JP6996062B2 - 多層皮革部材 - Google Patents

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Description

本発明は、表裏面側に皮革からなる最外層を有し、周縁部が縫着されて一体の積層体に形成された革製品成形用の多層皮革部材に関する。
従来、財布、カードケース、キーケース、鞄などの革製品の製造にあたり、表裏面側に皮革からなる最外層を有し、周縁部が縫着されて一体の積層体に形成された革製品成形用の多層皮革部材を用いるといったことが行われている。多層皮革部材は複数の皮革を重ね、また必要に応じて中間層を積層して成形することができるため丈夫であり、また保型性にも富むことから革製品の本体など基本的な形状を形成する基材として多く用いられている。例えば、財布の本体として用いたり、鞄の収容部を形成する本体部分の胴部や底部の形成に用いられている。
革製品の基材として用いられた多層皮革部材は、その表面側が革製品の外面となることが多い。そのため、多層皮革部材を縫着している糸目が革製品の外面となる表面側最外層の面上から突出した状態となって現れていると、革製品の使用時に外部との接触により摩擦を受けて擦り切れて、革製品が破損してしまうといったおそれがある。
そこで従来、このような事態を防ぐ手段として、多層皮革部材の表面に設定された縫着予定ラインに沿って、表面側の最外層の上面を切削して凹溝を形成し、糸目をこの凹溝の中に形成することにより、革製品の使用時に糸目が摩擦を受けないようにして糸目が擦り切れることを防ぐといったことが行われている(例えば特許文献1参照。)。また、多層皮革部材の表面に設定された縫着予定ラインに沿って、表面側の最外層の上面を押圧して凹溝を形成し、糸目をこの凹溝の中に形成することにより、革製品の使用時に糸目が摩擦を受けないようにして糸目が擦り切れることを防ぐといったことが行われている(例えば特許文献2参照。)。
特開2010-59342号公報 特許第120433号公報
多層皮革部材の縫着部分は、縫い穴が連続して形成される部分であり、また縫着により圧力を受ける部分であるので、強度は高い方が望ましい。しかしながら、特許文献1に記載されているような多層皮革部材は、縫着予定ラインでの凹溝の形成を切削により行っているので、表面側最外層の凹溝部分の強度が低下し、経年により縫い穴が広がったり、凹溝部分が伸びたり劣化しやすい。また、縫い穴間が破断するなど破損が生じる場合もあり、その耐用年数が短くなってしまうおそれがあるといった問題がある。
また、特許文献2に記載されているように、押圧によって糸目が最外層の面上から突出しない程度の凹溝を形成するには、使用する皮革に十分な厚さと柔らかさが必要となる。そのため、多層皮革部材の最外層に密度が高く堅牢な皮革を用いた場合などには、十分な深さの凹溝を形成することができないといった問題がある。
本発明の目的は、革製品を成形する多層皮革部材の表面側の最外層の強度を低下させることなく、また、その表面側最外層に用いる皮革の性質に拘わらず、多層皮革部材の周縁部を縫着している糸目の外部摩擦による擦り切れを防止することができる多層皮革部材を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、表裏面側に皮革からなる最外層を有する多層皮革部材であって、表面側最外層は、その下面に予め設定された縫着予定ラインに沿った押圧による凹溝が形成され、前記表面側最外層の下面には、前記凹溝より内側に前記凹溝に沿って段部形成床材が、その外縁部を前記凹溝の内縁から前記段部形成床材の厚さと同等又はそれ以上の長さの間隔を空けて設けられており、前記表面側最外層は前記段部形成床材の外縁部の上端辺から外端面に沿って屈曲して裏面側最外層の上面と重ねられ、重ね合わせた前記表面側最外層と前記裏面側最外層は前記凹溝が形成されている前記縫着予定ラインに沿って縫着されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記表面側最外層は、その下面に前記段部形成床材の外縁部の上端辺に沿った罫書き線が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の、前記段部形成床材は、帯状に形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の、前記段部形成床材は、内縁の厚さが外縁の厚さの1/2以下となるテーパー形状に形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の、前記段部形成床材は、シート状に形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の多層皮革部材によれば、前記表面側最外層は、その下面に予め設定された縫着予定ラインに沿って、押圧による前記凹溝が形成されているので、多層皮革部材を縫着予定ラインに沿って縫着すると、前記表面側最外層の下面に形成されている前記凹溝は上下方向からの縫着糸による縫着圧を受けて潰れ、前記表面側最外層の上面が前記凹溝の潰れに応じて陥没し、前記表面側最外層の上面に現れる糸目は多層皮革部材の周端上縁より厚さ方向に沈む。
また、前記表面側最外層の下面には、前記凹溝より内側に前記凹溝に沿って前記段部形成床材が設けられているので、多層皮革部材の周縁部を縫着するとき、前記表面側最外層を前記段部形成床材の外端縁から外端面に沿って屈曲させ、裏面側最外層を屈曲させることなく前記表面側最外層と裏面側最外層を縫着することにより、屈曲した前記表面側最外層によって、多層皮革部材の表面における糸目の内側に沿って糸目を厚さ方向に越えて膨出する膨出段部が形成される。
これにより、前記表面側最外層の上面には膨出段部と多層皮革部材の周端上縁との間に凹部が形成され、糸目はこの凹部の最深部に位置して凹部内に納まり、多層皮革部材の表面から糸目が突出しない状態とすることができる。凹部内に収められ、多層皮革部材の表面から突出しない状態となった糸目は、外部と容易に接触せず、外部との摩擦により擦り切れてしまうといった事態を防ぐことができる。
また、前記表面側最外層の下面に設けられている前記段部形成床材は、その外縁部が前記凹溝の内縁から前記段部形成床材の厚さと同等又はそれ以上の長さの間隔を空けて設けられているので、裏面側最外層を屈曲させることなく、前記表面側最外層を前記段部形成床材の外縁部の外端縁から外端面に沿って屈曲させて前記表面側最外層の下面に形成されている前記凹溝を裏面側最外層の上面に当接させ、前記表面側最外層と裏面側最外層を前記凹溝に沿って縫着することができる。これにより、多層皮革部材の表面に膨出段部を確実に形成することができる。
そして、上記のように、糸目を収める凹部の形成に特許文献1のような切削を用いず、且つ前記表面側最外層の強度を低下させずに糸目の擦り切れを防止しているので、革製品の耐用年数が短くなることを防ぐことができる。
請求項2に記載の多層皮革部材によれば、請求項1に記載の、前記表面側最外層は、その下面に、前記段部形成床材の外縁に沿って罫書き線が形成されているので、多層皮革部材の周縁部を縫着する際に、前記表面側最外層を罫書き線によって前記段部形成床材の外端縁から容易に且つ確実に屈曲させることができる。また、前記罫書き線が形成されていると、堅牢な皮革が用いられた表面側最外層も確実に屈曲させることができるので、多層皮革部材の周縁部の縫着作業を容易に行うことができる。
請求項3に記載の多層皮革部材によれば、請求項1又は2に記載の、前記段部形成床材は帯状に形成されているので、膨出段部を形成するのに前記段部形成床材を必要箇所に必要な幅で設けることができ、材料の節約をすることができる。
請求項4に記載の多層皮革部材によれば、請求項3に記載の、前記段部形成床材は、内縁の厚さが外縁の厚さの1/2以下となるテーパー形状に形成されているので、帯状に形成された前記段部形成床材の内側で、前記表面側最外層と裏面側最外層との間で生じる段差を小さくすることができ、革製品の表面が浮いたり、前記段部形成床材の内縁にあたる位置の表面に段が現れたりすることを防いで革製品の意匠性を損なうといった事態を防ぐことができる。
請求項5に記載の多層皮革部材によれば、請求項1又は2に記載の、前記段部形成床材は、シート状に形成されているので、前記段部形成床材を設けることによって前記表面側最外層と裏面側最外層との間で段差が生じるといった事態を防ぎ、革製品の表面が浮いたり、表面に段が現れたりすることを防いで、革製品の意匠性を損なうといった事態を防ぐことができる。また、多層皮革部材の一体性が高く、屈曲する部分に使用するのに適した多層皮革部材を得ることができる。
本発明に係る多層皮革部材の実施の形態の第1例を示す表面側平面図である。 図1のA-A線拡大断面図である。 図1に示す多層皮革部材の裏面側最外層を除いた縫着前の表面側最外層の下面側を示す一部拡大平面図である。 図3のB-B線断面図である。 図1に示す多層皮革部材の縫着前の分解説明図である。 本発明に係る多層皮革部材の実施の形態の第2例を示す一部拡大断面図である。 本発明に係る多層皮革部材の実施の形態の第3例を示す一部拡大断面図である。 図7に示す多層皮革部材の裏面側最外層を除いた縫着前の表面側最外層の下面側を示す一部拡大平面図である。 図8のC-C線断面図である。 本発明に係る多層皮革部材を用いて成形された革製品の一例を示す斜視図である。
以下、本発明に係る多層皮革部材の実施の形態の第1例を図1から図5を参照して詳細に説明する。
図1は本例の多層皮革部材の実施の形態の第1例を示す表面側平面図、図2は図1のA-A線拡大断面図、図3は図1に示す多層皮革部材の裏面側最外層を除いた縫着前の表面側最外層の下面側を示す一部拡大平面図、図4は図3のB-B線断面図、図5は図1に示す多層皮革部材の縫着前の分解説明図である。
第1例の多層皮革部材1は、表裏に皮革からなる表面側最外層2と裏面側最外層3とを有し周縁部が縫着されて一体に形成された革製品成形用の多層皮革部材である。多層皮革部材1は財布の本体や鞄の胴部または底部など革製品の基本的な形状を形成する部材であり、表面側最外層2の上面は製造する革製品の外面となる。表面側最外層2と裏面側最外層3に用いる皮革は製造する革製品に応じて選択され、その性質は特に問わない。
革製品の外面側に現れる表面側最外層2にあっては、その下面において、多層皮革部材1を縫着する予定のラインである、縫着予定ライン(図示せず)に沿って、押圧による凹溝4が形成されている(図3、図4参照。)。
第1例では、凹溝4の形成は、まず縫着予定ラインに沿って先端がV字型のコテなどを表面側最外層2の下面に押し当てV字状の溝を形成し、次に、その形成したV字状の溝を先端がU字型のヘラなどで押し広げることにより行っている。凹溝4の押圧による形成方法はこれに限られず、他の押圧による形成方法によっても良い。
凹溝4の深さは、後述するところの積層した表面側最外層2と裏面側最外層3の周縁部を縫着したとき、表面側最外層2の上面に現れる糸目5が多層皮革部材1の周端上縁1aより厚さ方向に沈み膨出段部と多層皮革部材1の周端上縁1aとで形成される凹部に糸目5を収めることができる深さであれば特に問わないが、糸目5の上部が多層皮革部材1周端上縁1aと同一面又はそれ以下になる深さであることが好ましい。
また、表面側最外層2の下面には、凹溝4より内側に凹溝4に沿って帯状の段部形成床材6が、その外縁部を凹溝4の内縁から段部形成床材6の厚さと同等又はそれ以上の長さの間隔を空けて設けられている(図3、図4参照。)。
段部形成床材6の素材には、縫着による圧力を上下から受けても一定の厚さ以上の厚さを保持することができる素材を用い、例えば皮革、ウレタンなどを用いる。
ここで、一定の厚さとは、後述するところの、表面側最外層2と裏面側最外層3の周縁部を縫着したときに多層皮革部材1の表面に形成される膨出段部の高さを、膨出段部の頂部と多層皮革部材1の周端上縁との間に形成される凹部内に糸目5が納まり、糸目5が多層皮革部材1の表面から突出しない状態にする高さに形成することができる段部形成床材6の厚さをいう。
また、帯状の段部形成床材6の幅は後述する膨出段部を確実に形成することができる幅であれば特に限定されない。ただし、第1例の段部形成床材6は外縁から内縁にかけて厚さが減衰するテーパー形状に形成して、段部形成床材6の内縁の位置にあたる多層皮革部材1の表面に段部が生じないようにしているので、テーパー面6aが裏面側最外層3の上面に無理なく当接できる程度に傾斜が緩やかになる幅を有していることが好ましい。
また、表面側最外層2は、その下面に段部形成床材6の外縁部の上端辺に沿って罫書き線9が形成されている。罫書き線9は、後述するところの多層皮革部材1の周縁部を縫着する際に、表面側最外層2を段部形成床材6の外端縁6bから外端面6cに沿って屈曲させ易くするために形成するものであり、表面側最外層2の強度の低下に影響しない程度に浅く入れている(図3、図4参照。)。
このように構成された多層皮革部材1の表面側最外層2は裏面側最外層3の上面に積層され、周縁部において縫着予定ラインに沿って裏面側最外層3と縫着される。縫着にあたっては、あらかじめ縫着予定ラインに沿って菱目打ちなどを用いて縫い穴を形成する。そして形成された縫い穴に縫糸を通して表面側最外層2と裏面側最外層3とを縫着し、多層皮革部材1を一体化する。このとき、表面側最外層2の周縁部を段部形成床材6の外端縁6bから外端面6cに沿って屈曲させて、縫着を行う(図2参照)。このとき、裏面側最外層3が段部形成床材6に沿って屈曲しないことを要する。
このように縫着を行うと、表面側最外層2の下面に縫着予定ラインに沿って形成された凹溝4は縫着糸による上下方向からの縫着圧を受けて潰れ、表面側最外層2の上面が凹溝4の潰れに応じて陥没し、表面側最外層の上面に現れる糸目は多層皮革部材の周端上縁より厚さ方向に沈む。
また、表面側最外層2を段部形成床材6の外端縁6bから外端面6cに沿って屈曲させ、裏面側最外層3を屈曲させることなく表面側最外層2と裏面側最外層3を縫着することにより、多層皮革部材1の表面に糸目5の内側に沿って、糸目5を厚さ方向に越えて膨出する膨出段部7が形成される。
このように、表面側最外層2の上面を陥没させ、膨出段部7を形成することにより、表面側最外層2の上面には膨出段部7と多層皮革部材1の周端上縁1aとの間に凹部8が形成される。糸目5はこの凹部8の最深部に位置して凹部8内に収まり、多層皮革部材1の表面から糸目5が突出しない状態となる。
以上のように構成された第1例の多層皮革部材1によれば、凹部8内に糸目5を収めて、多層皮革部材1の表面から糸目5が突出しない状態にあるので、糸目5は、外部と容易に接触せず、外部との摩擦により擦り切れてしまうといった事態を防ぐことができる。
また、表面側最外層2の下面には、段部形成床材6が、その外縁部を凹溝4より内側に凹溝4に沿って、凹溝4の内縁から段部形成床材6の厚さと同等又はそれ以上の長さの間隔を空けて設けられているので、表面側最外層2の段部形成床材6の外端縁6bに当接している位置から、縫着予定ラインまでの幅が段部形成床材の外端面6cの幅と同等かそれ以上の長さとなり、裏面側最外層3を屈曲させることなく、表面側最外層2を段部形成床材6の外端縁6bから外端面6cに沿って屈曲させて縫着することができる。
そして、段部形成床材6の外縁に沿って罫書き線9が形成されているので、表面側最外層2を段部形成床材6に沿って屈曲することが容易になる。
更に、段部形成床材6は帯状に形成しているので材料を節約することができる。
また、段部形成床材6は外縁から内縁にかけて厚さが減衰するテーパー形状に形成しているので、段部形成床材6の内側で、表面側最外層と裏面側最外層の間で生じる段差を小さくすることができ、革製品の表面に浮きや段差が現れて意匠性が損なわれるといった事態を防ぐことができる
図6は、本発明に係る多層皮革部材の実施の形態の第2例を示す一部拡大断面図である。
第2例の多層皮革部材について、第1例と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
第2例では、多層皮革部材1は、表面側最外層2と裏面側最外層3の間に芯材となる中間層10が積層されている。
また、本例の表面側最外層2の下面には、第1例と同様に、テーパー形状に形成された帯状の段部形成床材6が設けられている。
中間層10は、段部形成床材6のテーパー面6aに対応するテーパー面10aをその周縁部に有しており、テーパー面10aをテーパー面6aに重ねるようにして積層されている。
その他の構成は第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
このように構成された本例の多層皮革部材1によれば、段部形成床材6の内縁側で表面側最外層2と裏面側最外層3の間に段差が生じることを確実に防ぎ、革製品の表面に浮きや段差が現れて意匠性が損なわれる事態を防ぐことができる。また、革製品に応じた芯材を積層することができ、多様な革製品に対応する多層皮革部材1を得ることができる。
その他の作用効果は第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
図7~図9は本発明に係る多層皮革部材の実施の形態の第3例を示すものであり、図7は本例の一部拡大断面図、図8は図7に示す多層皮革部材の裏面側最外層を除いた縫着前の表面側最外層の下面側を示す一部拡大平面図、図9は図8のC-C線断面図である。
第3例の多層皮革部材について、第1例と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
第3例では、多層皮革部材1は、表面側最外層2と裏面側最外層3の間にシート状の段部形成床材11が積層されている。
段部形成床材11は、表面側最外層2の下面において、その周縁が凹溝4の内縁に沿うように、凹溝4の内縁から段部形成床材11の厚さと同等又はそれ以上の長さの間隔を周囲に空けた位置に積層されている。
その他の構成は第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
このように構成された本例の多層皮革部材1によれば、段部形成床材11はシート状であるため多層皮革部材1の表面に浮きや段差が現れて意匠性が損なわれるといった事態を防ぐことができる。また段部形成床材11は多層皮革部材1の芯材となるので、容易に芯材が積層された多層皮革部材1を得ることができる。
その他の作用効果は第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
ここから、本発明に係る多層皮革部材の使用の形態について、本発明に係る多層皮革部材を用いて成形された財布を一例として説明する。図10は本発明に係る多層皮革部材を用いて成形された革製品の一例となる財布を示す斜視図である。
財布12は本発明に係る多層皮革部材1を、本体を形成する基材として用いて成形された長財布である。財布12は、多層皮革部材1の表面側を外面とし、裏面側をポケットなどの収容部を設ける内面としている。財布12は図10に示すように、周縁部が逢着され糸目5が形成されている。この糸目5は、財布12の表面の糸目5の内側に沿って糸目5を厚さ方向に越えて膨出するように形成された膨出段部7と、多層皮革部材1の周端上縁1aである財布12の表面の周端との間に形成された凹部8の最深部に形成されている。このことにより、財布12をポケットや鞄などからの出し入れの際に、糸目5と外部とが容易に接触せず、摩擦により擦り切れるといった事態を防止することができる。
また、糸目5の擦り切れ防止のために、皮革の強度を低下させるような構成を必要としないので、財布12の縫着部分が伸びたり破れたりすることなく、長期に使用することを可能することができる。
1 多層皮革部材
1a 周端上縁
2 表面側最外層
3 裏面側最外層
4 凹溝
5 糸目
6 段部形成床材
6a テーパー面
6b 外端縁
6c 外端面
7 膨出段部
8 凹部
9 罫書き線
10 中間層
10a テーパー面
11 段部形成床材
12 財布

Claims (5)

  1. 表裏面側に皮革からなる最外層を有する多層皮革部材であって、表面側最外層は、その下面に予め設定された縫着予定ラインに沿った押圧による凹溝が形成され、前記表面側最外層の下面には、前記凹溝より内側に前記凹溝に沿って段部形成床材が、その外縁部を前記凹溝の内縁から前記段部形成床材の厚さと同等又はそれ以上の長さの間隔を空けて設けられており、前記表面側最外層は前記段部形成床材の外縁部の上端辺から外端面に沿って屈曲して裏面側最外層の上面と重ねられ、重ね合わせた前記表面側最外層と前記裏面側最外層は前記凹溝が形成されている前記縫着予定ラインに沿って縫着されていることを特徴とする多層皮革部材。
  2. 前記表面側最外層は、その下面に前記段部形成床材の外縁部の上端辺に沿った罫書き線が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多層皮革部材。
  3. 前記段部形成床材は、帯状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層皮革部材。
  4. 前記段部形成床材は、内縁の厚さが外縁の厚さの1/2以下となるテーパー形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の多層皮革部材。
  5. 前記段部形成床材は、シート状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層皮革部材。
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