JP6999158B2 - 分析方法 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 (1)公益社団法人電気化学会発行の「公益社団法人電気化学会第84回大会講演予稿集」発表番号1Q29にて、平成29年3月17日に公開 (2)公益社団法人電気化学会発行の「2017年電気化学秋季大会講演予稿集」発表番号1A19にて、平成29年8月28日に公開 (3)MDPI AG発行の「Eurosensors2017 conference proceedings」Volume1、Issue4、要旨番号500番にて、平成29年9月6日に公開
本発明は、抗原等の生体分子を定量的に検出する分析方法に関する。
抗原の抗原決定基と抗体との特異的結合反応、および抗体または抗原に標識した酵素による呈色反応を組み合わせて用いる免疫学的測定法(イムノアッセイ)の一種として、ELISA法(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay;酵素結合免疫吸着法)が知られている。ELISA法では、特異性の高い抗原抗体反応を利用し、酵素反応に基づく発色をシグナルに変換して測定するため、高感度で検出でき、定量性にも優れている。また、標識物質として放射性物質を用いる放射免疫測定(ラジオイムノアッセイ、RIA)に比べて安全性が高く、安価で簡便である。そのため、ELISA法は、抗体、インフルエンザウイルス、血漿タンパク質、サイトカイン、DNA、ペプチド、リガンドなどの生体関連物質;食品などに含まれる残留農薬や環境ホルモンなどの化学物質;糖尿病、癌などの診断に用いられる血糖、腫瘍マーカーなどの診断用物質など、様々な被験物質の検出や定量に汎用されている。
ELISA法は、酵素標識抗体などによって発色した色素を、比色計を用いて分光測定するものであるが、分光測定には回折格子、光学フィルター、高感度検出器など複数の装置が必要であり、装置が大型化し、高価であるという問題がある。
そこで、ELISA法に適用可能であり、従来の分光測定法に代替し得る新規な検出技術として、例えば、走査光源による導波管に基づく光学的検出システム(特許文献1)、円盤型分析チップ(特許文献2)、光導波路型抗体チップ(特許文献3)などが提案されている。
特表2012-525595号公報 特開2012-215515号公報 特開2008-224524号公報
上述したようにELISA法は、抗原抗体反応と標識酵素を利用し、微量の被験物質を定量的に検出、分析可能な手段として極めて有用である。しかし、酵素反応に基づく発色物質の吸光度の測定は、溶媒のpHや温度等による影響を受けやすく取扱いが難しいことなどの課題があり、また測定時間が長いという問題を抱えている。
上記の問題は、ELISA法などのイムノアッセイに限定されず、酵素反応によって生成する発色物質の吸光度を測定してグルコースなどの被験物質を検出する方法(酵素を用いるという意味で、広義の酵素アッセイに含まれる。)においても同様に見られる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、抗原等の生体分子を定量的に検出する方法にあたり、該生体分子を迅速且つ感度良く定量的に検出可能な方法を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の方法は、表面に第1の生体分子が形成されている金ナノ粒子と、前記第1の生体分子と特異的結合をする第2の生体分子を含む溶液とを準備する第1ステップと、前記溶液中で発生する活性酸素種を検出する第2ステップと、を含む点に特徴を有する。
本発明の方法において、前記第1の生体分子が抗体であり、前記第2の生体分子が抗原であることが好ましい。
本発明の方法において、前記抗原が、反応容器に固定されていることが好ましく、また、一部の金ナノ粒子が前記抗原に結合されており、他の一部の金ナノ粒子が前記抗原に結合されておらず、前記第1ステップと前記第2ステップとの間に、前記抗原に結合されていない金ナノ粒子を除去するステップを含むことが好ましい。
本発明の方法において、前記溶液が、アミノ基及びヒドロキシ基を有する化合物を含むことが好ましく、前記化合物が、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、トリ(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、及びトリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルフォン酸から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の方法において、前記溶液に対する前記化合物の濃度が1mM以上であることが好ましく、また、前記溶液のpH濃度が8以上であることが好ましい。
本発明の方法において、前記金ナノ粒子の粒径が1nm以上であることが好ましい。
本発明の方法において、前記第2ステップがルミノールを用いた電気化学発光法により行うことが好ましく、また、ペルオキシダーゼを用いた蛍光法により行うことが好ましい。
また、上記課題を解決し得た本発明の活性酸素種の製造方法は、金ナノ粒子にアミノ基及びヒドロキシ基を有する化合物を混合する点に特徴を有する。
本発明の方法によれば、金ナノ粒子を担体に固定することなく室温、水溶液中で過酸化水素等の活性酸素種を生成し、検出することができることから、被験物質を迅速且つ感度良く定量的に検出することができる。
本発明の実施の形態に係る方法の概要図である。 本発明の実施の形態に係る抗原抗体反応イメージ図である。 本発明の実施の形態に係る電気化学発光法の発光原理と装置の概念図である。 本発明の実施の形態に係る蛍光法の発光原理の概念図である。 本発明の実施の形態に係る金ナノ粒子濃度に伴う電気化学発光強度の経時変化を示した図である。 本発明の実施の形態に係るTris溶媒濃度に伴う電気化学発光強度の経時変化を示した図である。 本発明の実施の形態に係る溶媒構造の相違による電気化学発光強度の経時変化を示した図である。 本発明の実施の形態に係る種々の溶媒における電気化学発光強度の経時変化を示した図である。 本発明の実施の形態に係る種々の溶媒における電気化学発光強度の経時変化を示した図である。 本発明の実施の形態に係る種々の溶媒のpH濃度相違による電気化学発光強度を示した図である。 本発明の実施の形態に係る金ナノ粒子の粒径相違による電気化学発光強度を示した図である。 本発明の実施の形態に係る残留酸素による電気化学発光強度を示した図である。 本発明の実施の形態に係る窒素置換前後における電気化学発光強度を示した図である。 本発明の実施の形態に係る金ナノ粒子の表面状態相違による電気化学発光強度を示した図である。 本発明の実施の形態に係る蛍光法を用いた場合の蛍光強度を示した図である。 本発明の実施の形態に係る抗原抗体反応を行った場合の電気化学発光強度を示した図である。
本発明者らは、従来知られている金ナノ粒子の触媒活性に基づき、金ナノ粒子を担体に固定することなく、室温、水溶液中で過酸化水素等の活性酸素種を生成するための反応条件を種々検討した結果、当該水溶液中において時間経過と共に活性酸素種を生成する方法を見出した。また、この触媒反応に関して、活性酸素種が明所、暗所にかかわらず室温状況下で発現することも見出した。これにより、表面に第1の生体分子が形成されている金ナノ粒子と、該第1の生体分子と特異的結合をする第2の生体分子を含む溶液の中で発生する活性酸素種を、該第2の生体分子の量に応じて定量的に検出することが可能となった。本発明の方法により、従来、酵素や蛍光材料等の標識材を用いて生体分析を行っていたものに代わり、金ナノ粒子の触媒活性を活用することが可能となり、例えば蛍光や発光を用いた高感度な分析方法等に用いることができる。
本発明の方法は、表面に第1の生体分子が形成されている金ナノ粒子と、前記第1の生体分子と特異的結合をする第2の生体分子を含む溶液とを準備する第1ステップと、前記溶液中で発生する活性酸素種を検出する第2ステップと、を含む。本発明の方法は、従来のように、金ナノ粒子の触媒活性が担体との相乗効果により出現するものではなく、室温、水溶液中で過酸化水素等の活性酸素種を生成する触媒反応に基づくものである。したがって、従来のように、安定したナノクラスターを生成するための高度な技術を必要としない。具体的には、金ナノ粒子単体の粒径を2nm程度まで制御する必要がなく、室温、水溶液中で容易に過酸化水素等の活性酸素種を生成することができる。ここで、本明細書で記載する「ナノ粒子」とは、物質をナノメートルのオーダー(1nm以上1000nm未満)の粒子にしたものである。また、本明細書で記載する「活性酸素種」とは、大気中に含まれる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称であり、一般的に、スーパーオキシドアニオンラジカル(通称スーパーオキシド)、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種類とされるものである。
本発明の活性酸素種の製造方法は、金ナノ粒子にアミノ基及びヒドロキシ基を有する化合物を混合する点に特徴を有する。本発明の製造方法によれば、金ナノ粒子にアミノ基及びヒドロキシ基を有する化合物を混合する操作を行うことにより、比較的容易に活性酸素種を生成することができる。
なお、本発明における第1生体分子と第2生体分子は特異的結合をすることに特徴を有するものであり、第1生体分子と第2生体分子との結合する部位が決まっており、選択的または特異的に高い親和性を発揮するものである。具体的には、例えば、第1生体分子が
抗体、第2生体分子が抗原である抗原-抗体反応を挙げることができる。また、他の例としては、酵素タンパク質とその基質、ホルモンや神経伝達物質等のシグナル物質とその受容体等のような組み合わせで代表される特定の受容体(レセプター)と特異的に結合するリガンド、特定のDNA-DNA、特定のDNA-RNA等がある。本明細書の実施の形態では、第1生体分子として抗体,第2生体分子として抗原を例にして、以下説明するが、本発明はこれに限定する趣旨ではない。
図1に本発明方法の概要図を示す。本発明の第1ステップでは、表面に第1の生体分子である抗体が形成されている金ナノ粒子と、該第1の生体分子と特異的結合をする第2の生体分子である抗原を含む溶液を準備する。続いて第2ステップでは、第1ステップで準備された金ナノ粒子に前記溶液を加えることで、第1の生体分子と第2の生体分子が特異的結合をする。この特異的結合において前記溶液中で活性酸素種が発生し、第2ステップではこの活性酸素種を検出する。
次に、本発明の方法について、第1の生体分子を抗体、第2の生体分子を抗原とした場合を例にして、抗原抗体反応のイメージ図を用いて詳細に説明する。図2(a)~図2(f)は、本発明における抗原抗体反応イメージ図である。図2(a)~図2(e)は本発明の第1ステップ、図2(f)は本発明の第2ステップをそれぞれ説明したものである。
図2(a)に示すように、反応容器(図示せず)内において磁性粒子1に抗体2を結合させた後、図2(b)に示すように、抗原3を含む溶液を反応容器に加えることで、磁性粒子1の表面に形成された抗体2と抗原3との抗原抗体反応が起こり、該抗体2に該抗原3を結合させる。次に、図2(c)に示すように、抗体2、及び抗原3が結合した磁性粒子1を磁石4により所定の箇所に集めて洗浄する。このようにすることで、抗体2と結合する抗原3のみを残し、磁性粒子1の表面等に付着している抗原3(抗体2と結合しない未反応の抗原3)を除去することができる。次に、図2(d)に示すように、表面に抗体2が形成されている金ナノ粒子5を加える。このようにすることで、金ナノ粒子5の表面に形成された抗体2と、磁性粒子1の表面に形成された抗体2に結合した抗原3との抗原抗体反応が起こり、金ナノ粒子5の表面に形成された抗体2と該抗原3を結合させる。次に、図2(e)に示すように、磁性粒子1、抗原2、金ナノ粒子5を磁石4により所定の箇所に集めて洗浄する。このようにすることで、磁性粒子1の抗体2と結合する抗原3に対して特異的結合する金ナノ粒子5のみを残し、抗原3に対して結合していない余剰の金ナノ粒子5を除去することができる。次に、図2(f)に示すように、金ナノ粒子5に対して電子供与性、及び親水性を付与する溶液6を加えることにより、金ナノ粒子5の表面が電子リッチな状態になり、金ナノ粒子5の触媒作用により活性酸素種の過酸化水素7が発生する。この過酸化水素7に発光物質であるルミノール8を加えると、ルミノール8が励起状態となり、この励起状態から基底状態に戻る際に発光現象が起こる。本発明では、この発光現象に基づき、印刷電極9にルミノール8を滴下して抗原濃度の変化に伴う電気化学発光強度の変化を求めることにより、金ナノ粒子5の触媒活性を用いた抗原抗体反応に要する抗原量を定量することができる。
本発明の実施の形態において、抗原3が反応容器に固定されていることが好ましい。すなわち、本発明において、一部の金ナノ粒子5が容器に固定されている抗原3に結合されており、他の一部の金ナノ粒子5が前記抗原3に結合されておらず、第1ステップと第2ステップとの間に、抗原3に結合されていない金ナノ粒子5を除去するステップを含んでもよい。このように構成することで、抗原3と結合しない余剰の金ナノ粒子5を容器外へ除去して、抗原3と結合する金ナノ粒子5のみを容器内に残し、実際の抗原抗体反応を起こす抗原3の量を定量することができる。抗原3に結合されていない金ナノ粒子5を除去するステップとは、具体的には、溶液6中で浮遊する金ナノ粒子5を洗浄水にて洗浄し、反応容器外に排出するようにすればよい。
また、本発明の実施の形態において、抗体2が二種類存在してもよい。すなわち、本発明において、予め抗原3を捕獲するための抗体(以下、抗体2Aという)を存在させておき、該抗体2Aに対して抗原3を添加して抗原抗体反応により該抗体2Aと該抗原3を結合させ、次に、抗体2Aとは異なる抗体(以下、抗体2Bという)を添加して、前記抗原抗体反応とは異なる部位で反応させてもよい。このようにすることで、抗体2A-抗原3-抗体2Bのサンドイッチ構造が形成され、二種類の抗体2A、抗体2Bを用いて抗原3を検出することができることから、一種類の抗体2を用いて検出する方法よりも特異性が高くなり、検出感度をより一層向上させることができる。
また、本発明の実施の形態において、磁性粒子1に抗体2を結合させることと、金ナノ粒子5の表面に抗体2を結合させることをそれぞれ並行して行った後、両者を同一の容器に入れて抗原3を加えることで、磁性粒子1に結合した抗体2と抗原3、金ナノ粒子5に結合した抗体2と抗原3の各々の抗原抗体反応を同時に発生させるようにしてもよい。このようにすることで、前記抗原抗体反応に関与しない余剰の抗原3の量を抑えることができ、磁性粒子1の表面等に付着して抗体2と結合しない未反応の抗原3や、抗原3に対して結合していない余剰の金ナノ粒子5を減少させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る各構成要素について説明する。
金ナノ粒子5は、公知のクエン酸還元法により作製することができる。金ナノ粒子5の粒径は、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、100nm以下がよりさらに好ましく、1nm以上が好ましく、2nm以上がより好ましく、5nm以上がよりさらに好ましい、粒径が小さいほど金ナノ粒子5の表面における触媒作用を高めることができ、金ナノ粒子5表面から発生する過酸化水素7の量を増加させることができる。
磁性粒子1は、均一粒子径のポリマーコア粒子に超常磁性体層を導入した構造のものを用いることができる。このような構造のものを用いることで、磁場によるB/F分離[抗原抗体複合体を形成している結合型(B:Bound)と抗原抗体複合体を形成していない遊離型(F:Free)とに分離すること]、及び磁場を取り除いた後の再分散が容易であるという必要性から残留磁気をなくすことができる。
溶液6は、金ナノ粒子5表面より活性酸素種を発生できるものを用いる。具体的には、アミノ基及びヒドロキシ基を有する化合物を含むものを用いることが好ましい。アミノ基及びヒドロキシ基を含むことにより、結果的に、酸素から活性酸素種を生成する触媒活性を発現するための反応場(酸素が結合し、中間状態への安定化と活性酸素種の生成物への変換が行われる場)を提供することができるものと推察される。
本発明の方法に用いることができる溶液6の溶媒の一例を下記[化1]~[化14]に示す。アミノ基及びヒドロキシ基を有する化合物を含むものとして、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、トリ(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、及びトリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルフォン酸、グリシン、グリシンアミド、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2メチル-1,3-プロパンジオール、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルフォン酸、ビス-トリスメタン、ピペラジン-N,N―ビス(2-エタンスルフォン酸)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルフォン酸、ビス-トリスプロパン、トリエタノールアミン、2-[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-アミノ]エタンスルフォン酸が良い。特に、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(以下、Trisという)、トリ(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(以下、Tricineという)、及びトリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルフォン酸(以下
、TAPSという)から選択される少なくとも1つを用いることがより好ましい。
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溶液6に対する化合物の濃度は1mM以上であることが好ましく、5mM以上であることがより好ましく、10mM以上であることがさらに好ましく、50mM以上であることがよりさらに好ましい。当該濃度が1mM以上であれば、時間経過に伴う活性酸素種の発生量を増加させることができる。
溶液6のpH濃度は8以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、12以上であることがさらに好ましい。溶液のpH濃度が大きいほど活性酸素種の発生量を増加させることができる。
第2ステップにおいて、溶液6で発生する過酸化水素7を検出する方法として、ルミノールを用いた電気化学発光法や、ペルオキシダーゼを用いた蛍光法が好ましい。
図3に電気化学発光法の発光原理と装置の概念図を示す。図3(a)は全体図、図3(b)は、(a)の点線部の拡大図である。電気化学発光法は電圧を印可することで酸化されたルミノールが過酸化水素等の活性酸素種と化学反応し、励起状態から基底状態に戻る際に発光する光をコンピュータに接続した光増幅器(フォトマルチプライヤーチューブ)で測定を行う方法である。この方法は、高い感度や実用性などに加え電極に印刷電極を用いることで少量のサンプルで計測が可能になるという利点を有する。
図4に、蛍光法の発光原理を示す。蛍光法は、過酸化水素存在下でAmplite(基質)がペルオキシダーゼ(酵素)によって酵素反応し、この酵素反応後のAmplite TM Redに540nmの光を照射すると590nmの蛍光を発することを利用して、この蛍光値を測定するものである。当該蛍光値により、物質内に過酸化水素がどの程度含まれているかがわかる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(金ナノ粒子の作製)
濃度40mMのクエン酸50mLを70℃に加熱し、この水溶液が0.2mMとなるように調製した塩化金酸を加え、10分間激しく攪拌して赤紫色の金コロイドを作製した。その後、遠心分離と蒸留水での洗浄を3回繰り返し、加熱炉で焼成することにより金ナノ粒子を作製した。なお、金ナノ粒子は上記クエン酸還元法により作製したもの以外に、市販の15nm(SIGMA-ALDRICH社製)、市販の5nm、15nm、30nm、50nm、80nm、及び100nm(いずれも田中貴金属製)を用いた。
(トリスヒドロキシメチルアミノメタン溶液の調製)
トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)溶液は、所定のpHとなるように、蒸留水、塩酸(場合によって水酸化ナトリウム)の量により調製した。表1に、濃度1MのTris溶液1Lの構成を示す。
Figure 0006999158000015
(ルミノールの作製方法)
常温固体のルミノール(Wako社製)17.716mgを0.1M-NaOHに溶解し、濃度10mMルミノールを作製した。その後、1mLずつ分注し、-20℃で冷凍保存した。電気化学発光確認時には、上記で冷凍した10mM-ルミノールを解凍後、200mM-Tris緩衝液、もしくは200mL-borate緩衝液で希釈し、0.2mM-ルミノールに調整後、発光試薬として用いた。
(電気化学発光法による測定)
印可電圧は、0~700mVの間を50mVずつ線形的に上げていくlinear sweep voltammetry(LSV)という方法を用いた。また、電気化学発光測定時はpH8に揃え、発光は500msecに1回毎に光検出器でカウントした。
(蛍光法による測定)
蛍光試薬キットの指示通りに20U/ml-HRP stock solutionを200μL、Amplite red stock soltuionを50μL、アッセイバッファーを4.75mL混合し、蛍光用試薬を作製した。96ウェルのプレートリーダーに濃度56mg/Lの金ナノ粒子(SIGMA-ALDRICH社製)を25μLと、濃度1mM、10mMのTris、Tricine、TAPS、PBSを25μLずつ加えた。その後、上記のサンプルに蛍光試薬(AmpliteTM Fluorimetric Hydrogen Peroxide Assay Kit Red Fluorescene、-(-),ABD社製)を50μL加え、蛍光測定器で測定を行う。測定条件は、540nmの光をあて、590nmの光を測定するものである。一つの条件に対して3サンプルずつ用意し、測定を行った。
(基礎実験用サンプルの調製方法と測定・解析方法)
金ナノ粒子分散液500μLをTrisなどの溶媒500μLに加えた後、数分待機し、金ナノ粒子から活性酸素種を生成させた。その後、この金ナノ粒子サンプル100μLに濃度0.2mMのルミノール100μLを加え、電極上に20μL滴下し、電気化学発光測定を行った。1サンプルにつき3回ずつ測定を行いECL(Electrochemiluminescence)グラフが得られ、得られたグラフのピーク値をプロットし、解析した。
(抗原抗体反応用サンプルの調製方法)
(a)金ナノ粒子表面の抗体固定
濃度40mg/Lの金ナノ粒子(粒径15nm)分散液10mLに、濃度1mg/mLのIgA抗体(Human IgA antibody、Goat polyclonal Antigen、Affinity Purufied、BET社製)100μLを加えて1日放置し、遠心分離後、濃度200mMのPBS(pH7.4)で3回洗浄した。その後、1.5mLに濃縮して4℃に保存することによりIgA抗体を固定した。なお、遠心分離条件は、15000rpm、30分である。
(b)磁性粒子の抗体固定
濃度20mg/mLの磁性粒子(粒径180nm±30nm、NHSビーズ:多摩川精機製)の分散液250μLに、濃度1mg/mLのIgA抗体250μLと濃度200mMのPBS(pH7.4)250μLを加えて1日放置し、遠心分離後、濃度200mMのPBS(pH7.4)で3回洗浄し、1.5mLに濃縮した。なお、遠心分離条件は、12000rpm、10分である。続いて、1Mのアミノエタノール200μLを加え一晩放置した後、遠心分離後、濃度200mMのPBS(pH7.4)で3回洗浄し、3mLに希釈して4℃に保存してIgA抗体を固定した。なお、遠心分離条件は、12000rpm、10分である。
以下、実験例1~実験例9は金ナノ粒子の触媒機構確認のための基礎実験例であり、実施例1~実施例2は抗原抗体反応による実施例である。
(実験例1)
(金ナノ粒子の濃度に伴う電気化学発光強度への影響)
濃度が0.56mg/L、5.6mg/L、56mg/Lの各金ナノ粒子の分散液500μLに、それぞれ200mM-Tris(pH8)を500μL加え、Trisを加えた時間から0分後、15分後、30分後の金ナノ粒子サンプル100μLを濃度0.2mM-ルミノール100μLと混合し、電気化学発光測定を行った。なお、金ナノ粒子は、15nmの金ナノ粒子(SIGMA-ALDRICH社製)を用いた。
図5に、各金ナノ粒子の電気化学発光強度の経時変化を示す。図5に示すように、金ナノ粒子の濃度が大きいほど電気化学発光強度が増加することが確認された。
(実験例2)
(Tris溶媒濃度に伴う電気化学発光強度への影響)
濃度56mg/Lの金ナノ粒子の分散液500μLに、0.01mM-Tris、0.1mM-Tris、1mM-Tris、10mM-Trisを500μLそれぞれ加えた後(Trisは全てpH8を使用)、Trisを加えた時間から0分後、30分後、60分後の金ナノ粒子サンプル100μLを濃度0.2mM-ルミノール100μLと混合し、電気化学発光測定を行った。なお、金ナノ粒子は、15nmの金ナノ粒子(SIGMA-ALDRICH社製)を用いた。
図6に、各Tris溶媒濃度における電気化学発光強度の経時変化を示す。図6に示すように、Tris溶媒濃度が大きいほど、電気化学発光強度が増大する傾向にあることが
わかった。
(実験例3)
(金ナノ粒子の溶媒種に伴う電気化学発光強度への影響1)
Trisと類似の構造を持つ溶媒を2種用いて、金ナノ粒子から活性酸素種が生成されるかどうか検討した。なお、Trisと類似の構造を持つ溶媒は、ヒドロキシ基のみを有する1,1,1-トリスエタン、アミノ基のみを有する2-アミノ-2メチルプロパンを用いた。[化15]に1,1,1-トリスエタン、[化16]に2-アミノ-2メチルプロパンの溶媒構造図を示す。金ナノ粒子は、15nmの金ナノ粒子(SIGMA-ALDRICH社製)を用いた。まず、濃度56mg/Lの金ナノ粒子の分散液500μLに、1mMのTris、1mMの1,1,1-トリスエタン、1mMの2-アミノ-2メチルプロパンをそれぞれ加えた後、Tris等を加えた時間から0分後、15分後、30分後の金ナノ粒子サンプル100μLを濃度0.2mM-ルミノール100μLと混合し、電気化学発光測定を行った。なお、比較実験として、アミノ基を有する化合物とヒドロキシ基を有する化合物を混合した溶媒を使用した場合の効果を確認するため、1mMの1,1,1-トリスエタンと1mMの2-アミノ-2メチルプロパンを混合した溶媒について、上記と同様の方法で電気化学発光測定を行った。
Figure 0006999158000016
Figure 0006999158000017
図7に、各溶媒における電気化学発光強度の経時変化を示す。図7に示すように、アミノ基とヒドロキシ基の両方の構造を持つTris溶媒のみに電気化学発光強度の増加が認められ、アミノ基とヒドロキシ基の構造が活性酸素種の生成に寄与しているのが示唆された。なお、上記アミノ基及びヒドロキシ基のうち一方のみの基を有する化合物を含む溶媒や、両者を単純に混合した溶媒では電気化学発光強度の増加は確認されなかった。
(実験例4)
(金ナノ粒子の溶媒種に伴う電気化学発光強度への影響2)
アミノ基とヒドロキシ基の構造が金ナノ粒子からの活性酸素種生成に関連していることをさらに調べるために上記の構造を有するTris、Tricine、TAPSと、上記の構造を有さないPBS(Phosphate buffered saline)、borate、KClの6種類の溶媒で検討した。この6種類は緩衝液として一般的に用いられるものである。なお、金ナノ粒子には15nm金ナノ粒子(SIGMA-ALDRICH社製)を用いた。
まず、濃度56mg/Lの金ナノ粒子の分散液500μLに濃度100mMのTris、Tricine、TAPS、PBS、borate、KClをそれぞれ500μL加えた後、Trisなどの溶媒を加えた時間から0分後、10分後、20分後、30分後の金ナノ粒子サンプル100μLを0.2mM-ルミノール100μLと混合し、電気化学発光測定を行った。
図8に、各溶媒における電気化学発光強度の経時変化を示す。図8に示すように、アミノ基とヒドロキシ基の両方の構造を持つTris、Tricine、TAPSのみ時間変化に伴う電気化学発光強度の増加が確認され、アミノ基とヒドロキ基の構造が活性酸素種の生成に寄与しているのが示唆された。
(実験例5)
(金ナノ粒子の溶媒種に伴う電気化学発光強度への影響3)
アミノ基とヒドロキシ基の構造が金ナノ粒子からの活性酸素種生成に関連していることをさらに調べるために、Trisと類似する構造を有する7種類の溶媒について検討した。この7種類は、[化6]の2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(以下、AMPという)、[化7]の2-アミノ-2メチル-1,3-プロパンジオール(以下、AMPDという)、[化13]のトリエタノールアミン(以下、TEAという)、[化11]のビス-トリスメタン、[化12]のビス-トリスプロパン、[化8]の4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルフォン酸(以下、HEPESという)、[化10]の及び4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルフォン酸(以下、HEPPSという)である。
まず、5nm金ナノ粒子(田中貴金属製)濃度0.04mg/mLと溶液(100mM、pH12)を1:1の割合で混合した後、0分後、10分後、20分後にルミノール(200μM、pH9のホウ酸緩衝液で希釈)と1:1の割合で混合して電気化学発光強度測定を行った。
図9に、各溶媒における電気化学発光強度の経時変化を示す。図9に示すように、アミノ基とヒドロキシ基の両方の構造を持つ上記7種類の溶媒全てにおいて、経時変化に伴う電気化学発光の増幅が確認された。
(実験例6)
(溶媒のpHの違いに伴う電気化学発光強度への影響)
金ナノ粒子から生成される活性酸素種量についてのTris溶媒のpH依存性を調べた。なお、金ナノ粒子には30nm金ナノ粒子(田中貴金属製)を用いた。
まず、濃度40mg/Lの金ナノ粒子の分散液500μLに、pH6、pH7、pH8、pH9、pH10、pH11、pH12の200mM濃度のTris500μLをそれぞれ加えた後、Tris溶媒を加えた時間から10分後の金ナノ粒子サンプル100μLを0.2mM-ルミノール100μL(pH8のborate緩衝液で希釈)と混合し、電気化学発光測定を行った。
図10に各溶媒のpHにおける電気化学発光強度の値を示す。図9に示すように、溶媒のpH濃度が大きいほど、電気化学発光強度の値が増加することが確認された。
(実験例7)
(金ナノ粒子の粒子径に伴う電気化学発光強度への影響)
金ナノ粒子の粒径と発光強度の関係を調べた。なお、金ナノ粒子は5nm、15nm、30nm、50nm、80nm、100nm(田中貴金属製)を用いた。
まず、濃度40mg/Lの各金ナノ粒子の分散液500μLに、それぞれ濃度200mMのTris(pH8)を500μL加えた後、溶媒を加えた時間から30分後の金ナノ粒子サンプル100μLを濃度0.2mM-ルミノール100μLと混合し、電気化学発光測定を行った。
図11に各金ナノ粒子における電気化学発光強度の値を示す。図11に示すように、金ナノ粒子の粒径が小さくなるほど電気化学発光強度が大きくなる傾向が確認された。
(実験例8)
(溶存酸素による電気化学発光強度への影響)
金ナノ粒子からの活性酸素種生成における溶存酸素の影響について調べるために窒素置換を行いながら測定した。なお、金ナノ粒子は15nm(田中貴金属製)を用いた。
まず、濃度40mg/Lの金ナノ粒子の分散液500μLに濃度100mMのTris(pH8)を500μL加えた後、同サンプルを2つ調製し、片方は窒素置換を行いながら、0分後、10分後、20分後、30分後の金ナノ粒子サンプル100μLを0.2mM-ルミノール100μLと混合し、電気化学発光測定を行った。
図12に、窒素置換に伴う電気化学発光強度の経時変化、図13に、窒素置換前後における電気化学発光強度の経時変化を示す。図12に示すように、窒素置換を行わない場合、時間の経過と共に電気化学発光強度の増加が認められた。一方、窒素置換を行った場合、電気化学発光強度の増加は確認されなかった。また、図13に示すように、30経過時点で窒素置換を中止し、さらに時間を置くと電気化学発光強度の増加が確認された。以上の結果より、金ナノ粒子からの活性酸素種の生成には溶存酸素が必要であることが示唆された。
(実験例9)
(金ナノ粒子表面状態による電気化学発光強度への影響)
金ナノ粒子の表面をBSA(Bovine Serum Albumin:ウシ血清アルブミン)でブロッキングすることにより、金ナノ粒子表面状態による電気化学発光強度への影響を調べた。なお、金ナノ粒子はクエン酸還元法によって作製したものを用いた。
まず、濃度1mg/mLの金ナノ粒子の分散液10mLに濃度が0mg/L、0.66mg/L、66mg/L、6600mg/mLとなるようBSA(SIGMA-ALDRICH社製、分子量~6600)を加え、4℃で1時間置き、金ナノ粒子の表面をBSAでブロッキングした。その後、遠心分離と洗浄を3回繰り返し、BSAブロッキングした金ナノ粒子を作製した。この作製したBSAブロッキング金ナノ粒子500μLに200mMのTris(pH8)を500μL加えた後、Tris等の溶媒を加えた時間から0分後、15分後、30分後の金ナノ粒子サンプル100μLを0.2mM-ルミノール100μLをと混合し、電気化学発光測定を行った。
図14にBSA濃度による電気化学発光強度の値を示す。図14に示すように、BSA
の濃度が大きいほど電気化学発光強度の値の上昇が小さくなり、金ナノ粒子の表面を覆うと電気化学発光強度の値が下がることが確認された。この結果から、金ナノ粒子の表面で活性酸素種が生成されていることが示唆された。
(実験例10)
ペルオキシダーゼを用いた蛍光法による活性酸素種の検出)
電気化学発光法以外の活性酸素種の検出方法として、蛍光法を用いて確認した。図15に各溶媒における金ナノ粒子からの活性酸素種生成に伴う蛍光強度の値を示す。図15に示すように、Tris、Tricine、TAPSと金ナノ粒子の混合液において、蛍光強度値の増加が確認され、ルミノールを用いた電気化学発光法による結果と同様であった。この結果より、活性酸素種の検出としてルミノールを用いた電気化学発光法と同様に、ペルオキシダーゼを用いた蛍光法が有用であることがわかった。
(実施例1)
(抗原抗体反応における金ナノ粒子の活性酸素種の検出)
抗体固定した磁性粒子(NHSビーズ、多摩川精機製)90μLに抗原(Secretory Immunoglobulin A、Human Colostrum、ART社製)を濃度が0ng/mL、1ng/mL、10ng/mL、100ng/mL、1μg/mL、10μg/mLをそれぞれ10μL加え、室温で1時間インキュベートした。次に、磁性粒子を磁石で集めて200mMのPBS(pH7.4)で2回洗浄した後、抗体固定後の金ナノ粒子を200μL加えた。続いて、磁性粒子、抗原、金ナノ粒子を磁石で集めて200mMのPBS(pH7.4)で2回洗浄した後、200mMのTris(pH12)を200μL加え、15分放置した。次に、Trisを加えた後のサンプル100μLにルミノール100μLを加え、このうち20μLを電極に滴下して電気化学発光測定を行った。
図16に各IgA抗原濃度における電気化学発光強度の値を示す。図16に示すように、抗原抗体反応において1ng/mLのIgA抗原濃度のレベルまで電気化学発光強度を検出できることが確認できた。この結果より、抗原抗体反応に用いるバイオセンサへの適用の有用性が示唆された。
(実施例2)
(EM-CCDカメラによる発光測定)
電気化学発光強度の測定について、光増幅器(フォトマルチプライヤーチューブ)の代わりにEM-CCDカメラを用いて測定を行い、測定方法の違いによる影響を検討した。実施例1と同様の方法で、濃度10μg/mLの抗原で抗原抗体反応を行った後のサンプルからの発光をEM-CCDカメラによって測定した。その結果、金ナノ粒子の存在する部分でのみ発光が確認された。この結果より、EM-CCDカメラによる発光測定も有効であることが確認され、この技術を生体イメージング等の検査技術にも応用可能なことが示唆された。
1 磁性粒子
2 抗体
3 抗原
4 磁石
5 金ナノ粒子
6 溶液
7 過酸化水素
8 ルミノール
9 印刷電極

Claims (11)

  1. 生体分子を定量的に検出する方法であって、
    表面に第1の生体分子が形成されている金ナノ粒子と、第2の生体分子と、アミノ基およびヒドロキシ基を有する化合物とを含む溶液を準備する第1ステップと、ここで、前記第2の生体分子は、前記第1の生体分子と特異的結合をするものであり且つ定量的に検出すべきものであり、
    前記溶液中で発生する活性酸素種を検出することにより、前記第2の生体分子を定量的に検出する第2ステップと、を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第1の生体分子が抗体であり、前記第2の生体分子が抗原である請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗原が、反応容器に固定されている請求項2に記載の方法。
  4. 一部の金ナノ粒子が前記抗原に結合されており、他の一部の金ナノ粒子が前記抗原に結合されておらず、
    前記第1ステップと前記第2ステップとの間に、前記抗原に結合されていない金ナノ粒子を除去するステップを含む請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記化合物が、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、トリ(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、及びトリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルフォン酸から選択される少なくとも1つである請求項1~のいずれかに記載の方法。
  6. 前記溶液に対する前記化合物の濃度が1mM以上である請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記溶液のpH濃度が8以上である請求項1~のいずれかに記載の方法。
  8. 前記金ナノ粒子の粒径が1nm以上である請求項1~のいずれかに記載の方法。
  9. 前記第2ステップがルミノールを用いた電気化学発光法により行う請求項1~のいずれかに記載の方法。
  10. 前記第2ステップがペルオキシダーゼを用いた蛍光法により行う請求項1~のいずれかに記載の方法。
  11. 水溶液中、金ナノ粒子にアミノ基及びヒドロキシ基を有する化合物を混合することを特徴とする活性酸素種の製造方法。
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