本明細書において説明される実施形態は、本実施形態に関連する当業者のために、本実施形態の思想を明確に説明するためのものである。したがって、本実施形態は、本明細書において説明される実施形態によって限定されず、本実施形態の範囲は、本実施形態の思想に属する修正された例を含むものとして解釈されるべきである。
本明細書において使用される用語は、本実施形態における機能を考慮して、現在広く使用される一般的用語から選択されるが、本実施形態に関連する当業者の意図または慣行、または、新技術の登場に従って変動し得る。対称的に、出願者が特定の用語を恣意的に定義および使用する場合、用語の意味は以下に説明される。従って、本明細書において使用される用語は、単に用語の名称ではなく、用語が有する実質的な意味、および、本明細書全体の内容に基づいて解釈されるべきである。
本明細書に添付された図面は、本実施形態の説明を容易にするためのものであり、図面に示される形状は、本実施形態を理解し易くするために、必要に応じて誇張され得る。したがって、本実施形態は図面によって限定されない。
本明細書において、本実施形態に関連する既知の構成または機能の詳細な説明が、本実施形態の主旨を曖昧にすると見なされる場合、その詳細な説明は、必要に応じて省略される。
本出願の一態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されたエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されたイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、エレクトロクロミック素子に電力を印加してエレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、第2透過率を有する第2状態、第3透過率を有する第3状態、または、第4透過率を有する第4状態のうち少なくとも1つにエレクトロクロミック素子の状態を変更するべく、状態を制御するための制御ユニットとを備え、第2透過率は、第1透過率の値より大きい値を有し、第3透過率は、第2透過率の値より大きい値を有し、第4透過率は、第3透過率の値より大きい値を有し、エレクトロクロミック素子が第1状態を有する状態にあるエレクトロクロミック素子に第1電圧が印加されるとき、エレクトロクロミック素子は第2状態になり、エレクトロクロミック素子が第4状態を有する状態にあるエレクトロクロミック素子に第1電圧が印加されるとき、エレクトロクロミック素子が第3状態になる。
ここで、エレクトロクロミック層およびイオン貯蔵層は、イオンの移動によって変色され得る。
ここで、エレクトロクロミック層およびイオン貯蔵層は、イオンとの結合力を有し得て、エレクトロクロミック層とイオンとの間の結合力、および、イオン貯蔵層とイオンとの間の結合力は互いに異なり得る。
ここで、エレクトロクロミック層とイオンとの間の結合を解放するための第1閾値電圧、および、イオン貯蔵層とイオンとの間の結合を解放するための第2閾値電圧は、互いに異なり得る。
ここで、エレクトロクロミック層は、内部電位を有し得て、内部電位は、エレクトロクロミック層に位置するイオンの数に比例し得る。
ここで、制御ユニットは、イオンを移動させるために、内部電位および第1閾値電圧の和より高い電圧を印加し得る。
ここで、制御ユニットは、イオンを移動させるために、内部電位と第1閾値電圧との間の差より低い電圧を印加し得る。
ここで、第1状態、第2状態、第3状態または第4状態は、エレクトロクロミック層に含まれるイオンの数によって決定され得る。
ここで、第1状態、第2状態、第3状態、または、第4状態は、エレクトロクロミック層に含まれるイオンと、イオン貯蔵層に含まれるイオンとの比に従って決定され得る。
ここで、エレクトロクロミック層およびイオン貯蔵層とイオンとの間の結合力は、物理的結合力または化学的結合力であり得る。
ここで、エレクトロクロミック層とイオン貯蔵層との間の物理的結合力は、エレクトロクロミック層とイオン貯蔵層との間の物理的構造の差に起因して、イオン貯蔵層と異なり得る。ここで、イオンは水素イオンまたはリチウムイオンであり得る。
本出願の別の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されたエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されたイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、エレクトロクロミック素子に電力を印加してエレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、第2透過率を有する第2状態、または、第3透過率を有する第3状態のうち少なくとも1つに変化させるために、エレクトロクロミック素子の状態を制御するための制御ユニットとを備え、第2透過率は、第1透過率より大きい値を有し、第3透過率は、第2透過率より大きい値を有し、制御ユニットは、エレクトロクロミック素子が第1状態を有する状態にあるエレクトロクロミック素子に第1電圧を印加することにより、エレクトロクロミック素子の状態を第2状態に変化させ、制御ユニットは、エレクトロクロミック素子が第3状態を有する状態にあるエレクトロクロミック素子に第2電圧を印加することにより、エレクトロクロミック素子の状態を第2状態に変化させ、第1電圧および第2電圧は互いに異なる。ここで、第2電圧は第1電圧より高いことがあり得る。
ここで、コントローラは、エレクトロクロミック素子の状態を第2状態に変更し得て、エレクトロクロミック素子が第1状態にあるか、または、第3状態にあるかに基づいて、第1電圧または第2電圧を選択的に印加し得る。
ここで、制御ユニットは、エレクトロクロミック装置が第1状態にあるか、または、第3状態にあるかに基づいて、エレクトロクロミック装置を第2状態に変更するためのプロセスが、着色プロセスであるか、または、消色プロセスであるかを決定することにより、第1電圧または第2電圧を選択的に印加し得る。
ここで、制御ユニットは、前の状態に印加された電圧を通じて、前の状態を決定し得る。
ここで、エレクトロクロミック装置は、着色プロセスおよび消色プロセスにおける駆動電圧の各々を記憶する記憶ユニットを更に含む。
ここで、記憶ユニットは、着色プロセスにおける各目標状態についての駆動電圧、および、消色プロセスにおける各目標レベルについての駆動電圧を記憶し得る。
本出願の他の態様によれば、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、エレクトロクロミック素子におけるイオンの少なくとも1つを移動させることにより、エレクトロクロミック素子を着色または消色させるために、エレクトロクロミック素子に電力を印加する制御ユニットとが提供され得て、第1電圧を印加することによりエレクトロクロミック素子が消色状態にある場合、第2電圧の印加によりエレクトロクロミック素子が着色され、エレクトロクロミックの前の状態を変更しない第3電圧が、第1電圧と第2電圧との間に存在する。
ここで、第3電圧が印加されるとき、エレクトロクロミック層およびイオン貯蔵層に存在するイオンは移動しないことがあり得る。
本出願の他の態様によれば、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、エレクトロクロミック素子におけるイオンの少なくとも1つを移動させることにより、エレクトロクロミック素子を着色または消色するためにエレクトロクロミック素子に電力を印加する制御ユニットとを備えるエレクトロクロミック装置が提供され得て、ここで、第1電圧の印加によりエレクトロクロミック素子が消色状態にあるとき、第2電圧の印加は、エレクトロクロミック素子の着色を引き起こし、第2電圧は、第1電圧より不変電圧区間だけ大きい。
ここで、エレクトロクロミック層およびイオン貯蔵層は、イオンとの結合力を有し得て、エレクトロクロミック層とイオンとの間の結合力、および、イオン貯蔵層とイオンとの間の結合力は互いに異なり得る。
ここで、不変電圧区間は、第1閾値電圧および第2閾値電圧の和に対応し得て、第1閾値電圧は、エレクトロクロミック層とイオンとの間の結合を解放するための電圧であり得て、第2閾値電圧は、イオン貯蔵層とイオンとの間の結合を解放するための電圧であり得る。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、電力をエレクトロクロミック素子に印加してエレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、または、第1透過率より大きい値を有する第2透過率を有する第2状態のうち少なくとも1つを変更するために、エレクトロクロミック素子の状態を制御する制御ユニットとを備え、エレクトロクロミック素子は、第1領域および第2領域を含み、第1領域の透過率が第2領域の透過率に対応するように電圧が閾値期間にわたって印加され、状態を第1状態に変更するために第1電圧がエレクトロクロミック素子に印加されるとき、閾値期間は第1閾値期間であり、状態を第2状態に変更するために第2電圧がエレクトロクロミック素子に印加されるとき、閾値期間は第2閾値期間である。
ここで、第1状態に変色されるエレクトロクロミック素子の初期状態は、第2状態に変色されるエレクトロクロミック素子の初期状態と同一であり得て、初期状態は第3状態であり得る。ここで、第1閾値期間は、第3状態によって変更され得る。
ここで、第3状態の透過率と第1状態の透過率との間の差が低減されるとき、第1閾値期間は低減され得る。ここで、閾値期間は、温度によって変更され得る。
ここで、エレクトロクロミック素子は、制御ユニットに電気的に接続される接触領域を含み得て、エレクトロクロミック素子の透過率は、接触領域に隣接する領域から変更され得る。
ここで、電圧が閾値期間にわたってエレクトロクロミック素子に印加され得るとき、第1領域の透過率および第2領域の透過率は差を有し得る。
ここで、第1領域の透過率と、第2領域の透過率との間の差は、第1電極および第2電極のうち1つのシート抵抗に比例し得る。ここで、第2電圧は第1電圧より大きいことがあり得る。ここで、第2閾値期間は、第1閾値期間より長いことがあり得る。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、電力をエレクトロクロミック素子に印加してエレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、または、第1透過率より大きい値を有する第2透過率を有する第2状態のうち少なくとも1つを変更するように、エレクトロクロミック素子の状態を制御するための制御ユニットとを備え、エレクトロクロミック素子は第1領域および第2領域を含み、制御ユニットは、第1領域の透過率が第2領域の透過率に対応するように、少なくとも閾値期間である印加期間にわたって電圧をエレクトロクロミック素子に印加し、エレクトロクロミック素子が第1状態に変更されるとき、制御ユニットは、第1印加期間にわたって印加し、エレクトロクロミック素子が第2状態に変更されるとき、制御ユニットは、第2印加期間にわたって印加する。ここで、第2印加期間は第1印加期間と異なり得る。ここで、第2印加期間は、第1印加期間より長いことがあり得る。ここで、第1印加期間は、第2印加期間と同一であり得る。
ここで、第1印加期間および第2印加期間は、エレクトロクロミック素子の面積に従って設定され得る。
ここで、第2状態が最大透過率を有するとき、エレクトロクロミック素子がすべての状態に変更され得るとき、制御ユニットは、第2印加期間にわたって電圧を印加し得る。
ここで、制御ユニットは、エレクトロクロミック素子の現在の状態に基づいて、印加期間を決定し得る。
ここで、エレクトロクロミック素子が現在の状態に変更されるとき、制御ユニットは、印加される電圧に基づいて、エレクトロクロミック素子の現在の状態を決定し得る。
ここで、エレクトロクロミック素子が現在の状態に変更されるときに印加される電圧を記憶するための記憶ユニットを更に含むエレクトロクロミック装置が提供され得る。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、電力をエレクトロクロミック素子に印加してエレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、第2透過率を有する第2状態、または、第3透過率を有する第3状態のうち少なくとも1つを変更するように、エレクトロクロミック素子の状態を制御するための制御ユニットとを備え、第2透過率は、第1透過率の値より大きい値を有し、第3透過率は、第2透過率の値より大きい値を有し、エレクトロクロミック素子は第1領域および第2領域を含み、第1領域の透過率が第2領域の透過率に対応するように、電圧が閾値期間にわたって印加され、エレクトロクロミック素子の状態を第1状態から第3状態に変更するために第1電圧がエレクトロクロミック素子に印加されるときの閾値期間は第1閾値期間であり、エレクトロクロミック素子の状態を第2状態から第3状態に変更するためにエレクトロクロミック素子に第1電圧が印加されるときの閾値期間は第2閾値期間であり、第1閾値期間は第2閾値期間と異なる。ここで、第2閾値期間は第1閾値期間より長いことがあり得る。
ここで、第1閾値期間は、第1透過率および第3透過率の差によって決定され得て、第2閾値期間は、第1透過率および第2透過率の差によって決定され得る。
ここで、第1閾値期間は、第1電圧と、エレクトロクロミック素子が第1状態に変更されるときに印加される電圧との差によって決定され得て、第2閾値期間は、第1電圧と、エレクトロクロミック素子が第2状態に変更されるときに印加される電圧との差によって決定され得る。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、電力をエレクトロクロミック素子に印加してエレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることによって、第1透過率を有する第1状態、第2透過率を有する第2状態、または、第3透過率を有する第3状態のうち少なくとも1つを変更するように、エレクトロクロミック素子の状態を制御するための制御ユニットとを備え、第2透過率は、第1透過率の値より大きい値を有し、第3透過率は、第2透過率の値より大きい値を有し、エレクトロクロミック素子は、第1領域および第2領域を含み、制御ユニットは、第1領域の透過率が第2領域の透過率に対応するように、少なくとも閾値期間である印加期間にわたって電圧をエレクトロクロミック素子に印加し、制御ユニットが第1印加期間にわたって電圧を印加する結果、エレクトロクロミック素子が第1状態から第3状態に変更され、制御ユニットが第2印加期間にわたって電圧を印加する結果、エレクトロクロミック素子が第2状態から第3状態に変更される。ここで、第2印加期間は、第1印加期間より短いことがあり得る。
ここで、第1印加期間中に印加される電圧の大きさは、第2印加期間中に印加される電圧の大きさと同一であり得る。
ここで、第1透過率が最小透過率であり、第3透過率が最大透過率であるとき、制御ユニットから印加される電圧のすべてが第1印加期間中に印加され得る。
ここで、制御ユニットは、第1透過率と第2透過率との差に基づいて第1印加期間を決定し得て、制御ユニットは、第1透過率と第3透過率との差に基づいて第2印加期間を決定し得る。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、電力をエレクトロクロミック素子に印加してエレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、または、第1透過率より大きい値を有する第2透過率を有する第2状態のうち少なくとも1つを変更するように、エレクトロクロミック素子の状態を制御する制御ユニットとを備え、エレクトロクロミック素子は、第1領域および第2領域を含み、電圧が閾値期間にわたって印加される結果、第1領域の透過率は第2領域の透過率に対応し、制御ユニットは、維持段階において、エレクトロクロミック素子の状態を維持するために維持電圧を印加し、エレクトロクロミック素子の第1状態を維持するための閾値期間は第1閾値期間であり、エレクトロクロミック素子の第2状態を維持するための閾値期間は第2閾値期間である。ここで、第2閾値期間は第1閾値期間より長いことがあり得る。
ここで、維持段階は、維持電圧が印加される印加期間と、維持電圧が印加されない非印加期間とを含み得て、非印加期間が維持段階における第1非印加期間であるとき、エレクトロクロミック素子の第1状態を維持するための閾値期間は第3閾値期間であり得て、非印加期間が維持段階における第2非印加期間であるとき、エレクトロクロミック素子の第1状態を維持するための閾値期間は第4閾値期間であり得る。
ここで、第1非印加期間が第2非印加期間より長いとき、第3閾値期間は、第4閾値期間より長いことがあり得る。
ここで、第1状態を維持するための維持電圧は、第1維持電圧であり得て、第2状態を維持するための維持電圧は第2維持電圧であり得る。ここで、第1維持電圧は、第2維持電圧より小さいことがあり得る。
ここで、エレクトロクロミック素子の変色段階において、第1状態に変化する初期状態は第3状態であり得て、エレクトロクロミック素子の変色段階において、第2状態に変更する初期状態は、第3状態であり得る。ここで、第1閾値期間は、第3状態に基づいて変更され得る。
ここで、第3状態の透過率と第1状態の透過率との間の差が低減されるとき、第1閾値期間は低減され得る。ここで、閾値期間は、温度に基づいて変更され得る。
ここで、変色段階においてエレクトロクロミック素子の状態を第1状態に変更するために第1電圧をエレクトロクロミック素子に印加する閾値期間は、第5閾値期間であり得て、変色段階においてエレクトロクロミック素子の状態を第2状態に変更するために第2電圧をエレクトロクロミック素子に印加する閾値期間は、第6閾値期間であり得て、第6閾値期間は第5閾値期間より短いことがあり得る。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、電力をエレクトロクロミック素子に印加してエレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、または、第1透過率より大きい値を有する第2透過率を有する第2状態のうち少なくとも1つを変更するように、エレクトロクロミック素子の状態を制御する制御ユニットとを備え、エレクトロクロミック素子は第1領域および第2領域を含み、制御ユニットは、エレクトロクロミック素子の状態を維持段階に維持するべく、少なくとも閾値期間である印加期間にわたって維持電圧を印加する結果、第1領域の透過率は、第2領域の透過率に対応し、制御ユニットは、第1印加期間中にエレクトロクロミック素子の第1状態を維持するために第1維持電圧を印加し、制御ユニットは、第2印加期間中にエレクトロクロミック素子の第2状態を維持するために第2維持電圧を印加する。ここで、第2印加期間は、第1印加期間より長いことがあり得る。
ここで、維持段階は、維持電圧が印加されない非印加期間を更に含み得て、制御ユニットは、非印加期間が維持段階における第1非印加期間であるとき、エレクトロクロミック素子の第1状態を維持するために、第3印加期間中に第1維持電圧を印加し得て、制御ユニットは、非印加期間が維持段階における第2非印加期間であるとき、エレクトロクロミック素子の第1状態を維持するために、第4印加期間中に第1維持電圧を印加し得る。
ここで、第1非印加期間が第2非印加期間より長いとき、第3印加期間は、第4印加期間より長いことがあり得る。
ここで、制御ユニットは、第2透過率が最大透過率である場合、エレクトロクロミック素子を変更できるすべての状態にエレクトロクロミック素子を変更した後に、変更された状態を維持するために、第2印加期間にわたって維持電圧を印加し得る。
ここで、制御ユニットは、変色段階において、第1変色電圧を印加して、エレクトロクロミック素子を第1状態に変更し得て、制御ユニットは、変色段階において、第2変色電圧を印加して、エレクトロクロミック素子を第2状態に変更し得る。ここで、第1変色電圧は、第1維持電圧と同一であり得る。
ここで、制御ユニットは、変色段階において第1変色電圧印加期間にわたって第1変色電圧を印加して、エレクトロクロミック素子を第1状態に変更し得て、制御ユニットは、変色段階において第2変色電圧印加期間にわたって第2変色電圧を印加して、エレクトロクロミック素子を第2状態に変更し得て、第1変色電圧印加期間は、第1印加期間以上であり得る。
ここで、制御ユニットは、エレクトロクロミック素子の現在の状態に基づいて、変色の印加期間を決定し得る。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック素子を駆動する方法が提供され得て、エレクトロクロミック素子は、第1電極、第2電極、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、エレクトロクロミック層と第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含み、当該方法は、第1電圧をエレクトロクロミック素子に印加して、エレクトロクロミック素子が、第1透過率を有する第1状態になる、変色段階と、第1状態を維持するために、印加期間にわたって第1電圧をエレクトロクロミック素子に印加する維持段階とを含み、印加期間は、第1領域の透過率が第2領域の透過率に対応することを可能にする閾値期間以上である。
ここで、維持段階は、印加段階および非印加段階を含み得て、印加段階は、印加期間にわたって第1電圧を印加することであり得て、非印加段階は、非印加期間にわたって第1電圧を印加しないことであり得て、印加期間は、非印加期間の長さに基づいて決定され得る。ここで、閾値期間は、非印加期間に比例し得る。ここで、閾値期間は、第1電圧の大きさに比例し得る。ここで、印加期間は、第1電圧の大きさに基づいて決定され得る。
ここで、第1電圧は、変色段階における第1上昇期間を有し得て、第1電圧は、維持段階における第2上昇期間を有し得て、第1上昇期間は、第2上昇期間より短いことがあり得る。
ここで、第1電圧は、変色段階における第1上昇角度を有し得て、第1電圧は、維持段階における第2上昇角度を有し得て、第1上昇角度は、第2上昇角度より小さいことがあり得る。ここで、第1上昇角度は、第1電圧の大きさに基づいて決定され得る。
本出願の他の態様によれば、接触領域を含む第1電極、パッド領域を含む第2電極、および、第1電極と第2電極との間に配置される中間層を含むエレクトロクロミック素子と、エレクトロクロミック素子に接触するベースと、ベースに含まれる導体であって、第1導体および第2導体を含む導体と、ベースの上面に配置される駆動基板とを備えるエレクトロクロミック装置が提供され得て、駆動基板は、エレクトロクロミック装置の光学的状態を変更するために駆動電力を生成する駆動ユニットを含み、駆動電力は、第1駆動電力および第2駆動電力を含み、中間層は、エレクトロクロミック層、電解質層、イオン貯蔵層を含み、ベースに含まれる導体は、エレクトロクロミック素子に接触し、第1導体はパッド領域に接触し、第2導体は接触領域に接触し、第1導体は、第1駆動電力をパッド領域へ伝達し、第2導体は、第2駆動電力を接触領域へ伝達する。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、エレクトロクロミック装置は、第1電極、第2電極、および、第1電極と第2電極との間に配置される中間層を含むエレクトロクロミック素子と、エレクトロクロミック装置に接触するように配置されるベースと、ベースに含まれる導体であって、第1導体および第2導体を含む、導体とを備え、ベースに含まれる導体は、エレクトロクロミック装置に接触し、第1導体は第1電極に接触し、第2導体は第2電極に接触し、第1駆動電力および第2駆動電力を含む駆動電力は、導体を通じて第1電極および第2電極に印加され、第1電極は、第1導体を通じて第1駆動電力を受け取り、第2電極は、第2導体を通じて第2駆動電力を受け取る。
ここで、中間層は、エレクトロクロミック層、電解質層、および、イオン貯蔵層を含み得て、エレクトロクロミック素子は、レドックス反応によって変色される。
ここで、エレクトロクロミック素子の第2電極のエリアを露出するトレンチ構造は、エレクトロクロミック素子の側部に隣接するエリアにおいて形成され得て、トレンチ構造は、接触領域およびパッド領域を含み得て、接触領域は、トレンチ構造に含まれる第1電極の露出エリアであり得て、パッド領域は、第2電極の露出エリアであり得る。
ここで、第1導体は、パッド領域に接触し得て、第2導体は接触領域に接触する。
ここで、トレンチ構造は、陥没領域と、隣接する陥没領域との間に配置される突出領域を含み得て、陥没領域は、パッド領域が第1電極の方向に露出されるように、第1電極および中間層が除去され得るエリアであり得る。
ここで、ベースは陥没領域上に挿入され得て、挿入されたベースはパッド部分に接触し得る。ここで、駆動基板は、ベースの上面に接触して配置され得る。
ここで、駆動基板は、駆動電力を出力するための接続部材を含み得て、接続部材は、ベースの上面に接触し得る。
ここで、接続部材は、第1駆動電力を出力するための第1接続部材と、第2駆動電力を出力するための第2接続部材とを含み得て、第1接続部材は、第1駆動電力を第1導体へ伝達し得て、第2接続部材は、第2駆動電力を第2導体へ伝達し得る。
ここで、第1駆動電力は、第1導体を通じてパッド領域へ伝達され得て、第2駆動電力は、第2導体を通じて接触領域へ伝達され得る。
ここで、実効電圧は、第1駆動電力および第2駆動電力に基づいて、エレクトロクロミック素子において形成され得て、エレクトロクロミック素子は、実効電圧によって変色され得る。
ここで、ベースは、複数の第1導体、および、複数の第2導体を含み得て、第1導体の少なくとも1つは、第1接続部材に接触し得て、第2導体の少なくとも1つは第2接続部材に接触し得る。
ここで、駆動電力を伝達するための導電路は、ベースに形成され得て、導電路は第1導電路および第2導電路を含み、第1導電路は、第1導体の少なくとも1つによって形成され得て、第2導電路は、第2導体の少なくとも1つによって形成され得る。
ここで、第1駆動電力は、第1導電路を通じてパッド領域へ伝達され、第2駆動電力は、第2導電路を通じて接触領域へ伝達される。
ここで、ベースは、絶縁特性を有し得て、第1導電路と第2導電路との間のエリアはベースによって絶縁され得る。
ここで、第1導電路と第2導電路の間に、互いに接触しない少なくとも2つの導体が存在し得る。
ここで、バッファ領域は、接触領域とパッド領域との間のエレクトロクロミック素子のエリアに形成され得て、バッファ領域は、駆動電力が伝達されないエリアであり得る。
ここで、導体は更に、バッファエリアに接触する第3導体を含み得て、第3導体は電気的に隔離され得る。
ここで、バッファ領域に対応するベースのエリアは、電気的に隔離され得て、第3導体は、バッファ領域に対応するベースのエリアに含まれ得る。
ここで、バッファ領域に対応するエリアに形成される接続部材は、電気的に隔離され得る。
ここで、駆動ユニットは、バッファエリアに対応する位置の接続部材へ駆動電力を伝達しないことがあり得る。
ここで、トレンチ構造は、パッド領域および接触領域を接続する接続面を含み得て、接続面は、第1電極および第2電極との角度を有し得る。ここで、接続面は上向きに露出し得る。
ここで、駆動基板と、ベースに含まれる導体とを電気的に接続する分配部材を更に含むエレクトロクロミック装置が提供され得る。
ここで、分配部材は、第1分配部材および第2分配部材を含み得て、第1分配部材は、第1駆動電力を第1導体へ伝達するために第1接続部材に接続され得て、第2分配部材は、第2駆動電力を第2導体へ伝達するために第2接続部材に接続され得る。
本出願の他の態様によれば、電気接続部材が提供され得て、当該電気接続部材は、第1領域、第2領域および第3領域を含む導体に配置される異方性導体と、ベースと、ベースに含まれる導体とを含み、第3領域は、第1領域と第2領域との間に位置し、導体は、第1領域だけに接触する第1導体、第2領域だけに接触する第2導体、および、第3領域だけに接触する第3導体とを含み、第1駆動電力が第1導体に印加され、かつ、第2駆動電力が第2導体に印加される場合、第1領域は、第1駆動電力に基づく第1電位を有し、第2領域は、第2駆動電力源に基づく第2電位を有し、第3領域は電気的に隔離される。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック装置が提供され得て、当該エレクトロクロミック装置は、第1陥没部分を含む第1電極と、第1電極と向かい合う第2電極と、第2陥没部分を含む第2電極と第1電極との間に位置するエレクトロクロミック層であって、光学特性が少なくとも1つのイオンの移動によって変更されるエレクトロクロミック層と、第3陥没部分を含むエレクトロクロミック層と第1電極との間に位置するイオン貯蔵層であって、光学特性が少なくとも1つのイオンの移動によって変更される、イオン貯蔵層と、第4陥没部分を含むイオン貯蔵層とエレクトロクロミック層との間に位置する電解質層とを含み、第2電極は、第1陥没部分、第2陥没部分、第3陥没部分、および、第4陥没部分によって上向きに露出される突出面を含み、突出面は第1電極との角度を有し、突出面は、導体に接触する。
本出願の他の態様によれば、印加電力によって変更される光学的状態を有するエレクトロクロミック素子が提供され得て、当該エレクトロクロミック素子は、第1電極と、第1電極と向かい合うように配置される第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層と、エレクトロクロミック層の底面および第2電極の上面に接触して配置されるイオン伝達貯蔵層とを含み、第1電位差が第1電極と第2電極との間に形成される場合、エレクトロクロミック層が少なくとも1つの電子を第1電極から、少なくとも1つのイオンをイオン伝達貯蔵層から受け取ることにより、エレクトロクロミック素子は、第1光学状態を有し、第2電位差が第1電極と第2電極との間に形成される場合、イオン伝達貯蔵層が少なくとも1つの電子を第2電極から、少なくとも1つのイオンをエレクトロクロミック層から受け取ることにより、エレクトロクロミック素子は第2光学状態を有し、イオン伝達貯蔵層の物理的構造は連続し、イオン伝達貯蔵層の物理的構造およびエレクトロクロミック層の物理的構造は、境界に関連して不連続である。
ここで、イオン伝達貯蔵層は、第1の想像上の線によって第1イオン領域および第2イオン領域に分割され得て、第1イオン領域はエレクトロクロミック層に隣接し得て、第1の想像上の線は、イオン伝達貯蔵層において設定され得て、第1イオン領域および第2イオン領域は、第1の想像上の線に関連して連続し得る。
ここで、エレクトロクロミック層の物理的構造および第1イオン領域の物理的構造は、境界によって視覚的に区別され得る。
ここで、第1電極の方向、または、第2電極の方向に延在する形状を有するカラムを更に含むエレクトロクロミック素子が提供され得て、カラムは、エレクトロクロミック層において形成される変色カラム、および、イオン伝達貯蔵層において形成されるイオンカラムを含む。ここで、変色カラムおよびイオンカラムは境界に接触し得る。
ここで、変色カラムは、変色左側および変色右側を含み得て、変色右側は、第1電極の底面に平行な方向に、変色左側から離れて位置し得て、イオンカラムは、イオン左側およびイオン右側を含み得て、イオン右側は、第2電極の上面に平行な方向に、イオン左側から離れて位置する。
ここで、イオン左側は、境界との第1角度を有し得て、イオン右側は、境界との第2角度を有し得て、第1角度および第2角度は異なり得る。
ここで、イオンカラムは、第1領域および第2領域を含み得て、イオン左側とイオン右側との間の距離は、第1領域における第1の長さであり得て、イオン左側とイオン右側との間の距離は、第2領域における第2の長さであり得て、第1の長さおよび第2の長さは異なる。
ここで、エレクトロクロミック層における第1電極の底面に平行な方向に延在する第1の想像上の線が存在し得て、イオン伝達貯蔵層における第2電極の上面に平行な方向に延在する第2の想像上の線が存在し得て、変色カラムは、第1の想像上の線に関連して連続し得て、イオンカラムは、第2の想像上の線に関連して連続し得る。
ここで、変色左側および変色右側は、第1の想像上の線に関連して連続し得て、イオン左側およびイオン右側は、第2の想像上の線に関連して連続し得る。
ここで、変色左側およびイオン右側は、互いに接触し得て、変色カラムおよびイオンカラムは、境界によって視覚的に区別され得る。
ここで、イオン伝達貯蔵層は、エレクトロクロミック層に接触する上部領域と、第2電極に接触する下部領域とを含み得て、エレクトロクロミック層のイオンおよびイオン伝達貯蔵層のイオンは、上部領域を通じて移動し得て、上部領域は、エレクトロクロミック層とイオン伝達貯蔵層との間で、電子の移動をブロックし得る。
ここで、第1電位差が第1電極と第2電極との間に形成される場合、上部領域は第1光学状態を有し得て、第2電位差が第1電極と第2電極との間に形成される場合、上部領域は第1光学状態を有し得る。
本出願の他の態様によれば、エレクトロクロミック素子が提供され得て、当該エレクトロクロミック素子は、第1電極と、第1電極と向かい合うように配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置されたエレクトロクロミック層と、エレクトロクロミック層の底面および第2電極の上面に接触するように配置されるイオン伝達貯蔵層とを含み、第1の想像上の線が、第1電極の底面に平行に延在するエレクトロクロミック層において設定され、第2の想像上の線が、第2電極の上面に平行に延在するイオン伝達貯蔵層において設定され、エレクトロクロミック層の領域は、第1の想像上の線によって、第1変色領域と、イオン伝達貯蔵層に接触する第2変色領域とに分割され、イオン伝達貯蔵層の領域は、第2の想像上の線によって、第1イオン領域と、エレクトロクロミック層に接触する第2イオン領域とに分割され、第1変色領域の物理的構造および第2変色領域の物理的構造は、第1の想像上の線に関連して連続し、第1イオン領域の物理的構造および第2イオン領域の物理的構造は、第2の想像上の線に関連して連続し、エレクトロクロミック層の第2変色領域の物理的構造、および、イオン伝達貯蔵層の第2イオン領域の物理的構造は、互いに接触し、エレクトロクロミック層の第2変色領域の物理的構造、および、イオン伝達貯蔵層の第2イオン領域の物理的構造は、境界に関連して不連続である。
実施形態に係るエレクトロクロミック装置は、反射層と、反射層上に位置する第1エレクトロクロミック層と、第1エレクトロクロミック層上に位置するイオン伝達層と、イオン伝達層上に位置する第2エレクトロクロミック層と、第2エレクトロクロミック層上に位置する透明電極層と、電圧を反射層および透明電極層に印加するための駆動回路とを含み、第1エレクトロクロミック層と駆動回路との間の距離は、第2エレクトロクロミック層と駆動回路との間の距離より短く、第1エレクトロクロミック層がイオンの移動によって着色されるとき、第2エレクトロクロミック層も着色される。
第1エレクトロクロミック層がイリジウムの原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層はタングステンの原子を含み得て、エレクトロクロミック装置は更に、反射層を通じて形成されるコンタクトホールと、第1エレクトロクロミック層と、イオン伝達層と、第2エレクトロクロミック層とを含み、コンタクトホールによる第1エレクトロクロミック層の除去領域は、コンタクトホールによる第2エレクトロクロミック層の除去領域より大きいことがあり得て、エレクトロクロミック装置は更に、反射層によって切断することによって形成される切断領域と、第1エレクトロクロミック層と、イオン伝達層と、第2エレクトロクロミック層と、透明電極と、基板とを含み、第1エレクトロクロミック層の切断領域は、第2エレクトロクロミック層の切断領域より大きいことがあり得る。
第1エレクトロクロミック層はタングステンの原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層は、イリジウムの原子を含み得る。
実施形態に係るエレクトロクロミック装置は、湾曲を有する基板と、基板上に位置する第1透明電極と、第1透明電極上に位置する第1エレクトロクロミック層と、第1エレクトロクロミック層上に位置するイオン伝達層と、イオン伝達層上に位置する第2エレクトロクロミック層と、第2エレクトロクロミック層上に位置する第2透明電極とを含み、第1エレクトロクロミック層は、湾曲の第1半径を有し、第2エレクトロクロミックは、湾曲の第2半径を有し、湾曲の第1半径および湾曲の第2半径は互いに異なる。湾曲の第1半径は、湾曲の第2半径より大きいことがあり得る。
第1エレクトロクロミック層はタングステンの原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層はイリジウムの原子を含み得る。
第1エレクトロクロミック層はイリジウムの原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層はタングステンの原子を含み得て、エレクトロクロミック装置は更に、第2透明電極、第2エレクトロクロミック層、イオン伝達層、および、第1エレクトロクロミック層を通じて形成されるコンタクトホールを含み、コンタクトホールによる第1エレクトロクロミック層の除去領域は、コンタクトホールによる第2エレクトロクロミック層の除去領域より小さいことがあり得て、エレクトロクロミック装置は更に、第1透明電極、第1エレクトロクロミック層、イオン伝達層、第2エレクトロクロミック層および第2透明電極を切断することによって形成される切断領域を含み、第1エレクトロクロミック層の切断領域は、エレクトロクロミック層の切断領域より小さいことがあり得る。
実施形態に係るエレクトロクロミック装置は、基板と、基板上に位置する第1透明電極と、第1透明電極上に位置する第1エレクトロクロミック層と、第1エレクトロクロミック層上に配置されるイオン伝達層と、イオン伝達層上に位置する第2エレクトロクロミック層と、第2エレクトロクロミック層上に位置する第2透明電極と、屋外空気に接触するガラス基板と、ガラス基板と第2透明電極との間に位置する流体とを含み、第2エレクトロクロミック層は、第1エレクトロクロミック層と対照的に、流体に隣接する。
第1エレクトロクロミック層は、タングステンの原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層は、イリジウムの原子を含み得る。
第1エレクトロクロミック層は、イリジウムの原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層は、タングステンの原子を含み得る。
本明細書において、構成の「光学的状態」は、光に関連する構成の特性を包含することを意味するものとして定義され得る。光学的状態は、屈折率、透過率(透過性)、色効率、光学密度、色指数、変色/消色状態、および同様のものを含み得る。
本明細書において、「光学的状態の変化」とは、上述の光学状態の変化を指し得る。しかしながら、特に言及されない限り、以降では、光学的状態の変化は、変色/消色状態の変化を指す。
本明細書において、「区別」は、視覚的区別を指し得る。一構成および他構成が区別される場合、当該一構成および当該他構成は、視覚的に区別され得る。換言すると、当該一構成および当該他構成が区別される場合、当該一構成および当該他構成は、異なる構成として見られ得る。
以降、図面を参照して、実施形態に係るエレクトロクロミック装置を説明する。
[第1実施形態のグループ]
[1.エレクトロクロミック装置]
図1は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置を示す図である。
図1を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック装置10001は、制御モジュール10100およびエレクトロクロミック素子10200を含む。エレクトロクロミック装置10001は、外部電源10002から電力を受け取り得る。
外部電源10002は、電力をエレクトロクロミック装置10001に供給し得る。外部電源10002は、電力を制御モジュール10100に供給し得る。外部電源10002は、電圧および/または電流を制御モジュール10100に供給し得る。外部電源10002は、DC電圧またはAC電圧を制御モジュール10100に供給し得る。
制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200を制御し得る。制御モジュール10100は、外部電源10002から受け取った電力に基づいて、駆動電力を生成し得て、生成された駆動電力をエレクトロクロミック素子10200に供給し得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200を駆動し得る。制御モジュール10100は、駆動電力によってエレクトロクロミック素子10200の状態を変更し得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の透過率を変更し得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の反射率を変更し得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200を変色させ得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200を消色または着色し得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200を消色または着色するよう制御し得る。
エレクトロクロミック素子10200の状態は、制御モジュール10100によって変更され得る。エレクトロクロミック素子10200の状態は、駆動電圧によって変更され得る。エレクトロクロミック素子10200は駆動電圧によって変色され得る。エレクトロクロミック素子10200は、駆動電圧によって消色または着色され得る。エレクトロクロミック素子10200の透過率は、駆動電圧によって変更され得る。エレクトロクロミック素子10200の反射率は駆動電圧によって変更され得る。
エレクトロクロミック素子10200は鏡であり得る。エレクトロクロミック素子10200は窓であり得る。エレクトロクロミック素子10200が鏡である場合、その反射率は駆動電圧によって変更され得る。エレクトロクロミック素子10200が窓である場合、その透過率は駆動電圧によって変更され得る。
エレクトロクロミック素子10200が鏡である場合、エレクトロクロミック素子が着色されるとき、その反射率は減少し得て、エレクトロクロミック素子が消色されるとき、その反射率は増加し得る。
エレクトロクロミック素子10200が窓である場合、エレクトロクロミック素子が着色されるとき、その透過率は減少し得て、エレクトロクロミック素子が消色されるとき、その透過率は増加し得る。
図2は、本願の実施形態に係る制御モジュールを示す図である。
図2を参照すると、実施形態に係る制御モジュール10100は、制御ユニット10110、電力変換ユニット10120、出力ユニット10130および記憶ユニット10140を含み得る。
制御ユニット10110は、電力変換ユニット10120、出力ユニット10130、および、記憶ユニット10140を制御し得る。
制御ユニット10110は、エレクトロクロミック素子10200の状態を変更する制御信号を生成し、生成された制御信号を出力ユニット10130へ出力し、出力ユニット10130によって電圧出力を制御し得る。
制御ユニット10110は、外部電源10002または電力変換ユニット10120からの電圧出力で動作し得る。
制御ユニット10110が外部電源10002からの電圧出力で動作する場合、制御ユニット10110は、電力を変換可能な構成を含み得る。例えば、制御ユニット10110が外部電源10002からAC電圧を受け取る場合、制御ユニット10110は、AC電圧をDC電圧に変換し、動作においてDC電圧を使用し得る。制御ユニット10110が外部電源10002からDC電圧を受け取る場合、制御ユニット10110は、外部電源10002から受け取ったDC電圧を低下させて、動作において低下したDC電圧を使用し得る。
電力変換ユニット10120は、外部電源10002から電力を受け取り得る。電力変換ユニット10120は、電流および/または電圧を受け取り得る。電力変換ユニット10120は、DC電圧またはAC電圧を受け取り得る。
電力変換ユニット10120は、外部電源10002から受け取った電力に基づいて内部電力を生成し得る。電力変換ユニット10120は、外部電源10002から受け取った電力を変換することによって、内部電力を生成し得る。電力変換ユニット10120は、制御モジュール10100の構成の各々に内部電力を供給し得る。電力変換ユニット10120は、内部電力を制御ユニット10110、出力ユニット10130、および、記憶ユニット10140に供給し得る。内部電力は、制御モジュール10100の構成の各々を動作させるための動作電力であり得る。制御ユニット10110、出力ユニット10130および記憶ユニット10140は内部電力で動作し得る。電力変換ユニット10120が内部電力を制御ユニット10110に供給する場合、制御ユニット10110は、外部電源10002から電力を受け取らないことがあり得る。この場合、電力を変換可能な構成が制御ユニット10110から省略され得る。
電力変換ユニット10120は、外部電源10002から受け取った電力のレベルを変更し得る、または、受け取った電力をDC電力に変更し得る。代替的に、電力変換ユニット10120は、外部電源10002から受け取った電力をDC電力に変更し得て、次に、受け取った電力のレベルを変更し得る。
電力変換ユニット10120がAC電圧を外部電源10002から受け取る場合、電力変換ユニット10120は、受け取ったAC電圧をDC電圧に変更し、次に、DC電圧のレベルを変更し得る。この場合、電力変換ユニット10120は、レギュレータを含み得る。電力変換ユニット10120は、受け取った電力を直接調整するよう構成されるリニアレギュレータを含み得る、または、受け取った電力に基づいてパルスを生成し、調整された電圧を出力するためにパルスの量を調節するよう構成されるスイッチングレギュレータを含み得る。
電力変換ユニット10120が外部電源10002からDC電圧を受け取る場合、電力変換ユニット10120は、受け取ったDC電圧のレベルを変更し得る。
電力変換ユニット10120からの内部電力出力は、複数の電圧レベルを含み得る。電力変換ユニット10120は、制御モジュール10100の構成の各々が動作するために必要な複数の電圧レベルを有する内部電力を生成し得る。
出力ユニット10130は、駆動電圧を生成し得る。出力ユニット10130は、内部電力に基づいて駆動電圧を生成し得る。出力ユニット10130は、制御ユニット10110の制御により、駆動電圧を生成し得る。出力ユニット10130は、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。出力ユニット10130は、制御ユニット10110の制御により、異なるレベルを有する駆動電圧を出力し得る。すなわち、出力ユニット10130は、制御ユニット10110の制御により駆動電圧のレベルを変更し得る。エレクトロクロミック素子10200は、出力ユニット10130からの駆動電圧出力によって変色され得る。エレクトロクロミック素子10200は、出力ユニット10130からの駆動電圧出力によって着色または変色され得る。
エレクトロクロミック素子10200の着色および消色は、駆動電圧の範囲によって決定され得る。例えば、駆動電圧が特定のレベル以上である場合、エレクトロクロミック素子10200は着色され得て、駆動電圧が特定のレベル未満のレベルにある場合、エレクトロクロミック素子10200は消色され得る。代替的に、駆動電圧が特定のレベル以上である場合、エレクトロクロミック素子10200は消色され得て、駆動電圧が特定のレベル未満のレベルにある場合、エレクトロクロミック素子10200は着色され得る。特定のレベルが0である場合、エレクトロクロミック素子10200は、駆動電圧の極性に起因して、着色または消色状態に変更され得る。
エレクトロクロミック素子10200の変色の程度は、駆動電圧の大きさによって決定され得る。エレクトロクロミック素子10200の変色の程度は、駆動電圧の大きさに対応し得る。エレクトロクロミック素子10200の着色または消色の程度は、駆動電圧の大きさによって決定され得る。例えば、第1レベルの駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される場合、エレクトロクロミック素子10200は第1の程度に着色され得る。第1レベルより高い第2レベルの駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される場合、エレクトロクロミック素子10200は、第1程度より高い第2の程度に着色され得る。すなわち、高いレベルの電圧がエレクトロクロミック素子10200に供給される場合、エレクトロクロミック素子10200の着色の程度が、より高くなり得る。エレクトロクロミック素子10200が鏡であり、より高い電圧がエレクトロクロミック素子10200に供給される場合、エレクトロクロミック素子10200の反射率は減少し得る。エレクトロクロミック素子10200が窓であり、より高い電圧がエレクトロクロミック素子10200に供給される場合、エレクトロクロミック素子10200の透過率は減少し得る。
記憶ユニット10140は、駆動電圧に関連するデータを記憶し得る。記憶ユニット10140は、変色の程度に対応する駆動電圧を記憶し得る。記憶ユニット10140は、ルックアップテーブルの形式で変色の程度に対応する駆動電圧を記憶し得る。
制御ユニット10110は、外部から変色の程度を受け取り、記憶ユニット10140から受け取った変色の程度に対応する駆動電圧をロードし、受け取った変色の程度に対応する駆動電圧を生成するように出力ユニット10130を制御し得る。
図3は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子を示す図である。
図3を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック素子10200は、第1電極10210、エレクトロクロミック層10220、電解質層10230、イオン貯蔵層10240および第2電極10250を含み得る。
第1電極10210および第2電極10250は、互いに向かい合うように位置し得る。エレクトロクロミック層10220、電解質層10230、および、イオン貯蔵層10240は、第1電極10210と第2電極10250との間に位置し得る。
第1電極10210および第2電極10250は入射光を透過し得る。第1電極10210および第2電極10250のいずれか1つは、入射光を反射し得て、他方は入射光を透過し得る。
エレクトロクロミック素子10200が窓である場合、第1電極10210および第2電極10250は入射光を透過し得る。エレクトロクロミック素子10200が鏡である場合、第1電極10210および第2電極10250のいずれか1つは入射光を反射し得る。
エレクトロクロミック素子10200が窓である場合、第1電極10210および第2電極10250は透明電極で形成され得る。第1電極10210および第2電極10250は透明導電性材料で形成され得る。第1電極10210および第2電極10250は、インジウム、スズ、亜鉛および/または酸化物のうち少なくとも1つでドープされた金属を含み得る。例えば、第1電極10210および第2電極10250は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)または酸化インジウム亜鉛(IZO)で形成され得る。
エレクトロクロミック素子10200が鏡である場合、第1電極10210および第2電極10250のいずれか1つは、透明電極であり得て、他方は反射電極であり得る。例えば、第1電極10210は反射電極であり得て、第2電極10250は透明電極であり得る。この場合、第1電極10210は、高反射率の金属材料で形成され得る。第1電極10210は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)のうち少なくとも1つを含み得る。第2電極10250は透明導電性材料で形成され得る。
エレクトロクロミック層10220は、第1電極10210と第2電極10250との間に位置し得る。エレクトロクロミック層10220は、第1電極10210の上面に位置し得る。
エレクトロクロミック層10220の光学特性は、エレクトロクロミック層10220におけるイオンマイグレーションに起因して変更され得る。エレクトロクロミック層10220は、エレクトロクロミック層10220におけるイオンマイグレーションに起因して変色され得る。
イオンがエレクトロクロミック層10220に注入され得る。イオンがエレクトロクロミック層10220に注入される場合、エレクトロクロミック層10220の光学特性が変更され得る。イオンがエレクトロクロミック層10220に注入される場合、エレクトロクロミック層10220は変色され得る。イオンがエレクトロクロミック層10220に注入される場合、エレクトロクロミック層10220は着色または消色され得る。イオンがエレクトロクロミック層10220に注入される場合、エレクトロクロミック層10220の光透過率および/または光吸収性は変更され得る。エレクトロクロミック層10220は、エレクトロクロミック層10220に注入されるイオンによって還元され得る。エレクトロクロミック層10220は、エレクトロクロミック層10220に注入されるイオンによって還元および変色され得る。エレクトロクロミック層10220は、エレクトロクロミック層10220に注入されるイオンによって還元および着色され得る。代替的に、イオンがエレクトロクロミック層10220に注入される場合、エレクトロクロミック層10220は、還元および消色され得る。
エレクトロクロミック層10220に注入されるイオンは解放され得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放される場合、エレクトロクロミック層10220の光学特性が変更され得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放される場合、エレクトロクロミック層10220は変色され得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放される場合、エレクトロクロミック層10220は着色または消色され得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放される場合、エレクトロクロミック層10220の光透過率および/または光吸収性は変更され得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放されることによって、エレクトロクロミック層10220は酸化され得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放されることによって、エレクトロクロミック層10220は酸化および変色され得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放されることによって、エレクトロクロミック層10220は酸化および着色され得る。代替的に、エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放される場合、エレクトロクロミック層10220は、酸化および消色され得る。
エレクトロクロミック層10220は、イオンマイグレーションに起因して変色する材料で形成され得る。エレクトロクロミック層10220は、TiO、V
2
O
5
、Nb
2
O
5
、Cr
2
O
3
、FeO
2
、CoO
2
、NiO
2
、RhO
2
、Ta
2
O
5
、IrO
2
、WO
3 のうち少なくとも1つの酸化物を含み得る。エレクトロクロミック層10220は物理的内部構造を有し得る。
電解質層10230は、エレクトロクロミック層10220上に位置し得る。電解質層10230は、エレクトロクロミック層10220と第2電極10250との間に位置し得る。
イオン貯蔵層10240は、電解質層10230上に位置し得る。イオン貯蔵層10240は電解質層10230と第2電極10250との間に位置し得る。
イオン貯蔵層10240はイオンを貯蔵し得る。イオン貯蔵層10240の光学特性は、イオンマイグレーションに起因して変更され得る。イオン貯蔵層10240は、イオンマイグレーションに起因して変色され得る。
イオンがイオン貯蔵層10240に注入され得る。イオンがイオン貯蔵層10240に注入される場合、イオン貯蔵層10240の光学特性は変更され得る。イオンがイオン貯蔵層10240に注入される場合、イオン貯蔵層10240は変色され得る。イオンがイオン貯蔵層10240に注入される場合、イオン貯蔵層10240は着色または消色され得る。イオンがイオン貯蔵層10240に注入される場合、イオン貯蔵層10240の光透過率および/または光吸収性が変更され得る。イオン貯蔵層10240は、イオンがイオン貯蔵層10240に注入されることによって還元され得る。イオン貯蔵層10240は、イオンがイオン貯蔵層10240に注入されることによって還元および変色され得る。イオン貯蔵層10240は、イオンがイオン貯蔵層10240に注入されることによって還元および着色され得る、代替的に、イオン貯蔵層10240は、イオンがイオン貯蔵層10240に注入される場合に還元および消色され得る。
イオン貯蔵層10240に注入されるイオンは解放され得る。イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放される場合、イオン貯蔵層10240の光学特性が変更され得る。イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放される場合、イオン貯蔵層10240が変色され得る。イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放される場合、イオン貯蔵層10240は着色または消色され得る。イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放される場合、イオン貯蔵層10240の光透過率および/または光吸収性が変更され得る。イオン貯蔵層10240は、イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放されることによって酸化され得る。イオン貯蔵層10240は、イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放されることによって酸化および変色され得る。イオン貯蔵層10240は、イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放されることによって酸化および着色され得る。代替的に、イオン貯蔵層10240は、イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放される場合に酸化および消色され得る。
イオン貯蔵層10240は、イオンマイグレーションに起因して変色される材料で形成され得る。イオン貯蔵層10240は、IrO
2
、NiO
2
、MnO
2
、CoO
2 、イリジウム‐マグネシウム酸化物、ニッケル‐マグネシウム酸化物、チタン‐バナジウム酸化物のうち少なくとも1つの酸化物を含み得る。イオン貯蔵層10240は物理的内部構造を有し得る。イオン貯蔵層10240の物理的内部構造は、エレクトロクロミック層10220の物理的内部構造と異なり得る。
電解質層10230は、エレクトロクロミック層10220とイオン貯蔵層10240との間のイオンマイグレーション経路であり得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は、電解質層10230を介してイオンを交換し得る。エレクトロクロミック層10220は、イオンのマイグレーション経路として機能し得るが、電子の障壁として機能し得る。すなわち、イオンは、エレクトロクロミック層10220を通じて移動し得るが、電子はそれを通って移動できない。換言すると、エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は、電解質層10230を通じてイオンを交換し得るが、電解質層10230を通じて電子を交換できない。
電解質層10230は絶縁材料を含み得る。電解質層10230は固体であり得る。電解質層10230は、SiO
2
、Al
2
O
3
、Nb
2
O
3
、Ta
2
O
5
、LiTaO
3
、LiNbO
3
、La
2
TiO
7
、La
2
TiO
7
、SrZrO
3
、ZrO
2
、Y
2
O
3
、Nb
2
O
5
、La
2
Ti
2
O
7
、LaTiO
3
、HfO
2 のうち少なくとも1つを含み得る。
エレクトロクロミック層10220におけるイオンが解放されるとき、解放されたイオンは、イオン貯蔵層10240に注入され得て、イオン貯蔵層10240におけるイオンが解放されるとき、解放されたイオンは、エレクトロクロミック層10220に注入され得る。イオンは電解質層10230を通じて移動し得る。
エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240において生じる化学反応は、異なる反応であり得る。互いに反対の化学反応がエレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240において生じ得る。エレクトロクロミック層10220が酸化される場合、イオン貯蔵層10240は還元され得る。エレクトロクロミック層10220が還元されるとき、イオン貯蔵層10240は酸化され得る。
従って、イオン貯蔵層10240は、エレクトロクロミック層10220の対電極として機能し得る。
エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240の状態は、イオンマイグレーションに起因して変更され得る。
互いに対応する状態変化がエレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240において生じ得る。例えば、エレクトロクロミック層10220が着色されるとき、イオン貯蔵層10240も着色され得て、エレクトロクロミック層10220が消色されるとき、イオン貯蔵層10240も消色され得る。エレクトロクロミック層10220が酸化および着色されるとき、イオン貯蔵層10240は還元および着色され得て、エレクトロクロミック層10220が還元および着色されるとき、イオン貯蔵層10240は酸化および着色され得る。
互いに異なる状態変化がエレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240において生じ得る。例えば、エレクトロクロミック層10220が着色され得て、イオン貯蔵層10240が消色されるとき、および、エレクトロクロミック層10220が消色されるとき、イオン貯蔵層10240が着色され得る。エレクトロクロミック層10220が酸化および着色されるとき、イオン貯蔵層10240は還元および消色され得て、エレクトロクロミック層10220が酸化および消色されるとき、イオン貯蔵層10240は還元および着色され得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は互いに異なる透過率を有し得る。互いに異なる透過率を有するエレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240によって、透過率は、エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240の異なる状態変化によっても調節され得る。
例えば、エレクトロクロミック素子10200の透過率が着色層の透過率によって決定され得るので、エレクトロクロミック層10220が着色されるときの透過率が、イオン貯蔵層10240が着色されるときの透過率より低い場合、エレクトロクロミック層10220が着色されるとき、エレクトロクロミック素子10200の透過率は、イオン貯蔵層10240が着色されるときのエレクトロクロミック素子10200の透過率より低いことがあり得る。その結果、エレクトロクロミック素子10200の透過率は、着色層を変更することによって制御され得る。
図4から図6は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置の着色中の状態変化を示す図である。図4は、初期状態におけるエレクトロクロミック装置を示す図である。
図4を参照すると、実施形態に係る、初期状態におけるエレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に電気的に接続される。
制御モジュール10100は、第1電極10210および第2電極10250に電気的に接続され得て、第1電極10210および第2電極10250に電圧を供給し得る。
複数のイオン10260は、イオン貯蔵層10240に位置し得る。複数のイオン10260は、イオン貯蔵層10240の形成プロセスにおいてイオン貯蔵層10240に注入され得る。イオン10260は、H+およびLi+のうち少なくとも1つであり得る。
複数のイオン10260は、イオン貯蔵層10240に位置するものとして図面に示されているが、イオンは、初期状態におけるエレクトロクロミック層10220および電解質層10230のうち少なくとも1つにも位置し得る。すなわち、イオンはまた、エレクトロクロミック層10220および電解質層10230の形成プロセスにおいて、エレクトロクロミック層10220および電解質層10230に注入され得る。
イオン貯蔵層10240に位置する複数のイオン10260に起因して、イオン貯蔵層10240は還元および消色状態にあり得る。イオン貯蔵層10240は、光を透過可能な状態にあり得る。
図5を参照すると、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に電圧を印加する。
制御モジュール10100は、第1電極10210および第2電極10250に電圧を印加し得る。制御モジュール10100は、低電圧を第1電極10210に印加し得て、高電圧を第2電極10250に印加し得る。ここで、高電圧および低電圧は相対概念であり、第2電極10250に印加される電圧は、第1電極10210に印加される電圧より相対的に高いレベルの電圧であり得る。電位差は、第1電極10210および第2電極10250に印加される電圧に起因して第1電極10210と第2電極10250との間に生成される。
第1電極10210および第2電極10250に電圧が印加されることによって、電子は第1電極10210に注入され得る。電子は、制御モジュール10100から第1電極10210に向かって移動し得る。制御モジュール10100および第1電極10210は、第1電極10210の一側における接触領域で互いに接続されるので、制御モジュール10100を通じて接触領域へ移動する電子は、第1電極10210に沿って、第1電極10210の他側へ移動し得る、電子は、第1電極10210の一側から他側への電子マイグレーションによって、第1電極10210の全領域に配置される。
電子はイオン貯蔵層10240における複数のイオン10260と異なる極性を有するので、電子およびイオン10260は、電子および複数のイオンの間のクーロン力に起因して互いに近づく方向に移動し得る。電子およびイオン10260は、電子とイオンとの間のクーロン力に起因してエレクトロクロミック層10220へ移動し得る。電子は、イオンとのクーロン力に起因して第2電極10250に向かって移動し、エレクトロクロミック層10220に注入され得る。イオン10260は、電子とのクーロン力に起因して第1電極10210に向かって移動し、エレクトロクロミック層10220に注入され得る。ここで、電解質層10230は、イオン10260のマイグレーション経路として機能し、電子のマイグレーションをブロックするので、電子およびイオン10260はエレクトロクロミック層10220に留まり得る。
イオン10260がエレクトロクロミック層10220に注入されることによって、イオンを獲得したエレクトロクロミック層10220は、還元および着色され得て、イオンを失ったイオン貯蔵層10240は酸化および着色され得る。すなわち、エレクトロクロミック素子10200は、イオンのマイグレーション10260に起因して変色され得る。より具体的には、エレクトロクロミック素子10200はイオンのマイグレーション10260に起因して着色され得る。
第1電極10210における水平方向の電子のマイグレーション、および、第2電極10250に向かう鉛直方向の電子のマイグレーションは、同時に生じ得る。すなわち、電子は、第1電極10210において水平方向に移動しながら、第2電極10250に向かって移動し、エレクトロクロミック層10220に注入され得る。水平方向および鉛直方向の電子の複雑なマイグレーションに起因して、イオン貯蔵層10240に位置するイオン10260はまた、電子が注入される領域に最初に移動し得る。
すなわち、第1電極10210および制御モジュール10100が電気的に接続される接触領域に隣接する領域におけるイオンは、最初にエレクトロクロミック層10220に移動し得て、第1電極10210および制御モジュール10100が電気的に接続される接触領域から離隔した領域におけるイオンは、その後、エレクトロクロミック層10220へ移動し得る。これにより、接触領域に隣接するエレクトロクロミック素子10200の領域は、最初に変色され得て、接触領域から離隔したエレクトロクロミック素子10200の領域は、その後、変色され得る。例えば、接触領域がエレクトロクロミック素子10200の外部境界領域に位置する場合、エレクトロクロミック素子10200は、外部境界領域から中央領域の順序で変色され得る。すなわち、エレクトロクロミック素子10200は、外部境界領域から中央領域に順次着色され得る。
エレクトロクロミック素子10200の変色の程度は、制御モジュール10100に注入される電子の数に比例し得る。エレクトロクロミック素子10200の変色の程度は、エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240の変色の程度に比例し得る。制御モジュール10100によって注入される電子の数は、制御モジュール10100によって第1電極10210および第2電極10250に印加される電圧の大きさによって決定され得る。制御モジュール10100によって注入される電子の数は、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差によって決定され得る。すなわち、エレクトロクロミック素子10200に印加される電圧のレベルを調整することによって、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の変色の程度を制御し得る。
図6は、エレクトロクロミック素子10200において変色が完了したときのイオンの位置を示す図である。
図6を参照すると、制御モジュール10100によって注入される電子、および、電子に起因して移動するイオン10260のエレクトロクロミック層10220への注入が完了したとき、エレクトロクロミック素子10200の状態は維持される。
すなわち、エレクトロクロミック素子10200の着色状態は維持される。これは、記憶効果と呼ばれ得る。
電圧が制御モジュール10100によってエレクトロクロミック素子10200に印加されないときでも、エレクトロクロミック層10220に存在するイオンはエレクトロクロミック層10220に留まり、これにより、エレクトロクロミック素子10200の着色状態は維持され得る。
図7から図9は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置の消色中の状態変化を示す図である。図7は、初期状態におけるエレクトロクロミック装置を示す図である。
図7を参照すると、実施形態に係る初期状態におけるエレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に電気的に接続される。
エレクトロクロミック素子10200が着色状態にあるので、複数のイオン10260はエレクトロクロミック層10220に位置し得る。
エレクトロクロミック素子10200に位置する複数のイオン10260に起因して、エレクトロクロミック層10220は、酸化および着色状態にあり得て、イオン貯蔵層10240は、還元および着色状態にあり得る。
図8を参照すると、制御モジュール10100は、電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加する。
制御モジュール10100は、第1電極10210および第2電極10250に電圧を印加し得る。制御モジュール10100は、高電圧を第1電極10210に印加し、低電圧を第2電極10250に印加し得る。ここで、高電圧および低電圧は相対概念であり、第1電極10210に印加される電圧は、第2電極10250に印加される電圧より相対的に高いレベルの電圧であり得る。電位差は、第1電極10210および第2電極10250に印加される電圧に起因して、第1電極10210と第2電極10250との間に生成される。消色プロセスにおける電位差は、図4から図6の着色プロセスにおける電位差の反対の方向であり得る。すなわち、第1電極10210に印加される電圧は、着色プロセスにおける第2電極10250に印加される電圧より低いレベルの電圧であり得て、第1電極10210に印加される電圧は、消色プロセスにおける第2電極10250に印加される電圧より高いレベルの電圧であり得る。
第1電極10210および第2電極10250に電圧を印加することにより、電子は第2電極10250に注入され得る。電子は、制御モジュール10100から第2電極10250に向かって移動し得る。制御モジュール10100および第2電極10250は、第2電極10250の一側における接触領域で互いに接続されるので、制御モジュール10100を通じて接触領域へ移動する電子は、第2電極10250に沿って第2電極10250の他側へ移動し得る。電子は、第2電極10250の一側から他側への電子マイグレーションによって第2電極10250の全領域に配置される。
電子は、エレクトロクロミック層10220における複数のイオン10260と異なる極性を有するので、電子およびイオン10260は、電子と複数のイオンとの間のクーロン力に起因して互いに接近する方向に移動し得る。電子およびイオン10260は、電子とイオン10260との間のクーロン力に起因してイオン貯蔵層10240へ移動し得る。電子は、イオン10260とのクーロン力に起因して第1電極10210に向かって移動し、イオン貯蔵層10240に注入され得る。イオン10260は、電子とのクーロン力に起因して第2電極10250に向かって移動し、イオン貯蔵層10240に注入され得る。ここで、電解質層10230は、イオン10260のマイグレーション経路として機能し、電子のマイグレーションをブロックするので、電子およびイオン10260は、イオン貯蔵層10240に留まり得る。
イオン10260がイオン貯蔵層10240に注入されることによって、イオンを獲得したイオン貯蔵層10240は酸化および消色され得て、イオンを失ったエレクトロクロミック層10220は還元および消色され得る。すなわち、エレクトロクロミック素子10200は、イオンのマイグレーション10260に起因して変色され得る。より具体的には、エレクトロクロミック素子10200はイオンのマイグレーション10260に起因して消色され得る。
第2電極10250における水平方向の電子のマイグレーション、および、第1電極10210に向かう鉛直方向の電子のマイグレーションは、同時に生じ得る。すなわち、電子は、第2電極10250において水平方向に移動しながら、第1電極10210に向かって移動し、イオン貯蔵層10240に注入され得る。水平方向および鉛直方向の電子の複雑なマイグレーションに起因して、エレクトロクロミック層10220に位置するイオン10260はまた、電子が注入される領域に最初に移動し得る。
すなわち、第2電極10250および制御モジュール10100が電気的に接続される接触領域に隣接する領域におけるイオンは最初に、イオン貯蔵層10240へ移動し得て、その後、第2電極10250および制御モジュール10100が電気的に接続される接触領域から離隔した領域におけるイオンはイオン貯蔵層10240へ移動し得る。これにより、接触領域に隣接するエレクトロクロミック素子10200の領域は、最初に変色され得て、その後、接触領域から離隔したエレクトロクロミック素子10200の領域は変色され得る。例えば、接触領域がエレクトロクロミック素子10200の外部境界領域に位置する場合、エレクトロクロミック素子10200は、外部境界領域から中央領域の順序で変色され得る。すなわち、エレクトロクロミック素子10200は、外部境界領域から中央領域へ順次着色され得る。
図9は、エレクトロクロミック素子10200において変色が完了されたときのイオンの位置を示す図である。
図9を参照すると、制御モジュール10100によって注入される電子、および、電子に起因して移動するイオン10260のイオン貯蔵層10240への注入が完了したとき、エレクトロクロミック素子10200の状態は維持される。すなわち、エレクトロクロミック素子10200の消色状態は維持され得る。
[1.1 エレクトロクロミック素子への電圧印加]
図10は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置に印加される電圧を示す図である。
図10を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック装置において、制御モジュール10100は、電力をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。
制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に電圧を印加し得る。ここで印加される電圧は、第1電極10210と第2電極10250との間に印加される電位差であり得る。
制御モジュール10100は、印加段階および維持段階においてエレクトロクロミック素子10200に電圧を印加し得る。
印加段階は、エレクトロクロミック素子10200が制御モジュール10100によって変色される段階であり得る。印加段階は、エレクトロクロミック素子10200が制御モジュール10100によって目標変色レベルに変色される段階であり得る。印加段階は、初期変色段階および変色レベル変更段階を含み得る。
初期変色段階は、電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加されない状態にあるエレクトロクロミック素子10200に、エレクトロクロミック素子10200を変色させるための電圧が印加される段階として定義され得る。変色レベル変更段階は、エレクトロクロミック素子10200が特定の変色レベルに変色される状態における異なる変色レベルにエレクトロクロミック素子10200が変色される段階として定義され得る。
維持段階は、エレクトロクロミック素子10200の状態を維持するために、維持電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される段階を指す。制御モジュール10100は、維持段階におけるエレクトロクロミック素子10200の状態を維持するために、パルス形式で維持電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。制御モジュール10100は、維持段階におけるエレクトロクロミック素子10200の状態を維持するために、パルスの形式で維持電圧をエレクトロクロミック素子10200に周期的に印加し得る。
すなわち、維持段階において、電圧をエレクトロクロミック素子10200に連続的に印加する代わりに、制御モジュール10100は、特定の期間中に、エレクトロクロミック素子10200に高いレベルの電圧を印加し、残りの期間中に、エレクトロクロミック素子10200に低いレベルの電圧を印加し得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に高いレベルの電圧を周期的に印加し、残りの期間中にエレクトロクロミック素子10200に低いレベルの電圧を印加し得る。維持段階において、パルスの形式で維持電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に連続的に電圧を印加する方法と比較して、状態維持のための電力消費を低減し得る。
エレクトロクロミック素子10200に関連して、印加段階を除く期間は、維持段階と呼ばれ得て、制御モジュール10100は、維持段階中に予め定められた間隔で、パルス形式の維持電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。制御モジュール10100は、維持段階において、エレクトロクロミック素子10200に維持電圧を印加することによって、目標変色レベルではない異なる変色レベルに時間と共に自然に変色したエレクトロクロミック素子10200を目標変色レベルに戻し、変色されるエレクトロクロミック素子10200を目標変色レベルに維持し得る。
エレクトロクロミック素子10200の自然の変色は、印加段階が終了した後の時間に比例するので、維持段階において印加されるパルス形式の維持電圧の周期は、印加段階が終了するときに応じて制御され得る。例えば、エレクトロクロミック素子10200の印加段階が終了した後の期間が相対的に長い場合、制御モジュール10100は、高いレベルの維持電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間を相対的に長く設定し得て、エレクトロクロミック素子10200の印加段階が終了した後の時間が相対的に短い場合、制御モジュール10100は、高いレベルの維持電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間を相対的に短く設定し得る。
エレクトロクロミック素子10200の自然の変色は、印加段階において変色されるエレクトロクロミック素子の変色レベルに比例し得る。
すなわち、印加段階において相対的に高い程度の変色を有するエレクトロクロミック素子10200は、相対的に高い程度の自然の変色を有し得る。換言すれば、印加段階において高い程度の変色を有するエレクトロクロミック素子10200の場合、印加段階における目標変色レベルと、自然の変色後の変色レベルとの間との差は、相対的に大きいことがあり得る。この場合、制御モジュール10100は、印加段階において、高い程度の変色を有するエレクトロクロミック素子10200について、高いレベルの維持電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間を相対的に長く維持し得る。
印加段階において相対的に低い程度の変色を有するエレクトロクロミック素子10200は、相対的に低い程度の自然の変色を有し得る。換言すれば、印加段階において低い程度の変色を有するエレクトロクロミック素子10200の場合、印加段階における目標変色レベルと、自然の変色後の変色レベルとの間との差は、相対的に小さいことがあり得る。この場合、制御モジュール10100は、印加段階において、低い程度の変色を有するエレクトロクロミック素子10200について、高いレベルの維持電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間を相対的に短く維持し得る。
印加段階において、制御モジュール10100は、上昇期間後に、電圧を予め定められたレベルに維持し得る。印加段階における上昇期間は、維持段階における上昇期間と異なり得る。印加段階における上昇期間は、維持段階における上昇期間より長いことがあり得る。
印加段階において、制御モジュール10100は、上昇期間中の印加電圧の傾斜が第1角度θ1を有するように電圧を印加し、次に、予め定められたレベルに電圧を維持し得る。維持段階において、制御モジュール10100は、上昇期間中の印加電圧の傾斜が第2角度θ2を有するように電圧を印加し、次に、予め定められたレベルに電圧を維持し得る。第1角度θ1は、第2角度θ2と異なり得る。第1角度θ1は、第2角度θ2より小さいことがあり得る。第2角度θ1は直角であり得る。
印加段階において、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の内側部分が電気的に損傷することを防止するべく、エレクトロクロミック素子10200に印加される電圧を相対的に徐々に増加させ得る。すなわち、印加段階において、制御モジュール10100は、上昇期間を相対的に長く設定し、エレクトロクロミック素子10200の内側部分が電気的に損傷することを防止し得る。換言すれば、印加段階において、制御モジュール10100は、第1角度θ1が鋭角となるように電圧を印加し、エレクトロクロミック素子10200の内側部分が損傷することを防止し得る。
第1角度θ1は、予め定められたレベルの印加電圧に基づいて変更され得る。エレクトロクロミック素子10200の内側部分への損傷は、予め定められたレベルの印加電圧の大きさに依存するので、予め定められたレベルの電圧の大きさが大きい場合、第1角度θ1は増加し得て、予め定められたレベルの電圧の大きさが小さい場合、第1角度θ1は減少し得る。
維持段階において、変色に起因してエレクトロクロミック素子10200に内部電圧が存在するので、電圧が急激に増加するときでも、エレクトロクロミック素子10200の内側部分は、電気的に損傷しないことがあり得る。その結果、維持段階において、制御モジュールは、上昇期間を相対的に短くするように設定し、エレクトロクロミック素子10200が目標変色レベルに戻る速度を増加させ得る。
しかしながら、エレクトロクロミック素子10200が変色されていない初期状態にエレクトロクロミック素子10200が戻るとき、自然の変色に起因して、維持段階中でも、第2角度θ2が鋭角である電圧は、エレクトロクロミック素子10200に印加され得る。
[1.2 エレクトロクロミック装置の着色プロセス]
図11は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置に電圧が印加され前のエレクトロクロミック装置における内部電位を示す図である。
図11を参照すると、エレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に接続され得る。エレクトロクロミック素子10200は、第1電極10210、エレクトロクロミック層10220、電解質層10230、イオン貯蔵層10240および第2電極10250を含み得る。
電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される前に、エレクトロクロミック素子10200は、消色状態にあり得る。複数のイオン10260は、エレクトロクロミック素子10200のイオン貯蔵層10240に位置し得る。
エレクトロクロミック素子10200の層の各々は、内部電位を有し得る。内部電位は、グランドに基づく電位であり得る。第2電極10250の内部電位は第1内部電位Vaとして定義され得て、イオン貯蔵層10240の内部電位は第2内部電位Vbとして定義され得て、エレクトロクロミック層10220の内部電位は第3内部電位Vcとして定義され得て、第1電極10210の内部電位は第4内部電位Vdとして定義され得る。
電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加されない場合、電圧は第1電極10210および第2電極10250に印加されないので、第1内部電位Vaおよび第4内部電位Vdは0であり得る。
エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は内部電位を有し得る。イオン貯蔵層10240の第2内部電位Vb、および、エレクトロクロミック層10220の第3内部電位Vcは異なる値を有し得る。
第2内部電位Vbおよび第3内部電位Vcは拡散電位であり得る。第2内部電位Vbおよび第3内部電位Vcは、それぞれの層の材料特性、隣接層の材料との関係、および、それぞれの層に含まれるイオンのうち少なくとも1つに起因して変更され得る。
第2内部電位Vbは、イオン貯蔵層10240を構成する材料のエネルギーレベルによって決定され得る。
代替的に、第2内部電位Vbは、イオン貯蔵層10240と電解質層10230との間のエネルギーレベルの差によって決定され得る。代替的に、第2内部電位Vbは、イオン貯蔵層10240と第2電極10250との間のエネルギーレベルの差によって決定され得る。第2内部電位Vbがイオン貯蔵層10240とイオン貯蔵層10240に隣接する層との間のエネルギーレベルの差によって決定される場合でも、第2内部電位Vbは、図11に示されるように、イオン貯蔵層10240の内部電位として表示され得る。
第2内部電位Vbは、イオン貯蔵層10240に含まれるイオン10260によって決定され得る。第2内部電位Vbは、イオン貯蔵層10240に含まれるイオン10260の数によって決定され得る。
第2内部電位Vbは、上述のイオン貯蔵層10240のエネルギーレベル、イオン貯蔵層10240とイオン貯蔵層10240に隣接する層との間のエネルギーレベルの差、および、イオン貯蔵層10240に含まれるイオン10260のうち少なくとも1つによって決定され得る。代替的に、第2内部電位Vbは、上述のイオン貯蔵層10240のエネルギーレベル、イオン貯蔵層10240とイオン貯蔵層10240に隣接する層との間のエネルギーレベルの差、および、イオン貯蔵層10240に含まれるイオン10260の組み合わせによって決定され得る。
第3内部電位Vcは、エレクトロクロミック層10220を構成する材料のエネルギーレベルによって決定され得る。
代替的に、第3内部電位Vcは、エレクトロクロミック層10220と第1電極10210との間のエネルギーレベルの差によって決定され得る。代替的に、第3内部電位Vcは、エレクトロクロミック層10220と電解質層10230との間のエネルギーレベルの差によって決定され得る。第3内部電位Vcがエレクトロクロミック層10220とエレクトロクロミック層10220に隣接する層との間のエネルギーレベルの差によって決定される場合でも、第3内部電位は、図11に示されるように、エレクトロクロミック層10220の内部電位として表示され得る。
第3内部電位Vcは、エレクトロクロミック層10220に含まれるイオンによって決定され得る。第3電位Vcは、エレクトロクロミック層10220に含まれるイオンの数によって決定され得る。
第3内部電位Vcは、上述のエレクトロクロミック層10220のエネルギーレベル、エレクトロクロミック層10220とエレクトロクロミック層10220に隣接する層との間のエネルギーレベルの差、および、エレクトロクロミック層10220に含まれるイオン10260のうち少なくとも1つによって決定され得る。代替的に、第3内部電位Vcは、上述のエレクトロクロミック層10220のエネルギーレベル、エレクトロクロミック層10220とエレクトロクロミック層10220に隣接する層との間のエネルギーレベルの差、および、エレクトロクロミック層10220に含まれるイオン10260の組み合わせによって決定され得る。
図12は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置における、着色の初期段階における電位の変更を示す図である。
図12を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に電気的に接続され得る。
制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に電圧を供給し得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の第1電極10210および第2電極10250に電圧を供給し得る。制御モジュール10100は、低電圧を第1電極10210に印加し、高電圧を第2電極10250に印加し得る。
高電圧が第2電極10250に印加されるにつれて、印加された高電圧に対応して第2電極10250の内部電位が上昇し得る。第2電極10250の第1内部電位Vaは、制御モジュール10100によって第2電極10250に供給された電圧に対応して上昇し得る。
第2電極10250およびイオン貯蔵層10240は電気的に接続されるので、第2電極10250の内部電位は上昇するにつれて、イオン貯蔵層10240の内部電位も上昇する。第1内部電位Vaの上昇に起因して、第1内部電位Vaに対応して第2内部電位Vbも上昇する。第1内部電位Vaおよび第2内部電位Vbは、同一のレベルであり得る。代替的に、第1内部電位Vaおよび第2内部電位Vbは異なるレベルであり得る。第1内部電位Vaは、第2内部電位Vbより高い値を有し得る。
イオン貯蔵層10240の内部電位が上昇するにつれて、電位差がイオン貯蔵層10240とエレクトロクロミック層10220との間に生成され得る。第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の電位差は、第2内部電位Vbの上昇に起因して生成され得る。
イオン貯蔵層10240に存在するイオン10260は、第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の電位差に起因して移動し得る。イオン10260は、第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の電位差に起因して、電解質層10230を介してエレクトロクロミック層10220へ移動し得る。
第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の電位差が、予め定められた範囲より高い場合、イオン10260は、電解質層10230を介してエレクトロクロミック層10220へ移動し得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240はイオンのマイグレーション10260に起因して変色され得る。イオン貯蔵層10240からエレクトロクロミック層10220へ移動するイオン10260によって、イオン貯蔵層10240は、イオン10260を失うことに起因して、酸化および変色され得て、エレクトロクロミック層10220は、イオン10260を獲得することに起因して還元および変色され得る。イオン貯蔵層10240は、イオン10260を失うことに起因して酸化および着色され得て、エレクトロクロミック層10220は、イオン10260を獲得することに起因して還元および着色され得る。イオン貯蔵層10240およびエレクトロクロミック層10220が着色されることによって、エレクトロクロミック素子10200は着色され得る。イオン貯蔵層10240およびエレクトロクロミック層10220が着色されることによって、エレクトロクロミック素子10200の透過率は減少し得る。
イオン貯蔵層10240におけるイオン10260は、イオン貯蔵層10240を構成する材料にイオン10260が結合する状態で存在し得る。イオン貯蔵層10240におけるイオン10260は、イオン貯蔵層10240を構成する材料の粒子の間にイオン10260が物理的に挿入される形式で存在し得る。代替的に、イオン貯蔵層10240におけるイオンは、イオン貯蔵層10240を構成する材料にイオンが化学的に結合する状態で存在し得る。
イオン貯蔵層10240に存在するイオン10260と、イオン貯蔵層10240を構成する材料との間の結合を解放するには、予め定められた範囲より高い電位差が必要である。イオン10260と、イオン貯蔵層10240を構成する材料との間の結合を解放するために必要な最小電圧は、第1閾値電圧Vth1として定義され得る。第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の電位差が第1閾値電圧Vth1以上である場合、イオン10260はエレクトロクロミック層10220へ移動し得る。
エレクトロクロミック層10220へ移動するイオン10260によって、エレクトロクロミック層10220の内部電位が上昇し得る。エレクトロクロミック層10220へ移動するイオン10260によって、第3内部電位Vcが上昇し得る。
図13は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置における着色の完了段階における電位の変化を示す図である。
図13を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に接続され、電圧を受け得る。
第2内部電位Vbは、図12において第2電極10250に印加される高電圧に起因して上昇し、イオン貯蔵層10240に存在するイオン10260は、第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の電位差に起因して移動する。
図13は、イオンのマイグレーション10260が完了した状態を示す。エレクトロクロミック層10220へ移動するイオン10260によって、エレクトロクロミック層10220の内部電位は上昇し得る。エレクトロクロミック層10220へ移動するイオン10260によって、第3内部電位Vcは上昇し得る。
エレクトロクロミック層10220の内部電位は予め定められたレベルに上昇し得る。第3内部電位Vcは予め定められたレベルに上昇し得る。第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の差が予め定められたレベルになるまで第3内部電位Vcは上昇し得る。第3内部電位Vcは、第3内部電位Vcが第2内部電位Vbと第1閾値電圧Vth1だけ異なるようになるまで上昇し得る。すなわち、着色完了段階において、第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の差は、第1閾値電圧Vth1の大きさと同一であり得る。
イオン10260は、第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の電位差に従って移動し、第3内部電位Vcはまた、イオンのマイグレーション10260に起因して上昇する。第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の差が、第1閾値電圧Vth1の大きさより小さい場合、イオン10260は移動できない。その結果、第3内部電位Vcは、第2内部電位Vbから第1閾値電圧Vth1を減算した結果の値までだけ上昇し得る。第2内部電位Vbが変更されない限り、第3内部電位Vcは維持され得る。
図14は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置に印加される電圧と、エレクトロクロミック装置の透過率との間の関係を示すグラフである。
図14における電圧は、第1電極10210および第2電極10250に印加される電圧に起因する電位差を指し得る。図11に示されるように、エレクトロクロミック素子10200の初期状態は消色状態である。エレクトロクロミック素子10200のイオン貯蔵層10240は複数のイオン10260を含む。
エレクトロクロミック素子10200に印加される電圧が上昇するときでも、透過率は、予め定められたレベルまで変化しない。第1電極10210と第2電極10250との間に印加される電位差が、予め定められたレベルに達する前に、イオン貯蔵層10240に存在する複数のイオン10260は、エレクトロクロミック層10220に移動しない。イオン貯蔵層10240に存在する複数のイオン10260は、第1閾値電圧Vth1以上の電圧で移動するので、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第1閾値電圧Vth1より低い場合、イオン10260は移動せず、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第1閾値電圧Vth1以上の場合だけ移動する。
その結果、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第1閾値電圧Vth1より低い場合、イオンのマイグレーション10260は生じず、したがって、エレクトロクロミック素子10200は変色されない。第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第1閾値電圧Vth1以上である場合、イオン10260は移動し、エレクトロクロミック素子10200は変色する。その結果、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第1閾値電圧Vth1より低い場合、透過率は変更されず、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第1閾値電圧Vth1以上である場合、透過率は変更される。
第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第1閾値電圧Vth1以上である場合、エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は着色され、エレクトロクロミック素子10200の透過率は徐々に減少する。エレクトロクロミック素子10200の透過率は予め定められた透過率に減少し得る。
第1閾値電圧Vth1以上の電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の透過率を変更し得る。第1電圧V1をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が第1透過率T1を有するように、エレクトロクロミック素子10200を変色し得る。第2電圧V2をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が第2透過率T2を有するように、エレクトロクロミック素子10200を変色し得る。この場合、第1電圧V1は、第2電圧V2より低いことがあり得て、第1透過率T1は、第2透過率T2より高いことがあり得る。
第1閾値電圧Vth1以上の電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の現在の状態に関わらず、エレクトロクロミック素子10200の透過率を変更し得る。エレクトロクロミック素子10200が最大透過率Taを有する状態におけるエレクトロクロミック素子10200に第2電圧V2を印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が第2透過率T2を有するように、エレクトロクロミック素子10200を変色し得る。エレクトロクロミック素子10200が第1透過率T1を有する状態におけるエレクトロクロミック素子10200に第2電圧V2を印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が第2透過率T2を有するように、エレクトロクロミック素子10200を変色し得る。
エレクトロクロミック素子10200は、エレクトロクロミック素子10200の現在の状態に関わらず、エレクトロクロミック素子10200に印加される電圧の大きさを制御する制御モジュール10100により、所望の透過率を有するように変色され得るので、エレクトロクロミック素子10200の現在の状態を測定するための構成を省略できる。
制御モジュール10100は、制御モジュール10100の記憶ユニット10140に貯蔵される変色の程度に対応する駆動電圧に基づいて、所望の透過率を有するようにエレクトロクロミック素子10200を変色させるべく制御し得る。
図15は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置における変色の完了後に電圧印加が解除されたときの電位を示す図である。
図15を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に電気的に接続され得る。
制御モジュール10100は、変色完了後に電圧印加をエレクトロクロミック素子10200に解放し得る。制御モジュール10100および第1電極10210は、電気的に絶縁され得て、制御モジュール10100および第2電極10250は、電気的に絶縁され得る。第1電極10210および第2電極10250はフロートし得る。
第2電極10250の内部電位は、第2電極10250に印加された電圧の除去に起因して低下し得る。第1内部電位Vaは低下し得る。
第2電極10250の内部電位の低下に起因して、第2電極10250に接続されたイオン貯蔵層10240の内部電位も低下し得る。第1内部電位Vaの低下に起因して、第2内部電位Vbは低下し得る。
イオン貯蔵層10240の内部電位が低下し、かつ、イオン貯蔵層10240の内部電位とエレクトロクロミック層10220の内部電位との間に電位差が生成されるときでも、イオン10260はエレクトロクロミック層10220に留まり得る。
エレクトロクロミック層10220に存在するイオン10260によって、制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に印加された電圧が解放される場合でも、エレクトロクロミック素子10200の着色状態は維持され得る。これは、記憶効果と定義され得る。
記憶効果に起因して電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加されない場合でも着色状態は維持され得るので、エレクトロクロミック素子10200の状態を維持するための電力は低減され、したがって、電力消費を低減できる。
エレクトロクロミック素子10200が記憶効果を有する場合でも、イオン10260は、時間と共に自然に移動し得て、エレクトロクロミック素子10200の変色の程度は変更され得る。これは、漏洩効果として定義され得る。漏洩効果は時間に比例し得る。エレクトロクロミック素子10200は漏洩効果に起因して自然に変色し得る。
[1.3 エレクトロクロミック装置の消色プロセス]
図15は、本願の実施形態に係る変色の完了後に電圧印加が解除されたときのエレクトロクロミック装置を示す図であり、エレクトロクロミック装置が着色される状態にあるエレクトロクロミック装置に電圧が印加される前の内部電位を示す図である。
図15を参照すると、エレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に接続され得る。
初期状態において、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に電圧を印加しない。制御モジュール10100は、第1電極10210および第2電極10250に電圧を印加しない。
初期状態において、複数のイオン10260は、エレクトロクロミック層10220に位置し得る。エレクトロクロミック層10220に存在する複数のイオン10260によって、エレクトロクロミック素子10200は着色状態になり得る。
エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は内部電位を有し得る。エレクトロクロミック層10220の内部電位およびイオン貯蔵層10240の内部電位は互いに異なり得る。エレクトロクロミック層10220の内部電位は、イオン貯蔵層10240の内部電位より高いことがあり得る。
第2内部電位Vbは第3内部電位Vcと異なり得る。第2内部電位Vbは第3内部電位Vcより低いことがあり得る。
図16は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置における消色の初期段階における電位の変更を示す図である。
図16を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に電気的に接続され得る。
制御モジュール10100は、電圧をエレクトロクロミック素子10200に供給し得る。制御モジュール10100は、電圧をエレクトロクロミック素子10200の第1電極10210および第2電極10250に供給し得る。制御モジュール10100は、高電圧を第1電極10210に印加し、低電圧を第2電極10250に印加し得る。
高電圧が第1電極10210に印加されるにつれて、第1電極10210の内部電位は、制御モジュール10100によって印加される高電圧に対応して上昇し得る。第1電極10210の第4内部電位Vdは、制御モジュール10100によって供給される電圧に対応して上昇し得る。
第1電極10210およびエレクトロクロミック層10220は電気的に接続されるので、第1電極10210の第4内部電位Vdが上昇するにつれて、エレクトロクロミック層10220の第3内部電位Vcも上昇する。
第3内部電位Vcおよび第4内部電位Vdは、同一のレベルであり得る。代替的に、第3内部電位Vcおよび第4内部電位Vdは異なるレベルであり得る。第4内部電位Vdは、第3内部電位Vcより高い値を有し得る。
エレクトロクロミック層10220の第3内部電位Vcが上昇するにつれて、電位差がエレクトロクロミック層10220とイオン貯蔵層10240との間に生成され得る。第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の電位差は、第3内部電位Vcの上昇に起因して生成され得る。
エレクトロクロミック層10220に存在するイオン10260は、第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の電位差に起因して移動し得る。イオン10260は、第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の電位差に起因して、電解質層10230を介してイオン貯蔵層10240へ移動し得る。
第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の電位差が、予め定められた範囲より高い場合、イオン10260は、電解質層10230を介してイオン貯蔵層10240へ移動し得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は、イオンのマイグレーション10260に起因して変色され得る。エレクトロクロミック層10220は、イオン10260を失ったことに起因して酸化および変色され得て、イオン貯蔵層10240は、イオン10260を獲得したことに起因して還元および変色され得る。エレクトロクロミック層10220は、酸化および消色され得て、イオン貯蔵層10240は、還元および消色され得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240が消色されることによって、エレクトロクロミック素子10200は消色され得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240が消色されることによって、エレクトロクロミック素子10200の透過率は増加し得る。
エレクトロクロミック層10220におけるイオン10260は、エレクトロクロミック層10220を構成する材料にイオン10260が結合する状態で存在し得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオン10260は、エレクトロクロミック層10220を構成する材料の粒子の間にイオン10260が物理的に挿入される形式で存在し得る。代替的に、エレクトロクロミック層10220におけるイオン10260は、エレクトロクロミック層10220を構成する材料にイオン10260が化学的に結合される状態で存在し得る。
エレクトロクロミック層10220に存在するイオン10260と、エレクトロクロミック層10220を構成する材料との間の結合を解放するには、予め定められた範囲より高い電位差が必要である。イオン10260と、エレクトロクロミック層10220を構成する材料との間の結合を解放するために必要な最小電圧は、第2閾値電圧Vth2として定義され得る。第3内部電位Vcと第2内部電位Vdとの間の電位差が第2閾値電圧Vth2以上である場合、イオン10260は、イオン貯蔵層10240へ移動し得る。
エレクトロクロミック層10220とイオン10260との間の物理的および/または化学的結合の強度、ならびに、イオン貯蔵層10240とイオン10260との間の物理的および/または化学的結合の強度は互いに異なり得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240の内部材料の物理的構造が異なるので、イオン10260との物理的結合の強度は異なり得る。また、エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240の内部材料の化学的構造が異なるので、イオン10260との化学的結合の強度は異なり得る。
その結果、エレクトロクロミック層10220の第2閾値電圧Vth2は、イオン貯蔵層10240の第1閾値電圧と異なり得る。
イオン10260がイオン貯蔵層10240へ移動することにより、イオン貯蔵層10240の内部電位は上昇し得る。イオン10260がイオン貯蔵層10240へ移動することにより、第2内部電位Vbは上昇し得る。
図17は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置における消色の完了状態における電位の変更を示す図である。
図17を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック素子10200は、制御モジュール10100に接続され、電圧を受け得る。
第3内部電位Vcは、図16における第1電極10210に印加された高電圧に起因して上昇し、エレクトロクロミック層10220に存在するイオン10260は、第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の電位差に起因してイオン貯蔵層10240へ移動する。
図17は、イオンのマイグレーション10260が完了した状態を示す。イオン10260がイオン貯蔵層10240へ移動することにより、第2内部電位Vbは上昇し得る。
イオン貯蔵層10240の内部電位は、予め定められたレベルに上昇し得る。第2内部電位Vbは、予め定められたレベルに上昇し得る。第2内部電位Vbは、第2内部電位Vbが第3内部電位Vcから第2閾値電圧Vth2だけ異なるようになるまで上昇し得る。すなわち、消色完了段階において、第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の差は、第2閾値電圧Vth2の大きさと同一であり得る。
イオン10260は、第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の電位差に従って移動し、また、第2内部電位Vbは、イオンのマイグレーション10260に起因して上昇する。第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の差が、第2閾値電圧Vth2の大きさより小さい場合、イオン10260は移動できない。その結果、第2内部電位Vbは、第3内部電位Vcから第2閾値電圧Vth2を減算した結果の値までだけ上昇し得る。第2内部電位Vbは、第3内部電位Vcが変更されない限り維持され得る。
変色完了後に、制御モジュール10100からの電圧印加が解除されたとき、エレクトロクロミック素子10200は、図10に示される状態に戻り得る。
図18は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置に印加された電圧と、エレクトロクロミック装置の透過率との間の関係を示すグラフである。
図18における電圧は、第1電極10210および第2電極10250に印加される電圧に起因する電位差を指し得る。電圧は、第2電極10250を基準とした、第1電極10210に印加される電圧に起因する電位差であり得る。図15に示されるように、エレクトロクロミック素子10200の初期状態は着色状態である。エレクトロクロミック素子10200のエレクトロクロミック層10220は複数のイオン10260を含む。
エレクトロクロミック素子10200に印加される電圧が上昇するときでも、透過率は、予め定められたレベルまで変化しない。第1電極10210と第2電極10250との間に印加される電位差が予め定められたレベルに達する前に、エレクトロクロミック層10220に存在する複数のイオン10260は、イオン貯蔵層10240に移動しない。エレクトロクロミック層10220に存在する複数のイオン10260は、第2閾値電圧Vth2以上の電圧で移動するので、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第2閾値電圧Vth2未満であるとき、イオン10260は移動せず、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第2閾値電圧Vth2以上であるときだけ移動する。
その結果、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第2閾値電圧Vth2より低い場合、イオンのマイグレーション10260は生じず、したがって、エレクトロクロミック素子10200は変色されない。第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第2閾値電圧Vth2以上である場合、イオン10260は移動し、エレクトロクロミック素子10200は変色する。その結果、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第2閾値電圧Vth2より低い場合、透過率は変更されず、第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第2閾値電圧Vth2以上である場合、透過率は変更される。
第1電極10210と第2電極10250との間の電位差が第2閾値電圧Vth2以上である場合、エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は消色され、エレクトロクロミック素子10200の透過率は徐々に増加する。エレクトロクロミック素子10200の透過率は、予め定められた透過率に増加し得る。
第2閾値電圧Vth2以上の電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の透過率を変更し得る。第3電圧V3をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が第3透過率T3を有するように、エレクトロクロミック素子10200を変色させ得る。第4電圧V4をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が第4透過率T4を有するように、エレクトロクロミック素子10200を変色させ得る。この場合、第3電圧V3は、第4電圧V4より低いことがあり得て、第3透過率T3は、第4透過率T4より低いことがあり得る。
第2閾値電圧Vth2以上の電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の現在の状態に関わらず、エレクトロクロミック素子10200の透過率を変更し得る。エレクトロクロミック素子10200が最小透過率Tbを有する状態にあるエレクトロクロミック素子10200に第4電圧V4を印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が第4透過率T4を有するように、エレクトロクロミック素子10200を変色させ得る。エレクトロクロミック素子10200が第3透過率T3を有する状態にあるエレクトロクロミック素子10200に第4電圧V4を印加することにより、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が第4透過率T4を有するように、エレクトロクロミック素子10200を変色させ得る。
エレクトロクロミック素子10200は、エレクトロクロミック素子10200の現在の状態に関わらず、エレクトロクロミック素子10200に印加される電圧の大きさを制御する制御モジュール10100により、所望の透過率を有するように変色され得るので、エレクトロクロミック素子10200の現在の状態を測定するための構成を省略できる。
制御モジュール10100は、制御モジュール10100の記憶ユニット10140に貯蔵される変色の程度に対応する駆動電圧に基づいて、所望の透過率を有するようにエレクトロクロミック素子10200を変色させるべく制御し得る。
[1.4 着色および消色における電圧印加に応じた透過率]
図19は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置に印加される電圧と、その透過率との間の関係を示す図である。図20および図21は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置の着色プロセスにおける電位とイオンとの間の関係を示す図である。図22および23は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置消色プロセスにおける電位とイオンとの間の関係を示す図である。
上に記載された図14に示されるように、エレクトロクロミック装置の透過率は、着色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置に印加された電圧によって決定され得る。また、図18に示されるように、エレクトロクロミック装置の透過率は、消色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置に印加された電圧によって決定され得る。
図19を参照して、着色プロセスにおいて印加される電圧に起因する透過率の変化、および、消色プロセスにおいて印加される電圧に起因する透過率の変化を比較および説明する。
図19における第1状態S1は、エレクトロクロミック素子10200が最大透過率を有する状態を指し、第2状態S2は、エレクトロクロミック素子10200が第1状態S1より低い透過率を有する状態を指し、第3状態S3は、エレクトロクロミック素子10200が最小透過率を有する状態を指し、第4状態S4は、エレクトロクロミック素子10200が第2状態S2と第3状態S3との間の透過率を有する状態を指す。電圧Vは、第1電極10210および第2電極10250に印加される電圧に起因する電位差を指す。ここで、電位差は、第1電極10210を基準とした第2電極10250の電圧の大きさとして定義され得る。図20は、第1状態S1におけるエレクトロクロミック装置を示す図である。
制御モジュール10100は、電圧を第1電極10210および第2電極10250に印加しない。第1電極10210および第2電極10250は内部電位を有しない。
イオン10260は、イオン貯蔵層10240に位置し得る。イオン10260がイオン貯蔵層10240に位置することにより、エレクトロクロミック素子10200は第1状態S1にあり得る。
イオン10260に起因して、イオン貯蔵層10240は、相対的に高い内部電位を有し得る。イオン10260に起因して、イオン貯蔵層10240は、エレクトロクロミック層10220より高い内部電位を有し得る。イオン貯蔵層10240の第2内部電位Vbは、エレクトロクロミック層10220の第3内部電位Vcより大きい値を有し得る。
図21は、制御モジュール10100から印加された電圧に起因して、イオンのマイグレーション10260が完了した状態におけるイオン10260の内部電位および位置を示す。
図21を参照すると、制御モジュール10100は、第5電圧V5をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。エレクトロクロミック素子10200は、第5電圧V5を第2電極10250に印加し得る。エレクトロクロミック素子10200は、第2電極10250および第1電極10210に印加される電圧の間の差が第5電圧V5であるように、電圧を印加し得る。エレクトロクロミック素子10200は、第2電極10250と第1電極10210との間の電位差が第5電圧V5であるように、電圧を印加し得る。
制御モジュール10100によって印加された第5電圧V5に起因して、第1内部電位Vaは第5電圧V5まで上昇する。第1内部電位Vaが上昇するにつれて、第2内部電位Vbも上昇し、第1内部電位Vaに対応するレベルを有するようになる。
イオン10260は、第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の電位差に起因してエレクトロクロミック層10220に移動し得る。エレクトロクロミック層10220は、イオンの獲得に起因して還元および着色され得て、イオン貯蔵層10240は、イオン10260を失うことに起因して酸化および着色され得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240が着色されることに起因して、エレクトロクロミック素子10200は着色され得る。ここで、エレクトロクロミック素子10200は第2状態S2にあり得る。エレクトロクロミック素子10200は、着色に起因して第1状態S1より低い透過率をエレクトロクロミック素子10200が有する第2状態S2に達し得る。
エレクトロクロミック層10220の第3内部電位Vcは、イオン10260の獲得に起因して上昇し得る。第3内部電位Vcは、第3内部電位Vcが第2内部電位Vbから特定のレベルだけ異なるようになるまで上昇し得て、イオンのマイグレーション10260が完了したとき、第3内部電位Vcは、第2内部電位Vbより第1閾値電圧Vth1だけ低いレベルに達し得る。すなわち、第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の差は第1閾値電圧Vth1であり得る。
ここで、第3内部電位Vcは、エレクトロクロミック層10220に位置するイオン10260の数に比例し得る。エレクトロクロミック層10220に位置するイオン10260の数は、エレクトロクロミック層10220の変色の程度に関連する。すなわち、エレクトロクロミック層10220に存在するイオンの数が大きい場合、エレクトロクロミック層10220の着色の程度が高く、エレクトロクロミック層10220に存在するイオンの数が小さい場合、エレクトロクロミック層10220の着色の程度は低い。エレクトロクロミック層10220の変色の程度はエレクトロクロミック素子10200の変色の程度に関連するので、エレクトロクロミック素子10200の透過率は、第3内部電位Vcに比例し得る。
エレクトロクロミック素子10200の変色の程度は、エレクトロクロミック層10220に位置するイオン10260と、イオン貯蔵層10240に位置するイオンとの間の比に従って決定され得る。図22は、第3状態S3におけるエレクトロクロミック装置を示す図である。
制御モジュール10100は、電圧を第1電極10210および第2電極10250に印加しない。第1電極10210および第2電極10250は内部電位を有しない。
イオン10260はエレクトロクロミック層10220に位置し得る。イオン10240がエレクトロクロミック層10220に位置することにより、エレクトロクロミック素子10200は第3状態S3にあり得る。
イオン10260に起因して、エレクトロクロミック層10220は、相対的に高い内部電位を有し得る。イオン10260に起因して、エレクトロクロミック層10220は、イオン貯蔵層10240より高い内部電位を有し得る。エレクトロクロミック層10220の第3内部電位Vcは、イオン貯蔵層10240の第2内部電位Vbより大きい値を有し得る。ここで、第3内部電位Vcは、図20から図21における第2内部電位Vbより高いように示される。これは、説明を容易にするためであり、実際の電位値を示すものではない。
図23は、制御モジュール10100から印加された電圧に起因して、イオンのマイグレーション10260が完了した状態におけるイオン10260の内部電位および位置を示す。
図23を参照すると、制御モジュール10100は、第5電圧V5をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。第5電圧V5は、図21においてエレクトロクロミック素子10200に印加される電圧と同一の電圧である。エレクトロクロミック素子10200は、第5電圧V5を第2電極10250に印加し得る。エレクトロクロミック素子10200は、第2電極10250および第1電極10210に印加される電圧の間の差が第5電圧V5であるように、電圧を印加し得る。エレクトロクロミック素子10200は、第2電極10250および第1電極10210の電位差が第5電圧V5であるように、電圧を印加し得る。
制御モジュール10100によって印加される第5電圧V5に起因して、第1内部電位Vaは、第5電圧V5まで上昇する。第1内部電位Vaの上昇に起因して、第2内部電位Vbも上昇し、第1内部電位Vaに対応するレベルを有する。
イオン10260は、第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の電位差に起因して、イオン貯蔵層10240へ移動し得る。エレクトロクロミック層10220は、イオンを失うことに起因して酸化および消色され得て、イオン貯蔵層10240は、イオン10260の獲得に起因して還元および消色され得る。エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240が消色されることに起因して、エレクトロクロミック素子10200も消色され得る。ここで、エレクトロクロミック素子10200は第4状態S4にあり得る。エレクトロクロミック素子10200は、消色に起因して第3状態S3より高い透過率をエレクトロクロミック素子10200が有する第4状態S4に達し得る。第4状態S4は、透過率が第3状態S3より高い状態であり得る。
エレクトロクロミック層10220の第3内部電位Vcは、イオン10260を失うことに起因して低下し得る。第3内部電位Vcは、第3内部電位Vcが第2内部電位Vbから特定のレベルだけ異なるようになるまで低下し得て、イオンのマイグレーション10260が完了したとき、第3内部電位Vcは、第2内部電位Vbより第2閾値電圧Vth2だけ高いレベルに達し得る。すなわち、第3内部電位Vcと第2内部電位Vbとの間の差は第2閾値電圧Vth2であり得る。
ここで、第3内部電位Vcは、エレクトロクロミック素子10200の透過率に比例し得る。
1)図20および図21と2)図22および図23とを比較するとき、初期状態は異なり、印加電圧は、1)図20および図21と、2)図22および図23とにおいて同一である。図20および図21は、着色のために第5電圧V5が印加される状態を示し、図22および図23は、消色のために第5電圧V5が印加される状態を示す。図20および図21における初期状態は、最大透過率を有する状態であり、図22から図23における初期状態は、最小透過率を有する状態である。
図21におけるイオンのマイグレーション10260が完了した後の第3内部電位Vcの大きさと、図23におけるイオンのマイグレーション10260が完了した後の第3内部電位Vcの大きさとは異なり得る。図21における第3内部電位Vcの大きさは、図23における第3内部電位Vcの大きさより小さいことがあり得る。
図21において、第3内部電位Vcの大きさは、第5電圧V5より小さいことがあり得る。第3内部電位Vcの大きさは、第5電圧V5より第1閾値電圧Vth1だけ小さいことがあり得る。
図23において、第3内部電位Vcの大きさは、第5電圧V5より大きいことがあり得る。第3内部電位Vcの大きさは、第5電圧V5より第2閾値電圧Vth2だけ大きいことがあり得る。
その結果、図21における光学的状態である第2状態S2における透過率は、図23における光学的状態である第4状態S4における透過率より高いことがあり得る。換言すれば、着色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置に特定の電圧が印加されるとき、および、消色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置に特定の電圧が印加されるときに、エレクトロクロミック装置の光学的状態は変更され得る。着色プロセスにおいて特定の電圧がエレクトロクロミック装置に印加され、着色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置に印加された特定の電圧に等しい電圧が、消色プロセスにおいて、エレクトロクロミック装置に印加されるとき、エレクトロクロミック装置の透過率は変更され得る。すなわち、着色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置が特定の電圧を受けるときの透過率は、消色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置が特定の電圧を受けるときの透過率より大きいことがあり得る。
着色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置が特定の電圧を受けるときの透過率が、消色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置が特定の電圧を受けるときの透過率より大きい場合が例として図面を参照して説明されたが、逆に、着色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置が特定の電圧を受けるときの透過率は、消色プロセスにおいてエレクトロクロミック装置が特定の電圧を受けるときの透過率より小さいことがあり得る。
そのような現象は、上述のイオンマイグレーションおよび閾値電圧に起因する結果であり得る、または、異なる閾値電圧を有するエレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240に起因する結果であり得る。
加えて、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200が着色プロセスにあるか、または、消色プロセスにあるかに従って、エレクトロクロミック素子10200に印加される駆動電圧を変動させ得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の変色プロセスを決定し、決定された変色プロセスに基づいて、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。
この場合、各変色プロセスについての駆動電圧が制御モジュール10100の記憶ユニット10140に記憶され得る。すなわち、着色プロセスにおけるエレクトロクロミック素子10200の変色の程度に対応する駆動電圧、および、消色プロセスにおけるエレクトロクロミック素子10200の変色の程度に対応する駆動電圧は、記憶ユニット10140に記憶され得る。
制御モジュール10100は、以前に印加された電圧に基づいて、変色プロセスを決定し得る。この場合、制御モジュール10100は、出力される駆動電圧を記憶ユニット10140に記録し、記憶ユニット10140に記憶された前の駆動電圧をロードし、変色プロセスを決定するために現在の駆動電圧を前の駆動電圧と比較し得る。制御モジュール10100は、記憶ユニット10140に記憶された前の駆動電圧によって前の状態を計算し、変色プロセスを決定するために、計算された前の状態を目標状態と比較し、決定された変色プロセスに基づいて駆動電力を供給し得る。
例えば、制御モジュール10100は、着色プロセスである図21の第2状態S2に等しい状態を実現するべく、消色プロセスにおいて第6電圧V6をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。第6電圧V6は、第5電圧V5より低いレベルの電圧であり得る。図23の第3内部電位Vcは、図21の第3内部電位Vcと同一の内部電位を有するように低下されるべきなので、第5電圧V5より低い電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加されるとき、消色プロセスにおいて第2状態S2が実現され得る。
逆に、示されていないが、消色プロセスである図23の第4状態S4に等しい状態を実現するために、制御モジュール10100は、着色プロセスにおいて、第5電圧V5より高い電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。図21の第3内部電位Vcは、図23の第3内部電位Vcと同一の内部電位を有するように増加される必要があるので、第5電圧V5より高い電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加されるとき、着色プロセスにおいて第4状態S4が実現され得る。
[1.5 着色および消色プロセスにおける不変区間]
図24は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置に印加される電圧と、その透過率との間の関係を示す図であり、図25から図27は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置の消色プロセスおよび着色プロセスにおける電位とイオンとの間の関係を示す図である。
図24において、第3状態S3は、エレクトロクロミック素子10200が最小透過率を有する状態を指し、第5状態S5は、エレクトロクロミック素子10200が第3状態S3より高い透過率を有する状態を指す。電圧Vは、第1電極10210および第2電極10250に印加される電圧に起因する電位差を指す。ここで、電位差は、第1電極10210を基準とした第2電極10250の電圧の大きさとして定義され得る。
図24は、第1区間P1、第2区間P2および第3区間P3を含む。第1区間P1は、消色区間であり得て、第2区間P2は不変区間であり得て、第3区間P3は着色区間であり得る。
第1区間P1は、エレクトロクロミック素子10200の状態が第3状態S3から第5状態S5に変更される区間であり得て、第2区間P2は、エレクトロクロミック素子10200の状態が第5状態S5に維持される区間であり得て、第3区間P3は、エレクトロクロミック素子10200の状態が第5状態S5に変更される区間であり得る。図25は、第1区間P1における電位とイオンとの間の関係を示す図である。
図24および図25を参照すると、エレクトロクロミック素子10200は、第3状態S3から第5状態S5に変色され得る。エレクトロクロミック素子10200は、第3状態S3から第5状態S5に消色され得る。
第3状態S3において、イオン10260は、エレクトロクロミック層10220に位置し得る。ここで、レベルが徐々に減少する電圧Vが第2電極10250に印加される場合、第2内部電位Vbは減少し得て、エレクトロクロミック層10220におけるイオン10260は、電解質層10230を介してイオン貯蔵層10240へ移動し得る。このプロセスにおいて、エレクトロクロミック層10220は、イオン10260を失うことに起因して酸化および消色され得て、イオン貯蔵層10240は、イオン10260の獲得に起因して還元および消色され得る。エレクトロクロミック層10220におけるイオン10260がイオン貯蔵層10240へ移動することにより、第3内部電位Vcは徐々に減少する。
第2電極10250に印加される電圧が第7電圧V7に達した状態において電圧の低下が停止したとき、第3内部電位Vcが特定のレベルに低下した後に、第3内部電位Vcの低下も停止する。ここで、第3内部電位Vcと第7電圧V7との間の電圧差は、第2閾値電圧Vth2であり得る。すなわち、第3内部電位Vcの低下は、第3内部電位Vcが、第7電圧V7より第2閾値電圧Vth2だけ高い電圧を有する状態で停止する。
図26は、第2区間P2における電位とイオンとの間の関係を示す図である。
図26および図24を参照すると、エレクトロクロミック素子10200の状態は、第5状態S5に維持され得る、第2区間P2は、エレクトロクロミック素子10200に印加される電圧が上昇する場合でも、エレクトロクロミック素子10200の透過率が維持される区間であり得る。
一般の場合において、印加電圧が増加するとき、着色に起因して透過率が減少する。しかしながら、前の区間が消色区間である場合、予め定められた範囲中に電圧が増加する場合でも、透過率は変更しない。電圧の変更と共に透過率が変更しない区間は、不変区間として定義され得る。
不変区間は、前の区間が消色区間である場合、着色のために電圧を増加されるときに示され得て、また、前の区間が着色区間である場合、消色のために電圧が低下されるときに示され得る。
第1区間P1により第7電圧V7が印加されたエレクトロクロミック素子10200に印加された電圧Vは徐々に増加され得る。電圧Vが増加するときでも、イオン10260は移動しない。電圧Vが不変電圧区間Vdにおいて増加するときでも、イオン10260は移動しない。
不変電圧区間Vdは、第3内部電位Vcを基準として第1閾値電圧Vth1および第2閾値電圧Vth2の変動を有する電圧区間であり得る。不変電圧区間Vdの下限は、第3内部電位Vcより第2閾値電圧Vth2だけ低い値であり得て、不変電圧区間Vdの上限は、第3内部電位Vcより第1閾値電圧Vth1だけ高い値であり得る。
第3内部電位Vcより低い、不変電圧区間における電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加されるとき、電圧Vと第3内部電位Vcとの間の差は第2閾値電圧Vth2より小さく、イオン10260は、エレクトロクロミック層10220から解放されることができない。その結果、イオンのマイグレーション10260が生じないので、第3内部電位Vcは変更されず、エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は変色されない。これにより、エレクトロクロミック素子10200の状態は維持される。
第3内部電位Vcより高い、不変電圧区間における電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加されるとき、電圧Vと第3内部電位Vcとの間の差は、第1閾値電圧Vth1より小さく、イオン10260は、イオン貯蔵層10240から解放されることができない。その結果、イオンのマイグレーション10260が生じないので、第3内部電位Vcは変更されず、エレクトロクロミック層10220およびイオン貯蔵層10240は変色されない。これにより、エレクトロクロミック素子10200の状態は維持される。
不変電圧区間Vdは、第1閾値電圧Vth1および第2閾値電圧Vth2の大きさの和に対応し得る。その結果、エレクトロクロミック層10220またはイオン貯蔵層10240のイオン10260との結合力が大きいとき、不変電圧区間Vdは増加し得て、エレクトロクロミック層10220またはイオン貯蔵層10240のイオン10260との結合力が小さい場合、不変電圧区間Vdは減少し得る。図27は、第3区間P3における電位とイオンとの間の関係を示す図である。
図27および図24を参照すると、エレクトロクロミック素子10200は、第5状態S5から第3状態S3に変色され得る。エレクトロクロミック素子10200は、第5状態S5から第3状態S3に着色され得る。
第3状態S3において、複数のイオン10260のうち、一部のイオンは、イオン貯蔵層10240に位置し得る。ここで、第8電圧V8より高い電圧Vがエレクトロクロミック素子10200に印加されるとき、第2内部電位Vbは増加し得て、イオン貯蔵層10240におけるイオン10260は電解質層10230を介してエレクトロクロミック層10220へ移動し得る。
第8電圧V8は、第2区間P2の第3内部電位Vcより第1閾値電圧Vth1だけ高い電圧であり得る。第3区間P3においては、第2電極10250に印加される第8電圧V8より高い電圧に起因して、第2内部電位Vbと第3内部電位Vcとの間の差の値は、第1閾値電圧Vth1より高くなり、イオン貯蔵層10240におけるイオン10260はエレクトロクロミック層10220へ移動し得る。
このプロセスにおいて、エレクトロクロミック層10220は、イオン10260の獲得に起因して還元および着色され得て、イオン貯蔵層10240は、イオン10260を失うことに起因して酸化および着色され得る。イオン貯蔵層10240におけるイオン10260がエレクトロクロミック層10220へ移動することにより、第3内部電位Vcは徐々に増加する。
制御モジュール10100は、不変区間に基づいて駆動電力を生成し、生成された駆動電力をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。エレクトロクロミック素子10200の着色および消色の間で変化するとき、制御モジュール10100は、不変区間に基づいて、駆動電力をエレクトロクロミック素子10200に供給し得る。
制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の前のプロセスを決定し、異なる駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。前のプロセスが消色プロセスである場合、制御モジュール10100は、不変区間において電圧を印加しないで、不変電圧区間より高い電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、エレクトロクロミック素子10200を着色し得る。前のプロセスが着色プロセスである場合、制御モジュール10100は、不変区間において電圧を印加しないで、不変電圧区間より低い電圧を印加することにより、エレクトロクロミック素子10200を消色し得る。
[1.6 閾値電圧]
図28は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置の等価回路図である。
図28を参照すると、実施形態に係るエレクトロクロミック装置のエレクトロクロミック素子10200は制御モジュール10100に接続され得る。
エレクトロクロミック素子10200は複数の分割領域を含み得る。エレクトロクロミック素子10200は第1分割領域10270aから第n分割領域10270nを含み得る。分割領域は互いに平行に接続され得る。
分割領域は、制御モジュール10100に接続されるエレクトロクロミック素子10200の部分的領域であり得る。
分割領域は、物理的に分割され得る領域ではなく、電気的領域であり得る。エレクトロクロミック素子10200は、第1電極10210、エレクトロクロミック層10220、電解質層10230、イオン貯蔵層10240および第2電極10250を含み、エレクトロクロミック素子10200を構成する層の各々は、単一の層で形成され得る。その結果、分割領域として実際に分割される領域は存在しないことがあり得て、分割領域は、エレクトロクロミック素子10200の電気的解釈のために仮想的に分割された領域であり得る。
第1分割領域10270aから第n分割領域10270nのすべては、同一の等価回路として解釈され得る。第n分割領域10270nを例として説明する。第n分割領域10270nは、第1抵抗R1、第2抵抗R2、接続抵抗RaおよびキャパシタCを含み得る。第n分割領域10270nは、第1抵抗R1、第2抵抗R2、接続抵抗RaおよびキャパシタCを含むものとして解釈され得る。
第1抵抗R1の一端および第2抵抗R2の一端は、隣接する分割領域に電気的に接続され得て、第1抵抗R1の他端および第2抵抗R2の他端は、接続抵抗RaおよびキャパシタCに電気的に接続され得る。すなわち、接続抵抗Raの両端は、第1抵抗R1の他端および第2抵抗R2の他端に電気的に接続され得て、キャパシタCの両端は、第1抵抗R1の他端および第2抵抗R2の他端に電気的に接続され得る。
ここで、水平方向は、図3におけるx方向またはy方向であり得る。水平方向は、制御モジュール10100とエレクトロクロミック素子10200との間の接触領域から第2電極10250に沿って離れるように移動する方向であり得る。鉛直方向は、図3のz方向であり得る。鉛直方向は、第1電極10210から第2電極10250に向かう方向であり得る。
第1抵抗R1は、第2電極10250の部分的領域の水平方向における抵抗であり得る。第2抵抗R2は、第1電極10210の部分的領域の水平方向における抵抗であり得る。
接続抵抗Raは、エレクトロクロミック素子10200の鉛直方向における抵抗であり得る。すなわち、接続抵抗Raは、第1電極10210と第2電極10250との間の抵抗であり得る。接続抵抗Raは、第1電極10210、エレクトロクロミック層10220、電解質層10230、イオン貯蔵層10240および第2電極10250の鉛直方向の抵抗と、第1電極10210とエレクトロクロミック層10220との間の接触抵抗と、エレクトロクロミック層10220と電解質層10230との間の接触抵抗と、電解質層10230とイオン貯蔵層10240との間の接触抵抗と、イオン貯蔵層10240と第2電極10250との間の接触抵抗との和であり得る。
キャパシタCは、第1電極10210、第2電極10250、エレクトロクロミック層10220、電解質層10230およびイオン貯蔵層10240によって生成されるキャパシタであり得る。複数の分割領域のキャパシタCの静電容量の和がエレクトロクロミック素子10200の容量であり得る。
キャパシタCに充電される電圧は、RCの遅延に起因して時間と共に上昇し、予め定められた電圧に達し得る。予め定められた電圧は、直列に接続された第1抵抗R1、第2抵抗R2および接続抵抗Raによって分配された電圧であり得る。すなわち、予め定められた電圧は、分圧の法則に起因して、第n分割領域10270nに印加された電圧のRa/(R1+R2+Ra)倍の電圧であり得る。第1抵抗R1および第2抵抗R2は導体の抵抗であり、接続抵抗Raは、導体および非導体の組み合わせの抵抗であり、したがって、接続抵抗Raは、第1抵抗R1および第2抵抗R2より極めて大きい値を有するので、RC遅延に起因する時間経過後、キャパシタCに充電される電圧は、第n分割領域10270nに印加される電圧に対応し得る。すなわち、RC遅延に起因する時間経過後、キャパシタCに充電される電圧は、第n分割領域10270nに印加される電圧と同様となり得る。劇的なことに、RC遅延に起因する時間経過後、キャパシタCに充電される電圧は、第n分割領域10270nに印加される電圧に等しくなり得る。
キャパシタCに充電される電圧は、隣接する分割領域の入力電圧に等しいことがあり得る。すなわち、キャパシタCに充電される電圧は、隣接する分割領域に印加され得る。例えば、第1分割領域10270aのキャパシタCに充電される電圧は、第2分割領域10270bに印加され得る。第1分割領域10270aのキャパシタCに充電される電圧は、第2分割領域10270bの第1抵抗R1の一端および第2抵抗R2の一端に印加され得る。
分割領域のキャパシタCに充電される電圧は、入力電圧に比例するので、複数の分割領域のキャパシタCに充電される電圧は、RC遅延によって順次充電され得る。
複数の分割領域のキャパシタCの電圧は順次上昇し得る。複数の分割領域のキャパシタCのうち、制御モジュール10100に近い分割領域におけるキャパシタCが最初に充電され得て、制御モジュール10100から遠い分割領域におけるキャパシタCは、その後充電され得る。複数の分割領域のキャパシタCのうち、制御モジュール10100とエレクトロクロミック素子10200との間の接触領域に隣接する分割領域におけるキャパシタCが最初に充電され得て、接触領域から離隔した分割領域におけるキャパシタCは、その後に充電され得る。
複数の分割領域の第1分割領域10270aにおけるキャパシタCは、最初に充電され得て、第n分割領域10270nにおけるキャパシタCまで、キャパシタCが順次充電され得る。
キャパシタCに充電される電圧が第1電極10210および第2電極10250に印加される駆動電圧であるので、変色の程度は、キャパシタCに充電される電圧によって決定され得る。
図29から図31は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子の時間ごとの電気的変色の程度を示す図である。
電圧が制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に印加されるとき、初期段階において、図29に示されるように、制御モジュール10100とエレクトロクロミック素子10200との間の接触領域に隣接する領域が最初に変色され、接触領域から遠い領域は変色されない。すなわち、接触領域に隣接する領域、および、接触領域から離隔した領域の変色の程度は異なり得る。換言すると、接触領域に隣接する領域の透過率、および、接触領域から離隔した領域の透過率は異なり得る。接触領域に隣接する領域の透過率は、着色プロセスにおいて、接触領域から離隔した領域の透過率より小さいことがあり得る。
電圧が制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に連続的に印加される中間段階において、図30に示されるように、接触領域に隣接する領域の変色が完了し得て、接触領域から離隔した領域の変色が開始し得る。この場合でも、接触領域に隣接する領域、および、接触領域から離隔した領域の変色の程度は異なり得る。接触領域に隣接する領域の変色の程度が、目標変色程度に達したときでも、接触領域から離隔した領域の変色の程度が目標変色程度に達しないことがあり得る。換言すると、接触領域に隣接する領域の透過率、および、接触領域から離隔した領域の透過率は異なり得る。着色プロセスにおいて、接触領域に隣接する領域の透過率は、接触領域から離隔した領域の透過率より小さいことがあり得る。中間段階において、変色の程度が目標変色程度に達した領域の面積は、時間と共に徐々に広がる。変色の程度が目標変色程度に達した領域の面積は、接触領域から離れるように移動する方向へ、時間と共に広がり得る。
電圧が制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に連続的に印加された後に完了段階に達したとき、エレクトロクロミック素子10200の全領域の変色は、図31に示されるように完了する。エレクトロクロミック素子10200への電圧の印加が開始する時点から、エレクトロクロミック素子10200の全領域の変色が完了する時点までの期間は、閾値期間として定義され得る。
閾値期間に達したとき、エレクトロクロミック素子10200の全領域の着色状態は均一であり得る。閾値期間に達したとき、エレクトロクロミック素子10200の第1地点と第2地点との間の着色状態の変動は、予め定められたレベル以下であり得る。閾値期間に達した場合、エレクトロクロミック素子10200の第1地点と第2地点との間の透過率は、互いに対応し得る。エレクトロクロミック素子10200の第1地点と第2地点との間の着色状態の最大変動は、予め定められたレベル以下であり得る。閾値期間に達したとき、エレクトロクロミック素子10200の第1地点と第2地点との間の透過率の変動は、0%から30%の範囲内であり得る。
閾値期間は、エレクトロクロミック素子10200の面積に比例し得る。すなわち、エレクトロクロミック素子10200の面積が大きくなるに伴い、閾値期間は、より長くなり得る。換言すると、エレクトロクロミック素子10200の面積がより大きくなるほど、エレクトロクロミック素子10200が均一に変色される期間は、より長くなり得る。エレクトロクロミック素子10200の異なる領域の着色状態の変動も、エレクトロクロミック素子10200の面積に比例し得る。エレクトロクロミック素子10200の面積が増加するにつれて、エレクトロクロミック素子10200の異なる領域の着色状態の最大変動は増加し得る。図32に示されるように、閾値期間は、電圧差に比例し得る。
電圧差は、制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に印加された電圧と、エレクトロクロミック素子10200に充電された電圧との間の差の値であり得る。
電圧差は、現在の変色状態と目標変色状態との間の差の値に比例し得る。エレクトロクロミック素子10200において充電される電圧はエレクトロクロミック素子10200の現在の変色状態に対応し、エレクトロクロミック素子10200に印加される電圧は目標変色状態に対応するので、電圧差は、現在の変色状態と目標変色状態との間の差の値に比例し得る。
図33は、本願の実施形態に係る、制御モジュールからエレクトロクロミック素子に印加される電圧を示す図である。
印加段階において、制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に印加される電圧を、図33を参照して説明する。
制御モジュール10100は、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に供給し得る。制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に供給される駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間は、閾値期間に基づいて決定され得る。駆動電圧が制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に印加される期間tbは、閾値期間taより長いことがあり得る。
制御モジュール10100は、閾値期間taに従って、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間tbが固定されるように設定し、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に供給し得る。代替的に、制御モジュール10100は、閾値期間taに従って、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間tbを変更し得る。
制御モジュール10100が、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加するための固定期間tb中に駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加するとき、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の最大閾値期間を計算し、最大閾値期間より長い期間にわたって駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。最大閾値期間は、エレクトロクロミック素子10200が消色状態から最大着色状態に変色される場合に必要な閾値期間であり得る。制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200がどの状態に変更されるかに関わらず、最大閾値期間より長い期間にわたって駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得て、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加するための期間の計算は省略され得る。これにより、動作の数を低減する効果がある。
閾値期間taは、エレクトロクロミック素子10200の面積に関連し得る。閾値期間taは、エレクトロクロミック素子10200の面積に比例し得る。最大閾値期間もエレクトロクロミック素子10200の面積に関連するので、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の面積に従って、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間tbを設定し、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。
制御モジュール10100が、閾値期間taに従って、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間tbを変更する場合、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の現在の電位を測定し、測定された現在の電位に基づいて、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間tbを変更することにより、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。この場合、示されていないが、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200の現在の電位を測定可能な測定ユニットを更に含み得る。
代替的に、制御モジュール10100は、予め記憶された閾値期間データに基づいて、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間tbを変更し得る。閾値期間データは、制御モジュール10100の記憶ユニット10140に記憶され得て、制御モジュール10100は、記憶ユニット10140に記憶された閾値期間データに基づいて、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間tbを変更し得る。閾値期間データはまた、エレクトロクロミック素子10200の面積に関連し得る。
閾値期間データは、電圧差および/または温度に関連するデータであり得る。閾値期間は電圧差により決定されるので、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に以前に印加された電圧と、エレクトロクロミック素子10200に現在印加されている電圧とを比較し、その間の電圧差を計算し、計算された電圧差に対応する閾値期間taより長い期間にわたってエレクトロクロミック素子10200に駆動電圧を印加し得る。閾値期間はイオンマイグレーションに関連するので、閾値期間データは、温度に関連するデータであり得る。制御モジュール10100は、温度をリアルタイムに測定し、記憶ユニット10140に記憶された閾値期間データをリアルタイムに変更し得る。
閾値期間データは、印加段階におけるデータ、および、維持段階におけるデータを含み得る。
印加段階における閾値期間データは、電圧差および/または温度に関連するデータであり得る。維持段階における閾値期間データは、電圧差、温度、および/または、電圧が印加されない維持段階の期間に関連するデータであり得る。
図34および図35は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置の電圧差に応じて閾値期間を示す図である。
図34は、消色状態において、目標変色レベルに応じて変動する電圧差に起因する閾値期間を示す図である。
図34において、第1駆動電圧V21は、エレクトロクロミック素子10200の状態が消色状態から第1着色状態に変更されたときにエレクトロクロミック素子10200に印加される駆動電圧であり、第2駆動電圧V22は、エレクトロクロミック素子10200の状態が消色状態から第2着色状態に変更されるときにエレクトロクロミック素子10200に印加される駆動電圧を示す。
第1着色状態は、着色の程度が第2着色状態より高い状態を指し得る。第1着色状態は、透過率が第2着色状態より低い状態を指し得る。第1駆動電圧V21は、第2駆動電圧V22より高い電圧であり得る。
消色状態において、駆動電圧が制御モジュール10100からエレクトロクロミック素子10200に印加されないので、電圧差は、エレクトロクロミック素子10200の状態が消色状態から第1着色状態に変更されるときの第1駆動電圧V21に等しいことがあり得て、電圧差は、エレクトロクロミック素子10200の状態が消色状態から第2着色状態に変更されるときの第2駆動電圧V22に等しいことがあり得る。エレクトロクロミック素子10200の状態が第1着色状態に変更されるときの電圧差は、エレクトロクロミック素子10200の状態が第2着色状態に変更されるときの電圧差より小さいので、エレクトロクロミック素子10200の状態が第2着色状態に変更されるときの第2閾値期間t22は、エレクトロクロミック素子10200の状態が第1着色状態に変更されるときの第1閾値期間t21より短いことがあり得る。すなわち、エレクトロクロミック素子10200が第2着色状態に均一に着色されるために必要な期間は、エレクトロクロミック素子10200が第1着色状態に均一に着色されるために必要な期間より短いことがあり得る。
エレクトロクロミック素子10200の状態が第1着色状態に変更されるときの第1閾値期間t21、および、エレクトロクロミック素子10200の状態が第2着色状態に変更されるときの第2閾値期間t22は、制御モジュール10100の記憶ユニット10140に記憶され得て、制御モジュール10100は、第1閾値期間t21に基づいて、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加するための期間、および、記憶ユニット10140に記憶される第2閾値期間t22を決定し、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。
エレクトロクロミック素子10200の状態を消色状態から第1着色状態に変更するとき、制御モジュール10100は、第1閾値期間t21より長いい期間にわたって、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、エレクトロクロミック素子10200を着色し得る。また、エレクトロクロミック素子10200の状態を消色状態から第2着色状態に変更するとき、制御モジュール10100は、第2閾値期間t22より長い期間にわたって、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加することにより、エレクトロクロミック素子10200を着色し得る。
図35は、エレクトロクロミック素子10200の状態が着色状態から別の変色レベルに変更されるときの電圧差に起因する閾値期間を示す図である。
図35において、第1駆動電圧V31は、エレクトロクロミック素子10200の状態が第1着色状態から第3着色状態に変更されるときにエレクトロクロミック素子10200に印加される駆動電圧であり、第2駆動電圧V32は、エレクトロクロミック素子10200の状態が第2着色状態から第3着色状態に変更されるときにエレクトロクロミック素子10200に印加される駆動電圧を示す。
第1着色状態は、着色の程度が第2着色状態より高い状態を指し得る。第1着色状態は、透過率が第2着色状態より低い状態を指し得る。第1駆動電圧V31は、第2駆動電圧V32より高い電圧であり得て、第3駆動電圧V33は、第1駆動電圧V31より高い電圧であり得る。
エレクトロクロミック素子10200の初期状態が第1着色状態である場合、第1駆動電圧V31がエレクトロクロミック素子10200において充電される。すなわち、エレクトロクロミック素子10200の初期状態が第1着色状態である場合は、第1駆動電圧V31がエレクトロクロミック素子10200に印加される場合と同一であり得る。
エレクトロクロミック素子10200の初期状態が第2着色状態である場合、第2駆動電圧V32が、エレクトロクロミック素子10200に充電される。すなわち、エレクトロクロミック素子10200の初期状態が第2着色状態である場合は、第2駆動電圧V32がエレクトロクロミック素子10200に印加される場合と同一であり得る。
エレクトロクロミック素子10200の状態が第1着色状態から第3着色状態に変更される場合、電圧差は第1電圧差Vd1であり得る。エレクトロクロミック素子10200の第1着色状態における駆動電圧は第1駆動電圧V31であり得て、エレクトロクロミック素子10200の第3着色状態における駆動電圧は第3駆動電圧V33であり得て、第3駆動電圧V33と第1駆動電圧V31との間の差は第1電圧差Vd1であり得る。
エレクトロクロミック素子10200の状態が第2着色状態から第3着色状態に変更される場合、電圧差は第2電圧差Vd2であり得る。エレクトロクロミック素子10200の第2着色状態における駆動電圧は、第2駆動電圧V32であり得て、エレクトロクロミック素子10200の第3着色状態における駆動電圧は、第3駆動電圧V33であり得て、第3駆動電圧V33と第2駆動電圧V32との間の差は第2電圧差Vd2であり得る。
第1電圧差Vd1は第2電圧差Vd2より小さいので、エレクトロクロミック素子10200の状態が第1着色状態から第3着色状態に変更されるときの第1閾値期間t31は、エレクトロクロミック素子10200の状態が第2着色状態から第3着色状態に変更されるときの第2閾値期間t32より短いことがあり得る。
前の状態は制御モジュール10100の記憶ユニット10140に記憶される。すなわち、以前にエレクトロクロミック素子10200へ出力された駆動電圧は、制御モジュール10100の記憶ユニット10140に記憶され得る。駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加されるたびに、制御モジュール10100は、駆動電圧を記憶ユニット10140に記憶し得る。第1着色状態および第2着色状態は、制御モジュール10100の記憶ユニット10140に記憶される。
電圧差に応じた閾値期間は、制御モジュール10100の記憶ユニット10140に記憶される。エレクトロクロミック素子10200の状態が第1着色状態から第3着色状態に変更される場合、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に印加される目標電圧である第3駆動電圧V33と、記憶ユニット10140に記憶される第1駆動電圧V31とを比較し、第1電圧差Vd1を計算し得る。制御モジュール10100は、第1電圧差Vd1に対応する第1閾値期間t31に基づいて、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加するための期間を決定し、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。ここで、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間は、第1閾値期間t31より長いことがあり得る。
エレクトロクロミック素子10200の状態が第2着色状態から第3着色状態に変更される場合、制御モジュール10100は、エレクトロクロミック素子10200に印加される目標値である第3駆動電圧V33と、記憶ユニット10140に記憶される第2駆動電圧V32とを比較し、第2電圧差Vd2を計算し得る。制御モジュール10100は、第2電圧差Vd2に対応する第2閾値期間t32に基づいて、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加するための期間を決定し、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。ここで、駆動電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される期間は、第2閾値期間t32より長いことがあり得る。
図面を参照して、エレクトロクロミック素子10200の状態が低着色状態から高着色状態に変更される場合を上で説明したが、同一の説明は、エレクトロクロミック素子10200の状態が高着色状態から低着色状態に変更される場合にも適用され得る。すなわち、上の説明は、消色プロセスにも印加され得る。閾値期間は、エレクトロクロミック素子10200が消色されるプロセスにおいても、電圧差に起因して変更され得る。
また、印加段階は図34および図35に示され、例として図34および図35を参照して上で詳細に説明されているが、印加段階に対応する特性はまた、維持段階に適用され得る。維持段階において、前の状態は、印加段階において印加される電圧、または、現在の維持段階の前の、前の維持段階において印加される電圧であり得る。閾値期間は、前の状態および現在の状態に基づいて決定され得る。
[1.7 維持電圧]
図36および図37は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置のデューティサイクルに応じた閾値期間を示す図である。
図36および図37を参照して、維持段階におけるデューティサイクルに応じた閾値期間を説明する。
図36は、非印加期間が相対的に短いときの閾値期間を示す図であり、図37は、非印加期間が相対的に長いときの閾値期間を示す図である。
図36を参照すると、実施形態に係る制御モジュール10100は、印加段階および維持段階において、駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。
印加段階は、エレクトロクロミック素子10200が制御モジュール10100によって変色される段階であり得る。印加段階は、エレクトロクロミック素子10200が制御モジュール10100によって目標変色レベルに変色される段階であり得る。印加段階は、初期変色段階および変色レベル変更段階を含み得る。
維持段階は、エレクトロクロミック素子10200の状態を維持するために、維持電圧がエレクトロクロミック素子10200に印加される段階を指す。制御モジュール10100は、維持段階におけるエレクトロクロミック素子10200の状態を維持するために、パルス形式で維持電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。
印加段階において、制御モジュール10100は、第1時点t41まで駆動電圧を印加し得る。制御モジュール10100は、第1時点t41まで、予め定められた区間において、徐々に上昇する駆動電圧を印加し、予め定められたレベルの駆動電圧を印加し得る。印加段階は第1期間w1にわたって維持され得る。
維持段階は、印加期間および非印加期間を含み得る。印加期間は、駆動電圧が印加される期間として定義され得て、非印加期間は、駆動電圧が印加されない期間として定義され得る。維持段階において繰り返し出現する印加期間および非印加期間により、制御モジュール10100は、パルス形式の電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し得る。
印加段階が終了する第1時点t41から、印加期間が開始する第2時点t42までの期間は、第2期間w2として定義され得る。第2期間w2は非印加期間であり得る。非印加期間が終了する第2時点t42から、印加期間が終了する第3時点t43までの期間は、第3期間w3として定義され得る。
印加期間は、印加段階および非印加期間において印加される駆動電圧の大きさによって決定され得る。第3期間w3は、駆動電圧の大きさ、および、第2期間w2によって決定され得る。第3期間w3は、第1期間w1より短いことがあり得る。
印加段階における、駆動電圧の大きさと、印加期間との間の相関を説明する。印加段階における駆動電圧の大きさが、より大きくなるにつれて、非印加期間における状態変化は増加し得る。すなわち、印加段階における駆動電圧の大きさが、より大きくなるにつれて、自然の変色の程度は増加し得る。印加段階における駆動電圧の大きさが、より大きくなるにつれて、エレクトロクロミック素子10200に充電される電圧と、駆動電圧との間の差は増加するので、維持段階における閾値期間は増加し得る。印加期間は閾値期間より長いべきなので、駆動電圧の大きさが、より大きくなるにつれて、印加期間は、より長いことがあり得る。
印加段階において、エレクトロクロミック素子10200の状態が、エレクトロクロミック素子10200が最小透過率を有する状態から、エレクトロクロミック素子10200が最大透過率を有する状態に変更される場合、この場合における維持段階の閾値期間は最大閾値期間であり得る。制御モジュール10100は、最大閾値期間を記憶ユニット10140に記憶し、印加段階における駆動電圧の大きさに関わらず、最大閾値期間にわたって駆動電圧をエレクトロクロミック素子10200に印加し、エレクトロクロミック素子10200の状態を維持し得る。これにより、制御モジュール10100の動作の数を低減する効果がある。
図36および図37を参照して、非印加期間と印加期間との間の相関を説明する。図37における印加段階は、図36における印加段階と同一である。
印加段階が終了する第1時点t41から、印加期間が開始する第4時点t44までの期間は、第4期間w4として定義され得る。第4期間w4は非印加期間であり得る。非印加期間が終了する第4時点t44から、印加期間が終了する第5時点t45までの期間は、第5期間w5として定義され得る。
図36の非印加期間は、図37の非印加期間より短い。すなわち、第2期間w2は、第4期間w4より短い期間である。
非印加期間が、より長くなるにつれて、エレクトロクロミック素子10200の状態変化は増加し得る。すなわち、非印加期間が、より長くなるにつれて、自然の変色の程度は増加し得る。非印加期間が、より長くなるにつれて、エレクトロクロミック素子10200において現在充電される電圧と、駆動電圧との間の差が増加するので、維持段階における閾値期間は増加し得る。印加期間は閾値期間より長いべきなので、非印加期間が、より長くなるにつれて、印加期間が、より長くなることがあり得る。
すなわち、図36の非印加期間は、図37の非印加期間より短いので、電力消費は、図36の印加期間を、図37の印加期間より短くなるように設定することによって低減され得て、エレクトロクロミック素子10200の変色の程度を均一に維持する効果がある。
換言すると、図36の第2期間w2が図37の第4期間w4より短いので、電力消費は、図36の第3期間w3を、図37の第5期間w5より短くなるように設定することによって低減され得て、エレクトロクロミック素子10200の変色の程度を均一に維持する効果がある。
維持段階において、デューティサイクルは、印加期間および非印加期間の和と、印加期間との間の比を指すので、デューティサイクルは、比に対応して維持され得る。しかしながら、印加段階における駆動電圧の大きさが増加するとき、変色の程度を均一に維持するために、デューティサイクルも増加し得る。
第1期間w1は第3期間w3に等しいことがあり得て、または、第1期間w1は、第3期間w3より長いことがあり得る。自然の変色が生じ、かつ、エレクトロクロミック素子10200が初期状態に戻るように、非印加期間である第2期間w2が無限に延長される場合、第1期間w1は第3期間w3に等しいことがあり得る。そうでない場合、第1期間w1は、第3期間w3より長いことがあり得る。この場合、第3期間w3は、電力消費を低減するために、第1期間w1より短くなるよう設定され得る。
以降、電圧をエレクトロクロミック素子に印加することによってエレクトロクロミック素子を駆動するための装置を説明する。
[2.電気活性装置]
エレクトロクロミック素子を駆動するための装置は、エレクトロクロミック素子だけでなく電気活性素子22000を駆動し得る。以降、電気活性素子22000、および、電気活性装置22000を駆動するための装置は、電気活性装置22001として定義される。
電気活性素子22000は、2つの電極、および、2つの電極の間に配置された中間層を含む素子を含み、電力を受け取ることによってアクティブ化または駆動される。エレクトロクロミック素子は電気活性素子22000の例である。
アクティブ化および駆動は、電気活性装置22001の状態の変更を指す。状態は、電気的状態および光学的状態の少なくとも1つを含み得る。
電気活性装置22001は、予め定められた電気的プロセスに従って駆動され得る。
電気的プロセスは、電力の生成、生成された電力の伝達、および、伝達された電力によって引き起こされる状態変化を含み得る。以降、電気活性装置22001を詳細に説明する。
[2.1 電気活性装置の詳細な説明]
図38は、本願の実施形態に係る電気活性装置の素子を示す図である。
図38を参照すると、本願の実施形態に係る電気活性装置20001は、電源ユニット20100および電気活性モジュール20200を含み得る。電気活性モジュール20200は、駆動モジュール21000および電気活性素子22000を含み得る。電気活性装置20001は、図面に示されない他の素子を更に含み得る。しかしながら、図38に示される素子は必須ではなく、図38に示されるものと比較して、より多くの、またはより少ない素子を有する電気活性装置20001も実現され得る。電源ユニット20100は電力を生成し得る。
電気活性モジュール20200は、電源ユニット20100から有効電力を受け取ることにより駆動され得る。
電源ユニット20100は、電気活性モジュール20200を駆動するための電力を生成し得る。電気活性モジュール20200を駆動するための電力は有効電力として定義され得る。
有効電力は、電気活性モジュール20200に伝達され得る。有効電力の伝達については、予め定められた電気コネクタは、電源ユニット20100と電気活性モジュール20200との間に配置され得る。
電源ユニット20100の種類には、i)自身に貯蔵された電力を電気活性モジュール20200に供給されるよう構成される、貯蔵電源ユニット、および、ii)外部から電力を受け取り、受け取った電力を、電気活性モジュール20200によって使用できる種類の電力に変換し、変換された電力を電気活性モジュール20200に伝達するよう構成される変換電源ユニットが含まれ得る。
具体的には、電源ユニット20100は、貯蔵電源ユニット20100の種類である、車両バッテリーであり得る。
電気活性モジュール20200の状態は、有効電力を受け取る電気活性モジュール20200によって変更され得る。電気活性モジュール20200は、駆動モジュール21000および電気活性素子22000を含み得る。
以降、駆動モジュール21000、および、電気活性モジュール20200に含まれる電気活性素子22000を説明する。最初に、駆動モジュール21000の機能を説明する。
駆動モジュール21000は電気活性素子22000を駆動し得る。駆動モジュール21000は電気活性素子22000の状態を変更し得る。駆動モジュール21000は、電源ユニット20100から有効電力を受け取り得る。
駆動モジュール21000は、有効電力に基づいて駆動電力を生成し得る。駆動電力は、電気活性素子22000を駆動するための電力として定義され得る。電気活性素子22000の状態は、駆動電力に起因して変更され得る。
図39は本願の実施形態に係る駆動モジュール21000を示す図である。
図39を参照すると、本願の実施形態に係る駆動モジュール21000は、駆動ユニット21300および電気接続部材21500を含み得る。しかしながら、図39に示される素子は、必須ではなく、図39に示されるものと比較して、より多く、または、より少ない素子を有する駆動モジュール21000も実現され得る。駆動ユニット21300は駆動電力を生成し得る。
電気接続部材21500は、駆動電力を電気活性素子22000に伝達し得る。以降、駆動モジュール21000の素子を詳細に説明する。最初に、駆動ユニット21300を説明する。
本願の実施形態に係る駆動ユニット21300は、有効電力を受け取り、駆動電力を生成し、駆動電力を出力し得る。駆動ユニット21300は、様々な大きさおよび極性の電力を駆動電力として選択し得る。例えば、駆動電力は0Vであり得る。
駆動ユニット21300は、予め定められた電子回路またはチップを含むハードウェアの形態で、または、予め定められたプログラムを含むソフトウェアの形態で実現され得る。駆動ユニット21300は駆動基板21310上で実現され得る。駆動ユニット21300は、予め定められた機能を有する素子を含み得る。
図40は、本願の実施形態に係る駆動ユニット21300を示すブロック図である。
図40を参照すると、駆動ユニット21300は、入力/制御ユニット21301、生成ユニット21303、出力ユニット21305、および、制御ユニット21307を含み得る。しかしながら、図40に示される素子は必須でなく、図40に示されるものと比較して、より多くの、または、より少ない素子を有する駆動ユニット21300も実現され得る。駆動ユニット21300の素子は、駆動ユニット21300の機能に従って分類される素子であり得る。入力/制御ユニット21301は、電源ユニット20100から有効電力を受け取り得る。
入力/制御ユニット21301は、有効電力を内部電力に変換し得る。内部電力は、駆動ユニット21300において使用できる電力として定義され得る。内部電力は、駆動ユニット21300の素子の各々によって使用され得る。内部電力は、駆動ユニット21300の素子の各々に伝達され得る。内部電力は、生成ユニット21303、出力ユニット21305および制御ユニット21307へ伝達され得る。内部電力は、生成ユニット21303、出力ユニット21305、制御ユニット21307において使用され得る。
入力/制御ユニット21301は、有効電力より小さい値を有する内部電力を生成し得る。入力/制御ユニット21301は、有効電力を低下させ得る。内部電力は、有効電力より小さい値を有し得る。有効電力を低下させるべく、予め定められた電圧レベルシフタが入力/制御ユニット21301に配置され得る。
入力/制御ユニット21301は、有効電力より安定した内部電力を生成し得る。入力/制御ユニット21301は、有効電力を安定化し得る。内部電力は、有効電力より安定した電力であり得る。例えば、有効電力は、大きさが変更可能な電力であり得て、内部電力は、大きさが維持される一定電力であり得る。有効電力を安定化するべく、予め定められたレギュレータが入力/制御ユニット21301に配置され得る。レギュレータの種類には、i)受け取った電力を直接調整するよう構成されるリニアレギュレータ、および、ii)受け取った電力に基づいてパルスを生成し、厳密に調整された電圧を出力するべくパルスの量を調節するよう構成されるスイッチングレギュレータが含まれ得る。具体的には、入力/制御ユニット21301は、車両バッテリーから電力出力を受け取り、電力を低下させ、電力を安定化し得る。従って、車両バッテリーからの電力出力は、駆動ユニット21300が使用できる電力に変換され得る。
生成ユニット21303は駆動電力を生成し得る。生成ユニット21303は内部電力を受け取り、駆動電力を生成し得る。
生成ユニット21303は、異なる特性を有する複数の駆動電力を生成し得る。複数の駆動電力の大きさおよび極性の少なくとも1つは異なり得る。生成ユニット21303は駆動電力を出力ユニット21305に透過し得る。
出力ユニット21305は駆動電力を出力し得る。駆動電力は、出力ユニット21305を介して、駆動ユニット21300から出力され得る。
出力ユニット21305は、駆動電力の出力を制御し得る。駆動ユニット21300の出力ユニット21305は、生成ユニット21303から受け取った複数の駆動電力を選択的に出力し得る。出力ユニット21305からの電力出力の特性は、駆動電力の特性と異なり得る。特性は、大きさおよび極性のうち少なくとも1つを含み得る。例えば、出力ユニット21305は、駆動電力を出力しないことがあり得る。出力ユニット21305は、駆動電力を電気接続部材21500へ伝達し得る。
制御ユニット21307は一般に、駆動ユニット21300を制御し得る。制御ユニット21307は、入力/制御ユニット21301、生成ユニット21303および出力ユニット21305を制御し得る。制御ユニット21307は、内部電力の生成を制御し得る。
制御ユニット21307は、駆動電力の生成を制御し得る。制御ユニット21307は、生成ユニット21303に、複数の駆動電力の少なくとも1つを生成させ得る。
制御ユニット21307は、駆動電力の出力を制御し得る。制御ユニット21307は、出力ユニット21305に、駆動電力と異なる特性を有する電力を出力させ得る。
制御ユニット21307は、駆動ユニット21300を制御するための制御信号を生成し得る。制御ユニット21307は、入力/制御ユニット21301、生成ユニット21303、出力ユニット21305を制御するための制御信号を生成し得る。ハードウェアの観点からは、制御ユニット21307は、制御機能を実行するために電気信号を処理する中央処理装置(CPU)チップなどの電子回路の形態で提供され得る。ソフトウェアの観点からは、制御ユニット21307は、制御ユニット21307のハードウェアを駆動するためのプログラムの形態で提供され得る。具体的には、制御ユニット21307はマイクロプロセッサとして提供され得る。駆動ユニット21300は、別個のフィードバックユニットを更に含み得る。
フィードバックユニットは、電気活性素子22000の機能不良を防止し得る。すなわち、フィードバックユニットは、電気活性素子22000が正常状態に維持されるように動作し得る。
フィードバックユニットは、予め定められたフィードバック機構を有し得る。フィードバック機構は、電気活性素子22000の現在の状態を測定し、現在の状態に基づいてエレクトロクロミック素子22200を駆動し得る。例えば、電気活性素子22000の電圧値または電流値がフィードバックユニットに戻され得る。フィードバックユニットは、電圧値または電流値に基づいて電気活性素子22000の現在の状態を測定し得る。フィードバックユニットは、測定された現在の状態を制御ユニット21307へ伝達し得る。フィードバックユニットは、測定された現在の状態に対応するフィードバック信号を生成し、フィードバック信号を制御ユニット21307へ伝達し得る。制御ユニット21307は、フィードバック信号に基づいて、出力ユニット21305を通じて電力出力を変更し得る。制御ユニット21307は、フィードバック信号に基づいて、出力ユニット21305を通じて、電力出力のレベルを変更し、電気活性素子22000を制御して正常状態に維持し得る。
代替的に、フィードバックユニットは、制御ユニット21307とは別個に動作し得る。フィードバックユニットは、電気活性素子22000に接続され、電気活性素子22000の現在の状態に基づいて、電力出力を出力ユニット21305から変更し得て、その結果、電気活性素子22000が正常状態に維持される。
電気活性素子22000の現在の状態が正常状態でない場合、フィードバックユニットは、電気活性素子22000を駆動し得て、その結果、電気活性素子22000は正常状態に達する。フィードバックユニットは、一般に、電気活性素子22000の状態が正常状態であることを可能にする駆動電力を生成するべく、駆動ユニット21300を制御し得る。
駆動モジュール21000に含まれる駆動ユニット21300を上で説明した。以降、駆動モジュール21000に含まれる電気接続部材21500を説明する。
本願の実施形態に係る電気接続部材21500は、駆動ユニット21300および電気活性素子22000に電気的に接続され得る。電気接続部材21500は、駆動ユニット21300から駆動電力を受け取り得る。
電気接続部材21500は、駆動電力を電気活性素子22000へ伝達し得る。電気活性素子22000は、電気接続部材21500によって、駆動電力を受け取り得る。
駆動モジュール21000の素子の機能を上で説明した。以降、電気活性素子22000を説明する。
図41は、本願の実施形態に係る電気活性素子22000を示す図である。
本願の実施形態に係る電気活性素子22000の状態は、駆動電力を受け取る電気活性素子22000によって変更され得る。電気活性素子22000は、駆動モジュール21000の電気接続部材21500から駆動電力を受け取り得る。
図41を参照すると、本願の実施形態に係る電気活性素子22000は、電極層22010および22050、ならびに、中間層22030を含み得る。しかしながら、図41に示される層は必須でなく、図41に示されるものと比較して、より多い、または、より少ない層を有する電気活性素子22000も実現され得る。電極層は、第1電極22010および第2電極22050を含み得る。
第1電極22010および第2電極22050は導電性であり得る。第1電極22010および第2電極22050は導電性材料で形成され得る。上述の駆動電力は、第1電極22010および第2電極22050に印加され得る。
駆動電力は、電圧または電流を含み得る。電圧が第1電極22010および第2電極22050に印加されるとき、第1電極22010および第2電極22050は予め定められた電位を有し得る。電流が第1電極22010よび第2電極22050に印加されるとき、第1電極22010および第2電極22050は、電流に起因して、予め定められた電位を有し得る。
中間層22030は、第1電極22010と第2電極22050との間に配置され得る。
中間層22030は、第1電極22010および第2電極22050に接触し得る。
中間層22030は、状態が変更可能な層である。中間層22030は、第1電極22010および/または第2電極22050において形成される駆動電力に基づいて、状態が変更可能な層である。電極層および中間層22030は、平板の形態で実現され得る。電極層および中間層22030は複数の領域を含み得る。
電気活性モジュール20200に含まれる駆動モジュール21000および電気活性素子22000は、それらの機能に注目して上で説明した。以降、電気活性モジュール20200に含まれる素子の形状、位置関係、接続関係を説明する。
本明細書を通して、フィルム、領域、または、基板などの1つの素子が別の素子に「配置される」、「接続される」、または、「接触する」と言及される場合、素子は、他の素子に直接的に「配置される」、「接続される」、または、「接触する」ものとして解釈され得る、または、更に別の素子が、素子と他の素子との間に存在するものと解釈され得る。同様の素子は、同様の参照番号で示される。ここで使用される、「および/または」という用語は、対応する列挙される品目のうち任意の1つ、または、1または複数の品目のすべての組み合わを含む。
「上部」、「側部」、「下部」などの相対的な用語は、図面に示される1つの素子と別の素子との間の関係を説明するために使用され得る。相対的な用語は、図面に示される方向に加え、素子の異なる方向を含むことを意図するものと理解され得る。例えば、素子が図面においてひっくり返される場合、他の素子の上面に存在するものとして示される素子は、他の素子の底面に配置される。したがって、例として提供される「上部」という用語は、図面における特定の方向に依存し、「下部」および「上部」の両方の方向を含み得る。素子が別の方向である(別の方向を基準にして90°回転する)場合、ここでの相対的な説明は、これに従って解釈され得る。
外側方向は、中心軸から「側部」に向かう方向に対応する方向であり得て、内側方向は、「側部」から中心軸に向かう方向に対応する方向であり得る。
本明細書において、第1および第2などの用語が、様々な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために使用されているが、部材、部品、領域、層および/または部分は、用語によって限定されないことは自明である。
図42は、本願の実施形態に係る電気活性モジュール20200を示す分解斜視図である。
図42を参照すると、駆動モジュール21000は、特定の構造を有する電気活性素子22000上に配置され得る。
電気活性素子22000は、トレンチ構造22100を有し得る。第2電極22050の複数の領域の一部が第1電極22010に向かって露出されるように、トレンチ構造22100は、第1電極22010の部分的領域および中間層22030の部分的領域が除去された構造であり得る。
以降では、電気活性素子22000のトレンチ構造22100を詳細に説明する。
図43は、本願の実施形態に係るトレンチ構造が形成される電気活性素子を示す図である。
図43を参照すると、トレンチ構造22100は、電気活性素子22000の側面に隣接する領域において形成され得る。
トレンチ構造22100は、電気活性素子22000の第1電極22010および中間層22030を通過するように形成され得て、その結果、第2電極22050の部分的領域が露出する。トレンチ構造22100が形成されると、第1電極22010の部分的領域および中間層22030の部分的領域が除去され得る。
トレンチ構造22100は、電気活性素子22000の側面に沿って形成され得る、または、トレンチ構造22100は、電気活性素子22000の側面から離れて形成され得る。
図43(a)に示されるように、電気活性素子22000の側面に沿ってトレンチ構造22100が形成される場合、電気活性素子22000の側面の部分がアブレーション(除去)されるように、トレンチ構造22100が形成され得る。トレンチ構造22100は、第1電極22010の側面の領域、および、中間層22030の側面の領域が除去されるように形成され得る。従って、第1電極22010の部分断面図および中間層22030の部分断面図は外側方向に露出し得る。
上に説明されるように、電気活性素子22000の側面に沿ってトレンチ構造22100が形成される場合、トレンチ構造22100を形成するプロセスを簡略化する効果がある。トレンチ構造22100が電気活性素子22000の側面から離れて形成される場合、プロセスの始点および端点は、トレンチ構造22100がトレンチ構造22100の始点から端点まで形成されるように設計されるべきである。逆に、トレンチ構造22100が電気活性素子22000の側面に沿って形成される場合、プロセスは単に、トレンチ構造22100の始点だけを設定することによって実行され得るので、プロセスを簡略化する効果がある。
また、トレンチ構造22100が電気活性素子22000の側面に沿って形成される場合、電気活性素子22000が利用される領域を最大化する効果がある。側面が除去されないトレンチ構造22100の場合、トレンチ構造22100が形成される領域から外側方向に位置する電気活性素子22000の領域は、電気活性素子22000を駆動できない領域であり得る。逆に、側面がアブレーションされるようにトレンチ構造22100が形成される場合、非駆動領域は電気活性素子22000において形成されない。その結果、側面がアブレーションされないように形成された同一の大きさのトレンチ構造22100と比較して、側面がアブレーションされるように形成されたトレンチ構造22100は、電気活性素子22000が駆動されるより大きい領域を有し得る。従って、電気活性素子22000の側面に沿ってトレンチ構造22100が形成される場合、電気活性素子22000が利用される領域を最大化する効果がある。
トレンチ構造22100が電気活性素子22000の側面から離れて形成される場合、トレンチ構造22100に起因して電気活性素子22000の側面から離れて内側方向に第1電極22010および中間層22030が除去され得る。
上で説明されたように、トレンチ構造22100が側面から離れて形成されるので、本出願は、電気活性素子22000が駆動電力を安定的に受け取ることを可能にする効果を有する。トレンチ構造22100が、側面から離隔していない電気活性素子22000において形成される場合、トレンチ構造に配置される駆動モジュール21000は、開放された側面を通じて電気活性素子22000から分離され得る。逆に、トレンチ構造22100が側面から離れて形成される場合、駆動モジュール21000は、トレンチ構造22100と側面との間の距離だけ残っている電気活性素子22000の領域によって支持され、それに堅く結合され得る。堅く結合された駆動モジュール21000は、電気活性素子22000に駆動電力を安定的に供給し得る。
再度、図43(a)を参照すると、トレンチ構造22100は、側面に隣接する第1電極22010の部分的領域、側面に隣接する中間層22030の部分的領域、および、側面に隣接する第2電極22050の部分的領域を含み得る。トレンチ構造22100は、側面に隣接する、第1電極22010、中間層22030、および、第2電極22050の領域に形成された突出部22130および陥没部22110を有し得る。
陥没部22110は、第1電極22010の部分的領域、および、中間層22030の部分的領域が除去された領域として定義され得る。突出部22130は、隣接する陥没部22110の間に位置する領域として定義され得る。
陥没部22110は第2電極22050の上面が第1電極22010に向かって露出することを可能にし得る。第2電極22050の上面は、陥没部22110を通じて露出され得る。
陥没部22110は、上部から観察された電気活性素子22000の第1電極22010および中間層22030の領域が陥没して見えるようにする。
図43(b)を参照すると、トレンチ構造22100は、接触領域22150およびパッド領域22140を含み得る。
パッド領域22140は、複数の陥没部22110に起因して露出する第2電極22050の部分的領域の領域として定義され得る。接触領域22150は、第1電極22010の突出部22130として定義され得る。接触領域22150は、第1突出部22131として定義され得る。
パッド領域22140の上面は上方向において露出され得る。パッド領域22140の上面は、第1電極22010に向かって露出し得る。
以降、電気活性素子22000に配置される駆動モジュール21000を説明する。
駆動モジュール21000は、電気活性素子22000の領域に配置され得る。駆動モジュール21000は、電気活性素子22000の側面に隣接するように配置され得る。駆動モジュール21000は、電気活性素子22000の外部境界の部分的領域に配置であり得る。
駆動モジュール21000は、電気活性素子22000の部分的領域を覆い得る。駆動モジュール21000は、電気活性素子22000の側面に隣接する上面を覆うように位置し得る。
駆動モジュール21000は、トレンチ構造22100を覆い得る。駆動モジュール21000は、トレンチ構造22100が形成される領域に位置し得る。
電気活性素子22000に配置する駆動モジュール21000は、上述の電気活性素子22000に電気的に接続され得る。
駆動モジュール21000は電気活性素子22000に接触し得る。駆動モジュール21000は、電気活性素子22000の側面に隣接する領域に接触し得る。
駆動モジュール21000は、電気活性素子22000のトレンチ構造22100に接触し得る。駆動モジュール21000は、トレンチ構造22100に含まれる電気活性素子22000の領域に接触し得る。
駆動モジュール21000は、トレンチ構造22100に含まれる接触領域22150およびパッド領域22140に接触し得る。
駆動モジュール21000は、第1電極22010に向かって露出する第2電極22050の領域に接触し得る。駆動モジュール21000は、接触領域22150の上面に接触し得る、駆動モジュール21000は、陥没部22110を介してパッド領域22140に接触し得る。駆動モジュール21000は、パッド領域22140の上面に接触し得る。
電気活性素子22000は、駆動モジュール21000に接触する電気活性素子22000の領域を介して駆動電力を受け取り得る。
電気活性素子22000は、トレンチ構造22100に接触する駆動モジュール21000から駆動電力を受け取り得る。駆動モジュール21000は、駆動電力をトレンチ構造22100に印加し得る。
接触領域22150およびパッド領域22140は駆動電力を受け取り得る。駆動モジュール21000は、接触領域22150およびパッド領域22140を介して電気活性素子22000に駆動電力を伝達し得る。
電気活性装置20001に含まれる電気活性モジュール20200を上で詳細に説明した。
以降、電気活性装置20001の例であるエレクトロクロミック装置を説明する。エレクトロクロミック装置は、電力を受け取ることに起因して光学状態が変化する装置である。
エレクトロクロミック装置が電力を受け取るとき、エレクトロクロミック素子22200は変色し得る。変色は、着色および消色を含み得る。
電力を受け取ったことに起因して、エレクトロクロミック装置の光透過率および吸収率は変更され得る。
エレクトロクロミック装置は、車内の鏡、または、光透過率または光反射率を調節する必要があるスマートウィンドウに使用され得る。
エレクトロクロミック装置は、電気活性モジュール20200の例であるエレクトロクロミックモジュールを含み得る。
以降、エレクトロクロミック装置に含まれるエレクトロクロミックモジュールを詳細に説明する。
本願の実施形態に係るエレクトロクロミックモジュールは、エレクトロクロミック素子22200および駆動モジュール21000を含み得る。
エレクトロクロミックモジュールは、有効電力を電源ユニット20100から受けることによって駆動され得る。エレクトロクロミックモジュールは、電気活性素子22000の例であるエレクトロクロミック素子22200、および、上述の駆動モジュール21000を含み得る。エレクトロクロミックモジュールに含まれるエレクトロクロミック素子22200を最初に説明する。
図44は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200を示す図である。
駆動電力がエレクトロクロミック素子22200に供給されるとき、エレクトロクロミック素子22200の光学的状態が変更され得る。
エレクトロクロミック素子22200の光学的状態は、酸化還元反応に基づいて変更され得る。
予め定められたエレクトロクロミック材料、電子、エレクトロクロミックイオンは、酸化還元反応に関与し得る。エレクトロクロミック素子22200は、エレクトロクロミック材料、電子、エレクトロクロミックイオンを含み得る。
エレクトロクロミック材料は、酸化還元反応に起因して光学特性が変更される材料であり得る。エレクトロクロミックイオンは、酸化還元反応を引き起こすイオンであり得る。電子は、エレクトロクロミックイオンをエレクトロクロミック材料へ移動させ得る。
図44を参照すると、エレクトロクロミック素子22200は、電極層22010、22050および中間層を含み得て、トレンチ構造22100を有し得る。しかしながら、図44に示される層は必須でなく、図44に示されるものと比較して、より多い、または、より少ない層を有するエレクトロクロミック素子22200も実現され得る。電極層は第1電極22010および第2電極22050を含み得る。
中間層22030は第1電極22010と第2電極22050との間に配置され得る。中間層22030は、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032、イオン貯蔵層22033を含み得る。
エレクトロクロミック層22031は、第1電極22010に接触し、電解質層22032に接触し得る。
電解質層22032は、エレクトロクロミック層22031に接触し、イオン貯蔵層22033に接触し得る。
イオン貯蔵層22033は、電解質層22032に接触し、第2電極22050に接触し得る。
エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033は、図44に示された上の順序で形成されることに限定されず、逆の順序で形成され得る。例えば、エレクトロクロミック層22031は、電解質層22032に接触し、第2電極22050に接触し得る。
エレクトロクロミック素子22200の電極層および中間層22030は固体状態にあり得る。
以降、エレクトロクロミック素子22200の電極層および中間層22030を詳細に説明する。
図44を再度参照すると、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200の電極層は、第1電極22010および第2電極22050を含み得る。第1電極22010および/または第2電極22050は、平板形状で提供され得る。
電子は、第1電極22010および/または第2電極22050を介して移動し得る。従って、電力が電極に供給されるにつれて、電流が電極に流れ得て、電位が電極に生成され得る。電極層は予め定められた光学特性を有し得る。
第1電極22010および/または第2電極22050は光を透過し得る。すなわち、電極の各々は、透明電極として実現され得る。例えば、エレクトロクロミック素子22200の第1電極22010が透明電極である場合、第2電極22050も透明電極として実現され得る。従って、エレクトロクロミック素子22200に入射する光は、第1電極22010および/または第2電極22050を通過し得る。上の光学特性を有する電極層を含むエレクトロクロミック素子22200は、スマートウィンドウを実現するために使用され得る。
上で説明されたように電極層が透明電極として実現される場合、少なくとも1つインジウム、スズ、亜鉛および/または酸化物でドープされた金属が、電極を実現するための材料として選択され得る。例えば、ITOまたはZnOが、透明電極を実現するための材料として選択され得る。
代替的に、第1電極22010および第2電極22050の1つは、光を反射可能な材料で形成され得る。すなわち、第1電極22010および第2電極22050の1つは、反射層として実現され得る。エレクトロクロミック素子22200の第1電極22010が透明電極である場合、エレクトロクロミック素子22200に入射する光が第2電極22050によって反射されるように、第2電極22050は、反射層として実現され得る。代替的に、第2電極22050が透明電極として実現される場合、第1電極22010は反射層として実現され得る。従って、エレクトロクロミック素子22200に面して配置される物体は、エレクトロクロミック素子22200を通じて可視であり得る。反射層を含むエレクトロクロミック素子22200は、スマートミラーを実現するために使用され得る。
この場合、第1電極22010は、高反射率を有する金属材料で形成され得る。第1電極22010は、Al、Cu、Mo、Cr、Ti、Au、Ag、Wの少なくとも1つを含み得る。第2電極22050は、透明導電性材料で形成され得る。
本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200は柔軟であるように実現され得る。これに対応して、電極層はまた、柔軟であるように実現され得る。代替的に、エレクトロクロミック素子22200は湾曲を有し得る。これに対応して、電極層も湾曲を有し得る。以降、エレクトロクロミック素子22200の中間層22030を説明する。
本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200の中間層22030は電気的に変色され得る。
図44を再度参照すると、中間層22030は、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032、イオン貯蔵層22033を含み得る。エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033は電気的に変色され得る。
電子は、エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033のうち1つに注入され得て、電子は、電子が注入されない残りの層から放出され得る。電子の伝達に起因して、酸化還元反応がエレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033において引き起こされ得る。
電子の伝達に起因して、エレクトロクロミックイオンは、エレクトロクロミック素子22200において移動し得る。電子はエレクトロクロミック層22031および/またはイオン貯蔵層22033において提供されているので、OH‐などの陰イオン、および、H+およびLi+などの陽イオンを含むエレクトロクロミックイオンが、エレクトロクロミック素子22200に注入され得る、または、それから放出され得る。エレクトロクロミックイオン、エレクトロクロミック層22031および/またはイオン貯蔵層22033が酸化/還元されるにつれて、エレクトロクロミック層22031および/またはイオン貯蔵層22033は変色される。
エレクトロクロミック層22031の光学特性は、酸化還元反応に基づいて変更され得る。
エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033は変色され得る。エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033の光透過率および光吸収性は、変更され得る。
エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033において生じる酸化還元反応は、異なる反応であり得る。
すなわち、エレクトロクロミック層22031が酸化される場合、イオン貯蔵層22033は還元され得て、エレクトロクロミック層22031が還元される場合、イオン貯蔵層22033は酸化され得る。
従って、イオン貯蔵層22033は、エレクトロクロミック層22031の対電極として機能し得る。
互いに対応する状態変化がイオン貯蔵層22033およびエレクトロクロミック層22031において引き起こされ得る。例えば、イオン貯蔵層22033が酸化および着色される場合、エレクトロクロミック層22031は還元および着色され得て、イオン貯蔵層22033が還元および消色される場合、エレクトロクロミック層22031は酸化および消色され得る。
代替的に、エレクトロクロミック層22031におけるエレクトロクロミック反応と反対の反応がイオン貯蔵層22033において生じ得る。例えば、エレクトロクロミック層22031が酸化および着色される場合、イオン貯蔵層22033は還元および消色され得て、エレクトロクロミック層22031が還元および消色される場合、イオン貯蔵層22033は酸化および着色され得る。イオン貯蔵層22033およびエレクトロクロミック層22031において、エレクトロクロミック素子22200の透過率が反対の反応によって調節され得る。
エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033は、電気的変色可能な材料を含み得る。エレクトロクロミック層22031は、TiO、V
2
O
5
、Nb
2
O
5
、Cr
2
O
3
、MnO
2
、FeO
2
、CoO
2
、NiO
2
、RhO
2
、Ta
2
O
5
、IrO
2
、WO
3 のうち少なくとも1つの酸化物を含み得る。イオン貯蔵層22033は、IrO
2
、NiO
2
、MnO
2
、CoO
2
、イリジウム‐マグネシウム酸化物、ニッケル‐マグネシウム酸化物、および/またはチタン‐バナジウム酸化物のうち少なくとも1つの酸化物を含み得る。
電解質層22032は、エレクトロクロミック層22031とイオン貯蔵層22033との間に配置され得る。電解質層22032は、エレクトロクロミック層22031とイオン貯蔵層22033との間のイオンマイグレーション経路であり得る。エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033は、電解質層22032を介してイオンを交換し得る。電解質層22032は、イオン伝達層として機能し、電子伝達をブロックし得る。エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033は、その間のイオン伝導を可能にしながら、互いに絶縁されるように、エレクトロクロミック素子22200に配置され得る。すなわち、電解質層22032は、電解質層22032を跨ぐ電子の伝達を阻止するが、イオンの伝達を許容することがあり得る。
電解質層22032は絶縁材料を含み得る。例えば、電解質層22032は、SiO
2
、Al
2
O
3
、Nb
2
O
3
、Ta
2
O
5
、LiTaO
3
、LiNbO
3
、La
2
TiO
7
、La
2
TiO
7
、SrZrO
3
、ZrO
2
、Y
2
O
3
、Nb
2
O
5
、La
2
Ti
2
O
7
、LaTiO
3
、HfO
2 のうち少なくとも1つを含み得る。
エレクトロクロミック素子22200に含まれる電極層および中間層22030を上で説明した。以降、エレクトロクロミック素子22200において形成されるトレンチ構造22100を説明する。
トレンチ構造22100は、エレクトロクロミック素子22200が駆動電力を受け取ることが可能であるように、エレクトロクロミック素子22200において形成され得る。エレクトロクロミック素子22200の第2電極22050の部分的領域は、トレンチ構造22100に起因して露出され得る。
エレクトロクロミック素子22200は、トレンチ構造22100を介して駆動モジュール21000に電気的に接続され得る。駆動電力は、トレンチ構造22100を介してエレクトロクロミック素子22200に伝達され得る。
駆動電力は、エレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造22100に含まれる第1電極22010および第2電極22050に供給され得る。駆動電力が第1電極22010および第2電極22050に供給されるにつれて、電子は、第1電極22010および第2電極22050に供給され得る。電極に供給される電子は、中間層22030に提供され得る。提供される電子は、エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033において酸化還元反応を引き起こし得る。エレクトロクロミック素子22200は、酸化還元反応に基づいて、電気的に変色され得る。
エレクトロクロミック素子22200に形成されるトレンチ構造22100の形状を詳細に説明する。
図45は、本願の実施形態に係るトレンチ構造が形成エレクトロクロミック素子22200を示す図である。
図46は、本願の実施形態に係るトレンチ構造が形成されるエレクトロクロミック素子を示す図である。以降、図45および図46を参照して説明を提供する。
トレンチ構造22100は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200の側面に隣接する領域において形成され得る。以降、エレクトロクロミック素子22200の側面に沿ってトレンチ構造22100が形成される場合を例として説明する。
図45を参照すると、トレンチ構造22100が形成されるに伴い、エレクトロクロミック素子22200は、複数の突出部22130および陥没部22110を含み得る。トレンチ構造22100は、エレクトロクロミック素子22200の側面に隣接する、第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032、イオン貯蔵層22033、第2電極22050の領域を含み得る。複数の陥没部22110および複数の突出部22130は、エレクトロクロミック素子22200の側面に隣接する、第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032、イオン貯蔵層22033の領域において形成され得る。
陥没部22110は、第1陥没部22111、第2陥没部22113、第3陥没部22115、第4陥没部22117を含み得て、突出部22130は、第1突出部22131、第2突出部22133、第3突出部22135、第4突出部22137を含み得る。
第1電極22010は、第1突出部22131および第1陥没部22111を含み得る、エレクトロクロミック層22031は、第2突出部22133および第2陥没部22113を含み得る。電解質層22032は、第3突出部22135および第3陥没部22115を含み得て、イオン貯蔵層22033は、第4突出部22137および第4陥没部22117を含み得る。
第2電極22050の領域は、陥没部22110を通じて露出され得る。第2電極22050は、陥没部22110を通じて第1電極22010に向かって露出され得る。第2電極22050は、エレクトロクロミック素子22200に配置される駆動モジュール21000に向かって露出され得る。突出部22130は、互いに隣接する陥没部22110の間に配置され得る。トレンチ構造22100は、陥没部22110および突出部22130によって画定され得る。
トレンチ構造22100は、複数のパッド領域22140および複数の接触領域22150を含み得る。
パッド領域22140は、複数の陥没部22110に起因して露出する第2電極22050の領域として定義され得る。パッド領域22140の上面は上方向において露出され得る。パッド領域22140は第1電極22010に向かって露出し得る。
接触領域22150の上面は、上方向において露出し得る。接触領域22150は、第1電極22010の突出部22130として定義され得る。接触領域22150は、第1突出部22131であり得る。陥没部22110および突出部22130は、予め定められた表面を有し得る。
トレンチ構造22100は、複数の陥没面22160、複数の突出面、および、複数の接続面22170を含み得る。
陥没面22160は、陥没部22110を通じてY軸方向に露出するエレクトロクロミック素子22200の側面として定義され得る。
突出面は突出部22130の側面として定義され得る。突出面は、トレンチ構造が形成されないエレクトロクロミック素子の側面と同一面であり得る。突出面は、x軸方向と平行な表面であり得る。
接続面22170は、突出面を陥没面22160に接続する突出部22130の表面であり得る。接続面22170は、パッド領域22140を接触領域22150に接続する表面であり得る。接続面22170は、突出面を陥没面22160に接続する、Y軸に平行な表面であり得る。
複数の陥没面22160、突出面、接続面22170は、トレンチ構造22100の外形を画定し得る。
陥没面22160は、陥没部を通じて外側方向に露出する第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032、イオン貯蔵層22033の領域であり得る。第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032およびイオン貯蔵層22033の断面は、陥没面22160に起因して、外側方向に露出し得る。
突出面は、第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032およびイオン貯蔵層22033の最も外側の側面であり得る。互いに隣接する突出面は、互いに対向するように、互いに向かい合い得る。
接続面22170は、突出面と陥没面22160との間に位置するエレクトロクロミック素子22200の層の各々を露出させ得る。接続面22170は、パッド領域22140に接触し得る。イオン貯蔵層22033の接続面22170は、パッド領域22140に接触し得る。
突出部22130の突出面は、第2電極22050の側面と同一面を有するように位置し得る。第1突出部22131から第4突出部22137の突出面は、第2電極22050の側面と同一面を有し得る。
複数の陥没部22110および複数の突出部22130は、様々な仕様で設計され得る。以降、陥没部22110および突出部22130の大きさを説明する。
図46を参照すると、陥没部および突出部は、予め定められた大きさを有し得る。予め定められた間隔が、陥没部と突出部との間に存在し得る。接続面、陥没面、および、突出面は、予め定められた大きさを有し得る。
接続面は、内側および外側方向において予め定められた長さを有し得る。第1接続面の長さは第1の長さt1を有し得て、第2接続面の長さは第2の長さt2を有し得る。陥没面および突出面は、予め定められた幅を有し得る。
陥没部は、隣接する陥没部から、予め定められた距離dだけ離れるように形成され得る。突出部は、隣接する突出部から予め定められた距離dだけ離れるように形成され得る。
トレンチ構造に含まれる上述の領域の大きさは、実現の目的に従って変更され得る。陥没部および突出部22130の大きさは変更され得る。トレンチ構造の接続面、陥没面および突出面の大きさは変更され得る。
接続面の長さは変更され得る。第1接続面の長さは、第1の長さt1として設定され得て、第2接続面の長さは第2の長さt2として設定され得る。第1の長さおよび第2の長さは、互いに等しくなるよう設定され得て、長さはまた、実現の目的に応じて互いに異なるように設定され得る。
突出部の幅は変更され得る。陥没部の幅は変更され得る。第1の幅w1および第2の幅w2は変更され得る。突出部と陥没部との間の距離dは変更され得る。
エレクトロクロミック素子22200を上で説明した。以降、駆動モジュール21000を説明する。
本願の実施形態に係る駆動モジュール21000は、エレクトロクロミック素子22200を駆動するための駆動電力を生成し、駆動電力をエレクトロクロミック素子22200へ伝達し得る。
駆動モジュール21000は、駆動ユニット21300および電気接続部材21500を含み得る。駆動ユニット21300は駆動電力を生成し得る。
電気接続部材21500は、駆動電力をエレクトロクロミック素子22200へ伝達し得る。
電気接続部材21500は、駆動ユニット21300によって生成される駆動電力をエレクトロクロミック素子22200に伝達し得る。
以降、駆動モジュール21000の素子の各々を説明する。最初に、電気接続部材21500を説明する。
図47は、本願の実施形態に係る電気接続部材を示す図である。
本願の実施形態に係るエレクトロクロミックモジュールに含まれる電気接続部材21500は、導電性領域を含み得る。
電気接続部材21500は、一方向で導電性を有し他方向で絶縁性を有する導体21530であり得る。すなわち、電気接続部材21500は、異方性導電フィルム(ACF)の一種であり得る。
図47を参照すると、本願の実施形態に係る電気接続部材21500は、ベース21510および複数の導体21530を含み得る。しかしながら、図47に示される素子は必須でなく、図35に示されるものと比較して、より多くの、または、より少ない素子を有する電気接続部材21500も実現され得る。導体21530は導電性であり得る。
ベース21510は、電気接続部材21500の外形を画定し得て、導体21530は、ベース21510に含まれ得る。
以降、電気接続部材21500の構成を詳細に記載する。
導体21530は導電性であり得る。駆動電力は、導体21530を介してエレクトロクロミック素子22200に伝達され得る。
導体21530は、一方向で電気的絶縁特性を有し、他方向で電気的導電特性を有し得る。導体21530は、第1方向で導電性を有し、第2方向で絶縁性を有し得る。第2方向は、第1方向以外の方向であり得る。例えば、第2方向は、第1方向に垂直な方向であり得る。第1方向は、外力が印加される方向であり得る。
導体21530は、表面21531および内部21532を含み得る。表面21531および内部21532は、異なる材料で実現され得る。図35において、導体は同一の大きさを有するものとして示されるが、これは単に例であり、導体は、異なる大きさも有し得る。
導体21530は、表面21531および内部21532を形成する材料に従って分類され得る。
導体21530の種類は、i)導電性を有する導電性表面21541と、絶縁特性を有する絶縁性内部21542とを有する導電性被覆導体21540と、ii)絶縁面21546および導電性内部21547を有する絶縁被覆導体21545とを含み得る。
導電性被覆導体21540の導電性表面21541は、導電性材料で形成される表面21531であり得て、絶縁性内部21542は、絶縁材料で形成される内部21532であり得る。絶縁被覆導体21545の絶縁面21546は、絶縁材料で形成される表面21531であり得て、導電性内部21547は、導電性材料で形成される内部21532であり得る。
導電性材料は、金、銀、ニッケル、銅などの材料であり得て、絶縁材料は、絶縁性有機ポリマーなどの材料であり得る。
図47に示されるように、導体21530の形状は、球状であり得るが、導体21530の形状はそれに限定されない。導体21530の大きさは、実現の目的に応じて、適切に調節され得る。ベース21510は、電気活性素子22000および駆動ユニット21300に接触し得る。
ベース21510は、電気接続部材21500の外形を画定し得る。ベース21510は、フィラーの一種であり得る。
ベース21510は、フィルム、または、外形が変形され得る予め定められたゲルの形態で実現され得る。以降、ベース21510がフィルムであると仮定して説明を提供する。すなわち、電気接続部材21500は、フィルムで実現され得る。ベース21510の外形は、外力に起因して変更され得る。すなわち、ベース21510のボリュームは、外力に起因して圧縮され得る。
複数の導体21530は、ベース21510においてランダムに配置され得る。代替的に、複数の導体21530は、ベース21510において、均一に配置され得る。
導体21530が駆動ユニット21300および電気活性素子22000との予め定められた位置関係を維持することができるように、ベース21510は、導体21530の位置に固定され得る。
ベース21510は接着性であり得る。ベース21510は、駆動ユニット21300およびエレクトロクロミック素子22200に接着し得る。ベース21510の底面は、エレクトロクロミック素子22200の底面に付着し得て、ベース21510の上面は、駆動ユニット21300の底面に付着し得る。
別個の接着材料が、ベース21510の少なくとも部分的領域に塗布され得る。接着材料は、ベース21510の上面および底面に塗布され得る。ベース21510の上面は、ベース21510の上面に塗布された接着材料によって、駆動ユニット21300の底面に接着され得る。ベース21510の底面は、ベース21510の底面に塗布された接着材料によって、エレクトロクロミック素子22200の上面に接着され得る。
ベース21510が駆動ユニット21300およびエレクトロクロミック素子22200に接着されることにより、ベース21510における導体21530のうち少なくとも一部と、駆動ユニット21300との間の電気接続関係が維持され得る。ベース21510における導体21530の少なくとも一部と、エレクトロクロミック層22031との間の電気接続関係も維持され得る。エレクトロクロミックモジュールの電気的安定性は、ベース21510の接着性によって改善され得る。
同時に、ベース21510は絶縁特性を有し得る。ベース21510は、導体21530が含まれる領域以外の領域において絶縁特性を有し得る。
すなわち、ベース21510は、駆動ユニット21300、電気活性素子22000、および、導体21530がベース21510に接触することを可能にしながら、導体21530を含む領域以外の領域を電気的に絶縁し得て、それにより、電気接続部材21500の異方性特性を改善する。
以降、電気接続部材21500の導電性および絶縁特性を詳細に説明する。
図48は、本願の実施形態に係る導電性および絶縁特性を有する異方性導体を示す図である。
外力によって導電性が電気接続部材21500に付与され得る。導体21530は、外力に起因して一方向で導電性を有し得る。外力は圧力であり得る。
同時に、電気接続部材21500は、電気接続部材21500が導電性を有する方向と異なる方向で絶縁性を有し得る。
電気接続部材21500は、外力を受けることにより、導電性を有し得る。ベース21510の外形は、外力に起因して変更され得る。すなわち、ベース21510は圧縮され得る。ベース21510における導体21530の密度は、ベース21510の変形に起因して変更され得る。
図48(a)を参照すると、導体21530が導電性被覆導体21540である場合、電気接続部材21500は、一方向で外力を受け、導電性および絶縁特性を有し得る。電気接続部材21500は、第1方向に対応する方向で導電性を有し得る。電気接続部材21500は、第1方向と異なる第2方向で絶縁特性を有し得る。
第1方向に対応する方向の外力が電気接続部材21500に印加されるに伴い、導電性被覆導体21540は、互いに接触し得る。ベース21510の形状が変更するに伴い、ベース21510に含まれる導電性被覆導体21540は、互いに接触し得る。しかしながら、互いに接触しない導電性被覆導体21540は、まだ存在し得る。
外力に起因して導電性被覆導体21540が互いに接触するに伴い、駆動電力は、互いに接触する導電性被覆導体21540の導電性表面21541に沿って伝達され得る。すなわち、導電路Cは、導電性表面21541に沿って形成され得る。導電路Cは、複数の導体21530が互いに接触し、互いに接触する複数の導体21530が第1電極22010および第2電極22050に接触するに伴い形成される導電路Cであり得る。導電路Cは、一方向に対応する方向で形成され得る。
電気接続部材21500は、一方向と異なる方向で絶縁され得る。ベース21510は、互いに接触することなく、互いに隣接する導電性被覆導体21540の間に存在し得る。互いに接触することなく、互いに隣接する導電性被覆導体21540は、ベース21510に起因して互いに絶縁され得る。
図48(b)に示されるように、導体21530が絶縁被覆導体21545である場合、電気接続部材21500は、外力が印加される方向に対応する方向において、導電性を有し得る。導電性内部21547は、互いに離隔した絶縁被覆導体21545の絶縁面21546を通じて露出され得る。同時に、絶縁被覆導体21545は、互いに接触し得る。絶縁被覆導体21545の露出した導電性内部21547は互いに接触し得る。導電路Cは、互いに接触する絶縁被覆導体21545の導電性内部21547に沿って形成され得る。駆動電力は、互いに接触する導電性内部21547に沿って伝達され得る。導電路Cは、外力が印加される方向に対応する方向に形成され得る。
電気接続部材21500は、第1方向と異なる第2方向において、絶縁性を有し得る。互いに隣接する絶縁被覆導体21545は、絶縁面21546の絶縁材料に起因して、互いに絶縁し得る。
説明を容易にするべく、以下の実施形態では、電気接続部材21500に含まれる導体21530が絶縁被覆導体21545であると仮定して説明する。
エレクトロクロミックモジュールの駆動モジュール21000に含まれる電気接続部材21500を上で説明した。以降、駆動ユニット21300および駆動基板21310を説明する。
図49は、本願の実施形態に係る電気接続部材および駆動基板を示す図である。以降、図49を参照して説明を提供する。
本願の実施形態に係る駆動ユニット21300は、駆動電力を生成し得る。駆動電力は、エレクトロクロミック素子22200に伝達され得る。駆動ユニット21300は、駆動電力を電気接続部材21500に印加し得て、電気接続部材21500は、駆動電力をエレクトロクロミック素子22200に伝達し得る。
エレクトロクロミックモジュールに含まれる駆動ユニット21300は、予め定められた駆動基板21310上に配置され得る。駆動ユニット21300は駆動基板21310上で実現され得る。
複数の接続部材21330は駆動基板21310に配置され得る。接続部材21330は、駆動ユニット21300をエレクトロクロミック素子22200に電気的に接続し得る。接続部材21330は、駆動電力をエレクトロクロミック素子22200に出力し得る。接続部材330は、駆動ユニット21300から駆動電力を受け取り得る。接続部材21330は、駆動電力を出力ユニット21305から受け取り得る。
複数の接続部材21330から出力される駆動電力の特性は、接続部材の各々について、異なり得る。第1駆動電力は、第1接続部材21331を通じて出力され得て、第2駆動電力は、第2接続部材21333を通じて出力され得る。接続部材21330を通じた駆動電力の出力は、駆動ユニット21300によって制御され得る。代替的に、接続部材21330の異なる電気特性に起因して、接続部材21330の各々からの駆動電力の出力は異なり得る。すなわち、第1接続部材21331の抵抗および第2接続部材21333の抵抗は互いに異なり得る。従って、第1接続部材21331を通じて出力される第1駆動電力は、第1電圧で制御され得て、第2接続部材21333を通じて出力される第2駆動電力は第2電圧で制御され得る。複数の接続部材21330は、互いに離れて形成され得る。
複数の接続部材21330は、駆動基板21310の底面で形成され、駆動ユニット21300に接続され得る。代替的に、複数の接続部材21330は、駆動基板21310の上面を介して駆動ユニット21300に接続され得る。この場合、複数の接続部材21330はまた、駆動基板21310を通るビアホールを通じて、駆動基板21310の上面に形成され得る。
接続部材21330は導電性材料で実現され得る。例えば、接続部材21330は銅などの金属材料で実現され得る。
エレクトロクロミックモジュールの駆動モジュール21000の構成の各々を上で説明した。以降、電気接続部材21500と駆動ユニット21300との間の電気接続関係を説明する。
本願の実施形態に係る電気接続部材21500および駆動基板21310は電気的に互いに接続され得る。電気接続部材21500は、駆動基板21310の接続部材21330に電気的に接続され得る。
駆動基板21310は電気接続部材21500お上面に配置され得る。
図49(a)を参照すると、駆動基板21310は、電気接続部材21500の上面を覆い得る。駆動基板21310はベース21510の上面を完全に覆い得る。
図49(b)を参照すると、接続部材21330は、ベース21510の上面に接触し得る。
ベース21510は複数の領域を含み得る。ベース21510は第1ベース領域21511および第2ベース領域21512を含み得る。駆動基板21310は、複数の接続部材21330を含み得る。接続部材21330は、第1接続部材21331および第2接続部材21333を含み得る。第1ベース領域21511は、第1接続部材21331に接触し得て、第2ベース領域21512は、第2接続部材21333に接触し得る。
複数の接続部材21330はベース領域の各々に位置し得る。電気接続部材21500に配置される接続部材21330の数は、その領域の各々について調節され得る。複数の第1接続部材21331は、第1ベース領域21511に接触し得て、複数の第2接続部材21333は、第2ベース領域21512に接触し得る。第1ベース領域21511に配置された第1接続部材21331の数、および、第2ベース領域21512に配置された第2接続部材21333の数は、互いに異なり得る。
ベース21510に含まれる絶縁被覆導体21545は、駆動ユニット21300に電気的に接続され得る。絶縁被覆導体21545は第1絶縁被覆導体21533および第2絶縁被覆導体21534を含み得る。第1絶縁被覆導体21533は第1接続部材21331に接触し得て、第2絶縁被覆導体21534は第2接続部材21333に接触し得る。
絶縁被覆導体21545が駆動基板の接続部材に接触するように、予め定められた外力は電気接続部材21500に提供され得る。
駆動ユニット21300は、駆動電力を電気接続部材21500に伝達し得る。駆動ユニット21300は、駆動基板21310の接続部材21330を介して、駆動電力を電気接続部材21500の伝達領域に印加し得る。駆動電力は第1駆動電力および第2駆動電力を含み得る。
駆動ユニットは、電気接続部材21500の領域の各々について、駆動電力をエレクトロクロミック素子22200に印加し得る。駆動ユニットは、第1ベース領域21511を通じて、第1駆動電力をエレクトロクロミック素子22200に伝達し、第2ベース領域21512を通じて第2駆動電力をエレクトロクロミック素子22200に伝達し得る。
駆動電力は、電気接続部材21500を介してエレクトロクロミック素子22200に伝達され得る。駆動電力がエレクトロクロミック素子22200に印加されるように、駆動モジュール21000およびエレクトロクロミック素子22200は、電気的に接続され得る。
駆動モジュール21000の構成間の接続関係を上で説明した。
以降、エレクトロクロミック素子22200間の接続関係、および、上で説明した駆動モジュール21000の構成の各々を説明する。
図50は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミックモジュールを示す図である。
図51は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子、電気接続部材、および、駆動基板を示す側面図である。以降、図50および図51を参照して説明を提供する。
本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200、および、上述の駆動モジュール21000は、互いに電気的に接続され得る。エレクトロクロミック素子22200および駆動モジュール21000は導電路を有し得る。駆動モジュール21000は、エレクトロクロミック素子22200に隣接して配置され得る。
図50を参照すると、上述の駆動モジュール21000はエレクトロクロミック素子22200に配置され得る。駆動モジュール21000は、エレクトロクロミック素子22200の側面隣接する上部領域に配置され得る。駆動モジュール21000は、エレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造22100に配置され得る。駆動モジュール21000は、トレンチ構造22100に含まれる領域に隣接して配置され得る。駆動モジュール21000はトレンチ構造22100の上面に配置され得る。
駆動モジュール21000は、電気接続部材21500および駆動基板21310を含み得る。電気接続部材21500はエレクトロクロミック素子22200に接触し得て、駆動基板21310は電気接続部材に接触し得る。電気接続部材21500はエレクトロクロミック素子22200と駆動基板21310との間に配置され得る。駆動基板21310は電気接続部材21500の上面に配置され得る。
駆動モジュール21000の電気接続部材21500はエレクトロクロミック素子22200に接触し得る。
電気接続部材21500はエレクトロクロミック素子22200の第1電極22010および第2電極22050に接続され得る。電気接続部材21500は、トレンチ構造22100における第1電極22010の領域および第2電極22050の領域に接続され得る。駆動モジュール21000は、トレンチ構造22100の陥没部22110および突出部22130に接触し得る。駆動モジュール21000は、第1電極22010の接触領域22150および第2電極22050のパッド領域22140に接触し得る。
図51を参照すると、電気接続部材21500のベース21510は、エレクトロクロミック素子22200の上面に配置され得る。電気接続部材21500のベース21510は、エレクトロクロミック素子22200の第1電極22010および第2電極22050に接触するように配置され得る。ベース21510はトレンチ構造22100に配置され得る。ベース21510は、トレンチ構造22100に含まれる、第1電極22010の接触領域22150、および、第2電極22050のパッド領域22140に接触し得る。
ベース21510はトレンチ構造22100の陥没部に挿入され得る。陥没部に挿入されたベース21510は、エレクトロクロミック素子22200の領域の各々に接触し得る。
ベース21510は陥没部に挿入され得る。挿入されたベース21510は、エレクトロクロミック素子22200の領域の各々に接触し得る。
ベース21510は、トレンチ構造22100に起因して露出したエレクトロクロミック素子22200の層の各々に接触し得る。
ベース21510は、互いに向かい合うエレクトロクロミック素子22200の層の領域に接触し得る。ベース21510は接続面22170に接触し得る。ベース21510は互いに隣接する接続面22170の間に位置し得る。
ベース21510は、上方向に露出した第2電極22050に接触し得る。ベース21510は、第1電極22010に向かって露出する上面を有する第2電極22050に接触し得る。ベース21510はパッド領域22140に接触し得る。
ベース21510の側面はエレクトロクロミック素子22200の側面と同一面であり得る。
代替的に、ベース21510は、エレクトロクロミック素子22200の外側方向に突出し得る。
エレクトロクロミック素子22200および駆動モジュール21000が互いに接触するように、予め定められた外力がエレクトロクロミック素子22200および駆動モジュール21000に印加され得る。エレクトロクロミック素子22200および電気接続部材21500は、外力に起因して互いに接触し得る。電気接続部材21500のベース21510は、外力に起因してエレクトロクロミック素子22200に接触し得る。ベース21510の外形は変形され得て、ベース21510はエレクトロクロミック素子22200に接触し得る。
ベース21510の外形が変形するに伴い、陥没部22110に挿入されるベース21510は、エレクトロクロミック素子22200の外側方向に部分的に突出し得る。ベース21510がエレクトロクロミック素子22200の外側方向に突出するに伴い、駆動基板21310との電気接続の信頼性を改善するという効果がある。ベース21510が突出しない場合と比較すると、駆動基板21310に接触する、突出するベース21510の領域は広がり得る。駆動基板21310に接触するベース21510の領域が広がるに伴い、駆動電力を受け取るベース21510の領域が広がり得る。駆動電力を受け取るベース21510の領域が広がるにつれて、接触抵抗を減少させ、電圧歪みを低減し、電力消費を減少させるという効果がある。
ベース21510の接着性に起因して、接触面積が広がるに伴い、駆動基板21310は、ベース21510に堅く接着され得る。駆動基板21310がベース21510に堅く接着されるに伴い、ベース21510は、駆動電力を安定的に受け取り得る。従って、本出願は、電気接続の信頼性を改善し得る。
電気接続部材21500の絶縁被覆導体21545は、エレクトロクロミック素子22200に接触し得る。ベース21510に含まれる絶縁被覆導体21545は、エレクトロクロミック素子22200に接触し得る。
複数の絶縁被覆導体21545絶縁被覆導体21545の一部は、トレンチ構造における電極層に接触し得る。複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は、トレンチ構造22100に位置する第1電極22010または第2電極22050に接触し得る。複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は、パッド領域22140または接触領域22150に接触し得る。
絶縁被覆導体21545の一部は、第1電極22010または第2電極22050に接触する導電性内部21547を有し得る。絶縁被覆導体21545の一部は、パッド領域または接触領域に接触する導電性内部21547を有し得る。絶縁被覆導体21545の一部は、第1電極22010または第2電極22050に接触して露出した導電性内部21547を有し得る。
複数の絶縁被覆導体21545は、第1接続部材21331と接触領域22150との間に位置し得る。複数の絶縁被覆導体21545は、少なくとも1つの導電路を形成し得る。第1接続部材21331および接触領域22150は導電路によって電気的に接続され得る。駆動ユニット21300の駆動電圧は、第1接続部材21331、導電路および接触領域22150を介してエレクトロクロミック素子22200に印加され得る。
導電路は、互いに接触する複数の絶縁被覆導体21545の導電性内部21547によって形成され得る。導電路は、互いに接触する第1電極22010または第2電極22050に接触する絶縁被覆導体21545の導電性内部21547によって形成され得る。導電路は、互いに接触する絶縁被覆導体21545の露出した導電性内部21547によって形成され得る。
第1接続部材と接触領域との間に位置する複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は導電路を形成しないことがあり得る。
ベースおよび少なくとも1つの絶縁被覆導体は、エレクトロクロミック素子22200に含まれる層の各々の陥没部に位置し得る。
複数の絶縁被覆導体21545は、第2接続部材21333とパッド領域22140との間に位置し得る。絶縁被覆導体21545の一部は、少なくとも1つの導電路を形成し得る。第2接続部材21333およびパッド領域22140は、導電路によって電気的に接続され得る。駆動ユニット21300の駆動電圧は、第2接続部材21333、導電路、パッド領域22140を介してエレクトロクロミック素子22200に印加され得る。
異なる導電路は互い電気的に絶縁され得る。導電路の間に存在する絶縁被覆導体21545は、導電路を形成しないことがあり得る。複数の絶縁被覆導体21545が互いに接触する場合でも、複数の絶縁被覆導体21545は、導電路を形成しないことがあり得る。異なる絶縁被覆導体21545が互いに接触する場合でも、絶縁被覆導体21545は、互いに電気的に絶縁され得る。パッド領域22140または接触領域22150に電気的に接続されない絶縁被覆導体21545は、絶縁被覆導体21545が互いに接触する場合でも、導電路を形成することができない。
ベース21510は、導電路の間を絶縁し得る。ベース21510は、互いに隣接する導電路の間に導電路を形成できない。ベース21510は、導電路を形成する複数の絶縁被覆導体21545と、導電路を形成しない絶縁被覆導体21545との間に配置され得る。
異なる導電路は、絶縁被覆導体21545の絶縁面21546によって互いに絶縁され得る。絶縁被覆導体21545の絶縁面21546は、異なる導電路の間に位置し得る。
絶縁被覆導体21545は、トレンチ構造の中間層22030に接触し得る。ベース21510が陥没部22110に挿入されるに伴い、絶縁被覆導体21545の一部がエレクトロクロミック層22031、電解質層22032およびイオン貯蔵層22033に接触し得る。絶縁被覆導体21545の一部は、陥没面または接続面22170に接触し得る。絶縁被覆導体21545の絶縁面21546は、陥没面または接続面22170に接触し得る。
電気接続部材21500とエレクトロクロミック素子22200との間の接続を上で説明した。以降、電気接続部材21500と駆動基板21310との間の接続を説明する。
駆動基板21310の接続部材21330は、電気接続部材21500の上面に接触し得る。
駆動基板21310の接続部材21330は、ベース21510またはトレンチ構造22100の領域に対応して形成され得る。接続部材21330は、接触領域22150またはパッド領域22140に対応して形成され得る。接続部材21330は、接触領域22150またはパッド領域22140に対応する位置に配置され得る。接続部材21330は、接触領域22150またはパッド領域22140に面するように配置され得る。
駆動基板21310の接続部材21330は、ベース21510に含まれる絶縁被覆導体21545に接触し得る。
複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は、駆動電力が出力される駆動基板21310の接続部材21330に接触し得る。絶縁被覆導体21545の導電性内部21547は、接続部材に接触し得る。
複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は第1接続部材21331に接触し得る、または、複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は、第2接続部材21333に接触し得る。
エレクトロクロミック素子22200は、エレクトロクロミック素子22200、電気接続部材21500および駆動基板21310の間の上述の接触に起因して駆動ユニット21300に電気的に接続され得る。
導電路が、エレクトロクロミック素子22200と駆動基板21310の接続部材21330との間に形成され得る。導電路は、駆動基板21310とエレクトロクロミック素子22200との間に配置された絶縁被覆導体21545によって形成され得る。導電路は、駆動基板21310の接続部材21330およびエレクトロクロミック素子22200に接触する絶縁被覆導体21545によって形成され得る。互いに接触する複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は第1接続部材21331およびパッド領域22140に接触し、導電路は第1接続部材21331とパッド領域22140との間に形成され得る。互いに接触する複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は第2接続部材21333および接触領域22150に接触し、導電路は、第2接続部材21333と接触領域22150との間に形成され得る。
駆動基板21310とエレクトロクロミック素子22200との間に配置される絶縁被覆導体21545は導電路を形成し得る。導電路は、駆動基板21310の接続部材21330およびエレクトロクロミック素子22200に接触する絶縁被覆導体21545によって形成され得る。
エレクトロクロミック素子22200、電気接続部材21500および駆動基板21310の間の電気接続によって、駆動電力がエレクトロクロミック素子22200に伝達され得る。
駆動基板21310において生成される駆動電力は電気接続部材21500およびエレクトロクロミック素子22200に伝達され得る。駆動電力は、駆動基板21310の接続部材21330を通じて出力され得る。駆動基板21310からの駆動電力は複数の絶縁被覆導体21545に印加され得る。複数の絶縁被覆導体21545は、駆動電力をエレクトロクロミック素子22200に伝達し得る。複数の絶縁被覆導体21545は、互いに接触する導電性内部21547を介して、駆動電力をエレクトロクロミック素子22200に印加し得る。
絶縁被覆導体21545の一部は、接続部材21330に接触する導電性内部21547を介して、駆動電力を受け取り得る。絶縁被覆導体21545の一部は、電極層に接触する導電性内部21547を介して、エレクトロクロミック素子に駆動電力を伝達し得る。絶縁被覆導体21545の一部は、パッド領域22140または接触領域22150に接触する導電性内部21547を介して、エレクトロクロミック素子に駆動電力を伝達し得る。
絶縁被覆導体21545は、絶縁面21546を介して駆動電力を伝達できない。絶縁面21546は、駆動電力がエレクトロクロミック素子22200へ伝達されることを防止し得る。エレクトロクロミック素子22200に接触する絶縁面21546は、駆動電力をエレクトロクロミック素子へ伝達しないことがあり得る。
複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部の絶縁面21546は、エレクトロクロミック素子22200に接触し得る。絶縁面21546は、接続面22170または陥没面に接触し得る。
複数の絶縁被覆導体21545の絶縁被覆導体21545の一部は、互いに接触する絶縁面21546を有し得る。
エレクトロクロミック素子22200が駆動モジュール21000から駆動電力を受け取る場合、エレクトロクロミック素子22000の光学的状態は変更され得る。
駆動電力は、エレクトロクロミック素子22200の領域の各々に印加され得る。第1駆動電力は、第1接続部材21331に接続される複数の第1絶縁被覆導体21533に印加され得て、第1駆動電力は、第1電極22010の接触領域22150へ伝達され得る。第2駆動電力は、第2接続部材21333に接続された複数の第2絶縁被覆導体21534に印加され得て、第2駆動電力は、第2電極22050のパッド領域22140へ伝達され得る。
エレクトロクロミック素子22200の光学的状態は、駆動電圧に基づいて変更され得る。エレクトロクロミック素子22200に含まれるエレクトロクロミックイオンは、駆動電圧に起因して移動し得る。エレクトロクロミックイオンのマイグレーションに起因して、エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033において酸化還元反応が生じ得る。酸化還元反応に起因して、エレクトロクロミック素子22200の光透過率および光吸収性は変更され得る。
第1電極22010に印加される第1駆動電力、および、第2電極22050に印加される第2駆動電力のうち少なくとも1つとして、基準電圧である接地電圧が選択され得る。エレクトロクロミック素子22200において形成される電位は、接地電圧を基準として測定され得る。
上で説明したように、電気接続部材21500は、予め定められた圧力を受け、エレクトロクロミック素子22200に配置され得る。圧力に起因して、電気接続部材21500は、予め定められた形状を有し得る。従って、電気接続部材21500に含まれる絶縁被覆導体21545の配置は変更され得る。以降、電気接続部材21500の予め定められた形状を説明する。
異方性導電性フィルム(ACF)の上面は湾曲形状を有し得る。湾曲形状はトレンチ構造に対応し得る。湾曲形状は、トレンチ構造の突出部および陥没部の形状に対応し得る。結果として、湾曲形状は、接触領域22150およびパッド領域22140に対応し得る。
駆動ユニット21300によって生成される駆動電力、および、エレクトロクロミック素子22200に印加される駆動電力の特性は異なり得る。すなわち、駆動電力がエレクトロクロミック素子22200に伝達されるプロセス中に、予め定められた変更が、駆動ユニット21300によって生成された駆動電力において生じ得る。例えば、駆動電力の大きさが、電圧低下現象に起因して低下し得る。
上述のエレクトロクロミック素子22200のエレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033が積層される順序は逆になり得る。従って、エレクトロクロミック層22031およびイオン貯蔵層22033に関連する説明は逆になり得る。例えば、イオン貯蔵層22033が第2電極22050に接触する一方で、エレクトロクロミック層22031が第1電極22010に接触することを上で説明したが、積層順序が逆になる場合、エレクトロクロミック層22031は第2電極22050に接触し得て、イオン貯蔵層22033は第1電極22010に接触し得る。
駆動電力がエレクトロクロミック素子22200の接触領域22150およびパッド領域22140に伝達されることを上で説明したが、駆動電力はまた、パッド領域22140または接触領域22150でない第1電極22010の領域に伝達され得る。接触領域22150でない第1電極22010の領域は、トレンチ構造22100から内方向に位置する第1電極22010の領域であり得る。
エレクトロクロミックモジュールの素子、および、素子間の接続を上で説明した。以降では、電気活性装置20001を製造するためのプロセスを説明する。
電気活性装置20001がエレクトロクロミック装置である場合を例として説明する。
図52は、本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置のプロセス順序を示すフローチャートである。
図52を参照すると、プロセスの段階は、エレクトロクロミック素子の製造(S21510)、レーザ処理(S21520)、駆動モジュールの配置(S21530)、圧縮/加熱(S21540)、および、パッケージング(S21550)を含み得る。段階S21510からS21550のすべてが実行され得るが、段階S21510からS21550のすべてが毎回実行される必要はなく、段階S21510からS21550の一部は省略され得る。
エレクトロクロミック素子(S21510)の製造において、エレクトロクロミック素子22200が形成され得る。この段階において、エレクトロクロミック素子22200を構成する第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032、イオン貯蔵層22033および第2電極22050は、実現されるべき仕様および実現の目的に基づいて、予め定められたスパッタリングプロセスによって形成され得る。
エレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造22100を形成するべく、予め定められたプロセスが実行され得る。トレンチ構造22100を形成するべく、エレクトロクロミック素子22200の第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032およびイオン貯蔵層22033のアブレーションのプロセスが実行され得る。エレクトロクロミック素子22200の第2電極22050の上面を露出することを可能にするプロセスが実行され得る。トレンチ構造22100を形成するプロセスはアブレーションプロセスと呼ばれ得る。アブレーションプロセスは、i)エレクトロクロミック素子22200に直接接触するツールを使用してエレクトロクロミック素子22200の層の各々が除去される接触プロセスと、ii)エレクトロクロミック素子22200と接触するツールを使用することなく、層の各々が除去される非接触プロセスとを含み得る。
以降、上のアブレーションプロセスの非接触プロセスの例であるレーザ処理(S21520)を説明する。
レーザ処理(S21520)は、実現の目的に従って設計された陥没部の大きさ、形状、および、開口間隔に基づいて実行され得る。
レーザ処理(S21520)は、レーザを使用して、エレクトロクロミック素子22200の領域が加熱および融解され、エレクトロクロミック素子22200から加熱/融解領域を除去するために高圧ガスを使用して加熱/融解領域を吹き付けるプロセスであり得る。
第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032およびイオン貯蔵層22033を除去するべく、エレクトロクロミック素子22200の第2電極22050の上面が露出されるように、レーザは、第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032およびイオン貯蔵層22033を加熱および融解し得る。
駆動モジュールの配置(S21530)において、エレクトロクロミック素子22200を駆動するための駆動モジュール21000はエレクトロクロミック素子22200に配置され得る。トレンチ構造22100が形成されるエレクトロクロミック素子22200の領域を介して、制御信号がエレクトロクロミック素子22200へ伝達され得るように、駆動モジュール21000は、エレクトロクロミック素子22200に配置され得る。
駆動モジュール21000に含まれる電気接続部材21500は、エレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造に配置され得る。
駆動ユニット21300が実現される駆動基板21310は、エレクトロクロミック素子22200の周囲に配置され得る。上で説明したように、エレクトロクロミック装置がエレクトロクロミック性の鏡として実現される場合、駆動基板21300は、エレクトロクロミック素子22200の反射表面の裏に配置され得る。代替的に、エレクトロクロミック素子22200がエレクトロクロミック性の窓として実現される場合、エレクトロクロミック素子22200を通じて伝達される光の経路に駆動基板21310が影響を与えないように、駆動基板21310が配置され得る。
圧縮/加熱(S21540)において、駆動モジュール21000を圧縮するプロセスは、駆動モジュール21000がエレクトロクロミック素子22200に固定されるように実行され得る。エレクトロクロミックモジュールは、駆動モジュール21000がエレクトロクロミック素子22200に固定されることによって実現され得る。
駆動モジュール21000を駆動モジュール21000に固定する圧縮プロセスが実行され得る。圧縮の方向は、エレクトロクロミック素子22200の鉛直方向に垂直な方向であり得る。エレクトロクロミック素子22200に配置されるACFは、圧縮プロセスに起因して固定され得る。
ACFの接着フィルムは、圧縮プロセスに起因して、エレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造22100に含まれる陥没部に挿入され得る。接着フィルムは、エレクトロクロミック素子22200の第1電極22010の上面、および、露出した第2電極22050の上面に接着され得る。
駆動ユニット21300とエレクトロクロミック素子22200との間に位置する導体21530は、圧縮プロセスに起因して互いに接触し得る。これにより、導電路が形成され得る。導電路は、圧縮の方向に対応する方向の経路として形成され得る。
固定されたACFに含まれる導体21530は、第1電極22010および駆動ユニット21300が、圧縮プロセスに起因して電気的に接続される第2電極22050および駆動ユニット21300に電気的に接続されることを可能にし得る。導体21530は、駆動基板21310の第1電極22010および接続部材21330に接触し得て、駆動基板21310の第2電極22050および接続部材21330に接触し得る。従って、駆動ユニット21300および電気接続部材21500は、上述の導電路に沿って、互いに電気的に接続され得る。
圧縮プロセスに加えて、予め定められた加熱を印加する加熱処理が実行され得る。接着フィルムは、加熱処理に起因して、エレクトロクロミック素子22200に物理的および化学的により堅く固定され得る。
パッケージング(S21550)において、上述の段階において実現されるエレクトロクロミックモジュールは、エレクトロクロミック装置として実現され得る。パッケージングにおいて、実現/設計の目的に基づいて実現されるエレクトロクロミックモジュールを外部環境から保護するためのハウジングがエレクトロクロミックモジュールに結合され得る。
本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置の上述のプロセスにおいて、実施形態における段階は必須でなく、プロセスは、上述の段階を選択的に含み得る。段階は、必ずしも上述の順序で実行されるわけではなく、後に説明される段階はまた、最初に説明される段階の前に実行され得る。段階のうち任意の1つは、別の段階が実行される間に、繰り返し実行され得る。以降、エレクトロクロミックプロセスを説明する。
本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置は電気的に変色され得る。以降、エレクトロクロミック装置の電気的変色を詳細に記載する。
図53は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミックの方法を示すフローチャートである。
図53を参照すると、エレクトロクロミックの方法は、駆動電力の生成/伝達(S21610)、実効電圧の形成(S21620)、および、変色(S21630)を含み得る。段階S21610からS21630のすべてが実行され得るが、段階S21610からS21630のすべてを毎回実行する必要があるわけではなく、段階S21610からS21630の1つだけが実行されることもあり得る。
駆動電力の生成/伝達(S21610)において、エレクトロクロミック素子22200を駆動するための駆動電力が生成され得て、生成された駆動電力はエレクトロクロミック素子22200に印加され得る。上述の駆動ユニット21300において形成される駆動電力は電気接続部材21500に出力され得て、電気接続部材21500に印加される駆動電力は、導体21530を通じてエレクトロクロミック素子22200の電極層へ伝達され得る。
駆動電力は上述の駆動ユニット21300から生成され得る。駆動電力は、エレクトロクロミック素子22200を変色するための電力であり、エレクトロクロミック素子22200をアクティブ化するための電圧値または電流値であり得る。
生成された駆動電力は、電気接続部材21500を通じてエレクトロクロミック素子22200に導電され得る。
本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200は、電気接続部材21500を通じて駆動電力を受け取り得る。駆動電力は、エレクトロクロミック素子22200の駆動ユニット21300において形成される導電路を介してエレクトロクロミック素子22200へ伝達され得る。上で説明したように、導電路は、導体21530が互いに接触することによって形成され得る。
実効電圧の形成において、エレクトロクロミック素子22200の変色を可能にする実効電圧が形成され得る。
実効電圧は、エレクトロクロミック素子22200に印加された駆動電力に基づいて形成され得る。実効電圧は、エレクトロクロミック素子22200に含まれる第1電極22010に印加される第1駆動電力と、エレクトロクロミック素子22200に含まれる第2電極22050に印加される第2駆動電力との間の差に基づいて形成され得る。
実効電圧は、エレクトロクロミック素子22200の全領域にわたって形成され得る。
図54は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子において形成される実効電圧を示す図である。
図54(a)に示されるように、ACFがエレクトロクロミック素子22200の側面の領域に配置される場合、実効電圧は、エレクトロクロミック素子22200の一方向に形成され得る。実効電圧は、電力源である電子が供給される量を示す指標であり得る。すなわち、実効電圧がより高くなるに伴い、エレクトロクロミック素子22200に供給される電子の量が増加し得る。
図54(b)を参照すると、エレクトロクロミック素子22200の全領域にわたって形成される実効電圧は、領域の各々について、異なり得る。実効電圧は、一方向に生じる電圧低下現象に起因して、領域の各々について、異なり得る。すなわち、実効電圧がの一方向に連続的に低下する値をエレクトロクロミック素子22200が有するように、実効電圧が、エレクトロクロミック素子22200において形成され得る。
具体的には、電気接続部材21500が配置されるエレクトロクロミック素子22200の側面の領域における実効電圧は第1実効電圧であり得て、上の領域に隣接する領域における実効電圧は第2実効電圧であり得る。第2実効電圧は、第1実効電圧より低い電圧であり得る。
第1実効電圧は、第1駆動電力と第2駆動電力との間の差であり得て、上の領域に隣接する領域における実効電圧は、第1駆動電力と第2駆動電力との間の差より小さい値であり得る。
変色において、エレクトロクロミック素子22200の吸収率/透過率は変更され得る。エレクトロクロミック素子22200の色は変更され得る。
エレクトロクロミック素子22200は、上述の実効電圧に基づいて、予め定められた電気的変色機構に従って、電気的に変色され得る。
電気的変色機構は、エレクトロクロミックイオンのマイグレーション、酸化還元、および、変色の段階を含み得る。
エレクトロクロミックイオンのマイグレーションにおいて、電気的変色のためのエレクトロクロミックイオンは、エレクトロクロミック素子22200内で移動し得る。
エレクトロクロミックイオンは、上述の実効電圧に基づいて移動し得る。エレクトロクロミックイオンは、実効電圧に基づいて、電位が高い(電圧が高い)領域から、電位が低い(電圧が低い)領域へ移動し得る。
エレクトロクロミックイオンは、エレクトロクロミック素子22200に供給される電子に起因して移動し得る。電子とエレクトロクロミックイオンとの間に予め定められたクーロン力が生成されるに伴い、エレクトロクロミックイオンは、電子が供給されるエレクトロクロミック素子22200の領域へ移動し得る。
酸化還元反応および変色において、酸化還元反応がエレクトロクロミック素子22200において生じ得て、エレクトロクロミック素子22200は酸化還元反応に起因して変色され得る。
酸化還元反応および変色反応は、エレクトロクロミック素子22200のエレクトロクロミック層22031および/またはイオン貯蔵層22033において生じ得る。
エレクトロクロミックイオンは、エレクトロクロミック素子22200のエレクトロクロミック層22031および/またはイオン貯蔵層22033に含まれる予め定められたエレクトロクロミック材料との酸化還元反応を引き起こし得る。
図55は、本願の実施形態に係る電気的変色を示す図である。
図55を参照すると、エレクトロクロミック素子22200の光学的状態は、エレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造によって変更され得る。
図55(a)を参照すると、電気的変色が電気接続部材から一方向、または、他方向に生じ得る。
着色がトレンチ構造から内側方向に生じ得る。消色がトレンチ構造から内側方向に生じ得る。
透過率が均一であるために必要な着色および/または期間の程度は、エレクトロクロミック素子22200の領域の各々について異なり得る。エレクトロクロミック素子22200が第1領域および第2領域を含む場合、第1領域の透過率は第1透過率であり、第2領域の透過率は第2透過率であり、予め定められた期間は、第1透過率の値および第2透過率の値が互いに等しくなるために必要であり得る。第1期間t1は、第1領域に必要であり得て、第2期間t2は、第2領域に必要であり得る。
期間tは、エレクトロクロミック素子が均一に変色される閾値期間として定義され得る。閾値期間は、電圧の大きさに比例し得る。その結果、印加される電圧の大きさが相対的に高い場合、電圧はより長い期間にわたって印加され得て、印加される電圧の大きさが相対的に低い場合、電圧がより短い期間にわたって印加され得て、これにより、均一に変色するようにエレクトロクロミック素子を誘導する。
図55(b)に示されるように、電気接続部材は、エレクトロクロミック素子の4つの側面の各々に配置され得る。ここで、エレクトロクロミック素子が着色される場合、着色は、エレクトロクロミック素子の中心に向かって、時間と共に進行し得る。
上で説明したように、トレンチ構造22100が形成されるエレクトロクロミック素子22200と、異方性導電性特性を有する電気接続部材とを含むエレクトロクロミックモジュールの場合、駆動モジュール21000の配置を簡略化する効果がある。エレクトロクロミックモジュールを生成するプロセスは簡略化され得る。
エレクトロクロミック素子22200が駆動されるには、駆動電力は、第1電極22010および第2電極22050に印加されるべきである。
トレンチ構造22100が形成されない場合、エレクトロクロミック素子22200は、異なる位置から電力を受け取るべきである。例えば、第1電極22010は、上方向に配置された駆動モジュール21000から駆動電力を受け取るべきであり、第2電極22050は、下方向に配置された駆動モジュール21000から駆動電力を受け取るべきである。すなわち、トレンチ構造22100が形成されない場合、駆動モジュール21000は、エレクトロクロミック素子22200の異なる位置に配置される必要があるので、エレクトロクロミックモジュールの構造は複雑になり得る。エレクトロクロミック素子22200の異なる位置に駆動モジュール21000を配置するべく、追加のプロセスが実行されるべきなので、プロセスは複雑になり得る。
代替的に、トレンチ構造22100を有しないエレクトロクロミック素子22200が同一方向に電力を受け取るために、エレクトロクロミック素子22200は、異なる大きさの面積を有する電極を有するべきである。例えば、第2電極22050の面積は、広いことがあり得て、第2電極22050は、第1電極22010の外側方向に露出するべきである。従って、第1電極22010および露出した第2電極22050の領域は、上部から電力を受け取り得る。エレクトロクロミック素子22200に含まれる電極の面積が異なる大きさを有する場合、電極は、同一のプロセスで形成されることができない。電極を形成するためのプロセスは別々に実行されるべきである。従って、トレンチ構造22100が形成されない場合、エレクトロクロミックモジュールを生成するためのプロセスは複雑になり得る。電極の1つは、他の電極より大きい面積を有するべきなので、電極が異なる大きさの面積を有するエレクトロクロミック素子22200を含むエレクトロクロミックモジュールの大きさを低減することは困難であり得る。露出した第2電極22050の領域が全体的に覆われない場合、エレクトロクロミック素子22200は電気的に不安定であり得る。
逆に、エレクトロクロミック素子22200がトレンチ構造22100を含む場合、エレクトロクロミックモジュールを製造するプロセスは簡略化され得て、駆動モジュール21000の配置は簡略化され得る。電極は、トレンチ構造22100を有するエレクトロクロミック素子22200において一方向に露出し得る。従って、駆動モジュール21000は、方向に対応する位置に配置され得る。駆動電力は、方向に配置される駆動モジュール21000によって、エレクトロクロミック素子22200の第1電極22010および第2電極22050に印加され得る。すなわち、駆動モジュール21000は、エレクトロクロミック素子22200の一方向に配置される必要があるだけなので、駆動モジュール21000の配置は簡略化され得る。従って、エレクトロクロミックモジュールを生成するプロセスは簡略化され得る。トレンチ構造22100を含むエレクトロクロミック素子22200において、1つの電極が他の電極より広い面積を有する必要がないので、エレクトロクロミック装置の大きさの低減が容易になり得る。トレンチ構造22100を通じて露出される電極は、電気接続部材のベースによって覆われ得るので、エレクトロクロミック素子22200は電気的に安定するようになり得る。
[2.2 直角バッファ領域]
バッファ領域21100が、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200において形成され得る。バッファ領域21100は、駆動電力が印加されないエレクトロクロミック素子22200の領域として定義され得る。導電路が、バッファ領域21100対応する領域において形成されないことがあり得る。
エレクトロクロミック素子22200を駆動するために電気接続部材21500に含まれる導体21530は、導電性被覆導体21540であり得る。上述の絶縁被覆導体21545と同様に、導電性被覆導体21540は、エレクトロクロミックモジュールに配置され得る、または、エレクトロクロミックモジュールの構成の各々に電気的に接続され得る。その結果、重複する説明は省略される。すなわち、上述の導電性被覆導体21540は絶縁被覆導体21545と置換され得て、導電性表面21541は、絶縁面21546と置換され得て、絶縁された内部21542は、導電性内部21547と置換され得る。
バッファ領域21100に対応するベース21510の領域における複数の導電性被覆導体21540は、導電路を形成しないことがあり得る。複数の導電性被覆導体21540は電気的に絶縁され得る。
図56および図57は、本願の実施形態に係るバッファ領域を形成するための駆動基板を示す図である。以降、図56および図57を参照して説明を提供する。
エレクトロクロミック素子の接続面22170と第1電極との間の角度は直角であり得る。エレクトロクロミック素子の接続面22170と第2電極との間の角度は直角であり得る。電気接続部材の導体は導電性被覆導体21540であり得る。
導電路が、バッファ領域21100と駆動基板21310との間に形成されないことがあり得る。
バッファ領域21100は、エレクトロクロミック素子のトレンチ構造22100の第1電極22010と、露出した第2電極22050との間に形成され得る。バッファ領域21100は、突出部22130と陥没部22110との間に形成され得る。バッファ領域21100は、パッド領域22140と接触領域22150との間に形成され得る。バッファ領域21100は、接続面または陥没面に対応する領域において形成され得る。
エレクトロクロミック素子が第1領域、第2領域および第3領域を含む場合、第1領域は第1電極の領域であり得て、第2領域はバッファ領域21100であり得て、第3領域は第2電極の領域であり得る。第1領域はパッド領域22140であり得て、第3領域は接触領域22150であり得て、第2領域はバッファ領域21100であり得る。本明細書において、第2領域は接続面または陥没面の部分的領域であり得る。
バッファ領域21100は、駆動基板21310に含まれる接続部材21330によって実現され得る。バッファ領域21100は、接続部材21330の間の間隔を調節する、または、接続部材21330からの駆動電力の出力を制御することによって実現され得る。接続部材21330は第1接続部材21331および第2接続部材21333を含み得る。第1接続部材21331は、接触領域22150に対応する位置に形成される接続部材21330として定義され得て、第2接続部材21333は、パッド領域22140に対応する位置に形成される接続部材21330として定義され得る。
図56を参照すると、バッファ領域21100は、バッファ領域21100に対応する駆動基板21310の領域において接続部材21330を形成しないことによって形成され得る。接続部材21330は、第1接続部材21331と第2接続部材21333との間の駆動基板21310の領域に形成されないことがあり得る。
代替的に、接続部材21330と、それに隣接する接続部材21330との間の間隔は調整され得る。接続部材21330の間の間隔が調整されるに伴い、接続部材21330は、バッファ領域21100に対応する駆動基板21310の領域において形成されないことがあり得る。接続部材21330を互いに離隔されることにより、接続部材21330は、バッファ領域21100に対応する駆動基板21310における位置に形成されないことがあり得る。バッファ領域21100を形成するべく、第1接続部材21331と第2接続部材21333との間の間隔は調節され得る。
バッファ領域21100と接触する複数の導電性被覆導体21540は、駆動基板21310の接続部材21330と接触しないことがあり得る。導電性被覆導体21540の導電性表面21541は、接続部材21330に接触しないことがあり得る。バッファ領域21100は、駆動基板21310に電気的に接続されないことがあり得る。バッファ領域21100は、駆動基板21310から絶縁され得る。
導電路は、バッファ領域21100と駆動基板21310との間に形成されないことがあり得る。バッファ領域21100と駆動基板21310との間の複数の導電性被覆導体21540は導電路を形成しないことがあり得る。バッファ領域21100と駆動基板21310との間の複数の導電性被覆導体21540は、電極層または中間層に接触し、駆動基板21310の接続部材21330に接触しないことがあり得る。複数の導電性被覆導体21540の導電性表面21541は、電極層または接続面に接触し、駆動基板21310の接続部材21330に接触しないことがあり得る。
図57を参照すると、バッファ領域21100は、バッファ領域21100に対応する位置における接続部材21330に印加される駆動電力を制御することによって実現され得る。バッファ領域21100は、第1接続部材21331と第2接続部材21333との間に位置する接続部材21330に印加される駆動電力を制御することによって実現され得る。第1接続部材21331と第2接続部材21333との間に位置する接続部材21330は、バッファ接続部材21335として定義され得る。
接続部材21330は、接続部材21330が駆動電力を出力できないように制御され得る。接続部材21330による駆動電力の出力は駆動ユニット21300によって制御され得る。駆動ユニット21300は、接続部材21330が駆動電力を出力することを防止し得る。駆動ユニット21300は、第1接続部材21331と第2接続部材21333との間に位置する接続部材21330が駆動電力を出力することを防止し得る。バッファ接続部材21335は駆動電力を出力できないことがあり得る。
駆動ユニット21300の出力ユニット21305は、駆動電力を接続部材21330に伝達しないことがあり得る。制御ユニット21307は、出力ユニット21305が駆動電力を接続部材21330へ伝達できないように、出力ユニット21305を制御し得る。
駆動電力が接続部材21330を通じて出力される場合、駆動ユニット21300は、駆動電力が出力されることを防止し得る。制御ユニット21307は駆動電力の出力を停止し得る。駆動ユニット21300がフィードバックユニットを含む場合、フィードバックユニットは、駆動電力が接続部材21330から出力されるかどうかを測定し得る。フィードバックユニットは、駆動電力がバッファ領域21100に印加されるかどうかを測定し得る。フィードバックユニットは、測定結果を制御ユニット21307へ伝達し得る。測定結果として駆動電力が出力または印加されることが決定された場合、制御ユニット21307は、生成ユニット21303および出力ユニット21305のうち少なくとも1つを制御し得る。バッファ領域21100は、駆動基板21310に電気的に接続されないことがあり得る。バッファ領域21100は、駆動基板21310から絶縁され得る。
複数の導電性被覆導体21540が電極層および駆動基板21310に接触する場合でも、複数の導電性被覆導体21540は、導電路を形成しないことがあり得る。電極層または中間層、および、接続部材に接触する複数の導電性被覆導体21540は、駆動電力を受け取らないことがあり得る。複数の導電性被覆導体21540が駆動基板21310の接続部材に接触する場合でも、複数の導電性被覆導体21540は駆動電力を受け取らないことがあり得る。バッファ接続部材21335に接触する導電性被覆導体21540の導電性表面21541は、駆動電力を受け取らないことがあり得る。
代替的に、バッファ領域21100は、接続部材21330から駆動ユニット21300を絶縁することによって形成され得る。接続部材21330は、駆動ユニット21300に電気的に接続されないことがあり得る。バッファ接続部材21335は、駆動ユニット21300から絶縁され得る。バッファ接続部材21335は、駆動ユニット21300から駆動電力を受け取らないことがあり得る。すなわち、絶縁は、駆動ユニット21300と接続部材21330との間の電気接続を物理的にブロックすることによって実行され得る。
図58および図59は、本願の実施形態に係るバッファ領域を形成するために実装される電気接続部材を示す図である。
図58および図59を参照すると、バッファ領域21100は、バッファ領域21100に対応する電気接続部材の領域の特性を制御することによって形成され得る。特性は、導体の配置密度および電気特性を含み得る。バッファ領域21100に対応する電気接続部材21500の領域は、ベースバッファ領域21513として定義され得る。ベースバッファ領域21513は、第1接続部材21331に対応するベース21510の領域と、第2接続部材21333に対応するベース21510の領域との間に位置し得る。
図58を参照すると、バッファ領域21100は、電気接続部材21500のベース21510の導電性被覆導体21540の配置密度を調節することによって実現され得る。バッファ領域21100は、ベースバッファ領域21513の導電性被覆導体21540の配置密度を、ベース21510の領域の配置密度と異なるようにすることによって形成され得る。
導電性被覆導体21540の配置密度は、低いことがあり得る、または、導電性被覆導体21540は、ベースバッファ領域21513に含まれないことがあり得る。ベースバッファ領域21513の導電性被覆導体21540の配置密度は、バッファ領域21100でないベース21510の領域における導電性被覆導体21540の配置密度より低いことがあり得る。
ベースバッファ領域21513の複数の導電性被覆導体21540は、互いに接触するが、導電路を形成しないことがあり得る。ベースバッファ領域21513の複数の導電性被覆導体21540の一部は、電極層または中間層、および、駆動基板21310に接触するが、導電路を形成しないことがあり得る。ベースバッファ領域21513の複数の導電性被覆導体21540の導電性表面21541は、互いに接触するが、駆動基板21310の電極層、中間層または接続部材に接触しないことがあり得る。
導電性被覆導体21540の配置密度は、電気接続部材21500を生成するプロセス中に調節され得る。
図59を参照すると、バッファ領域21100は、ベースの領域における一領域と、別の領域との間に分離層を配置することによって形成され得る。一領域と他の領域との間の領域はベースバッファ領域21513であり得る。分離層は絶縁層であり得る。分離層は、導電性被覆導体21540を含まない層であり得る。
導電路がベースバッファ領域21513に形成されないことがあり得る。ベースバッファ領域21513は、互いに接触する複数の導電性被覆導体21540を含まないことがあり得る。
複数の導電性被覆導体21540は、ベースバッファ領域21513に隣接する領域に位置し得る。しかしながら、複数の導電性被覆導体21540が駆動電力を絶縁層に印加する場合でも、導電路は、ベースバッファ領域21513に形成されないことがあり得る。導電性被覆導体21540の導電性表面21541が絶縁層に接触する場合でも、導電路が形成されないことがあり得る。駆動電力はベースバッファ領域21513に伝達されないことがあり得る。ベースバッファ領域21513が、導電性被覆導体21540を含まない層である場合、駆動電力をベースバッファ領域21513へ伝達できない。
従って、バッファ領域21100は、駆動電力をベースバッファ領域21513から受け取らないことがあり得る。
バッファ領域21100はまた、バッファ領域21100に対応する電気接続部材21500の領域を駆動基板21310から絶縁することによって形成され得る。ベースバッファ領域21513は駆動基板21310から絶縁され得る。
予め定められた絶縁材料は、ベースバッファ領域と駆動基板21310との間に配置され得る。
予め定められた絶縁層が、ベースバッファ領域21513と駆動基板21310との間に配置され得る。ベースバッファ領域21513の上面は絶縁され得る。絶縁材料が、ベースバッファ領域21513の上面に印加され得る。絶縁層はベースバッファ領域21513の上面に形成され得る。絶縁膜がベースバッファ領域21513の上面に付着され得る。ベースバッファ領域21513の上面は被覆または絶縁され得る。
ベースバッファ領域21513の複数の導電性被覆導体21540の導体の一部は、絶縁材料に接触し得る。
ベースバッファ領域21513は、駆動基板21310から駆動電力を受け取らないことがあり得る。ベースバッファ領域21513の導電性被覆導体21540は、駆動基板21310から駆動電力を受け取らないことがあり得る。
図60は、本願の実施形態に係る導電路を示す図である。
図60を参照すると、バッファ領域21100が形成されない場合、パッド領域22140の接続部材21330に接触する複数の導電性被覆導体21540は、パッド領域22140だけでなく接触領域22150に接触し得る。従って、パッド領域22140に印加されるべき電力が接触領域22150に印加され得る。
短絡現象がエレクトロクロミック素子22200において生じ得る。逆に、バッファ領域21100が形成される場合、パッド領域22140および接触領域22150における短絡現象が防止され得る。
示されていないが、トレンチ構造22100は傾斜を有し得る。トレンチ構造22100が傾斜を有する場合、複数の導体21530は、接続面22170または陥没面22160に接触し得る。従って、エレクトロクロミック素子22200は、駆動電力が接続面22170または陥没面22160に印加されることに起因して損傷し得る。逆に、バッファ領域21100が形成される場合、駆動電圧が導体21530を通じて接続面22170または陥没面22160に直接印加されることが防止され得る。
図面に示されるバッファ領域21100およびベースバッファ領域21513の大きさは例に過ぎず、大きさはそれらに限定されない。
[2.3.傾斜バッファ領域]
本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造22100は、予め定められた傾斜を有し得る。
図61は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子の傾斜を有するトレンチ構造を示す図である。
図62は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子の傾斜を有するトレンチ構造の上面を示す図である。
図63は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子の傾斜を有するトレンチ構造の側面を示す図である。以降、図61から図63を参照して説明を提供する。
傾斜を有するトレンチ構造は、予め定められた角度を有する接続面22170および陥没面22160を含み得る。
接続面22170および陥没面22160は、エレクトロクロミック素子22200の領域の各々に対して予め定められた角度を有し得る。
接続面22170は、第1電極22010に対して第1角度θ1を有し、第2電極22050に対して第2角度θ2を有し得る。
接続面22170および陥没面22160は、突出部22130の上面、または、パッド領域22140の上面に対して予め定められた角度を有し得る。上述の角度は変更され得る。
接続面22170と、エレクトロクロミック素子22200の領域の各々との間の予め定められた角度は変更され得る。接続面22170と、第1電極22010または第2電極22050との間に形成される、予め定められた角度は、変更され得る。第1電極22010または第2電極22050と、接続面22170の各領域との間に形成される角度は変更され得る。接続面22170の第1領域の角度は第1角度θ1であり得て、接続面22170の第2領域の角度は第2角度θ2であり得る。
陥没面22160と、エレクトロクロミック素子22200の領域の各々との間に形成される角度も、上述の接続面22170のように変更され得る。
トレンチ構造22100に含まれるエレクトロクロミック素子22200の全領域は上方向に露出し得る。
トレンチ構造22100に含まれる電極層および中間層22030は上方向に露出し得る。
接続面22170および陥没面22160は上方向に露出し得る。接続面22170の第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032およびイオン貯蔵層22033、ならびに、陥没面22160に含まれる第1電極22010、エレクトロクロミック層22031、電解質層22032およびイオン貯蔵層22033は上方向に露出し得る。
第2電極22050は上方向に露出し得る。第2電極22050のパッド領域22140は上方向に露出し得る。
電気接続部材21500は、予め定められた傾斜を有するトレンチ構造22100が形成されるエレクトロクロミック素子22200に配置され得る。
電気接続部材21500は、エレクトロクロミック素子22200の接続面22170および陥没面22160に接触し得る。
電気接続部材21500のベース21510は、接続面22170および陥没面22160に接触し得る。
ベース21510に含まれる複数の導体21530の導体21530の一部は、接続面22170および陥没面22160に接触し得る。導体21530が絶縁被覆導体21545である場合、絶縁被覆導体21545の絶縁面21546だけでなく導電性内部21547も、接続面22170または陥没面22160に接触し得る。
駆動基板21310の接続部材21330は、接続面22170および陥没面22160に対応する領域に形成され得る。
予め定められた導電路が、駆動基板21310と、接続面22170または陥没面22160との間に形成され得る。
導電路が、接続部材21330と接続面22170との間に配置された複数の導体21530によって形成され得る。導電路が、接続部材21330と陥没面22160との間に配置された複数の導体21530によって形成され得る。
接続面22170および陥没面22160に含まれるエレクトロクロミック素子22200の層の各々は、導電路から駆動電力を受け取り得る。
エレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造22100が、予め定められた傾斜を有する場合、エレクトロクロミック素子はバッファ領域21100を有し得る。
バッファ領域21100は、駆動電力が印加されないエレクトロクロミック素子22200の領域として定義され得る。
バッファ領域21100は、エレクトロクロミック素子のトレンチ構造における第1電極と、露出した第2電極との間に形成され得る。バッファ領域21100は、突出部と陥没部との間に形成され得る。バッファ領域21100は、パッド領域22140と接触領域22150との間に形成され得る。バッファ領域21100は、接続面または陥没面に対応する領域に形成され得る。
上述の導電性被覆導体21540を含む電気接続部材21500が配置されるエレクトロクロミック素子22200のバッファ領域21100を形成することについての上述の例は、予め定められた傾斜を有するエレクトロクロミック素子22200にも適用され得る。よって、重複する説明は省略される。
以降、電気接続部材21500の導体21530が絶縁被覆導体21545である場合を説明する。
バッファ領域21100は、駆動基板21310、駆動ユニット21300または電気接続部材21500によって形成され得る。
バッファ領域21100は、駆動基板21310に配置される接続部材21330によって形成され得る。バッファ領域21100は、接続部材21330を適切に実現すること、接続部材21330からの駆動電力の出力を制御すること、または、その2つの組み合わせによって形成され得る。
絶縁面21546がバッファ領域21100に接触する間、絶縁被覆導体21545の導電性内部21547は、バッファ領域21100と接触し得る。
図64および図65は、本願の実施形態に係るバッファ領域を形成するために実装される駆動基板21310を示す図である。
図64を参照すると、バッファ領域21100は、バッファ領域21100に対応する駆動基板21310の領域に接続部材21330を形成しないことによって形成され得る。接続部材21330は、第1接続部材21331と第2接続部材21333との間の駆動基板21310の領域に形成されないことがあり得る。
代替的に、接続部材21330と、それに隣接する接続部材21330との間の間隔が調整され得る。接続部材21330の間の間隔が調整されるに伴い、接続部材21330は、バッファ領域21100に対応する駆動基板21310の領域に形成されないことがあり得る。バッファ領域21100を形成するべく、第1接続部材21331と第2接続部材21333との間の間隔が調節され得る。
バッファ領域21100に接触する複数の絶縁被覆導体21545は、駆動基板21310の接続部材に接触しないことがあり得る。バッファ領域21100は、駆動ユニット21300に電気的に接続されないことがあり得る。
バッファ領域21100は、駆動基板21310の接続部材21330から絶縁され得る。
バッファ領域21100の上面に位置する複数の絶縁被覆導体21545は、導電路を形成しないことがあり得る。絶縁被覆導体21545は、バッファ領域21100に含まれる電極層または中間層に接触するが、駆動基板21310に接触しないことがあり得る。バッファ領域21100は、バッファ領域21100に接触する絶縁被覆導体21545の導電性内部21547から駆動電力を受け取らないことがあり得る。
絶縁被覆導体21545の導電性内部21547がバッファ領域21100に接触する場合でも、絶縁被覆導体21545は導電路を形成しないことがあり得る。互いに接触する絶縁被覆導体21545の導電性内部21547は、バッファ領域に接触するが、接続部材21330に接触しないことがあり得る。
図65を参照すると、バッファ領域21100は、バッファ領域21100に対応する位置における接続部材21330を制御することによって形成され得る。バッファ領域21100は、第1接続部材21331と第2接続部材21333との間に位置する接続部材21330を制御することによって形成され得る。第1接続部材21331と第2接続部材21333との間に位置する接続部材21330は、バッファ接続部材21335定義され得る。
第1接続部材21331と第2接続部材21333との間に位置する接続部材21330は、接続部材21330が駆動電力を出力できないように制御され得る。バッファ接続部材21335は駆動電力を出力できないことがあり得る。
駆動ユニットの生成ユニット21303は、接続部材21330に伝達されない駆動電力を生成しないことがあり得る。制御ユニットは、接続部材21330に伝達される駆動電力を生成ユニット21303が生成しないように、生成ユニット21303を制御し得る。
駆動ユニット21300の出力ユニット21305は、駆動電力を接続部材21330へ伝達しないことがあり得る。制御ユニットは、出力ユニット21305が駆動電力を接続部材21330へ伝達しないように、出力ユニット21305を制御し得る。
駆動電力が接続部材21330を通じて出力される場合、駆動ユニットは、駆動電力が出力されることを防止し得る。制御ユニット21307は、駆動電力の出力を停止し得る。駆動ユニット21300がフィードバックユニットを含む場合、フィードバックユニットは、制御ユニット21307の動作に関与し得る。バッファ領域21100は、駆動基板21310に電気的に接続されないことがあり得る。バッファ領域21100は駆動基板21310から絶縁され得る。
複数の絶縁被覆導体21545が電極層および駆動基板21310に接触する場合でも、複数の絶縁被覆導体21545は導電路を形成しないことがあり得る。電極層または中間層22030、および、接続部材21330に接触する複数の絶縁被覆導体21545は、駆動電力を受け取らないことがあり得る。
バッファ接続部材21335に接触する絶縁被覆導体21545の導電性内部21547は、駆動電力を受け取らないことがあり得る。
図66および図67は、本願の実施形態に係るバッファ領域の形成を実装するための電気接続部材を示す図である。
図66および図67を参照すると、バッファ領域21100は、バッファ領域21100に対応する電気接続部材21500の領域を適切に調節することによって形成され得る。電気接続部材21500の領域は上述のベースバッファ領域21513として定義され得る。
ベースバッファ領域21513は、絶縁被覆導体21545の配置密度を調節すること、絶縁被覆導体21545の電気特性を調節すること、または、その2つの組み合わせによって実現され得る。
図66を参照すると、バッファ領域21100は、電気接続部材21500のベース22510の絶縁被覆導体21545の配置密度を調節することによって実現され得る。
絶縁被覆導体21545の配置密度は、低いことがあり得る、または、絶縁被覆導体21545は、ベースバッファ領域21513に含まれないことがあり得る。
ベースバッファ領域21513の複数の絶縁被覆導体21545は、互いに接触するが、導電路を形成しないことがあり得る。ベースバッファ領域21513の複数の絶縁被覆導体21545の一部は、電極層または中間層、および、駆動基板21310に接触するが、導電路を形成しないことがあり得る。ベースバッファ領域21513の複数の絶縁被覆導体21545は、互いに接触するが、駆動基板21310の電極層、中間層、または、接続部材に接触しないことがあり得る。
図67を参照すると、バッファ領域21100は、ベースの領域における一領域と、別の領域との間に分離層を配置することによって形成され得る。一領域と他の領域との間の領域はベースバッファ領域21513であり得る。分離層は絶縁層であり得る。分離層は、絶縁被覆導体21545を含まない層であり得る。
複数の絶縁被覆導体21545は、ベースバッファ領域21513に隣接する領域に位置し得る。しかしながら、複数の絶縁被覆導体21545が駆動電力を予め定められた層に印加する場合でも、導電路は、ベースバッファ領域21513において形成されないことがあり得る。
バッファ領域21100はまた、バッファ領域21100に対応する電気接続部材21500の領域を駆動基板21310から絶縁することによって形成され得る。ベースバッファ領域21513は駆動基板21310から絶縁され得る。
予め定められた絶縁材料1550は、ベースバッファ領域21513と駆動基板21310との間に配置され得る。
予め定められた絶縁層がベースバッファ領域21513と駆動基板21310との間に配置され得る。ベースバッファ領域21513の上面は絶縁され得る。絶縁材料は、ベースバッファ領域21513の上面に印加され得る。絶縁層は、ベースバッファ領域21513の上面において形成され得る。絶縁膜は、ベースバッファ領域21513の上面に付着され得る。ベースバッファ領域21513の上面は被覆および絶縁され得る。
ベースバッファ領域21513の複数の絶縁被覆導体21545の導体の一部は絶縁材料に接触し得る。
ベースバッファ領域21513は、駆動電力を駆動基板21310から受け取らないことがあり得る。ベースバッファ領域21513の絶縁被覆導体21545は、駆動電力を駆動基板21310から受け取らないことがあり得る。
図68は、本願の実施形態に係る導電路を示す図である。
図68を参照すると、バッファ領域21100が形成されない場合、導電路は、接続面と接続部材との間に配置された絶縁被覆導体21545の導電性内部21547によって形成され得る。駆動電力は、導電路を介して中間層22030に印加され、エレクトロクロミック素子の中間層22030に損傷を引き起こし得る。従って、バッファ領域21100が形成される場合、エレクトロクロミック素子22200の中間層22030への損傷が防止され得る。
図面に示されるバッファ領域21100およびベースバッファ領域21513の大きさは例に過ぎず、大きさはそれらに限定されない。
[2.4.分配部材]
本出願の実施形態に係るエレクトロクロミック装置は、分配部材21700を更に含み得る。エレクトロクロミックモジュールは分配部材21700を更に含み得る。駆動モジュール21000は、分配部材21700を更に含み得る。
図69は、本願の実施形態に係る分配部材を更に含む駆動モジュールを示す図である。
図70は、本願の実施形態に係る分配部材を更に含む駆動モジュールを示す図である。以降、図69および図70を参照して説明を提供する。
分配部材21700は、駆動基板21310を電気接続部材21500に電気的に接続し得る。
分配部材21700は、分配ベース、および、複数の分配接続部材21710を含み得る。分配ベースは、分配部材21700の外形を画定し得る。
分配接続部材21710は導電性を有し得る。分配接続部材21710は導電性材料で実現され得る。分配接続部材21710は予め定められた形状で曲げられ得る。
複数の分配接続部材21710は、分配ベースにおいて予め定められた間隔で配置され得る。
分配ベースの一側における分配接続部材21710の配置密度は、分配ベースの他側における分配接続部材21710の配置密度と異なり得る。分配ベースの一側に配置される、隣接する分配接続部材21710の間の間隔は、分配ベースの他側に配置される、隣接する分配接続部材21710の間の間隔と異なり得る。例えば、分配接続部材21710は、一側において第1間隔で配置され得て、一側において配置される分配接続部材21710は、他側に向かって、曲げられた形状で延在し得る。分配接続部材21710は、他側において第2間隔で配置され得る。第1間隔は、第2間隔より小さいことがあり得る。
分配部材21700は、駆動基板21310を電気接続部材21500に電気的に接続し得る。分配部材21700の分配接続部材21710は、駆動基板21310を電気接続部材21500に電気的に接続し得る。導電路は、分配接続部材21710によって、駆動基板21310と電気接続部材21500との間に形成され得る。
分配部材21700は、駆動基板21310の接続部材21330に接触して配置され得る。
複数の接続部材21330が駆動基板21310の底面に配置される場合、分配部材21700は、駆動基板21310の底面に配置され得る。分配部材21700の分配接続部材21710は、駆動基板21310の底面に配置される複数の接続部材21330に接触し得る。この場合、分配接続部材21710は、分配部材21700の底面および上面に配置され得る。底面に配置される分配接続部材21710は、スルーホールを介して上面に配置され得る。
複数の接続部材21330が駆動基板21310の上面に配置される場合、分配部材21700は、駆動基板21310の上面に配置され得る。分配部材21700の分配接続部材21710は、駆動基板21310の上面に配置される複数の接続部材21330に接触し得る。この場合、分配接続部材21710は、分配部材21700の底面だけに配置され得る。
分配部材21700の複数の分配接続部材21710は、駆動基板21310の複数の接続部材21330に接続され得る。複数の分配接続部材21710は、第1分配接続部材21711および第2分配接続部材21713を含み得る。複数の接続部材21330は、第1接続部材21331の近くに配置される第1接続部材21331および第2接続部材21333を含み得る。
複数の分配接続部材21710は、複数の接続部材21330に対応し得る。
互いに隣接する分配接続部材21710の間の間隔は、互い隣接する接続部材21330の間の間隔に対応し得る。分配接続部材21710の数は接続部材21330の数に等しいことがあり得る。
第1分配接続部材21711は、第1接続部材21331に接続され得て、第2分配接続部材21713は、第2接続部材21333に接続され得る。
分配接続部材21710は、複数の接続部材21330に対応しないことがあり得る。
互いに隣接する分配接続部材21710の間の間隔は、互いに隣接する接続部材21330の間の間隔に対応しないことがあり得る。分配接続部材21710の数は、接続部材21330の数と異なり得る。
第1分配接続部材21711は、第1接続部材21331に接続され得て、第2分配接続部材21713は、第2接続部材21333に隣接する別の接続部材21330に接続され得る。
接続部材21330に接触する分配接続部材21710に起因して、分配接続部材21710は、接続部材21330に電気的に接続され得る。分配部材21700は、駆動ユニット21300に電気的に接続され得る。
分配部材21700は、電気接続部材21500に電気的に接続され得る。
分配部材21700は、電気接続部材21500の上面に配置され得る。分配部材21700は、電気接続部材21500の上面に接触し得る。分配部材21700のベース21510は、電気接続部材21500の上面に接触し得る。
分配部材21700は、電気接続部材21500の上面を覆い得る。電気接続部材21500のベース21510は、分配部材21700によって覆われ得る。
分配部材21700の分配接続部材21710は、電気接続部材21500の上面に接触し得る。
複数の分配接続部材21710は、電気接続部材21500のベース21510に接触し得る。分配接続部材21710は、ベース21510の上面に接触し得る。
複数の分配接続部材21710は、電気接続部材21500の複数の導体21530の導体21530の一部に接触し得る。
従って、電気接続部材21500は導電路を有し得る。分配接続部材21710に接触する導体21530は、駆動電力を受け取り得る。導体21530は、分配接続部材21710から駆動電力を受け取り得る。
上で説明したように、分配部材21700が駆動基板21310および電気接続部材21500電気的に接続されるに伴い、エレクトロクロミック素子22200は、駆動電力を駆動基板21310から受け取り得る。
図71は、本願の実施形態に係る分配部材を更に含むエレクトロクロミックモジュールを示す図である。
図71を参照すると、分配部材21700は、駆動基板21310と、エレクトロクロミック素子22200の側面に配置された電気接続部材21500との間に配置され得る。
分配接続部材21710に接続される複数の導体21530は、エレクトロクロミック素子22200に接触し得る。
分配接続部材21710に接続される複数の導体21530は、トレンチ構造22100の第1電極22010の領域、および、第2電極22050の領域に接触し得る。導体21530は、パッド領域22140および接触領域22150に接触し得る。
導電路が、エレクトロクロミック素子22200と分配部材21700との間に形成され得る。導電路が、第1電極22010の上部領域および第2電極22050の上部領域と、分配接続部材21710との間に形成され得る。導電路が、パッド領域22140と分配接続部材21710との間、および、接触領域22150と分配接続部材21710との間に形成され得る。
従って、エレクトロクロミック素子22200の第1電極22010および第2電極22050は駆動電力を受け取し得る。エレクトロクロミック素子22200は、駆動電力を分配部材から受け取ることに起因して電気的に変色され得る。
分配部材21700が存在するとき、駆動モジュール21000の配置を簡略化するという効果がある。分配部材21700が存在しない場合、電気接続部材21500の全領域に駆動電力を印加するために、駆動基板21310の接続部材21330の大きさは、電気接続部材21500の大きさに対応するべきである。しかしながら、分配部材21700が存在する場合、駆動基板21310の接続部材21330の大きさは、電気接続部材21500の大きさより小さく形成され得る。分配部材21700が存在する場合、接続部材21330の大きさが電気接続部材21500の大きさより小さく形成され得るので、駆動基板21310の配置は効率的になり得る。その結果、分配部材21700が存在する場合、駆動モジュール21000の配置を簡略化するという効果がある。
分配部材21700は、駆動モジュール21000と別々に配置されるものとして、上で説明したが、分配部材21700はまた、電気接続部材21500に含まれ得る。例えば、分配部材21700は、ベース21510の上面に配置され得る。
[2.5.電気コネクタ]
本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200は、予め定められた外形を有し得る。
図72は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子22200を示す図である。
図72(a)を参照すると、エレクトロクロミック素子22200は、予め定められた湾曲を有する平板形状で提供され得る。エレクトロクロミック素子22200は、楕円平板形状で提供され得る。エレクトロクロミック素子22200の側面は、予め定められた湾曲を有し得る。エレクトロクロミック素子22200の最も外側の部分は、湾曲を有し得る。
図72(b)を参照すると、エレクトロクロミック素子22200は、台形平板形状で提供され得る。エレクトロクロミック素子22200の側面は、上側、下側、および、上側と下側とを接続する側部を含み得る。上側の長手方向長さは、下側の長手方向長さと異なり得る。
本願の実施形態に係るトレンチ構造22100は、エレクトロクロミック素子22200の外形に対応して形成され得る。
エレクトロクロミック素子22200が予め定められた湾曲を有する場合、エレクトロクロミック素子22200のトレンチ構造22100は、予め定められた湾曲を有し得る。トレンチ構造22100に含まれるエレクトロクロミック素子22200の領域は、予め定められた湾曲を有し得る。パッド領域22140および突出部22130は、予め定められた湾曲を有し得る。
エレクトロクロミック素子22200が台形平板形状で提供される場合、トレンチ構造22100は、エレクトロクロミック素子22200の上側および下側だけで形成され得る。
上側および下側で形成されるトレンチ構造22100の数が等しい場合、隣接するトレンチ構造22100の間の間隔は異なり得る。上側に形成されるトレンチ構造22100の間の間隔は、下側に形成されるトレンチ構造22100の間の間隔と異なり得る。互いに隣接する陥没部22110の間の間隔と、上側で形成される突出部22130の間の間隔は、互いに隣接する陥没部22110の間の間隔、および、下側に形成される互いに隣接する突出部22130の間の間隔と異なり得る。上側の突出部22130の側面の長さは、下側の突出部22130の側面の長さと異なり得る。
上側および下側で形成されるトレンチ構造22100の数が異なる場合、エレクトロクロミック素子のトレンチ構造22100の間の間隔は同一であり得る。トレンチ構造22100の数は、トレンチ構造22100の間の間隔が同一であるように決定され得る。
台形平板形状に形成されるエレクトロクロミック素子22200は、上側、下側、側部にトレンチ構造22100を有し得る。トレンチ構造22100が側部に形成されないエレクトロクロミック素子22200と比較して、側部に形成されるトレンチ構造22100を有するエレクトロクロミック素子22200は、電気的変色期間を短縮する効果を有し得る。トレンチ構造22100が側部に配置される場合、駆動電力が印加される領域は、トレンチ構造22100が側部に形成されない場合と比較して、広がり得る。より広い面積を通じて駆動電力を受け取ることにより、電気的変色期間を短縮する効果がある。
予め定められた形状を有するエレクトロクロミック素子22200を含むエレクトロクロミックモジュールは、予め定められた電気コネクタ23000を更に含み得る。
図73は、本願の実施形態に係る、予め定められた形状を有するエレクトロクロミック素子、および、駆動モジュールを示す図である。
図73を参照すると、駆動基板21310は、電気接続部材21500の上面の部分的領域だけに配置され得る。駆動基板21310の接続部材21330は、電気接続部材21500の上面の部分的領域だけに接触し得る。接続部材21330は、ベース21510の部分的領域だけに接触し得る。
電気接続部材21500の部分的領域は駆動基板21310から駆動電力を受け取り得る。ベース21510の部分的領域は接続部材21330を通じて駆動電力を受け取り得る。
従って、駆動電力は、エレクトロクロミック素子22200の部分的領域だけに印加され得る。
エレクトロクロミックモジュールは、駆動電力が電気接続部材21500の全領域に印加されるように、予め定められた電気コネクタ23000を含み得る。部分的領域に印加される駆動電力は、予め定められた電気コネクタ23000を通じて他の領域へ伝達され得る。
エレクトロクロミックモジュールは、部分的領域だけに印加される駆動電力が他の領域に伝達されるように、電気コネクタ23000を含み得る。
電気コネクタ23000は、少なくとも1つの予め定められたワイヤおよび導電性フィルムで実現され得る。
電気コネクタ23000は駆動基板21310に接続され得る。接続部材21330に接続される電気コネクタ23000は、電気接続部材21500の他の領域に接触し得る。
代替的に、電気コネクタ23000は電気接続部材21500の部分的領域に接続され得る。部分的領域に接続される電気コネクタ23000は、電気接続部材21500の他の領域に接触し得る。
代替的に、複数の電気接続部材21500が存在する場合、電気コネクタ23000は、複数の電気接続部材21500を電気的に接続し得る。エレクトロクロミックモジュールは、駆動電力が電気接続部材21500のすべてに印加されるように、予め定められた電気コネクタ23000を含み得る。
電気接続部材21500の一部へ伝達される駆動電力は、電気コネクタ23000を通じて他の電気接続部材21500へ伝達され得る。
代替的に、複数の分配部材21700が存在する場合、電気コネクタ23000は、複数の分配部材21700へ電気的に接続され得る。エレクトロクロミック素子は湾曲形状を有し得る。
上述の駆動モジュール21000は、図1から図37のエレクトロクロミック素子10200を駆動し得る。すなわち、上述の駆動モジュール21000の電気接続部材21500は、図1から図37のエレクトロクロミック素子10200に配置され得て、トレンチ構造22100は、駆動電力を電気接続部材21500から受け取るために、図1から図37のエレクトロクロミック素子10200に形成され得る。
[第2実施形態のグループ]
以降、上述のエレクトロクロミック素子の別の実施形態を説明する。
以降、構成の「光学的状態」は、光に関連する構成の特性を包含することを意味するものとして定義され得る。光学的状態は、屈折率、透過率(透過性)、色効率、光学密度、色指数、変色/消色状態、および同様のものを含み得る。
以降、「光学的状態の変化」とは、上述の光学状態の変化を指し得る。しかしながら、特に言及されない限り、以降では、光学的状態の変化は、変色/消色状態の変化を指す。
以降、「区別」は、視覚的区別を指し得る。一構成および他構成が区別される場合、当該一構成および当該他構成は、視覚的に区別され得る。換言すると、当該一構成および当該他構成が区別される場合、当該一構成および当該他構成は、異なる構成として見られ得る。以降、第2実施形態のグループに係るエレクトロクロミック素子を説明する。
[1.エレクトロクロミック素子]
エレクトロクロミック素子の光学的状態は、電力を受け取ることに起因して変更され得る。電力は、電流または電圧などを含み得る。
図74は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子30001を示す図である。
図74を参照すると、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子30001は、第1電極30100、エレクトロクロミック層30300、イオン伝達貯蔵層30500および第2電極30700を含み、第1接触面30200、境界面30400および第2接触面30600がエレクトロクロミック素子30001に形成され得る。しかしながら、エレクトロクロミック素子30001は、図74に示される素子を有するものに限定されず、図74に示されるものと比較して、より多くの素子を含むエレクトロクロミック素子30001も実現され得る。例えば、エレクトロクロミック素子30001は、エレクトロクロミック素子30001の光学的状態を変更するために、電力を印加するよう構成される電源ユニットを更に含み得る。第1電極30100および第2電極30700は、互いに向かい合うように配置され得る。
エレクトロクロミック層30300は、第1電極30100と第2電極30700との間に位置され得る。
イオン伝達貯蔵層30500は、エレクトロクロミック層30300と第2電極30700との間に配置され得る。
第1接触面30200は、互いに接触する第1電極30100およびエレクトロクロミック層30300によって形成され得る。
境界面30400は、互いに接触するエレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500によって形成され得る。
第2接触面30600は、互いに接触するイオン伝達貯蔵層30500および第2電極30700によって形成され得る。以降、エレクトロクロミック素子30001の層の各々を詳細に説明する。第1に、第1電極30100および第2電極30700を説明する。
第1電極30100および第2電極30700は予め定められた形状を有し得る。第1電極30100および第2電極30700は平板形状で提供され得る。
第1電極30100および第2電極30700は、光透過材料および光反射材料の少なくとも1つを含み得る。材料は導電性であり得る。
光透過材料は、それに印加される光の大部分を透過する光学特性を有する材料である。インジウム、スズ、亜鉛、および/または、酸化物のうち少なくとも1つでドープされた金属が、光透過材料として選択され得る。具体的には、ITOまたはZnOが光透過材料として選択され得る。
光反射材料とは、印加される光の大部分を反射する光学特性を有する材料である。光反射材料は、Al、Cu、Mo、Cr、Ti、Au、AgおよびWの少なくとも1つを含む材料であり得る。
第1電極30100および第2電極30700は、エレクトロクロミック素子30001を実現する目的に従って、適切な材料で実現され得る。
第1電極30100および第2電極30700の両方が光透過材料で実現される場合、エレクトロクロミック素子30001に印加される光は、エレクトロクロミック素子30001を通じて透過され得る。この場合、エレクトロクロミック素子30001は、エレクトロクロミック性の窓として使用され得る。
第1電極30100が光反射材料で実現され、一方、第2電極30700が光透過材料で実現される場合、または、第1電極30100が光透過材料で実現され、一方、第2電極30700が光反射材料で実現される場合、エレクトロクロミック素子30001に印加される光は、エレクトロクロミック素子30001から反射され得る。この場合、エレクトロクロミック素子30001は、エレクトロクロミック性の鏡として使用され得る。
第1電極30100の粒子サイズは、第2電極30700の粒子サイズより大きいことがあり得る。第1電極30100は、第2電極30700を構成する粒子より大きいサイズの粒子から成り得る。
第1電極30100を構成する粒子は、第1電極30100および第2電極30700を形成するためのプロセスにおける異なる温度条件に起因して、第2電極30700を構成する粒子より大きいサイズを有し得る。
第1電極30100の粒子サイズおよび第2電極30700の粒子サイズは、第1電極30100および第2電極30700を形成するためのプロセス中の温度に反比例し得る。低温処理における粒子サイズは、高温処理における粒子サイズより相対的に大きいことがあり得る。
エレクトロクロミック素子30001を実現するべく、第2電極30700は、第1電極30100、エレクトロクロミック層30300、および、イオン伝達貯蔵層30500と別々に形成および提供され得る。第2電極30700を形成するためのプロセスは、高温で実行され得る。
エレクトロクロミック素子30001を実現するべく、第1電極30100は、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500と同一のプロセス条件の下で形成され得る。第1電極30100を形成するためのプロセスは、第2電極30700を形成する温度より相対的に低い温度で実行され得る。
プロセスの温度条件に起因して、第1電極30100を構成する粒子の大きさは、第2電極30700を構成する粒子の大きさより大きいことがあり得る。
第1電極30100を形成するときの低温条件は、エレクトロクロミック素子30001を形成するためのプロセス中に、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の破壊を防止し得る。第1電極30100が高温条件下で形成される場合、第1電極30100と同一のプロセス条件下で形成されるエレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、高温環境に露出され得る。エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は高温条件下で劣化し得るので、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、高温処理環境に起因して破壊され得る。逆に、第1電極30100が低温条件下で形成される場合、劣化に起因するエレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の破壊が防止され得る。従って、エレクトロクロミック素子30001を形成するプロセス中に、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の破壊が防止され得る。
第1電極30100は、第2電極30700より小さい電気抵抗値を有し得る。第1電極30100および第2電極30700の電気抵抗値は、第1電極30100および第2電極30700を構成する粒子の大きさに基づき得る。電気抵抗値は、第1電極30100および第2電極30700を構成する粒子の大きさに反比例し得る。従って、第1電極30100を構成する粒子の大きさが、第2電極30700を構成する粒子の大きさより大きいので、第1電極30100は、第2電極30700より低い電気抵抗値を有し得る。
第1電極30100を構成する粒子の大きさは、第2電極30700を構成する粒子の大きさより大きいことを上で説明した。しかしながら、逆に、第2電極30700を構成する粒子の大きさは、第1電極30100を構成する粒子の大きさより大きいことがあり得る。この場合、第2電極30700は、イオン伝達貯蔵層30500およびエレクトロクロミック層30300と共に形成され得て、第1電極30100は別々に形成され得る。第2電極30700は、第1電極30100を形成するプロセスの温度条件より高い温度で形成され得る。第2電極30700は、第1電極30100より小さい電気抵抗値を有し得る。
以降、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500を記載する。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、第1電極30100と第2電極30700との間に配置され得る。
エレクトロクロミック層30300は、第1電極30100と第2電極30700との間に配置され得る。エレクトロクロミック層30300は、第1電極30100の底面に接触して配置され得る。エレクトロクロミック層30300は、上方向における第2電極30700と離隔して配置され得る。
イオン伝達貯蔵層30500は、第1電極30100と第2電極30700との間に配置され得る。イオン伝達貯蔵層30500は、エレクトロクロミック層30300と第2電極30700との間に配置され得る。イオン伝達貯蔵層30500は、エレクトロクロミック層30300の底面に接触して配置され得る。イオン伝達貯蔵層30500は、第2電極30700の上面に接触して配置され得る。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の光学的状態は変更され得る。エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は電気的に変色/消色され得る。光学的状態および電気的変色の変化は、エレクトロクロミック素子30001に印加される電力に起因し得る。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、光学的状態を変更するためのエレクトロクロミック材料を含み得る。
エレクトロクロミック材料は、酸化還元材料およびクロム酸イオンを含み得る。エレクトロクロミック材料は、光学特性が変更可能である材料として定義され得る。
酸化還元材料は、TiO
2
、V
2
O
5
、Nb
2
O
5
、Cr
2
O
3
、MnO
2
、FeO
2
、CoO
2
、NiO
2
、RhO
2
、Ta
2
O
5
およびWO
3
などの還元変色材料、ならびに、NiO
2
、IrO
2
、CoO
2
、イリジウム‐マグネシウム酸化物、ニッケル‐マグネシウム酸化物およびチタン‐バナジウム酸化物などの酸化変色材料を含み得る。
クロム酸イオンは、エレクトロクロミック材料の光学特性の変化を引き起こす材料として定義され得る。クロム酸イオンは、OH-などの陰イオン、ならびに、H+およびLi+などの陽イオンを含み得る。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、電子を受け取り得る。エレクトロクロミック層30300は、第1電極30100から電子を受け取り得る。イオン伝達貯蔵層30500は、第2電極30700から電子を受け取り得る。代替的に、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、電源ユニットから電子を直接受け取り得る。電子は、クロム酸イオンのマイグレーションを引き起こし得る。クロム酸イオンは、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500へ供給される電子によって誘導され、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500へ供給され得る。
イオン伝達貯蔵層30500は、絶縁材料を更に含み得る。イオン伝達貯蔵層30500は、絶縁材料に基づいて、電子のマイグレーションをブロックし得る。
絶縁材料は、SiO
2
、Al
2
O
3
、Nb
2
O
3
、Ta
2
O
5
、LiTaO
3
、LiNbO
3
、La
2
TiO
7
、La
2
TiO
7
、SrZrO
3
、ZrO
2
、Y
2
O
3
、Nb
2
O
5
、La
2
Ti
2
O
7
、LaTiO
3
、HfO
2 のうち少なくとも1つを含み得る。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の上述の配置順序に限定されないエレクトロクロミック素子30001が実現され得る。具体的には、イオン伝達貯蔵層30500は、第1電極30100の底面に配置され得て、エレクトロクロミック層30300は、イオン伝達貯蔵層30500と第2電極30700との間に配置され得る。エレクトロクロミック素子30001の素子の各々を上で詳細に説明した。以降、エレクトロクロミック素子30001の光学的状態の変化を説明する。
図75は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子30001の光学的状態の変更を示す図である。
以降、エレクトロクロミック素子の光学的状態の変更は、図75の(a)から(c)を参照して説明される。
図75の(a)から(c)を参照すると、エレクトロクロミック素子の光学的状態は、電子のマイグレーションおよびエレクトロクロミックイオンおマイグレーションに起因して変更され得る。
エレクトロクロミック素子は、電源ユニットと電子を交換し得る。電源ユニットは、予め定められた電力を生成するよう構成される発電器、エレクトロクロミック素子30001の光学的状態の変更を制御するための制御電力を生成するように構成される制御ユニット、および、発電器または制御ユニットから延びる電力印加配線のうち少なくとも1つであり得る。
第1電極30100および第2電極30700は、電源ユニットと電子を交換し得る。
第1電極30100が電源ユニットから電子を受け取る場合、電子は第2電極30700から電源ユニットへ移動し得る。代替的に、電子が第1電極30100から電源ユニットへ移動する場合、第2電極30700は、電子を電源ユニットから受け取り得る。
以降、説明を容易にするべく、第1電極30100が電子を受け取り、電子が第2電極30700から移動すると仮定して、説明を提供する。
第1電極30100に供給される電子は、第1電極30100に沿って移動し得る。電子はまた、第2電極30700に沿って移動し得る。電子は、第1電極30100または第2電極30700に沿って横断方向に移動し得る。
第1電極30100に沿って移動する電子は、第1電極30100の各領域において、エレクトロクロミック層へ伝達され得る。これに対応して、電子は、イオン伝達貯蔵層30500から第2電極30700の各領域へ伝達され得る。エレクトロクロミック層30300へ伝達される電子は、エレクトロクロミックイオンを誘導し得る。
エレクトロクロミック層30300へ伝達される電子は、エレクトロクロミック層30300またはイオン伝達貯蔵層30500に含まれるエレクトロクロミックイオンを誘導し、エレクトロクロミックイオンがエレクトロクロミック層30300へ移動することを可能にし得る。
これに対応して、イオン伝達貯蔵層30500に含まれるエレクトロクロミックイオンは、イオン伝達貯蔵層30500からエレクトロクロミック層30300へ伝達され得る。
エレクトロクロミック層30300は、移動した電子およびエレクトロクロミックイオンに起因して、電気的に変色され得る。エレクトロクロミック層30300に含まれる還元変色材料は、移動した電子およびエレクトロクロミックイオンに起因して、還元および変色され得る。
これに対応して、イオン伝達貯蔵層30500はまた、電気的に変色され得る。イオン伝達貯蔵層30500に含まれる電子およびエレクトロクロミックイオンが移動するに伴い、イオン伝達貯蔵層30500における酸化変色材料は酸化し得る。酸化変色材料が酸化するに伴い、イオン伝達貯蔵層30500は変色し得る。
電子のマイグレーションに起因して、第1電極30100および第2電極の領域の各々に電位が形成され得る。領域の各々における電位は、領域に存在する電子の数に基づいて決定され得る。
第1電極30100と第2電極30700との間に電位差が形成され得る。電位差は、第1電極30100の電位と第2電極30700の電位との間の差に対応する値であり得る。電位は、電子の数に基づいて決定され得るので、電位差は、第1電極30100および第2電極30700に存在する電子の数の差に対応する値であり得る。
エレクトロクロミック素子の電気的変色の程度は、電位および電位差に基づいて調節され得る。電位および電位差は、エレクトロクロミック素子30001に供給される電子の数に関連する値である。その結果、電位および電位差を調節することにより、エレクトロクロミック素子へ供給されてエレクトロクロミック素子から移動する電子の数が調節され得る。エレクトロクロミックイオンが移動し、電子の数に従って電気的変色が生じるので、エレクトロクロミック素子30001の電気的変色の程度は、電位および電位差の制御に従って調節され得る。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の上述の配置順序に限定されないエレクトロクロミック素子30001が実現され得る。具体的には、ここで使用される「第1」および「第2」という用語は、1つの素子を別の素子から区別するためのものに過ぎず、第1電極30100は第2電極30700であり得て、第2電極30700は第1電極30100であり得る。従って、イオン伝達貯蔵層30500は、第1電極30100の底面に配置され得て、エレクトロクロミック層30300は、イオン伝達貯蔵層30500と第2電極30700との間に配置され得る。この場合、イオン伝達貯蔵層30500は、第1電極30100と電子を交換し得て、エレクトロクロミック層30300は、第2電極30700と電子を交換し得る。エレクトロクロミック素子30001の光学的状態の変化を上で説明した。以降、エレクトロクロミック素子30001の内部構造を説明する。
図76は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子30001の内部構造を示す図である。
図76を参照すると、エレクトロクロミック素子30001は、第1接触面30200、境界面30400および第2接触面30600を含む内部構造を有し得る。
第1接触面30200、境界面30400および第2接触面30600は、互いに接触するエレクトロクロミック素子30001の層に起因して形成される接触面として定義され得る。
内部構造は、エレクトロクロミック素子30001の物理的構造が連続する、および、不連続である構造であり得る。物理的構造は、予め定められた外形を有し、エレクトロクロミック素子30001を構成し得る。
以降、第1接触面30200、境界面30400、第2接触面30600を詳細に説明する。
最初に、第1接触面30200、境界面30400、および、第2接触面30600を説明する。
第1接触面30200は、互いに接触する第1電極30100およびエレクトロクロミック層30300によって形成される表面であり得る。第1電極30100およびエレクトロクロミック層30300は互いに接触し得る。第1電極30100の底面およびエレクトロクロミック層30300の上面は同一面であり得る。第1接触面30200は、第1電極30100とエレクトロクロミック層30300との間の接触面であり得る。換言すると、第1接触面30200は、第1電極30100の底面であり得る。代替的に、第1接触面30200は、エレクトロクロミック層30300の上面であり得る。
第2接触面30600は、互いに接触するイオン伝達貯蔵層30500および第2電極30700によって形成される表面であり得る。イオン伝達貯蔵層30500および第2電極30700は、互いに接触し得る。イオン伝達貯蔵層30500の底面および第2電極30700の上面は同一面であり得る。第2接触面30600は、イオン伝達貯蔵層30500と第2電極30700との間の接触面であり得る。換言すると、第2接触面30600は、イオン伝達貯蔵層30500の底面であり得る。代替的に、第2接触面30600は第2電極30700の上面であり得る。
境界面30400は、互いに接触するエレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500によって形成され得る。エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は互いに接触し得る。エレクトロクロミック層30300の底面およびイオン伝達貯蔵層30500の上面は同一面であり得る。境界面30400は、エレクトロクロミック層30300とイオン伝達貯蔵層30500との間の接触面であり得る。換言すると、境界面30400は、エレクトロクロミック層30300の底面であり得る。代替的に、境界面30400は、イオン伝達貯蔵層30500の上面であり得る。
境界面30400は、エレクトロクロミック層30300がイオン伝達貯蔵層30500から区別されることを可能にし得る。エレクトロクロミック素子30001の素子の各々は、境界面30400によって視覚的に区別され得る。エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、境界面30400によって視覚的に区別され得る。
境界面30400は、予め定められた方向に延在し得る。境界面30400は、横断方向に延び得る。境界面30400は、第1接触面30200および第2接触面30600に平行な方向に延在し得る。
第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、エレクトロクロミック素子30001において設定され得る。
第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、エレクトロクロミック素子において設定され得る複数の恣意的な想像上の線のうちの一部の想像上の線であり得る。
第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、エレクトロクロミック素子30001の異なる層において設定され得る。
第1の想像上の線30901は、エレクトロクロミック層30300に設定される想像上の線であり得る。第1の想像上の線30901は、エレクトロクロミック層30300に恣意的に設定され得る複数の想像上の線のうちの想像上の線であり得る。
第2の想像上の線30903は、イオン伝達貯蔵層30500において設定される想像上の線であり得る。第2の想像上の線30903は、イオン伝達貯蔵層30500において恣意的に設定され得る複数の想像上の線のうちの想像上の線であり得る。
第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500における様々な位置に設定され得る。第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903の位置は、図面に示されるものに限定されず、異なる位置に設定され得る。
代替的に、第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500に設定される恣意的な想像上の線のいずれかから選択され得る。
第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、様々な長さを有するように設定され得る。
第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、エレクトロクロミック素子30001の層の長手方向長さより短い長さを有するように設定され得る。代替的に、第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、エレクトロクロミック素子30001の素子の長手方向長さに対応する長さを有するように設定され得る。
第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、横断方向に延在するように設定され得る。
第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、第1接触面30200、境界面30400および第2接触面30600のうち少なくとも1つに平行な方向に延在するよう設定され得る。
代替的に、第1の想像上の線30901および第2の想像上の線30903は、恣意的に設定され得る複数の想像上の線から選択される、横断方向、または、第1接触面30200、境界面30400および第2接触面30600のうち少なくとも1つに平行な方向に延在する想像上の線であり得る。以降、エレクトロクロミック素子30001の内部構造を説明する。
エレクトロクロミック素子30001の素子の物理的構造は連続し得て、一方、素子の物理的構造は互いに不連続である。エレクトロクロミック層30300の物理的構造、および、イオン伝達貯蔵層30500の物理的構造は、連続し得て、一方、エレクトロクロミック層30300お物理的構造、および、イオン伝達貯蔵層30500の物理的構造は、互いに不連続である。
エレクトロクロミック層30300の物理的構造、および、イオン伝達貯蔵層30500の物理的構造は、想像上の線に関して連続であり得る。連続とは、想像上の線によって物理的構造が一領域および他の領域に分割される場合に、一領域における物理的構造と、他の領域における物理的構造とが連続することとして定義され得る。
エレクトロクロミック層30300の物理的構造は、第1の想像上の線30901に関連して連続し得て、イオン伝達貯蔵層30500の物理的構造は、第2の想像上の線30903に関連して連続し得る。
第1の想像上の線30901は、エレクトロクロミック層30300において設定され得る。第1の想像上の線30901は、エレクトロクロミック層30300の物理的構造が第1の想像上の線30901に関連して連続するように設定される想像上の線であり得る。エレクトロクロミック層30300において設定され得る恣意的な想像上の線から、エレクトロクロミック層30300の物理的構造が連続し得る第1の想像上の線30901が選択され得る。
第2の想像上の線30903はイオン伝達貯蔵層30500において設定され得る。第2の想像上の線30903は、イオン伝達貯蔵層30500の物理的構造が第2の想像上の線30903に関連して連続するよう設定される想像上の線であり得る。イオン伝達貯蔵層30500において設定され得る恣意的な想像上の線から、イオン伝達貯蔵層30500の物理的構造が連続し得る第2の想像上の線30903が選択され得る。
エレクトロクロミック層30300の領域は、第1の想像上の線30901によって分割され得て、イオン伝達貯蔵層30500の領域は第2の想像上の線30903によって分割され得る。
エレクトロクロミック層30300の領域は、第1の想像上の線30901によって第1変色領域30301および第2変色領域30303に分割され得て、イオン伝達貯蔵層30500の領域は、第2の想像上の線30903によって、第1イオン領域30501および第2イオン領域30503に分割され得る。第1変色領域30301は、第1電極30100に隣接し得て、第2変色領域30303は、イオン伝達貯蔵層30500に隣接し得る。第1イオン領域30501は、エレクトロクロミック層30300に隣接し得て、第2イオン領域30503は、第2電極30700に隣接し得る。
第1変色領域30301の物理的構造、および、第2変色領域30303の物理的構造は、第1の想像上の線30901に関連して連続し得る。第1イオン領域30501の物理的構造、および、第2イオン領域30503の物理的構造は、第2の想像上の線30903に関連して連続し得る。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の各々は連続するので、電気的変色の均一性を改善する効果がある。エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の各々が連続しない場合、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が、受け取った電子またはエレクトロクロミックイオンを層の全領域へ伝達することは困難であり得る。逆に、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の各々が連続するので、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、電子またはエレクトロクロミックイオンを受け取り、電子またはエレクトロクロミックイオンを層の全領域へ伝達し得る。従って、光学的状態は、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の各々の全領域において変更され得る。
第1変色領域30301および第2変色領域30303は、実際には互いから分離されず、現実には単一の領域を構成し、第1の想像上の線30901によってエレクトロクロミック層30300の領域を恣意的に分割することによって定義される領域に過ぎない。同様に、第1イオン領域30501および第2イオン領域30503は、現実には単一の領域を構成する。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、境界面30400に関連して互いに不連続であり得る。1つの素子および他の素子が境界面30400に関連して不連続であることは、当該1つの素子および他の素子が、境界面30400によって区別されることを意味し得る。
エレクトロクロミック層30300の物理的構造、および、イオン伝達貯蔵層30500の物理的構造は、境界面30400に関連して互いに不連続であり得る。第2変色領域30303の物理的構造、および、第2イオン領域30503の物理的構造は、境界面30400に関連して不連続であり得る。
代替的に、境界面30400は、エレクトロクロミック層30300によって、エレクトロクロミック層30300とイオン伝達貯蔵層30500との間に形成され得て、イオン伝達貯蔵層30500は互いに不連続である。境界面30400は、互いに区別されるエレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500によって形成され得る。
境界面30400は、互いに不連続であるエレクトロクロミック層30300の物理的構造、および、イオン伝達貯蔵層30500の物理的構造によって形成され得る。境界面30400は、互いに不連続である第2変色領域30303の物理的構造、および、第1イオン領域30501の物理的構造によって形成され得る。
互いに不連続であるエレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500によって、電気的変色を安定的に引き起こすという効果がある。エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が互いに連続する場合、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は電子を交換する。エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が電子を交換するに伴い、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500における電子の数の間の差が解消される。従って、大きい数の電子を含む領域へ誘導されるエレクトロクロミックイオンは、更に移動せず、マイグレーションに基づくエレクトロクロミック素子の電気的変色が引き起こされない。その結果、エレクトロクロミック素子30001は動作しない。逆に、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が互いに不連続である場合、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は電子を交換できない。従って、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500における電子の数の間の差が維持される。従って、エレクトロクロミックイオンは、エレクトロクロミック層30300またはイオン伝達貯蔵層30500へ移動し得る。エレクトロクロミックイオンのマイグレーションに起因して、エレクトロクロミック層30300、または、イオン伝達貯蔵層30500が電気的に変色され得る。結果として、エレクトロクロミック素子30001の電気的変色が安定的に引き起こされ、エレクトロクロミック素子30001は適切に動作する。
境界面30400、および、想像上の線に起因するエレクトロクロミック素子30001の内部構造を上で説明した。
以降、エレクトロクロミック素子30001の物理的構造の例を説明する。
図77は、本願の実施形態に係る物理的構造の例であるカラムを示すエレクトロクロミック素子30001の断面図である。
図78は、本願の実施形態に係る物理的構造の例であるカラムを示すエレクトロクロミック素子30001の断面図である。以降、図77および図78を参照して、説明を提供する。
本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子30001の物理的構造はカラムであり得る。
カラムは、第1変色カラム30310および第2変色カラム30330を含む変色カラム30305と、第1イオンカラム30510および第2イオンカラム30530を含むイオンカラム30505とを含み得る。変色カラム30305は、エレクトロクロミック層30300における物理的構造として定義され得て、イオンカラム30505は、イオン伝達貯蔵層30500における物理的構造として定義され得る。カラムは、一方向に延在する外形を有し得る。
カラムは、第1電極30100から第2電極30700に、または、第2電極30700から第1電極30100に延在する外形を有し得る。カラムの各々は、上端、下端、左端、右端を含み得る。
第1変色カラム30310は、第1変色左端30311、第1変色右端30313、第1変色下端30315、および、第1変色上端30317を含み得て、第2変色カラム30330は、第2変色左端30331、第2変色右端30333、第2変色下端30335、および、第2変色上端30337を含み得て、第1イオンカラム30510は、第1イオン左端30511、第1イオン右端30513、第1イオン上端30515、および、第1イオン左端30517を含み得て、第2イオンカラム30530は、第2イオン左端30531、第2イオン右端30533、第2イオン上端30535、および、第2イオン左端30537を含み得る。
上端、下端、左端および右端は、互いに有機的に接続され、カラムの外形を画定し得る。
上端、下端、左端および右端は視覚的に認識され得る。上端、下端、左端および右端は、カラムを区別することによって視覚的に認識され得る。カラムは、予め定められた位置関係を有し得る。
位置関係は、カラムとエレクトロクロミック素子30001の領域との間の接触関係、および、カラムと別のカラムとの間の接触関係を含み得る。カラムは、エレクトロクロミック素子30001の領域と接触し得る。
変色カラム30305は第1接触面30200または境界面30400に接触し得る。変色カラム30305の上端は、第1接触面30200に接触し得て、変色カラム30305の下端は境界面30400に接触し得る。
イオンカラム30505は、境界面30400に接触し得る、または、第2接触面30600に接触し得る。イオンカラム30505の上端は、境界面30400に接触し得て、イオンカラム30505の下端は、第2接触面30600に接触し得る。カラムは、互いに接触し得る、または、互いから離隔され得る。
変色カラム30305は、別の変色カラム30305またはイオンカラム30505から離隔するように形成され得る。イオンカラム30505は、別のイオンカラム30505または変色カラム30505から離隔するように形成され得る。
変色カラム30305は、別の変色カラム30305と接触するよう形成され得る。第1変色カラム30310は、示されるように第2変色カラム30330と接触し得る。変色カラム30305が互いに接触する場合、変色カラム30305の左端は、変色カラム30305の右端に接触し得る。互いに接触する左端および右端は同一面であり得る。第1変色カラム30310の第1変色右端30313は、第2変色カラム30330の第2変色左端30331に接触し得る。この場合、第1変色右端30313および第2変色左端30331は同一面であり得る。代替的に、第1変色カラム30310の第1変色左端30311は、第2変色カラム30330の第2変色右端30333に接触し得る。この場合、第1変色左端30311および第2変色右端30333は、同一面であり得る。
イオンカラム30505は互いに接触し得る。第1イオンカラム30510および第2イオンカラム30530は、上で説明した、第1変色カラム30310と第2変色カラム30330との間と同一の位置関係を有し得るので、重複する説明は省略される。
変色カラム30305は、イオンカラム30505と接触し得る。第1変色カラム30310および第2変色カラム30330は、第1イオンカラム30510または第2イオンカラム30530に接触し得る。
変色カラム30305がイオンカラム30505に接触する場合、変色カラム30305の下端は、イオンカラム30505の上端に接触し得る。変色カラム30305の下端の領域が、イオンカラム30505の上端の領域に接触し得る。第1変色カラム30310が第1イオンカラム30510に接触する場合、第1変色下端30315は第1イオン上端30515に接触し得る。
変色カラム30305は、2以上イオンカラム30505に接触し得る。この場合、変色カラム30305の下端は2以上のイオンカラム30505の上端に接触し得る。イオンカラム30505は、2以上の変色カラム30305に接触し得る。この場合、イオンカラム30505の上端は、2以上の変色カラム30305の下端に接触し得る。
変色カラム30305がイオンカラム30505に接触する場合、変色カラム30305の左端および右端はイオンカラム30505の左端または右端に接触し得る。第1変色カラム30310の第1変色左端30311は、第1イオンカラム30510の第1イオン左端30511または第1イオン右端部30513に接触し得る。代替的に、第1変色カラム30310の第1変色左端30311は、第1イオンカラム30510の第1イオン左端30511に接触し、第2イオンカラム30530の第2イオン右端30533に接触し得る。互いに接触する変色カラム30305の左端または右端、および、イオンカラム30505の左端または右端は、同一面であり得る。
代替的に、変色カラム30305がイオンカラム30505に接触する場合、変色カラム30305の左端および右端は、イオンカラム30505の左端または右端に接触しないことがあり得る。この場合、変色カラム30305の下端およびイオンカラム30505の上端だけが互いに接触し得る。
上で説明されたように、変色カラム30305がイオンカラム30505に接触する場合、境界面30400は、変色カラム30305がイオンカラム30505に接触する表面において形成され得る。境界面30400において、変色カラム30305の下端およびイオンカラム30505の上端は同一面であり得る。境界面30400は同一面に形成され得る。換言すると、境界面30400は、変色カラム30305の下端、または、イオンカラム30505の上端であり得る。カラムは連続であり得る。
カラムが連続であるとは、カラムの外形が連続することを意味する。カラムが別のカラムから不連続であるとは、カラムは他のカラムから区別されることを意味する。
変色カラム30305およびイオンカラム30505は連続し得る。第1変色カラム30310、第2変色カラム30330、第1イオンカラム30510および第2イオンカラム30530は連続し得る。カラムは、想像上の線に関連して連続し得る。変色カラム30305は、第1の想像上の線30901に関連して連続し得る。
第1の想像上の線30901は、エレクトロクロミック層30300において設定され得る。第1の想像上の線30901は、変色カラム30305が第1の想像上の線30901に関連して連続するように設定される想像上の線であり得る。エレクトロクロミック層30300において設定され得る恣意的な想像上の線から、変色カラム30305が連続し得る第1の想像上の線30901が選択され得る。
第1の想像上の線30901によって連続する変色カラム30305の数は、エレクトロクロミック層30300に存在する変色カラム30305の合計数の20%以上であり得る。好ましくは、第1の想像上の線30901によって連続する変色カラム30305の数は、エレクトロクロミック層30300に存在する変色カラム30305の合計数の50%以上であり得る。より好ましくは、第1の想像上の線30901によって連続する変色カラム30305の数は、エレクトロクロミック層30300に存在する変色カラム30305の合計数の70%以上であり得る。
変色カラム30305の左端および右端の少なくとも1つは、第1の想像上の線30901に関連して連続し得る。
エレクトロクロミック層30300の領域は、第1の想像上の線30901によって第1変色領域30301および第2変色領域30303に分割される。第1変色領域30301および第2変色領域30303についての重複する説明は省略される。
分割領域における変色カラム30305は連続し得る。第1変色領域30301の変色カラム30305、および、第2変色領域30303の変色カラム30305は、連続し得る。
変色カラム30305における分割領域は、連続し得る。変色カラム30305の第1変色領域30301、および、変色カラム30305の第2変色領域30303は、連続し得る。
変色カラム30305が第1の想像上の線30901に関連して連続することは、第1変色領域30301における変色カラム30305の左端、および、第2変色領域30303における変色カラム30305の左端が連続することを意味し、第1変色領域30301における変色カラム30305の左端、および、第2変色領域30303における左端が、第1の想像上の線30901の1点で交わることを意味する。
代替的に、変色カラム30305が第1の想像上の線30901に関連して連続することは、第1変色領域30301における変色カラム30305の右端、および、第2変色領域30303における変色カラム30305の右端が連続することを意味し、第1変色領域30301における変色カラム30305の右端、および、第2変色領域30303における右端が、第1の想像上の線30901の1点で交わることを意味する。
換言すると、変色カラム30305が第1の想像上の線30901に関連して連続することは、第1変色領域30301における変色カラム30305の左端、第2変色領域30303における変色カラム30305の左端、第1変色領域30301における変色カラム30305の右端、および、第2変色領域30303における変色カラム30305の右端のうち1または複数が、第1の想像上の線30901に関連して、第1の想像上の線30901の1点で交わることを意味し得る。イオンカラム30505は、第2の想像上の線30903に関連して連続し得る。
第2の想像上の線30903はイオン伝達貯蔵層30500に設定し得る。第2の想像上の線30903は、イオンカラム30505が第2の想像上の線30903に関連して連続するように設定される想像上の線であり得る。イオン伝達貯蔵層30500において設定され得る恣意的な想像上の線から、イオンカラム30505が連続し得る第2の想像上の線30903が選択され得る。
第2の想像上の線30903によって連続するイオンカラム30505の数は、イオン伝達貯蔵層30500に存在するイオンカラム30505の合計数の20%以上であり得る。好ましくは、第2の想像上の線30903によって連続するイオンカラム30505の数は、イオン伝達貯蔵層30500に存在するイオンカラム30505の合計数の50%以上であり得る。より好ましくは、第2の想像上の線30903によって連続するイオンカラム30505の数は、イオン伝達貯蔵層30500に存在するイオンカラム30505の合計数の70%以上であり得る。
イオンカラム30505の左端および右端の少なくとも1つは、第2の想像上の線30903に関連して連続し得る。
イオン伝達貯蔵層30500の領域は、第2の想像上の線30903によって第1イオン領域30501および第2イオン領域30503に分割される。第1イオン領域30501および第2イオン領域30503についての重複する説明は省略される。
分割領域におけるイオンカラム30505は連続し得る。第1イオン領域30501のイオンカラム30505、および、第2イオン領域30503のイオンカラム30505は連続し得る。
イオンカラム30505における分割領域は連続し得る。イオンカラム30505の第1イオン領域30501、および、イオンカラム30505の第2イオン領域30503は、連続し得る。
イオンカラム30505が第2の想像上の線30903に関連して連続することは、第1イオン領域30501におけるイオンカラム30505の左端、および、第2イオン領域30503におけるイオンカラム30505の左端が連続することを意味し、第1イオン領域30501におけるイオンカラム30505の左端、および、第2イオン領域30503における左端が第2の想像上の線30903の1点で交わることを意味する。
代替的に、イオンカラム30505が第2の想像上の線30903に関連して連続することは、第1イオン領域30501におけるイオンカラム30505の右端、および、第2イオン領域30503におけるイオンカラム30505の右端が連続することを意味し、第1イオン領域30501におけるイオンカラム30505の右端、および、第2イオン領域30503における右端が第2の想像上の線30903の1点で交わることを意味する。
換言すると、イオンカラム30505が第2の想像上の線30903に関連して連続することは、第1イオン領域30501におけるイオンカラム30505の左端、第2イオン領域30503におけるイオンカラム30505の左端、第1イオン領域30501におけるイオンカラム30505の右端、および、第2イオン領域30503におけるイオンカラム30505の右端のうち1または複数が、第1の想像上の線30901に関連して、第2の想像上の線30903の1点で交わることを意味し得る。変色カラム30305およびイオンカラム30505は互いに不連続であり得る。
変色カラム30305およびイオンカラム30505は、境界面30400に関連して互いに不連続であり得る。変色カラム30305およびイオンカラム30505は、境界面によって区別され得る。変色カラム30305およびイオンカラム30505は、境界面によって視覚的に区別され得る。
第1変色カラム30310および第2変色カラム30330は、境界面30400に関連して、第1イオンカラム30510および第2イオンカラム30530から不連続であり得る。
変色カラム30305は、イオンカラム30505に接触し得て、一方、変色カラム30305は、イオンカラム30505から不連続である。
変色カラム30305の左端および右端は、変色カラム30305の左端および右端に接触するイオンカラム30505の左端および右端から不連続であり得る。
この場合、変色カラム30305の左端または右端は、イオンカラム30505の左端および右端の1つに接触し得る。変色カラム30305の左端の先端は、イオンカラム30505の左端および右端のうちいずれか1つの先端に接触し得る。この場合、互いに接触する変色カラム30305の左端の表面、ならびに、イオンカラム30505の左端および右端のうちいずれか1つの表面は、同一面であり得る。
互いに接触する変色カラム30305の左端または右端、および、イオンカラム30505の左端または右端は、境界面30400に関連して不連続であり得る。例えば、互いに接触する変色カラム30305の左端、および、イオンカラム30505の左端は、境界面に関連して不連続であり得る。互いに接触する左端および右端は、境界面30400に関連して区別され得る。互いに接触する左端および右端は、境界面30400に関連して視覚的に区別され得る。
代替的に、変色カラム30305はイオンカラム30505に接触し得て、一方、その左端および右端は、互いに接触しないことがあり得る。この場合、変色カラム30305の下端、および、変色カラム30305に接触するイオンカラム30505の上端だけが互いに接触し得る。この場合でも、変色カラム30305およびイオンカラム30505は、境界面30400に関連して区別され、不連続であり得る。カラムは様々な外形を有し得る。
図79は、本願の実施形態に係るカラムの外形を示す図である。
図79を参照すると、カラムの各々は予め定められた幅、および、予め定められた長さを有し、別の素子と予め定められた角度を形成し得る。
カラムの各々の幅および長さは、第1変色カラム30310を例として説明される。以下で説明される、第1変色カラム30310の幅および長さは、第1変色カラム30310以外の変色カラム30305にも印加され得る。
第1変色カラム30310の第1変色左端30311および第1変色右端30313は予め定められた長さを有し得る。長さは、第1の長さL1および第2の長さL2を含み得る。
第1変色左端30311は第1の長さL1を有し得て、第1変色右端30313は第2の長さL2を有し得る。
第1変色左端30311および第1変色右端30313の長さは様々な長さで形成され得る。第1変色左端30311および第1変色右端30313の長さは、互いに等しくても、互いに異なってもよい。第1の長さL1および第2の長さL2は、互いに等しい、または、互いに異なる長さであり得る。
第1変色カラム30310は、各領域について、様々な幅を有し得る。第1変色カラム30310は、第1領域30315および第2領域30317を含み得る。幅は、第1の幅W1および第2の幅W2を含み得る。第1変色カラム30310は、第1領域30315において第1の幅W1を有し、第2領域30317において第2の幅W2を有し得る。第1の幅および第2の幅は互いに異なり得る。
第1変色カラム30310は、第1電極30100、イオン伝達貯蔵層30500、およびイオンカラム30505と予め定められた角度を形成し得る。第1変色カラム30310の第1変色左端30311および第1変色右端30313は、第1電極30100、イオン伝達貯蔵層30500およびイオンカラム30505と予め定められた角度を形成し得る。
第1変色カラム30310が境界面30400に接触する場合、第1変色カラム30310は、境界面30400と予め定められた角度を形成し得る。角度は、第1角度θ1および第2角度θ2を含み得る。第1変色カラム30310の第1変色左端30311は、境界面30400と第1角度θ1を形成し得て、第1変色カラム30310の第1変色右端30313は、境界面30400と第2角度θ2を形成し得る。
第1変色カラム30310が第1接触面30200に接触する場合、第1変色カラム30310は、第1接触面30200と予め定められた角度を形成し得る。この場合、当該角度は、第1変色カラム30310と境界面30400との間に、上述の角度として形成され得るので、その重複する説明は省略される。
イオンカラム30505場合、イオンカラム30505は、エレクトロクロミック層30300、変色カラム30305、および、第2電極30700と予め定められた角度を形成し得る。イオンカラム30505が境界面30400に接触する場合、イオンカラム30505は、境界面30400と予め定められた角度を形成し得る。イオンカラム30505が第2接触面30600に接触する場合、イオンカラム30505は、第2接触面30600と予め定められた角度を形成し得る。
物理的構造としてカラムを含むエレクトロクロミック素子30001は上で説明した。
以降、カラムを含むエレクトロクロミック素子30001の光学的状態の変化を説明する。
カラムを含むエレクトロクロミック素子30001の光学的状態は、電子およびエレクトロクロミックイオンのマイグレーションに起因して変更され得る。
図80は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミックイオンのマイグレーションを示す図である。
図80を参照すると、エレクトロクロミックイオンは、隣接するカラムの間を、および、境界面30400に沿って移動し得る。エレクトロクロミックイオンはカラムの間を移動し得る。
エレクトロクロミックイオンは、変色カラム30305の間で移動し得る。エレクトロクロミックイオンは、互いに接触する変色カラム30305の接触面に沿って移動し得る。エレクトロクロミックイオンは、第1変色カラム30310と第2変色カラム30330との間の接触面に沿って移動し得る。エレクトロクロミックイオンは、互いに接触する変色カラム30305の左端および右端の間を、接触面に沿って移動し得る。エレクトロクロミックイオンは、第1変色カラム30310の第1変色右端30313と、第2変色カラム30330の第2変色左端30331との間を、接触面に沿って移動し得る。
エレクトロクロミックイオンは、イオンカラム30505の間を移動し得る。イオンカラム30505の間で移動するエレクトロクロミックイオンは、変色カラム303035の間を移動するエレクトロクロミックイオンのように移動し得るので、その重複する説明は省略される。
エレクトロクロミックイオンは境界面30400に沿って移動し得る。境界面30400に沿って移動するエレクトロクロミックイオンは、横断方向に移動し得る。
エレクトロクロミック素子30001においてカラムおよび境界面30400が形成されるに伴い、予め定められた効果があり得る。
効果は、電気的変色速度の改善、電気的変色の均一性の改善、および、消色作用の改善を含み得る。
図81は、本願の実施形態に係る、カラムおよび境界面30400を含むエレクトロクロミック素子30001の電気的変色速度の改善を示す比較図である。
図82は、本願の実施形態に係る、カラムおよび境界面30400を含むエレクトロクロミック素子30001の電気的変色の均一性の改善を示す比較図である。
図83は、本願の実施形態に係る、カラムおよび境界面30400を含むエレクトロクロミック素子30001の消色作用の改善を示す比較図である。以降、図81から図83を参照して、説明を提供する。エレクトロクロミックイオンは、予め定められた経路に沿って移動し得る。
エレクトロクロミックイオンは、互いに接触する変色カラム30305の間を移動し、境界面30400へ伝達され、境界面30400に沿って移動し得て、互いに接触するイオンカラム30505の間を移動する。代替的に、エレクトロクロミックイオンは、互いに接触するイオンカラム30505の間を移動し、境界面30400へ伝達され、境界面30400に沿って移動し得て、変色カラム30305の間を移動する。
エレクトロクロミックイオンがカラムおよび境界面30400に沿って移動するに伴い、電気的変色速度を改善する効果がある。
図81(b)に示されるように、エレクトロクロミック素子がカラムおよび境界面を含まない場合、エレクトロクロミックイオンが移動する、予め定められた経路は、エレクトロクロミック素子において形成されないことがあり得る。エレクトロクロミックイオンが移動するとき、エレクトロクロミックイオンは不規則方向に移動する。エレクトロクロミックイオンが1つの素子から他の素子へ移動するとき、エレクトロクロミックイオンは最短経路に沿って移動ないことがあり得る。逆に、エレクトロクロミック素子がカラムおよび境界面30400を含む場合、エレクトロクロミックイオンは、接触面に沿ってカラム間を移動し得る。従って、エレクトロクロミックイオンが1つの素子から他の素子へ移動する場合、エレクトロクロミックイオンは、規則的な方向に、接触面に沿ってカラム間を移動する。すなわち、エレクトロクロミックイオンは、最短経路に沿って、1つの素子から他の素子へ移動する。その結果、エレクトロクロミック素子30001がカラムを含む場合、エレクトロクロミックイオンが最短経路に沿って移動することに起因して、エレクトロクロミック素子30001の光学的状態は変更され得る。従って、エレクトロクロミック素子30001がカラムを含む場合、電気的変色速度を改善する効果がある。
エレクトロクロミックイオンがカラムおよび境界面30400に沿って移動するに伴い、電気的変色の均一性を改善する効果がある。電気的変色の均一性は、異なる領域の電気的変色の程度の変動によって定義され得る。変動が小さくなると、電気的変色の均一性が改善し得る。
図82(b)に示されるように、エレクトロクロミック素子がカラムおよび境界面30400を含まない場合、エレクトロクロミックイオンは不規則に移動する。エレクトロクロミックイオンの不規則なマイグレーションに起因して、エレクトロクロミック素子の光学的状態は、エレクトロクロミック素子の複数の領域において、不規則に変更され得る。
逆に、エレクトロクロミック素子30001が境界面30400を含む場合、エレクトロクロミックイオンは、境界面30400に沿って移動し得て、エレクトロクロミックイオンは横断方向に分散され得る。エレクトロクロミックイオンが横断方向に分散されることによって移動するに伴い、複数の領域へ伝達されるエレクトロクロミックイオンの濃度は均一になり得る。従って、エレクトロクロミック素子30001の複数の領域は、ほぼ同程度に電気的に変色され、したがって、複数の領域の光学的状態が均一になり得る。従って、エレクトロクロミック素子30001の電気的変色の均一性を改善する効果がある。
エレクトロクロミック素子30001が複数の領域におけるカラムを含む場合、カラム周辺のエレクトロクロミックイオンは、隣接するカラムへ誘導され得る。エレクトロクロミックイオンは、カラムに起因して、複数の領域に分散され得て、分散されたエレクトロクロミックイオンは、接触面に沿って、互いに接触するカラムの間を移動し得る。従って、エレクトロクロミックイオンは、エレクトロクロミック素子30001の全領域へ伝達され得る。結果として、エレクトロクロミック素子30001の複数の領域が、ほぼ同程度に電気的に変色され、したがって、複数の領域の光学的状態が均一になり得る。従って、エレクトロクロミック素子30001の電気的変色の均一性を改善する効果がある。
エレクトロクロミックイオンがカラムおよび境界面30400に沿って移動するに伴い、消色作用を改善する効果がある。
図83(b)に示されるように、エレクトロクロミック素子がカラムおよび境界面30400を含まない場合、エレクトロクロミック素子は記憶効果を有し得る。記憶効果とは、エレクトロクロミック素子への電力の印加が停止された後に、電力の印加の停止前に印加される電力に基づく光学的状態が維持される現象として定義され得る。エレクトロクロミック素子がカラムおよび境界面30400を含まない場合、エレクトロクロミックイオンは、それに印加される電力に起因して移動し、電力の印加が停止した後でも、マイグレーションの結果である位置に残り得る。エレクトロクロミックイオンの位置が維持されるので、エレクトロクロミックイオンの移動に起因するエレクトロクロミック素子の着色状態も維持される。
逆に、エレクトロクロミック素子30001が境界面30400を含む場合、電力の印加が停止された後、エレクトロクロミックイオンは、境界面30400へ誘導される。従って、電力の印加が停止された後に、電力の印加の停止前のエレクトロクロミックイオンに起因する着色状態を維持するのではなく、エレクトロクロミック素子30001は消色される。
エレクトロクロミック素子30001がカラムを含む場合、エレクトロクロミックイオンは、電力の印加が停止された後に、カラムへ誘導される。カラムがエレクトロクロミック素子30001の複数の領域において形成されるので、エレクトロクロミックイオンは、複数の領域へ同時に誘導されることにより移動する。従って、電力の印加が停止された後に、電力の印加の停止前のエレクトロクロミックイオンに起因する着色状態を維持するのではなく、エレクトロクロミック素子30001は消色される。
結果として、エレクトロクロミック素子30001がカラムおよび境界面30400を含む場合、電力の印加の停止後の消色作用は改善され得る。
以降、エレクトロクロミック素子30001が鏡の形態で実現される場合の、各波長についての、着色状態中の反射率、および、消色状態中の反射率を説明する。
エレクトロクロミック素子30001は、第1電極30100および第2電極30700の1つが光反射材料で実現されるか、または、エレクトロクロミック素子30001が鏡上に配置されることによって、鏡の形態で実現され得る。
図84は、実施形態に係るエレクトロクロミック素子30001の各波長について、着色状態および消色状態中の反射率を示す図である。
図84を参照すると、エレクトロクロミック素子30001は、従来のエレクトロクロミック素子と同一の光学特性および性能を有すると共に、従来のエレクトロクロミック素子と比較して同様のプロセスで実現されるという効果を有し得る。効果は、下の表1および図84を参照して説明される。
[表1]
従来のエレクトロクロミック素子は、3つの層が第1電極と第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック素子として定義される。換言すると、従来のエレクトロクロミック素子は、第1電極と第2電極との間のエレクトロクロミック層およびイオン伝達貯蔵層以外の層を更に含む。従来のエレクトロクロミック素子は、上の表1および図84における3Layer ECである。
実施形態に係るエレクトロクロミック素子30001は、第1電極30100と第2電極30700との間に2つの層が配置されるエレクトロクロミック素子30001である。本願に係るエレクトロクロミック素子30001は、第1電極30100と第2電極30700との間にエレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500だけを含む。本願に係るエレクトロクロミック素子30001は、上の表1および図84における2Layer ECである。
実験において、着色状態および消色状態における反射率は、鏡で実現されたエレクトロクロミック素子30001に、可視光範囲における光を印加することによって測定した。
可視光範囲における光は、鏡で実現された従来のエレクトロクロミック素子である3Layer ECに印加された。本明細書において、着色状態における平均反射率は、7.849%であり、消色状態における平均反射率は、59.967%であり、着色状態と消色状態との間の反射率の差は52.118%であった。
可視光範囲における光は、400nmの波長を有する紫色光、476nmの波長を有する青色光、550nmの波長を有する緑色光、580nmの波長を有する黄色光、610nmの波長を有する橙色光、700nmの波長を有する赤色光を含む。
400nmの波長を有する紫色光がエレクトロクロミック素子30001に印加された場合、着色状態の反射率は15.933%であり、消色状態における反射率は24.763%であった。
476nmの波長を有する青色光がエレクトロクロミック素子30001に印加された場合、着色状態の反射率は23.608%であり、消色状態における反射率は66.262%であった。
550nmの波長を有する緑色光がエレクトロクロミック素子30001に印加された場合、着色状態の反射率は7.111%であり、消色状態における反射率は61.785%であった。
580nmの波長を有する黄色光がエレクトロクロミック素子30001に印加された場合、着色状態の反射率は11.420%であり、消色状態における反射率は72.237%であった。
610nmの波長を有する橙色光がエレクトロクロミック素子30001に印加された場合、着色状態の反射率は4.398%であり、消色状態における反射率は72.992%であった。
700nmの波長を有する赤色光がエレクトロクロミック素子30001に印加された場合、着色状態の反射率は4.642%であり、消色状態における反射率は61.000%であった。
結果として、可視光範囲における光がエレクトロクロミック素子30001に印加されたことに起因して、着色状態における平均反射率は8.541%であり、消色状態における平均反射率は59.727%であり、着色状態と消色状態との間の平均反射率の差は51.186%であった。
上の実験によれば、エレクトロクロミック素子30001の着色状態および消色状態の反射率の差は、3Layer ECとほぼ同一である。換言すると、エレクトロクロミック素子30001は、従来の3Layer ECとほぼ同一の性能を有する。
同時にエレクトロクロミック素子30001は、同様のプロセスで形成されるという効果を有する。従来の3Layer ECの場合、3つの層が第1電極と第2電極との間に配置されるので、3Layer ECを実現するために、3つの層を形成するためのプロセスが実行される必要がある。逆に、本願に係るエレクトロクロミック素子30001の場合、第1電極と第2電極との間に2つの層が配置されるので、2つの層を形成するためのプロセスだけが、エレクトロクロミック素子30001を実現するために必要である。その結果、エレクトロクロミック素子30001を実現するために必要なプロセスの数が、従来の3Layer ECを実現するために必要なプロセスの数より小さいので、エレクトロクロミック素子30001を実現するためのプロセスは簡略化され得る。
[2.エレクトロクロミック素子のイオン伝達貯蔵層の領域]
図85は、本願の実施形態に係るイオン伝達貯蔵層30500の上部領域30502および下部領域30504を示す図である。
図86は、本願の実施形態に係るエレクトロクロミック素子30001の変色を示す図である。
図85を参照すると、本願の実施形態に係るイオン伝達貯蔵層30500は、上部領域30502および下部領域30504を含み得る。上部領域30502および下部領域30504は異なる材料組成を有し得る。
イオン伝達貯蔵層30500は、第1材料および第2材料を含み得る。第1材料は絶縁材料として定義され得る。第2材料はエレクトロクロミック材料として定義され得る。上部領域30502は第1材料を含み得る。下部領域30504は第1材料および第2材料を含み得る。
エレクトロクロミック材料は酸化還元材料およびエレクトロクロミックイオンを含み得る。エレクトロクロミック材料は、光学特性が変更可能な材料として定義され得る。
酸化還元材料は、TiO
2
、V
2
O
5
、Nb
2
O
5
、Cr
2
O
3
、FeO
2
、CoO
2
、NiO
2
、RhO
2
、Ta
2
O
5
、および、WO
3
などの還元変色材料、ならびに、NiO
2
、IrO
2
、CoO
2
、イリジウム‐マグネシウム酸化物、ニッケル‐マグネシウム酸化物およびチタン‐バナジウム酸化物などの酸化変色材料を含み得る。
クロム酸イオンは、エレクトロクロミック材料の光学特性の変化を引き起こす材料として定義され得る。クロム酸イオンは、OH-などの陰イオンと、H+およびLi+などの陽イオンを含み得る。
絶縁材料は、SiO
2
、Al
2
O
3
、Nb
2
O
3
、Ta
2
O
5
、LiTaO
3
、LiNbO
3
、La
2
TiO
7
、La
2
TiO
7
、SrZrO
3
、ZrO
2
、Y
2
O
3
、Nb
2
O
5
、La
2
Ti
2
O
7
、LaTiO
3
、HfO
2 のうち少なくとも1つを含み得る。上部領域30502および下部領域30504は異なる材料濃度を有し得る。上部領域30502において、第1材料の濃度は90%以上であり得る。
第1材料の濃度は、40%~80%であり得て、第2材料の濃度は20%~60%であり得て、第1材料と第2材料との間の濃度比率は、下部領域30504において、8:2~4:6であり得る。
下部領域30504における第1材料と第2材料との間の濃度比率は、各位置について、変更され得る。
下部領域30504において、第2材料の濃度は、エレクトロクロミック層30300または上部領域30502に向かってより近くなるにつれて、増加し得る。下部領域30504において、第1材料の濃度は、第2電極30700に向かってより近くなるにつれて、増加し得る。
下部領域30504において、上部領域30502に近い領域における第1材料に関連する第2材料の量は、第2電極30700に近い領域における第1材料に関連する第2材料の量より小さいことがあり得る。
下部領域30504において、第2電極30700に近い領域における第2材料に関連する第1材料の量は、上部領域30502に近い領域における第2材料に関連する第1材料の量より小さいことがあり得る。
上で説明されたように、異なる材料組成を有する上部領域30502および下部領域30504に起因して、上部領域30502の特性は、下部領域30504の特性と異なり得る。
上部領域30502および下部領域30504は異なる特性を有し得る。異なる特性は、光学特性および電気特性を含み得る。光学特性は、屈折率、透過率などを含み得る。電気特性は、絶縁、電気抵抗、または、イオン伝達性などを含み得る。
光学特性は、第1光学特性および第2光学特性を含み得て、電気特性は、第1電気特性および第2電気特性を含み得る。
上部領域30502は、第1光学特性を有し得て、下部領域30504は、第2光学特性を有し得て、一方、第1光学特性および第2光学特性は異なる。
上部領域30502は、第1電気特性を有し得て、下部領域30504は、第2電気特性を有し得て、一方、第1電気特性および第2電気特性は異なる。例えば、下部領域30504は、電子およびエレクトロクロミックイオンが下部領域30504に移動することを可能にする電気特性を有し得て、一方、上部領域30502は、エレクトロクロミックイオンのマイグレーションを可能にするが、上部領域30502における電子のマイグレーションをブロックする電気特性を有する。
異なる特性を有する上部領域30502および下部領域30504に起因して、エレクトロクロミック素子30002のクロム安定性は改善され得る。例えば、上部領域30502および下部領域30504の両方が導電性である場合、エレクトロクロミック層30300における電子はイオン伝達貯蔵層30500へ伝達され得る。イオン伝達貯蔵層30500が酸化変色材料を含む場合、イオン伝達貯蔵層30500は、イオン伝達貯蔵層30500へ移動するエレクトロクロミックイオンによって消色され得る。逆に、上部領域30502が絶縁され、下部領域30504が導電性であるように、上部領域30502および下部領域30504の電気特性は異なり得る。この場合、エレクトロクロミック層30300における電子は、上部領域30502によってブロックされ得る。従って、イオン伝達貯蔵層30500の着色状態が維持され得る。結果として、エレクトロクロミック素子30001のクロム安定性が改善され得る。
図86を参照すると、電力がエレクトロクロミック素子30001に印加される場合でも、上部領域は、光学的状態を維持し得る。
第1電力がエレクトロクロミック素子30001に印加される場合、エレクトロクロミック層30300および下部領域30504は第1光学状態を有し得て、上部領域30502は第1光学状態を有し得る。第2電力がエレクトロクロミック素子に印加される場合、エレクトロクロミック層30300および下部領域30504は第2光学状態を有し得て、上部領域30502は、依然として第1光学状態を有し得る。
換言すると、エレクトロクロミック素子30001の変色のための電力がエレクトロクロミック素子30001に印加される場合、エレクトロクロミック層30300および下部領域30504は着色され得て、一方、上部領域30502は消色されたままである。
[3.エレクトロクロミック素子の第1電極および第2電極の更に別の実施形態]
本願の実施形態に係る第1電極30100および第2電極30700は、同様の特性を有し得る。特性は電気特性および光学特性を含み得る。
第1電極30100および第2電極30700の電気特性は同様であり得る。電気特性は、絶縁、電気抵抗またはイオン伝達性などを含み得る。第1電極30100の抵抗および第2電極30700の抵抗は同様の値を有し得る。
第1電極30100および第2電極30700の光学特性は同様であり得る。
第1電極30100を構成する粒子の大きさ、および、第2電極30700を構成する粒子の大きさは、第1電極30100および第2電極30700が同様の特性を有するように調節され得る。第1電極30100の粒子サイズおよび第2電極30700の粒子サイズは同様であり得る。
第1電極30100の粒子サイズを第2電極30700の粒子サイズと同様にするべく、第1電極30100および第2電極30700を形成するためのプロセスの温度条件は、同様となるように調節され得る。第1電極30100を形成するためのプロセスの温度条件は、第2電極30700を形成するためのプロセスの温度条件と同様となるように設定され得る。従って、第1電極30100の粒子サイズは第2電極30700の粒子サイズと同様となるように調節され得る。
第1電極30100および第2電極30700が同様の特性を有するに起因して、エレクトロクロミック素子の変色の均一性を改善する効果がある。例えば、第1電極30100および第2電極30700が異なる電気抵抗値を有する場合、第1電極30100および第2電極30700は、異なる速度で電子を受け取り得る。第1電極30100および第2電極30700から、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の各々へ電子が伝達される速度は異なり得る。従って、光学的状態が変化する速度は、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500で異なり得る。逆に、第1電極30100および第2電極30700が同様の電気抵抗値を有する場合、第1電極30100および第2電極30700は、電子を受け取り、電子を同様の速度でエレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500へ伝達し得る。従って、光学的状態が変化する速度は、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500において同様であり得る。結果として、層における光学的状態が、同様の速度で変化するので、エレクトロクロミック素子の変色の均一性を改善する効果がある。
[4.実際に実現されるエレクトロクロミック素子]
図87は、本願の実施形態に係る、実際に実現されるエレクトロクロミック素子を示す図である。
図88は、本願の実施形態に係る、実際に実現されたエレクトロクロミック素子に設定された第1の想像上の線、および、第2の想像上の線、ならびに、エレクトロクロミック素子の各層を示す図である。以降、図87および図88を参照して、説明を提供する。
本願の実施形態によれば、実際に実現されるエレクトロクロミック素子は、第1電極30100、エレクトロクロミック層30300、イオン伝達貯蔵層30500および第2電極30700を含み得る。第1接触面30200は、第1電極30100がエレクトロクロミック層30300に接触することによって形成され得て、境界面30400は、エレクトロクロミック層30300がイオン伝達貯蔵層30500に接触することによって形成され得て、第2接触面30600は、イオン伝達貯蔵層30500が第2電極30700に接触することによって形成され得る。
第1の想像上の線30901はエレクトロクロミック層30300に設定され得る。第1の想像上の線30901は、エレクトロクロミック層30300における物理的構造が第1の想像上の線30901に関連して連続するように設定され得る。
第2の想像上の線30903はイオン伝達貯蔵層30500において設定され得る。第2の想像上の線30903は、イオン伝達貯蔵層30500における物理的構造が第2の想像上の線30903に関連して連続するように設定され得る。
しかしながら、エレクトロクロミック層30300の物理的構造およびイオン伝達貯蔵層30500の物理的構造は、境界面30400に関連して互いに不連続であり得る。
エレクトロクロミック素子は、物理的構造として、カラム30010および媒体30030を含み得る。エレクトロクロミック層30300に形成されるカラムは、変色カラム30305として定義され得て、イオン伝達貯蔵層30500において形成されるカラムは、イオンカラム30505として定義され得る。エレクトロクロミック層30300に形成される媒体30030は、変色媒体30350として定義され得て、イオン伝達貯蔵層30500において形成される媒体30030は、イオン媒体30550として定義され得る。
複数の変色カラム30305は、エレクトロクロミック層30300において形成され得る。複数のイオンカラム30505は、イオン伝達貯蔵層30500において形成され得る。
変色カラム30305は他の変色カラム30305に接触するよう、または、離隔するよう形成され得る。変色カラム30305が互いに接触する場合、互いに接触する変色カラム30305の左端および右端は互いに接触し得る。
イオンカラム30505は、他のイオンカラム30505と離隔して、または、接触して形成され得る。イオンカラム30505が互いに接触する場合、互いに接触するイオンカラム30505の左端および右端は互いに接触し得る。
変色カラム30305およびイオンカラム30505は、互いに接触し得る。この場合、変色カラム30305の下端は、イオンカラム30505の上端に接触し得る。
変色カラム30305およびイオンカラム30505は、想像上の線に関連して連続し得る。変色カラム30305は、第1の想像上の線30901に関連して連続し得て、イオンカラム30505は、第2の想像上の線30903に関連して連続し得る。変色カラム30305の左端および右端は、第1の想像上の線30901に関連して連続し得て、イオンカラム30505の左端および右端は、第2の想像上の線30903に関連して連続し得る。
変色カラム30305およびイオンカラム30505は、境界面30400に関連して不連続であり得る。変色カラム30305およびイオンカラム30505は、互いに接触し得て、一方、変色カラム30305の右端または左端は、境界面30400に関連して、イオンカラム30505の右端または左端から不連続である。
変色媒体30350およびイオン媒体30550は互いに連続および不連続であり得る。
変色媒体30350およびイオン媒体30550は、仮想的な線に関連して連続し得る。変色媒体30350は、第1の想像上の線30901に関連して連続し得て、イオン媒体30550は、第2の想像上の線30903に関連して連続し得る。変色媒体30350の外周面は、第1の想像上の線30901に関連して連続し得て、イオン媒体30550の外周面は、第2の想像上の線30903に関連して連続し得る。
変色媒体30350およびイオン媒体30550は、境界面30400に関連して不連続であり得る。変色媒体30350の外周面およびイオン媒体30550の外周面は、境界面30400に関連して互いに不連続であり得る。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が連続であり、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が互いに不連続であることにより、エレクトロクロミック素子の光学的状態が安定的に変更される効果がある。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の各々が不連続である場合、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が電子またはエレクトロクロミックイオンを受け取り、電子またはエレクトロクロミックイオンを層の各々の全領域へ伝達することが困難となる。逆に、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が連続することにより、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は、電子またはエレクトロクロミックイオンを受け取り、電子またはエレクトロクロミックイオンを層の各々の全領域へ伝達し得る。従って、光学的状態は、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500の各々の全領域において、変更され得る。
エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が互いに不連続であることにより、電気的変色が安定的に引き起こされるという効果がある。エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が互いに連続する場合、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は電子を交換する。エレクトロクロミック層30300とイオン伝達貯蔵層30500との間の電子交換に起因して、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500における電子の数の差が解消される。従って、大きい数の電子を含む領域へ誘導されるエレクトロクロミックイオンは、更に移動せず、マイグレーションに基づくエレクトロクロミック素子の電気的変色が引き起こされない。その結果、エレクトロクロミック素子30001は動作しない。逆に、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が互いに不連続である場合、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500は電子を交換できない。従って、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500における電子の数の間の差が維持される。従って、エレクトロクロミックイオンは、エレクトロクロミック層30300またはイオン伝達貯蔵層30500へ移動し得る。エレクトロクロミックイオンのマイグレーションに起因して、エレクトロクロミック層30300、または、イオン伝達貯蔵層30500が電気的に変色され得る。結果として、エレクトロクロミック素子30001の電気的変色が安定的に引き起こされ、エレクトロクロミック素子30001は適切に動作する。
すなわち、エレクトロクロミック層30300およびイオン伝達貯蔵層30500が互いに連続し、不連続であることにより、層の各々の全領域において、光学的状態は均一に変更され、維持され得る。従って、エレクトロクロミック素子の光学的状態が安定的に変更されるという効果がある。
上述のエレクトロクロミック素子30001は、図1から図37のエレクトロクロミック素子10200の別の実施形態であり得る。上述の駆動モジュール21000は、図74から図88のエレクトロクロミック素子30001を駆動し得る。すなわち、上述の駆動モジュール21000の電気接続部材21500は、図74から図88のエレクトロクロミック素子30001に配置され得て、トレンチ構造22100は、図74から図88のエレクトロクロミック素子30001において形成され得て、電気接続部材21500から駆動電力を受け取る。
[第3実施形態のグループ]
以降、第3実施形態のグループに係るエレクトロクロミック装置を説明する。図89は、第1実施形態に係るエレクトロクロミック装置を示す図である。
図89を参照すると、第1実施形態に係るエレクトロクロミック装置40001は、エレクトロクロミック素子40100を含む。
エレクトロクロミック素子40100は、基板40110、透明電極40120、第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140、第2エレクトロクロミック層40150および反射層40160を含み得る。
エレクトロクロミック素子40100は駆動回路40170に接続され得る。駆動回路40170はワイヤ40180を通じてエレクトロクロミック素子40100に電気的に接続され得る。
駆動回路40170は反射層40160に隣接する領域に配置され得る。駆動回路40170と第1エレクトロクロミック層40130との間の距離は、駆動回路40170と第2エレクトロクロミック層40150との間の距離より長いことがあり得る。
駆動回路40170は、反射層40160の後方表面上に配置され得る。基板40110が外側に隣接し、駆動回路40170が反射層40160の後方表面上に配置されることにより、駆動回路40170が外側から見られることを防止し得る。
エレクトロクロミック素子40100は鏡であり得る。エレクトロクロミック素子40100が鏡である場合、エレクトロクロミック素子40100は、駆動電圧を受け取り得て、したがって、エレクトロクロミック素子40100の反射率は変更され得る。
透明電極40120は基板40110上に配置され得る。透明電極40120および反射層40160は互いに向かい合って配置され得る。第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140および第2エレクトロクロミック層40150は、透明電極40120と反射層40160との間に配置され得る。
透明電極40120は入射光を透過し得る。透明電極40120は、透明導電性材料で形成され得る。透明電極40120は、インジウム、スズ、亜鉛および/または酸化物の少なくとも1つでドープされる金属を含み得る。例えば、第1電極40210および第2電極40250は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、または、酸化インジウム亜鉛(IZO)で形成され得る。代替的に、透明電極40120は、銀ナノワイヤ、金属メッシュ、酸化物金属酸化物(OMO)、またはカーボンナノチューブなどで形成され得る。
反射層40160は、高反射率を有する金属材料で形成され得る。反射層40160は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、金(Au)、銀(Ag)およびタングステン(W)のうち少なくとも1つを含み得る。
第1エレクトロクロミック層40130は透明電極40120上に配置され得る。第1エレクトロクロミック層40130は、イオンの移動に起因して変色する材料で形成され得る。第1エレクトロクロミック層40130は、TiO、V
2
O
5
、Nb
2
O
5
、Cr
2
O
3
、MnO
2
、FeO
2
、CoO
2
、NiO
2
、RhO
2
、Ta
2
O
5
、IrO
2
、WO
3 、イリジウム‐マグネシウム酸化物、ニッケル‐マグネシウム酸化物およびチタン‐バナジウム酸化物のうち少なくとも1つの酸化物を含み得る。
イオン伝達層40140は、第1エレクトロクロミック層40130と第2エレクトロクロミック層40150との間のイオン移動経路であり得る。第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150はイオン伝達層40140を通じてイオンを交換し得る。イオン伝達層40140がイオンの移動経路になる一方で、イオン伝達層40140は、電子の障壁として機能し得る。すなわち、イオンは、イオン伝達層40140を通じて移動できるが、電子はそれを通って移動できない。換言すると、第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150は、イオン伝達層40140を通じてイオンを交換できるが、それを通って電子を交換できない。
イオン伝達層40140は絶縁材料を含み得る。イオン伝達層40140は固体であり得る。イオン伝達層40140は、SiO
2
、Al
2
O
3
、Nb
2
O
3
、Ta
2
O
5
、LiTaO
3
、LiNbO
3
、La
2
TiO
7
、La
2
TiO
7
、SrZrO
3
、ZrO
2
、Y
2
O
3
、Nb
2
O
5
、La
2
Ti
2
O
7
、LaTiO
3
、HfO
2 のうち少なくとも1つを含み得る。
第2エレクトロクロミック層40150は、イオン伝達層40140上に配置され得る。第2エレクトロクロミック層40150は、イオン移動に起因して変色される材料で形成され得る。第2エレクトロクロミック層40150は、TiO、V
2
O
5
、Nb
2
O
5
、Cr
2
O
3
、MnO
2
、FeO
2
、CoO
2
、NiO
2
、RhO
2
、Ta
2
O
5
、IrO
2
、WO
3 、イリジウム‐マグネシウム酸化物、ニッケル‐マグネシウム酸化物およびチタン‐バナジウム酸化物のうち少なくとも1つの酸化物を含み得る。
第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150は異なる材料で形成され得る。
イオンは第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150のいずれか1つに注入され得る。イオンは、H+イオンまたはLi+イオンのうち少なくとも1つであり得る。
第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150の光学特性は、イオンの移動に起因して変更され得る。イオンが第1エレクトロクロミック層40130に注入される場合、第1エレクトロクロミック層40130が変色され得る。イオンが第1エレクトロクロミック層40130に注入される場合、第1エレクトロクロミック層40130は着色または消色され得る。イオンが第1エレクトロクロミック層40130に注入される場合、第1エレクトロクロミック層40130の光透過率および/または光吸収率は変更され得る。イオンが第1エレクトロクロミック層40130に注入されるに伴い、第1エレクトロクロミック層40130は還元され得る。イオンが第1エレクトロクロミック層40130に注入されるに伴い、第1エレクトロクロミック層40130は還元および変色され得る。イオンが第1エレクトロクロミック層40130に注入されるに伴い、第1エレクトロクロミック層40130は還元および着色され得る。代替的に、イオンが第1エレクトロクロミック層40130に注入される場合、第1エレクトロクロミック層40130が還元および消色され得る。
第1エレクトロクロミック層40130に注入されるイオンは脱離され得る。第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、第1エレクトロクロミック層40130の光学特性は変更され得る。第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、第1エレクトロクロミック層40130は変色され得る。第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、第1エレクトロクロミック層40130は着色または消色され得る。第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、第1エレクトロクロミック層40130の光透過率および/または光吸収率が変更され得る。第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、第1エレクトロクロミック層40130は酸化され得る。第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、第1エレクトロクロミック層40130は酸化および変色され得る。第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、第1エレクトロクロミック層40130は酸化および着色され得る。代替的に、第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、第1エレクトロクロミック層40130は酸化および消色され得る。
イオンは第2エレクトロクロミック層40150に注入され得る。イオンが第2エレクトロクロミック層40150に注入されるとき、第2エレクトロクロミック層40150の光学特性は変更され得る。イオンが第2エレクトロクロミック層40150に注入されるとき、第2エレクトロクロミック層40150は変色され得る。イオンが第2エレクトロクロミック層40150に注入されるとき、第2エレクトロクロミック層40150は着色または消色され得る。イオンが第2エレクトロクロミック層40150に注入されるとき、第2エレクトロクロミック層40150の光透過率および/または光吸収率が変更され得る。イオンが第2エレクトロクロミック層40150に注入されるに伴い、第2エレクトロクロミック層40150は還元され得る。イオンが第2エレクトロクロミック層40150に注入されるに伴い、第2エレクトロクロミック層40150は還元および変色され得る。イオンが第2エレクトロクロミック層40150に注入されるに伴い、第2エレクトロクロミック層40150は還元および着色され得る。代替的に、イオンが第2エレクトロクロミック層40150に注入されるとき、第2エレクトロクロミック層40150は還元および消色され得る。
第2エレクトロクロミック層40150に注入されるイオンは脱離され得る。第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるとき、第2エレクトロクロミック層40150の光学特性は変更され得る。第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるとき、第2エレクトロクロミック層40150は変色され得る。第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるとき、第2エレクトロクロミック層40150は着色または消色され得る。第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるとき、第2エレクトロクロミック層40150の光透過率および/または光吸収率は変更され得る。第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるに伴い、第2エレクトロクロミック層40150は酸化され得る。第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるに伴い、第2エレクトロクロミック層40150は酸化および変色され得る。第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるに伴い、第2エレクトロクロミック層40150は酸化および着色され得る。代替的に、第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるとき、第2エレクトロクロミック層40150は酸化および消色され得る。
第1エレクトロクロミック層40130のイオンが脱離されるとき、イオンは第2エレクトロクロミック層40150へ移動し得る。第2エレクトロクロミック層40150のイオンが脱離されるとき、イオンは第1エレクトロクロミック層40130へ移動し得る。
第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150に生じる化学反応は、異なる反応であり得る。第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150において、逆の化学反応が生じ得る。第1エレクトロクロミック層40130が酸化される場合、第2エレクトロクロミック層40150は還元され得る。第1エレクトロクロミック層40130が還元される場合、第2エレクトロクロミック層40150は酸化され得る。
従って、第1エレクトロクロミック層40130は、第2エレクトロクロミック層40150の対電極として機能し得る。
第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150の状態は、イオンの移動に起因して変更され得る。
互いに対応する状態変化は、第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150において生じ得る。例えば、第1エレクトロクロミック層40130が着色される場合、第2エレクトロクロミック層40150も着色され得て、第1エレクトロクロミック層40130が消色される場合、第2エレクトロクロミック層40150も消色され得る。第1エレクトロクロミック層40130が酸化および着色される場合、第2エレクトロクロミック層40150は還元および着色され得て、第1エレクトロクロミック層40130が還元および着色される場合、第2エレクトロクロミック層40150は酸化および着色され得る。
第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150のいずれか一方は、エレクトロクロミック層として機能し得て、他方は、イオン貯蔵層として機能し得る。
第1エレクトロクロミック層40130がエレクトロクロミック層として機能する場合、第2エレクトロクロミック層40150はイオン貯蔵層として機能し得る。
第1エレクトロクロミック層40130がエレクトロクロミック層として機能し、第2エレクトロクロミック層40150がイオン貯蔵層として機能する場合を下で説明する。
例えば、第1エレクトロクロミック層40130は、タングステン原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層40150はイリジウム原子を含み得る。
第1エレクトロクロミック層40130は酸化タングステンを含み得る。第1エレクトロクロミック層40130はWO
3 を含み得る。
第2エレクトロクロミック層40150は酸化イリジウムを含み得る。第2エレクトロクロミック層40150はIrO
2
およびTa
2
O
5 を含み得る。第2エレクトロクロミック層40150において、IrO
2
およびTa
2
O
5 が混合形式で存在し得る。
この場合、第1エレクトロクロミック層40130は還元および着色され得て、第2エレクトロクロミック層40150は酸化および着色され得る。また、第1エレクトロクロミック層40130は酸化および消色され得て、第2エレクトロクロミック層40150は還元および消色され得る。
すなわち、第1エレクトロクロミック層40130から第2エレクトロクロミック層40150へイオンが移動する場合、第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150は消色され得て、イオンが第2エレクトロクロミック層40150から第1エレクトロクロミック層40130へ移動する場合、第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150は着色され得る。
タングステン原子を含む第1エレクトロクロミック層40130が基板40110の近くに配置されるに伴い、劣化が低減され得て、したがって、変色した色が維持され得る。タングステン原子と比較して、イリジウム原子は、熱が印加された場合に変形しやすいので、タングステン原子を含む第1エレクトロクロミック層40130を、外側に隣接する基板40110の近くに配置することにより、劣化を防止する効果を達成できる。
第1エレクトロクロミック層40130がイオン貯蔵層として機能する場合、第2エレクトロクロミック層40150は、エレクトロクロミック層として機能し得る。
第1エレクトロクロミック層40130がイオン貯蔵層として機能し、第2エレクトロクロミック層40150がエレクトロクロミック層として機能する場合を以下で説明する。
例えば、第1エレクトロクロミック層40130は、イリジウム原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層40150は、タングステン原子を含み得る。
第1エレクトロクロミック層40130は酸化イリジウムを含み得る。第1エレクトロクロミック層40130はIrO
2
およびTa
2
O
5 を含み得る。第1エレクトロクロミック層40130において、IrO
2
およびTa
2
O
5 は、混合形式で存在し得る。
第2エレクトロクロミック層40150は酸化タングステンを含み得る。第2エレクトロクロミック層40150はWO
3 を含み得る。
この場合、第1エレクトロクロミック層40130は酸化および着色され得て、第2エレクトロクロミック層40150は還元および着色され得る。また、第1エレクトロクロミック層40130は還元および消色され得て、第2エレクトロクロミック層40150は酸化および消色され得る。
すなわち、第1エレクトロクロミック層40130から第2エレクトロクロミック層40150へイオンが移動する場合、第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150は着色され得て、イオンが第2エレクトロクロミック層40150から第1エレクトロクロミック層40130へ移動する場合、第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150は消色され得る。
イリジウム原子を含む第1エレクトロクロミック層40130が基板40110の近くに配置されるに伴い、最大反射率と最小反射率との間の変動が増加し得る。基板40110を通じて入射する光は、透明電極40120を通じて第1エレクトロクロミック層40130に入射する。本明細書において、透明電極40120がITOである場合、ITOとイリジウムとの間の屈折率の差は、ITOとタングステンとの間の屈折率の差より小さいので、表面で消失する光の量が低減され得る。すなわち、第1エレクトロクロミック層40130が、イリジウム原子を含む材料で形成されるに伴い、エレクトロクロミック素子40100に入射する光の量は増加し得て、これにより、最大反射率と最小反射率との間の変動が増加し得る。エレクトロクロミック素子40100における最大反射率と最小反射率との間の変動が増加するに伴い、光の量が調節可能である範囲は増加するので、イリジウム原子を含む材料で第1エレクトロクロミック層40130を形成することにより、エレクトロクロミック素子40100が制御可能である範囲を広げる効果を達成できる。
また、イリジウム原子が光触媒反応において相対的に安定的なので、イリジウム原子を含む第1エレクトロクロミック層40130に光を照射した場合でも、第1エレクトロクロミック層40130の電気特性の変化が小さい。したがって、製品の耐用年数を延ばす効果を達成できる。
図90は、第1実施形態に係るエレクトロクロミック素子の断面を示す図である。
図90を参照すると、第1実施形態に係るエレクトロクロミック素子40100は、基板40110、透明電極40120、第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140、第2エレクトロクロミック層40150および反射層40160を含む。
コンタクトホール40180がエレクトロクロミック素子40100において形成され得る。コンタクトホール40180は、駆動回路40170および透明電極40120を電気的に接続する通路であり得る。
コンタクトホール40180は、第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140、第2エレクトロクロミック層40150、および、反射層40160を通過するように形成され得る。コンタクトホール40180は、透明電極40120の一部を露出させ得る。第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140、第2エレクトロクロミック層40150および反射層40160の一部は、コンタクトホール40180に起因して除去され得る。
コンタクトホール40180はレーザまたはエッチングによって形成され得る。コンタクトホール40180に起因して除去される領域は、角度を有する傾斜面を有するように形成され得る。鋭角がコンタクトホール40180と各層の境界面との間に形成され得る。
第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140、第2エレクトロクロミック層40150、および、反射層40160がコンタクトホール40180によって除去される部分的領域は、除去領域として定義され得る。除去領域は、第1エレクトロクロミック層40130から反射層40160に向かって、徐々により大きくなり得る。例えば、第1エレクトロクロミック層40130の除去領域は、イオン伝達層40140の除去領域より小さいことがあり得て、イオン伝達層40140の除去領域は、第2エレクトロクロミック層40150の除去領域より小さいことがあり得て、第2エレクトロクロミック層40150の除去領域は、反射層40160の除去領域より小さいことがあり得る。
除去領域の幅は、第1エレクトロクロミック層40130から反射層40160に向かって徐々に増加し得る。例えば、第1エレクトロクロミック層40130の除去領域の幅は、イオン伝達層40140の除去領域の幅より小さいことがあり得て、イオン伝達層40140の除去領域の幅は、第2エレクトロクロミック層40150の除去領域の幅より小さいことがあり得て、第2エレクトロクロミック層40150の除去領域の幅は、反射層40160の除去領域の幅より小さいことがあり得る。
第1エレクトロクロミック層40130の除去領域は、第1除去領域A1として定義され得て、第2エレクトロクロミック層40150の除去領域は、第2除去領域B1として定義され得る。第1除去領域A1は、第2除去領域B1より小さいことがあり得る。第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150において、第2エレクトロクロミック層40150の除去領域は、駆動回路40170に隣接する第1エレクトロクロミック層40130の除去領域より大きいことがあり得る。
切断部分40190がエレクトロクロミック素子40100において形成され得る。エレクトロクロミック素子40100は単一の基板上に積層され、次に、切断プロセスによって複数のエレクトロクロミック素子に切断され得て、各エレクトロクロミック素子40100は切断部分40190を含み得る。
基板40110、透明電極40120、第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140、第2エレクトロクロミック層40150および反射層40160の一部は、切断部分40190によって除去され得る。
切断部分40190はレーザまたはエッチングによって形成され得る。切断部分40190に起因して除去される領域は、角度を有する傾斜面を有するものとして形成され得る。鋭角が、切断部分40190と、各層の境界面との間に形成され得る。切断部分40190は、切断線1に基づいて形成され得る。
切断部分40190がレーザによって形成される場合、切断線lに基づいて切断が実行される場合でも、切断部分40190に起因して除去される領域は、角度を有する傾斜面を有するものとして形成され得る。
切断部分40190に起因して、基板40110、透明電極40120、第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140、第2エレクトロクロミック層40150、および、反射層40160が除去される部分的領域は、切断領域として定義され得る。切断領域は、基板40110から反射層40160に向かって、徐々により大きくなり得る。例えば、基板40110の切断領域は、透明電極40120の切断領域より小さいことがあり得て、透明電極40120の切断領域は、第1エレクトロクロミック層40130の切断領域より小さいことがあり得て、第1エレクトロクロミック層40130の切断領域は、イオン伝達層40140の切断領域より小さいことがあり得て、イオン伝達層40140の切断領域は、第2エレクトロクロミック層40150の切断領域より小さいことがあり得て、第2エレクトロクロミック層40150の切断領域は、反射層40160の除去領域より小さいことがあり得る。
切断領域の幅は、基板40110から反射層40160に向かって徐々に増加し得る。例えば、反射層40160の切断領域の幅は、第2エレクトロクロミック層40150の切断領域の幅より大きいことがあり得て、第2エレクトロクロミック層40150の切断領域の幅は、イオン伝達層40140の切断領域の幅より大きいことがり得て、イオン伝達層40140の切断領域の幅は、第1エレクトロクロミック層40130の切断領域の幅より大きいことがあり得て、第1エレクトロクロミック層40130の切断領域の幅は、透明電極40120の切断領域の幅より大きいことがあり得て、透明電極40120の切断領域の幅は、基板40110の切断領域の幅より大きいことがあり得る。
第1エレクトロクロミック層40130の切断領域は第1切断領域A3として定義され得て、第2エレクトロクロミック層40150の切断領域は、第2切断領域B3として定義され得る。第1切断領域A3は第2切断領域B3より小さいことがあり得る。第1エレクトロクロミック層40130および第2エレクトロクロミック層40150において、駆動回路40170に隣接する第2エレクトロクロミック層40150の切断領域は、第1エレクトロクロミック層40130の切断領域より大きいことがあり得る。
第1エレクトロクロミック層40130、イオン伝達層40140、第2エレクトロクロミック層40150および反射層40160は、残存領域を更に含み得る。残存領域は、コンタクトホール40180と切断部分40190との間の領域であり得る。第1エレクトロクロミック層40130は、第1残存領域A2を含み得る。第2エレクトロクロミック層40150は、第2残存領域B2を含み得る。
駆動回路40170に隣接する第2エレクトロクロミック層40150の第2残存領域B2は、第1エレクトロクロミック層40130の第1残存領域A2より小さいことがあり得る。駆動回路40170に隣接する第2エレクトロクロミック層40150における、材料が除去された領域は、駆動回路40170から離隔した第1エレクトロクロミック層40130における、材料が除去された領域より大きいことがあり得る。第2エレクトロクロミック層40150の第2除去領域B1および第2切断領域B3の和は、第1エレクトロクロミック層40130の第1除去領域A1および第1切断領域A3の和より大きいことがあり得る。
図91は、第2実施形態に係るエレクトロクロミック装置を示す図であり、図92は、第2実施形態に係るエレクトロクロミック素子の断面図である。
第2実施形態に係るエレクトロクロミック装置は、反射層が透明電極で置換されていることを除き、第1実施形態に係るものと同一である。したがって、第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成に、同様の参照番号が割り当てられる。詳細な説明は省略される。
図91および図92を参照すると、第2実施形態に係るエレクトロクロミック素子40200は、基板40210、第1透明電極40220、第1エレクトロクロミック層40230、イオン伝達層40240、第2エレクトロクロミック層40250および第2透明電極40260を含み得る。
エレクトロクロミック素子40200は窓であり得る。エレクトロクロミック素子40200が窓である場合、エレクトロクロミック素子40200は、駆動電圧を受け得て、エレクトロクロミック素子40200の透過率は変更され得る。
第1透明電極40220は基板40210上で形成され得る。第1透明電極40220および第2透明電極40260は互いに向かい合って形成され得る。第1エレクトロクロミック層40230、イオン伝達層40240および第2エレクトロクロミック層40250は、第1透明電極40220と第2透明電極40260との間に配置され得る。
コンタクトホール40280がエレクトロクロミック素子40200に形成され得る。コンタクトホール40280は、第1透明電極40220を外部の駆動回路に電気的に接続する通路であり得る。
コンタクトホール40280はレーザまたはエッチングによって形成され得る。コンタクトホール40280に起因して除去される領域は、角度を有する傾斜面を有するように形成され得る。コンタクトホール40280と、各層の境界面との間に、鋭角が形成され得る。
第1エレクトロクロミック層40230の除去領域は第1除去領域A1として定義され得て、第2エレクトロクロミック層40250の除去領域は、第2除去領域B1として定義され得る。第1除去領域A1は、第2除去領域B1より小さいことがあり得る。第1エレクトロクロミック層40230および第2エレクトロクロミック層40250において、基板40210に隣接する第1エレクトロクロミック層40230の除去領域は、第2エレクトロクロミック層40250の除去領域より小さいことがあり得る。
切断部分40290がエレクトロクロミック素子40200に形成され得る。基板40210、第1透明電極40220、第1エレクトロクロミック層40230、イオン伝達層40240、第2エレクトロクロミック層40250および第2透明電極40260の一部が、切断部分40290によって除去され得る。
切断部分40290はレーザまたはエッチングによって形成され得る。切断部分40290に起因して除去される領域は、角度を有する傾斜面を有するように形成され得る。切断部分40290と、各層の境界面との間に鋭角が形成され得る。切断部分40290は、切断線1に基づいて形成され得る。
第1エレクトロクロミック層40230の切断領域は、第1切断領域A3として定義され得て、第2エレクトロクロミック層40250の切断領域は、第2切断領域B3として定義され得る。第1切断領域A3は第2切断領域B3より小さいことがあり得る。第1エレクトロクロミック層40230および第2エレクトロクロミック層40250において、基板40210に隣接する第1エレクトロクロミック層40230の切断領域は、第2エレクトロクロミック層40250の切断領域より小さいことがあり得る。
第1エレクトロクロミック層40230および第2エレクトロクロミック層40250は異なる材料で形成され得る。エレクトロクロミック素子40200は、第1エレクトロクロミック層40230および第2エレクトロクロミック層40250を構成する材料に従って、異なる特性を有し得る。
図93は、第2実施形態に係るエレクトロクロミック素子、および、第3実施形態に係るエレクトロクロミック素子の消色状態における透過率を示す図であり、図94は、第2実施形態に係るエレクトロクロミック素子、および、第3実施形態に係るエレクトロクロミック素子の着色状態における透過率を示す図である。
第2実施形態および第3実施形態は、図91の構造を有するエレクトロクロミック素子を示し、第1エレクトロクロミック層および第2エレクトロクロミック層に含まれる材料は、第2実施形態および第3実施形態において異なる。第2実施形態を以下で説明する。
第2実施形態において、エレクトロクロミック素子40200の第1エレクトロクロミック層40230は、エレクトロクロミック層として機能し得て、その第2エレクトロクロミック層40250はイオン貯蔵層として機能し得る。
第1エレクトロクロミック層40230はタングステン原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層40250はイリジウム原子を含み得る。
第1エレクトロクロミック層40230は酸化タングステンを含み得る。第1エレクトロクロミック層はWO
3 を含み得る。
第2エレクトロクロミック層40250は酸化イリジウムを含み得る。第2エレクトロクロミック層40250はIrO
2
およびTa
2
O
5
を含み得る。第2エレクトロクロミック層40250において、IrO
2
およびTa
2
O
5 は混合形式で存在し得る。
この場合、第1エレクトロクロミック層40230は、還元および着色され得て、第2エレクトロクロミック層40250は酸化および着色され得る。また、第1エレクトロクロミック層40230は酸化および消色され得て、第2エレクトロクロミック層40250は還元および消色され得る。
すなわち、イオンが第1エレクトロクロミック層40230から第2エレクトロクロミック層40250へ移動する場合、第1エレクトロクロミック層40230および第2エレクトロクロミック層40250は消色され得て、イオンが第2エレクトロクロミック層40250から第1エレクトロクロミック層40230へ移動する場合、第1エレクトロクロミック層40230および第2エレクトロクロミック層40250は着色され得る。
第2実施形態に係るエレクトロクロミック素子40200は、消色された場合に、図93に示されるスペクトル透過率を有し、着色された場合に、図94に示されるスペクトル透過率を有し得る。
具体的には、可視光領域における透過率に関連して、400nmから700nmの範囲の波長では、エレクトロクロミック素子40200は平均で、消色された場合、57.392%の透過率を有し、着色された場合、9.284%の透過率を有し得る。
タングステン原子を含む第1エレクトロクロミック層40230が基板40210の近くに配置されるに伴い、消色された場合の透過率と、着色sれた場合の透過率との間の変動が増加する。結果として、エレクトロクロミック素子40200が制御し得る透過率の範囲が広がるという効果がある。
また、タングステン原子を含む第1エレクトロクロミック層40230が、基板40210の近くに配置されるに伴い、劣化が低減され得て、したがって、変色した色が維持され得る。タングステン原子と比較して、イリジウム原子は、熱が印加された場合に変形しやすいので、タングステン原子を含む第1エレクトロクロミック層40230を、外側に隣接する基板40210の近くに配置することにより、劣化を防止する効果を達成できる。第3実施形態を以下で説明する。
第3実施形態において、エレクトロクロミック素子40200の第1エレクトロクロミック層40230はイオン貯蔵層として機能し得て、その第2エレクトロクロミック層40250は、エレクトロクロミック層として機能し得る。
第1エレクトロクロミック層40230は、イリジウム原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層40250は、タングステン原子を含み得る。
第1エレクトロクロミック層40230は、酸化イリジウムを含み得る。第1エレクトロクロミック層40230はIrO
2
およびTaO
5を含み得る。第1エレクトロクロミック層40230において、IrO
2
およびTaO
5 は、混合形式で存在し得る。
第2エレクトロクロミック層40250は、酸化タングステンを含み得る。第2エレクトロクロミック層40250はWO
3 を含み得る。
この場合、第1エレクトロクロミック層40230は酸化および着色され得て、第2エレクトロクロミック層40250は還元および着色され得る。また、第1エレクトロクロミック層40230は還元および消色され得て、第2エレクトロクロミック層40250は酸化および消色され得る。
すなわち、イオンが第1エレクトロクロミック層40230から第2エレクトロクロミック層40250へ移動する場合、第1エレクトロクロミック層40230および第2エレクトロクロミック層40250は着色され得て、イオンが第2エレクトロクロミック層40250から第1エレクトロクロミック層40230へ移動する場合、第1エレクトロクロミック層40230および第2エレクトロクロミック層40250は消色され得る。
第3実施形態に係るエレクトロクロミック素子40200は、消色された場合に、図93に示されるスペクトル透過率を有し得て、着色された場合に、図94に示されるスペクトル透過率を有し得る。
具体的には、可視光領域における透過率に関連して、400nmから700nmの範囲の波長では、エレクトロクロミック素子40200は平均で、消色された場合、55.543%の透過率を有し、着色された場合、10.882%の透過率を有し得る。
また、第3実施形態に係るエレクトロクロミック素子の場合、波長に従う透過率の変動が、可視光領域において小さい。第3実施形態に係るエレクトロクロミック素子において、波長に従う透過率の変動が小さいので、特定の条件において、エレクトロクロミック素子の色が別の色として見られることを防止する効果を達成できる。
また、光触媒反応においてイリジウム原子が相対的に安定であるので、外側に隣接するイリジウム原子を含む第1エレクトロクロミック層40230が光を照射される場合でも、第1エレクトロクロミック層40230の電気特性の変化は小さい。したがって、製品の耐用年数を延ばす効果を達成できる。図95は、湾曲を有するエレクトロクロミック素子を示す図である。
第2実施形態に係るエレクトロクロミック素子、および、第3実施形態に係るエレクトロクロミック素子は、湾曲を有する形態で製造され得る。
エレクトロクロミック素子は、湾曲形状で製造され得て、湾曲可能な形状で製造され、または、柔軟な形状で製造され得る。
エレクトロクロミック素子が湾曲形状で製造される場合、エレクトロクロミック素子は、車両の窓、または、車両のサンルーフに印加され得る。
エレクトロクロミック素子40200の各層は湾曲を有し得る。エレクトロクロミック素子40200の層は、異なる湾曲の半径を有し得る。エレクトロクロミック素子40200の各層は、基板40210に向かって徐々により大きくなる湾曲の半径を有し、第2透明電極40260に向かって徐々に小さくなる湾曲の半径を有し得る。エレクトロクロミック素子40200の湾曲の中心は、第2透明電極40260の向きであり得る。
第1透明電極40220は、基板40210より小さい湾曲の半径を有し得る。第1エレクトロクロミック層40230は、第1透明電極40220より小さい湾曲の半径を有し得る。イオン伝達層40240は、第1エレクトロクロミック層40230より小さい湾曲の半径を有し得る。第2エレクトロクロミック層40250は、イオン伝達層40240より小さい湾曲の半径を有し得る。第2透明電極40260は、第2エレクトロクロミック層40250より小さい湾曲の半径を有し得る。
第1エレクトロクロミック層40230は湾曲r1の第1半径を有し得る。湾曲r1の第1半径は、第1エレクトロクロミック層40230の湾曲の中心と、第1エレクトロクロミック層40230の中点N1との間の距離として定義され得る。
第2エレクトロクロミック層40250は、湾曲r2の第2半径を有し得る。湾曲r2の第2半径は、第2エレクトロクロミック層40250の湾曲の中心と、第2エレクトロクロミック層40250の中点N2との間の距離として定義され得る。湾曲r1の第1半径は、湾曲r2の第2半径より大きいことがあり得る。
第2実施形態の場合、タングステン原子を含む第1エレクトロクロミック層40230の湾曲の半径は、イリジウム原子を含む第2エレクトロクロミック層40250の湾曲の半径より大きいことがあり得る。イリジウム原子を含むイリジウム酸化物の柔軟性は、タングステン原子を含むタングステン酸化物の柔軟性より高いので、第2実施形態に係るエレクトロクロミック素子40200の構造安定性を改善する効果がある。図96は、建築物のためのガラスに適用されるエレクトロクロミック装置を示す図である。
第2実施形態に係るエレクトロクロミック素子、および、第3実施形態に係るエレクトロクロミック素子は、建築物のためのガラスに適用され得る。
エレクトロクロミック装置40201はエレクトロクロミック素子40200、外部ガラス40300および流体チャンバ40310を含み得る。
エレクトロクロミック素子40200は基板40210、第1透明電極40220、第1エレクトロクロミック層40230、イオン伝達層40240、第2エレクトロクロミック層40250および第2透明電極40260を含み得る。外部ガラス40300は、外側の空気に接触するガラスであり得る。
流体チャンバ40310は、外部ガラス40300とエレクトロクロミック素子40200との間に配置され得る。流体チャンバ40310は、第2透明電極40260と外部ガラス40300との間に配置され得る。
流体が流体チャンバ40310に注入され得る。外側とエレクトロクロミック素子40200との間で交換される熱は、流体部材40310に注入される流体に起因して、低減され得る、その結果、絶縁効果を改善できる。
第1エレクトロクロミック層40230と比較して、第2エレクトロクロミック層40250は、外側により隣接し得る。代替的に、第1エレクトロクロミック層40230と比較して、第2エレクトロクロミック層40250は、流体により隣接し得る。
第2実施形態の場合、第1エレクトロクロミック層40230はタングステン原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層40250はイリジウム原子を含み得る。イリジウム原子を含む第2エレクトロクロミック層40250は、タングステン原子を含む第1エレクトロクロミック層40230より流体に隣接する領域に配置され得る。
第3実施形態の場合、第1エレクトロクロミック層40230はイリジウム原子を含み得て、第2エレクトロクロミック層40250はタングステン原子を含み得る。タングステン原子を含む第2エレクトロクロミック層40250は、イリジウム原子を含む第1エレクトロクロミック層40230より流体に隣接する領域に配置され得る。
本出願の構成および特徴を、実施形態に基づいて上で説明したが、実施形態はそれらに限定されない。当業者であれば、本出願が、実施形態の思想および範囲内の様々な方式で、変更または修正され得ることを明らかに理解するはずである。したがって、そのような変更または修正は、添付の特許請求の範囲に属することに留意すべきである。
(項目1)
エレクトロクロミック装置であって、
第1電極、第2電極、項目第1電極と項目第2電極との間に配置されたエレクトロクロミック層、および、項目エレクトロクロミック層と項目第2電極との間に配置されたイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、
項目エレクトロクロミック素子に電力を印加して項目エレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、第2透過率を有する第2状態、第3透過率を有する第3状態、または、第4透過率を有する第4状態のうち少なくとも1つに項目エレクトロクロミック素子の状態を変更するべく、項目状態を制御するように構成される制御ユニットと
を備え、
項目第2透過率は、項目第1透過率の値より大きい値を有し、項目第3透過率は、項目第2透過率の値より大きい値を有し、項目第4透過率は、項目第3透過率の値より大きい値を有し、
項目エレクトロクロミック素子が項目第1状態を有する状態にある項目エレクトロクロミック素子に第1電圧が印加されるとき、項目エレクトロクロミック素子は項目第2状態になり、
項目エレクトロクロミック素子が項目第4状態を有する状態にある項目エレクトロクロミック素子に項目第1電圧が印加されるとき、項目エレクトロクロミック素子が項目第3状態になる、
エレクトロクロミック装置。
(項目2)
項目エレクトロクロミック層および項目イオン貯蔵層は、項目イオンの移動によって変色される、項目1に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目3)
項目エレクトロクロミック層および項目イオン貯蔵層は、項目イオンとの結合力を有し、項目エレクトロクロミック層と項目イオンとの間の項目結合力、および、項目イオン貯蔵層と項目イオンとの間の項目結合力は互いに異なる、項目1に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目4)
項目エレクトロクロミック層と項目イオンとの間の結合を解放するための第1閾値電圧、および、項目イオン貯蔵層と項目イオンとの間の結合を解放するための第2閾値電圧は互いに異なる、項目3に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目5)
項目エレクトロクロミック層は、内部電位を有し、項目内部電位は、項目エレクトロクロミック層に位置する項目イオンの数に比例する、項目3に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目6)
項目制御ユニットは、項目イオンを移動させるために、項目内部電位と項目第1閾値電圧との和より高い電圧を印加する、項目5に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目7)
項目制御ユニットは、項目イオンを移動させるために、項目内部電位と項目第1閾値電圧との間の差より低い電圧を印加する、項目5に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目8)
項目第1状態、項目第2状態、項目第3状態、または、項目第4状態は、項目エレクトロクロミック層に含まれるイオンの数によって決定される、項目1に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目9)
項目第1状態、項目第2状態、項目第3状態、または、項目第4状態は、項目エレクトロクロミック層に含まれるイオンと、項目イオン貯蔵層に含まれるイオンとの比に従って決定される、項目1に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目10)
項目エレクトロクロミック層と項目イオンとの間の項目結合力、および、項目イオン貯蔵層と項目イオンとの間の項目結合力は、物理的結合力、または、化学的結合力である、項目3に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目11)
項目エレクトロクロミック層と項目イオンとの間の項目物理的結合力、および、項目イオン貯蔵層と項目イオンとの間の項目物理的結合力は、項目エレクトロクロミック層および項目イオン貯蔵層を構成する材料の異なる物理的構造に起因して、互いに異なる、項目10に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目12)
項目イオンは水素イオンまたはリチウムイオンである、項目1に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目13)
エレクトロクロミック装置であって、
第1電極、第2電極、項目第1電極と項目第2電極との間に配置されたエレクトロクロミック層、および、項目エレクトロクロミック層と項目第2電極との間に配置されたイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、
項目エレクトロクロミック素子に電力を印加して項目エレクトロクロミック素子における少なくとも1つのイオンを移動させることにより、第1透過率を有する第1状態、第2透過率を有する第2状態、または、第3透過率を有する第3状態のうち少なくとも1つに変化させるために、項目エレクトロクロミック素子の状態を制御するように構成される制御ユニットと
を備え、
項目第2透過率は、項目第1透過率より大きい値を有し、項目第3透過率は、項目第2透過率より大きい値を有し、
項目制御ユニットは、項目エレクトロクロミック素子が項目第1状態を有する状態にある項目エレクトロクロミック素子に第1電圧を印加することにより、項目エレクトロクロミック素子の項目状態を項目第2状態に変化させ、
項目制御ユニットは、項目エレクトロクロミック素子が項目第3状態を有する状態にある項目エレクトロクロミック素子に第2電圧を印加することにより、項目エレクトロクロミック素子の項目状態を項目第2状態に変化させ、
項目第1電圧および項目第2電圧は互いに異なる、
エレクトロクロミック装置。
(項目14)
項目第2電圧は項目第1電圧より高い、項目1に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目15)
項目制御ユニットは、項目エレクトロクロミック素子が項目第1状態にあるか、または、項目第3状態にあるかに基づいて、項目第1電圧または項目第2電圧の選択的印加を制御するよう構成される、項目13に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目16)
項目制御ユニットは、項目エレクトロクロミック装置が第1状態にあるか、または、第3状態にあるかに基づいて、項目エレクトロクロミック素子を項目第2状態に変更するためのプロセスが、着色プロセスであるか、または、消色プロセスであるかを決定し、項目第1電圧または項目第2電圧の選択的印加を制御するよう構成される、項目15に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目17)
項目制御ユニットは、前の状態に印加された電圧を通じて、項目前の状態を決定するよう構成される、項目16に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目18)
項目着色プロセスおよび項目消色プロセスにおいて、駆動電圧の各々を記憶するよう構成される記憶ユニットを更に備える、項目16に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目19)
項目記憶ユニットは更に、項目着色プロセスにおける各目標レベルの駆動電圧と、項目消色プロセスにおける各目標レベルの駆動電圧とを記憶するよう構成される、項目18に記載のエレクトロクロミック装置。
(項目20)
エレクトロクロミック装置であって、
第1電極、第2電極、項目第1電極と項目第2電極との間に配置されるエレクトロクロミック層、および、項目エレクトロクロミック層と項目第2電極との間に配置されるイオン貯蔵層を含むエレクトロクロミック素子と、
項目エレクトロクロミック素子における項目イオンの少なくとも1つを移動させることによって項目エレクトロクロミック素子を着色または消色させるために、項目エレクトロクロミック素子に電力を印加するように構成される制御ユニットと
を備え、
第1電圧を項目エレクトロクロミック装置に印加することにより、消色状態にある項目エレクトロクロミック装置に第2電圧が印加されるとき、項目エレクトロクロミック素子が着色され、
項目エレクトロクロミック装置の前の状態を維持する第3電圧が、項目第1電圧と項目第2電圧との間に存在する、
エレクトロクロミック装置。