以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態)
[構成]
まず、図1~図3を参照して、実施の形態に係る端末装置20及び実施の形態に係るファイル共有システム100の構成について説明する。
図1は、実施の形態に係るファイル共有システム100の構成を示す図である。図2は、実施の形態に係る端末装置20のハードウェア構成を示す図である。図3は、実施の形態に係るファイル共有システム100の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
図1に示すファイル共有システム100は、図2に示すストレージ装置10の一例であるNAS(Network Attached Storage)10aと、それぞれ図2に示す端末装置20の一例であるPC(Personal Computer)20a~20cとを備える。
NAS10aは、ネットワークを介して、PC20a~20cと通信可能に接続されており、PC20a~20cのそれぞれがアクセス可能な、いわゆる共有ファイルが格納されたHDD(Hard Disk Drive)等のストレージを備える。図1には、ネットワークの一例として、LAN(Local Area Network)を示しているが、インターネット等でもよく、特に限定されない。
NAS10aは、有線LANアダプタ11aと、無線LANモジュール11bと、HDD_A12aと、HDD_B12bと、RAID(Redundant arrays of inexpensive disks)モジュール12dと、SDカード12eと、SDカードコネクタ12fと、SoC(System on Chip)13aと、DDR SDRAM(Double-Data-Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)13bとを備える。
有線LANアダプタ11aは、通信部11の一例であり、PC20a、20bと通信するアダプタである。有線LANアダプタ11aは、通信線によって、PC20a、20bと接続されている。有線LANアダプタ11aとPC20a、20bとの通信方式は、特に限定されないが、例えば、IEEE802.3、Ethernet(登録商標)等の通信方式を用いて通信してもよい。
無線LANモジュール11bは、通信部11の一例であり、PC20cと無線通信するモジュールである。無線LANモジュール11bとPC20cとの通信方式は、特に限定されないが、例えば、IEEE802.11方式、IEEE802.15.1、IEEE802.15.4、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の通信方式を用いて通信してもよい。
HDD_A12a、及び、HDD_B12bは、ストレージ部12の構成要素の一例であり、PC20a~20cのそれぞれが共有可能なファイル(共有ファイル)及び当該ファイルが属するフォルダ(共有フォルダ)を格納している記憶装置であり、本実施の形態には、一例として、HDDを示している。
RAIDモジュール12dは、ストレージ部12の構成要素の一例であり、複数台のハードディスクでミラーリング処理(RAID1)を行わせるモジュールである。本実施の形態においては、RAIDモジュール12dが、HDD_A12aと、HDD_B12bとの2台のHDDでミラーリングを行うことにより、冗長性を確保している。
SDカード12eは、ストレージ部12の構成要素の一例であり、SDカードコネクタ12fを介してNAS10aと着脱可能に接続されるフラッシュメモリであり、制御プログラムと設定データを記憶している。
SoC13aは、制御部13の構成要素の一例であり、DDR SDRAM13bに格納させている制御プログラムを実行するプロセッサを有する集積回路部品である。
DDR SDRAM13bは、制御部13の構成要素の一例であり、SoC13aが実行する制御プログラムが格納されているメモリである。この制御プログラムには、ファイル共有プログラムと、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)サーバプログラム及び通信プログラムが含まれている。
PC20a~20cは、端末装置20の一例であり、ユーザが操作し、NAS10aが有する共有フォルダ内の共有ファイルを閲覧、変更等の操作をするためのコンピュータである。
図2に示すように、PC20aは、NIC(Network Interface Card)21aと、CPU(Central Processing Unit)22aと、チップセット22bと、ディスプレイ23aと、キーボード24aと、マウス24bと、HDD25aと、DDR SDRAM26aとを備える。
NIC21aは、通信部21の一例であり、NAS10aと通信するためのハードウェアである。NIC21aは、PC20a、20bにおいては、NAS10aと有線通信するためのハードウェアである。PC20cにおいては、さらに無線LANモジュールが備えられており(図示せず)、この無線LANモジュールがNAS10aと無線通信するためのハードウェアとなる。
CPU22aは、制御部22の構成要素の一例であり、DDR SDRAM26aに格納されている制御プログラムを実行するプロセッサである。
チップセット22bは、制御部22の構成要素の一例であり、NIC21a、キーボード24a、マウス24b、HDD25a等の周辺機器とCPU22aとを接続するための集積回路である。
ディスプレイ23aは、表示部23の一例であり、画面を表示する表示装置である。
キーボード24a及びマウス24bは、入力部24の一例であり、ユーザに操作され、PC20aに実行させる処理の命令を入力するための入力装置である。
HDD25aは、ストレージ部25の一例であり、PC20aの制御プログラム及びファイル等のデータを記憶する記憶装置である。
DDR SDRAM26aは、メモリ部26の一例であり、HDD25aから読み出された制御プログラムが、CPU20aで実行可能に格納されているメモリである。また、DDR SDRAM26aは処理データも記憶する。
また、DDR SDRAM26aには、HDD25aから読みだされた管理アプリケーション26bと、ファイラープログラム26cとが格納されている。
管理アプリケーション26bは、NAS10aに格納されている共有フォルダ及び共有ファイルを管理するためのアプリケーションである。
ファイラープログラム26cは、NAS10aに格納されている共有フォルダ及び共有ファイルにアクセスするためのプログラムである。ファイラープログラム26cは、HDD25a格納されているフォルダ、ファイル、NAS10aに格納されている共有フォルダ及び共有ファイルを操作するためのGUI(Graphical User Interface)である。例えば、NAS10aに格納されている共有フォルダ及び共有ファイルは、ファイラープログラム26cによってディスプレイ23aに表示される。
なお、PC20b、20cの構成要素は、PC20aと同様であればよい。また、PC20a~20cは、PCではなく、NAS10aとネットワークを介して通信可能なスマートフォン、タブレット端末等でもよい。
また、図1に示すファイル共有システム100においては、PC20a~20cの3台がNAS10aとLANを介して接続されている状態を例示しているが、NAS10aにLANを介して接続されるPCの台数は、限定されるものではなく、2台でもよいし、4台以上でもよい。
図3に示すように、本実施の形態に係るファイル共有システム100は、ストレージ装置10と、端末装置20とを備える。
ストレージ装置10は、機能的には、通信部11と、ストレージ部12と、制御部13とを備える。
通信部11は、端末装置20とネットワークを介して通信する。
ストレージ部12は、共有フォルダ及び共有ファイルを格納している。また、ストレージ部12は、記憶している共有ファイルが属する共有フォルダをネットワーク上で端末装置20が共有するための共有情報が対応付けられたキー(第2キー)を格納している。
制御部13は、通信部11及びストレージ部12を制御する。制御部13は、具体的には、通信部11が端末装置20からセキュリティキー(第1キー)を含む解錠信号を受信した場合に、受信した第1キーが第2キーと一致するか否かを判定する。制御部13は、第1キーと第2キーとが一致すると判定した場合に、共有情報を用いて共有フォルダのネットワーク上での共有サービスを有効化する。共有サービスとは、共有フォルダ及び当該共有フォルダに属する共有ファイルの利用を提供するサービスを示す。より具体的には、共有サービスとは、共有フォルダであるセキュリティフォルダ及び通常の共有フォルダ利用を提供するサービスを示す。セキュリティフォルダとは、端末装置20からセキュリティキーを受信した場合にのみ共有サービスが有効化されるフォルダであり、通常の共有フォルダとは、端末装置20からセキュリティキーを受信せずに共有サービスが有効化されているフォルダである。
なお、本明細書では、共有サービスが有効化されている場合にのみ閲覧可能な共有フォルダをセキュリティフォルダと呼称し、セキュリティフォルダ内の共有ファイルをセキュリティファイルと呼称する場合がある。
また、制御部13は、通信部11が端末装置20から共有サービスを無効化するための施錠信号を受信した場合、又は、任意に設定される所定時間(第1所定時間)以上アクセスが無い場合、端末装置20への共有サービスを無効化する。第1所定時間は、特に限定されるものではなく、例えば、30分でもよいし、30分未満でもよいし、30分を超えてもよい。
なお、ストレージ装置10は、時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)等の図示しない計時部を備えてもよい。
また、制御部13は、端末装置20から、ストレージ装置10が計測している計測時間をリセットさせるリセット信号を受信した場合、計測した計測時間をリセットして、再度時間の計測を開始する。
端末装置20は、機能的には、通信部21と、制御部22と、表示部23と、入力部24と、ストレージ部25と、メモリ部26とを備える。
通信部21は、ストレージ装置10とネットワークを介して通信する。
入力部24は、ユーザからの操作を受け付ける。具体的には、入力部24は、ユーザが端末装置20に実行させる命令が入力される。入力部24は、上述したように、例えば、キーボード24a、又は、マウス24bである。例えば、端末装置20がスマートフォンである場合、端末装置20の向きにより表示部23に表示される画面の向きを変えるためのジャイロセンサ等でもよい。
表示部23は、ストレージ装置10に格納されている共有ファイルが属する共有フォルダのウィンドウ、共有ファイルをアプリケーションで開いたウィンドウ等の共有ファイルの内容を示す画面を表示する。
ストレージ部25は、端末装置20が有するフォルダ及びファイル等のデータを記憶する。
メモリ部26は、ストレージ装置10に共有フォルダのネットワーク上での共有サービスを有効化させるための第1キーを記憶している。また、メモリ部26には、フォルダのウィンドウを表示させるためのファイラープログラム26c(図2参照)が格納されている。制御部22は、ファイラープログラム26cに基づいて、共有フォルダ又は共有ファイルのウィンドウを作成し、表示部23に当該ウィンドウを表示させる。なお、メモリ部26には、互いに異なるファイラープログラム26cが複数格納されていてもよい。
制御部22は、通信部21、入力部24、表示部23、ストレージ部25及びメモリ部26を制御する。具体的には、制御部22は、ストレージ装置10に格納されている共有ファイルを利用する命令を入力部24が受け付けた場合に、通信部21を介して、第1キーを含む解錠信号を送信する。より具体的には、制御部22は、ストレージ装置10にセキュリティフォルダの共有サービスの有効化を命令する操作がユーザによって入力部24に入力された場合、当該命令に基づいて、通信部21を介して、第1キーを含む解錠信号を送信する。
また、制御部22は、通信部21を介して、ストレージ装置10から共有ファイルの内容を表示部23に表示させるためのファイル情報を受信したときに、表示部23に共有ファイルの内容(例えば、共有ファイルのウィンドウ)を表示させる。より具体的には、制御部22は、受信したファイル情報に基づいて、共有ファイルのウィンドウを表示部23に表示させる。ファイル情報には、例えば、共有ファイルのパスが含まれている。こうすることで、ユーザは、表示部23に表示された共有ファイルのウィンドウを操作することができる。なお、パスとは、ネットワーク上のリソースの位置を示すネットワークパスを意味する。共有フォルダのパスは、フォルダの共有名を含む。例えば、ネットワークパスは、UNC(Universal Naming Convention)に基づいて決定される。
また、制御部22は、入力部24がユーザから端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けた場合、ストレージ装置10が計測している、共有サービスの継続時間である計測時間をリセットさせるリセット信号を、通信部21を介してストレージ装置10へ送信する。
例えば、制御部22は、入力部24がユーザから共有フォルダ(セキュリティフォルダ)内の共有ファイル(セキュリティファイル)の操作(例えば、共有ファイルのウィンドウの操作)を受け付けた場合、リセット信号を、通信部21を介してストレージ装置10へ送信するとよい。
また、制御部22は、リセット信号を、セキュリティフォルダ内のセキュリティファイルのウィンドウの操作以外の操作を受け付けた場合に、通信部21を介して送信してもよい。
また、制御部22は、通信部21を介して、解錠信号を送信してから時間の計測を開始してもよい。さらに、制御部22は、ストレージ装置10に設けられた第1所定時間より短い第2所定時間内に入力部24で端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作をユーザから受け付けた場合、解錠信号を送信してから第2所定時間が経過した後に、リセット信号を、通信部21を介してストレージ装置10へ送信してもよい。第2所定時間は、第1所定時間より短ければよく、任意に設定されてよい。例えば、第1所定時間が30分と設定される場合、第2所定時間は、10分等と設定される。
なお、制御部22は、リセット信号を、入力部24がユーザからセキュリティフォルダ内のセキュリティファイルにおける端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けた場合、すぐに、リセット信号を、通信部21を介してストレージ装置10へ送信してもよい。
また、端末装置20は、時間を計測するためのRTC等の図示しない計時部を備えてもよい。
[動作]
続いて、図4~図14を参照して、実施の形態に係る端末装置20及びファイル共有システム100が実行する動作の手順について説明する。
図4は、実施の形態に係るファイル共有システム100でセキュリティフォルダを設定するための動作手順を示すシーケンス図である。
まず、端末装置20はブラウザを起動し、ストレージ装置10にログイン画面を要求する。ストレージ装置10は、HTTPサーバとして機能し、端末装置20からのログイン画面要求に応じて、ユーザ認証するためのログイン画面を、ネットワークを介して端末装置20へ送信する。
次に、端末装置20は、ネットワークを介してストレージ装置10から受信したログイン画面をブラウザにより表示部23に表示させる(ステップS101)。
次に、端末装置20は、入力部24でユーザからの認証情報の入力を受け付ける(ステップS102)。端末装置20は、入力部24で受け付けた認証情報をストレージ装置10へ送信する。認証情報は、例えば、予め定められたユーザIDとパスワードとを含む情報である。なお、認証情報の送信や後述の解錠信号、施錠信号の送信等には、HTTPなどの一般的な通信プロトコルで通信される。この場合、認証情報やキー情報が盗み取られないように、SSL(Secure Sockets Layer)/TLS(Transport Layer Security)を使用して暗号化して通信するHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)のようなセキュアな通信プロトコルが好ましい。
次に、ストレージ装置10は、受信したユーザIDとパスワードとを参照して、ユーザ認証を行う(ステップS103)。ストレージ装置10は、ステップS103において、例えば、予めストレージ部12に格納されているユーザID及びパスワードと、端末装置20から受信したユーザID及びパスワードと一致するか否かを判定する。ストレージ装置10は、ステップS103においてユーザ認証し、共有設定を行うための共有登録画面を端末装置20へ送信する。
次に、端末装置20は、表示部23にストレージ装置10から受信した共有登録画面を表示させる(ステップS104)。
次に、端末装置20は、入力部24でユーザからの共有サービス設定をするための共有情報の入力を受け付ける(ステップS105)。端末装置20は、入力部24で受け付けた共有情報をストレージ装置10へ送信する。
次に、ストレージ装置10は、端末装置20から受信した共有情報を登録する(ステップS106)。言い換えると、ストレージ装置10は、ステップS106で、端末装置20から受信した共有情報をストレージ部12のSDカード12eに格納する。
次に、ストレージ装置10は、端末装置20へ、共有サービスの提供を開始する(ステップS107)。具体的には、ストレージ装置10は、ステップS107において、端末装置20へストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダ及びセキュリティフォルダ内のセキュリティファイル及びサブフォルダを利用できるようにする。
図5は、実施の形態に係る端末装置20がストレージ装置10に格納されているセキュリティフォルダではない通常の共有フォルダを利用する際の動作手順を示すシーケンス図である。
まず、端末装置20は、ストレージ装置10のストレージ部12に格納されている通常の共有フォルダにアクセスするとする(ステップS111)。端末装置20、例えば、入力部24でユーザからストレージ部12に格納されている通常の共有フォルダにアクセスする命令を受け付けたとする。端末装置20は、通常の共有フォルダ内のファイル情報を要求する操作信号(パス)を送信する。ファイル情報には、例えば、共有フォルダ及び当該共有フォルダに属する共有ファイルのアイコンを表示部23に表示するためのパス等の情報が含まれる。端末装置20は、ファイル情報を受信して、ファイラープログラム26cにより表示部23にアクセスしている共有ファイルのウィンドウを表示する。
次に、ストレージ装置10は、端末装置20から操作信号を受信した場合に、端末装置20にユーザ認証情報を要求する認証入力要求を行う(ステップS112)。具体的には、ストレージ装置10は、端末装置20へ、ユーザ認証情報を要求する要求信号を送信する。
次に、端末装置20は、ストレージ装置10から受信した要求信号に基づいて、ユーザからユーザ認証情報の入力を受け付けるための画面を表示部23に表示させ、ユーザからユーザ認証情報を入力部24で受け付ける(ステップS113)。ユーザ認証情報は、例えば、図4のステップS102で受け付けたユーザID及びパスワードである。端末装置20は、ユーザ認証情報として、ユーザID及びパスワードをストレージ装置へ送信する。
次に、ストレージ装置10は、受信したユーザIDとパスワードとを参照して、ユーザ認証を行う(ステップS114)。ストレージ装置10は、ステップS114において、例えば、予めストレージ部12に格納されているユーザID及びパスワードと、端末装置20から受信したユーザID及びパスワードとが一致するか否かを判定する。
次に、ストレージ装置10は、例えば、ステップS102において受信した操作信号に基づいて、ファイル操作を実行し、操作信号の応答として、ファイル情報を含む応答信号を、端末装置20へ送信する(ステップS115)。
次に、端末装置20は、受信したファイル情報に基づいて、共有ファイルのウィンドウを表示部23に表示させる(ステップS116)。
このように、端末装置20は、ストレージ装置10にユーザ認証させることで、通常の共有フォルダ内のファイル情報を受信し、表示部23にファイルのウィンドウを表示させる。
なお、ストレージ装置10は、端末装置20からストレージ部12に格納されている共有フォルダに繰り返し操作信号を受信した場合、認証入力要求を都度実行してもよいし、二度目以降には認証入力要求を実行しなくてもよい。つまり、ストレージ装置10及び端末装置20は、ステップS112~ステップS114までの処理を一度実行すればよい。
図6は、実施の形態に係る端末装置20がストレージ装置10に格納されているセキュリティフォルダの利用に失敗した場合の動作手順を示すシーケンス図である。
まず、端末装置20は、ストレージ装置10のストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダにアクセスするとする(ステップS121)。端末装置20、例えば、入力部24でユーザからストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダにアクセスする命令を受け付けたとする。端末装置20は、セキュリティフォルダ内のセキュリティファイルのファイル情報を要求する操作信号(パス)を送信する。
ここで、ストレージ装置10は、操作信号を受信した場合、ストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダをネットワーク上に存在していないフォルダとして扱っているために、操作信号に対して反応しない(ステップS122)。そのため、端末装置20は、操作信号に対する応答信号を受信できないために、例えば、エラー表示を表示部23に表示させる(ステップS123)。ステップS123では、例えば、「フォルダが存在しません」等のエラー表示がされる。例えば、アプリケーションの最近使った項目からセキュリティフォルダ内のファイルを開こうとしても、ストレージ装置10から応答がないのでアプリケーションはエラーを表示する。
このように、端末装置20は、ストレージ装置10によって共有サービスが無効化されている状態では、ネットワーク上のストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダの存在を認識することができない。そのため、端末装置20は、セキュリティフォルダにアクセスできない。
図7は、実施の形態に係る端末装置20がストレージ装置10に格納されているセキュリティフォルダを利用する際の動作手順を示すシーケンス図である。
まず、端末装置20は、セキュリティフォルダの共有サービスをストレージ装置10に有効化させるためのセキュリティキー(第1キー)を含む解錠信号を送信する(ステップS131)。
次に、ストレージ装置10は、セキュリティキーを含む解錠信号を受信した場合、端末装置20へのセキュリティフォルダの共有サービスを有効化する(ステップS132)。ストレージ装置10は、ステップS132において、例えば、セキュリティフォルダをネットワーク上で端末装置20が共有するための共有情報が対応付けられたキー(第2キー)を格納している。ストレージ装置10は、端末装置20からセキュリティキー(第1キー)を含む解錠信号を受信した場合に、受信した第1キーを復号し、第1キーが第2キーと一致するか否かを判定する。ストレージ装置10は、第1キーと第2キーとが一致すると判定した場合に、共有情報を用いてセキュリティフォルダのネットワーク上での共有サービスを有効化する。そして、ストレージ装置10は、セキュリティキーのパスを端末装置20に通知する。
次に、ストレージ装置10は、時間の計測を開始する(ステップS133)。ストレージ装置10は、計測した時間が第1所定時間を経過した場合、共有サービスを無効化する。
次に、端末装置20は、ストレージ装置10のストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダにアクセスするとする(ステップS121)。端末装置20、例えば、入力部24でユーザからストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダにアクセスする命令を受け付けたとする。端末装置20は、セキュリティフォルダ内のセキュリティファイルに関するファイル情報を要求する操作信号(パス)を送信する。
ここで、ストレージ装置10は、操作信号を受信した場合、図6に示すステップS122とは異なり、ステップS132においてセキュリティフォルダの共有サービスを有効化していることで、ストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダをネットワーク上に存在するフォルダとして扱っているために、操作信号に対して応答する。具体的には、ストレージ装置10は、端末装置20から操作信号を受信した場合に、端末装置20にユーザ認証情報を要求する認証入力要求を行う(ステップS112)。
次に、端末装置20は、ストレージ装置10から受信した要求信号に基づいて、ユーザからユーザ認証情報の入力を受け付けるための画面を表示部23に表示させ、ユーザからユーザ認証情報を入力部24で受け付ける(ステップS113)。
次に、ストレージ装置10は、受信したユーザIDとパスワードとを参照して、ユーザ認証を行う(ステップS114)。なお、ステップS112~S114の処理を端末装置20が既に認証済みの場合には、スキップすることができるので破線で示している。
次に、ストレージ装置10は、例えば、ステップS134において受信した操作信号に基づいて、ファイル操作を実行し、操作信号の応答として、フォルダ情報を含む応答信号を、端末装置20へ送信する(ステップS135)。
次に、端末装置20は、受信したフォルダ情報に基づいて、ファイラープログラム26cによりセキュリティファイルのウィンドウを表示部23に表示させる(ステップS116)。
このように、端末装置20は、ストレージ装置10から共有サービスが有効化されている状態では、ストレージ部12に格納されているセキュリティフォルダの存在をネットワーク上で認識することができるようになる。そのため、端末装置20は、セキュリティフォルダにアクセスし、セキュリティフォルダ内のセキュリティファイルの情報を閲覧することができるようになる。
図8は、実施の形態に係る端末装置20がストレージ装置10に格納されているセキュリティフォルダの利用を停止する際の動作手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図8に示すシーケンス図においては、図7に示すステップS131~ステップS114までの処理が実行されているとして説明する。
ストレージ装置10は、例えば、受信した操作信号に基づいて、ファイル操作を実行し、操作信号の応答として、ファイル情報を含む応答信号を、端末装置20へ送信する(ステップS134)。
次に、端末装置20は、受信したファイル情報に基づいて、セキュリティフォルダ内のファイルをアプリケーションで開いたウィンドウを表示部23に表示させる。ユーザは、表示部23に表示されたファイルのウィンドウを閲覧しながら、セキュリティファイルの更新等の、端末装置20とストレージ装置10との通信を必要とする操作を行う(ステップS135)。
例えば、端末装置20は、ファイルの更新等の操作を入力部24で受け付けた場合、ストレージ装置10内のセキュリティファイルの情報を更新させるため、操作信号を送信する。或いは、端末装置20は、ストレージ装置10内のセキュリティフォルダ内の現在閲覧しているセキュリティファイルとは異なるセキュリティファイルを閲覧するための操作を受け付けた場合、当該操作をするための信号を操作信号としてストレージ装置10へ送信する。
ストレージ装置10は、端末装置20から操作信号を受信した場合、受信した操作信号に基づいて、セキュリティファイルを操作し、受信した操作信号に対する応答信号を送信する(ステップS134a)。
また、ストレージ装置10は、端末装置20から操作信号を受信した場合に、計測している時間をリセットする(ステップS136)。言い換えると、ストレージ装置10は、ステップS136において、端末装置20から操作信号を受信した場合に、計測している時間を初期値に戻し、再度時間の計測をし直す。
こうすることで、ストレージ装置10は、端末装置20から第1所定時間内にセキュリティフォルダへのアクセスがあった場合、共有サービスを有効化している時間を長くする。このように、ファイル共有システム100では、共有サービスが有効化されている状態で、端末装置20とストレージ装置10との通信が行われれば、共有サービスの有効化を継続する。
また、ストレージ装置10は、時間を計測し、第1所定時間以上端末装置20からアクセスが無いと判定した場合(ステップS137)、セキュリティフォルダの共有サービスを無効化する(ステップS138)。
こうすることで、ストレージ装置10は、端末装置20に、セキュリティフォルダ及び当該セキュリティフォルダ内のファイルを利用できないようにする。
以上のように、ストレージ装置10は、端末装置20から、セキュリティフォルダ及び当該セキュリティフォルダへのアクセスがあった場合、共有サービスを有効化し続け、第1所定時間セキュリティフォルダ及び当該セキュリティフォルダへのアクセスがない場合、共有サービスを無効化する。
図9は、実施の形態に係る端末装置20がストレージ装置10に格納されているセキュリティフォルダの利用を継続する際の動作手順の第1例を示すシーケンス図である。なお、図9に示すシーケンス図においては、図7に示すステップS131~ステップS114までの処理が実行されているとして説明する。
ストレージ装置10は、例えば、端末装置20から受信した操作信号に基づいて、ファイル操作を実行し、操作信号の応答として、ファイル情報を含む応答信号を、端末装置20へ送信する(ステップS134)。
次に、端末装置20は、受信したフォルダ情報に基づいて、ファイルのウィンドウを表示部23に表示させる。
ここで、ユーザが、現在端末装置20がアクセスしているファイルの更新等の操作ではなく、ファイルのウィンドウのスクロール、又は、ページ送り等の、端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を入力部24に入力したとする。通常、このような操作においては、端末装置20は、ストレージ装置10へ通信することがないため、ストレージ装置10へ信号を送信しない。そのため、このような端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作のみが第1所定時間続いた場合、ストレージ装置10は、端末装置20からアクセスが無いため、端末装置20でユーザがファイルを閲覧しているにもかかわらず、共有サービスを無効化する。
そこで、本実施の形態に係る端末装置20は、入力部24でユーザから端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けた場合、ストレージ装置10が計測している計測時間をリセットさせて、初期値から再計測させるリセット信号を送信する(ステップS135a)。
ストレージ装置10は、リセット信号を受信した場合、計測している計測時間をリセットし、初期値から再度時間の計測を開始する(ステップS136a)。
また、ストレージ装置10は、時間を計測し、第1所定時間以上端末装置20からアクセスが無いと判定した場合(ステップS137)、つまり、端末装置20から、ファイルを操作するための操作信号、又は、リセット信号を受信しない場合(ステップS137)、セキュリティフォルダの共有サービスを無効化する(ステップS138)。なお、ストレージ装置10は当該セキュリティフォルダの共有サービスを無効化したことを端末装置20に通知してもよい。
このように、端末装置20(具体的には、制御部22)は、入力部24でユーザからの端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けた場合、ストレージ装置10が計測している共有サービスの継続時間である計測時間をリセットさせるリセット信号を、通信部21を介してストレージ装置10へ送信する。ストレージ装置10との通信を必要としない操作には、セキュリティフォルダ内のファイルの閲覧操作のみならず、端末装置20内のフォルダやファイルの操作やアプリケーションの操作を含めてもよい。
このような構成によれば、端末装置20は、ユーザから、端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を入力部24で受け付けている場合に、ファイルを格納しているストレージ装置10へ、ストレージ装置10が計測している時間を再計測させるコマンド(リセット信号)を送信することとなる。また、ストレージ装置10は、時間を再計測させるコマンドを受信した場合に、共有サービスの提供を停止せず(つまり、共有サービスを無効化せず)、且つ、当該共有サービスを提供し続けることとなる。これにより、端末装置20のユーザは、例えば、ストレージ装置10が格納しているセキュリティファイルを開いて閲覧している場合に、当該セキュリティファイルの更新等の操作をしていなくても、第1所定時間経過が経過して共有サービスの提供が停止されることなく、ファイルの閲覧を続けることができ、またファイルの更新や、セキュリティフォルダ内の他のファイルやサブフォルダの操作も可能となる。そのため、端末装置20によれば、利便性が向上される。また、端末装置20とストレージ装置10とを備えるファイル共有システム100によっても、また同様に、利便性は、向上される。
なお、ステップS135aにおいて、端末装置20の制御部22は、入力部24でユーザからセキュリティフォルダ内のセキュリティファイルのウィンドウの操作を受け付けた場合、リセット信号を、通信部21を介してストレージ装置10へ送信してもよい。
このような構成によれば、端末装置20は、例えば、ストレージ装置10に格納されているファイルの内容を示すウィンドウのスクロール、又は、ページの選択等、当該ファイルを操作している場合にのみ、ストレージ装置10が計測している計測時間をリセットさせるコマンドを送信することとなる。そのため、端末装置20は、ストレージ装置10に格納されているファイル以外の操作をユーザから受け付けている場合には、ストレージ装置10が計測している計測時間をリセットさせるコマンドを送信しない。これにより、端末装置20が、不要にストレージ装置10へリセット信号を送信することは、抑制される。
なお、制御部22は、リセット信号を、入力部24でユーザからセキュリティフォルダ内のファイルのウィンドウの操作を受け付けた場合、すぐに、リセット信号を、通信部21を介してストレージ装置10へ送信しなくてもよい。
図10は、実施の形態に係る端末装置20がストレージ装置10に格納されているセキュリティフォルダの利用を継続する際の動作手順の第2例を示すシーケンス図である。なお、図10に示すシーケンス図においては、図7に示すステップS131~ステップS114までの処理が実行されているとして説明する。
ストレージ装置10は、例えば、受信した操作信号に基づいて、ファイル操作を実行し、操作信号の応答として、ファイル情報を含む応答信号を、端末装置20へ送信する(ステップS134)。
次に、端末装置20は、受信したファイル情報に基づいて、セキュリティファイルの内容を示すウィンドウを表示部23に表示させる。
ここで、端末装置20は、時間の計測を開始する(ステップS140)。
また、端末装置20は、入力部24でユーザから端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けた場合、メモリ部26に当該操作を受け付けた旨を記憶する(ステップS135a)。ステップS135aにおいては、端末装置20は、リセット信号をストレージ装置10へ送信しない。
同様に、端末装置20は、入力部24でユーザから端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けた場合(ステップS135b)、ステップS140で計測を開始した時間が第2所定時間を経過していなければ、リセット信号をストレージ装置10へ送信しない。ステップS135bにおいては、端末装置20は、メモリ部26に端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けた旨を記憶してもよいし、しなくてもよい。
次に、端末装置20は、計測している時間が第2所定時間を経過した場合に、入力部24で操作を受け付けているとき、ストレージ装置10にリセット信号を送信する(ステップS141)。
ストレージ装置10は、リセット信号を受信した場合、計測している時間をリセットし、初期値から再度時間の計測を開始する(ステップS136a)。
また、ストレージ装置10は、時間を計測し、第1所定時間以上端末装置20からアクセスが無いと判定した場合(ステップS137)、セキュリティフォルダの共有サービスを無効化する(ステップS138)。
このように、端末装置20(具体的には、制御部22)は、入力部24でユーザからの操作を受け付けた場合、操作を受け付けた旨を記憶し、第2所定時間が経過した後で、リセット信号を、通信部21を介してストレージ装置10へ送信する。
このような構成によれば、例えば、端末装置20がユーザから端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を入力部24で受け付けた場合に、すぐにストレージ装置10へリセット信号を送信する場合と比較して、リセット信号を送信する回数を少なくすることができる。そのため、端末装置20が、不要にストレージ装置10へリセット信号を送信することは、より抑制される。
なお、ストレージ装置10は、共有サービスを有効化しているセキュリティフォルダ(又は、セキュリティファイル)ごとに、共有サービスを有効化している継続時間を計測してもよい。また、ストレージ装置10は、ファイル共有システム100が複数の端末装置20を備える場合に、1つの端末装置からリセット信号を受信したときに、当該リセット信号を送信した1つの端末装置20が利用しているセキュリティフォルダ(又は、セキュリティファイル)の共有サービスの継続時間である計測時間のみをリセットしてもよい。
続いて、端末装置20がリセット信号を送信する具体的な処理手順について説明する。
図11は、実施の形態に係る端末装置20がストレージ装置10にリセット信号を送信する動作手順を示すフローチャートである。
まず、端末装置20は、セキュリティフォルダの共有サービスをストレージ装置10に有効化させるためのセキュリティキー(第1キー)を含む解錠信号をストレージ装置10へ送信し、さらに、ストレージ装置10に格納されているセキュリティフォルダ内のセキュリティファイルへのアクセスをストレージ装置10に要求する。(ステップS151)。
次に、端末装置20は、ストレージ装置10から受信したファイル情報に基づいて、セキュリティファイルの内容を示すウィンドウを表示部23に表示させる(ステップS152)。
次に、端末装置20は、時間の計測を開始する(ステップS153)。
次に、端末装置20は、当該セキュリティフォルダの共有サービスが無効化されたかどうか判定する(ステップS154)。端末装置20が施錠信号を送信した場合、あるいは、ストレージ装置10から共有サービスの無効化の通知を受けた場合、端末装置20は当該セキュリティフォルダの共有サービスが無効化された判定することができる。ステップS154の判定がYesの場合には、端末装置20はリセット信号の送信処理を終了する。ステップS154の判定がNoの場合には,ステップS155の判定に進む。
ステップS155では、端末装置20は、計測している時間が第2所定時間を経過した場合に、計測している時間内に入力部24で端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けているか否かを判定する。
端末装置20は、計測している時間が第2所定時間を経過した場合に、計測している時間内に入力部24で端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けている場合(ステップS155でYes)、ストレージ装置10にリセット信号を送信する(ステップS156)。その後、端末装置20はステップS153に戻り、第2所定時間の計測を開始する。
一方、端末装置20は、計測している時間が第2所定時間を経過した場合に、計測している時間内に入力部24で端末装置20とストレージ装置10との通信を必要としない操作を受け付けていない場合(ステップS155でNo)、ストレージ装置10にリセット信号を送信しない。端末装置20はステップS153に戻り、第2所定時間の計測を開始する。
続いて、ストレージ装置10に格納されているフォルダの共有設定をする手順の一例を説明する。
図12は、フォルダの共有設定をする際に表示されるフォルダ設定画面40の一例を示す図である。フォルダ設定画面40は、ストレージ装置10と通信可能な通信装置が有するディスプレイ等の表示装置に表示されてもよいし、ストレージ装置10がディスプレイ等の表示装置を有し、当該表示装置に表示されてもよい。また、これら通知装置及びストレージ装置10は、キーボード、マウス等の入力装置を有してもよい。
フォルダ設定画面40は、ストレージ装置10のストレージ部12に格納されているフォルダを設定するための画面(GUI)である。フォルダ設定画面40は、例えば、フォルダ名入力部41と、セキュリティフォルダ設定部42と、隠しフォルダ設定部43と、ユーザ入力部44と、セキュリティキー入力部45と、保存部46と、ユーザ選択部47と、アクセス権限設定部48と、決定部49とを含む。
フォルダ名入力部41は、フォルダ名の入力を受け付けるためのテキストボックスである。図12には、フォルダ名として「SF1」と入力された場合について例示している。
セキュリティフォルダ設定部42は、フォルダを、セキュリティフォルダにするか否かを受け付けるチェックボックスである。例えば、図12に示すように、ストレージ装置10は、セキュリティフォルダ設定部42にチェックが入力された場合、当該フォルダをセキュリティフォルダとし、セキュリティフォルダ設定部42にチェックが入力されない場合、当該フォルダを通常の共有フォルダとする。
隠しフォルダ設定部43は、フォルダを、アクセス可能ではあるが、フォルダが表示されないいわゆる隠しフォルダにするか否かを受け付けるチェックボックスである。隠しフォルダとは、隠し共有を意味し、ネットワーク上の機器において共有フォルダの一覧に表示されないフォルダのことである。つまり、隠しフォルダのフォルダ名は、ネットワークに対して公開されない。例えば、隠しフォルダ設定部43にチェックマークが付された場合、フォルダ名入力部41に入力された共有名の末尾に「$」が自動的に付される。
ユーザ入力部44は、フォルダ名入力部41に入力されたフォルダ名のフォルダの利用者を入力するためのリストボックスである。ユーザは、入力部24を介して、ユーザIDのリストの中からユーザIDを選択する。ユーザIDのリストは、予め登録されたユーザIDを含む。
セキュリティキー入力部45は、フォルダがセキュリティフォルダに設定された場合に、共有サービスを有効化するためのセキュリティキーの入力を受け付けるためのチェックボックスである。図12には、セキュリティキーとして、「SF1―KEY2」と入力された場合について例示している。ストレージ装置10は、「SF1―KEY2」をセキュリティキーとして含む解錠信号を受信した場合に、当該セキュリティフォルダの共有サービスを有効化する。
保存部46は、ユーザ入力部44、及び、セキュリティキー入力部45に入力されたユーザID及びセキュリティキーのセットを一時的に保存するためのボタンである。
ユーザ選択部47は、保存部46によって一時的に保存されたユーザIDのリストと、リスト内のユーザIDを選択するためのチェックボックスと、チェックマークが付されたユーザID及びそれに対応するセキュリティキーを削除するためのボタンと、を含む。ユーザは、チェックボックスにチェックマークを入力して削除ボタンを押すことにより、チェックマークに対応するユーザID及びセキュリティキーのセットを削除することができる。
アクセス権限設定部48は、共有フォルダのアクセス制限のためのラジオボタンを含む。予め登録されたユーザであれば誰でも共有フォルダにアクセス可能な場合には、「全施錠/解除ユーザ」のラジオボタンが選択され、利用者毎にアクセス権限が管理される場合には「アクセス制限設定」のラジオボタンが選択される。「アクセス制限設定」のラジオボタンが選択された場合には、読み取り専用ユーザ及び読み書き可能ユーザを個別に設定可能な画面に遷移する。
ストレージ装置10は、共有フォルダに対して、セキュリティフォルダの設定と、アクセス権限の設定とを行う。ストレージ装置10は、図7に示すステップS132において、共有フォルダに設定されたセキュリティキー(第2キー)に対応する(具体的には、一致する)セキュリティキー(第1キー)を受信した場合に、共有サービスを有効化する。端末装置20は、ストレージ装置10によって共有サービスが有効化され、且つ、セキュリティフォルダへのアクセス権限が有効に設定されているとき、当該セキュリティフォルダへのアクセスが可能になる。しかしながら、例えば、端末装置20は、セキュリティフォルダへの共有サービスが有効化された場合であっても、当該セキュリティフォルダへのアクセス権限がなければ、当該セキュリティフォルダにアクセスすることができない。
決定部49は、フォルダ名入力部41と、セキュリティフォルダ設定部42と、隠しフォルダ設定部43と、ユーザ入力部44と、セキュリティキー入力部45と、保存部46と、ユーザ選択部47と、アクセス権限設定部48とに入力された条件を、フォルダに設定するか否かを最終的に決定する命令を受け付けるためのボタンである。ストレージ装置10は、例えば、「保存」ボタンの選択を受け付けた場合に、入力された各条件をフォルダに設定する。
図13は、実施の形態に係るストレージ装置10が管理する共有設定テーブル50の一例を示す図である。
共有設定テーブル50は、図12に示すフォルダ設定画面40に基づいて受け付けた各フォルダの設定を管理するテーブルである。具体的には、共有設定テーブル50は、図4に示すステップS106でストレージ部12に格納される共有情報である。共有設定テーブル50は、例えば、共有フォルダ名列51と、セキュリティフォルダ設定列52と、セキュリティキー列53と、ユーザID列54と、アクセス権限列55とを含む。
共有フォルダ名列51には、例えば、ストレージ装置10のストレージ部12に格納されているフォルダの名前が格納されている。共有フォルダ名列51には、例えば、図12に示すフォルダ名入力部41に入力された文字列が格納される。なお、隠しフォルダ設定部43にチェックマークが付されていた場合には、フォルダ名入力部41に入力された文字列データの末尾に「$」が付されたものが登録される。
セキュリティフォルダ設定列52には、例えば、フォルダがセキュリティフォルダであるか通常フォルダであるかの情報が格納されている。ストレージ装置10は、例えば、「true」が格納されていれば、フォルダをセキュリティフォルダと判定し、「false」が格納されていれば、フォルダを通常フォルダと判定する。セキュリティフォルダ設定列52には、例えば、図12に示すセキュリティフォルダ設定部42に入力された条件が格納される。
セキュリティキー列53には、例えば、各フォルダに対応する文字列データであって、共有サービスを有効化するためのセキュリティキー(第2キー)が格納されている。ストレージ装置10は、端末装置20から受信した解錠信号に含まれるセキュリティキー(第1キー)と第2キーとが一致する場合に、セキュリティフォルダの共有サービスを有効化する。セキュリティキー列53には、例えば、図12に示すセキュリティキー入力部44に入力された文字列が格納される。なお、セキュリティキー列53では、セキュリティキーの重複が禁止される。
ユーザID列54には、セキュリティキー列53に対応するユーザIDが登録される。
アクセス権限列55には、ユーザID列54に対するアクセス権限が登録される。アクセス権限列55には、例えば、読み取り専用を示す「読み取り」、及び、読み書き可能を示す「読み書き」のいずれかが登録される。
図13の共有設定テーブル50では、例えば、「SF1-KEY1」のセキュリティキーに対応付けて、「SF1」のフォルダ名を有する共有フォルダ、及び、読み取り専用の「USER1」が格納されている。また、例えば、「SF1-KEY2」のセキュリティキーに対応付けて、「SF1」のフォルダ名を有する共有フォルダ、及び、読み書き可能な「USER2」が格納されている。
このユーザID列54に登録されたユーザIDで特定されるユーザには、解錠信号によってセキュリティフォルダの共有サービスが提供される。
続いて、セキュリティフォルダを利用する際に端末装置20に表示される画面の一例について説明する。
図14は、セキュリティフォルダを利用する際に端末装置20に表示される画面の一例を示す図である。具体的には、図14は、図7に示すステップS131を実行する際に、端末装置20の表示部23に表示される画面の一例を示す図である。
まず、端末装置20は、アイコン60を予め表示部23に表示させておく。端末装置20は、アイコン60が選択された場合に、リスト61を表示部23に表示させる。
リスト61には、例えば、セキュリティフォルダ(SF)にアクセスする命令をするための「SF解錠」、すでにアクセスしているセキュリティフォルダを施錠する命令をするための「SF施錠」等の選択肢が含まれている。例えば、端末装置20は、「SF解錠」が選択された場合に、対象フォルダ選択リスト62を表示部23に表示させる。
対象フォルダ選択リスト62には、例えば、端末装置20が利用可能なセキュリティフォルダのフォルダ名が含まれている。例えば、端末装置20は、いずれかのセキュリティフォルダ名が選択された場合には、セキュリティキー入力ボックス63を表示部23に表示させる。
セキュリティキー入力ボックス63は、セキュリティキーの入力を受け付けるためのユーザインタフェースである。端末装置20は、セキュリティキー入力ボックス63で受け付けた文字列をセキュリティキー(第2キー)として、暗号化した当該第2キーを含む解錠信号をストレージ装置10へ送信する(図7に示すステップS131)。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の一態様に係る端末装置、端末装置の制御方法、ファイル共有システム、及び、ファイル共有システムの制御方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明に含まれる。
例えば、ストレージ部25のハードウェア構成の一例として、HDD25aを示した。しかしながら、ストレージ部25のハードウェア構成は、これに限定されない。ストレージ部25は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリであればよく、例えば、フラッシュメモリ等でもよい。
また、例えば、ストレージ装置10は、図9に示すステップS137において、端末装置20から第1所定時間アクセスが無いと判定した場合、端末装置20へ、入力部24でユーザからの操作を受け付けているか否かを確認するための操作確認信号を送信してもよい。端末装置20は、当該操作確認信号を受信した場合に、入力部24で操作を受け付けた旨を示す情報をメモリ部26に記憶している場合、リセット信号をストレージ装置10へ送信してもよい。ストレージ装置10は、図9に示すステップS137の後に、リセット信号を受信した場合、図9に示すステップS138で共有サービスを無効化しなくてもよい。こうすることで、例えば、通信エラー等が発生し、図9に示すステップS135aで端末装置20がストレージ装置10へリセット信号の送信を失敗した場合においても、ストレージ装置10は、共有サービスを有効化させ続けることができる。
また、例えば、上記実施の形態では、端末装置20は、図11に示すステップS152の後に、時間の計測を開始する(ステップS153)。しかしながら、端末装置20は、ストレージ装置10に解錠信号を送信した場合に、すぐに時間の計測を開始してもよい。このように、上記実施の形態におけるステップの順序はあくまで一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜変更がなされてもよい。
また、例えば、上記各実施の形態におけるファイル共有システムのハードウェア構成は一例であり、これに限定されない。例えば、上記各実施の形態では、ネットワークがLANである場合について説明したが、ネットワークはこれに限定されない。ネットワークは、コンピュータネットワークであればどのようなネットワークであってもよく、例えばWAN(Wide Area Network)、インターネットであってもよい。
また、上記各実施の形態では、NASがストレージ装置として機能している例を説明したが、他の機器がストレージ装置として機能してもよい。例えば複合機(Multi-Function Peripheral)、ルータ、又は、ファイルサーバも、ストレージ装置として機能することができる。
また、上記各実施の形態では、NAS、有線LANモジュール及び無線LANモジュールの2つの通信モジュールを備えていたが、これに限定されない。例えば、NASは、有線LANモジュール及び無線LANモジュールのうちの一方のみを備えてもよい。また、NASは、SoCの代わりに汎用プロセッサを備えてもよい。
また、上記各実施の形態では、NASは、RAIDモジュールを備えていたが、RAIDモジュールを備えなくてもよい。NASは、ストレージに対して要求される容量、信頼性及び速度等に応じてRAIDモジュールを備えればよい。
また、上記各実施の形態では、NASは、複数のHDDとSDカードとを備えていたが、これに限られない。NASは、例えば、複数のHDD及びSDカードの代わりに、SSD(Solid State Drive)を備えてもよい。
また、ストレージ装置が端末装置を識別するためには、例えば、IPアドレスが用いられてもよいし、MAC(Media Access Control address)アドレス又はホスト名等が用いられてもよい。
また、上記実施の形態では、解除信号の送信画面等の各種画面について説明したが、これらの画面は一例であり、これに限定されない。例えば、図12の共有フォルダの登録画面に、隠しフォルダの設定のためのチェックボックスは含まれなくてもよい。
また、上記実施の形態では、ストレージ装置10は、通常の共有フォルダとセキュリティフォルダとの両方のフォルダの共有サービスを提供していたが、セキュリティフォルダの共有サービスのみを提供してもよい。この場合、図12及び図13等において、セキュリティフォルダ設定は含まれなくてもよい。
また、本発明の一態様は、当該制御方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。また、本発明の一態様は、そのようなコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。
また、本発明の一態様は、ファイル共有システムだけではなく、ファイル共有システムに含まれる特徴的な構成部をステップとする制御方法であってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の端末装置等を実現するソフトウェアは、例えば、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、ネットワーク上で所定時間共有化されるフォルダを格納しているストレージ装置に、ネットワークを介して接続された端末装置の制御方法であって、当該フォルダの利用を命令する操作を受け付けるステップと、当該命令に基づいて、当該フォルダのネットワーク上での共有サービスを有効化させるための第1キーを含む解錠信号をストレージ装置に送信するステップと、解錠信号をストレージ装置に送信するステップの後に、端末装置とストレージ装置との通信を必要としない操作を受け付けた場合、ストレージ装置が計測している共有サービスの継続時間である経過時間をリセットさせるリセット信号を、ストレージ装置へ送信するステップと、を含む制御方法を実行させる。