JP7045836B2 - Absorbent article - Google Patents
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Description
本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関し、特に、肌対向面に凸部が複数形成された表面シートを具備する吸収性物品に関する。 The present invention relates to an absorbent article such as a menstrual napkin, and more particularly to an absorbent article including a surface sheet having a plurality of protrusions formed on a skin-facing surface.
使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品は、一般に、着用者の肌と接する面が内側になるように折り畳まれた形状で販売されている。 Absorbent articles such as disposable diapers and menstrual napkins are generally sold in a folded shape so that the surface in contact with the wearer's skin is on the inside.
本出願人は、吸収性物品の個包装体において、表面シート及び吸収体を一体化する縦方向に延びる周状防漏溝と、該周状防漏溝を構成する左右の溝どうしの間を横方向に延びる中央溝とを設け、該周状防漏溝と該中央溝との特定の位置に、個包装体の個装折線を配することによって、個包装体の包装状態を解いたときに吸収性物品における折り曲げられていた部分に対応する表面シートの部分に皺が入り難くなることを提案した(特許文献1)。 In the individual package of the absorbent article, the applicant applies between the circumferential leak-proof groove extending in the vertical direction for integrating the surface sheet and the absorber and the left and right grooves constituting the peripheral leak-proof groove. When the packaging state of the individual package is unpacked by providing a central groove extending in the lateral direction and arranging the individual packaging line of the individual package at a specific position between the peripheral leak-proof groove and the central groove. It has been proposed that wrinkles are less likely to occur in the portion of the surface sheet corresponding to the bent portion of the absorbent article (Patent Document 1).
これとは別に、吸収体の改良技術として、例えば特許文献2には、熱可塑性樹脂繊維とセルロース系吸水性繊維とを含有する吸収体であって、該熱可塑性樹脂繊維が、該吸収体の表面シート側の表面と該吸収体の裏面シート側の表面との両方に露出しているものが記載されている。特許文献1記載の吸収体によれば、熱可塑性樹脂繊維が、セルロース系吸水性繊維などの該吸収体の他の成分を保持するための骨格として機能するため、柔らかく且つヨレにくいとされている。
Apart from this, as a technique for improving the absorber, for example, in
また特許文献3には、熱融着繊維を含み、予め繊維間を結合させて3次元構造を付与した不織布片と、親水性繊維とを含有する吸収体が記載されている。この3次元構造の不織布片は、カッターミル方式などの粉砕手段を用いて不織布を細片状に粉砕して製造されるもので、斯かる製造方法に起因して、同文献の図1及び図3に記載されているように不定形状をなしていて、平面とみなせるような部分を実質的に有していない。
Further,
また特許文献4には、比較的稠密な微細繊維核と、該核から外方に延出している繊維又は繊維束を有する微細ウエブが記載され、また、該微細ウエブと木材パルプや吸水性ポリマー粒子とを混合した不織ウエブが、吸収性物品用の吸収体として使用できることが記載されている。この微細ウエブは、不織布などの原料シートをむしり取って、または引きちぎり取って製造されるもので、特許文献3記載の不織布片と同様に、不定形状をなしていて、平面とみなせるような部分を実質的に有していない。
Further,
生理用ナプキン等の吸収性物品を個包装で折られている状態から展開した場合に、折り畳み時の折曲線に沿って表面シートに折り皺がつくことが問題となっていた。吸収性物品の肌対向面に折り皺がつくと、着用時の違和感に繋がる他、折り皺の部分で着用者の肌に
吸収性物品が密着し難くなることによる排泄液の漏れが起こるおそれがある。特許文献1開示の技術では、長期間保存時には折り皺改善が不十分なことがある。特許文献2~4には、このような折り皺の課題については何等記載されておらず、斯かる課題を解決し得る技術は未だ提供されていない。
When an absorbent article such as a sanitary napkin is unfolded from a state in which it is individually wrapped, there has been a problem that the surface sheet is wrinkled along the folding curve at the time of folding. If the absorbent article has creases on the surface facing the skin, it may cause a feeling of discomfort when worn, and the creases may make it difficult for the absorbent article to adhere to the wearer's skin, resulting in leakage of excrement. be. The technique disclosed in
本発明の課題は、折り畳み時による折り皺がつきにくい吸収性物品を提供することに関する。 An object of the present invention is to provide an absorbent article which is less likely to be wrinkled when folded.
本発明は、吸収性コアを含む吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配された表面シートとを具備し、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品であって、前記吸収性コアは、合成繊維を含む繊維塊と親水性繊維とを含有し、該繊維塊同士又は該繊維塊と該親水性繊維とが交絡しており、前記繊維塊は、2つの対向する基本面と、該2つの基本面を連結する骨格面とを具備し、前記表面シートの肌対向面に、該表面シートを内側にして前記吸収性物品を折り畳む際に使用される折曲線が所定方向に延在しており、前記吸収性コアにおける該折曲線と厚み方向で重なる部分に、該折曲線をその延在方向と交差する方向に跨ぐ折曲線跨ぎ繊維塊が存在し、且つ前記繊維塊同士が融着していない部分が存在する吸収性物品である。 The present invention comprises an absorber including an absorbent core and a surface sheet arranged on the skin-facing surface side of the absorber, and has a vertical direction corresponding to the front-back direction of the wearer and a horizontal direction orthogonal to the vertical direction. The absorbent core contains fiber lumps containing synthetic fibers and hydrophilic fibers, and the fiber lumps or the fiber lumps and the hydrophilic fibers are entangled with each other. The fiber mass comprises two opposing basic surfaces and a skeleton surface connecting the two basic surfaces, and the absorbent article is folded on the skin facing surface of the surface sheet with the surface sheet inside. The fold curve used in the case extends in a predetermined direction, and the fold curve straddles the portion of the absorbent core that overlaps the fold curve in the thickness direction and straddles the fold curve in a direction intersecting the extension direction. It is an absorbent article in which fiber lumps are present and there is a portion where the fiber lumps are not fused to each other.
本発明の吸収性物品は、個装による折り皺がつきにくく、そのため、折り皺に起因する着用時の違和感が低減され、また、着用時に着用者の肌に密着して漏れを生じ難い。 The absorbent article of the present invention is less likely to be wrinkled due to individual packaging, and therefore, the discomfort during wearing due to the wrinkles is reduced, and the absorbent article is less likely to adhere to the wearer's skin and cause leakage when worn.
以下、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1が示されている。ナプキン1は、吸収性コア40を含む吸収体4と、該吸収体4の肌対向面側に配された表面シート2とを具備し、着用者の前後方向、即ち腹側から股間部を介して背側に延びる方向に相当する縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有する。
Hereinafter, the absorbent article of the present invention will be described with reference to the drawings based on the preferred embodiment thereof. 1 and 2 show a
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば表面シート)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着
用位置が維持された状態を意味する。
In the present specification, the "skin facing surface" is a surface of the absorbent article or its constituent members (for example, a surface sheet) that is directed toward the wearer's skin side when the absorbent article is worn, that is, the wearer's skin relatively. The "non-skin facing surface" is the surface of the absorbent article or its constituents that faces the opposite side of the skin when the absorbent article is worn, that is, relatively far from the wearer's skin. On the side. The term "when worn" as used herein means a state in which a normal proper wearing position, that is, a correct wearing position of the absorbent article is maintained.
ナプキン1は、図1に示すように、縦方向Xにおいて、着用者の膣口などの排泄部に対向する排泄部対向部(排泄ポイント)を含む縦中央域Bと、該排泄部対向部よりも着用者の腹側(前側)に配される前方域Aと、該排泄部対向部よりも着用者の背側(後側)に配される後方域Cとの3つに区分される。またナプキン1は、縦方向Xに長い形状の吸収性本体5と、吸収性本体5における縦中央域Bの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部5W,5Wとを有している。吸収性本体5は、ナプキン1の主体をなす部分であり、前記の表面シート2、裏面シート3及び吸収体4を具備し、縦方向Xにおいて前方域A、縦中央域B及び後方域Cの3つに区分される。
As shown in FIG. 1, the
尚、本発明の吸収性物品における縦中央域は、ナプキン1のように吸収性物品がウイング部を有する場合には、該吸収性物品の縦方向(長手方向、図中のX方向)においてウイング部を有する領域を意味し、ナプキン1を例にとれば、一方のウイング部5Wの縦方向Xに沿う付け根と他方のウイング部5Wの縦方向Xに沿う付け根とに挟まれた領域である。また、ウイング部を有しない吸収性物品における排泄部対向部は、吸収性物品を3つ折りの個装形態に折り畳む際に使用される、該吸収性物品を横方向(幅方向、図中のY方向)に横断する2本の折曲線(図1の折曲線8に相当する折曲線)について、該吸収性物品の縦方向の前端、即ち吸収性物品の縦方向両端のうち着用者の腹側に配される縦方向端から数えて第1折曲線と第2折曲線とに囲まれた領域を意味する。
The vertical central region of the absorbent article of the present invention is a wing in the vertical direction (longitudinal direction, X direction in the figure) of the absorbent article when the absorbent article has a wing portion like the
ナプキン1においては、吸収体4は、液吸収性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の外面を被覆する液透過性のコアラップシート41とを含んで構成されている。吸収性コア40は、吸収性本体5と同様に、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い形状をなしており、吸収性コア40の長手方向は、ナプキン1の縦方向Xに一致し、吸収性コア40の幅方向は、ナプキン1の横方向Yに一致している。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、ホットメルト型接着剤等の接着剤により接合されていてもよい。
In the
ナプキン1においては、コアラップシート41は、吸収性コア40の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続したシートであり、図2に示すように、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆している。尚、本発明においては、コアラップシートはこのような1枚のシートでなくてもよく、例えば、吸収性コア40の肌対向面を被覆する1枚の肌側コアラップシートと、該肌側コアラップシートとは別体で、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する1枚の非肌側コアラップシートとの2枚を含んで構成されていてもよい。
In the
図2に示すように、表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、後述するサイドシート6と共にサイドフラップ部を形成している。前記サイドフラップ部は、ナプキン1における、吸収体4から横方向Yの外方に延出する部材からなる部分である。裏面シート3とサイドシート6とは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。表面シート2及び裏面シート3それぞれと吸収体4との間は接着剤によって接合されていてもよい。表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。
As shown in FIG. 2, the
前記サイドフラップ部は、図1に示すように、縦中央域Bにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体5の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部5W,5Wが延設されている。ウイング部5Wは、図1に示す如き平面視において、下底(上底よりも長い辺)が吸収性本体5の側部側に位置する略台形形状を有しており、その非肌対向面には、該ウイング部5Wをショーツ等の着衣に固定するウイング部粘着部(図示せず)が形成されている。ウイング部5Wは、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されて用いられる。前記ウイング部粘着部は、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シート(図示せず)によって被覆されている。また、吸収性本体5の肌対向面即ち表面シート2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部には、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、一対のサイドシート6,6が吸収性本体5の縦方向Xの略全長に亘って配されている。一対のサイドシート6,6は、それぞれ縦方向Xに延びる図示しない接合線にて、接着剤等の公知の接合手段によって表面シート2等の他の部材に接合されている。
As shown in FIG. 1, the side flap portions greatly project outward in the horizontal direction Y in the vertical central region B, whereby a pair of side flap portions are formed on both the left and right sides of the absorbent
図1及び図2に示すように、吸収性本体5における表面シート2の肌対向面には、表面シート2及び吸収性コア40が該吸収性コア40の非肌対向面側に一体的に凹陥した、凹陥部7が部分的に形成されている。ナプキン1における凹陥部7では、表面シート2、コアラップシート41及び吸収性コア40が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥している。凹陥部7は、ナプキン1に対しその肌対向面即ち表面シート側から、熱を伴うか若しくは伴わないエンボス加工又は超音波エンボス等の公知の圧搾加工を施すことによって形成されており、その形成方法から「圧搾部」と言うこともできる。凹陥部7は、圧搾によって形成されることに起因して、その周辺部(凹陥部の非形成部)に比して密度が高い。また、凹陥部7が、熱を伴う圧搾加工によって形成されたものである場合、その凹陥部7の底部においては、表面シート2、コアラップシート41及び吸収性コア40を構成する繊維材料(繊維塊11、親水性繊維12F)が熱融着されて一体化している場合がある。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
凹陥部7は、吸収性コア40の縦方向Xの中央部における横方向Yの中央部を囲むように配されている。凹陥部7は図1に示すように、少なくとも縦中央域Bに形成されており、より具体的には、前方域Aの縦中央域B寄りの部分から後方域Cの縦中央域B寄りの部分にわたって縦方向Xに連続している。また凹陥部7は、図1に示す如き平面視において線状をなし、また、その線状の凹陥部7は、平面視において閉じた環状をなしている。環状の凹陥部7は、平面視において縦方向Xに長い形状をなし、その長手方向は縦方向Xに一致している。環状の凹陥部7は、前方域A及び後方域Cそれぞれにおいては、縦方向Xの外方に向かって凸のU字状ないし弧状に形成されており、そのU字状ないし弧状の頂部がナプキン1の横方向Yの中央に位置している。また環状の凹陥部7は、縦中央域Bにおいては、縦方向Xに延びる左右一対の線状に形成されている。このように、凹陥部7は、縦中央域Bの横方向Yの中央部を囲むように形成されており、該中央部に位置する前記排泄部対向部が、凹陥部7によって包囲されている。凹陥部7の形成により奏され得る効果として、吸収体4(吸収性コア40)の平面方向特に横方向Yの液の拡散が抑制される、吸収体4のヨレが防止される、吸収体4の保形性が向上する、などが挙げられる。
The recessed
ナプキン1は、未使用時には、図1に示す如き展開状態から縦方向Xに折り畳まれて、図3に示す個装体10とされている。表面シート2の肌対向面には、図1に示すように、表面シート2を内側にしてナプキン1を折り畳む際に使用される折曲線8が所定方向に延在している。ナプキン1においては、折曲線8は前記排泄部対向部を挟んで縦方向Xの前後それぞれに存在し、計2本の折曲線8が存在する。2本の折曲線8のうちの一方は、一対のウイング部5W,5Wそれぞれの前方域A寄りの付け根を通って横方向Yに延び、他方は、一対のウイング部5W,5Wそれぞれの後方域C寄りの付け根を通って横方向Yに延びており、2本の折曲線8は互いに平行である。
When not in use, the
個装体10は、ナプキン1と包装材10Wとの積層体が、ナプキン1の肌対向面(表面シート2側)を内側にして、該積層体を横方向Yに横断する2本の折曲線8,8にて縦方向Xに3つ折りされて構成されている。ナプキン1が3つ折りされた状態では、一対のウイング部5W,5Wはそれぞれ表面シート2側に折り曲げられている。包装材10Wは、平面視長方形形状をなし、その長手方向をナプキン1の縦方向Xに一致させて、ナプキン1の非肌対向面(裏面シート3)に粘着剤(図示せず)を介して粘着されている。個装体10の上面には、包装材10Wの縦方向端を縦方向Xに跨ぐように止着テープ10Tが配されている。包装材10Wにおけるナプキン1の縦方向Xに沿う側縁からの延出部どうしは、接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段により接合されて封止部10Sとされている。個装体10の基本構成は、公知の生理用ナプキンの個装体と同じである。
In the
個装体10を開封するには、止着テープ10Tを手指で摘んで側縁部分の封止部10Sを引き剥がした後、包装材10Wを取り除いてナプキン1を取り出す。こうして取り出されたナプキン1の表面シート2には、図4に示すように、個装時の折曲線8に沿って、図4中符号100で示す「折り皺」がつくことが懸念される。個装体10における折曲線8の形成位置では、折りによる強い外力が長時間にわたって吸収体4に作用するため、該形成位置で吸収体4が変形して折り皺が形成されるのである。このような折り皺は、ナプキン1の着用感の低下、着用者の肌との密着性の低下に起因する漏れの要因となり得る。
To open the
尚、図4中の符号80は、折曲線8に沿って形成される「折り目」である。折り目80は、折曲線8を中心とした所定幅の平面視線状の領域であり、その幅、即ち折曲線8の延在方向(折曲線の長手方向であり、ナプキン1においては横方向Y)と直交する方向の長さは、特に限定されないが、通常1~10mm程度である。
斯かる個装による折り皺の課題を解決するべく、ナプキン1では図2に示すように、吸収性コア40に、親水性繊維12Fに加えてさらに、合成繊維11Fを含む特定形状の繊維塊11を含有させることとした。吸収性コア40は、繊維塊11を含有している点に加え、複数の繊維塊11同士、又は繊維塊11と親水性繊維12Fとが交絡している点でも特徴付けられる。以下、吸収性コア40について説明する。
In order to solve the problem of wrinkles due to individual packaging, as shown in FIG. 2, in the
本明細書において「繊維塊」とは、複数の繊維がまとまって一体となった繊維集合体のことである。繊維塊の形態としては、例えば一定の大きさを有する合成繊維シートから分割されたシート片が挙げられる。特に、合成繊維シートとして不織布を選択し、該不織布から所定の大きさ及び形状に切り出した不織布片が繊維塊として好ましい。 As used herein, the term "fiber mass" is a fiber aggregate in which a plurality of fibers are grouped together and integrated. Examples of the form of the fiber mass include a sheet piece divided from a synthetic fiber sheet having a certain size. In particular, a non-woven fabric is selected as the synthetic fiber sheet, and a non-woven fabric piece cut out from the non-woven fabric into a predetermined size and shape is preferable as the fiber mass.
このように、本発明に係る繊維塊の好ましい一実施形態であるシート片状の繊維塊は、複数の繊維を集積させて該シート片を形作るように構成されたものではなく、該シート片よりも寸法の大きな繊維シート(好ましくは不織布)の切断によって製造されるものである(図6参照)。本発明に係る吸収性コアが含有する複数の繊維塊は、特許文献3及び4のような従来技術によって製造するものと比較して、より定形性が高い複数のシート片状の繊維塊である。
As described above, the sheet piece-shaped fiber mass, which is a preferred embodiment of the fiber mass according to the present invention, is not configured to accumulate a plurality of fibers to form the sheet piece, but rather than the sheet piece. It is also manufactured by cutting a fiber sheet (preferably a non-woven fabric) having a large size (see FIG. 6). The plurality of fiber lumps contained in the absorbent core according to the present invention are a plurality of sheet piece-like fiber lumps having higher stereotypes as compared with those produced by conventional techniques such as
吸収性コア40において、複数の繊維塊11同士、又は繊維塊11と親水性繊維12Fとが交絡している。本実施形態の吸収性コア40においては、複数の繊維塊11が吸収性コア40中の構成繊維(繊維11F,12F)と絡み合いによって結合して1つの繊維塊連続体を形成している。また、複数の繊維塊11同士が交絡していると共に、繊維塊11と親水性繊維12Fとが交絡していてもよい。さらに通常は、複数の親水性繊維12F同士も互いに交絡している。吸収性コア40に含有されている複数の繊維塊11の少なくとも一部は、他の繊維塊11あるいは親水性繊維12Fと交絡している。吸収性コア40に
おいては、それに含有されている複数の繊維塊11の全部が互いに交絡して1つの繊維塊連続体を形成している場合があり得るし、複数の繊維塊連続体が互いに非結合の状態で混在している場合があり得る。
In the
繊維塊11は、柔軟性などに優れるものであるから、これを吸収性コア40に含有させることで、吸収性コア40は潜在的に柔軟性等に優れたものとなる。吸収性コア40では、このような繊維塊11が含有されていることに加え、繊維塊11同士又は繊維塊11と親水性繊維12Fとの間も互いに交絡によって結合しているため、吸収性コア40は外力への応答性が一層優れ、保形性、柔軟性、クッション性、圧縮回復性などに優れる。例えば吸収性コア40は、ナプキン1の着用時に様々な方向から受ける外力(例えば着用者の体圧)に対してしなやかに変形し、着用者の身体にフィット性よく密着させ得る。
Since the
前述したように、吸収性コア40においては繊維塊11同士又は繊維塊11と親水性繊維12Fとが交絡しているところ、ここでいう、繊維塊11同士等の「交絡」には、下記形態A及びBが包含される。
形態A:繊維塊11同士等が、融着ではなく、繊維塊11の構成繊維11F同士の絡み合いによって結合している形態。
形態B:吸収性コア40の自然状態(外力が加わっていない状態)では、繊維塊11同士等は結合していないが、吸収性コア40に外力が加わった状態では、繊維塊11同士等が構成繊維11F同士の絡み合いによって結合し得る形態。ここでいう、「吸収性コア40に外力が加わった状態」とは、例えば、吸収性コア40が適用された吸収性物品の着用中において、吸収性コア40に変形力が加わった状態である。
As described above, in the
Form A: A form in which the fiber lumps 11 and the like are not fused but are bonded by the entanglement of the constituent fibers 11F of the fiber lumps 11.
Form B: In the natural state of the absorbent core 40 (a state in which no external force is applied), the fiber lumps 11 and the like are not bonded to each other, but in a state where the
このように、吸収性コア40においては、形態Aのように、繊維塊11は、他の繊維塊11又は親水性繊維12Fと、繊維同士の絡み合い即ち「交絡」によって結合している他、形態Bのように、他の繊維塊11又は親水性繊維12Fと交絡し得る状態でも存在しており、斯かる繊維の交絡による結合が、前述した吸収性コア40の作用効果を一層有効に発現するのに重要なポイントの1つとなっている。しかしながら、吸収性コア40は、形態Aの「交絡」を有している方が保形性の点から好ましい。繊維の交絡による結合は、接着成分や融着が無く、繊維同士の絡み合いのみによってなされているため、例えば特許文献3に記載の如き「繊維の融着」による結合に比して、交絡している個々の要素(繊維塊11、親水性繊維12F)の動きの自由度が高く、そのためその個々の要素は、それらからなる集合体としての一体性を維持し得る範囲で移動し得る。このように、吸収性コア40は、それに含有されている複数の繊維塊11同士あるいは繊維塊11と親水性繊維12Fとが比較的ゆるく結合していることで、外力を受けたときに変形が可能な、緩やかな保形性を有しており、保形性とクッション性及び圧縮回復性等とが高いレベルで両立されている。
Thus, in the
吸収性コア40における繊維塊11を介した結合態様の全てが「交絡」である必要はなく、吸収性コア40の一部に交絡以外の他の結合態様、例えば接着剤による接合などが含まれていてもよい。
It is not necessary that all of the bonding modes via the
但し、前述の防漏溝等、吸収性物品の他の部材と一体となった結果として吸収性コア40に形成された「繊維塊11を介した融着」を吸収性コア40から排除した残りの部分、即ち、吸収性コア40そのものでは、繊維塊11同士の結合、又は繊維塊11と親水性繊維12Fとの結合が「繊維の交絡」のみでなされていることが望ましい。
However, the remainder after removing "fusion via the
前述した吸収性コア40の作用効果をより一層確実に発現させる観点から、形態Aである「交絡によって結合している繊維塊11」と形態Bである「交絡し得る状態の繊維塊11」との合計数は、吸収性コア40中の繊維塊11の全数に対して、好ましくは半数以上
、さらに好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上である。
同様の観点から、形態Aの「交絡」を有する繊維塊11の数は、他の繊維塊11又は親水性繊維12Fとの結合部を有する繊維塊11の全数の70%以上、特に80%以上あることが好ましい。
From the viewpoint of more reliably expressing the action and effect of the
From the same viewpoint, the number of fiber lumps 11 having the "entanglement" of Form A is 70% or more, particularly 80% or more of the total number of fiber lumps 11 having a binding portion with other fiber lumps 11 or
図5には、繊維塊11の好ましい形態について、典型的な外形形状が2つ示されている。図5(a)に示す繊維塊11Aは四角柱形状より具体的には直方体形状をなし、図5(b)に示す繊維塊11Bは円盤形状をなしている。繊維塊11A,11Bは、相対向する2つの基本面(base plane)111と、該2つの基本面111を連結する骨格面(body plane)112とを備えている点で共通する。基本面111及び骨格面112はいずれも、この種の繊維を主体とする物品における表面の凹凸度合いを評価する際に適用されるレベルで、実質的に凹凸が無いと認められる部分である。
FIG. 5 shows two typical outer shapes of the preferred form of the
図5(a)の直方体形状の繊維塊11Aは、6つの平坦面を有しているところ、その6面のうち、最大面積を有する相対向する2面がそれぞれ基本面111であり、残りの4面がそれぞれ骨格面112である。基本面111と骨格面112とは互いに交差、より具体的には直交している。
図5(b)の円盤形状の繊維塊11Bは、平面視円形状の相対向する2つの平坦面と、両平坦面を連結する湾曲した周面とを有しているところ、該2つの平坦面がそれぞれ基本面111であり、該周面が骨格面112である。
繊維塊11A,11Bは、骨格面112が平面視において四角形形状、より具体的には長方形形状をなしている点でも共通する。
The rectangular parallelepiped-shaped
The disk-shaped
The fiber lumps 11A and 11B are also common in that the
吸収性コア40に含有される複数の繊維塊11は、それぞれ、図5に示す繊維塊11A,11Bのような、2つの対向する基本面111と両基本面111を連結する骨格面112とを備えた「定形の繊維集合体」である点で、不定形の繊維集合体である特許文献3及び4記載の不織布片ないし微細ウエブと異なる。換言すれば、吸収性コア40中の任意の1個の繊維塊11を透視した場合(例えば電子顕微鏡で観察した場合)、その繊維塊11の透視形状はその観察角度によって異なり、1個の繊維塊11につき多数の透視形状が存在するところ、吸収性コア40中の複数の繊維塊11それぞれは、その多数の透視形状の1つとして、2つの対向する基本面111と両基本面111を連結する骨格面112とを備えた特定透視形状を有する。特許文献3及び4記載の吸収体(吸収性コア)に含有されている複数の不織布片ないし微細ウエブは、基本面111や骨格面112のような「面」、即ち広がりのある部分を実質的に有しておらず、互いに外形形状が異なっていて「定形」ではない。
The plurality of fiber lumps 11 contained in the
このように、吸収性コア40に含まれている複数の繊維塊11が、基本面111と骨格面112とで画成された「定形の繊維集合体」であると、特許文献3及び4に記載の如き不定形の繊維集合体である場合に比して、吸収性コア40の所定部位(肌対向面側)における繊維塊11の均一分散性が向上するため、繊維塊11の如き繊維集合体を吸収性コア40に配合することで期待される効果(吸収体のクッション性、柔軟性、圧縮回復性などの向上効果)が安定的に発現するようになる。また特に、図5(a)に示す如き直方体形状の繊維塊11の場合、その外面が2つの基本面111と4つの骨格面112との6つの面からなるため、図5(b)に示す如き3つの外面を持つ円盤形状の繊維塊11に比して、他の繊維塊11あるいは親水性繊維12Fとの接触機会を比較的多く持つことが可能となり、交絡性が高まって、保形性等の向上にも繋がり得る。
As described above,
本実施形態においては、繊維塊11において、基本面111は骨格面112に比して面積が大きい。図5に示す繊維塊11A,11Bにおいては、斯かる「基本面111の面積>骨格面112の面積」なる大小関係に加えてさらに、2つの基本面111の総面積は骨
格面112の総面積よりも大きい、という大小関係も成立している。即ち、図5(a)の直方体形状の繊維塊11Aにおいては、2つの基本面111それぞれの面積の総和は、4つの骨格面112それぞれの面積の総和よりも大きく、また、図5(b)の円盤形状の繊維塊11Bにおいては、2つの基本面111それぞれの面積の総和は、円盤形状の繊維塊11Bの周面を形成する骨格面112の面積よりも大きい。繊維塊11A,11Bのいずれにおいても、基本面111は、繊維塊11A,11Bが有する複数の面のうちで面積が最大の面である。
In the present embodiment, in the
このように、繊維塊11が、相対向する2つの基本面111とこれらを連結する骨格面112とを備え、且つ前記の「基本面111の面積>骨格面112の面積」なる大小関係、さらには前記の「両基本面111の総面積が骨格面112のそれよりも大きい」という大小関係が成立することにより、相対的に面積の大きい基本面111は主として、繊維塊11の液透過性の向上に寄与し、相対的に面積の小さい骨格面112は主として、その液透過性に寄与する基本面111を強度的に支持して、ナプキン1の着用者の体圧などの外圧が吸収性コア40にかかった場合でも、基本面111の液透過性が維持されるように作用する。従って、このような特徴的な外形形状の繊維塊11を複数含む吸収性コア40は、液吸収後でもクッション性が高くてヨレにくく、且つ液引き込み性に優れるものとなり得る。
In this way, the
繊維塊11がこのような、2つの基本面111と両基本面111に交差する骨格面112とで画成された「定形の繊維集合体」である理由は、繊維塊11の製造方法によるものである。繊維塊11の製造は、図6に示すように、原料となる原料繊維シート10bs(繊維塊11と同組成で且つ繊維塊11よりも寸法が大きいシート)を、カッターなどの切断手段を用いて定形に切断することによってなされ、そうして製造された複数の繊維塊11は形状及び寸法が揃っている。図6は、図5(a)の直方体形状の繊維塊11Aの製造方法を説明した図であり、図6中の点線は切断線を示している。吸収性コア40には、このように繊維シートを定形に切断して得られた、形状及び寸法が均一な複数の繊維塊11が配合されている。前述した通り、原料繊維シート10bsとしては不織布が好ましい。
The reason why the
図5(a)の直方体形状の繊維塊11Aは、図6に示すように原料繊維シート10bsを、第1方向D1と該第1方向D1に交差(より具体的には直交)する第2方向D2とに所定の長さで切断することで製造される。両方向D1,D2は、それぞれ、面方向における所定の一方向であり、シート10bsは該面方向と直交する厚み方向Zに沿って切断される。このように、原料繊維シート10bsをいわゆる賽の目状に切断して得られる複数の直方体形状の繊維塊11Aにおいては通常、その切断面即ちシート10bsの切断時においてカッターなどの切断手段と接触する面が、骨格面112であり、非切断面即ち該切断手段と接触しない面が、基本面111である。基本面111は、シート10bsにおける表裏面(厚み方向Zと直交する面)であり、また前述した通り、繊維塊11Aが有する複数の面のうちで面積が最大の面である。
In the rectangular parallelepiped-shaped
原料繊維シート10bs切断時の切断線の間隔L1a(第1方向の間隔、図6参照)及び間隔L2a(第2方向の間隔、図6参照)は、繊維塊11が所定の効果を発現する上で必要な寸法を確保する観点などから、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは15mm以下である。
The spacing L1a (spacing in the first direction, see FIG. 6) and the spacing L2a (spacing in the second direction, see FIG. 6) at the time of cutting the raw material fiber sheet 10bs are such that the
尚、以上の繊維塊11Aについての説明は、図5(b)の円盤形状の繊維塊11Bにも基本的に当てはまる。繊維塊11Aとの実質的な違いは、原料繊維シート10bsの切断パターンのみであり、シート10bsを定形に切断して繊維塊11Bを得る際には、繊維塊11Bの平面視形状に合わせて、シート10bsを円形状に切断すればよい。
The above description of the
また、繊維塊11の外形形状は図5に示すものに限定されず、基本面111及び骨格面112はいずれも、図5(a)の各面111,112のように湾曲していない平坦面でもよく、あるいは図5(b)の骨格面112(円盤形状の繊維塊11Bの周面)のように湾曲面でもよい。また、基本面111と骨格面112とは互いに同形状同寸法であってもよく、具体的には例えば、繊維塊11Aの外形形状は立方体形状であってもよい。
Further, the outer shape of the
前述したように、繊維塊11(11A,11B)が有する2種類の面(基本面111、骨格面112)は、繊維塊11を製造する際のカッターなどの切断手段による原料繊維シート10bsの切断によって形成される切断面(骨格面112)と、シート10bsが本来的に有する面であって該切断手段とは接触しない非切断面(基本面111)とに分類される。そして、この切断面か否かの違いに起因して、切断面である骨格面112は、非切断面である基本面111に比して、繊維端部の単位面積当たりの数が多いという特徴を有する。ここでいう「繊維端部」とは、繊維塊11の構成繊維11Fの長さ方向端部を意味する。通常、非切断面である基本面111にも繊維端部は存在するが、骨格面112は、原料繊維シート10bsの切断によって形成された切断面であることに起因して、その切断によって形成された構成繊維11Fの切断端部からなる繊維端部が、骨格面112の全体に多数存在しており、つまり、繊維端部の単位面積当たりの数が基本面111のそれよりも多くなっている。
As described above, the two types of surfaces (
繊維塊11の各面(基本面111、骨格面112)に存在する繊維端部は、該繊維塊11が、吸収性コア40に含まれる他の繊維塊11や親水性繊維12Fとの間に交絡を形成するのに有用である。また一般に、繊維端部の単位面積当たりの数が多いほど交絡性が向上し、吸収性コア40の保形性などの諸特性の向上に繋がり得る。そして前述したように、繊維塊11の各面における繊維端部の単位面積当たりの数は均一ではなく、斯かる繊維端部の単位面積当たりの数に関しては「骨格面112>基本面111」なる大小関係が成立することから、繊維塊11を介した他の繊維(他の繊維塊11、親水性繊維12F)との交絡性は該繊維塊11の面によって異なり、骨格面112は基本面111に比して交絡性が高い。即ち、骨格面112を介しての他の繊維との交絡による結合の方が、基本面111を介してのそれよりも結合力が強く、1個の繊維塊11において、基本面111と骨格面112とで他の繊維との結合力に差が生じ得る。一般に、斯かる結合力が強いほど、その結合されている繊維の動きの自由度が制限され、吸収性コア40全体として強度(保形性)が向上する反面、柔らかさが低下する傾向がある。
At the fiber ends existing on each surface (
このように、吸収性コア40においてはそれに含まれている複数の繊維塊11それぞれが、その周辺の他の繊維(他の繊維塊11、親水性繊維12F)に対して、2種類の結合力を持って交絡しており、これにより吸収性コア40は、適度な柔らかさと強度(保形性)とを兼ね備えたものとなる。そして、このような優れた特性を有する吸収性コア40を、吸収性物品の吸収体として常法に従って用いた場合には、該吸収性物品の着用者に快適な着用感を提供することができると共に、着用時における着用者の体圧等の外力によって吸収性コア40が破壊される不都合が効果的に防止される。
As described above, in the
特に、図5に示す繊維塊11(11A,11B)は、前述したように、基本面111の面積が骨格面112の面積よりも大きく、さらには、2つの基本面111の総面積が骨格面112の総面積よりも大きいところ、これは、繊維端部の単位面積当たりの数が相対的に少なく、それ故に他の繊維との交絡性が相対的に低い基本面111の方が、これとは反対の性質を有する骨格面112よりも、総面積が大きいことを意味する。従って、図5に示す繊維塊11(11A,11B)は、表面全体に繊維端部が均一に存在する繊維塊に比して、周辺の他の繊維(他の繊維塊11、親水性繊維12F)との交絡が抑制されやすく、また、周辺の他の繊維と交絡するとしても、比較的弱い結合力でもって交絡しやすく、それ故、大きなダマになり難く、吸収性コア40に優れたクッション性、柔軟性等を付与
し得る。
In particular, in the fiber mass 11 (11A, 11B) shown in FIG. 5, as described above, the area of the
これに対し、特許文献2及び3記載の不織布片ないし微細ウエブは、前述したように、原料繊維シートをミルカッターのような切断機によって不定形に切断するなどして製造されているため、基本面111や骨格面112のような「面」を持った定形のシート片状の繊維塊とはなっておらず、しかも、その製造時において繊維塊全体に切断処理の外力が加わるため、構成繊維の繊維端部が繊維塊全体にランダムに形成され、該繊維端部による前述した作用効果が十分に発現され難い。
On the other hand, the nonwoven fabric pieces or fine webs described in
繊維塊11(11A,11B)の各部の寸法等は以下のように設定することが好ましい。繊維塊11の各部の寸法は、電子顕微鏡写真などに基づいて測定することができる。
基本面111が図5(a)に示す如き平面視長方形形状の場合、その短辺111aの長さL1は、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下である。
平面視長方形形状の基本面111の長辺111bの長さL2は、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは2mm以上、そして、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは15mm以下である。
尚、基本面111が図5に示すように、繊維塊11が有する複数の面のうちで最大面積を有する面である場合、長辺111bの長さL2は、繊維塊11の最大差し渡し長さに一致し、該最大差し渡し長さは、円盤形状の繊維塊11Bにおける平面視円形状の基本面111の直径に一致する。
短辺111aの長さL1と長辺111bの長さL2との比率は、L1/L2として、好ましくは0.003以上、さらに好ましくは0.025以上、そして、好ましくは1以下、さらに好ましくは0.5以下である。尚、本発明において、基本面111の平面視形状は、図5(a)に示す如き長方形形状に限定されず、正方形形状でもよく、即ち互いに直交する2辺の長さL1,L2の比率は、L1/L2として1でもよい。
繊維塊11の厚みT、即ち2つの対向する基本面111間の長さTは、好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは6mm以下である。
It is preferable to set the dimensions and the like of each part of the fiber mass 11 (11A, 11B) as follows. The dimensions of each part of the
When the
The length L2 of the
As shown in FIG. 5, when the
The ratio of the length L1 of the
The thickness T of the
吸収性コア40のクッション性等のさらなる向上の観点から、吸収性コア40において、複数の繊維塊11が厚み方向で重なるように存在することが好ましい。より具体的には、吸収性コア40の厚み方向の投影視(吸収性コア40をその肌対向面又は非肌対向面から観察した場合)において、任意の10mm四方の単位領域に、複数の繊維塊11の重なり部が存在していることが好ましい。複数の繊維塊11がこのように厚み方向で重なるように吸収性コア40内に存在することで、吸収性コア40のクッション性等の向上に加えてさらに、吸収性コア40内に経血等の体液を一時的に保持し得る、一時ストック空間が形成されることに起因して、吸収性コアの液吸収性の向上が期待できる。また同様の観点から、繊維塊11は吸収性コア40の面方向の全域に均一に分散して存在することが好ましく、吸収性コア40の全体に均一に分散して存在することがさらに好ましい。
From the viewpoint of further improving the cushioning property of the
繊維塊11の構成繊維11Fは合成繊維を含む。繊維11Fとして使用される合成繊維は、疎水性の合成繊維が好ましい。繊維塊11の構成繊維11Fが親水度の低い疎水性繊維であることにより、吸収性コア40が乾燥状態である場合のみならず、水分(尿や経血などの体液)を吸収して湿潤状態にある場合でも、前述した繊維塊11の存在に起因する作用効果(保形性、柔軟性、クッション性、圧縮回復性、ヨレにくさなどの向上効果)が安定的に奏されるようになる。繊維11Fは、疎水性且つ非吸水性であることがより好ましい。繊維塊11における構成繊維11Fとしての合成繊維の含有量は、繊維塊11の全質量に対して、好ましくは90質量%以上であり、100質量%即ち繊維塊11が合成繊維のみから形成されていることが最も好ましい。特に、構成繊維11Fとしての合成繊維
が非吸水性のものである場合に、前述した繊維塊11の存在に起因する作用効果が一層安定的に奏される。
The constituent fibers 11F of the
また同様に、吸収性コア40が乾燥状態及び湿潤状態のいずれの状態でも保形性、柔軟性、クッション性、圧縮回復性、ヨレにくさなどにおいて優れた効果を発現し得るようにする観点から、繊維塊11は、複数の熱可塑性繊維が互いに熱融着した3次元構造を有することが好ましい。また、複数の熱融着部が3次元的に分散した繊維塊11を得るために、繊維塊11の構成繊維11Fとして使用される合成繊維は、熱可塑性繊維が好ましい。複数の熱融着部が3次元的に分散した繊維塊11を得るためには、その原料繊維シート10bs(図6参照)が同様に構成されていればよく、また、そのような複数の熱融着部が3次元的に分散した原料繊維シート10bsは、前述したように、熱可塑性繊維を主体とするウエブや不織布に、熱風処理などの熱処理を施すことによって製造することができる。
Similarly, from the viewpoint of enabling the
繊維塊11の構成繊維11Fの素材として好適な疎水性且つ非吸水性の合成樹脂(熱可塑性樹脂)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、繊維11Fは、1種類の合成樹脂(熱可塑性樹脂)又は2種類以上の合成樹脂を混合したブレンドポリマーからなる単一繊維でもよく、あるいは複合繊維でもよい。ここでいう複合繊維は、成分の異なる2種類以上の合成樹脂を紡糸口金で複合し、同時に紡糸して得られる合成繊維(熱可塑性繊維)で、複数の成分がそれぞれ繊維の長さ方向に連続した構造で、単繊維内で相互接着しているものをいう。複合繊維の形態には、芯鞘型、サイドバイサイド型等があり、特に制限されない。
Examples of the hydrophobic and non-water-absorbent synthetic resin (thermoplastic resin) suitable as a material for the constituent fibers 11F of the
一方、繊維塊11と併用される親水性繊維12Fとしては、この種の吸収性物品の吸収体の形成材料として従来使用されている親水性繊維を用いることができ、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ等の天然繊維;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ;キュプラ、レーヨン等の再生繊維;アセテート等の半合成繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。親水性繊維12Fの主たる役割が吸収性コア40の液吸収性の向上である点に鑑みれば、親水性繊維12Fとしては吸水性繊維が特に好ましく、特に前記の親水性繊維の中でも、天然繊維、再生繊維(セルロース系繊維)が好ましく、とりわけ、パルプ系(セルロース系)の吸水性繊維が好ましい。
On the other hand, as the
吸収性コア40において、繊維塊11と親水性繊維12Fとの含有質量比は特に限定されず、繊維塊11の構成繊維(合成繊維)11F及び親水性繊維12Fの種類等に応じて適宜調整すればよい。例えば、繊維塊11の構成繊維11Fが熱可塑性繊維(疎水性且つ非吸水性の合成繊維)、親水性繊維12Fがセルロース系繊維(吸水性繊維)である場合、本発明の所定の効果をより確実に奏させるようにする観点から、繊維塊11と親水性繊維12Fとの含有質量比は、前者(繊維塊11)/後者(親水性繊維12F)として、好ましくは20/80~80/20、さらに好ましくは40/60~60/40である。
In the
吸収性コア40における繊維塊11の含有量は、吸収性コア40の全質量に対して、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
吸収性コア40における親水性繊維12Fの含有量は、吸収性コア40の全質量に対して、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。
The content of the
The content of the
吸収性コア40における繊維塊11の坪量は、好ましくは32g/m2以上、さらに好ましくは80g/m2以上、そして、好ましくは640g/m2以下、さらに好ましくは480g/m2以下である。
吸収性コア40における親水性繊維12Fの坪量は、好ましくは32g/m2以上、さらに好ましくは80g/m2以上、そして、好ましくは640g/m2以下、さらに好ましくは480g/m2以下である。
The basis weight of the
The basis weight of the
吸収性コア40は、繊維塊11及び親水性繊維12F以外の他の成分を含有してもよく、他の成分として吸水性ポリマーを例示できる。吸水性ポリマーとしては一般に、粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸水性ポリマーを用いる場合、その形状は球状、塊状、俵状又は不定形のいずれでもよい。吸水性ポリマーの平均粒子径は、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは100μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、さらに好ましくは800μm以下である。吸水性ポリマーとしては、一般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を用いることができる。その例としては、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩が挙げられる。
The
吸収性コア40は、前述した通り、合成繊維11Fを含む特定形状の繊維塊11と親水性繊維12Fとを含有し、且つ複数の繊維塊11同士あるいは繊維塊11と親水性繊維12Fとが融着せずに交絡することで比較的ゆるく結合した、「可動領域」を形成しているため、ナプキン1の着用中に吸収性コア40に対して着用者の体圧などの外力が作用しても、斯かる可動領域の存在により、柔軟でヨレにくく、着用者の肌に対して高いフィット性を発揮でき、さらに、繊維材料同士の交絡によって緩やかな保形性も発揮できる。ナプキン1においては、このような柔軟でクッション性、圧縮回復性等に優れる吸収性コア40が表面シート2の非肌対向面側に配されているため、ナプキン1が図3に示す如き個装体10の形態で長時間保管された場合でも、折曲線8の形成位置において表面シート2に折り皺が形成され難い。
As described above, the
また、ナプキン1においては、クッション性等に優れる吸収性コア40を具備することに加え、折曲線8の形成位置において繊維塊11が特定の配置で且つ特定の状態にあることによっても、折曲線8の形成位置における折り皺の形成が阻害されている。即ちナプキン1においては、図7(a)及び図7(b)に示すように、吸収性コア40における折曲線8と厚み方向で重なる部分(平面視において折曲線8と重なる部分)に、折曲線8をその延在方向(折曲線8の長手方向)と交差する方向に跨ぐ折曲線跨ぎ繊維塊11Sが存在し、且つ繊維塊11同士が融着していない部分が存在する。折曲線跨ぎ繊維塊11Sは、折曲線8を跨ぐように配されている点以外は、他の繊維塊11と同じである。図7(a)及び図7(b)に示す形態では、折曲線跨ぎ繊維塊11Sは、折曲線8をその延在方向(横方向Y)と直交する方向(縦方向X)に跨いでいる。
Further, the
吸収性コア40がクッション性等に優れるものであっても、吸収性コア40における折曲線8と厚み方向で重なる部分に繊維塊11が全く存在しない場合、例えば図7(c)に示すように、平面視長方形形状の繊維塊11がその長手方向を折曲線8の延在方向(図示の形態では横方向Y)に一致させて配されている場合、あるいは図7(d)に示すように、繊維塊11が比較的小さい(平面視における最大差し渡し長さが短い)ために折曲線8をその延在方向と交差する方向に跨ぐ配置が採り難い場合には、吸収性コア40における折曲線8と厚み方向で重なる部分に、親水性繊維12Fのみからなるクッション性等に乏しい親水性繊維層が折曲線8の全長にわたって連続することになるため、折曲線8の形成位置において表面シート2に折り皺が形成されるおそれがある。これに対し、ナプキン1においては、図7(a)及び図7(b)に示す如き折曲線跨ぎ繊維塊11Sの存在により
、斯かる親水性繊維層が寸断され、折曲線8の全長にわたって連続することが阻害される。
Even if the
吸収性コア40内に折曲線跨ぎ繊維塊11Sを確実に存在させるようにするために、繊維塊11は吸収性コア40の面方向の全域に均一に分散して存在することが好ましく、吸収性コア40の全体に均一に分散して存在することがさらに好ましい。また、繊維塊11が比較的大きい(最大差し渡し長さが比較的長い)ことも、吸収性コア40内に折曲線跨ぎ繊維塊11Sを確実に存在させるようにする点で有利である(この点については後述する)。
In order to ensure that the
また、吸収性コア40における折曲線8と厚み方向で重なる部分に折曲線跨ぎ繊維塊11Sが存在していても、該部分に存する全ての繊維塊11同士が融着している場合には、当該部分の剛性が高くなるので融着した繊維塊11を避けるようにナプキンが折られ易くなり、図7(d)に示すように折曲線8を跨ぐことができないおそれがある。さらには、設計通りに折りが安定しないので製造上好ましくない。しかしながら、ナプキン1においては、吸収性コア40における折曲線8と厚み方向で重なる部分に、繊維塊11同士が融着していない部分が存在するため、斯かる懸念が払拭されている。
Further, even if the
ナプキン1においては、図1に示すように、折曲線8の一部と凹陥部7とが厚み方向で重なっており、吸収性コア40における両者の重複部分と厚み方向で重なる部分では、凹陥部7の形成方法に起因して、繊維塊11同士が融着している場合があり得る。しかしながら、折曲線8の平面視における全面積に占める、凹陥部7との重複部分の面積の割合は少なく、具体的には通常10%以下程度である。つまり、吸収性コア40における折曲線8と厚み方向で重なる部分の大部分(凹陥部7と厚み方向で重なる部分以外の部分)は、繊維塊11同士が融着せずに交絡している。
In the
個装による折り皺の発生をより確実に防止する観点から、折曲線跨ぎ繊維塊11Sは、
図7(a)及び図7(b)に示すように、折曲線8のみならず、折曲線8に沿って形成される折り目80を、その延在方向と交差する方向に跨いでいることが好ましい。ここでいう、「折り目をその延在方向と交差する方向に跨ぐ」には、図7(a)に示すように、1個の折曲線跨ぎ繊維塊11Sが折り目80を跨いでいる形態のみならず、図7(b)に示すように、折曲線8の延在方向に近接する複数個(図示の形態では2個)の折曲線跨ぎ繊維塊11S全体として、折り目80を跨いでいる形態が包含される。
From the viewpoint of more reliably preventing the occurrence of creases due to individual packaging, the
As shown in FIGS. 7 (a) and 7 (b), not only the
図7(b)に示す形態においては、折り目80の延在方向(縦方向X)に沿う両側縁のうちの一方のみを跨ぐ折曲線跨ぎ繊維塊11Sと、他方のみを跨ぐ折曲線跨ぎ繊維塊11Sとが、吸収性コア40の厚み方向において少なくとも一部が同位置にあり、且つ該延在方向に近接配置されていることで、見掛け上、1個の折曲線跨ぎ繊維塊11Sが折り目80の両側縁を跨いでいる。そのため、図7(b)に示す形態によって奏される、個装による折り皺の発生防止効果は、図7(a)に示す形態によって奏されるものと実質的に遜色ない。図7(b)に示す形態において、折曲線8の延在方向に近接する複数個の折曲線跨ぎ繊維塊11Sの間隔は、折り皺の発生を確実に防止する観点から、好ましくは30mm以内、さらに好ましくは10mm以内である。
In the form shown in FIG. 7B, a folded curve straddling
尤も、個装による折り皺の発生をより確実に防止する観点からは、図7(a)に示すように、折曲線跨ぎ繊維塊11Sは、折り目80をその延在方向と交差する方向に跨ぐ1個の繊維塊11Sを含むことが好ましい。換言すれば、折曲線跨ぎ繊維塊11Sには、折り目80をその延在方向と交差する方向に跨ぎ得る大きさを有するものが少なくとも1個含まれていることが好ましい。
However, from the viewpoint of more reliably preventing the occurrence of creases due to individual packaging, as shown in FIG. 7A, the fold curve straddling
また同様の観点から、折曲線跨ぎ繊維塊11Sにおける基本面111の最大差し渡し長さ(図5中符号L2で示す長さ)は、折曲線8に沿って形成される折り目80の延在方向と直交する方向(図示の形態では縦方向X)の長さに比して長いことが好ましい。また斯かる構成により、吸収性コア40内に折曲線跨ぎ繊維塊11Sをより一層確実に存在させることが可能となる。
From the same viewpoint, the maximum transfer length of the basic surface 111 (the length indicated by the reference numeral L2 in FIG. 5) in the
個装による折り皺の発生防止を実効あるものとするためには、折曲線跨ぎ繊維塊11Sの数がある程度は必要である。斯かる観点から、吸収性コア40における折曲線8と厚み方向で重なる部分の、任意の50mm3立方の領域に存する折曲線跨ぎ繊維塊11Sの数は、好ましくは3個以上、さらに好ましくは5個以上である。折曲線跨ぎ繊維塊11Sの数は、例えば以下の方法により測定される。即ち、測定対象の吸収性物品例えばナプキン1から吸収性コア40を取り出し、該吸収性コア40における折曲線8と厚み方向で重なる部分から、該折曲線8の延在方向の長さ50mm、該延在方向と直交する方向の長さ1mm、深さ1mmを切り出して測定サンプルとし、該測定サンプルを目視で観察してその中に含まれる繊維塊11の数を数えればよい。
In order to effectively prevent the occurrence of creases due to individual packaging, the number of
ナプキン1においては図1に示すように、折曲線8がナプキン1を横方向Yに横断しているところ、ナプキン1は、その折曲線8(折り目80)の縦方向Xの外方に、折曲線8(折り目80)よりも曲げ剛性の高い高剛性領域45を有している。より具体的には、ナプキン1においては、2本の折曲線8,8に挟まれた領域である縦中央域Bの横方向Yの中央部に、平面視において長楕円形状の高剛性領域45が、その長軸方向を縦方向Xに一致させて配されている。また、一対のウイング部5W,5Wそれぞれの後方域C寄りの付け根を通って横方向Yに延びる折曲線8よりも縦方向Xの後方側、具体的には後方域Cの横方向Yの中央部に、平面視において長楕円形状の他の高剛性領域45が、その長軸方向を縦方向Xに一致させて配されている。
In the
このように、ナプキン1における、折曲線8(折り目80)の延在方向と直交する方向の外方に、折曲線8(折り目80)に近接して、折曲線8(折り目80)よりも剛性の高い高剛性領域45が配置されていることで、ナプキン1を折り畳んで個装体10とする際に、ナプキン1が折曲線8で優先的に折れ曲がるようになる。つまり高剛性領域45は、ナプキン1を設計通りに折曲線8で折り曲げるようにする、折り曲げ誘導部として機能する。
In this way, the
ナプキン1の高剛性領域45においては、図1に示すように、複数の高剛性部46が間欠配置されている。高剛性部46は、典型的には、吸収性コア40における高剛性領域45の形成予定位置に、熱を伴うエンボス加工、超音波エンボス加工等の公知の圧搾加工を施すことによって形成され、斯かる形成方法に起因して高剛性部46では、そこに存する繊維塊11同士が融着して融着部を形成している。また、このような圧搾加工によって形成された高剛性部46は、圧搾加工が施されていない吸収性コア40の他の部分(非圧搾部)に比して高密度である。高剛性部46の形成する際の圧搾加工は、吸収性コア40の肌対向面側から施してもよく、非肌対向面側から施してもよい。
In the high-
このような、繊維塊11同士の圧搾部である高剛性部46が存在する高剛性領域45としては、吸収性コア40の柔軟性等と折り位置の確実性即ち折曲線8を所定位置に確実に形成することとの両立の観点から、図1に示す如き、複数の高剛性部46(圧搾部)が間欠配置された形態が好ましい。図1に示す高剛性領域45においては、複数の高剛性部46(圧搾部)は、それよりも剛性の低い低剛性部(非圧搾部)に包囲されており、これにより、高剛性領域45の全域が高剛性部46である場合に比して、柔軟性やクッション性等が高い。
As the high-
図1に示す形態では、複数の平面視円形状の高剛性部(圧搾部)46が千鳥状に配置されているが、高剛性部46のパターン(平面視形状及び配置)はこれに限定されない。例えば、高剛性部46の平面視形状としては、図示の如き円形状の他、楕円形状、四角形状ないしひし形状、五角形以上の多角形形状などが挙げられる。
In the form shown in FIG. 1, a plurality of high-rigidity portions (squeezed portions) 46 having a circular shape in a plan view are arranged in a staggered manner, but the pattern (shape and arrangement in a plan view) of the high-
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、吸収体4が吸収性コア40とこれを被覆するコアラップシート41とを含んで構成されていたが、コアラップシート41は無くてもよい。
また、本発明に係る吸収性コアは、それに含有されている繊維塊(合成繊維集合体)の全部が、繊維塊11の如き定形の繊維集合体でなくてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、斯かる定形の繊維集合体に加えてさらに不定形の繊維集合体がごく少量含まれていてもよい。
本発明の吸収性物品は、人体から排出される体液(尿、軟便、経血、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、前述した生理用ナプキンの他、生理用ショーツ、止着テープを有するいわゆる展開型の使い捨ておむつ、パンツ型の使い捨ておむつ、失禁パッド等が包含される。
Although the present invention has been described above based on the embodiment, the present invention can be appropriately modified without being limited to the embodiment.
For example, in the above embodiment, the
Further, in the absorbent core according to the present invention, all of the fiber lumps (synthetic fiber aggregates) contained therein do not have to be a fixed-shaped fiber aggregate such as the
The absorbent article of the present invention broadly includes articles used for absorbing body fluids (urine, loose stool, menstrual blood, sweat, etc.) discharged from the human body, and in addition to the above-mentioned menstrual napkins, sanitary shorts and fastenings. So-called deployable disposable diapers with tape, pants-type disposable diapers, incontinence pads and the like are included.
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
A 前方域
B 縦中央域
C 後方域
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
11 繊維塊
11S 折曲線跨ぎ繊維塊
11F 繊維塊の構成繊維(合成繊維)
110 本体部
111 基本面
112 骨格面
12F 親水性繊維
41 コアラップシート
45 高剛性領域
46 高剛性部
5 吸収性本体
7 凹陥部
8 折曲線
80 折り目
10bs 繊維塊の原料繊維シート
10 個装体
1 Menstrual napkin (absorbent article)
A Front area B Vertical center area
110
Claims (7)
前記吸収性コアは、合成繊維を含む繊維塊と親水性繊維とを含有し、該繊維塊同士又は該繊維塊と該親水性繊維とが交絡しており、
前記繊維塊は、2つの対向する基本面と、該2つの基本面を連結する骨格面とを具備し、
前記表面シートの肌対向面に、該表面シートを内側にして前記吸収性物品を折り畳む際に使用される折曲線が所定方向に延在しており、
前記吸収性コアにおける前記折曲線と厚み方向で重なる部分に、該折曲線をその延在方向と交差する方向に跨ぐ折曲線跨ぎ繊維塊が存在し、且つ
前記吸収性コアに含有されている全ての前記繊維塊同士が融着せずに交絡しているか、又は、
前記吸収性物品の肌対向面に前記表面シート及び前記吸収性コアが該吸収性コアの非肌対向面側に一体的に凹陥した凹陥部が形成されているとともに、前記折曲線の一部と該凹陥部とが厚み方向で重なっている場合において、該吸収性コアにおける該凹陥部と厚み方向で重なる部分の前記繊維塊同士が融着し、且つ該吸収性コアにおける該凹陥部と厚み方向で重なる部分以外の部分の該繊維塊同士が融着せずに交絡しており、
前記折曲線跨ぎ繊維塊同士が融着せずに交絡している部分を含む吸収性物品。 An absorbent body including an absorbent core and a surface sheet arranged on the skin-facing surface side of the absorbent body are provided, and the absorbent body has a vertical direction corresponding to the front-back direction of the wearer and a horizontal direction orthogonal to the vertical direction. It ’s an article,
The absorbent core contains a fiber mass containing synthetic fibers and a hydrophilic fiber, and the fiber masses or the fiber mass and the hydrophilic fiber are entangled with each other.
The fiber mass comprises two opposing basic surfaces and a skeletal surface connecting the two basic surfaces.
On the skin-facing surface of the surface sheet, a folding curve used for folding the absorbent article with the surface sheet inside extends in a predetermined direction.
In the portion of the absorbent core that overlaps the folding curve in the thickness direction, there is a fiber mass straddling the folding curve that straddles the folding curve in the direction intersecting the extending direction thereof, and all contained in the absorbent core. The fiber lumps of the above are entangled with each other without being fused, or
A concave portion in which the surface sheet and the absorbent core are integrally recessed on the non-skin facing surface side of the absorbent core is formed on the skin facing surface of the absorbent article, and a part of the folding curve is formed. When the recessed portion overlaps in the thickness direction, the fiber lumps in the portion overlapping the recessed portion in the thickness direction in the absorbent core are fused to each other, and the recessed portion in the absorbent core and the thickness direction are fused. The fiber lumps in the parts other than the overlapping parts are entangled without being fused .
An absorbent article including a portion in which the fiber lumps straddling the folding curve are entangled without being fused .
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