JP7004987B1 - 出力制御装置、出力制御プログラム、及びそれを用いた太陽光自家消費システム - Google Patents

出力制御装置、出力制御プログラム、及びそれを用いた太陽光自家消費システム Download PDF

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Abstract

【課題】パワーコンディショナの制御を分かりやすいものとしながらも、系統への逆潮流を回避しつつ、かつ、太陽電池の発電電力をできる限り有効活用することができる出力制御装置、出力制御プログラム及び太陽光自家消費システムを提供する。【解決手段】太陽光発電自家消費システム1は、太陽電池2と、パワーコンディショナ3と、受変電設備5と、パワーコンディショナ3の出力電力を制御するための出力制御装置4と、を備える。出力制御装置4は、消費電力とPCS定格との比率αに対応させて、設定差分値βとして予め登録した比率・設定差分値テーブルを記憶している記憶部と、比率・設定差分値テーブルを参照して、比率αに対応する設定差分値βを決定し、現在の消費電力から決定後の設定差分値βを引いた値を、PCS定格で割って、当該割った値を出力指定値Aとして、パワーコンディショナ3の出力を制御する制御部とを備える。【選択図】図1A

Description

本発明は、太陽電池による発電電力を自家消費するためのシステムで用いられるパワーコンディショナの出力制御装置及び出力制御プログラムに関し、より特定的には、逆潮流が発生しないようにするための出力制御装置及び出力制御プログラムに関する。
従来、太陽電池による発電電力と、電力送配電網から供給される電力とを連系させて、並列的に負荷を駆動するための太陽光発電システムが知られている。
当該太陽光発電システムでは、太陽電池による発電電力が、電力送配電網に逆流(以下、「逆潮流」という。)することを防止するために、太陽電池による発電電力を制御して、負荷による消費電力以上の発電を太陽電池が行わないようにするために、パワーコンディショナの出力が制御されている。
逆潮流を防止する方法としては、主に、従来、2つの方法が存在する。1つは、等差制御と呼ばれるものである。等差制御と呼ばれる方法においては、消費電力に対して、一定の電力を差し引いた電力を、パワーコンディショナの発電電力の上限値とする。図9は、従来の等差制御を用いた場合のシミュレーション結果の一例を示す図である。図9では、太い実線の消費電力に対して、-30kWの電力を常に差し引いた値を、破線で示している。図9の破線で示した電力が、パワーコンディショナの発電電力の上限値として、制御される。図9に示したように、等差制御においては、消費電力とパワーコンディショナの発電電力の上限値とは、常に、一定の差(図9では30kWの差)を有するということになる。
もう一つの方法は、等比制御と呼ばれるものである。等比制御においては、消費電力に対して、一定の比率をかけた電力を、パワーコンディショナの発電電力の上限値とする。図10は、従来の等比制御によるシミュレーション結果の一例を示す図である。図10では、太い実線の消費電力に対して、80%をかけた電力を細い破線で示している。図10の破線で示した電力が、パワーコンディショナの発電電力の上限値として制御される。図10に示したように、等比制御においては、パワーコンディショナの発電電力の上限値は、消費電力に対して、常に一定の比率をかけた値となっているのである。
等比制御の例として、特許文献1に記載の装置が存在する。特許文献1に記載の装置においては、インバーター(「パワーコンディショナ」に相当する)の出力を制御して、たとえば、負荷への供給電力(「負荷の消費電力」に相当する)の90%がインバーターの出力となるように、制御されている。
実願昭59-142040号のマイクロフィルム 特許第6364567号公報
図9に示す等差制御の場合、パワーコンディショナの発電電力の上限値は、常に、消費電力に対して、一定の電力分だけ下回っていることとなるので、パワーコンディショナの出力電力が消費電力を上回って、上回った分の電力が、系統に対して逆潮流してしまうということが回避されているかのように見える。しかし、実際は、パワーコンディショナの制御に要するタイムラグがあり、瞬時にパワーコンディショナの出力を制御することはできないので、消費電力が急激に変化した場合、パワーコンディショナ制御が追いつかず、系統への逆潮流が発生してしまう場合がある。
図10に示す等比制御の場合、パワーコンディショナの発電電力の上限値は、常に消費電力に対して、一定の比率をかけた分だけ下回っていることになるので、パワーコンディショナの出力電力が消費電力を上回って上回った分の電力が系統に対して逆潮流してしまうということが回避されているかのように見える。しかし、実際は先述した通り、瞬時にパワーコンディショナの出力を制御することができないので、例えば、消費電力が小さい領域(たとえば、図10の時間46までの領域など)においては、消費電力が急激に変化した場合、パワーコンディショナの制御が追いつかず、系統への逆潮流が発生してしまう場合がある。
図11は、図9に示した等差制御と、図10に示した等比制御によるシミュレーション結果を、重ね合わせた図である。
等比制御においては、消費電力が大きくなればなるほど、消費電力と発電電力との差が大きくなることとなる。たとえば、図11の時間46辺りから、消費電力と発電電力との開きが大きくなりだしていることが確認できる。等比制御による消費電力と発電電力との開きは、太陽電池が発電することができるにもかかわらず、パワーコンディショナの出力を抑制することで、確実な逆潮流を回避していることを意味している。
上述したとおり、等差制御においては消費電力が大きくなればなるほど、消費電力が急激に変化した場合、逆潮流のリスクが高くなるが、等比制御においては消費電力が大きい状態においては、パワーコンディショナの出力が大きく抑制されることとなるので、逆潮流の可能性は低くなる。しかし、消費電力が大きい状況において、等比制御によっては、発電効率が低下していることとなるのである。ここで、発電効率が低下するとは、太陽電池が電力を供給することができる日照状況である関わらず、パワーコンディショナからの出力を制御することで、必要な電力を十分に取り出していないということを意味する。
このように、等差制御および等比制御には、それぞれの問題点が存在する。その問題点を、実質的に解決しようと試みているのが、特許文献2に記載のシステムであるといえる。特許文献2に記載のシステムにおいては、発電電力の上限値と消費電力との差分が、消費電力の1次関数となるように設定している。すなわち、一次関数の傾きaに相当する部分を等比制御による比率とし、一次関数の切片bに相当する部分を等差制御による定数として、等比制御と等差制御とを組み合わせることで、発電効率を向上させようとしているのである。
しかし、特許文献2の記載において、aとbの値の決め方ついては、抽象的に記載されているに過ぎず、また、特許文献2における説明は難解なため、実際に、具体的に、aとbの値をどのような値として決定していけばよいのか不明である。
それゆえ、本発明は、パワーコンディショナの制御を分かりやすいものとしながらも、系統への逆潮流を回避しつつ、かつ、太陽電池の発電電力をできる限り有効活用することができる出力制御装置、出力制御プログラム、及び太陽光自家消費システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。本発明は、太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備とを備える太陽光発電自家消費システムにおいて、パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置であって、負荷の消費電力とパワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、消費電力から引く電力の値を設定差分値として予め登録した比率・設定差分値テーブルを記憶している記憶部と、現在の消費電力とPCS定格との比率を算出し、比率・設定差分値テーブルを参照して、算出した比率に対応する設定差分値を決定し、現在の消費電力から決定後の設定差分値を引いた値を、PCS定格で割って、当該割った値を出力指定値とし、出力指令値をパワーコンディショナに送信して、パワーコンディショナの出力を制御する制御部とを備えることを特徴とする、出力制御装置である。
現在の消費電力から決定後の設定差分値を引いた値が、パワーコンディショナの出力電力の上限値となっている。
好ましくは、比率・設定差分値テーブルは、比率を複数段階に分けてあり、消費電力が大きくなるに従って、設定差分値が大きくなるとよい。
好ましくは、比率・設定差分値テーブルは、比率が100[%]よりも大きい場合においても、設定差分値が登録されているとよい。
好ましくは、現在の消費電力から設定差分値を引いた値が0以下の場合、出力指令値を0とするとよい。
好ましくは、比率・設定差分値テーブルは、書き換えることができるとよい。
また、本発明は、太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備とを備える太陽光発電自家消費システムにおいて、パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置において実行される出力制御プログラムであって、出力制御装置には、負荷の消費電力とパワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、消費電力から引く電力の値を設定差分値として予め登録した比率・設定差分値テーブルが記憶されており、
出力制御装置に、
現在の消費電力とPCS定格との比率を算出させ、
比率・設定差分値テーブルを参照させ、
算出した比率に対応する設定差分値を決定させ、
現在の消費電力から決定後の設定差分値を引いた値を、PCS定格で割って、当該割った値を出力指定値とさせ、
出力指令値をパワーコンディショナに送信して、パワーコンディショナの出力を制御させ
現在の消費電力から決定後の設定差分値を引いた値を、パワーコンディショナの出力電力の上限値とすることを特徴とする。
好ましくは、現在の消費電力から設定差分値を引いた値が0以下の場合、出力指令値を0とするとよい。
また、本発明は、太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備と、パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置とを備える太陽光発電自家消費システムであって、
出力制御装置は、
負荷の消費電力とパワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、消費電力から引く電力の値を設定差分値として予め登録した比率・設定差分値テーブルを記憶している記憶部と、
現在の消費電力とPCS定格との比率を算出し、比率・設定差分値テーブルを参照して、算出した比率に対応する設定差分値を決定し、現在の消費電力から決定後の設定差分値を引いた値を、PCS定格で割って、当該割った値を出力指定値とし、出力指令値をパワーコンディショナに送信して、パワーコンディショナの出力を制御する制御部とを備え
現在の消費電力から決定後の設定差分値を引いた値が、パワーコンディショナの出力電力の上限値となっていることを特徴とする。
また、本発明は、太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備とを備える太陽光発電自家消費システムにおいて、パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置であって、負荷の消費電力とパワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、パワーコンディショナの出力電力の上限値を規定するための設定値を記憶している記憶部と、現在の消費電力とPCS定格との比率を算出し、設定値を参照して、算出した比率に対応するパワーコンディショナの出力電力の上限値を決定して、パワーコンディショナの出力電力が上限値以内となるように、パワーコンディショナを制御する制御部とを備える。
一実施形態として、設定値は、現在の消費電力から差し引く設定差分値である。制御部は、発電電力の上限値は、現在の消費電力から、設定差分値を引いた値となるように、パワーコンディショナを制御するとよい。
また、一実施形態として、設定値は、現在の消費電力に乗算する設定比値であり、制御部は、発電電力の上限値は、現在の消費電力に設定比値を乗算して、乗算して得られた値を消費電力から引いた値として、パワーコンディショナを制御するとよい。
また、一実施形態として、設定値は、現在の消費電力に乗算する設定比値であり、制御部は、発電電力の上限値は、現在の消費電力に設定比値を乗算した値として、パワーコンディショナを制御するとよい。
また、本発明は、太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備とを備える太陽光発電自家消費システムにおいて、パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置において実行される出力制御プログラムであって、
出力制御装置には、負荷の消費電力とパワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、パワーコンディショナの発電電力の上限値を規定するための設定値が記憶されており、
出力制御装置に、
現在の消費電力とPCS定格との比率を算出させ、
設定値を参照させ、
算出した比率に対応するパワーコンディショナの出力電力の上限値を決定させ、
パワーコンディショナの出力電力が上限値以内となるように、パワーコンディショナを制御させることを特徴とする。
また、本発明は、
太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備と、パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置とを備える太陽光発電自家消費システムであって、
出力制御装置は、
負荷の消費電力とパワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、パワーコンディショナの発電電力の上限値を規定するための設定値を記憶している記憶部と、
現在の消費電力とPCS定格との比率を算出し、設定値を参照して、算出した比率に対応するパワーコンディショナの出力電力の上限値を決定して、パワーコンディショナの出力電力が上限値以内となるように、パワーコンディショナを制御する制御部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、比率・設定差分値テーブルという分かりやすいテーブルを用いて、逆潮流の回避の設定を行うことができるので、パワーコンディショナの制御を分かりやすいものとすることができる。また、一律同じ値の差分値を用いて制御する等差制御と比べて、消費電力とPCS定格との比率に応じて、設定差分値を決めることができるので、発電電力上限値に余裕を持たせることができつつ、逆潮流の回避を実現しつつ、等比制御と比べて、発電電力上限値を高く設定することができるので、太陽電池の発電電力を出来る限り有効活用することができる。
また、比率・設定差分値テーブルは、時間毎の設定や季節毎に設定されるものではないので、予め想定している消費電力の変化の動向や季節毎の日照条件の変化の動向に左右されることはなく、パワーコンディショナの発電電力の上限値を制御することが可能となるので、時刻や季節に依存することのない発電力の制御が可能となる。
また、加えて、消費電力が大きくなっている場合に、設定差分値を大きくすることで、余裕マージンが増え、逆潮流の回避が可能となる。
また、比率が100[%]よりも大きい場合でも設定差分値を設けることで、急な消費電力の減少が生じたとしても、逆潮流の回避が可能となる。
低電力時にパワーコンディショナの動作が不安定となるおそれがあり、逆潮流の可能性があるが、現在の消費電力から設定差分値を引いた値が0以下の場合、出力指令値を0とすることで、低電力時にパワーコンディショナを動作させなくてもよくなるので、逆潮流の回避が可能となる。
比率・設定差分値テーブルは、書き換えることができるようにすることで、実際運用した結果に基づいて、当該テーブルを、適切なものとすることができる。
負荷の消費電力とパワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、パワーコンディショナの発電電力の上限値を規定するための設定値を記憶しておいて、現在の消費電力とPCS定格との比率を算出し、設定値を参照して、算出した比率に対応する発電電力の上限値を決定して、パワーコンディショナの出力電力の上限値が、当該発電電力の上限値となるように、パワーコンディショナを制御することによっても、予め想定している消費電力の変化の動向や季節毎の日照条件の変化の動向に左右されることはなく、パワーコンディショナの発電電力の上限値を制御することが可能となるので、時刻や季節に依存することのない発電力の制御が可能となる。
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
図1Aは、本発明の一実施形態における太陽光発電自家消費システム1の構成を示すブロック図である。 図1Bは、出力制御装置4の構成を示すブロック図である。 図2は、出力制御装置4の動作を示すフローチャートである。 図3は、図2における出力指令値算出処理の動作を示すフローチャートである。 図4は、比率・差分テーブルの一例を示す図である。 図5は、実施形態において用いられる数値の技術的意義を説明するための図である。 図6は、消費電力の時間変化とパワーコンディショナの出力上限値の時間変化との一例を示すグラフである。 図7は、図6に示す消費電力の時間変化とパワーコンディショナの出力上限値の時間変化との差分の時間変化を示すグラフである。 図8Aは、本発明の一実施形態にかかる荷重等差制御によるシミュレーション結果の例を示すグラフである。 図8Bは、本発明の一実施形態にかかる荷重等差制御によるシミュレーション結果の例を示すグラフであり、PCS定格を考慮したグラフである。 図8Cは、本発明の他の実施形態で用いる比率・設定比値テーブルの一例を示す図である。 図8Dは、本発明の他の実施形態にかかる荷重等比制御によるシミュレーション結果の例を示すグラフである。 図8Eは、本発明の他の実施形態で用いる比率・設定値テーブルの一例を示す図である。 図9は、従来の等差制御を用いた場合のシミュレーション結果の一例を示す図である。 図10は、従来の等比制御によるシミュレーション結果の一例を示す図である。 図11は、図9に示した等差制御と、図10に示した等比制御によるシミュレーション結果を、重ね合わせた図である。
図1において、太陽光発電自家消費システム1は、太陽電池2と、パワーコンディショナ(Power Conditioning Subsystem:PCS)3と、出力制御装置4と、受変電設備5と、負荷6と、蓄電装置7とを備える。なお、負荷6を、太陽光発電自家消費システム1の外部と定義しても良い。太陽光発電自家消費システム1には、電力送配電網8から、商用電力が供給されている。
太陽電池2は、太陽からの光エネルギーを電気エネルギー(直流電力)に変換する装置である。図1Aにおいて、太陽電池2は、1つかのように図示されているが、複数の太陽電池パネルであってもよいことはいうまでもない。また、各太陽電池2を制御するためのパワーコンディショナ3は、太陽電池2の発電能力に応じて必要な数だけ設けられていればよい。
パワーコンディショナ3は、出力制御機能付きPCSである。パワーコンディショナ3は、太陽電池2から供給された直流電力を交流電力に変換するインバーターや、MTTP制御機能、単独運転防止機能に加えて、系統に連系する発電電力を制御することができる機能などを有している。出力制御機能付きPCSは、すでに、実用化されており、その技術内容は周知であるので、その種々のパワーコンディショナおよび将来開発されるパワーコンディショナを本発明に用いることができ、パワーコンディショナ3の機構の詳細な説明は割愛する。
パワーコンディショナ3には、PCS定格が設定されている。PCS定格とは、パワーコンディショナ3が、出力することが可能な最大の電力である。
図1Aにおいては、パワーコンディショナ3は、ひとつであるかのように図示しているが、太陽光発電自家消費システム1内において、複数のパワーコンディショナ3が用いられていてもよい。その場合、全てのパワーコンディショナ3が、1つの出力制御装置4によって制御されているとよいが、本発明を限定するものではない。すなわち、太陽光発電自家消費システム1においては、少なくとも1つのパワーコンディショナ3と、少なくとも1つの出力制御装置4とが設けられていればよい。
出力制御装置4の制御対象となっているパワーコンディショナのPCS定格が、後述する比率αを求めるためのPCS定格となる。たとえば、出力制御装置4が1つのパワーコンディショナ3の制御を行っているのであれば、当該1つのパワーコンディショナ3のPCS定格が、比率αを求めるためのPCS定格となる。また、たとえば、出力制御装置4が複数のパワーコンディショナ3を制御している場合、当該複数のパワーコンディショナ3のPCS定格の合計が比率αを求めるためのPCS定格となる。
出力制御装置4は、受変電設備5からの受電電力信号に基づき、受電電力を計測する。また、出力制御装置4は、パワーコンディショナ3からの発電電力信号に基づき、発電電力を計測する。そして、出力制御装置4は、図3に示す出力指令値算出処理を実行することで、出力制御指令値を算出して、算出した出力指令値パワーコンディショナ3へ送って、パワーコンディショナ3の出力電力を制御する。
パワーコンディショナ3は、出力制御装置4から送られてくる出力制御指令値に基づいて、出力電力を制御する。出力電力を制御することができるパワーコンディショナ3は、既に、種々、実用化されており、具体的にどのようにして、出力する電力を制御するかについては、本発明において、特に限定されるものではない。
図1Bを用いて、出力制御装置4の内部構成について説明する。出力制御装置4は、制御部41と、記憶部42と、出力部43と、受電電力計測部44と、発電電力計測部45と、入力部46とを含む。
制御部41は、出力制御装置4の動作を制御するためのコンピューター装置である。
記憶部42は、制御部41を動作させるためのプログラム(図2および図3のフローを実行するプログラム)、後述する比率・差分テーブル、および、各種データを記憶するためのメモリである。
出力部43は、出力制御指令値をパワーコンディショナ3に送信するための装置である。なお、出力部43には、外部の表示装置と接続するための出力ポートや記憶部42に記憶されているデータを取り出すための出力ポートが含まれていても良い。
受電電力計測部44は、受変電設備5からの受電電力信号に基づいて、負荷6が受電している電力を計測する装置である。
発電電力計測部45は、パワーコンディショナ3からの発電電力信号に基づいて、現在パワーコンディショナが出力している電力を計測するための装置である。
制御部41は、計測した受電電力、発電電力、比率・差分テーブル、およびPCS定格に基づいて出力制御指令値を算出して、出力部43を介して、パワーコンディショナ3に送信する。
入力部46は、外部のコンピューター装置や、キーボード、マウスなどと接続可能な装置であり、入力された情報は、制御部41に送られて、制御部41の制御や記憶部42に記憶されているデータやプログラムの書き換えなどに使用される。
受変電設備5は、電力送配電網から受電した電気を構内で使用する電力に変換および配電を行う設備であり、逆電力継電器(Reverse Power Relay:RPR)や受電電力値の検出器を含む。
電力送配電網8は、各発電会社から供給された電力を、消費地まで供給する設備である。
負荷6は、構内で消費される電力負荷である。
蓄電装置7は、太陽光発電自家消費システム1において余った電力を蓄電するための装置である。ただし、蓄電装置7は、必須ではない。
図2および図3を用いて、出力制御装置4の動作について説明する。
図2に示すように、出力制御装置4は、受電電力を計測する(ステップS1)。次に、出力制御装置4は、PCS発電電力(PCSの出力電力のこと)を計測する(ステップS2)。次に、出力制御装置4は、出力指令値算出処理を実行して出力指令値を算出する(ステップS3)。そして、出力制御装置4は、算出した出力指令値を、PCSへ送信する(ステップS4)。
図3を用いて、出力指令値算出処理について説明する。
出力制御装置4は、現在の受電電力とPCS発電電力とを足し合わせた電力を現在の消費電力と定義する(ステップS31)。次に、出力制御装置4は、現在の消費電力÷PCS定格を計算し、現在の消費電力とPCS定格との比率αを算出する(ステップS32)。
次に、出力制御装置4は、比率・設定差分値テーブルを参照して、設定差分値βを決定する(ステップS33)。
ここで、比率・設定差分値テーブルについて、図4を参照して説明する。なお、図4に示した比率・設定差分値テーブルは、あくまでも一例であり、本発明を限定するものではないことは言うまでもない。比率・設定差分値テーブルは、太陽光発電自家消費システム1の発電可能能力や負荷6での消費電力の大きさなどを考慮して、予め決定しておく。また、予め決定した比率・設定差分値テーブルを、入力部46を利用して、運用状況を見ながら、適宜、書き換えることができる。
比率αは、消費電力÷PCS定格によって算出される。図4では、αをパーセント表示している。たとえば、0<α≦20[%]の場合(α1領域の場合)、設定差分値β1を、30[kW]と設定する。同様に、20<α≦40[%]の場合(α2領域の場合)、設定差分値β2を、40[kW]と設定し、40<α≦60[%]の場合(α3領域の場合)、設定差分値β3を、50[kW]と設定し、60<α≦80[%]の場合(α4領域の場合)、設定差分値β4を、60[kW]と設定し、80<α≦100[%]の場合(α5領域の場合)、設定差分値β5を、70[kW]と設定し、100<α≦110[%]の場合(α6領域の場合)、設定差分値β6を、70[kW]と設定する。
比率αが100[%]よりも大きい場合、消費電力がPCS定格を上回っているのであるから最大限発電したとしても良いように思うが、消費電力が急に低下した場合、最大限発電していると、パワーコンディショナの制御が追いつかずに、逆潮流を生じてしまうないしPRRが動作する場合がある。そのため比率αが100[%]よりも大きい場合でも、安全マージンを見て設定差分値を設定しておくのが好ましい。
また、ここでは、比率αが110[%]の場合まで、設定差分値βを定義しているが、110[%]を超えても、設定差分値βを定義してもよい。どの比率αまで、設定差分値βを定義するかは、適宜決定すればよい。
ただし、100[%]よりも大きい場合に、設定差分値を設定するかどうかは任意であり、本発明を限定するものではない。
図4に示すように、好ましくは、比率αが大きくなるほど、設定差分値βを大きくする。これにより、消費電力が大きい領域において、急激に消費電力が低下としたとしても、設定差分値βに余裕を持たせることになるので、発電電力が消費電力を上回って、逆潮流が発生するという状況を回避することが可能となる。
図3の説明に戻る。ステップS33の後、出力制御装置4は、消費電力-設定差分値βが0以下であるかを判断する(ステップS34)。
ステップS34の動作において消費電力-設定差分値βが0以下であると判断した場合、出力制御装置4は、出力指令値を、0に設定する(ステップS36)。その効果は、図8Bを用いて、後述する。
一方、ステップS34の動作において、消費電力-設定差分値βが0よりも大きいと判断した場合、出力制御装置4はステップS35の動作に進む。
ステップS35において、出力制御装置4は、(消費電力-設定差分値β)/PCS定格を演算して、演算結果を、出力指令値Aとする。出力指令値Aは、PCS定格の何%まで電力を出力して良いかを意味しており、すなわち、パワーコンディショナの出力電力の上限値を制御するための値となる。
ただし、演算結果が1以上の場合、すなわち、消費電力-設定差分値βが、PCS定格以上の場合、出力制御装置4は、出力指令値を1とする。演算結果が1以上の場合、消費電力が充分大きいことを意味しており、パワーコンディショナ3が最大限出力しても逆潮流が生じない可能性が高いことを意味している。
図3に示す動作を一定間隔(たとえば、数秒単位などであるが、限定されない。)毎に実行して、常に、最新の消費電力に応じた出力指令値を算出して、出力制御装置4は、パワーコンディショナ3に、最新の出力指令値を送信する。これに応じて、パワーコンディショナ3は、最新の消費電力に応じた電力を出力する。
ステップS4で送信された出力指令値Aに基づいて、パワーコンディショナ3は、出力する電力の上限値を制御する。
次に、図5を参照して、各数値の技術的意義を説明する。ステップS31で求めたように、消費電力は、受電電力とPCS発電電力との和で定義されるが、受電電力は、構内での電力使用状況により時間的に変化しており、PCS発電電力も、日照条件に応じて時間的に変化している。したがって、消費電力も時間的に変化している。ここで、時間tを変数とする場合の消費電力の時間変化をS(t)[kW]で表す。
また、出力指令値Aも、一定間隔毎に更新されるので、パワーコンディショナ3からの出力電力の上限値(出力上限値)も、時間的に変化するものである。この出力上限値の時間変化をP(t)[kW]で表す。
先述した通り、出力指令値Aは、(消費電力-設定差分値β)/PCS定格であり、PCS定格の何%まで電力を出力して良いかを意味している。したがって、パワーコンディショナ3の出力上限値[kW]は、PCS定格×{(消費電力-設定差分値β)/PCS定格}=消費電力-設定差分値β[kW]となる。よって、図5に示すように、S(t)とP(t)との差分が、設定差分値β[kW]となるのである。
図5に示す例では、比率αが、40<α≦60[%]の範囲である場合を示しているが、このときは、図4の比率・差分テーブルを用いる場合、設定差分値βとして、β3=50[kW]が用いられることとなる。すなわち、α3領域において、P(t)=S(t)-50[kW]となっているのである。
このような関係から、パワーコンディショナ3の出力上限値の時間変化P(t)は、消費電力の時間変化S(t)から、定数βを引いたものとなり、以下のような関係式1を有する。
<関係式1>
P(t)=S(t)-β
但し、βは、時間tにおける消費電力/PCS定格によって求められる比率αに応じて予め定義されている複数の定数である。
なお、上記関係式1は、以下のように等価な関係式に変形できる。
<関係式2>
S(t)-P(t)=β
但し、βは、時間tにおける消費電力/PCS定格によって求められる比率αに応じて予め定義されている複数の定数である。
関係式2によって、本実施形態では、消費電力と発電電力の上限値との差分は、定数となっていることが分かり、特許文献2のように、消費電力と発電電力の上限値との差分が、消費電力の一次関数となっているものではないことが分かる。
図6を用いて、単純な例を使用して、S(t)とP(t)がどのように変化するかを説明する。図6に示す例では、消費電力が0[kW]から、PCS定格の110%まで上昇し、その後、消費電力が0[kW]まで、減少した場合を示している。この場合、図6の縦軸に示したように、それぞれのα領域において、設定差分値βが決定される。図6に示されているように、消費電力が大きくなればなるほど、設定差分値βが大きくなり、パワーコンディショナ3の出力上限値(発電電力の上限値)と消費電力との間に、余裕を持たせることができる。これによって、消費電力が急激に低下したとしても、逆潮流が生じることを、回避することができる。
次に、図7を用いて、消費電力とパワーコンディショナ3の出力上限値(発電電力の上限値)との差分がどのように変化するかについて、図6の単純な例を用いて説明する。
図6に示すように、消費電力とパワーコンディショナ3の出力上限値(発電電力の上限値)との差分は、β1~β6のいずれかの値をとることとなるので、各α領域における時間tでは、消費電力とパワーコンディショナ3の出力上限値(発電電力の上限値)との差分は、一定の定数となっている。したがって、消費電力と発電電力の上限値との差分の時間変化をb(t)とした場合、b(t)は、図7に示すように変化する。よって、消費電力とパワーコンディショナ3の出力上限値(発電電力の上限値)との差分の時間変化b(t)は、定数関数となる。これは、図6に示す例以外においても、同様である。
なお、本発明による制御方法を、消費電力/PCS定格の比率αに応じて設定差分値βを変化させるため、ここでは、荷重等差制御と呼ぶことにする。
図8Aは、荷重等差制御によるシミュレーション結果例に従来の等差制御及び等比制御によるシミュレーション結果例を重ねたグラフである。図8Aの細い実線で表したグラフが、荷重等差制御によるものである。等比制御と比べて、荷重等差制御では、PCSの出力電力の上限値が低くなるので、発電効率が低下することとなるが、等比制御と比べたら、発電効率が向上しているのがわかる。また、荷重等差制御では、等差制御と比べて、消費電力が大きい場合、消費電力との間に、余裕があることがわかるので、逆潮流は等差制御と比べて、明らかに、生じにくい。
図8Bは、荷重等差制御によるシミュレーション結果例に従来の等差制御及び等比制御によるシミュレーション結果例を重ねたグラフであり、PCS定格が500[kW]であった場合を示している。PCS定格以上は発電できないので、図8Bに示すように、PCS定格以上で、パワーコンディショナは、最大限の発電電力の上限値をとるグラフとなる。
また、図8Bでは、消費電力-設定差分値βが0以下の場合も示されている。このとき、ステップS36によって、出力指令値は、0となるので、PCSからの出力電力はないことがグラフで示されている。これは、「最低受電電力」を定義していると言う事もできる。パワーコンディショナは、低出力時には出力が不安定になりやすいので、「最低受電電力」を設けることで、低出力時における逆潮流を防止する効果が高まる。
本発明の一実施形態において、あらかじめ設定しておく比率・差分テーブルは、非常にわかりやすいものである。特許文献2のように、一次関数のaとbを設定する場合に比べて、比率・差分テーブルは、分かりやすいものとなっている。そして、荷重等差制御では、逆潮流を介しながらも、太陽電池の発電電力をできる限り有効活用できている。
なお、上記実施形態では、比率・差分テーブルにおいて、比率αを、20%毎の6段階としているが、何パーセント毎に、設定差分値を予め決めておくかは、本発明を限定するものではない。比率αを、7段階以上にしてもよいし、2段階以上5段階未満にしても良い。
なお、上記実施形態では、受電電力とPCS発電電力との和によって、消費電力を決定したが、消費電力の求め方は、これに限られるものではない。たとえば、負荷6の消費電力を直接測定して、測定結果を、出力制御装置4が、消費電力として扱うようにしてもよい。
(変形例)
従来の技術では、たとえば、特許文献2の段落0060に記載されているように、季節や時刻に依存して、一次関数の一次係数aおよび0次係数bを変更することが開示されている。これによって、特許文献2では、太陽電池の特性や負荷の消費電力の傾向に合わせて、一次係数aおよび0次係数bを柔軟に設定することができるとされている。しかし、時刻毎に、各係数を設定したとした場合、当初想定していたような消費電力の傾向とは、異なるような変化を消費電力がした場合、元々設定した各係数は、消費電力の向上に役に立たないものとなる。
すなわち、時間帯や季節に依存して、各係数を設定するような特許文献2の方法では、必ずしも、消費電力の向上が実現しているとは、言えない場合が発生してしまう。
一方、上記実施形態では、設定差分値は、消費電力とPCS定格との比率に依存しており、時間帯や季節には依存していないので、特許文献2の上記問題は、上記実施形態には、生じないのである。
この点を踏まえて、上記実施形態の変形を考察するならば、本発明においては、消費電力とPCS定格との比率αに対応させて、パワーコンディショナが出力する発電電力の上限値を制御していると捉えることができる。
このように本発明を捉えた場合には、記憶部は、負荷の消費電力とパワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、パワーコンディショナの発電電力の上限値を規定するための設定値を記憶していると、上位概念化することができるのである。
そして、制御部は、現在の消費電力とPCS定格との比率を算出し、上記設定値を参照して、算出した比率に対応する発電電力の上限値を決定して、パワーコンディショナの出力電力の上限値が、当該発電電力の上限値となるように、パワーコンディショナを制御する。
以上のように、本発明を概念的に捉え直すことができるが、下記に、その概念に含まれる発明の実施形態を例示することとする。
図8Cに示すように、比率αと、現在の消費電力にかける比の値とを対応付けた比率・設定比値テーブルが考えられる。図8Cでは、たとえば、比率αが、0より大きく9以下の場合に、設定比の値として、3.5%を用いることが示されている(他の比率αも、同様)。これは、0<α≦9の場合に、消費電力に、3.5%をかけた値(PCS定格が500[kW]の場合は17.5「kW」)を、消費電力から引いた値を、パワーコンディショナの発電電力の上限値とするという意味である。
なお、消費電力に、設定比値3.5%をかけた値を、消費電力から引くということは、消費電力に、100-3.5=設定比値96.5%をかけるということと同じ意味である。したがって、比率・設定比値テーブルには、比率αに対応して、消費電力にかける設定比値をテーブル上で定義してもよい。
上記のような図8Cのような比率・設定比値テーブルを用いる実施形態を、ここでは、荷重等比制御ということにする。
図8Dに示すように、荷重等比制御を用いれば、等差制御よりも、消費電力との間に、余裕マージンを持たせておきながら、等比制御よりも、発電電力の向上を図ることができるのが確認できる。
その他に、用いるテーブルとしては、その他に種々考えられるが、以下に一例を示す。
たとえば、図8Eに示したように、比率αに対応させて、標準差分値βと荷重比率γを決めておき、β×γの値[kW]を、消費電力から、差し引く値として定義づけてもよい。
図8Eに示した例によれば、図4の例のように、比率αごとに、どのような差分値を設定すればよいか設計するのではなく、標準差分値βを決めておいて、標準差分値βにかける値である加重比率γを予め決めておくこととなる。これによって、標準的な安全マージンである標準差分値βさえ決めればよいこととなるので、図4のテーブルに比べて、βの値の設定が容易となる。
その他、消費電力とPCS定格との比率αに対応するように、パワーコンディショナの発電電力の上限値を決定付ける値として、種々の値を予めテーブルとして記憶しておき、制御部が、当該テーブルを参照して、発電電力の上限値を決定して、パワーコンディショナを制御する発明が、本発明に含まれるのである。そのため、本発明は、総称して、比率αに基づく荷重制御と呼ぶこととする。
このように、本発明の荷重制御によれば、時間毎の設定や季節毎にテーブルが設定されるものではないので、予め想定している消費電力の変化の動向や季節毎の日照条件の変化の動向に左右されることはなく、パワーコンディショナの発電電力の上限値を制御することが可能となるので、時刻や季節に依存することのない発電力の制御が可能となる。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。
本発明は、出力制御装置、出力制御プログラム、及びそれを用いた太陽光自家消費システムであり、産業上利用可能である。
1 太陽光発電自家消費システム
2 太陽電池2
3 パワーコンディショナ(Power Conditioning Subsystem:PCS)
4 出力制御装置
5 受変電設備
6 負荷
7 蓄電装置
8 電力送配電網
41 制御部
42 記憶部
43 出力部
44 受電電力計測部
45 発電電力計測部
46 入力部

Claims (24)

  1. 太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備とを備える太陽光発電自家消費システムにおいて、前記パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置であって、
    前記負荷の消費電力と前記パワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、前記消費電力から引く電力の値を設定差分値として予め登録した比率・設定差分値テーブルを記憶している記憶部と、
    現在の前記消費電力と前記PCS定格との前記比率を算出し、前記比率・設定差分値テーブルを参照して、算出した前記比率に対応する前記設定差分値を決定し、現在の前記消費電力から決定後の前記設定差分値を引いた値を、前記PCS定格で割って、当該割った値を出力指定値とし、前記出力指令値を前記パワーコンディショナに送信して、前記パワーコンディショナの出力を制御する制御部とを備え
    現在の前記消費電力から決定後の前記設定差分値を引いた値が、前記パワーコンディショナの出力電力の上限値となっていることを特徴とする、出力制御装置。
  2. 前記比率・設定差分値テーブルは、前記比率を複数段階に分けてあり、消費電力が大きくなるに従って、設定差分値が大きくなることを特徴とする、請求項1に記載の出力制御装置。
  3. 前記比率・設定差分値テーブルは、前記比率が100[%]よりも大きい場合においても、前記設定差分値が登録されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の出力制御装置。
  4. 現在の前記消費電力から前記設定差分値を引いた値が0以下の場合、前記出力指令値を0とすることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の出力制御装置。
  5. 前記比率・設定差分値テーブルは、書き換えることができることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の出力制御装置。
  6. 太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備とを備える太陽光発電自家消費システムにおいて、前記パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置において実行される出力制御プログラムであって、
    前記出力制御装置には、前記負荷の消費電力と前記パワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、前記消費電力から引く電力の値を設定差分値として予め登録した比率・設定差分値テーブルが記憶されており、
    前記出力制御装置に、
    現在の前記消費電力と前記PCS定格との前記比率を算出させ、
    前記比率・設定差分値テーブルを参照させ、
    算出した前記比率に対応する前記設定差分値を決定させ、
    現在の前記消費電力から決定後の前記設定差分値を引いた値を、前記PCS定格で割って、当該割った値を出力指定値とさせ、
    前記出力指令値を前記パワーコンディショナに送信して、前記パワーコンディショナの出力を制御させ
    現在の前記消費電力から決定後の前記設定差分値を引いた値を、前記パワーコンディショナの出力電力の上限値とすることを特徴とする、出力制御プログラム。
  7. 現在の前記消費電力から前記設定差分値を引いた値が0以下の場合、前記出力指令値を0とすることを特徴とする、請求項6に記載の出力制御プログラム。
  8. 太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備と、前記パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置とを備える太陽光発電自家消費システムであって、
    前記出力制御装置は、
    前記負荷の消費電力と前記パワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、前記消費電力から引く電力の値を設定差分値として予め登録した比率・設定差分値テーブルを記憶している記憶部と、
    現在の前記消費電力と前記PCS定格との前記比率を算出し、前記比率・設定差分値テーブルを参照して、算出した前記比率に対応する前記設定差分値を決定し、現在の前記消費電力から決定後の前記設定差分値を引いた値を、前記PCS定格で割って、当該割った値を出力指定値とし、前記出力指令値を前記パワーコンディショナに送信して、前記パワーコンディショナの出力を制御する制御部とを備え
    現在の前記消費電力から決定後の前記設定差分値を引いた値が、前記パワーコンディショナの出力電力の上限値となっていることを特徴とする、太陽光発電自家消費システム。
  9. 前記比率・設定差分値テーブルは、前記比率を複数段階に分けてあり、消費電力が大きくなるに従って、設定差分値が大きくなることを特徴とする、請求項8に記載の太陽光発電自家消費システム。
  10. 前記比率・設定差分値テーブルは、前記比率が100[%]よりも大きい場合においても、前記設定差分値が登録されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載の太陽光発電自家消費システム。
  11. 現在の前記消費電力から前記設定差分値を引いた値が0以下の場合、前記出力指令値を0とすることを特徴とする、請求項8~10のいずれかに記載の太陽光発電自家消費システム。
  12. 前記比率・設定差分値テーブルは、書き換えることができることを特徴とする、請求項8~11のいずれかに記載の太陽光発電自家消費システム。
  13. 太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備とを備える太陽光発電自家消費システムにおいて、前記パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置であって、
    前記負荷の消費電力と前記パワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、前記パワーコンディショナの出力電力の上限値を規定するための設定値を記憶している記憶部と、
    現在の前記消費電力と前記PCS定格との前記比率を算出し、前記設定値を参照して、算出した前記比率に対応する前記パワーコンディショナの出力電力の上限値を決定して、前記パワーコンディショナの出力電力が前記上限値以内となるように、前記パワーコンディショナを制御する制御部とを備えることを特徴とする、出力制御装置。
  14. 前記設定値は、現在の消費電力から差し引く設定差分値であり、
    前記制御部は、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力から、前記設定差分値を引いた値となるように、前記パワーコンディショナを制御することを特徴とする、請求項13に出力制御装置。
  15. 前記設定値は、現在の消費電力に乗算する設定比値であり、
    前記制御部は、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力に前記設定比値を乗算して、乗算して得られた値を消費電力から引いた値として、前記パワーコンディショナを制御することを特徴とする、請求項13に出力制御装置。
  16. 前記設定値は、現在の消費電力に乗算する設定比値であり、
    前記制御部は、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力に前記設定比値を乗算した値として、前記パワーコンディショナを制御することを特徴とする、請求項13に出力制御装置。
  17. 太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備とを備える太陽光発電自家消費システムにおいて、前記パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置において実行される出力制御プログラムであって、
    前記出力制御装置には、前記負荷の消費電力と前記パワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、前記パワーコンディショナの発電電力の上限値を規定するための設定値が記憶されており、
    前記出力制御装置に、
    現在の前記消費電力と前記PCS定格との前記比率を算出させ、
    前記設定値を参照させ、
    算出した前記比率に対応する前記パワーコンディショナの出力電力の上限値を決定させ、
    前記パワーコンディショナの出力電力が前記上限値以内となるように、前記パワーコンディショナを制御させることを特徴とする、出力制御プログラム。
  18. 前記設定値は、現在の消費電力から差し引く設定差分値であり、
    前記出力制御装置に、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力から、前記設定差分値を引いた値となるように、前記パワーコンディショナを制御させることを特徴とする、請求項17に出力制御プログラム。
  19. 前記設定値は、現在の消費電力に乗算する設定比値であり、
    前記出力制御装置に、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力に前記設定比値を乗算して、乗算して得られた値を消費電力から引いた値として、前記パワーコンディショナを制御させることを特徴とする、請求項17に出力制御プログラム。
  20. 前記設定値は、現在の消費電力に乗算する設定比値であり、
    前記出力制御装置に、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力に前記設定比値を乗算した値として、前記パワーコンディショナを制御させることを特徴とする、請求項17に出力制御プログラム。
  21. 太陽電池と、太陽電池の発電電力を制御するパワーコンディショナと、電力送配電網からの商用電力を負荷に供給するための受変電設備と、前記パワーコンディショナの出力電力を制御するための出力制御装置とを備える太陽光発電自家消費システムであって、
    前記出力制御装置は、
    前記負荷の消費電力と前記パワーコンディショナの最大出力可能電力であるPCS定格との比率に対応させて、前記パワーコンディショナの発電電力の上限値を規定するための設定値を記憶している記憶部と、
    現在の前記消費電力と前記PCS定格との前記比率を算出し、前記設定値を参照して、算出した前記比率に対応する前記パワーコンディショナの出力電力の上限値を決定して、前記パワーコンディショナの出力電力が前記上限値以内となるように、前記パワーコンディショナを制御する制御部とを備えることを特徴とする、太陽光発電自家消費システム。
  22. 前記設定値は、現在の消費電力から差し引く設定差分値であり、
    前記制御部は、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力から、前記設定差分値を引いた値となるように、前記パワーコンディショナを制御することを特徴とする、請求項21に太陽光発電自家消費システム。
  23. 前記設定値は、現在の消費電力に乗算する設定比値であり、
    前記制御部は、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力に前記設定比値を乗算して、乗算して得られた値を消費電力から引いた値として、前記パワーコンディショナを制御することを特徴とする、請求項21に太陽光発電自家消費システム。
  24. 前記設定値は、現在の消費電力に乗算する設定比値であり、
    前記制御部は、前記発電電力の上限値は、現在の消費電力に前記設定比値を乗算した値として、前記パワーコンディショナを制御することを特徴とする、請求項21に太陽光発電自家消費システム。
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