以下の実施形態は、一般に、照明制御システム、コントローラ、点灯装置、及び照明器具に関する。より詳細には、以下の実施形態は、コントローラが照明器具を制御する照明制御システム、及び照明制御システムが備えるコントローラ、点灯装置、及び照明器具に関する。
以下、本発明の照明制御システム、コントローラ、点灯装置、及び照明器具の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する照明制御システムは、トンネル照明、道路照明、スタジアム照明などの屋外照明、体育館、映画館などの大型施設の屋内照明のいずれかに用いられることを想定している。しかしながら、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
図1は、本実施形態の照明制御システム1の構成を示す。
照明制御システム1は、コントローラ2と、複数台の照明器具3とを主構成として備える。コントローラ2と複数台の照明器具3とは、制御線W1、信号線W2にそれぞれ電気的に接続している。コントローラ2は、制御線W1を介して照明器具3へ同期信号Y1を出力する。さらに、コントローラ2は、信号線W2を介して照明器具3へ伝送信号Y2を出力する。さらに、照明器具3は、電力線W3に電気的に接続しており、電力線W3を介して交流電力を供給される。
コントローラ2は、電力系統9から交流電力を供給されて動作する。具体的に、電力系統9は、商用周波数(50Hzまたは60Hz)の交流電力を伝送している商用の電力系統であり、この電力系統9がトランス92を介してコントローラ2に電気的に接続している。トランス92は、電力系統9の6600V(実効値)の交流電圧V0を一次側に入力されると、200V(実効値)の交流電圧V2を二次側に出力する。コントローラ2は、トランス92によって降圧された電力系統9の交流電力を供給される。なお、トランス92の二次側の交流電圧V2は、100-242V(実効値)の範囲内に設定されることが好ましい。
コントローラ2は交流電圧V2を入力されており、交流電圧V2を同期信号Y1として制御線W1に出力する。すなわち、同期信号Y1の波形は、商用周波数(50Hzまたは60Hz)の交流電圧V2の波形(正弦波波形)である。
さらに、コントローラ2は、図2に示すように、信号制御回路21と、信号出力回路22と、制御電源23と、ゼロクロス検出回路27とを備える。さらに、コントローラ2は、入力部24と、同期信号出力部25と、伝送信号出力部26とを備える。
入力部24には、交流電圧V2が入力される。制御電源23は、交流電圧を直流電圧に変換する電源回路であり、入力部24から交流電圧V2を入力されて、直流の制御電圧Vc1を出力する。制御電圧Vc1は信号制御回路21に入力されて、信号制御回路21を動作させるための電源となる。
さらに、コントローラ2内において、入力部24は同期信号出力部25に電気的に接続しており、入力部24に入力された交流電圧V2は、同期信号出力部25から同期信号Y1として出力される。
信号制御回路21は、信号出力回路22を制御するために、パルス信号Ypを信号出力回路22へ出力する。本実施形態では、ゼロクロス検出回路27が、交流電圧V2のゼロクロスタイミングを検出して、タイミング信号Yaを信号制御回路21へ出力する。例えば、ゼロクロス検出回路27は、交流電圧V2が正電圧である期間(位相が0°-180°である期間)に、タイミング信号YaをHレベルにする。また、ゼロクロス検出回路27は、交流電圧V2が負電圧である期間(位相が180°-360°である期間)に、タイミング信号YaをLレベルにする。すなわち、タイミング信号Yaは、交流電圧V2の半周期毎にHレベルとLレベルとが交互に切り換わる電圧信号になる。
したがって、信号制御回路21は、タイミング信号YaがLレベルからHレベルに立ち上がったときに、交流電圧V2の位相が0°であると判別する。また、信号制御回路21は、タイミング信号YaがHレベルからLレベルに立ち下がったときに、交流電圧V2の位相が180°であると判別する。このように、信号制御回路21は、交流電圧V2の位相を判別できるので、交流電圧V2の位相に同期したパルス信号Ypを信号出力回路22へ出力することができる。
また、信号制御回路21は、コンピュータを有しており、コンピュータがプログラムを実行することで、信号出力回路22を制御する。コンピュータは、プログラムを実行するプロセッサを備えたデバイスと、他の装置との間で信号を授受するためのインターフェイス用のデバイスと、プログラムやデータなどを記憶する記憶用のデバイスとを主な構成要素として備える。プロセッサを備えたデバイスは、記憶用のデバイスと別体であるCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)のほか、記憶用のデバイスを一体に備えるマイコン(Microcomputer)のいずれであってもよい。記憶用のデバイスには、半導体メモリのようにアクセス時間が短い記憶装置が主に用いられる。
プログラムの提供形態としては、コンピュータに読み取り可能な半導体メモリ、光ディスク等の記録媒体に予め格納されている形態、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給される形態等がある。
なお、信号制御回路21は、複数のディスクリート部品を組み合わせて構成されてもよい。
また、信号制御回路21は、パルス信号Ypを交流電圧V2の位相に同期させることは必須ではなく、交流電圧V2の位相に非同期のパルス信号Ypを信号出力回路22へ出力してもよい。
信号出力回路22は、図3に示すように、交流用スイッチング素子221を備える。交流用スイッチング素子221は、半導体のスイッチング素子(トライアックなど)、またはSSR(Solid State Relay)を内蔵する無接点リレーであり、信号制御回路21が出力するパルス信号Ypによって内蔵のスイッチング素子をオンオフする。なお、交流用スイッチング素子221がオンした場合に、交流用スイッチング素子221は双方向に導通する。また、交流用スイッチング素子221がオフした場合に、交流用スイッチング素子221が遮断状態になる。
本実施形態では、パルス信号YpがHレベルである場合に交流用スイッチング素子221がオンする。また、パルス信号YpがLレベルである場合に交流用スイッチング素子221がオフする。信号出力回路22の出力には伝送信号出力部26が電気的に接続しており、伝送信号出力部26には信号線W2が接続している。そして、交流用スイッチング素子221がオンしているときに、制御線W1には交流電圧V2が印加され、交流用スイッチング素子221がオフしているときに、制御線W1には交流電圧V2が印加されない。すなわち、交流用スイッチング素子221がオンしている場合、交流電圧V2が制御線W1に通電している通電状態になり、交流用スイッチング素子221がオフしている場合、交流電圧V2が制御線W1に通電していない非通電状態になる。つまり、信号出力回路22は、パルス信号Ypにしたがって交流用スイッチング素子221がオンオフし、交流電圧V2の通電状態と非通電状態とを切り替えることで、位相制御された伝送信号Y2を信号線W2を介して出力する。
すなわち、伝送信号Y2は、交流電圧V2が通電状態である通電期間と、交流電圧V2が非通電状態である非通電期間との少なくとも一方が制御された信号である。例えば、伝送信号Y2は、通電期間と非通電期間との両方が制御された信号である。あるいは、通電期間と非通電期間との合計が一定の時間長さに決まっている場合、伝送信号Y2は、通電期間と非通電期間との少なくとも一方が制御されることで、結果的に通電期間と非通電期間との両方が調整される。
次に、照明器具3は、点灯装置4と、光源であるLED(Light Emitting Diode)モジュール5と、アドレススイッチ6とを備えており、電力系統9から交流電力を供給されて動作する。具体的には、商用の電力系統9がトランス91及び電力線W3を介して照明器具3に電気的に接続している。電力系統9の交流電圧V0は例えば6600Vであり、トランス91は、6600Vの交流電圧V0を一次側に入力されると、240V(実効値)の交流電圧V1を二次側に出力する。電力線W3は一対の電線を有しており、この一対の電線間に交流電圧V1が印加される。そして、照明器具3は、トランス91によって降圧された電力系統9の交流電力を電力線W3を介して供給される。なお、トランス91の二次側の交流電圧V1は、100-242V(実効値)の範囲内に設定されることが好ましい。
本実施形態のLEDモジュール5は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)の各色を発するLED素子を備えており、調光及び調色が可能な光源である。あるいは、LEDモジュール5は、電球色、昼白色、昼光色などのうちいずれかを発するLED素子を備えていてもよい。
また、照明器具3は、点灯装置4とLEDモジュール5とを一体に組み付けた構成、点灯装置4に対してLEDモジュール5を着脱自在に取り付けることができる構成、点灯装置4とLEDモジュール5とを別体に配置した構成のいずれでもよい。
点灯装置4は、図4に示すように、ACAC変換部41,42と、AD変換部43,44と、制御電源45と、信号処理回路46と、点灯回路47と、接続部48とを備える。そして、ACAC変換部41,42と、AD変換部43,44と、信号処理回路46とは、点灯制御回路40を構成する。
接続部48は、電線が接続される6個の端子481-486を備える。端子481,482は、電力線W3を構成する一対の電線がそれぞれ接続される。端子483,484は、制御線W1を構成する一対の電線がそれぞれ接続される。端子485,486は、信号線W2を構成する一対の電線がそれぞれ接続される。
ACAC変換部41は、端子483,484に電気的に接続しており、制御線W1を介して同期信号Y1(アナログ信号)を入力され、同期信号Y1を降圧した同期信号Y11(アナログ信号)をAD変換部43へ出力する。ACAC変換部42は、端子485,486に電気的に接続しており、信号線W2を介して伝送信号Y2(アナログ信号)を入力され、伝送信号Y2を降圧した伝送信号Y21(アナログ信号)をAD変換部44へ出力する。同期信号Y11及び伝送信号Y21は、5V(実効値)程度の交流電圧信号である。
ACAC変換部41,42は、同一の回路構成を備えている。そこで、ACAC変換部41,42を区別しない場合、ACAC変換部400と呼ぶ。ACAC変換部400は、100-242Vの交流電圧信号を、5V程度の交流電圧信号に降圧する。この場合、同期信号Y1及び伝送信号Y2が強電信号に相当し、同期信号Y11及び伝送信号Y21が弱電信号に相当する。
なお、本実施形態において、弱電信号は、25V以下の電圧信号を指し、強電信号は、100-440V程度の電圧信号を指す。
図5A-5Cは、ACAC変換部400の構成例をそれぞれ示している。
図5Aは、ACAC変換部400の第1構成例を示す。第1構成例のACAC変換部400は、パルストランス401、抵抗402、ダイオードブリッジ403を備える。パルストランス401は、強電信号を一次側に入力され、弱電信号を二次側から出力する。抵抗402は限流抵抗であり、パルストランス401の一次巻線に直列接続されている。パルストランス401の二次巻線はダイオードブリッジ403に電気的に接続しており、ダイオードブリッジ403は弱電信号を全波整流する。この場合、パルストランス401は、同期信号Y1及び伝送信号Y2を降圧し、ダイオードブリッジ403は、パルストランス401の二次側出力を全波整流することで同期信号Y11及び伝送信号Y21を出力する。
図5Bは、ACAC変換部400の第2構成例を示す。第2構成例のACAC変換部400は、パルストランス401、抵抗402、ダイオード404を備える。ダイオード404は、パルストランス401の二次巻線の一端に直列接続しており、ダイオード404は弱電信号を半波整流する。この場合、パルストランス401は、同期信号Y1及び伝送信号Y2を降圧し、ダイオード404は、パルストランス401の二次側出力を半波整流することで同期信号Y11及び伝送信号Y21を出力する。
図5Cは、ACAC変換部400の第3構成例を示す。第3構成例のACAC変換部400は、パルストランス401、抵抗402、コンデンサ405、抵抗406,407を備える。抵抗406,407は直列に接続しており、抵抗406,407の直列回路の両端間には、直流の定電圧V40が印加されている。定電圧V40は、高圧側の抵抗406,低圧側の抵抗407で分圧されており、抵抗407の両端に生じる電圧をオフセット電圧と呼ぶ。そして、コンデンサ405の一端は、パルストランス401の二次巻線に直列接続しており、コンデンサ405の他端は、抵抗406,407の接続点に電気的に接続している。この場合、同期信号Y1及び伝送信号Y2はパルストランス401で降圧され、降圧された交流電圧がコンデンサ405を通過する。この結果、同期信号Y11及び伝送信号Y21は、パルストランス401によってそれぞれ降圧された交流電圧を、オフセット電圧だけ正側にオフセットさせた波形になる。オフセット電圧は、同期信号Y11及び伝送信号Y21の瞬時値が常に0V以上になるように予め設定されている。この結果、ACAC変換部400の後段が、プロセッサを備えるデバイスであったとしても、このデバイスは、同期信号Y11及び伝送信号Y21を整流することなしに、同期信号Y11及び伝送信号Y21の波形の全領域を読み取ることができる。
AD変換部43は、アナログの同期信号Y11をデジタルの同期信号Y12に変換する。AD変換部44は、アナログの伝送信号Y21をデジタルの伝送信号Y22に変換する。すなわち、AD変換部43,44は、アナログ信号の電圧を標本化、量子化、符号化して、デジタル信号に変換する。
制御電源45は、端子481,482に電気的に接続して、交流電圧を直流電圧に変換する電源回路であり、交流電圧V1を入力されて、直流の制御電圧Vc2を出力する。制御電圧Vc2は、AD変換部43,44、及び信号処理回路46を動作させるための電源となる。
点灯回路47は、端子481,482に電気的に接続しており、電力系統9から電力線W3を介して供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をLEDモジュール5に供給することでLEDモジュール5を点灯させる。また、点灯回路47は、信号処理回路46から与えられる制御信号に応じて直流電力を増減することにより、LEDモジュール5を調光点灯させるように構成されている。また、点灯回路47は、信号処理回路46から与えられる制御信号に応じて光色の異なる複数のLED素子のそれぞれへ供給する各直流電力を増減することにより、LEDモジュール5を調色点灯させるように構成されている。なお、点灯回路47は、出力が可変であるコンバータ回路(例えば、降圧チョッパ回路、昇降圧チョッパ回路など)で実現されることが好ましい。
例えば、点灯回路47は、LEDモジュール5に印加する直流電圧のオンデューティを、周波数500HzでPWM制御する。オンデューティが100%である場合、調光レベルが100%に制御される。オンデューティが50%である場合、調光レベルが50%に制御される。オンデューティが0%である場合、調光レベルが0%に制御される。
また、点灯回路47は、LEDモジュール5に供給する電流の大きさを調整するDC調光制御を行ってもよい。
信号処理回路46は、同期信号Y12及び伝送信号Y22を入力され、同期信号Y12に同期して伝送信号Y22からビットデータを読み出す。そして、信号処理回路46は、読み出したビットデータに基づいて、点灯回路47の動作を制御する制御信号を出力することで、点灯制御処理(LEDモジュール5の点灯、消灯、点滅、調光、調色など)を行う。信号処理回路46が出力する制御信号はPWM信号であり、制御内容に応じてPWM信号のデューティ比を設定する。例えば、制御信号は5Vの電圧信号であり、オンデューティが90%である場合、調光レベル100%に対応し、オンデューティが10%である場合、調光レベル0%に対応する。
信号処理回路46は、コンピュータを有しており、コンピュータがプログラムを実行することで、設定処理、点灯制御処理を行う。コンピュータは、プログラムを実行するプロセッサを備えたデバイスと、他の装置との間で信号を授受するためのインターフェイス用のデバイスと、プログラムやデータなどを記憶する記憶用のデバイスとを主な構成要素として備える。プロセッサを備えたデバイスは、記憶用のデバイスと別体であるCPUまたはMPUのほか、記憶用のデバイスを一体に備えるマイコンのいずれであってもよい。記憶用のデバイスには、半導体メモリのようにアクセス時間が短い記憶装置が主に用いられる。
プログラムの提供形態としては、コンピュータに読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク等の記録媒体に予め格納されている形態、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給される形態等がある。
なお、AD変換部43,44、及び信号処理回路46が、1つのコンピュータで構成されてもよい。
また、信号処理回路46は、複数のディスクリート部品を組み合わせて構成されてもよい。
アドレススイッチ6は、複数の照明器具3を互いに識別するためのアドレス情報を設定するDIPスイッチである。照明器具3では、信号処理回路46が、アドレススイッチ6によって設定されたアドレス情報を読み込んで記憶する。信号処理回路46は、この記憶したアドレス情報を照明器具3の識別情報とする。なお、アドレススイッチ6は、照明器具3の外部から赤外線信号、電波信号などの無線信号を受信して、無線信号によって指示されるアドレス情報を信号処理回路46に通知する構成であってもよい。なお、照明器具3のアドレス情報は、点灯装置4のアドレス情報と読み替えてもよい。
以下、照明制御システム1における点灯制御について説明する。
コントローラ2において、信号制御回路21は、外部から入力される指示信号、照明器具3の照明空間に設置された照度センサのセンサ信号、照明スケジュールなどの1つ以上に基づいて、制御対象となる点灯装置4の制御内容を決定する。信号制御回路21は、制御対象となる点灯装置4、及び制御内容に対応するパルス信号Ypを生成し、信号出力回路22は、複数のビットデータを含む伝送信号Y2を出力する。
例えば、外部から入力される指示信号は、制御対象となる点灯装置4のアドレス情報、制御内容(調光レベル、調色レベル、点灯、消灯、点滅など)を指示する。信号制御回路21は、指示信号を外部から入力されると、この指示信号の指示(制御対象となる点灯装置4の制御内容)に対応する複数のビットデータを生成する。
図6は、照明制御システム1の各部の信号波形を示す。図6は、6個の信号波形を示しており、上から順に同期信号Y1、パルス信号Yp、伝送信号Y2、同期信号Y11、伝送信号Y21の各波形を示している。
同期信号Y1は、200V、50Hzまたは60Hzの交流電圧V2である。
伝送信号Y2は、パルス信号YpがHレベルである場合に通電状態になり、伝送信号Y2の波形は交流電圧V2の波形(正弦波の波形)になる。また、伝送信号Y2は、パルス信号YpがLレベルである場合に非通電状態になり、伝送信号Y2の電圧は0(ほぼ0も含む)になる。
信号制御回路21は、伝送信号Y2が通電状態である期間(通電期間)、及び伝送信号Y2が非通電状態である期間(非通電期間)を制御することで、複数のビットデータを含む伝送信号Y2を、信号出力回路22から出力させる。
具体的に、信号制御回路21は、交流電圧V2の位相0°-360°の期間を1周期とし、各周期にビットデータとして「1」または「0」を割り当てる。すなわち、信号制御回路21は、各周期に1ビットのデータを割り当てている。信号制御回路21は、伝送信号Y2にビットデータ「1」を割り当てる場合、パルス信号YpをHレベルにして、交流電圧V2の1周期を通電期間に設定する。この結果、当該周期における伝送信号Y2の波形は交流電圧V2の波形(1周期の正弦波)になる。また、信号制御回路21は、伝送信号Y2にビットデータ「0」を割り当てる場合、パルス信号YpをLレベルにして、交流電圧V2の1周期を非通電期間に設定して、伝送信号Y2の電圧を0にする。すなわち、信号制御回路21は、交流電圧V2の各周期を導通期間または非導通期間に設定することで、時系列に並んだ「1」または「0」のビットデータを含む伝送信号Y2を生成する。
図6に示す伝送信号Y2は、1つのコマンドB0を表しており、最初の4ビットをスタートビット群B1とし、次の6ビットをコマンドビット群B2とし、次の32ビットをパラメータビット群B3としている。
スタートビット群B1は、伝送信号Y2によるコマンド送信の開始を通知する。図6のスタートビット群B1は、全てのビットデータが「1」であり、ビットデータ「1」が4回連続して発生している。
コマンドビット群B2は、伝送信号Y2のコマンド種類を表しており、調光率を設定するための調光率設定コマンド、調色を設定するための調色設定コマンド、点灯装置4のパラメータ設定を行うためのパラメータ設定コマンドなどがある。図6のコマンドビット群B2では、全てのコマンド種類において、先頭と最後の各ビットが「0」になる。
パラメータビット群B3は、コマンドB0の送信先となる点灯装置4(照明器具3)のアドレス情報、及び伝送信号Y2で制御する調光レベル、調色レベルなどの制御内容を示す制御情報を含む。
信号制御回路21は、パラメータビット群B3の最終ビットを生成してから休止期間Taが経過するまでは、パルス信号YpをLレベルに保持し、伝送信号Y2を非通電状態に維持して、次のコマンドB0を生成しない。すなわち、信号出力回路22は、パラメータビット群B3の最終ビットを出力してから休止期間Taが経過するまでは、次のコマンドB0を出力しない。休止期間Taは、電力系統9の周波数(交流電圧V1,V2の周波数)が50Hzである場合、8周期(8ビット分)であり、電力系統9の周波数が60Hzである場合、18周期(18ビット分)である。
照明器具3の点灯装置4では、ACAC変換部41,42が同期信号Y1及び伝送信号Y2を受け取り、弱電信号の同期信号Y11及び伝送信号Y21を生成する。図6では、図5Bの回路構成を有するACAC変換部41,42が、半波整流された同期信号Y11及び伝送信号Y21を生成している。そして、AD変換部43は、アナログの同期信号Y11をデジタルの同期信号Y12に変換する。AD変換部44は、アナログの伝送信号Y21をデジタルの伝送信号Y22に変換する。信号処理回路46は、同期信号Y12及び伝送信号Y22を入力され、同期信号Y12に同期して伝送信号Y22からビットデータを読み出す。
信号処理回路46は、同期信号Y12に基づいて交流電圧V2の変化を監視し、交流電圧V2の位相に同期した判定タイミングを設定する同期処理を行う。そして、信号処理回路46は、交流電圧V2の位相に同期した判定タイミングに、伝送信号Y2のレベルを判定するレベル判定処理を行う。
具体的に、同期処理を行う信号処理回路46は、同期信号Y12(半波整流された交流電圧V2に対応する)の立ち上がりタイミングを検出することで、隣り合う2つの立ち上がりタイミングの時間差を交流電圧V2の周期として認識できる。すなわち、信号処理回路46は、電力系統9の周波数が50Hz、60Hzのいずれであっても、交流電圧V2の周期を自動で認識できる。
そして、信号処理回路46は、同期信号Y12の立ち上がりタイミング(交流電圧V2の位相0°)から1/4周期(交流電圧V2の位相90°)が経過した時点を、判定タイミングに設定する。すなわち、信号処理回路46は、同期信号Y1のゼロクロスタイミング(交流電圧V2の位相0°)から、交流電圧V2のピーク値(交流電圧V2の位相90°)に達するまでに要する時間が経過した時点を、判定タイミングに設定している。
なお、判定タイミングは、同期信号Y1のゼロクロスタイミングから1/4周期が経過するまでの期間内に設定されればよい。例えば、判定タイミングは、同期信号Y1のゼロクロスタイミングから、交流電圧V2が0からピーク値に達するまでに要する時間の1/2が経過したタイミングに設定されてもよい。
レベル判定処理を行う信号処理回路46は、判定タイミングになると、伝送信号Y22のデジタル値(伝送信号Y21の電圧値に相当)を予め決められた閾値と比較することで、伝送信号Y2のレベルを判定する。信号処理回路46は、伝送信号Y22のデジタル値が閾値以上であれば、伝送信号Y2のレベルはHレベルであり、この判定タイミングにおけるビットデータは「1」であると判定する。また、信号処理回路46は、伝送信号Y22のデジタル値が閾値未満であれば、伝送信号Y2のレベルはLレベルであり、この判定タイミングにおけるビットデータは「0」であると判定する。
すなわち、点灯制御回路40は、交流電圧V2の位相に同期して伝送信号Y2のレベルを判定することで、伝送信号Y2が通電状態及び非通電状態のいずれであるかを判定し、伝送信号Y2からビットデータを読み出している。
信号処理回路46は、スタートビット群B1を読み出すと、コマンドB0の送信が開始されたことを認識し、スタートビット群B1に続くコマンドビット群B2を読み出して、コマンド種類を判定する。さらに、信号処理回路46は、コマンドビット群B2に続くパラメータビット群B3を読み出す。そして、信号処理回路46は、パラメータビット群B3に含まれるアドレス情報が自己のアドレス情報に一致すれば、パラメータビット群B3に含まれる制御情報に基づいて、点灯回路47の動作を制御して、LEDモジュール5の点灯状態を制御する。LEDモジュール5の点灯状態には、点灯、消灯、点滅、調光、調色などが含まれる。
上述のように、照明制御システム1において、コントローラ2が出力した同期信号Y1及び伝送信号Y2は強電信号であるので、制御線W1、信号線W2、電力線W3は、強電信号用の1つの電線管に収納されて点灯装置4まで敷設されている。すなわち、照明制御システム1は、一般に屋内などで用いられる12VのPWM信号などの弱電信号を、コントローラ2-点灯装置4間の通信に用いていないので、弱電信号用の電線管を別に敷設する必要がない。したがって、照明制御システム1は、弱電信号用の電線管を別に敷設する必要がないので、強電信号用の電線管と弱電信号用の電線管との両方を敷設する場合に比べて、施工コストを低くできる。
また、同期信号Y1及び伝送信号Y2は強電信号であるので、コントローラ2-点灯装置4間の距離が長く、制御線W1及び信号線W2の各配線長が長い場合でも、同期信号Y1及び伝送信号Y2の電圧降下による制御不良を抑制できる。
さらに、照明制御システム1では、コントローラ2-点灯装置4間の通信に強電信号である同期信号Y1及び伝送信号Y2を用いている。したがって、点灯装置4は、同期信号Y1に同期して伝送信号Y2からビットデータを読み出すことができる。この結果、同期信号Y1及び伝送信号Y2という2系統の通信路を備えるだけで、コントローラ2から点灯装置4へ伝達される情報量を従来に比べて増やすことができる。すなわち、照明制御システム1は、コントローラ2から点灯装置4に伝達する情報量を簡易な構成で増やすことができる。また、照明制御システム1は、同期信号Y1を用いることによって、コントローラ2-点灯装置4間の通信の安定性を向上させることができる。
次に、照明制御システム1の第1変形例について、図7を用いて説明する。図7は、照明制御システム1の各部の信号波形を示す。図7は、6個の信号波形を示しており、上から順に同期信号Y1、パルス信号Yp、伝送信号Y2、同期信号Y11、伝送信号Y21の各波形を示している。
第1変形例の信号制御回路21は、交流電圧V2の位相0°-360°の期間を1周期とし、各周期にビットデータとして「1」または「0」を割り当てる。第1変形例の信号制御回路21は、交流電圧V2の各周期を、前半の正の半周期である第1期間T1と後半の負の半周期である第2期間T2とに分割する。すなわち、第1期間T1は、交流電圧V2の位相0°-180°の期間であり、第2期間T2は、交流電圧V2の位相180°-360°の期間である。そして、信号制御回路21は、第1期間T1を必ず通電期間に設定し、当該周期に対応するビットデータに応じて第2期間T2を通電期間または非通電期間にすることで、伝送信号Y2を生成する。
具体的に、信号制御回路21は、伝送信号Y2にビットデータ「1」を割り当てる場合、第2期間T2を通電期間に設定する。この結果、第2期間T2における伝送信号Y2の波形は、交流電圧V2の波形(半周期の正弦波)になる。また、信号制御回路21は、伝送信号Y2にビットデータ「0」を割り当てる場合、第2期間T2を非通電期間に設定して、第2期間T2における伝送信号Y2の電圧を0にする。すなわち、信号制御回路21は、交流電圧V2の各周期の第2期間T2を導通期間または非導通期間に設定することで、時系列に並んだ「1」または「0」のビットデータを含む伝送信号Y2を生成する。
図7に示す伝送信号Y2は、第1変形例におけるコマンドB10を表しており、最初の8ビットをスタートビット群B1とし、次の8ビットをコマンドビット群B2とし、次の32ビットをパラメータビット群B3としている。
図7のスタートビット群B1は、全てのビットデータが「1」であり、ビットデータ「1」が8回連続して発生している。コマンドビット群B2は、伝送信号Y2のコマンド種類を表す。パラメータビット群B3は、コマンドB0の送信先となる照明器具3(点灯装置4)のアドレス情報、及び伝送信号Y2で制御する調光率、調色などの制御情報を表す。
信号制御回路21は、パラメータビット群B3の最終ビットを生成してから休止期間Tbが経過するまでは、伝送信号Y2にビットデータ「0」を割り当てて、次のコマンドB10を生成しない。すなわち、信号出力回路22は、パラメータビット群B3の最終ビットを出力してから休止期間Tbが経過するまでは、次のコマンドB10を出力しない。休止期間Tbは、電力系統9の周波数(交流電圧V1,V2の周波数)が50Hzである場合、2周期(2ビット分)であり、電力系統9の周波数が60Hzである場合、12周期(12ビット分)である。
また、図7では、図5Aの回路構成を有するACAC変換部41,42が、全波整流された同期信号Y11及び伝送信号Y21を生成している。
同期処理を行う信号処理回路46は、同期信号Y12(全波整流された交流電圧V2に対応する)の立ち上がりタイミングを検出することで、隣り合う2つの立ち上がりタイミングの時間差を交流電圧V2の半周期として認識できる。
そして、信号処理回路46は、同期信号Y12の立ち上がりタイミング(交流電圧V2の位相0°及び180°)から交流電圧V2の1/4周期(交流電圧V2の位相90°及び270°)が経過した時点を、判定タイミングに設定する。すなわち、信号処理回路46は、同期信号Y1のゼロクロスタイミング(交流電圧V2の位相0°及び180°)から、交流電圧V2のピーク値(交流電圧V2の位相90°及び270°)に達するまでに要する時間が経過した時点を、判定タイミングに設定している。
なお、判定タイミングは、同期信号Y1のゼロクロスタイミングから1/4周期が経過するまでの期間内に設定されればよい。例えば、判定タイミングは、同期信号Y1のゼロクロスタイミングから、交流電圧V2が0からピーク値に達するまでに要する時間の1/2が経過したタイミングに設定されてもよい。
レベル判定処理を行う信号処理回路46は、判定タイミングになると、伝送信号Y22のデジタル値(伝送信号Y21の電圧値に相当)を予め決められた閾値と比較することで、伝送信号Y2のレベルを判定する。信号処理回路46は、伝送信号Y22のデジタル値が閾値以上であれば、伝送信号Y2のレベルはHレベルであると判定し、伝送信号Y22のデジタル値が閾値未満であれば、伝送信号Y2のレベルはLレベルであると判定する。
ここで、休止期間Tbでは、伝送信号Y2のレベルがHレベルとLレベルとを交互に切り換わっており、信号処理回路46は、伝送信号Y2がHレベルとなる期間を第1期間T1とし、伝送信号Y2がLレベルとなる期間を第2期間T2とする。すなわち、信号処理回路46は、休止期間Tbの伝送信号Y2によって、伝送信号Y2の第1期間T1及び第2期間T2を区別できる。
信号処理回路46は、第1期間T1及び第2期間T2における各判定結果が「1」「0」であれば、当該周期のビットデータは「0」であると判定する。また、信号処理回路46は、第1期間T1及び第2期間T2における各判定結果が「1」「1」であれば、当該周期のビットデータは「1」であると判定する。
すなわち、点灯制御回路40は、交流電圧V2の位相に同期して伝送信号Y2のレベルを判定することで、伝送信号Y2が通電状態及び非通電状態のいずれであるかを判定し、伝送信号Y2からビットデータを読み出している。
上述の第1変形例では、伝送信号Y2の第1期間T1は必ず通電期間になるので、信号処理回路46は、伝送信号Y2の第1期間T1と第2期間T2とを容易に区別することができる。さらに、休止期間Tbにビットデータ「0」が連続する場合でも、同期信号Y1による同期が容易になる。
次に、照明制御システム1の第2変形例について、図8、図9を用いて説明する。図8は、第2変形例の点灯装置4の構成を示す。第2変形例の点灯装置4は、ACAC変換部42A、AD変換部44A,44Bを備える。
図9は、ACAC変換部42Aの回路構成を示しており、ACAC変換部42Aは、伝送信号Y2を降圧して、正側の半波成分と負側の半波成分とに分離する。
具体的に、ACAC変換部42Aは、パルストランス401、抵抗402、ダイオード404,404Aを備える。ダイオード404は、パルストランス401の二次巻線の一端に直列接続しており、ダイオード404は弱電信号を半波整流する。ダイオード404Aは、パルストランス401の二次巻線の他端に直列接続しており、ダイオード404Aは弱電信号を半波整流する。パルストランス401は、伝送信号Y2を降圧する。そして、ダイオード404は、パルストランス401の二次側出力を半波整流することで正側の伝送信号Y21Aを出力する。また、ダイオード404Aは、パルストランス401の二次側出力を半波整流することで負側の伝送信号Y21Bを出力する。
そして、AD変換部44Aは、アナログの伝送信号Y21Aをデジタルの伝送信号Y22Aに変換する。AD変換部44Bは、アナログの伝送信号Y21Bをデジタルの伝送信号Y22Bに変換する。
信号処理回路46は、同期信号Y12及び伝送信号Y22A,Y22Bを入力される。信号処理回路46は、伝送信号Y22A,Y22Bを上述の伝送信号Y22と同様に信号処理することで、同期信号Y12に同期して伝送信号Y22A,Y22Bからビットデータを読み出す。そして、信号処理回路46は、読み出したビットデータに基づいて、点灯回路47の動作を制御する点灯制御処理を行う。
次に、照明制御システム1の第3変形例について、図10を用いて説明する。図10は、第3変形例のコントローラ2と点灯装置4との接続形態を示す。第3変形例の点灯装置4は、接続部48Aと、分岐部49とを備える。
接続部48Aは、接続部48から端子483,484を除いた構成であり、電線が接続される4個の端子481,482,485,486を備える。そして、分岐部49は、端子481,482に電気的に接続しており、電力線W3から供給される交流電力を、点灯制御回路40及び点灯回路47へそれぞれ分岐して供給する。すなわち、分岐部49は、電力系統9からの交流電力を点灯回路47へ供給し、さらに交流電圧V1を同期信号Y1aとして点灯制御回路40へ出力する。そして、点灯制御回路40は、交流電圧V1を同期信号Y1aとし、ACAC変換部41に入力する。
したがって、第3変形例では、電力線W3が制御線W1の機能も兼ねており、制御線W1の敷設が不要になる。この結果、照明制御システム1の省配線化、低コスト化を図ることができる。
次に、照明制御システム1の第4変形例について、図11を用いて説明する。図11は、第4変形例のコントローラ2と点灯装置4との接続形態を示す。第4変形例の点灯装置4は、接続部48Bを備えており、第3変形例に比べてさらなる省配線化を図っている。
接続部48Bは、接続部48Aから端子486を除いた構成であり、電線が接続される3個の端子481,482,485を備える。この場合、端子481が第1端子に相当し、端子482が第2端子に相当し、端子484が第3端子に相当する。そして、電力系統9からの交流電力は、端子481,482を介して分岐部49へ供給される。また、伝送信号Y2は、端子482,485を介して点灯制御回路40へ伝達される。すなわち、端子481,482に接続されている一対の電線が電力線W3を構成し、端子482,485に接続されている一対の電線が信号線W2を構成している。
したがって、信号線W2及び電力線W3は、3本の電線で構成されており、照明制御システム1のさらなる省配線化、低コスト化を図ることができる。
次に、照明制御システム1の第5変形例について、図12A-図12Eを用いて説明する。
第5変形例において、点灯装置4は、動作モードとして第1モード、第2モードを有しており、動作モードを第1モードまたは第2モードに設定して動作する。点灯装置4では、信号処理回路46が動作モードを第1モードまたは第2モードに設定して、設定した動作モードに応じた処理を行う。
コントローラ2は、第1モードの点灯装置4に対して、上述の実施形態、または第1変形例-第4変形例のいずれかのように、コマンドB0またはB10を含む伝送信号Y2を点灯装置4へ出力する。第1モードの点灯装置4は、コマンドB0またはB10に含まれるパラメータビット群B3を参照して、LEDモジュール5の点灯状態(点灯、消灯、点滅、調光、調色など)を制御する。
具体的に、第1モードで動作する点灯装置4では、信号処理回路46が、スタートビット群B1、コマンドビット群B2に続いてパラメータビット群B3の各ビットを読み出し、アドレス情報、制御情報などを解析する。制御情報が調光レベルの情報である場合、例えば256段階の調光レベルから目標となる調光レベルが制御情報によって指示されている。制御情報が調色レベルの情報である場合、例えば256段階の調色レベルから目標となる調色レベルが制御情報によって指示されている。そして、信号処理回路46は、パラメータビット群B3によって指示された点灯状態にLEDモジュール5の点灯状態を制御する。すなわち、第1モードの点灯装置4では、信号処理回路46が連続調光、連続調色などの点灯制御を行うことができる。
次に、第2モードで動作する点灯装置4では、信号処理回路46(点灯制御回路40)が、伝送信号Y2の非通電状態及び通電状態の有無、通電状態及び非通電状態の組み合わせ等の発生パターンを判定することで、LEDモジュール5の点灯状態を制御する。
そして、ACAC変換部41,42が図5Aの回路構成を備えている場合、同期信号Y1及び伝送信号Y2が全波整流されているので、信号処理回路46は、伝送信号Y2の正負を区別することができない。
そこで、信号処理回路46は、同期信号Y12及び伝送信号Y22に基づいて、伝送信号Y2の半周期毎の波形を判別し、伝送信号Y2の半周期分の波形に基づいてLEDモジュール5を点灯制御する。例えば、信号処理回路46は、半周期の通電状態に対応する調光レベルとして70%を記憶し、半周期の非通電状態に対応する調光レベルとして50%を記憶している。そして、第2モードの信号処理回路46は、図12Aに示すように伝送信号Y2の波形が通電状態である場合、LEDモジュール5の調光レベルを70%に制御する。また、第2モードの信号処理回路46は、図12Bに示すように伝送信号Y2の波形が非通電状態である場合、LEDモジュール5の調光レベルを50%に制御する。
また、信号処理回路46は、伝送信号Y2の1周期分の波形に基づいて、LEDモジュール5を点灯制御してもよい。例えば、信号処理回路46は、図12Cに示すように、半周期の通電状態と半周期の非通電状態との組み合わせ(発生パターン)に対応する調光レベルとして70%、調色レベルとして色温度5000Kを記憶している。そして、第2モードの信号処理回路46は、伝送信号Y2の1周期分の波形が通電状態と非通電状態との組み合わせである場合、LEDモジュール5の調光レベルを70%に制御し、調色レベルを色温度5000Kに制御する。
また、信号処理回路46は、伝送信号Y2の3周期分の波形に基づいて、LEDモジュール5を点灯制御してもよい。例えば、信号処理回路46は、図12Dに示すように、2周期の通電状態と1周期の非通電状態との組み合わせ(発生パターン)に対応する調光レベルを記憶している。また、信号処理回路46は、図12Eに示すように、半周期の通電状態と、1周期の非通電状態と、1周期の通電状態と、半周期の非通電状態との組み合わせ(発生パターン)に対応する調光レベルを記憶している。
また、ACAC変換部41,42の一方が図5Aの回路構成を備えており、ACAC変換部41,42の他方が図5Cの回路構成を備えている場合、ACAC変換部41,42の他方が出力する信号は整流されていない。したがって、信号処理回路46は、同期信号Y12、伝送信号Y22に基づいて、伝送信号Y2が正電圧である正状態、伝送信号Y2が負電圧である負状態、伝送信号Y2が0Vである0状態の3つの状態を判別することができる。
例えば、信号処理回路46は、図13Aに示すように正状態と0状態とが交互に発生する伝送信号Y2と、図13Bに示すように負状態と0状態とが交互に発生する伝送信号Y2とを区別することができる。
また、信号処理回路46は、図13Cに示す発生パターンの伝送信号Y2と、図13Dに示す発生パターンの伝送信号Y2とを区別することもできる。図13Cの伝送信号Y2では、正状態、0状態、正状態、負状態、0状態、0状態が順に生じている。図13Dの伝送信号Y2では、負状態、0状態、負状態、正状態、0状態、0状態が順に生じている。
そして、コントローラ2は、第1モードの点灯装置4に対して設定信号を出力することによって、信号処理回路46に対して各種設定を行う設定処理を行うことができる。設定信号は、コマンドB0またはB10を含む伝送信号Y2であり、点灯装置4に第2モードでの動作時の制御内容を設定することができる。設定信号では、コマンドビット群B2にパラメータ設定コマンドが設定される。さらに、パラメータビット群B3には、第2モードでの動作時に実行するLEDモジュール5の点灯制御の目標状態と、この目標状態に対応する所定の発生パターン(通電状態及び非通電状態の組み合わせなど)が設定される。すなわち、信号制御回路21は、設定信号によって、所定の発生パターンに対応する調光レベル、調色レベル、点灯、消灯、点滅などの制御内容(目標状態)を信号処理回路46に通知する。第1モードの信号処理回路46は、受け取った設定信号に基づいて、所定の発生パターンに対応する目標状態を記憶しておく。そして、信号処理回路46は、動作モードが第1モードから第2モードに切り替わると、伝送信号Y2における通電状態及び非通電状態の発生パターンに応じて、予め記憶している目標状態から対応する目標状態を選択する。そして、信号処理回路46は、LEDモジュール5の点灯状態が選択した目標状態になるように、点灯回路47を制御する。
すなわち、コントローラ2は、第1モードの点灯装置4へ、第2モードでの動作時に実行するLEDモジュール5の点灯制御の目標状態を示す設定信号を伝送信号Y2として出力する。第1モードの点灯装置4は、設定信号に基づいて点灯制御の目標状態を記憶する。
そして、コントローラ2は、第2モードの点灯装置4へ、通電状態及び非通電状態が所定の発生パターンで生じる伝送信号Y2を出力する。第2モードの点灯装置4は、伝送信号Y2における通電状態及び非通電状態の発生パターンに対応する目標状態となるように点灯制御を実行する。すなわち、第2モードの点灯装置4では、信号処理回路46が、段調光、段調色などの点灯制御を行うことができる。
したがって、第2モードの点灯制御回路40は、受け取った伝送信号Y2のビットデータを読み出して解析することなく、LEDモジュール5の点灯状態を制御することができる。この結果、点灯制御回路40によるLEDモジュール5の制御遅れが小さくなり、迅速な照明制御が可能になる。例えば、第2モードの点灯制御回路40は、受け取った伝送信号Y2のビットデータを読み出して解析する必要がなく、伝送信号Y2の波形のみを判別すればよい。したがって、第2モードの点灯制御回路40は、伝送信号Y2を受け取ってから実際に調光レベルまたは調色レベルが変更されるまでの時間をより短くすることができる。
なお、上述の第1モードを設定モードと呼び、上述の第2モードを通常モードと呼んでもよい。また、上述の第1モードを確実操作モードと呼び、上述の第2モードを簡易操作モードと呼んでもよい。すなわち、上述の第1モードでは、伝送信号Y2のコマンドB0またはB10(複数ビットで表される制御パラメータ)によって、連続調光、連続調色などの照明制御が行われる。また、上述の第2モードでは、伝送信号Y2に制御パラメータを含めることなく、伝送信号Y2における通電状態及び非通電状態の発生パターンに対応する目標状態になるように、段調光、段調色などの照明制御が行われる。
次に、点灯装置4の動作モードの切り替えについて説明する。
点灯装置4では、点灯装置4の起動時から所定時間が経過するまでは、信号処理回路46(点灯制御回路40)の動作モードを第1モードに設定する。点灯装置4の起動時から所定時間が経過すると、信号処理回路46は、動作モードを第1モードから第2モードに切り替えて、以降、第2モードで動作する。
あるいは、コントローラ2から点灯装置4へ伝送信号としてモード切替信号を送信し、点灯装置4の信号処理回路46(点灯制御回路40)は、受け取ったモード切替信号に応じて動作モードを切り替えてもよい。この場合、信号処理回路46は、受け取った伝送信号がモード切替信号であるか否かを判定する判定処理を行う。
次に、照明制御システム1の第6変形例について、図14、図15を用いて説明する。図14は、第6変形例の点灯装置4の構成を示す。第6変形例の点灯装置4は、ACAC変換部41,42の代わりに、信号変換部41B,42Bを備えている。さらに、第6変形例の点灯装置4は、AD変換部43,44を備えていない。
信号変換部41B,42Bは、同期信号Y1及び伝送信号Y2を、HレベルまたはLレベルで表される同期信号Y11a及び伝送信号Y21aに降圧する。この場合、同期信号Y1及び伝送信号Y2がアナログの強電信号に相当し、同期信号Y11a及び伝送信号Y21aがデジタルの弱電信号に相当する。
信号変換部41B,42Bは、同一の回路構成を備えている。そこで、信号変換部41B,42Bを区別しない場合、信号変換部400Bと呼ぶ。図15は、信号変換部400Bの回路構成を示す。
具体的に、信号変換部400Bは、ダイオード411、抵抗412、フォトカプラ413、抵抗414を備える。ダイオード411、抵抗412、フォトカプラ413の入力ダイオードは直列接続されており、この直列回路には同期信号Y1または伝送信号Y2が強電信号として入力される。ダイオード411は強電信号を半波整流し、抵抗412は限流抵抗であり、半波整流された強電信号による電流がフォトカプラ413の入力ダイオードに流れる。フォトカプラ413の出力トランジスタは、フォトカプラ413の入力ダイオードに所定電流が流れればオンする。そして、抵抗414とフォトカプラ413の出力トランジスタとの直列回路の両端には、制御電圧Vc2が印加されており、フォトカプラ413の出力トランジスタの両端電圧が、同期信号Y11aまたは伝送信号Y21aとして出力される。したがって、フォトカプラ413の出力トランジスタがオンしている期間では、同期信号Y11aまたは伝送信号Y21aがLレベル(約0V)となる。また、フォトカプラ413の出力トランジスタがオフしている期間では、同期信号Y11aまたは伝送信号Y21aがHレベル(制御電圧Vc2)となる。すなわち、同期信号Y11a及び伝送信号Y21aは、デジタル信号になる。
信号処理回路46は、デジタル信号である同期信号Y11a及び伝送信号Y21aが入力され、同期信号Y11aに同期して伝送信号Y21aからビットデータを読み出す。そして、信号処理回路46は、読み出したビットデータに基づいて、点灯回路47の動作を制御する点灯制御処理を行う。
上述のように、第6変形例では、AD変換部43,44が不要となり、点灯装置4の構成の簡略化を図ることができる。
また、ゼロクロス検出回路27は、図15に示す回路で構成されることによって、交流電圧V2の半周期毎にHレベルとLレベルとが交互に切り換わるタイミング信号Yaを生成することができる。
なお、上述の実施形態、及び第1変形例-第6変形例において、同期信号は、交流電圧V0と同位相の交流電圧信号であればよく、交流電圧V0,V1,V2のいずれを同期信号として用いてもよい。また、交流電圧V1,V2は、電力系統9の交流電圧V0をトランス91,92でそれぞれ降圧した交流電圧であり、交流電圧V0,V1,V2はいずれも、電力系統9から供給される交流電圧であるといえる。
また、光源は、LEDモジュール5に限らず、有機EL(Organic Electro Luminescence、OEL)、または半導体レーザ(Laser Diode、LD)などの他の固体発光素子を有していてもよい。さらに、光源は、固体発光素子に限らず、放電灯、または蛍光灯などであってもよい。
以上のように、実施形態に係る第1の態様の照明制御システム1は、電力系統9から受けた交流電力から外部のLEDモジュール5(光源)へ供給する電力を生成する点灯装置4と、点灯装置4を制御するための伝送信号Y2を信号線W2を介して点灯装置4に対して出力するコントローラ2と、を備える。コントローラ2は、電力系統9から供給される交流電圧V2を信号線W2に通電する期間を制御することで伝送信号Y2を生成する。そして、コントローラ2は、交流電圧V2を信号線W2に通電させている通電期間、及び交流電圧V2を信号線W2に通電させていない非通電期間の少なくとも一方を、交流電圧V2の位相に同期させて制御することで、時系列に並んだビットデータを含む伝送信号Y2を生成し、点灯装置4に対して伝送信号Y2を出力する。点灯装置4は、コントローラ2から出力された伝送信号Y2を受け取り、電力系統9から供給される交流電圧V2の位相に同期して伝送信号Y2のレベルを判定することで、伝送信号Y2からビットデータをそれぞれ読み出す。
上述の照明制御システム1は、コントローラ2-点灯装置4間の通信に強電信号である同期信号Y1及び伝送信号Y2を用いている。この結果、同期信号Y1及び伝送信号Y2という2系統の通信路を備えるだけで、コントローラ2から点灯装置4へ伝達される情報量を従来に比べて増やすことができる。すなわち、照明制御システム1は、コントローラ2から点灯装置4に伝達する情報量を簡易な構成で増やすことができる。また、照明制御システム1は、同期信号Y1を用いることによって、コントローラ2-点灯装置4間の通信の安定性を向上させることができる。
さらに、照明制御システム1において、同期信号Y1及び伝送信号Y2は強電信号であるので、制御線W1、信号線W2、電力線W3は、強電信号用の1つの電線管に収納されて点灯装置4まで敷設されている。したがって、照明制御システム1は、弱電信号用の電線管を別に敷設する必要がないので、強電信号用の電線管と弱電信号用の電線管との両方を敷設する場合に比べて、施工コストを低くできる。
また、同期信号Y1及び伝送信号Y2は強電信号であるので、コントローラ2-点灯装置4間の距離が長く、制御線W1及び信号線W2の各配線長が長い場合でも、同期信号Y1及び伝送信号Y2の電圧降下による制御不良を抑制できる。
また、実施形態に係る第2の態様の照明制御システム1では、第1の態様において、コントローラ2は、交流電圧V2の各周期にビットデータをそれぞれ対応付けて、交流電圧V2の各周期を第1期間T1と第2期間T2とに分割する。そして、コントローラ2は、第1期間T1を通電期間にし、当該周期に対応するビットデータに応じて第2期間T2を通電期間または非通電期間にすることが好ましい。
上述の照明制御システム1では、点灯装置4が、伝送信号Y2からビットデータをそれぞれ読み出す場合に同期をよりとりやすくなり、通信の安定性をさらに向上させることができる。例えば、伝送信号Y2において非通電状態が継続する場合でも、点灯装置4は、同期を容易にとることができる。また、点灯装置4は、伝送信号Y2の1周期に亘って通電状態となった場合に交流電圧V2の周波数を判別することができ、ノイズなどの要因によって同期がとれない場合にビットデータの読出しが失敗したか否かを判断できる。
また、実施形態に係る第3の態様の照明制御システム1では、第2の態様において、第1期間T1は、交流電圧V2の位相0°-180°の期間であることが好ましい。また、第2期間T2は、交流電圧V2の位相180°-360°の期間であることが好ましい。そして、コントローラ2は、ビットデータが第1値(例えば「1」)を表す場合、第2期間T2を通電期間にし、ビットデータが第2値(例えば「0」)を表す場合、第2期間T2を非通電期間にする。
上述の照明制御システム1では、コントローラ2は、伝送信号Y2の出力時に、交流電圧V2に対してゼロクロススイッチングを行うので、スイッチング時に発生するノイズを抑えることができる。また、第1期間T1において交流電圧V2の周波数を判別することができ、ノイズなどの要因によって同期がとれない場合にビットデータの読出しが失敗したか否かを判断できる。
また、実施形態に係る第4の態様の照明制御システム1では、第1乃至第3の態様のいずれか一つにおいて、コントローラ2は、点灯装置4の動作を指示する指示信号を外部から入力され、指示信号によって指示される動作に対応する複数のビットデータを生成することが好ましい。
上述の照明制御システム1では、コントローラ2とは別体の照明コントローラからの指示によって照明制御を行うことができる。
また、実施形態に係る第5の態様の照明制御システム1では、第1乃至第3の態様のいずれか一つにおいて、点灯装置4は、動作モードを第1モード及び第2モードのいずれかに切り替えることができることが好ましい。コントローラ2は、第1モードの点灯装置4へ、第2モードでの動作時に実行するLEDモジュール5の点灯制御の目標状態を示す設定信号を伝送信号Y2として出力する。第1モードの点灯装置4は、設定信号に基づいて点灯制御の目標状態を記憶する。コントローラ2は、第2モードの点灯装置4へ、点灯制御を行わせるための伝送信号Y2を出力する。第2モードの点灯装置4は、点灯制御を行わせるための伝送信号Y2をコントローラ2から受け取った場合、目標状態となるように点灯制御を実行する。
上述の照明制御システム1では、第1モード時において、連続調光及び連続調色を行うことができる。したがって、照明制御システム1は、第1モード時において、きめ細かい照明制御を行うことができる。また、照明制御システム1は、第2モード時において、点灯、消灯、段調光、段調色などの照明制御を短時間で行うことができる。
また、実施形態に係る第6の態様の照明制御システム1では、第1乃至第3の態様のいずれか一つにおいて、点灯装置4を複数備えている。そして、複数の点灯装置4は、複数の点灯装置4を識別するための識別情報(アドレス情報)をそれぞれ付与されていることが好ましい。コントローラ2は、識別情報を含む伝送信号Y2を出力する。複数の点灯装置4は、伝送信号Y2に含まれる識別情報が自己の識別情報と一致すれば、当該伝送信号Y2から読み出した複数のビットデータに基づいてそれぞれ動作する。
上述の照明制御システム1では、識別情報に基づいて、複数の点灯装置4を個別に制御できる。
また、実施形態に係る第7の態様の照明制御システム1は、電力系統9から受けた交流電力から外部のLEDモジュール5(光源)へ供給する電力を生成する点灯装置4と、点灯装置4を制御するための伝送信号Y2を信号線W2を介して点灯装置4に対して出力するコントローラ2と、を備える。コントローラ2は、電力系統9から供給される交流電圧V2を信号線W2に通電する期間を制御することで伝送信号Y2を生成する。そして、コントローラ2は、交流電圧V2を信号線W2に通電させている通電期間、及び交流電圧V2を信号線W2に通電させていない非通電期間の少なくとも一方を、交流電圧V2の位相に同期させて制御することで、時系列に並んだビットデータを含む伝送信号Y2を生成して、点灯装置4に対して伝送信号Y2を出力する。点灯装置4は、点灯回路47と、点灯制御回路40と、分岐部49と、を有する。点灯回路47は、電力系統9から交流電力を入力されてLEDモジュール5へ電力を供給する。点灯制御回路40は、コントローラ2から出力された伝送信号Y2を受け取り、電力系統9から供給される交流電圧V2の位相に同期して伝送信号Y2のレベルを判定することで、伝送信号Y2からビットデータをそれぞれ読み出して、点灯回路47を制御する。分岐部49は、点灯回路47へ交流電力を供給し、点灯制御回路40へ交流電圧V2を出力する。
上述の照明制御システム1は、コントローラ2から点灯装置4に伝達する情報量を簡易な構成で増やすことができる。また、照明制御システム1は、同期信号Y1を用いることによって、コントローラ2-点灯装置4間の通信の安定性を向上させることができる。
また、上述の照明制御システム1では、制御線W1の敷設が不要になるので、照明制御システム1の省配線化、低コスト化を図ることができる。
また、実施形態に係る第8の態様の照明制御システム1では、第7の態様において、点灯装置4は、電力系統9から交流電力を入力され、コントローラ2から伝送信号Y2を入力される接続部48Bを備えることが好ましい。接続部48Bは、第1端子481、第2端子482、第3端子483を有する。第1端子481及び第2端子482に交流電力が入力され、第2端子482及び第3端子483に伝送信号Y2が入力される。そして、第1端子481及び第2端子482から点灯回路47へ交流電力を供給し、第2端子482及び第3端子483から点灯制御回路40へ伝送信号Y2を出力する。
上述の照明制御システム1では、信号線W2及び電力線W3が、3本の電線で構成されており、照明制御システム1のさらなる省配線化、低コスト化を図ることができる。
また、実施形態に係る第9の態様のコントローラ2は、信号出力回路22と、信号制御回路21と、を備える。信号出力回路22は、電力系統9から供給される交流電圧V2を信号線W2に通電させている通電状態と、交流電圧V2を信号線W2に通電させていない非通電状態とを切り替えることで、点灯装置4を制御するための伝送信号Y2を信号線W2を介して出力する。信号制御回路21は、信号出力回路22を制御する。そして、信号制御回路21は、通電状態である通電期間、及び非通電状態である非通電期間の少なくとも一方を、交流電圧V2の位相に同期して制御することで、時系列に並んだビットデータを含む伝送信号Y2を生成する。
上述のコントローラ2は、点灯装置4へ伝達する情報量を簡易な構成で増やすことができる。
また、実施形態に係る第10の態様のコントローラ2では、第9の態様において、信号制御回路21は、交流電圧V2の各周期に複数のビットデータをそれぞれ対応付けて伝送信号Y2を生成する。そして、信号制御回路21は、交流電圧V2の各周期を第1期間T1と第2期間T2とに分割し、第1期間T1を通電期間にし、当該周期に対応するビットデータに応じて第2期間T2を通電期間または非通電期間にすることが好ましい。
上述のコントローラ2では、点灯装置4が、伝送信号Y2から複数のビットデータをそれぞれ読み出す場合に同期をよりとりやすくなり、通信の安定性をさらに向上させることができる。
また、実施形態に係る第11の態様のコントローラ2では、第10の態様において、第1期間T1は、交流電圧V2の位相0°-180°の期間であることが好ましい。また、第2期間T2は、交流電圧V2の位相180°-360°の期間であることが好ましい。そして、信号制御回路21は、ビットデータが第1値(例えば「1」)を表す場合、第2期間T2を通電期間にし、ビットデータが第2値(例えば「0」)を表す場合、第2期間T2を非通電期間にする。
上述のコントローラ2は、伝送信号Y2の生成時に、交流電圧V2に対してゼロクロススイッチングを行うので、スイッチング時に発生するノイズを抑えることができる。また、第1期間T1において交流電圧V2の周波数を判別することができ、ノイズなどの要因によって同期がとれない場合にビットデータの読出しが失敗したか否かを判断できる。
また、実施形態に係る第12の態様のコントローラ2では、第9乃至第11の態様のいずれか一つにおいて、点灯装置4に入力される同期信号Y1として交流電圧V2を出力する同期信号出力部25を備えることが好ましい。
上述のコントローラ2は、同期信号Y1及び伝送信号Y2の両方を出力できるので、コントローラ2を備えた照明制御システム1の構成の簡略化を図ることができる。
また、実施形態に係る第13の態様の点灯装置4は、電力系統9の交流電力を入力されてLEDモジュール5へ電力を供給する点灯回路47と、点灯回路47を制御する点灯制御回路40と、を備える。点灯制御回路40は、電力系統9から供給される交流電圧V2の通電状態が切り替えられて時系列に並んだ複数のビットデータを含む伝送信号Y2を信号線W2を介して受け取る。そして、点灯制御回路40は、交流電圧V2の位相に同期して伝送信号Y2のレベルを判定することで、伝送信号Y2からビットデータをそれぞれ読み出す。
上述の点灯装置4は、コントローラ2から伝達される情報量を簡易な構成で増やすことができる。また、点灯装置4は、同期信号Y1を用いることによって、コントローラ2との間の通信の安定性を向上させることができる。
また、実施形態に係る第14の態様の点灯装置4では、第13の態様において、点灯制御回路40は、交流電圧V2のゼロクロスタイミングから、交流電圧V2の瞬時値が交流電圧V2のピーク値に達するまでの時間が経過する前に、伝送信号Y2のレベルを判定することが好ましい。
上述の点灯装置4は、伝送信号Y2のレベルをより確実に判定することができる。
また、実施形態に係る第15の態様の照明器具3は、第13または第14の態様の点灯装置4と、点灯装置4から電力を供給されるLEDモジュール5と、を備える。
上述の照明器具3は、コントローラ2から伝達される情報量を簡易な構成で増やすことができる。また、照明器具3は、同期信号Y1を用いることによって、コントローラ2との間の通信の安定性を向上させることができる。
また、上述の実施形態および変形例は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態および変形例に限定されることはなく、この実施形態および変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。