JP7004979B2 - 蓄熱室の構築方法および蓄熱室煉瓦の吊り治具 - Google Patents
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Description
蓄熱室煉瓦1は、図1、図2に示すように、外枠11内に複数のウエブ12が設けられていて、ウエブ12間にスロット13が開口している。そして、ウエブ12と直交するリッジ14が設けられている。また、蓄熱室煉瓦1は、上下に積み上げた際に、上の蓄熱室煉瓦1のスロット13が開口する下面と、その下の蓄熱室煉瓦1の間に連通空間15を有するように、図2(A)の外枠11の真下の下面に対応する位置に直線的に凸部16を有している。この連通空間15は、隣接するスロット13同士が連通させるとともに、たとえ上下のスロット13の位置にずれが生じたとしても、ガスの流通が妨げられることがない。このような蓄熱室煉瓦1は、通常加圧成形で製造される。
このようにピラーウォールおよび仕切り煉瓦で区画された空間は狭いので、蓄熱室煉瓦1を側面から把持する治具によって、蓄熱室煉瓦1をピラーウォール内に載置して、蓄熱室を構築しようとすると、治具がピラーウォールおよび仕切り煉瓦に干渉し、蓄熱室を構築することが困難となる。特に、蓄熱室煉瓦1を予め大ブロック100とした場合、ピラーウォールおよび仕切り煉瓦に囲まれた一つの区画の床面積の大部分を、大ブロック100一つで占めることがあるが、そのような場合は、大ブロック100を側面から把持する治具では、ピラーウォールおよび仕切り煉瓦に囲まれた区画内に大ブロック100を載置することができない。
そのため、一側面の仮設壁3の図示を省略し、内部が理解できるように図示した図4(B)にあるように、大ブロック100を吊り治具2により吊り下げて、ガイド板4に従って、上から所定の場所に落とし込みにより載置し、蓄熱室を構築することになる。
特許文献3には、スロット13に、金属棒等の支持部材を貫挿し、支持部材の上下両端からナットで締めてブロックを挟圧して結合させてブロックを所定の位置に移動させることが開示されている。
特許文献3に開示された技術も同様に、吊り下げる前に、狭い連通空間15の下でナット締めを行わなければならないし、所定の場所に蓄熱室煉瓦1を載置した後にナットを外すことも、容易ではないため、作業が煩雑となる。
さらに、複数上下方向に積み上げた際に、積み上げた上下の蓄熱室煉瓦の間に連通空間を有するように、下面、上面の一方または両方に凸部を有している蓄熱室煉瓦を積み上げる、蓄熱室の構築方法であって、
前記蓄熱室煉瓦を積み上げる際は、
吊りロッドを複数用いて行い、
前記吊りロッドは、垂直方向に直線状で棒状の軸部と、前記蓄熱室煉瓦を支持する前記軸部の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部とを有し、
前記吊りロッドの前記軸部と前記下端水平棒部の太さは、前記スロットの幅よりも細く、
前記吊りロッドの前記下端水平棒部の長さは、前記スロットの幅より長く、前記下端水平棒部の高さは、前記連通空間の高さより低い、
ことを特徴とする蓄熱室の構築方法。
(2)前記蓄熱室の構築は、
1.前記下端水平棒部の長さ方向を、前記スロットの長手方向と合わせて、前記スロットに前記吊りロッドを、前記下端水平棒部が前記連通空間に達するまで差し込み、
2.差し込んだ前記吊りロッドを垂直方向の軸に対し回転し、前記下端水平棒部により前記蓄熱室煉瓦の前記ウエブを下支えし、
3.前記ウエブで下支えされた前記蓄熱室煉瓦を吊り上げ、所定の場所に移動し、載置し、
4.所定の場所に載置後、前記スロットに差し込んだ前記吊りロッドを垂直方向の軸に対し回転し、前記下端水平棒部による前記蓄熱室煉瓦の前記ウエブの下支えを解除して抜き取り、
前記、1から4を繰り返すことにより、蓄熱室を構築することを特徴とする(1)に記載の蓄熱室の構築方法。
(3)前記蓄熱室の構築は、複数の蓄熱室煉瓦を接着剤で接合した大ブロックを一つの単位として行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の蓄熱室の構築方法。
(4)ウエブの間に設けた、上面から下面まで貫通するスロットを複数有し、
さらに、複数上下方向に積み上げた際に、積み上げた上下の蓄熱室煉瓦の間に連通空間を有するように、下面、上面の一方または両方に凸部を有している蓄熱室煉瓦の吊り治具であって、
前記吊り治具は、複数の吊りロッドを有しており、
前記吊りロッドは、垂直方向に直線状で棒状の軸部と、前記蓄熱室煉瓦を支持する前記軸部の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部とを有し、
前記吊りロッドの前記軸部と前記下端水平棒部の太さは、前記蓄熱室煉瓦のスロットの幅よりも細く、
前記吊りロッドの前記下端水平棒部の長さは、前記スロットの幅より長く、前記下端水平棒部の高さは、前記連通空間の高さより低く、
前記下端水平棒部の長さ方向が前記スロットの長手方向に対し、平行あるいは垂直に向けることができるように垂直方向の軸に対し回転可能に前記吊り治具に設けられており、
前記吊りロッドの上端で前記吊り治具に保持可能に設けられていること
を特徴とする蓄熱室煉瓦の吊り治具。
(5)前記吊りロッドは、前記吊り治具に対し、前記軸部が垂直方向に摺動自在に設けられており、
前記吊りロッドの上端には、ロッド固定部が設けられ、
前記吊り治具には、前記ロッド固定部が90°ごとに嵌合して前記吊りロッドの回転を固定できるロック機構が設けられ、
前記ロッド固定部は、前記吊りロッドが垂直方向に摺動し、前記ロック機構の上方に浮き上がることにより前記吊りロッドが回転可能となり、
前記ロッド固定部が前記ロック機構の上に降りて、所定の方向に嵌合することにより、前記下端水平棒部の長さ方向が、前記スロットの長手方向に対し、平行、垂直のいずれかになるように固定できることを特徴とする(4)に記載の蓄熱室煉瓦の吊り治具。
この吊りロッド24の軸部241の太さD1と下端水平棒部242の太さD2は、図2に示した蓄熱室煉瓦1のスロット13の幅Dよりも細い。吊りロッド24を用いる際には、吊りロッド24をスロット13に貫通させなければならないが、D1、D2のいずれか、あるいは双方がDより太いと、貫通させることができない。
吊りロッド24を用いて蓄熱室煉瓦1の吊り下げ等を行う場合には、図6に示したように、下端水平棒部242によって、ウエブ12を下支えしなければならないが、LがDより短いと下支えすることができない。また、下端水平棒部242の高さD3が、連通空間15の高さHよりも高いと、スロット13に吊りロッド24を差し込んでも、差し込んだ後に下端水平棒部242をウエブ12の下に入れるように回転できない。その結果、ウエブ12を下支えすることができない。
さらに、凸部16を、蓄熱室煉瓦1の上面と下面の両方に設け、上面と下面の両方に設けた凸部16同士の位置を合わせて、連通空間15を設けてもよい。この場合、連通空間15の高さHは、上面に設けた凸部16と下面に設けた凸部16を組み合わせた際の高さの合計となる。上面に設けた凸部16と、下面に設けた凸部16の位置が一致しない場合(上面の凸部16と下面の凸部16を組み合わせない場合。)は、上面に設けた凸部16の高さ、あるいは、下面に設けた凸部16の高さが連通空間15の高さHとなる。
1.吊りロッド24の下端水平棒部242の長さ方向を、蓄熱室煉瓦1のスロット13の長手方向と合わせて、スロット13に吊りロッド24を、下端水平棒部242が蓄熱室煉瓦1の連通空間15に達するまで差し込む。
2.差し込んだ吊りロッド24を垂直方向の軸に対し回転し、下端水平棒部242により蓄熱室煉瓦1のウエブ12を下支えする。吊りロッド24を垂直方向の軸に対し回転させる角度は、概ね90°である。
3.ウエブ12で下支えされた蓄熱室煉瓦1を吊り上げ、所定の場所に移動し、載置する。
4.所定の場所に載置後、スロット13に差し込んだ吊りロッド24を垂直方向の軸に対し回転し、下端水平棒部242による蓄熱室煉瓦1のウエブ12の下支えを解除して抜き取る。この時の吊りロッド24を垂直方向の軸に対し回転させる角度も、概ね90°である。
このような、1から4の手順を繰り返すことにより、蓄熱室を構築できる。
もちろん、大ブロック100としない場合にも、蓄熱室煉瓦1の側面を把持しないので、概ね直接所定の載置位置に落とし込みで載置することができる。その結果、既に載置した蓄熱室煉瓦1の隣に次の蓄熱室煉瓦1を載置する際にも、側面を把持する場合のように、一旦蓄熱室煉瓦1を降ろしてから、所定の位置に大幅に移動させる必要がない。
吊り治具2は、図5の吊りロッド24を複数有している。吊りロッド24は、下端水平棒部242の長さ方向がスロット13に対し、平行あるいは垂直に向けることができるように、垂直方向の軸に対し回転可能に吊り治具2に設けられている。そして、吊りロッド24は、その上端で吊り具フレーム21に保持されている。吊り治具2に、吊りロッド24の上端を回転可能に保持して設けることにより、蓄熱室煉瓦1を容易に吊り下げることが可能であり、載置後も、容易に外すことができる。
図7(A)に示した例では、吊り治具2は、本体である吊り具フレーム21に、吊りピース22と、ロック機構であるロッドガイド23を有している。そして、ロッドガイド23で、複数の吊りロッド24が吊り下げられて設けられ、吊りロッド24は、その上端に設けたロッド固定部である上端水平棒部243で吊り具フレーム21に保持されている。
ロック機構により回転方向を固定するのでなければ、軸部241が、垂直方向に摺動自在であることは必ずしも必要ではない。しかしながら、軸部241が、少なくとも90°程度は回転できないと、下端水平棒部242がウエブ12の下支えする場合と、スロット13に吊りロッド24を抜き差しする場合とに切り替えることができない。吊りロッド24は、一つの吊り治具2に、4~8本設けることが好ましい。また、吊りロッド24は、大ブロック100の最下段を構成する蓄熱室煉瓦1の個数に合わせることが好ましい。
なお、ここで、吊り具フレーム21に複数設けられている、ロッドガイド23の受け部の方向は、吊り治具2に設けられている複数の吊りロッド24の上端形状(軸部241と上端水平棒部243の接続部の形状)が同じT字形状である以上は、固定できる向きが、全て同じ向きでなければならないことは言うまでもない。
上端形状がL字形状である場合は、受け部は、図7(B)に示したように4箇所ではなく、最低直角に2箇所あればよいが、その場合も、すべての下端水平棒部242がウエブ12を下支えできる方向と、スロット13の長手方向に一致できなければならない。
また、吊り具フレーム21は、必ずしもフレームで構成されなくてもよく、板状の本体に、吊りロッド24を複数設けてもよい。そして、吊り具フレーム21の、吊りピース22は、吊り具フレーム21をクレーン等に吊り下げるためのワイヤを通すものであるが、吊り治具2を直接移動機械のアーム等に据え付けて使用するならば、特に必須のものではない。
その結果、大ブロック100の崩壊なく吊りあげて据え付けることが可能であった。
11……外枠
12……ウエブ
13……スロット
14……リッジ
15……連通空間
16……凸部
17……接着剤塗布部
100…大ブロック
2………吊り治具
21……吊り具フレーム
22……吊りピース
23……ロッドガイド
24……吊りロッド
241…軸部
242…下端水平棒部
243…上端水平棒部
3………仮設壁
4………ガイド板
5………孔通し用定規
51……鞘
6………結束バンド
Claims (5)
- ウエブの間に設けた、上面から下面まで貫通するスロットを複数有し、
さらに、複数上下方向に積み上げた際に、積み上げた上下の蓄熱室煉瓦の間に連通空間を有するように、下面、上面の一方または両方に凸部を有している蓄熱室煉瓦を積み上げる、蓄熱室の構築方法であって、
前記蓄熱室煉瓦を積み上げる際は、
吊りロッドを複数用いて行い、
前記吊りロッドは、垂直方向に直線状で棒状の軸部と、前記蓄熱室煉瓦を支持する前記軸部の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部とを有し、
前記吊りロッドの前記軸部と前記下端水平棒部の太さは、前記スロットの幅よりも細く、
前記吊りロッドの前記下端水平棒部の長さは、前記スロットの幅より長く、前記下端水平棒部の高さは、前記連通空間の高さより低い、
ことを特徴とする蓄熱室の構築方法。 - 前記蓄熱室の構築は、
1.前記下端水平棒部の長さ方向を、前記スロットの長手方向と合わせて、前記スロットに前記吊りロッドを、前記下端水平棒部が前記連通空間に達するまで差し込み、
2.差し込んだ前記吊りロッドを垂直方向の軸に対し回転し、前記下端水平棒部により前記蓄熱室煉瓦の前記ウエブを下支えし、
3.前記ウエブで下支えされた前記蓄熱室煉瓦を吊り上げ、所定の場所に移動し、載置し、
4.所定の場所に載置後、前記スロットに差し込んだ前記吊りロッドを垂直方向の軸に対し回転し、前記下端水平棒部による前記蓄熱室煉瓦の前記ウエブの下支えを解除して抜き取り、
前記、1から4を繰り返すことにより、蓄熱室を構築することを特徴とする請求項1に記載の蓄熱室の構築方法。 - 前記蓄熱室の構築は、複数の蓄熱室煉瓦を接着剤で接合した大ブロックを一つの単位として行うことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱室の構築方法。
- ウエブの間に設けた、上面から下面まで貫通するスロットを複数有し、
さらに、複数上下方向に積み上げた際に、積み上げた上下の蓄熱室煉瓦の間に連通空間を有するように、下面、上面の一方または両方に凸部を有している蓄熱室煉瓦の吊り治具であって、
前記吊り治具は、複数の吊りロッドを有しており、
前記吊りロッドは、垂直方向に直線状で棒状の軸部と、前記蓄熱室煉瓦を支持する前記軸部の下端に水平に設けた棒状の下端水平棒部とを有し、
前記吊りロッドの前記軸部と前記下端水平棒部の太さは、前記蓄熱室煉瓦のスロットの幅よりも細く、
前記吊りロッドの前記下端水平棒部の長さは、前記スロットの幅より長く、前記下端水平棒部の高さは、前記連通空間の高さより低く、
前記下端水平棒部の長さ方向が前記スロットの長手方向に対し、平行あるいは垂直に向けることができるように垂直方向の軸に対し回転可能に前記吊り治具に設けられており、
前記吊りロッドの上端で前記吊り治具に保持可能に設けられていること
を特徴とする蓄熱室煉瓦の吊り治具。 - 前記吊りロッドは、前記吊り治具に対し、前記軸部が垂直方向に摺動自在に設けられており、
前記吊りロッドの上端には、ロッド固定部が設けられ、
前記吊り治具には、前記ロッド固定部が90°ごとに嵌合して前記吊りロッドの回転を固定できるロック機構が設けられ、
前記ロッド固定部は、前記吊りロッドが垂直方向に摺動し、前記ロック機構の上方に浮き上がることにより前記吊りロッドが回転可能となり、
前記ロッド固定部が前記ロック機構の上に降りて、所定の方向に嵌合することにより、前記下端水平棒部の長さ方向が、前記スロットの長手方向に対し、平行、垂直のいずれかになるように固定できることを特徴とする請求項4に記載の蓄熱室煉瓦の吊り治具。
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JP2018072293A JP7004979B2 (ja) | 2018-04-04 | 2018-04-04 | 蓄熱室の構築方法および蓄熱室煉瓦の吊り治具 |
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JP2019182939A JP2019182939A (ja) | 2019-10-24 |
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CN103173230A (zh) | 2013-03-29 | 2013-06-26 | 中国一冶集团有限公司 | 焦炉格子砖的运输、砌筑方法和装置 |
CN105419821A (zh) | 2015-12-02 | 2016-03-23 | 中冶焦耐工程技术有限公司 | 一种焦炉蓄热室格子砖热态不停产更换方法 |
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- 2018-04-04 JP JP2018072293A patent/JP7004979B2/ja active Active
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