ部40と電気的に接続してよい。本例においては、第1ダミートレンチ部30とダミー電極56との間に、接続部38が設けられる。接続部38は、不純物がドープされたポリシリコン等の導電性を有する材料で形成されてよい。接続部38は、第1ダミートレンチ部30内のトレンチ導電部と電気的に接続してよい。
接続部38および層間絶縁膜の開口39は、主IGBT領域92におけるウェル領域17‐1上、または、センスIGBT領域82におけるウェル領域17‐2もしくは17‐3上に設けられてよい。開口39は、接続部38とダミー電極56との間に位置する。本例においては、ダミー電極56が主IGBT領域92に設けられるので、接続部38および開口39は、主IGBT領域92のウェル領域17‐1に設けられる。接続部38は、開口39を通じてダミー電極56と電気的に接続してよい。これにより、第1ダミートレンチ部30のトレンチ導電部にはダミー電極56の電位が供給される。
本例の開口39は、主IGBT領域92におけるウェル領域17‐1上に設けられる。本例においては、半導体基板10の上面視において、主IGBT領域92におけるウェル領域17‐1は、センスIGBT領域82におけるウェル領域17‐2よりも広い。より広いウェル領域17‐1上においてダミートレンチ部とダミー電極56との電気的コンタクトをとることにより、設計時に設定するマージンおよび製造プロセスにおける加工精度の観点において、電気的コンタクトをより安定させることができる。
第1ゲートトレンチ部60は、Y軸方向において延伸する直線形状を有してよい。本例の第1ゲートトレンチ部60は、ダミー電極56の下方において終端する。第1ゲートトレンチ部60のY軸方向における終端部の底部は、ウェル領域17‐1に覆われてよい。
第1ゲートトレンチ部60が終端する領域において、第1ゲートトレンチ部60上には接続部68が設けられる。第1ゲートトレンチ部60内のトレンチ導電部は、接続部68に電気的に接続してよい。接続部68は半導体基板10上に設けられたポリシリコン等の導電材料であってよい。接続部68の材料は接続部38の材料と同じであってよく、接続部68は接続部38と同一のプロセスで形成されてもよい。
接続部68はY軸方向に延伸してよい。接続部68は、第2ゲートトレンチ部70がY軸方向において終端する位置において、第2ゲートトレンチ部70と重なってよい。接続部68は、第2ゲートトレンチ部70のY軸方向の端部77よりも外側に延伸してよい。接続部68は、第2ゲートトレンチ部70との重なり位置において、第2ゲートトレンチ部70内のトレンチ導電部と電気的に接続してよい。
本例では、第1ゲートトレンチ部60と第2ゲートトレンチ部70とは、接続部68により電気的に互いに接続される。接続部68は、第1ゲートトレンチ部60がY軸方向において終端する終端部分のトレンチ導電部63(後述)と、第2ゲートトレンチ部70がY軸方向において終端する終端部分のトレンチ導電部73(後述)とを、導電材料でブリッジ状に接続してよい。本例の接続部68は、第1ゲートトレンチ部60および第2ゲートトレンチ部70の各トレンチ導電部を接続するゲート用ブリッジ導電部の一例である。接続部68は、開口69を通じてゲート電極50‐1に電気的に接続してよい。なお、ゲート電極50‐1が接続部68と電気的に接続し、ダミー電極56が接続部38と電気的に接続することが確保されれば、ゲート電極50‐1とダミー電極56との位置を交換してもよい。
図2のセンスIGBT領域82においては、3本の第2ダミートレンチ部40と4本の第2ゲートトレンチ部70の長手部分76とが設けられる。ただし、第2ダミートレンチ部40および第2ゲートトレンチ部70の長手部分76の数は、上記例に限定されない。また、センスIGBT領域82のX軸方向の端は、図示しないウェル領域17が形成されてよい。すなわち、センスIGBT領域82は、上面視で、ベース領域14よりも深く形成されたウェル領域17で囲まれていてよい。
第2ダミートレンチ部40と第2ゲートトレンチ部70の長手部分76との間には、ベース領域14、エミッタ領域12、コンタクト領域16ならびにウェル領域17‐2および17‐3が配置される。本例においては、Y軸方向において1つのエミッタ領域12を間に挟んだ2つのコンタクト領域16が、Y軸方向において2つのベース領域14の間に挟まれる。また、当該2つのベース領域14は、Y軸方向において外側のウェル領域17‐2と内側のウェル領域17‐3とにより挟まれる。
第2ゲートトレンチ部70は、Y軸方向に延伸する長手部分76とX軸方向に延伸する短手部分78とを有してよい。第2ゲートトレンチ部70は、長手部分76と、短手部分78と、長手部分76および短手部分78を接続する湾曲部79とにより構成されてよい。本例の第2ゲートトレンチ部70は、U字形状を有する。
第2ゲートトレンチ部70においても、ゲート・オン時にトレンチの側壁に接してチャネルが形成されてよい。これに対して、第2ダミートレンチ部40のトレンチの側壁には、チャネルは形成されない。第2ダミートレンチ部40は、上述のIE効果を発揮してよい。
第2ゲートトレンチ部70のY軸方向における端部77の底部は、ウェル領域17‐2に覆われてよい。ウェル領域17‐2に位置する第2ゲートトレンチ部70の底部は、ウェル領域17‐2により覆われてよい。ウェル領域17‐3内に位置する第2ゲートトレンチ部70の長手部分76の一部の底部と短手部分78の底部とも、同様にウェル領域17‐3により覆われてよい。
第2ゲートトレンチ部70の端部77は、センスIGBT領域82におけるウェル領域17の外周で規定される範囲内に設けられてよい。本例の第2ゲートトレンチ部70においては、内側の端部77がセンスIGBT領域82における内側のウェル領域17‐2内に設けられ、外側の端部(即ち、短手部分78)がセンスIGBT領域82における外側のウェル領域17‐3内に設けられる。第2ゲートトレンチ部70における内側の端部77のZ軸方向の側壁と、第2ゲートトレンチ部70のZ軸方向の底面が端部77に達する部分とが、ウェル領域17‐2内に設けられてよい。これにより、第2ゲートトレンチ部70の端部77における電界強度の増加を防ぐことができる。
本例において、全ての第2ゲートトレンチ部70のY軸方向の端部77は、X軸方向に延伸するウェル領域17‐2と、半導体基板10の上面に露出してウェル領域17‐2に接するドリフト領域18との境界85よりも、外側に位置する。これにより、主IGBT領域92における主電流とセンスIGBT領域82におけるセンス電流との干渉を低減することができる。それゆえ、本例のセンスIGBT領域82においては、主電流のセンス電流への干渉を低減することができる。なお、本例においては、全ての第1ゲートトレンチ部60のY軸方向の端部は、X軸方向に延伸するウェル領域17‐1よりも内側に位置する。
第2ゲートトレンチ部70の短手部分78において、第2ゲートトレンチ部70内のトレンチ導電部とゲートランナー部51とは電気的に接続してよい。ゲートランナー部51は、層間絶縁膜に設けられた開口54を通じてゲート電極50‐2に電気的に接続してよい。ゲートランナー部51は、不純物がドープされたポリシリコン等で形成されてよい。第2ゲートトレンチ部70および第1ゲートトレンチ部60には、ゲート電極50‐2からゲート電位が供給される。
なお、本例においては、ゲート電極50‐1とゲート電極50‐2とは、領域A以外の領域において電気的に接続する。他の例においては、ゲート電極50‐1をなくして、ゲート電極50‐2のみを設けてもよい。
第2ダミートレンチ部40は、Y軸方向に延伸してよい。本例の第2ダミートレンチ部40は、センスIGBT領域82における外側のウェル領域17‐3において終端する。第2ダミートレンチ部40のY軸方向における終端部の底部は、ウェル領域17‐3により覆われてよい。
本例において、第2ダミートレンチ部40は、Y軸方向において境界85まで延伸し、境界85において第1ダミートレンチ部30に電気的に接続されている。それゆえ、本例のダミー電極56は、第1ダミートレンチ部30および第2ダミートレンチ部40の両方と電気的に接続している。これにより、ダミー電極56を介して主IGBT領域92の第1ダミートレンチ部30とセンスIGBT領域82の第2ダミートレンチ部40とをスクリーニング試験することができる。
また、第1ダミートレンチ部30および第2ダミートレンチ部40は、ダミー電極56を介して共通の1つのダミー電極パッド86に電気的に接続されている。それゆえ、主IGBT領域92の第1ダミートレンチ部30と、センスIGBT領域82の第2ダミートレンチ部40とで別個のダミー電極パッド86を設けなくてよい。これにより、別個のダミー電極パッド86をパッド部80に配置しなくてよいので、パッドの数の増加を抑えることができ、さらには、半導体基板10のチップ面積が増大することを防ぐことができる。
本例においては、第2ダミートレンチ部40と第1ダミートレンチ部30とは、互いにつながっており、一本のトレンチ部を形成している。これに対して、第1ダミートレンチ部30と第2ダミートレンチ部40とが離間されている場合には、両者を電気的に接続するための接続部が半導体基板10上に必要となる。本例においては、第1ダミートレンチ部30と第2ダミートレンチ部40とを電気的に接続するための接続部を半導体基板10上に設ける必要がないので、当該接続部とX軸方向に所定の幅を有しY軸方向に延びる接続部68とがX軸方向において短絡するという事態を防ぐことができる。これにより、製造プロセスにおける加工精度が軽減され、歩留まりを向上させることができるという利点を得る。
センスIGBT領域82のエミッタ領域12、ベース領域14およびコンタクト領域16上において、層間絶縁膜は開口67を有してよい。センスエミッタ電極96は、開口67を通じて、半導体基板10の表面に露出したエミッタ領域12およびコンタクト領域16と接触してよい。なお、開口67においてセンスエミッタ電極96と半導体基板10の表面との間には、タングステンで形成されたプラグが設けられてもよい。
本例において、主エミッタ電極95、ダミー電極56、ゲート電極50およびセンスエミッタ電極96は、金属を含む材料で形成される。例えば、各電極の少なくとも一部の領域は、アルミニウムまたはアルミニウム‐シリコン合金で形成される。各電極は、アルミニウム等で形成された領域の下にチタンまたはチタン化合物で形成されたバリアメタル層を有してもよい。プラグが設けられる場合には、プラグの下にバリアメタル層が設けられてもよい。
図3は、図2におけるB‐B断面を示す図である。図3は、接続部38を通るY‐Z平面で主IGBT領域92およびセンスIGBT領域82を切断した断面である。図3において、半導体基板10は、表面11、裏面19、P+型のコレクタ領域22およびN+型のフィールドストップ(FS)層20を有する。また、図3において、半導体装置200は、層間絶縁膜28、表面11上の酸化膜26、および、裏面19下のコレクタ電極24を有する。
コレクタ領域22は、下面が裏面19に露出してよい。FS層20は、Z軸方向において、ドリフト領域18とコレクタ領域22との間に位置してよい。FS層20は、ベース領域14の下面から広がる空乏層が、コレクタ領域22に到達することを防ぐ機能を有してよい。コレクタ領域22およびFS層20は、半導体基板10の所定深さ位置において、X‐Y平面全体に設けられてよい。
上述のように、第2ゲートトレンチ部70の短手部分78は、外側のウェル領域17‐3中に設けられる。本例の第2ゲートトレンチ部70は、トレンチ74、トレンチ絶縁膜72およびトレンチ導電部73を含む。トレンチ絶縁膜72は、トレンチ74の内壁を覆って形成されてよい。トレンチ絶縁膜72は、トレンチ74の内壁の半導体を酸化または窒化して形成してよい。
トレンチ導電部73は、トレンチ74内においてトレンチ絶縁膜72上に形成されてよい。トレンチ絶縁膜72は、トレンチ導電部73と半導体基板10とを電気的に絶縁してよい。トレンチ導電部73は、不純物が添加されたポリシリコン等の導電材料で形成されてよい。
酸化膜26は、ゲートランナー部51および接続部38と表面11との間に設けられてよい。酸化膜26は、トレンチ部に設けられるトレンチ絶縁膜72と同じタイミングで形成されてもよい。トレンチ絶縁膜72と表面11上の酸化膜26とは、シリコン基板を熱酸化することにより形成した二酸化シリコン膜であってよい。
ゲートランナー部51は、Z軸方向における酸化膜26と層間絶縁膜28との間に位置してよい。ゲートランナー部51は、層間絶縁膜28に設けられた開口54を通じてゲート電極50‐2と接続してよい。また、ゲートランナー部51は、第2ゲートトレンチ部70とZ軸方向で重なる位置において、トレンチ導電部73と電気的に接続してよい。本例のゲートランナー部51とトレンチ導電部73とは、直接接触する。
図4は、図2におけるC‐C断面を示す図である。図4は、エミッタ領域12を通るX‐Z平面で主IGBT領域92を切断した断面である。図4において、第1ダミートレンチ部30は、トレンチ34、トレンチ絶縁膜32およびトレンチ導電部33を含む。同様に、第1ゲートトレンチ部60は、トレンチ64、トレンチ絶縁膜62およびトレンチ導電部63を含む。図4において、第1ダミートレンチ部30および第1ゲートトレンチ部60の上面は、層間絶縁膜28により覆われる。また、開口65を通じて、主エミッタ電極95は、エミッタ領域12と電気的に接続する。
図5は、図2におけるD‐D断面を示す図である。図5は、コンタクト領域16を通るX‐Z平面でセンスIGBT領域82を切断した断面である。図5において、第2ダミートレンチ部40は、トレンチ44、トレンチ絶縁膜42およびトレンチ導電部43を含む。同様に、第2ゲートトレンチ部70は、トレンチ74、トレンチ絶縁膜72およびトレンチ導電部73を含む。図4において、第2ダミートレンチ部40および第2ゲートトレンチ部70の上面は、層間絶縁膜28により覆われる。また、開口67を通じて、センスエミッタ電極96は、コンタクト領域16と電気的に接続する。
図6は、図2におけるE‐E断面を示す図である。図6は、接続部68を通るX‐Z平面でゲート電極50‐1を切断した断面である。酸化膜26の上面に接続部68が設けられる。本例の接続部68は、ゲート用ブリッジ導電部である。第1ダミートレンチ部30がゲート電極50‐1および層間絶縁膜28の下部に、Y軸方向に沿って形成される。第1ダミートレンチ部30は、トレンチ34の側壁および底面に形成されたトレンチ絶縁膜32と、トレンチ絶縁膜32に接するトレンチ導電部33を備える。接続部68の上面に、層間絶縁膜28を開口した開口69が形成される。開口69を介して、接続部68とゲート電極50‐1とが電気的に接続する。第1ダミートレンチ部30の一部は、ウェル領域17‐1の内部に形成される。第1ダミートレンチ部30の底面は、ウェル領域17‐1の底面より表面11側に位置してよい。
図7は、スクリーニング試験前における半導体装置200の一部に対応する回路図である。図7においては、主IGBT領域92およびセンスIGBT領域82を破線により示す。本例においては、主IGBT領域92およびセンスIGBT領域82のゲートには、ゲート電極50(上述のゲート電極50‐1およびゲート電極50‐2)を介して共通のゲート電位が供給される。
第1ダミートレンチ部30および第2ダミートレンチ部40をキャパシタの記号を用いて示す。第1ダミートレンチ部30においては、トレンチ絶縁膜32をキャパシタの誘電体とみなしてよい。また、当該誘電体を挟む2つの電極のうち、一つの電極は主エミッタ電極95であり、他の電極はトレンチ導電部33に接続されたダミー電極56であると見なしてよい。同様に、第2ダミートレンチ部40においては、誘電体であるトレンチ絶縁膜42をセンスエミッタ電極96とダミー電極56とが挟むと見なしてよい。なお、センスエミッタ電極96は、センスエミッタパッド84に接続している。
本例の特徴の1つは、第1ダミートレンチ部30のトレンチ導電部33と、第2ダミートレンチ部40のトレンチ導電部43とを、共通のダミー電極56に電気的に接続していることである。これにより、ダミー電極56を介して共通の1つのダミー電極パッド86に電気的に接続することができる。
さらに本例においては、第2ダミートレンチ部40と第1ダミートレンチ部30とは、互いにつながっており、一本のトレンチ部を形成している。これにより、共通のダミー電極56へ電気的に接続することを容易にする。
スクリーニング試験は、半導体装置200の不良検出試験であってよい。スクリーニング試験は、ゲート‐エミッタ間に通常使用時よりも高い電圧を印加することにより、ゲート‐エミッタ間の漏れ電流を測定する試験を含んでよい。また、スクリーニング試験は、ゲートトレンチ部に過大な高電圧を印加した後にゲート洩れ電流を測定する試験を含んでもよい。
ゲート‐エミッタ間の漏れ電流測定により、ゲート電極50と、主エミッタ電極95、センスエミッタ電極96、ベース領域14または半導体基板10との短絡による不良を検出することができる。ここで、センスエミッタ電極96への電圧印加は、センスエミッタパッド84への電圧印加と等価である。また、ゲート洩れ電流測定により、絶縁膜不良(トレンチ絶縁膜32、42、62および72が局所的に薄く形成されている、または、これらの膜質が悪いこと)を検出することができる。本例においては、スクリーニング試験の際に、主IGBT領域92とセンスIGBT領域82とで共通の1つのダミー電極パッド86を使用する。これにより、別個のダミー電極パッドをパッド部80に配置しなくてよいので、パッドの数の増加を抑えることができる。
主IGBT領域92とセンスIGBT領域82とにおける試験条件は異なってよい。例えば、印加する電圧値は同じとしたうえで、相対的に面積が大きい主IGBT領域92における漏れ電流測定時間を相対的に面積が小さいセンスIGBT領域82における漏れ電流測定時間よりも長くする。
例えば、ダミー電極パッド86に所定の高電圧を印加して、第1ダミートレンチ部30について、ダミー電極56と主エミッタ電極95との間の漏れ電流測定をする(測定A)。また、例えば、ダミー電極パッド86に同じ所定の高電圧を印加して、第2ダミートレンチ部40について、ダミー電極56とセンスエミッタ電極96との間の漏れ電流測定をする(測定B)。この場合に、測定Aにおける漏れ電流測定時間を、測定Bにおける漏れ電流測定時間よりも長くする。測定AおよびBは、共通の一つのダミー電極パッド86を用いて別々に行うことができる。これにより、第1ダミートレンチ部30と第2ダミートレンチ部40とを別々にスクリーニング試験をすることができる。
また、ゲートトレンチ部とダミートレンチ部とにおける試験条件が異なってもよい。具体的には、上面視における領域の面積に応じて、ゲートトレンチ部とダミートレンチ部とにおける試験の条件が異なってもよい。例えば、印加する電圧値は同じとしたうえで、ゲートトレンチ部とダミートレンチ部との面積比と同じ時間比に基づいて、ゲートトレンチ部およびダミートレンチ部の漏れ電流を測定してもよい。例えば、ゲートトレンチ部とダミートレンチ部との面積比が2:1である場合には、ゲートトレンチ部とダミートレンチ部との測定時間比を2:1とする。
また、ゲート電極50、コレクタ電極24および主エミッタ電極95を用いて、第1ゲートトレンチ部60についてスクリーニング試験を行うことができる。同様に、ゲート電極50、コレクタ電極24およびセンスエミッタ電極96を用いて、第2ゲートトレンチ部70についてスクリーニング試験を行うことができる。これにより、第1ゲートトレンチ部60と第2ゲートトレンチ部70とを別々にスクリーニング試験をすることもできる。
図8は、スクリーニング試験後に主エミッタ電極95とダミー電極56とを短絡させた半導体装置200における、図1の領域Bの拡大図である。パッド部80に接する側の活性部90の端には、ダミー電極56と、ゲート電極50‐1とが配線されている。センスIGBT領域82の一部を囲むように、ゲート電極50‐2が配線されていてよい。本例のゲート電極50‐2は、センスIGBT領域82におけるX軸方向の負の向きの端部およびY軸方向の負の向きの端部に隣接する。ゲート電極50‐2は、ゲート電極50‐1に接続している。センスIGBT領域82の上面側に形成されたセンスエミッタ電極96は、センスエミッタパッド84と接続している。ダミー電極56は、ダミー電極パッド86と接続している。ゲート電極50‐1は、ダミー電極パッド86から所定の距離だけ離れ、ダミー電極パッド86を囲むように配線される。本例のゲート電極50‐1は、ダミー電極パッド86におけるX軸方向の両端部およびY軸方向の負の向きの端部に隣接する。
スクリーニング試験後においては、主エミッタ電極95とダミー電極56とを電気的に短絡させてよい。例えば、めっき、二層配線またはワイヤ接続により主エミッタ電極95とダミー電極56とを電気的に短絡させる。本例では、めっきにより、主エミッタ電極95をダミー電極パッド86に接続することで、主エミッタ電極95をダミー電極56と電気的に接続している。これにより、第1ダミートレンチ部30のトレンチ導電部33および第2ダミートレンチ部40のトレンチ導電部43は、ダミー電極56およびダミー電極パッド86を介して、主エミッタ電極95に電気的に接続する。一般的には、スクリーニング試験後に主エミッタ電極95とダミー電極56とを電気的に短絡させてから、必要に応じて所定の製造工程を経て、半導体装置200を完成させる。
本例において、ダミー電極パッド86は、X軸方向においてセンスエミッタパッド84を間に挟んでセンスIGBT領域82に隣接する。また、ダミー電極パッド86は、Y軸方向においてFWD領域94に隣接する。なお、FWD領域94の上面の全体には、主エミッタ電極95が設けられる。本例では、Y軸方向おいてFWD領域94とダミー電極パッド86とが隣接するので、主エミッタ電極95とダミー電極56とを少なくともダミー電極パッド86を介して電気的に短絡させることができる。
本例において、ゲート電極50‐1は、めっきまたは二層配線等によってダミー電極56およびダミー電極パッド86と接続しないように、ダミー電極パッド86から所定の距離だけ離し、ダミー電極パッド86を迂回して配線される。これにより、スクリーニング試験後において、ゲート電極50と主エミッタ電極95とを接続すること無く、主エミッタ電極95とダミー電極56とを電気的に短絡させることができる。
なお、図8の例に限らず、ゲート電極50と主エミッタ電極95とを接続すること無く、主エミッタ電極95とダミー電極56とを電気的に短絡させることができれば、各電極やパッド等の配置および配線を種々変更することが可能である。一例として、ゲート電極50‐1を、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いずにポリシリコンのみで形成する場合は、ダミー電極パッド86を迂回せずに、一点破線のようにしてよい。すなわち、ダミー電極56とダミー電極パッド86をブリッジ状に接続するブリッジ部を、例えばアルミニウム合金で形成する。当該ブリッジ部の下に、層間絶縁膜を挟んで、ポリシリコンのゲート電極50‐1を図8の一点破線のように形成してもよい。
図9は、スクリーニング試験後に主エミッタ電極95とダミー電極56とを短絡させた半導体装置200の一部に対応する回路図である。スクリーニング試験後においては、主エミッタ電極95とダミー電極56とが電気経路Aにより短絡されてよい。一例として、主エミッタ電極95とダミー電極56とを近接に配置し、めっきで接続してよい。これに代えて、スクリーニング試験後においては、主エミッタ電極95とダミー電極パッド86とが電気経路Bにより短絡されてもよい。短絡の手段は、上述または図8のようにめっきまたはワイヤ接続であってよい。
図10は、第2実施形態における領域Aの拡大図である。本例においては、第1ダミートレンチ部30の外側の端部は、ウェル領域17‐1で終端する。また、第2ダミートレンチ部40の内側の端部は、ウェル領域17‐2で終端する。そして、第1ダミートレンチ部30と第2ダミートレンチ部40とが、半導体基板上に設けられた接続部48により電気的に互いに接続されている。
なお、接続部48は、第1ダミートレンチ部30がY軸方向において終端する終端部分のトレンチ導電部33と、第2ダミートレンチ部40がY軸方向において終端する終端部分のトレンチ導電部43とを、導電材料でブリッジ状に接続してよい。本例の接続部48は、第1ダミートレンチ部30および第2ダミートレンチ部40を接続するダミー用ブリッジ導電部の一例である。
これに対して、第1ゲートトレンチ部60はY軸方向において境界85まで延伸し、境界85において第2ゲートトレンチ部70と電気的に接続されてよい。本例においては、第1ゲートトレンチ部60と第2ゲートトレンチ部70とは、互いにつながっており、連続したトレンチ部を形成している。それゆえ、第1ゲートトレンチ部60および第2ゲートトレンチ部70上には、接続部68は設けられない。これに代えて、本例においては、ウェル領域17‐1に位置する第1ゲートトレンチ部60上に接続部168および開口169が設けられる。係る点が第1実施形態と異なる。本例においても、第1実施形態と同じ有利な効果を得ることができる。
図11は、図10におけるF‐F断面を示す図である。図11は、接続部48および接続部168を通るX‐Z平面でゲート電極50‐1を切断した断面である。ウェル領域17‐1の上面に酸化膜26を挟んで、接続部48が設けられる。本例の接続部48は、ダミー用ブリッジ導電部である。第1ゲートトレンチ部60がゲート電極50‐1および層間絶縁膜28の下部に、Y軸方向に沿って形成される。第1ゲートトレンチ部60は、トレンチ64の側壁および底面に形成されたトレンチ絶縁膜62と、トレンチ絶縁膜62に接するトレンチ導電部63を備える。第1ゲートトレンチ部60の一部の上面側に、接続部168が形成される。接続部168は、トレンチ絶縁膜62が半導体基板10の表面11に延在した酸化膜26を挟んで、半導体基板10の表面11上に形成される。接続部168は、トレンチ導電部63と接続する。接続部168の上面に、層間絶縁膜28を開口した開口169が形成される。開口169を介して、接続部168とゲート電極50‐1とが電気的に接続する。第1ゲートトレンチ部60の一部は、ウェル領域17‐1の内部に形成される。第1ゲートトレンチ部60の底面は、ウェル領域17‐1の底面より表面11側に位置してよい。
図12は、第3実施形態における領域Aの拡大図である。本例においては、第1ダミートレンチ部30および第2ダミートレンチ部40は、第1実施形態と同様に互いにつながっている。さらに、第1ゲートトレンチ部60および第2ゲートトレンチ部70は、第2実施形態と同様に互いにつながっている。係る点が第1および第2実施形態と異なるが、本例においても、第1および第2実施形態と同じ有利な効果を得ることができる。
図13Aは、第4実施形態における半導体装置400の上面視図である。本例の活性部90は、温度センス部110および温度センス配線部112を有する。また、本例のパッド部80は、ケルビンパッド89(KE)および検知部118をさらに有する。温度センス配線部112は、アノード配線114とカソード配線116とを含んでよい。図13Aにおいて、アノード配線114およびカソード配線116を破線で示す。アノード配線はアノードパッド115に接続し、カソード配線116はカソードパッド117に接続してよい。さらに、図13Aにおいては、ゲート電極50およびゲートランナー部51と、ダミー電極56およびダミーランナー部59とを示す。
本例のダミー電極56は、各々X軸方向に延伸する直線部156‐1、156‐2、156‐3および156‐4と、各々Y軸方向に延伸する直線部156‐5および156‐6と、突出部58とを有する。本例の直線部156‐1および156‐2は、X軸方向において直線部156‐5から直線部156‐6まで連続的に延伸する。これに対して、直線部156‐3は、温度センス配線部112において互いに分離している直線部156‐3aと直線部156‐3bとを含む。直線部156‐4は、X軸方向において互いに分離する直線部156‐4aと直線部156‐4bと直線部156‐4cとを含む。直線部156‐4aと直線部156‐4bと間の離間部分には、主エミッタ電極95が設けられてよい。
ダミー電極56の直線部156‐4と主エミッタ電極95とが電気的に短絡しないように、ダミーランナー部59‐1は、直線部156‐4aと直線部156‐4bとを接続してよい。本例のダミーランナー部59‐1は、層間絶縁膜28を介して主エミッタ電極95の下方に設けられる。ダミーランナー部59は、層間絶縁膜28と表面11との間に設けられるポリシリコン層であってよい。後述するように、主エミッタ電極95は、ケルビンパッド89からY軸正方向に延伸し、ダミーランナー部59‐1上を通過し、FWD領域94に到達してよい。
直線部156‐4bと直線部156‐4cとの間の離間部分には、温度センス配線部112が設けられてよい。ダミーランナー部59‐2は、直線部156‐4bと直線部156‐4cとを接続してよい。ダミーランナー部59‐2は、層間絶縁膜28を介して温度センス配線部112の下方に設けられてよい。
ダミー電極56の突出部58は、直線部156‐4aからY軸方向に突出してよい。本例の突出部58は、直線部156‐4aからダミー電極パッド86へY軸負方向に延伸する。突出部58は、Z軸方向においてダミー電極パッド86と重なってよいし、重ならなくてもよい。突出部58とダミー電極パッド86とが重なる場合に、突出部58は、ダミー電極パッド86と直接接続してよい。突出部58とダミー電極パッド86とが重ならない場合に、突出部58は、めっき、二層配線またはワイヤ接続により、ダミー電極パッド86と電気的に短絡してよい。
本例のゲート電極50は、各々X軸方向に延伸する直線部150‐1および150‐3と、各々Y軸方向に延伸する直線部150‐2および150‐4と、延伸部151と、突出部152と、幅広部153とを有する。本例の直線部150‐1および150‐3は、直線部150‐2から直線部150‐4までX軸方向に連続的に延伸する。ただし、直線部150‐3と、延伸部151と、突出部152と、幅広部153とは、パッド部80に設けられる。また、直線部150‐4の一部も、パッド部80に設けられる。
本例の突出部152は、直線部150‐4から突出する。突出部152は、直線部150‐4からX軸正方向に突出し、Y軸方向に90度曲がってY軸正方向に延伸し、さらにX軸方向に90度曲がってX軸正方向に延伸してよい。本例の突出部152は、ダミー電極パッド86を回避するように、ダミー電極56の突出部58近傍まで延伸する。
延伸部151は、ゲートパッド88およびセンスIGBT領域82に対してY軸正方向に隣接して、X軸正方向に延伸してよい。本例の延伸部151は、直線部150、突出部152および幅広部153から離間した、ゲート電極50の島状の部分である。ただし、延伸部151は、ゲートランナー部51‐1を介して突出部152と電気的に接続する。また、延伸部151は、ゲートランナー部51‐2を介して幅広部153と電気的に接続する。本例の幅広部153は、直線部150‐2と150‐3との角部に設けられた部分であり、個々のパッド部に比べて大きな面積を有する部分である。延伸部151は、ゲートパッド88にも電気的に接続する。
本例のゲートランナー部51は、ゲートランナー部51‐1、51‐2、51‐3および51‐4を含む。理解を容易にするために図面においては直線部150の下方において延伸するゲートランナー部51を省略するが、ゲートランナー部51は直線部150‐1から150‐4の下方において環状に設けられてよい。本例のゲートランナー部51は、ダミーランナー部59と同様に、層間絶縁膜28と表面11との間に設けられるポリシリコン層であってよい。ゲートランナー部51‐3は、Y軸方向において直線部150‐1と温度センス部110との間に設けられる。ゲートランナー部51‐3は、直線部150‐2から150‐4までX軸方向に延伸する。ゲートランナー部51‐3は、層間絶縁膜28を間に挟んでダミー電極56の直線部156‐2の下方に設けられる。つまり、ゲートランナー部51‐3と直線部156‐2とはZ軸方向において重なっているが、互いに電気的に絶縁されている。
本例のゲートランナー部51‐4は、Y軸方向においてゲートランナー部51‐3とゲートランナー部51‐1および51‐2との間に設けられる。ゲートランナー部51‐4は、温度センス配線部112から直線部150‐4まで延伸するゲートランナー部51‐4aと、直線部150‐2から温度センス配線部112まで延伸するゲートランナー部51‐4bとを有する。本例のゲートランナー部51‐4は、温度センス配線部112において、途切れている。ゲートランナー部51‐4とダミー電極56の直線部156‐3とはZ軸方向において重なっているが、互いに電気的に絶縁されている。
センスIGBT領域82は、Y軸方向において、ダミー電極56およびゲート電極50を間に挟んで主IGBT領域92と隣接してよい。本例のセンスIGBT領域82は、Y軸正方向において、ゲート電極50の延伸部151と、ダミー電極56の直線部156‐4cとを間に挟んで主IGBT領域92と隣接する。
センスIGBT領域82の第2ダミートレンチ部40は、ダミー電極56に電気的に接続してよい。本例において、センスIGBT領域82の第2ダミートレンチ部40のトレンチ導電部43は、ダミー電極56の直線部156‐4cに電気的に接続する。第2ダミートレンチ部40は、上述の図2、図10および図12の態様で、ダミー電極56に電気的に接続してよい。
図13Bは、第4実施形態における主エミッタ電極95の配置を示す図である。図13Bにおいては、主エミッタ電極95が設けられる範囲を太線で囲って示す。本例の主エミッタ電極95は、複数の領域に分割されている。分割されている主エミッタ電極95のそれぞれの領域は、その上方に形成されためっき層またはワイヤ等により、互いに接続されてよい。
主エミッタ電極95は、第1の領域195‐1と、第2の領域195‐2と、第3の領域195‐3とを含む。第1の領域195‐1は、複数の領域195のうち最もX軸正方向に位置してよい。本例の第1の領域195‐1は、Y軸方向においてダミー電極56の直線部156‐1と156‐2との間に設けられる。本例の第1の領域195‐1は、Y軸方向に比べてX軸方向に長い矩形形状を有する。
本例の第2の領域195‐2は、Y軸方向においてダミー電極56の直線部156‐2と156‐3との間に設けられる。本例の第2の領域195‐2は、温度センス部110および温度センス配線部112から離間し、温度センス部110および温度センス配線部112を迂回するように配置される。
第3の領域195‐3は、複数の領域195のうち最もX軸負方向に位置してよい。本例の第3の領域195‐3は、Y軸方向においてダミー電極56の直線部156‐3と156‐4との間に設けられる。本例の第3の領域195‐3は、X軸方向において温度センス配線部112により分断された第3の領域195‐3aおよび195‐3bを含む。第3の領域195‐3aおよび195‐3bは、ともにY軸方向に比べてX軸方向に長い矩形形状を有する。ただし、本例において、第3の領域195‐3aは、ダミーランナー部59‐1をY軸方向に横切り、ケルビンパッド89の上方まで延伸する。
図14は、第5実施形態における半導体装置500の上面視図である。本例おいては、ダミー電極56、ダミーランナー部59、ゲート電極50、ゲートランナー部51およびパッド部80の構成および配置が第4実施形態と異なる。
本例のダミー電極56は、X軸方向において互いに分離された直線部156‐2a、156‐2bおよび156‐2cを有する。直線部156‐2aと156‐2bとはダミーランナー部59‐3により電気的に接続され、直線部156‐2bと156‐2cとはダミーランナー部59‐4により電気的に接続される。ダミーランナー部59‐3はY軸方向において互いに離間したダミーランナー部59‐3aおよび59‐3bを含む。同様に、ダミーランナー部59‐4はY軸方向において互いに離間したダミーランナー部59‐4aおよび59‐4bを含む。また、直線部156‐2aは直線部156‐6に接続し、直線部156‐2cは直線部156‐5に接続する。
さらに、本例のダミー電極56は、X軸方向において互いに分離された直線部156‐3d、156‐3e、156‐3fおよび156‐3gを有する。直線部156‐3d、156‐3e、156‐3fおよび156‐3gは、ダミーランナー部59‐5により電気的に接続される。本例のダミーランナー部59‐5は、ダミーランナー部59‐5aおよび59‐5bを含む。本例のダミーランナー部59‐5aおよび59‐5bは、Y軸方向においてゲートランナー部51‐4を間に挟む。また、本例のダミーランナー部59‐5aおよび59‐5bは、温度センス配線部112の下方に位置する。
さらに、本例のダミー電極56は、X軸方向において互いに分離された直線部156‐4d、156‐4eおよび156‐4fを有する。直線部156‐4dと156‐4eとはダミーランナー部59‐6により電気的に接続される。ダミーランナー部59‐6は、温度センス配線部112の下方に位置する。直線部156‐4eと156‐4fとはダミーランナー部59‐7により電気的に接続される。また、直線部156‐4dは直線部156‐6に接続し、直線部156‐4fは直線部156‐5に接続する。
さらに、本例のダミー電極56は、直線部156‐4fからY軸負方向に突出する突出部58を有する。突出部58は直線部156‐4fからダミー電極パッド86まで延伸してよい。加えて、本例のダミー電極56は、延伸部57を有する。延伸部57は、センスIGBT領域82に対して主IGBT領域92とは反対側に設けられてよい。本例の延伸部57は、ダミー電極パッド86、ケルビンパッド89、センスエミッタパッド84およびセンスIGBT領域82と、ゲート電極50の直線部150‐3との間をX軸方向に延伸する。
延伸部57は、センスIGBT領域82における第2ダミートレンチ部40と、ダミー電極パッド86とに電気的に接続してよい。延伸部57の一部は、Y軸方向に突出してもよい。より具体的には、ダミー電極パッド86の近傍における延伸部57の一部は、Y軸正方向に突出してよい。Y軸正方向に突出した延伸部57の一部は、Z軸方向においてダミー電極パッド86と重なってよいし、重ならなくてもよい。図14の例では、延伸部57の一部がY軸正方向に突出し、かつZ軸方向においてダミー電極パッド86と重なっている。
同様に、延伸部57の他の一部は、Y軸方向に突出してもよい。より具体的には、センスIGBT領域82の近傍における延伸部57の他の一部は、Y軸正方向に突出してよい。Y軸正方向に突出した延伸部57の他の一部は、Z軸方向においてセンスIGBT領域82の第2ダミートレンチ部40と重なってよいし、重ならなくてもよい。なお、ダミー電極パッド86および第2ダミートレンチ部40と、延伸部57とがZ軸方向において重ならない場合に、めっき、二層配線またはワイヤ接続により、ダミー電極パッド86と延伸部57とが電気的に短絡してよく、第2ダミートレンチ部40と延伸部57とが電気的に短絡してよい。
本例におけるセンスIGBT領域82の第2ダミートレンチ部40は、Y軸正方向においてダミー電極56の直線部156‐4eと電気的に接続し、Y軸負方向においてダミー電極56の延伸部57と電気的に接続することができる。本例においては、このように、第2ダミートレンチ部40とダミー電極56とをY軸方向の2つの異なる領域において電気的に接続する。これにより、第2ダミートレンチ部40とダミー電極56とをY軸方向の1つの領域において電気的に接続する場合(例えば、Y軸正方向において第2ダミートレンチ部40と直線部156‐4とを電気的に接続する場合)に比べて、第2ダミートレンチ部40の電位上昇を抑えることができる。
上述のように、センスIGBT領域82に流れるセンス電流は、主IGBT領域92に流れる主電流に比べて十分に小さい。本例においては、第2ダミートレンチ部40の電位上昇を抑えることにより、センス電流と主電流との比であるセンス比をより安定させることができる。安定したセンス比を得ることは、センス電流に基づき主電流を適切にフィードバック制御する場合に有効となり得る。
図15は、図14における領域Gの拡大図である。図15は、図2に類似する。ただし、図15においては、センスエミッタ電極96がY軸正方向に縮小し、ウェル領域17‐3上にはダミー電極56の延伸部57が設けられる。また、延伸部57と第2ダミートレンチ部40とが交差する領域にも、接続部38および開口39が設けられる。本例において、延伸部57と接続部38とは、開口39を通じて電気的に接続する。このように、第2ダミートレンチ部40は、ダミー電極56の直線部156‐4eとダミー電極56の延伸部57とにおいて、ダミー電極56と電気的に接続することができる。なお、ダミー電極56延伸部57とゲートランナー部51‐5とは、層間絶縁膜28により互いに電気的に分離されている。
図16は、図15におけるH‐H断面を示す図である。図16は、図3に示すB‐B断面に類似する。ただし、図16においては、ダミー電極56の延伸部57と第2ダミートレンチ部40とが交差する領域にも、酸化膜26および接続部38が設けられる。
図17は、第5実施形態の第1変形例における領域Gの拡大図である。図17は、図10に類似する。ただし、図17においては、センスエミッタ電極96がY軸正方向に縮小し、ウェル領域17‐3上にはダミー電極56の延伸部57が設けられる。また、延伸部57と第2ダミートレンチ部40とが交差する領域にも、接続部38および開口39が設けられる。本例において、延伸部57と接続部38とは、開口39を通じて電気的に接続する。このように、第2ダミートレンチ部40は、ダミー電極56の直線部156‐4eとダミー電極56の延伸部57とにおいて、ダミー電極56と電気的に接続することができる。
図18は、図17におけるI‐I断面を示す図である。図18は、図16に類似する。ただし、酸化膜26および接続部38が、ウェル領域17‐1および17‐2にまたがって設けられる点が異なる。
図19は、第5実施形態の第2変形例における領域Gの拡大図である。図19は、図12に類似する。ただし、図19においては、センスエミッタ電極96がY軸正方向に縮小し、ウェル領域17‐3上にはダミー電極56の延伸部57が設けられる。また、延伸部57と第2ダミートレンチ部40とが交差する領域にも、接続部38および開口39が設けられる。本例において、延伸部57と接続部38とは、開口39を通じて電気的に接続する。このように、第2ダミートレンチ部40は、ダミー電極56の直線部156‐4eとダミー電極56の延伸部57とにおいて、ダミー電極56と電気的に接続することができる。
図20は、第6実施形態における半導体装置600の上面視図である。本例は、ゲート電極50、ゲートランナー部51、ダミー電極56およびダミーランナー部59の配置が第4および第5実施形態と異なる。本例においても第5実施形態と同様に、第2ダミートレンチ部40の電位上昇を抑えることにより、センス電流と主電流との比であるセンス比をより安定させることができる。
第4および第5実施形態において、ダミー電極56の直線部156‐2および156‐3の直下においては、ゲート電位はゲートランナー部51‐3および51‐4により供給される。しかしながら、本例においては、ゲートランナー部51‐3および51‐4に加えて、ゲートランナー部51よりも低抵抗であるゲート電極50の直線部150‐5および150‐6を主として用いる。これにより、ゲート電位の信号遅延を低減することができる。
本例のダミー電極56の直線部156‐3は、直線部156‐3aから156‐3dの上部と、直線部156‐3eから156‐3hの下部とを有する。直線部156‐3a、156‐3b、156‐3cおよび156‐3dは、ダミーランナー部59‐4により互いに電気的に接続される。また、直線部156‐3e、156‐3f、156‐3gおよび156‐3hは、ダミーランナー部59‐3により互いに電気的に接続される。
本例において、直線部156‐3b、156‐3c、156‐3fおよび156‐3gは、温度センス配線部112近傍の島状部分である。ダミーランナー部59‐3および59‐4は、温度センス配線部112の下方においてX軸方向に延伸してよい。
本例のダミー電極56の直線部156‐2は、直線部156‐2aから156‐2cの上部と、直線部156‐2dから156‐2gの下部とを有する。直線部156‐2aと156‐2bとは、ダミーランナー部59‐6aにより互いに電気的に接続される。また、直線部156‐2bと156‐2cとは、ダミーランナー部59‐6bにより互いに電気的に接続される。
また、直線部156‐2dと156‐2eとは、ダミーランナー部59‐5aにより互いに電気的に接続される。また、直線部156‐2fと156‐2gとは、ダミーランナー部59‐5bにより互いに電気的に接続される。なお、直線部156‐2eと156‐2fとの間には、ゲート電極50迂回部154が位置する。
本例のダミーランナー部59は、ダミーランナー部59‐7aから59‐7dを含む。ダミーランナー部59‐7aは、Y軸方向においてダミー電極56の直線部156‐6aと156‐6bとを電気的に接続してよい。同様に、ダミーランナー部59‐7bは、Y軸方向において直線部156‐5aと156‐5bとを電気的に接続してよい。また、ダミーランナー部59‐7cは、Y軸方向において直線部156‐6bと156‐6cとを電気的に接続してよい。さらに、ダミーランナー部59‐7dは、Y軸方向において直線部156‐5bと156‐5cとを電気的に接続してよい。なお、本例においては、ダミー電極56の直線部156‐4aと156‐4bとの間の離間部分における、温度センス配線部112の下方の領域にダミーランナー部59‐2を設けない。
本例のゲート電極50は、直線部150‐1から150‐6と、延伸部151と、幅広部153と、迂回部154とを有する。直線部150‐5は、Y軸方向においてダミー電極56の直線部156‐2aから156‐2cと直線部156‐2dから156‐2gとの間に位置する。直線部150‐5は、直線部150‐5a、150‐5bおよび150‐5cを含んでよい。本例において、直線部150‐5aと150‐5bとはゲートランナー部51‐3aにより電気的に接続され、直線部150‐5bと150‐5cとはゲートランナー部51‐3bにより電気的に接続される。
同様に、直線部150‐6は、Y軸方向においてダミー電極56の直線部156‐3aから156‐3dと直線部156‐3eから156‐3hとの間に位置する。直線部150‐6は、直線部150‐6aおよび150‐6bを含んでよい。本例において、直線部150‐6aはゲートランナー部51‐4aにより迂回部154‐d1に電気的に接続され、直線部150‐6bはゲートランナー部51‐4bにより迂回部154‐d2に電気的に接続される。
本例の迂回部154は、それぞれ迂回部154の一部である、迂回部154‐aから154‐fを含む。本例の迂回部154‐aは、幅広部153と迂回部154‐b1とを接続する左足部である。また、本例の迂回部154‐eは、突出部152から延伸するゲートランナー部51‐1と迂回部154‐b3とを接続する右足部である。本例の迂回部154‐bは、左側部に対応する迂回部154‐b1と、頂部に対応する迂回部154‐b2と、右側部に対応する迂回部154‐b3とを含む。
迂回部154‐d1は、X軸方向において迂回部154‐b1に接続する。また、迂回部154‐d1と、直線部150‐6aとはゲートランナー部51‐4aにより接続される。同様に、迂回部154‐d2は、X軸方向において迂回部154‐b3に接続する。また、迂回部154‐d2と、直線部150‐6bとはゲートランナー部51‐4bにより接続される。
迂回部154‐cは、迂回部154‐b2と直線部150‐5bとに接続する。迂回部154‐cは、迂回部154‐b2と直線部150‐5bとの間においてY軸方向に延伸する。迂回部154‐fは、迂回部154‐eに接続し、迂回部154‐eからY軸負方向に延伸する。迂回部154‐fは、ゲートパッド88に電気的に接続してよい。本例の迂回部154‐fは、ゲートパッド88に向かってY軸負方向に延伸する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。