JP7000963B2 - ソーナー装置、音響信号判別法、及びプログラム - Google Patents

ソーナー装置、音響信号判別法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、ソーナー装置、該ソーナー装置で目標対象物の判別に用いる音響信号判別法、及びプログラムに関する。
一般的なソーナー装置について説明する。ソーナー装置は、パッシブソーナー装置とアクティブソーナー装置に大別される。
パッシブソーナー装置とは、水中(水面含む)に存在する目標(例えば船舶や潜水艦など)が発生する音波を捉え、目標の存在を感知し、目標位置(方位)を算出する装置である。これに対し、アクティブソーナー装置とは、海中に音波を放射し、目標物からの反射音を検出し、放射音と反射音との時間差や反射音の検出方位から目標物の位置や距離を測定する装置である。
パッシブソーナー装置で扱う目標が発する音の中には、エンジン等を発生源とする長時間継続する定常的な音と、船の操舵時等に発生する時間的に連続しない、又は、短い時間だけ継続する過渡音がある。以下、受信音波による信号を受信信号、過渡音による信号をトランジェント信号と記載する。
パッシブソーナー装置は、これらの受信信号を処理し、オペレータに聴音や信号分析結果の画面表示を提供する。オペレータは、聴音や信号分析結果の画面表示を統合して目標信号の有無を判断する。
ソーナー装置による受信信号の分析手法には、2つの代表的な手法が知られている。1つの手法は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)等の手法により周波数分析する方法である。信号の継続時間に合わせて時間分解能を設定し、分析区間をずらしながら周期的に演算を繰り返す短時間FFTと呼ばれる方法が一般的に用いられる。もう一つの手法としては、受信信号を検波してパワー分析する方法であり、トランジェント信号の抽出手段として用いられることが多い。
関連する技術としては、特許文献1~5が挙げられる。
特許文献1には、パッシブソーナー装置において、センサと情報処理部との間にあたる伝送路で混入したパルス性雑音を抑圧する信号処理装置が開示されている。この信号処理装置は、センサとの出力周波数帯以外に表れたパルス信号を検出して、その信号を抑圧する。
また、特許文献2には、ソーナー装置に関する発明ではないものの、音響信号に含まれた複数の音響要素を推定する音響信号分析法が開示されている。この音響信号分析法は、NMF(Non-negative Matrix Factorization:非負値行列分解)処理を利用して、センサー等から取得した音響信号から、複数の音響要素に分離することが開示されている。
また、特許文献3から5には、受信信号を検波してパワー分析する方法の一例を開示しており、隠れマルコフモデル(HMM:Hidden Markov Model)を用いたトランジェント信号を分類する技術が開示されている。HMMを用いた手法では、連続したトランジェント音の組み合わせで音源の分類を実施する。
特開2016-197775号公報 特願2014-164126号公報 国際公開第2015/177990号 特願2014-103101号公報 特願2016-232880号公報
パッシブソーナーを使用するオペレータは、目標以外の音源が発した雑音や、ソーナー装置の伝送路で混入する電気的雑音など、無数の雑音の中から目標が発生する音響信号を発見しなければならない。
これらの雑音は、信号を聴音した際の聴感上の音質の悪化や、信号分析結果の表示における目標信号の視認性の悪化、自動検出処理における探知確率の低下、誤警報の増加など、目標信号を発見する際の大きな妨げとなる。また、これら雑音は、パワー分析を用いるトランジェント信号の検出において誤警報確率増加の大きな要因となる。
特許文献1のパッシブソーナー装置は、センサと情報処理部との間にあたる伝送路で混入したパルス性雑音を抑圧する。他方、目標が発した音響信号に雑音が被さった場合などの影響について対処できない。また、特許文献2は、ソーナー装置に関する発明ではない。また目標を特定する手法を開示していない。
特許文献3~5では、隠れマルコフモデル(HMM)を用いて入力信号からトランジェント信号の分類を行う手法が提示されている。HMMを用いた手法は、連続したトランジェント音の組み合わせで音源の分類をすることに優れている。他方、この手法では、個々のトランジェント音に伸び縮みがあってもそれを吸収して分類性能を維持できる一方、連続したトランジェント音で部分的に音が聞こえない場合、または、全体として想定範囲外の長さの音となった場合は分類性能が低下するという欠点がある。
特許文献3~5を挙げて例示した技術では、次に想定されるトランジェント音が雑音等の影響により聞こえなかったり、別な音と被ったりした場合、正確に目標信号を分類できない。また、特許文献1や2に記載された技術も同様である。これらの技術では、トランジェント音が雑音等の影響により正しく連続しなかった場合、音響信号を判別した結果が誤警報となる可能性が高くなる。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、音響信号および周波数分析結果から、規則性のある連続した過渡音又はそれに準ずる音列に基づいた良好な目標の判別処理を実現するソーナー装置、音響信号判別法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るソーナー装置は、センサで取得された音響が含まれた信号に基づいて音響信号を出力する受付手段と、前記受付手段から出力された音響信号から特徴素を抽出する特徴素抽出手段と、既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出された特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離すると共に、目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDP(Dynamic Programming)マッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する目標判定手段と、を有することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る情報処理システムによる音響信号判別法は、センサで取得された音響が変換された音響信号を受け付け、受け付けた音響信号から特徴素を抽出し、既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出した特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離し、目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDPマッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、センサで取得された音響が変換された音響信号から特徴素を抽出する特徴素抽出手段と、既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出した特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離すると共に、目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDPマッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する目標判定手段として動作させることを特徴とする。
本発明によれば、音響信号および周波数分析結果から、規則性のある連続した過渡音又はそれに準ずる音列に基づいた良好な目標の判別処理を実現するソーナー装置、音響信号判別法、およびプログラムを提供できる。
第1の実施形態に係るソーナー装置を示す構成図である。 ソーナー装置を含むソーナーシステムの構成例を示す構成図である。 ソーナー装置の処理例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るソーナー装置を示す構成図である。 音響信号の判定処理を模式的に示した説明図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係るソーナー装置1を示す構成図である。図2は、ソーナー装置1を含むソーナーシステムの構成例を示す構成図である。なお、ソーナーシステムは、図2の構成に限定することなく、既存のソーナーシステムの構成に適宜ソーナー装置1を組み入れればよい。
図2に示したソーナーシステムは、無線を介して水中に配置された音響センサ(ハイドロフォン)で取得された時系列を伴う音響からソーナー装置1で目標を判別する。ブイは、音響センサと送信機とを具備して、音響センサで取得された音響を信号に変換して出力する。ソーナー装置1を具備するキャリア(船や飛行機、観測機器など)は、ブイからの信号を受信して、ソーナー装置1に入力する。その後、ソーナー装置1内で受け付けた受信信号に音響処理が行われ、目標を判定する。オペレータは、ソーナー装置1で実施された音響処理結果を表示部等で適宜把握する。
また、図示したソーナーシステムおよびソーナー装置1は、既存のソーナーシステムのように、音響の聴音や目標の位置、方向の特定、各種情報の表示等を実施可能に構成すればよい。
図1に示したソーナー装置1は、受付部2と音響認識処理部3を含み構成されている。
受付部2は、センサで取得された音響が含まれた受信信号に基づいて音響信号を出力する。
音響認識処理部3は、受付部2から出力された音響信号を受け付けて、その音響信号に対して音声認識技術を元にトランジェント音列の信号判定を実施する。音響認識処理部3は、受信した音響信号をNMF処理とDPマッチング処理を用いて知識データベースと照らし合わせることで、受信した音響信号が目標かどうかを判定し、その結果を後段の構成要素へと出力するように構成されている。
本実施形態の音響認識処理部3は、特徴素抽出部31と目標判定部32と知識データベース33を備える。
特徴素抽出部31は、受付部2から出力された音響信号から特徴素を抽出する。
目標判定部32は、NMF処理によって複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離し、更に、DPマッチング処理によって分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する。
被解析対象である音響信号には、目標が間欠的に発生させた複数のトランジェント音が含まれていることがある。また、この複数のトランジェント音には登場順序にある程度の規則性が有ることがある一方、完全な規則性でないこともある。例えば、トランジェント音1、トランジェント音2、トランジェント音3、トランジェント音4と順序良く発生した連続的且つ間欠的な4つのトランジェント音は、場合によってはセンサの観測ではトランジェント音2が聞こえないことが有り得る。また、同様な条件でも、トランジェント音2とトランジェント音3がほぼ重なったり、トランジェント音2の発生タイミングで別の雑音が被ったりすることが有り得る。目標判定部32は、この個々のトランジェント音をNMF処理によって個々の音源信号として時系列を含めて分離する。その後、分離した複数のトランジェント音について登場する時系列を含めて、DPマッチング処理によって分析する。なお、分析対象は、複数のトランジェント音のみではなく、他の音源が含まれ得る。
このNMF処理及びDPマッチング処理は、適宜知識データベース33を参照して実施すればよい。この知識データベース33には、NMF処理用に既知の音響信号の特徴素データ(第1の知識データベース)を蓄積されている。また、知識データベース33には、DPマッチング処理用に目標信号の正解音列データ(第2の知識データベース)が蓄積されている。なお、この知識データベース33は、必ずしもソーナー装置1内に設ける必要は無く、例えば通信ネットワークを介して外部に設けられたデータベースを参照するようにしてもよい。
目標判定部32による判定結果は、後段の構成要素で利用される。後段の構成要素は、例えば雑音の抑圧処理部や表示部、他の情報処理装置が挙げられる。
また、目標判定部32は、NMF処理によって分離した複数の音源信号及びその波形の登場する順序も適宜後段の構成要素に送ることとしてもよい。
目標判定部32は、DPマッチング処理で目標を判定した際に、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について適宜後段の構成要素に出力するようにしてもよい。同様に、目標判定部32は、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について、正解音列内での登場タイミングと、音源の種別と、波形を例えば2つ以上の組み合わせで出力するようにしてもよい。同様に、目標判定部32は、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について、受け付けた音響信号に類似の音源波形が含まれていないか探索して、含まれていた場合にはその登場タイミングを出力するようにしてもよい。このような処理を目標判定部32の処理に加えることで、例えば、連続したトランジェント音から抜け落ちていた音響やその音響の発生要因などをオペレータに提示可能にできる。
次に、ソーナー装置1の音響信号判別法を説明する。
図3は、ソーナー装置1の処理例を示すフローチャートである。このフローチャートは、音響認識処理部3の目標判定に係る処理動作を示している。
まず、音響認識処理部3(特徴素抽出部31)は、受け付けた音響信号から特徴素を抽出する(S101)。
次に、音響認識処理部3(目標判定部32)は、知識データベース33(既知の音響信号の特徴素データ)を参照して、NMF処理によって 抽出した特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離する(S102)。
次に、音響認識処理部3(目標判定部32)は、知識データベース33(目標信号の正解音)を参照するDPマッチング処理によって 分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する(S103)。
このように情報処理システムを動作させることによって、音響信号および周波数分析結果から、目標信号の正解音として登録されている音響(規則性のある連続した過渡音)又は類似の音響(それに準ずる音列)を良好な精度で判別できるソーナー装置1を提供できる。例えば、ソーナー装置1に入力された受信信号に、雑音に紛れ込んでしまい認識できなかった音響部分があった場合でも、前後の連続したトランジェント音等の音響に基づいて目標音列の有無から目標を判定することが可能となる。
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係るソーナー装置1を示す構成図である。第2の実施形態に係るソーナー装置1は、雑音除去部4、判定結果画像化部5、信号検出処理部6を具備している。また、本実施形態のソーナー装置1では、知識データベース7が音響認識処理部3の外に設けられている。
図示したように、ソーナー装置1は、受付部2、音響認識処理部3、雑音除去部4、判定結果画像化部5、信号検出処理部6を備える。
受付部2は、有線や無線通信を介してブイ等と接続したり、音響センサが直接的に接続されたりして、送信されてきた水中の音響が含まれた信号を受け付け、音響信号として音響認識処理部3に送る。この際、受付部2は、必要に応じて、送信されてきた信号に音響信号を取り出す復調処理を行えばよい。なお、受付部2から出力される音響信号には、目標からの定常的な信号やトランジェント音、雑音原からの定常的及び非定常的な雑音が含まれ得る。
音響認識処理部3は、受信した音響信号に対して、第1の実施形態で説明した音声認識技術に基づき目標に関連するトランジェント音の信号判定を知識データベース7と照らし合わせて実施する。また、音響認識処理部3は、音源分類結果を雑音除去部4に出力し、判定結果を判定結果画像化部5に出力する。その後、判定結果画像化部5によって、判定結果が所望な態様に画像化され表示部に送られる。判定結果画像化部5は、例えば、NMF処理によって分離された各々の音源信号を時系列で並べて画像化するように構成してもよい。このことで、個々のトランジェント音の発生要因を推定する情報をオペレータに提示できる。また、判定結果画像化部5は、画像化した個別の音源信号の画像を予め知識データベースに登録されている教師音源毎の波形画像(テンプレート画像)と対比可能に出力するように構成してもよい。また、判定結果画像化部5は、画像化した個別の音源信号の画像と予め知識データベースに登録されている教師音源毎のテンプレート画像と比較して、分離された各音源信号の教師音源との類似度を算定して出力するように構成してもよい。
一方、雑音除去部4では、元の音響信号についての雑音除去を計ると共に、音源分類結果に含まれている個々の音響信号(解析対象音響信号に含まれていた音源)について雑音除去を図る。また、雑音除去部4では、元の音響信号と 音源分類結果に含まれている個々の音響信号とを用いて、元の音響信号から分離した個々の音響信号以外を雑音として除去するようにしてもよい。
その後、信号検出処理部6によって、雑音を除去された元の音響信号や音響信号に含まれていた個々の音源が音響として再現されて表示部や聴音機器に送られる。また、信号検出処理部6によって、FFT、あるいはウェーブレット等の周波数分析処理を行い、周波数解析結果より信号検出結果を表示部へと出力してもよい。また、信号検出処理部6は、雑音を除去された音響信号から目標が存在すると判定した部分の音響信号を切り出して出力することとしてもよい。
なお、雑音除去の手法は、上記手法に特に限定しない。また、例えば次のように雑音を除去する方式を用いても良く、また切り替えられるようにしてもよい。まず、雑音判定処理として、ソーナー装置1に入力された元の音響信号から広帯域信号の検出結果に基づき、検出が有った信号に対してのみ雑音抑圧処理を行う。
このように動作させることで、受付部2で受け付けた受信信号から、目標からの定常的な信号やトランジェント音、雑音原からの定常的及び非定常的な雑音を適宜分離して抽出したり抑制したりすることができる。
ここで、音響認識処理部3の目標判定部32による判定処理を説明する。
図5は、音響信号の判定処理過程で得られる信号を模式的に示した説明図である。
音響認識処理部3(目標判定部32)は、NMF(非負値行列因子分解)を使用した目標信号と雑音の音源分離処理と、DP(動的計画法)マッチングを使用した音源判定処理を実行する。
音源分離処理を実施することで、被解析対象である音響信号を複数の音源信号に分離する。図5(a)に示した例では、音1から音4までの音源信号に分離している。なお、図5(a)の例は、上下が周波数軸、左右が強度を示している。
音源判定処理を実施することで、被解析対象である分離された音源信号とその並びが正解音(音列)と同一もしくは類似するかの判定を行う。図5(b)に示した例では、音1から音4までの音源信号(入力音列)と正解音列(目標信号の正解音)とをDPマッチングしている。なお、図5(b)の例は、目標信号は、音a、音b、音c、音dが連続した音列である。これに対して、分離された音1から音4が判定対象の音列となる。比較対象となる両音列は、音2と音bが異なるが他の音1、音3、音4と、音a、音c、音dは、一致するものとする。また、音の出現順が揃っていることを示している。
音響認識処理部3の目標判定部32がDPマッチングで経路毎の値が所定の閾値以下で正解音とする判定を行う。すなわち、DPマッチングを実行することによって、図示した例のように、例え正解音列に含まれる音bが被判定対象の音列(音1から音4)に含まれていなかったとしても、(音2が音bと判断できなくても)その部分を迂回して、音1、音3、音4とその繋がりにより、類似度と閾値を用いて被解析対象の音響信号が正解音列と識別可能とできる。DPマッチングの特徴によって、各音の間延び等にも良好な判定精度を提供できる。
また、目標信号である正解音列に含まれる各音を知識データベースでNMF用の知識データとして管理することで、DPマッチングとNMFでの照合を融和させられる。
この結果、音響認識処理部3に入力された被解析対象の音響信号に、知識データベースに登録されている目標信号が含まれているかいなかを、雑音等の影響を避けつつ判定できる。
なお、知識データベースで管理する目標信号は、既知の目標対象の音響信号ではなく、未知の音響信号であってもよい。例えば、ある海域で収集された未知の音響(音響信号,音列)について知識データベースに登録しておけば、別の海域で同音響(類似音響)を収集した場合に、そのことが判定結果として示されることとなる。このことで、ある海域で検出された未知の音響を生じさせた対象がどの地域で検出されたことがあるか判別可能になる。
また、上記説明した本目標判定手法を用いて目標を判定することと並列的に、既存の他の目標判定手法を組み合わせて運用することも有益である。
本目標判定手法は、目標が発する規則性が有るトランジェント音のような、間欠的な音響信号に対しても、音源の分類に有効な手法となる。
この音響信号判別法をソーナーシステムに組み入れることにより、例えば他の音響信号判別法では、音響センサや伝搬環境で入り込んだ雑音と重なることによって目標を認識できなかった音響信号からであっても、時系列上で規則的に連続した目標から発生した音響の特徴を捉えることによって、目標を判別することが可能となる。
また、目標から発せられた規則的に連続した音響信号に例え他の音響が被っていたとしても、NMFによる周波数分離とDPマッチングによる類似度判定の両特徴を組み合わせることで、知識データベースに保持する教師データ(音響列)が部分的に欠損していたとしても、精度良く目標と判定し、誤警報を低減した検出結果を提示することが可能となる。
以上説明したように、本発明を適用したソーナー装置は、音響信号および周波数分析結果から、規則性のある連続した過渡音又はそれに準ずる音列に基づいた良好な目標の判別処理を実現できる。また、目標の判別処理にかかる誤警報率を低減させられる。
尚、ソーナー装置1の各部は、情報処理システムで構築できる。各部は、メモリーに本発明に係るプログラムが展開され、このプログラムに基づいてプロセッサー等のハードウェアを動作させることによって、実現すればよい。また、ソーナー装置1の一部/全ての各部をハードウェアやファームウェア(例えば、一ないし複数のLSI:Large-Scale Integration,FPGA:Field Programmable Gate Array,電子素子の組み合わせ)で置換することとしてもよい。同様に、各部の一部のみをハードウェアやファームウェアで置換することとしてもよい。
上記形態を別の表現で説明すれば、コンピュータの制御部を、メモリーに展開された本発明に係るプログラムに基づき、特徴素抽出手段、目標判定手段として動作させることで、ソーナー装置1を実現できる。
なお、実施形態を例示して本発明を説明した。しかし、本発明の具体的な構成は前述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があってもこの発明に含まれる。例えば、上述した実施形態のブロック構成の分離併合、手順の入れ替えなどの変更は本発明の趣旨および説明される機能を満たせば自由であり、上記説明が本発明を限定するものではない。
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうる。尚、以下の付記は本発明をなんら限定するものではない。
[付記1]
センサで取得された音響が含まれた信号に基づいて音響信号を出力する受付手段と、
前記受付手段から出力された音響信号から特徴素を抽出する特徴素抽出手段と、
既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出された特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離すると共に、目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDPマッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する目標判定手段と、
を有する
ことを特徴とするソーナー装置。
[付記2]
NMF処理によって分離された各々の音源信号を並べて画像化する画像化手段を有することを特徴とする付記1に記載のソーナー装置。
[付記3]
前記画像化手段は、画像化された個別の音源信号の画像を予め第1の知識データベースに登録されている教師音源毎のテンプレート画像と比較して、分離された各音源信号の教師音源との類似度を算定して出力することを特徴とする付記2に記載のソーナー装置。
[付記4]
前記目標判定手段は、DPマッチング処理で目標を判定した際に、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について出力することを特徴とする付記1から3の何れか一項に記載のソーナー装置。
[付記5]
前記目標判定手段は、DPマッチング処理で目標を判定した際に、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について、正解音列内での登場タイミングと、音源の種別と、波形の少なくとも2つを出力することを特徴とする付記1から4の何れか一項に記載のソーナー装置。
[付記6]
前記目標判定手段は、DPマッチング処理で目標を判定した際に、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について、受け付けた音響信号に類似の音源波形が含まれていないか探索して、含まれていた場合にはその登場タイミングを出力することを特徴とする付記1から5の何れか一項に記載のソーナー装置。
[付記7]
NMF処理によって分離された別個の音源信号を参照して、音響信号に含まれた雑音を除去する雑音除去手段を有することを特徴とする付記1から6の何れか一項に記載のソーナー装置。
[付記8]
目標が存在すると判定した部分の音響信号を切り出す信号検出手段を有し、
前記信号検出手段は、前記雑音除去手段を介して雑音を除去された音響信号から目標が存在すると判定した部分の音響信号を切り出すことを特徴とする付記7に記載のソーナー装置。
[付記9]
センサで取得された音響が変換された音響信号を受け付け、
受け付けた音響信号から特徴素を抽出し、
既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出した特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離し、
目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDPマッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する
ことを特徴とする情報処理システムによる音響信号判別法。
[付記10]
コンピュータを、
センサで取得された音響が変換された音響信号から特徴素を抽出する特徴素抽出手段と、
既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出した特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離すると共に、目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDPマッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する目標判定手段と、
して動作させることを特徴とするプログラム。
本発明は、水上艦艇や水中艦艇、ブイなどで取得される音響信号に基づいて目標の有無や種別、位置等を判定するソーナーシステムに好適である。例えば既存のパッシブソーナーシステムに組み入れることで、既存システムの性能を高められる。
1 ソーナー装置
2 受付部
3 音響認識処理部
31 特徴素抽出部
32 目標判定部
33 知識データベース

Claims (10)

  1. センサで取得された音響が含まれた信号に基づいて音響信号を出力する受付手段と、
    前記受付手段から出力された音響信号から特徴素を抽出する特徴素抽出手段と、
    既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出された特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離すると共に、目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDPマッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する目標判定手段と、
    を有する
    ことを特徴とするソーナー装置。
  2. NMF処理によって分離された各々の音源信号を並べて画像化する画像化手段を有することを特徴とする請求項1に記載のソーナー装置。
  3. 前記画像化手段は、画像化された個別の音源信号の画像を予め第1の知識データベースに登録されている教師音源毎のテンプレート画像と比較して、分離された各音源信号の教師音源との類似度を算定して出力することを特徴とする請求項2に記載のソーナー装置。
  4. 前記目標判定手段は、DPマッチング処理で目標を判定した際に、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について出力することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のソーナー装置。
  5. 前記目標判定手段は、DPマッチング処理で目標を判定した際に、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について、正解音列内での登場タイミングと、音源の種別と、波形の少なくとも2つを出力することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のソーナー装置。
  6. 前記目標判定手段は、DPマッチング処理で目標を判定した際に、目標の正解音列を導出する過程で 分離された複数の音源信号に含まれていなかった正解音列の音源信号について、受け付けた音響信号に類似の音源波形が含まれていないか探索して、含まれていた場合にはその登場タイミングを出力することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のソーナー装置。
  7. NMF処理によって分離された別個の音源信号を参照して、音響信号に含まれた雑音を除去する雑音除去手段を有することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のソーナー装置。
  8. 目標が存在すると判定した部分の音響信号を切り出す信号検出手段を有し、
    前記信号検出手段は、前記雑音除去手段を介して雑音を除去された音響信号から目標が存在すると判定した部分の音響信号を切り出すことを特徴とする請求項7に記載のソーナー装置。
  9. センサで取得された音響が変換された音響信号を受け付け、
    受け付けた音響信号から特徴素を抽出し、
    既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出した特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離し、
    目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDPマッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する
    ことを特徴とする情報処理システムによる音響信号判別法。
  10. コンピュータを、
    センサで取得された音響が変換された音響信号から特徴素を抽出する特徴素抽出手段と、
    既知の音響信号の特徴素データを予め蓄積した第1の知識データベースを参照するNMF処理によって 前記抽出した特徴素から複数の音源信号及びその波形の登場する順序を分離すると共に、目標信号の正解音を予め蓄積した第2の知識データベースを参照するDPマッチング処理によって 前記分離した複数の音源信号及びその波形の登場する時系列が何れの目標信号の正解音であるか判定する目標判定手段と、
    して動作させることを特徴とするプログラム。
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