JP6995431B2 - 車載機およびキーレスエントリーシステム - Google Patents

車載機およびキーレスエントリーシステム Download PDF

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本発明は、車載機およびキーレスエントリーシステムに関する。
キーレスエントリーシステムは、車載機と携帯機から構成される。キーレスエントリーシステムにおいて、車載機と携帯機が通信を行い、車両のドアを施錠および開錠、またはエンジンの始動等の操作を行う。
このようなキーレスエントリーシステムにおいて、例えばドアの開錠操作を行う場合、携帯機を所持した使用者が、ドアに設置されたリクエストスイッチを操作する。リクエストスイッチが操作されると、車載機は携帯機に対して到達距離を限定したLF(低周波)のリクエスト信号を送信する。リクエスト信号を受信した携帯機は、車載機にアンサー信号を送信する。車載機は、携帯機からアンサー信号を受信すると、ドアの開錠操作を行う。
悪意を持った第三者が、中継器を用いてドアを不正に開錠する、いわゆるリレーアタックを試みることがある。第三者は、携帯機を所持する使用者が車両の遠方に居るときに、リクエストスイッチを操作する。リクエストスイッチの操作に応じて車載機はリクエスト信号を送信する。通常であれば、携帯機は車両の遠方にあるため、LF信号であるリクエスト信号を受信しない。ところが、携帯機と車両の間に設置された複数の中継器がリクエスト信号を中継するため、携帯機は遠方にあるにも関わらずリクエスト信号を受信する。携帯機がリクエスト信号に応じて送信するアンサー信号はRF(高周波)信号であるため、車載機に到達してドアが開錠される。これによって車両の側にいる第三者によって車両が盗難されるおそれがある
リレーアタックへの対策として、例えば、車載機に異なる位置に設置した複数の送信アンテナを備えることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。携帯機には、異なる軸線方向を向いた複数の受信アンテナを備える。車載機はリクエスト信号を各送信アンテナから出力する。携帯機は、各受信アンテナで受信したリクエスト信号の強度比を比較する。車載機の複数の送信アンテナは設置位置が異なるため、携帯機が受信するリクエスト信号の強度比も異なる。一方、中継器がリクエスト信号を中継して携帯機に送信した場合は、携帯機が受信するリクエスト信号の強度比は同じになる。携帯機は、リクエスト信号の強度比が同じである場合にはリレーアタックと判断して、アンサー信号を返信しない。
特開2006-342545号公報
しかしながら、例えば、中継器のアンテナを揺動または回転等で動かしながらリクエスト信号を中継した場合、携帯機が受信するリクエスト信号の強度比は同じとならないことがある。このような場合、携帯機がリレーアタックを判断できず、アンサー信号を返信するおそれがある。
車載機およびキーレスエントリーシステムにおいて、リレーアタックに対するセキュリティを向上させることが求められている。
本発明は、車両に設けられ、携帯機にリクエスト信号を送信し、前記携帯機から受信する前記リクエスト信号への応答であるアンサー信号に基づいて前記車両の動作を制御する車載機であって、
前記車載機は、
前記車両に配置された複数のアンテナと、
前記携帯機に対して、前記複数のアンテナのそれぞれから送信順序に基づいてリクエスト信号を送信させる車載機送信部と、
前記車載機送信部が前記複数のアンテナから送信させるリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が所定値以上となる第1信号および第2信号を連続して送信するように、前記送信順序を決定する送信順序決定部と、を備え
前記車載機送信部は、車両に配置された複数のスイッチの操作に応じて前記リクエスト信号を送信し、
前記車載機は、操作された前記スイッチの近傍を前記携帯機の推定位置として、前記スイッチごとに、前記送信順序を予め決定した送信順序情報を記憶する記憶部を備え、
前記送信順序決定部は、前記送信順序情報を参照して、操作されたスイッチに応じた前記送信順序を決定する
また、本発明は、車両に設けられリクエスト信号を送信する車載機と、前記リクエスト信号に応答してアンサー信号を送信する携帯機とを有し、前記車載機が前記アンサー信号に応じて前記車両の動作を制御するキーレスエントリーシステムであって、
前記車載機は、
前記車両に配置された複数のアンテナと、
前記携帯機に対して、前記複数のアンテナのそれぞれから送信順序に基づいてリクエスト信号を送信させる車載機送信部と、
前記車載機送信部が前記複数のアンテナから送信させるリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が所定値以上となる第1信号および第2信号を連続して送信
するように、前記送信順序を決定する送信順序決定部と、を備え、
前記携帯機は、
前記複数のアンテナからのリクエスト信号を受信する受信部と、
前記複数のアンテナから受信したリクエスト信号の受信強度を検出する強度検出部と、を備え、
前記車載機または前記携帯機は、前記携帯機の前記強度検出部の検出結果に基づいて、受信強度が所定値以上のリクエスト信号を抽出する抽出部と、
前記抽出部で抽出されたリクエスト信号の信号判別情報に基づいて、前記車両に対するリレーアタックを判定する判定部と、を備え
前記携帯機は、
前記強度検出部の検出結果に基づいて、前記リクエスト信号の受信強度に関する情報を含む再送要求を生成する信号生成部と、
前記信号生成部が生成した再送要求を前記車載機に送信する携帯機送信部と、をさらに備え、
前記車載機の前記送信順序決定部は、前記再送要求に含まれる前記リクエスト信号の受信強度に関する情報に基づいて、前記携帯機側での受信強度が所定値以上だったアンテナからリクエスト信号を連続して送信するように、前記送信順序を再決定し、
前記車載機送信部は、前記再決定された送信順序に基づいて前記複数のアンテナのそれぞれからリクエスト信号を前記携帯機に送信させる

本発明によれば、車載機およびキーレスエントリーシステムにおいて、リレーアタックに対するセキュリティを向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るキーレスエントリーシステムの概要図である。 車載機の構成を示すブロック図である。 メモリが記憶する送信順序テーブルの例を示す図である。 (a)は、キーレスコントローラのリクエスト信号の送信態様の一例を示し、(b)は携帯機での各リクエスト信号の受信強度の推定値を説明する図である。 携帯機の構成を示すブロック図である。 リレーアタックの態様を説明する図である。 DR送信アンテナ、FR送信アンテナ、RS送信アンテナから送信されたリクエスト信号の強度比の一例を示す図である。 DR送信アンテナ、FR送信アンテナ、RS送信アンテナが送信し、中継器のアンテナが中継したリクエスト信号の強度比の一例を示す図である。 中継器を動かした場合のリレーアタックの態様を説明する図である。 車載機の処理を示すフローチャートである。 携帯機の処理を示すフローチャートである。 変形例1に係る携帯機の処理を示すフローチャートである。 変形例2に係る車載機の処理を示すフローチャートである。 変形例2に係る携帯機の処理を示すフローチャートである。 DRSWが操作されたときの、実際の受信強度の一例を示す図である。 変形例3の車載機の処理を説明するフローチャートである。 変形例3の携帯機の処理を説明するフローチャートである。 変形例4の車載機の処理を説明するフローチャートである。 変形例4の携帯機の処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るキーレスエントリーシステムの概要図である。
図1に示すように、キーレスエントリーシステムは、車両Vに設けられた車載機1と、車両Vの使用者が所持する携帯機30とを有する。車載機1と携帯機30は、無線通信を行って、車両Vと携帯機30の対応関係の認証を行う。
車載機1は携帯機30にリクエスト信号Sを送信し、携帯機30はリクエスト信号Sに応答するアンサー信号を送信する。車載機1は、アンサー信号を用いて車両と携帯機30の対応関係の認証を行い、ドアロックの施錠または開錠の制御を行う。車載機1は、リクエスト信号Sを、例えば125-135KHzのLF信号として送信する。携帯機30は、例えばUHF帯のRF信号をアンサー信号として送信する。なお、キーレスエントリーシステムの制御対象としては、ドアロックのほかにエンジン始動やステアリングロック等もあるが、詳細な説明は省略する。実施の形態ではドアロックの制御について、特に開錠の制御について説明する。
図2は車載機の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車載機1は、リクエストスイッチ5、キーレスコントローラ10、送信アンテナ7、受信アンテナ8およびドアロックアクチュエータ9を備える。
リクエストスイッチ5は車体のドアに設置され、使用者のドアの開錠要求を受け付ける。リクエストスイッチ5は、車体の複数のドアのそれぞれ設置し、各ドアに対する開錠要求を受け付けるようにしても良い。例えば、図1に示すように、リクエストスイッチ5は、DRドアリクエストスイッチ(DRSW)5a、ASドアリクエストスイッチ(ASSW)5b、およびBKドアリクエストスイッチ(BKSW)5cを備える。DRSW5aは運転席ドアに設置する。ASSW5bは助手席ドアに設置する。BKSW5cはバックドアに設置する。リクエストスイッチ5は、例えばスイッチボタンとすることができる。スイッチボタンは、使用者がプッシュするまたは触れる等の操作を行うことによって、開錠要求を受け付ける。
送信アンテナ7はリクエストスイッチ5が操作されると、リクエスト信号SをLF信号として送信するものであり、車載機1に複数配置される。車載機1は、例えば、送信アンテナ7としてDR送信アンテナ7a、AS送信アンテナ7b、BK送信アンテナ7c、FR送信アンテナ7dおよびRS送信アンテナ7eを備える。DR送信アンテナ7aは運転席ドアに設置する。AS送信アンテナ7bは助手席ドアに設置する。BK送信アンテナ7cはバックドアに設置する。FR送信アンテナ7dはフロントシート近傍に設置する。RS送信アンテナ7eはリアシート近傍に設置する。なお、送信アンテナ7の設置位置および設置数はこの例に限られず、例えばラゲッジルーム内等に設置しても良い。
受信アンテナ8は、リクエスト信号Sへの返信として携帯機30が送信するアンサー信号を受信するものである。ドアロックアクチュエータ9は、運転席ドア、助手席ドアおよびバックドアを開錠および施錠する。
キーレスコントローラ10は、リクエストスイッチ5、送信アンテナ7、受信アンテナ8およびドアロックアクチュエータ9のそれぞれに接続する。キーレスコントローラ10は、リクエストスイッチ5の操作に応じてリクエスト信号Sを生成し、送信アンテナ7から携帯機30に送信させる。キーレスコントローラ10は、受信アンテナ8を介して、リクエスト信号Sに対するアンサー信号を受信して認証を行う。キーレスコントローラ10は、アンサー信号の認証結果に応じて、ドアロックアクチュエータ9の駆動を制御して、ドアの開錠を行う。
キーレスコントローラ10は、CPU11、LF送信部13、RF受信部14、メモリ12およびアクチュエータ駆動回路15を備える。LF送信部13は、送信アンテナ7に接続し、CPU11で生成したリクエスト信号SをLF電波として送信アンテナ7から送信させる。RF受信部14は、受信アンテナ8に接続し、アンサー信号を受信させる。アクチュエータ駆動回路15は、CPU11の入力に従って、ドアロックアクチュエータ9を駆動させる回路である。
メモリ12は、キーレスコントローラ10の制御プログラムや、キーレスコントローラ10の処理に必要な情報を格納する。メモリ12はまた、CPU11の処理において生成される諸データを一時的に記憶する。メモリ12は、一例として、携帯機30のID51と、リクエスト信号Sの送信順序テーブル52とを格納する。
図3は、メモリ12が記憶する送信順序テーブル52の例を示す図である。
車載機1のキーレスコントローラ10は、リクエスト信号Sを、複数の送信アンテナ7a~7eのそれぞれから順番に送信する。キーレスコントローラ10は、操作されたリクエストスイッチ5ごとに、複数の送信アンテナ7a~7eから異なる送信順序でリクエスト信号Sを送信する。図3に示すように、送信順序テーブル52は、各リクエストスイッチ5(DRSW5a、ASSW5b、BKSW5c)に対応するリクエスト信号Sの送信順序を示したものである。
図4の(a)は、キーレスコントローラ10のリクエスト信号Sの送信態様の一例を示し、(b)は、携帯機30での各リクエスト信号Sの受信強度の推定値を説明する図である。図4では、DRSW5aが操作された場合のリクエスト信号Sの送信態様の一例を示している。
図4の(a)に示すように、最初に送信されるリクエスト信号S1は、ウエイクアップ信号、データ信号およびバースト信号を含む。データ信号は、たとえば、全ての送信アンテナ7a~7eからリクエスト信号S1~S5の送信が完了する時間(送信完了時間)T1と暗号Cとを含む。バースト信号は、携帯機30側で受信強度を測定するための信号である。2番目以降に送信されるリクエスト信号S2~S5は、バースト信号のみを送信する。
送信順序テーブル52の送信順序は、各送信アンテナ7a~7eから送信されるリクエスト信号Sの、携帯機30側での受信強度の推定値に基づいて予め決定したものである。各リクエストスイッチ5を操作するときには、携帯機30を所持する使用者はそのリクエストスイッチ5の近傍に居ることが推定される。そのため、操作されるリクエストスイッチ5によって、各送信アンテナ7a~7eと携帯機30との距離が異なり、結果的に携帯機30側でのリクエスト信号Sの受信強度も異なる。送信アンテナ7a~7eと携帯機30の距離が近ければ、受信強度が高くなり、送信アンテナ7a~7eと携帯機30の距離が遠ければ、受信強度が低くなる。受信強度の推定値は、リクエストスイッチ5の近傍を携帯機の推定位置として、各送信アンテナ7a~7eと携帯機30の推定位置との距離に基づいて予め算出しておく。
送信順序テーブル52の送信順序は、携帯機30側での受信強度の推定値が最も高いリクエスト信号Sと、推定値が所定値PV以上のリクエスト信号Sが連続して送信されるように決定する。言い換えると、送信順序は、受信強度の推定値が高いリクエスト信号S同士の送信間隔が短くなるように、決定する。詳細は後述するが、携帯機30側では、リクエスト信号Sの強度比を算出してリクエスト信号S同士の強度比を比較する。ここで、受信強度が弱いと比較処理に使用可能な強度比が算出できない可能性がある。よって、所定値PVは、比較処理に使用可能な強度比を算出できる受信強度である。
送信順序の決定方法の一例として、例えば、送信順序は、携帯機30側での受信強度の推定値が最も高いリクエスト信号Sの前後に、推定値が2番目に高いリクエスト信号Sと、3番目に高いリクエスト信号Sを送信するように決定する。
例えば、DRSW5aが操作された場合、図4の(b)に示すように、携帯機側での受信強度の推定値を高い順に並べると以下のようになる。
DR送信アンテナ7a(信号S2)>FR送信アンテナ7d(信号S1)>RS送信アンテナ7e(信号S3)>BK送信アンテナ7c(信号S4)>AS送信アンテナ7b(信号S5)
また、図4の(b)の例では、DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7eが、受信強度の推定値が所定値PV以上となる。
この場合は、図3に示すように、送信順序は、例えば、FR送信アンテナ7d、DR送信アンテナ7a、RS送信アンテナ7e、BK送信アンテナ7c、AS送信アンテナ7bの順とする。この決定順序では、受信強度の推定値が最も高いDR送信アンテナ7aの前後に、推定値が2番目と3番目に高いFR送信アンテナ7dとRS送信アンテナ7eがリクエスト信号Sを送信する。なお、この順序はあくまで一例である。受信強度の推定値が最も高いリクエスト信号Sと、推定値が所定値PV以上となるリクエスト信号Sが連続して送信されれば良い為、その他の順序は適宜入れ替え可能である。
図2に示すように、CPU11は、制御部20、スイッチ判別部21、信号生成部22、および暗号処理部23を備える。制御部20は、不図示のタイマを備える。
特に記載しないが、CPU11の各部は、処理結果を一時的にメモリ12に記憶させ、必要なデータや処理対象をメモリ12から読み出し、処理終了後に一時的に記憶させたデータをリセットする。
スイッチ判別部21はリクエストスイッチ5a、5b、5cのいずれが操作されたかを判別し、判別結果を制御部20に入力する。
制御部20はCPU11全体の制御を行う。制御部20は、リクエスト信号Sの送信に関して、乱数などの暗号Cを生成し、また、メモリ12の送信順序テーブル52に基づいて、リクエスト信号Sの送信順序を決定する。制御部20は、生成した暗号Cを、処理指令と共に暗号処理部23に入力する。制御部20は、また、生成した暗号Cを、信号生成指令と共に信号生成部22に入力する。制御部20は、信号生成指令に、リクエスト信号Sの送信順序を含める。
暗号処理部23は、制御部20の処理指令に従って、制御部20が生成した暗号Cを、所定の計算プロセスで計算処理する。所定の計算プロセスは、メモリ12に記憶させた携帯機30のID51を組み込んでいる。暗号処理部23は、処理結果を車載機側処理結果としてメモリ12に記憶させる。この車載機側処理結果は、携帯機30からアンサー信号を受信したときに使用する。
信号生成部22は、制御部20の信号生成指令に従って、リクエスト信号Sを生成し、LF送信部13に出力する。信号生成部22は、信号生成指令が含む送信順序に従って、送信アンテナ7a~7eから、それぞれリクエスト信号Sを出力するようにLF送信部13を制御する。
制御部20は、携帯機30からのアンサー信号の受信に関して、アンサー信号の認証を行う。詳細は後述するが、アンサー信号は、リクエスト信号Sが含む暗号Cの、携帯機30側での処理結果(以降、「携帯機処理結果」という)を含む。制御部20は、携帯機処理結果を、メモリ12に記憶させた車載機側処理結果と照合する。携帯機30は車載機1の暗号処理部23と同じ計算プロセスで計算処理を行っているため、アンサー信号が対応する携帯機30から送信されたものであれば、処理結果は同一となる。携帯機処理結果と車載機側処理結果が同一であれば、制御部20はアンサー信号が対応する携帯機30からのものである旨を認証する。制御部20はアンサー信号を認証すると、駆動指令をアクチュエータ駆動回路15に出力する。アクチュエータ駆動回路15はドアロックアクチュエータ9を駆動させてドアを開錠する。
図5は携帯機30の構成を示すブロック図である。
携帯機30は、リモートコントローラ31、受信アンテナ32および送信アンテナ33を備えている。
受信アンテナ32は、車載機1が送信するリクエスト信号Sを受信し、送信アンテナ33は、アンサー信号をRF信号として送信する。受信アンテナ32は、いわゆる3軸アンテナであり、3つの受信アンテナ32a、32bおよび32cを備える。受信アンテナ32a、32bおよび32cは、それぞれ、x軸、y軸およびz軸と、異なる軸線方向(図1参照)を向くように配置する。受信アンテナ32a、32bおよび32cは、受信したリクエスト信号Sについて、それぞれ配置された軸線方向の磁界成分を検出する。
リモートコントローラ31は、受信アンテナ32を介して受信したリクエスト信号Sに対して後述する処理を行い、アンサー信号を生成する。リモートコントローラ31は、生成したアンサー信号を送信アンテナ33から車載機1に送信させる。
リモートコントローラ31は、CPU35、LF受信部37、強度検出部38、RF送信部39、およびメモリ36を備える。
LF受信部37は、受信アンテナ32に接続して、車載機1が送信するリクエスト信号Sを順次受信する。
強度検出部38は、LF受信部37が受信したリクエスト信号Sについて、それぞれが含むバースト信号のx軸、y軸およびz軸の各軸における受信強度を検出する。前記したように、リクエスト信号Sの送信元である送信アンテナ7a~7eは、車両の異なる位置に設置され、それぞれの携帯機30との距離が異なる。そのため、各送信アンテナ7a~7eが送信するリクエスト信号S1~S7の各軸の受信強度も異なる。強度検出部38は、検出した信号の各軸の受信強度をメモリ36に格納する。
なお、実施の形態では、車載機1の送信アンテナ7a~7eを車両の異なる位置に設置する例を説明したが、送信アンテナ7a~7eは、強度検出部38が検出するリクエスト信号Sのx、y、z各軸の受信強度がそれぞれ異なる様に配置すれば良く、適宜に変更可能である。例えば、複数の送信アンテナ7を同じ位置に、配置方向(アンテナの向き)が異なるように配置しても良い。配置方向が異なれば、それぞれの送信アンテナ7の形成する磁界が異なるので、強度検出部38の検出するx、y、z各軸受信強度も異なるものとなる。
RF送信部39は、アンサー信号をRF信号として送信アンテナ33から出力させる。メモリ36は、リモートコントローラ31の制御プログラムや、リモートコントローラ31の処理に必要な情報を格納する。メモリ36は、一例として、携帯機30のID51を格納する。
CPU35は、制御部40、暗号処理部41、および信号生成部42を備える。制御部40は、不図示のタイマを備える。
車載機1と同様に、CPU35の各部は、処理結果を一時的にメモリ36に記憶させ、必要なデータや処理対象をメモリ36から読み出し、処理終了後に一時的に記憶させたデータをリセットする。例えば、前記したようにメモリ36には強度検出部38が検出した受信強度が格納されるが、受信したリクエスト信号Sに応答するアンサー信号の送信が完了すると、CPU35は受信強度をメモリ36から消去する。
なお、詳細な説明は省略するが、携帯機30はコントロールスイッチを備えるようにしても良い。使用者がコントロールスイッチを操作することで、遠隔から車両のドアを施錠または開錠させたり、エンジンを始動させたりすることができる。
制御部40は、CPU35全体の制御を行う。制御部40は、リクエスト信号Sの受信に関して、抽出部および判定部として、以下の(i)~(ii)の処理を順次行う。
(i)受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出する
制御部40は、メモリ36を参照して、強度検出部38が検出した各リクエスト信号S1~S7の受信強度を参照し、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出する。所定値PVは、車載機側での送信順序を決定する際に用いた所定値PVと同じ値である。所定値PVは、予め決定してメモリ36に格納する。
(ii)リクエスト信号Sの強度比の比較
制御部40は、前記(i)で抽出した各リクエスト信号Sについて、x軸、y軸およびz軸それぞれの受信強度比(以下、単に「強度比」ともいう)を算出し、リクエスト信号S同士の強度比を比較して、互いに異なるかを判定する。
リクエスト信号Sの強度比は、リクエスト信号Sが車載機1から直接的に送信されたものであるか、それともリレーアタックを行う中継器によって中継されたものであるかを判別する情報(信号判別情報)である。リクエスト信号Sの強度比が同じ場合には、リクエスト信号Sが適正なものではなく、中継器によって送信された可能性がある。制御部40は、リクエスト信号Sが適正であると判定した場合にのみ、車載機1にアンサー信号を送信するように制御を行う。
ここで、中継器によるリレーアタックの基本的な仕組みを説明する。
図6は、リレーアタックの態様を説明する図である。なお、図6では簡略化のため、DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7eが送信したリクエスト信号Sのみを図示している。
車両のドアの不正開錠を試みる第三者は、携帯機30を所持する使用者が車両の遠方に居るときに、DRSW5aを操作する。DRSW5aの操作に応じて車載機1はリクエスト信号Sを送信する。このリクエスト信号Sを、携帯機30と車両の間に設置され、それぞれにアンテナを備えた複数の中継器が中継して、遠方にある携帯機30に受信させる。
このような中継器によって送信されたリクエスト信号Sに携帯機30がアンサー信号を返信すれば、ドアが不正開錠されてしまう。それを防止するために、(ii)の強度比の比較処理を行う。
前記したように、DRSW5aが操作された場合には、DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7eからのリクエスト信号Sの受信強度が高いことが想定される(図4の(b)参照)。前記(i)の処理で、これらのリクエスト信号Sが抽出された例を説明する。(ii)では、これらのリクエスト信号Sの強度比を比較する。
図7は、DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7eから送信されたリクエスト信号Sの強度比の一例を示す図である。
DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7eは、車載機1の異なる位置に設置されている。そのため、図7に示すように、各アンテナから送信される信号の強度比はすべて異なったものとなる。
一方、中継器は、単一のアンテナによって、リクエスト信号Sを中継する。そのため、車載機1の異なる位置に設置した送信アンテナ7a~7eから送信したリクエスト信号Sであっても、携帯機30が受信するリクエスト信号Sは、すべて同じ位置に設置されたアンテナから送信されたものとなる。
図8は、DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7eが送信し、中継器のアンテナが中継したリクエスト信号Sの強度比の一例を示す図である。
図8に示すように、中継器の同じアンテナによって送信されたことにより、携帯機30が受信するリクエスト信号Sは、強度比が同じになっている。
このように、中継器が中継したリクエスト信号Sは、強度比が同じになる可能性が高い。(ii)の処理において、強度比の比較を行い、リクエスト信号Sの強度比が異なっていると判定した場合にのみ、アンサー信号を返信することによって、リレーアタックを防止する。なお、同じ送信アンテナから送信したとしても、条件によって携帯機30での強度比に微差が生じることがある。そのため、強度比が完全に一致する場合以外をすべて「異なる」と判定するのではなく、差が微差である一定の範囲を超えた場合に「異なる」と判定するようにしても良い。
不正開錠を試みる第三者が、携帯機30で強度比の比較処理を行うことを想定して、リクエスト信号Sを中継する際に中継器を動かすという対策を取ることがある。
図9は、中継器を動かした場合のリレーアタックの態様を説明する図である。なお、図9では簡略化のため、DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7eが送信したリクエスト信号Sのみを図示している。
図9に示すように、複数の中継器のうち、リクエスト信号Sを携帯機30に直接的に送信する中継器が、揺動または回転等によって動かされている。このような状態でリクエスト信号Sを中継した場合に、同じアンテナでリクエスト信号Sを中継した場合であっても、リクエスト信号Sごとに送信位置が少しずつ異なってくる。隣接するリクエスト信号S同士であれば、送信間隔も短いものであるため、その間の中継器の動きも小さなものであり送信位置の変化も少ない。一方、例えば最初と最後のリクエスト信号Sのように、送信間隔が長くなるとその間に中継器が大きく動き、送信位置が大きく変化する。送信位置が大きく変化することによって、同じアンテナが中継した場合であっても、携帯機30が受信するリクエスト信号Sの強度比も異なってくる。
ここで、実施の形態と異なり、受信強度が高いリクエスト信号Sが連続して送信されるように送信順序を決定していない場合には、受信強度が高いリクエスト信号S同士の送信間隔が長くなるケースがある。そのようなケースでは、中継器での送信位置が大きく変化して、前記(ii)の強度比の比較処理において、強度比が異なると判定されてしまい、リレーアタックを防止できないおそれがある。
一方、実施の形態では、受信強度が高いと想定されるDR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7eのリクエスト信号Sが、連続して送信されるように送信順序を決定している。そのため、この場合、これらのリクエスト信号Sの送信間隔は短い為、中継器を動かしたとしても、その送信位置の変化が少ない。そのため、携帯機30が受信したリクエスト信号Sの強度比も、同じか微差の範囲にとどまる。これによって、(ii)の強度比の比較処理において、リクエスト信号S同士の強度比が同じであると判定されるため、携帯機30はアンサー信号を送信することがなく、リレーアタックを受ける可能性が低減される。
制御部40は、リクエスト信号Sが適正であると判定した場合、最初のリクエスト信号Sが含む暗号Cを取得する。制御部40は、取得した暗号Cを処理指令と共に暗号処理部41に入力する。
暗号処理部41は制御部40が入力した暗号Cを、所定の計算プロセスで計算処理する。所定の計算プロセスは、携帯機30のID51を組み込んだものであり、車載機1の暗号処理部23と同じ計算プロセスである。暗号処理部41は、処理結果を携帯機処理結果として制御部40に入力する。制御部40は、携帯機処理結果を、信号生成指令と共に信号生成部42に入力する。
信号生成部42は、携帯機処理結果を含むアンサー信号を生成して、RF送信部39に送る。RF送信部39は、アンサー信号をRF信号として送信アンテナ33から出力する。
以下、キーレスエントリーシステムの処理を説明する。
図10は、車載機1の処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、使用者によりリクエストスイッチ5が操作されると(ステップS11)、
スイッチ判別部21が、リクエストスイッチ5a、5b、5cのうちのどれが操作されたのかを判別して、メモリ12に記憶させる。
制御部20は、リクエスト信号Sに含ませる暗号Cを生成し、またメモリ12の送信順序テーブル52を参照して、操作されたリクエストスイッチ5に対応する送信順序を取得する(ステップS12)。制御部20は、生成した暗号Cと共に処理指令を暗号生成部に入力する。制御部20は、暗号Cと共に、送信順序を含む信号生成指令を信号生成部22に入力する。
暗号処理部23は、処理指令に従い、暗号Cを所定の計算プロセスで計算処理し、車載機側処理結果をメモリ12に記憶させる(ステップS13)。
信号生成部22は、信号生成指令に従ってリクエスト信号Sを生成する。信号生成部22は、LF送信部13を制御して、複数の送信アンテナ7a~7eのそれぞれから、送信順序に従ってリクエスト信号Sを送信させる(ステップS14)。信号生成部22は、最初に送信するリクエスト信号S1には、ウエイクアップ信号、データ信号およびバースト信号を含め、2番目以降に送信するリクエスト信号S2~S5には、バースト信号のみを含めるようにする。
制御部20は、すべてのリクエスト信号Sの送信が完了すると、制御部20は、携帯機30からのアンサー信号を待ち受ける(ステップS15)。なお、制御部20は、タイマを参照して、あらかじめ設定した応答待ち時間が経過してもアンサー信号を受信しなかった場合は、処理を終了する。
制御部20は、アンサー信号を受信すると(ステップS15:Yes)、アンサー信号が含む携帯機処理結果をメモリ12に記憶させておいた車載機側処理結果と照合する(ステップS16)。制御部20は、携帯機処理結果と車載機側処理結果が一致しなかった場合は(ステップS16:No)、処理を終了する。制御部20は、携帯機処理結果と車載機側処理結果が一致した場合(ステップS16:Yes)、アクチュエータ駆動回路15に駆動指令を出力する。アクチュエータ駆動回路15はドアロックアクチュエータ9を駆動させ(ステップS17)、ドアロックを開錠する。
図11は、携帯機30の処理を示すフローチャートである。
携帯機30のリモートコントローラ31は、コントロールスイッチが操作されたときを除き、リクエスト信号Sを受信するまではスリープモードにある。図11に示すように、リモートコントローラ31は、リクエスト信号Sを受信すると(ステップS21:Yes)、スリープモードを解除する。具体的には、携帯機30が最初に受信するリクエスト信号Sは、ウエイクアップ信号を含む。リモートコントローラ31は、このウエイクアップ信号に応答してスリープモードを解除する。
リモートコントローラ31の制御部40は、最初のリクエスト信号S1のデータ信号が含む送信完了時間T1を取得して、タイマのカウントを開始する(ステップS22)。携帯機30は、送信完了時間T1内に送信される2番目以降のリクエスト信号S2~S5も順次受信する。
強度検出部38は、受信したリクエスト信号Sの各軸の受信強度を順次検出して(ステップS23)、メモリ36に記憶させる。
制御部40は、送信完了時間T1が経過すると(ステップS24:Yes)、各リクエスト信号Sの受信強度を参照して、所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出する(ステップS25)。
制御部40は、ステップS25で抽出した各リクエスト信号Sについて、x軸、y軸およびz軸の受信強度の強度比を算出し、算出した各信号の強度比を比較し、互いに異なるかを判定する(ステップS26)。
制御部40は、リクエスト信号Sの強度比が同じと判定した場合(ステップS26:No)は、リレーアタックを受けている可能性が高い為、アンサー信号の生成を行わずに処理を終了する。
制御部40は、リクエスト信号Sの強度比が異なると判定した場合(ステップS26:Yes)は、リクエスト信号Sが適正であると判定し、最初のリクエスト信号S1のデータ信号が含む暗号Cを処理指令と共に暗号処理部41に入力する。
暗号処理部41は、処理指令に従い、暗号Cを所定の計算プロセスで計算処理し(ステップS27)、算出した携帯機処理結果を制御部40に入力する。制御部40は、携帯機処理結果を、信号生成指令と共に信号生成部42に入力する。信号生成部42は、携帯機処理結果を含むアンサー信号を生成する。信号生成部42は、RF送信部39を制御して、アンサー信号を送信アンテナ33から送信させる(ステップS28)。
リモートコントローラ31は、アンサー信号の返信後、通常動作状態からスリープ状態に戻り、処理を終了する。
なお、ステップS25において、所定値PV以上のリクエスト信号Sを所定数検出できなければ、制御部40は処理を終了するようにしても良い。所定数は、ステップS26の強度比の比較処理に必要な数であり、例えば3とすることができる。制御部40は、処理を終了する前に、車載機1に結果を送信するようにしても良い。
以上の通り、実施の形態では、
(1)車両に設けられリクエスト信号Sを送信する車載機1と、リクエスト信号Sに応答してアンサー信号を送信する携帯機30とを有し、車載機1がアンサー信号に応じて車両の動作を制御するキーレスエントリーシステムにおいて、
車載機1は、
車両に配置された複数の送信アンテナ7a~7e(アンテナ)と、
携帯機30に対して、複数の送信アンテナ7a~7eのそれぞれから送信順序に基づいてリクエスト信号Sを送信させるLF送信部13(車載機送信部)と、
LF送信部13が、複数の送信アンテナ7a~7eからから送信させるリクエスト信号Sのうち、前記携帯機30側での受信強度の推定値が所定値以上となるリクエスト信号S(第1信号および第2信号)を連続して送信するように、送信順序を決定する制御部20(送信順序決定部)と、を備え、
携帯機30は、
複数の送信アンテナ7a~7eからのリクエスト信号Sを受信するLF受信部37(受信部)と、
複数のアンテナから受信したリクエスト信号Sの受信強度を検出する強度検出部38と、
強度検出部38の検出結果に基づいて、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出する制御部40(抽出部)と、
抽出されたリクエスト信号Sの強度比(信号判別情報)に基づいて、車両に対するリレーアタックを判定する制御部40(判定部)と、を備える。
中継器のアンテナを揺動または回転等で動かしながらリクエスト信号Sを中継した場合、リクエスト信号Sの送信間隔が離れていると、中継器での送信位置が変わり、携帯機30が受信するリクエスト信号Sの強度比は同じとならないことがある。このような場合、携帯機30がリレーアタックを判断できず、アンサー信号を返信するおそれがある。実施の形態では、携帯機30側での受信強度の推定値が高いリクエスト信号Sが連続して送信されるように送信順序を決定している。そして、携帯機30側では受信強度が高いリクエスト信号Sを抽出し、それらの強度比に基づいて、リレーアタックを判定している。受信強度が高いリクエスト信号Sは連続して送信されているため、送信間隔が短く、中継器での送信位置は大きく変わらないため、携帯機30の制御部40において、強度比が同じであると判定されやすい。これによって、リレーアタックに対するセキュリティを向上させることができる。
なお、実施の形態では、第1信号を携帯機30側での受信強度の推定値が最も高いリクエスト信号Sとする例を説明したが、これに限られない。第1信号は受信強度の推定値が所定値PV以上の別のリクエスト信号、例えば、2番目に受信強度の推定値が高いリクエスト信号等としても良い。
(2)車載機1の制御部40(送信順序決定部)は、複数の送信アンテナから送信するリクエスト信号Sのうち、携帯機30側での受信強度の推定値が最も高いリクエスト信号S(第1信号)の前後に、受信強度の推定値が所定値PV以上のリクエスト信号S(第2信号)およびリクエスト信号S(第3信号)を送信するように、送信順序を決定し、
制御部40は、抽出した受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sのうち、最も受信強度が高いリクエスト信号Sと、当該最も受信強度が高いリクエスト信号Sの前後に送信された受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sの信号判別情報に基づいて、車両に対するリレーアタックを判定する。
受信強度の推定値が最も高いリクエスト信号Sの前後に、他の受信強度の推定値が高いリクエスト信号を送信することによって、受信強度が高いリクエスト信号Sが連続して送信されるため、中継器がリクエスト信号Sを中継した場合に、携帯機30の制御部40において、強度比が同じであると判定されやすい。これによって、リレーアタックに対するセキュリティを向上させることができる。
(3)車載機1の制御部40(送信順序決定部)は、携帯機30の推定位置に応じて、携帯機30側での受信強度の推定値が所定値以上となる第1信号および第2信号を連続して送信する。
具体的には、車載機1のLF送信部13は、車両に配置された複数のリクエストスイッチ5(スイッチ)への操作に応じてリクエスト信号Sを送信し、車載機1は、操作されたリクエストスイッチ5の近傍を携帯機30の推定位置として、リクエストスイッチ5ごとに、送信順序を予め決定した送信順序テーブル(送信順序情報)を記憶するメモリ12(記憶部)を備え、送信順序決定部は、送信順序テーブルを参照して、操作されたリクエストスイッチ5に応じた送信順序を決定する。
携帯機30を所持する使用者は、操作されたリクエストスイッチ5の近傍にいると推定される。よって、操作されたリクエストスイッチ5の近傍を携帯機30の推定位置として、スイッチごとに送信順序を予め決定することによって、受信強度が高いリクエスト信号Sが連続して送信されやすい。そして、送信順序を予め決定しておくことによって、速やかな処理が可能となる。
[変形例1]
変形例1では、携帯機30の制御部40の、抽出部としての処理の変形例である。
図12は、変形例1に係る携帯機30の処理を示すフローチャートである。
携帯機30の処理で、実施の形態と同様の部分は詳細な説明は省略する。
図12に示すように、携帯機30において、車載機1が送信したリクエスト信号Sを受信すると、強度検出部38が各リクエスト信号Sの受信強度を検出し、メモリ36に記憶させる(ステップS201~ステップS203)。変形例1では、強度検出部38は、各リクエスト信号Sの受信時刻を受信強度と共に記憶させる。
制御部40は、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出する(ステップS204~S205)。制御部40は、ステップS205において抽出した受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sについて、メモリ36に格納されている受信時刻を参照し、各リクエスト信号Sの隣接するリクエスト信号Sとの受信時刻の間隔を算出する。制御部40は、リクエスト信号S同士の受信時刻の間隔が所定時間PT以内となる組み合わせを抽出する(ステップS206)。
具体的には、例えば、受信強度が最も高いリクエスト信号Sと、その他の各リクエスト信号Sの受信時刻の間隔が、所定時間PT以内となる組み合わせを抽出する。所定時間PTは、隣接するリクエスト信号Sを、携帯機30で受信するタイミングの差分TI(図4の(a)参照)に対応する時間である。所定時間PTは、差分TIと同じ長さかTIより長い時間としても良い。例えば、図4の(b)に示す例では、DR送信アンテナ7aとFR送信アンテナ7dのリクエスト信号Sと、DR送信アンテナ7aとRS送信アンテナ7eのリクエスト信号Sの2つの組み合わせが抽出される。
前記したように、車載機側では、受信強度の推定値が高いリクエスト信号Sが連続して送信されるように、送信アンテナ7の送信順序を決定している。そして、携帯機30側で受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出することで、連続して送信されたリクエスト信号S同士で強度比の比較処理がされるようにしている。ただし、携帯機30を所持する使用者の実際の位置の微妙な違いや、周囲の環境の影響等の要因によって、受信強度の推定値が低かった場合でも、実際の受信強度が所定値PV以上になることがある。そのようなリクエスト信号Sが抽出され、比較処理の対象となることがある。
変形例1においては、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出した上で、さらに受信時刻の間隔が所定時間PT以内となる組み合わせを抽出することで、連続して送信した受信強度の高いリクエスト信号Sが強度比の比較処理に用いられやすくなる。
制御部40は、ステップS206で抽出した組み合わせのリクエスト信号Sについて、各軸の強度比を比較して、互いに異なるかを判定する(ステップS207)。制御部40は、リクエスト信号Sの強度比が同じと判定した場合(ステップS207:No)は、アンサー信号の生成を行わずに処理を終了する。制御部40は、リクエスト信号Sの強度比が異なると判定した場合(ステップS207:Yes)は、暗号処理部41で暗号Cを計算処理し(ステップS208)、制御部40が暗号処理部41の携帯機処理結果を、信号生成指令と共に信号生成部42に入力する。信号生成部42は、携帯機処理結果を含むアンサー信号を生成し、RF送信部39を制御して、送信アンテナ33から送信させる(ステップS209)。
以上の通り、変形例1では、
(4)携帯機30の制御部40(抽出部)は、強度検出部38の検出結果に基づいて受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出した後に、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sのなかで、リクエスト信号S同士の受信時刻の間隔(受信間隔)が所定時間PT以下になるリクエスト信号Sの組み合わせをさらに抽出する。制御部40(判定部)は、抽出されたリクエスト信号Sの組み合わせの強度比(信号判別情報)に基づいて、車両に対するリレーアタックを判定する。これによって、送信順序で決定した連続して送信される受信強度の高い信号のみが比較処理に用いられやすくなるため、比較処理にかかる時間を低減することができる。
[変形例2]
変形例2では、リクエスト信号Sの送受信を2回行う。車載機1は、1回目は、実施の形態と同様に、送信順序テーブル52に記載された送信順序に従ってリクエスト信号Sを送信する。携帯機30は、1回目に送信された各リクエスト信号Sの受信強度を検出すると、検出結果を含む再送要求を車載機1に送信する。車載機1は、携帯機30から受信した再送要求に含まれる受信強度の検出結果に基づいて、送信順序を再決定する。車載機1は、再決定した送信順序に従って、2回目のリクエスト信号Sの送信を行う。携帯機30は、2回目に送信された各リクエスト信号Sに対して、実施の形態と同様の処理を行い、アンサー信号を返信する。
図13は、変形例2に係る車載機の処理を示すフローチャートである。
図14は、変形例2に係る携帯機の処理を示すフローチャートである。
図13に示すように、車載機1の制御部20は、リクエストスイッチ5が操作されると(ステップS111)、メモリ12の送信順序テーブル52を参照して、操作されたリクエストスイッチ5に対応する送信順序を取得する(ステップS112)。制御部20は、送信順序を含む信号生成指令を信号生成部22に入力する。1回目のリクエスト信号Sは携帯機30での受信強度の検出のみに用いられるため、制御部20は暗号Cの生成は行わない。制御部20は、信号生成部22へ入力する信号生成指令と、暗号処理部23へ入力する処理指令にも、暗号Cは含ませない。
信号生成部22は、信号生成指令に従ってリクエスト信号Sを生成する。信号生成部22は、LF送信部13を制御して、複数の送信アンテナ7a~7eのそれぞれから、送信順序に従って1回目のリクエスト信号Sを送信させる(ステップS113)。1回目の送信においては、最初のリクエスト信号Sのデータ信号に暗号Cは含まず、送信完了時間T1のみを含む。
制御部20は、すべてのリクエスト信号Sの送信が完了すると、制御部20は、携帯機30からの再送要求を待ち受ける(ステップS114)。
図14に示すように、携帯機30は、リクエスト信号Sを受信すると(ステップS211:Yes)、タイマのカウントを開始し(ステップS212)、リクエスト信号Sを順次受信する。強度検出部38は、受信したリクエスト信号Sの各軸の受信強度を順次検出して(ステップS213)、メモリ36に記憶させる。
制御部40は、送信完了時間T1が経過すると(ステップS214:Yes)、1回目のリクエスト信号Sの場合は(ステップS215:Yes)、リレーアタックの判定処理は行わずに、車載機1にリクエスト信号Sの再送要求を送信する(ステップS216)。具体的には、制御部40は各リクエスト信号Sの受信強度の検出結果を、再送要求生成指令と共に信号生成部42に入力する。信号生成部42は、検出結果を含む再送要求を生成する。信号生成部42は、RF送信部39を制御して、再送要求を送信アンテナ33から送信させる。
図13に示すように、車載機1の制御部20は、再送要求を受信すると(ステップS114:Yes)、再送要求に含まれる検出結果を取得する。制御部20は、検出結果に基づいて、リクエスト信号Sの送信順序を再決定する(ステップS115)。
前記したように、送信順序テーブル52の送信順序は、携帯機30での受信強度の推定値に基づいて決定している。受信強度の推定値は、携帯機30を所持する使用者が、操作されたリクエストスイッチ5の近傍に居ることを前提として、各送信アンテナとリクエストスイッチ5との距離に基づいて算出されている。
しかしながら、同乗者がリクエストスイッチ5を操作した場合等、携帯機30を所持する使用者がリクエストスイッチ5の近傍にいないこともある。また、周囲の環境等の要因によって、送信アンテナ7とリクエストスイッチ5の距離と受信強度が対応しないこともある。そこで、1回目のリクエスト信号Sで携帯機30での実際の受信強度を検出し、車載機1はその実際の受信強度に基づいて、送信順序を再決定する。送信順序は、携帯機30側での受信強度の検出値が最も高いリクエスト信号Sと検出値が所定値PV以上のリクエスト信号Sが連続して送信されるように再決定する。
図15は、DRSW5aが操作されたときの、実際の受信強度の一例を示す図である。
例えば、DRSW5aが操作されたときの、受信強度の推定値は、高い順からDR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7d、RS送信アンテナ7e、BK送信アンテナ7c、AS送信アンテナ7bとなる(図4の(b)参照)。その受信強度の推定値に基づいて、送信順序テーブル52の送信順序は、例えば、FR送信アンテナ7d、DR送信アンテナ7a、RS送信アンテナ7e、BK送信アンテナ7c、AS送信アンテナ7bの順とする(図3参照)。受信強度の推定値が最も高いDR送信アンテナ7aの前後に、推定値が2番目と3番目に高いFR送信アンテナ7dとRS送信アンテナ7eがリクエスト信号Sを送信する。
しかしながら、例えば、携帯機30を所持する使用者が運転席ドアではなくバックドアの近傍にいた場合、携帯機30の強度検出部38が検出する実際の受信強度は、図15に示すように、BK送信アンテナ7c、RS送信アンテナ7e、DR送信アンテナ7a、AS送信アンテナ7b、FR送信アンテナ7dの順となる。このような場合、車載機1の制御部20は、送信順序を、例えば、RS送信アンテナ7e、BK送信アンテナ7c、DR送信アンテナ7a、AS送信アンテナ7b、FR送信アンテナ7dの順序とする。受信強度の推定値が最も高いDR送信アンテナ7aの前後に、推定値が2番目と3番目に高いFR送信アンテナ7dとRS送信アンテナ7eがリクエスト信号Sを送信する。
制御部20は、リクエスト信号Sに含ませる暗号Cを生成し、さらに検出結果に基づいてリクエスト信号Sの送信順序を再決定する(ステップS115)。制御部20は、2回目の送信では、リクエスト信号Sに含ませる暗号Cを生成し、処理指令を暗号生成部に入力する。制御部20は、また、暗号CとステップS115で再決定した送信順序とを含む信号生成指令を信号生成部22に入力する。
暗号処理部23は、処理指令に従い、暗号Cを所定の計算プロセスで計算処理し、車載機側処理結果をメモリ12に記憶させる(ステップS116)。
信号生成部22は、信号生成指令に従ってリクエスト信号Sを生成する。信号生成部22は、LF送信部13を制御して、複数の送信アンテナ7a~7eのそれぞれから、再決定した送信順序に従って2回目のリクエスト信号Sを送信させる(ステップS117)。信号生成部22は、2回目の送信において、最初に送信するリクエスト信号S1には、ウエイクアップ信号、データ信号およびバースト信号を含め、2番目以降に送信するリクエスト信号S2~S5には、バースト信号のみを含めるようにする。
制御部20は、すべてのリクエスト信号Sの送信が完了すると、制御部20は、携帯機30からのアンサー信号を待ち受ける(ステップS118)。制御部20は、アンサー信号を受信すると(ステップS118:Yes)、実施の形態と同様に、ステップS118~S120の処理を行う。
図14に示すように、携帯機30の制御部40は、2回目のリクエスト信号Sに対しては(ステップS215:No)、実施の形態と同様に、リクエスト信号Sの処理を行う(S217~S220)。
以上の通り、変形例2では、
(5)携帯機30は、
強度検出部38の検出結果に基づいて、リクエスト信号Sの受信強度に関する情報を含む再送要求を生成する信号生成部42(信号生成部)と、
信号生成部42が生成した再送要求を車載機1に送信するRF送信部39(携帯機送信部)と、を備える。車載機1の制御部40(送信順序決定部)は、再送要求に含まれるリクエスト信号Sの受信強度の検出結果(受信強度に関する情報)に基づいて、携帯機30側での受信強度が所定値PV以上だった送信アンテナ7からリクエスト信号Sを連続して送信するように、送信順序を再決定する。LF送信部13(車載機送信部)は、再決定された送信順序に基づいて複数の送信アンテナ7a~7e(アンテナ)のそれぞれからリクエスト信号Sを携帯機30に送信させる。
受信強度の推定値に基づいて送信順序を決定した場合、実際の受信強度を異なることがある。変形例2では、1回目のリクエスト信号Sで検出した受信強度を再送要求として車載機1に送信し、車載機1でその検出結果に基づいて送信順序を変更して2回目のリクエスト信号Sを送信することで、確実に、受信強度が高いリクエスト信号Sを連続して携帯機30に送信することができ、リレーアタックの判定精度を高めることができる。
前記では、すべての送信アンテナ7a~7eからリクエスト信号Sを再送する例を説明したが、強度検出部38の検出結果で、所定値PV以上の受信強度を有するリクエスト信号Sを送信した送信アンテナのみから、再送するようにしても良い。図15の例では、DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7dおよびRS送信アンテナ7eの3つの送信アンテナのみからリクエスト信号Sのみを再送するようにしても良い。
また、前記では、携帯機30は受信強度に関する情報として受信強度の検出結果をそのまま再送要求に含めて送信したが、受信強度に関する情報はこの態様に限られない。例えば、携帯機30の制御部40において、受信強度の検出結果に基づいて2回目のリクエスト信号Sの送信順序を決定し、再送要求に含めても良い。
[変形例3]
変形例3は、変形例1の抽出処理と、変形例2の再送要求を組み合わせたものである。車載機1および携帯機30の処理で、変形例1および変形例2と同様の部分は詳細な説明は省略する。
図16は、変形例3の車載機の処理を説明するフローチャートである。
図17は、変形例3の携帯機の処理を説明するフローチャートである。
車載機1の制御部20は、リクエストスイッチ5が操作されると(ステップS151)、図16に示すように、メモリ12の送信順序テーブル52を参照して、操作されたリクエストスイッチ5に対応する送信順序を取得し(ステップS152)、暗号Cを生成する(ステップS153)。制御部20は、暗号Cと送信順序を含む信号生成指令を信号生成部22に入力する。制御部20は、暗号Cを含む処理指令を暗号処理部23に入力し、暗号処理部23は処理指令に従って、暗号処理を行う(ステップS154)
信号生成部22は、信号生成指令に従ってリクエスト信号Sを生成する。信号生成部22は、LF送信部13を制御して、複数の送信アンテナ7a~7eのそれぞれから、送信順序に従ってリクエスト信号Sを送信させる(ステップS155)。最初のリクエスト信号S1のデータ信号は暗号Cと送信完了時間T1を含む。
制御部20は、すべてのリクエスト信号Sの送信が完了すると、制御部20は、携帯機30からの再送要求またはアンサー信号を待ち受ける。携帯機30から再送要求を受信した場合は(ステップS156:Yes)、検出結果に基づいて、リクエスト信号Sの送信順序を再決定し(ステップS157)、リクエスト信号Sを再送信する(ステップS153~S155)。
車載機1は、携帯機30からアンサー信号を受信した場合は(ステップS156:No、ステップS158:Yes)、実施の形態と同様に、ステップS159~S160の処理を行う。
図17に示すように、携帯機30において、車載機1が送信したリクエスト信号Sを受信すると、強度検出部38が各リクエスト信号Sの受信強度を検出し、メモリ36に受信時刻と共に記憶させる(ステップS251~ステップS254)。制御部40は、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出する(ステップS255)。制御部40は、さらに、各リクエスト信号Sの隣接するリクエスト信号Sとの受信時刻の間隔を算出して、リクエスト信号S同士の受信時刻の間隔が所定時間PT以内となる組み合わせを抽出する(ステップS256)。
制御部40が抽出したリクエスト信号Sの組み合わせが、所定数に満たなかった場合(ステップS257:No)、制御部40は、ステップS253で検出した受信強度の検出結果を含む再送要求を、車載機1に送信する(ステップS258)。所定数は、強度比の比較処理に必要な数の組み合わせであり、例えば2組以上とすることができる。なお、制御部は、ステップS255において受信強度が所定値以上のリクエスト信号がステップS259の比較処理に必要な数(例えば3以上)は抽出できているが、ステップS257で組み合わせが所定数に満たなかった場合にのみ、再送要求を送るようにしても良い。
制御部は、再送要求を送る際は、変形例2と同様に、受信強度の検出結果をそのまま再送要求に含めても良いが、ステップS255の抽出結果に基づいて変更後の送信順序を決定し、再送要求に含めても良い。
制御部40は、再送要求の送信後、ステップS251に戻り、車載機1からのリクエスト信号Sの再送を待ち受ける。
制御部40が抽出したリクエスト信号Sの組み合わせが所定数以上の場合(ステップS257:Yes)、制御部40は、ステップS256で抽出した組み合わせのリクエスト信号Sについて、実施の形態と同様に、S259~S261の処理を行って、リクエスト信号Sが適正であれば、車載機1にアンサー信号を返信する。
以上の通り、変形例3では、
(6)携帯機30の制御部40(抽出部)は、強度検出部38の検出結果に基づいて受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出した後に、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sのなかで、リクエスト信号S同士の送信間隔が所定時間PT以下になるリクエスト信号Sの組み合わせをさらに抽出する。
携帯機30は、制御部40でリクエスト信号S同士の送信間隔が所定時間PT以下になる組み合わせが所定数未満の場合に、リクエスト信号Sの受信強度に関する情報を含む再送要求を生成する信号生成部42(信号生成部)と、信号生成部42が生成した再送要求を車載機1に送信するRF送信部39(携帯機送信部)と、を備える。
車載機1の制御部20(送信順序決定部)は、再送要求に含まれるリクエスト信号Sの受信強度に関する情報に基づいて、携帯機30側での受信強度が所定値PV以上だった送信アンテナ7からリクエスト信号Sを連続して送信するように、送信順序を再決定する。車載機1のLF送信部13(車載機送信部)は、再決定された送信順序に基づいて複数の送信アンテナ7a~7e(アンテナ)のそれぞれから携帯機30にリクエスト信号Sを送信させる。
変形例3では、比較処理に用いるリクエスト信号Sの組み合わせが所定数未満の場合のみ、受信強度の検出結果を車載機1に送信して、送信順序を再決定し、リクエスト信号Sの再送を行うことによって、リクエスト信号Sの送信回数を低減し、処理時間を低減することができる。
[変形例4]
図18は、変形例4の車載機の処理を説明するフローチャートである。
図19は、変形例4の携帯機の処理を説明するフローチャートである。
図18に示すように、車載機1の制御部20は、リクエストスイッチ5が操作されると(ステップS171)、実施の形態と同様にステップS171~S173の処理を行い、信号生成部22が、複数の送信アンテナ7a~7eのそれぞれから、送信順序に従ってリクエスト信号S1~S5を送信させる(ステップS174)。その後に、信号生成部22は、受信強度の推定値が最も高い送信アンテナから、もう一度リクエスト信号S6を送信する(ステップS175)。変形例4において、最初のリクエスト信号S1が含むデータ信号には、リクエスト信号S1~S6の送信完了時間T1が含まれている。
例えば、図3および図4に示す例では、DRSW5aが操作された場合に、FR送信アンテナ7d、DR送信アンテナ7a、RS送信アンテナ7e、BK送信アンテナ7c、AS送信アンテナ7bの順序でリクエスト信号S1~S5を送信した後に、受信強度の推定値が最も高いDR送信アンテナ7aから、リクエスト信号S6を送信する。
車載機1は、携帯機30からアンサー信号を受信した場合は(ステップS176:Yes)、実施の形態と同様に、ステップS177~S178の処理を行う。
図19に示すように、携帯機30は車載機1からのリクエスト信号Sを受信すると(ステップS271)、実施の形態と同様にステップS272~S274の処理を行い、リクエスト信号S1~S5の中から、所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出する(ステップS275)。変形例4では、最後に送信されたリクエスト信号S6は、抽出の対象としない。ここでは、所定値PV以上のリクエスト信号Sとして、リクエスト信号S1~S3が抽出された例を説明する。リクエスト信号S1~S3の中で、DR送信アンテナ7aが送信したリクエスト信号S2が、最も受信強度が高い。
携帯機30の制御部40は、実施の形態と同様に、抽出したリクエスト信号S1~S3の強度比を算出して、強度比を比較し、互いに異なるかを判定する(ステップS276)。制御部40は、強度比が互いに異なると判定した場合に(ステップS276:Yes)、さらに受信強度が最も高いリクエスト信号S2と、最後に送信されたリクエスト信号S6の強度比を比較して、強度比が同じになるかを判定する(ステップS277)。
受信強度が最も高いリクエスト信号S2と、最後に送信されたリクエスト信号S6は、送信元が同じDR送信アンテナ7aであるため、強度比は同じとなる。ここで、図9に示した揺動または回転等によって動かされている中継器がリクエスト信号S2およびS6を中継した場合、リクエスト信号S2とS6は、送信間隔が長くなっている。前記したように、送信間隔が長くなると送信位置が大きく変化するため、リクエスト信号S2とS6は、送信元が同じであっても強度比が同じにならない可能性が高い。
よって、制御部40は、受信強度が最も高いリクエスト信号S2と、最後に送信されたリクエスト信号S6の強度比が異なる場合(ステップS277:No)には、リレーアタックを判定して、アンサー信号を送信せずに処理を終了する。制御部40は、リクエスト信号S2とS6の強度比が同じである場合は、実施の形態と同様にS278~S279の処理を行って、アンサー信号を車載機1に送信する。
以上の通り、変形例4では、
(7)車載機1のLF送信部13(車載機送信部)は、複数の送信アンテナ7a~7e(アンテナ)の全てからリクエスト信号S1~S5を送信した後に、携帯機30側での受信強度の推定値が最も高い送信アンテナからもう一度リクエスト信号S6を送信し、携帯機30の制御部40(判定部)は、抽出した受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sのうち、最も受信強度が高いリクエスト信号S2と、最後に送信したリクエスト信号S6の強度比(信号判別情報)が異なる場合に、車両に対するリレーアタックを判定する。異なる送信アンテナ7から送信したリクエスト信号S同士の強度比の比較処理に加えて、同じ送信アンテナ7から送信間隔を空けて2回送信したリクエスト信号S2、S6同士の強度比を比較することで、中継器が動かされている場合のリレーアタックをより判定しやすくなる。
[変形例5]
前記の実施の形態では、携帯機30のリモートコントローラ31の制御部40において、受信したリクエスト信号S1~S7から、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出し、抽出したリクエスト信号Sの受信強度比を比較してリレーアタックを判定する例を説明したが、これに限られない。車載機1の制御部20が、抽出部および判定部として、所定値PV以上のリクエスト信号Sの抽出処理および強度比の比較処理を行っても良い。
この場合、携帯機30は、図11のステップS24の後に、ステップS25の抽出処理およびステップS26の強度比の比較処理は行わずに、ステップS27~S28の処理を行う。ステップS28において車載機1に送信するアンサー信号には、ステップS23において検出したリクエスト信号S1~S7の受信強度を含める。
車載機1の制御部20は、図10のステップS16において、アンサー信号が含む携帯機処理結果とメモリ12に記憶させた車載機側処理結果が一致すると判定した場合に、アンサー信号に含まれるリクエスト信号S1~S7の受信強度を用いて抽出処理と強度比の比較処理を行う。制御部20は、比較処理の結果、各リクエスト信号Sの強度比が同じであれば、リレーアタックを判定してドアロックを駆動せずに処理を終了し、強度比が異なればドアロックを開錠する。
以上の通り、変形例5では、
(8)車載機1の制御部20が、抽出部および判定部として、携帯機30の強度検出部38の検出結果に基づいて、受信強度が所定値PV以上のリクエスト信号Sを抽出し、抽出したリクエスト信号Sの強度比(信号判別情報)に基づいて、車両に対するリレーアタックを判定する構成とした。
変形例5においては、実施の形態と同様に、リレーアタックに対するセキュリティを向上させることができる。さらに、車載機1で強度比の比較処理を行うため、携帯機30での処理負荷を低減することができる。
なお、ここでは、車載機1側で抽出処理および比較処理の全てを行う例を説明したが、これに限られず、抽出処理および比較処理を車載機1および携帯機30でどのように分担するかは、適宜変更可能である。例えば、図11のステップS25の抽出処理までは携帯機30で行い、抽出したリクエスト信号Sの受信強度の情報をアンサー信号に含めて車載機1に送るようにしても良い。また、変形例5は、実施の形態だけでなく、他の変形例にも適用可能である。例えば、変形例5を変形例1に適用することができる。この場合も、図12のステップS205~ステップS207の処理を、車載機1および携帯機30でどのように分担するかは、適宜決定することができる。いずれの場合も、携帯機30は、行った処理結果を車載機1に送るアンサー信号に含め、車載機1はアンサー信号に含まれる処理結果に基づいて処理を行う。
[変形例6]
前記の実施の形態では、携帯機30は、リクエスト信号Sの信号判別情報として、各軸の受信強度比を用いたが、これに限られない。例えば、信号判別情報として、リクエスト信号Sの受信強度自体を用いても良く、あるいはリクエスト信号Sの角度を用いても良い。リクエスト信号の受信強度および角度は、それぞれ送信アンテナ7a~7eと携帯機30の距離に応じて変動するものであり、リレーアタックを判定するための比較処理に用いることができる。なお、受信強度比、角度、受信強度の複数の信号判別情報の全部または一部を組み合わせて使用するようにしても良い。
[変形例7]
前記の実施の形態では、リクエストスイッチ5の操作に応じて車載機1がリクエスト信号Sを送信する例を説明したが、車載機1がリクエストS信号を送信するケースは、これに限られない。例えば、車載機1は、携帯機30の位置検出を行った後に、リクエスト信号の送信を行うことがある。携帯機30の位置検出は、例えば、携帯機30を用いて車両の移動等のリモートコントロールを行っている間、携帯機30が車両の近傍に所在しているかを確認するために行われる。
携帯機30の位置検出は、車載機1と携帯機30の通信によって行う。車載機1の信号生成部22は応答要求信号を生成して、LF送信部13を制御し、送信アンテナ7a~7eのそれぞれから応答要求信号を出力する。携帯機30が、いずれかの送信アンテナの出力範囲内に位置していれば、携帯機30はその送信アンテナからの応答要求信号を受信する。携帯機30の信号生成部42は、応答要求信号に対する応答信号を生成して、RF送信部39を制御し、送信アンテナ33から応答信号を送信する。
車載機1の制御部20は、応答信号を受信すると、推定部として携帯機30の位置を推定し、携帯機30の推定位置に応じて、携帯機30での強度の推定値が高いリクエスト信号Sが連続して送信されるように送信順序を決定する。制御部20は、例えば、携帯機30の位置を、応答要求信号を出力した送信アンテナの出力範囲内と推定する。
例えば、DR送信アンテナ7aが応答要求信号の出力元だった場合、DR送信アンテナ7aから送信するリクエスト信号Sが、携帯機での受信強度が最も高くなることが推定される。また、送信アンテナ7aに距離が近いFR送信アンテナ7dとRS送信アンテナ7eが、リクエスト信号の受信強度が2番目および3番目に高いと推定される。制御部20は、DR送信アンテナ7a、FR送信アンテナ7dおよびRS送信アンテナ7eから連続してリクエスト信号Sを送信されるように、送信順序を決定する。
また、前記の実施の形態では、リクエストスイッチ5の操作に応じて車載機1が送信するリクエスト信号Sの構成を図4の(a)に示しているが、あくまで一例であり、リクエスト信号Sの構成は特定のものに限られず、通信の目的に応じて適宜変更可能である。例えば、車載機1と携帯機30で既に暗号処理結果の照合を完了した後の通信等では、最初のリクエスト信号S1にウエイクアップ信号およびデータ信号を含めず、全てのS1~S5をバースト信号のみで構成しても良い。
以上の通り、変形例7では、
(9)車載機1のLF送信部13(車載機送信部)は、所定のタイミングで、複数の送信アンテナ7a~7e(アンテナ)のそれぞれから携帯機30に対して応答要求信号を送信し、
車載機1の制御部20は、推定部および送信順序決定部として、応答要求信号に対する携帯機30からの応答信号に基づいて、携帯機30の位置を推定し、携帯機30の推定位置に応じて、送信順序を決定する。
携帯機30からの応答信号に基づいて携帯機30の位置を推定して送信順序を決定することによって、受信強度が高いリクエスト信号Sが連続して送信されやすくなり、リレーアタックに対するセキュリティを向上させることができる。
なお、ここでは、車載機1の制御部20が、応答要求信号を送信した送信アンテナ7の出力範囲を携帯機30の位置と推定する例を説明したが、制御部20は、より詳細に携帯機30の位置を推定しても良い。その場合は、車載機1が送信する応答要求信号に、受信強度を検出するためのバースト信号を含ませて、携帯機30の強度検出部38で受信強度を検出するようにしても良い。携帯機30が送信する応答信号には、強度検出部38で検出した受信強度の情報を含ませる。車載機1の制御部20は、応答信号の受信強度の情報から、公知の方法を用いて携帯機30の詳細な位置を推定し、推定位置に基づいて送信順序を決定しても良い。
なお、変形例1~7は、実施の形態に適用するだけに留まらず、各変形例同士を適宜組み合わせても良い。
1 車載機
5 リクエストスイッチ
5a DRドアリクエストスイッチ(DRSW)
5b ASドアリクエストスイッチ(ASSW)
5c BKドアリクエストスイッチ(BKSW)
7 送信アンテナ(アンテナ)
7a DR送信アンテナ(アンテナ)
7b AS送信アンテナ(アンテナ)
7c BK送信アンテナ(アンテナ)
7d FR送信アンテナ(アンテナ)
7e RS送信アンテナ(アンテナ)
8 受信アンテナ
9 ドアロックアクチュエータ
10 キーレスコントローラ
11 CPU
12 メモリ
13 LF送信部(車載機送信部)
14 RF受信部(受信部)
15 アクチュエータ駆動回路
20 制御部(送信順序決定部、判定部)
21 スイッチ判別部
22 信号生成部
23 暗号処理部
30 携帯機
31 リモートコントローラ
32(32a、32b、32c) 受信アンテナ
33 送信アンテナ
35 CPU
36 メモリ
37 LF受信部(受信部)
38 強度検出部
39 RF送信部
40 制御部(判定部、送信順序変更部)
41 暗号処理部
42 信号生成部
51 ID
52 送信順序テーブル
V 車両
S、S1~S6 リクエスト信号

Claims (12)

  1. 車両に設けられ、携帯機にリクエスト信号を送信し、前記携帯機から受信する前記リクエスト信号への応答であるアンサー信号に基づいて前記車両の動作を制御する車載機であって、
    前記車載機は、
    前記車両に配置された複数のアンテナと、
    前記携帯機に対して、前記複数のアンテナのそれぞれから送信順序に基づいてリクエスト信号を送信させる車載機送信部と、
    前記車載機送信部が前記複数のアンテナから送信させるリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が所定値以上となる第1信号および第2信号を連続して送信するように、前記送信順序を決定する送信順序決定部と、を備え
    前記車載機送信部は、車両に配置された複数のスイッチの操作に応じて前記リクエスト信号を送信し、
    前記車載機は、操作された前記スイッチの近傍を前記携帯機の推定位置として、前記スイッチごとに、前記送信順序を予め決定した送信順序情報を記憶する記憶部を備え、
    前記送信順序決定部は、前記送信順序情報を参照して、操作されたスイッチに応じた前記送信順序を決定することを特徴とする車載機。
  2. 前記第1信号は、前記携帯機側での受信強度の推定値が最も高いリクエスト信号であることを特徴とする請求項1記載の車載機。
  3. 前記送信順序決定部は、前記複数のアンテナから送信するリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が最も高い前記第1信号の前後に、受信強度の推定値が所定値以上の第2信号および第3信号を送信するように、前記送信順序を決定することを特徴とする請求項2記載の車載機。
  4. 車両に設けられ、携帯機にリクエスト信号を送信し、前記携帯機から受信する前記リクエスト信号への応答であるアンサー信号に基づいて前記車両の動作を制御する車載機であって、
    前記車載機は、
    前記車両に配置された複数のアンテナと、
    前記携帯機に対して、前記複数のアンテナのそれぞれから送信順序に基づいてリクエスト信号を送信させる車載機送信部と、
    前記車載機送信部が前記複数のアンテナから送信させるリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が所定値以上となる第1信号および第2信号を連続して送信するように、前記送信順序を決定する送信順序決定部と、を備え、
    前記車載機送信部は、所定のタイミングで、前記複数のアンテナのそれぞれから前記携帯機に対して応答要求信号を送信し、
    前記車載機は、
    前記応答要求信号に対する前記携帯機からの応答信号に基づいて、前記携帯機の位置を推定する推定部を備え、
    前記送信順序決定部は、前記推定部が推定した前記携帯機の推定位置に応じて、前記携帯機側での受信強度の推定値が所定値以上となる前記第1信号および前記第2信号を連続して送信するように前記送信順序を決定することを特徴とする車載機。
  5. 車両に設けられリクエスト信号を送信する車載機と、前記リクエスト信号に応答してアンサー信号を送信する携帯機とを有し、前記車載機が前記アンサー信号に応じて前記車両の動作を制御するキーレスエントリーシステムであって、
    前記車載機は、
    前記車両に配置された複数のアンテナと、
    前記携帯機に対して、前記複数のアンテナのそれぞれから送信順序に基づいてリクエスト信号を送信させる車載機送信部と、
    前記車載機送信部が前記複数のアンテナから送信させるリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が所定値以上となる第1信号および第2信号を連続して送信
    するように、前記送信順序を決定する送信順序決定部と、を備え、
    前記携帯機は、
    前記複数のアンテナからのリクエスト信号を受信する受信部と、
    前記複数のアンテナから受信したリクエスト信号の受信強度を検出する強度検出部と、を備え、
    前記車載機または前記携帯機は、前記携帯機の前記強度検出部の検出結果に基づいて、受信強度が所定値以上のリクエスト信号を抽出する抽出部と、
    前記抽出部で抽出されたリクエスト信号の信号判別情報に基づいて、前記車両に対するリレーアタックを判定する判定部と、を備え
    前記携帯機は、
    前記強度検出部の検出結果に基づいて、前記リクエスト信号の受信強度に関する情報を含む再送要求を生成する信号生成部と、
    前記信号生成部が生成した再送要求を前記車載機に送信する携帯機送信部と、をさらに備え、
    前記車載機の前記送信順序決定部は、前記再送要求に含まれる前記リクエスト信号の受信強度に関する情報に基づいて、前記携帯機側での受信強度が所定値以上だったアンテナからリクエスト信号を連続して送信するように、前記送信順序を再決定し、
    前記車載機送信部は、前記再決定された送信順序に基づいて前記複数のアンテナのそれぞれからリクエスト信号を前記携帯機に送信させることを特徴とするキーレスエントリーシステム。
  6. 前記第1信号は、前記携帯機側での受信強度の推定値が最も高いリクエスト信号であることを特徴とする請求項記載のキーレスエントリーシステム。
  7. 前記送信順序決定部は、前記複数のアンテナから送信するリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が最も高い第1信号の前後に、受信強度の推定値が所定値以上の第2信号および第3信号を送信するように、前記送信順序を決定し、
    前記判定部は、前記抽出部で抽出されたリクエスト信号のうち、最も受信強度が高いリクエスト信号と、当該最も受信強度が高いリクエスト信号の前後に送信された受信強度が所定値以上のリクエスト信号の信号判別情報に基づいて、前記車両に対するリレーアタックを判定することを特徴とする請求項記載のキーレスエントリーシステム。
  8. 前記受信部は、異なる軸線方向を向き、それぞれが前記車載機の複数のアンテナからのリクエスト信号を受信する複数の受信アンテナを備え、
    前記信号判別情報は、前記携帯機の複数の受信アンテナが受信する前記リクエスト信号の、各軸の受信強度比もしくは角度またはこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項記載のキーレスエントリーシステム。
  9. 前記信号判別情報は、前記車載機の複数のアンテナが送信するリクエスト信号の受信強度であることを特徴とする請求項記載のキーレスエントリーシステム。
  10. 前記抽出部は、前記強度検出部の検出結果に基づいて受信強度が所定値以上のリクエスト信号を抽出した後に、受信強度が所定値以上のリクエスト信号のなかで、リクエスト信号同士の受信間隔が所定時間以下になるリクエスト信号の組み合わせをさらに抽出し、
    前記判定部は、前記抽出部で抽出されたリクエスト信号の組み合わせの信号判別情報に基づいて、前記車両に対するリレーアタックを判定することを特徴とする請求項記載のキーレスエントリーシステム。
  11. 車両に設けられリクエスト信号を送信する車載機と、前記リクエスト信号に応答してアンサー信号を送信する携帯機とを有し、前記車載機が前記アンサー信号に応じて前記車両の動作を制御するキーレスエントリーシステムであって、
    前記車載機は、
    前記車両に配置された複数のアンテナと、
    前記携帯機に対して、前記複数のアンテナのそれぞれから送信順序に基づいてリクエスト信号を送信させる車載機送信部と、
    前記車載機送信部が前記複数のアンテナから送信させるリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が所定値以上となる第1信号および第2信号を連続して送信
    するように、前記送信順序を決定する送信順序決定部と、を備え、
    前記携帯機は、
    前記複数のアンテナからのリクエスト信号を受信する受信部と、
    前記複数のアンテナから受信したリクエスト信号の受信強度を検出する強度検出部と、を備え、
    前記車載機または前記携帯機は、前記携帯機の前記強度検出部の検出結果に基づいて、受信強度が所定値以上のリクエスト信号を抽出する抽出部と、
    前記抽出部で抽出されたリクエスト信号の信号判別情報に基づいて、前記車両に対するリレーアタックを判定する判定部と、を備え、
    前記抽出部は、前記強度検出部の検出結果に基づいて受信強度が所定値以上のリクエスト信号を抽出した後に、受信強度が所定値以上のリクエスト信号のなかで、リクエスト信号同士の送信間隔が所定時間以下になるリクエスト信号の組み合わせをさらに抽出し、
    前記携帯機は、
    前記抽出部でリクエスト信号同士の送信間隔が所定時間以下になる組み合わせが所定数未満である場合に、前記リクエスト信号の受信強度に関する情報を含む再送要求を生成する信号生成部と、
    前記信号生成部が生成した再送要求を前記車載機に送信する携帯機送信部と、をさらに備え、
    前記車載機の前記送信順序決定部は、前記再送要求に含まれる前記リクエスト信号の受信強度に関する情報に基づいて、前記携帯機側での受信強度が所定値以上だったアンテナからリクエスト信号を連続して送信するように、前記送信順序を再決定し、
    前記車載機送信部は、前記再決定された送信順序に基づいて前記複数のアンテナのそれぞれから前記携帯機にリクエスト信号を送信させることを特徴とする請求項7記載のキーレスエントリーシステム。
  12. 車両に設けられリクエスト信号を送信する車載機と、前記リクエスト信号に応答してアンサー信号を送信する携帯機とを有し、前記車載機が前記アンサー信号に応じて前記車両の動作を制御するキーレスエントリーシステムであって、
    前記車載機は、
    前記車両に配置された複数のアンテナと、
    前記携帯機に対して、前記複数のアンテナのそれぞれから送信順序に基づいてリクエスト信号を送信させる車載機送信部と、
    前記車載機送信部が前記複数のアンテナから送信させるリクエスト信号のうち、前記携帯機側での受信強度の推定値が所定値以上となる第1信号および第2信号を連続して送信
    するように、前記送信順序を決定する送信順序決定部と、を備え、
    前記携帯機は、
    前記複数のアンテナからのリクエスト信号を受信する受信部と、
    前記複数のアンテナから受信したリクエスト信号の受信強度を検出する強度検出部と、を備え、
    前記車載機または前記携帯機は、前記携帯機の前記強度検出部の検出結果に基づいて、受信強度が所定値以上のリクエスト信号を抽出する抽出部と、
    前記抽出部で抽出されたリクエスト信号の信号判別情報に基づいて、前記車両に対するリレーアタックを判定する判定部と、を備え、
    前記車載機送信部は、前記複数のアンテナの全てからリクエスト信号を送信した後に、前記携帯機側での受信強度の推定値が最も高い送信アンテナからもう一度リクエスト信号を送信し、
    前記携帯機の判定部は、前記抽出部で抽出されたリクエスト信号のうち、最も受信強度が高いリクエスト信号と、最後に送信したリクエスト信号の信号判別情報が異なる場合に、前記車両に対するリレーアタックを判定することを特徴とする請求項7記載のキーレスエントリーシステム。
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