JP6998021B2 - 発電システム - Google Patents
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Description
また、請求項2に記載の発電システムは、請求項1に記載の発電システムにおいて、前記一対の接続部の各々における前記本体部側の端部が前記本体部の上下方向の中央部の高さ位置に位置するように、前記一対の接続部の各々と前記本体部とを接続した。
また、請求項3に記載の発電システムは、請求項1又は2に記載の発電システムにおいて、少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものであって、前記発電手段、前記伝達手段、又は/及び前記押圧手段を支持する第2の浮体部を備える。
また、請求項4に記載の発電システムは、請求項3に記載の発電システムにおいて、前記第2の浮体部が上下方向又は水平方向に振動することを抑制するための抑制手段を備える、
また、請求項5に記載の発電システムは、請求項3又は4に記載の発電システムにおいて、水底に設置されるアンカー部であって、前記第1の浮体部又は前記第2の浮体部とロープを介して接続されるアンカー部を備える。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、外力を発電手段を介して電気に変換する発電システムに関するものである。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、実施の形態1について説明する。この形態は、波力の水平分力を利用して発電を行う形態である。
最初に、実施の形態1に係る発電システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る発電システムを示す概要図である。図2は、図1の第1伝達部及び第2伝達部の周辺領域を示す拡大斜視図である。図3は、図2のA-A矢視断面図である。なお、以下の説明では、図1のX方向を発電システムの前後方向(+X方向を発電システムの前方向(沖側の方向)、-X方向を発電システムの後方向(陸側の方向))、図2のY方向を発電システムの左右方向(-Y方向を発電システムの左方向、+Y方向を発電システムの右方向)、図1のZ方向を発電システムの上下方向(+Z方向を発電システムの上方向、-Z方向を発電システムの下方向)と称する。発電システム1は、外力を後述する発電部80のダイナモを介して電気に変換するシステムである。図1から図3に示すように、この発電システム1は、収容部10、押圧部20、第1伝達部30a(第1伝達手段)、第2伝達部30b(第2伝達手段)、第1シャフト50、ベルト60、第2シャフト70、及び発電部80を備えている。
収容部10は、少なくとも後述する受け部22を収容するための収容手段である。この収容部10は、例えば防錆処理された鋼材等にて形成された長尺な略円環状体であり(すなわち、収容部10の前端部及び後端部の各々に開口部13が形成されている)、具体的には、図1に示すように、押圧部20、第1伝達部30a、第2伝達部30b、第1シャフト50、ベルト60、第2シャフト70、及び発電部80を収容可能な形状及び大きさにて形成されている。また、図1に示すように、この収容部10は、収容部10の内部に波が流入出可能な位置に配置されており、防波堤(設置対象)に対して固定具等によって固定されている。なお、この収容部10の構成の詳細については後述する。
押圧部20は、第1伝達部30a又は第2伝達部30bが回転移動可能となるように、当該第1伝達部30a及び当該第2伝達部30bを押圧するための押圧手段である。この押圧部20は、例えば防錆処理された鋼材等にて形成された長尺体であり、図1、図2に示すように、第1伝達部30a及び第2伝達部30bと接触可能な位置に設置されている。なお、この押圧部20の構成の詳細については後述する。
第1伝達部30a及び第2伝達部30bは、自己が回転移動することにより、後述する発電回転方向の回転力を後述する発電部80のダイナモに伝達するための伝達手段である。これら第1伝達部30a及び第2伝達部30bは、例えば、複数の突起部40を有し、且つ発電回転方向と同一の方向のみ回転可能な公知のラチェットギア(実施の形態1では、第1伝達部30a及び第2伝達部30bの回転速度が略同一となるラチェットギア)等を用いて構成されており、図1から図3に示すように、相互に間隔を隔てて左右方向に沿って並設配置され、第1シャフト50に対して固定具等によって固定されている。
第1シャフト50は、第1伝達部30a又は第2伝達部30bから伝達された回転力をベルト60に伝達するためのものである。図1、図2に示すように、この第1シャフト50は、例えば防錆処理された鋼材等にて形成された略細長状の棒状体であり、第1シャフト50の長手方向が左右方向に沿うように設置されている。また、この第1シャフト50の固定方法については任意であるが、例えば、第1シャフト50の長手方向の両端部の各々を収容部10に対して回転可能な固定具等(例えば、ボールベアリング等)によって固定している。
ベルト60は、第1シャフト50から伝達された回転力を第2シャフト70に伝達するためのものである。図1に示すように、このベルト60は、例えば公知の無端ベルト等を用いて構成されており、当該ベルト60の長手方向が第1シャフト50から第2シャフト70に向かう方向(図1では、後方上斜め方向)に沿うように設置され、且つ、当該ベルト60の内周面と第1シャフト50及び第2シャフト70の各々の外周面とが当接するように設置されている。
第2シャフト70は、ベルト60から伝達された回転力を後述する発電部80のダイナモに伝達するためのものである。図1に示すように、この第2シャフト70は、例えば防錆処理された鋼材等にて形成された略細長状の棒状体であり、第1シャフト50、押圧部20、第1伝達部30a、及び第2伝達部30bよりも陸側の位置において、当該第2シャフト70の長手方向が左右方向に沿うように設置されている。また、この第2シャフト70の固定方法については任意であるが、例えば、第2シャフト70の一部を後述する発電部80の筐体81の側壁に形成された挿通孔(図示省略)を介して当該筐体81の内部に収容し、当該収容した一部をダイナモの回転軸に対して固定具等によって固定している。なお、押圧部20、第1伝達部30a、第2伝達部30b、第1シャフト50、ベルト60、及び第2シャフト70は、特許請求の範囲における「回転力変換手段」に対応する。
発電部80は、第1シャフト50、ベルト60、及び第2シャフト70を介して第1伝達部30a又は第2伝達部30bから伝達された回転力を利用して発電を行うためのものである。図1に示すように、この発電部80は、第2シャフト70と略同一の位置に設置されており、筐体81、ダイナモ(図示省略)、及び回路基板(図示省略)を備えている。筐体81は、ダイナモ及び回路基板を保護する保護手段であり、例えば樹脂材料等にて形成された略箱状体であって、一側面(例えば、上面等)が開閉自在な略箱状体であり、収容部10に対して固定具等によって固定されている。ダイナモは、第2シャフト70を介して伝達された回転力によって当該ダイナモの回転軸(図示省略)が回転することにより発電を行う発電手段である。このダイナモは、例えば、当該ダイナモの回転軸が発電可能な一方向の回転方向(例えば、右方向から見て時計回りの回転方向が発電可能な回転方向である。なお、以下では、この回転方向を「発電回転方向」と称する。)のみに回転する公知のダイナモ等を用いて構成されており、筐体81に対して固定具等によって固定されている。発電システム1の各種機能を実現するための電気回路(図示省略)が実装された基板であり、例えば公知の回路基板を用いて構成されており、筐体81に対して固定具等によって固定されている。また、この回路基板には、電力変換部や電力出力部が実装されている(いずれも図示省略)。このうち、電力変換部は、ダイナモにて発電された電力を所定の電力に変換する電力変換手段であり、配線(図示省略)を介してダイナモと電気的に接続されている。また、電力出力部は、電力変換部にて変換された電力を外部機器(図示省略)に出力するための電力出力手段であり、配線(図示省略)を介して外部機器と電気的に接続されている。
次に、収容部10の構成の詳細について説明する。図4は、収容部10の前側部分を示す斜視図である。実施の形態1においては、図4に示すように、収容部10は、第1収容部分11及び第2収容部分12を備えている。
次に、押圧部20の構成の詳細について説明する。図5は、押圧部20が第1伝達部30a及び第2伝達部30bに対して後方上斜め方向に向けて後述する相対的直線移動した状態を示す斜視図である。図6は、押圧部20が第1伝達部30a及び第2伝達部30bに対して前方下斜め方向に向けて後述する相対的直線移動した状態を示す斜視図である。図7は、後述する受け部22が後述する相対的直線移動した状態を示す斜視図であり、(a)は後述する受け部22が後方上斜め方向に向けて後述する相対的直線移動した状態を示す図であり、(b)は後述する受け部22が前方下斜め方向に向けて後述する相対的直線移動した状態を示す図である。実施の形態1においては、図1に示すように、押圧部20は、本体部21、受け部22、及び接続部23を備えている。
本体部21は、押圧部20の基本構造体である。図1から図3に示すように、この本体部21は、複数の長尺なフレーム部を組み合わせることによって、側面形状が比較的厚肉な略環状となるように形成されている。具体的には、これら複数のフレーム部は、第1伝達部30a側に配置された第1フレーム部21a、第2伝達部30b側において第1フレーム部21aと対向しないように配置された第2フレーム部21b、第1フレーム部21aの前側部分と第2フレーム部21bの前側部分とを接続する第3フレーム部21c、及び、第1フレーム部21aの後側部分と第2フレーム部21bの後側部分とを接続する第4フレーム部21dから構成されている。
受け部22は、波力の水平方向分力を受けるものであり、図1、図7に示すように、長尺なブロック状体(具体的には、左右方向に長尺な矩形状体)にて形成されており、本体部21よりも下方に位置するように設置されている。また、受け部22の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、図7(a)に示すように、押圧部20が上斜め方向(具体的には、後方上斜め方向)に向けて相対的直線移動した場合に波の水が受け部22の内部に流入し、図7(b)に示すように、押圧部20が下斜め方向(前方下斜め方向)に向けて相対的直線移動した場合に流入させた水が受け部22の外部へ流出するように形成されている。具体的には、まず、図1、図7に示すように、受け部22の前側部分が後方向に向けて突出する凹状に形成されていることにより、上記凹状に形成されていない場合に比べて、受け部22における波の水の流入出量を増大させることができる。また、図1、図7に示すように、受け部22の前側部分の下端部において当該下端部から上方に向けて突出する返し部22aが設けられていることにより、押圧部20が前方下斜め方向に向けて相対的直線移動した場合に、受け部22に流入した水の一部が流出することを抑制できる。このような受け部22により、受け部22の内部に流入した水の重みによって押圧部20を下方(具体的には、前方下斜め方向)に向けて相対的直線移動させることができるので、受け部22の内部に波の水が流入しないように当該受け部22が形成された場合に比べて、押圧部20の相対的直線移動を確実に行うことが可能となる。
接続部23は、本体部21と受け部22とを接続するものである。図1に示すように、この接続部23は、長尺な略棒状体にて形成されており、本体部21と受け部22との相互間に配置され、接続部23の前端部が受け部22と溶接等によって接続されていると共に、接続部23の後端部が本体部21と溶接等によって接続されている。
次に、押圧部20、第1伝達部30a、及び第2伝達部30bの設置位置について説明する。この押圧部20、第1伝達部30a、及び第2伝達部30bの設置位置の詳細については、実施の形態1では、図5に示すように、仮想面の面内で波の水平方向分力が受け部22に加えられた場合には、押圧部20が上斜め方向(具体的には、後方上斜め方向)に向けて相対的直線移動することにより、本体部21によって第1伝達部30aが押圧されて回転移動し、図6に示すように、押圧部20が上斜め方向に向けて相対的直線移動した後に水平方向分力が受け部22に加えられなくなった場合には、当該押圧部20の自重降下に伴って当該押圧部20が下斜め方向(具体的には、前方下斜め方向)に向けて相対的直線移動することにより、本体部21によって第2伝達部30bが押圧されて回転移動するように、押圧部20、第1伝達部30a、及び第2伝達部30bが設置されている。具体的には、図2に示すように、第1伝達部30a及び第2伝達部30bが本体部21の内部空間において仮想面に沿うように収容された状態において、第1伝達部30aの突起部40と第1歯部24の突起部26とが接触可能となるように設置されていると共に、第2伝達部30bの突起部40と第2歯部25の突起部26とが接触可能となるように設置されている。また、第1伝達部30aと第1歯部24との接触状態については、押圧部20が相対的直線移動することで、第1伝達部30aが第1歯部24によって押圧されて回転移動できるように接触されていると共に、第2伝達部30bと第2歯部25との接触状態については、押圧部20が相対的直線移動することで、第2伝達部30bが第2歯部25によって押圧されて回転移動できるように接触されている。このような設置位置により、押圧部20が上方及び下方に向けて相対的直線移動する場合に波力及び押圧部20の自重を利用して発電を行うことができるので、波力のみを用いて発電を行う場合に比べて、相対的直線移動の移動方向に関わらず発電システム1の発電を確実に行うことが可能となる。なお、このような設置位置においては、第1伝達部30a及び第2伝達部30bが押圧部20から左方又は右方に向けて脱落するおそれがあるので、例えば、この脱落を防止するための脱落防止部(図示省略)が第1伝達部30a及び第2伝達部30b(又は押圧部20)に設けられてもよい。
このように構成された発電システム1の機能について説明する。
また、この他にも、発電システム1は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。具体的には、実施の形態1では、第1伝達部30a及び第2伝達部30bの回転速度が略同一の回転速度となるように、第1伝達部30a及び第2伝達部30bが形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、押圧部20における相対的直線移動の移動方向に応じて押圧部20の移動効率が異なる場合には、第1伝達部30a又は第2伝達部30bのいずれか一方が第1伝達部30a又は第2伝達部30bのいずれか他方に比べて低速回転又は高速回転するように、第1伝達部30a又は第2伝達部30bが形成されてもよい。一例として、押圧部20が後方上斜め方向に向けて相対的直線移動する場合の移動効率が、押圧部20が前方下斜め方向に向けて相対的直線移動する場合の移動効率に比べて低い場合には、第1伝達部30aの直径を第2伝達部30bの直径よりも小さくすることにより(又は、第1伝達部30aの突起部40の数を第2伝達部30bの突起部40の数よりも少なくすることにより)、第1伝達部30aが高速回転式のラチェットギアとして形成され、第2伝達部30bが低速回転式のラチェットギアとして形成されてもよい。このような構成により、押圧部20における相対的直線移動の移動方向に応じて押圧部20の移動効率が異なる場合に、第1伝達部30a又は第2伝達部30bの回転速度を変えることにより押圧部20の移動効率を向上させることができるので、発電システム1の発電効率を維持することが可能となる。
このように実施の形態1によれば、第1伝達部30a及び第2伝達部30bの各々の回転中心軸に直交する仮想面の面内で、押圧部20、当該第1伝達部30a、又は当該第2伝達部30bに波力(外力)が加えられた場合に、当該第1伝達部30a及び当該第2伝達部30bと当該押圧部20とが仮想面に沿って相対的直線移動することにより、当該押圧部20によって当該第1伝達部30a又は当該第2伝達部30bのいずれか一方が押圧されて回転移動するように、当該押圧部20を形成し、発電部80のダイナモは、相対的直線移動が当該相対的直線移動の一方の移動方向に向けての移動である場合に、第1伝達部30aにて伝達された回転力によって回転軸が回転することにより発電を行い、相対的直線移動が当該相対的直線移動の他方の移動方向に向けての移動である場合に、第2伝達部30bにて伝達された回転力によって回転軸が回転することにより発電を行うので、第1伝達部30a及び第2伝達部30bを市場に流通している部品(具体的には、公知のラチェットギア等)で構成することができるので、特殊な構造で構成する必要がないことから、発電システム1の製造性を向上させると共に、製造コストを低減することが可能となる。
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、実施の形態1と異なる形態であって、波力の水平分力を利用して発電を行う形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
最初に、実施の形態2に係る発電システムの構成について説明する。図15は、実施の形態2に係る発電システムを示す拡大右側面図であり、図2に対応する領域を示す図である。図16は、押圧部が伝達部に対して後方上斜め方向に向けて相対的直線移動した状態を示す右側面図である。図17は、押圧部が伝達部に対して前方下斜め方向に向けて相対的直線移動した状態を示す右側面図である。図15に示すように、実施の形態2に係る発電システム100は、収容部(図示省略)、押圧部20、伝達部90、第1シャフト(図示省略)、ベルト(図示省略)、第2シャフト(図示省略)、及び発電部(図示省略)を備えている。
伝達部90は、例えば複数の突起部91を有する公知の歯車等を用いて構成されており、第1シャフトに対して固定具等によって固定されている。また、第1シャフトは、伝達部90から伝達された回転力をベルトに伝達するためのものであり、図15に示すように、第1シャフトの長手方向が左右方向に沿うように設置されている。
押圧部20は、本体部(図示省略)、受け部(図示省略)、及び接続部(図示省略)を備えている。このうち、この本体部は、側面形状が比較的厚肉な矩形環状に形成されている(すなわち、本体部の内側には収容孔28が形成されている)。ここで、収容孔28の形状については、実施の形態2では、収容孔28に伝達部90が収容可能であり、且つ、仮想面の面内で、押圧部20に波力の水平方向分力が加えられた場合に、押圧部20が相対的直線移動した場合に、所定の移動量(いわゆるストローク)を確保することが可能な形状に形成されている。具体的には、図15に示すように、収容孔28の長手方向(略前後方向)の長さが伝達部90の前後方向の長さよりも長く(例えば、伝達部90の前後方向の長さの5倍程度の長さ等)、収容孔28の短手方向(略上下方向)の長さが伝達部90の上下方向の長さと略同一となるように形成されている。
次に、押圧部20及び伝達部90の設置位置について説明する。この押圧部20及び伝達部90の設置位置の詳細については、実施の形態2では、図16に示すように、仮想面の面内で波の水平方向分力が受け部(図示省略)に加えられた場合には、押圧部20が上斜め方向(具体的には、後方上斜め方向)に向けて相対的直線移動することにより、本体部(図示省略)によって伝達部90が押圧されて回転移動し、図17に示すように、押圧部20が上斜め方向に向けて相対的直線移動した後に水平方向分力が受け部に加えられなくなった場合には、当該押圧部20の自重降下に伴って当該押圧部20が下斜め方向(具体的には、前方下斜め方向)に向けて相対的直線移動することにより、本体部によって伝達部90が押圧されて回転移動するように、押圧部20及び伝達部90が配置されている。具体的には、図15に示すように、伝達部90が本体部の収容孔28の内部において仮想面に沿うように収容された状態において、伝達部90の突起部91と第1歯部24及び第2歯部25の各々の突起部26とが接触可能となるように設置されている。
このように構成された発電システム100の機能について説明する。
このように実施の形態2によれば、押圧部20が上斜め方向に向けて相対的直線移動した場合に、第1歯部24によって伝達部90が押圧されて発電回転方向に回転移動し、押圧部20が下斜め方向に向けて相対的直線移動した場合に、第2歯部25によって伝達部90が押圧されて発電回転方向に回転移動するように、当該第1歯部24及び当該第2歯部25を形成したので、押圧部20が相対的直線移動した場合には、当該相対的直線移動の移動方向に関わらず、押圧部20によって伝達部90を発電回転方向に回転移動するように押圧でき、相対的直線移動の移動方向に関わらず発電システム100の発電を確実に行うことが可能となる。
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、波力の鉛直方向分力を利用して発電を行う形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
最初に、実施の形態3に係る発電システムの構成について説明する。図18は、実施の形態3に係る発電システムを示す概要図である。図18に示すように、実施の形態3に係る発電システム200は、押圧部20、第1伝達部(図示省略)、第2伝達部30b、第1シャフト50、ベルト(図示省略)、第2シャフト(図示省略)、及び発電部(図示省略)を備えている。
押圧部20は、図18に示すように、本体部21、支持フレーム部110、連結バー111、第1浮体部112、第2浮体部113、歯部114、及び第3浮体部115を備えている。
本体部21は、図18に示すように、第1フレーム部21a(又は第2フレーム部21b)の長手方向が上下方向に略沿うように配置されている。
支持フレーム部110は、本体部21を支持するための支持手段である。また、この支持フレーム部110は、複数のフレーム部を組み合わせることによって構成されている。具体的には、図18に示すように、複数のフレーム部は、矩形環状の第1フレーム部110aと、矩形環状の第2フレームであって、第1フレーム部110aよりも左側に設けられた第2フレーム(図示省略)と、直線状の第3フレーム部であって、第1フレーム部110aにおける上側部分の後端部と第2フレーム部における上側部分の後端部とを接続する第3フレーム部(図示省略)と、直線状の第4フレーム部であって、第1フレーム部110aにおける下側部分の後端部と第2フレーム部における下側部分の後端部とを接続する第4フレーム部(図示省略)とから構成されている。また、この支持フレーム部110は、本体部21の一部を外側から覆うように配置されており、本体部21の上下方向の移動を許容することが可能な接続構造(例えば、嵌合構造等)によって本体部21と接続されている。また、支持フレーム部110に対する第1伝達部、第2伝達部30b、及び第1シャフト50の設置方法については任意であるが、実施の形態3では、図18に示すように、まず、第1伝達部及び第2伝達部30bを相互に間隔を隔てて左右方向に沿って並設配置した後、これら第1伝達部及び第2伝達部30bを第1シャフト50に対して固定具等によって固定する。そして、この第1シャフト50の左右方向の端部の少なくともいずれか一方を支持フレーム部110に対して回転可能な固定具等(例えば、ボールベアリング等)によって固定することにより設置している。
連結バー111は、支持フレーム部110、第1浮体部112、第2浮体部113、歯部114、及び第3浮体部115を連結するための連結手段である。この連結バー111は、棒状状体にて形成されており、支持フレーム部110と第1浮体部112との相互間、第1浮体部112と第2浮体部113との相互間、第2浮体部113と歯部114との相互間、及び歯部114と第3浮体部115との相互間にそれぞれ配置され、支持フレーム部110、第1浮体部112、第2浮体部113、歯部114、及び第3浮体部115に対して固定具等によって固定されている(なお、第2浮体部113と歯部114との相互間の連結バー111においては、当該連結バー111が前後方向の回転できるように、第2浮体部113に対して当該回転が可能な固定具等によって接続されている)。
第1浮体部112及び第2浮体部113は、当該第1浮体部112及び当該第2浮体部113の少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものであって、第1伝達部、第2伝達部30b、第1シャフト50、ベルト、第2シャフト、発電部、本体部21、及び連結バー111の一部を支持するものである。これら第1浮体部112及び第2浮体部113は、例えば金属材、樹脂材、木材等にて形成された略球状体(又は、多角形体(一例として直方体等))であり、水面上に浮遊しており、連結バー111に対して固定具等によって接続されている。
歯部114は、本体部21を押圧するためのものである。図18に示すように、この歯部114は、比較的厚肉な略扇状の板状体にて形成されており、支持フレーム部110と当接可能な位置に配置され、連結バー111に対して固定具等によって接続されている。また、歯部114と本体部21との押圧方法については任意であるが、実施の形態3では、図18に示すように、歯部114における本体部21との当接部分に複数の突起部114aを設け、本体部21の第1フレーム部21aにおける支持フレーム部110との当接部分に複数の突起部116aを有する第3歯部116を設けることにより、歯部114の突起部114aと第3歯部116の突起部116aとが噛み合うことにより、歯部114と本体部21とを押圧する。
第3浮体部115は、当該第3浮体部115の少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものであって、波力の鉛直方向分力を受けるものである。図18に示すように、この第3浮体部115は、例えば金属材、樹脂材、木材等にて形成された略箱状体(例えば、直方体等)であり、水面上において少なくとも第1浮体部112及び第2浮体部113に比べて上下方向に向けて揺動可能な状態で浮遊しており、連結バー111に対して固定具等によって接続されている。
このように構成された発電システム200の機能について説明する。
また、この他にも、発電システム200は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。具体的には、実施の形態3では、押圧部20は、本体部21、支持フレーム部110、連結バー111、第1浮体部112、第2浮体部113、歯部114、及び第3浮体部115を備えていると説明したが、これに限られない。図19は、実施の形態3に係る発電システム200の変形例を示す図である。例えば、図19に示すように、押圧部20は、上述した構成要素に加えて、揺れ抑制部117を備えてもよい。揺れ抑制部117は、第1浮体部112又は第2浮体部113の揺れを抑制するための揺れ抑制手段である。この揺れ抑制部117は、長尺な棒状体にて形成されており、第1浮体部112及び第2浮体部113の下方において、当該揺れ抑制部117の長手方向が上下方向にそうように配置され、第1浮体部112及び第2浮体部113の各々に対して固定具等によって接続されていると共に、海底に置かれたアンカー部118とロープ119を介して接続されている。このような構成により、第1浮体部112及び第2浮体部113の揺れを抑制できるので、発電システム200の設置の安定性を向上させることができる。
このように実施の形態3によれば、相対的直線移動の移動方向が上下方向である場合において、波力の鉛直方向分力が第3浮体部115に加えられた場合には、歯部114によって本体部21が押圧されることで、本体部21が相対的直線移動の移動方向のうち一方の方向である下方向に向けて直線移動することにより、第1歯部24又は第2歯部25のいずれか一方によって第1伝達部又は第2伝達部30bのいずれか一方が押圧されて回転移動し、本体部21が下方向に向けて相対的直線移動した後に鉛直方向分力が第3浮体部115に加えられなくなった場合には、歯部114によって本体部21が押圧されることで、当該押圧部20が相対的直線移動の移動方向のうち他方の方向である上方向に向けて直線移動することにより、第1歯部24又は第2歯部25のいずれか他方によって第1伝達部又は第2伝達部30bのいずれか他方が押圧されて回転移動するように、当該第1伝達部、当該第2伝達部30b、及び当該押圧部20を設置したので、発電システム200を沖に設置した場合でも、発電に必要な鉛直方向分力を得ることができるので、当該鉛直方向分力を用いて所望の発電量の発電を行うことができる。
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、実施の形態3とは異なる形態であって、波力の鉛直方向分力を利用して発電を行う形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
最初に、実施の形態4に係る発電システムの構成について説明する。図20は、実施の形態4に係る発電システムを示す概要図である。図20に示すように、実施の形態4に係る発電システム300は、第1浮体部120、押圧部20、第1伝達部(図示省略)、第2伝達部30b、第1シャフト50、ベルト(図示省略)、第2シャフト(図示省略)、及び発電部(図示省略)を備えている。
第1浮体部120は、当該第1浮体部120の少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものであり、図20に示すように、第1浮体部本体121及び支持部122を備えている。
第1浮体部本体121は、第1浮体部120の基本構造体である。ここで、「第1浮体部本体121」は、例えば、浮遊する機能を有する部材のみを組み合わせたものや、浮遊する機能を有する部材と浮遊する機能を有しない部材とを組み合わせたもの等を含む概念である(なお、後述する第2浮体部124についても同様とする)。また、この第1浮体部本体121は、例えば金属材、樹脂材等にて形成された長尺な中空状の略円柱体であり、水面上に浮遊している。また、この第1浮体部本体121の設置方法については任意であるが、実施の形態4では、第1浮体部120の設置の安定性を確保する観点から、第1浮体部本体121の大半部分が水中に留められるように設置している。具体的には、図20に示すように、第1浮体部本体121の略半分程度(又はそれよりも若干多い量)が水で満たされるように(なお、残りの部分は空気で満たされる)、第1浮体部本体121の下端部に形成された開口部を介して第1浮体部本体121の内部に水を流入させることにより設置している。また、図20に示すように、第1浮体部本体121の下端部には、返し部123が設けられている。返し部123は、第1浮体部本体121が上下方向又は水平方向に振動することを抑制するための抑制手段であり、例えば、第1浮体部本体121の一部を折り曲げ成形することにより、水平方向の外側に向けて張り出すように形成されている。
支持部122は、第1伝達部、第2伝達部30b、及び第1シャフト50を支持するための支持手段である。図20に示すように、この支持部122は、例えば、第1浮体部本体121と同一の材質にて形成された長尺な棒状体であり、支持部122の長手方向が上下方向に略沿うように設置され、支持部122の下端部が第1浮体部本体121の上端部と当接するように第1浮体部本体121に対して固定具又は溶接等によって接続されている。また、支持部122に対する第1伝達部、第2伝達部30b、及び第1シャフト50の設置方法については任意であるが、実施の形態4では、図20に示すように、まず、第1伝達部及び第2伝達部30bを相互に間隔を隔てて左右方向に沿って並設配置した後、これら第1伝達部及び第2伝達部30bを第1シャフト50に対して固定具等によって固定することにより設置している。そして、この第1シャフト50における第1伝達部と第2伝達部30bとの間に対応する部分を支持部122の上下方向の中央部に対して回転可能な固定具等(例えば、ボールベアリング等)によって固定する。
押圧部20は、図20に示すように、本体部21、一対の第2浮体部124、及び一対の接続部125を備えている。
本体部21は、図20に示すように、第1フレーム部21a(又は第2フレーム部21b)の長手方向が上下方向に略沿うように配置されている。また、本体部21に対する支持部122の設置方法については任意であるが、実施の形態4では、図20に示すように、第3フレーム部21c及び第4フレーム部21dの各々に貫通孔(図示省略)を形成し、当該形成した貫通孔に支持部122を挿通させることにより設置している。
一対の第2浮体部124は、当該第2浮体部124の少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものであって、本体部21を支持しながら、波力の鉛直方向分力を受けるものである。これら一対の第2浮体部124は、例えば金属材、樹脂材、木材等にて形成された略箱状体(例えば、直方体等)であり、本体部21よりも下方位置であり、且つ水面上において、少なくとも第1浮体部120に比べて上下方向に向けて揺動可能な状態で相互に間隔を隔てて浮遊している。
一対の接続部125は、本体部21と第2浮体部124とを接続するものであり、図20に示すように、一対の接続部125の一方は、本体部21の第1フレーム部21aと一対の第2浮体部124の一方を固定具又は溶接等によって接続していると共に、一対の接続部125の他方は、本体部21の第2フレーム部21bと一対の第2浮体部124の他方を固定具又は溶接等によって接続している。
このように構成された発電システム300の機能について説明する。
また、この他にも、発電システム300は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。具体的には、実施の形態4では、第1浮体部120は、第1浮体部本体121及び支持部122を備えていると説明したが、これに限られない。図21から図24は、実施の形態4に係る発電システム300の変形例を示す図である。例えば、第1浮体部本体121及び支持部122に加えて、図21から図24に示すように、複数の羽部126を備えてもよく、あるいは、図22から図24に示すように、複数の羽部126及び重り部127を備えてもよい。複数の羽部126は、第1浮体部本体121が上下方向又は水平方向に振動することを抑制するための抑制手段である。これら複数の羽部126は、例えば金属材、樹脂材等にて形成された長尺な矩形状の板状体であり、図21に示すように、当該羽部126の長手方向が上下方向に沿うように配置され、第1浮体部本体121に対して固定具又は溶接等により接続されている。また、羽部126の具体的な構成については、図21に示す長方形状の羽部126を複数設けることに限られず、例えば、図22に示す楕円形状の羽部126を複数設けたり、図23に示す円形状の羽部126を単数設けたり、又は、図24に示す正方形状の羽部126を複数設けてもよい。このような構成により、第1浮体部120の設置の安定性を向上させることができる。
このように実施の形態4によれば、相対的直線移動の移動方向が上下方向である場合において、鉛直方向分力が一対の第2浮体部124に加えられた場合には、押圧部20が相対的直線移動の移動方向のうち一方の方向である上方向に向けて直線移動することにより、第1歯部24又は第2歯部25のいずれか一方によって第1伝達部又は第2伝達部30bのいずれか一方が押圧されて回転移動し、押圧部20が上方向に向けて直線移動した後に鉛直方向分力が一対の第2浮体部124に加えられなくなった場合には、当該押圧部20の自重降下に伴って当該押圧部20が相対的直線移動の移動方向のうち他方の方向である下方向に向けて直線移動することにより、第1歯部24又は第2歯部25のいずれか他方によって第1伝達部又は第2伝達部30bのいずれか他方が押圧されて回転移動するように、当該第1伝達部、当該第2伝達部30b、及び当該押圧部20を設置したので、発電システム300を沖に設置した場合でも、発電に必要な鉛直方向分力を得ることができるので、実施の形態3に係る発電システム200と同様に、当該鉛直方向分力を用いて所望の発電量の発電を行うことができる。
次に、実施の形態5について説明する。この形態は、実施の形態3、4とは異なる形態であって、波力の鉛直方向分力を利用して発電を行う形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
最初に、実施の形態5に係る発電システムの構成について説明する。図25は、実施の形態5に係る発電システムを示す概要図である。図25に示すように、実施の形態5に係る発電システム400は、浮体部130、押圧部20、第1伝達部(図示省略)、第2伝達部30b、第1シャフト50、ベルト(図示省略)、第2シャフト(図示省略)、発電部(図示省略)、及びばね部131を備えている。
浮体部130は、当該浮体部130の少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものであって、押圧部20、第1伝達部、第2伝達部30b、第1シャフト50、ベルト、第2シャフト、及び発電部を収容しながら、波力の鉛直方向分力を受けるものである。この浮体部130は、例えば金属材、樹脂材、木材等にて形成された略中空球状体(又は、略中空多角形体(一例として略中空直方体等))であり、水面上において、少なくとも上下方向に向けて揺動可能な状態で浮遊している。また、この浮体部130は、不用意に遠方に移動しないように、海底に置かれたアンカー部132とロープ133を介して接続されている。また、この浮体部130の形状については任意であるが、実施の形態5では、浮体部130の前後方向の長さ(又は左右方向の長さ)を波の波長の半分以下となるように形成している。このような形状により、浮体部130の前後方向の長さ(又は左右方向の長さ)を波の波長と同一にした場合に比べて、上下方向に向けて揺動しやすくなるので、発電量を向上させることができる。
押圧部20は、本体部21(ただし、第3フレーム部21cを除く)を備えている。本体部21は、図25に示すように、第1フレーム部21a(又は第2フレーム部21b)の長手方向が上下方向に略沿うように配置されている。また、浮体部130に対する本体部21の設置方法については任意であるが、実施の形態5では、図25に示すように、第1フレーム部21a及び第2フレーム部21bの各々の下端部を、浮体部130の下端部に対して固定具又は溶接等により接続することにより設置している。
ばね部131は、第1伝達部及び第2伝達部30bを上下方向に移動させるための移動手段である。このばね部131は、例えば、スプリング等の公知のばね部材(具体的には、減衰定数は1未満とするばね部材)を用いて構成されており、第1伝達部及び第2伝達部30bよりも上方において、ばね部131の伸縮方向が上下方向に沿うように配置されており、ばね部131の上端部が浮体部130の上端部に対して固定具又は溶接等によって接続されている。また、このばね部131に対する第1伝達部、第2伝達部30b、及び第1シャフト50の設置方法については任意であるが、実施の形態5では、図25に示すように、まず、第1伝達部及び第2伝達部30bを相互に間隔を隔てて左右方向に沿って並設配置した後、これら第1伝達部及び第2伝達部30bを第1シャフト50に対して固定具等によって固定する。そして、第1シャフト50をばね部131に取り付けられた接続部134に対して回転可能な固定具等(例えば、ボールベアリング等)によって固定することにより設置している。このような設置により、浮体部130が上下方向に揺れた場合には、第1伝達部及び第2伝達部30bの重さによって、浮体部130の上下方向の揺れと第1伝達部及び第2伝達部30bの揺れとに位相差が生じさせることができるので、第1伝達部及び第2伝達部30bを相対的直線移動させることができる(いわゆる、「ばね振り子」のように揺らすことができる)。また、ばね部131の具体的な構成については、実施の形態では、ばね部131の減衰定数が1未満となるように構成されている。なお、この減衰定数の詳細な設定については、第1伝達部及び第2伝達部30bの重さ等に応じて異なり得ることから、例えば実験結果等に基づいて設定されてもよい。
このように構成された発電システム400の機能について説明する。
また、この他にも、発電システム400は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。具体的には、実施の形態5では、第1伝達部及び第2伝達部30bがばね部131及び接続部134を介して浮体部130の上端部に接続されており、押圧部20が浮体部130の下端部に接続されていると説明したが、これに限られない。図26から図28は、実施の形態5に係る発電システム400の変形例を示す図である。例えば、図26に示すように、第1伝達部及び第2伝達部30bがばね部131及び接続部134を介して浮体部130の下端部に接続され、押圧部20が浮体部130の上端部に接続されてもよい。あるいは、図27に示すように、第1伝達部及び第2伝達部30bがばね部131及び接続部134を介して浮体部130の右端部に接続され、押圧部20が浮体部130の左端部に接続されてもよい。あるいは、図28に示すように、第1伝達部及び第2伝達部30bがばね部131及び接続部134を介して浮体部130の右端部に接続され、押圧部20が浮体部130の下端部に接続されてもよい。
このように実施の形態5によれば、相対的直線移動の移動方向が上下方向である場合において、鉛直方向分力が浮体部130に加えられた場合には、ばね部131によって第1伝達部及び第2伝達部30bが引き上げられることで、第1伝達部及び第2伝達部30bが相対的直線移動の移動方向のうち一方の方向である上方向に向けて直線移動することにより、第1歯部24又は第2歯部25のいずれか一方によって第1伝達部又は第2伝達部30bのいずれか一方が押圧されて回転移動し、押圧部20が上方向に向けて直線移動した後に鉛直方向分力が浮体部130に加えられなくなった場合には、第1伝達部及び第2伝達部30bの自重降下に伴って当該第1伝達部及び当該第2伝達部30bが相対的直線移動の移動方向のうち他方の方向である下方向に向けて直線移動することにより、第1歯部24又は第2歯部25のいずれか他方によって第1伝達部又は第2伝達部30bのいずれか他方が押圧されて回転移動するように、当該第1伝達部、当該第2伝達部30b、及び当該押圧部20を設置したので、発電システム400を沖に設置した場合でも、発電に必要な鉛直方向分力を得ることができるので、実施の形態3、4に係る発電システムと同様に、当該鉛直方向分力を用いて所望の発電量の発電を行うことができる。
次に、実施の形態6について説明する。この形態は、実施の形態3から5とは異なる形態であって、波力の鉛直方向分力を利用して発電を行う形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
最初に、実施の形態6に係る発電システムの構成について説明する。図30は、実施の形態6に係る発電システムを示す概要図である。図30に示すように、実施の形態6に係る発電システム500は、第1浮体部140と、押圧部20、第1伝達部(図示省略)、第2伝達部30b、第1シャフト50、ベルト(図示省略)、第2シャフト(図示省略)、発電部(図示省略)、第2浮体部141、及び接続部142からなる組を2組と、を備えている。
第1浮体部140は、当該第1浮体部140の少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものである。この第1浮体部140は、略U字状の中空状体にて形成されており、具体的には、図30に示すように、第1収容部分140a(略U字状の縦棒部分の一方)、第2収容部分140b(略U字状の縦棒部分の他方)、及び第3収容部分140c(略U字状の横棒部分)を備えている。
押圧部20は、図30に示すように、本体部21(ただし、第3フレーム部21cを除く)を備えている。本体部21は、図30に示すように、第1フレーム部21a(又は第2フレーム部21b)の長手方向が上下方向に略沿うように配置されており、本体部21の上端部が第1収容部分140a又は第2収容部分140bの上端部に対して固定具又は溶接等によって固定されている。
第2浮体部141は、当該第2浮体部141の少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものであって、接続部142を介して第1伝達部、第2伝達部30b、及び第1シャフト50を支持するものである。この第2浮体部141は、例えば金属材、樹脂材、木材等にて形成された略箱状体(例えば、直方体等)であり、本体部21よりも下方位置であり、且つ第1浮体部140に収容された液面上において、上下方向に向けて揺動可能な状態で浮遊している。
接続部142は、第1伝達部及び第2伝達部30bと第2浮体部141とを接続するものであり、長尺な略棒状体にて形成されている。ここで、接続部142による第1伝達部及び第2伝達部30bと第2浮体部141との接続方法については任意であるが、実施の形態6では、まず、第1伝達部及び第2伝達部30bを相互に間隔を隔てて左右方向に沿って並設配置した後、これら第1伝達部及び第2伝達部30bを第1シャフト50に対して固定具等によって固定する。そして、接続部142の長手方向の端部の一方を第1シャフト50に対して回転可能な固定具等(例えば、ボールベアリング等)によって接続していると共に、接続部142の長手方向の端部の他方を第2浮体部141に対して固定具等によって接続している。
このように構成された発電システム500の機能について説明する。
また、この他にも、発電システム500は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。具体的には、実施の形態6では、第1浮体部140は、第1収容部分140a、第2収容部分140b、及び第3収容部分140cを備えていると説明したが、これに限られない。図31は、実施の形態6に係る発電システム500の変形例を示す図である。例えば、図31に示すように、第1浮体部140は、通気開口部143をさらに備えてもよい。通気開口部143は、第1浮体部140の内外で吸気又は排気を行うための開口部であり、図31に示すように、第1収容部分140a及び第2収容部分140bの各々に形成されている。この場合において、この通気開口部143を介して第1浮体部140の内部に水が流入することを抑制するための構成として、図31に示すように、通気開口部143を第1収容部分140a及び第2収容部分140bの各々の上端部近傍に配置してもよい。また、第1収容部分140a及び第2収容部分140bの各々における通気開口部143の近傍部分に、通気開口部143の一部を外側から覆うカバー部144を設けてもよい。このような構成により、第1伝達部及び第2伝達部30bの相対的直線移動をスムーズに行うことができ、発電システム500の発電効率を向上させることが可能となる。
このように実施の形態6によれば、相対的直線移動の移動方向が上下方向である場合において、波力の鉛直方向分力が第1収容部分140a又は第2収容部分140bの一方に加えられた場合には、第1収容部分140a及び第2収容部分140bの各々に収容された第2浮体部141のレベルが略同一となるように第1浮体部140を変形させながら、当該第1収容部分140a又は第2収容部分140bの一方に収容された第1伝達部及び第2伝達部30bが相対的直線移動の移動方向のうち一方の方向である上方向に向けて直線移動することにより、押圧部20の第1歯部24又は第2歯部25のいずれか一方によって当該第1伝達部又は当該第2伝達部30bのいずれか一方が押圧されて回転移動し、第1収容部分140a又は第2収容部分140bの一方に収容された第1伝達部及び第2伝達部30bが上方向に向けて直線移動した後に鉛直方向分力が当該第1収容部分140a又は第2収容部分140bの一方に加えられなくなった場合には、当該第1収容部分140a及び第2収容部分140bの各々に収容された第2浮体部141のレベルが略同一となるように第1浮体部140を変形させながら、当該第1伝達部及び当該第2伝達部30bの自重降下に伴って当該第1伝達部及び当該第2伝達部30bが相対的直線移動の移動方向のうち他方の方向である下方向に向けて直線移動することにより、押圧部20の第1歯部24又は第2歯部25のいずれか一方によって当該第1伝達部又は当該第2伝達部30bのいずれか一方が押圧されて回転移動するように、当該第1伝達部、当該第2伝達部30b、当該押圧部20を設置したので、例えば、発電システム500を沖に設置した場合でも、発電に必要な鉛直方向分力を得ることができるので、実施の形態3から5に係る発電システムと同様に、当該鉛直方向分力を用いて所望の発電量の発電を行うことが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る発電システムの設置性が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の設置性を確保できている場合には、本願の課題は解決している。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
上記実施の形態1、2では、発電システムは、収容部を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、押圧部20の相対的直線移動が可能となるように、受け部が設置面の傾斜部分に設置されている場合には、収容部を省略してもよい。
上記実施の形態1から6では、第1シャフトは、第1伝達部又は第2伝達部から伝達された回転力をベルトに伝達すると説明したが、これに限られない。例えば、第1シャフトに公知の変速機構(一例としてギアボックス等)を設けることにより、公知の変速機構によって第1伝達部又は第2伝達部から伝達された回転力を増幅させてから、当該増幅させた回転力をベルトに伝達してもよい(なお、第2シャフトについても同様とする)。
上記実施の形態1から6では、発電部がダイナモを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、ダイナモに代えて、圧電素子を備えてもよい。この場合には、第1シャフトに接続された回転軸に、圧電素子を押圧するための押圧部20を取り付けると共に、回転軸の回転に伴って押圧部20によって圧電素子が押圧されるように、圧電素子を筐体に対して固定することで、発電を行うことが可能となる。
上記実施の形態1、2では、受け部が、長尺なブロック状体にて形成されていると説明したが、これに限られず、例えば、受け部の前側部分が後方向に向けて突出する凹状に形成された球状体にて形成されてもよい。あるいは、受け部全体が後方向に向けて突出する凹状に形成されたパラボロ状に形成されてもよい。
付記1の発電システムは、外力を発電手段を介して電気に変換する発電システムであって、発電可能な一方向の回転方向である発電回転方向のみに回転する回転軸を有する前記発電手段と、前記外力を前記発電回転方向の回転力に変換し、当該変換した回転力を前記発電手段に伝達する回転力変換手段と、を備え、前記回転力変換手段は、自己が回転移動することにより、前記回転力を前記発電手段に伝達するための伝達手段と、前記伝達手段が回転移動可能となるように、当該伝達手段を押圧するための押圧手段と、を備え、前記伝達手段は、前記発電回転方向と同一の方向のみ回転可能な第1伝達手段と、前記第1伝達手段と間隔を隔てて設けられた第2伝達手段であって、前記発電回転方向と同一の方向のみ回転可能な第2伝達手段と、を備え、前記第1伝達手段及び前記第2伝達手段の各々の回転中心軸に直交する仮想面の面内で、前記押圧手段、当該第1伝達手段、又は当該第2伝達手段に前記外力が加えられた場合に、当該第1伝達手段及び当該第2伝達手段と当該押圧手段とが前記仮想面に沿って相対的に直線移動することにより、当該押圧手段によって当該第1伝達手段又は当該第2伝達手段のいずれか一方が押圧されて回転移動するように、当該押圧手段を形成し、前記発電手段は、前記相対的な直線移動が当該直線移動の一方の移動方向に向けての移動である場合に、前記第1伝達手段にて伝達された前記回転力によって前記回転軸が回転することにより発電を行い、前記相対的な直線移動が当該直線移動の他方の移動方向に向けての移動である場合に、前記第2伝達手段にて伝達された前記回転力によって前記回転軸が回転することにより発電を行う。
付記1に記載の発電システムによれば、第1伝達手段及び第2伝達手段の各々の回転中心軸に直交する仮想面の面内で、押圧手段、当該第1伝達手段、又は当該第2伝達手段に外力が加えられた場合に、当該第1伝達手段及び当該第2伝達手段と当該押圧手段とが仮想面に沿って相対的に直線移動することにより、当該押圧手段によって当該第1伝達手段又は当該第2伝達手段のいずれか一方が押圧されて回転移動するように、当該押圧手段を形成し、発電手段は、相対的な直線移動が当該直線移動の一方の移動方向に向けての移動である場合に、第1伝達手段にて伝達された回転力によって回転軸が回転することにより発電を行い、相対的な直線移動が当該直線移動の他方の移動方向に向けての移動である場合に、第2伝達手段にて伝達された回転力によって回転軸が回転することにより発電を行うので、第1伝達手段及び第2伝達手段を市場に流通している部品(例えば、ラチェットギア等)で構成することができ、特殊な構造で構成する必要がないことから、発電システムの製造性を向上させると共に、製造コストを低減することが可能となる。
10 収容部
11 第1収容部分
12 第2収容部分
13 開口部
20 押圧部
21 本体部
21a 第1フレーム部
21b 第2フレーム部
21c 第3フレーム部
21d 第4フレーム部
21e 第5フレーム部
22 受け部
22a 返し部
22b 移動部
23 接続部
24 第1歯部
25 第2歯部
26 突起部
27 第3歯部
28 収容孔
30a 第1伝達部
30b 第2伝達部
30c 第3伝達部
30d 第4伝達部
40 突起部
50 第1シャフト
60 ベルト
70 第2シャフト
80 発電部
81 筐体
90 伝達部
91 突起部
100 発電システム
110 支持フレーム部
110a 第1フレーム部
111 連結バー
112 第1浮体部
113 第2浮体部
114 歯部
114a 突起部
115 第3浮体部
116 第3歯部
116a 突起部
117 揺れ抑制部
118 アンカー部
119 ロープ
120 第1浮体部
121 第1浮体部本体
121a 開口部
122 支持部
123 返し部
124 第2浮体部
125 接続部
126 羽部
127 重り部
130 浮体部
131 ばね部
132 アンカー部
133 ロープ
134 接続部
140 第1浮体部
140a 第1収容部分
140b 第2収容部分
140c 第3収容部分
140d 第4収容部分
141 第2浮体部
142 接続部
143 通気開口部
144 カバー部
145 連通部
146 突張部
147 収容カバー部
150 収集部
151 第1反射部
152 第2反射部
200 発電システム
300 発電システム
400 発電システム
500 発電システム
Claims (5)
- 外力を発電手段を介して電気に変換する発電システムであって、
発電可能な一方向の回転方向である発電回転方向のみに回転する回転軸を有する前記発電手段と、
水面上において相互に間隔を隔てて設けられる一対の第1の浮体部であって、当該一対の第1の浮体部の各々の少なくとも一部が水面上に浮遊可能であり、且つ前記外力の上下方向分力を受ける一対の第1の浮体部と、
前記一対の第1の浮体部が受けた前記外力の上下方向分力を前記発電回転方向の回転力に変換し、当該変換した回転力を前記発電手段に伝達する回転力変換手段と、を備え、
前記回転力変換手段は、
自己が回転移動することにより、前記回転力を前記発電手段に伝達するための伝達手段と、
前記伝達手段が回転移動可能となるように、前記一対の第1の浮体部が受けた前記外力の上下方向分力によって当該伝達手段を押圧するための押圧手段と、を備え、
前記押圧手段は、
前記一対の第1の浮体部よりも上方に位置し、且つ前記一対の第1の浮体部によって挟まれるように設けられた本体部と、
一対の接続部であって、当該一対の接続部のいずれか一方が前記本体部と前記一対の第1の浮体部のいずれか一方とを接続し、且つ当該一対の接続部のいずれか他方が前記本体部と前記一対の第1の浮体部のいずれか他方とを接続すると共に、当該一対の接続部の各々が上方に向かうにつれて前記本体部に近づくように傾斜する傾斜状にそれぞれ形成された一対の接続部と、を備えた、
発電システム。 - 前記一対の接続部の各々における前記本体部側の端部が前記本体部の上下方向の中央部の高さ位置に位置するように、前記一対の接続部の各々と前記本体部とを接続した、
請求項1に記載の発電システム。 - 少なくとも一部が水面上に浮遊可能なものであって、前記発電手段、前記伝達手段、又は/及び前記押圧手段を支持する第2の浮体部を備える、
請求項1又は2に記載の発電システム。 - 前記第2の浮体部が上下方向又は水平方向に振動することを抑制するための抑制手段を備える、
請求項3に記載の発電システム。 - 水底に設置されるアンカー部であって、前記第1の浮体部又は前記第2の浮体部とロープを介して接続されるアンカー部を備える、
請求項3又は4に記載の発電システム。
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