JP6994368B2 - Absorbent article - Google Patents
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Description
本発明は、生理用ナプキンなどの吸収性物品に関する。 The present invention relates to absorbent articles such as sanitary napkins.
使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品は、一般に、相対的に着用者の肌から近い位置に配される表面シートと、相対的に着用者の肌から遠い位置に配される裏面シートと、両シート間に介在する吸収体とを含んで構成される。この吸収体は、典型的には、木材パルプ等の親水性繊維(吸水性繊維)を主体とし、さらに吸水性ポリマー粒子を含んで構成される場合が多い。吸収性物品に使用される吸収体については、柔軟性(クッション性)、圧縮回復性、保形性などの諸特性の向上が大きな課題である。 Absorbent articles such as disposable diapers and sanitary napkins generally include a front sheet that is placed relatively close to the wearer's skin and a back sheet that is placed relatively far from the wearer's skin. , Consists of an absorber interposed between the two sheets. This absorber is typically composed mainly of hydrophilic fibers (water-absorbent fibers) such as wood pulp and further contains water-absorbent polymer particles. For absorbers used in absorbent articles, improving various properties such as flexibility (cushioning property), compression recovery property, and shape retention property is a major issue.
吸収体の改良技術として、例えば特許文献1には、熱可塑性樹脂繊維とセルロース系吸水性繊維とを含有する吸収体であって、該熱可塑性樹脂繊維が、該吸収体の表面シート側の表面と該吸収体の裏面シート側の表面との両方に露出しているものが記載されている。特許文献1記載の吸収体によれば、熱可塑性樹脂繊維が、セルロース系吸水性繊維などの該吸収体の他の成分を保持するための骨格として機能するため、柔らかく且つヨレにくいとされている。また特許文献1には、この吸収体を具備する吸収性物品として、表面シート側からのエンボス加工により形成された凹陥状のエンボス部を有するものが記載され、さらに該エンボス部において、熱可塑性樹脂繊維が他の繊維と融着していることが好ましい旨記載されている。特許文献1記載のエンボス部は、本技術分野において防漏溝などとも呼ばれる公知のものであり、面方向での液拡散性や保形性の向上などを目的として、吸収性物品に採用されている。
As a technique for improving the absorber, for example,
また特許文献2には、熱融着繊維を含み、予め繊維間を結合させて3次元構造を付与した不織布片と、親水性繊維とを含有する吸収体が記載されている。この3次元構造の不織布片は、カッターミル方式などの粉砕手段を用いて不織布を細片状に粉砕して製造されるもので、斯かる製造方法に起因して、同文献の図1及び図3に記載されているように不定形状をなしていて、平面とみなせるような部分を実質的に有していない。特許文献2には、同文献記載の吸収体の好ましい形態として、不織布片同士を熱融着させたものが記載されている。特許文献2記載の吸収体によれば、不織布片が三次元構造を有するため、該吸収体内部に空隙が形成され、水分を吸収した時の復元性が向上し、その結果、吸水性能が向上するとされている。
Further,
また特許文献3には、比較的稠密な微細繊維核と、該核から外方に延出している繊維又は繊維束を有する微細ウエブが記載され、また、該微細ウエブと木材パルプや吸水性ポリマー粒子とを混合した不織ウエブが、吸収性物品用の吸収体として使用できることが記載されている。この微細ウエブは、不織布などの原料シートをむしり取って、または引きちぎり取って製造されるもので、特許文献2記載の不織布片と同様に、不定形状をなしていて、平面とみなせるような部分を実質的に有していない。
Further,
特許文献1記載の吸収体は、セルロース系吸水性繊維に加えてさらに合成繊維(熱可塑性樹脂繊維)を含有しているが、含有されている複数の合成繊維が個々独立に存在していて、まとまった1つの塊を形成しているものではない。そのため、特許文献1記載の吸収体は、クッション性、圧縮回復性等が十分ではなく、それ故に吸収性物品に適用された場合には、ヨレやすくフィット性が不十分となるおそれがあり、特に尿、経血などの体液の吸収後は、そのような不都合の発生が顕著である。
The absorber described in
一方、特許文献2及び3記載の吸収体はいずれも、含有されている合成繊維が、不織布片ないし微細ウエブなどと呼ばれる合成繊維集合体であるが、前述した通り、合成繊維を主体とする不織布を細片状に粉砕し、あるいはむしり取ったり引きちぎり取ったりして製造されるものであるため、不定形状であって形状及び大きさが揃っておらず、そのことに起因して、木材パルプなどと混合した場合には両者の均一な混合が得られ難く、所望の効果が得られないおそれがある。
On the other hand, in each of the absorbers described in
また、吸収体の保形性の向上の観点から、特許文献2に記載されているように、吸収体に含有されている全ての合成繊維集合体同士を熱融着させると、吸収体の柔軟性が損なわれ、吸収性物品のフィット性の向上が不十分となる。合成繊維集合体を含む吸収体で、柔軟性及びフィット性等と保形性とを高いレベルで両立し得るものは未だ提供されていない。
Further, from the viewpoint of improving the shape retention of the absorber, as described in
従って本発明の課題は、吸収体のクッション性、圧縮回復性及び保形性に優れ、着用感及びフィット性が良好で液吸収性にも優れる吸収性物品を提供することに関する。 Therefore, an object of the present invention is to provide an absorbent article having excellent cushioning property, compression recovery property and shape retention property of the absorber, good wearing feeling and fit, and excellent liquid absorption property.
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、縦方向において、着用者の排泄部に対向する排泄部対向部を含む縦中央域と、該排泄部対向部よりも着用者の腹側に配される前方域と、該排泄部対向部よりも着用者の背側に配される後方域とに区分され、吸収体と該吸収体の肌対向面側に配された表面シートとを含む、吸収性本体を具備する吸収性物品であって、前記吸収体は、複数の合成繊維を含んでなる繊維塊と、吸水性繊維とを含み、前記吸収性本体に、前記表面シート及び前記吸収体が該吸収体の非肌対向面側に一体的に凹陥した凹陥部が部分的に形成され、該凹陥部は、該吸収性本体における該凹陥部が形成されていない部分である非凹陥部に比して、密度が高く、前記非凹陥部の前記吸収体では、複数の前記繊維塊同士が融着せずに交絡している吸収性物品である。 The present invention has a vertical direction corresponding to the front-back direction of the wearer and a horizontal direction orthogonal to the vertical direction, and in the vertical direction, a vertical central region including an excretion portion facing portion facing the wearer's excretion portion, and the vertical central region. It is divided into an anterior region located on the ventral side of the wearer from the facing portion of the excretion part and a posterior region located on the back side of the wearer from the facing portion of the excretion part. An absorbent article comprising an absorbent body, including a surface sheet arranged on the opposite side, wherein the absorber comprises a fiber mass comprising a plurality of synthetic fibers and a water-absorbing fiber. The surface sheet and the recessed portion in which the absorber is integrally recessed on the non-skin facing surface side of the absorber are partially formed in the absorbent body, and the recessed portion is formed in the recessed portion in the absorbent body. The density is higher than that of the non-recessed portion, which is a portion where the portion is not formed, and in the absorber of the non-recessed portion, a plurality of the fiber lumps are entangled without fusion. be.
本発明の吸収性物品は、吸収体のクッション性、圧縮回復性及び保形性に優れ、着用感及びフィット性が良好で液吸収性にも優れる。吸収体の斯かる特長は、体液の吸収前のみならず吸収後にも発現され得る。 The absorbent article of the present invention is excellent in cushioning property, compression recovery property and shape retention property of the absorber, good wearing feeling and fit, and excellent liquid absorption property. These features of the absorber can be manifested not only before and after absorption of the body fluid.
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1が示されている。ナプキン1は、体液を吸収保持する吸収体4と、該吸収体4の肌対向面側に配され、着用者の肌と接触し得る液透過性の表面シート2と、該吸収体4の非肌対向面側に配された液難透過性の裏面シート3とを具備する。ナプキン1は、図1に示すように、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有し、また縦方向Xにおいて、着用者の膣口などの排泄部に対向する排泄部対向部(排泄ポイント)を含む縦中央域Bと、該排泄部対向部よりも着用者の腹側(前側)に配される前方域Aと、該排泄部対向部よりも着用者の背側(後側)に配される後方域Cとの3つに区分される。
Hereinafter, the present invention will be described based on the preferred embodiment thereof with reference to the drawings. 1 and 2 show a
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側、即ち相対的に着用者の肌から遠い側に向けられる面である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。 In the present specification, the "skin facing surface" is a surface of the absorbent article or its constituent members (for example, the absorbent body 4) that is directed toward the skin side of the wearer when the absorbent article is worn, that is, relatively of the wearer. The side closer to the skin, the "non-skin facing surface" is the side of the absorbent article or its constituents that is opposite to the skin side when the absorbent article is worn, that is, toward the side relatively far from the wearer's skin. It is the surface to be. The term "when worn" as used herein means a state in which a normal proper wearing position, that is, a correct wearing position of the absorbent article is maintained.
ナプキン1は、図1に示すように、縦方向Xに長い形状の吸収性本体5と、吸収性本体5における縦中央域Bの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部5W,5Wとを有している。吸収性本体5は、ナプキン1の主体をなす部分であり、前記の表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を具備し、縦方向Xにおいて前方域A、縦中央域B及び後方域Cの3つに区分される。
As shown in FIG. 1, the
尚、本発明の吸収性物品における縦中央域は、ナプキン1のように吸収性物品がウイング部を有する場合には、該吸収性物品の縦方向(長手方向、図中のX方向)においてウイング部を有する領域を意味し、ナプキン1を例にとれば、一方のウイング部5Wの縦方向Xに沿う付け根と他方のウイング部5Wの縦方向Xに沿う付け根とに挟まれた領域である。また、ウイング部を有しない吸収性物品における縦中央域は、吸収性物品を縦方向に3等分したときに中間に位置する領域を意味する。
The vertical central region of the absorbent article of the present invention is a wing in the vertical direction (longitudinal direction, X direction in the figure) of the absorbent article when the absorbent article has a wing portion as in the
ナプキン1においては、吸収体4は、液吸収性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の外面を被覆する液透過性のコアラップシート41とを含んで構成されている。吸収性コア40は、吸収性本体5と同様に、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い形状をなしており、吸収性コア40の長手方向は、ナプキン1の縦方向Xに一致し、吸収性コア40の幅方向は、ナプキン1の横方向Yに一致している。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、ホットメルト型接着剤等の接着剤により接合されていてもよい。
In the
ナプキン1においては、コアラップシート41は、吸収性コア40の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続したシートであり、図2に示すように、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横
方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆している。尚、本発明においては、コアラップシートはこのような1枚のシートでなくてもよく、例えば、吸収性コア40の肌対向面を被覆する1枚の肌側コアラップシートと、該肌側コアラップシートとは別体で、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する1枚の非肌側コアラップシートとの2枚を含んで構成されていてもよい。
In the
図2に示すように、表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、後述するサイドシート6と共にサイドフラップ部(吸収体4から横方向Yの外方に延出する部材からなる部分)を形成している。裏面シート3とサイドシート6とは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。表面シート2及び裏面シート3それぞれと吸収体4との間は接着剤によって接合されていてもよい。表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。
As shown in FIG. 2, the
前記サイドフラップ部は、図1に示すように、縦中央域Bにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体5の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部5W,5Wが延設されている。ウイング部5Wは、図1に示す如き平面視において、下底(上底よりも長い辺)が吸収性本体5の側部側に位置する略台形形状を有しており、その非肌対向面には、該ウイング部5Wをショーツ等の着衣に固定するウイング部粘着部(図示せず)が形成されている。ウイング部5Wは、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されて用いられる。前記ウイング部粘着部は、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シート(図示せず)によって被覆されている。また、吸収性本体5の肌対向面即ち表面シート2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部には、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、一対のサイドシート6,6が吸収性本体5の縦方向Xの略全長に亘って配されている。一対のサイドシート6,6は、それぞれ縦方向Xに延びる図示しない接合線にて、接着剤等の公知の接合手段によって表面シート2等の他の部材に接合されている。
As shown in FIG. 1, the side flap portions greatly project outward in the horizontal direction Y in the vertical central region B, whereby a pair of side flap portions are formed on the left and right sides of the absorbent
図1及び図2に示すように、吸収性本体5には、表面シート2及び吸収体4が該吸収体4の非肌対向面側に一体的に凹陥した、凹陥部7が部分的に形成されている。吸収性本体5は、凹陥部7と、凹陥部7が形成されていない部分である非凹陥部8とを有する。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
凹陥部7は、ナプキン1(吸収性本体5)に対しその肌対向面即ち表面シート2側から圧搾加工を施すことによって形成されており、その形成方法から「圧搾部」と言うこともできる。凹陥部7は、その形成方法に起因して、表面シート2、コアラップシート41及び吸収性コア40が、該吸収性コア40の非肌対向面側(裏面シート3側)に向かって一体的に凹陥している。また凹陥部7は、このような形成方法に起因して、非凹陥部8に比して密度が高い。即ち、吸収性本体5は、凹陥部7に対応する高密度部と、非凹陥部8に対応する低密度部とを有する。
The recessed
また、凹陥部7を形成するためにナプキン1(吸収性本体5)に施される前記圧搾加工は、通常、吸収体4に含まれる繊維塊11の構成繊維として好ましく用いられる熱可塑性繊維の溶融を伴う条件でなされ、具体的には、熱を伴うエンボス加工、超音波エンボス等の公知のエンボス加工が挙げられる。斯かる凹陥部7の形成方法に起因して、凹陥部7の底部、即ち空間部である凹陥部7と図1に示す如き平面視において重なる部分では、表面
シート2、コアラップシート41及び吸収性コア40が熱融着されて一体化し得る。
Further, the squeezing process applied to the napkin 1 (absorbent body 5) to form the recessed
ナプキン1においては、図1に示すように、凹陥部7は、図1に示す如き平面視において線状をなし、縦方向Xに延びる左右一対の縦凹陥部7X,7Xと、横方向Yに延びる前後一対の横凹陥部7Y,7Yとを含む。これら複数の縦凹陥部7X及び横凹陥部7Y同士は、それらの長さ方向の端部にて連結しており、凹陥部7全体として1つの閉じた環状をなしている。一対の縦凹陥部7X,7Xは、それぞれ、少なくとも縦中央域Bの縦方向Xの全長にわたって延びる連続線状をなしている。また、一対の横凹陥部7Y,7Yのうちの一方は前方域Aに存在し、他方は後方域Cに存在しており、いずれの横凹陥部7Yも平面視において、縦方向Xの外方に向かって凸のU字状ないし弧状の連続線状をなし、且つそのU字状ないし弧状の頂部がナプキン1の横方向Yの中央に位置している。縦中央域Bの中央部、即ち前記排泄部対向部(排泄ポイント)を含む部分は、平面視において閉じた環状をなす凹陥部7のその環の中に位置している。
In the
一方、非凹陥部8は、吸収性本体5における凹陥部7が形成されていない部分であり、図1に示すように、平面視において閉じた環状をなす凹陥部7のその環の中と、該環の外とに存在する。即ちナプキン1においては、少なくとも吸収性本体5の周縁部と縦中央域Bの中央部(前記排泄部対向部及びその近傍)とが、非凹陥部8である。
On the other hand, the
ナプキン1の主たる特徴部分の1つとして吸収体4、特に吸収体4の主体をなす吸収性コア40が挙げられる。図3には、吸収性コア40の一部(非凹陥部8に位置する部分)が示されている。吸収体4、より具体的には吸収性コア40は、図2及び図3に示すように、複数の繊維(合成繊維)11Fを含んでなる繊維塊11と、吸水性繊維12Fとを含む。繊維塊11は、繊維11Fが意図的に塊状に集積されて一体化された繊維集合体であるのに対し、吸水性繊維12Fは、意図的に一体化されずに個々独立に存在し得る状態で吸収性コア40中に存在している。繊維塊11は主として、吸収性コア40の柔軟性、クッション性、圧縮回復性、保形性などの向上に寄与する。一方、吸水性繊維12Fは主として、吸収性コア40の液吸収性及び保形性などの向上に寄与する。尚、吸収性コア40は、実質的には吸収体4そのものとも言えるものであり、以下の吸収性コア40についての説明は、特に断らない限り、吸収体4の説明として適宜適用される。即ち、本発明には、吸収体がコアラップシートを含まず吸収性コアのみで形成されている場合が包含されるところ、その場合には、吸収体と吸収性コアとは同じ意味である。
One of the main characteristic portions of the
本明細書において「繊維塊」とは、複数の繊維がまとまって一体となった繊維集合体のことである。繊維塊の形態としては、例えば一定の大きさを有する合成繊維シートから分割されたシート片が挙げられる。特に、合成繊維シートとして不織布を選択し、該不織布から所定の大きさ及び形状に切り出した不織布片が繊維塊として好ましい。 As used herein, the term "fiber mass" is a fiber aggregate in which a plurality of fibers are grouped together and integrated. Examples of the form of the fiber mass include a sheet piece divided from a synthetic fiber sheet having a certain size. In particular, a non-woven fabric is selected as the synthetic fiber sheet, and a non-woven fabric piece cut out from the non-woven fabric into a predetermined size and shape is preferable as the fiber mass.
少なくとも非凹陥部8の吸収性コア40、即ち圧搾加工が施されていない本来の姿の吸収性コア40において、複数の繊維塊11同士、及び繊維塊11と吸水性繊維12Fとは、それぞれ互いに交絡している。即ち非凹陥部8の吸収性コア40においては、複数の繊維塊11がそれらの構成繊維11F同士の絡み合いによって結合して1つの繊維塊連続体を形成しており、また、該繊維塊連続体に吸水性繊維12Fが絡み付いて結合している。さらに通常は、複数の吸水性繊維12F同士も互いに交絡している。非凹陥部8の吸収性コア40に含有されている複数の繊維塊11の少なくとも一部は、他の繊維塊11あるいは吸水性繊維12Fと交絡している。非凹陥部8の吸収性コア40においては、それに含有されている複数の繊維塊11の全部が互いに交絡して1つの繊維塊連続体を形成している場合があり得るし、複数の繊維塊連続体が互いに非結合の状態で混在している場合があり得る。
At least in the
繊維塊11は、柔軟性などに優れるものであるから、これを吸収体に含有させることで、その吸収体は潜在的に柔軟性等に優れたものとなる。本実施形態では、吸収性コア40に吸水性繊維12Fと共に繊維塊11が複数含有され、少なくとも非凹陥部8では、その複数の繊維塊11同士が融着せずに交絡し、さらに、繊維塊11と吸水性繊維12Fとの間も互いに交絡によって結合しているため、吸収性コア40は保形性、柔軟性、クッション性、圧縮回復性などに優れ、例えば吸収性物品に組み込まれた場合に、様々な方向から受ける外力(例えば吸収性物品着用者の体圧)に対してしなやかに変形し、該吸収性物品を着用者の身体にフィット性よく密着させ得る。
Since the
図4には、非凹陥部8の吸収性コア40が外力Fを受けて圧縮された際の変形状態が模式的に示されている。繊維集合体である繊維塊11と非繊維集合体である吸水性繊維12Fとが混在する吸収性コア40においては、両部材11,12Fの剛性差に起因して、両部材11,12Fの境界BL(図4中の点線)で特に屈曲しやすく、境界BLが吸収性コア40の変形の際の屈曲部として機能するところ、その屈曲部たる境界BLは通常、非凹陥部8の吸収性コア40の全域にわたって存在しているため、該吸収性コア40は、様々な外力に対して応答性よく柔軟に変形し、また、その外力が解除された場合には、繊維塊11が備える圧縮回復性によって速やかに元の状態に復元し得る。このような吸収性コア40の変形-回復特性は、吸収性コア40が圧縮された場合のみならず、ねじれた場合でも同様に発現し得る。即ち、ナプキン1に組み込まれた吸収性コア40は、ナプキン1の着用時において着用者の両大腿部間に挟まれた状態で配置されるため、その吸収体4は、着用者の歩行動作の際の両大腿部の動きによって、縦方向Xに延びる仮想的な回転軸周りにねじられる場合があるが、そのような場合でも、少なくとも非凹陥部8の吸収性コア40は高い変形-回復特性を備えているため、両大腿部からのねじれを促すような外力に対して容易に変形・回復し、従ってヨレにくく、ナプキン1に着用者の身体に対する高いフィット性を付与し得る。
FIG. 4 schematically shows a deformed state when the
少なくとも非凹陥部8の吸収性コア40においては、繊維塊11同士の結合が「融着せずに繊維の交絡」でなされている。尚、繊維塊11同士等の「交絡」には、下記形態A及びBが包含される。
形態A:繊維塊11同士等が、融着ではなく、繊維塊11の構成繊維11F同士の絡み合いによって結合している形態。
形態B:吸収性コア40の自然状態(外力が加わっていない状態)では、繊維塊11同士等は結合していないが、吸収性コア40に外力が加わった状態では、繊維塊11同士等が構成繊維11F同士の絡み合いによって結合し得る形態。ここでいう、「吸収性コア40に外力が加わった状態」とは、例えば、吸収性コア40が適用された吸収性物品の着用中において、吸収性コア40に変形力が加わった状態である。
At least in the
Form A: A form in which the fiber lumps 11 and the like are not fused but are bonded by the entanglement of the
Form B: In the natural state of the absorbent core 40 (a state in which no external force is applied), the fiber lumps 11 and the like are not bonded to each other, but in a state where the
本実施形態における吸収性コア40の非凹陥部8では、形態Aのように、繊維塊11は、他の繊維塊11又は吸水性繊維12Fと、繊維同士の絡み合い即ち「交絡」によって結合している他、形態Bのように、他の繊維塊11又は吸水性繊維12Fと交絡し得る状態でも存在している。斯かる繊維の交絡による結合が、前述した吸収性コア40の作用効果を一層有効に発現するのに重要なポイントの1つとなっている。特に、非凹陥部8は、形態Aの「交絡」を有している方が保形性の点から好ましい。繊維塊11同士の交絡による結合は、接着成分や融着が無く、繊維同士の絡み合いのみによってなされているため、例えば特許文献2に記載の如き「繊維の融着」による結合に比して、交絡している個々の要素(繊維塊11、吸水性繊維12F)の動きの自由度が高く、そのためその個々の要素は、それらからなる集合体としての一体性を維持し得る範囲で移動し得る。このように、吸収性コア40は、それに含有されている複数の繊維塊11同士あるいは繊維塊11と吸水性繊維12Fとが比較的ゆるく結合していることで、外力を受けたときに変形が可能な、緩やかな保形性を有しており、保形性とクッション性及び圧縮回復性等とが高いレベルで
両立されている。そして、斯かる高品質の吸収性コア40を具備するナプキン1は、着用感に優れ、着用者の身体にフィット性良く密着し得る。
In the
さらに、ナプキン1の着用中に吸収性コア40に対して非常に強い外力が繰返し作用したような場合であっても、吸収性本体5は、非凹陥部8に加えてさらに、圧搾されて高密度化された凹陥部7を有しているため、その吸収性コア40は保形性、形状安定性に優れる。例えば、ナプキン1の着用者の両大腿部によって加えられる横方向Yへの強力な圧縮力の如き外力に対しても、凹陥部7を有する吸収性本体5を構成する吸収性コア40は、型崩れし難く、外力に対して応答性良く変形し、また、その外力が解除されれば速やかに復元し得る。また吸収性本体5においては、相対的に密度の高い高密度部たる凹陥部7と相対的に密度の低い低密度部たる非凹陥部8とが面方向に併存していることに起因して、面方向に密度差が生じており、その密度差によって体液が面方向に拡散されやすい。即ち、ナプキン1は、着用者が排泄した体液を速やかに面方向に拡散することができ、そのため、吸収性コア40が本来的に有する吸収性能を有効に活用することができ、従って液吸収性に優れ、高い液防漏性を発現し得る。
これら作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、吸収性コア40に含まれる繊維塊11の構成繊維(合成繊維)11Fとして熱可塑性繊維を用い、凹陥部7においては、該凹陥部7形成時の圧搾加工での該熱可塑性繊維の溶融を伴って、表面シート2、コアラップシート41及び吸収性コア40が熱融着されて一体化されているのが好ましい。
Further, even when a very strong external force repeatedly acts on the
From the viewpoint of ensuring that these actions and effects are exhibited more reliably, a thermoplastic fiber is used as the constituent fiber (synthetic fiber) 11F of the
特にナプキン1においては、図1に示すように、前方域A及び後方域Cに凹陥部7が存在しているため、これらの領域A,Cの保形性や面方向の液拡散性が高められている。また、前記排泄部対向部が存在する縦中央域Bに、クッション性等に優れる非凹陥部8が存在しているため、該縦中央域Bは、体液吸収前の乾燥状態はもとより、体液吸収後の湿潤状態であっても、非凹陥部8の作用によって柔軟でクッション性に富む。
In particular, in the
また非凹陥部8には、複数の繊維塊11がその本来の外形形状をほぼ維持した状態で存在していることに起因して、複数の繊維塊11同士間に形成された空間部が多数存在し、それらの多数の空間部が、非凹陥部8が有する優れたクッション性の発現に寄与していると共に、体液の一時ストック部としても機能し得る。ナプキン1は、このような体液の一時ストック部として機能し得る非凹陥部8を、排泄された体液が集中しがちな部位である縦中央域Bに有しているため、優れた液吸収能を有し、高い液防漏性を発現し得ると共に、その高い液引き込み性により、表面シート2の肌対向面での液残りを低減し、不快な濡れ感やべたつき感を抑制し得る。尚、吸収性コア40が本技術分野で公知の吸水性ポリマーを含んでいる場合、該吸収性コア40に到達した体液は、先ず、前記空間部(複数の繊維塊11同士間の空隙)で一時的にストックされた後、この吸水性ポリマーによって吸収保持されることになる。
Further, in the
また、特にナプキン1においては、図1に示すように、前記排泄部対向部を含む、縦中央域Bの横方向Yの中央部に非凹陥部8が存在し、該非凹陥部8(前記排泄部対向部)を挟んで横方向Yの両側に凹陥部7(縦凹陥部7X)が存在しているため、体液の吸収部位として中心的な役割を果たす前記排泄部対向部及びその近傍は、柔軟性、クッション性、圧縮回復性、保形性等が十分に高められており、前述した作用効果がより確実に奏され得る。
Further, particularly in the
前述した、凹陥部7及び非凹陥部8の存在に起因する作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、ナプキン1の各部の寸法等は以下のように設定することが好ましい。
縦中央域Bにおける、吸収体4(吸収性コア40)の縦方向Xに沿う側縁と凹陥部7(縦凹陥部7X)との横方向Yにおける離間距離L1(図1参照)は、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上、そして、好ましくは25mm以下、さらに好ましく
は20mm以下である。
縦中央域Bの非凹陥部8の横方向Yの長さ即ち幅L2(図1参照)は、好ましくは20mm以上、さらに好ましくは25mm以上、そして、好ましくは70mm以下、さらに好ましくは65mm以下である。
From the viewpoint of more reliably achieving the action and effect caused by the presence of the recessed
In the vertical central region B, the separation distance L1 (see FIG. 1) between the side edge of the absorber 4 (absorbent core 40) along the vertical direction X and the concave portion 7 (vertical
The length, that is, the width L2 (see FIG. 1) of the
吸収体4(吸収性コア40)の肌対向面の全面積に占める、凹陥部7の総面積の割合(凹陥部占有率)は、好ましくは0.02%以上、さらに好ましくは0.1%以上、そして、好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。
凹陥部7(7X,7Y)の深さ(表面シート2における凹陥していない肌対向面からの深さ)は、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上、そして、好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下である。
The ratio of the total area of the recessed
The depth of the recessed portion 7 (7X, 7Y) (the depth from the non-recessed skin facing surface in the surface sheet 2) is preferably 0.1 mm or more, more preferably 0.2 mm or more, and preferably 2 It is 0.0 mm or less, more preferably 1.0 mm or less.
尚、ナプキン1においては、凹陥部7(7X,7Y)の深さは、その長さ方向の全長に亘って一定となっているが、部分的に異なっていてもよい。また、線状の凹陥部7(7X,7Y)の形状・配置等は図示の形態に制限されず、この種の吸収性物品において防漏溝などと呼称されるものと同様に設定でき、平面視形状が直線及び/又は曲線を含んで構成され、各線は、連続線でもよく、破線(深さが異なる2種類の部分が、線状の凹陥部の延びる方向に交互に配された形態)でもよい。
In the
また、本発明の吸収性物品において、凹陥部のパターン(平面視形状及び配置)は、図1に示す凹陥部7(7X,7Y)の如き、平面視線状のものに限定されず、例えば、円形、楕円形、矩形、三角形、星形、ハート形等の点状(ドット状)であってもよい。図5に示すナプキン1Aは、この点状の凹陥部の採用例である。以下、ナプキン1Aについては、前述したナプキン1と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、ナプキン1についての説明が適宜適用される。
Further, in the absorbent article of the present invention, the pattern (planar view shape and arrangement) of the concave portion is not limited to the concave portion 7 (7X, 7Y) shown in FIG. It may be a dot shape such as a circle, an ellipse, a rectangle, a triangle, a star, or a heart. The
ナプキン1Aにおいては、複数の凹陥部7は、それぞれ、平面視円形状をなしており、吸収性本体5の肌対向面即ち表面シート2の肌対向面に、千鳥状に配されている。ここで千鳥状とは、複数の凹陥部7が一方向に等間隔に配置されてなる列が、該一方向と直交する方向に複数列配置され、且つ該一方向と直交する方向において、隣り合う2列同士で互いに複数の凹陥部7がずれている配置をいう。さらに詳述すれば、複数の凹陥部7が一方向に等間隔に配置されてなる複数の列を、それぞれ、該一方向と直交する方向に投影したときに、特定の列の各凹陥部7の投影像の間に(好ましくは中間に)、該特定の列と隣り合う別の列の凹陥部7の投影像が配置される場合、複数の凹陥部7は千鳥状に配置されていると言える。尚、本発明でいう「千鳥状に配置」には、複数の凹陥部7が前記の説明通りに完璧に配置されている形態のみならず、製造上不可避的なずれなど、意図しないわずかな配置のずれが生じている形態も含まれる。
In the
また、ナプキン1Aにおいては、ナプキン1と同様に、前記排泄部対向部を含む、縦中央域Bの横方向Yの中央部に非凹陥部8が存在し、該非凹陥部8(前記排泄部対向部)を挟んで横方向Yの両側に凹陥部7が存在している。従ってナプキン1Aによっても、ナプキン1と同様の効果が奏される。また、複数の点状の凹陥部7の平面視形状及び寸法は、図1及び図5に示す如くに互いに均一でなくてもよく、異なっていてもよい。
Further, in the
以下、吸収体4についてさらに説明する。尚、以下の吸収体4の説明は、特に断らない限り、非凹陥部8の吸収体4、即ち圧搾加工が施されておらず、本来的に有する機能を発現し得る状態の、本来の姿の吸収体4についてのものである。また、以下の吸収体4についての説明は、特に断らない限り、吸収性コア40についても適宜適用される(「吸収体4」の語は「吸収性コア40」に適宜置換できる)。
Hereinafter, the
吸収体4の主たる特徴の1つとして、繊維塊11の外形形状が挙げられる。図6には、繊維塊11の典型的な外形形状が2つ示されている。図6(a)に示す繊維塊11Aは四角柱形状より具体的には直方体形状をなし、図6(b)に示す繊維塊11Bは円盤形状をなしている。繊維塊11A,11Bは、相対向する2つの基本面(base plane)111と、該2つの基本面111を連結する骨格面(body plane)112とを備えている点で共通する。基本面111及び骨格面112はいずれも、この種の繊維を主体とする物品における表面の凹凸度合いを評価する際に適用されるレベルで、実質的に凹凸が無いと認められる部分である。
One of the main features of the
図6(a)の直方体形状の繊維塊11Aは、6つの平坦面を有しているところ、その6面のうち、最大面積を有する相対向する2面がそれぞれ基本面111であり、残りの4面がそれぞれ骨格面112である。基本面111と骨格面112とは互いに交差、より具体的には直交している。
図6(b)の円盤形状の繊維塊11Bは、平面視円形状の相対向する2つの平坦面と、両平坦面を連結する湾曲した周面とを有しているところ、該2つの平坦面がそれぞれ基本面111であり、該周面が骨格面112である。
繊維塊11A,11Bは、骨格面112が平面視において四角形形状、より具体的には長方形形状をなしている点でも共通する。
The rectangular parallelepiped-shaped
The disk-shaped
The fiber lumps 11A and 11B are also common in that the
繊維塊の形態としては、例えば一定の大きさを有する合成繊維シートから分割されたシート片が挙げられる。即ち、本発明に係る繊維塊の好ましい一実施形態であるシート片状の繊維塊は、複数の繊維を集積させて該シート片を形作るように構成されたものではなく、該シート片よりも寸法の大きな繊維シートの切断によって製造されるものであり(図7参照)、特許文献2及び3のような従来技術によって製造するものと比較して、定形性が高い複数のシート片状の繊維塊である。
Examples of the form of the fiber mass include a sheet piece divided from a synthetic fiber sheet having a certain size. That is, the sheet-like fiber mass, which is a preferred embodiment of the fiber mass according to the present invention, is not configured to accumulate a plurality of fibers to form the sheet piece, and has a larger size than the sheet piece. It is manufactured by cutting a large fiber sheet of the above (see FIG. 7), and has a plurality of sheet piece-like fiber lumps having higher morphology as compared with those manufactured by conventional techniques such as
このような、2つの基本面111と両基本面111に交差する骨格面112とで画成された「定形の繊維集合体」である繊維塊11は、従来技術とは製造方法を異にすることで実現できるものである。前述した通り、好ましい繊維塊11の製造方法は、図7に示すように、原料となる原料繊維シート10bs(繊維塊11と同組成で且つ繊維塊11よりも寸法が大きいシート)を、カッターなどの切断手段を用いて定形に切断するものである。そうして製造された複数の繊維塊11は形状及び寸法が、特許文献2及び3のような従来技術によって製造するものと比較して、より定形的に揃っている。図7は、図6(a)の直方体形状の繊維塊11Aの製造方法を説明した図であり、図7中の点線は切断線を示している。吸収体4には、このように繊維シートを定形に切断して得られた、形状及び寸法が均一な複数の繊維塊11が配合されている。
The
尚、以上の繊維塊11Aについての説明は、図6(b)の円盤形状の繊維塊11Bにも基本的に当てはまる。繊維塊11Aとの実質的な違いは、原料繊維シート10bsの切断パターンのみであり、シート10bsを定形に切断して繊維塊11Bを得る際には、繊維塊11Bの平面視形状に合わせて、シート10bsを円形状に切断すればよい。
The above description of the
このように、吸収体4に含まれている複数の繊維塊11が、基本面111と骨格面112とで画成された「定形の繊維集合体」であると、特許文献2及び3に記載の如き不定形の繊維集合体である場合に比して、吸収体4における繊維塊11の均一分散性が向上するため、繊維塊11の如き繊維集合体を吸収体4に配合することで期待される効果(吸収体の柔軟性、クッション性、圧縮回復性などの向上効果)がより安定的に発現するようになる。また特に、図6(a)に示す如き直方体形状の本体部110の場合、その外面が2つの基本面111と4つの骨格面112との6面からなるため、他の繊維塊11あるいは吸
水性繊維12Fとの接触機会を比較的多く持つことが可能となり、交絡性が高まって、保形性等の向上にも繋がり得る。
As described above,
ここで用いる繊維シート10bsとしては、吸収性コア40のクッション性、圧縮回復性及び保形性をより高める観点から、合成繊維を含む不織布が好ましく、合成繊維同士の熱融着部を有する不織布がさらに好ましい。また、合成繊維同士が熱融着部を有し、複数の熱融着部が3次元的に分散したエアスルー不織布が特に好ましい。
As the fiber sheet 10bs used here, a non-woven fabric containing synthetic fibers is preferable from the viewpoint of further enhancing the cushioning property, compression recovery property and shape retention property of the
尚、本体部110の外形形状は図6に示すものに限定されず、基本面111及び骨格面112はいずれも、図6(a)の各面111,112のように湾曲していない平坦面でもよく、あるいは図6(b)の骨格面112のように湾曲面でもよい。また、基本面111と骨格面112とは互いに同形状同寸法であってもよく、具体的には例えば、本体部110の外形形状は立方体形状であってもよい。
The outer shape of the
このように、繊維塊11(11A,11B)が有する2種類の面(基本面111、骨格面112)は、繊維塊11を製造する際のカッターなどの切断手段による原料繊維シート10bsの切断によって形成される切断面(骨格面112)と、シート10bsが本来的に有する面であって該切断手段とは接触しない非切断面(基本面111)とに分類される。そして、この切断面か否かの違いに起因して、切断面である骨格面112は、非切断面である基本面111に比して、繊維端部の単位面積当たりの数が多いという特徴を有する。ここでいう「繊維端部」とは、繊維塊11の構成繊維11Fの長さ方向端部を意味する。通常、非切断面である基本面111にも繊維端部は存在するが、骨格面112は、原料繊維シート10bsの切断によって形成された切断面であることに起因して、その切断によって形成された構成繊維11Fの切断端部からなる繊維端部が、骨格面112の全体に多数存在しており、つまり、繊維端部の単位面積当たりの数が基本面111のそれよりも多くなっている。
As described above, the two types of surfaces (
繊維塊11の各面(基本面111、骨格面112)に存在する繊維端部は、該繊維塊11が、吸収体4に含まれる他の繊維塊11や吸水性繊維12Fとの間に交絡を形成するのに有用である。また一般に、繊維端部の単位面積当たりの数が多いほど交絡性が向上し得るので、吸収体4の保形性などの諸特性の向上に繋がり得る。そして、繊維塊11の各面における繊維端部の単位面積当たりの数は均一ではなく、斯かる繊維端部の単位面積当たりの数に関しては「骨格面112>基本面111」なる大小関係が成立することから、繊維塊11を介した他の繊維(他の繊維塊11、吸水性繊維12F)との交絡性は該繊維塊11の面によって異なり、骨格面112は基本面111に比して交絡性が高い。即ち、骨格面112を介しての他の繊維との交絡による結合の方が、基本面111を介してのそれよりも結合力が強く、1個の繊維塊11において、基本面111と骨格面112とで他の繊維との結合力に差が生じ得る。一般に、斯かる結合力が強いほど、その結合されている繊維の動きの自由度が制限され、吸収体4全体として強度(保形性)が向上する反面、柔らかさが低下する傾向がある。
At the fiber ends existing on each surface (
このように、吸収体4においてはそれに含まれている複数の繊維塊11それぞれが、その周辺の他の繊維(他の繊維塊11、吸水性繊維12F)に対して、2種類の結合力を持って交絡しており、これにより吸収体4は、適度な柔らかさと強度(保形性)とを兼ね備えたものとなる。そして、このような優れた特性を有する吸収体4を、吸収性物品の吸収体として常法に従って用いた場合には、該吸収性物品の着用者に快適な着用感を提供することができると共に、着用時における着用者の体圧等の外力によって吸収体4が破壊される不都合が効果的に防止される。
As described above, in the
これに対し、特許文献2及び3記載の不織布片ないし微細ウエブは、前述したように、
原料繊維シートをミルカッターのような切断機によって不定形に切断するなどして製造されているため、基本面111や骨格面112のような「面」を持った定形のシート片状の繊維塊とはなっておらず、しかも、その製造時において繊維塊全体に切断処理の外力が加わるため、構成繊維の繊維端部が繊維塊全体にランダムに形成され、該繊維端部による前述した作用効果が十分に発現され難い。
On the other hand, the non-woven fabric pieces or fine webs described in
Since the raw material fiber sheet is manufactured by cutting it into an irregular shape with a cutting machine such as a mill cutter, it is a fixed-sized sheet-like fiber mass having a "face" such as a
前述した繊維端部による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、基本面111(非切断面)の繊維端部の単位面積当たりの数N1と、骨格面112(切断面)の繊維端部の単位面積当たりの数N2との比率は、N1<N2を前提として、N1/N2として、好ましくは0以上、さらに好ましくは0.05以上、そして、好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.60以下である。より具体的には、N1/N2は0以上0.90以下が好ましく、0.05以上0.60以上がさらに好ましい。
基本面111の繊維端部の単位面積当たりの数N1は、好ましくは0個/mm2以上、さらに好ましくは3個/mm2以上、そして、好ましくは8個/mm2以下、さらに好ましくは6個/mm2以下である。
骨格面112の繊維端部の単位面積当たりの数N2は、好ましくは5個/mm2以上、さらに好ましくは8個/mm2以上、そして、好ましくは50個/mm2以下、さらに好ましくは40個/mm2以下である。
基本面111、骨格面112の繊維端部の単位面積当たりの数は、以下の方法により測定される。
From the viewpoint of more reliably exerting the action and effect of the fiber end portion described above, the number N1 per unit area of the fiber end portion of the basic surface 111 (non - cut surface) and the skeleton surface 112 (cut surface). The ratio of the fiber end to the number N 2 per unit area is N 1 / N 2 , preferably 0 or more, more preferably 0.05 or more, and preferably 0, assuming N 1 <N 2 . It is .90 or less, more preferably 0.60 or less. More specifically, N 1 / N 2 is preferably 0 or more and 0.90 or less, and more preferably 0.05 or more and 0.60 or more.
The number N 1 per unit area of the fiber end of the
The number N 2 per unit area of the fiber end of the
The number of fiber ends of the
<繊維塊の各面における繊維端部の単位面積当たりの数の測定方法>
測定対象の繊維を含む部材(繊維塊)を紙両面テープ(ニチバン株式会社製ナイスタックNW-15)を用いて、測定片を試料台に貼り付ける。次いで測定片を白金コーティングする。コーティングには日立那珂精器株式会社製イオンスパッタ装置E-1030型(商品名)を用い、スパッタ時間は120秒とする。測定片の切断面を、JEOL(株)製のJCM-6000型の電子顕微鏡を用いて、倍率100倍にて基本面及び骨格面を観察する。この倍率100倍の観察画面においては、測定対象面(基本面又は骨格面)の任意の位置に縦1.2mm、横0.6mmの長方形領域を設定し、且つ該長方形領域の面積が、該観察画面の面積の90%以上を占めるように観察角度などを調整した上で、該長方形領域内に含まれる繊維端部の個数を測定する。但し、倍率100倍の観察画面において、繊維塊の測定対象面が1.2mm×0.6mmよりも小さく、該観察画面全体に占める前記長方形領域の面積の割合が90%未満となる場合には、観察倍率を100倍より大きくした上で、前記と同様に、該測定対象面における前記長方形領域内に含まれる繊維端部の数を測定する。ここで個数測定の対象となる「繊維端部」は、繊維塊の構成繊維の長さ方向端部であり、測定対象面から該構成繊維の長さ方向端部以外の部分(長さ方向中間部)が延出していても、該長さ方向中間部は個数測定の対象としない。そして下記式により、繊維塊の測定対象面(基本面又は骨格面)における繊維端部の単位面積当たりの数を算出する。10個の繊維塊それぞれについて、前記手順に従って、基本面及び骨格面それぞれにおける繊維端部の単位面積当たりの数を測定し、それら複数の測定値の平均値を、当該測定対象面における繊維端部の単位面積当たりの数とする。
繊維塊の測定対象面(基本面又は骨格面)における繊維端部の単位面積当たりの数(個数/mm2)=長方形領域(1.2×0.6mm)に含まれる繊維端部の個数/該長方形領域の面積(0.72mm2)
<Measuring method of the number of fiber ends per unit area on each surface of the fiber mass>
A member (fiber mass) containing a fiber to be measured is attached to a sample table using a paper double-sided tape (Nichiban Co., Ltd. Nystack NW-15). The measurement piece is then platinum coated. For coating, an ion sputtering device E-1030 (trade name) manufactured by Hitachinaka Seiki Co., Ltd. is used, and the sputtering time is 120 seconds. The cut surface of the measurement piece is observed on the basic surface and the skeletal surface at a magnification of 100 times using a JCM-6000 type electron microscope manufactured by JEOL Ltd. In this observation screen with a magnification of 100 times, a rectangular area of 1.2 mm in length and 0.6 mm in width is set at an arbitrary position on the measurement target surface (basic surface or skeleton surface), and the area of the rectangular area is the said. After adjusting the observation angle and the like so as to occupy 90% or more of the area of the observation screen, the number of fiber ends contained in the rectangular region is measured. However, in the observation screen with a magnification of 100 times, when the measurement target surface of the fiber mass is smaller than 1.2 mm × 0.6 mm and the ratio of the area of the rectangular region to the entire observation screen is less than 90%. After increasing the observation magnification to more than 100 times, the number of fiber ends contained in the rectangular region on the measurement target surface is measured in the same manner as described above. Here, the "fiber end" to be counted is the end in the length direction of the constituent fibers of the fiber mass, and the portion other than the end in the length direction of the constituent fibers from the measurement target surface (intermediate in the length direction). Even if the part) is extended, the middle part in the length direction is not subject to the number measurement. Then, the number of fiber ends per unit area on the measurement target surface (basic surface or skeleton surface) of the fiber mass is calculated by the following formula. For each of the 10 fiber lumps, the number of fiber ends per unit area on each of the basic surface and the skeleton surface was measured according to the above procedure, and the average value of the plurality of measured values was calculated as the average value of the plurality of measured values. The number per unit area of.
Number of fiber ends per unit area on the measurement target surface (basic surface or skeleton surface) of the fiber mass (number / mm 2 ) = number of fiber ends included in the rectangular region (1.2 × 0.6 mm) / Area of the rectangular area (0.72 mm 2 )
繊維塊11の基本面111が、図6(a)に示す繊維塊11Aのように、平面視において長方形形状をなしている場合、吸収体4における繊維塊11の均一分散性の向上の観点から、その長方形形状の短辺111aは、該繊維塊11(11A)を含有している吸収体4の厚みと同等か又はこれに比して短いことが好ましい。
短辺111aの長さと吸収体4の厚みとの比率は、前者/後者として、好ましくは0.
03以上、さらに好ましくは0.08以上、そして、好ましくは1以下、さらに好ましくは0.5以下である。
吸収体4の厚みは、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下である。吸収体4の厚みは以下の方法で測定される。
When the
The ratio of the length of the
It is 03 or more, more preferably 0.08 or more, and preferably 1 or less, still more preferably 0.5 or less.
The thickness of the
<吸収体の厚みの測定方法>
測定対象物(吸収体4)を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように静置し、5cN/cm2の荷重下での測定対象物の厚みを測定する。具体的には、厚みの測定に、例えば、厚み計 PEACOCK DIAL UPRIGHT GAUGES R5-C(OZAKI MFG.CO.LTD.製)を用いる。このと
き、厚み計の先端部と切り出した測定対象物との間に、測定対象物に対する荷重が5cN/cm2となるように大きさを調整した平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、厚みを測定する。厚み測定は、10点測定し、それらの平均値を算出して測定対象物の厚みとする。
<Measuring method of absorber thickness>
The object to be measured (absorbent 4) is placed on a horizontal surface so as not to be wrinkled or bent, and the thickness of the object to be measured is measured under a load of 5 cN / cm 2 . Specifically, for measuring the thickness, for example, a thickness meter PEACOCK DIAL UPRIGHT GAUGES R5-C (manufactured by OZAKI MFG.CO.LTD.) Is used. At this time, a plan-viewing circular or square plate (thickness) whose size is adjusted so that the load on the measurement object is 5 cN / cm 2 between the tip of the thickness gauge and the cut-out object to be measured. (Acrylic plate of about 5 mm) is placed and the thickness is measured. In the thickness measurement, 10 points are measured, and the average value thereof is calculated to obtain the thickness of the object to be measured.
繊維塊11(11A,11B)の各部の寸法等は以下のように設定することが好ましい。繊維塊11の各部の寸法は、後述する繊維塊11の外形形状の特定作業の際の電子顕微鏡写真などに基づいて測定することができる。
基本面111が図6(a)に示す如き平面視長方形形状の場合、その短辺111aの長さL1は、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上、特に好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下、特に好ましくは5mm以下である。
平面視長方形形状の基本面111の長辺111bの長さL2は、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは1mm以上、特に好ましくは2mm以上、そして、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは15mm以下、特に好ましくは10mm以下である。
尚、基本面111が図6に示すように、繊維塊11が有する複数の面のうちで最大面積を有する面である場合、長辺111bの長さL2は、繊維塊11の最大差し渡し長さに一致し、該最大差し渡し長さは、円盤形状の繊維塊11Bにおける平面視円形状の基本面111の直径に一致する。
短辺111aの長さL1と長辺111bの長さL2との比率は、L1/L2として、好ましくは0.003以上、さらに好ましくは0.025以上、そして、好ましくは1以下、さらに好ましくは0.5以下である。尚、本発明において、基本面111の平面視形状は、図6(a)に示す如き長方形形状に限定されず、正方形形状でもよく、即ち互いに直交する2辺の長さL1,L2の比率は、L1/L2として1でもよい。
繊維塊11の厚みT、即ち2つの対向する基本面111間の長さTは、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下である。
It is preferable to set the dimensions and the like of each part of the fiber mass 11 (11A, 11B) as follows. The dimensions of each part of the
When the
The length L2 of the
As shown in FIG. 6, when the
The ratio of the length L1 of the
The thickness T of the
図8(a)には、本発明に係る繊維塊の一実例の電子顕微鏡写真、図8(b)には、繊維塊11をこの電子顕微鏡写真に即して模式的に示した図が示されている。繊維塊11は図8に示すように、本体部110と、該本体部110から外方に延出する繊維11Fを含んで構成され且つ該本体部110に比して繊維密度の低い(単位面積当たりの繊維の数が少ない)、延出繊維部113とを有するものが包含され得る。尚、吸収体4には、延出繊維部113を有しない繊維塊11、即ち本体部110のみからなる繊維塊11も包含され得る。延出繊維部113は、前述した、繊維塊11の各面(基本面111、骨格面112)に存在する繊維端部の一種を含みうるものであり、それは、該繊維端部のうち、繊維塊11の各面から外方に延出した繊維端部である。
FIG. 8A shows an electron micrograph of an example of the fiber mass according to the present invention, and FIG. 8B shows a diagram schematically showing the
本体部110は、前述の2つの対向する基本面111と、両基本面111を連結する骨格面112とで画成される部分である。本体部110は、繊維塊11の主体をなし、繊維
塊11の定形の外形形状を形作る部分であり、繊維塊11が有する高い柔軟性、クッション性、圧縮回復性などの諸特性は、基本的に本体部110に因るところが大きい。一方、延出繊維部113は主として、吸収体4に含有されている複数の繊維塊11同士あるいは繊維塊11と吸水性繊維12Fとの交絡性の向上に寄与し、吸収体4の保形性の向上に直接的にかかわる他、繊維塊11の吸収体4における均一分散性などにも影響して、本体部110に因る作用効果を間接的に補強し得る。
The
本体部110は、延出繊維部113に比して繊維密度が高い、即ち単位面積当たりの繊維の数が多い。また通常、本体部110自体の繊維密度は均一である。繊維塊11の全質量に占める、本体部110の割合は、通常少なくとも40質量%以上であり、好ましくは
50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは85重量%以上である。本体部110と延出繊維部113とは、後述する外形形状の特定作業によって区別できる。
The
吸収体4に含まれている繊維塊11の本体部110の外形形状を特定する作業は、繊維塊11及びその周辺部における繊維密度の高低差(単位面積当たりの繊維数の多少)や繊維の種類・繊維径の違いなどに着目して、本体部110とそれ以外の部分との「境界」を確認することで行うことができる。本体部110は、その周囲に存在する延出繊維部113よりも繊維密度が高く、また通常、本体部110の構成繊維たる合成繊維(典型的には熱可塑性繊維)は吸水性繊維12F(典型的にはセルロース系繊維)とは質的及び/又は寸法的に異なるため、多数の繊維塊11及び吸水性繊維12Fが混在する吸収体4であっても、前記の点に着目することで前記境界を容易に確認できる。そうして確認された境界が、基本面111又は骨格面112の周縁(辺)であり、斯かる境界確認作業によって、基本面111及び骨格面112が特定され、延いては本体部110が特定される。斯かる境界確認作業は、電子顕微鏡を用い、必要に応じ複数の観察角度にて対象物(吸収体4)を観察することで実施できる。
The work of specifying the outer shape of the
延出繊維部113は、図8に示すように、本体部110の周囲に少なくとも1つ存在し、本体部110の外面である基本面111及び骨格面112のうちの少なくとも1つの面から外方に延出する、本体部110の構成繊維11Fからなる。図8に示す繊維塊11においては、複数の構成繊維11Fが、平面視矩形状の骨格面112の四辺112a,112bよりも外方にはみ出しているところ、このような本体部110からはみ出した繊維部分は全て、延出繊維部113である。
As shown in FIG. 8, at least one
延出繊維部113の形態は特に制限されない。延出繊維部113は、1本の繊維11Fから構成される場合もあり、また、後述する延出繊維束部113Sのように、複数の繊維11Fから構成される場合もある。また、延出繊維部113は、典型的には、本体部110から延出する繊維11Fの長さ方向端部を含むが、このような繊維端部に加え、あるいは繊維端部に代えて、繊維Fの長さ方向両端部以外の部分(長さ方向中間部)を含み得る場合がある。即ち、繊維塊11においては、構成繊維11Fの長さ方向の両端部が本体部110に存在し、それ以外の部分即ち長さ方向中間部が本体部110から外方にループ状に延出(突出)する場合がありところ、その場合の延出繊維部113は、斯かる繊維11Fのループ状の突出部を含んで構成される。言い換えると、延出繊維部113のうち、その端部が露出しているものが繊維端部の1種となる。
The form of the
延出繊維部113の主たる役割の1つは、前述した通り、吸収体4に含有されている複数の繊維塊11同士、あるいは繊維塊11と吸水性繊維12Fとを互いに交絡させることである。一般に、延出繊維部113の本体部110からの延出長さが長くなり、あるいは延出繊維部113の太さが太くなり、あるいは1個の繊維塊11が有する延出繊維部113の数が多くなると、該延出繊維部113を介して交絡している物体同士の繋がりが強く
なって交絡が解除されにくくなるため、本発明の所定の効果がより一層安定的に奏されるようになる。
As described above, one of the main roles of the
繊維塊11が、図7に示す如く原料繊維シート10bsを定形に切断して得られたものである場合、延出繊維部113は、その切断面である骨格面112に比較的多く存在するのに対し、非切断面である基本面111には全く存在しないか、存在したとしてもその数は骨格面112よりも少数である。このように、延出繊維部113が切断面たる骨格面112に偏在する理由は、延出繊維部113の多くが、原料繊維シートの切断によって発生する「毛羽」であるためである。即ち、原料繊維シート10bsの切断によって形成された骨格面112は、その切断時にカッターなどの切断手段によって全体的に擦られるため、シート10bsの構成繊維11Fからなる毛羽が形成されやすく、いわゆる毛羽立ちし易い。一方、非切断面である基本面111は、このような切断手段との摩擦が無いため、毛羽即ち延出繊維部113が形成され難い。
When the
原料繊維シート10bs切断時の切断線の間隔L1a(第1方向の間隔、図7参照)及び間隔L2a(第2方向の間隔、図7参照)は、前述した延出繊維部113の形成促進等の観点、及び繊維塊11が所定の効果を発現する上で必要な寸法を確保する観点などから、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは15mm以下である。
The interval L1a (interval in the first direction, see FIG. 7) and the interval L2a (interval in the second direction, see FIG. 7) at the time of cutting the raw material fiber sheet 10bs are used to promote the formation of the
繊維塊11は図8に示すように、延出繊維部113の一種として、本体部110、より具体的には骨格面112から外方へ延びる複数の繊維11Fを含む延出繊維束部113Sを有するものが包含され得る。繊維塊11が有する延出繊維部113のうちの少なくとも1つは、この延出繊維束部113Sであり得る。延出繊維束部113Sは、骨格面112から延出する複数の繊維11Fが寄り集まって構成されたもので、延出繊維部113に比して、本体部110骨格面112からの延出長さが長い点で特徴付けられる。延出繊維束部113Sは、基本面111にも存在し得るが、典型的には図8に示すように骨格面112に存在し、基本面111には全く存在しないか、存在したとしてもその数は骨格面112よりも少数である。その理由は、延出繊維部113が切断面である骨格面112に主に存在する理由と同じであり、前述した通りである。
As shown in FIG. 8, the
繊維塊11がこのような、長くて太い大型の延出繊維部113とも言うべき延出繊維束部113Sを有していることで、繊維塊11同士あるいは繊維塊11と吸水性繊維12Fとの交絡がより一層強まり、結果として、繊維塊11の存在に起因する本発明の所定の効果がより一層安定的に奏されるようになる。延出繊維束部113Sは、前述した、毛羽立ちやすい条件での原料繊維シート10bsの切断(図7参照)を実施することで、形成されやすくなる。
Since the
延出繊維束部113Sの本体部110からの延出長さ、即ち骨格面112(切断面)からの延出長さは、好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは7mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。延出繊維束部113Sの延出長さは、前記の繊維塊11の外形形状の特定作業(境界確認作業)において測定することができる。具体的には例えば、キーエンス製のマイクロスコープ(50倍率)にて、アクリル製の透明なサンプル台の表面に3M(株)製の両面テープを貼り、その上に繊維塊11を載せて固定した上で、前記の外形形状の特定作業に従って、該繊維塊11の外形形状を特定した後、該外形形状から延出した繊維11Fにおける、延出分の長さを測定し、その測定した延出分の長さを、延出繊維束部113Sの延出長さとする。
The extension length of the extension
延出繊維束部113Sは、その複数の構成繊維11Fが互いに熱融着していることが好ましい。斯かる延出繊維束部113Sの熱融着部は通常、該延出繊維束部113Sの他の
部分(非熱融着部)に比して、該延出繊維束部113Sの長さ方向と直交する方向の差し渡し長さ(該熱融着部の断面が円形の場合は直径)が長い。延出繊維束部113Sがこのような大径部とも言える熱融着部を有していることにより、延出繊維束部113S自体の強度が高まり、それによって、延出繊維束部113Sを介して交絡している繊維塊11同士あるいは繊維塊11と吸水性繊維12Fとの交絡がより一層強まるようになる。また、延出繊維束部113Sが熱融着部を有していると、該延出繊維束部113Sが乾燥状態の場合のみならず、水分を吸収して湿潤状態となっている場合でも、該延出繊維束部113S自体の強度、保形性などが高まるというメリットがある。そして、斯かるメリットにより、吸収体4をナプキン1に適用した場合には、吸収体4が乾燥状態にある場合は勿論のこと、着用者が排泄した尿や経血などの体液を吸収して湿潤状態となった場合でも、前述した繊維塊11の存在に起因する作用効果が安定的に奏され得る。このような、熱融着部を有する延出繊維束部113Sは、図7に示す如き繊維塊11の製造工程、即ち繊維塊11の原料繊維シート10bsの切断工程において、原料繊維シート10bsとして、前記「合成繊維同士の熱融着部を有する不織布」を使用することで製造可能である。
It is preferable that the plurality of
また、吸収体4は、該吸収体4の全体に繊維塊11が高密度且つ均一に分布していることが、外力に対する応答性が等方性を有し易くなるので好ましい。斯かる観点から、吸収体4の、互いに直交する2方向の投影視において、任意の10mm四方の単位領域に、複数の繊維塊11の重なり部が存在していることが好ましい。図3及び図4中の符号11Zは、複数の繊維塊11の重なり部を示している。ここでいう、「互いに直交する2方向の投影視」としては、典型的には、吸収体の厚み方向の投影視(即ち吸収体をその肌対向面又は非肌対向面から観察した場合)と、該厚み方向と直交する方向の投影視(即ち吸収体をその側面から観察した場合)とが挙げられる。
Further, it is preferable that the
繊維塊11の構成繊維11Fとしては、合成繊維が用いられる。そして、吸収体4が乾燥状態及び湿潤状態のいずれの状態でも保形性、柔軟性、クッション性、圧縮回復性、ヨレにくさなどにおいて優れた効果を発現し得るようにする観点から、繊維塊11は、複数の熱可塑性繊維が互いに熱融着した3次元構造を有することが好ましい。またこのような、複数の熱融着部が3次元的に分散した繊維塊11を得るために、繊維塊11の構成繊維11Fとしては、熱融着性を有する合成繊維が好ましい。そのような熱融着性合成繊維として、熱可塑性繊維を例示でき、特に非吸水性の熱可塑性繊維が好ましい。前述したように、延出繊維束部113Sは熱融着部を有していることが好ましいところ、繊維塊11の構成繊維11Fとして熱可塑性繊維を用いることで、斯かる延出繊維束部113Sの好ましい形態を得ることも可能となる。複数の熱融着部が3次元的に分散した繊維塊11を得るためには、その原料繊維シート10bs(図7参照)が同様に構成されていればよく、また、そのような複数の熱融着部が3次元的に分散した原料繊維シート10bsは、前述したように、熱可塑性繊維を主体とするウエブや不織布に、熱風処理などの熱処理を施すことによって製造することができる。
Synthetic fibers are used as the
繊維塊11の構成繊維11Fの素材として好適な非吸水性の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、繊維11Fは、1種類の合成樹脂(熱可塑性樹脂)又は2種類以上の合成樹脂を混合したブレンドポリマーからなる単一繊維でもよく、あるいは複合繊維でもよい。ここでいう複合繊維は、成分の異なる2種類以上の合成樹脂を紡糸口金で複合し、同時に紡糸して得られる合成繊維(熱可塑性繊維)で、複数の成分がそれぞれ繊維の長さ方向に連続した構造で、単繊維内で相互接着しているものをいう。複合繊維の形態には、芯鞘型、サイドバイサイド型等があり、特に制限されない。
Examples of the non-water-absorbent thermoplastic resin suitable as a material for the
吸収体4において、相対的に密度の高い高密度部たる凹陥部7と相対的に密度の低い低密度部たる非凹陥部8の密度差による体液の速やかな拡散を効果的に発現し、且つ、体液吸収前の乾燥状態はもとより、体液吸収後の湿潤状態であっても、非凹陥部8の柔軟でクッション性に富む効果を発現する観点から、繊維塊11の構成繊維11F(合成繊維11F)の水との接触角は、吸水性繊維12Fの水との接触角以上であることが好ましい。下記方法で測定される水との接触角は、小さいほど親水性が高く、該接触角が大きいほど親水性が低い。即ち、合成繊維11Fの親水度は、吸水性繊維12Fの親水度と同等か、又は吸水性繊維12Fの親水度よりも低いことが好ましい。これを前提として、吸水性繊維12Fの水との接触角は、好ましくは60度以下、さらに好ましくは40度以下である。これに対し、繊維塊11の構成繊維11Fの水との接触角は90度以下、好ましくは75度以下、さらに好ましくは70度以下である。このように水との接触角に関して、「繊維11F≧吸水性繊維12F」なる関係を実現するには、繊維11Fの親水化剤による親水化の度合いを適宜調整すればよい。
In the
<接触角の測定方法>
測定対象(吸収体)から繊維を取り出し、その繊維に対する水の接触角を測定する。測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA-Jを用いる。接触角の測定には脱イオン水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC-25)から吐出される液量を20ピコリットルに設定して、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維とのなす角を算出し、接触角とする。測定対象物から取り出した繊維は、繊維長1mmに裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。繊維1本につき異なる2箇所の接触角を測定する。N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を、当該繊維の水との接触角と定義する。測定環境は、室温22±2℃、湿度65±2%RHとする。
<Measurement method of contact angle>
The fiber is taken out from the measurement target (absorber), and the contact angle of water with respect to the fiber is measured. As a measuring device, an automatic contact angle meter MCA-J manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd. is used. Deionized water is used to measure the contact angle. The amount of liquid discharged from the inkjet water droplet discharge unit (Pulse injector CTC-25 manufactured by Cluster Technology Co., Ltd., having a discharge unit hole diameter of 25 μm) is set to 20 picolitres, and the water droplet is dropped directly above the fiber. The state of dripping is recorded on a high-speed recording device connected to a horizontally installed camera. From the viewpoint of image analysis later, the recording device is preferably a personal computer incorporating a high-speed capture device. In this measurement, an image is recorded every 17 msec. In the recorded video, the first image of water droplets on the fibers is the attached software FAMAS (software version is 2.6.2, analysis method is droplet method, analysis method is θ / 2, image processing algorithm. Is non-reflective, the image processing image mode is frame, the threshold level is 200, and the curvature is not corrected.) Make a corner. The fiber taken out from the object to be measured is cut into a fiber length of 1 mm, and the fiber is placed on a sample table of a contact angle meter and maintained horizontally. Measure the contact angles at two different points for each fiber. N = 5 contact angles are measured up to one digit after the decimal point, and the average value of the measured values at 10 points in total (rounded to the second digit after the decimal point) is defined as the contact angle of the fiber with water. The measurement environment is room temperature 22 ± 2 ° C. and humidity 65 ± 2% RH.
尚、測定対象の吸収体(吸収性コア)が吸収性物品等の他の物品の構成部材として用いられており、該吸収体を取り出して評価測定する場合において、該吸収体が、接着剤、融着などによって他の構成部材に固定されている場合には、その固定部分を、繊維の接触角に影響を与えない範囲で、コールドスプレーの冷風を吹き付ける等の方法で接着力を除去してから取り出す。この手順は、本願明細書中の全ての測定において共通である。 The absorber (absorbent core) to be measured is used as a constituent member of another article such as an absorbent article, and when the absorber is taken out and evaluated and measured, the absorber is an adhesive. When it is fixed to other components by fusion, etc., the adhesive force is removed from the fixed part by blowing cold air from a cold spray within the range that does not affect the contact angle of the fibers. Take out from. This procedure is common to all measurements herein.
吸水性繊維12Fとしては、この種の吸収性物品の吸収体の形成材料として従来使用されている吸水性繊維を用いることができ、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ等の天然繊維;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ;キュプラ、レーヨン等の再生繊維;アセテート等の半合成繊維;ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維;ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維に親水化処理を施した繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。前記の合成繊維の親水化処理には、例えば、合成繊維内部への親水化剤の練り込み、合成繊維表面への親水化剤の付着、プラズマ処理などがある。親水化剤は、衛生品用途に使用される一般的な親水化剤であれば特に限定されない。
前述したように、吸水性繊維12Fの主たる役割が吸収体4の液吸収性の向上である点に鑑みれば、吸水性繊維12Fとしては、天然繊維、再生繊維(セルロース系繊維)が特に好ましい。
As the water-
As described above, natural fibers and regenerated fibers (cellulose fibers) are particularly preferable as the water-
また、繊維塊11を構成する構成繊維11Fは、非吸水性即ち水分(尿や経血などの体液)を吸収し難い性質を有することが好ましい。これは、繊維塊11と併用される吸水性繊維12Fが文字通りの吸水性を有することと著しい対照をなす。繊維11Fが吸水性に乏しい非吸水性繊維であることで、吸収体4が乾燥状態である場合のみならず、体液を吸収して湿潤状態にある場合でも、前述した繊維塊11の存在に起因する作用効果(保形性、柔軟性、クッション性、圧縮回復性、ヨレにくさなどの向上効果)が安定的に奏されるようになる。従って、原料繊維としては、非吸水性の合成繊維であることが好ましい。
Further, it is preferable that the
本明細書において、「吸水性」という用語は、例えば、パルプは吸水性と言ったように、当業者にとって容易に理解できるものである。同様に、熱可塑性繊維は非吸水性であることも、容易に理解され得る。一方で、繊維の吸水性の程度は下記方法により測定される水分率の値によって、相対的な吸水性の違いが比較できるとともに、より好ましい範囲も規定できる。吸水性繊維としては、斯かる水分率が6%以上であることが好ましく、10%以上であることが更に好ましい。一方で、非吸水性繊維は、斯かる水分率が6%未満であることが好ましく、4%未満であることが更に好ましい。 As used herein, the term "water-absorbent" is easily understood by those of skill in the art, for example, pulp is said to be water-absorbent. Similarly, it can be easily understood that thermoplastic fibers are non-absorbent. On the other hand, the degree of water absorption of the fiber can be compared with the relative difference in water absorption by the value of the water content measured by the following method, and a more preferable range can be defined. As the water-absorbent fiber, the water content is preferably 6% or more, and more preferably 10% or more. On the other hand, the non-water-absorbent fiber preferably has such a water content of less than 6%, more preferably less than 4%.
<水分率の測定方法>
水分率は、JIS P8203の水分率試験方法を準用して算出した。即ち、繊維試料
を温度40℃、相対湿度80%RHの試験室に24時間静置後、その室内にて絶乾処理前の繊維試料の重量W(g)を測定した。その後、温度105±2℃の電気乾燥機(例えば、株式会社いすゞ製作所製)内にて1時間静置し、繊維試料の絶乾処理を行った。絶乾処理後、温度20±2℃、相対温度65±2%の標準状態の試験室にて、旭化成(株)製サランラップ(登録商標)で繊維試料を包括した状態で、Siシリカゲル(例えば、豊田化工(株))をガラスデシゲータ内(例えば、(株)テックジャム製)に入れて、繊維試料が温度20±2℃になるまで静置する。その後、繊維試料の恒量W’(g)を秤量して、次式により繊維試料の水分率を求める。水分率(%)=(W-W’/W’)×100
<Measurement method of moisture content>
The water content was calculated by applying the water content test method of JIS P8203 mutatis mutandis. That is, after the fiber sample was allowed to stand in a test room having a temperature of 40 ° C. and a relative humidity of 80% RH for 24 hours, the weight W (g) of the fiber sample before the absolute drying treatment was measured in the room. Then, it was allowed to stand for 1 hour in an electric dryer having a temperature of 105 ± 2 ° C. (for example, manufactured by Isuzu Seisakusho Co., Ltd.) to dry out the fiber sample. After the absolute drying treatment, Si silica gel (for example, Si silica gel (for example,) in a state where the fiber sample is covered with Saran Wrap (registered trademark) manufactured by Asahi Kasei Corporation in a test room in a standard state with a temperature of 20 ± 2 ° C. and a relative temperature of 65 ± 2%. Toyoda Kako Co., Ltd. is placed in a glass desigator (for example, manufactured by Tech Jam Co., Ltd.) and allowed to stand until the temperature of the fiber sample reaches 20 ± 2 ° C. Then, the constant amount W'(g) of the fiber sample is weighed, and the water content of the fiber sample is obtained by the following formula. Moisture content (%) = (W-W'/ W') x 100
吸収体4において、繊維塊11と吸水性繊維12Fとの含有質量比は特に限定されず、繊維塊11の構成繊維(合成繊維)11F及び吸水性繊維12Fの種類等に応じて適宜調整すればよい。本発明の所定の効果をより確実に奏させるようにする観点から、繊維塊11と吸水性繊維12Fとの含有質量比は、前者(繊維塊11)/後者(吸水性繊維12F)として、好ましくは20/80~80/20、さらに好ましくは40/60~60/40である。
In the
吸収体4における繊維塊11の坪量は、好ましくは32g/m2以上、さらに好ましくは80g/m2以上、そして、好ましくは640g/m2以下、さらに好ましくは480g/m2以下である。
吸収体4における吸水性繊維12Fの坪量は、好ましくは32g/m2以上、さらに好ましくは80g/m2以上、そして、好ましくは640g/m2以下、さらに好ましくは480g/m2以下である。
The basis weight of the
The basis weight of the water-
吸収体4は、繊維塊11及び吸水性繊維12F以外の他の成分を含有してもよく、他の成分として吸水性ポリマーを例示できる。吸水性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の高吸水性ポリマーを用いる場合、その形状は球状、塊状、俵状又は不定形のいずれでもよい。吸水性ポリマーの平均粒子径は、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは100μm以上、そして、好ましくは100
0μm以下、さらに好ましくは800μm以下である。吸水性ポリマーとしては、一般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を用いることができる。その例としては、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩が挙げられる。
The
It is 0 μm or less, more preferably 800 μm or less. As the water-absorbent polymer, a polymer or copolymer of acrylic acid or an alkali metal salt of acrylic acid can generally be used. Examples thereof include polyacrylic acid and salts thereof, and polymethacrylic acid and salts thereof.
吸収体4における吸水性ポリマーの含有量は、乾燥状態の吸収体4の全質量に対して、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
吸収体4における吸水性ポリマーの坪量は、好ましくは10g/m2以上、さらに好ましくは30g/m2以上、そして、好ましくは100g/m2以下、さらに好ましくは70g/m2以下である。
The content of the water-absorbent polymer in the
The basis weight of the water-absorbent polymer in the
吸収体4の坪量は、その吸収性物品の使用状態などを鑑みて適宜調整することができるが、好ましくは100g/m2以上、さらに好ましくは150g/m2以上、そして、好ましくは800g/m2以下、さらに好ましくは750g/m2以下である。
The basis weight of the
前述の如き構成を有する吸収体4は、柔軟でクッション性に優れると共に、圧縮回復性にも優れ、外力に対して応答性よく変形し、外力が解除されると速やかに元の状態に戻る。このような吸収体の特性は、圧縮仕事量(WC)及び圧縮回復率(RC)を尺度として評価することができる。圧縮仕事量は、吸収体のクッション性の尺度となるものであり、WC値が大きいほどクッション性が高いと評価できる。圧縮回復率は、吸収体を圧縮し、圧縮状態を解放したときの回復の程度を示す尺度であり、RC値が大きいほど圧縮回復性が高いと評価できる。また、液を吸収保持するという吸収体4の役割を考慮すれば、乾燥状態のみならず、体液等を吸収して湿潤状態となった場合でも、吸収体4はWC値及びRC値が大きいことが好ましい。吸収体4が湿潤状態でそのような特性を有するためには、前述した通り、繊維塊11の構成繊維(合成繊維)11Fとして、熱可塑性繊維の如き非吸水性繊維を用いることが有効である。
The
吸収体4の非凹陥部8の乾燥状態での圧縮仕事量(d-WC)は、好ましくは25mN・cm/cm2以上、さらに好ましくは29mN・cm/cm2以上、そして、好ましくは80mN・cm/cm2以下、さらに好ましくは70mN・cm/cm2以下である。
吸収体4の非凹陥部8の湿潤状態での圧縮仕事量(w-WC)は、好ましくは25mN・cm/cm2以上、さらに好ましくは29mN・cm/cm2以上、そして、好ましくは80mN・cm/cm2以下、さらに好ましくは70mN・cm/cm2以下である。
The compression work (d-WC) of the
The compression work (w-WC) of the
吸収体4の非凹陥部8の乾燥状態での圧縮回復率(d-RC)は、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、そして、好ましくは75%以下、さらに好ましくは65%以下である。
吸収体4の非凹陥部8の湿潤状態での圧縮回復率(w-RC)は、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、そして、好ましくは75%以下、さらに好ましくは65%以下である。
The compression recovery rate (d-RC) of the
The compression recovery rate (w-RC) of the
<圧縮仕事量(WC)及び圧縮回復率(RC)の測定方法>
吸収体4の圧縮仕事量(WC)及び圧縮回復率(RC)は、カトーテック株式会社製のKES(カワバタ・エバリュエーション・システム)での測定値で表し得ることが一般的に知られている(参考文献:風合い評価の標準化と解析(第2版)、著者 川端季雄、昭和55年7月10日発行)。具体的には、カトーテック株式会社製の自動化圧縮試験装置KES-FB3-AUTO-Aを用いて圧縮仕事量及び圧縮回復率を測定することができる。測定手順は以下の通りである。
195mm×68mmの平面視四角形形状の試料(コアラップシートで包まれていない
吸収体、即ち吸収性コア)を用意し、圧縮試験装置の試験台に取り付ける。次に、その試料の非凹陥部、即ち圧搾加工などが施されておらず試料本来の姿が残っている部分を、面積2cm2の円形平面を持つ鋼板間で圧縮する。圧縮速度は0.01cm/sec、圧縮最大荷重は490.2mN/cm2とする。回復過程も同一速度で測定を行う。圧縮仕事量(WC)は次式で表される。式中、Tm、To及びPは、それぞれ490.2mN/cm2(4.9kPa)荷重時の厚み、4.902mN/cm2(49Pa)荷重時の厚み、及び測定時の荷重(mN/cm2)を示す。
また、圧縮回復率(RC)は、圧縮時の圧縮仕事量(WC)と、圧縮状態から元の状態にまで戻したときの圧縮仕事量(WC’)との比である〔WC’/WC〕×100で表される。
<Measurement method of compression work (WC) and compression recovery rate (RC)>
It is generally known that the compression work (WC) and compression recovery rate (RC) of the
A 195 mm × 68 mm rectangular sample in plan view (absorbent not wrapped in a core wrap sheet, that is, an absorbent core) is prepared and attached to the test table of the compression test device. Next, the non-recessed portion of the sample, that is, the portion that has not been squeezed and the original shape of the sample remains, is compressed between the steel plates having a circular plane with an area of 2 cm 2 . The compression rate is 0.01 cm / sec, and the maximum compression load is 490.2 mN / cm 2 . The recovery process is also measured at the same speed. The compression work (WC) is expressed by the following equation. In the formula, T m , To and P are the thickness under a load of 490.2 mN / cm 2 (4.9 kPa), 4.902 mN / cm 2 ( 49 Pa), and the load at the time of measurement (mN), respectively. / Cm 2 ) is shown.
The compression recovery rate (RC) is the ratio of the compression work amount (WC) at the time of compression and the compression work amount (WC') when the compressed state is restored to the original state [WC'/ WC). ] × 100.
吸収体4は、この種の繊維材料を含む吸収体と同様に製造することができる。繊維塊11は、前述したように図7に示す如く、原料となる原料繊維シート(繊維塊11と同組成で且つ繊維塊11よりも寸法が大きいシート)を、カッターなどの切断手段を用いて、互いに交差(直交)する2方向で切断することで製造可能であり、そうして製造された複数の繊維塊11は、形状及び寸法が均一の「定形の繊維集合体」(例えば、本体部110が直方体形状)である。繊維塊11と吸水性繊維12Fとを含む吸収体4は、例えば、回転ドラムを備えた公知の積繊装置を用いて常法に従って製造することができる。斯かる積繊装置は、典型的には、外周面に集積用凹部が形成された回転ドラムと、該集積用凹部に吸収性コア40の原材料(繊維塊11、吸水性繊維12F)を搬送する流路を内部に有するダクトとを備え、該回転ドラムをそのドラム周方向に沿って回転軸周りに回転させつつ、該回転ドラムの内部側からの吸引によって該流路に生じた空気流(バキュームエア)に乗って搬送された原材料を、該集積用凹部に積繊させるようになされている。斯かる積繊工程によって集積用凹部内に形成される積繊物は、吸収性コア40である。
The
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば本発明に係る吸収性コアにおいて、繊維塊は吸収性コア全体に均一に分散して存在していなくてもよく、偏在していてもよい。繊維塊が偏在している形態として、繊維塊が主体をなす層と吸水性繊維が主体をなす層との積層構造を有する吸収性コアを例示できる。
また、本発明に係る吸収性コアは、それに含有されている繊維塊(合成繊維集合体)の全部が、繊維塊11の如き定形の繊維集合体でなくてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、斯かる定形の繊維集合体に加えてさらに不定形の繊維集合体がごく少量含まれていてもよい。
本発明の吸収性物品は、人体から排出される体液(尿、軟便、経血、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、前述した生理用ナプキンの他、生理用ショーツ、止着テープを有するいわゆる展開型の使い捨ておむつ、パンツ型の使い捨ておむつ、失禁パッド等が包含される。
Although the present invention has been described above based on the embodiment, the present invention can be appropriately modified without being limited to the embodiment.
For example, in the absorbent core according to the present invention, the fiber lumps may not be uniformly dispersed throughout the absorbent core, or may be unevenly distributed. As a form in which the fiber mass is unevenly distributed, an absorbent core having a laminated structure of a layer mainly composed of the fiber mass and a layer mainly composed of the water-absorbent fiber can be exemplified.
Further, in the absorbent core according to the present invention, all of the fiber lumps (synthetic fiber aggregates) contained therein do not have to be a fixed-shaped fiber aggregate such as the
The absorbent article of the present invention broadly includes articles used for absorbing body fluids (urine, loose stool, menstrual blood, sweat, etc.) discharged from the human body, and in addition to the above-mentioned sanitary napkins, sanitary shorts and fastenings. So-called deployable disposable diapers with tape, pants-type disposable diapers, incontinence pads and the like are included.
1,1A 生理用ナプキン(吸収性物品)
A 前方域
B 縦中央域
C 後方域
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
11 繊維塊
11F 繊維塊の構成繊維(合成繊維)
110 本体部
111 基本面
112 骨格面
113 延出繊維部
113S 延出繊維束部
12F 吸水性繊維
41 コアラップシート
5 吸収性本体
6 サイドシート
7 凹陥部
7X 縦凹陥部
7Y 横凹陥部
10bs 繊維塊の原料繊維シート
1,1A Sanitary napkin (absorbent article)
A Front area B Vertical center area
110
Claims (5)
前記吸収体は、複数の合成繊維を含んでなる繊維塊と、吸水性繊維とを含み、
前記吸収性本体に、前記表面シート及び前記吸収体が該吸収体の非肌対向面側に一体的に凹陥した凹陥部が部分的に形成され、該凹陥部は、該吸収性本体における該凹陥部が形成されていない部分である非凹陥部に比して、密度が高く、
前記非凹陥部の前記吸収体では、複数の前記繊維塊同士が融着せずに交絡しており、
前記繊維塊は2つの対向する基本面と、該2つの基本面を連結する骨格面とを備えており、
前記基本面及び前記骨格面各々に存在する繊維端部の単位面積当たりの数が、該基本面よりも該骨格面の方が多い吸収性物品。 It has a vertical direction corresponding to the front-back direction of the wearer and a horizontal direction orthogonal to the vertical direction, and in the vertical direction, a vertical central region including an excretory portion facing portion facing the wearer's excretory portion, and the excretory portion facing portion. It is divided into an anterior region located on the ventral side of the wearer and a posterior region located on the dorsal side of the wearer rather than the excretory portion facing portion. An absorbent article comprising an absorbent body, including an arranged surface sheet.
The absorber includes a fiber mass containing a plurality of synthetic fibers and a water-absorbent fiber.
A recessed portion in which the surface sheet and the absorber are integrally recessed on the non-skin facing surface side of the absorber is partially formed in the absorbent body, and the recessed portion is formed in the recessed portion in the absorbent body. The density is higher than that of the non-recessed part, which is the part where the part is not formed.
In the absorber in the non-recessed portion, the plurality of fiber lumps are entangled with each other without being fused .
The fiber mass comprises two opposing basic surfaces and a skeletal surface connecting the two basic surfaces.
An absorbent article in which the number of fiber ends present on each of the basic surface and the skeletal surface per unit area is larger in the skeletal surface than in the basic surface .
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