[実施の形態1]
図1は、内視鏡の外観図である。本実施の形態の内視鏡10は、上部消化管向けの軟性鏡である。内視鏡10は、操作部20および挿入部30を有する。操作部20は、起上操作レバー21、チャンネル入口22および湾曲ノブ23を有する。操作部20は、図示しないビデオプロセッサ、光源装置および表示装置等に接続されている。
挿入部30は長尺であり、一端が操作部20に接続されている。挿入部30は、操作部20側から順に軟性部12、湾曲部13および内視鏡用キャップ50を有する。軟性部12は、軟性である。湾曲部13は、湾曲ノブ23の操作に応じて湾曲する。内視鏡用キャップ50は、湾曲部13に連続する硬性の先端部31(図2参照)を覆っている。
以後の説明では、挿入部30の長手方向を挿入方向と記載する。同様に、挿入方向に沿って操作部20に近い側を操作部側、操作部20から遠い側を先端側と記載する。
図2は、挿入部30の先端の斜視図である。図3は、挿入部30の先端から処置具先端部41が突出した状態を示す説明図である。図1から図3を使用して、本実施の形態の内視鏡10の構成を説明する。
湾曲部13の先端に配置された先端部31は、一方の側に挿入方向に沿って並んだ観察窓36および照明窓37を有する。照明窓37は、観察窓36よりも先端側に配置されている。先端部31は、他方の側の操作部側に、チャンネル出口35を有する。チャンネル出口35の先端側に、起上部83が配置されている。先端部31を覆うカバー52は、観察窓36、照明窓37および起上部83に対応する部分に略長方形の窓部53を有する。窓部53の操作部側の辺は、起上部83側が操作部側に、観察窓36側が先端側にそれぞれ位置する一段の階段状である。
照明窓37は、図示しない光源装置から出射した照明光を照射する。観察窓36を通して、照明光により照らされた範囲を光学観察することが可能である。本実施の形態の内視鏡10は、光学観察が可能な視野方向が挿入方向に対して交差する方向である、いわゆる側視型である。内視鏡10は、視野方向が若干先端側に傾いた前方斜視型、または視野方向が若干操作部側に傾いた後方斜視型であっても良い。
チャンネル入口22とチャンネル出口35との間は、軟性部12および湾曲部13の内部を通るチャンネル34により接続されている。チャンネル入口22から処置具40を処置具先端部41側から挿入することにより、チャンネル出口35から処置具先端部41を突出させることができる。
図3に実線で示すように、処置具先端部41は起上部83の上で緩く曲がりながら突出する。図1に矢印で示すように、起上操作レバー21を操作すると、後述するようにレバー60(図8参照)が動き、レバー60に連動して起上台80が動く。起上台80が動くことにより、図1中および図3中に矢印および二点鎖線で示すように、起上台80の上の処置具先端部41が操作部20側に屈曲する。処置具先端部41の動きは、観察窓36を介して図示しない撮像素子等により撮影され、図示しない表示装置に表示される。
処置具40は、たとえば高周波ナイフ、鉗子または造影チューブ等の処置用の機器である。なお、チャンネル34に挿入する機器は処置用の機器に限定されない。たとえば、超音波プローブ、極細内視鏡等の観察用の機器をチャンネル34に挿入して使用する場合もある。以後の説明では、観察用の機器も含めて処置具40と記載する。
以上に説明したように起上台80が動くことを、以下の説明では「起上台80が起上する」と表現する場合がある。起上した起上台80に押されて処置具先端部41が屈曲することを、以下の説明では「処置具40が起上する」と表現する場合がある。起上操作レバー21の操作により、処置具40の起上の程度を調整することができる。
図4は、挿入部30の先端の正面図である。カバー52は、開口端部56の近傍に長方形の凹部48を有する。凹部48の各辺は、カバー52の表面から略垂直に立ち下がっている。凹部48は、カバー52の周方向の他の部分に比べて薄肉であり、指で押さえる等により外力を加えると撓み易い部分である。凹部48は、本実施の形態の可撓部の一例である。
本実施の形態の内視鏡10は、内視鏡用キャップ50および起上台80を挿入部30から着脱することが可能である。内視鏡用キャップ50は、外装部材であるカバー52を有する。内視鏡用キャップ50および起上台80の構成の詳細については後述する。
図5は、内視鏡用キャップ50および起上台80を挿入部30の先端から取り外した状態を説明する正面図である。図6は、内視鏡用キャップ50および起上台80を挿入部30の先端から取り外した状態を説明する背面図である。
ユーザは、一方の手で湾曲部13を保持し、他方の手の二本の指でカバー52を摘む。この際、二本の指の一方で凹部48を押さえると、もう一方の指は自然に図6にPで示す領域を押さえる。ユーザは、二本の指でカバー52を押圧して、軽く変形させた後に、先端側に引っ張ることにより、後述するように挿入部30から内視鏡用キャップ50を外すことができる。その後ユーザは、指等を用いて起上台80を先端側に引っ張ることにより、挿入部30から起上台80を外すことができる。
図7は、内視鏡用キャップ50および起上台80を取り外した挿入部30の先端の斜視図である。図5から図7を使用して、挿入部30の先端の構成を説明する。先端部31は、略円柱形状であり、中心からずれた位置に先端側から操作部側に向けて設けられた溝により、光学収容部33とレバー室69とに分かれている。チャンネル出口35は、溝の底に開口している。チャンネル出口35の近傍に、曲げ部27が設けられている。曲げ部27の形状については後述する。
先端部31は、周面の一部を平坦に切り欠いて形成される第1平面部321を有する。第1平面部321の、光学収容部33とレバー室69とを隔てる溝の底に沿った部分に、第3係合部29が設けてある。第3係合部29は、長円形の窪みである。先端部31は、第3係合部29の裏側に第4係合部28(図6参照)を有する。第4係合部28は、長方形の窪みである。
第1平面部321の光学収容部33側には、観察窓36および照明窓37が配置されている。観察窓36の操作部側には、観察窓36に水および空気を噴射して清掃するノズル38が設けられている。
レバー室69は中空であり、先端部31の外周面に沿った長方形の薄板状のレバー室蓋67で覆われている。レバー室蓋67は、蓋ねじ66により四隅で固定されている。蓋ねじ66は、本実施の形態の固定部材の一例である。レバー室69は、光学収容部33側に支持壁68を有する。支持壁68から光学収容部33に向けて起上台連結部61が突出する。起上台連結部61は、長方形断面の軸である。起上台連結部61については後述する。
図8は、内視鏡用キャップ50、起上台80およびレバー室蓋67を取り外した挿入部30の先端の斜視図である。レバー室69の内部に、レバー60が設けられている。レバー60は、一端にワイヤ固定部65を有し、他端に後述するようにレバー軸63(図17参照)および起上台連結部61を有する。レバー60は、支持壁68に設けた孔に回動可能に支持されている。
ワイヤ固定部65は、起上ワイヤ24の端部に連結されている。起上ワイヤ24は、挿入部30を通って起上操作レバー21(図1参照)に連結されている。さらに具体的には、起上ワイヤ24は、起上ワイヤ24の外径よりも若干太い内径を有する図示しない案内管に挿通されている。図示しない案内管は、挿入部30を長手方向に貫通する。そのため、起上操作レバー21の操作に連動して起上ワイヤ24の先端が進退する。
起上ワイヤ24の先端により押し引きされることにより、レバー60がレバー軸63を軸として回動する。起上ワイヤ24は、本実施の形態の回動部の一例である。起上ワイヤ24は、起上操作レバー21により遠隔操作される。
図9は、内視鏡用キャップ50を内視鏡10への取付側からみた斜視図である。図10は、内視鏡用キャップ50をカバー52の底側からみた斜視図である。内視鏡用キャップ50は、カバー52および台座70を有する。カバー52は、一端に開口部を有する有底筒型である。前述のとおり、カバー52の一端の開口部を開口端部56と記載する。
前述したようにカバー52は、筒部に窓部53を有する。窓部53は、カバー52の周面の一箇所に、略全長にわたって開口している。カバー52は、窓部53に対向する内面に、開口端部56から底に向けて延びる台座溝45を有する。台座溝45に台座70が固定されている。台座70については後述する。
カバー52は、窓部53の開口端部56側の縁に沿って内側に向けて突出する板状の突出部49を有する。突出部49の先端の一部には、第1係合部46が内向きに突出するように設けられている。
図11は、第1係合部46の拡大斜視図である。図11は、図9のA部を拡大した図である。図9から図11を使用して、第1係合部46の形状を説明する。第1係合部46は、底側の第1くさび面461と、開口端部56側の第2くさび面462とを有する。第1くさび面461は、突出部49の底側の面に連続し、窓部53の縁に沿う平面である。
第2くさび面462は、内側を底側に、外側を開口端部56側にして、筒部の軸長方向に対して傾斜する平面である。筒部の軸と平行な面で第1係合部46を切断すると、第1くさび面461と第2くさび面462とは、先細りのくさび形状を形成している。
図12は、起上台80の斜視図である。図13は、起上台80の正面図である。図14は、起上台80の側面図である。図12から図14を使用して、起上台80の構成を説明する。
起上台80は、略L字型の起上部83を有する。起上部83は、一面にスプーン状の窪み部84を有する第1起上部831と、第1起上部831の端から第1起上部831の窪み部84を有する面と同じ側に突出する第2起上部832とを有する。
第2起上部832の端部にレバー連結部81が設けられている。レバー連結部81は、第2起上部832の端部に向けて開口するU字形の溝である。レバー連結部81の開口部の縁、すなわち開口縁には、内向きに突出するレバー抜止部812が設けられている。レバー連結部81の一方は、板状のフランジ85に覆われている。フランジ85の反対側の面から起上台軸82が突出する。
すなわち、フランジ85の一方の面から起上台軸82が突出し、フランジ85の他方の面から起上台軸82の中心軸と交差する方向に、起上部83が突出している。起上部83の基端部側に、レバー連結部81が設けられている。
第1起上部831の外側、すなわち、窪み部84に隣接する面には、複数の浅い窪みにより形成された滑止部833が設けられている。図12においては、窪みの形状は円形であるが、溝状その他任意の形状であってもよい。
図14に破線で示すように、レバー連結部81は、起上台軸82の中心軸を挟むように配置されている。
図15は、台座70の斜視図である。図15を使用して、台座70の構成を説明する。台座70は、長方形板状の土台部95と、土台部95の長手方向の中央部から立ち上がる支持足から土台部95の長手方向に沿って延びる略長方形板状の第1壁77とを有する。さらに土台部95から、略長方形板状の第2壁78が第1壁77と平行に立ち上がる。第1壁77と第2壁78とは、土台部95の幅方向に離れている。
第1壁77の端部には、第1壁77と第2壁78とを架け渡す長方形板状の第3壁79が接続している。第3壁79には、第1壁77と反対側の面に、第1固定突起73を設けてある。第1固定突起73は、割り溝を有する円柱形の突起である。第1固定突起73は、端部に一回り太い抜け止めを有する。
土台部95は、長手方向の第3壁79側で、幅方向の第1壁77側に、他の部分よりも厚くした厚板部741を有する。厚板部741の先端は面取りされている。土台部95は、第3壁79と反対側の端部に、全幅にわたって略半円形に盛り上がる第2係合部72を有する。土台部95の幅は、台座溝45に対応している。
第1壁77は、起上台取付溝761を有する。起上台取付溝761は、第1壁77の根元側の端部に開口を有し、土台部95と平行に伸びる略U字型の溝である。起上台取付溝761の溝幅は、起上台軸82の直径と対応している。
図16は、図5のXVI-XVI線による内視鏡用キャップ50の断面図である。XVI-XVI断面は、挿入部30の長手方向に沿って、第1壁77を厚さ方向に切断する断面である。図9から図11、図15および図16を使用して、内視鏡用キャップ50の構成を説明する。
カバー52の底に、台座固定孔57が設けられている。台座固定孔57は、カバー52の外面の側に太径部を有する段付きの貫通孔である。台座固定孔57の細径部は、カバー52の内面に向けて拡がるテーパ形状である。台座固定孔57の内径は、第1固定突起73の外径と対応している。
カバー52は内面に第2固定突起58を有する。第2固定突起58は、台座溝45の端から開口端部56側に向けて張り出す突起である。第2固定突起58と、台座溝45の底との間の距離は、厚板部741の厚さと対応している。
内視鏡用キャップ50の組立方法の概要を説明する。台座70の第1固定突起73側を先にして、土台部95と、カバー52の台座溝45との周方向の位置を合わせる。台座70をカバー52に押し込む。
第1固定突起73が弾性変形して、台座固定孔57の細径部を通過する。第1固定突起73の抜け止めが台座固定孔57の細径部を通過した後に、第1固定突起73が弾性復帰する。第2固定突起58と厚板部741とが係合する。以上により、台座70とカバー52とが固定される。なお、台座溝45等に接着剤を塗布し、台座70とカバー52とを接着固定しても良い。
図17は、レバー60の斜視図である。レバー60は、一端にレバー軸63を有し、他端にワイヤ固定部65を有する。レバー軸63の一方の端面から、レバー軸63の中心軸と同じ方向に向けて、長方形断面の軸である起上台連結部61が突出している。以下の説明では、レバー軸63とワイヤ固定部65とを連結する板状の部分を回動連結部64と記載する。回動連結部64は、レバー軸63の起上台連結部61と反対側の端部から、レバー軸63の中心軸と交差する方向に突出している。図8に示すように、回動連結部64はレバー室69内で回動する。
レバー軸63に、2個のOリング62が取り付けられている。図7に戻って説明を続ける。レバー60は、支持壁68に設けた孔にレバー室69側からレバー軸63が挿入され、起上台連結部61を光学収容部33に向けた状態で、回動可能に支持される。Oリング62とレバー室蓋67とにより、中空のレバー室69は水密に封止される。
図18および図19は、操作部20の斜視図である。図19においては、説明のため起上操作レバー21の一部を削除して仮想線で示す。
操作部20は略長方形柱型の操作部筐体201を有する。起上操作レバー21および湾曲ノブ23は、操作部筐体201の一方の広面に、湾曲ノブ23を表面側にして重ねて取り付けてある。
湾曲ノブ23は、2段に重ねられたダイヤル型である。ユーザは、湾曲ノブ23を回すことにより、挿入部30の先端に設けられた湾曲部13を湾曲させることができる。
起上操作レバー21は、湾曲ノブ23の外側に突出しており、操作部筐体201の側面に沿って曲げてあるレバー操作部211を有する。レバー操作部211は、表面に筋状の滑り止めを有する。レバー操作部211の裏面は、数ミリメートル離れて操作部筐体201の表面に対向している。
図19に示すように、操作部筐体201の側面には、全幅にわたってレバー操作部211に対向するレバー止部212が設けてある。レバー止部212は略半円柱状の突起である。レバー止部212は、操作部20の筐体と一体に形成されている。
図20は、内視鏡用キャップ50を取り外した挿入部30の先端の断面図である。図20は、図16と同様に図5のXVI-XVI線による断面であり、起上台80を挿入部30の先端に取り付けた状態を示す。
図7を使用して説明した起上台連結部61と、図12を使用して説明したレバー連結部81とが係合している。図16を使用して説明した内視鏡用キャップ50が図20の左側から起上台80および先端部31に被せられて、固定される。
図21は、図4のXXI-XXI線による挿入部30の断面図である。XIX-XIX断面は、起上台連結部61の位置で、挿入部30を長手方向に切断する断面である。図22は、図4のXXII-XXII線による挿入部30の断面図である。XX-XX断面は、起上台軸82の位置で、挿入部30を長手方向に切断する断面である。図23は、図22のXXIII-XXIII線による挿入部30の断面図である。XXI-XXI断面は、起上台軸82の位置で、挿入部30の長手方向に対して垂直に切断する断面である。図21から図23を使用して、起上台80および内視鏡用キャップ50を挿入部30の先端に固定する構成について説明する。
内視鏡用キャップ50は、開口端部56を先端部31側に向けている。図21に示すように、内視鏡用キャップ50の内面の第1係合部46と先端部31の第3係合部29とが係合している。係合部では、第1くさび面461と第3係合部29の操作部側の面とが当接している。
同様に、内視鏡用キャップ50の内面の第2係合部72と先端部31の第4係合部28とが係合している。内視鏡用キャップ50が内面の対向する2箇所で先端部31と係合していることにより、内視鏡用キャップ50が先端部31に固定されている。
U字溝型のレバー連結部81に長方形断面の軸である起上台連結部61が挿入されている。これにより、レバー60と起上台80とが係合している。レバー連結部81の開口部の縁に設けられたレバー抜止部812の作用により、起上台連結部61がレバー連結部81から抜けない。レバー抜止部812は、本実施の形態の起上台固定部の一例である。
図22に示すように、起上台取付溝761と起上台軸82とが係合する。起上台80は、起上台取付溝761と起上台連結部61とにより両持ち支持される。図23に示すように、レバー軸63と起上台軸82とは同軸である。起上台80は、レバー軸63および起上台軸82まわりに、滑らかに回動する。
図24および図25は、起上操作レバー21の動作を説明する説明図である。ユーザは内視鏡検査中に、図24に白抜き矢印で示すように、実線で示す位置と、仮想線で示す位置との間で起上操作レバー21を回動操作する。
起上操作レバー21が、図24に実線で示す位置にある場合、起上台80は図21を使用して説明した状態である。起上操作レバー21が、図24に仮想線で示す位置にある場合、起上台80は起上した状態である(図28参照)。
起上台80を着脱する場合、ユーザは起上操作レバー21の端部に設けられたレバー操作部211を図24に実線で示す位置からさらに時計回りに動かして、図25に示す状態にする。レバー操作部211の裏面に設けられたレバー凹部213と、レバー止部212が係合する。
レバー凹部213と、レバー止部212との係合により、起上操作レバー21は、ユーザが手を離しても図25を使用して説明した状態にロックされる。
図26は、起上台連結部61の着脱位置を説明する説明図である。図25を使用して説明したように起上操作レバー21がロックされることに伴い、起上台連結部61も図26に示す着脱位置にロックされる。
以下に説明する内視鏡用キャップ50および起上台80の取り外しは、起上台連結部61を着脱位置にロックした状態で行なわれる。
図27は、図4のXXVII-XXVII線による挿入部30の断面図である。光学収容部33の外側には、先端部31の周面の一部を平坦に切り欠いて形成される第2平面部322および第3平面部323が設けられている。第2平面部322と第3平面部323とは、角度をもって連続している。
カバー52の筒部の内面と、第2平面部322および第3平面部323とが空間を隔てて対向して、第1空洞部93を形成している。凹部48は、第1空洞部93に対応する位置に配置されている。凹部48の反対側では、カバー52は筒部の内面をへこませて薄肉にされている。カバー52の薄肉な部分の内面と、レバー室蓋67とが空間を隔てて対向して、第2空洞部94を形成している。第2空洞部94内に、蓋ねじ66の頭部が配置されている。すなわち、第2空洞部94は、レバー室蓋67を固定する固定部材である蓋ねじ66の頭部を収容する空間である。
内視鏡用キャップ50を取り外す場合には、図27に白抜き矢印で示すように、凹部48と、その反対側との2箇所をユーザが指で押圧する。押圧する部分の裏側に第1空洞部93および第2空洞部94が存在するため、カバー52は変形する。なお、前述のとおり凹部48は、カバー52の周方向の他の部分に比べて薄肉であり、指で押さえる等により撓み易い可撓部である。
ユーザは、指で押圧することにより、容易に内視鏡用キャップ50を変形させることができる。この変形により、第1係合部46と第3係合部29との係合、および、第2係合部72と第4係合部28との係合が外れる。
ユーザが、内視鏡用キャップ50を押圧したまま先端側に引くことにより、起上台軸82が起上台取付溝761から抜ける。以上により、ユーザは内視鏡用キャップ50を挿入部30から外すことができる。
その後、ユーザは起上台80を指等により摘んで先端側に引っ張ることにより、起上台80を挿入部30から外すことができる。摘む位置には滑止部833が設けてあるので滑
りにくく、ユーザは起上台80を容易に外すことができる。
起上台連結部61が図25および図26を使用して説明したようにロックされているので、内視鏡用キャップ50および起上台80の取り外しが容易である。
起上台80を挿入部30の先端に取り付ける手順について説明する。起上台80の取り付けも、起上台連結部61を着脱位置にロックした状態で行なわれる。
ユーザは、起上台80を挿入部30の先端側から差し込み、起上台連結部61に、レバー連結部81を押し当てる。起上台80が弾性変形してレバー抜止部812間の間隔が広がる。レバー抜止部812の間を通って、起上台連結部61がレバー連結部81の奥に入る。起上台80が弾性復帰して、レバー抜止部812の間隔が元に戻る。
図21および図22を使用して説明したように、起上台連結部61とレバー連結部81とが係合し、起上台連結部61がレバー連結部81から抜けない状態になる。以上により、ユーザは起上台80を挿入部30の先端に取り付けることができる。
起上台連結部61が着脱位置にロックされているので、起上台80の取り付けが容易である。ユーザは、起上台連結部61を着脱位置にロックしたまま、引き続いて内視鏡用キャップの取り付けを行なう。
その後ユーザは、窓部53と窪み部84とを目印として、先端部31に対して内視鏡用キャップ50の周方向の位置を合わせる。ユーザは、内視鏡用キャップ50を挿入部30の先端に押し込む。図11に示すように、第1係合部46の第2くさび面462は、前記カバー52の筒部の長手方向に対して傾斜しているので、第1係合部46が先端部31に引っ掛かりにくい。
第1係合部46は、弾性変形しながら第3係合部29の中に押し込まれる。第1係合部46は、第1くさび面461が第3係合部29内に入った時点で弾性復帰して第3係合部29と係合する。
図21に示すように、第2係合部72は略半円形に盛り上がる突起なので第4係合部28の内部に押し込まれ易い。第2係合部72も、弾性変形しながら第4係合部28の中に押し込まれる。第2係合部72は、第4係合部28内に入った時点で弾性復帰して、第4係合部28と係合する。
以上により、起上台80および内視鏡用キャップ50の取付が終了する。起上台連結部61が着脱位置にロックされているので、内視鏡用キャップ50が起上台に引っ掛かりにくく、内視鏡用キャップ50の取り付けが容易である。
ユーザは、レバー操作部211を反時計回りに回すことにより、レバー凹部213と、レバー止部212との係合を外す。以上により、内視鏡10の使用準備が完了する。
図21に示すように、チューブ状のチャンネル34は先端部31に設けられたチャンネル出口35に接続されている。チャンネル出口35は、窓部53に向けてラッパ状に拡がっている。チャンネル出口35の第3係合部29近傍、すなわちチャンネル出口35からみて起上台80が起上する側の周縁部に、先端側に向けてゆるやかに突出する曲げ部27が設けられている。
図28は、起上台80を起上した挿入部30の断面図である。図28は、図22と同一の断面を示す。図7、図8、図17、図21、図23および図28を使用して、起上台80を起上させる構成を説明する。
レバー室69側から支持壁68に設けられた貫通孔にレバー軸63が挿通され、図7に示すように起上台連結部61が支持壁68の反対側に突出している。前述のとおり、レバー室69は、Oリング62およびレバー室蓋67により、水密に封止されている。したがって、内視鏡10の使用中にレバー室69の内部および起上ワイヤ24の経路に体液等が付着しない。
図21に示す状態では、起上台80はカバー52の内側に収容されている。窪み部84は、チャンネル出口35から突出した処置具先端部41を図21の上方向にゆるやかに曲げることが可能な位置に配置されている。
前述のとおり、ユーザが起上操作レバー21を操作することにより、レバー60がレバー軸63を軸として回動する。起上台連結部61は、レバー軸63と一体に回動する。図23を使用して説明したとおり、レバー軸63と、起上台軸82とは同軸である。起上台連結部61がレバー連結部81と連結しているため、起上台80もレバー60と一体となって回動する。その結果、起上台80と窓部53との間の距離が変化する。
図28は、起上台80が回動して起上した状態を示す。起上台80に押されて、チャンネル出口35から突出した処置具先端部41が起上する。処置具先端部41は、曲げ部27の先端に押し付けられた状態から、さらに窪み部84の先端側の縁によって操作部側に押し込まれる。
本実施の形態の内視鏡10の使用方法の概要を説明する。内視鏡10は、起上台80および内視鏡用キャップ50を外し、洗浄等を行った状態で保管されている。起上台80および内視鏡用キャップ50は、それぞれ一個ずつ、または、一組ずつ滅菌パックに封入した上で、たとえば10個単位または10組単位で紙箱に入れた後に電子線滅菌を行った状態で提供される。紙箱に入れる起上台80および内視鏡用キャップ50の数は最小販売単位、すなわち1回にユーザに販売される最小単位であることが望ましい。
なお、内視鏡用キャップ50の構成部品であるカバー52および台座70の材料、および、起上台80の材料は、耐放射線グレードのポリエーテルエーテルケトンまたはポリカーボネート等の、電子線滅菌への耐久性が高い材料であることが望ましい。
ユーザは、滅菌パックから起上台80を取り出す。ユーザは、前述の手順により起上台80を内視鏡10に取り付ける。その後、ユーザは、滅菌パックから内視鏡用キャップ50を取り出す。ユーザは前述の手順により内視鏡用キャップ50を挿入部30に取り付ける。ユーザは内視鏡用キャップ50を軽く引っ張る等して、内視鏡用キャップ50が挿入部30の先端にしっかりと固定されていることを確認する。
ユーザは、挿入部30を検査対象者の口から挿入する。観察窓36を介して撮影した映像を観察しながら、ユーザは挿入部30の先端を目的部位に誘導する。ユーザは、目的に応じた処置具40等をチャンネル入口22から挿入する。処置具先端部41が挿入部30の先端から突出し、目的部位の近傍に位置することを確認した後に、ユーザは起上操作レバー21を操作して、処置具先端部41を目的部位に誘導する。必要な処置等を行った後に、ユーザは処置具40をチャンネル34から抜去する。ユーザは内視鏡10を検査対象者から抜去して、検査または処置を終了する。
検査または処置の終了後、ユーザは、起上操作レバー21を操作して、起上台連結部61を着脱位置にロックする。ユーザは、前述のように二本の指でカバー52を押圧しながら先端側に引っ張ることにより、内視鏡用キャップ50を内視鏡10から取り外す。起上台80は、挿入部30の先端に残る。ユーザは、残った起上台80を指等により摘んで先端側に引っ張る。レバー連結部81が弾性変形して、レバー抜止部812同士の間隔が広がることにより、起上台80が起上台連結部61から外れる。
なお、内視鏡10を通常の方法で使用して、観察および処置を行う際には、カバー52の2箇所に同時に、カバー52を変形させる程度の外力が加わることは考えにくい。フランジ85が、レバー連結部81の一方の面を覆っていることにより、レバー連結部81の剛性が高められている。そのため、内視鏡10を通常の方法で使用して、観察および処置を行う際には、レバー連結部81が変形して起上台連結部61から外れる程度の外力が加わることも考えにくい。
ユーザは、内視鏡用キャップ50および起上台80を外した後の内視鏡10に対して、次回の使用に備えて洗浄等の処理を行う。起上台80を固定する際に用いる起上台連結部61は、図7に示すように、先端部31に露出している。
以上により、本実施の形態の内視鏡10は、起上台80付近の複雑な構造を洗浄するための特別な洗浄作業等を必要としない。前述のように内視鏡10の使用中にレバー室69の内部および起上ワイヤ24の経路に体液等が付着しないので、これらの部分の洗浄作業等も不要である。
したがって、症例間の処理時間が短く、効率良く運用することができる、起上台付きの内視鏡10を提供することができる。本実施の形態によると、内視鏡検査手技開始時の操作性の向上、すなわち内視鏡10に起上台80および内視鏡用キャップ50を取り付ける操作を容易にすることと、内視鏡10の洗浄容易化とを両立することができる。
起上台連結部61を着脱位置にロックできるので、起上台80および内視鏡用キャップ50の着脱が容易な内視鏡10を提供できる。
本実施の形態の内視鏡10は、起上台80を備えており側視型であるので、十二指腸および膵胆管領域の診断および処置用に適している。特に、ERCP(Endoscopic Retrograde Cholangio Pancreatography)、EST(Endoscopic Sphincterotomy)、EBD(Endoscopic Biliary Drainage)等の手技を実施する場合には、本実施の形態の内視鏡10が適している。これらの手技では、十二指腸壁にある十二指腸乳頭部ならびに十二指腸乳頭部に開口する膵管および総胆管等の内部に処置具40を誘導して、処置等を行うためである。
なお、側視型の内視鏡10を、側視内視鏡と呼ぶ場合がある。同様に、十二指腸および膵胆管領域の診断等に適した内視鏡10を、十二指腸内視鏡と呼ぶ場合がある。
本実施の形態によると、台座70と、カバー52とが別体であるので、それぞれの形状が単純である。そのため、たとえば射出成形等により安価に製造することが可能である。
仕様の異なる複数の種類の内視鏡用キャップ50から、ユーザが手技に応じた仕様の内視鏡用キャップ50を選択して使用するようにしても良い。たとえば超音波プローブまたは極細内視鏡等の高価で精密な機器を組み合わせて使用する場合に、過剰な屈曲による機器の破損を防止することを目的として、起上台80の回動可能範囲を狭く制限する機能を備えた内視鏡用キャップ50が提供されても良い。
起上台80に設けられた窪み部84は、処置具先端部41を保持して左右にぶれにくくする機能を果たす。窪み部84の形状の異なる複数の種類の起上台80から、ユーザが手技に応じた仕様の起上台80を選択して使用するようにしても良い。たとえば、ガイドワイヤ等の細い処置具40を精密に操作することが必要な手技においては、細い処置具40に適した窪み部84を備える起上台80を使用する。
このようにすることにより、用途に適した起上台80および内視鏡用キャップ50をユーザが選択して使用することが可能な内視鏡10を提供することができる。なお、用途ごとに推奨する組合せの起上台80と内視鏡用キャップ50とをセットにした状態で提供されても良い。
内視鏡10は、先端に超音波振動子を備えるいわゆる超音波内視鏡でも良い。この場合には、内視鏡用キャップ50は、底に超音波振動子を挿通する孔を有することが望ましい。内視鏡10は、下部消化管向けの内視鏡でも良い。内視鏡10は、硬性の挿入部30を備えるいわゆる硬性鏡でも良い。内視鏡10は、エンジンおよび配管等の検査等に使用する、いわゆる工業用内視鏡でも良い。
本実施の形態の内視鏡用キャップ50および起上台80は、いずれもいわゆるシングルユースであり、一回使用した後に廃棄される。
内視鏡用キャップ50は、再使用可能であっても良い。このようにする場合には、挿入部30から取り外した内視鏡用キャップ50をユーザが目視で点検し、破損していない場合には洗浄等の処理を行い再使用する。内視鏡用キャップ50の開口端部56は大きく開いているため、挿入部30に取り付けられたままの状態に比べて容易に洗浄等の処理を行うことができる。内視鏡用キャップ50は小型であるので、滅菌パックに入れて、たとえばオートクレーブ滅菌等を行うことも容易である。
内視鏡用キャップ50を、カバー52と台座70とに分解した後に、洗浄等の処理を行い、組み立てなおしてから再使用するようにしても良い。分解することにより、より確実に洗浄等を行える。
起上台80は、再使用可能であっても良い。このようにする場合には、挿入部30から取り外した起上台80をユーザが目視で点検し、破損していない場合には洗浄等の処理を行い再使用する。起上台80は小型であるので、滅菌パックに入れて、たとえばオートクレーブ滅菌等を行うことも容易である。再使用を可能にする場合には、起上台80はたとえば金属またはセラミックス等の、耐久性の高い材料製であっても良い。
レバー連結部81の開口部の縁にレバー抜止部812を設ける代わりに、起上台取付溝761の開口部の縁に抜け止めを設けても良い。レバー抜止部812と、起上台取付溝761の開口部の縁の抜け止めとの両方を設けても良い。
[実施の形態2]
本実施の形態は、内視鏡用キャップ50が取り付けられた状態では、起上台連結部61が着脱位置に至らない内視鏡10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する
図29は、実施の形態2の挿入部30の断面図である。本実施の形態の台座70は、第2壁78の端面の中央部に1段の階段状の段差部781を備える。内視鏡用キャップ50を挿入部30に取り付けた場合、段差部781は起上台80に当接する。
本実施の形態によると、内視鏡用キャップ50が取り付けられた状態では、起上台連結部61は着脱位置まで回動することを防止した内視鏡10を提供できる。
[実施の形態3]
本実施の形態は、内視鏡用キャップ50が内視鏡10に固定された内視鏡10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図30は、実施の形態3の操作部20の斜視図である。操作部20は、レバー操作部211の先端側に略半円柱状のレバー止部212を有する。レバー止部212は、操作部20の筐体と一体に形成されている。
起上操作レバー21を通常の内視鏡検査で使用する範囲よりもさらに先端側に動かした場合に、レバー操作部211の裏面に設けられたレバー凹部213と、レバー止部212とは係合する。これにより、起上台連結部61が着脱位置にロックされる。
図31は、実施の形態3の挿入部30の断面図である。図31は、起上台連結部61を着脱位置まで回動させた状態を示す。先端部31と内視鏡用キャップ50とは、図中に細かいドットのハッチングで示す接着剤により、接着されている。起上台80は、先端近傍を幅方向に貫通する丸孔状の保持孔834を有する。
ユーザは、起上操作レバー21を操作して、起上台連結部61を着脱位置にロックする。ユーザは、起上台80のレバー連結部81を起上台連結部61に押し付ける。レバー連結部81が弾性変形して広がり、レバー連結部81の内側に起上台連結部61が入る。その後、レバー連結部81が弾性復帰して、起上台80が起上台連結部61に固定される。起上台連結部61がロックされるので、起上台80の取り付けが容易である。
ユーザは、起上操作レバー21を操作して、起上台連結部61のロックを解除する。ユーザは、内視鏡検査を行う。内視鏡検査の終了後に、ユーザは起上操作レバー21を操作して、図39に示すように起上台連結部61を着脱位置にロックする。ユーザはピンセット等の棒状の器具を保持孔834に挿入して、引っ張ることにより、起上台80を挿入部30から取り外す。起上台連結部61がロックされるので、起上台80の取り外しが容易である。
ユーザは、起上台80を外した後の内視鏡10に対して、次回の使用に備えて洗浄等の処理を行う。起上台80を取り付けてあった場所が空間になっているので、洗浄等を容易に行える。
前述のように内視鏡10の使用中にレバー室69の内部および起上ワイヤ24の経路に体液等が付着しないので、これらの部分の洗浄作業等も不要である。なお、先端部31と内視鏡用キャップ50とは、一体に形成されていても良い。
本実施の形態によると、症例ごとに交換する部品は起上台80のみであるので、ランニングコストの安い内視鏡10を提供できる。
[実施の形態4]
本実施の形態は、起上操作レバー21を操作することにより、起上台80を起上台連結部61から外すことができる内視鏡10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図32は、実施の形態4の挿入部30の断面図である。先端部31は、チャンネル出口35の曲げ部27と対向する部分から、起上台80に向けて突出する第1突起311を有する。
起上台80は、窪み部84から遠い側のレバー抜止部812の外側から突出する第2突起813を有する。図32に示すように、第2突起813は挿入部30の外側から第1突起311に突き当たる。
内視鏡検査の終了後、ユーザは起上操作レバー21を通常の内視鏡検査で使用する範囲よりもさらに先端側に動かす。起上台連結部61は、図32に示す状態よりも反時計まわりに回動する。第2突起813が第1突起311に押されて、レバー連結部81が開く。起上台80を軽く引っ張るか、または挿入部30の先端を下に向けて軽く振ることにより、起上台80が起上台連結部61から外れる。
本実施の形態によると、起上台80の取り外しが容易な内視鏡10を提供できる。
[実施の形態5]
本実施の形態は、起上台連結部61の向きを目視で容易に確認できる内視鏡10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図33は、実施の形態5の内視鏡用キャップ50および起上台80を取り外した挿入部30の先端の斜視図である。起上台連結部61は、図33に細かいハッチングで示すように、起上台80を取り付ける際に観察窓36と同じ側を向く面に着色されている。
ユーザは、挿入部30を観察窓36側から見て、起上台連結部61の着色された面が見えることを確認する。これによりユーザは、起上台連結部61が適切な向きを向いていることを確認して、起上台80を取り付けることができる。
[実施の形態6]
本実施の形態は、起上台80が内視鏡用キャップ50に組み付けてある内視鏡10に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
図34は、実施の形態6の内視鏡用キャップ50を内視鏡10への取付側からみた斜視図である。図35は、実施の形態6の内視鏡用キャップ50をカバー52の底側からみた斜視図である。図36は、実施の形態6の起上台80の斜視図である。図37は、実施の形態6の台座70の斜視図である。
本実施の形態の内視鏡用キャップ50は、図34および図35に示すように、カバー52と台座70と起上台80とを備える。内視鏡用キャップ50は、図34および図35に示すように、起上台80を組み付けた台座70をカバー52に差し込み、固定した状態で、ユーザに供給される。
図36に示すように、起上台80はU字溝型のレバー連結部81の開口部の縁にレバー抜止部812を備えない。さらに起上台80は、第1起上部831に滑止部833を備えない。一方、図37に示すように、台座70は第1壁77の根元に円形の起上台取付孔76を有する。
図34に示すように、起上台80は起上台取付孔76に、起上台軸82を挿入した状態で、カバー52にあらかじめ組みつけられている。起上台取付孔76が軸受けの機能を果たすことにより、起上台80は起上台軸82周りに回動可能である。
ユーザは、起上操作レバー21を操作して、起上台連結部61を着脱位置にロックする。ユーザは、内視鏡用キャップ50を挿入部30の先端に押し込むことにより、内視鏡用キャップ50を挿入部30に取り付けることができる。
内視鏡検査の終了後、ユーザは二本の指でカバー52を押圧しながら先端側に引っ張ることにより、内視鏡用キャップ50を取り外すことができる。起上台取付孔76に起上台軸82が挿入されているので、起上台80はカバー52と共に取り外され、内視鏡10の先端に残らない。
本実施の形態によると、内視鏡用キャップ50の着脱時に、起上台80の着脱を同時に行える内視鏡10を提供できる。
起上台80が内視鏡用キャップ50に組み付けてあるため、ユーザは内視鏡用キャップ50を取り付ける際に起上台連結部61とレバー連結部81とを係合させる際に起上台連結部61を視認することができない。しかしながら、起上台連結部61がロックされているため、容易に内視鏡用キャップ50を取り付けることができる。
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。