JP7004979B2 - 蓄熱室の構築方法および蓄熱室煉瓦の吊り治具 - Google Patents

蓄熱室の構築方法および蓄熱室煉瓦の吊り治具 Download PDF

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Description

本発明は、蓄熱室の構築方法および蓄熱室煉瓦の吊り治具に関する。
コークス炉は、石炭を乾留する炭化室と、炭化室へ熱を供給するために燃料を燃焼する燃焼室と、燃焼室からの燃焼排ガスと燃料ガス、あるいは燃焼用空気との熱交換を行う蓄熱室との主として3つの部分から構成されている。そして一般には、前記した蓄熱室はさらに2組に分けられ、一方の蓄熱室で予熱した燃料ガス、あるいは空気を燃焼室に供給して燃焼させた後、もう一方の蓄熱室で燃焼ガスの顕熱を蓄熱する。その後ガスの流れを反対にして、先に蓄熱した蓄熱室で予熱を行い、予熱を行った蓄熱室で蓄熱を行う。この切り替え操作を20~30分間の周期サイクルで繰り返してコークス炉の操業を行う。
蓄熱室内には蓄熱室煉瓦(Regenerator brick)と称する孔の開いた煉瓦が充填されており、燃焼排ガスと燃料ガスあるいは空気とはこの蓄熱室煉瓦を介して熱交換する。すなわち、一定時間高温排ガスが蓄熱室を上から下へと流れる間に蓄熱室煉瓦を加熱して顕熱を蓄熱し、逆に燃料ガスあるいは空気が下から上へと流れる間に加熱された蓄熱室煉瓦の顕熱によって予熱を行っている。
この蓄熱室煉瓦の代表例について説明する。図1は、蓄熱室煉瓦1の斜視図で、図2(A)は、蓄熱室煉瓦1の平面図、(B)は蓄熱室煉瓦1の側面図である。
蓄熱室煉瓦1は、図1、図2に示すように、外枠11内に複数のウエブ12が設けられていて、ウエブ12間にスロット13が開口している。そして、ウエブ12と直交するリッジ14が設けられている。また、蓄熱室煉瓦1は、上下に積み上げた際に、上の蓄熱室煉瓦1のスロット13が開口する下面と、その下の蓄熱室煉瓦1の間に連通空間15を有するように、図2(A)の外枠11の真下の下面に対応する位置に直線的に凸部16を有している。この連通空間15は、隣接するスロット13同士が連通させるとともに、たとえ上下のスロット13の位置にずれが生じたとしても、ガスの流通が妨げられることがない。このような蓄熱室煉瓦1は、通常加圧成形で製造される。
ところで、コークス炉の蓄熱室は、従来、職人である築炉工の手により、蓄熱室煉瓦を一個ずつ積み上げて施工していた。しかしながら、築炉工は現在不足状態にあり、そのため築炉に要する工期が大幅に延びているのが現状である。
このような現状に対処するため、予め一体大型形状の蓄熱室煉瓦を製造し、一つの蓄熱室煉瓦の大きさを大きくすることにより、築炉の工事単位を大きくして築炉工期を短縮することも考えられる。しかし現状の技術では、一体大型形状の蓄熱室煉瓦は製造上、使用上および利用できる煉瓦の材質上の制約があり、広範な使用条件に対応する蓄熱室煉瓦とするには、やはり小単位の蓄熱室煉瓦を多数使用している。
この問題を解決する一つの方法として、図3に示したように、複数の蓄熱室煉瓦1を接着剤で接合して施工する方法が開示されている(特許文献1~3)。すなわち、予め小単位の蓄熱室煉瓦1を平面方向、高さ方向に複数個、蓄熱室煉瓦1の接着剤塗布部17に塗布した接着剤で接合して大きな一つの大ブロック100とし、この大ブロック100を一つの単位で積み上げれば、築炉に要する工期が短縮できる。
しかしながら、蓄熱室は、ピラーウォールと呼ばれる壁と仕切り煉瓦で、狭く区画されている。ピラーウォールと仕切り煉瓦を模した仮設壁3内に蓄熱室煉瓦1を積み上げる場合を示した図4(A)により説明する。蓄熱室を構築するには、蓄熱室煉瓦1を積み上げることと、仮設壁3の高さを増加させることを繰り返す。すなわち、蓄熱室煉瓦1を数段積み上げる高さに仮設壁3を設け、その次に数段分の蓄熱室煉瓦1を積み上げる。その段が積みあがったら、また、次の数段を積み上げるために次の数段分の仮設壁3の高さを高くし、蓄熱室煉瓦1を数段積み上げる。
このようにピラーウォールおよび仕切り煉瓦で区画された空間は狭いので、蓄熱室煉瓦1を側面から把持する治具によって、蓄熱室煉瓦1をピラーウォール内に載置して、蓄熱室を構築しようとすると、治具がピラーウォールおよび仕切り煉瓦に干渉し、蓄熱室を構築することが困難となる。特に、蓄熱室煉瓦1を予め大ブロック100とした場合、ピラーウォールおよび仕切り煉瓦に囲まれた一つの区画の床面積の大部分を、大ブロック100一つで占めることがあるが、そのような場合は、大ブロック100を側面から把持する治具では、ピラーウォールおよび仕切り煉瓦に囲まれた区画内に大ブロック100を載置することができない。
そのため、一側面の仮設壁3の図示を省略し、内部が理解できるように図示した図4(B)にあるように、大ブロック100を吊り治具2により吊り下げて、ガイド板4に従って、上から所定の場所に落とし込みにより載置し、蓄熱室を構築することになる。
特許文献1、2には、ある一つのスロット13を通じて蓄熱室煉瓦1の上面側から下面側までバンドを通し、その下面側まで通したバンドを別のスロット13からまた上面側に通し、バンドの両端を吊り治具2により保持することにより大ブロック100を吊り下げることが開示されている。
特許文献3には、スロット13に、金属棒等の支持部材を貫挿し、支持部材の上下両端からナットで締めてブロックを挟圧して結合させてブロックを所定の位置に移動させることが開示されている。
特開平5-106979号公報 特開平6-179859号公報 特開昭55-97412号公報
特許文献1、2に開示された技術では、蓄熱室煉瓦1を吊り下げるにあたり、バンドを蓄熱室煉瓦1の上面側から下面側に通し、さらに、蓄熱室煉瓦1を載置した床面と蓄熱室煉瓦1の下面の狭い隙間(連通空間15)にバンドを通さなければならない。このように、連通空間15にバンドを通すことは困難なため、作業が煩雑となる。また、吊り下げて所定の場所に蓄熱室煉瓦1を移動した後は、都度バンドを切断するか、一旦吊り治具2から分離しなければ次の蓄熱室煉瓦1を載置することができない。
特許文献3に開示された技術も同様に、吊り下げる前に、狭い連通空間15の下でナット締めを行わなければならないし、所定の場所に蓄熱室煉瓦1を載置した後にナットを外すことも、容易ではないため、作業が煩雑となる。
本発明は、蓄熱室を構築する際、簡便な方法で蓄熱室煉瓦1を吊り下げることができ、載置した後は簡便な方法で蓄熱室煉瓦1から治具を外すことができる蓄熱室の構築方法および蓄熱室煉瓦の吊り治具を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)ウエブの間に設けた、上面から下面まで貫通するスロットを複数有し、
さらに、複数上下方向に積み上げた際に、積み上げた上下の蓄熱室煉瓦の間に連通空間を有するように、下面、上面の一方または両方に凸部を有している蓄熱室煉瓦を積み上げる、蓄熱室の構築方法であって、
前記蓄熱室煉瓦を積み上げる際は、
吊りロッドを複数用いて行い、
前記吊りロッドは、垂直方向に直線状で棒状の軸部と、前記蓄熱室煉瓦を支持する前記軸部の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部とを有し、
前記吊りロッドの前記軸部と前記下端水平棒部の太さは、前記スロットの幅よりも細く、
前記吊りロッドの前記下端水平棒部の長さは、前記スロットの幅より長く、前記下端水平棒部の高さは、前記連通空間の高さより低い、
ことを特徴とする蓄熱室の構築方法。
(2)前記蓄熱室の構築は、
1.前記下端水平棒部の長さ方向を、前記スロットの長手方向と合わせて、前記スロットに前記吊りロッドを、前記下端水平棒部が前記連通空間に達するまで差し込み、
2.差し込んだ前記吊りロッドを垂直方向の軸に対し回転し、前記下端水平棒部により前記蓄熱室煉瓦の前記ウエブを下支えし、
3.前記ウエブで下支えされた前記蓄熱室煉瓦を吊り上げ、所定の場所に移動し、載置し、
4.所定の場所に載置後、前記スロットに差し込んだ前記吊りロッドを垂直方向の軸に対し回転し、前記下端水平棒部による前記蓄熱室煉瓦の前記ウエブの下支えを解除して抜き取り、
前記、1から4を繰り返すことにより、蓄熱室を構築することを特徴とする(1)に記載の蓄熱室の構築方法。
(3)前記蓄熱室の構築は、複数の蓄熱室煉瓦を接着剤で接合した大ブロックを一つの単位として行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の蓄熱室の構築方法。
(4)ウエブの間に設けた、上面から下面まで貫通するスロットを複数有し、
さらに、複数上下方向に積み上げた際に、積み上げた上下の蓄熱室煉瓦の間に連通空間を有するように、下面、上面の一方または両方に凸部を有している蓄熱室煉瓦の吊り治具であって、
前記吊り治具は、複数の吊りロッドを有しており、
前記吊りロッドは、垂直方向に直線状で棒状の軸部と、前記蓄熱室煉瓦を支持する前記軸部の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部とを有し、
前記吊りロッドの前記軸部と前記下端水平棒部の太さは、前記蓄熱室煉瓦のスロットの幅よりも細く、
前記吊りロッドの前記下端水平棒部の長さは、前記スロットの幅より長く、前記下端水平棒部の高さは、前記連通空間の高さより低く、
前記下端水平棒部の長さ方向が前記スロットの長手方向に対し、平行あるいは垂直に向けることができるように垂直方向の軸に対し回転可能に前記吊り治具に設けられており、
前記吊りロッドの上端で前記吊り治具に保持可能に設けられていること
を特徴とする蓄熱室煉瓦の吊り治具。
(5)前記吊りロッドは、前記吊り治具に対し、前記軸部が垂直方向に摺動自在に設けられており、
前記吊りロッドの上端には、ロッド固定部が設けられ、
前記吊り治具には、前記ロッド固定部が90°ごとに嵌合して前記吊りロッドの回転を固定できるロック機構が設けられ、
前記ロッド固定部は、前記吊りロッドが垂直方向に摺動し、前記ロック機構の上方に浮き上がることにより前記吊りロッドが回転可能となり、
前記ロッド固定部が前記ロック機構の上に降りて、所定の方向に嵌合することにより、前記下端水平棒部の長さ方向が、前記スロットの長手方向に対し、平行、垂直のいずれかになるように固定できることを特徴とする(4)に記載の蓄熱室煉瓦の吊り治具。
本発明によれば、蓄熱室を構築する際、簡便な方法で蓄熱室煉瓦1を吊り下げ、保持することができ、載置した後は、吊り下げている治具を分離させずに簡便な方法で蓄熱室煉瓦1から治具を外すことができる。
コークス炉の蓄熱室煉瓦1の斜視図である。 (A)は、コークス炉の蓄熱室煉瓦1の平面図、(B)はコークス炉の蓄熱室煉瓦1の側面図である。 複数の蓄熱室煉瓦1を接着剤によって接着し、大ブロック100とする作業を示した図である。 (A)は、仮設壁3内に、蓄熱室煉瓦1を途中まで積み上げた状態を示した図、(B)は、仮設壁3内に、大ブロック100を吊り治具2で吊り下げ、上方からの落とし込みで載置している図である。 (A)は、本発明に用いられる吊りロッド24の下端の正面図、(B)は側面図である。 吊りロッド24により蓄熱室煉瓦1を吊り下げている際の、下端水平棒部242によるウエブ12の下支えを示した図である。 (A)は、本発明の蓄熱室の構築方法に用いる吊り治具2の全体図、(B)は、ロッドガイド23の受け部に、上端水平棒部243を嵌合させる過程を示す図である。 スロット13に、孔通し用定規5を差し込んで、スロット13の位置を上下段で合わせていることを示す図である。 蓄熱室煉瓦1の一段ごとの側面に結束バンド6を設けて、大ブロック100とした場合を示す図である。
以下本発明を、図2、5~7を例として参照しつつ詳細に説明する。ただし、図2、5~7は、単なる一実施形態であり、本発明は、図2、5~7に限られるものではない。
図5に、一実施形態として、本発明の蓄熱室の構築方法に用いられる吊りロッド24の下端を示した。
ここで、吊りロッド24を、蓄熱室の構築方法に用いるとは、蓄熱室煉瓦1あるいは蓄熱室煉瓦1を複数接着剤で接合した大ブロック100を、吊りロッド24によって、吊り下げ、保持(支持)、運搬、所定の場所に載置(設置)することをいう。
吊りロッド24は、垂直方向に直線状で棒状の軸部241と、軸部241の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部242とを有する。軸部241と下端水平棒部242は、一体化しており、固定されている。
この吊りロッド24の軸部241の太さD1と下端水平棒部242の太さD2は、図2に示した蓄熱室煉瓦1のスロット13の幅Dよりも細い。吊りロッド24を用いる際には、吊りロッド24をスロット13に貫通させなければならないが、D1、D2のいずれか、あるいは双方がDより太いと、貫通させることができない。
また、吊りロッド24の下端水平棒部242の長さLは、スロット13の幅Dより長く、下端水平棒部242の高さD3は、連通空間15の高さHより低い。
吊りロッド24を用いて蓄熱室煉瓦1の吊り下げ等を行う場合には、図6に示したように、下端水平棒部242によって、ウエブ12を下支えしなければならないが、LがDより短いと下支えすることができない。また、下端水平棒部242の高さD3が、連通空間15の高さHよりも高いと、スロット13に吊りロッド24を差し込んでも、差し込んだ後に下端水平棒部242をウエブ12の下に入れるように回転できない。その結果、ウエブ12を下支えすることができない。
吊りロッド24の下端形状は、図5では、下端水平棒部242の長さ方向中央部に、軸部241が接続した、Tの字形状であるが、L字形状であっても構わない。ただし、T字形状の方が、軸部241の左右で支持する重量が、均等にかかるので好ましい。
また、図2では、蓄熱室煉瓦1の連通空間15が、蓄熱室煉瓦1を積み上げた際に蓄熱室煉瓦1の下に来るよう凸部16が蓄熱室煉瓦1の下面に設けられている。しかしながら、凸部16が蓄熱室煉瓦1の上面に設けられていて、蓄熱室煉瓦1を積み上げた際に蓄熱室煉瓦1の上に来る場合も、本発明を適用できる。その場合、連通空間15も、蓄熱室煉瓦1の上に形成される。
さらに、凸部16を、蓄熱室煉瓦1の上面と下面の両方に設け、上面と下面の両方に設けた凸部16同士の位置を合わせて、連通空間15を設けてもよい。この場合、連通空間15の高さHは、上面に設けた凸部16と下面に設けた凸部16を組み合わせた際の高さの合計となる。上面に設けた凸部16と、下面に設けた凸部16の位置が一致しない場合(上面の凸部16と下面の凸部16を組み合わせない場合。)は、上面に設けた凸部16の高さ、あるいは、下面に設けた凸部16の高さが連通空間15の高さHとなる。
なお、通常のスロット13の幅D、連通空間15の高さHに合わせて、D1、D2、D3は、D1=D-1mm以下、D2=D-1mm以下、D3=H-1mm以下、Lは、L=(ウエブ12の幅)×2+Dmm以上とすることが好ましい。軸部241の長さは、特に制限はないが、吊り下げる蓄熱室煉瓦1の高さ、あるいは、大ブロック化した場合は、蓄熱室煉瓦1の高さ方向の数にもよるが、(大ブロック100の高さ方向寸法)+(吊り治具2の高さ寸法)+αmmが好ましい(αは適宜、下端水平棒部242が軸方向に回転自在となる程度の余裕を持たせて決定する。)。また、軸部241、下端水平棒部242を含めた吊りロッド24の棒の断面形状は必ずしも限定されるものではないが、円形、楕円形、正方形、長方形などが採用できる。
より具体的に、蓄熱室煉瓦1を積み上げる手順を述べると、次の順序による。
1.吊りロッド24の下端水平棒部242の長さ方向を、蓄熱室煉瓦1のスロット13の長手方向と合わせて、スロット13に吊りロッド24を、下端水平棒部242が蓄熱室煉瓦1の連通空間15に達するまで差し込む。
2.差し込んだ吊りロッド24を垂直方向の軸に対し回転し、下端水平棒部242により蓄熱室煉瓦1のウエブ12を下支えする。吊りロッド24を垂直方向の軸に対し回転させる角度は、概ね90°である。
3.ウエブ12で下支えされた蓄熱室煉瓦1を吊り上げ、所定の場所に移動し、載置する。
4.所定の場所に載置後、スロット13に差し込んだ吊りロッド24を垂直方向の軸に対し回転し、下端水平棒部242による蓄熱室煉瓦1のウエブ12の下支えを解除して抜き取る。この時の吊りロッド24を垂直方向の軸に対し回転させる角度も、概ね90°である。
このような、1から4の手順を繰り返すことにより、蓄熱室を構築できる。
本発明の蓄熱室の構築は、複数の蓄熱室煉瓦1を接着剤で接合した大ブロック100を一つの単位として行うことが好ましい。一つの単位が大きい大ブロック100とすることで、狭いピラーウォールおよび仕切り煉瓦に囲まれた区画内での作業時間が少なくなり、築炉に要する工期が短縮できる。
もちろん、大ブロック100としない場合にも、蓄熱室煉瓦1の側面を把持しないので、概ね直接所定の載置位置に落とし込みで載置することができる。その結果、既に載置した蓄熱室煉瓦1の隣に次の蓄熱室煉瓦1を載置する際にも、側面を把持する場合のように、一旦蓄熱室煉瓦1を降ろしてから、所定の位置に大幅に移動させる必要がない。
本発明の蓄熱室の構築方法に用いる、蓄熱室煉瓦1の吊り治具2について述べる。
吊り治具2は、図5の吊りロッド24を複数有している。吊りロッド24は、下端水平棒部242の長さ方向がスロット13に対し、平行あるいは垂直に向けることができるように、垂直方向の軸に対し回転可能に吊り治具2に設けられている。そして、吊りロッド24は、その上端で吊り具フレーム21に保持されている。吊り治具2に、吊りロッド24の上端を回転可能に保持して設けることにより、蓄熱室煉瓦1を容易に吊り下げることが可能であり、載置後も、容易に外すことができる。
さらに、吊り治具2において、吊りロッド24の軸部241が、垂直方向に摺動自在となるように設けることが好ましい。その上で、吊りロッド24の上端には、ロッド固定部を設け、吊り具フレーム21には、ロッド固定部が90°ごとに嵌合して吊りロッド24の回転を固定できるロック機構を設けることが好ましい。ロッド固定部は、吊りロッド24が垂直方向に摺動し、ロッド固定部がロック機構の上方に浮き上がることにより吊りロッド24が回転可能となる。そして、ロッド固定部がロック機構上に降りて、所定の方向に嵌合することにより、下端水平棒部242の長さ方向が、スロット13の長手方向に対し、平行、垂直のいずれかになるように水平回転方向を固定できる。そのため、蓄熱室煉瓦1を吊り下げる作業中や、吊りロッド24をスロット13から抜き差しする作業中、下端水平棒部242の方向が目的以外の方向に向くことを防止できるため、作業が容易になる。
図7(A)(B)に吊り治具2の一例を示す。
図7(A)に示した例では、吊り治具2は、本体である吊り具フレーム21に、吊りピース22と、ロック機構であるロッドガイド23を有している。そして、ロッドガイド23で、複数の吊りロッド24が吊り下げられて設けられ、吊りロッド24は、その上端に設けたロッド固定部である上端水平棒部243で吊り具フレーム21に保持されている。
吊りロッド24の軸部241は、吊り具フレーム21を貫通し、垂直方向に摺動自在、垂直方向の軸に対し回転可能に保持されている。
ロック機構により回転方向を固定するのでなければ、軸部241が、垂直方向に摺動自在であることは必ずしも必要ではない。しかしながら、軸部241が、少なくとも90°程度は回転できないと、下端水平棒部242がウエブ12の下支えする場合と、スロット13に吊りロッド24を抜き差しする場合とに切り替えることができない。吊りロッド24は、一つの吊り治具2に、4~8本設けることが好ましい。また、吊りロッド24は、大ブロック100の最下段を構成する蓄熱室煉瓦1の個数に合わせることが好ましい。
また、図7(A)(B)に示したように、吊り治具2において、吊りロッド24は、軸部241が、垂直方向に摺動自在となるように設けることが好ましい。そして、吊りロッド24の上端には、ロッド固定部である上端水平棒部243を設け、吊り具フレーム21には、ロック機構であるロッドガイド23を設けることが好ましい。ロッドガイド23に上端水平棒部243を嵌合することにより、吊りロッド24の回転方向が固定できる。
ロッドガイド23は、断面が半円状で、上端水平棒部243を嵌合できる、各々直行した二つの受け部からなる。いずれかの方向の受け部に上端水平棒部243を嵌合させることにより、上端水平棒部243の回転方向が固定でき、その結果、下端水平棒部242の回転方向も固定できる。
ロッドガイド23の受け部は、それぞれ、下端水平棒部242が、蓄熱室煉瓦1のスロット13の長手方向に平行、垂直となるように設けられている。このロッドガイド23に上端水平棒部243を嵌合することより、下端水平棒部242をスロット13に貫通させる際や、下端水平棒部242によりウエブ12を下支えする際に、下端水平棒部242の方向を固定できるので、安定して作業が可能である。
なお、ここで、吊り具フレーム21に複数設けられている、ロッドガイド23の受け部の方向は、吊り治具2に設けられている複数の吊りロッド24の上端形状(軸部241と上端水平棒部243の接続部の形状)が同じT字形状である以上は、固定できる向きが、全て同じ向きでなければならないことは言うまでもない。
上端形状がL字形状である場合は、受け部は、図7(B)に示したように4箇所ではなく、最低直角に2箇所あればよいが、その場合も、すべての下端水平棒部242がウエブ12を下支えできる方向と、スロット13の長手方向に一致できなければならない。
なお、吊りロッド24の上端は、水平な棒である必要は必ずしもなく、軸部241が回転でき、吊った重量に耐え、吊りロッド24が本体である吊り具フレーム21から脱落させずに止めることができれば、円形でも、Y字状でも特に限定されない。
また、吊り具フレーム21は、必ずしもフレームで構成されなくてもよく、板状の本体に、吊りロッド24を複数設けてもよい。そして、吊り具フレーム21の、吊りピース22は、吊り具フレーム21をクレーン等に吊り下げるためのワイヤを通すものであるが、吊り治具2を直接移動機械のアーム等に据え付けて使用するならば、特に必須のものではない。
本発明の蓄熱室の構築方法おいて、蓄熱室煉瓦1を積み上げた後、スロット13の位置を上下段で合わせるためには、図8に示すように、スロット13に、孔通し用定規5を差し込むことが好ましい。孔通し用定規5は、スロット13に差し込む部分の長さが、積み上げる一つの単位の蓄熱室煉瓦1、一段以上の長さ、あるいは、一つの単位の大ブロック100の一段以上の長さを有する。孔通し用定規5を差し込むことにより、積み上げた蓄熱室煉瓦1の上下段のスロット13の位置を合わせることができる。この際、孔通し用定規5が、スロット13の奥深くに落下しないように、孔通し用定規5に、スロット13の幅Dよりも大きい幅の鞘51を設けることが好ましい。
また、大ブロック100を積み上げる際には、図9に示したように、水平方向の蓄熱室煉瓦1の一段ごとの側面に結束バンド6を設けて、大ブロック100がより崩壊しないように側面から固定することもできる。この場合、接着剤で各蓄熱室煉瓦1が接着されている必要は必ずしもないが、接着剤で接着されていることが好ましい。
蓄熱室煉瓦1を、縦2個、横3個、高さ4段で、合計24個を接着剤で接着し、一段ごとに側面に結束バンド6を設けて、大ブロック100とした。図7に示した本発明の吊り治具2により、この大ブロック100を積み上げて、ピラーウォールを模した仮設壁3に囲まれた仮蓄熱室の構築を試みた。
その結果、大ブロック100の崩壊なく吊りあげて据え付けることが可能であった。
本発明により、簡便に、効率よく蓄熱室煉瓦1を吊り下げ、据え付けることができるので、作業効率が向上するという特段の産業上の利用性を有する。
1………蓄熱室煉瓦
11……外枠
12……ウエブ
13……スロット
14……リッジ
15……連通空間
16……凸部
17……接着剤塗布部
100…大ブロック

2………吊り治具
21……吊り具フレーム
22……吊りピース
23……ロッドガイド
24……吊りロッド
241…軸部
242…下端水平棒部
243…上端水平棒部

3………仮設壁
4………ガイド板
5………孔通し用定規
51……鞘
6………結束バンド

Claims (5)

  1. ウエブの間に設けた、上面から下面まで貫通するスロットを複数有し、
    さらに、複数上下方向に積み上げた際に、積み上げた上下の蓄熱室煉瓦の間に連通空間を有するように、下面、上面の一方または両方に凸部を有している蓄熱室煉瓦を積み上げる、蓄熱室の構築方法であって、
    前記蓄熱室煉瓦を積み上げる際は、
    吊りロッドを複数用いて行い、
    前記吊りロッドは、垂直方向に直線状で棒状の軸部と、前記蓄熱室煉瓦を支持する前記軸部の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部とを有し、
    前記吊りロッドの前記軸部と前記下端水平棒部の太さは、前記スロットの幅よりも細く、
    前記吊りロッドの前記下端水平棒部の長さは、前記スロットの幅より長く、前記下端水平棒部の高さは、前記連通空間の高さより低い、
    ことを特徴とする蓄熱室の構築方法。
  2. 前記蓄熱室の構築は、
    1.前記下端水平棒部の長さ方向を、前記スロットの長手方向と合わせて、前記スロットに前記吊りロッドを、前記下端水平棒部が前記連通空間に達するまで差し込み、
    2.差し込んだ前記吊りロッドを垂直方向の軸に対し回転し、前記下端水平棒部により前記蓄熱室煉瓦の前記ウエブを下支えし、
    3.前記ウエブで下支えされた前記蓄熱室煉瓦を吊り上げ、所定の場所に移動し、載置し、
    4.所定の場所に載置後、前記スロットに差し込んだ前記吊りロッドを垂直方向の軸に対し回転し、前記下端水平棒部による前記蓄熱室煉瓦の前記ウエブの下支えを解除して抜き取り、
    前記、1から4を繰り返すことにより、蓄熱室を構築することを特徴とする請求項1に記載の蓄熱室の構築方法。
  3. 前記蓄熱室の構築は、複数の蓄熱室煉瓦を接着剤で接合した大ブロックを一つの単位として行うことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱室の構築方法。
  4. ウエブの間に設けた、上面から下面まで貫通するスロットを複数有し、
    さらに、複数上下方向に積み上げた際に、積み上げた上下の蓄熱室煉瓦の間に連通空間を有するように、下面、上面の一方または両方に凸部を有している蓄熱室煉瓦の吊り治具であって、
    前記吊り治具は、複数の吊りロッドを有しており、
    前記吊りロッドは、垂直方向に直線状で棒状の軸部と、前記蓄熱室煉瓦を支持する前記軸部の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部とを有し、
    前記吊りロッドの前記軸部と前記下端水平棒部の太さは、前記蓄熱室煉瓦のスロットの幅よりも細く、
    前記吊りロッドの前記下端水平棒部の長さは、前記スロットの幅より長く、前記下端水平棒部の高さは、前記連通空間の高さより低く、
    前記下端水平棒部の長さ方向が前記スロットの長手方向に対し、平行あるいは垂直に向けることができるように垂直方向の軸に対し回転可能に前記吊り治具に設けられており、
    前記吊りロッドの上端で前記吊り治具に保持可能に設けられていること
    を特徴とする蓄熱室煉瓦の吊り治具。
  5. 前記吊りロッドは、前記吊り治具に対し、前記軸部が垂直方向に摺動自在に設けられており、
    前記吊りロッドの上端には、ロッド固定部が設けられ、
    前記吊り治具には、前記ロッド固定部が90°ごとに嵌合して前記吊りロッドの回転を固定できるロック機構が設けられ、
    前記ロッド固定部は、前記吊りロッドが垂直方向に摺動し、前記ロック機構の上方に浮き上がることにより前記吊りロッドが回転可能となり、
    前記ロッド固定部が前記ロック機構の上に降りて、所定の方向に嵌合することにより、前記下端水平棒部の長さ方向が、前記スロットの長手方向に対し、平行、垂直のいずれかになるように固定できることを特徴とする請求項4に記載の蓄熱室煉瓦の吊り治具。
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