JP6994847B2 - 樹脂製配管の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材とをそれらの端部の溶着により連結する樹脂製配管の製造方法に関するものであり、特に、樹脂製配管の品質向上に寄与することのできる技術を提案するものである。
様々な産業で用いられる薬液輸送ライン等の樹脂製配管は、溶着機を用いて、熱可塑性樹脂等からなる樹脂製管継手や樹脂製チューブ部材のそれぞれの端部を互いに突き合わせて溶着させることにより製造されることがある。
このような樹脂製配管の製造方法の一例を詳説すれば、たとえば、溶着機の対をなすクランプ治具のそれぞれに、二個の樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手のそれぞれを、それらの端部が互いに対向する姿勢で保持させる。次いで、各クランプ治具に保持させた二個の樹脂製チューブ部材等のそれぞれの端部を、ヒーター等によって加熱することで、それらの端部を溶融させ、その状態で、二個の樹脂製チューブ部材等を互いに接近させて、当該端部を所要の圧力の作用により突き合わせて溶着させる。このような樹脂製チューブ部材等の端部どうしの溶着を繰り返し行うことで、所定の形状の配管を製造することができる。
この種の樹脂製配管では、樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手のそれぞれの溶着した端部間の内面への位置ずれや段差の発生を極力防止することが望ましい。これはすなわち、かかる位置ずれや段差の発生は、樹脂製配管の内部での液体等の円滑な流れを阻害する他、そこに液溜まりや、液体に含まれ得るパーティクルの滞留を招き、配管製品の品質に様々な悪影響をもたらすからである。
なお、特許文献1には、樹脂製管継手を端部で溶着させるに当り、樹脂製管継手の相互の溶着された端部の位置ずれを防止すること等を目的として、樹脂製管継手の外面に、溶着機のクランプ冶具に保持させる固定部を設けることが提案されている。
特許第5710450号公報
ところで、上述した樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手では、溶着機等で、端部どうしを溶着させるべく当該端部を加熱して溶融させると、成形条件の違い等に応じて、樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手ごとに加熱時の端部の変形量ないし変形態様が異なることがあり、それにより製造された樹脂製配管では、溶着された端部間で位置ずれや段差が生じるという問題があった。このことは、たとえば、射出成形で得られた樹脂製管継手と、押出成形で得られた樹脂製チューブ部材とを、それぞれの端部で溶着させた際に顕著となる。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、その目的とするところは、端部を溶着させる際の加熱時の樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手ごとに異なる変形を抑制し、溶着された端部間での位置ずれや段差の発生を有効に防止することのできる樹脂製配管の製造方法を提供することにある。
発明者は、上述した問題について鋭意検討した結果、樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手の端部を溶融させるべく加熱した際の樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手ごとに異なる変形態様は、その前工程の成形により内部に生じる残留応力の相違によるものであることを見出した。より具体的には、押出成形や射出成形等により所定の形状に成形された樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手は、成形条件の違いにより内部に異なる残留応力が発生し、そしてその端部では、当該残留応力が溶着時の加熱により解放される結果として、樹脂製チューブ部材や樹脂製管継手ごとに端部に様々な変形ないし撓みが生じることが解かった。
それ故に、端部の溶着時の加熱に際する変形の違いを抑制するには、所定の成形方法にて樹脂製チューブ素材を得た後、その端部を溶着させるに先立ち、端部のみを局所的に加熱するとともに冷却して、その端部における残留応力を除去する局所アニール処理を施し、これを、端部溶着に供する樹脂製チューブ部材とすることが有効であると考えた。
このような知見に基き、この発明の樹脂製配管の製造方法は、樹脂材料から成形した長尺管状素材を所定の長さに切断して、樹脂製チューブ素材を形成する切断工程と、前記樹脂製チューブ素材の端部のみを局所的に加熱し、該加熱の後、当該端部の内側に形状維持器具を挿入した状態で当該端部を冷却して、樹脂製チューブ部材を得る局所アニール工程と、前記樹脂製チューブ部材の端部および、該樹脂製チューブ部材に連結する樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材の端部をともに加熱して溶融させ、それらの端部どうしを突き合わせて溶着する端部溶着工程とを有するものである。
この発明の樹脂製配管の製造方法では、前記切断工程の後であって局所アニール工程の前に、前記樹脂製チューブ素材の端部を、その端部の端面に近づくにつれて肉厚が減少するテーパー形状とする加工を施す端部加工工程をさらに有することが好ましい。
また、この発明の樹脂製配管の製造方法では、局所アニール工程で、樹脂製チューブ素材の端部を加熱するに際し、加熱装置を固定し、樹脂製チューブ素材を当該端部の中心軸線の周りで回転させながら、加熱装置の加熱ノズルから当該端部に向けて熱風を噴射することができる。
あるいは、局所アニール工程で、樹脂製チューブ素材の端部を加熱するに際し、樹脂製チューブ素材を固定し、樹脂製チューブ素材の端部の周囲にて当該端部の中心軸線の周りで加熱装置の加熱ノズルを回転させながら、加熱装置の加熱ノズルから当該端部に向けて熱風を噴射することもできる。
あるいは、局所アニール工程で、樹脂製チューブ素材の端部を加熱するに際し、樹脂製チューブ素材の端部の周囲を覆って加熱装置を配置し、加熱装置の内側で当該端部を加熱することも可能である。
そしてまた、この発明の樹脂製配管の製造方法では、局所アニール工程で、樹脂製チューブ素材の端部の加熱後の冷却を、当該端部の自然冷却により行うことが好ましいが、当該端部にエアーを吹き付けることにより行うこともできる。
なお、樹脂製配管は、少なくとも、樹脂製チューブ部材と、前記樹脂製チューブ部材と端部の溶着により連結された樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材とを含むものであって、前記樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材との端部溶着工程前に、樹脂製チューブ素材の端部のみを局所的に加熱した後に冷却して樹脂製チューブ部材を得る局所アニール工程を含む工程を経て製造されたものであり、前記樹脂製チューブ部材が、前記端部として残留応力が除去された端部を有し、前記樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材との連結箇所における内面の段差が、当該内面の周方向の平均値で0.4mm以下、好ましくは0.3mm以下である。
この発明によれば、端部溶着工程に先立ち、樹脂製チューブ素材の端部のみを局所的に加熱し、該加熱の後、当該端部の内側に形状維持器具を挿入した状態で当該端部を冷却して、樹脂製チューブ部材を得る局所アニール工程を行うことにより、その後に溶着に供される端部での残留応力を除去することができる。それにより得られた樹脂製チューブ部材を用いることで、樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材と端部で溶着する際の加熱時に、成形条件によらず端部が均一に溶融して変形することから、溶着された端部での位置ずれや段差の発生を有効に防止することができる。
この発明の一の実施形態に係る樹脂製配管の製造方法を示すフロー図である。 端部加工工程での加工前後の端部形状をそれぞれ示す、樹脂製チューブ素材の中心軸線に沿う部分縦断面図である。 局所アニール工程における加熱装置による樹脂製チューブ素材の端部の加熱態様の例を示す平面図である。 図3と同様の加熱態様を示す斜視図である。 局所アニール工程における加熱装置による樹脂製チューブ素材の端部の加熱態様の他の例を示す斜視図である。 局所アニール工程における他の加熱装置による樹脂製チューブ素材の端部の加熱態様の例を示す斜視図および、当該他の加熱装置を軸線方向に沿って切断して示す斜視図である。 局所アニール工程での加熱後の冷却時に、樹脂製チューブ素材の端部に取り付ける形状維持器具を示す斜視図である。 図7の形状維持器具を、樹脂製チューブ素材の端部への取付け前後の状態で示す斜視図である。 発明例の樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手の連結箇所を示す縦断面図である。 比較例の樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手の連結箇所を示す縦断面図である。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態に係る樹脂製配管の製造方法では、図1に例示するように、樹脂材料から成形した長尺管状素材を所定の長さに切断して、樹脂製チューブ素材を形成する切断工程と、前記樹脂製チューブ素材の端部のみを局所的に加熱し、該加熱の後、当該端部の内側に形状維持器具を挿入した状態で当該端部を冷却して、樹脂製チューブ部材を得る局所アニール工程と、前記樹脂製チューブ部材の端部および、該樹脂製チューブ部材に連結する樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材の端部をともに加熱して溶融させ、それらの端部どうしを突き合わせて溶着する端部溶着工程とを行うことにより、樹脂製配管を製造する。図1に示す実施形態のように、必要に応じて、切断工程の後、局所アニール工程に先立って、樹脂製チューブ素材の端部をテーパー形状にする端部加工工程をさらに有することができる。
(切断工程)
切断工程では、一般に押出成形により成形される長尺管状素材を、製造しようとする樹脂製配管で用いる箇所に応じた所定の長さに切断することで、一本以上の樹脂製チューブ素材を形成する。樹脂製チューブ素材は通常、直線もしくは曲線状の直管もしくは曲管形状をなす。
この切断工程では、たとえば、長尺管状素材を大まかにカットする一段目の切断と、その後、高い精度で所定の長さにカットしつつ端面を仕上げる二段目の切断とに分けて行うことができる。
長尺管状素材を構成する樹脂材料としては、たとえば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等を挙げることができるが、ここで挙げた材料以外のものを用いることも可能である。後述する端部溶着工程で樹脂製チューブ部材に端部で溶着される樹脂製管継手や他の樹脂製チューブ部材も、これと同様の樹脂材料からなるものとすることができる。なお樹脂製管継手は、たとえば所定の金型を用いた射出成形により成形することが一般的であり、内部流路が略L字状に折れ曲がるエルボや、内部流路が途中で分岐してT字状等をなすチーズ、内部流路の断面積が途中で変化するレデューサ等の様々なものがある。
(端部加工工程)
切断工程で得られた樹脂製チューブ素材に対しては、そのまま後述の局所アニール工程を行うことも可能であるが、局所アニール工程の前に、端部加工工程を行うことが好適である。
端部加工工程を行う場合は、たとえば端面カッター等を用いて、図2(a)に縦断面図で示すような樹脂製チューブ素材11の端部12に、その端部12が、図2(b)に同様の図で示すように、端部12の端面に近づくにつれて、同図では右側に向かうに従って肉厚が漸減するテーパー形状とする加工を施す。より好ましくは、樹脂製チューブ素材11の両端部12のそれぞれを、図示のようなテーパー形状とする。このことによれば、溶着後の内ビードを有効に低減することができる。
なおここでは、必ずしも、樹脂製チューブ素材11の端部12の軸線方向の全体をテーパー形状とすることを要せず、少なくとも、端部12の内径から半径方向外側に肉厚の半分以上離れた位置までの領域がテーパー形状であれば、上記の効果を得ることができる。また、端部12のテーパー形状のテーパー角度αは、中心軸線CAに直交する溶着端面に対して5°~10°の範囲内とすることが好適である。
(局所アニール工程)
上述した切断工程の後、または、端部加工工程の後、端部溶着工程に先立って、樹脂製チューブ素材の端部のみを局所的に加熱するとともに、その加熱後に、当該端部に形状維持器具を挿入した状態で当該端部を冷却して、樹脂製チューブ部材を得る局所アニール工程を行う。
局所アニール工程を行う理由は次のとおりである。
一般に樹脂製管継手は、射出成形により成形した後、寸法安定性を高める目的等でその全体を加熱する全体アニール処理を施すが、樹脂製チューブ部材は、従来は押出成形により成形した後にそのまま、樹脂製管継手等と端部で溶着させて連結していた。
この場合、従来の方法では、樹脂製チューブ部材の端部で、押出成形により生じた残留応力が端部溶着時の加熱によって解放されることにより、それと溶着される樹脂製管継手等の端部に比して大きな変形や撓みが発生し、これが、溶着後に樹脂製管継手等の端部との間に大きな位置ずれや段差を生じさせて、製品としての樹脂製配管の品質を低下させる原因となっていた。
かかる問題に対処するため、この実施形態では、端部どうしの溶着に先立って、押出成形等により成形された樹脂製チューブ素材の端部の残留応力を除去するため、樹脂製チューブ素材の端部のみを局所的に加熱するとともに、その後に冷却する局所アニール工程を行う。このことによれば、局所アニール工程を経て得られた樹脂製チューブ部材では、その端部の残留応力が既に取り除かれているので、樹脂製チューブ部材の端部を、樹脂製管継手等の端部と溶着させるために加熱した際に、当該端部での残留応力の変化に起因する変形の発生が効果的に抑制される。その結果として、樹脂製管継手等の端部との間での位置ずれや段差の発生を有効に防止することができる。
なおここで、樹脂製チューブ素材の成形後に、残留応力を除去するため、端部を含む樹脂製チューブ素材の全体を加熱して冷却する全体アニール処理を施すことも考えられるが、この場合は、たとえば長尺の樹脂製チューブ素材といったような様々なサイズのものに対応可能な大型のアニール炉が必要となり、コストや配置スペースの観点から問題がある。またこの場合、製造ロットごとの樹脂製チューブ素材に応じたアニール条件を細かく調整することが困難である。その他、全体アニール処理は、アニールを要しない部分まで加熱することから、コストの増大及び製造能率の低下が否めない。
したがって、この実施形態では、樹脂製チューブ素材の全体を加熱・冷却する全体アニール工程を行わず、樹脂製チューブ素材の端部のみを局所的に加熱するとともに冷却する局所アニール工程を行う。
局所アニール工程で加熱及び冷却する樹脂製チューブ素材の端部とは、樹脂製チューブ素材の軸線方向の最も外側に存在し、少なくとも、その後の端部溶着工程で加熱により溶融させる部分である。具体的には、樹脂製チューブ素材の端部は、たとえば、樹脂製チューブ素材の端面の位置から、軸線方向の内側に向けて、該軸線方向に沿って測って20mmの位置までの部分、特に端面の位置から10mmの位置までの部分とすることができる。
樹脂製チューブ部材の両端部のそれぞれを、樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材の端部と溶着させることを想定している場合、その前の局所アニール工程では、樹脂製チューブ素材の両端部のそれぞれを加熱・冷却することが好ましい。
局所アニール工程では、図3、4に例示するような加熱装置1を用いて、樹脂製チューブ素材11の端部12を加熱することができる。この加熱装置1は、いわゆるヒートガンと称され得るものであり、その加熱ノズル2から熱風を噴射して、対象物を加熱するものである。
熱風を噴射する加熱装置1を用いる場合は、図3に示すように、樹脂製チューブ素材11の端部12での軸線方向ADに対する熱風の噴射方向BDの角度θを90°として、噴射方向BDを軸線方向ADに対して直交する向きとするか、または、熱風の噴射方向BDを、軸線方向ADと直交する向きより軸線方向ADの外側に向けて傾斜させて、噴射方向BDを、加熱する端部12の開口側に向けるとともに、軸線方向ADに対する噴射方向BDの角度θを30°以上かつ90°未満とすることができる。
このように軸線方向ADに対する噴射方向BDの角度θを30°~90°としたときは、熱風が狙った位置に当たり、安定した品質が見込まれるという利点がある。これを言い換えると、角度θを30°より小さくした場合は、熱風が外側面にそって流れ、アニール不足となることが懸念され、この一方で、角度θを90°より大きくした場合は、熱風が内側へ入り込み、チューブ端部の変形となるおそれがある。
ここで、樹脂製チューブ素材11の端部12に加熱装置1で熱風を噴射する場合、端部12をその全周にわたって均等に加熱するため、加熱装置1は固定する一方で、樹脂製チューブ素材11は図示しない自動回転クランプ冶具等に装着して自動で、または手動で、図4に矢印で示すように、少なくとも当該端部12をその中心軸線CAの周りで回転させることが好ましい。このように樹脂製チューブ素材11の端部12を回転させたときは、装置の簡易化を実現できるという利点があるが、手作業でも容易に回転させることができる。
特にここでは、樹脂製チューブ素材11の回転速度を10rpm~30rpmとすることが好適である。この回転速度が遅すぎる場合、熱風が集中し端部12が溶融変形するおそれがあり、また速すぎる場合、アニール不足となる懸念がある。
あるいは、樹脂製チューブ素材11の端部12に加熱装置1で熱風を噴射する際にしては、樹脂製チューブ素材11側を固定し、図5に矢印で示すように、加熱装置1側の加熱ノズル2を自動または手動で、樹脂製チューブ素材11の端部12の周囲にて当該端部12の中心軸線CAの周りで回転させることもできる。加熱装置1側をこのように回転させた場合は、長尺のものや、複雑形状のものの端部12の加熱が可能になるという利点がある。
端部12の中心軸線CAの周りでの加熱ノズル2の回転速度は、10rpm~30rpmとすることが好ましい。加熱ノズル2の回転速度が遅すぎる場合、熱風が集中し端部12が溶融変形するおそれがあり、この一方で、速すぎる場合、アニール不足となることが考えられる。
またさらに、図6に示すような他の加熱装置3を用いて、樹脂製チューブ素材11の端部12の周囲を覆って加熱装置3を配置し、加熱装置3の円筒状部分の内側の加熱空間4で当該端部12を加熱することもできる。この加熱装置3では、加熱空間4の周面に形成された多数の小孔から加熱空間4へ熱風が流れ込み、そこに配置された対象物を加熱するものであり、樹脂製チューブ素材11等を回転させることなしに、その端部12の周囲を均等に加熱することができる。この場合、装置の簡易化を実現でき、かつ、長尺や複雑形状のものの端部12の加熱が可能になるという利点がある。
このようにして樹脂製チューブ素材11の端部12を加熱するに際しては、端部12の残留応力をより効果的に除去するため、端部12を、その樹脂製チューブ素材11を構成する樹脂材料に応じて、当該プラスチック樹脂の融点付近の温度で、5秒~3分にわたって加熱することが有効である。加熱時の端部12の温度が低すぎたり、加熱時間が短すぎたりすると、その内部の残留応力の除去が不十分となることが考えられる。また、加熱時の端部12の温度が高すぎると、端部12が溶融してしまうおそれがあり、加熱時間が長すぎると、端部12が溶融変形し、樹脂が劣化することが懸念される。
樹脂製チューブ素材11の端部12を加熱した後は、その端部12を常温まで冷却する。
この冷却では、図7に示すような形状維持器具21を用いる。なおこの形状維持器具21は、樹脂製チューブ素材11の端部12の内側に整合し、当該内側に挿入して嵌め込むことのできる円柱状の挿入部22と、挿入部22の後端側(図7では下側)に段差を介して形成されて、挿入部22よりも外径が大きい円柱状の保持部23とで構成されている。
具体的には、樹脂製チューブ素材11の端部12の加熱直後に、図8(a)及び(b)に示すように、形状維持器具21の保持部23を掴んで、樹脂製チューブ素材11の端部12の内側に、形状維持器具21の挿入部22を挿入して取り付ける。これにより、冷却時に、内側に挿入された形状維持器具21の挿入部22によって端部12の内側形状が維持されるので、製造される樹脂製チューブ部材の寸法精度の向上を図ることができる。
冷却は、常温で放置する自然冷却、エアーを吹き付ける空冷、または、水を使用する水冷等の様々な方法により行うことができるが、なかでも、常温で放置する自然冷却により冷却することが、徐冷による結晶化度の促進の観点から好ましい。
(端部溶着工程)
以上に述べたようにして得られた樹脂製チューブ部材は、樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材と連結するための端部溶着工程に供される。そして、このような連結を繰り返して、所期した形状をなす樹脂製配管を製造することができる。
樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手とのそれぞれの端部を互いに溶着する場合は、たとえば、図示しない溶着機の対をなすクランプ治具のそれぞれに、相互に連結しようとする樹脂製チューブ部材及び樹脂製管継手の各端部が互いに対向する姿勢で、それらの樹脂製チューブ部材及び樹脂製管継手のそれぞれを保持させ、その後、樹脂製チューブ部材及び樹脂製管継手のそれぞれの端部を、ヒーター等によって加熱して溶融させた状態で、樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手とを互いに接近させ、それらの端部を、所要の圧力の作用により突き合わせる。
ここにおいて、この実施形態では、先述したような樹脂製チューブ素材の端部のみを加熱するとともに冷却する局所アニール工程を行ったことにより、樹脂製チューブ部材の端部では成形に起因する残留応力が有効に除去されているので、端部を溶着させる際の加熱時に、樹脂製チューブ部材の当該端部が大きく変形せず、また変形態様が樹脂製チューブ部材ごとに均一となる。その結果、それらの樹脂製チューブ部材どうしの又はそれと樹脂製管継手の溶着された端部の内面は、位置ずれや段差の発生が防止されるので、配管の内部で液体を円滑に流すことができ、また段差による液溜まりやパーティクルの滞留が生じない。したがって、配管の品質を大きく高めることができる。
なお、二個の樹脂製チューブ部材のそれぞれの端部どうしを溶着する場合は、一の樹脂製チューブ部材と他の樹脂製チューブ部材とがいずれも、上述した局所アニール工程を経て作製されたものであることが好適であり、それにより、それらの樹脂製チューブ部材で、端部を溶着させる前の加熱溶融時の変形が均一となり、そこでの段差や位置ずれの発生がより有効に防止される。
このようにして製造された配管では、樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手等との連結箇所である溶着された各端部に生じ得る内面の段差が、当該端部で半径方向に沿って測定して、周方向の平均値で0.4mm以下、さらには0.3mm以下とすることができる。この段差の平均値は、周方向にて等間隔に4か所の各測定点で、顕微鏡を用いて測った値の平均とする。
次に、この発明の樹脂製配管の製造方法を試験的に実施し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
発明例として、押出成形により成形したPFAからなる長尺管状素材を所定の長さで切断し、それにより得られた樹脂製チューブ素材の端部を、ヒートガンを用いて、380℃の温度で2分間加熱するとともに冷却する局所アニール工程を行い、樹脂製チューブ部材を作製した。樹脂製チューブ部材は、外径が25.4mm、内径が22.2mm、軸線方向の長さが100mmの直管状のものとした。この樹脂製チューブ部材の端部を、射出成形で得られたPFAからなる樹脂製管継手の等しい内外径の端部に溶着して、それらを連結した。樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手の連結箇所を図9に示す。これらの樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手との連結箇所の内面の段差は、平均値で0.4mmであった。
比較例では、樹脂製チューブ素材に対して局所アニール工程を行わず、樹脂製チューブ素材をそのまま樹脂製チューブ部材としたことを除いて、発明例と同様にして、当該樹脂製チューブ部材を樹脂製管継手と連結した。これらの樹脂製チューブ部材と樹脂製管継手との連結箇所の段差を確認したところ、図10に示すように、樹脂製チューブ部材の端部が大きく内側に倒れ込む変形が生じており、その段差は、平均値で1.0mmであった。
以上より、この発明によれば、局所アニール工程を行うことにより、他の樹脂製管継手との連結箇所における段差を有効に抑制できることが解かった。
1、3 加熱装置
2 加熱ノズル
4 加熱空間
11 樹脂製チューブ素材
12 端部
21 形状維持器具
22 挿入部
23 保持部
α 端部12のテーパー角度
BD 熱風の噴射方向
AD 軸線方向
CA 中心軸線
θ 軸線方向に対する噴射方向の角度

Claims (6)

  1. 樹脂製配管を製造する方法であって、
    樹脂材料から成形した長尺管状素材を所定の長さに切断して、樹脂製チューブ素材を形成する切断工程と、
    前記樹脂製チューブ素材の端部のみを局所的に加熱し、該加熱の後、当該端部の内側に形状維持器具を挿入した状態で当該端部を冷却して、樹脂製チューブ部材を得る局所アニール工程と、
    前記樹脂製チューブ部材の端部および、該樹脂製チューブ部材に連結する樹脂製管継手もしくは他の樹脂製チューブ部材の端部をともに加熱して溶融させ、それらの端部どうしを突き合わせて溶着する端部溶着工程と
    を有する、樹脂製配管の製造方法。
  2. 前記切断工程の後であって局所アニール工程の前に、前記樹脂製チューブ素材の端部を、その端部の端面に近づくにつれて肉厚が減少するテーパー形状とする加工を施す端部加工工程をさらに有する、請求項1に記載の樹脂製配管の製造方法。
  3. 局所アニール工程で、樹脂製チューブ素材の端部を加熱するに際し、加熱装置を固定し、樹脂製チューブ素材を当該端部の中心軸線の周りで回転させながら、加熱装置の加熱ノズルから当該端部に向けて熱風を噴射する、請求項1又は2に記載の樹脂製配管の製造方法。
  4. 局所アニール工程で、樹脂製チューブ素材の端部を加熱するに際し、樹脂製チューブ素材を固定し、樹脂製チューブ素材の端部の周囲にて当該端部の中心軸線の周りで加熱装置の加熱ノズルを回転させながら、加熱装置の加熱ノズルから当該端部に向けて熱風を噴射する、請求項1又は2に記載の樹脂製配管の製造方法。
  5. 局所アニール工程で、樹脂製チューブ素材の端部を加熱するに際し、樹脂製チューブ素材の端部の周囲を覆って加熱装置を配置し、加熱装置の内側で当該端部を加熱する、請求項1又は2に記載の樹脂製配管の製造方法。
  6. 局所アニール工程で、樹脂製チューブ素材の端部の加熱後の冷却を、当該端部の自然冷却により行う、請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂製配管の製造方法。
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